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技術 栄養学的及び医学的用途のためのプロバイオティクスとして使用するための細菌

出願人 フォーディーファーマリサーチリミテッド
発明者 ケリーデニセ
出願日 2018年2月7日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2018-020250
公開日 2018年6月28日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-099126
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード モータースイッチ 遷移事象 経路マップ 副単位 顕微鏡設定 オンラインツール 乾燥体重 エネルギー収集
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

対象の免疫系を制御すること、免疫障害治療すること、腸管障害を治療すること、腸管微生物叢を改善すること、対象の自然免疫系を制御すること、対象の適応免疫系を制御すること、対象における食欲を制御すること、Treg及び免疫寛容を促進すること、対象における腸の健康を促進すること、及び/又は対象における免疫ホメオスタシスを維持することに使用するための細菌種の提供。

解決手段

ロゼブリア・ホミニスに属する細菌株、又は該細菌株を含む医薬組成物プロバイオティクス組成物飼料食品栄養補助食品若しくは食品添加物

概要

背景

子宮内で最初は無菌と考えられているヒトの腸管は、出生後すぐに多種多様母体及び環境の微生物に晒される。腸内でのその後の定着及び遷移事象は、生後1年間、動的なままであり、その後、微生物叢成体様になり、比較的安定になる(Spor, A., Koren, O.,
& Ley, R. (2011) Unravelling the effects of the environment and host genotype on the gut microbiome. Nat. Rev. Microbiol. 9: 279-290)。ヒトの腸内微生物叢は、
2つの主要な細菌門バクテロイデス門(Bacteroidetes)及びファーミキューテス門(Firmicutes)に本質的に属する500超の異なるフィロタイプ系統型)を含有する(Eckburg,P. B., Bik, E. M., Bernstein, C. N., Purdom, E., Dethlefsen, L., Sargent, M.,Gill, S. R., Nelson, K. E., & Relman, D. A. (2005) Diversity of the human intestinal microbial flora. Science 308: 1635-1638)。ヒトの腸の細菌の定着に起因する首尾良い共生関係が、多種多様の代謝、構造、防御機能及び他の有益な機能をもたらしている。定着した腸の増強した代謝活性により、他では消化しにくい食事成分が、放出された副産物によって分解され、宿主のための重要な栄養源となることが確保される。同様に、腸内微生物叢の免疫学的重要性は十分に認識されており、免疫系が損傷した無菌動物において、片利共生細菌の導入後に、損傷した免疫系が機能的に再構成されることが例証されている(Macpherson, A. J., Hunziker, L., McCoy, K., & Lamarre, A. (2001)IgA
responses in the intestinal mucosa against pathogenic and non-pathogenicmicroorganisms. Microbes. Infect. 3: 1021-1035、Macpherson,A. J., Martinic, M. M., & Harris, N. (2002) The functions of mucosal Tcells in containing the indigenous commensal flora of the intestine. Cell Mol.Life Sci. 59: 2088-2096、Mazmanian, S. K., Liu, C. H.,Tzianabos, A. O., & Kasper, D. L. (2005) An immunomodulatory molecule ofsymbiotic bacteria directs maturation of the host immune system. Cell 122:107-118)。

微生物定着それ自体に影響を受ける分泌腸内IgAの産生(Chung, H. & Kasper, D.L. (2010) Microbiota-stimulated immune mechanisms to maintain gut homeostasis.Curr. Opin. Immunol. 22: 455-460、Macpherson, A. J. (2006)IgA adaptation to the presence of commensal bacteria in the intestine. Curr.Top. Microbiol. Immunol. 308: 117-136)とは際だって対照的に、T細胞発生及び分化は特定の片利共生微生物の定
着を必要とするように見える。クロストリジウム属種(Clostridium species)、特に胞
子形成セグメント細菌(SFB,segmented filamentous bacteria)は、腸内Th1、Th17及びTregの成熟のための主要な駆動因子であるように見える(Gaboriau-Routhiau, V., Rakotobe, S., Lecuyer, E., Mulder, I., Lan,A., Bridonneau, C., Rochet,
V., Pisi, A., De, P. M., Brandi, G. et al. (2009) The key role of segmented filamentous bacteria in the coordinated maturation of gut helper T cell responses. Immunity. 31: 677-689、Ivanov, I. I.,Atarashi, K., Manel, N., Brodie, E. L., Shima, T., Karaoz, U., Wei, D.,Goldfarb, K. C., Santee, C. A., Lynch, S. V. et al. (2009) Induction ofintestinal Th17 cells by segmented filamentous bacteria. Cell 139: 485-498)。しかしながら、最近の研究により、現在、改変されたシェドラ(Schaedler flora)の腸内細菌を含む他の腸内細菌は、Tregのデノボ(de novo)生成を誘導できるのに対して、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)による単独定着は、Tregの増殖を促進することにより無菌マウスにおいてTh1/Th2不均衡修正できることが示されている(Mazmanian, S. K., Liu, C. H., Tzianabos, A. O., & Kasper, D. L.(2005) An immunomodulatory molecule of symbiotic bacteria directs maturation ofthe host immune system. Cell 122: 107-118、Geuking, M.B.,
Cahenzli, J., Lawson, M. A., Ng, D. C., Slack, E., Hapfelmeier, S., McCoy, K.D., & Macpherson, A. J. (2011) Intestinal Bacterial Colonization Induces Mutualistic Regulatory T Cell Responses. Immunity)。

概要

対象の免疫系を制御すること、免疫障害治療すること、腸管障害を治療すること、腸管微生物叢を改善すること、対象の自然免疫系を制御すること、対象の適応免疫系を制御すること、対象における食欲を制御すること、Treg及び免疫寛容を促進すること、対象における腸の健康を促進すること、及び/又は対象における免疫ホメオスタシスを維持することに使用するための細菌種の提供。ロゼブリア・ホミニスに属する細菌株、又は該細菌株を含む医薬組成物プロバイオティクス組成物飼料食品栄養補助食品若しくは食品添加物。なし

目的

本発明は、腸内の代謝活性を調節し、及び/又は免疫制御プロセスにおける役割を果たすことができる他の内在する腸内細菌を解明することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

医薬に使用するための、受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性を有する、又は受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有する細菌株

請求項2

受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性を有する、又は受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有する細菌株、及び薬学的に許容される賦形剤担体若しくは希釈剤を含む医薬組成物

請求項3

受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性を有する、又は受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有する細菌株、及び栄養学的に許容される賦形剤、担体若しくは希釈剤を含む栄養補助剤

請求項4

受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性を有する、又は受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有する細菌株を含む、プロバイオティクス組成物飼料食品栄養補助食品若しくは食品添加物

請求項5

細菌株が、受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%のDNA−DNA相同性を有するか;又は前記細菌株が、受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%のDNA−DNA相同性を有し、かつ受託番号NCIMB14029として寄託された株と少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有するか;又は前記細菌株が、受託番号NCIMB14029として寄託された株である、請求項1に記載の使用のための細菌株、又は請求項2〜4のいずれかに記載の医薬組成物、栄養補助剤、プロバイオティクス組成物、飼料、食品、栄養補助食品若しくは食品添加物。

請求項6

細菌株が、単一の3,592,125−bpの染色体、4個のリボソームオペロン、66個のRNA及び3,273個の予測タンパク質からなるゲノムを有する、請求項1に記載の使用のための細菌株、又は請求項2〜4のいずれかに記載の医薬組成物、栄養補助剤、プロバイオティクス組成物、飼料、食品、栄養補助食品若しくは食品添加物。

請求項7

細菌株が、凍結乾燥細菌群の形態である、請求項1に記載の使用のための細菌株、又は請求項2〜4のいずれかに記載の医薬組成物、栄養補助剤、プロバイオティクス組成物、飼料、食品、栄養補助食品若しくは食品添加物。

請求項8

対象の免疫系を制御するのに使用するためである、請求項1又は5に記載の使用のための細菌株。

請求項9

免疫系の制御が、対象の適応免疫系の制御、又は対象の自然免疫系の制御である、請求項8に記載の使用のための細菌株。

請求項10

炎症性障害免疫障害及び腸障害から選択される障害治療するのに使用するためであり、前記障害が、過敏性腸症候群(IBS)、大腸炎クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸障害(IBD)、嚢炎機能性消化不良機能性便秘機能性下痢抗生物質に関連した下痢旅行者の下痢及び小児下痢を含む)、機能性腹痛、機能性腹部膨満心窩部痛症候群、食後愁訴症候群、胃食道逆流症(GERD);糖尿病関節炎多発性硬化症及び乾癬アレルギーなどの自己免疫疾患アトピー性皮膚炎等のアトピー性疾患壊死性腸炎、他の感染症セリアック病、及び鼻炎;並びにそれらの組合せから選択される、請求項1又は5に記載の使用のための細菌株。

請求項11

対象における腸管微生物叢を改善するのに使用するため、対象における腸の健康を促進するのに使用するため、制御性T細胞及び免疫寛容機構を促進するのに使用するため、又は対象における免疫ホメオスタシスを維持するのに使用するためである、請求項1又は5に記載の使用のための細菌株。

請求項12

(i)少なくとも1つの動員又は走化性遺伝子の誘導及び/又は発現を制御する、より好ましくはMobA及びMobLから選択される遺伝子の発現を上方制御する;又は(ii)FlaA1、Fla2、FlaA3及びFlaBから選択される少なくとも1つの遺伝子を制御する;又は(iii)アセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼブチリルCoAデヒドロゲナーゼ電子伝達フラビンタンパク質βサブユニット、電子伝達フラビンタンパク質αサブユニットのうちの少なくとも1つの発現を制御する;又は(iv)Agt、Cartpt、Cck、Cxcl12及びGcgから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を下方制御する;又は(v)回腸又は結腸において少なくとも1つの免疫応答遺伝子活性化させる;又は(vi)T細胞制御に関連する遺伝子の誘導及び/又は発現を制御することにより適応免疫応答を活性化させる;又は(vii)上行結腸においてLy6g6c及びLy6g6eから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を上方制御する;又は(viii)Tlr5、Tlr1、Vnn1、Defb37、Pla2g、Muc16、Itln、Sprr1a、Cldn4、Pmp22、Crb3、Magi3、Marveld3、Mpp7、Defcr20、Pcgf2、Ltbp4、Igsf8及びTcfe2aから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を制御する;請求項1、又は5〜11のいずれかに記載の使用のための細菌株。

請求項13

対象が、哺乳動物、好ましくはヒトである、請求項1又は5〜12のいずれかに記載の使用のための細菌株。

請求項14

組成物が、経口投与適応している、請求項2に記載の医薬組成物。

請求項15

細菌株を、薬学的に許容される賦形剤、担体若しくは希釈剤、又は栄養学的に許容される賦形剤、担体若しくは希釈剤と混合することを含む、請求項2に記載の医薬組成物若しくは請求項3に記載の栄養補助剤を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、細菌種ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)及びその様々な栄養学
的及び治療的使用に関する。

背景技術

0002

子宮内で最初は無菌と考えられているヒトの腸管は、出生後すぐに多種多様母体及び環境の微生物に晒される。腸内でのその後の定着及び遷移事象は、生後1年間、動的なままであり、その後、微生物叢成体様になり、比較的安定になる(Spor, A., Koren, O.,
& Ley, R. (2011) Unravelling the effects of the environment and host genotype on the gut microbiome. Nat. Rev. Microbiol. 9: 279-290)。ヒトの腸内微生物叢は、
2つの主要な細菌門バクテロイデス門(Bacteroidetes)及びファーミキューテス門(Firmicutes)に本質的に属する500超の異なるフィロタイプ系統型)を含有する(Eckburg,P. B., Bik, E. M., Bernstein, C. N., Purdom, E., Dethlefsen, L., Sargent, M.,Gill, S. R., Nelson, K. E., & Relman, D. A. (2005) Diversity of the human intestinal microbial flora. Science 308: 1635-1638)。ヒトの腸の細菌の定着に起因する首尾良い共生関係が、多種多様の代謝、構造、防御機能及び他の有益な機能をもたらしている。定着した腸の増強した代謝活性により、他では消化しにくい食事成分が、放出された副産物によって分解され、宿主のための重要な栄養源となることが確保される。同様に、腸内微生物叢の免疫学的重要性は十分に認識されており、免疫系が損傷した無菌動物において、片利共生細菌の導入後に、損傷した免疫系が機能的に再構成されることが例証されている(Macpherson, A. J., Hunziker, L., McCoy, K., & Lamarre, A. (2001)IgA
responses in the intestinal mucosa against pathogenic and non-pathogenicmicroorganisms. Microbes. Infect. 3: 1021-1035、Macpherson,A. J., Martinic, M. M., & Harris, N. (2002) The functions of mucosal Tcells in containing the indigenous commensal flora of the intestine. Cell Mol.Life Sci. 59: 2088-2096、Mazmanian, S. K., Liu, C. H.,Tzianabos, A. O., & Kasper, D. L. (2005) An immunomodulatory molecule ofsymbiotic bacteria directs maturation of the host immune system. Cell 122:107-118)。

0003

微生物定着それ自体に影響を受ける分泌腸内IgAの産生(Chung, H. & Kasper, D.L. (2010) Microbiota-stimulated immune mechanisms to maintain gut homeostasis.Curr. Opin. Immunol. 22: 455-460、Macpherson, A. J. (2006)IgA adaptation to the presence of commensal bacteria in the intestine. Curr.Top. Microbiol. Immunol. 308: 117-136)とは際だって対照的に、T細胞発生及び分化は特定の片利共生微生物の定
着を必要とするように見える。クロストリジウム属種(Clostridium species)、特に胞
子形成セグメント細菌(SFB,segmented filamentous bacteria)は、腸内Th1、Th17及びTregの成熟のための主要な駆動因子であるように見える(Gaboriau-Routhiau, V., Rakotobe, S., Lecuyer, E., Mulder, I., Lan,A., Bridonneau, C., Rochet,
V., Pisi, A., De, P. M., Brandi, G. et al. (2009) The key role of segmented filamentous bacteria in the coordinated maturation of gut helper T cell responses. Immunity. 31: 677-689、Ivanov, I. I.,Atarashi, K., Manel, N., Brodie, E. L., Shima, T., Karaoz, U., Wei, D.,Goldfarb, K. C., Santee, C. A., Lynch, S. V. et al. (2009) Induction ofintestinal Th17 cells by segmented filamentous bacteria. Cell 139: 485-498)。しかしながら、最近の研究により、現在、改変されたシェドラ(Schaedler flora)の腸内細菌を含む他の腸内細菌は、Tregのデノボ(de novo)生成を誘導できるのに対して、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)による単独定着は、Tregの増殖を促進することにより無菌マウスにおいてTh1/Th2不均衡修正できることが示されている(Mazmanian, S. K., Liu, C. H., Tzianabos, A. O., & Kasper, D. L.(2005) An immunomodulatory molecule of symbiotic bacteria directs maturation ofthe host immune system. Cell 122: 107-118、Geuking, M.B.,
Cahenzli, J., Lawson, M. A., Ng, D. C., Slack, E., Hapfelmeier, S., McCoy, K.D., & Macpherson, A. J. (2011) Intestinal Bacterial Colonization Induces Mutualistic Regulatory T Cell Responses. Immunity)。

先行技術

0004

Spor, A., Koren, O., & Ley, R. (2011)Unravelling the effects of the environment and host genotype on the gutmicrobiome. Nat. Rev. Microbiol. 9: 279-290
Eckburg, P. B., Bik, E. M., Bernstein, C. N.,Purdom, E., Dethlefsen, L., Sargent, M., Gill, S. R., Nelson, K. E., &Relman, D. A. (2005) Diversity of the human intestinal microbial flora. Science308: 1635-1638
Macpherson, A. J., Hunziker, L., McCoy, K.,& Lamarre, A. (2001)IgAresponses in the intestinal mucosa against pathogenic and non-pathogenic microorganisms. Microbes. Infect. 3: 1021-1035
Macpherson, A. J., Martinic, M. M., &Harris, N. (2002) The functions of mucosal T cells in containing the indigenouscommensal flora of theintestine. Cell Mol. Life Sci. 59: 2088-2096
Mazmanian, S. K., Liu, C. H., Tzianabos, A.O., & Kasper, D.L. (2005) An immunomodulatory molecule of symbiotic bacteria directs maturationof the host immune system. Cell 122: 107-118
Chung, H. & Kasper, D. L. (2010)Microbiota-stimulated immune mechanisms to maintain gut homeostasis. Curr.Opin. Immunol. 22: 455-460
Macpherson, A. J. (2006) IgA adaptation tothe presence of commensal bacteria in the intestine. Curr. Top. Microbiol.Immunol. 308: 117-136
Gaboriau-Routhiau, V., Rakotobe, S., Lecuyer,E., Mulder, I., Lan, A., Bridonneau, C., Rochet, V., Pisi, A., De, P. M.,Brandi, G. et al. (2009) The key role of segmented filamentous bacteria in the coordinated maturation of gut helper T cell responses. Immunity. 31: 677-689
Ivanov, I. I., Atarashi, K., Manel, N.,Brodie, E. L., Shima, T., Karaoz, U., Wei, D., Goldfarb, K. C., Santee, C. A.,Lynch, S. V. et al. (2009) Induction of intestinal Th17 cells by segmented filamentous bacteria. Cell139: 485-498
Geuking, M. B., Cahenzli, J., Lawson, M. A.,Ng, D. C., Slack, E., Hapfelmeier, S., McCoy, K. D., & Macpherson, A. J.(2011) Intestinal Bacterial Colonization Induces Mutualistic Regulatory T CellResponses. Immunity

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、腸内の代謝活性を調節し、及び/又は免疫制御プロセスにおける役割を果たすことができる他の内在する腸内細菌を解明することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、ファーミキューテス門(Firmicutes phylum)のメンバーである細菌種ロゼ
ブリア・ホミニスの活性重点を置いている。出願人による研究は、この細菌種が、腸内の免疫制御及び代謝活性において重要な役割を果たすこと、並びに食欲及び満腹遺伝子に
対する効果を有することを実証している。マウスの腸への定着及び適応関与する細菌遺伝子、並びにこの細菌による定着に応答する宿主遺伝子の役割は以下により詳細に記載されている。

0007

本発明の態様は、好ましい実施形態と共に、添付の特許請求の範囲に記載されている。

0008

本発明の第1の態様は、対象の免疫系を制御(regulating)するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0009

本発明の別の態様は、炎症性障害(disorder)、免疫障害及び腸障害から選択される障害を治療するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0010

本発明の別の態様は、免疫ホメオスタシス修復することにより腸の健康を促進するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0011

本発明の別の態様は、対象における腸管微生物叢を改善するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0012

本発明の別の態様は、対象の自然免疫系を制御するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0013

本発明の別の態様は、対象の適応免疫系を制御するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0014

本発明の別の態様は、対象のTreg及び免疫寛容を促進するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0015

本発明の別の態様は、対象における食欲を制御するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0016

本発明の別の態様は、対象の免疫系を制御するための薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0017

本発明の別の態様は、対象における炎症性障害、免疫障害及び腸管障害から選択される障害を治療するための栄養補助剤又は薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0018

本発明の別の態様は、対象における腸管微生物叢を改善するための栄養補助剤又は薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0019

本発明の別の態様は、対象の自然免疫系を制御するための栄養補助剤又は薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0020

本発明の別の態様は、対象の適応免疫系を制御するための栄養補助剤又は薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0021

本発明の別の態様は、対象における食欲を制御するための栄養補助剤又は薬剤の調製における細菌種ロゼブリア・ホミニスの使用に関する。

0022

本発明の別の態様は、栄養学的又は薬学的に有効な量の細菌種ロゼブリア・ホミニスを
対象に投与することを含む、対象における炎症性障害、免疫障害及び腸管障害から選択される障害を治療する方法に関する。

0023

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含む組成物を対象に投与することを含む、対象における腸管微生物叢を改善する方法に関する。

0024

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含む組成物を対象に投与することを含む、対象の自然免疫系を制御する方法に関する。

0025

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含む組成物を対象に投与することを含む、対象の適応免疫系を制御する方法に関する。

0026

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含む組成物を対象に投与することを含む、対象における食欲を制御する方法に関する。

0027

本発明の別の態様は、医薬に使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0028

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスと、薬学的に許容される賦形剤担体又は希釈剤とを含む医薬組成物に関する。

0029

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスと、栄養学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤とを含む栄養補助剤に関する。

0030

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含むプロバイオティクス組成物に関する。

0031

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを含む、飼料食品、栄養補助剤、栄養補助食品又は食品添加物に関する。

0032

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを、薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤と混合することを含む、本発明に係る医薬組成物を製造する方法に関する。

0033

本発明の別の態様は、細菌種ロゼブリア・ホミニスを、栄養学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤と混合することを含む、本発明に係る栄養補助剤を製造する方法に関する。

0034

本発明の別の態様は、対象における免疫ホメオスタシスを維持するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0035

発明の詳細な説明
上述のように、本発明の一態様は、
・免疫障害を治療すること、
・腸管障害を治療すること、
・腸管微生物叢を改善すること、
・対象の自然免疫系を制御すること、
・対象の適応免疫系を制御すること、
・Treg及び免疫寛容を促進すること、
・対象における食欲を制御すること、
・対象における腸の健康を促進すること、及び/又は
・対象における免疫ホメオスタシスを維持すること
のうちの1又は2以上に使用するためのロゼブリア・ホミニスに関する。

0036

ロゼブリア・ホミニス
最近、ファーミキューテス門内の系統発生的クラスターXIVaの片利共生腸内嫌気性菌
と記載されている、ロゼブリア・ホミニスは、ヒトの腸内の細菌の優勢な群に属しており、また、主要なブチレート産生因子でもある(Duncan, S. H., Aminov, R. I., Scott, K. P., Louis, P., Stanton, T.B., & Flint, H. J. (2006) Proposal of Roseburia faecis sp. nov., Roseburiahominis sp. nov. and Roseburia inulinivorans sp. nov., based on isolates from human faeces. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 56: 2437-2441)。本出願人は、この細菌についての完全なゲノム配列及び注釈を解明している。さらなる研究により、R.ホミニスが単独定着した無菌マウスにおける細菌及び宿主トランスクリプトーム応答の両方が調べられた。マウスの腸への定着及び適応に関与する細菌遺伝子、並びにこの細菌による定着に応答する宿主遺伝子の役割が本明細書に記載されている。

0037

出願人による実験により、ロゼブリア・ホミニスの活性が非常に特異的であることが示されている。研究により、ロゼブリア属種の重要なゲノムは非常に異なり、種々の機能性を表すことが示されている。実際に、実験により、細菌種ロゼブリア・インスチリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・ホミニス及びユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)(これらの全てはブチレート産生細菌である)を含む、クロス
リジウムクラスターXIVa由来の細菌は、驚くべきことに、腸細胞に対して非常に異なる
、明確な効果を誘導することが示されている。

0038

1つの好ましい実施形態において、細菌種は、受託番号NCIMB 14029T ロゼブリア・ホミニスA2−183T(DSM=16839T)として、Rowett Research Institute of Nutrition and Health, University ofAberdeen, Greenburn Road, Aberdeen, AB21 9SB, Scotland, UKの代理として、2004年10月21日に、NCIMB Ltd社、Ferguson Building, CraibstoneEstate, Bucksburn, Aberdeen, UK, AB21 9YAにおけるNationalCollections of Industrial, Food and Marine Bacteria(NCIMB)にてブダペスト条約に従って寄託された株である。

0039

細菌種は、好ましくは、(Duncan, S. H., Aminov, R. I., Scott, K.P., Louis, P.,
Stanton, T. B., & Flint, H. J. (2006) Proposal of Roseburia faecis sp.nov., Roseburia hominis sp. nov. and Roseburia inulinivorans sp. nov., based onisolates
from human faeces. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 56: 2437-2441)に記載されているロゼブリア・ホミニスである。

0040

1つの好ましい実施形態において、細菌種は、生細菌群凍結乾燥細菌群、生育不能細菌群、又はそれらの細胞成分の形態である。好ましくは、細菌種が生育不能細菌調製物(preparation)の形態である場合、それは熱殺菌された細菌、放射線照射された細菌及び
溶解細菌から選択される。

0041

1つの好ましい実施形態において、細菌種は、生細菌又はその細胞成分の形態である。

0042

1つの好ましい実施形態において、細菌種は単離形態である。本明細書で使用する場合、「単離した」という用語は、その天然環境から単離したことを意味する。

0043

1つの好ましい実施形態において、細菌種は生物学的に純粋な形態である。本明細書で使用する場合、「生物学的に純粋」という用語は、実質的に他の生物種を含まない実験室培養を指す。好ましくは、細菌種は単一生物種の培養形態である。

0044

本発明はまた、本明細書に記載されている細菌種又は株の変異体の使用を包含する。本明細書で使用する場合、「変異体」という用語は、参照株のポリヌクレオチド配列と少なくとも93%の相同性、好ましくは少なくとも96%の相同性、より好ましくは98%の相同性を有する誘導された細菌株を含むが、別様では、細菌ゲノムにおける他の配列における変異を含む。変異体は、本発明の株の遺伝物質の変化を推測する又は他の分子による本発明の株の遺伝物質の組換えを推測する遺伝子操作技術により得られ得る。典型的に、このような変異株を得るために、当業者は、UV照射又は変異原性化学産物に対する曝露などの標準的な変異誘発技術を使用できる。

0045

本明細書で使用する場合、「変異」という用語は、親配列と少なくとも50%の相同性を維持しながら、親ヌクレオチド又はアミノ酸配列内へ導入される遺伝子修飾を含む、当業者に公知である欠失、挿入、トランスバージョン、及び他の修飾を含む少なくとも単一塩基変化を含む自然又は誘導された変異を含む。好ましくは、1又は2以上の変異を含む配列は、親配列と少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくはさらに85%の相同性を有する。本明細書で使用する場合、配列「相同性」は当業者に公知の標準的な技術を使用して決定できる。例えば、相同性は、http)://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/において公表されているオンラインの相同性アルゴリズム「BLAST」プ
ログラムを使用して決定できる。

0046

本発明はまた、本明細書に記載されている細菌種又は株のホモログの使用を包含する。本明細書で使用する場合、「ホモログ」という用語は、親細菌株ヌクレオチド配列とある程度の配列同一性又は配列相同性(以下、「相同配列」と称する)を有するヌクレオチド配列を有する細菌株を指す。ここで、「相同」という用語は、対象ヌクレオチド配列とある特定の相同性を有する実体を意味する。ここで、「相同性」という用語は、「同一性」と等しくてもよい。

0047

本発明に関連して、相同配列は、親細菌株のヌクレオチド配列(対象配列)と少なくとも50、60、70、75、80、85又は90%同一であり得、好ましくは少なくとも95%、97%、98%又は99%同一であり得るヌクレオチド配列を含むと考えられる。

0048

相同性比較は、目視により、又はさらに通常には、容易に入手可能な配列比較プログラムを用いて行われてもよい。これらの市販のコンピュータプログラムは、2以上の配列間の相同性%を算出できる。

0049

相同性%は、連続する配列にわたって算出することができ、すなわち、1つの配列を他の配列とアラインさせ、1つの配列中の各アミノ酸を他の配列中の対応するアミノ酸と、1つの残基を一度に、直接比較する。これは、「アンギャップト(ungapped)」アラインメントと呼ばれる。典型的には、このようなアンギャップトアラインメントは、比較的少ない数の残基にわたってのみ実施される。

0050

これは、非常に簡単で一貫した方法であるが、例えば、別様では同一である配列対において、1つの挿入又は欠失のために、後続アミノ酸残基がアラインメントから外され、したがって全体的なアラインメントを実施する場合に相同性%が大きく減少する可能性があることを考慮していない。

0051

したがって、最大相同性%の算出には、ギャップペナルティーを考慮して、最適アラインメントの生成がまず必要である。そのようなアラインメントを実施するために適したコンピュータプログラムは、VectorNTI(Invitrogen Corp.社)である。配列比較を実施できるソフトウェアの例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、BLAS
パッケージ(Ausubel et al 1999 Short Protocols in Molecular Biology, 4th Ed - Chapter 18を参照)、BLAST2(FEMS MicrobiolLett 1999 174(2): 247-50; FEMS Microbiol Lett 1999 177(1): 187-8を参照)、FASTA(Altschul et al 1990 J. Mol. Biol. 403-410)及びAlignXが挙げられる。少なくともBLAST、BLAST2及びFASTAは、オフライン及びオンライン検索用に入手可能である(Ausubel et al 1999, pages 7-58から7-60を参照)。好ましくは、ヌクレオチド配列に関する同一性の程度は、少なくとも20個の連続するヌクレオチドにわたって、好ましくは少なくとも30個の連続するヌクレオチドにわたって、好ましくは少なくとも40個の連続するヌクレオチドにわたって、好ましくは少なくとも50個の連続するヌクレオチドにわたって、好ましくは少なくとも60個の連続するヌクレオチドにわたって、好ましくは少なくとも100個の連続するヌクレオチドにわたって決定される。好ましくは、ヌクレオチド配列に関する同一性の程度は配列全体にわたって決定され得る。

0052

表現型の特徴に基づいた細菌の従来の同定は一般に、遺伝子型法に基づいた同定ほど正確ではない。細菌16SrRNA遺伝子配列の比較は、好ましい遺伝子技術として浮上してきており、BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を使用した既
知の細菌DNA配列との配列の比較により新規株を同定することができる。16S rRNA遺伝子配列は細菌において普遍的であるので、関係が多くの異なる細菌にわたって測定され得る。一般に、16SrRNA配列の比較により、種及び亜種レベルを含む、複数レベルで株を分類することに加えて、細菌の全ての主要な門にわたる属レベルにおける生物間の区別が可能となる。16S rRNA遺伝子配列は多数の株について決定されている。ヌクレオチド配列の最大のデータバンクであるGenBankは、2000万超の寄託さ
れた配列を有し、そのうちの90,000超が16S rRNA遺伝子のものである。このことは、多くの以前に寄託された配列が存在し、それらの配列に対して未知の株の配列が比較できることを意味する。

0053

本明細書で使用する場合、「16SrRNA同一性」という用語は、既知の細菌株との同一性パーセントを指す。1つの好ましい実施形態において、細菌株は上記の受託番号として寄託された株と少なくとも99.5%の16S rRNA同一性を有する。

0054

本発明はまた、上述の寄託株から得られ得る変異株を包含し、株は、上記の受託番号として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性及び/又は少なくとも99.5%の16S RNA同一性を示す。

0055

本発明に関連して、「DNA−DNA相同性」という用語は、DNAの2つ以上の別々の鎖がそれらのヌクレオチド配列に基づいて互いにどれくらい密接に関連するかを指す。典型的に、これはそれらの同一性%に関して測定される。1つの好ましい実施形態において、細菌株は、上記の受託番号として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性を有する。

0056

1つの非常に好ましい実施形態において、細菌株は、上記の受託番号として寄託された株と少なくとも70%のDNA−DNA相同性及び少なくとも99.5%の16SrRNA同一性を有する。

0057

治療用途
本発明の別の態様は、医薬に使用するための細菌種R.ホミニスに関する。

0058

より特に、細菌種ロゼブリア・ホミニスは、対象における炎症性障害、免疫障害及び腸管障害から選択される障害を治療するのに使用するためである。

0059

本明細書で使用する場合、「薬剤」という用語は、ヒト医学及び獣医学におけるヒト及び動物の両方での使用のための薬剤を包含する。さらに、本明細書で使用する場合、「薬剤」という用語は、治療効果及び/又は有益な効果を与える、任意の物質を意味する。本明細書で使用する場合、「薬剤」という用語は、必ずしも販売承認を必要とする物質に限定されることはないが、化粧品機能性食品、食品(例えば、飼料及び飲料を含む)、プロバイオティクス培養物、栄養補助剤及び自然治療薬に使用され得る物質を含んでもよい。さらに、本明細書で使用する場合、「薬剤」という用語は、動物飼料、例えば家畜飼料及び/又はペットフードに組み込むように設計される製品を包含する。

0060

本発明の1つの好ましい実施形態において、障害は、過敏性腸症候群(IBS,irritable bowelsyndrome)、大腸炎クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む、炎症性腸障害(IBD,inflammatorybowel disorder)、嚢炎機能性消化不良機能性便秘、機能性下
痢(抗生物質に関連した下痢旅行者の下痢及び小児下痢を含む)、機能性腹痛、機能性腹部膨満心窩部痛症候群、食後愁訴症候群、胃食道逆流症(GERD,gastrointestinal reflux disease):糖尿病関節炎多発性硬化症及び乾癬アレルギーなどの自己
疫疾患(disease):アトピー性疾患、例えば、アトピー性皮膚炎壊死性腸炎、他の感
染症、並びにそれらの組合せから選択される。

0061

1つの特に好ましい実施形態において、障害は炎症性障害である。好ましくは、炎症誘発性遺伝子の発現は宿主対象において下方制御される。これらの研究のさらなる詳細は以下に提示されている。

0062

より好ましくは、炎症性障害は大腸炎、さらにより好ましくは、クローン病、潰瘍性大腸炎又は嚢炎である。

0063

1つの特に好ましい実施形態において、腸管障害はIBSである。IBSの正確な病態生理は依然として解明されていない。最近の研究により、IBS患者における粘膜炎症及び腸管微生物叢の変化並びに腸管感染症との疾患相関が説明されている。

0064

1つの特に好ましい実施形態において、腸管障害はIBDである。好ましくは、障壁遺伝子の発現は宿主対象において高められる。これらの研究のさらなる詳細は以下に提示されている。

0065

1つの特に好ましい実施形態において、腸管障害はクローン病である。

0066

1つの特に好ましい実施形態において、障害は免疫障害である。好ましくは、免疫障害は、潰瘍性大腸炎、嚢炎:関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症を含む他の自己免疫性状態:セリアック病、アトピー性皮膚炎及び鼻炎を含むアレルギーを含む他の自己免疫性状態から選択される。

0067

1つの実施形態において、細菌種ロゼブリア・ホミニスは対象の免疫系を制御するのに使用するためである。細菌種による免疫制御は非常に種特異的であることが知られている(Gaboriau-Routhiau, V., Rakotobe, S., Lecuyer, E., Mulder, I., Lan,A., Bridonneau, C., Rochet, V., Pisi, A., De, P. M., Brandi, G. et al. (2009)The key role of segmented filamentous bacteria in the coordinated maturation of gut helper T cell responses. Immunity. 31: 677-689)。特に、クラスターXIVa及びVI細菌の免疫制御効果は非常に複雑であり、ブチレート産生とは無関係である(Sokol H., et al, PNAS, October 28, 2008, Vol 105, No 43, 16731-16736)。

0068

1つの好ましい実施形態において、対象の自然免疫系が調節される。

0069

別の好ましい実施形態において、対象の適応免疫系が免疫制御に対して調節される(及び免疫活性化ではなく、したがって炎症を軽減させる)。

0070

本発明の別の態様は、対象における腸管微生物叢を改善するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0071

腸管微生物叢とは、宿主動物消化管生存している微生物を指す。これらの微生物は、多種多様の代謝、構造、防御及び他の有益な機能を実施する。本明細書で使用する場合、「腸管微生物叢を改善する」とは、宿主の腸管に存在する微生物の数及び/若しくは種類の増加、並びに/又はそれらの代謝、構造、防御及び他の有益な機能に関する前記微生物の活性の増加を指す。

0072

好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは、結腸及び/又は回腸、より好ましくは結腸に定着する。

0073

1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、少なくとも1つの動員又は走化性遺伝子の発現を制御する。

0074

より好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは、少なくとも1つの動員又は走化性遺伝子の発現を上方制御する。より好ましくはさらに、動員又は走化性遺伝子はMobA及びMobLから選択される。

0075

別の好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、FlaA1、FlaA2、Fla3及びFlaBから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を制御する。

0076

FLA型タンパク質に対する特異的血清抗体炎症性腸疾患に存在する。したがって、1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは炎症性腸疾患を治療するのに使用するためである。

0077

別の好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、アセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼブチリルCoAデヒドロゲナーゼ電子伝達フラビンタンパク質ベータサブユニット、及び電子伝達フラビンタンパク質アルファサブユニットのうちの1又は2以上の発現を制御する。

0078

本発明の別の態様は、対象の自然免疫系を制御するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0079

本明細書で使用する場合、非特異的免疫系としても知られている、「自然免疫系」という用語は、非特異的様式で他の生物による感染症に対する即時の防御を宿主に提供する細胞及び機構を含む。このことは、先天性系の細胞が、一般的な様式で病原体を認識し、応答するが、適応免疫系と異なり、それは長期にわたる又は防御免疫を宿主に与えないことを意味する。

0080

本明細書で使用する場合、「自然免疫系を制御する」という用語は、自然免疫系の活性を誘導すること、及び/又は活性のベースラインレベルに対して活性のレベルを増加させ、それにより免疫ホメオスタシスが促進することを意味する。

0081

上皮バリア、デフェンシンケモカイン及びサイトカインなどの自然免疫ペプチド損失、又は欠損TLシグナル伝達のいずれかに起因して、自然免疫機能の損失又は制御不
全は、腸を含むいくつかの身体器官における炎症性疾患の高い危険性に関連する。このような疾患は炎症性腸疾患を含む。したがって、1つの非常に好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは炎症性腸疾患を治療するのに使用するためである。

0082

1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、Tlr5、Tlr1、Vnn1、Defb37、Pla2g、Muc16、Itln、Sprr1a、Cldn4、Pmp22、Crb3、Magi3、Marveld3、Mpp7、Defcr20、Pcgf2、Ltbp4、Igsf8及びTcfe2aから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を制御する。これらの遺伝子の多くは腸障壁遺伝子及び抗菌剤であり、それ故、腸内病原体の侵襲性を軽減させ、また生きている病原体の数を減少させるように作用する。

0083

本発明の別の態様は対象の適応免疫系を制御するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0084

本明細書で使用する場合、他に「特異的免疫系」としても知られている、「適応免疫系」という用語は、病原体の成長を取り除く又は防ぐ、非常に特殊化した全身性細胞及びプロセスを指す。適応免疫応答は、(免疫を生成するために)特異的病原体を認識し、記憶し、病原体と遭遇するごとに、より強力な攻撃を開始する能力を有する脊椎動物免疫系を提供する。

0085

本明細書で使用する場合、「適応免疫系を制御する」という用語は、適応免疫系の活性を誘導すること、及び/又は活性のベースラインレベルに対して活性のレベルを増加させることにより免疫ホメオスタシス機構を促進することを意味する。好ましくは、適応免疫系は免疫制御に対して調節される(及び免疫活性化ではなく、したがって炎症を軽減させる)。

0086

特にT細胞の機能に関する適応免疫系に関連する欠陥及び障害は、多くの炎症性及び自己免疫疾患に関連する。Th1、Th2及びTh17に関連するT細胞応答アトピー性、炎症性及び自己免疫疾患に関連する。制御性T(Treg)細胞群を向上又は増加させる療法は、過剰なTh1、Th2及びTh17細胞応答により引き起こされる疾患の制御に重要である。

0087

1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは結腸又は回腸において少なくとも1つの免疫応答遺伝子を活性化させる。

0088

1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、より好ましくは結腸におけるT細胞制御に関連する遺伝子の発現を調節することにより適応免疫系を制御する。より好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは制御性T細胞(Treg)を誘導する。Tregの数の増加は、炎症、自己免疫及びアレルギー/アトピー性疾患を引き起こすTh1、Th17及びTh2などの他のエフェクターT細胞の作用に対抗する。それ故、R.ホミニスのこの特性は、Teff/Treg細胞平衡が失われる多くの疾患、例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎に対処するために利用され得る。

0089

1つの特に好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、上行結腸においてLy6g6c及びLy6g6eから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を上方制御する。Ly6g6c及びly6g6eの枯渇は、腸及び気道の両方の感染症の危険性を増加させ、好中球減少などの疾患に関連する。したがって、1つの好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは好中球減少を治療するのに使用するためである。

0090

本発明の別の態様は、対象における免疫ホメオスタシスを維持するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。本明細書で使用する場合、「免疫ホメオスタシスを維持する」とは、状態の変化に応答する経口免疫寛容又は免疫安定性を維持するための身体の免疫系の自己制御を指す。経口免疫寛容とは、健康な腸における食物及び片利共生細菌に対する正常な免疫応答を指す。それらは、セリアック病並びにクローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患において損失される。したがって、1つの特に好ましい実施形態において、ロゼブリア・ホミニスは、セリアック病並びにクローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を治療するのに使用するためである。

0091

本発明の別の態様は、対象における食欲を制御するのに使用するための細菌種ロゼブリア・ホミニスに関する。

0092

本明細書で使用する場合、「食欲を制御する」とは、宿主が食物を食べることの欲求を調節する(すなわち向上又は低下させる)能力を指す。好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは食欲の抑制に関連する遺伝子の発現を下方制御することにより宿主の食欲に刺激作用を与える。好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは、Agt、Cartpt、Cck、Cxcl12及びGcgから選択される少なくとも1つの遺伝子の発現を下方制御する。より好ましくは、ロゼブリア・ホミニスは満腹ホルモンCck及びGcgの発現を下方制御する。

0093

本発明に係る細菌種はまた、予防用途に使用されてもよい。予防用途において、本発明に係る細菌種又は組成物は、疾患を発生する危険性を少なくとも部分的に減少させるのに十分な量で、特定の疾患に罹りやすい又はそうでなければ特定の疾患の危険性がある患者に投与される。そのような量は、「予防有効用量」であると定義される。正確な量は患者の健康状態及び体重などの複数の患者に特異的な要因に依存する。

図面の簡単な説明

0094

本発明は以下の図面によりさらに説明される。
上行結腸内のR.ホミニスの存在度及び局在を示す図である。(A)A2−183FISHプローブを使用して、宿主上皮との細菌の密接な関連を示すR.ホミニスが定着したマウスの上行結腸。原寸×630倍。(B)R.ホミニス特異的プライマーを使用したPCRは、定着後、糞便DNAにおいて強い陽性シグナルを示したが、GF動物の糞便はいかなる細菌の存在についても陰性であった。(C)R.ホミニス/mg糞便の定着レベルを示すリアルタイムPCR分析
R.ホミニスゲノムの配列及び注釈を示す図である。(A)プライマーにより標的とされた領域において示されたPCR実験の位置を有するR.ホミニス環状ゲノムマップ。外側のトラック0で開始する、ゲノムマップにおけるトラックは、番号付けした目盛りにより示される、トラック0−(青)リアルタイムPCR実験、トラック1−(淡い青)フォワードCDS、トラック2−(淡い青)リバースCDS、トラック3−(青)rRNA、トラック4−(緑)tRNA、トラック5−(赤)リアルタイムPCRにより標的とされたSTSマーキング領域グラフ1−GC含量、グラフ2−GCバイアスである。(B)R.ホミニスゲノムの機能注釈
コロニー形成及びマウスの腸への適応後にR.ホミニスにおいて発現量に差のある転写産物を確認する図である。(A)細菌RNAはマウスの盲腸内容物から単離し、cDNA合成の間、dCTP−Cy3又はdCTP−Cy5のいずれかで標識し、ダイスワップを組み込んだマイクロアレイスライドハイブリダイズした。2を超える倍率変化及びP値が0.05未満である場合、データは有意であるとみなした。50個の発現量に差のある遺伝子(インビボインビトロ)がマイクロアレイ分析により明らかにされた。(B)コンジュゲーション/動員転移に関与する遺伝子のリアルタイムPCR検証。(C)運動性及び走化性に関与する遺伝子のリアルタイムPCR検証。(D)14日において親和性精製したFla2抗体で免疫染色した上行腸内容物ウェスタンブロットレーン1:ラダー、レーン2〜6:動物1〜5からの腸内容物、レーン7〜8:空、レーン9〜10:R.ホミニスバイオマス陽性対照))。鞭毛黒色矢印)を示すR.ホミニスの写真及び(E)ブチレート代謝に関与する遺伝子のリアルタイムPCR検証。(F)ヒト腸管上皮細胞に対するインビトロ曝露の間のR.ホミニス転写産物のリアルタイムPCR分析。リアルタイムPCR結果は3回測定の平均であり、*P値が0.05未満、**P値が0.01未満、***P値が0.001未満である。
R.ホミニスによる単独会合(mono-association)後のマウスの腸において発現量に差のある転写産物を確認する図である。(A)GFに対する発現量に差のある遺伝子R.ホミニスが定着したマウスのAffymetrixマイクロアレイ分析。棒グラフは14及び28日後に高及び低発現させた遺伝子の数を表す。(B)14日及び28日におけるGFマウスとR.ホミニスが定着したマウスとの間の機能的重要性を有する、発現量に差のある遺伝子から生成したヒートマップ。列は個々のアレイを表し、行は所望の特異的遺伝子を表す。Z値は、平均から離れた、標準偏差における距離の尺度を示す。各遺伝子についての相対値は色の強さにより示され、緑は高発現を示し、赤は低発現を示す。(C)R.ホミニスが定着したマウスとGFマウスとの有意な差異が示されている遺伝子のリアルタイムPCR検証。リアルタイムPCR結果は3回測定の平均であり、*P値が0.05未満、**P値が0.01未満、***P値が0.001未満である。
結腸内のT細胞マーカーの発現及び局在を示す図である。GFマウス及びR.ホミニスで処置したマウスの固有層における抗Ly6G(A)、抗CD3(B)及び抗CD11b(C)で標識した固有層細胞の免疫蛍光及び分析。*P値が0.05未満である。
大腸炎の実験モデルにおけるR.ホミニスの抗炎症作用を示す図である。14週の間、1週に3回、IL−10KOマウスに投与した。(A)未処置のIL−10KOマウスは野生型マウスと比較して全ての遺伝子がかなり向上したのに対して、示差的遺伝子発現はR.ホミニスで処置した動物において低かった。リアルタイムPCR結果は3回測定の平均であり、*P値が0.05未満、**P値が0.01未満、***P値が0.001未満である。(B)研究の終わりにおける未処置のIL−10KO及びR.ホミニスで処置したIL−10KO動物の体重。(C)IL−10KO及びR.ホミニスで処置したIL−10KO動物の上行結腸(ヘマトキシリンエオシン染色)。原寸×100倍。
IL−10、IL−17及びIFN−γのmRNAレベルのリアルタイムPCR分析を示す図である。リアルタイムPCRはT細胞マーカーを測定するために上行結腸組織で実施した。リアルタイムPCR結果は3回測定の平均であり、*P値が0.05未満、**P値が0.01未満である。
体重組成に基づいたR.ホミニスによるGFマウスの単独会合の効果を示す図である。乾燥体重及び体脂質分析を実施した。(A)R.ホミニスが会合したマウスの乾燥屠体重量はGF動物と比較して有意に重かった。(B)さらなる体脂質分析は、総体脂肪蓄積もまた、14日においてR.ホミニスで処置した動物において有意に高いことを示した。
クラスターXIVa(ファーミキューテス門)、すなわちロゼブリア・ホミニス、E.レクタレ及びロゼブリア・インテスチナリス由来の細菌の3つの株についての遺伝子発現データの比較を示す図である。
ロゼブリア・ホミニスは、強力な抗炎症活性を有するNF−κBシグナル伝達の負の制御因子である、A20を誘導するのに対して、他の細菌株は効果がないことを示す図である。ロゼブリア・ホミニスのフラジェリン部分(R.ホミニスのFLA1)もまた、関連する細菌であるユーバクテリウム・レクタレのものと異なりA20を誘導する。より詳細に、図10は、対照と比較した、E.レクタレ、R.ホミニスについてのA20、E.レクタレのFLA、R.ホミニスのFLA1、EAV9、SV1400のFLAの誘導倍率(fold-induction)を示す。
サブカテゴリーにおける機能的サブシステム及び遺伝子の数を示す、RASTにより決定した場合のR.ホミニスA2−183についてのサブシステムカテゴリ分布を示す図である。
各サブカテゴリーにおける機能的サブシステム及び遺伝子の数を示す、RASTにより決定した場合のR.イヌリニボランス(inulinivorans)DSM16841A2−183についてのサブシステムカテゴリー分布を示す図である。
各サブカテゴリーにおける機能的サブシステム及び遺伝子の数を示す、RASTにより決定した場合のR.インテスチナリスL1−82についてのサブシステムカテゴリー分布を示す図である。
各サブカテゴリーにおける機能的サブシステム及び遺伝子の数を示す、RASTにより決定した場合のR.インテスチナリスM50/1についてのサブシステムカテゴリー分布を示す図である。
各サブカテゴリーにおける機能的サブシステム及び遺伝子の数を示す、RASTにより決定した場合のユーバクテリウム・レクタレATCC33656についてのサブシステムカテゴリー分布を示す図である。

実施例

0095

R.ホミニスは結腸に優先的に定着する
健康な成体のC3H/HeN無菌(GF)マウスに、連続した日で3回、R.ホミニスを強制飼養により接種した。酸素曝露から細菌を保護するために3%アスコルビン酸及び2%システインを含有する接種培地を使用して首尾良い定着を達成した。蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)による腸組織の分析により、R.ホミニスが回腸及び結腸の両方に定着したが、結腸においてより多くの数が見出されたことが明らかになった。細菌はまた、結腸粘膜に密接に関連することが見出された(図1A)。定着をさらに検証し、1×1010細菌/g糞便に近似した数を用いてR.ホミニス特異的プライマーを使用してPCRにより定量した(図1B及び1C)。任意の細菌の存在についてGF動物の糞便は陰性であると試験した。

0096

R.ホミニスゲノムは宿主相互作用を促進する固有の遺伝子を有することを示す
R.ホミニスA2−183の完全なゲノム配列を解明し(図2A、それを単一の3,592,125bp染色体により表す(図2B)。RASTプラットフォームを使用したゲノムの自動化及び手動注釈により、4個のリボソームオペロン、66個のRNA及び3,273個の予測タンパク質の存在が明らかになった。遺伝子の最大の群は、炭水化物代謝に関与するタンパク質をコードする、サブシステムカテゴリー炭水化物(271個の遺伝子)、続いてタンパク質代謝(197)並びにアミノ酸及び誘導体(175)に属した(図2B)。他の重要な機能的カテゴリーは運動性及び走化性(49)並びに休眠及び胞子形成(12)を含んでいた。比較ゲノム分析により、完全な細菌ゲノムの中でゲノム構造及び機能に関して最も近い近縁種が、ユーバクテリウム・レクタレであると確立され(Mahowald, M. A., Rey, F. E., Seedorf, H., Turnbaugh, P. J., Fulton,R. S., Wollam,
A., Shah, N., Wang, C., Magrini, V., Wilson, R. K. et al. (2009) Characterizing
a model human gut microbiota composed of members of its two dominant bacterial phyla. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A 106: 5859-5864)、このことは、これらの生物の近い分類上の関連性を考慮すると驚くことではない(Duncan, S. H., Aminov, R. I., Scott, K. P., Louis, P., Stanton, T.B., & Flint, H. J. (2006) Proposal of Roseburia faecis sp. nov., Roseburiahominis sp. nov. and Roseburia inulinivorans sp. nov., based on isolates from human faeces. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 56:2437-2441、Aminov, R. I., Walker, A. W., Duncan, S. H.,Harmsen, H. J., Welling, G. W., & Flint, H. J. (2006) Molecular diversity,cultivation, and improved detection by fluorescent in situ hybridization of adominant group of human gut bacteria related to Roseburia spp. or Eubacterium rectale. Appl. Environ. Microbiol. 72: 6371-6376)。1,095個の遺伝子を有するこれらの2つのゲノムの比較再構成により、それらは遺伝子の約25%が異なることが示された。特に、これらの差異は宿主との相互作用についての重要な機能をコードする遺伝子を包含した。例えば、IV型線毛アセンブリタンパク質PilB及びPilCをコードする運動性及び走化性遺伝子はE.レクタレに存在したが、R.ホミニスには存在しなかったのに対して、鞭毛基底小体棒タンパク質FlgC、鞭毛フック基底小体(hook-basal body)複合体タンパク質FliE、フ
ラジェリンタンパク質FlaB及び鞭毛モータースイッチタンパク質FliGはR.ホミニスに固有であった。2つの細菌ゲノムはまた、42個の炭水化物遺伝子が異なり、それらの相違する栄養所要量を反映する。

0097

R.ホミニスは動員及び走化性遺伝子を上方制御することにより腸内環境に応答する
宿主及び食事の関連に応答してR.ホミニスにより発現量に差のある遺伝子を決定するために、小さな挿入サイズシークエンシングライブラリーから6,000個のPCR断片を使用してマイクロアレイを構築した。その後、図2Bに示すようにR.ホミニスゲノムの特定の領域において集まる42個の発現量に差のある遺伝子でリアルタイムPCR検証を実施した。腸内環境と食事成分との間の作用を区別するために、4つの異なる実験条件:(i)インビボで、単独会合したマウスの盲腸から;(ii)インビトロで、培養培地中で成長させた細菌から;(iii)インビトロで、食事成分の存在下で成長させた細菌か
ら;及び(iv)コンフルエントなCaco−2及びHT−29細胞の表面上でインキュベートした細菌から細菌RNAを単離した。

0098

50個の発現量に差のある遺伝子を確認した(インビボ対インビトロ)(図3A)。最も驚くべき発見は、コンジュゲーション/動員転移に関与する遺伝子、mobA様及びmobL様遺伝子のインビボでの非常に高い上方制御であった(図3B)。転写研究におけるこのような遺伝子の存在は、確認可能な遺伝子が、サブシステムカテゴリー特徴におけるファージプロファージ転移因子及びプラスミド割り当てられなかったので、驚くべきことであった。遺伝子検出及び割り当てのこの差異はサブシステムカテゴリー注釈の認識された制限に起因するようである。食事成分の刺激作用はほとんど示されず、腸内環境自体が遺伝子水平伝播に関与する遺伝子の主要な誘導因子であることを示唆している。

0099

他の腸内環境により誘導されるサブシステムは、膜輸送、特にマグネシウム輸送、並びに運動性及び複数のメチル基受容走化性タンパク質及び鞭毛オペロンの遺伝子を含む走化性を含んだ(図3C)。R.ホミニスは、複数のフラジェリン遺伝子flaA1、flaA2、flaA3、及びflaBを保有し、興味深いことにマウス腸内環境における成長は、R.ホミニス特異的フラジェリン抗体を使用してインビボで定着したマウスから単離した細菌のウェスタンブロッティングにより見られるようにこの細菌におけるフラジェリン発現を促進した(図3D)。これは、ファーミキューテス門のある特定のサブセットのみがインビボで鞭毛を産生することを示す以前の報告と一致する(Turnbaugh, P. J., Backhed, F., Fulton, L., & Gordon, J. I.(2008) Diet-induced obesity is linked to marked but reversible alterations inthe mouse distal gut microbiome. Cell Host.
Microbe 3: 213-223)。

0100

驚くことではないが、腸内環境内のR.ホミニスにおける異化代謝遺伝子の発現は大部分、食事成分による影響を受けた(図3E)。関与する遺伝子は、アセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ、3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼATP]を含んだ。これらの遺伝子の制御は大部分、食事により駆動されたが、後の試料採取点において宿主作用もまた明白であった。予想外に、宿主環境は、粘膜プロテオグリカン炭水化物鎖に一般的である、グルクロン酸塩などの宿主により駆動される物質の代謝に関与する一部の遺伝子を下方制御した。

0101

R.ホミニストランスクリプトームに対する宿主適応の作用をさらに調べるために、ヒト腸管上皮細胞(Caco−2及びHT−29)のインビトロ刺激を実施した。このことにより、マウス腸への適応により誘導されたコンジュゲーション/動員転移遺伝子mobA/mobLタンパク質1もまた、両方の細胞株において増加したことが示された(図3F)。インビボでのデータと一致して、フラジェリン遺伝子MotAはCaco−2細胞内で上方制御された。ブチレート代謝に関与する遺伝子は、Caco−2細胞に見られる下方制御及びHT−29細胞における上方制御に関して、2つの細胞株の間の差異を示した。

0102

R.ホミニスは主に結腸内のT細胞経路に影響を与える
R.ホミニスによるGFマウスの定着は結腸内で最高であった増加した腸遺伝子発現と相関した(図4A)。示差的発現は、定着後、28日において最も顕著であり、159個の遺伝子が上方制御され、143個の遺伝子が下方制御された。14日に回腸内で発現量に差のある遺伝子の数は上行結腸に類似しており、79個の遺伝子が上方制御され、119個の遺伝子が下方制御された。回腸内の示差的発現は28日において非常に低く、低い定着レベルと一致した。トランスクリプトーム応答は、ヒートマップ分析による有意な転写産物の明確な分離により示されるように、2回の時点で異なった(図4B)。Affymetrixデータの陽性リアルタイムPCR検証を図4Cに示す。

0103

回腸及び上行結腸内で14日に影響を受けた経路の大部分を、細胞分化細胞周期制御及び組織修復のカテゴリーに分類した。重要なことに、免疫応答は上行結腸内で28日に誘導された主要経路の群であった。このカテゴリーにおける36個の顕著に影響を受けた経路は大部分、T細胞機能に関与し、IL−10シグナル伝達経路、Tヘルパー細胞におけるICOS経路及びCTLA−4によるT細胞機能の制御を含んだ。これらの経路に関与する遺伝子は上方制御及び下方制御の両方を示したので、これらの経路はR.ホミニスの存在により顕著に影響を受けるが、T細胞分化に対する正確な正味の機能的効果はさらなる調査を必要とする。しかしながら、IL−10、CD3ε及びIL−13の増強並びにIFN−γの発現の変化はリアルタイムPCRにより確認され(図7)、R.ホミニス定着がTreg及びTh2細胞分化経路に有利に働き得ることを示唆している。遺伝子オントロジー分析を適用して、示差的に制御された遺伝子の機能分類に関するさらなる情報を得た。「アクチン重合」(GO:0030041)(Arpc3、Capg、Cdc42ep5及びRhoc)についてのGOプロセスは、R.ホミニスが定着したマウスにおいて結腸内で28日に上方制御された(図8)。免疫シナプスにおけるアクチン重合はT細胞活性化及びエフェクター機能に必要とされる。遺伝子導入はリアルタイムPCRによりさらに確認された(図4C)。全体で、このデータは、R.ホミニスが、T細胞制御に陽性に影響を与えることにより結腸内で適応免疫応答を活発にもたらすことを示す。

0104

これらの結果に関連するのは、上行結腸内のLy6ファミリーのメンバーの誘導であった。特に、Ly6g6cのGPIアンカー遺伝子産物は、28日において25倍上方制御され、関連遺伝子Ly6g6eは2倍上方制御された。ほとんどの造血細胞は、好中球及び形質細胞様樹状細胞を含むLy6ファミリーの1又は2以上のメンバーを表す。さらに、T細胞活性化、分化及び成熟におけるLy6の可能性のある役割が提案されている(Mallya, M., Campbell, R. D., & Aguado, B. (2006)Characterization of the five novel Ly-6 superfamily members encoded in theMHC,and detection of cells expressing
their potential ligands. Protein Sci. 15: 2244-2256)。

0105

免疫細胞化学により、R.ホミニスが定着したマウスにおいてLy6G+、CD11b+及びCD3+細胞の存在の増加が確認された(図5)。主にTreg応答が優位であるT細胞経路を示すデータと一致して、R.ホミニスを接種したマウスの結腸内で二重陽性
CD3+FoxP3+T細胞が統計的に有意に増加した。明確に、単一細菌種としてのR.ホミニスの定着は、特にそれらのマウスの結腸内でCD3+FoxP3+細胞群の有意な増加を誘導した。

0106

R.ホミニスは回腸及び結腸の両方において自然免疫応答遺伝子を調節し、IL10KOマウスにおいて大腸炎を軽減する
自然免疫及び腸障壁機能に関与する遺伝子は、上行結腸内のR.ホミニスの存在により顕著に誘導された。GOプロセス「自然免疫応答」(GO:0045087)は上方制御され、TLR関連遺伝子Tlr5、Tlr1及びVnn1を含んでいた。Tlr5の上方制御は、特に、腸内定着の間、鞭毛遺伝子の対応する誘導及びR.ホミニスにおけるフラジェリンタンパク質の存在から、興味深く、他の自然及び適応免疫応答を媒介する際のこの自然シグナル伝達経路についての役割を推測することができる。TLR5シグナル伝達とCD4+T細胞応答との間の関連が、最近、鞭毛虫病原体について実証されている(Letran, S. E., Lee, S. J., Atif, S. M., Flores-Langarica, A.,Uematsu, S., Akira, S., Cunningham, A. F., & McSorley, S. J. (2011)TLR5-deficient mice lack basal inflammatory and metabolic defects but exhibit impaired CD4 T cell responses to a
flagellated pathogen. J Immunol. 186: 5406-5412)。同様に、バクテロイデス・フラジリス、Treg増殖及び免疫ホメオスタシスの定着を促進する際のTLR2の役割が示されている(Round, J. L., Lee, S. M., Li, J., Tran, G., Jabri, B., Chatila, T.A., & Mazmanian, S. K. (2011) The Toll-like receptor 2 pathway establishes colonization by a commensal of the human microbiota. Science 332: 974-977)。

0107

R.ホミニスにより結腸内で影響を受けた他の自然免疫遺伝子には、抗微生物ペプチドDefb37、Pla2g3、Muc16及びItln並びに腸障壁機能遺伝子Sprr1a、Cldn4、Pmp22、Crb3及びMagi3が含まれた。R.ホミニスに応答して回腸内で上方制御を示す自然免疫遺伝子には、Defcr20、Pcgf2、Ltbp4、Igsf8及びTcfe2aが含まれた。興味深いことに、Pcgf2は、異なるサイトカイン、ケモカイン、及びケモカイン受容体の発現を負に制御し、この片利共生細菌に応答する腸組織内の炎症応答を制御するのに重要な役割を果たし得る。興味深いことに、我々はまた、R.ホミニスによるNF−κB経路(GO:0043124)の負の制御を示し、それは、B.セタイオタミクロン(thetaiotaomicron)(Kelly, D., Campbell, J.I., King, T. P., Grant, G., Jansson, E. A., Coutts, A. G., Pettersson,
S., & Conway, S. (2004) Commensal anaerobic gut bacteria attenuate inflammation
by regulating nuclear-cytoplasmic shuttling of PPAR-gamma and RelA. Nat.Immunol. 5: 104-112)と同様に、この炎症カスケードを下方制御することにより免疫ホメオスタシスに寄与し得る。

0108

IL−10ノックアウトマウスモデルを使用して、単独会合マウスにおける炎症経路の制御及びTreg誘導に対する正の効果に起因する、R.ホミニスの治療有効性を試験した。14週の期間の間、20日齢における離乳から1週間に3回、マウスに投与した(約50μl、1010CFU)。炎症誘発性バイオマーカーパネルの遺伝子発現により、未処置のIL−10KOマウスが、野生型マウスと比較して、4〜49倍の範囲の遺伝子を誘導し、全ての調査した遺伝子をかなり増加させたことが示された(図6A)。炎症誘発性遺伝子誘導は未処置のマウスと比較してR.ホミニス処置マウスにおいて有意に低く、R.ホミニスの経口投与の強力な治療有益性を示す。R.ホミニス処置した動物の体重もまた、未処置の動物と比較して研究の終わりに重くなり、この効果は雄において統計的に有意であった(図6B)。最後に、組織学的分析により、未処置のIL−10KOの上行結腸における重度の炎症の存在が示されたのに対して、R.ホミニス処置した動物は、結腸粘膜が比較的健常に見えた。

0109

R.ホミニス定着は満腹遺伝子及び身体組成に影響を与える
単独会合したマウスにおけるR.ホミニスの顕著な代謝作用もまた明らかであった。GOプロセス「食物に対する応答の負の制御」(GO:0032096)、「食欲の負の制御」(GO:0032099)、及び「カテコールアミン分泌の制御」(GO:0050433)は、R.ホミニスによる定着後、上行結腸において全て下方制御された。このデータにより、R.ホミニスが宿主の食欲に対して刺激作用を与えることが推測される。これらのプロセスに関与する遺伝子は、Agt、Cartpt、Cck及びCxcl12であり、2〜12倍の範囲の倍率変化であった。特に、Cckは空腹抑制剤として消化及び満腹において主要な役割を果たす。Gcgもまた、この腸部位において下方制御を示した。

0110

これらの遺伝子変化が、食物摂取及び身体組成に関連する生理的関連性を有するかどうかを確立するために、乾燥屠体重量及び組成分析を実施した。興味深いことに、R.ホミニスが会合したマウスの乾燥屠体重量はGF動物と比較して有意に重く、差異は14日で最も確認可能であった。さらなる体脂質分析は、総体脂肪蓄積もまた、14日においてR.ホミニスで処置した動物において有意に高いことを示した。これらの見解は、食事発酵を介するエネルギー収集におけるファーミキューテス門の役割を明らかにしている最近のデータと一致しているが、また、腸内細菌が脳−腸軸及び食欲制御ホルモンを実際に調節できるという考えも支持している。

0111

考察
宿主微生物共生の長期の共進化は腸内の機能的に重要な細菌種の選択を引き起こしているようであり、それらのほとんどは他の生態系において高度に表れない。現在、特に粘膜免疫系発達に関連する腸管機能に対する微生物群の個々のメンバーの寄与に関する制限された情報が存在する。

0112

大腸菌(E. coli)(HA107)に基づいた可逆的定着モデルを使用した最近の研究
により、IgAに対する免疫誘導作用のために、生細菌が108CFU/グラムの含量に近い数で必要とされることが実証されている(Hapfelmeier, S., Lawson, M. A., Slack,
E., Kirundi, J. K., Stoel, M., Heikenwalder, M., Cahenzli, J., Velykoredko, Y.,
Balmer, M. L., Endt, K. et al. (2010) Reversible microbial colonization of germ-free mice reveals the dynamics of IgA immune responses. Science 328:1705-1709
)。最近、SFB及びバクテロイデス・フラジリスの特定の機能が、T細胞生態に対するそれらの個々の寄与を定義するためにマウスの腸において調べられており、これらの細菌の両方は、Treg及びTh17細胞の強力な誘導因子であることが示されている(Mazmanian, S. K., Liu, C. H., Tzianabos, A. O., & Kasper, D. L.(2005) An immunomodulatory molecule of symbiotic bacteria directs maturation ofthe host immune system. Cell 122: 107-118、Gaboriau-Routhiau,V., Rakotobe, S., Lecuyer, E., Mulder,
I., Lan, A., Bridonneau, C., Rochet, V., Pisi, A., De, P. M., Brandi, G. et al.
(2009) The key role of segmented filamentous bacteria in the coordinated maturation of gut helper T cell responses. Immunity. 31: 677-689、Ivanov, I. I., Atarashi, K., Manel, N., Brodie, E. L., Shima, T.,Karaoz, U., Wei, D., Goldfarb, K. C., Santee, C. A., Lynch, S. V. et al. (2009)Induction of intestinal Th17 cells by segmented filamentous bacteria. Cell 139: 485-498)。クラスターXIVaファーミキューテス門の個々のメンバーの効果は以前に報告されていないが、T細胞分化にも影響を与える、ASFにおけるそれらの存在は認められている(Geuking, M. B., Cahenzli, J., Lawson, M. A., Ng, D. C., Slack, E.,Hapfelmeier, S., McCoy, K. D., & Macpherson, A. J. (2011) IntestinalBacterial Colonization Induces Mutualistic Regulatory T Cell Responses.Immunity)。

0113

出願人は、本明細書において、ファーミキューテス門のメンバーである、嫌気性細菌、R.ホミニスによる無菌マウスの腸の最初の成功した単独会合を実証している。ロゼブリア様の細菌の極度酸素感受性は、機能的特徴付けを実施することを困難にする、厳格嫌気性培養技術を必要とする。出願人は、無菌マウスにおけるR.ホミニスの安定な単独定着を確立し、その代謝機構、生理、及び共生特性を明らかにするための完全な注釈ゲノム配列を生成した。定着後のR.ホミニスの転写応答は、宿主腸内環境及び食事の両方に起因し得ることが見出された。宿主により引き起こされる作用は、単独会合後のR.ホミニスの応答より優位であった。それらには、遺伝子導入、膜輸送、走化性及び運動性サブシステムが含まれた。動員転移に関与する遺伝子の強力な上方制御により、腸内環境が、腸内微生物叢のメンバーの間の水平遺伝子交換に非常に寄与するという考えが支持される。したがって、この環境は、腸内生態系内の細菌生存、定着及び機能に重要な遺伝子の伝播加速し得る。

0114

宿主定着における運動性及び鞭毛装置の役割は病原菌について十分に詳しく述べられているが、片利共生細菌における鞭毛タンパク質の役割についてはほとんど知られていない。インビボでの実験により、フラジェリン遺伝子の発現に対する宿主腸管環境の刺激作用が明らかになった。フラジェリンシグナルは宿主TLR5受容体(Hayashi, F., Smith, K. D., Ozinsky, A., Hawn, T. R., Yi, E. C.,Goodlett, D. R., Eng, J. K., Akira, S., Underhill, D. M., & Aderem, A.(2001) The innate immune response to bacterial flagellin is mediated byToll-like receptor 5. Nature 410: 1099-1103)により認識され、多くの病原性フラジェリン構造は、強力な炎症誘発性応答を誘導する(Hayashi,
F., Smith, K. D., Ozinsky, A., Hawn, T. R., Yi, E. C., Goodlett, D. R., Eng, J.
K., Akira, S., Underhill, D. M., & Aderem, A. (2001) The innate immuneresponse
to bacterial flagellin is mediated by Toll-like receptor 5. Nature 410:1099-1103)。TLR5の欠失により、マウスにおいて自然発生する大腸炎が生じるので(Vijay-Kumar,M., Sanders, C. J., Taylor, R. T., Kumar, A., Aitken, J. D., Sitaraman, S. V.,Neish, A. S., Uematsu, S., Akira, S., Williams, I. R. et al. (2007) Deletion ofTLR5 results in spontaneous colitis in mice. J Clin. Invest 117: 3909-3921)、内在する有鞭毛片利共生生物に応答するTLR5を介するシグナル伝達はホメオスタシスに重要であり得る。したがって、インビボでのR.ホミニスフラジェリンの発現の増強は潜在的に興味深いものである。他の研究により、大腸菌フラジェリン変異体が、場合により、TLR5シグナル伝達による先天性認識の非存在に起因して、野生型有鞭毛株より定着の利点を有することが示されている(De, P. M., Gaboriau-Routhiau, V., Rainteau, D., Rakotobe, S.,Taddei, F., & Cerf-Bensussan, N. (2011) Trade-off between bile resistance and nutritional competence drives Escherichia coli diversification in the mousegut.PLoS Genet. 7: e1002107、Giraud, A., Arous, S., De,P. M., Gaboriau-Routhiau, V., Bambou, J. C., Rakotobe, S., Lindner, A. B.,Taddei, F., & Cerf-Bensussan, N. (2008) Dissecting the genetic components of adaptation of Escherichia coli to the mouse gut. PLoS Genet. 4: e2)。出願人は、ある特定のファーミキューテス門に関して、フラジェリンの上方制御が腸内定着に対する自然な応答であることを示している。R.ホミニスフラジェリンタンパク質はインビボで発現したままであり、顕性炎症及び制御表現型のT細胞の増殖の非存在下で、持続した定着と相関する。それ故、TLR5を介する片利共生フラジェリン構造は、直接的な免疫寛容応答に役立ち得る。R.ホミニスのTLR5KO及びフラジェリン変異体に基づいたさらなるデータにより、免疫ホメオスタシスに関連する片利共生フラジェリンの重要性がさらに明らかにされるが、IL−10KOマウスにおいてR.ホミニスの観察された防御効果はこの仮説を支持するが、ブチレートなどの他のシグナル伝達部分もまた、免疫制御に寄与し得る。

0115

マウス結腸内の腸障壁機能及び自然免疫を促進する際のR.ホミニスについての明確な役割は確立されていた。密着結合ギャップ結合及び接着結合は、細菌移行上皮下層に
制限するように作用する(Werth, M., Walentin, K., Aue, A.,Schonheit, J., Wuebken, A., Pode-Shakked, N., Vilianovitch, L., Erdmann, B.,Dekel, B., Bader, M. et al. (2010) The transcription factor grainyhead-like 2regulates the molecular composition of the epithelial apical junctionalcomplex. Development 137: 3835-3845)。クローン病及び潰瘍性大腸炎の両方は、障壁機能及び密着結合完全性の損失により特徴付けられる。興味深いことに、IBDにおける腸内微生物叢の腸内毒素症はファーミキューテス門の減少と関連する(Spor, A., Koren, O., & Ley, R. (2011) Unravelling the effects ofthe environment and host genotype on the gut microbiome. Nat. Rev. Microbiol.9: 279-290、Qin, J., Li, R., Raes, J., Arumugam, M.,Burgdorf, K. S.,
Manichanh, C., Nielsen, T., Pons, N., Levenez, F., Yamada, T. et al. (2010) Ahuman gut microbial gene catalogue established by metagenomic sequencing.Nature 464: 59-65)。R.ホミニスが障壁遺伝子の発現を活発に増強するという観察は、IBD患者におけるそれらの損失が機能的に有意であり得ることを示唆している。密着結合複合体の活性化は単にR.ホミニスの優位性だけでなく、バクテロイデス・セタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)及びラクトバチラスアシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)などの他の片利共生生物もまた、粘膜障壁機能を増強し(Hooper, L. V., Wong, M. H., Thelin, A., Hansson, L., Falk, P. G.,& Gordon, J. I. (2001) Molecular analysis of commensal host-microbialrelationships in the intestine. Science 291: 881-884、Ukena,S. N., Singh, A., Dringenberg, U., Engelhardt, R., Seidler, U., Hansen, W.,Bleich, A., Bruder, D., Franzke, A., Rogler, G. et al. (2007) ProbioticEscherichia coli Nissle 1917 inhibits leaky gut by enhancing mucosal integrity.PLoS. One. 2: e1308)、ヒトIBDにおけるこれらの細菌とのプロバ
イオティクス機会を推測する。

0116

腸免疫系に対するR.ホミニスの効果は興味深いものであった。最も強力な効果が上行結腸において認められ、Ly6g6cなどの遺伝子は強力に上方制御され、T細胞活性化及びエフェクター機能に関与する、T細胞制御及び分化並びに免疫シナプスにおけるアクチン重合に関与する経路も同様である。R.ホミニス定着に応答するTreg遺伝子の発現は非常に強力ではないが、最も影響を受けるT細胞経路は、IL−10、ICOS及びCTLA−4に関連するものを含み、それらは全てTreg分化を支持することに関与する。重要なことに、出願人はこれらのマウスの結腸においてCD3+FoxP3+細胞の有意な増加を実証できた。これらの見解はTreg分化を引き起こす他のクロストリジウム属種での最近のデータを補完する。明らかに、R.ホミニスは粘膜T細胞増殖を促進でき、T細胞分化に影響を与える。

0117

特にR.ホミニスによる単独定着後28日に、回腸と比較して結腸において強力な免疫効果が認められることは興味深いことであった。14日におけるトランスクリプトームデータにより、一部の免疫プライミングがこの時点にて回腸で開始され得ることが示唆される。28日における上行結腸内の異なるT細胞サブセットに対する効果は、したがって、回腸から腸間膜リンパ節、腸間膜リンパ節から結腸までの細胞の輸送及びホーミングを反映し得る。

0118

R.ホミニス定着の興味深いさらなる生物学的効果は、食物に対する応答及び食欲の制御に影響を与える遺伝子の制御であった。特に、満腹ホルモンCck及びGcgは有意に減少した。食物摂取に対するCckの効果は迷走神経求心性経路を介して媒介される。これは主要な神経経路であり、その神経経路により、摂取した栄養素に関する情報が中枢神経系に到達して腸機能及び採食行動の両方に影響を与える。Cckは、食欲及び採食刺激する分子の発現を低下させ、採食を阻害する分子の発現を上昇させ、食欲を減退させるように迷走神経系に作用する(Npy2r及びCartptの両方は現在の研究において2倍下方制御された)。Cck、Gcg及び片利共生細菌の間の関連は今まで報告されて
いないが、脂肪酸及びタンパク質の両方はCck及びGcgの強力な誘導因子である(Geraedts, M. C.,Troost, F. J., Tinnemans, R., Soderholm, J. D., Brummer, R. J., & Saris, W. H. (2010) Release of satiety hormones in response to specific dietary proteins is different between human and murine small intestinal mucosa. Ann.Nutr. Metab 56: 308-313)。R.ホミニスは6個未満の炭素脂肪族末端を有するブチレートなどの短鎖脂肪酸を産生し、この代謝活性は、より長い鎖の脂肪酸と共に観察された血漿Cckに対する刺激作用を減少することが報告されている(McLaughlin, J., Grazia, L. M., Jones, M. N., D'Amato, M., Dockray,G. J., & Thompson, D. G. (1999) Fatty acid chain length determines cholecystokinin secretion and effect on human gastric motility.Gastroenterology 116: 46-53)。興味深いことに、屠体重量分析により、体重及び脂質含量の両方が実際に、R.ホミニスと共に有意に増加し、従来の無菌マウスにおいて観察された体重増加と一致したことが明らかにされた (Turnbaugh, P. J., Ley, R. E., Mahowald, M. A., Magrini, V., Mardis,E. R., & Gordon, J. I. (2006) An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest.
Nature 444: 1027-1031)。Cck及びGcgの関与が以前に報告されていないので、このことが、現在の研究において見られる満腹ホルモンの減少の直接的効果であるかどうかは依然として不明である。しかしながら、部分的にSCFAの放出を介する、微生物叢定着と食事からのエネルギー収集との間の関連が以前に示されていることを認識することは重要である(Tremaroli, V., Kovatcheva-Datchary, P., & Backhed, F. (2010) A role for the gut `microbiota in energy harvesting? Gut 59: 1589-1590)。R.ホミニスが主要なブチレート産生因子であることを考慮すると、この機構はまた、R.ホミニス処置後に観察される代謝効率に寄与するようである。

0119

要約すれば、R.ホミニスによるマウスの腸の単独会合は、この腸に適応した細菌の細菌膜輸送、走化性及び運動性の変化と一致した強力な双方向性遺伝子発現事象並びに宿主の自然及び適応免疫系の同時活性化を誘導した。この代謝的に活性な細菌はまた、定着したマウスにおける体重増加の増強と相関する食欲及び満腹遺伝子に対して重要な効果を与えた。

0120

組成物
本発明の別の態様は、上記の細菌種及び薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤を含む組成物に関する。適切な賦形剤、希釈剤、担体は以下に記載されている。

0121

組成物は任意の組成物であってもよいが、好ましくは、経口、経腸又は直腸内に投与される組成物である。例えば、組成物は食用組成物であってもよい。「食用」とは、ヒト又は動物の消費のために承認されている物質を意味する。

0122

本発明の別の態様は、上記の細菌種を含むプロバイオティクス組成物に関する。

0123

本明細書で使用する場合、「プロバイオティクス」という用語は、宿主の健康又は健康な状態に対する有益な効果を有する微生物細胞の微生物細胞調製物又は成分を意味する(Salminen S, Ouwehand A. Benno Y. et al "Probiotics: how should they be defined" TrendsFood Sci. Technol. 1999:10 107-10)。

0124

好ましくは、プロバイオティクス組成物は、代謝的に活性、すなわち生きた及び/若しくは凍結乾燥した、又は生育不能な熱殺菌された、放射線照射された、若しくは溶解したプロバイオティクス細菌の経口投与可能な組成物である。プロバイオティクス組成物は他の成分を含有してもよい。本発明のプロバイオティクス組成物は、経口的に、すなわち錠剤カプセル剤又は粉末剤の形態で投与されてもよい。R.ホミニスは嫌気性菌であるので、カプセル化された製品がR.ホミニスに好ましい。他の成分(例えば、ビタミンC
ど)が脱酸素剤として含まれてもよい。それらのようなプロバイオティクス基質はインビボで定着及び生存を向上させる。或いは、本発明のプロバイオティクス組成物は、乳若しくは乳清ベース発酵乳製品などの食品又は栄養製品として、又は医薬製品として経口投与されてもよい。

0125

プロバイオティクス細菌の適切な1日用量は、約1×103〜約1×1011コロニー形成単位(CFU)、より好ましくは約1×107〜約1×1010CFU、より好ましくは約1×106〜約1×1010CFUである。

0126

1つの好ましい実施形態において、組成物は、組成物の重量に対して、約1×106〜約1×1011CFU/g、好ましくは約1×108〜約1×1010CFU/gの量で、活性成分として細菌種及び/又はその細胞成分を含有する。用量は1g、3g、5g及び10gであってもよい。

0127

典型的に、プロバイオティクスは、少なくとも1つの適切なプレバイオティクス化合物と場合によっては、組み合わされてもよい。プレバイオティクスは、通常、オリゴ糖若しくは多糖などの消化されない炭水化物、又は上部消化管内で分解若しくは吸収されない糖アルコールである。公知のプレバイオティクスには、イヌリン及びトランスガラクトオリゴ糖などの市販製品が含まれる。

0128

好ましくは、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約1〜約30重量%、好ましくは5〜20重量%の量でプレバイオティクスを含む。好ましい炭水化物は、フラクトオリゴ糖(又はFOS,fructo-oligosaccharide)、短鎖フラクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルトオリゴ糖ペクチンキシロオリゴ糖(又はXOS,xylo-oligosaccharide)、キトサンオリゴ糖(又はCOS,chitosan-oligosaccharide)、ベータグルカンアラブルガム(arable gum)修飾及び難消化性デンプンポリデキストロース、D−タガトースアカシア繊維、イナゴマメオートムギ及び柑橘類繊維から選択される。特に好ましいプレバイオティクスは、短鎖フラクトオリゴ糖(以下、簡単にFOSs−c.cと示す)であり、前記FOSs−c.cは消化されない炭水化物であり、一般に甜菜糖の変換により得られ、3個のグルコース分子が結合するサッカロース分子を含む。

0129

飼料/製品
本発明のさらなる態様は、上記に定義した細菌種を含有する食品、栄養補助食品、機能性食品、栄養製剤、飲料及び薬剤、並びにそれらの使用に関する。

0130

1つの好ましい実施形態において、組成物は、さらに少なくとも1つの他の種類の他の食品等級細菌を含み、その食品等級細菌は好ましくは、乳酸菌ビフィズス菌プロピオニバクテリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。

0131

本発明の1つの態様は、上記に定義した細菌種を含む食品に関する。「食品」という用語は、固体ゼリー状又は液体であり得る全ての消費可能な製品を含むことを意図する。適切な食品には、例えば、機能的食品、食品組成物、ペットフード、家畜飼料、健康食品、飼料などが含まれてもよい。1つの好ましい実施形態において、食品は健康食品である。

0132

本明細書で使用する場合、「機能的食品」という用語は、栄養学的効果を提供できるだけでなく、さらなる有益な効果を消費者送達もできる食品を意味する。したがって、機能的食品は、食品に純粋な栄養学的効果以外に特別の機能的、例えば医学的又は生理的有益性を与える、それらに組み込まれる構成要素又は成分(本明細書に記載したものなど)を有する通常の食品である。

0133

本発明に適用可能な特別な食品の例には、乳ベースの製品、食べられる状態になっているデザート、例えば乳又は水で再構成するための粉末チョコレートミルク飲料麦芽飲料、食べられる状態になっているディッシュ、ヒト用のインスタントディッシュ若しくは飲料又はペット若しくは家畜を対象とした完全若しくは部分的な食事を表す食品組成物が含まれる。

0134

1つの好ましい実施形態において、本発明に係る組成物は、ヒト、ペット又は家畜を対象とした食品である。組成物は、イヌ、ネコブタウシウマヤギヒツジ及びトリからなる群から選択される動物を対象としてもよい。好ましい実施形態において、組成物は、成体種、特にヒトの成体を対象とした食品である。

0135

本発明において、「乳ベースの製品」とは、様々な脂肪含量を有する任意の液体又は半固体の乳又は乳清ベースの製品を意味する。乳ベースの製品は、例えば、牛乳山羊乳乳、スキムミルク全乳粉ミルク及びいかなる加工もせずに乳清から再結合されたミルク、又はヨーグルト凝固した乳、凝乳酸乳、酸全乳、バターミルク及び他の酸乳製品などの加工製品であってもよい。別の重要な群には、乳清飲料、発酵乳コンデンスミルク、乳児用又は幼児用ミルクフレーバーミルク、アイスクリームスイーツなどのミルクを含有する食品などの乳飲料が含まれる。

0136

本発明の他の態様は、上記に定義した細菌種を含む飼料又は動物飼料に関する。

0137

本発明の組成物は、本明細書中で栄養補助食品若しくは栄養補助剤又は食品添加物とも称される、補助栄養食品であってもよく、又はそれらに追加されてもよい。したがって、本発明の別の態様は、本発明に係る1又は2以上の細菌株を含む栄養補助食品又は食品添加物に関する。

0138

本発明に係る細菌種及びプロバイオティクス組成物はまた、特に早期離乳期間及び成長肥育期間において動物栄養(例えばブタの栄養)に使用されてもよい。プロバイオティクスは、免疫機能を増強させ、感染病を減少させ、予防し、有益に微生物叢組成物を変化させ、例えば、飼料転換効率の増加により、動物の成長及び能力を向上させることが予想される。

0139

希釈剤、賦形剤及び担体
上述のように、本発明はまた、上記に定義した細菌種を含む、組成物、より好ましくは医薬組成物又は栄養補助剤、及びそれらの使用に関する。細菌種は一般に、特にヒトの療法のために、薬学的又は栄養学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に混合物で投与される。医薬組成物はヒト医学及び獣医学におけるヒト又は動物の使用のためであってもよい。

0140

本明細書に記載されている医薬組成物の様々な異なる形態についてのこのような適切な賦形剤の例は、A Wade and PJ Weller編、「Handbook of Pharmaceutical Excipients,2nd Edition, (1994)に見出され得る。

0141

治療的使用のために許容される担体又は希釈剤は、薬剤分野において周知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。

0142

適切な担体の例には、ラクトースデンプン、グルコース、メチルセルロースステアリン酸マグネシウムマンニトールソルビトールなどが含まれる。適切な希釈剤の例に
は、エタノールグリセロール及び水が含まれる。

0143

医薬担体、賦形剤又は希釈剤の選択は、目的とする投与経路及び標準的な薬務に関して選択されてもよい。医薬組成物は、担体、賦形剤又は希釈剤、任意の適切な結合剤(複数も含む)、潤滑剤(複数も含む)、懸濁化剤(複数も含む)、コーティング剤(複数も含む)、可溶化剤(複数も含む)として含んでもよいか、又はそれらに加えて含んでもよい。

0144

適切な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコースなどの天然糖、無水ラクトースフリーフローラクトース、ベータ−ラクロースコーンシロップ、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ゴムカルボキシメチルセルロース並びにポリエチレングリコールが含まれる。

0145

適切な潤滑剤の例には、オレイン酸ナトリウムステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウム塩化ナトリウムなどが含まれる。

0146

保存料、安定剤、染料及びさらに香味料が、医薬組成物中に提供されてもよい。保存料の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸エステルが含まれる。酸化防止剤及び懸濁化剤もまた、使用されてもよい。

0147

栄養学的に許容される担体、希釈剤及び賦形剤には、ヒト又は動物の消費に適しており、食品産業において標準物として使用されるものが含まれる。典型的な栄養学的に許容される担体、希釈剤及び賦形剤は、当業者によく知られている。

0148

投与
本発明の組成物は、経口、直腸、非経口筋肉内、腹腔内、動脈内、髄腔内、気管支内、皮下、皮内、静脈内、経鼻口腔又は下の投与経路に適応されてもよい。好ましくは、本発明の組成物は、経口、直腸、膣、非経口、経鼻、口腔又は舌下の投与経路に適応される。

0149

経口投与に関して、特定の使用は、圧縮錠剤丸薬、錠剤、ゲル剤(gellule)、点滴
剤、及びカプセル剤から構成される。

0150

他の投与形態は、静脈内、動脈内、髄腔内、皮下、皮内、腹腔内又は筋肉内に注射され得る液剤又は乳剤を含み、それらは無菌又は滅菌可能な溶液から調製される。本発明の医薬組成物はまた、坐剤ペッサリー懸濁剤、乳剤、ローション軟膏クリームゲルスプレー、液剤又は粉剤の形態であってもよい。

0151

経皮投与代替手段は皮膚用パッチ剤の使用による。例えば、有効成分が、ポリエチレングリコール又は流動パラフィン水性乳剤からなるクリーム内に組み込まれてもよい。細菌株はまた、必要とされ得る場合、このような安定剤及び保存料と一緒白ろう又は白軟パラフィン基からなる軟膏内に組み込まれてもよい。

0152

組成物は、単位剤形、すなわち単位用量、又は単位用量の複数回若しくは副単位を含有する別個の部分の形態で製剤化されてもよい。

0153

投薬量
当業者は、過度の実験をせずに対象に投与するために即時の組成物の1つの適当な用量を容易に決定できる。典型的に、医師は個々の患者に最も適した実際の投薬量を決定し、
それは、利用される特定の細菌株の活性、代謝的安定性及びその株の作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与様式及び時間、排泄速度、薬物併用、特定の状態の重症度、並びに個々の受けている療法を含む様々な要因に依存する。本明細書に開示される投薬量は平均の場合の例である。もちろん、より高い又はより低い投薬量範囲が有益である個々の事例が存在してもよく、それらは本発明の範囲内である。

0154

ヒトにおける通常の有効な1日用量は、約1×103〜約1×1011、より好ましくは約1×107〜約1×1011、さらにより好ましくは約1×106〜約1×1010CFUである。

0155

組合せ
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は1又は2以上の他の活性剤と併用して投与される。このような場合、本発明の組成物は、1又は2以上の他の活性剤と連続、同時又は順次に投与されてもよい。

0156

本発明は以下の非限定的な実施例によりさらに記載される。
[実施例]

0157

材料及び方法
細菌成長条件
R.ホミニスA2−183T(=DSM16839T=NCIMB 14029T)を、合成YCFA又は複合M2GSC培地上で嫌気的に成長させた。培養物をHungateチ
ューブ内に凍結ストックから接種し、37℃にて一晩インキュベートした。次いで、37℃にて80%N2、10%CO2、及び10%H2下でMACS-MG-1000嫌気性ワークステーション(Don WhitleyScientific社)において48時間、M2GSC寒天プレート上で細菌を成長させた。0.5%(w/v)のブタIII型由来のムチン(mucin from porcine stomach typeIII)(Sigma-Aldrich社)をYCFA培地に添加することによりムチンの
効果を調べた。

0158

無菌マウスの定着のために、37℃にて一晩、R.ホミニスをYCFA培地中で成長させた。培養物を遠心沈殿し、2%システイン(w/v、Sigma-Aldrich社)及び3%アス
コルビン酸(w/v、Sigma-Aldrich社)を補った1mLのYCFA培地中にペレット
再懸濁した。

0159

動物実験
Jouy-en-Josas(ANAXEMplateform、Institut Micalis社、INRA、Jouy-en-Josas、France)にてINRAノトバイオート歯動物飼育室において無菌動物実験を実施した。全ての動物実験は地域の倫理委員会による承認を得た。18匹の無菌C3H/HeNオスマウスを対照(N=8)及び処置(N=10)群に割り当て、プラスチック隔離飼育器内に個々に収容した。滅菌した市販飼料(R03-40、UAR社)をマウスに自由に採食させた。0日
目に、処置群の動物に100μLのR.ホミニス培養物を強制飼養により与え、一方で、対照動物に100μLのYCFA培地を与えた。14及び28日目に、4匹の対照動物及び5匹のR.ホミニスで処置した動物を屠殺した。Rowett Institute of Nutrition and Health(Aberdeen、Scotland、UK)にてC57/BL6IL−10KO実験を実施した。野生型マウス(N=8)、IL−10KO(N=12)及びIL−10KO+R.ホミニス(N=11)を実験の着手から14週で分析した。簡潔に述べると、109cfu/日にて週に3回、R.ホミニスを投与した。

0160

回腸、上行結腸及び下行結腸を4つの等しい部分に分け、RNAlater(Ambion社)、中性緩衝ホルマリン(Sigma-Aldrich社)又は液体窒素に移した。全盲腸及び横行結腸をRNAla
terに移した。病理組織もまた、IL−10KOマウスにおいて評価した。

0161

組織培養実験
他に指定しない限り、全ての細胞培養試薬はSigma-Aldrich社により供給された。加熱
不活性化したウシ胎仔血清(Gibco社)、ペニシリンストレプトマイシン、アンホテリ
シンB及びL−グルタミンを補った1.5mLのDMEM(高グルコースHEES)培地中の2×105 Caco−2又はHT29細胞を、6ウェルトランスウェルプレート(Corning社)の上側区画内に播種した。下側区画は3.0mLの同じ培地を含有し
た。コンフルエンス後、3日まで、5%CO2雰囲気中で37℃にて細胞をインキュベートし、ハンクス液洗浄して抗生物質及びFCSを除去し、抗生物質を含まずに24時間、L−グルタミン、亜セレン酸ナトリウム及びトランスフェリンを補ったDMEM中で逓減させた。次いで、トランスウェル挿入物を、37℃にて嫌気性ワークステーション内の嫌気性培養ボックスに移した。各挿入物の上側区画を嫌気性DMEM細胞培地充填し、一方、下側区画を含酸素DMEMで充填した。

0162

R.ホミニスA2−183培地を、5分間、3,500×gでの遠心分離により対数期にて収集した。ペレットを洗浄し、0.8mLの嫌気性DMEM中に再懸濁した。100マイクロリットル細菌懸濁液(108CFU/mL)を実験ウェルに加えた。対照ウェルに、細菌細胞を含まない同量の培地を与えた。さらなる対照は、Caco−2又はHT29細胞を含まずにインキュベートした細菌細胞を含んだ。

0163

2時間及び4時間のインキュベーション後に細菌及び真核細胞を収集した。非接着及び接着細菌の両方を吸引し、RNAlater中に保存した。YCFAプレート上に蒔くことによりR.ホミニス細胞の生存能力を試験した。Caco−2細胞又はHT−29細胞をウェルから収集し、また、RNAlater中に保存した。

0164

R.ホミニスライブラリー構築
小サイズのライブラリー構築及びパイロシークエンスのためにR.ホミニス染色体DNAを、UltraClean(商標)Microbial DNA Isolation Kit(Mo BioLaboratories Inc社)を使用して単離し、フォスミドライブラリーのために高分子量DNAを、WizardGenomic
DNA Purificationキット(Promega社)を使用して単離した。DNA完全性をゲル電気泳動により検査した。

0165

Nebulizerキット(Invitrogen社)を使用してDNAを機械的に剪断し、ゲル電気泳動
により断片化した。所望のサイズのDNA断片をゲルから切り取り、Wizard(登録商標)SVGel andPCRClean-Up System(Promega社)を使用して精製した。DNA Terminator End Repair Kit(Lucigen社)を用いて末端修復を行った。CloneSmart(登録商標)LCAmpキット(Lucigen社)を使用して1.5〜3.5kb断片をクローニングし、pJAZZ(登録商標)-OCベクター(Lucigen社)を使用して4〜8kbのライブラリーを構築した。CopyControl(商標)Fosmid Library Production Kit(Epicentre Biotechnologies社)を使用
してフォスミドライブラリーを構築した。自動化コロニーピッカー(BioRobotics BioPick、Genomic Solutions社)を使用してコロニーをピッキングし、10%グリセロール及び対応する抗生物質を補った70μLの2×LB培地を含有する384ウェルマイクロタイタープレート内に保管した。37℃にて一晩、振盪しながら細胞を成長させ、−80℃にて保存した。

0166

シークエンシング、アセンブリ、及び注釈
小サイズのライブラリーのシークエンシングのための鋳型を、1μLのクローンバイオマス並びにpSMART−LCAmpのクローニング部位を囲むプライマーSL1及びSR2を使用してPCRにより生成した。Multiscreen PCR Clean-upフィルタプレート(Mi
llipore社)を使用してPCR産物を精製した。Wizard(登録商標)SV96 Plasmid DNA Purification System(Promega社)を使用してpJAZZ(登録商標)-OCクローン由来の組換
えDNAを単離した。FosmidMAX(商標)DNAPurification Kit(Epicentre社)を使用してフォスミドDNAを単離した。異なる挿入サイズを有するR.ホミニスWGSライブラリー由来のDNA断片の末端読み取りを、CEQ8000(Beckman Coulter社)及びABI3770(Applied Biosystems社)DNAシークエンサーを使用して得た。R.ホミニス由来のゲノムDNAもまた、454 GS20(454 Life Sciences社)及び454FLXシークエンサー(Roche
社)を使用してシークエンスした。Sanger及び454データを、MIRAバージョン3(http://chevreux.org/projects_mira.html、(Chevreux,B., Wetter, T., & Suhai, S. (1999) Genome sequence assembly using tracesignals and additional sequence information. Computer Science and Biology:Proceedings of the German Conference on Bioinformatics (GCB) 99: 45-56)を用いてアセンブルした。RAST注釈パイプライン(http://rast.nmpdr.org、(Aziz, R. K., Bartels,D., Best, A. A., DeJongh, M., Disz,
T., Edwards, R. A., Formsma, K., Gerdes, S., Glass, E. M., Kubal, M. et al.(2008) The RAST Server: rapid annotations using subsystems technology.BMCGenomics
9: 75))を、ゲノムの自動及び手動注釈のため並びに比較ゲノム分析のために使用した。R.ホミニスA2−183の注釈ゲノム配列を、受託番号CP003040としてGenBankに提出した。

0167

マイクロアレイ分析
細菌マイクロアレイ
RNeasyミニキットを使用してマウス盲腸内容物から細菌RNAを単離し、MICROBEnrich(商標)キット(Ambion社)、MICROBExpress(商標)細菌mRNA濃縮キット(Ambion
社)、及びMessageAmp(商標)II-細菌RNA増幅キット(Applied Biosystems社)を用
いてさらに処理した。cDNA合成(CyScribe First strand cDNA標識キット、Amersham社)の間、dCTP−Cy3又はdCTP−Cy5のいずれかでRNAを標識した。CyScribe GFX精製キット(Amersham社)を使用して標識した産物を精製した。RA8ライブラリーにおける6000個のクローンから増幅させたPCR産物を、MicroGrid II TAS(BioRobotics社)を使用してアミノシランコーティングした顕微鏡スライド(Corning社)上で2連にて配列させた。ハウスキーピング遺伝子rpoD及びgyrAの増幅させた断片を対照としてアレイ上に無作為分配した。マイクロアレイハイブリダイゼーションを、GeneTACハイブリダイゼーションステーション(Genomic Solutions社)において実施した。色素標識を第2のハイブリダイゼーションのために取り換え、別のRNA精製もまた標識し、再現性を確実にするため、及び統計的に有意な結果を得るために2回ハイブリダイズした。各比較について、増幅させたクローンごとに合計で12個のハイブリダイズスポットのために、合計で4枚のスライドをハイブリダイズした。GeneTac Integrator version 3.0.1ソフトウェアと共にGeneTACLS IV(Genomic Solutions社)を使用して2つのチャネルにおいて蛍光を測定した。スポット強度対数変換し(log-transformed)、L
oess正規化を適用して、プローブ標識とハイブリダイゼーション効率との差異を取り除いた。示差的発現を試験するために対数比の値で1サンプルのt検定を使用した。2を超える倍率変化及びP値が0.05未満である場合、データは有意であるとみなした。

0168

マウスマイクロアレイ分析
回腸及び上行結腸組織をRNAlaterから取り除き、Trizol(Invitrogen社)中に溶解した。標準的なクロロホルムイソプロパノールテップを使用してRNAを単離した。Rnase-free DNase I(Qiagen社)消化ステップを含む、RNeasyキット(Qiagen社)を用いて全RNAをさらに精製した。Agilent 2100 Bioanalyzer(AgilentTechnologies社)を使用してRNA完全性を決定した。One-Cycle TargetLabeling Kit(Affymetrix社)を使用
して全RNAを処理してビオチン標識cRNAにした。GeneChip Fluidics Station 450
(Affymetrix社)上でのGeneChip MouseGenome Array(Affymetrix社)とのハイブリ
イゼーションを、Institute of Medical Sciences Microarray CoreFacility(University of Aberdeen、UK)にて実施した。Affymetrix GeneChip Scanner 3000(Affymetrix社)を用いてチップ走査した。Gene Chip OperatingSoftware(GCOS)(Affymetrix社)を使用して画質分析を実施した。自由に利用可能なソフトウェアパッケージR(http://www.r-project.org)及びBioconductor(http://www.bioconductor.org)を用いてさ
らなるデータ分析を実施した。Bioconductorパッケージlimmaにより提供される、調整し
た(moderated)F検定を使用して、示差的発現を試験した。Benjamini及びHochbergの発見法を使用してP値が0.05未満の場合、データは有意であるとみなした。2回の時点の各々について別々に統計的解析を実施した。全ての発現量に差のある遺伝子(P値が0.05未満)をMetaCore解析ソフトウェア(GeneGo社、St Joseph、MI)にインポート
して経路マップを生成した。知識ベース標準経路及び内因性代謝経路を使用して統合経路のエンリッチメント解析を実施した。関連する統合経路の順位付けは、超幾何分布を使用して算出したp値に基づいた。P値は、偶然にマップ内のある特定の数の遺伝子と一致する入力リストからの所与の数の遺伝子の可能性を表し、マップ上の全ての遺伝子の完全なセット内のマップ内の遺伝子の数に対する実験における遺伝子の数とみなす

0169

AVID(http://david.abcc.ncifcrf.gov)、オリジナルウェブアクセス可能な
プログラムの拡張バージョンを使用してデータの遺伝子オントロジー(GO,Gene Ontology)に基づいた機能的解釈を実施した(Dennis, G., Jr., Sherman, B. T., Hosack, D.
A., Yang, J., Gao, W., Lane, H. C., & Lempicki, R. A. (2003) DAVID:Database for Annotation, Visualization, and Integrated Discovery. Genome Biol.4: 3)。有意に異なる転写産物(P値が0.05未満)を、GOカテゴリー「生物学的プロセス」に割り当てて、特定のGOタームについて有意に高めた遺伝子発現のパターン掘り出した。

0170

マイクロアレイデータは、National Center for BiotechnologyInformation(NCB
I)Gene Expression Omnibus(受託番号GSE25544;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/geo)に提出した。

0171

RT−PCR分析
細菌PCRプライマーオンラインツールPrimer3Plus(Untergasser, A., Nijveen, H., Rao, X., Bisseling, T., Geurts, R.,& Leunissen, J. A. (2007) Primer3Plus, an
enhanced web interface to Primer3. Nucleic AcidsRes. 35: W71-W74)を使用して設計し、及びSigma-Aldrich社から購入した。Power SYBR Green PCRMaster Mix(Applied Biosystems社)を備えた7500 Fast Real-Time PCR System(AppliedBiosystems社)を使用してリアルタイムPCR分析を実施した。以下のようにPCRを実施した:10分間95℃にて1サイクル、続いて15秒間95℃及び1分間60℃にて40サイクル、解離ステップで終了する。全ての試料は3回測定で実施した。試料間のその低い変動に起因して正規化するための参照遺伝子としてGyrAを使用した。

0172

宿主遺伝子発現のために、回腸及び上行結腸から単離した2μgの全真核RNAを、ランダムプライマーと共にHighCapacitycDNAReverse Transcription Kit(AppliedBiosystems社)を使用してcDNAに逆転写した。QuantiFast SYBR GreenPCRKit(Qiagen
社)及びQuantiTect Primer Assays(Qiagen社)と共に7500 Fast Real-Time PCR System(AppliedBiosystems社)を使用してリアルタイムPCR分析を実施した。PCRサイクル条件は以下の通りであった:5分間95℃にて1サイクル、続いて10秒間95℃にて及び30秒間60℃にて40サイクル、解離ステップで終了する。全ての試料は3回測定で実施した。試料間のその低い変動のために正規化のための参照遺伝子としてHprtを選択した。P値が0.05未満の有意なカットオフ不等分散を可能にするスチューデントt検定によりベース2を用いて対数目盛り上で全てのRT−PCRデータを分析した。差異を逆変換して倍率変化を算出した。

0173

ウェスタンブロット
ロゼブリア・ホミニスFla2に対する免疫精製したウサギポリクローナル抗体を(Duck, L. W.,Walter, M. R., Novak, J., Kelly, D., Tomasi, M., Cong, Y., & Elson, C. O.(2007) Isolation of flagellated bacteria implicated in Crohn's disease.Inflamm. Bowel. Dis. 13: 1191-1201)に記載されているように産生した。簡潔に述べると
メスニュージーランド白ウサギを完全フロインドアジュバント中の合成ペプチド免疫化し、数回追加免疫した。R.ホミニスfla2について、ペプチド261〜275(C-AQYNDDAKSVLEILK-COOH)及びペプチド58〜71(C-GLNKASRNSQDGIS-CONH2)を使用した。免疫化後、ペプチドを1mLの活性化したセファロースビーズカップリングすることにより調製したイムノアフィニティーカラム上で抗体を精製した。

0174

ウェスタンブロットのために、上行結腸の腸内容物を、8Mの尿素を含有するlaemmli
緩衝液中に懸濁した。R.ホミニスバイオマス(陽性対照)を同じ緩衝液中に希釈した。30μLの各試料を、NuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)4〜12%Bis-Trisゲル(Invitrogen社)のウェルに負荷し、電気泳動し、続いてWesternBreeze Chemiluminescent Immunodetection System(Invitrogen社)を使用してさらに処理した。Fla2抗体を抗体希釈剤中で1:1000に希釈し、アルカリホスファターゼコンジュゲートした抗ウサギと共に4℃にて一晩、続いて室温にて1時間インキュベートした。Fuji LAS3000画像システムを使用して検出を達成した。

0175

乾燥体重及び体脂質分析
取り出したマウスの屠体を量し、一定重量に凍結乾燥し、次いで分析のために粉砕した。以前に記載されている(Olivera,L., Canul, R. R., Pereira-Pacheco, F., Cockburn, J., Soldani, F., McKenzie, N.H., Duncan, M., Olvera-Novoa, M. A., & Grant, G. (2003) Nutritional and physiological responses of young growing rats to diets containing raw cowpea seed meal, protein isolate (globulins), or starch. JAgric. Food Chem. 51: 319-325)ようにクロロホルム/メタノール(2:1v/v)を用いた抽出(1:100w/v)により脂質含量を決定した。

0176

FISH分析
一般的な細菌プローブEub338及び新たに設計したR.ホミニスA2−183−特異的プローブを使用して腸組織切片においてFISH分析を実施した。

0177

中性緩衝ホルマリン中で固定した組織をTechnovit 8100(Heraeus Kulzer社)内に包埋した。回転式ミクロトーム(Leica社/Reichert Autocut)を使用して2ミクロンの切片を切断した。3個の切片を、組織内に100μm、200μm及び300μmにてスライドごとに取り、動物当たり9個の切片を得た。

0178

50%(v/v)、80%及び96%エタノール中での連続インキュベーションによりスライドを脱水し、室温にて乾燥させた。使用した16SrRNAFISHプローブは一般的な細菌プローブEub338(GCTGCCTCCCGTAGGAGT;Cy3)及び新たに設計したR.ホミニスA2−183−特異的プローブ(GTACATTACATACTCTGTCAGTG;FITC)であり、これを、腸管細菌単離株のパネルに対する特異性について広範囲に試験した。100μLのハイブリダイゼーション緩衝液中の10マイクロリットルプローブ(30ng/μL)を脱水した試料に適用し、プローブ特異的温度にてインキュベートした。30分間50℃にて洗浄緩衝液中でスライドを洗浄し、氷冷水中に浸して、残留洗浄緩衝液を取り除き、圧縮空気流下で乾燥させた。4’6−ジアミジノ−2−フェニリンドール(DAPI、Vector Laboratories Inc社)を用いて対比染色を実施し、退色を防ぐためにスライドに蛍光
用のVectashield Mounting Medium(VectorLaboratories Inc社)を載せた。LeicaDMR
BE蛍光顕微鏡(LeitzGMBH社)を使用して細菌を可視化し、Penguin 600CLカメラ(Pixera社)及びViewfinder 3.0ソフトウェア(Studio Lite社)を用いて写真を撮った。Apochromaticsシステム(Leica社)を使用して高倍率画像(63倍)を読み出した。

0179

免疫蛍光
T細胞マーカーの免疫局在を連続的な低温切開片(8μm)において検査した。切片を、−20℃にて30分間、予め冷やしたメタノール(全て1:50にてLy6GFITC、CD3 FITC、CD11b FITC(BD Biosciences社))中で固定したか、又はCD3 FITC(1:100、BD Biosciences社)で二重標識したFoxP3(1:500、Abcam社)のために、室温にて2分間、1%パラホルムアルデヒド(PFA)中で、続いてPBS中の0.01%Triton X中で3分間固定した。全ての切片を、PBS(pH7.4)中の10%の関連する免疫前血清を含有する10%BSA(Sigma社)で遮断した。メタノールで固定した組織を
、室温にて1時間、一次抗体とインキュベートした。PFAで固定した切片を、4℃にて一晩、抗体とインキュベートした。Alexaヤギ抗ウサギ594(1:1000、Molecular
Probes社)を使用してFoxP3を可視化した。切片をDAPIで反対側を標識し、Vectashield(Vector Laboratories社)を載せた。陽性細胞定量化のために、上記の画像
化ソフトウェア及び顕微鏡設定を使用して、各マウス切片から最低で5つの視野を検査した。

0180

組織構造
常に撹拌しながら、カルノア固定液(60%(v/v)エタノール、30%(v/v)クロロホルム及び10%(v/v)氷酢酸)中で室温にて3時間、組織試料を固定した。試料を70%エタノールに移し、横断面切片化のために方向付けるまで室温にて保存し、製造業者指示書に従ってTechnovit 8100(Heraeus Kulzer社)を使用して低温硬化した樹脂中に包埋した。包埋した組織を、Technovit 3040(Heraeus Kulzer社)を使用してHistoblocs上に載せた。ガラスナイフ(TAAB LaboratoriesEquipment Ltd.社)を装着した回転式ミクロトーム(Leica Autocut)を使用して4ミクロンの切片を切断した。標準的
なヘマトキシリン/エオシン法を使用して組織切片を染色し、×10及び×20対物レンズを備えたZeissAxioskop顕微鏡を用いて検査した。QImagingカメラ及びImage Pro Plusソフトウェアを使用して画像を撮った。

0181

ロゼブリアに関連する種及び株のゲノムの比較
出願人は、単一の3,592,125−bpの染色体により表される、R.ホミニスA2−183の完全ゲノム配列を生成した。RASTプラットフォームを使用したゲノムの自動化及び手動注釈により、4個のリボソームオペロン、66個のRNA及び3,273個の予測タンパク質の存在が明らかになった。R.ホミニスA2−183、R.イヌリニボランスDSM16841、R.インテスチナリスL1−82、R.インテスチナリスM50/1及びユーバクテリウム・レクタレATCC33656についてのサブシステムカテゴリー分布をそれぞれ図11〜15に示す。

0182

この情報は、各々の機能的サブシステムにおける遺伝子の数(丸括弧に提示する)の差異を示す。これらの遺伝子は、各々の個々の細菌に対する宿主応答の媒介において非常に重要である。重要なことに、これらの遺伝子は、数及び機能の両方において、様々な株の間で異なる。その結果を以下にまとめる。

0183

R.ホミニスA2−183
細胞壁及び被膜(57)
膜輸送(24)
運動性及び走化性(49)
制御及び細胞シグナル伝達(16)
休眠及び胞子形成(12)
炭水化物(271)

0184

E.レクタレATCC33656
細胞壁及び被膜(41)
膜輸送(13)
運動性及び走化性(16)
制御及び細胞シグナル伝達(9)
休眠及び胞子形成(6)
炭水化物(172)

0185

R.インテスチナリスL1−82
細胞壁及び被膜(35)
膜輸送(36)
運動性及び走化性(15)
制御及び細胞シグナル伝達(10)
休眠及び胞子形成(17)

0186

R.インテスチナリスM50/1
細胞壁及び被膜(28)
膜輸送(37)
運動性及び走化性(17)
制御及び細胞シグナル伝達(10)
休眠及び胞子形成(17)
炭水化物(201)

0187

R.イヌリノボランス(inulinovorans)DSM16841
細胞壁及び被膜(69)
膜輸送(26)
運動性及び走化性(14)
制御及び細胞シグナル伝達(9)
休眠及び胞子形成(17)
炭水化物(160)

0188

コンティグ1に見出される3000を超える遺伝子の配列同一性パーセントは、R.ホミニスの細菌ゲノムとE.レクタレ、R.インテスチナリス及びR.イヌリニボランスの細菌との間の差異を強調する
種々のロゼブリア種と、R.ホミニスに最も近い近縁種である関連種ユーバクテリウム・レクタレのゲノム間の比較を行った。

0189

R.ホミニス参照ゲノム585394.12
E.レクタレゲノムATCC336556 515619.3
R.インテスチナリスL1−82166486.4
R.インテスチナリスM50/1166486.5
R.イヌリノボランスDSM16841 622312.3

0190

種々のロゼブリアゲノム間の潜在的な遺伝子の同一性パーセントは0%〜約90%の配列同一性の範囲である。多くの遺伝子は仮説に基づき、株の間で異なる。多数の遺伝子は、他のロゼブリア種のゲノムに存在しないR.ホミニスゲノムに存在する。

0191

ロゼブリア・ホミニスは、他のロゼブリア種の他のゲノムに見出されない924個の遺伝子(0%同一性)を有し、そのゲノムのほぼ25%がR.ホミニスに固有であることを示す。また、他の遺伝子間の低い相同性(10〜70%未満)により、多くの他の遺伝子の機能もまた、異なるようであることが示される。

0192

その情報は、これらの細菌がゲノム及び機能的観点から非常に異なり、一般に、全ての細菌に見出される原核生物DNAの保存された部分である保存遺伝子16Sリボソーム遺伝子に基づく、それらの系統発生的関連性以外で分類できないという有力な証拠を提供する。16SrRNA遺伝子配列は、細菌系統発生及び分類学研究(共有遺伝子マーカー)のために使用される。

0193

宿主応答及び免疫に関連する機能は細菌株特異的である
図9は、クラスターXIVa(ファーミキューテス門)、すなわち、ロゼブリア・ホミニ
ス、E.レクタレ及びロゼブリア・インテスチナリス由来の細菌の3つの株についての遺伝子発現データの比較を示す。そのデータは、ヒト上皮細胞に対する曝露後、系統発生的に関連する細菌株により発現させた固有の遺伝子の数を示す。56,000個の遺伝子を含有するAffymetrixヒトマイクロアレイを使用することにより遺伝子発現を決定した。この差異はそれらのそれぞれのゲノムの差異を反映する。[これらの実験は、マウスマイクロアレイを使用して本明細書のいずれかの場所に記載されているものと同様であるが、特定のヒトマイクロアレイを使用した。GeneChip(登録商標)Human Genome U133 Plus 2.0
Arrayは、第1の最も包括的な全ヒトゲノム発現アレイである。Affymetrix GeneChip(
登録商標)Human Genome U133 Plus 2.0 Array(HG-U133 Plus 2.0)マイクロアレイは、47,000個超の転写産物及びバリアントを含む1,300,000個の固有のオリゴヌクレオチドの特徴を含み、同様にそれは、約39,000個の最適に特徴付けられたヒト遺伝子を表す。異なる片利共生細菌により誘導されるシグナル伝達応答を評価するために使用される細胞株には、ヒト結腸細胞株Caco−2細胞及びHT−29細胞並びにサルモネラエンテリティディス(Salmonella enteritidis)、腸内病原体に対して比較されるR.ホミニス、E.レクタレ及びR.インテスチナリスを含む細菌が含まれる。

0194

クラスターXIVa細菌の機能差−R.ホミニスとE.レクタレとの間の比較
図10は、ロゼブリア・ホミニスが、強力な抗炎症活性を有するNF−κBシグナル伝達の陰性制御因子であるA20を誘導するが、他の細菌株は効果を有さないことを示す。ロゼブリア・ホミニスのフラジェリン部分もまた、関連細菌である、ユーバクテリウム・レクタレのものとは異なり、A20を誘導する。

0195

他に指定しない限り、細胞培養試薬はSigma-Aldrich社により供給された。10%ウシ
胎仔血清(FBS,Foetal Bovine Serum)(Gibco社、UK)、200mMのL−グルタミン及び1%の抗生物質/抗真菌薬を補ったダルベッコ改変イーグル培地(DMEM,Dulbecco's Modified Eagle Medium)中で培養したCaco−2(ECACCカタログ番号860102002)及びHT29(ATCC)細胞株を、6ウェルトランスウェルプレート(Corning社)中に播種した。コンフルエンス後、3日まで、5%CO2雰囲気中で3
7℃にて細胞をインキュベートし、ハンクス液で洗浄して抗生物質及びFCSを取り除き、抗生物質を含まずに24時間、L−グルタミン、亜セレン酸ナトリウム及びトランスフェリンを補ったDMEM中で逓減させた。次いでトランスウェル挿入物を、37℃にて嫌気性ワークステーション内の嫌気性培養ボックスに移した。各挿入物の上側区画を嫌気性DMEM細胞培地で充填し、一方、下側区画を含酸素DMEMで充填した。

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