図面 (/)

技術 工作機械及び機械学習装置

出願人 ファナック株式会社
発明者 奥田真司
出願日 2016年12月5日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2016-235976
公開日 2018年6月14日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2018-092428
状態 特許登録済
技術分野 数値制御 工作機械の補助装置 工作機械の検出装置
主要キーワード 各停止点 各作業段階 手動操作入力 アクチュエイタ メンテナンス要員 前回加工 手動介入 機械カバー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年6月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

工作機械においてオペレータ操作履歴から、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生しそうな状況を予測し、主軸衝突を警告することができる工作機械及び機械学習装置を提供すること。

解決手段

本発明の工作機械は、工作機械において加工及び手動操作が行われている時に記録されたログデータから手動操作に係る情報を取得し、取得した手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部112と、ログデータから手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報を取得し、取得した主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づいて教師データを作成するラベル取得部113と、入力データと教師データとにより教師あり学習を行い、学習モデル構築する学習部111と、学習モデルを記憶する学習モデル記憶部114と、を備える。

概要

背景

工作機械では、オペレータ操作ミスにより主軸をワークや治具などに衝突させてしまう場合があり、その衝突の程度によっては主軸が損傷し、部品交換が必要になる場合がある。オペレータの操作ミスには、段取り時の機械操作ミス工具情報設定やワーク座標位置設定のミス、治具への干渉、そして自動運転途中の手動介入操作後のプログラム再開作業のミスなどが考えられる。

工作機械の異常を検出するための従来技術として、例えば特許文献1には、プログラムの各ブロック毎の停止点を記憶し、前回加工時と今回加工時で各停止点の位置が同一でない場合に、何らかの異常が発生したと判断し、ユーザに異常を報知する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、工作機械の動作上では確認できない不具合も迅速に検知できるため、異常下で加工される部品加工不良を未然に防ぐことができ、また操作履歴を記憶することにより、不具合が発生した際の異常操作を表示でき、異常原因を解析することができる。

また、特許文献2には、主軸ヘッド加速度センサをつけ、変更設定自在のしきい値と比較することにより、工具の異常なアンバランスなど、主軸に異常が生じたことを検出し、オペレータに知らせる技術が開示されている。更に、特許文献3には、主軸ヘッド、ラムサドルなどの移動体に非接触の距離センサをつけ、設定値より距離が短いと判断したときに警告し、移動速度を減速し、移動を停止する技術が開示されている。

概要

工作機械においてオペレータの操作履歴から、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生しそうな状況を予測し、主軸衝突を警告することができる工作機械及び機械学習装置を提供すること。本発明の工作機械は、工作機械において加工及び手動操作が行われている時に記録されたログデータから手動操作に係る情報を取得し、取得した手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部112と、ログデータから手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報を取得し、取得した主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づいて教師データを作成するラベル取得部113と、入力データと教師データとにより教師あり学習を行い、学習モデル構築する学習部111と、学習モデルを記憶する学習モデル記憶部114と、を備える。

目的

しかしながら、主軸が衝突してしまうと、上記したように部品の交換が必要となり、交換が完了するまでは工作機械が利用できなくなる、といったようなメンテナンスコストが発生するため、オペレータの操作ミスによる主軸の衝突などを未然に防ぐことが可能な仕組みが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を予測する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記手動操作に係る情報に基づく入力データと、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づく教師データとによる教師あり学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記工作機械における手動操作時に、該手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記学習モデルを用いて、前記状態観測部が作成した入力データから前記主軸又は前記工具の衝突の有無を予測する予測部と、を備える、工作機械。

請求項2

前記機械学習装置による前記主軸又は前記工具の衝突の有無の予測結果に基づいて警報を出力する警報部と、を備えた請求項1に記載の工作機械。

請求項3

少なくとも1つの他の工作機械との間で前記学習モデル記憶部に記憶されている学習モデルを共有する、請求項2に記載の工作機械。

請求項4

加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を学習する機械学習装置であって、前記工作機械において前記加工及び前記手動操作が行われている時に記録されたログデータから、前記手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記工作機械において前記加工及び前記手動操作が行われている時に記録されたログデータから、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報を取得し、取得した前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づいて教師データを作成するラベル取得部と、前記状態観測部が作成した入力データと、前記ラベル取得部が作成した教師データとにより教師あり学習を行い、学習モデルを構築する学習部と、前記学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、を備えた機械学習装置。

請求項5

加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を予測する機械学習装置であって、前記手動操作に係る情報に基づく入力データと、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づく教師データとによる教師あり学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記工作機械における手動操作時に、該手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記学習モデルを用いて、前記状態観測部が作成した入力データから前記主軸又は前記工具の衝突の有無を予測する予測部と、を備えた機械学習装置。

請求項6

少なくとも1つの他の機械学習装置との間で前記学習モデル記憶部に記憶されている学習モデルを共有する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の機械学習装置。

技術分野

0001

本発明は、主軸衝突予測する工作機械及び機械学習装置に関する。

背景技術

0002

工作機械では、オペレータ操作ミスにより主軸をワークや治具などに衝突させてしまう場合があり、その衝突の程度によっては主軸が損傷し、部品交換が必要になる場合がある。オペレータの操作ミスには、段取り時の機械操作ミス工具情報設定やワーク座標位置設定のミス、治具への干渉、そして自動運転途中の手動介入操作後のプログラム再開作業のミスなどが考えられる。

0003

工作機械の異常を検出するための従来技術として、例えば特許文献1には、プログラムの各ブロック毎の停止点を記憶し、前回加工時と今回加工時で各停止点の位置が同一でない場合に、何らかの異常が発生したと判断し、ユーザに異常を報知する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、工作機械の動作上では確認できない不具合も迅速に検知できるため、異常下で加工される部品加工不良を未然に防ぐことができ、また操作履歴を記憶することにより、不具合が発生した際の異常操作を表示でき、異常原因を解析することができる。

0004

また、特許文献2には、主軸ヘッド加速度センサをつけ、変更設定自在のしきい値と比較することにより、工具の異常なアンバランスなど、主軸に異常が生じたことを検出し、オペレータに知らせる技術が開示されている。更に、特許文献3には、主軸ヘッド、ラムサドルなどの移動体に非接触の距離センサをつけ、設定値より距離が短いと判断したときに警告し、移動速度を減速し、移動を停止する技術が開示されている。

先行技術

0005

特開2007−272545号公報
特開平11−170142号公報
特開2014−164542号公報

発明が解決しようとする課題

0006

一般に、オペレータが工作機械を操作している最中に主軸を衝突させたことを他の異常と区別して直接検知することは難しく、サーボモータ電流トルクなどから検知したサーボ軸の異常負荷検出アラーム履歴から主軸衝突の有無を間接的に推定している。しかしながら、主軸が衝突してしまうと、上記したように部品の交換が必要となり、交換が完了するまでは工作機械が利用できなくなる、といったようなメンテナンスコストが発生するため、オペレータの操作ミスによる主軸の衝突などを未然に防ぐことが可能な仕組みが望まれている。

0007

このような課題に対して、特許文献1,2に開示される技術は、あくまで実際に異常が発生した際に早期に検出したり、異常な操作を後に解析できるようにしたりするものであり、オペレータが行っている操作に基づいて異常が発生しそうな状況を予測することができない。また、特許文献3に開示される技術を用いることにより、主軸ヘッドなどの移動体の衝突の検知は可能となるが、主軸の先に把持された工具と加工領域にあるワークとの衝突は検知できないという問題がある。

0008

そこで本発明の目的は、工作機械においてオペレータの操作履歴から、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生しそうな状況を予測し、主軸衝突を警告することができる工作機械及び機械学習装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明では、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生しないときの操作履歴と、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生した際の直前の操作履歴とから、手動操作を開始した時の状態におけるユーザの特有の操作を機械学習して、該機械学習の結果として得られた学習モデルを用いてサーボ軸の異常負荷検出アラームが発生させる操作を予測し、サーボ軸の異常負荷検出アラームが発生しそうかを判定して警告通知することにより、上記課題を解決する。

0010

そして、本願の請求項1に係る発明は、加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を予測する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記手動操作に係る情報に基づく入力データと、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づく教師データとによる教師あり学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記工作機械における手動操作時に、該手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記学習モデルを用いて、前記状態観測部が作成した入力データから前記主軸又は前記工具の衝突の有無を予測する予測部と、を備える、工作機械である。

0011

本願の請求項2に係る発明は、前記機械学習装置による前記主軸又は前記工具の衝突の有無の予測結果に基づいて警報を出力する警報部と、を備えた請求項1に記載の工作機械である。

0012

本願の請求項3に係る発明は、少なくとも1つの他の工作機械との間で前記学習モデル記憶部に記憶されている学習モデルを共有する、請求項2に記載の工作機械である。

0013

本願の請求項4に係る発明は、加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を学習する機械学習装置であって、前記工作機械において前記加工及び前記手動操作が行われている時に記録されたログデータから、前記手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記工作機械において前記加工及び前記手動操作が行われている時に記録されたログデータから、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報を取得し、取得した前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づいて教師データを作成するラベル取得部と、前記状態観測部が作成した入力データと、前記ラベル取得部が作成した教師データとにより教師あり学習を行い、学習モデルを構築する学習部と、前記学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、を備えた機械学習装置である。

0014

本願の請求項5に係る発明は、加工プログラムに基づいて少なくとも1つの軸を制御することで工具を備えた主軸をワークに対して相対移動させて前記ワークを加工する工作機械において、前記加工を中断して手動操作による前記軸の操作に対する、前記主軸又は前記工具と、前記ワーク又は前記ワークを把持する冶具又は前記工作機械の構成要素と、の衝突の有無を予測する機械学習装置であって、前記手動操作に係る情報に基づく入力データと、前記手動操作が行われた際の前記主軸又は前記工具の衝突の有無に係る情報に基づく教師データとによる教師あり学習により構築された学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記工作機械における手動操作時に、該手動操作に係る情報を取得し、取得した前記手動操作に係る情報に基づいて入力データを作成する状態観測部と、前記学習モデルを用いて、前記状態観測部が作成した入力データから前記主軸又は前記工具の衝突の有無を予測する予測部と、を備えた機械学習装置である。

0015

本願の請求項6に係る発明は、少なくとも1つの他の機械学習装置との間で前記学習モデル記憶部に記憶されている学習モデルを共有する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の機械学習装置である。

発明の効果

0016

本発明によれば、オペレータによる工作機械の手動操作時に、該操作により主軸の衝突が起こることを予測して警告を通知することが可能となり、主軸の衝突によるメンテナンスコストの発生を防止することができるようになる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一実施形態による機械学習装置の学習時における概略的な機能ブロック図である。
機械学習装置110が学習に用いる入力データの取得方法について説明する図(1)である。
機械学習装置110が学習に用いる入力データの取得方法について説明する図(2)である。
機械学習装置110が学習に用いる入力データの取得方法について説明する図(3)である。
多層ニューラルネットを学習モデルとして用いた場合の例を示す図である。
数値化された入力データの作成方法について説明する図である。
本発明の一実施形態による機械学習装置の利用時における概略的な機能ブロック図である。

実施例

0018

以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による学習時の機械学習装置と、該機械学習装置の学習に用いられる工作機械の概略的な機能ブロック図である。本実施形態の機械学習装置110は、少なくとも1以上の工作機械1から収集されてログデータ記憶部200に記憶されたログデータに基づいて機械学習を行う。

0019

数値制御機能を備えた工作機械1はプロセッサ10を中心に構成されている。プロセッサ10はROM11に格納されたシステム・プログラムに従って工作機械1全体を制御する。このROM11にはEPROMあるいはEEPROMが使用される。

0020

RAM12にはDRAM等が使用され、一時的な計算データ、表示データ、入出力信号等が格納される。不揮発性メモリ13には図示されていないバッテリによってバックアップされたCMOSやSRAMが使用され、電源切断後も保持すべきパラメータ、加工プログラム、工具補正データ等が記憶される。また、不揮発性メモリ13には、後述する工作機械1の動作に係るログデータが記憶される。

0021

機械操作盤18は、工作機械1の前面などに配置され、工作機械1の運転に係るデータ及び図形の表示、オペレータの手動操作入力や、データ入力などを受け付け、工作機械1の運転に使用される。グラフィック制御回路19は数値データ及び図形データ等のデジタル信号表示用ラスタ信号に変換し、表示装置20に送り、表示装置20はこれらの数値及び図形を表示する。表示装置20には主に液晶表示装置が使用される。

0022

入力装置21は、キースイッチやロータリースイッチ数値キーシンボリックキー、文字キー及び機能キーを備えたキーボードや、マウスなどのポインティングデバイスから構成される。入力装置21が備えるキースイッチには、手動制御対象とする軸を指定するスイッチや、手動制御対象とする軸の移動速度を指定するスイッチなどがあり、これらのキースイッチと、軸の移動量を指令するロータリースイッチとを併用してオペレータは工作機械1が備える各軸を手動で移動させることができる。
タッチパネル22は、オペレータによるタッチドラッグなどの操作を検知する機能を備える。タッチパネル22は表示装置20の画面上に重畳して配置され、オペレータが表示装置20の画面上に表示されたソフトウェアキーソフトウェアボタンソフトウェアスイッチに対して行った操作をタッチパネル22により検知することができる。なお、タッチパネル22と表示装置20とを併せて1つの装置として構成しても良い。

0023

軸制御回路14はプロセッサ10からの軸の移動指令を受けて、軸の移動指令をサーボアンプ15に出力する。サーボアンプ15はこの移動指令を増幅し、工作機械1の各軸に結合されたサーボモータを駆動し、工作機械1の工具とワークの相対運動を制御する。また、図1では省略しているが、サーボモータには位置・速度検出器を内蔵されており、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号が軸制御回路14にフィードバックされている。なお、図1では1軸分のみ示したが、軸制御回路14及びサーボアンプ15はサーボモータの軸数に対応した数だけ設けられる。

0024

PMC(プログラマブルマシンコントローラ)16はプロセッサ10からバス17経由でM(補助機能信号、S(スピンドル速度制御)機能信号、T(工具選択)機能信号等を受け取る。そして、これらの信号をシーケンス・プログラムで処理して、出力信号を出力し、工作機械1内外空圧機器油圧機器電磁アクチュエイタなどの動作等を制御する。また、工作機械1内の各部に設置されたスイッチ信号センサ等からの各種信号を受けて、シーケンス処理を行い、バス17を経由してプロセッサ10に必要な入力信号転送する。
なお、図1では主軸モータ制御回路及び主軸モータ用アンプ等は省略してある。

0025

工作機械1では、上記した構成により工作機械1が備える各軸を制御してワークの加工を行うと共に、各部から得られた信号(センサからの入力など)やサーボモータ、主軸モータからの電流、電圧、位置、速度などのフィードバック、及び現在行っている加工に用いている加工プログラムや設計データ、各設定値、機械操作盤18の操作履歴などに基づいて、工作機械1の動作に係るログデータを作成して不揮発性メモリ13に記憶している。ログデータは各信号値、各フィードバック値、実行中の加工プログラムや設計データ、各設定値、機械操作盤18の操作履歴などについて時系列が把握できるように作成される。また、ログデータには、工作機械1を操作するオペレータや、工作機械1に異常が発生した際に対応するメンテナンス要員が機械操作盤18を介して入力した各種情報作業者のIDや、各作業段階の入力、異常発生時の異常原因に係る情報の入力など)が含まれる。このようにして不揮発性メモリ13に記憶されたログデータは、ネットワークなどを介して、または、工作機械のメンテナンス要員などの作業者が携帯する外部記憶装置などを介して、ログデータ記憶部200へと収集される。この収集は、ログデータが作成されるたびに逐次行っても良いし、適当な期間をおいて定期的に行うようにしても良い。

0026

ログデータ記憶部200は、一般的なデータベースとして構築されて良い。ログデータ記憶部200は、有線無線のネットワークに接続されていても良く、この場合、工作機械1からログデータをネットワークを介して取得できるようにしても良い。

0027

機械学習装置110は、上記したように少なくとも1以上の工作機械1から収集され、ログデータ記憶部200に記憶されたログデータに基づいて機械学習を行う。機械学習装置110が備える各構成ついて説明する前に、機械学習装置110が行う学習の概要について説明する。

0028

図2,3は、機械学習装置110が行う学習の概要について説明する図である。本実施形態の機械学習装置110は、ログデータ記憶部200に記憶されたログデータの中から、手動操作に係る情報として、「オペレータによる手動操作ミスで主軸が衝突した場合の入力データ」と、「オペレータによる手動操作での主軸の衝突がなかった場合の入力データ」とを作成し、作成した手動操作に係る情報を用いて機械学習を行う。機械学習装置110による学習は、大量のログデータに基づいて大量に作成された手動操作に係る情報を用いて行われることが望ましい。機械学習装置110による学習は、一度に行う必要はなく、ログデータが収集される度に複数回に分けて行うようにしても良い。

0029

手動操作に係る情報は、ログデータ記憶部200に記憶されたログデータの中から、オペレータによる手動操作運転中に異常が発生した時点の前後のログデータに基づいて作成するようにしても良い。例えば、手動運転中に操作ミスで主軸が衝突した場合、ログデータに異常が発生した旨が記録されると共に、その後にオペレータ又は工作機械1の修理を行うメンテナンス要員により、機械操作盤18から「異常原因:主軸衝突」という情報が入力され、ログデータに記録される。このような場合、「オペレータによる手動操作ミスで主軸が衝突した場合の入力データ」は、この「異常原因:主軸衝突」が入力された時点より以前のログデータに基づいて作成される。

0030

手動操作に係る情報は、図2に示すように、手動操作を開始したときの状態を示す情報と、オペレータによる操作履歴を示す情報とが含まれる。手動操作を開始したときの状態を示す情報は、現在行われている加工の「加工種別」や、手動操作が開始された時点で設定されている「機械モーダル情報」、手動操作が開始された時点で主軸に取り付けられている「現在の工具」、手動操作が回避された時点で設定されている「工具オフセット値」、手動操作開始時時の「主軸回転中信号」、手動操作開始時の「主軸の座標値」、手動操作を開始する直前に中断された「実行中のプログラム番号」と「プログラム実行位置」などの情報を含んで良い。
また、操作履歴を示す情報は、オペレータによるキースイッチなどの操作情報や機械に対する手動設定が含まれる。オペレータによるキースイッチの操作には、機械カバー開閉などの「周辺機器の操作」や、「移動させる軸の指定」、「軸の移動方向の指定」などを含んでよく、また、機械に対する手動設定には、「軸の移動速度の指定」、「工具長設定」などを含んで良い。

0031

手動操作に係る情報は、1セットのログデータから複数取得することができる。図3は、ログデータに基づいて作成される手動操作に係る情報の例を示す図である。図3の例では、フライス1という工具を使ってフライス加工を行っている最中に、機械の自動運転を中断して手動操作を行い、i回目の操作の後に主軸が衝突した例を示している。本発明では図3に示すようにログデータにi回の操作が行われた旨が記録されている場合には、このログデータから、1番目までの操作履歴を含む手動操作に係る情報(手動操作に係る情報1)、2番目までの操作履歴を含む手動操作に係る情報(手動操作に係る情報2)、…、(i−1)番目までの操作履歴を含む手動操作に係る情報(手動操作に係る情報(i−1))、i番目までの操作履歴を含む手動操作に係る情報(手動操作に係る情報i)を作成する。そして、手動操作に係る情報1〜(i−1)は「オペレータによる手動操作ミスで主軸の衝突がなかった場合の入力データ」とし、教師データ(ラベルデータ)としての「主軸衝突の有無:衝突なし」に係る情報と共に機械学習装置110に入力し、また、手動操作に係る情報iを「オペレータによる手動操作ミスで主軸が衝突した場合の入力データ」とし、教師データ(ラベルデータ)としての「主軸衝突の有無:衝突有り」に係る情報と共に機械学習装置110に入力する。

0032

一方で、手動操作に係る情報は、ログデータ記憶部200に記憶されたログデータの中から、オペレータによる手動操作運転中に異常が発生しなかった前後のログデータに基づいて作成するようにしても良い。例えば、自動運転が中断され、オペレータによる手動操作行われ、その後異常が発生することなく無事に自動運転が再開された時のログデータから作成しても良い。この場合においても、手動操作に係る情報には、図4に示すように、手動操作を開始したときの状態を示す情報と、オペレータによる操作履歴を示す情報とが含まれる。これらの情報に含まれる各情報については、図2,3で説明したものと同様である。これらの手動操作に係る情報は、「オペレータによる手動操作ミスで主軸の衝突がなかった場合の入力データ」とし、教師データ(ラベルデータ)としての「主軸衝突の有無:衝突なし」に係る情報と共に機械学習装置110に入力される。

0033

次に、機械学習装置110が備える各構成について説明する。機械学習装置110は、学習部111、状態観測部112、ラベル取得部113、学習モデル記憶部114を備える。
学習部111は、状態観測部112が取得した手動操作に係る情報(入力データ)と、ラベル取得部113が取得した主軸衝突の有無に係る情報(教師データ、ラベルとも称する)とに基づいて教師あり学習を行い、学習モデルを構築して学習モデル記憶部114に記憶する機能手段である。学習部111が構築した学習モデルは、後述するように主軸衝突の予測に利用される。学習部111が構築する学習モデルは、図2〜4などで示した入力データ及び教師データから主軸衝突の予測をすることが可能な学習モデルであればどのようなものを用いてもよい。例えば、後述する多層ニューラルネットや、ベイジアンネットワークなどを用いることができる。
一例として、例えば図5に示すような多層ニューラルネットを学習モデルとして用いる場合には、入力データとして工作機械1で行われた手動操作に係る情報を、教師データとして当該手動操作が行われた際の主軸衝突発生の有無を示す情報を、それぞれ与えて深層学習などの手法により学習を進めるようにする。なお、公知のニューラルネットワーク、深層学習などの詳細については本明細書での説明を省略する。

0034

状態観測部112は、ログデータ記憶部200に記憶されているログデータの中から手動操作に係る情報(入力データ)を作成し、作成した入力データを学習部111へと出力する。状態観測部112は入力データの作成対象とする情報がログデータ内において数値で示される場合(例えば、工具オフセット値、主軸の座標値、主軸の移動速度など)には、当該情報をそのまま入力データに含めるようにしても良い。また、状態観測部112は入力データの作成対象となる情報がログデータ内において文字列などの数値以外の情報で示される場合(例えば、加工種別や現在の工具、機械のモーダル情報、主軸回転中信号など)には、例えば図6に示すような変換表をあらかじめ図示しないメモリ上に記憶しておき、該変換表を用いて数値以外の情報を数値化して入力データに含めるようにしても良い。

0035

更に、状態観測部112は、手動操作に係る情報に含まれるいくつかの情報については、他の変換方法による変換を行い、入力データに含めるデータを作成しても良い。具体的には、手動操作を開始したときの状態を示す情報については手動操作を開始したときの状態を示すにより適した形式に、操作履歴を示す情報は操作履歴のパターンの違いを示すのにより適した形式に変換するようにしても良い。
例えば、操作履歴を示す情報については、以下の数1式に示すように、手動操作を開始した時点における状態をq0、手動操作が行われた状態をq0〜qn-1、各操作をx0〜xm-1とする状態遷移式により表現し、ある操作の系列が入力されたときの状態の添え字機械学習器の1つの入力とするようにしても良い。このようにして、ログデータに含まれる操作の履歴から切り出された操作の系列を数値化することで、操作履歴に係る情報として一定の意味を持つ情報を入力データに含めることができる。

0036

0037

ラベル取得部113は、ログデータ記憶部200に記憶されているログデータに基づいて、状態観測部112が入力データを作成するのと同期して該入力データに対応する教師データ(主軸衝突の有無に係る情報)を作成し、作成した教師データを学習部111へと出力する。

0038

以上の構成により、機械学習装置110は、工作機械1で行われたオペレータによる手動操作が行われた際に、どのような状態において、オペレータがどのような操作を行うと主軸の衝突が発生するのか、ということについて学習を進め、学習モデルを構築することができる。

0039

次に、構築された学習モデルを用いて主軸の衝突を予測する機械学習装置110について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による機械学習装置の主軸衝突の予測時における概略的な機能ブロック図である。本実施形態の機械学習装置110は、環境としての工作機械1との間でPMC16を介して接続されて使用される。なお、図7では工作機械1が備える機能ブロックとしてPMC16と警報部23のみが示しているが、実際には図1に示した工作機械1が備える各機能ブロックを備えている

0040

機械学習装置110は、状態観測部112、学習モデル記憶部114、及び予測部115を備える。
状態観測部112は、工作機械1において加工プログラムに基づく加工が行われ、該加工プログラムの実行が中断されオペレータによる手動操作が行われている最中に、上記で説明した学習時に入力データとして用いられた手動操作に係る情報をPMC16を介して取得し、取得した情報に基づいて入力データを作成して予測部115へと出力する。状態観測部112は、オペレータが手動操作を開始したときの状態を示す情報と、オペレータが手動操作を開始した時点から機械操作盤18などを操作して行ったキー操作や手動設定などを操作の系列として図示しないメモリに記憶しておき、記憶した各情報に基づいて、オペレータによる手動操作が進められる度に、入力データを作成して予測部115へ出力する。状態観測部112は、取得した手動操作に係る情報に対して、学習時と同様に数値化などの変換処理を行う。

0041

予測部115は、状態観測部112から入力された入力データに基づいて、学習モデル記憶部114に記憶された学習モデルを用いた主軸衝突の予測を行う。
一例として、図5で示した多層ニューラルネットを学習モデルとして用いる場合には、取得した手動操作に係る情報から作成された入力データを多層ニューラルネットに与えることで、主軸衝突の有無の予測値が出力される。
このようにして、予測部115はオペレータが押したキースイッチによる操作で主軸の衝突が起こるか予測し、予測した結果としての予測値を工作機械1のPMC16に対して出力する。PMC16は、予測部115から入力された主軸衝突の予測値が主軸が衝突することを示す値であった場合には、警報部23に対して警報を発するように指令する。

0042

警報部23は、PMC16から警報を発するように指令されると、機械操作盤18に配置されたランプや、表示装置20の表示、音などにより、当該操作により主軸が衝突する可能性があることをオペレータに対して通知する。警報部23は、警報を発する以外にも、軸制御回路14に対してオペレータの手動操作による軸移動を停止させたり、軸の移動速度を遅くするように指令しても良い。

0043

このように、機械学習装置110は、少なくとも1以上の工作機械1で行われたオペレータによる手動操作に係る情報に基づいた学習をした結果として得られた学習モデルを用いることにより、実際に工作機械1でオペレータによる手動操作が行われた際に、該手動操作により主軸の衝突が起こるか否かを予測することができる。そして、機械学習装置110が主軸の衝突が起こると予測した際には、その予測結果を受けて工作機械1はオペレータに対して警報を発し、オペレータの手動操作による軸移動を停止させて、主軸の衝突を未然に防ぐことができるようになる。

0044

以上、ここまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態の例にのみ限定されるものでなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
上記した実施形態では1台の機械学習装置110での学習及び利用の形態を示したが、学習部111が構築して学習モデル記憶部114に記憶する学習モデル自体は学習結果を示すデータの集合であるため、例えば、図示しない外部記憶装置やネットワークなどを介して学習モデルを他の機械学習装置110との間で共有するように構成することもできる。このように構成した場合、学習においては、複数の機械学習装置110の間で一つの学習モデルを共有した状態で、それぞれの機械学習装置110が並列して学習を行い、学習の完了までに掛かる時間を短縮することができ、一方で学習モデルの利用においては、共有した学習モデルを用いて複数の機械学習装置110のそれぞれで主軸衝突の予測を行うことも可能である。学習モデルの共有方法については特定の方法に限定されない。例えば、工場ホストコンピュータ内に学習モデルを記憶しておいて各機械学習装置110で共有してもよいし、学習モデルをメーカーが設置したサーバ上に記憶しておき、顧客の機械学習装置の間で共有できるように構成することもできる。

0045

また、上記した実施形態では、学習時と予測時における機械学習装置110の構成を個別に説明しているが、機械学習装置110は、学習時の構成と予測時の構成を同時に備えたものとしても良い。このようにした場合、機械学習装置110は、工作機械1においてオペレータによる手動操作が行われている時には学習モデルを用いた主軸衝突の予測を行いつつ、学習部111が更なる追加の学習を行うようにすることができる。

0046

更に、上記した実施形態では、教師データとして「主軸衝突の有無:衝突有り」「主軸衝突の有無:衝突無し」の2値をそのまま学習するようにしているが、衝突が発生した頻度に基づいて衝突する確率として学習するようにすることも可能である。このような学習をした場合に、上記した警報部23は主軸の衝突が起こる確率が第1の閾値αよりも大きい場合にオペレータに対して警報を発し、第1の閾値αよりも大きな確率である第2の閾値βよりも大きい場合にオペレータの手動操作による軸移動を停止したり、軸の移動速度を遅くしたりするようにしても良い。

0047

1工作機械
10プロセッサ
11 ROM
12 RAM
13不揮発性メモリ
14軸制御回路
15サーボアンプ
16 PMC
17バス
18機械操作盤
19グラフィック制御回路
20表示装置
21入力装置
22タッチパネル
23 警報部
110機械学習装置
111 学習部
112 状態観測部
113 ラベル取得部
114学習モデル記憶部
115予測部
200ログデータ記憶部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ