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課題

胎児型ヘモグロビンの再誘導のためのBCL11A(C2H2型亜鉛フィンガー転写因子遠位調節エレメントの標的化の提供。

解決手段

減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質発現を有する前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612(UCSCゲノムブラウザhg19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法。

概要

背景

背景
正常な成人型ヘモグロビンには、4つのグロビンタンパク質が含まれており、そのうちの2つは、アルファ(α)タンパク質であり、残りの2つは、ベータ(β)タンパク質である。哺乳類、特にヒトの胎児発達過程において、胎児は、胎児型ヘモグロビンを産生し、胎児型ヘモグロビンには、2つのβグロビンタンパク質の代わりに、2つのガンマ(γ)グロビンタンパク質が含まれている。新生児期には、胎児スイッチ(fetal switch)とも呼ばれるグロビンスイッチが起こり、この時、赤血球系前駆細胞は、主にγグロビンの産生から、主にβグロビンの産生へと切り替わる。主に胎児型ヘモグロビンすなわちHbF(α2γ2)の産生から成人型ヘモグロビンすなわちHbA(α2β2)の産生への発達期の切り替わりは、妊娠28から34週目に始まり、生後間もない時期まで続き、HbAが優勢となる。この切り替わりは、主に、γグロビン遺伝子転写が低下し、βグロビン遺伝子の転写が活性化することによる。正常な成人の血液は、平均で1%未満のHbFを含むが、健康な成人に残存するHbFレベルには、20倍を超える変動幅が認められており、遺伝的に制御されている。

異常ヘモグロビン症には、赤血球(RBC)の産生が低下している、および/または、赤血球(RBC)の崩壊(溶血)が増加している、いくつかの遺伝性貧血が含まれる。これらにはまた、異常ヘモグロビンの産生をもたらし、同時に酸素濃度を維持する能力障害を伴う、遺伝的欠陥も含まれる。このような疾患には、十分な量の正常βグロビンを産生できないものや、正常なβグロビンが全く産生できないものがある。このようなβグロビンタンパク質が関与する疾患は、一般に、β異常ヘモグロビン症と呼ばれる。例えば、βサラセミアは、βグロビン遺伝子の発現が部分的にまたは完全に障害されることにより起こり、HbAの異常または欠損が生じる。鎌状赤血球貧血症は、βグロビン構造遺伝子点突然変異に起因し、異常(鎌状)ヘモグロビン(HbS)の産生が起こる。HbSは、特に脱酸素化条件で、重合を起こす傾向がある。HbS型RBCは、正常なRBCよりも脆弱であり、溶血が起こりやすいために、最終的に貧血につながる。

近年、β異常ヘモグロビン症患者におけるグロビン鎖不均衡やヘモグロビン重合性を低減することを目指した治療に関する研究において、胎児型ヘモグロビン(α2γ2、HbF)の薬理処置が注目されている。このようなアプローチに治療的将来性があることは、ホモ接合型βサラセミアおよび遺伝性高胎児ヘモグロビン症(HPFH)の両方を同時に受け継いだ患者における表現型を観察することにより示唆される。また、ホモ接合型βサラセミアを有し、成人型ヘモグロビンの合成が起こらない患者において、胎児型ヘモグロビン濃度が高い場合には、輸血の必要性が低いことからも示唆される。さらに、β鎖異常を有する成人患者の一部では、胎児型ヘモグロビン(HbF)濃度が正常値よりも高いことが知られており、HbFが成人正常値である患者よりも症状経過が軽いことが観察されている。例えば、サウジアラビア人の鎌状赤血球症患者であって、HbFを20〜30%発現する患者からなる群においては、臨床症状が軽い。現在では、鎌状赤血球貧血症やβサラセミアなどのヘモグロビン障害は、HbFの生成を高めることにより、改善することが知られている。

既に述べたように、胎児型ヘモグロビンから成人型ヘモグロビン(α2γ2、HbA)への切り替わりは、通常、産後6ヶ月以内に進行する。しかし、β異常ヘモグロビン症患者の大半においては、上流にあるγグロビン遺伝子は、インタクトであり、完全に機能的であることから、この遺伝子を再活性化すれば、成人期においても機能的なヘモグロビンの合成が維持され、疾患の重症度を軽減できると考えられる。残念ながら、グロビンスイッチの生体内分子機序について、十分な解明は行われていない。

胎児型ヘモグロビン産生の再活性化が実現可能であることを示す証左は、半固形培地において、クローン原性細胞を含む末梢血に対して、適当な成長因子を組み合わせて投与すると、赤血球系コロニーおよび赤血球系バーストの生成が示された実験により得られる。そのようなコロニーの各細胞は、胎児型ヘモグロビン(HbF)、成人型ヘモグロビン(HbA)またはその両方を蓄えることができる。成人血液培養により、有核赤血球は、HbAのみ(F-A+)、または、HbFとHbAとの組み合わせ(F+A+)のいずれかを蓄えることができる。重要なことは、各コロニーには、F+細胞およびF-細胞の両方が含まれていることであり、このことは、両方の細胞型が同じ循環幹細胞後代であることを示している。このように、培養による発達の初期段階において、細胞は、現在のところ解明されていない機序により、HbFを発現するかしないかの選択を行う。培養において生成する成人F+細胞の割合は、生体内において事前プログラミングが行われているのではなく、培養条件によって変わると考えられる。HbFとHbAとの両方を発現する経路へのシフトは、例えば、血清濃度を高くすることによりインビトロで実現可能であり、それは、活性炭吸着する未同定物質の作用によるものである。

概して、グロビンスイッチに関与する分子を特定することは、成人型ヘモグロビン合成を阻害し、胎児型ヘモグロビン合成を誘導する新規治療方策の開発に重要である。そのような分子は、胎児型ヘモグロビン合成の再活性化により疾患の重症度や罹患率が大きく改善する、さまざまな異常ヘモグロビン症に対する治療法を開発する上で、新たな標的を提供する。

概要

胎児型ヘモグロビンの再誘導のためのBCL11A(C2H2型亜鉛フィンガー転写因子遠位調節エレメントの標的化の提供。減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612(UCSCゲノムブラウザhg19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法。なし

目的

そのような分子は、胎児型ヘモグロビン合成の再活性化により疾患の重症度や罹患率が大きく改善する、さまざまな異常ヘモグロビン症に対する治療法を開発する上で、新たな標的を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質発現を有する前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法。

請求項2

DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによって該DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、段階を含む、少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を産生するための方法。

請求項3

前記単離された前駆細胞または単離された細胞が、造血前駆細胞である、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

造血前駆細胞が、赤血球系列の細胞である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記単離された前駆細胞または単離された細胞が、人工多能性幹細胞である、請求項1または2に記載の方法。

請求項6

造血前駆細胞を、エクスビボまたはインビトロで接触させる、請求項3に記載の方法。

請求項7

少なくとも1つの遺伝的改変が、欠失である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

欠失が、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす、請求項7に記載の方法。

請求項9

請求項2〜8に記載の第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞。

請求項10

請求項9に記載の単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物。

請求項11

以下の段階を含む、細胞における胎児型ヘモグロビンベルを増加させる方法:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の該細胞と比べて、該細胞またはその後代において増加される、段階。

請求項12

前記単離された細胞が、造血前駆細胞である、請求項11に記載の方法。

請求項13

造血前駆細胞が、赤血球系列の細胞である、請求項11または12に記載の方法。

請求項14

前記単離された細胞が、人工多能性幹細胞である、請求項11に記載の方法。

請求項15

造血前駆細胞を、エクスビボまたはインビトロで接触させる、請求項12または13に記載の方法。

請求項16

少なくとも1つの遺伝的改変が、欠失である、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

欠失が、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす、請求項16に記載の方法。

請求項18

以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、該哺乳類において単離された造血前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

請求項19

それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、請求項9に記載の単離された遺伝子操作ヒト細胞または請求項10に記載の組成物を該哺乳類に移植する段階を含む、方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2012年11月27日付で出願された米国仮特許出願第61/730,323号の、2012年11月27日付で出願された米国仮特許出願第61/730,369号の、2013年3月11日付で出願された米国仮特許出願第61/776,144号の、および2013年10月10日付で出願された米国仮特許出願第61/889,174号の米国特許法第119条(e)下での恩典を主張するものであり、その各々の内容の全体は、参照により本明細書に組み入れられる。

0002

政府支援
本発明は、国立衛生研究所により授与された助成金番号5RO1HL032259の下で政府支援によってなされた。政府は本発明において一定の権利を有している。

背景技術

0003

背景
正常な成人型ヘモグロビンには、4つのグロビンタンパク質が含まれており、そのうちの2つは、アルファ(α)タンパク質であり、残りの2つは、ベータ(β)タンパク質である。哺乳類、特にヒトの胎児発達過程において、胎児は、胎児型ヘモグロビンを産生し、胎児型ヘモグロビンには、2つのβグロビンタンパク質の代わりに、2つのガンマ(γ)グロビンタンパク質が含まれている。新生児期には、胎児スイッチ(fetal switch)とも呼ばれるグロビンスイッチが起こり、この時、赤血球系前駆細胞は、主にγグロビンの産生から、主にβグロビンの産生へと切り替わる。主に胎児型ヘモグロビンすなわちHbF(α2γ2)の産生から成人型ヘモグロビンすなわちHbA(α2β2)の産生への発達期の切り替わりは、妊娠28から34週目に始まり、生後間もない時期まで続き、HbAが優勢となる。この切り替わりは、主に、γグロビン遺伝子転写が低下し、βグロビン遺伝子の転写が活性化することによる。正常な成人の血液は、平均で1%未満のHbFを含むが、健康な成人に残存するHbFレベルには、20倍を超える変動幅が認められており、遺伝的に制御されている。

0004

異常ヘモグロビン症には、赤血球(RBC)の産生が低下している、および/または、赤血球(RBC)の崩壊(溶血)が増加している、いくつかの遺伝性貧血が含まれる。これらにはまた、異常ヘモグロビンの産生をもたらし、同時に酸素濃度を維持する能力障害を伴う、遺伝的欠陥も含まれる。このような疾患には、十分な量の正常βグロビンを産生できないものや、正常なβグロビンが全く産生できないものがある。このようなβグロビンタンパク質が関与する疾患は、一般に、β異常ヘモグロビン症と呼ばれる。例えば、βサラセミアは、βグロビン遺伝子の発現が部分的にまたは完全に障害されることにより起こり、HbAの異常または欠損が生じる。鎌状赤血球貧血症は、βグロビン構造遺伝子点突然変異に起因し、異常(鎌状)ヘモグロビン(HbS)の産生が起こる。HbSは、特に脱酸素化条件で、重合を起こす傾向がある。HbS型RBCは、正常なRBCよりも脆弱であり、溶血が起こりやすいために、最終的に貧血につながる。

0005

近年、β異常ヘモグロビン症患者におけるグロビン鎖不均衡やヘモグロビン重合性を低減することを目指した治療に関する研究において、胎児型ヘモグロビン(α2γ2、HbF)の薬理処置が注目されている。このようなアプローチに治療的将来性があることは、ホモ接合型βサラセミアおよび遺伝性高胎児ヘモグロビン症(HPFH)の両方を同時に受け継いだ患者における表現型を観察することにより示唆される。また、ホモ接合型βサラセミアを有し、成人型ヘモグロビンの合成が起こらない患者において、胎児型ヘモグロビン濃度が高い場合には、輸血の必要性が低いことからも示唆される。さらに、β鎖異常を有する成人患者の一部では、胎児型ヘモグロビン(HbF)濃度が正常値よりも高いことが知られており、HbFが成人正常値である患者よりも症状経過が軽いことが観察されている。例えば、サウジアラビア人の鎌状赤血球症患者であって、HbFを20〜30%発現する患者からなる群においては、臨床症状が軽い。現在では、鎌状赤血球貧血症やβサラセミアなどのヘモグロビン障害は、HbFの生成を高めることにより、改善することが知られている。

0006

既に述べたように、胎児型ヘモグロビンから成人型ヘモグロビン(α2γ2、HbA)への切り替わりは、通常、産後6ヶ月以内に進行する。しかし、β異常ヘモグロビン症患者の大半においては、上流にあるγグロビン遺伝子は、インタクトであり、完全に機能的であることから、この遺伝子を再活性化すれば、成人期においても機能的なヘモグロビンの合成が維持され、疾患の重症度を軽減できると考えられる。残念ながら、グロビンスイッチの生体内分子機序について、十分な解明は行われていない。

0007

胎児型ヘモグロビン産生の再活性化が実現可能であることを示す証左は、半固形培地において、クローン原性細胞を含む末梢血に対して、適当な成長因子を組み合わせて投与すると、赤血球系コロニーおよび赤血球系バーストの生成が示された実験により得られる。そのようなコロニーの各細胞は、胎児型ヘモグロビン(HbF)、成人型ヘモグロビン(HbA)またはその両方を蓄えることができる。成人血液培養により、有核赤血球は、HbAのみ(F-A+)、または、HbFとHbAとの組み合わせ(F+A+)のいずれかを蓄えることができる。重要なことは、各コロニーには、F+細胞およびF-細胞の両方が含まれていることであり、このことは、両方の細胞型が同じ循環幹細胞後代であることを示している。このように、培養による発達の初期段階において、細胞は、現在のところ解明されていない機序により、HbFを発現するかしないかの選択を行う。培養において生成する成人F+細胞の割合は、生体内において事前プログラミングが行われているのではなく、培養条件によって変わると考えられる。HbFとHbAとの両方を発現する経路へのシフトは、例えば、血清濃度を高くすることによりインビトロで実現可能であり、それは、活性炭吸着する未同定物質の作用によるものである。

0008

概して、グロビンスイッチに関与する分子を特定することは、成人型ヘモグロビン合成を阻害し、胎児型ヘモグロビン合成を誘導する新規治療方策の開発に重要である。そのような分子は、胎児型ヘモグロビン合成の再活性化により疾患の重症度や罹患率が大きく改善する、さまざまな異常ヘモグロビン症に対する治療法を開発する上で、新たな標的を提供する。

0009

概要
BCL11A発現をゲノムレベルで破壊することにより細胞中の胎児型β-グロビンレベルを増加させるための方法および組成物が本明細書において提供される。胎児型β-グロビンレベルの再誘導による異常ヘモグロビン症の処置に関する方法および組成物も本明細書において提供される。

0010

本明細書において記述される1つの局面は、減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法に関する。

0011

本明細書において記述される別の局面は、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによってDNAを標的とするエンドヌクレアーゼが、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、段階を含む、少なくとも1つの遺伝的改変を有する遺伝子操作ヒト細胞を産生するための方法に関する。

0012

本明細書で別の局面において同様に提供されるのは、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞である。1つの態様において、少なくとも1つの遺伝的改変は、特定の位置でのゲノムDNAにおける欠失である。1つの態様において、単離された遺伝子操作ヒト細胞は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に1つの遺伝的改変も有しない対照細胞と比べて低減または減少されたBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を有する。

0013

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる目的のための、本明細書において記述される第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞の使用に関する。

0014

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置のための、本明細書において記述される第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞の使用に関する。

0015

本明細書において記述される別の局面は、それによって哺乳類における胎児型ヘモグロビンレベルが増加される、哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための薬物の製造のための、本明細書において記述される第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞の使用に関する。

0016

本明細書において記述される別の局面は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物である。1つの態様において、組成物は薬学的に許容される担体をさらに含む。

0017

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる目的のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用に関する。

0018

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用に関する。

0019

本明細書において記述される別の局面は、それによって哺乳類における胎児型ヘモグロビンレベルが増加される、哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための薬物の製造のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用に関する。

0020

本明細書において記述される別の局面は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のヒト細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物である。1つの態様において、組成物は薬学的に許容される担体をさらに含む。

0021

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる目的のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のヒト細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の使用に関する。

0022

本明細書において記述される別の局面は、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のヒト細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の使用に関する。

0023

本明細書において記述される別の局面は、それによって哺乳類における胎児型ヘモグロビンレベルが増加される、哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための薬物の製造のための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のヒト細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の使用に関する。

0024

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤の使用であって、BCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現が低減される、使用が本明細書において提供される。

0025

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量の使用であって、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、使用が本明細書において提供される。

0026

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量の使用であって、DNAを標的とする酵素が第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAもしくは発現に影響を与える、使用が本明細書において提供される。1つの態様において、少なくとも1つの後成的修飾は、位置60,716,189〜60,728,612の位置である。別の態様において、1つの後成的修飾の効果は、BCL11AのmRNAもしくはタンパク質の発現を低減させることである。1つの態様において、第2染色体上での細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612に間接的または直接的に影響を与える。

0027

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、本明細書において記述されるいずれかの単離された細胞の使用が本明細書において提供される。

0028

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスによって生成された第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の少なくとも1つの遺伝的改変を細胞が有する、使用が本明細書において提供される。

0029

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用であって、細胞が第2染色体上に少なくとも1つの後成的修飾を有する、使用が本明細書において提供される。1つの態様において、第2染色体上の少なくとも1つの後成的修飾は、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)の位置である。別の態様において、第2染色体上の少なくとも1つの後成的修飾は、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスであって、それによってDNAを標的とする酵素が、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)に影響を与える第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾をもたらし、その中に少なくとも1つの後成的修飾を引き起こすプロセスによって生成される。

0030

1つの態様において、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための薬物の製造のための、本明細書において記述されるいずれかの単離された細胞または本明細書において記述されるいずれか1つの組成物の使用が本明細書において提供される。

0031

本明細書において記述される別の局面は、以下の段階を含む、細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法である:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の該細胞と比べて、該細胞またはその後代において増加される、段階。

0032

本明細書において記述される別の局面は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法である:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、該哺乳類において単離された造血前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0033

本明細書において記述される別の局面は、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を該哺乳類に移植する段階を含む、方法である。

0034

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:エクスビボで哺乳類から単離された造血前駆細胞または造血幹細胞集団を提供する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、造血前駆細胞または幹細胞の集団を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0035

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、造血前駆細胞または幹細胞の集団をエクスビボで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0036

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を提供・単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0037

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0038

1つの態様において、本開示は、(a)造血前駆細胞もしくは造血幹細胞またはiPSCを提供する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞をエクスビボまたはインビトロで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0039

1つの態様において、本開示は、(a)哺乳類から造血前駆細胞もしくは造血幹細胞を単離する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞をエクスビボまたはインビトロで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0040

1つの態様において、本開示は、(a)造血前駆細胞もしくは造血幹細胞またはiPSCを提供する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0041

1つの態様において、本開示は、(a)哺乳類から造血前駆細胞もしくは造血幹細胞を単離する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0042

1つの態様において、本開示は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作細胞を含む本明細書において記述される組成物を導入する段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が哺乳類において増加される、段階を含む、哺乳類(例えばヒト)における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0043

1つの態様において、本開示は、本明細書において記述される方法により哺乳類における胎児型ヘモグロビンの発現を増加させる段階を含む、哺乳類(例えばヒト)における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0044

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、単離された細胞または単離された細胞集団は、ヒト細胞である。

0045

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、単離された細胞または単離された細胞集団は、前駆細胞である。

0046

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、ヒト細胞は、造血前駆細胞である。

0047

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、ヒト細胞は、人工多能性幹細胞である。

0048

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、人工多能性幹細胞は、造血前駆細胞である。

0049

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、造血前駆細胞は、赤血球系列の細胞である。

0050

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、造血前駆細胞または単離されたものは、エクスビボまたはインビトロまたはインビボで接触させる。

0051

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、少なくとも1つの遺伝的改変は、欠失である。

0052

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、欠失は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす。

0053

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数を含む。

0054

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数を含む。

0055

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数を含む。

0056

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす。1つの態様において、本明細書において用いられる場合、ゲノム欠失との関連で「一部分」という用語は、特定領域の少なくとも20%〜80%である。

0057

いずれかの処置方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。

0058

いずれかの方法の1つの態様において、少なくとも1つの遺伝的改変を有する接触させた細胞は、哺乳類への投与に必要とされるまで凍結保存および貯蔵することができる。

0059

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞または単離された細胞は、本明細書において記述されるiPSCと置き換えることができる。

0060

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCまたは単離された細胞は、前記哺乳類にとって自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来することを意味する。記述される方法の別の態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCまたは単離された細胞は、前記哺乳類にとって非自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来するのではなく、同じ種の別の哺乳類に由来することを意味する。例えば、哺乳類はヒトである。

0061

いずれかの処置方法の1つの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0062

いずれかの処置方法の1つの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0063

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症はβ異常ヘモグロビン症である。

0064

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症はβサラセミアである。

0065

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球貧血である。
[本発明1001]
減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法。
[本発明1002]
DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによって該DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、段階を含む、少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を産生するための方法。
[本発明1003]
前記単離された前駆細胞または単離された細胞が、造血前駆細胞である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
造血前駆細胞が、赤血球系列の細胞である、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記単離された前駆細胞または単離された細胞が、人工多能性幹細胞である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1006]
造血前駆細胞を、エクスビボまたはインビトロで接触させる、本発明1003の方法。
[本発明1007]
少なくとも1つの遺伝的改変が、欠失である、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
欠失が、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす、本発明1007の方法。
[本発明1009]
本発明1002〜1008の第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞。
[本発明1010]
本発明1009の単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物。
[本発明1011]
以下の段階を含む、細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離された細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の該細胞と比べて、該細胞またはその後代において増加される、段階。
[本発明1012]
前記単離された細胞が、造血前駆細胞である、本発明1011の方法。
[本発明1013]
造血前駆細胞が、赤血球系列の細胞である、本発明1011または1012の方法。
[本発明1014]
前記単離された細胞が、人工多能性幹細胞である、本発明1011の方法。
[本発明1015]
造血前駆細胞を、エクスビボまたはインビトロで接触させる、本発明1012または1013の方法。
[本発明1016]
少なくとも1つの遺伝的改変が、欠失である、本発明1011〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
欠失が、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす、本発明1016の方法。
[本発明1018]
以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、該哺乳類において単離された造血前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触の前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。
[本発明1019]
それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、本発明1009の単離された遺伝子操作ヒト細胞または本発明1010の組成物を該哺乳類に移植する段階を含む、方法。

図面の簡単な説明

0066

図1Aは、赤血球系の形質とP<5×10-8で関連することが以前に公表された、プロモーターエクソンイントロン、3'UTRおよび遺伝子間配列に対する636種類のSNPの分布を示す。比較用として、これらの領域の遺伝子分布を表示した。図1Bは、赤血球系の形質と関連する636種類のSNPと最も近傍に位置する赤血球系エンハンサーとの間の距離の累積分布プロットしたグラフである。赤血球系エンハンサーとは、参照配列(Refseq)によりアノテーションされた遺伝子のTSSから2kb超離れた配列であって、DNase I高感受性を有し、H3K4melに加え、H3K27acまたはH3K9acが存在し、かつ、H3K4me3およびH3K27me3が存在しない配列として定義した。636種類のランダム並び替え非赤血球系形質関連SNP(GWASデータベースより)、Affy6.0ジェノタイピングアレイによるSNP、またはランダムSNPの50セットに関しても、距離(平均±SD)を示した。
図2Aは、CD34+細胞由来の赤血球系前駆細胞により行った、H3K27me3、H3K4me3、H3K4mel、H3K27ac、GATA1、TAL1およびPolIIに対する抗体を用いたChIP、続く超並列配列決定を示す。赤血球系前駆細胞、胎児脳ならびにBおよびTリンパ球から単離した核に対してDNase I処理を行い、切断部位を超並列配列決定により決定した。HbF関連SNPには、HbFレベルまたはF-細胞数とP<5×10-8で関連するSNP、および所与のGWASにおいてHbFまたはF-細胞数と最も強い関連性を有するセンチネルSNPが含まれる。隣接する3種類の赤血球系DHSは、BCL11AのTSSからの距離(kb)に基づいて、+62、+58および+55と表示する。図2Bは、初代ヒト赤血球系前駆細胞のBCL11Aイントロン2におけるChIP-qPCRを、1%インプットクロマチンに対して正規化して示す。図2Aに示したDHS+62、+58および+55について、灰色バーで示す。比較用として、陰性対照(GAPDH、OCT4)および陽性対照(βグロビンLCR HS3、αグロビンHS-40)の遺伝子座における濃縮度を示す。図2Cは、初代ヒト赤血球系前駆細胞においてBCL11Aプロモーターをアンカーとして用いてBCL11A遺伝子座にわたって行われた、染色体高次構造捕捉(chromosome conformation capture)を示す。相互作用頻度は、LCR-HBB相互作用に対して正規化してある。
図3Aは、ヘテロ接合性の個体を特定するために、健康な匿名ドナーから得られた造血幹/前駆細胞について、rs1427407のジェノタイピングを行ったことを示す。5人のドナーを特定した。造血幹/前駆細胞に対して、赤血球系分化培養を行った。赤芽球からクロマチンを単離し、GATA1またはTAL1により免疫沈降を行った。ChIPのDNAまたはインプットDNAに対して、パイロ配列決定反応を行い、rs1427407のG対立遺伝子の相対量を定量した。図は、それぞれ出現順に、SEQID NO: 197および198を開示する。図3Bは、rs1427407-rs7606173ハプロタイプおよびrs7569946がヘテロ接合性である個体を特定するために、健康な匿名ドナーから得られた造血幹/前駆細胞について、rs1427407、rs7606173およびrs7569946のジェノタイピングを行ったデータを示す。3人のドナーを特定した。ハプロタイピングにより、rs7569946のG対立遺伝子は、それぞれrs1427407のG対立遺伝子およびrs7606173のC対立遺伝子と同じ染色体上に存在することが示された。造血幹/前駆細胞に対して、赤血球系分化培養を行った。RNAおよびゲノムDNAを単離し、逆転写によりcDNAを生成した。ペアリングを行ったgDNAおよびcDNAサンプルに対して、パイロ配列決定反応を行い、7569946のG対立遺伝子の相対量を定量した。図3Cは、CSSCDコホートにおけるrs1427407-rs7606173ハプロタイプについての平均HbFレベルを示す。平均HbFレベルは、rs1427407-rs7606173 G-Cを有する213例の個体においては4.05%(SD3.10)であり、rs1427407-rs7606173 T-G/G-Tのヘテロ接合性を示す254例の個体においては7.08%(SD4.50)、rs1427407-rs7606173 T-Gを有する60例の個体では11.21%(SD4.37)であった。P値は、片側スチューデントt検定によるものである。CSSCDコホートにおけるハプロタイプ頻度は、TGが24.5%、TCが0.085%、GCが42.3%、GGが33.1%であった。
H19インシュレーターエレメントに隣接する最小Hsp68プロモーターとlacZレポーター遺伝子の上流にクローニングした、DHS+62、+58および+55を含むBCL11Aイントロン2の12.4 kb断片(TSSから+52.0〜64.4 kbを含む)のデータを示す。一細胞の段階で核注入を行い、一過性トランスジェニックマウスを作製した。図4Aは、X-galで染色したE12.5の一過性のトランスジェニック胚を示す。図4Bは、E12.5の安定なトランスジェニック胚から採取した末梢血および肝臓から単離した細胞懸濁液を示す。サイトスピンの染色には、X-galを用い、Nuclear Redにより対比染色を行った。図4Cは、若く安定したトランスジェニック成体から単離および選別した、骨髄赤芽球(CD71陽性/Ter119陽性)および脾臓リンパ球(Bリンパ球はCD19陽性、Tリンパ球はCD3陽性)のデータを示す。細胞に対してX-gal染色を行った、または、RNA単離の後RT-qPCRを行った。遺伝子発現は、GAPDHに対して正規化し、Tリンパ球との比較により表示した。Tリンパ球は、BCL11AもlacZも発現しない。
+50.4〜+60.4 kbの10 kbのオルソロガスBCL11Aイントロン2赤血球系エンハンサーの一端にDSBを作製するよう各々デザインされた二組のTALENを用いてトランスフェクションを行ったマウス赤白血病(MEL)細胞およびプロBリンパ球細胞を示す。両対立遺伝子において当該10kb断片を欠失したクローン(Δ50.4〜60.4と称す)を単離した。図5Aは、イントロン2の上流の、イントロン2にまたがる、およびイントロン2の下流の配列を認識するプライマーペアを用いて行った、Bcl11aのRT-qPCRを示す。図5Bは、抗BCL11A抗体によるΔ50.4〜60.4の免疫ブロットを示す。図5Cは、Δ50.4〜60.4MELクローンにおけるグロビン遺伝子発現を示す。共通のプライマーペアでは、成人型βグロビンであるβ2およびβ1を認識し、個別のプライマーにより、胚性βグロビンであるεyおよびβH1を認識した。
lacZレポーター構築物を注入したマウス接合体前核を示す。E12.5にトランスジェニック胚を単離した。胚に対し、lacZを用いたPCRによりジェノタイピングを行った。胎肝臓のX-gal染色を有するトランスジェニック胚の割合を記録した。
最小TKプロモーターおよびGFPを有するエンハンサー構築物の中にクローニングした1〜2 kb配列断片を示す。エンハンサーレポーター構築物は、レンチウイルスベクターにより、初代ヒト赤血球系前駆細胞に送達した。形質導入した細胞は、ピューロマイシン抵抗性により選別した。GFP蛍光強度平均値を測定した。
Bcl11aのイントロン2においてオルソロガスなエンハンサーシグナチャーを有するマウス赤血球系細胞のクロマチンプロファイリングに関するデータを示す。マウスのトラックは、以前に公表された包括的マウス赤血球系クロマチンプロファイリングから取得し、ヒストン修飾およびDNase I切断ならびにGATA1およびTAL1を用いたChIP-seqデータも同様である。点線で示した長方形部分は、TALENによる欠失の対象となるΔ50.4〜60.4エレメントを規定するオルソロガスなエンハンサーシグナチャーの境界を示す。
図9Aは、本発明において用いたTALENによるゲノム工学方略の図である。TALENは、配列特異的ヌクレアーゼである。一つはBcl11aの+50.4に、およびもう一つは+60.4に、二重鎖切れ目が生じるように、二組のTALENを作製した。介在する10 kb断片が切り取られるとともにNHEJによる修復が行われた2つのDSBを有するクローンを単離した。10 kbの欠失の内部および欠失をまたがる5'プライマーおよび3'プライマーを用いて、PCRによるクローンのスクリーニングを行った。図9Bは、HindIIIにより消化されたΔ50.4〜60.4クローンのゲノムDNAについてのサザンブロッティングを示す。これらのクローンには、想定したとおり対立遺伝子が除去されており、除去されていない対立遺伝子はなかったことが確認された。
Δ50.4〜60.4クローンからのPCR産物サンガー法による配列決定を示す。TALENの左右の5'(+50.4)および3'(+60.4)側認識配列ならびに介在するスペーサーを示す。一部の対立遺伝子は、それぞれの消化されたスペーサー配列末端直接結合した証左を示していたが、他の対立遺伝子では、さらに数百のヌクレオチドが欠失していたことが示された。MELクローン番号1およびプロBクローン番号2からは、それぞれ1個の対立遺伝子が単離されたのみであった。図は、上から下へそれぞれ出現順に、SEQ ID NO: 199〜215を開示する。
CSSCDからの個体1,178例から得られた、BCL11AのDHS +62、+58および+55内の38種類の変種に関する遺伝子型データを示す。一般的な(MAF>1%) SNP (n=10)のうち、HbFレベルと最も強い関連性を示したものは、rs1427407に基づく条件付け解析を行う前では、(rs1427407)であり、行った後では、(rs7606173)であった。SNP座標は、第2染色体、ビルド番号19。
BCL11AにおけるHbF関連解析を示す。CSSCDからの個体1,178例から得られた、BCL11AのDHS +62、+58および+55内の38種類の変種に関する遺伝子型データを示す。センチネルSNPとは、過去のGWAS(7〜12)において、HbFレベルまたはF-細胞と最も強い関連性を有するものである。これらのSNPは、3つのDHS +62、+58および+55の表示とあわせてBCL11Aのイントロン2に対して示される。

0067

詳細な説明
本明細書において記述される方法および組成物は、一部は、BCL11Aタンパク質の発現を調節できるBCL11A遺伝子上流の遠位調節領域の発見に関する。BCL11Aタンパク質は、γ-グロビン誘導を抑制することにより胎児型ヘモグロビン発現の発生段階特異的な調節因子として働く。したがって、本明細書において提供される方法および組成物は、赤血球系細胞におけるγ-グロビン発現の調節のための新規の方法である。より具体的には、BCL11A遺伝子産物の阻害を介したγ-グロビンの誘導によるβ異常ヘモグロビン症の処置のための方法において、これらの活性を利用することができる。

0068

1つの態様において、減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する単離された前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法が本明細書において提供される。

0069

1つの態様において、減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する単離された前駆細胞を産生するための方法であって、単離された前駆細胞を提供する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法が本明細書において提供される。

0070

1つの態様において、減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する単離された前駆細胞を産生するための方法であって、第2染色体上の細胞ゲノムDNAに結合する/第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける後成的修飾をもたらす薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法が本明細書において提供される。1つの態様において、ゲノムDNAにおける後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)の位置である。

0071

1つの態様において、減少したBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を有する単離された前駆細胞を産生するための方法であって、単離された前駆細胞を提供する段階、および第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける後成的修飾をもたらす薬剤と、単離された前駆細胞を接触させ、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる段階を含む、方法が本明細書において提供される。1つの態様において、ゲノムDNAにおける後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)の位置である。

0072

本明細書において記述される開示は、好ましい態様において、ヒトをクローニングするためのプロセス、ヒトの生殖系列遺伝的同一性改変するためのプロセス、ヒトまたは動物に対する実質的な医学的利益もなしに動物に苦痛をもたらす可能性が高い動物の遺伝的同一性を改変するための工業的または商業的な目的またはプロセスのための、ヒト胚の使用、および同様にそのようなプロセスから生じる動物に関係しない。

0073

本明細書において記述される1つの局面は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させる段階を含む、少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を産生するための方法に関する。

0074

本明細書において提供される別の局面は、単離された細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法であって、該細胞におけるBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を減少させる段階を含む、方法に関する。1つの局面において、BCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こすことによって達成される。別の局面において、BCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612における遺伝子機能の後成的修飾をもたらす、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こすことによって達成される。この局面において、この第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612内にあるBCL11Aエンハンサー活性が低減される。この局面における減少とは、細胞におけるBCL11A mRNAまたはタンパク質の発現を増強させる際のエンハンサー活性が、本明細書において開示されるいかなる方法においても処理されていない対照細胞と比べて、少なくとも5%低い、少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低い。細胞におけるBCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少とは、タンパク質の発現が、本明細書において開示されるいかなる方法においても処理されていない対照細胞と比べて、少なくとも5%低い、少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことを意味する。

0075

本明細書において提供される別の局面は、単離された細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法であって、単離されたヒト細胞または前駆細胞を提供する段階および該細胞におけるBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を減少させる段階を含む、方法に関する。

0076

本明細書において提供される別の局面は、以下の段階を含む、細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法に関する:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離されたヒト細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の該細胞と比べて、該細胞またはその後代において増加される、段階。

0077

本明細書において提供される別の局面は、以下の段階を含む、細胞における胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる方法に関する:単離されたヒト細胞または前駆細胞を提供する段階、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、単離されたヒト細胞または前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の該細胞と比べて、該細胞またはその後代において増加される、段階。

0078

本明細書において記述される別の局面は、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、該哺乳類における造血前駆細胞中のBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を減少させる段階を含む、方法に関する。1つの局面において、BCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こすことによって達成される。別の局面において、BCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少は、第2染色体の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの後成的修飾を引き起こすことによって達成される。別の局面において、BCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの後成的修飾を引き起こすことによって達成される。

0079

本明細書において記述される別の局面は、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、哺乳類由来の単離されたヒト細胞または前駆細胞を提供する段階および該細胞におけるBCL11AmRNAまたはタンパク質の発現を減少させる段階を含む、方法に関する。1つの局面において、本方法は、その胎児型ヘモグロビンレベルを増加させる必要のある哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0080

本明細書において記述される別の局面は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法に関する:第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、該哺乳類における造血前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0081

本明細書において記述される別の局面は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法に関する:哺乳類由来の単離されたヒト細胞もしくは前駆細胞または単離された造血前駆細胞集団を提供する段階、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、ヒト細胞もしくは前駆細胞または造血前駆細胞を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。

0082

本明細書において提供される別の局面は、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法であって、本明細書において記述される遺伝子操作ヒト細胞を該哺乳類に移植する段階を含む、方法に関する。

0083

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、本方法は、単離された細胞もしくは単離された前駆細胞、または前駆細胞もしくは造血前駆細胞でありうる単離された細胞集団を提供する段階をさらに含む。

0084

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、単離された細胞は、単離された前駆細胞である。

0085

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、単離された前駆細胞は、単離されたヒト細胞である。

0086

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、単離されたヒト細胞は、造血前駆細胞である。

0087

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、造血細胞は赤血球系列の細胞である。造血前駆細胞を単離する方法は、当技術分野において周知であり、例えば、CD34+またはCD133+細胞のフローサイトメトリー精製、CD34またはCD133に対する抗体を結合させたマイクロビーズ、造血前駆細胞のマーカーによるものである。市販のキット、例えば、MACS(登録商標) Technology CD34 MicroBead Kit, ヒト、およびCD34 MultiSort Kit, ヒト、およびSTEMCELL(商標) Technology EasySep(商標) Mouse Hematopoietic Progenitor Cell Enrichment Kitも利用可能である。

0088

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、ヒト細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)である。

0089

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、エクスビボまたはインビトロまたはインビボでありうる。

0090

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体上の細胞ゲノムDNAに結合し、かつ第2染色体上での細胞ゲノムにおける後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる薬剤との接触を含む。1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上である。

0091

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体上での細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612に間接的または直接的に影響を与える。

0092

本明細書において用いられる場合、「第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612に間接的に影響を与える」とは、第2染色体のうち第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおける後成的修飾の長距離効果をいう。

0093

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合し、かつ第2染色体上での後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる薬剤との接触を含む。

0094

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体上での後成的修飾をもたらす、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量との接触を含み、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる。

0095

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上での後成的修飾をもたらす、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量との接触を含み、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる。1つの局面において、胎児型ヘモグロビンの発現は、接触させる前の発現と比べて、哺乳類において増加される。

0096

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、造血前駆細胞、単離されたヒト細胞、または単離された細胞は、エクスビボまたはインビトロで接触させる。

0097

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、少なくとも1つの遺伝的改変は欠失である。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、少なくとも1つの後成的修飾。

0098

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数から本質的になる。別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数からなる。

0099

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、後成的修飾は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つもしくは複数を含むか、またはそれらに影響を与える。本明細書において用いられる場合、「DNAse 1高感受性部位の1つまたは複数に影響を与える」という語句は、これらのDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の天然の機能、例えば、転写因子またはDNA分解酵素、例えばDNase Iへのアクセスが低減されることを意味する。一般に、DNAse I高感受性部位(DHS)は、DNase I酵素による切断に感受性であるクロマチンの領域である。ゲノムのこれらの特定領域において、クロマチンはその凝縮構造喪失して、DNAを曝露し、それをアクセス可能にする。これによって、DNAがDNase Iのような、酵素による分解を受けられるようになる。これらのアクセス可能なクロマチン域は、転写活性に機能的に関連している。というのは、この再構築された状態が転写因子のようなタンパク質の結合に必要だからである。したがって、本明細書において企図される後成的修飾は、本明細書において開示されるいかなる方法においても処理されていない対照細胞と比べて、少なくとも5%低い、少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低い、DNA分解酵素へのアクセスの低減を引き起こす。

0100

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数から本質的になる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数からなる。

0101

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、後成的修飾は、表2に記述されているSNPマーカーの1つもしくは複数を含むか、またはそれらに影響を与える。本明細書において用いられる場合、「SNPマーカーの1つまたは複数に影響を与える」という語句は、これらのSNPの天然の機能、例えば、転写因子へのアクセスが低減されることを意味する。例えば、これらのSNPのメチル化は、転写因子の結合を低減し、BCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現の低減につながるであろう。

0102

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数から本質的になる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数からなる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、60,716,189〜60,728,612、60,716,189〜60,723,870、60,722,992〜60,728,612、60,717,236〜60,719,036、60,722,006〜60,723,058、60,724,917〜60,726,282、60,616,396〜60,618,032、60,623,536〜60,624,989、60,626,565〜60,628,177、60,717,236〜60,719,036、60,721,212〜60,722,958、60,724,780〜60,726,471、60,739,075〜60,740,154、60,748,003〜60,749,009、60,826,438〜60,827,601、または60,831,589〜60,833,556である。

0103

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、後成的修飾は、表7に記載されている断片の1つもしくは複数を含むか、またはそれらに影響を与える。本明細書において用いられる場合、「表7に記載されている断片の1つまたは複数に影響を与える」という語句は、これらの断片の天然の機能、例えば、転写因子へのアクセスが低減されることを意味する。例えば、これらの断片のメチル化は、転写因子の結合を低減し、BCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現の低減につながるであろう。

0104

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、後成的修飾は、60,716,189〜60,728,612、60,716,189〜60,723,870、60,722,992〜60,728,612、60,717,236〜60,719,036、60,722,006〜60,723,058、60,724,917〜60,726,282、60,616,396〜60,618,032、60,623,536〜60,624,989、60,626,565〜60,628,177、60,717,236〜60,719,036、60,721,212〜60,722,958、60,724,780〜60,726,471、60,739,075〜60,740,154、60,748,003〜60,749,009、60,826,438〜60,827,601、または60,831,589〜60,833,556である。

0105

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす。本明細書において用いられる場合、「破壊」という用語は、そのような破壊を有しない細胞と比べて少なくとも10% (例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはさらに100% (すなわち、検出可能な赤血球系転写なし))の、1つまたは複数のDNAse 1高感受性部位の破壊を含む細胞におけるBCL11Aの赤血球系転写の減少をいう。1つの態様において、破壊は、改変されたDNAse-1高感受性部位がその天然の転写因子(例えば、GATA1およびTAL1)に結合できないことを含む。

0106

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上のエンハンサー領域での後成的シグナチャーの確立および/または維持を妨害する後成的修飾は、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現の低減をもたらし、哺乳類における胎児型ヘモグロビンの発現を増加させる。

0107

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上のエンハンサー領域での後成的シグナチャーの確立および/または維持を妨害する後成的修飾は、DNase I感受性に影響を与える後成的修飾、ヒストン修飾に影響を与える後成的修飾、GATA1/TAL1結合に影響を与える後成的修飾、およびBCL11Aのプロモーターの長距離のプロモーター相互作用に影響を与える後成的修飾を含むが、これらに限定されることはない。

0108

例えば、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のエンハンサー領域での後成的シグナチャーの確立および/または維持を妨害する後成的修飾は、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少されるような、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612内の少なくとも1つの欠失を含むが、これに限定されることはない。例えば、欠失は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612のDNaseI感受性領域、例えば、+62、+58、および+55である。欠失は、+62もしくは+58もしくは+55の位置またはその組み合わせでありうる。例えば、+62および+58、+58および+55、+62および+55の位置、または全3つの+62、+58、および+55の位置。

0109

別の例として、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のエンハンサー領域での後成的シグナチャーの確立および/または維持を妨害する後成的修飾は、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少されるような、位置60,716,189〜60,728,612の位置ではない第2染色体上でのヒストン修飾の変化、位置60,716,189〜60,728,612の位置での第2染色体上でのヒストン修飾の変化、または位置60,716,189〜60,728,612の位置ではない第2染色体上および位置60,716,189〜60,728,612の位置での第2染色体上の両方のヒストン修飾の変化を含むが、これらに限定されることはない。

0110

別の態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のエンハンサー領域での後成的シグナチャーの確立および/または維持を妨害する後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612における非コードエレメントの後成的特徴を変化させ、かくして標的遺伝子発現の抑制を引き起こす少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入を含むが、これに限定されることはない。第1は、個々のエンハンサーを後成的に抑制することに特に焦点を当てている。言い換えれば、第2染色体への操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、BCL11A赤血球系エンハンサーにおける後成的修飾を予め妨害するものと考えられ、これによって最終的にはBCL11A遺伝子発現の低減に至る。

0111

当技術分野において公知の任意の方法を用いて、企図される後成的修飾をもたらすことができる。例えば、Mendenhall E. M. et al., Nat. Biotechnol. 08 September 2013、およびMaeder ML et al., Nat Biotechnol. 09 October 2013 2013に記述の通り。

0112

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の任意の位置上での少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、限定されるものではないが、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612における低減されたDNaseI感受性領域、例えば、+62、+58、および+55; 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上での増大されたヒストン修飾; 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上でのエンハンサー領域のGATA1/TAL1への低減された転写因子の結合; ならびにBCL11Aプロモーターと第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612の間の低減されたまたは弱められた相互作用を引き起こす。

0113

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の任意の位置上での少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入の全体的効果は、BCL11AのmRNAおよび発現の低減または減少である。

0114

いくつかの態様において、BCL11AのmRNAおよび発現、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612またはBCL11AエンハンサーとBCL11Aプロモーターとの間の相互作用、ならびにエンハンサー領域のGATA1/TAL1への転写因子の結合との関連で用いられる場合、「低減された」または「減少された」という用語は、本明細書において開示される後成的修飾または操作された配列の挿入が存在しない対照の状況と比べて、少なくとも5%低い、少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことをいう。細胞におけるBCL11A mRNAまたはタンパク質の発現の減少とは、タンパク質発現が、本明細書において開示される後成的修飾または操作された配列の挿入を有さない対照細胞と比べて、少なくとも5%低い、少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことを意味する。

0115

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612のDNaseI感受性領域内、例えば+62、+58、および+55のなかで行われる。挿入は、+62もしくは+58もしくは+55の5'末端の位置または+62もしくは+58もしくは+55の3'末端の位置、または+62〜+58の間、または+58〜+55の間、または+55〜+62の間でありうる。

0116

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612のDNaseI感受性領域を変化させる。

0117

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612のDNaseI感受性領域を変化させる。

0118

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上でのヒストン修飾を変化させる。

0119

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上でのヒストン修飾を変化させる。

0120

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のエンハンサー領域のGATA1/TAL1結合を変化させ、その結果、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少される。例えば、GATA1/TAL1への転写因子の結合。

0121

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、少なくとも1つの操作された特異的リプレッサー配列の挿入は、本明細書において記述されるようにGATA1/TAL1のなかで行われる。挿入は、GATA1またはTAL1の5'末端または3'末端の位置でありうる。挿入は、GATA1とTAL1との間でありうる。挿入は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上のエンハンサー領域のGATA1/TAL1結合を変化させ、その結果、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少される。例えば、GATA1/TAL1への転写因子の結合。

0122

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、後成的修飾は、BCL11AエンハンサーとBCL11Aプロモーターとの間の相互作用を変化させる。1つの態様において、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少されるように、相互作用が低減されるかまたは弱められる。

0123

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612とBCL11Aプロモーターとの間の相互作用を変化させる。1つの態様において、この領域の全体的な機能が影響を受け、それによってBCL11AのmRNAおよび発現が低減または減少されるように、相互作用が低減されるかまたは弱められる。

0124

本明細書で別の局面において同様に提供されるのは、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスによって生成された第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上での少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞である。

0125

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様においては、第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの後成的修飾を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様においては、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの後成的修飾を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞。

0126

少なくとも1つの後成的修飾を有するこれらの単離された遺伝子操作ヒト細胞のいずれかのいくつかの局面において、細胞は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させることに用いるために哺乳類に移植される。

0127

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させることに用いるために哺乳類に移植される。

0128

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞は、後で用いるために凍結保存によって貯蔵される。

0129

少なくとも1つの後成的修飾を有するそれらの単離された遺伝子操作ヒト細胞のいずれかのいくつかの局面において、細胞は、後で用いるために凍結保存によって貯蔵される。

0130

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAにおいて少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞は、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させることに用いるために凍結保存され、融解され、哺乳類に移植される。

0131

少なくとも1つの後成的修飾を有するそれらの単離された遺伝子操作ヒト細胞のいずれかのいくつかの局面において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させることに用いるために凍結保存され、融解され、哺乳類に移植される。

0132

本明細書において提供される別の局面は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスによって生成された第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上での少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物に関する。

0133

本明細書において提供される別の局面は、第2染色体上での少なくとも1つの後成的修飾を有する単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物に関する。1つの態様において、第2染色体上での少なくとも1つの後成的修飾は、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)の位置である。別の態様において、第2染色体上での少なくとも1つの後成的修飾は、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスであって、それによってDNAを標的とする酵素が、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)に影響を与える第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾をもたらし、その中に少なくとも1つの後成的修飾を引き起こすプロセスによって生成される。

0134

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、組成物は、接触細胞において胎児型ヘモグロビンmRNAまたはタンパク質の発現の増加を引き起こす。

0135

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類にとって、自家性であり、すなわち、組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前に哺乳類から得られまたは集められる。

0136

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類にとって、非自家性であり、すなわち、組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前に哺乳類から得られることも集められることもない。

0137

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、最低でも、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類に適合したHLA型である。

0138

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された前駆細胞である。

0139

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された造血前駆細胞である。

0140

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された人工多能性幹細胞である。

0141

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数から本質的になる。別の態様において、欠失は、実施例の項のなかで本明細書において記述されるDNAse 1高感受性部位(DHS) +62、+58、および+55の1つまたは複数からなる。1つの態様において、本明細書において用いられる場合、ゲノム欠失との関連で「一部分」という用語は、特定領域の少なくとも10%〜約100%である。別の態様において、欠失される一部分は、特定領域の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはさらに100%である。

0142

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数から本質的になる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表2に記述されているSNPマーカーの1つまたは複数からなる。

0143

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数を含む。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数から本質的になる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、表7に記載されている断片の1つまたは複数からなる。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、60,716,189〜60,728,612、60,716,189〜60,723,870、60,722,992〜60,728,612、60,717,236〜60,719,036、60,722,006〜60,723,058、60,724,917〜60,726,282、60,616,396〜60,618,032、60,623,536〜60,624,989、60,626,565〜60,628,177、60,717,236〜60,719,036、60,721,212〜60,722,958、60,724,780〜60,726,471、60,739,075〜60,740,154、60,748,003〜60,749,009、60,826,438〜60,827,601、または60,831,589〜60,833,556である。

0144

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、欠失は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)間の全領域を除去するか、または該領域の一部分を除去し、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS)の破壊を引き起こす。

0145

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビンを増加させることを必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0146

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、哺乳類は、異常ヘモグロビン症と診断されている。

0147

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、胎児型ヘモグロビンを増加させることを必要としている哺乳類は、異常ヘモグロビン症と診断されている。

0148

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、異常ヘモグロビン症はβ異常ヘモグロビン症である。

0149

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球疾患である。

0150

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、異常ヘモグロビン症はβサラセミアである。

0151

本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の1つの態様において、接触させた細胞、ヒト細胞、造血前駆細胞またはその後代が哺乳類に投与される。

0152

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:エクスビボで哺乳類から単離された造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を提供する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、造血前駆細胞または幹細胞の集団を接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。この方法のさらなる態様において、胎児型ヘモグロビン発現の増加を有する接触させた造血前駆細胞または幹細胞の集団は、凍結保存され、貯蔵されるかまたは哺乳類へ再導入される。別の態様において、胎児型ヘモグロビン発現の増加を有する凍結保存された造血前駆細胞または幹細胞の集団は、融解され、その後に哺乳類へ再導入される。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞または幹細胞は、本明細書において記述されるiPSCと置き換えることができる。

0153

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、造血前駆細胞または幹細胞の集団をエクスビボで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。この方法のさらなる態様において、胎児型ヘモグロビン発現の増加を有するエクスビボで接触させた造血前駆細胞または幹細胞の集団は、凍結保存され、貯蔵されるかまたは哺乳類へ再導入される。別の態様において、胎児型ヘモグロビン発現の増加を有する凍結保存された造血前駆細胞または幹細胞の集団は、融解され、その後に哺乳類へ再導入される。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞または幹細胞は、哺乳類に由来するiPSCと置き換えることができる。この方法のいずれかの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0154

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を提供・単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。この方法のさらなる態様において、欠失されたゲノムDNAを有し、かつ胎児型ヘモグロビン発現の増加を有している造血前駆細胞または幹細胞の集団は、凍結保存され、貯蔵されるかまたは哺乳類へ再導入される。別の態様において、欠失されたゲノムDNAを有し、かつ胎児型ヘモグロビン発現の増加を有している造血前駆細胞または幹細胞の集団は、融解され、その後に哺乳類へ再導入される。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞または幹細胞は、本明細書において記述されるiPSCと置き換えることができる。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって類似性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来することを意味する。記述される方法の別の態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって非類似性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来するのではなく、同じ種の別の哺乳類に由来することを意味する。例えば、哺乳類はヒトである。この方法のいずれかの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0155

1つの態様において、本開示は、以下の段階を含む、それを必要とする哺乳類において胎児型ヘモグロビンレベルを増加させるための方法を提供する:哺乳類から造血前駆細胞または造血幹細胞の集団を単離する段階、および第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階。この方法のさらなる態様において、欠失されたゲノムDNAを有し、かつ胎児型ヘモグロビン発現の増加を有している造血前駆細胞または幹細胞の集団は、凍結保存され、貯蔵されるかまたは哺乳類へ再導入される。別の態様において、胎児型ヘモグロビン発現の増加を有している凍結保存された造血前駆細胞または幹細胞の集団は、融解され、その後に哺乳類へ再導入される。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞または幹細胞は、哺乳類に由来するiPSCと置き換えることができる。この方法のいずれかの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0156

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、本方法は、胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。胎児型ヘモグロビン発現の増加を必要としている例示的な哺乳類は、異常ヘモグロビン症と診断されたものである。

0157

1つの態様において、本開示は、(a)造血前駆細胞もしくは造血幹細胞またはiPSCを提供する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞をエクスビボまたはインビトロで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0158

いずれかの方法の1つの態様において、段階(b)後の細胞は、哺乳類への投与に必要とされるまで凍結保存することができる。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来することを意味する。記述される方法の別の態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって非自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来するのではなく、同じ種の別の哺乳類に由来することを意味する。例えば、哺乳類はヒトである。

0159

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0160

1つの態様において、本開示は、(a)哺乳類から造血前駆細胞もしくは造血幹細胞を単離する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞をエクスビボまたはインビトロで接触させる段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0161

1つの態様において、段階(b)後の細胞は、哺乳類への投与に必要とされるまで凍結保存することができる。この方法のいずれかの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0162

1つの態様において、本開示は、(a)造血前駆細胞もしくは造血幹細胞またはiPSCを提供する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、該哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0163

1つの態様において、段階(b)後の細胞は、哺乳類への投与に必要とされるまで凍結保存することができる。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。記述される方法のいずれかの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって類似性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来することを意味する。記述される方法の別の態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって非類似性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来するのではなく、同じ種の別の哺乳類に由来することを意味する。例えば、哺乳類はヒトである。この方法のいずれかの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0164

1つの態様において、本開示は、(a)哺乳類から造血前駆細胞もしくは造血幹細胞を単離する段階; (b) 第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAをエクスビボで欠失させ、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が、該接触させる前の発現と比べて、哺乳類において増加される、段階; および(c) 段階(b)の細胞を哺乳類へ投与する段階を含む、哺乳類における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0165

1つの態様において、段階(b)後の細胞は、哺乳類への投与に必要とされるまで凍結保存することができる。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。この方法のいずれかの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0166

1つの態様において、本開示は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上に少なくとも1つの遺伝的改変を有する単離された遺伝子操作細胞を含む本明細書において記述される組成物を導入する段階であって、それによって胎児型ヘモグロビンの発現が哺乳類において増加される、段階を含む、哺乳類(例えばヒト)における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。この方法のさらなる態様において、本方法は、哺乳類における内在性の造血前駆細胞または幹細胞を除去または低減するために化学療法および/または放射線療法を含む。この方法のいずれかの態様において、本方法は、異常ヘモグロビン症の処置を必要としている哺乳類を選択する段階をさらに含む。

0167

1つの態様において、本開示は、本明細書において記述される方法により哺乳類における胎児型ヘモグロビンの発現を増加させる段階を含む、哺乳類(例えばヒト)における異常ヘモグロビン症の処置の方法を提供する。

0168

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症はβ異常ヘモグロビン症である。

0169

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症はβサラセミアである。

0170

記述されるいずれかの処置方法のいずれかの態様において、異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球貧血である。

0171

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来することを意味する。記述されるいずれかの方法の別の態様において、造血前駆細胞もしくは幹細胞またはiPSCは、哺乳類にとって非自家性であり、これは細胞が同じ哺乳類に由来するのではなく、同じ種の別の哺乳類に由来することを意味する。例えば、哺乳類はヒトである。

0172

記述されるいずれかの方法の1つの態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、エクスビボまたはインビトロまたはインビボでありうる。

0173

記述されるいずれかの方法の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体上の細胞ゲノムDNAに結合し、かつ第2染色体上での細胞ゲノムにおける後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる薬剤との接触を含む。1つの態様において、後成的修飾は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上である。

0174

記述されるいずれかの方法の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合し、かつ第2染色体上での後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる薬剤との接触を含む。

0175

記述されるいずれかの方法の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体上での後成的修飾をもたらす、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量との接触を含み、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる。

0176

記述されるいずれかの方法の別の態様において、本明細書において記述されるいずれかの細胞の接触は、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上での後成的修飾をもたらす、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量との接触を含み、それによってBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を低減させる。1つの局面において、胎児型ヘモグロビンの発現は、接触させる前の発現と比べて、哺乳類において増加される。

0177

記述されるいずれかの方法の別の態様において、造血前駆細胞、単離されたヒト細胞、または単離された細胞は、エクスビボまたはインビトロで接触させる。

0178

記述されるいずれかの方法の別の態様において、少なくとも1つの遺伝的改変は欠失である。本明細書において記述されるこの局面および全ての他の局面の別の態様において、少なくとも1つの後成的修飾。

0179

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤の使用であって、BCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現が低減される、使用が本明細書において提供される。

0180

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量の使用であって、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、使用が本明細書において提供される。

0181

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、またはBCL11AのmRNAもしくは発現を低減させるための、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量の使用であって、DNAを標的とする酵素が第2染色体上の細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾をもたらし、それによってBCL11AのmRNAもしくは発現に影響を与える、使用が本明細書において提供される。1つの態様において、少なくとも1つの後成的修飾は、位置60,716,189〜60,728,612の位置である。別の態様において、1つの後成的修飾の効果は、BCL11AのmRNAもしくはタンパク質の発現を低減させることである。

0182

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、本明細書において記述されるいずれかの単離された細胞の使用が本明細書において提供される。

0183

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用であって、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上の細胞ゲノムDNAを切断し、その中に少なくとも1つの遺伝的改変を引き起こす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼまたはDNAを標的とするエンドヌクレアーゼのコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスによって生成された第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)上での少なくとも1つの遺伝的改変を細胞が有する、使用が本明細書において提供される。

0184

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための、単離された遺伝子操作ヒト細胞を含む組成物の使用であって、細胞が第2染色体上に少なくとも1つの後成的修飾を有する、使用が本明細書において提供される。1つの態様において、第2染色体上の少なくとも1つの後成的修飾は、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)の位置である。別の態様において、第2染色体上の少なくとも1つの後成的修飾は、DNAを標的とする酵素またはDNAを標的とする酵素のコード配列を保有するベクターを少なくとも含む組成物の有効量と、細胞を接触させるプロセスであって、それによってDNAを標的とする酵素が、位置60,716,189〜60,728,612 (UCSCゲノムブラウザhg 19ヒトゲノムアセンブリによる)に影響を与える第2染色体上での細胞ゲノムDNAにおける少なくとも1つの後成的修飾をもたらし、その中に少なくとも1つの後成的修飾を引き起こすプロセスによって生成される。

0185

1つの態様において、哺乳類において胎児型ヘモグロビンを増加させるための、または哺乳類において異常ヘモグロビン症を処置するための薬物の製造のための、本明細書において記述されるいずれかの単離された細胞または本明細書において記述されるいずれか1つの組成物の使用が本明細書において提供される。

0186

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、組成物は、接触細胞における胎児型ヘモグロビンmRNAまたはタンパク質の発現の増加を引き起こす。

0187

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類にとって、自家性であり、すなわち、組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前に哺乳類から得られまたは集められる。

0188

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類にとって、非自家性であり、すなわち、組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前に哺乳類から得られることも集められることもない。

0189

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、最低でも、移植手順における細胞のレシピエントである哺乳類に適合したHLA型である。

0190

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された前駆細胞である。

0191

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された造血前駆細胞である。

0192

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、記述されるいずれかの改変・修飾の前の単離された人工多能性幹細胞である。

0193

本明細書において記述される組成物の使用の1つの態様において、記述されるいずれかの組成物の細胞は、使用前に凍結保存される。

0194

BCL11AにはHbFと関連した差異が存在することが知られている。HbFレベル(または高度に相関した形質であるF-細胞数)に関する6つのGWASがヨーロッパ人、アフリカ人およびアジア人子孫の個体において行われており、それぞれがBCL11A内の、形質に関連した変種を特定している(7〜12)。同じ変種がSCDおよびβサラセミアの臨床的重症度に関連付けられており(9, 10, 50)、これらの障害の主要な修飾因子としてのHbFと矛盾しない。BCL11Aでの変種は、HbFレベルの形質の変動のおよそ15%を説明するものと推定される(7, 12, 43)。異なる4つのSNPが、形質と最も高度に相関していると特定されており(rs1427407 (7)、rs11886868 (8)、rs4671393 (9)およびrs766432 (10〜12)); これらのセンチネルSNPはBCL11Aイントロン2中で互いに3kb内に集まっている(図2Aおよび11B)。センチネルSNPを含むハプロタイプは、いずれかの個々のSNPよりもHbF関連性をうまく説明するように思われる(12, 43)。BCL11A遺伝子座の50種のSNPおよびイントロン2内の27種のSNPは、ゲノム規模有意性でHbFレベルと関連付けられている(P < 5×10-8)。大規模再配列決定の取り組みにもかかわらず、BCL11Aのコード変種は記述されていない(43)。

0195

以前に、本発明者らはCSSCDを用いて、BCL11A遺伝子座のHbFとの関連シグナル精細マッピングし、rs4671393との強い関連性を報告した(43)。その研究においては、rs1427407がインピュテーションされた。2つのさらなるSNP、rs766432およびrs11886868も、以前の研究において最も高度に形質に関連したセンチネルSNPと特定されている(8, 10, 11, 51)。全4つのセンチネルSNPの位置の遺伝子型が利用可能であった個体のサブセット(n = 728)において、関連性の結果はrs1427407の位置での遺伝子型に基づく条件付けの後にrs4671393、rs766432またはrs11886868の位置では有意ではなかった; 逆に、関連性は、rs4671393、rs766432またはrs11886868に基づく条件付けによりrs1427407に対して高度に有意なままであった(表4)。それゆえ、rs1427407は、赤血球系DHS内の、HbFレベルと最も強く関連したSNPであり、既述された他のセンチネルSNPよりも形質関連性をよりよく説明する。

0196

条件付け解析から、rs1427407に基づく条件付けの後に依然として有意なままであった関連性が実証された。残った最も有意な関連性は、DHS +55でのrs7606173に対してであった(P = 9.66×10-11); 本発明者らが以前に報告したDHS +62でのrs7599488 (43)は、ほんのわずかに低く有意であった(P = 2.43×10-10) (表1)。3つのDHS内でのまれなDNA配列変種の解析から、独立したさらなるHbF関連のシグナルは得られなかった(表5)。

0197

本発明者らは、対立遺伝子特異的な転写因子(TF)の結合がBCL11Aの発現に関わっていることを見出した。ペアgDNAにおける対立遺伝子の等しい提示によって実証される、両対立遺伝子の等しい存在量を確実とするためにおよびサンプル間のトランス作用性の差異を制御するために、情報価値のあるヘテロ接合体を用いて、対立遺伝子特異的な生化学的研究を行った(図2Bおよび2C)。rs1427407はDHS +62の位置でGATA1およびTAL1結合のピークの中心に直接見出される(図2B)。行われたChIPアッセイ法において、クロマチンはおよそ500 bpの断片に超音波処理された。ChIP-qPCRに用いられたrs1427407についてヘテロ接合性の5つの初代ヒト赤血球系前駆細胞サンプルの赤血球系DHSの位置でのサンガー配列決定を行った。これらのサンプルのいずれかにおけるrs1427407の500 bp内の唯一他のヘテロ接合性SNPは、rs7599488 (rs1427407の304 bp 3'側)であったが、これは5つのサンプルのうち2つだけでヘテロ接合性であった。このSNPはGATA1またはTAL1結合モチーフの範囲内にない。それゆえ、DHS +62内の別のSNPが、観察された対立遺伝子特異的なTF結合の主因となりうる可能性は低いように思われる。

0198

さらに、本発明者らは、BCL11A発現とHbFレベルとの間には関連性が存在することを見出した。本発明者らの研究は、臨床的意義のあるHbFレベルの増加をもたらしうるBCL11A発現の変化の推定を提供する。ヒトリンパ芽球様細胞株の限定されたセットのなかでは、高いHbFに関連したrs4671393のA対立遺伝子とBCL11A発現の低減との相関関係が過去に報告されていた(13)。これらの実験を、ジェノタイピングが行われた株のもっと大きな集まりに広げることでは、この所見を確認することができなかった。ゆえに、本発明者らは、HbFに関連したrs1427407-rs7606173ハプロタイプが赤血球系特異的な状況においてBCL11A発現に影響を与えること、つまりDNase I感受性の知見と一致している可能性を見出した。初代赤血球系前駆細胞におけるBCL11AmRNA発現は、高HbF rs1427407-rs7606173 T-Gと低HbF G-Cハプロタイプとの間で1.7倍だけ違っていた(図3B); それに応じて、中央値HbFレベルはT-GおよびG-Cヘテロ接合体において、それぞれ10.6%および3.1%であった(図3C)。注目すべきことに、初代ヒト赤血球系細胞における対立遺伝子特異的なBCL11A発現を実証する結果が、rs1427407-rs7606173ハプロタイプについてヘテロ接合性の細胞において認められ、かくして、BCL11A発現に対する適度な効果は、ハプロタイプ内の全ての機能的SNPの複合効果を反映している。保護性のBCL11Aハプロタイプの遺伝は人口当たりで臨床的に有益であるが(9, 10, 50)、T-Gホモ接合体におけるHbFの平均レベルは、SCDによる発病を防ぐのに必要とされたものを依然として下回る。しかしながら、BCL11A発現に対するHbFレベルの感受性から、疾患重症度の緩和にはBCL11A発現のさらにわずかの低減しか必要とされえないものと予測される。

0199

本発明者らは、グロビン遺伝子およびBCL11Aの発生的調節についてさらに調べた。ヒト発生中に、卵黄嚢由来ε-グロビンが胎児肝臓由来γ-グロビンによって妊娠初期のうちに取って代わられる。出生後赤血球生成は肝臓から骨髄に移行するので、γ-グロビンは徐々に沈黙化され、β-グロビンが優位を占める。マウス個体発生においてはグロビン遺伝子発現の1回のスイッチしか起こらない。妊娠中期に起こるこの移行中に、循環血中の卵黄嚢由来の原始赤血球は、胎芽期グロビンεyおよびβH1を発現するが、胎児肝臓の成体型赤芽球は成体期グロビンβ1およびβ2を発現する。この発生スイッチと調和して、BCL11Aは原始期ではなく成体期の赤血球系列において発現され、グロビン遺伝子発現の変化に必要とされる(16, 52)。

0200

10.5 dpcの安定なトランスジェニックBCL11A +52.0-64.4レポーター株では、lacZ発現が胎児肝臓原基においてのみ認められ、胚、胎盤または卵黄嚢内の循環血中においては認められなかった(図6A)。これらの結果は、卵黄嚢由来の原始循環赤血球ではなく成体型胎児肝臓赤芽球12.5 dpcにおけるlacZ発現の知見と相まって(図4B)、BCL11A複合エンハンサー配列が内在性グロビン遺伝子のスイッチングと調和して発生上特異的なパターンで発現を推進することを実証する。

0201

赤血球系エンハンサー活性に必要とされる最小エレメントを精緻化するために、一連欠失変異体を作製した。中央の+58 DHSを含んだ配列は、赤血球系エンハンサー活性には十分であった。隣接する+62または+55エレメントだけを含んだそれらの配列は、赤血球系遺伝子の発現を指令することができなかった(図6B)。初代ヒト赤血球系前駆細胞における遺伝子発現を増強するDHSの能力を試験するため、本発明者らは、既述のようにGFPレポーターシステムレンチウイルス送達を用いた(39)。同様に、+58 DHSはこのレポーターアッセイにおいて遺伝子発現を増強した(図7)。

0202

本発明者らは、Bcl11aエンハンサーの欠失を有する細胞株を作製して、BCL11A発現のためのエンハンサーの要件について調べることにした。エンハンサーの破壊を有する安定な赤血球系細胞を作製した。適当な成体期ヒト赤血球系細胞株は存在しないので、原理の証明として、本発明者らはマウス系を調べた。マウス赤白血病(MEL)細胞は、グロビン遺伝子発現の成体期パターンのためにはBCL11Aに依る(14)。本発明者らは、マウスBcl11aイントロン2の位置にオルソロガスな赤血球系複合エンハンサーを特定した。ヒトGWASで特徴付けられたイントロン2 BCL11Aエンハンサーのように、これらの配列は一連の赤血球系特異的DHSを保有していた。さらに、これらの配列は、H3K4me1およびH3K27acにより装飾され、H3K4me3およびH3K27me3を欠き、マウス赤血球系クロマチンにおいてGATA1およびTAL1の両方により占められていた(図8)。一連の隣接DHSを含む複合調節エレメントは、とりわけβ-グロビン遺伝子座制御領域、α-グロビン多種保存配列、およびIgH調節領域を含む、多数の遺伝子座での遺伝子発現に不可欠であることが示された(53〜55)。本発明者らは、複合エンハンサーの種特異的な独自の特徴を認めた。例えば、本発明者らは、3つのヒトDHS +62、+58および+55の各々に対して保存されたマウス配列を特定し、+62および+55保存配列の位置で赤血球系DNase I高感受性を見出したが、しかし+58保存配列はDNase I高感受性を欠いていた。

0203

PCRおよびサザンブロッティングにより、3つの独自のMELクローンおよび2つの独自のプレBリンパ球クローンにおいてBcl11aの+50.4〜60.4kbのイントロンセグメントの切り出しが立証された(図9)。サンガー配列決定を行った切断点は、後続のNHEJ修復を伴うTALEN媒介性の切断に特有であった(図10)。イントロンセグメントの欠失により、本発明者らは、欠失の上流の、欠失にまたがるまたは欠失の下流のエクソン接合部を検出するプライマーペアを用い、RT-qPCRによってMEL細胞クローンにおけるBCL11A転写産物の劇的な低減を認めた(図5A)。

0204

定義
便宜上、本出願全体(明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲を含む)で利用される特定の用語を、ここにまとめる。特に記載がなければ、本明細書において用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。

0205

本明細書において用いられる場合、「第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612上の細胞ゲノムDNAに結合する薬剤」という語句は、ゲノムDNA内の位置(例えば、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612)に結合でき、かつそのような薬剤で処理されていない細胞におけるBCL11AのmRNAまたはタンパク質レベルと比べて少なくとも20%だけ細胞におけるBCL11AのmRNAまたはタンパク質の発現を抑止する小分子、核酸、タンパク質、ペプチドまたはオリゴヌクレオチドをいう。1つの態様において、薬剤は、その語句が本明細書において用いられる場合「BCL11A結合パートナーとのBCL11Aの相互作用を妨げる」。

0206

本明細書において用いられる場合、「小分子」という用語は、ペプチド、ペプチド模倣体アミノ酸アミノ酸類似体ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログアプタマー、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、約10,000グラム/モル未満の分子量を有する有機または無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物および有機金属化合物を含む)、約5,000グラム/モル未満の分子量を有する有機または無機化合物、約1,000グラム/モル未満の分子量を有する有機または無機化合物、約500グラム/モル未満の分子量を有する有機または無機化合物、ならびにそのような化合物の塩、エステルおよびその他の薬学的に許容される形態を含むがこれらに限定されない、化学物質をいう。

0207

本明細書において用いられる「核酸」は、RNAまたはDNAであってよく、一本鎖または二本鎖であってよく、例えば、関心対象のタンパク質をコードする核酸、オリゴヌクレオチド、核酸類似体、例えばペプチド核酸(PNA)、相補性PNA (pc-PNA)、ロックド核酸(LNA)などを含む群から選択することができる。そのような核酸配列には、例えば、以下に限定されるものではないが、例えば転写リプレッサーとして作用するタンパク質をコードする核酸配列、アンチセンス分子リボザイム、低分子阻害性核酸配列、例えば以下に限定されるものではないがRNAi、shRNAi、siRNA、マイクロRNAi (mRNAi)、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどが含まれる。

0208

「BCL11A結合パートナーとのBCL11Aの相互作用を妨げる」とは、BCL11A結合パートナーとのBCL11Aの相互作用の量が、BCL11A阻害剤が存在しない比較可能な対照集団よりも、BCL11A阻害剤で処理された集団では少なくとも5%低いことを意味する。BCL11A阻害剤で処理された集団におけるBCL11A結合パートナーとのBCL11Aの相互作用の量は、BCL11A阻害剤が加えられていない比較可能な対照処理集団よりも少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことが好ましい。最低でも、BCL11A相互作用は、質量分析、免疫沈降、またはゲルろ過アッセイ法を含むが、これらに限定されない、当技術分野において標準的な技法を用いてBCL11A結合パートナーへのBCL11Aの結合の量を判定することによりアッセイすることができる。あるいは、またはさらに、BCL11A活性は、候補BCL11A阻害剤による処理後にmRNAまたはタンパク質のレベルで胎児型ヘモグロビン発現を測定することによりアッセイすることができる。

0209

1つの態様において、BCL11A活性はBCL11Aとその結合パートナー: GATA-1、FOG-1、NuRD複合体の構成要素、マトリン-3、MTA2およびRBBP7との相互作用である。したがって、この相互作用を遮断しうる任意の抗体もしくはその断片、小分子、化学物質または化合物は、BCL11A活性の阻害剤と考えられる。

0210

本明細書において用いられる「遺伝子操作細胞」という用語は、その用語が本明細書において用いられる場合、少なくとも1つの遺伝的改変を含む細胞をいう。

0211

本明細書において用いられる場合、「遺伝的改変」という用語は、細胞におけるBCL11Aの発現または活性の減少を引き起こすゲノムレベルでの破壊をいう。例示的な遺伝的改変としては、欠失、フレームシフト変異、点突然変異、エクソン除去、1つもしくは複数のDNAse 1高感受性部位(DHS) (例えば、2つ、3つ、4つもしくはそれ以上のDHS領域)の除去などを挙げることができる。

0212

「BCL11A発現を阻害する」とは、BCL11Aの発現の量が、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが存在しない比較可能な対照の細胞または細胞集団よりも、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼで処理された細胞または細胞集団では少なくとも5%低いことを意味する。処理された集団におけるBCL11A発現の割合は、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが加えられていない比較可能な対照処理集団よりも少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことが好ましい。

0213

「BCL11A活性を阻害する」とは、BCL11Aの機能的活性の量が、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが存在しない比較可能な対照の細胞または集団よりも、本明細書において記述される方法で処理された細胞または細胞集団では少なくとも5%低いことを意味する。BCL11A阻害剤で処理された集団におけるBCL11A活性の割合は、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼが加えられていない比較可能な対照処理集団よりも少なくとも10%低い、少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、少なくとも50%低い、少なくとも60%低い、少なくとも70%低い、少なくとも80%低い、少なくとも90%低い、少なくとも1倍低い、少なくとも2倍低い、少なくとも5倍低い、少なくとも10倍低い、少なくとも100倍低い、少なくとも1000倍低いか、またはそれ以上低いことが好ましい。最低でも、BCL11A活性は、当技術分野において標準的な技法を用いて、タンパク質またはmRNAレベルでBCL11A発現の量を判定することによりアッセイすることができる。あるいは、またはさらに、BCL11A活性は、BCL11A活性に感受性であるレポーター構築物を用いて判定することができる。γ-グロビン遺伝子座の配列は、BCL11A構築物の核酸結合モチーフによって認識可能である。

0214

1つの態様において、本明細書において用いられる場合、「DNAを標的とするエンドヌクレアーゼ」という用語は、望ましくない非特異的な二本鎖切断を生ずることなくゲノム中の所望の位置(例えば、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612)で二本鎖切断を生じるエンドヌクレアーゼをいう。DNAを標的とするエンドヌクレアーゼは、天然に存在するエンドヌクレアーゼ(例えば、細菌メガヌクレアーゼ)であってよく、または人工的に作製されてもよい(例えば、とりわけ、遺伝子操作されたメガヌクレアーゼ、TALEN、またはZFN)。

0215

別の態様において、本明細書において用いられる場合、「DNAを標的とするエンドヌクレアーゼ」という用語は、望ましくない非特異的なDNA鎖切断を生ずることなくゲノム中の所望の位置(例えば、第2染色体の位置60,716,189〜60,728,612)で一本鎖切断またはDNAリン酸糖骨格の一本の鎖上に「ニック」もしくは切断を生じるエンドヌクレアーゼをいう。

0216

本明細書において用いられる場合、「ベクター」という用語は、これに連結された別の核酸を輸送できる核酸分子をいう。1つのタイプのベクターは「プラスミド」であり、これは、その中にさらなる核酸セグメントライゲーションされうる環状二本鎖DNAループをいう。別のタイプのベクターは、さらなる核酸セグメントをウイルスゲノムの中にライゲーションできるウイルスベクターである。ある種のベクターは、それらが導入された宿主細胞において自律的に複製することができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入されると宿主細胞のゲノムに組み入れられ、それによって宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある種のベクターは、それらと機能的に連結される遺伝子の発現を指令することができる。そのようなベクターは、本明細書において「組み換え発現ベクター」、またはより簡単に「発現ベクター」といわれる。一般に、組み換えDNA技法において有益な発現ベクターは、プラスミドの形態であることが多い。プラスミドは最もよく用いられる形態のベクターであるため、本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は互換的に用いることができる。しかしながら、本明細書において記述される方法および組成物は、同等の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような、発現ベクターのそのような他の形態を含むことができる。

0217

発現ベクターの範囲内で、「機能的に連結された」とは、関心対象のヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロ転写/翻訳系において、またはベクターが標的細胞へ導入される場合には標的細胞において)ヌクレオチド配列の発現を可能にする形で調節配列に連結されていることを意味するよう意図される。「調節配列」という用語は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むよう意図される。そのような調節配列は、例えば、Goeddel; Gene Expression Technology: Methodsin Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記述されている。調節配列には、多くのタイプの宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指令するもの、およびある種の宿主細胞においてのみヌクレオチド配列の発現を指令するもの(例えば、組織特異的な調節配列)が含まれる。さらに、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼは、特定の間隔で、または特定の期間にわたってDNAを標的とするエンドヌクレアーゼの合成を指令する調節配列を含むベクターによって送達することができる。発現ベクターのデザインは、標的細胞の選択、所望とされる発現のレベルなどのような要因に依存しうることが当業者には理解されるであろう。

0218

本明細書において用いられる場合、「切断する」という用語は一般に、所望の位置でのDNAゲノムにおける二本鎖切断の生成をいう。

0219

本明細書において用いられる場合、「DNAを標的とするエンドヌクレアーゼを少なくとも含む組成物の有効量」という用語は、ゲノムの所望の位置において二本鎖切断を生成するのに十分なエンドヌクレアーゼ活性をもたらす、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼの量をいう。1つの態様において、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼの有効量は、組成物と接触させた集団中の細胞の少なくとも20%において所望の遺伝子座で二本鎖切断を生ずる(例えば、集団中の細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、またはさらに100%が、DNAを標的とするエンドヌクレアーゼ組成物によってもたらされた遺伝的改変を含む)。

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