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技術 オイルセパレータ

出願人 小島プレス工業株式会社トヨタ自動車株式会社
発明者 松田浩孝山本道隆
出願日 2016年12月20日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-246181
公開日 2018年6月28日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-100608
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関潤滑の細部、換気
主要キーワード 流路延長 延長リブ 上下方向孔 ラビリンス式 バイブレーション溶着 液状オイル 傾斜リブ 下流室
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、金属製のリブ廃止できるオイルセパレータの提供。

解決手段

前段セパレータ30と後段セパレータ40が、ともに樹脂製部品のみで構成されている。そのため、エンジンブロックに一体的に周方向に連続するリブを設けてエンジンブロックの側面、リブおよび樹脂製カバーで囲まれるスペースを前段セパレータとして使用する場合(従来)と異なり、エンジンブロックに一体的に設けられる周方向に連続するリブを廃止できる。

概要

背景

内燃機関、例えば自動車エンジン等においては、その稼働時において、ピストンリングシリンダ壁との隙間から漏出するブローバイガス大気中に排出することは大気汚染の原因になるとして、いわゆるPCVポジティブクランクケースベンチレーション)システムにより吸気系に戻し再燃焼させることが行われている。
ところで、ブローバイガス中にはエンジンオイル等の潤滑油微粒化されたオイルミストが含まれている。そのため、ブローバイガス中のオイルミストを分離回収する手段として、シリンダヘッドカバーの内側やクランクケースと吸気通路とを連結する連結流路の途中のエンジンブロックの側面等にオイルミスト捕集装置(オイルセパレータ)が設けられている。

オイルセパレータがエンジンブロックの側面に設けられる場合、微粒化されたオイルミストだけでなく、クランクシャフト攪拌されたオイル集約されてなる大量の液状オイルもオイルセパレータ内に進入してくる。そのため、オイルセパレータには、微粒化されたオイルミストの捕集能力だけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も要求される。

特許文献1は、エンジンブロックの側面に設けられるオイルセパレータであって、微粒化されたオイルミストの捕集能力を有するだけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も有する、オイルセパレータを開示している。

上記特許文献1開示のオイルセパレータでは、図8、図9に示すように、エンジンブロック1の側面1aに周方向に連続する金属製のリブ1bを一体的に立設して、樹脂製のカバー2を被せている。そして、エンジンブロック1の側面1a、リブ1bおよびカバー2で囲まれるスペースS2を大量の液状オイルを捕集する前段セパレータプリセパレータ)として使用し、カバー2に取付けられるサイクロンセパレータ3をオイルミストを捕集するために使用している。

しかし、上記特許文献1開示の技術には、つぎの問題点がある。
(a)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、エンジンブロック1の側面1aに取付けられるノックセンサの位置によっては、リブ1bがエンジンのノック波遮断するおそれがある。その場合、ノックセンサでの検出が困難になり、センサの検出調節に時間がかかってしまう。
(b)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、オイルセパレータの軽量化を図ることが困難である。
(c)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、リブ1bとカバー2とのシールを確実にしつつカバー2をエンジンブロック1に組付けるために、比較的多数(特許文献1開示の場合には8個)のボルト3a〜3hが必要になる。

概要

エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、金属製のリブを廃止できるオイルセパレータの提供。前段セパレータ30と後段セパレータ40が、ともに樹脂製部品のみで構成されている。そのため、エンジンブロックに一体的に周方向に連続するリブを設けてエンジンブロックの側面、リブおよび樹脂製カバーで囲まれるスペースを前段セパレータとして使用する場合(従来)と異なり、エンジンブロックに一体的に設けられる周方向に連続するリブを廃止できる。

目的

本発明の目的は、エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、金属製のリブを廃止できるオイルセパレータを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エンジンブロックの外部に配設されて該エンジンブロックの側面に組付けられる樹脂製のオイルセパレータであって、前記エンジンブロック内のオイル混合ガスをオイルセパレータ内に導入する第1導入孔および第2導入孔と、前記第1、第2導入孔から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータと、前記前段セパレータより下流側に配置されており、前記前段セパレータで捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータと、前記後段セパレータの下流側に形成され、前記前段セパレータおよび後段セパレータでオイルが分離されたガスをオイルセパレータの外部に排出するガス排出孔と、を有し、前記前段セパレータと前記後段セパレータが、ともに樹脂製部品のみで構成されている、オイルセパレータ。

請求項2

前記前段セパレータは、前記第1、第2の導入孔のうち液状オイルの導入量が多い方の導入孔の上方で、下方、かつ、前記第1、第2の導入孔のうち液状オイルの導入量が少ない方の導入孔に接近する方向に延びる、傾斜リブ部を有する、請求項1記載のオイルセパレータ。

請求項3

前記後段セパレータは、ラビリンス式セパレータであり、オイルセパレータの厚み方向一側にある上流室と、オイルセパレータの厚み方向の他側にあり上流側端で前記上流室の下流側端連なり下流側端で前記ガス排出孔に連なる下流室と、の2層構造とされている、請求項1または請求項2記載のオイルセパレータ。

請求項4

前記下流室の下流側端部における流路断面積は、該下流側端部より上流側にある下流室部分の流路断面積より、大とされている、請求項3記載のオイルセパレータ。

請求項5

オイルセパレータは、前記厚み方向が水平方向から傾いた姿勢で前記エンジンブロックに組付けられており、前記下流室は前記上流室よりも上側にある、請求項3または請求項4記載のオイルセパレータ。

技術分野

0001

本発明は、オイルセパレータに関し、特にエンジンブロックの側面に設定されるオイルセパレータに関する。

背景技術

0002

内燃機関、例えば自動車エンジン等においては、その稼働時において、ピストンリングシリンダ壁との隙間から漏出するブローバイガス大気中に排出することは大気汚染の原因になるとして、いわゆるPCVポジティブクランクケースベンチレーション)システムにより吸気系に戻し再燃焼させることが行われている。
ところで、ブローバイガス中にはエンジンオイル等の潤滑油微粒化されたオイルミストが含まれている。そのため、ブローバイガス中のオイルミストを分離回収する手段として、シリンダヘッドカバーの内側やクランクケースと吸気通路とを連結する連結流路の途中のエンジンブロックの側面等にオイルミスト捕集装置(オイルセパレータ)が設けられている。

0003

オイルセパレータがエンジンブロックの側面に設けられる場合、微粒化されたオイルミストだけでなく、クランクシャフト攪拌されたオイル集約されてなる大量の液状オイルもオイルセパレータ内に進入してくる。そのため、オイルセパレータには、微粒化されたオイルミストの捕集能力だけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も要求される。

0004

特許文献1は、エンジンブロックの側面に設けられるオイルセパレータであって、微粒化されたオイルミストの捕集能力を有するだけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も有する、オイルセパレータを開示している。

0005

上記特許文献1開示のオイルセパレータでは、図8図9に示すように、エンジンブロック1の側面1aに周方向に連続する金属製のリブ1bを一体的に立設して、樹脂製のカバー2を被せている。そして、エンジンブロック1の側面1a、リブ1bおよびカバー2で囲まれるスペースS2を大量の液状オイルを捕集する前段セパレータプリセパレータ)として使用し、カバー2に取付けられるサイクロンセパレータ3をオイルミストを捕集するために使用している。

0006

しかし、上記特許文献1開示の技術には、つぎの問題点がある。
(a)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、エンジンブロック1の側面1aに取付けられるノックセンサの位置によっては、リブ1bがエンジンのノック波遮断するおそれがある。その場合、ノックセンサでの検出が困難になり、センサの検出調節に時間がかかってしまう。
(b)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、オイルセパレータの軽量化を図ることが困難である。
(c)金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、リブ1bとカバー2とのシールを確実にしつつカバー2をエンジンブロック1に組付けるために、比較的多数(特許文献1開示の場合には8個)のボルト3a〜3hが必要になる。

先行技術

0007

特開2013−199897号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、金属製のリブを廃止できるオイルセパレータを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1)エンジンブロックの外部に配設されて該エンジンブロックの側面に組付けられる樹脂製のオイルセパレータであって、
前記エンジンブロック内のオイル混合ガスをオイルセパレータ内に導入する第1導入孔および第2導入孔と、
前記第1、第2導入孔から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータと、
前記前段セパレータより下流側に配置されており、前記前段セパレータで捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータと、
前記後段セパレータの下流側に形成され、前記前段セパレータおよび後段セパレータでオイルが分離されたガスをオイルセパレータの外部に排出するガス排出孔と、
を有し、
前記前段セパレータと前記後段セパレータが、ともに樹脂製部品のみで構成されている、オイルセパレータ。
(2) 前記前段セパレータは、前記第1、第2の導入孔のうち液状オイルの導入量が多い方の導入孔の上方で、下方、かつ、前記第1、第2の導入孔のうち液状オイルの導入量が少ない方の導入孔に接近する方向に延びる、傾斜リブ部を有する、(1)記載のオイルセパレータ。
(3) 前記後段セパレータは、ラビリンス式セパレータであり、オイルセパレータの厚み方向一側にある上流室と、オイルセパレータの厚み方向の他側にあり上流側端で前記上流室の下流側端連なり下流側端で前記ガス排出孔に連なる下流室と、の2層構造とされている、(1)または(2)記載のオイルセパレータ。
(4) 前記下流室の下流側端部における流路断面積は、該下流側端部より上流側にある下流室部分の流路断面積より、大とされている、(3)記載のオイルセパレータ。
(5) オイルセパレータは、前記厚み方向が水平方向から傾いた姿勢で前記エンジンブロックに組付けられており、前記下流室は前記上流室よりも上側にある、(3)または(4)記載のオイルセパレータ。

発明の効果

0010

上記(1)のオイルセパレータによれば、つぎの効果を得ることができる。
前段セパレータと後段セパレータが、ともに樹脂製部品のみで構成されているため、エンジンブロックに一体的に周方向に連続するリブを設けてエンジンブロックの側面、リブおよび樹脂製カバーで囲まれるスペースを前段セパレータとして使用する場合(従来)と異なり、エンジンブロックに一体的に設けられる周方向に連続するリブを廃止できる。なお、エンジンブロックに設けられるリブを廃止できるため、(i)リブがエンジンのノック波を遮断することを抑制できる。また、(ii)リブが設けられる場合に比べてオイルセパレータの軽量化を図ることができる。さらにまた、(iii)全周に連続するリブと樹脂製オイルセパレータとのシール構造が不要になり、その結果、第1、第2導入孔およびガス排出孔の各孔まわりのみをシールするだけで良いため、シール長を短くでき、シール性を確保しつつ樹脂製オイルセパレータをエンジンブロックに組付けるための締結ボルトの本数を低減できる。

0011

上記(2)のオイルセパレータによれば、つぎの効果を得ることができる。
液状オイルの導入量が多い方の導入孔から前段オイルセパレータ内に導入された液状オイルは、傾斜リブ部に衝突し、傾斜リブ部に沿って(ガイドされて)下方かつ液状オイルの導入量の少ない方の導入孔に向って流れる。よって、オイルセパレータ内に導入された液状オイルを導入量の少ない方の導入孔から効率よくオイルセパレータ外に排出できる。

0012

上記(3)のオイルセパレータによれば、つぎの効果を得ることができる。
2層構造とされているため、後段セパレータの流路長を稼ぐことができ、後段セパレータによるオイル分離性能を高めることができる。なお、2層構造にすることで1層構造の場合に比べて流路断面積が狭くなるが、大量の液状オイルが流れる前段セパレータではなく前段セパレータで液状オイルが分離された後のオイルミストが流れる後段セパレータであるため、2層構造にして流路断面積が狭くなっていても、流路がオイルで詰まってしまうことは抑制できる。

0013

上記(4)のオイルセパレータによれば、つぎの効果を得ることができる。
下流室の下流側端部における流路断面積が、該下流側端部より上流側にある下流室部分の流路断面積より大とされているため、下流室を通ってガス排出孔に流れるガスの流速を下流室の下流側端部で低減させることができる。そのため、オイルセパレータで分離されたオイルがガス排出孔に持ち去られてしまうことを抑制できる。

0014

上記(5)のオイルセパレータによれば、つぎの効果を得ることができる。
オイルセパレータが、厚み方向が水平方向から傾いた姿勢でエンジンブロックに組付けられており、下流室が上流室よりも上側にあるため、下流室と上流室とが同一高さにある場合よりもさらに、ラビリンス式の後段セパレータにて、オイル自体の重力落下効果によるオイル分離効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明実施例のオイルセパレータの、エンジンブロックの側面に組付けられている状態の正面図である。
本発明実施例のオイルセパレータが組付けられるエンジンブロックのみの部分拡大図である。
本発明実施例のオイルセパレータの分解斜視図である。
本発明実施例のオイルセパレータの、第1、第2ピースのみで第3ピースを省略した状態の正面図である。
図1のA−A線拡大断面図である。
図1のB−B線拡大断面図である。
本発明実施例のオイルセパレータの、厚み方向が水平方向から傾斜している状態を示す、拡大断面図である。
従来のオイルセパレータの部分拡大正面図である。
従来のオイルセパレータの側方断面図である。

実施例

0016

以下に、図1図7を参照して、本発明実施例のオイルセパレータを説明する。なお、図中、UPは上方(車両上方)を示す。

0017

本発明実施例のオイルセパレータ10は、図示略の自動車エンジンクランクケース内に発生するオイル混合ガス(ブローバイガス)からオイル(オイルミスト)を分離させて、分離させたオイルをクランクケースに戻すものである。

0018

オイルセパレータ10は、図1に示すように、エンジンブロック100と別体に形成されており、エンジンブロック100の外部に配設されてエンジンブロック100の側面100aに組付けられる。エンジンブロック100は、特に明示はしないが、エンジンのシリンダヘッドシリンダブロックおよびクランクケースで構成されている。オイルセパレータ10は樹脂製である。ただし、オイルセパレータ10は金属製であってもよい。

0019

オイルセパレータ10は、それぞれ別々に型成形された後にバイブレーション溶着振動溶着)等により固定される、複数部品構成である。なお、本発明実施例および図示例では、3部品構成である場合を例にとって説明するが、2部品構成であってもよく、4部品以上で構成されていてもよい。

0020

オイルセパレータ10は、図3に示すように、第1ピース10a、第2ピース10bおよび第3ピース10cの3部品構成である。オイルセパレータ10は、第1ピース10aでエンジンブロック100にボルト110(図1参照)とメタルタッチのためのカラー110a(図3参照)を用いて固定して取付けられている。第2ピース10bは、第1ピース10aのエンジンブロック100への組付け方向と同方向に、第1ピース10aにバイブレーション溶着等で締結部材を用いずに固定して取付けられる。第3ピース10cは、第1ピース10aのエンジンブロック100への組付け方向(すなわち、第2ピース10bの第1ピース10aへの組付け方向)と同方向に、第2ピース10bにバイブレーション溶着等で締結部材を用いずに固定して取付けられる。したがって、第1、第2、第3ピース10a、10b、10cの組付け方向は、全て同一方向(単一方向)であり、オイルセパレータ10の組立およびオイルセパレータ10のエンジンブロック100への組付けの容易化が図られている。そして、この組付け方向が、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行とされている。

0021

オイルセパレータ10は、(i)エンジンブロック100内のオイル混合ガスをオイルセパレータ10内に導入する第1、第2導入孔21,22と、(ii)第1、第2導入孔21,22から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータ30と、(iii)前段セパレータ30よりオイルセパレータ10内のガス流れ方向下流側に配置されており、前段セパレータ30で捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータ40と、(iv)後段セパレータ40のガス流れ方向下流側に形成され、前段セパレータ30および後段セパレータ40でオイルが分離されたガスをオイルセパレータ10の外部に排出するガス排出孔50と、を有する。

0022

第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の下端部またはその近傍に形成されている。第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の内部空間の最下部を含む位置に設けられている。第1、第2導入孔21,22は、それぞれ、エンジンブロック100に図示略のクランクケースの内部に連通させて設けられる第1、第2導入通路101,102(図2参照)と連通されている。第1、第2導入孔21,22と、第1、第2導入通路101,102は、オイルセパレータ10によってブローバイガスから分離されたオイルを、オイルセパレータ10の内部空間からクランクケースの内部空間に向けて排出する排出路(ドレン)としても用いられる。第1、第2導入孔21,22は、図3に示すように、第1ピース10aに形成されており、同一またはほぼ同一の高さ位置で互いに間隔をおいて形成されている。第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行な方向に第1ピース10aを貫通して形成されている。

0023

前段セパレータ30は、第1、第2導入孔21,22からオイルセパレータ10内に導入されるオイル混合ガスが最初に流れ込むスペースである。前段セパレータ30の最下部に第1、第2導入孔21,22が設けられている。前段セパレータ30は、第1、第2ピース10a、10bで形成されており、前段セパレータ30の容量を比較的大きくするために、第2ピース10bに第1ピース10aから離れる方向に凹む凹部10b1が設けられている。

0024

前段セパレータ30は、第1、第2導入孔21,22のうち液状オイルの導入量が多い方の導入孔である第1導入孔21の上方で、下方、かつ、第1、第2導入孔21,22のうち液状オイルの導入量が少ない方の導入孔である第2導入孔22に接近する方向に延びる、傾斜リブ部31を有する。傾斜リブ31は、第1、第2ピース10a、10bの一方から第1、第2ピース10a、10bの他方に向って延びており、先端部で該他方のピースに溶着等で固定されている。傾斜リブ31は、第1ピース10aの真上に位置していてもよく、斜め上方のみに位置していてもよい。傾斜リブ31には、第1導入孔21から導入される比較的大量の液状オイルが当たる。このため、第1導入孔21から導入される液状オイルが傾斜リブ31によって後段セパレータ40に流れることが抑制されている。

0025

前段セパレータ30には、第1、第2導入孔21,22のうち液状オイルの導入量が少ない方の導入孔である第2導入孔22の上方にも、リブ32が設けられていることが望ましい。リブ32が設けられることで、第2導入孔22から導入される液状オイルがリブ32に当たり、後段セパレータ40に流れることが抑制されるからである。

0026

前段セパレータ30で分離(捕集といってもよい。以下同じ。)された液状オイルは、自重で前段セパレータ30の最下部に向って流れ、第1、第2導入孔21,22(主には第2導入孔22)からオイルセパレータ10外に排出される。また、前段セパレータ30で分離しきれなかったオイル(オイルミスト)は、前段セパレータ30の上方にある後段セパレータ40に流入する。

0027

後段セパレータ40は、オイル混合ガスから主としてオイルミストを分離するために設けられる、ラビリンス式セパレータである。ただし、後段セパレータ40は、サイクロン式セパレータであってもよく、慣性衝突式セパレータであってもよい。なお、ラビリンス式は、セパレータ内空間を部分的に仕切り、オイル混合ガスのセパレータ内での流路長を長くしてオイルが自重で落下することを促すとともに、セパレータ内空間を部分的に仕切ることでオイル混合ガスの流速を高めてセパレータ壁面にオイルが衝突することを促す方式である。また、サイクロン式は、オイル混合ガスを旋回運動させて該旋回運動による遠心力によりオイル混合ガスからオイルを分離する方式である。また、慣性衝突式は、オイルが衝突する衝突板を設け、該衝突板にオイル混合ガスを衝突させてオイルを付着させて分離する方式である。

0028

後段セパレータ40は、前段セパレータ30を通ってきたオイル混合ガスを受け入れる入口部41と、オイルセパレータ10の厚み方向Dの一側にある上流室42と、オイルセパレータ10の厚み方向Dの他側にある下流室43と、を有する。すなわち、後段セパレータ40は、図6に示すように、上流室42と下流室43との2層構造となっている。

0029

入口部41は、図3に示すように、第2ピース10bに形成される孔からなる。入口部41は、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行な方向に第2ピース10bを貫通して形成されている。入口部41を上下方向ではなく厚み方向Dに貫通する孔としている理由は、上下方向孔である場合に比べて、前段セパレータ10内の液状オイルが後段セパレータ40内に進入し難くなるからである。

0030

上流室42は、前段セパレータ30から入口部41を通って後段セパレータ40内に進入してきたオイル混合ガスが最初に流れ込むスペースである。すなわち、上流室42は、上流室42の上流側端で入口部41に連なっている。上流室42の最下部を含む部分に入口部41が設けられている。そのため、上流室42で分離されたオイルは、入口部41を通って前段セパレータ30に流れるようになる。上流室42は、第2ピース10bと第3ピース10cで形成されている。

0031

上流室42には、上流室42の流路長を長くするとともに上流室42の流路断面積を狭くするために、流路延長リブ42aが設けられていることが望ましい。流路延長リブ42aは、第2、第3ピース10b、10cの一方から第2、第3ピース10b、10cの他方に向って延び、先端部で該他方のピースに溶着等で固定されている。なお、図3では、第3ピース10cから第2ピース10bに向って延び、先端部で第2ピース10bに溶着固定される場合を示している。

0032

下流室43は、第2ピース10bと第1ピース10aで形成されている。下流室43は、上流室42を流れてきたオイル混合ガスが流れ込むスペースである。すなわち、下流室43は、下流室43の上流側端で上流室42の下流側端に連なっている。下流室43の上流側端と上流室42の下流側端との連通孔44は、第2ピース10bに形成されており、オイルセパレータ10の上端部またはその近傍に形成されている。連通孔44は、オイルセパレータ10の内部空間の最上部を含む位置に設けられている。このため、ラビリンス式の後段セパレータ40によるオイル分離効果を高めることができる。

0033

下流室43は、下流室43の下流側端でガス排出孔50に連なっている。そのため、後段セパレータ40内に流入したオイル混合ガスは、後段セパレータ40でオイルが分離された後、ガス排出孔50からオイルセパレータ10外に流れる。

0034

下流室43は、下流室43の流路長を長くするとともに下流室43の流路断面積を狭くするために、下流側流路延長リブ43aが設けられていることが望ましい。下流側流路延長リブ43aは、第1、第2ピース10a、10bの一方から第1、第2ピース10a、10bの他方に向って延び、先端部で該他方のピースに溶着等で固定されている。なお、図3では、第1ピース10aから第2ピース10bに向って延び、先端部で第2ピース10bに溶着固定される場合を示している。

0035

下流室43の最下部には、小径孔43bが設けられている。小径孔43bは、厚み方向Dと平行な方向に第2ピース10bを貫通して形成されている。小径孔43bは、下流室43で分離したオイルを上流室42に流すために設けられる。小径孔43bの径は、比較的小径とされており、上流室42内のオイル混合ガスが小径孔43bを通って下流室43内に流れること(ショートカットすること)が抑制されている。小径孔43bから上流室42内に流れたオイルは、上流室42から入口部41を通って前段セパレータ30内に流れ、その後、第1、第2導入孔21,22を通ってオイルセパレータ10から排出される。

0036

図6に示すように、下流室43の下流側端部における流路断面積Sは、該下流側端部より上流側にある下流室43部分(下流側端部以外の部分)の流路断面積S1より、大とされている。下流側端部における流路断面積Sは、図3に示すように、第2ピース10bに第1ピース10aから離れる方向に凹む凹部10b2を設けることで、該下流側端部より上流側にある下流室43部分の流路断面積S1より大とされている。凹部10b2は、ガス排出孔50に対向する位置に設けられている。

0037

オイルセパレータ10は、図7に示すように、エンジンブロック100に、厚み方向Dが水平方向Lから角度θだけ傾いた姿勢で組付けられることがある。この場合、下流室43は上流室42よりも上側にあることが望ましい。後段セパレータ40が厚み方向Dに上流室42と下流室43の2層構造となっている場合であっても、上流室42よりも下流室43を上側に設定でき、オイルの自重落下効果を高めることができるからである。なお、θは、45度未満の角度であり、たとえば10度以上15度未満の角度である。

0038

ガス排出孔50は、図3に示すように、オイルセパレータ10の上端部またはその近傍に形成されている。ガス排出孔50は、オイルセパレータ10の内部空間の最上部を含む位置またはその近傍に設けられている。ガス排出孔50はエンジンブロック100の内部通路103(図2参照)と連通されている。ガス排出孔50を通ってオイルセパレータ10から排出されたガスは、内部通路103を通って図示略のエンジン吸気系に流れる。

0039

オイルセパレータ10は、前述したように、エンジンブロック100にボルト110を用いて固定して取付けられている。また、第1、第2導入孔21,22が、それぞれ、エンジンブロック100に設けられる第1、第2導入通路101,102と連通されている。さらにまた、ガス排出孔50がエンジンブロック100の内部通路103と連通されている。そのため、第1、第2導入孔21,22およびガス排出孔50の各孔まわり(のみ)のシールが必要になる。そのため、図2に示すように、各孔まわりのみに各孔より若干径大とされたシール部材120が設けられている。シール部材120は、オイルセパレータ10とエンジンブロック100の両方に接触している。

0040

各シール部材120のシール効果を確保するためには、オイルセパレータ10をエンジンブロック100に締結するボルト110は、各シール部材120の両側に設定されていることが望ましい。これは、各シール部材120に全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができるからである。しかし、3つのシール部材120があるため、1つのシール部材120に両側に1個ずつ(計2個)設けると合計6個のボルトが必要になってしまい、ボルト点数が多くなってしまう。

0041

そこで、本発明実施例では、つぎのようになっている。
ボルト110は、図1に示すように、(a)第1導入孔21(第1導入通路101)に対して第2導入孔22(第2導入通路102)と反対側に設けられる第1ボルト111と、(b)第2導入孔22(第2導入通路102)に対して第1導入孔21(第1導入通路101)と反対側に設けられる第2ボルト112と、(c)ガス排出孔50(内部通路103)に対して第1導入孔21(第1導入通路101)および第2導入孔22(第2導入通路102)と反対側に設けられる第3ボルト113と、(d)第1導入孔21(第1導入通路101)に対して第1ボルト111と反対側で第2導入孔22(第2導入通路102)に対して第2ボルト112と反対側でガス排出孔50(内部通路103)に対して第3ボルト113と反対側に設けられる第4ボルト114と、からなる。

0042

第4ボルト114が、第1導入孔21(第1導入通路101)に対して第1ボルト111と反対側で第2導入孔22(第2導入通路102)に対して第2ボルト112と反対側でガス排出孔50(内部通路103)に対して第3ボルト113と反対側に設けられるため、3つのシール部材120のシールに要するボルト110の数が4個で済むようになっている。

0043

つぎに、本発明実施例の効果を説明する。

0044

(A)前段セパレータ30と後段セパレータ40が、ともに樹脂製部品のみで構成されているため、エンジンブロックに一体的に周方向に連続するリブを設けてエンジンブロックの側面、リブおよび樹脂製カバーで囲まれるスペースを前段セパレータとして使用する場合(従来)と異なり、エンジンブロックに一体的に設けられる周方向に連続するリブを廃止できる。なお、エンジンブロックに設けられるリブを廃止できるため、(i)リブがエンジンのノック波を遮断することを抑制できる。また、(ii)リブが設けられる場合に比べてオイルセパレータの軽量化および低コスト化を図ることができる。さらにまた、(iii)全周に連続するリブと樹脂製オイルセパレータとのシール構造が不要になり、その結果、第1、第2導入孔21,22およびガス排出孔50の各孔まわりのみをシールするだけで良いため、シール長を短くでき、シール性を確保しつつ樹脂製オイルセパレータ10をエンジンブロック100に組付けるための締結ボルト110の本数を低減できる。

0045

(B)液状オイルの導入量が多い方の導入孔21から前段オイルセパレータ30内に導入された液状オイルは、傾斜リブ部31に衝突し、傾斜リブ部31に沿って(ガイドされて)下方かつ液状オイルの導入量の少ない方の導入孔22に向って流れる。よって、オイルセパレータ10内に導入された液状オイルを導入量の少ない方の導入孔22から効率よくオイルセパレータ10外に排出できる。また、液状オイルの導入量が多い方の導入孔21から導入された液状オイルが、該導入量の多い方の導入孔21に逆流して該導入量の多い方の導入孔21が詰まることを抑制できる。なお、本発明実施例では、液状オイルの導入量が多い方の導入孔が第1導入孔21である場合を説明したが、液状オイルの導入量が多い方の導入孔は第2導入孔22であってもよい。

0046

(C)後段セパレータ40が上流室42と下流室43の2層構造とされているため、後段セパレータ40の流路長を稼ぐことができ、後段セパレータ40によるオイル分離性能を高めることができる。なお、2層構造にすることで1層構造の場合に比べて流路断面積が狭くなるが、大量の液状オイルが流れる前段セパレータ30ではなく前段セパレータ30で液状オイルが分離された後のオイルミストが流れる後段セパレータ40であるため、2層構造にして流路断面積が狭くなっていても、流路がオイルで詰まってしまうことは抑制できる。

0047

(D)下流室43の下流側端部における流路断面積Sが、該下流側端部より上流側にある下流室43部分の流路断面積S1より大とされているため、下流室43を通ってガス排出孔50に流れるガスの流速を下流室43の下流側端部で低減させることができる。そのため、オイルセパレータ10で分離されたオイルがガス排出孔50に持ち去られてしまうことを抑制できる。

0048

(E)オイルセパレータ10が、厚み方向Dが水平方向から傾いた姿勢でエンジンブロック100に組付けられており、下流室43が上流室42よりも上側にあるため、下流室43と上流室42とが同一高さにある場合よりもさらに、ラビリンス式の後段セパレータ40にて、オイル自体の重力落下効果によるオイル分離効果を得ることができる。

0049

(F)第4ボルト114が設けられるため、3つのシール部材120のシールに要するボルト110の数が4個で済み、ボルト点数の削減を図ることができる。

0050

(G)第1、第2、第3ピース10a、10b、10cにて前段セパレータ30と後段セパレータ40の両方を形成しているため、後段セパレータ40のみ別途作製して第1、第2、第3ピース10a、10b、10cのいずれかに組付ける場合と異なり、組付けに要するスペースを削減でき、オイルセパレータ10の搭載スペース上で有利である。

0051

10オイルセパレータ
10a 第1ピース
10b 第2ピース
10b1、10b2 凹部
10c 第3ピース
21 第1導入孔
22 第2導入孔
30前段セパレータ
31傾斜リブ
40後段セパレータ
41 入口部
42上流室
42a流路延長リブ
43下流室
43a下流側流路延長リブ
43b小径孔
44連通孔
50ガス排出孔
100エンジンブロック
101 第1導入通路
102 第2導入通路
103内部通路
110ボルト
111 第1ボルト
112 第2ボルト
113 第3ボルト
114 第4ボルト
120シール部材
D 厚み方向
S 下流室の下流側端部における流路断面積
S1 下流室の下流側端部以外の部分の流路断面積

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