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技術 トリフェニルアミン誘導体及び電子写真感光体

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 岡田英樹菅井章雄
出願日 2016年12月6日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2016-236560
公開日 2018年6月14日 (3ヶ月経過) 公開番号 2018-090544
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 電子写真における感光体
主要キーワード 高温乾燥機 各反応物質 内部標準試料 芳香族単環炭化水素 中間層用樹脂 非金属酸化物 リーク発生 II型結晶
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年6月14日)のものです。
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図面 (3)

課題

解決手段

式(1)又は(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体。[R1〜R6は各々独立にアルキル基アルコキシ基アリール基等;m1、m2及びp2は0〜5の整数;k1、n1及びn2は0〜2の整数;(但し、k1とn1が同時に1では無い)]

概要

背景

電子写真感光体は、電子写真方式画像形成装置に用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体又は単層型感光体が挙げられる。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。単層型電子写真感光体は、電荷発生及び電荷輸送の機能を有する単層型感光層を備える。

特許文献1には、正孔輸送剤として下記化学式HT−A)で表される化合物が記載されている。

概要

電子写真感光体の帯電定性を向上させるトリフェニルアミン誘導体の提供。式(1)又は(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体。[R1〜R6は各々独立にアルキル基アルコキシ基アリール基等;m1、m2及びp2は0〜5の整数;k1、n1及びn2は0〜2の整数;(但し、k1とn1が同時に1では無い)]

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子写真感光体の帯電安定性を向上させるトリフェニルアミン誘導体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体。前記一般式(1)中、R1、R3、及びR5は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表し、m1は、0以上5以下の整数を表し、m1が2以上の整数を表す場合、複数のR1は互いに同一であっても異なってもよく、2つのR3は、互いに同一であっても異なってもよく、2つのR5は、互いに同一であっても異なってもよく、k1及びn1は、各々独立に、0以上2以下の整数を表し(ただし、k1が1を表し、かつn1が1を表す場合を除く)、前記一般式(2)中、R4は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表し、R2及びR6は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基を表し、m2及びp2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、m2が2以上の整数を表す場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよく、p2が2以上の整数を表す場合、複数のR6は互いに同一であっても異なってもよく、n2は、0以上2以下の整数を表し、2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。

請求項2

前記一般式(1)中、R1、R3、及びR5は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、m1は、2を表し、k1及びn1は、0を表し、前記一般式(2)中、R2及びR6は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数8以上10以下のアリールアルケニル基を表し、R4は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数7以上9以下のアラルキル基を表し、m2及びp2は、各々独立に、0又は1を表し、n2は、0を表す、請求項1に記載のトリフェニルアミン誘導体。

請求項3

化学式(1−1)、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(2−3)、又は化学式(2−4)で表される、請求項1又は2に記載のトリフェニルアミン誘導体。

請求項4

導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含み、前記正孔輸送剤は、請求項1〜3の何れか一項に記載のトリフェニルアミン誘導体を含む、電子写真感光体。

請求項5

前記感光層は、さらに一般式(ET)で表される化合物を含む、請求項4に記載の電子写真感光体。前記一般式(ET)中、R10及びR11は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。

請求項6

前記電荷発生剤は、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンである、請求項4又は5に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記感光層は、単層型感光層である、請求項4〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備え、前記電荷発生層は、前記電荷発生剤を含み、前記電荷輸送層は、前記正孔輸送剤と、前記バインダー樹脂とを含む、請求項4〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。

技術分野

0001

本発明は、トリフェニルアミン誘導体及び電子写真感光体に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、電子写真方式画像形成装置に用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体又は単層型感光体が挙げられる。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。単層型電子写真感光体は、電荷発生及び電荷輸送の機能を有する単層型感光層を備える。

0003

特許文献1には、正孔輸送剤として下記化学式HT−A)で表される化合物が記載されている。

0004

先行技術

0005

特開2014−178630号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載の電子写真感光体では、帯電電位の繰返し安定性帯電安定性)が十分ではなかった。

0007

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子写真感光体の帯電安定性を向上させるトリフェニルアミン誘導体を提供することである。また、本発明の別の目的は、帯電安定性に優れる電子写真感光体を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明のトリフェニルアミン誘導体は、一般式(1)又は一般式(2)で表される。

0009

0010

前記一般式(1)中、R1、R3、及びR5は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。m1は、0以上5以下の整数を表す。m1が2以上の整数を表す場合、複数のR1は互いに同一であっても異なってもよい。2つのR3は、互いに同一であっても異なってもよい。2つのR5は、互いに同一であっても異なってもよい。k1及びn1は、各々独立に、0以上2以下の整数を表す(ただし、k1が1を表し、かつn1が1を表す場合を除く)。

0011

前記一般式(2)中、R4は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。R2及びR6は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基を表す。m2及びp2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。m2が2以上の整数を表す場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよい。p2が2以上の整数を表す場合、複数のR6は互いに同一であっても異なってもよい。n2は、0以上2以下の整数を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。

0012

本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含む。前記正孔輸送剤は、上述のトリフェニルアミン誘導体を含む。

発明の効果

0013

本発明のトリフェニルアミン誘導体は、電子写真感光体の帯電安定性を向上させることができる。また、本発明の電子写真感光体は、帯電安定性に優れる。

図面の簡単な説明

0014

(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の別の例を示す概略断面図である。

0015

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。

0016

以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。

0017

以下、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、炭素原子数7以上9以下のアラルキル基、炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基、及び炭素原子数8以上10以下のアリールアルケニル基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。

0018

炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−メチル−2−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。

0019

炭素原子数1以上5以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−メチル−2−ブチル基、イソペンチル基、又はネオペンチル基が挙げられる。

0020

炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。

0021

炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、へプチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基が挙げられる。

0022

炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基ナフチル基アントリル基、又はフェナントリル基が挙げられる。

0023

炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基と、炭素原子数1以上6以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状で非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基フェニルエチル基フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、ナフチルメチル基アントリルメチル基、又はフェナントリルメチル基が挙げられる。

0024

炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は、フェニル基と、炭素原子数1以上3以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状で非置換である。炭素原子数7以上9以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニル−n−プロピル基、又はフェニル−iso−プロピル基が挙げられる。

0025

炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基と、炭素原子数2以上6以下の直鎖状又は分岐鎖状での不飽和炭化水素基(より具体的には、アルケニル基又はポリエン基)とが結合した基である。炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基は、非置換である。炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基としては、例えば、フェニルエテニル基(スチリル基)、フェニルブテニル基、フェニルブタジエニル基、フェニルヘキセニル基、フェニルヘキサトリエニル基、フェニルオクタテトラエニル基、アントリルエテニル基、又はフェナントリルエテニル基が挙げられる。

0026

炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基は、フェニル基と、炭素原子数2以上6以下の直鎖状又は分岐状の不飽和炭化水素基(より具体的には、アルケニル基又はポリエン基)とが結合した基である。炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基は、非置換である。炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基としては、例えば、フェニルエテニル基、フェニルブテニル基、フェニルブタジエニル基、フェニルヘキセニル基、又はフェニルヘキサトリエニル基が挙げられる。

0027

<第一実施形態:トリフェニルアミン誘導体>
トリフェニルアミン誘導体は、一般式(1)又は一般式(2)で表される。以下、このようなトリフェニルアミン誘導体をそれぞれトリフェニルアミン誘導体(1)及び(2)と記載することがある。

0028

0029

一般式(1)中、R1、R3、及びR5は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。m1は、0以上5以下の整数を表す。m1が2以上の整数を表す場合、複数のR1は互いに同一であっても異なってもよい。2つのR3は、互いに同一であっても異なってもよい。2つのR5は、互いに同一であっても異なってもよい。k1及びn1は、各々独立に、0以上2以下の整数を表す(ただし、k1が1を表し、かつn1が1を表す場合を除く)。

0030

一般式(2)中、R4は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。R2及びR6は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基を表す。m2及びp2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。m2が2以上の整数を表す場合、複数のR2は互いに同一であっても異なってもよい。p2が2以上の整数を表す場合、複数のR6は互いに同一であっても異なってもよい。n2は、0以上2以下の整数を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。

0031

一般式(1)中、R1で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。m1は2を表すことが好ましい。R1の置換位置としては、例えば、窒素原子との結合を基準としてベンゼン環オルト位(o位)、メタ位(m位)、又はパラ位(p位)が挙げられ、オルト位が好ましい。

0032

一般式(1)中、R3及びR5で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、エチル基がより好ましい。置換基を有するアミノ基(−N(R3)2、−N(R5)2)の置換位置としては、例えば、アルケニル基との結合を基準としてベンゼン環のオルト位、メタ位、又はパラ位が挙げられ、パラ位が好ましい。

0033

一般式(1)中、k1及びn1は0を表すことが好ましい。

0034

一般式(1)中、R1、R3、及びR5は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、m1は2を表し、k1及びn1は0を表すことが好ましい。

0035

トリフェニルアミン誘導体(1)としては、例えば、化学式(1−1)で表されるトリフェニルアミン誘導体(以下、トリフェニルアミン誘導体(1−1)と記載することがある)が挙げられる。

0036

0037

一般式(2)中、R2及びR6で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R2及びR6で表される炭素原子数8以上20以下のアリールアルケニル基としては、炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基が好ましく、フェニルブタジエニル基又はフェニルヘキサトリエニル基がより好ましい。一般式(2)中、R2及びR6は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基を表すことが好ましく、メチル基、フェニルブタジエニル基、又はフェニルヘキサトリエニル基がより好ましい。一般式(2)中、m2及びp2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。

0038

一般式(2)中、R4で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。R4で表される炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、炭素原子数7以上9以下のアラルキル基が好ましく、フェニルメチル基がより好ましい。一般式(2)中、R4は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数7以上9以下のアラルキル基を表すことが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチル基を表すことが好ましい。2つのR4は、互いに同一であることが好ましい。

0039

一般式(2)中、R2及びR6は各々独立に炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数8以上12以下のアリールアルケニル基を表し、R4は炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数7以上9以下のアラルキル基を表し、m2及びp2は各々独立に0又は1を表し、n2は0を表すことが好ましい。

0040

トリフェニルアミン誘導体(2)としては、例えば、化学式(2−1)、化学式(2−2)、化学式(2−3)、又は化学式(2−4)で表されるトリオフェニルアミン誘導体が挙げられる(以下、それぞれトリフェニルアミン誘導体(2−1)〜(2−4)と記載することがある)。

0041

0042

トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)のうち、トリフェニルアミン誘導体(2−3)が好ましい。感光体感度特性を向上させる観点から、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)のうち、トリフェニルアミン誘導体(1−1)、(2−1)、又は(2−3)が好ましく、トリフェニルアミン誘導体(2−3)がより好ましい。感光体の帯電安定性をさらに向上させる観点から、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)のうち、トリフェニルアミン誘導体(1−1)、(2−2)、(2−3)、又は(2−4)が好ましく、トリフェニルアミン誘導体(2−2)又は(2−3)がより好ましい。

0043

[トリフェニルアミン誘導体の合成方法
[トリフェニルアミン誘導体(2)の合成方法]
トリフェニルアミン誘導体(2)は、例えば、反応式(R2−1)で表される反応(以下、反応(R2−1)と記載することがある)と反応式(R2−2)で表される反応(以下、反応(R2−2)と記載することがある)に従って又はこれに準ずる方法によって製造される。なお、反応式(R2−1)及び(R2−2)において、R2、R4、R6、m2、n2、及びp2は、それぞれ一般式(2)中のR2、R4、R6、m2、n2、及びp2と同義である。Xはハロゲン原子を表し、塩素原子を表すことが好ましい。また、n3は、各々独立に、0以上2以下の整数を表す。

0044

0045

[反応(R2−1)]
反応(R2−1)では、一般式(A)で表されるホスホナート誘導体(以下、ホスホナート誘導体(A)と記載することがある)と、一般式(B)で表されるアルデヒド誘導体(以下、アルデヒド誘導体(B)と記載することがある)とを反応させて、一般式(C)で表されるジフェニルアルケン誘導体(以下、ジフェニルアルケン誘導体(C)と記載することがある)を得る。反応(R2−1)はWittig反応である。

0046

ホスホナート誘導体(A)とアルデヒド誘導体(B)との反応比[ホスホナート誘導体(A):アルデヒド誘導体(B)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ホスホナート誘導体(A)の物質量1モルに対してアルデヒド誘導体(B)の物質量が1モル以上であると、ジフェニルアルケン誘導体(C)の収率が低下しにくい。ホスホナート誘導体(A)の物質量1モルに対してアルデヒド誘導体(B)の物質量が2.5モル以下であると、未反応のアルデヒド誘導体(B)が残留しにくく、ジフェニルアルケン誘導体(C)の精製が容易となる。

0047

反応(R2−1)は、塩基の存在下にて行うことができる。塩基としては、例えば、有機塩又は無機塩が挙げられる。有機塩としては、例えば、アルカリ金属アルコキシド(より具体的には、ナトリウムメトキシド、又はナトリウムt−ブトキシド等)、金属水素化物(より具体的には、水素化ナトリウム、又は水素化カリウム等)、又は金属塩(より具体的には、n−ブチルリチウム等)が挙げられる。無機塩基としては、例えば、リン酸三カリウム、又はフッ化セシウムが挙げられる。これらの塩基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0048

塩基の添加量は、アルデヒド誘導体(B)の物質量1モルに対して1モル以上2モル以下であることが好ましい。アルデヒド誘導体(B)の物質量1モルに対して塩基の添加量が1モル以上であると、反応性が低下しにくい。一方、アルデヒド誘導体(B)の物質量1モルに対して塩基の添加量が2モル以下であると、反応の制御が容易となる。

0049

反応(R2−1)は、溶剤中で行うことができる。溶剤としては、例えば、エーテル(より具体的には、テトラヒドロフランジエチルエーテル、又はジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、塩化メチレンクロロホルム、又はジクロロエタン等)、又は芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼントルエン、又はキシレン等)が挙げられる。

0050

反応(R2−1)では、反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上24時間以下であることが好ましい。

0051

[反応(2−2)]
反応(R2−2)では、例えば、ジフェニルアルケン誘導体(C)と、一般式(D)で表されるアミン誘導体(以下、アミン誘導体(D)と記載することがある)とを反応させてトリフェニルアミン誘導体(2)を得る。

0052

ジフェニルアルケン誘導体(C)と、アミン誘導体(D)との反応比[ジフェニルアルケン誘導体(C):アミン誘導体(D)]は、モル比で、5:1〜1:1であることが好ましい。ジフェニルアルケン誘導体(C)の物質量がアミン誘導体(D)の物質量1モルに対して1モル以上であると、トリフェニルアミン誘導体(2)の収率が低下しにくい。一方、ジフェニルアルケン誘導体(C)の物質量がアミン誘導体(D)の物質量1モルに対して5モル以下であると、反応(R2−2)の後に未反応のジフェニルアミン誘導体(P)が残留しにくく、トリフェニルアミン誘導体(2)の精製が容易となる。

0053

反応(R2−2)では、反応温度は80℃以上140℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。

0054

反応(R2−2)では、触媒としてパラジウム化合物を用いることが好ましい。これにより、反応(R2−2)における活性化エネルギーを低下させることができる。その結果、トリフェニルアミン誘導体(2)の収率をより向上させることができる。

0055

パラジウム化合物としては、例えば、四価パラジウム化合物類、二価パラジウム化合物類、又はその他のパラジウム化合物類が挙げられる。四価パラジウム化合物類としては、例えば、ヘキサクロルパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、又はヘキサクロルパラジウム(IV)酸カリウム四水和物が挙げられる。二価パラジウム化合物類としては、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセテート(II)、ジクロロビスベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラミンパラジウム(II)、又はジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)が挙げられる。その他のパラジウム化合物類としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0)、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。また、パラジウム化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0056

パラジウム化合物の添加量は、ジフェニルアルケン誘導体(C)の物質量1モルに対して0.0005モル以上20モル以下であることが好ましく、0.001モル以上1モル以下であることがより好ましい。

0057

このようなパラジウム触媒は、配位子を含む構造であってもよい。これにより、反応(R2−2)の反応性を向上させることができる。配位子としては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、又は2,2’−ビス[(ジフェニルホスフィノ)ジフェニル]エーテルが挙げられる。配位子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。配位子の添加量は、ジフェニルアルケン誘導体(C)の物質量1モルに対して、0.0005モル以上20モル以下であることが好ましく、0.001モル以上1モル以下であることがより好ましい。

0058

反応(R2−2)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。これにより、反応系中で発生するハロゲン化水素がすみやかに中和され、触媒活性を向上させることができる。その結果、トリフェニルアミン誘導体(2)の収率を向上させることができる。

0059

塩基は、無機塩基であってもよいし、有機塩基であってもよい。有機塩基及び無機塩基としては、例えば、反応(R2−1)で例示する有機塩基及び無機塩基が挙げられる。

0060

ジフェニルアルケニル誘導体(C)の物質量1モルに対して、パラジウム化合物を0.0005モル以上20モル以下を加えた場合、塩基の添加量は、1モル以上10モル以下であることが好ましく、1モル以上5モル以下であることがより好ましい。

0061

反応(R2−2)は、溶剤中で行うことができる。溶剤としては、例えば、反応(R2−1)で例示する溶剤が挙げられる。

0062

反応(R2−1)〜(R2−2)以外に必要に応じて適宜な工程(例えば、精製工程)を含んでもよい。精製方法としては、例えば、公知の方法(より具体的には、ろ過、クロマトグラフィー、又は晶折等)が挙げられる。

0063

[トリフェニルアミン誘導体(1)の合成方法]
トリフェニルアミン誘導体(1)は、例えば、反応式(R1−1)〜(R1−4)で表される反応(以下、それぞれ反応(R1−1)〜(R1−4)と記載することがある)に従って又はこれに準ずる方法によって製造される。なお、反応式(R1−1)及び(R1−2)において、R1、R3、R5、m1、n1、及びk1は、それぞれ一般式(2)中のR1、R3、R5、m1、n1、及びk1と同義である。Xはハロゲン原子を表し、塩素原子を表すことが好ましい。また、n4及びk2は、各々独立に、0以上2以下の整数を表す。

0064

0065

[反応(R1−1)〜(R1−2)]
反応(R1−1)では、ホスホナート誘導体(A)と、一般式(E)で表されるアルデヒド誘導体(以下、アルデヒド誘導体(E)と記載することがある)とを反応させて、一般式(F)で表されるジフェニルアルケン誘導体(以下、ジフェニルアルケン誘導体(F)と記載することがある)を得る。反応(R1−1)は、アルデヒド誘導体(B)をアルデヒド誘導体(E)に変更した以外は反応(R2−1)と同じ反応である。

0066

反応(R1−2)では、ホスホナート誘導体(A)と、一般式(G)で表されるアルデヒド誘導体(以下、アルデヒド誘導体(G)と記載することがある)とを反応させて、一般式(H)で表されるジフェニルアルケン誘導体(以下、ジフェニルアルケン誘導体(H)と記載することがある)を得る。反応(R1−2)は、アルデヒド誘導体(B)をアルデヒド誘導体(G)に変更した以外は反応(R2−1)と同じ反応である。

0067

[反応(R1−3)〜(R1−4)]
反応(R1−3)〜(R1−4)では、例えば、一般式(J)で表されるアミン誘導体(以下、アミン誘導体(J)と記載することがある)と、ジフェニルアルケン誘導体(F)と、ジフェニルアルケン誘導体(H)とを反応させてトリフェニルアミン誘導体(1)を得る。反応式(R1—3)〜(R1−4)中、R1、m1、n1、R3、k1、及びR5は、それぞれ一般式(1)中のR1、m1、n1、R3、k1、及びR5と同義である。Xは、ハロゲン原子を表し、塩素原子が好ましい。

0068

反応(R1−3)では、アミン誘導体(J)にジフェニルアルケン誘導体(F)を反応させて中間生成物であるアミン誘導体(K)(反応(R1−3)では記載していない)を生成する。

0069

ジフェニルアルケン誘導体(F)とアミン誘導体(J)との反応比[ジフェニルアルケン誘導体(F):アミン誘導体(J)]は、モル比で、1.5:1〜1:1であることが好ましい。アミン誘導体(J)の物質量1モルに対してジフェニルアルケン誘導体(F)の物質量が1モル以上であると、アミン誘導体(K)の収率が低下しにくい。一方、アミン誘導体(J)の物質量1モルに対してジフェニルアルケン誘導体(F)の物質量が1.5モル以下であると、反応(R1−3)の後に、未反応のジフェニルアルケン誘導体(F)が残留しにくく、アミン誘導体(K)の精製が容易となる。

0070

反応(R1−3)では、反応温度は80℃以上140℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。

0071

反応(R1−3)では、触媒としてパラジウム化合物を用いることが好ましい。これにより、反応式(R1−3)における活性化エネルギーを低下させることができる。その結果、アミン誘導体(K)の収率をより向上させることができる。パラジウム化合物としては、例えば、反応(R2−2)で例示されるパラジウム化合物が挙げられる。

0072

パラジウム化合物の添加量は、ジフェニルアルケン誘導体(F)の物質量1モルに対して、0.0005モル以上20モル以下であることが好ましく、0.001モル以上1モル以下であることがより好ましい。

0073

パラジウム化合物は、配位子を含む構造であってもよい。これにより、反応(R1−3)の反応性を向上させることができる。配位子としては、例えば、反応(2−2)で例示した配位子が挙げられる。

0074

反応(R1−3)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。これにより、反応系中で発生するハロゲン化水素がすみやかに中和され、触媒活性を向上させることができる。その結果、アミン誘導体(K)の収率を向上させることができる。塩基は、反応(R2−2)で例示された塩基が挙げられる。

0075

反応(R1−3)は、溶剤中で行うことができる。溶剤としては、例えば、反応(R2−2)で例示した溶媒が挙げられる。

0076

反応(R1−4)では、ジフェニルアルケン誘導体(H)と、反応(R1−3)で得られたアミン誘導体(K)(反応(R1−4)では記載していない)とを反応させてトリフェニルアミン誘導体(1)を生成する。

0077

ジフェニルアルケン誘導体(H)とアミン誘導体(K)との反応比[ジフェニルアルケン誘導体(H):アミン誘導体(K)]は、モル比で、1.5:1〜1:1であることが好ましい。アミン誘導体(K)の物質量1モルに対してジフェニルアルケン誘導体(H)の物質量が1モル以上であると、トリフェニルアミン誘導体(1)の収率が低下しにくい。一方、アミン誘導体(K)の物質量1モルに対してジフェニルアルケン誘導体(H)の物質量が1.5モル以下であると、反応(R1−3)の後に、未反応のジフェニルアルケン誘導体(F)が残留しにくく、トリフェニルアミン誘導体(1)の精製が容易となる。

0078

反応(R1−4)では、反応温度は80℃以上140℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。

0079

反応(R1−4)では、触媒としてパラジウム化合物を用いることが好ましい。これにより、反応式(R1−4)における活性化エネルギーを低下させることができる。その結果、トリフェニルアミン誘導体(1)の収率をより向上させることができる。パラジウム化合物としては、例えば、反応(R2−2)で例示されるパラジウム化合物が挙げられる。

0080

パラジウム化合物の添加量は、ジフェニルアルケン誘導体(H)の物質量1モルに対して、0.0005モル以上20モル以下であることが好ましく、0.001モル以上1モル以下であることがより好ましい。

0081

パラジウム化合物は、配位子を含む構造であってもよい。これにより、反応(R1−4)の反応性を向上させることができる。配位子としては、例えば、反応(2−2)で例示した配位子が挙げられる。

0082

反応(R1−4)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。これにより、反応系中で発生するハロゲン化水素がすみやかに中和され、触媒活性を向上させることができる。その結果、トリフェニルアミン誘導体(1)の収率を向上させることができる。塩基は、反応(R2−2)で例示された塩基が挙げられる。

0083

反応(R1−4)は、溶剤中で行うことができる。溶剤としては、例えば、反応(R2−2)で例示した溶媒が挙げられる。

0084

反応(R1−3)〜(R1−4)では、アミン誘導体(J)に対して順にジフェニルアルケン誘導体(F)とジフェニルアルケン誘導体(H)とを逐次的に反応させている。これ以外に、ジフェニルアミン誘導体(F)とジフェニルアルケン誘導体(H)とをアミン誘導体(J)に反応させる順番を変えてもよい。また、ジフェニルアルケン誘導体(F)及びジフェニルアルケン誘導体(H)をアミン誘導体(J)に同時に反応させてもよい。

0085

<第二実施形態:感光体>
本発明の第二実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)は、感度特性に優れる。その理由は、以下のように推測される。第二実施形態に係る感光体は、導電性基体と感光層とを備える。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含む。正孔輸送剤は、トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)を含む。

0086

トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)は、アミノ基が分子末端に置換された構造を有する。さらに、アミノ基は置換基を有する。トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)は、このような構造を有するため、酸化防止機能を有する。このため、画像形成工程において酸性ガス等が発生し、感光体の表面が酸性ガス(より具体的には、O3又はNOX等)等に曝された場合であっても、感光体の表面は酸化されにくい。このため、トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)を正孔輸送剤として含む感光体は、長期間の使用においても、帯電電位の繰返し安定性(帯電安定性)に優れる。

0087

第二実施形態に係る感光体の構造を説明する。感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)又は積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)が挙げられる。

0088

<1.単層型感光体>
以下、図1を参照して、感光体1が単層型感光体である場合の感光体1の構造について説明する。図1は、第二実施形態に係る感光体1の一例である単層型感光体を示す概略断面図である。

0089

図1(a)に示すように、感光体1としての単層型感光体は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、単層型感光層3aである。すなわち感光体1としての単層型感光体には、感光層3として単層型感光層3aが備えられる。単層型感光層3aは、一層の感光層3である。

0090

図1(b)に示すように、感光体1としての単層型感光体は、導電性基体2と、単層型感光層3aと、中間層(下引き層)4とを備えてもよい。中間層4は、導電性基体2と単層型感光層3aとの間に設けられる。また、図2(c)に示すように、単層型感光層3a上に保護層5が設けられてもよい。

0091

単層型感光層3aの厚さは、単層型感光層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。単層型感光層3aの厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。

0092

感光層3としての単層型感光層3aは、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)と、バインダー樹脂とを含む。単層型感光層3aは、必要に応じて、各種添加剤を含んでもよい。つまり、感光体1が単層型感光体である場合、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)と、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される成分(例えば、添加剤)とが、一層の感光層3(単層型感光層3a)に含まれる。

0093

<2.積層型感光体>
以下、図2を参照して、感光体が積層型感光体である場合の感光体の構造について説明する。図2は、第二実施形態に係る感光体の別の例である積層型感光体を示す概略断面図である。

0094

図2(a)に示すように、感光体1としての積層型感光体は、導電性基体2と感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3bと電荷輸送層3cとを備える。積層型感光体の耐摩耗性を向上させるためには、図2(a)に示すように、導電性基体2上に電荷発生層3bが設けられ、電荷発生層3b上に電荷輸送層3cが設けられることが好ましい。

0095

図2(b)に示すように、感光体1としての積層型感光体では、導電性基体2上に電荷輸送層3cが設けられ、電荷輸送層3c上に電荷発生層3bが設けられてもよい。

0096

図2(c)に示すように、感光体1としての積層型感光体は、導電性基体2と感光層3と中間層(下引き層)4とを備えていてもよい。中間層4は、導電性基体2と感光層3との間に備えられる。また、感光層3上には、保護層5(図1参照)が設けられていてもよい。

0097

電荷発生層3b及び電荷輸送層3cの厚さは、それぞれの層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。電荷発生層3bの厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層3cの厚さは、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。

0098

感光層3のうちの電荷発生層3bは、例えば、電荷発生剤と、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)とを含む。電荷発生層3bは、必要に応じて、各種添加剤を含んでもよい。

0099

電荷輸送層3cは、例えば、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含む。電荷輸送層3cは、必要に応じて、各種添加剤を含んでもよい。

0100

次に、積層型感光体及び単層型感光体の要素について説明する。

0101

<3.導電性基体>
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で形成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウムモリブデンクロムカドミウムチタンニッケル、パラジウム、又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金ステンレス鋼、又は真鍮等)が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。

0102

導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。

0103

<4.電荷発生剤>
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料ペリレン系顔料ビスアゾ顔料トリスアゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素硫化カドミウム、又はアモルファスシリコン等)の粉末ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料トリフェニルメタン系顔料スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0104

フタロシアニン系顔料としては、例えば、化学式(C−1)で表される無金属フタロシアニン(以下、化合物(C−1)と記載することがある)又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(C−2)で表されるチタニルフタロシアニン(以下、化合物(C−2)と記載することがある)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、又はクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型、又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。

0105

0106

無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型、又はY型結晶(以下、α型、β型、又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。クロロガリウムフタロシアニンの結晶としては、クロロガリウムフタロシアニンのII型結晶が挙げられる。

0107

例えば、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。このような画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーを備えるレーザープリンター又はファクシミリが挙げられる。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましい。感光層にトリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)を含む場合、感光体の帯電安定性をさらに向上させるためには、電荷発生剤としては、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンがさらに好ましい。

0108

Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。

0109

(CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダー充填してX線回折スペクトルを測定する。測定条件は、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åである。測定範囲(2θ)は、3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、10°/分である。

0110

短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザー光の波長は、例えば、350nm以上550nm以下である。

0111

感光体が積層型感光体である場合、電荷発生剤の含有量は、電荷発生層に含まれるベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。

0112

感光体が単層型感光体である場合、電荷発生剤の含有量は、単層型感光層に含まれるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上6.0質量部以下であることが特に好ましい。

0113

<5.正孔輸送剤>
感光層は、トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)以外の他の正孔輸送剤を含有してもよい。このような他の正孔輸送剤としては、例えば、ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等)、オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等)、スチリル化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリルアントラセン等)、カルバゾール化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等)、ヒドラゾン系化合物インドール系化合物オキサゾール系化合物イソオキサゾール系化合物チアゾール系化合物チアジアゾール系化合物イミダゾール系化合物ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0114

トリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)の含有量は、感光層に含有される正孔輸送剤100質量部に対して、80質量以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましく、100質量部であることがさらに好ましい。

0115

正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。

0116

正孔輸送剤の含有量は、通常、添加剤としての酸化防止剤(より具体的には、ジ(tert−ブチル)p−クレゾール等)の含有量(より具体的には、バインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部以上15質量部以下の含有量)に比べ、多い。このため、第二実施形態に係る感光体は酸化防止機能を有する正孔輸送剤を含むため、感光層が添加剤として酸化防止剤を含む場合に比べ、酸化防止機能を高めることができる。

0117

<6.バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂スチレンブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体塩素化ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリプロピレン樹脂アイオノマー樹脂塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂ポリアミド樹脂ウレタン樹脂ポリスルホン樹脂ジアリルフタレート樹脂ケトン樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂尿素樹脂、又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂エポキシ化合物アクリル酸誘導体付加物)又はウレタン−アクリル酸系樹脂(ウレタン化合物のアクリル酸誘導体付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂のうち、化学式(Resin−1)で表されるZ型ポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と記載することがある)が好ましい。

0118

0119

バインダー樹脂の粘度平均分子量は、40,000以上であることが好ましく、40,000以上52,500以下であることがより好ましく、45,000以上50,500以下であることがさらに好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上であると、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。バインダー樹脂の粘度平均分子量が52,500以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、電荷輸送層を形成し易くなる。

0120

<7.ベース樹脂>
電荷発生層はベース樹脂を含有する。ベース樹脂は、感光体に適用できるベース樹脂である限り、特に制限されない。ベース樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂(エポキシ化合物のアクリル酸誘導体付加物)又はウレタン−アクリル酸系樹脂(ウレタン化合物のアクリル酸誘導体付加物)が挙げられる。ベース樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0121

電荷発生層に含有されるベース樹脂は、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂とは異なることが好ましい。ベース樹脂がバインダー樹脂と異なれば、電荷輸送層に用いる溶剤にベース樹脂が溶解しにくく、電荷輸送層形成の際に、電荷発生層のベース樹脂が溶解しにくく、均一な電荷発生層を形成し易いからである。一般的に、感光体の製造では、例えば、導電性基体上に電荷発生層を形成し、電荷発生層上に電荷輸送層を形成する。このため、電荷輸送層を形成する際に、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する。

0122

<8.添加剤>
感光体の感光層は、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、ラジカル捕捉剤消光剤、又は紫外線吸収剤等)、電子アクセプター化合物、軟化剤表面改質剤増量剤増粘剤、分散安定剤、ワックスドナー界面活性剤可塑剤増感剤、又はレベリング剤が挙げられる。

0123

感光層は、電子輸送剤又は電子アクセプター化合物を含んでもよい。例えば、単層型感光層又は電荷発生層は、電子輸送剤を含んでもよい。電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を含んでもよい。電子輸送剤又は電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントンジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物ナフトキノン系化合物、ニトロアトラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤又は電子アクセプター化合物は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの電子輸送剤又は電子アクセプター化合物のうち、一般式(E1)で表される化合物が好ましい。

0124

0125

一般式(ET)中、R10及びR11は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数7以上20以下のアラルキル基を表す。

0126

一般式(ET)中、R10及びR11で表される炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、フェニルペンチル基(より具体的には、4−フェニル−2−メチル−2−ブチル基等)がより好ましい。

0127

一般式(ET)中、R10及びR11で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、2−メチル−2−ブチル基がより好ましい。

0128

一般式(ET)で表される化合物としては、例えば、化学式(E−1)又は化学式(E−2)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(E−1)及び(E−2)と記載することがある)が挙げられる。

0129

0130

<9.中間層>
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられると考えられる。

0131

無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、又は銅等)の粒子金属酸化物(より具体的には、酸化チタンアルミナ酸化ジルコニウム酸化スズ、又は酸化亜鉛等)の粒子、又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0132

中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる限り、特に限定されない。中間層は、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤は、感光層の添加剤と同様である。

0133

<10.感光体の製造方法>
単層型感光体は、例えば、単層型感光層用塗布液を導電性基体上に塗布し、塗布膜を形成する。そして、塗布膜を乾燥させることによって製造される。例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)と、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される成分(より具体的には、添加剤等)とを溶剤に溶解又は分散させることにより、単層型感光層用塗布液は製造される。

0134

積層型感光体は、例えば、以下のように製造される。まず、電荷発生層用塗布液と、電荷輸送層用塗布液とを調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布し、塗布膜を形成する。そして、塗布膜を乾燥させることによって、電荷発生層を形成する。続いて、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、塗布膜を形成する。塗布膜を乾燥させることによって、電荷輸送層を形成する。これにより、積層型感光体が製造される。

0135

例えば、電荷発生剤と、必要に応じて添加される成分(より具体的には、ベース樹脂又は各種の添加剤等)とを、溶剤に溶解又は分散させることにより、電荷発生層用塗布液は調製される。例えば、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)又は(2)と、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される成分(より具体的には、添加剤等)とを溶剤に溶解又は分散させることにより、電荷輸送層用塗布液は調製される。

0136

単層型感光層用塗布液、電荷発生層用塗布液、及び電荷輸送層用塗布液(以下、これら3つの塗布液をあわせて塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノールエタノールイソプロパノール、又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサンオクタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトンメチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒドジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体の製造時の作業性を向上させるためには、溶剤として非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。

0137

塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミルロールミルボールミルアトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散機を用いることができる。

0138

塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。

0139

塗布液を塗布する方法としては、塗布液を導電性基体上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法スプレーコート法スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。

0140

塗布液を乾燥する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る限り、特に限定されない。例えば、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。

0141

なお、感光体の製造方法は、必要に応じて、中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程の一方又は両方をさらに含んでもよい。中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。

0142

以上、本実施形態に係る感光体について説明した。本実施形態の感光体によれば、感光体の電気特性を向上させることができる。

0143

以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0144

<1.感光体の材料>
電荷発生層、電荷輸送層、及び単層型感光層を形成するための材料として、以下の正孔輸送剤、電荷発生剤、バインダー樹脂、及び電子輸送剤を準備した。

0145

[1−1.正孔輸送剤]
正孔輸送剤として、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)、並びに化学式(HT−1)〜(HT−3)で表される化合物(以下、それぞれ正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)と記載することがある)を準備した。

0146

0147

[1−1−1.トリフェニルアミン誘導体(1)の合成]
(ジフェニルアルケン誘導体(1F)の合成)
反応(r1−1)に従って、ジフェニルアルケン誘導体(1F)を合成した。

0148

0149

反応(r1−1)では、300mL容の二口フラスコに、ホスホナート誘導体(1A)(7.86g、0.03moL)を0℃で加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、フラスコ内に、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)と28質量%ナトリウムメトキシド(5.79g、0.03moL)とを加え、30分間攪拌し、第一テトラヒドロフラン溶液を調製した。その後、アルデヒド誘導体(1E)(5.31g、0.03moL)を乾燥テトラヒドロフラン(50mL)に加え、第二テトラヒドロフラン溶液を調製した。第二テトラヒドロフラン溶液を第一テトラヒドロフラン溶液に加え、室温(25℃)で12時間攪拌した。得られた混合物を、イオン交換水に注ぎ、トルエンで抽出した。得られた有機層を、イオン交換水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を、トルエン/メタノール(20mL/100mL)を用いて晶析し、ジフェニルアルケン誘導体(1F)を白色結晶として得た。ジフェニルアルケン誘導体(1F)のホスホナート誘導体(1A)からの収量は、7.70g(収率:90モル%)であった。

0150

(トリフェニルアミン誘導体(1−1)の合成)
反応(r1−3)及び(r1−4)に従って、トリフェニルアミン誘導体(1−1)を合成した。

0151

0152

反応(r1−3)及び(r1−4)では、三口フラスコに、反応(r1−1)で得られたジフェニルアルケン誘導体(1F)14.25g(0.05moL)、トリシクロヘキシルホスフィン0.0662g(0.000189moL)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0864g(0.0000944moL)、ナトリウムt−ブトキシド7.68g(0.08moL)、アミン誘導体(1J)3.38g(0.025moL)、及び蒸留したо−キシレン(100mL)を加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、フラスコ内容物を、120℃で5時間攪拌し、室温(25℃)まで冷却した。得られた混合物を、イオン交換水で3回洗浄し、有機層を得た。有機層に、無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加え、乾燥処理及び吸着処理を行った。その後、得られた有機層を減圧留去し、о−キシレンを除去した。得られた残渣を、クロロホルム/ヘキサン体積比V/V=1/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、トリフェニルアミン誘導体(1−1)を得た。ジフェニルアルケン誘導体(1F)からの収量は9.50g(収率:60モル%)であった。

0153

[1−1−2.トリフェニルアミン誘導体(2)の合成]
(ジフェニルアルケン誘導体(2C)の合成)
反応(r2−1)に従ってジフェニルアルケン誘導体(2C)を合成した。アルデヒド誘導体(1E)を表1に記載のアルデヒド誘導体(2B)に変更した以外は、反応(r1−1)と同様の方法でジフェニルアルケン誘導体(2C)を得た。なお、ジフェニルアルケン誘導体(2C−2)〜(2C−3)の製造において使用される各反応物質(Reactant)の物質量は、特に記載がなければ、ジフェニルアルケン誘導体(2C−1)の製造において対応する反応物質の物質量と同じである。

0154

表1に反応(r2−1)におけるホスホナート誘導体(A)及びアルデヒド誘導体(B)の添加量、並びにジフェニルアルケン誘導体(C)の収量及び収率を示す。表1中、欄「アルデヒド誘導体(B)の種類」の2B−1〜2B−3は、それぞれアルデヒド誘導体(2B−1)〜(2B−3)を示す。欄「ジフェニルアルケン誘導体(C)の種類」の2C−1〜2C−3は、それぞれアミン誘導体(2C−1)〜(2C−3)を示す。

0155

0156

アルデヒド誘導体(2B−1)〜(2B−3)は、それぞれ化学式(2B−1)〜(2B−3)で表される。ジフェニルアルケン誘導体(2E−1)〜(2E−3)は、それぞれ化学式(2E−1)〜(2E−3)で表される。

0157

0158

0159

(トリフェニルアミン誘導体(2−1)の合成)
反応(r2−2)に従ってトリフェニルアミン誘導体(2−1)を合成した。

0160

0161

反応(r2−2)では、三口フラスコに、アミン誘導体(2D−1)(7.43g、0.025moL)と、ジフェニルアルケン誘導体(2C−1)(7.13g、0.025moL)と、トリシクロヘキシルホスフィン(0.0331g、9.45×10-5moL)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0432g、4.72×10-5moL)と、ナトリウムtert−ブトキシド(3.84g、0.04moL)と、蒸留したо−キシレン(100mL)とを加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、フラスコ内容物を、120℃で5時間攪拌し、室温(25℃)まで冷却した。得られた混合物を、イオン交換水で3回洗浄し、有機層を得た。有機層に、無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加え、乾燥処理及び吸着処理を行った。その後、得られた有機層を減圧留去し、о−キシレンを除去した。得られた残渣を、展開溶媒としてクロロホルム/ヘキサン(体積比V/V=1/1)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、トリフェニルアミン誘導体(2−1)を得た。アミン誘導体(2D−1)からのトリフェニルアミン誘導体(2−1)の収量は7.51g(収率:55モル%)であった。

0162

(トリフェニルアミン誘導体(2−2)〜(2−4)の合成)
アミン誘導体(2D−1)を表2に記載のアミン誘導体(2D)に変更し、ジフェニルアルケン誘導体(2C−1)を表1に記載のジフェニルアルケン誘導体(2C)に変更した以外は、反応(r2−2)と同様の方法でトリフェニルアミン誘導体(2)を得た。なお、トリフェニルアミン誘導体(2−2)〜(2−4)の製造において使用される各反応物質(Reactant)の物質量は、特に記載がなければ、トリフェニルアミン誘導体(2−1)の製造において対応する反応物質の物質量と同じである。

0163

表2に反応(r2−2)におけるジフェニルアルケン誘導体(2C)及びアミン誘導体(2D)の添加量、並びにトリフェニルアミン誘導体(2)の収量及び収率を示す。表2中、欄「ジフェニルアルケン誘導体(2C)の種類」の2C−1〜2C−3は、それぞれジフェニルアルケン誘導体(2C−1)〜(2C−3)を示す。欄「アミン誘導体(2D)の種類」の2D−1〜2D−3は、それぞれアミン誘導体(2D−1)〜(2D−3)を示す。欄「トリフェニルアミン誘導体(2)の種類」の2−1〜2−4は、それぞれトリフェニルアミン誘導体(2−1)〜(2−4)を示す。

0164

0165

アミン誘導体(2D−2)〜(2D−3)は、それぞれ化学式(2D−2)〜(2D−3)で表される。

0166

0167

次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、製造したトリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシランTMS)を用いた。これらのうち、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−2)を代表例として挙げる。

0168

以下にトリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−2)の化学シフト値をそれぞれ示す。
トリフェニルアミン誘導体(1−1):1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ=7.37−7.29(m,7H),7.25(s,2H),7.24−7.14(m,3H),6.95−6.83(m,7H),6.67−6.63(d,4H),3.37(q,8H),2.44(q,2H),2.04(s,3H),1.17(t,12H),1.00(t,3H).
トリフェニルアミン誘導体(2−1):1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ=7.45−7.20(m,13H),7.14−6.80(m,11H),6.68−6.59(m,4H),3.37(q,4H),1.18(t,6H).
トリフェニルアミン誘導体(2−2):1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ=7.37−7.28(m,4H),7.07−6.93(m,10H),6.89−6.78(m,2H),6.67−6.63(m,2H),3.36(q,4H),2.30(s,6H),1.17(t,6H).

0169

化学シフト値により、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−2)が得られていることを確認した。他のトリフェニルアミン誘導体(2−3)〜(2−4)も同様にして、化学シフト値により、トリフェニルアミン誘導体(2−3)〜(2−4)がそれぞれ得られていることを確認した。

0170

[1−2.電荷発生剤]
電荷発生剤として、第二実施形態で説明した化合物(C−1)及び化合物(C−2)を準備した。化合物(C−1)は、化学式(C−1)で表される無金属フタロシアニン(X型無金属フタロシアニン)であった。また、化合物(C−1)の結晶構造はX型であった。化合物(C−2)は、化学式(C−2)で表されるチタニルフタロシアニン(Y型チタニルフタロシアニン)であった。また、化合物(C−2)の結晶構造はY型であった。また、化合物(C−2)のX線回折スペクトルは、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有していた。

0171

[1−3.バインダー樹脂]
バインダー樹脂として、第二実施形態で説明したポリカーボネート樹脂(Resin−1)(帝人株式会社製「TS2050」粘度平均分子量50,000)を準備した。

0172

[1−4.電子輸送剤]
電子輸送剤として、第二実施形態で説明した化合物(E−1)及び化合物(E−2)を準備した。

0173

<2.感光体の製造>
[2−1.積層型感光体の製造]
感光層を形成するための材料を用いて、積層型感光体(A−1)〜(A−5)及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)を製造した。

0174

[2−1−1.積層型感光体(A−1)の製造]
(下引き層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−02」、数平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて表面処理し、さらに、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2.8質量部)と、共重合ポリアミド樹脂(ダイセルエボニック株式会社製「ダイアミドX4685」)(1質量部)とを混合溶媒に添加した。混合溶媒は、エタノール(10質量部)と、ブタノール(2質量部)とを含んでした。ビーズミルを用いて、これら材料(表面処理された酸化チタン及び共重合ポリアミド樹脂)と混合溶媒とを5時間混合し、混合溶剤中に材料を分散させた。これにより、下引層用塗布液を作製した。

0175

得られた下引層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)の表面に、ディップコート法を用いて中間層用塗布液を塗布し、塗布膜を形成した。続いて、塗布膜を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体上に下引き層(膜厚1.5μm)を形成した。

0176

(電荷発生層の形成)
次に、電荷発生剤として化合物(C−2)(Y型チタニルフタロシアニン)(1質量部)と、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(デンカ株式会社製「デンカブチラール#6000EP」)(1質量部)とを、混合溶媒に添加した。混合溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)と、テトラヒドロフラン(40質量部)とを含んでいた。ビーズミルを用いてこれら材料(化合物(C−2)及びポリビニルブチラール樹脂)と混合溶媒とを2時間混合し、混合溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された下引き層上にディップコート法を用いて塗布し、塗布膜を形成した。塗布膜を50℃で5分間乾燥させた。これにより、下引き層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。

0177

(電荷輸送層の形成)
次に、トリフェニルアミン誘導体(1−1)(70質量部)と、添加剤としてのジtertブチル−p−クレゾール(5質量部)、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)(100質量部)とを、混合溶媒に添加した。混合溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)(430質量部)と、トルエン(430質量部)とを含んでいた。これら材料(トリフェニルアミン誘導体(1−1)、ジtertブチル−p−クレゾール、及びポリカーボネート樹脂(Resin−1))と混合溶媒とを混合し、混合溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を作製した。次いで、電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様にして電荷発生層上に塗布し、塗布膜を形成した。塗布膜を130℃で30分間乾燥させた。これにより、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成し、積層型感光体(A−1)を作製した。

0178

[2−1−2.積層型感光体(A−2)〜(A−5)及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)の製造]
以下の点を変更した以外は、積層型感光体(A−1)の製造と同様の方法で、積層型感光体(A−2)〜(A−5)及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)をそれぞれ製造した。積層型感光体(A−1)の製造に用いた正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1−1)を、表3に示す種類の正孔輸送剤に変更した。なお、表3中、欄「感光体No」のA−1〜A−5、及びB−1〜B−3は、それぞれ積層型感光体(A−1)〜(A−5)、及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)を示す。欄「正孔輸送剤」の1−1、2−1〜2−4、及びHT−1〜HT−3は、それぞれトリフェニルアミン誘導体(1−1)、(2−1)〜(2−4)、及び正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)を示す。

0179

[2−2.単層型感光体の製造]
感光層を形成するための材料を用いて、単層型感光体(A−6)〜(A−20)及び単層型感光体(B−4)〜(B−12)を製造した。

0180

[2−2−1.単層型感光体(A−6)の製造]
(単層型感光層の形成)
X型無金属フタロシアニン(5質量部)と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1−1)(80質量部)と、電子輸送剤としての化合物(E−1)(50質量部)と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1)(100質量部)とを、THF(800質量部)に添加した。ボールミルを用いて、これら材料(X型無金属フタロシアニン、トリフェニルアミン誘導体(1−1)、及びポリカーボネート樹脂(Resin−1))と溶媒とを50時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、感光層用塗布液を作製した。次いで、感光層用塗布液を、導電性基体上に塗布し、塗布膜を形成した。塗布膜を100℃で30分間乾燥させた。これにより、導電性基体上に単層型感光層(膜厚25μm)を形成し、単層型感光体(A−6)を作製した。

0181

[2−2−2.単層型感光体(A−7)〜(A−11)及び単層型感光体(B−4)〜(B−12)の製造]
以下の点を変更した以外は、積層型感光体(A−6)の製造と同様の方法で、単層型感光体(A−7)〜(A−20)及び単層型感光体(B−4)〜(B−12)をそれぞれ製造した。単層型感光体(A−6)の製造に用いた正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1−1)を、表4に示す種類の正孔輸送剤に変更した。単層型感光体(A−6)の製造に用いた電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニンを、表4に示す種類の電荷発生剤に変更した。単層型感光体(A−6)の製造に用いた電子輸送剤としての化合物(E−1)を、表4に示す種類の電子輸送剤に変更した。なお、表4中、欄「感光体No」のA−6〜A−20、及びB−4〜B−12は、それぞれ単層型感光体(A−6)〜(A−20)、及び単層型感光体(B−4)〜(B−12)を示す。欄「正孔輸送剤」の1−1、2−1〜2−4、及びHT−1〜HT−3は、それぞれトリフェニルアミン誘導体(1−1)、(2−1)〜(2−4)、及び正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)を示す。欄「電子輸送剤」のE−1〜E−2は、それぞれ化合物(E−1)〜(E−2)を示す。

0182

<3.感光体の感度特性の評価>
(3−1.積層型感光体の感度電位の測定)
製造した積層型感光体(A−1)〜(A−5)及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、感度特性を評価した。感度特性の評価は、温度23℃及び湿度50%RHの環境下で行った。まず、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を−700Vに帯電させた。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプ白色光から単色光(波長780nm、半値幅20nm、光強度0.4μJ/m2)を取り出した。取り出された単色光を、感光体の表面に照射した。照射が開始してから0.5秒経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された表面電位を、感度電位(VL、単位V)とした。測定された感光体の感度電位(VL)を、表3に示す。なお、感度電位(VL)の絶対値が小さいほど、感光体の電気特性が優れていることを示す。

0183

(3−2.積層型感光体の帯電電位の測定)
製造した積層型感光体(A−1)〜(A−5)及び積層型感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、帯電安定性を評価した。帯電安定性の評価は、温度10℃及び湿度15%RHの環境下で行った。まず、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数222rpmで感光体の表面を−700Vに帯電させた(帯電工程)。初期に設定した帯電電位(−700V)を初期帯電電位(V0(0)(単位:V))とした。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプの白色光から単色光(波長780nm、半値幅20nm、光強度1.0μJ/m2)を取り出した。取り出された単色光を、感光体の表面に照射した(露光工程)。次いで、単色光(波長:660nm、露光量:5.0μJ/cm2)を感光体の表面に照射して除電した(除電工程)。このような帯電工程−露光工程−除電工程を繰り返し、感光体を1万回転させた。次いで、回転数222rpmで感光体の表面を帯電し、帯電電位を測定した。得られた帯電電位を1万回転後の帯電電位(V0(10,000)(単位:V))とした。V0(0)及びV0(10,000)から数式(1)を用いて、帯電電位差ΔV0(単位:V)を算出した。
ΔV0=|V0(0)−V0(10,000)|・・・(1)
表3にΔV0を示す。ΔV0の値が小さいほど、帯電電位の繰返し安定性(帯電安定性)が優れることを示す。

0184

0185

(3−3.単層型感光体の感度電位の測定)
製造した単層型感光体(A−6)〜(A−20)及び単層型感光体(B−4)〜(B−12)の各々に対して、感度特性を評価した。帯電電位を−700Vから+700Vに変更し、単色光の光強度を0.4μJ/m2から1.5μJ/m2に変更した以外は、積層型感光体の感度電位の測定と同様にして、単層型感光体の感度電位を測定した。測定された感光体の感度電位(VL)を、表4に示す。なお、感度電位(VL)の絶対値が小さいほど、感光体の感度特性が優れていることを示す。

0186

(3−4.単層型感光体の帯電電位の測定)
製造した単層型感光体(A−6)〜(A−20)及び単層型感光体(B−4)〜(B−3)の各々に対して、帯電安定性を評価した。帯電電位を−700Vから+700Vに変更した以外は、積層型感光体の帯電電位の測定と同様にして、単層型感光体の帯電電位を測定した。測定された感光体の初期帯電電位(V0(0)(単位:V))及び1万回転後の帯電電位(V0(10,000)(単位:V))から数式(1)を用いて、帯電電位差ΔV0を算出した。表4にΔV0を示す。ΔV0の値が小さいほど、帯電電位の繰返し安定性(帯電安定性)が優れることを示す。

0187

0188

表3に示すように、積層型感光体(A−1)〜(A−5)では、電荷発生層は電荷発生剤を含有していた。電荷輸送層は正孔輸送剤としてトリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)の何れか1種と、バインダー樹脂とを含有していた。トリフェニルアミン誘導体(1−1)は、一般式(1)で表されるトリフェニルアミン誘導体であった。トリフェニルアミン誘導体(2−1)〜(2−4)は、一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体であった。積層型感光体(A−1)〜(A−5)では、帯電電位差ΔV0が18V以上22V以下であった。

0189

表3に示すように、積層型感光体(B−1)〜(B−3)では、電荷輸送層は正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)の何れか1種を含有していた。正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)は、一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体でなかった。積層型感光体(B−1)〜(B−3)では、帯電電位差ΔV0が48V以上55V以下であった。

0190

よって、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)は、正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)に比べ、積層型感光体の帯電安定性を向上させることが明らかである。積層型感光体(A−1)〜(A−5)は、積層型感光体(B−1)〜(B−3)に比べ、帯電安定性に優れることが明らかである。

0191

表4に示すように、単層型感光体(A−6)〜(A−20)では、単層型感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてトリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)の何れか1種と、バインダー樹脂とを含有していた。トリフェニルアミン誘導体(1−1)は、一般式(1)で表されるトリフェニルアミン誘導体であった。トリフェニルアミン誘導体(2−1)〜(2−4)は、一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体であった。単層型感光体(A−6)〜(A−20)では、帯電電位差ΔV0が51V以上60V以下であった。

0192

表4に示すように、単層型感光体(B−4)〜(B−12)では、単層型感光層は正孔輸送剤として正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)の何れか1種を含有していた。正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)は、一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体でなかった。積層型感光体(B−4)〜(B−12)では、帯電電位差ΔV0が60V以上72V以下であった。

0193

よって、トリフェニルアミン誘導体(1−1)及び(2−1)〜(2−4)は、正孔輸送剤(HT−1)〜(HT−3)に比べ、単層型感光体の帯電安定性を向上させることが明らかである。単層型感光体(A−6)〜(A−20)は、積層型感光体(B−4)〜(B−12)に比べ、帯電安定性に優れることが明らかである。

実施例

0194

一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体は、感光体の帯電安定性を向上させることが明らかである。また、一般式(1)又は一般式(2)で表されるトリフェニルアミン誘導体を正孔輸送剤として含む感光体は、帯電安定性に優れることが明らかである。

0195

本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用することができる。

0196

1電子写真感光体
3感光層
3a単層型感光層
3b電荷発生層
3c 電荷輸送層

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