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図面 (7)

課題

細胞B細胞枯渇化のための特異的プロトコルを使用する安定かつ長期の生着のための併用療法の提供。

解決手段

非同系の細胞移植片または組織移植片移植するためのキットであって、(a)T細胞を枯渇させた未成熟造血細胞の用量、および(b)治療効果的な量のシクロホスファミドを含み、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+細胞を含み、かつ、前記用量は、前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、特定の方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られ:対象の体重1キログラムあたり25mg〜200mgのシクロホスファミドを含み、前記非同系の細胞移植片または組織移植片の移植後に使用され、移植後10日間を超えて免疫抑制剤が使用されない、キット。

概要

背景

一方のハプロタイプが完全に一致しないハプロタイプ一致ドナー造血幹細胞移植(HSCT)のための代替源として使用することは、事実上すべての患者が、HSCTドナーとして役立ち得、また容易に入手可能なハプロタイプ一致の血縁者を有するので、非常に魅力的である。致命的な移植片対宿主病(GVHD)の危険性を回避するための、また、ハプロタイプ一致の厳密なT細胞枯渇骨髄移植(TDBMT)を白血病患者において適用するための初期の試みでは、ドナーのT細胞が移植片内に存在しないことにより、高い割合の移植片拒絶が、放射線療法および化学療法に対して抵抗性のある残存する宿主由来のT細胞(HTC)により媒介されて引き起こされることが明らかにされた。この障害を克服するために、完全に不一致マウス系統組合せを使用したときでさえ、このHTC媒介免疫バリアを克服することができ、かつ、問題なく移植することができる‘大用量’のTDBM細胞が意図された[Bachar−Lustig E他、Nat Med(1995)、1:1268〜1273]。続いて、ヒトにおいて、齧歯類の場合と同様に、CD34+造血幹細胞の用量増大が、遺伝子的バリアを克服し、これにより、精製ハプロタイプ一致HSCTの後における充分な生存率を可能にするために使用される場合があることが実証された[Reisner YおよびMartelliMF、Immunol Today(1995)、16:437〜440、ならびに、米国特許第5806529号]。

精製された‘大用量’のCD34+HSCTの使用は白血病患者におけるハプロタイプ一致の移植を可能にしているが、1つの大きな欠点、すなわち、すべてのT細胞枯渇移植片に共通する欠点が、レシピエントの免疫系の遅い回復速度である。これは、移植前における広範囲の免疫除去前処置プロトコル、少ない数のドナーT細胞が移植片内に注入されること、および、成体レシピエントの低下した胸腺機能に起因すると考えられる。したがって、ハプロタイプ一致CD34+幹細胞移植片の成体レシピエントにおいて、著しい割合の移植関連死亡(TRM)が日和見感染症によって引き起こされている。

いくつかの取り組みが、この難題に対処するために開発中である。これには、胸腺機能を改善するための新規な様式、移植後での抗ウイルス性特異的T細胞の養子移入、部分的にポリクローナルである宿主非反応性の同種枯渇T細胞の移入、または、誘導可能な自殺遺伝子によりトランスフェクションされた完全にポリナールなT細胞の移入が含まれる。宿主の免疫を保存するための代替的かつさらなる取り組みが、強度軽減移植前処置RIC)の使用である。この骨髄非破壊的取り組みでは、相当なレベルの宿主免疫細胞無傷で残っており、したがって、TRMが、移植後の免疫再構成を改善することによって、また、前処置作用因に伴う毒性を軽減することによってそれらの両方で減少する場合がある。RICのもとでのハプロタイプ一致移植は、実質的な免疫学的バリアが生存している宿主T細胞によって提示されるために、一層さらに複雑である。このバリアを克服するための近年の試みはほとんどが、増大したGVHD率の拡大においてであったが、高い生着率を可能にするT細胞非枯渇移植片を使用するものであった。ハプロタイプ一致移植をRICのもとで適用するための別の取り組みが、CD34+幹細胞を含有するだけでなく、CD34陰性始原体NK細胞移植片生着促進細胞および樹状細胞をも含有するCD3/CD19枯渇移植片を使用するものである。しかしながら、これもまた、増大したGVHD率およびTRM率の拡大においてである。

1970年代には、George Santosが、骨髄移植(BMT)直後における高用量シクロホスファミド(CY)の短い治療単位がドナーまたは宿主の活性化された同種反応性T細胞を標的としたことを齧歯類において明らかにした[OwensAHJrおよびGW.S.、Transplantation(1971)、11:378〜382]。シクロホスファミドは、造血幹細胞における解毒酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼの大きい発現のために造血幹細胞に対して非毒性であることが認められた。また、Slavin他は、高用量のシクロホスファミドの投与により、幹細胞の生着に対する有害な影響を伴うことなく、マウスにおけるGVHDおよび移植片拒絶を減らすことができることをさらに明らかにした[Brodsky RAおよびRJ.J.Lancet(2005)、365:1647〜1656]。John HopkinsおよびFred Hutchinson Cancer Reserach Centerの両グループによる臨床試験では、シクロホスファミド、フルダラビンおよび2GyのTBIからなる骨髄非破壊的プロトコル、ならびに、シクロホスファミド(50mg/kg、+3日目および+4日目)、MMF(+5日目から+35日目まで)およびタクロリムス(+5日目から+180日目まで)による移植後のGVHD予防が評価された[Luznik L他、Biology of blood and marrow transplantation:journal of the American Society for Blood and Marrow Transplantation(2008)、14:641]。それによれば、彼らの教示から明白であるが、このプロトコルは大きい再発率をもたらし、これはおそらくは、骨髄非破壊的前処置による不良な疾患減量、および、GVHDに関連づけられる移植片対白血病(GVL)効果の欠如に起因すると考えられた[Munchel A他、Pediatric Reports(2011)、3:43〜47]。

同種の造血幹細胞の安定した生着を達成するための別の取り組みが試みられており、幾つかが米国特許出願第20110110909号、米国特許出願第20050118142号、米国特許出願第20070098693号、米国特許第5,876,692号、米国特許第5,514,364号、米国特許第6,217,867号、米国特許第5,635,156号、米国特許出願第20060140912号、米国特許出願第20040005300号、米国特許出願第20070141027号、米国特許出願第20030017152号、米国特許出願第20030165475号、及び米国特許出願第20010009663号に記載されている。

概要

T細胞/B細胞枯渇化のための特異的プロトコルを使用する安定かつ長期の生着のための併用療法の提供。非同系の細胞移植片または組織移植片を移植するためのキットであって、(a)T細胞を枯渇させた未成熟造血細胞の用量、および(b)治療効果的な量のシクロホスファミドを含み、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+細胞を含み、かつ、前記用量は、前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、特定の方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られ:対象の体重1キログラムあたり25mg〜200mgのシクロホスファミドを含み、前記非同系の細胞移植片または組織移植片の移植後に使用され、移植後10日間を超えて免疫抑制剤が使用されない、キット。なし

目的

本発明は、活性化Treg細胞を、CD154を認識することができる作用因を使用して細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から分離する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

非同系の細胞移植片または組織移植片移植するためのキットであって、前記キットは、(a)T細胞枯渇させた未成熟造血細胞の用量、および(b)治療効果的な量のシクロホスファミドを含み、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+細胞を含み、かつ、前記用量は、前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、以下の(I)、(II)及び(III)の方法からなる群から選択される方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られ:(I)以下の(i)〜(iv)を含む方法:(i)表面マーカーに特異的に結合する抗体であって、磁気応答性作用因により標識される抗体を、前記未成熟造血細胞を含む細胞の集団に加えること;(ii)前記磁気応答性作用因により標識される前記抗体に特異的に結合する前記未成熟造血細胞を含む細胞の集団を磁場によりマトリックスにおいて固定化すること;(iii)前記マトリックスを洗浄して、結合していない細胞を除くこと;および(iv)前記磁場を除いて、結合した細胞を前記マトリックスから溶出すること、(II)前記T細胞によって分泌される産物に基づく方法、および(III)CD2、CD3、CD4、CD8、TCRα/βおよびTCRγ/δからなる群から選択されるT細胞の少なくとも1つの表面マーカーの発現に基づく方法、前記治療効果的な量は、対象の体重1キログラムあたり25mg〜200mgのシクロホスファミドを含み、前記ホスファミドは、前記非同系の細胞移植片または組織移植片の移植後に使用され、移植後10日間を超えて免疫抑制剤が使用されない、キット。

請求項2

前記T細胞枯渇未成熟造血細胞の用量は前記対象の体重1キログラムあたり5〜40×106個のCD34+細胞を含む、請求項1に記載のキット。

請求項3

(i)前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含むか、または(ii)前記T細胞枯渇未成熟造血細胞はMACS(商標)によって得られる、請求項1に記載のキット。

請求項4

前記表面マーカーがT細胞表面マーカーであるとき、前記結合していない細胞がT細胞枯渇未成熟造血細胞を含むかまたは前記表面マーカーが未成熟造血細胞表面マーカーであるとき、前記結合した細胞がT細胞枯渇未成熟造血細胞を含む、請求項1に記載のキット。

請求項5

(i)前記マトリックスは強磁性マトリックスであるかまたは前記マトリックスは磁気感受性材料もしくは強磁性材料球体を含み、または(ii)前記磁気応答性作用因は超常磁性粒子を含み、所望により、前記超常磁性粒子は、抗免疫グロブリンアビジンおよび/または抗ハプテン特異的マイクロビーズとの組合せで前記抗体にコンジュゲートされる、請求項1に記載のキット。

請求項6

前記T細胞枯渇未成熟造血細胞が非同系のドナーから得られる、請求項1に記載のキット。

請求項7

前記シクロホスファミドの濃度が体重1キログラムあたり約100mg〜200mg、または、約100mgである、請求項1に記載のキット。

請求項8

前記シクロホスファミドが単回服用または2回服用で処方され、所望により、前記2回服用のそれぞれが体重1キログラムあたり約50mgの濃度を含む、請求項1に記載のキット。

請求項9

前記2回服用のそれぞれが移植後3日および4日において使用されるためのものである、請求項8に記載のキット。

請求項10

(i)前記対象は悪性疾患を有し、所望により、前記悪性疾患は造血系ガンであるか、または(ii)前記対象は非悪性疾患を有し、所望により、前記非悪性疾患は、遺伝性の疾患または障害造血異常自己免疫疾患、あるいは、代謝障害である、請求項1に記載のキット。

請求項11

(i)前記細胞移植片または組織移植片が、未成熟造血細胞、肝臓膵臓脾臓腎臓心臓、皮膚、腸およびリンパ系/造血系の組織または臓器からなる群から選択されるか、または(ii)前記細胞移植片または組織移植片が、いくつかの臓器の同時移植を含む、請求項1に記載のキット。

請求項12

前記細胞移植片または組織移植片および前記T細胞枯渇未成熟造血細胞が、同じドナーから得られる、請求項1に記載のキット。

請求項13

前記非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている前記対象においてドナー特異的寛容性誘導するためのものである、請求項1に記載のキット。

請求項14

(i)前記分離することが、抗体を使用して行われ、所望により、前記抗体は、蛍光色素、ハプテンもしくは磁性粒子カップリングされるか、または(ii)前記分離することが、フローサイトメトリーもしくは磁気細胞選別を使用して行われ、所望により、前記磁気細胞選別はMACS(商標)を含むか、または(iii)前記T細胞を前記未成熟造血細胞から分離することが、高勾配磁気分離(HGMS)もしくは分離カラムを使用して行われるか、または(iv)前記T細胞を前記T細胞によって分泌される産物に基づいて前記未成熟造血細胞から分離することは、分泌産物により標識されるT細胞を分離することを含み、ただし、前記T細胞は、前記T細胞によって分泌される産物と特異的に結合する捕捉成分にカップリングされており、かつ、前記T細胞は、前記産物が分泌され、前記捕捉成分に結合し、それにより、前記分泌産物により標識されるT細胞を生じさせる条件のもとで培養されており、また、前記T細胞は前記方法によって溶解されず、かつ、前記分泌産物は標識成分により標識されるか、または(v)方法が、B細胞を、B細胞表面マーカーに特異的に結合する抗体の使用によって前記T細胞枯渇未成熟造血細胞から分離することをさらに含むか、または(vi)方法が、B細胞を前記B細胞によって分泌される産物に基づいて前記T細胞枯渇未成熟造血細胞から分離することをさらに含み、前記分離することは、分泌産物により標識されるB細胞を分離することを含み、ただし、前記B細胞は、前記B細胞によって分泌される産物と特異的に結合する捕捉成分にカップリングされており、かつ、前記B細胞は、前記産物が分泌され、前記捕捉成分に結合し、それにより、前記分泌産物により標識されるB細胞を生じさせる条件のもとで培養されており、また、前記B細胞は前記方法によって溶解されず、かつ、前記分泌産物は標識成分により標識される、請求項1に記載のキット。

請求項15

(i)前記分泌産物は、サイトカイン、抗体またはホルモンであるか、または(ii)前記分泌産物は、IFN−γ、IL1、IL2、IL4、IL10、IL12、TGF−β、TNF、GM−CSFおよびSCFからなる群から選択されるか、または(iii)前記捕捉成分は固定用成分を介して前記T細胞またはB細胞にカップリングされるかもしくは前記捕捉成分は抗体またはその抗原結合フラグメントであるか、または(iv)前記標識成分は、前記分泌産物について特異的な抗体であるかまたは前記標識成分は蛍光着色されるか、もしくは磁化可能であるか、もしくは磁性粒子を含む、請求項14に記載のキット。

技術分野

0001

関連出願
本願は、2011年12月22日に出願した米国特許仮出願第61/578917号(参照として本明細書中にそれらの全体を援用される)の利益を主張する。

0002

本発明はそのいくつかの実施形態において、安定かつ長期の細胞移植または組織移植を達成するための併用療法に関連する。

背景技術

0003

一方のハプロタイプが完全に一致しないハプロタイプ一致ドナー造血幹細胞移植(HSCT)のための代替源として使用することは、事実上すべての患者が、HSCTドナーとして役立ち得、また容易に入手可能なハプロタイプ一致の血縁者を有するので、非常に魅力的である。致命的な移植片対宿主病(GVHD)の危険性を回避するための、また、ハプロタイプ一致の厳密なT細胞枯渇骨髄移植(TDBMT)を白血病患者において適用するための初期の試みでは、ドナーのT細胞が移植片内に存在しないことにより、高い割合の移植片拒絶が、放射線療法および化学療法に対して抵抗性のある残存する宿主由来のT細胞(HTC)により媒介されて引き起こされることが明らかにされた。この障害を克服するために、完全に不一致マウス系統組合せを使用したときでさえ、このHTC媒介免疫バリアを克服することができ、かつ、問題なく移植することができる‘大用量’のTDBM細胞が意図された[Bachar−Lustig E他、Nat Med(1995)、1:1268〜1273]。続いて、ヒトにおいて、齧歯類の場合と同様に、CD34+造血幹細胞の用量増大が、遺伝子的バリアを克服し、これにより、精製ハプロタイプ一致HSCTの後における充分な生存率を可能にするために使用される場合があることが実証された[Reisner YおよびMartelliMF、Immunol Today(1995)、16:437〜440、ならびに、米国特許第5806529号]。

0004

精製された‘大用量’のCD34+HSCTの使用は白血病患者におけるハプロタイプ一致の移植を可能にしているが、1つの大きな欠点、すなわち、すべてのT細胞枯渇移植片に共通する欠点が、レシピエントの免疫系の遅い回復速度である。これは、移植前における広範囲の免疫除去前処置プロトコル、少ない数のドナーT細胞が移植片内に注入されること、および、成体レシピエントの低下した胸腺機能に起因すると考えられる。したがって、ハプロタイプ一致CD34+幹細胞移植片の成体レシピエントにおいて、著しい割合の移植関連死亡(TRM)が日和見感染症によって引き起こされている。

0005

いくつかの取り組みが、この難題に対処するために開発中である。これには、胸腺機能を改善するための新規な様式、移植後での抗ウイルス性特異的T細胞の養子移入、部分的にポリクローナルである宿主非反応性の同種枯渇T細胞の移入、または、誘導可能な自殺遺伝子によりトランスフェクションされた完全にポリナールなT細胞の移入が含まれる。宿主の免疫を保存するための代替的かつさらなる取り組みが、強度軽減移植前処置RIC)の使用である。この骨髄非破壊的取り組みでは、相当なレベルの宿主免疫細胞無傷で残っており、したがって、TRMが、移植後の免疫再構成を改善することによって、また、前処置作用因に伴う毒性を軽減することによってそれらの両方で減少する場合がある。RICのもとでのハプロタイプ一致移植は、実質的な免疫学的バリアが生存している宿主T細胞によって提示されるために、一層さらに複雑である。このバリアを克服するための近年の試みはほとんどが、増大したGVHD率の拡大においてであったが、高い生着率を可能にするT細胞非枯渇移植片を使用するものであった。ハプロタイプ一致移植をRICのもとで適用するための別の取り組みが、CD34+幹細胞を含有するだけでなく、CD34陰性始原体NK細胞移植片生着促進細胞および樹状細胞をも含有するCD3/CD19枯渇移植片を使用するものである。しかしながら、これもまた、増大したGVHD率およびTRM率の拡大においてである。

0006

1970年代には、George Santosが、骨髄移植(BMT)直後における高用量シクロホスファミド(CY)の短い治療単位がドナーまたは宿主の活性化された同種反応性T細胞を標的としたことを齧歯類において明らかにした[OwensAHJrおよびGW.S.、Transplantation(1971)、11:378〜382]。シクロホスファミドは、造血幹細胞における解毒酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼの大きい発現のために造血幹細胞に対して非毒性であることが認められた。また、Slavin他は、高用量のシクロホスファミドの投与により、幹細胞の生着に対する有害な影響を伴うことなく、マウスにおけるGVHDおよび移植片拒絶を減らすことができることをさらに明らかにした[Brodsky RAおよびRJ.J.Lancet(2005)、365:1647〜1656]。John HopkinsおよびFred Hutchinson Cancer Reserach Centerの両グループによる臨床試験では、シクロホスファミド、フルダラビンおよび2GyのTBIからなる骨髄非破壊的プロトコル、ならびに、シクロホスファミド(50mg/kg、+3日目および+4日目)、MMF(+5日目から+35日目まで)およびタクロリムス(+5日目から+180日目まで)による移植後のGVHD予防が評価された[Luznik L他、Biology of blood and marrow transplantation:journal of the American Society for Blood and Marrow Transplantation(2008)、14:641]。それによれば、彼らの教示から明白であるが、このプロトコルは大きい再発率をもたらし、これはおそらくは、骨髄非破壊的前処置による不良な疾患減量、および、GVHDに関連づけられる移植片対白血病(GVL)効果の欠如に起因すると考えられた[Munchel A他、Pediatric Reports(2011)、3:43〜47]。

0007

同種の造血幹細胞の安定した生着を達成するための別の取り組みが試みられており、幾つかが米国特許出願第20110110909号、米国特許出願第20050118142号、米国特許出願第20070098693号、米国特許第5,876,692号、米国特許第5,514,364号、米国特許第6,217,867号、米国特許第5,635,156号、米国特許出願第20060140912号、米国特許出願第20040005300号、米国特許出願第20070141027号、米国特許出願第20030017152号、米国特許出願第20030165475号、及び米国特許出願第20010009663号に記載されている。

0008

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟造血細胞所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、(i)表面マーカーに特異的に結合する抗体であって、磁気応答性作用因により標識される抗体を前記未成熟造血細胞に加えること;(ii)前記磁気応答性作用因により標識される前記抗体に特異的に結合する前記未成熟造血細胞を磁場によりマトリックスにおいて固定化すること;(iii)前記マトリックスを洗浄して、結合していない細胞を除くこと;および(iv)前記磁場を除いて、結合した細胞を前記マトリックスから溶出することを含む方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0009

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前処置された対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、(i)表面マーカーに特異的に結合する抗体であって、磁気応答性作用因により標識される抗体を前記未成熟造血細胞に加えること;(ii)前記磁気応答性作用因により標識される前記抗体に特異的に結合する前記未成熟造血細胞を磁場によりマトリックスにおいて固定化すること;(iii)前記マトリックスを洗浄して、結合していない細胞を除くこと;および(iv)前記磁場を除いて、結合した細胞を前記マトリックスから溶出することを含む方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0010

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)、(b)および(c)を含む方法が提供される:(a)全身照射(TBI)および化学療法剤を含む強度軽減移植前処置プロトコルのもとで対象を前処置すること;(b)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前記対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、(i)表面マーカーに特異的に結合する抗体であって、磁気応答性作用因により標識される抗体を前記未成熟造血細胞に加えること;(ii)前記磁気応答性作用因により標識される前記抗体に特異的に結合する前記未成熟造血細胞を磁場によりマトリックスにおいて固定化すること;(iii)前記マトリックスを洗浄して、結合していない細胞を除くこと;および(iv)前記磁場を除いて、結合した細胞を前記マトリックスから溶出することを含む方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(c)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0011

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象においてドナー特異的寛容性を誘導する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)非同系のドナーから得られる、T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、(i)表面マーカーに特異的に結合する抗体であって、磁気応答性作用因により標識される抗体を前記未成熟造血細胞に加えること;(ii)前記磁気応答性作用因により標識される前記抗体に特異的に結合する前記未成熟造血細胞を磁場によりマトリックスにおいて固定化すること;(iii)前記マトリックスを洗浄して、結合していない細胞を除くこと;および(iv)前記磁場を除いて、結合した細胞を前記マトリックスから溶出することを含む方法によって前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、ドナー特異的寛容性を前記対象において誘導すること。

0012

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞を前記未成熟造血細胞から分離することが、前記T細胞によって分泌される産物に基づいて行われる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0013

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、4−1BB、FoxP3、CD154、CD4、CD8、CD25、GITR、CD137、潜在型TGF−beta(LAP)、GARP(LRRC32)およびCD121a/bからなる群から選択されるT細胞の少なくとも1つの表面マーカーの発現に基づいて前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0014

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前処置された対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞を前記未成熟造血細胞から分離することが、前記T細胞によって分泌される産物に基づいて行われる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0015

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前処置された対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、4−1BB、FoxP3、CD154、CD4、CD8、CD25、GITR、CD137、潜在型TGF−beta(LAP)、GARP(LRRC32)およびCD121a/bからなる群から選択されるT細胞の少なくとも1つの表面マーカーの発現に基づいて前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0016

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)、(b)および(c)を含む方法が提供される:(a)全身照射(TBI)および化学療法剤を含む強度軽減移植前処置プロトコルのもとで対象を前処置すること;(b)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前記対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞を前記未成熟造血細胞から分離することが、前記T細胞によって分泌される産物に基づいて行われる);続いて、(c)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0017

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、未成熟造血細胞移植を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)、(b)および(c)を含む方法が提供される:(a)全身照射(TBI)および化学療法剤を含む強度軽減移植前処置プロトコルのもとで対象を前処置すること;(b)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を前記対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、4−1BB、FoxP3、CD154、CD4、CD8、CD25、GITR、CD137、潜在型TGF−beta(LAP)、GARP(LRRC32)およびCD121a/bからなる群から選択されるT細胞の少なくとも1つの表面マーカーの発現に基づいて前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(c)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0018

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象においてドナー特異的寛容性を誘導する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)非同系のドナーから得られる、T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞を前記未成熟造血細胞から分離することが、前記T細胞によって分泌される産物に基づいて行われる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、ドナー特異的寛容性を前記対象において誘導すること。

0019

本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象においてドナー特異的寛容性を誘導する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)非同系のドナーから得られる、T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含み、かつ、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は、4−1BB、FoxP3、CD154、CD4、CD8、CD25、GITR、CD137、潜在型TGF−beta(LAP)、GARP(LRRC32)およびCD121a/bからなる群から選択されるT細胞の少なくとも1つの表面マーカーの発現に基づいて前記未成熟造血細胞から前記T細胞を分離することによって得られる);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、ドナー特異的寛容性を前記対象において誘導すること。

0020

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法はさらに、上記対象を、工程(a)に先立って、強度軽減移植前処置のもとで前処置することを含む。

0021

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法はさらに、上記対象を、工程(a)に先立って、インビボT細胞減量により前処置することを含む。

0022

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞の上記用量は上記対象の体重1キログラムあたり5〜40×106個のCD34+細胞を含む。

0023

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞の上記用量は上記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約10×106個のCD34+細胞を含む。

0024

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞が、T細胞枯渇骨髄細胞、T細胞枯渇G−CSF動員末梢血始原体細胞、T細胞枯渇臍帯血、骨髄細胞および/またはG−CSF動員末梢血始原体細胞からの正の選択によって獲得される精製されたCD34+細胞、ならびに、エクスビボ拡大CD34+細胞からなる群から選択される。

0025

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞は上記対象の体重1キログラムあたり1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含む。

0026

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞はMACS(商標)によって得られる。

0027

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記表面マーカーがT細胞表面マーカーであるとき、上記結合していない細胞がT細胞枯渇未成熟造血細胞を含む。

0028

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞表面マーカーが、CD2、CD3、CD4、CD8およびTCRα/βからなる群から選択される。

0029

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記表面マーカーが未成熟造血細胞表面マーカーであるとき、上記結合した細胞がT細胞枯渇未成熟造血細胞を含む。

0030

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記未成熟造血細胞表面マーカーが、CD34、CD33およびCD131からなる群から選択される。

0031

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法はさらに、B細胞を、B細胞表面マーカーに特異的に結合する抗体の使用によって上記T細胞枯渇未成熟造血細胞から分離することを含む。

0032

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記B細胞表面マーカーが、CD19およびCD20からなる群から選択される。

0033

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記マトリックスは強磁性マトリックスである。

0034

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記マトリックスは、磁気感受性材料または強磁性材料球体を含む。

0035

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記磁気応答性作用因は超常磁性粒子を含む。

0036

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記超常磁性粒子は、抗免疫グロブリンアビジンおよび/または抗ハプテン特異的マイクロビーズとの組合せで上記抗体にコンジュゲートされる。

0037

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞を上記未成熟造血細胞から分離することが、高勾配磁気分離(HGMS)を使用して行われる。

0038

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞を上記未成熟造血細胞から分離することが、分離カラムを使用して行われる。

0039

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体が、抗CD8抗体、抗CD4抗体抗CD3抗体、抗CD2抗体、抗TCRα/β抗体、抗CD19抗体、ならびに、抗CD20抗体、抗CD21抗体、抗CD34抗体、抗CD33抗体および抗CD131抗体からなる群から選択される。

0040

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞枯渇未成熟造血細胞が非同系のドナーから得られる。

0041

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記非同系ドナーは上記対象に対して同種または異種である。

0042

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記同種ドナーが、HLA一致の兄弟姉妹、HLA一致の非血縁ドナー、HLAハプロタイプ一致の血縁ドナー、および、1つまたは複数の異なるHLA決定基呈示するドナーからなる群から選択される。

0043

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記対象はヒト対象である。

0044

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記インビボT細胞減量が抗体によって行われる。

0045

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、抗CD8抗体、抗CD4抗体、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)抗体、抗CD52抗体および抗CD3(OKT3)抗体の少なくとも1つを含む。

0046

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記強度軽減移植前処置は骨髄非破壊的前処置を含む。

0047

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記骨髄非破壊的前処置は、全身照射(TBI)、全身リンパ節照射TLI)、化学療法剤および/または抗体免疫療法の少なくとも1つを含む。

0048

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記TBIは、1Gy〜7.5Gy、および、1Gy〜3.5Gyからなる群から選択される範囲に含まれる単回照射線量または分割照射線量を含む。

0049

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記化学療法剤は、ブスルファン、フルダラビン、メルファランおよびチオテパの少なくとも1つを含む。

0050

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、抗CD52抗体、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗CD3(OKT3)抗体の少なくとも1つを含む。

0051

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記シクロホスファミドの濃度が体重1キログラムあたり約100mg〜200mg、または、約100mgである。

0052

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記シクロホスファミドが単回服用または2回服用で投与される。

0053

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記2回服用のそれぞれが体重1キログラムあたり約50mgの濃度を含む。

0054

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記2回服用のそれぞれが工程(a)の後の3日目および4日目に投与される。

0055

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記対象は悪性疾患を有する。

0056

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記悪性疾患は造血系ガンである。

0057

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記対象は非悪性疾患を有する。

0058

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記細胞移植片または組織移植片は未成熟造血細胞を含む。

0059

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記細胞移植片または組織移植片が、肝臓膵臓脾臓腎臓心臓、皮膚、腸およびリンパ系/造血系の組織または臓器からなる群から選択される。

0060

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記細胞移植片または組織移植片が、上記用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞を上記対象に移植する前に、または、上記用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞を移植するのと同時に、または、上記用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞を移植した後で上記対象に移植される。

0061

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記細胞移植または組織移植はいくつかの臓器の同時移植を含む。

0062

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記細胞移植片または組織移植片および上記T細胞枯渇未成熟造血細胞が、同じドナーから得られる。

0063

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記分離することが、抗体を使用して行われる。

0064

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、蛍光色素、ハプテンまたは磁性粒子カップリングされる。

0065

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記分離することが、フローサイトメトリーまたは磁気細胞選別を使用して行われる。

0066

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記磁気細胞選別はMACS(商標)を含む。

0067

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記T細胞を上記T細胞によって分泌される産物に基づいて上記未成熟造血細胞から分離することは、分泌産物により標識されるT細胞を分離することを含み、ただし、この場合、該T細胞は、該T細胞によって分泌される産物と特異的に結合する捕捉成分にカップリングされており、かつ、該T細胞は、該産物が分泌され、該捕捉成分に結合し、それにより、該分泌産物により標識されるT細胞を生じさせる条件のもとで培養されており、また、該T細胞は上記方法によって溶解されず、かつ、該分泌産物は標識成分により標識される。

0068

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法はさらに、B細胞を該B細胞によって分泌される産物に基づいて上記T細胞枯渇未成熟造血細胞から分離することを含み、この場合、分離することは、分泌産物により標識されるB細胞を分離することを含み、ただし、この場合、該B細胞は、該B細胞によって分泌される産物と特異的に結合する捕捉成分にカップリングされており、かつ、該B細胞は、該産物が分泌され、該捕捉成分に結合し、それにより、該分泌産物により標識されるB細胞を生じさせる条件のもとで培養されており、また、該B細胞は上記方法によって溶解されず、かつ、該分泌産物は標識成分により標識される。

0069

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記分泌産物は、サイトカイン、抗体またはホルモンである。

0070

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記分泌産物が、IFN−γ、IL1、IL2、IL4、IL10、IL12、TGF−β、TNF、GM−CSFおよびSCFからなる群から選択される。

0071

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記捕捉成分は固定用成分を介して上記T細胞またはB細胞にカップリングされる。

0072

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記捕捉成分は抗体またはその抗原結合フラグメントである。

0073

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は二重特異性である。

0074

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、T細胞表面マーカーまたはB細胞表面マーカーに対するものである。

0075

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記標識成分は、上記分泌産物について特異的な抗体である。

0076

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記標識成分は蛍光着色されるか、または磁化可能であるか、または磁性粒子を含む。

0077

本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体が、抗CD8抗体、抗CD4抗体、抗CD3抗体、抗CD2抗体、抗TCRα/β抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗CD21抗体、抗CD34抗体、抗CD33抗体および抗CD131抗体からなる群から選択される。

0078

本発明の教示が、他の寛容性誘導プロトコルとともに、例えば、PCT公開番号WO2001/49243、同WO2007/023491および同WO2010/049935(これらはそれらの全体が参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載される寛容性誘導プロトコルなどとともに使用され得ることが理解されるであろう。

0079

別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。

図面の簡単な説明

0080

本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。

0081

図1A−1Bは、‘大用量’の厳密なT細胞枯渇BMの移植および移植後シクロホスファミドの後における不一致ドナー骨(BM)の永続的生着を例示するグラフである。マウスを、抗CD4抗体および抗CD8抗体を使用するT細胞減量(TCD)による−6日目での前処置、および、2.0Gyの全身照射(TBI)への暴露による−1日目での前処置に供した。高用量のシクロホスファミド(CY、100mg/kg)を移植後の+3日目および+4日目に投与した。ドナータイプキメラ現象を移植後35日(図1A)および95日(図1B)で評価した。

0082

図2A−2Cは、典型的なFACSキメラ現象分析を例示するドットプロットグラフである。図2Cは、混合キメラ現象が、‘大用量’(25×106個)の厳密なT細胞枯渇BMが移植され、かつ、高用量のCYにより処置されたレシピエントにおいて達成されたことを示す。対照的に、前処置プロトコルのみを受けたレシピエントマウス(図2A)、または、ほんの5×106個のBM細胞およびCYが接種されたレシピエントマウスは、ドナータイプのキメラ現象を示さなかった(図2B)。

0083

図3は、移植後180日および225日での永続的な混合キメラ現象を、‘大用量’(25×106個)のT細胞枯渇BMが移植され、かつ、高用量のCYにより処置されたレシピエントマウスにおいて例示するグラフである。留意すべきことに、5×106個のT細胞枯渇BMおよびCYが接種されたマウスは混合キメラ現象を示さなかった。

0084

図4A−4Bは、キメラマウスにおけるドナータイプ皮膚移植片または第三者皮膚移植片の移植を例示する。図4Aは、高用量のCYにより移植後の+3日目および+4日目に処置される、通常用量(5×106個)または‘大用量’(25×106個)のT枯渇BMのレシピエントにおけるドナータイプ(Balb/c)皮膚移植片または第三者(C57BL/6)皮膚移植片の許容(「+」によって表される)または拒絶(「−」によって表される)を例示する移植片である。図4Bは、高用量のCYにより移植後の+3日目および+4日目に処置される、‘大用量’(25×106個)T枯渇BMのレシピエントにおけるドナータイプ(Balb/c)皮膚移植片(白毛)または第三者(C57BL/6)皮膚移植片(黒毛)の写真である。

0085

図5は、高用量のCYにより移植後に処置される、‘大用量’(25×106個)T枯渇BMのレシピエントマウスにおけるドナータイプのキメラ現象に対する種々の照射線量の影響を例示するグラフである。

0086

図6は、‘大用量’(25×106個)T枯渇BMおよび2GyのTBIのレシピエントにおけるドナータイプのキメラ現象に対する増大用量のシクロホスファミド(CY)の影響を例示するグラフである。

0087

図7は、‘大用量’のCD8+T細胞枯渇BMと移植後のCYとを組み合わせることによって達成される不一致ドナーBMの生着を例示するグラフである。留意すべきことに、残留CD8+T細胞のBM調製物からの枯渇化は、‘大用量’のT細胞枯渇BM細胞を移植後のCYと組み合わせるときに達成されるキメラ現象のレベルに対する有害な影響を何ら有していなかった。

0088

本発明はそのいくつかの実施形態において、安定かつ長期の細胞移植または組織移植を達成するための併用療法に関連する。

0089

本発明の原理および操作は、図面および付随する説明を参照してより良く理解されることができる。

0090

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部、または、実施例によって例示される細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、あるいは、様々な方法で実施、または、実行される。また、本明細書中において用いられる表現法および用語法は説明のためであって、限定として見なされるべきでないことを理解しなければならない。

0091

同種造血幹細胞移植(HSCT)の適用が、得られるHLA一致ドナーが家族内において、または、非血縁の篤志家ドナーの国際登録において不足していることによって制限されている。逆に、移植について必要性のある事実上すべての患者が、ハプロタイプの一方が完全に不一致の家族ドナーを有する。

0092

ハプロタイプの一方が完全に不一致の血縁ドナーからの骨髄移植に対する主な障害が、移植片対宿主病(GVHD)および移植片拒絶であった。非常に多数の造血幹細胞を最小限の残存T細胞混入および攻撃的免疫抑制的かつ骨髄破壊的な療法とともに使用することにより、高い生着率が、重度のGVHDをほとんど伴うことなくもたらされている。しかしながら、免疫再構成がこの取り組みの後では遅れており、かつ、不完全となっており、また、著しい割合の移植関連死亡(TRM)が日和見感染症によって引き起こされる。

0093

本発明を実施に移している間に、本発明者らは、不一致骨髄の成功した生着が、厳密なT細胞枯渇‘大用量’骨髄を移植し、続いて、高用量のシクロホスファミドを移植後早期に対象に投与することによって達成され得ることを発見している。本発明者らは、そのような療法は、短い免疫骨髄破壊的な前処置療法のみを必要とすることを示している。本発明者らはさらに、そのような移植手順が長期かつ安定なキメラ現象を引き起こすこと、および、寛容性が達成されていることを示している。

0094

本明細書中下記および下記の実施例の節において示されるように、本発明者らは、‘大用量’T細胞枯渇骨髄移植(TDBMT)と移植後の高用量シクロホスファミド(CY)との組合せが不一致ドナー骨髄の永続的な生着を可能にすることを骨の折れる実験によって発見している(図1A〜図1Bおよび図2A〜図2Cを参照のこと)。永続的な混合キメラ現象が移植後の長期間にわたって示された(マウスにおいて移植後180日および225日、図3を参照のこと)。重要なことに、‘大用量’TDBMTと移植後の高用量CYとの組合せは造血幹細胞の生着を強度軽減移植前処置のもとで可能にし(図5を参照のこと)、また、ドナー皮膚移植片の許容によって示されるように、寛容性の誘導をもたらした(図4Bを参照のこと)。

0095

したがって、本発明の1つの局面によれば、非同系の細胞移植片または組織移植片を必要としている対象を処置する方法であって、下記の(a)および(b)を含む方法が提供される:(a)T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞の所与の用量を対象に移植すること(ただし、前記T細胞枯渇未成熟造血細胞は前記対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含み、かつ、前記用量は前記対象の体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含む);続いて、(b)治療効果的な量のシクロホスファミド(ただし、前記治療効果的な量は体重1キログラムあたり25mg〜200mgを含む)を前記対象に投与し、それにより、前記対象を処置すること。

0096

本明細書中で使用される場合、用語「治療する/処置する」には、状態の進行を取り消すこと、実質的に阻害すること、遅くすること、または、逆向きにすること、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善すること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に防止することが含まれる。

0097

本明細書中で使用される場合、用語「対象」または用語「その必要性のある対象」は、細胞移植または組織移植を必要としている、任意の年齢雄性または雌性哺乳動物(好ましくは、ヒト)を示す。典型的には、対象は、細胞移植または組織移植による処置を受け入れることができる障害、あるいは、病理学的または望まれない健康状態または状態または症候群、あるいは、物理的、形態学的または生理学的な異常のために、細胞移植または組織移植を必要としている。

0098

1つの実施形態によれば、対象は、例えば、器官の機能性の喪失をもたらす加齢外傷創傷または何らかの病理学的状態に起因して、組織再生固形組織または軟部組織)を必要としている。

0099

本発明の1つの実施形態によれば、対象は悪性疾患を有する。

0100

本発明の1つの実施形態によれば、悪性疾患は造血系のガンである。

0101

例示的な造血系のガンには、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ性白血病(T−ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、急性非リンパ芽球性白血病(ANLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病CML)、T細胞性リンパ球性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、若年性骨髄単球性白血病ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫、節外性ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫皮膚T細胞リンパ腫腸症型T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大T細胞/ヌル細胞リンパ腫皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、不特定T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)/慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性リンパ球性白血病小リンパ球性リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫−粘膜関連リンパ組織リンパ腫、濾胞性リンパ腫マントル細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫ヘアリー細胞白血病原発性中枢神経系リンパ腫、膵性辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫、前駆T細胞白血病/リンパ腫、MALTリンパ腫、菌状息肉腫および多発性骨髄腫

0102

1つの実施形態によれば、造血系のガンは白血病またはリンパ腫を含む。

0103

1つの実施形態によれば、対象は非悪性疾患を有する。

0104

1つの実施形態によれば、非悪性疾患は、遺伝性の疾患または障害、自己免疫疾患、あるいは、代謝障害である。

0105

例示的な非悪性疾患には、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:重症複合免疫不全症候群(SCID)、鎌状赤血球病鎌状赤血球貧血)、先天性好中球減少症血小板減少症再生不良性貧血(例えば、重症再生不良性貧血)、骨髄異形成症候群モノソミー7、大理石骨病ゴーシェ病、ハーラー病、異染性白質ジストロフィー副腎白質萎縮症サラセミア、先天性または遺伝的決定の造血異常アデノシンデアミナーゼ(ADA)、狼瘡自己免疫性肝炎セリアック病I型糖尿病グレーブス病ギランバレー症候群重症筋無力症関節リウマチ強皮症および乾癬

0106

1つの実施形態によれば、本発明の対象は、細胞移植または組織移植によって処置可能である心臓血管疾患リウマチ様疾患腺疾患胃腸疾患皮膚疾患肝疾患神経学的疾患筋疾患腎疾患結合組織疾患、全身疾患および/または生殖関連疾患のいずれかに罹患している場合がある。

0107

本明細書中で使用される場合、表現「細胞移植片または組織移植片」は身体の細胞(例えば、1個だけの細胞または細胞群)または組織(例えば、充実組織または軟部組織、これらは全体または一部を移植することができる)を示す。本発明の教示に従って移植され得る例示的な組織には、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、心臓、肺、皮膚、腸およびリンパ系/造血系組織(例えば、リンパ節、パイアー斑胸腺または骨髄)が含まれるが、これらに限定されない。本発明の教示に従って移植され得る例示的な細胞には、幹細胞を含む未成熟な造血細胞が含まれるが、これらに限定されない。さらに、本発明ではまた、臓器全体の移植、例えば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓または脾臓などの移植が意図される。

0108

本発明の1つの実施形態によれば、細胞移植片または組織移植片は未成熟な造血細胞を含む。

0109

1つの実施形態によれば、上記方法は、対象と非同系である細胞または組織を使用して行うことができる。

0110

適用に依存して、上記方法は、対象と同種または異種である細胞または組織を使用して行うことができる。

0111

本明細書中で使用される場合、用語「同種(の)」は、当該対象と同じ種であるが、当該対象とは実質的に非クローンであるドナーに由来する細胞または組織を示す。典型的には、同じ種の非近交系の非接合体(non−zygotic)双胎哺乳動物は互いに同種である。同種ドナーは対象に関してHLA同一またはHLA非同一(すなわち、1つまたは複数の異なるHLA決定基を呈示する)であってもよいことが理解される。

0112

1つの実施形態によれば、同種ドナーは、HLA一致の兄弟姉妹、HLA一致の非血縁ドナー、HLAハプロタイプ一致の血縁ドナー、あるいは、1つまたは複数の異なるHLA決定基を呈示するドナーである。

0113

本明細書中で使用される場合、用語「異種(の)」は、当該対象のリンパ球の実質的割合の種に対して異なる種の抗原を実質的に発現する細胞または組織を示す。典型的には、異なる種の非近交系哺乳動物は互いに異種である。

0114

本発明では、異種の細胞または組織が様々な種に由来すること、例えば、ウシ属の動物(例えば、ウシ)、ウマ科の動物(例えば、ウマ)、ブタ類(例えば、ブタ)、オビド類(ovids)(例えば、ヤギヒツジ)、ネコ属の動物(例えば、イエネコ(Felis domestica))、イヌ科の動物(例えば、イヌ(Canis domestica))、齧歯類(例えば、マウス、ラットウサギモルモットアレチネズミハムスター)または霊長類(例えば、チンパンジーアカゲザルマカクザルマーモセット)など(これらに限定されない)に由来することが想定される。

0115

異種起源(例えば、ブタ起源)の細胞または組織が好ましくは、人畜共通感染症(例えば、ブタの内因性レトロウイルスなど)を有さないことが知られている供給源から得られる。同様に、ヒト由来の細胞または組織が好ましくは、実質的に病原体非含有の供給源から得られる。

0116

本発明の1つの実施形態によれば、対象およびドナーの両方がヒトである。

0117

適用および利用可能な供給源に依存して、本発明の細胞移植片または組織移植片は、出生前生物ドナー、出生後の生物ドナー、成体ドナーまたは死体ドナーから得ることができる。そのうえ、必要とされる適用に依存して、細胞移植片または組織移植片はナイーブであり得るか、または、遺伝子操作され得る。使用される細胞移植片または組織移植片の種類の決定は十分に当業者の能力の範囲内である。さらに、この技術分野で知られているどの方法も、(例えば、移植用の)細胞移植片または組織移植片を得るために用いることができる。

0118

述べられたように、未成熟な造血細胞を含むT細胞枯渇造血細胞またはT細胞枯渇造血組織(例えば、CD34+を含む)の所与の用量が対象に移植される。

0119

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象に関して非同系(例えば、同種または異種)である。

0120

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞および細胞移植片または組織移植片は同系である(例えば、同じドナーから得られる)。

0121

本明細書中で使用される場合、表現「未成熟(な)造血細胞」は、前駆体造血細胞を含む造血組織調製物または造血細胞調製物を示す。そのような組織/細胞調製物は、生物学的サンプル、例えば、骨髄、動員末梢血(例えば、CD34細胞の濃度を高めるためのCD34細胞の動員)、臍帯血(例えば、臍帯)、胎児肝臓卵黄嚢および/または胎盤を含むか、あるいは、それらに由来する。加えて、精製されたCD34+細胞または他の造血幹細胞(例えば、CD131+細胞など)を、エクスビボ拡大を伴って、または伴うことなく、そのどちらでも、本発明の教示に従って使用することができる。

0122

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、T細胞を枯渇させた未成熟な造血細胞を含む。

0123

本明細書中で使用される場合、表現「T細胞(を)枯渇(させた)未成熟(な)造血細胞」は、Tリンパ球が枯渇化されている造血細胞の集団を示す。T細胞枯渇未成熟造血細胞は、例えば、CD34+、CD33+および/またはCD56+の細胞を含む場合がある。T細胞枯渇未成熟造血細胞は、CD3+細胞、CD2+細胞、CD8+細胞、CD4+細胞、α/βT細胞および/またはγ/δT細胞が枯渇化されている場合がある。

0124

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、CD34+未成熟造血細胞について濃縮されるT細胞枯渇のG−CSF動員血液細胞を含む。

0125

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、CD3+T細胞が枯渇化されている。

0126

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり50×105個未満のCD3+T細胞、40×105個未満のCD3+T細胞、30×105個未満のCD3+T細胞、20×105個未満のCD3+T細胞、15×105個未満のCD3+T細胞、10×105個未満のCD3+T細胞、9×105個未満のCD3+T細胞、8×105個未満のCD3+T細胞、7×105個未満のCD3+T細胞、6×105個未満のCD3+T細胞、5×105個未満のCD3+T細胞、4×105個未満のCD3+T細胞、3×105個未満のCD3+T細胞、2×105個未満のCD3+T細胞、または、1×105個未満のCD3+T細胞を含む。

0127

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり5×105個未満のCD3+T細胞を含む。

0128

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は20×105個未満のCD3+T細胞を含むが、10個を超えるCD3+T細胞を含む。

0129

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は、少なくとも1×103個〜1×105個のCD3+T細胞を含む。

0130

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、CD8+細胞が枯渇化されている。

0131

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり1×104個未満〜4×105個のCD8+T細胞を含む。

0132

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり50×105個未満のCD8+細胞、25×105個未満のCD8+細胞、15×105個未満のCD8+細胞、10×105個未満のCD8+細胞、9×105個未満のCD8+細胞、8×105個未満のCD8+細胞、7×105個未満のCD8+細胞、6×105個未満のCD8+細胞、5×105個未満のCD8+細胞、4×105個未満のCD8+細胞、3×105個未満のCD8+細胞、2×105個未満のCD8+細胞、1×105個未満のCD8+細胞、9×104個未満のCD8+細胞、8×104個未満のCD8+細胞、7×104個未満のCD8+細胞、6×104個未満のCD8+細胞、5×104個未満のCD8+細胞、4×104個未満のCD8+細胞、3×104個未満のCD8+細胞、2×104個未満のCD8+細胞、または、1×104個未満のCD8+細胞を含む。

0133

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり4×105個未満のCD8+細胞を含む。

0134

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は4×105個未満のCD8+細胞を含むが、10個を超えるCD8+細胞を含む。

0135

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含む。

0136

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞、0.5×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞、1×105個未満のCD8+TCRα/β−細胞、0.5×105個未満のCD8+TCRα/β−細胞、1×104個未満のCD8+TCRα/β−細胞、0.5×104個未満のCD8+TCRα/β−細胞、1×103個未満のCD8+TCRα/β−細胞、または、0.5×103個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含む。

0137

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含む。

0138

1つの具体的な実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞は1×106個未満のCD8+TCRα/β−細胞を含むが、10個を超えるCD8+TCRα/β−細胞を含む。

0139

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、B細胞が枯渇化されている。

0140

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、B細胞(CD19+および/またはCD20+のB細胞)が枯渇化されている。

0141

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞は、対象の体重1キログラムあたり50×105個未満のB細胞、40×105個未満のB細胞、30×105個未満のB細胞、20×105個未満のB細胞、10×105個未満のB細胞、9×105個未満のB細胞、8×105個未満のB細胞、7×105個未満のB細胞、6×105個未満のB細胞、5×105個未満のB細胞、4×105個未満のB細胞、3×105個未満のB細胞、2×105個未満のB細胞、または、1×105個未満のB細胞を含む。

0142

1つの具体的な実施形態によれば、未成熟造血細胞は対象の体重1キログラムあたり4×105個未満のB細胞を含む。1つの具体的な実施形態によれば、未成熟造血細胞は50×105個未満のB細胞を含むが、10個を超えるB細胞を含む。

0143

T細胞(例えば、CD3+、CD2+、TCRα/β+、CD4+および/またはCD8+の細胞)またはB細胞(例えば、CD19+および/またはCD20+の細胞)の枯渇化が、どのような方法であれ、この技術分野で知られている方法を使用して行われる場合があり、例えば、特異的な抗体による根絶(例えば、殺傷)によって、あるいは、Miltenyi Biotecから入手可能な磁気活性化細胞分取(MACS(商標))(これは本明細書中下記でさらに詳しく示される)、FACSソーターおよび/または捕獲ELISA標識化の使用などによる親和性に基づく精製によって行われる場合がある。

0144

そのような方法が、本明細書中に、また、THEHANDBOOK OF EXPERIMNTAL IMMUNOLOGY、第1巻〜第4巻(編者:D.N.Wei)、および、FLOW CYTOMETRY AND CELLSORTING(編者:A.Radbruch、Springer Verlag、1992)に記載される。例えば、細胞を、例えば、フローサイトメトリーまたはFACSによって選別することができる。したがって、蛍光活性化細胞分取(FACS)が使用される場合があり、これは、様々な程度の色チャネル小角および鈍角光散乱検出チャネル、ならびに、インピーダンスチャネルを有する場合がある。この技術分野で知られているリガンド依存的分離技術はどれも、抗体親和性ではなく、むしろ、細胞の物理的性質に依拠する正の分離技術および負の分離技術の両方と併せて使用される場合がある:そのような分離技術には、水簸および密度勾配遠心分離が含まれるが、これらに限定されない。

0145

細胞選別のための他の方法には、例えば、固体担体(例えば、プレートビーズおよびカラムなど)を使用するそのような技術を含めて、親和性技術を使用するパンニングおよび分離が含まれる。したがって、生物学的サンプルが、抗体が固体マトリックス(例えば、プレート)に結合させられる「パンニング」によって分離される場合がある。

0146

代替として、細胞が磁気分離技術によって選別/分離される場合があり、これらの方法のいくつかが磁性ビーズを利用する。種々の磁性ビーズが数多くの供給者から入手可能であり、そのような供給者には、例えば、Dynal(ノルウェー)、Advanced Magnetics(Cambridge、MA、米国)、Immuncon(Philadelphia、米国)、Immunotec(Marseille、フランス)、Invitrogen、Stem cell Technologies(米国)、Cellpro(米国)、および、Miltenyi Biotec GmbH(ドイツ)が含まれる。代替として、抗体をビオチン化し、または、ジゴキシゲニンコンジュゲート化し、アビジン被覆または抗ジゴキシゲニン被覆の親和性カラムと併せて使用することができる。

0147

1つの実施形態によれば、分離品質を増大させるために、または、多数のパラメーターによる選別を可能にするために、種々の枯渇/分離方法を組み合わせることができ、例えば、磁気細胞選別をFACSと組み合わせることができる。

0148

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞がT細胞減量(TCD)によって得られる。

0149

T細胞減量が、例えば、抗CD8抗体、抗CD4抗体、抗CD3抗体、抗CD2抗体、抗TCRα/β抗体および/または抗TCRγ/δ抗体を含めて、様々な抗体を使用して行われる場合がある。

0150

1つの実施形態によれば、B細胞の枯渇化がB細胞減量によって行われる。

0151

B細胞減量が、CD19抗体または抗CD20抗体を含めて、様々な抗体を使用して行われる場合がある。代替では、B細胞のインビボ減量を抗CD20抗体の注入によって達成することができる。

0152

代替として、CD34+幹細胞またはCD131+幹細胞の正の選択が、例えば、上記でさらに詳しく記載されるような磁気細胞分離技術(例えば、MACS(商標))、FACSソーターおよび/または捕獲ELISA標識化を使用して行われる場合がある。

0153

下記は、目的とする細胞(例えば、T細胞および/またはB細胞)の集団を本発明による未成熟造血細胞からその移植前に枯渇化するためのいくつかの限定されない例である:
I.PCT公開番号WO2007/110249および米国特許第8129126号(これらは本書によりそれらの全体が参照によって組み込まれる)の教示に従う、活性化された調節性ヘルパー細胞の分離:
1つの実施形態によれば、活性化された調節性CD4+CD25+Tヘルパー(Th)細胞を4−1BB受容体の使用によって細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から分離する方法が提供される。

0154

調節性細胞を1つおよび/または複数のマーカーの発現により特定および/または分離することができる。特定および/または分離のために当業者に知られているどのようなマーカーもこの目的のために用いることが可能である。例示的なマーカーが、4−1BB、CD25、CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球抗原−4、GITR(グルココルチコイド誘導性TNF受容体)、FoxP3、IL−10、CD69、CD40L、ICOS、OX40およびTGFbetaであり、これらは単独および/または組合せで用いられる。当業者に知られているすべてのマーカーを非調性細胞の排除または枯渇化のために組合せで用いることもまた、この目的のために可能である。しかしながら、特定の実施形態では、4−1BB受容体(CD137)が、生存している活性化された調節性細胞のマーカーとして使用される。

0155

II.米国特許出願公開第20110097313号(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従うT調節性細胞または非調節性T細胞の分離:
1つの実施形態によれば、調節性T細胞(Treg)または非調節性T細胞(従来のT細胞)をCD154分子[CD40リガンド(CD40L)]の使用によって細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から分離する方法が提供される。

0156

活性化されたTreg細胞(CD4+CD25+Treg)はCD154を発現しないので、本発明では、活性化(例えば、抗原活性化)された従来型T細胞(CD154+細胞)とTreg(CD154−細胞)とを、CD154を認識することができる作用因(例えば、抗CD154抗体)を使用して分離することが意図される。

0157

したがって、1つの実施形態によれば、本発明は、活性化Treg細胞を、CD154を認識することができる作用因を使用して細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から分離する方法を提供する。本発明ではさらに、調節性T細胞について特異的であるさらなるマーカー(例えば、CD25、GITR、CTLA4など)、または、活性化された調節性T細胞について特異的であるマーカー(例えば、Tregの正の選択のためのCD137、「潜在型TGF−beta(LAP)」、GARP(LRRC32)、CD121a/bなど)の使用が意図される。

0158

別の実施形態によれば、活性化された従来型Tヘルパー(Th)細胞を、CD154マーカーを使用して細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から得る方法が提供される。具体的には、CD154マーカーを使用して、活性化された従来型Th細胞(CD154発現細胞)を、特に、活性化調節性細胞/非活性化調節性細胞のためのマーカー(それぞれ、CD137およびCD25)を使用するさらなる選択方法が同時または連続して使用されるときには(調節性T細胞を含む)細胞調製物から除くことができ、これにより、抗原特異的な調節性Th細胞を特定および単離するための本発明の使用が可能となる。

0159

したがって、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)をドナーおよび/または対象から得た後で、調節性T細胞を、例えば、CD25を使用して濃縮することができる。これらの細胞は続いて、特定の抗原により刺激することができる。この目的のために、抗体、ペプチドタンパク質化学物質(またはその混合物)、あるいは、病原体または細胞が使用される場合がある。特定の活性化時間の後、調節性T細胞が、例えば、CD137マーカーの使用により特定および/または分離される。それによって、抗原特異的な調節性Th細胞が好ましくは特定および/または分離される。

0160

III.米国特許第7659084号(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従う抗原特異的T細胞の分離:
1つの実施形態によれば、抗原特異的T細胞を単離するためのCD154[CD40リガンド(CD40L)]の使用であって、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)がCD40/CD154系阻害剤と接触させられる方法が提供される。

0161

本発明の1つの実施形態によれば、T細胞はTヘルパー(Th)のCD4+またはCD8+のThリンパ球である。

0162

本発明の1つの実施形態によれば、炎症性T細胞、抗炎症性T細胞、調節性T細胞および/または抑制性T細胞が検出され、および/または得られる。

0163

本発明はまた、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)における抗原特異的T細胞を抗原による活性化の後で単離するための方法であって、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)がCD40/CD154系阻害剤と接触させられ、CD154の細胞内決定および/または細胞外決定が行われ、CD154を有する細胞が単離される方法に関連する。

0164

細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)のCD40/CD154系阻害剤とのそのような「接触」はCD154の細胞内決定および/または細胞外決定を可能にし、したがって、CD154を有する細胞の単離または分離、特に、完全な抗原特異的CD4+Thリンパ球を表す細胞の単離または分離を可能にすることが理解されるであろう。

0165

具体的には、CD40/CD154系阻害剤の添加は、CD40とCD154との間における相互作用およびシグナル伝達を損なうか、または阻害する。本発明の趣旨において、CD40/CD154系阻害剤は、CD40とCD154との間における相互作用を阻止または阻害することができる分子またはそれどころか物理的暴露のどれもが可能である。

0166

それに従えば、阻害性作用因は、抗体(例えば、CD40に対する抗体、または、CD154に対する抗体)、CD40とCD154との間における相互作用に対する影響を有する分子、セシウムイオンまたはリチウムイオンが可能である。そのような作用因はまた、細胞における分泌またはエンドサイトーシスを阻害する物質、例えば、ブレフェルジンA(Bref−A)および/またはモネンシンなどが可能である。ブレフェルジンAは真菌ペニシリウム・ブレフェルジアナム(Penicillium brefeldianum)の代謝産物であり、これはカルボキシル化イオノホアであるので、新しく合成されたタンパク質の小胞体からゴルジ装置内への輸送を阻止し、かつ、エンドソームリソソームとの間における交換を損ない、その一方で、細胞膜とエンドソームとの間における循環都合よいことに、乱されないままである。

0167

これらの物質は、CD40、CD154、それらの2つの間における相互作用、または、CD40/CD154系が、CD154が細胞表面でもはやダウンレギュレーションおよび/または分解されないような様式で、あるいは、依然として細胞内に存在するならば、もはや細胞内で輸送されないような様式で改変されることを保証する。細胞内における輸送のそのような妨害により、CD154の分解が妨げられる。結果として、CD154が外部受容体として細胞の内外で安定化され、このことはそれにより、当業者には広く知られている(本明細書中でさらに詳しく説明される)検出方法を使用する検出およびその後の単離を可能にする。

0168

IV.PCT公開番号WO94/09117および米国特許第7166423号(これらは本書によりそれらの全体が参照によって組み込まれる)の教示に従う細胞の分離:
1つの実施形態によれば、細胞(例えば、B細胞またはT細胞)を、これらの細胞から分泌される1つまたは複数の産物(例えば、サイトカイン(これには、IFNγ、IL1、IL2、IL4、IL10、IL12、TGF−beta、TNF、GM−CSFおよびSCFが含まれるが、これらに限定されない)、抗体、ホルモン、酵素およびタンパク質)に基づいて細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から分離するための方法が提供される。この方法は、細胞(例えば、B細胞またはT細胞)によって分泌される産物が当該細胞(例えば、B細胞またはT細胞)の表面に捕捉されることを可能にする。捕捉された産物により、細胞(例えば、B細胞またはT細胞)が、産物の存在、非存在または存在量に従って選別されることが可能となる。捕捉手段は、選別される細胞のために好適である手段によって細胞表面に固定された捕捉成分を含む。

0169

捕捉成分が、必要な場合には連結用成分を介して固定手段(「アンカー成分)にカップリングされる場合があり、また、捕捉成分はまた、利用可能である捕捉成分の数を増やし、したがって、産物の捕捉のための可能性を増大させる連結用成分(例えば、分岐ポリマー(これには、例えば、修飾デキストラン分子が含まれる)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンなど)を含む場合がある。

0170

細胞表面に対する好適なアンカー成分には、親油性分子、例えば、脂肪酸などが含まれる。好適な細胞表面分子の例には、どのような分子であれ、細胞表面に関連する分子が含まれるが、これらに限定されない。好適な分子には、細胞表面マーカー、例えば、CD45(汎白血球)、CD3(T細胞(活性化)、CD4、CD8、CD19、CD20、CD14、CD16、CD15、I型MHC分子およびII型MHC分子、CD34、CD38、CD33、CD56T細胞受容体Fc受容体、beta2ミクログロブリンまたは免疫グロブリン、ならびに、他のCDマーカーまたは細胞接着分子が含まれるが、これらに限定されない。代替として、細胞表面分子(例えば、MHC抗原または糖タンパク質など)に特異的に結合する抗体または他の作用因もまた使用され得る。

0171

特異的な結合性パートナーには、捕捉成分および標識成分が含まれる。捕捉成分は、直接的または間接的のどちらであれ細胞に対して、また、産物に対して、両方に結合する成分である。標識成分は、産物に結合する成分であり、直接的または間接的に標識される場合がある。特異的な結合パートナーには、産物とその結合性パートナーとの間における比較的大きい親和性および特異性が存在し、かつ、産物:パートナー複合体の解離が、この産物:パートナー複合体が標識化技術または細胞分離技術の期間中に検出されるように比較的ゆっくりである成分のどれもが含まれる。

0172

特異的な標識成分には、蛍光着色された抗産物抗体が含まれる場合があるが、これらに限定されず、そのような抗体には、磁性ビーズコンジュゲート抗体コロイド状ビーズコンンジュゲート抗体、FITCコンジュゲート抗体、フィコエリトリンコンジュゲート抗体、PerCPコンジュゲート抗体、AMCAコンジュゲート抗体、蛍光粒子コンジュゲート抗体またはリポソームコンジュゲート抗体が含まれる場合があるが、これらに限定されない。

0173

特異的な結合性パートナーには、産物が結合するであろう基質または基質アナログが含まれる場合があるが、これらに限定されない。これらの基質には、分泌された産物と結合することができるペプチド、多糖ステロイドビオチンジギトキシンジギトニンおよび他の分子が含まれるが、これらに限定されず、また、具体的な実施形態では抗体が含まれるであろう。捕捉成分が抗体であるとき、この捕捉成分は「捕捉抗体」または「捕獲抗体」として示される場合がある。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル包含することが意図される。

0174

本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体キメラ抗体、ハプテンおよび抗体フラグメント二重特異性抗体、ならびに、産物抗原上のエピトープに特異的に結合するという点で抗体同等物である分子を包含することが意図される。二重特異性抗体は、二機能性抗体としてもまた知られており、第1の抗原についての少なくとも1つの抗原認識部位と、第2の抗原についての少なくとも1つの抗原認識部位とを有する。そのような抗体をこの技術分野で知られている組換えDNA方法によって製造することができ、または、この技術分野で知られている方法によって化学的に製造することができる。化学的に作出された二重特異性抗体には、その二価特性を保持するように縮小および再形成された抗体、ならびに、それぞれの抗原についての少なくとも2つの抗原認識部位を有するように化学的にカップリングされた抗体が含まれるが、これらに限定されない。二重特異性抗体には、2つの異なる抗原を認識することができる抗体、または、2つの異なる抗原を認識することができる抗体のコンジュゲート、または、2つの異なる抗原を認識することができる抗体の多量体形態のすべてが含まれる。抗体はポリマーまたは粒子の表面に固定化することができる。

0175

1つの実施形態によれば、捕捉成分を様々な方法によって細胞膜に結合させることができる。好適な方法には、タンパク質成分アミノ基に対する直接の化学的カップリング、タンパク質成分の(ジスルフィド架橋還元後に形成される)チオールへのカップリング、(抗体対を含む)抗体を介する間接的カップリング、疎水性アンカー成分による脂質二重層における固定、および、ポリカチオンによる負荷電細胞表面への結合が含まれるが、これらに限定されない。

0176

本発明の他の実施形態において、捕捉成分が、2つ以上の工程を使用して導入される。例えば、捕捉成分が、アンカー成分への捕捉成分のカップリングを、例えば、ビオチン/アビジン複合体によって直接的に、または、好適な連結用成分(1つまたは複数)を介して間接的にどちらであれ可能にする少なくとも1つのアンカー成分により細胞を標識することによって導入される。

0177

細胞表面に対する抗体の直接的化学的カップリングのための様々な方法がこの技術分野では知られており、そのような方法には、例えば、グルタルアルデヒドまたはマレイミドにより活性化された抗体を使用するカップリングが含まれる。多段階手順を使用する化学的カップリングのための方法には、例えば、ビオチン化、TNPまたはジゴキシゲニンを、例えば、これらの化合物スクシンイミドエステルを使用してカップリングすることが含まれる。ビオチン化が、例えば、D−ビオチニル−N−ヒドロキシスクシンイミドの使用によって達成される場合がある。スクシンイミド基は、7を超えるpHで、優先的には約pH8.0〜約pH8.5の間でアミノ基と効果的に反応する。ビオチン化はまた、例えば、細胞をジチオスレイトール(DTT)で処理し、その後、ビオチンマレイミドを加えることによって達成される場合がある。

0178

細胞へのカップリングはまた、細胞表面抗原(「マーカー」)に対する抗体を使用して達成される場合がある。表面抗原に一般に向けられる抗体は10個の細胞あたり約0.1μg〜1μgの範囲で要求される場合があり、しかしながら、この要求は、産物に対する抗体の親和性に応えて広範囲に変化するであろうし、また、経験的に決定される必要があるであろう。そのような決定は十分に当業者の能力の範囲内である。したがって、抗体の適切な量が経験的に決定されなければならず、抗体の適切な量は当業者の能力の範囲内である。これにより、細胞タイプ特異的なマーカー発現に基づく特定の細胞に対するカップリングが可能になる。例えば、様々なクラスの細胞(例えば、T細胞またはそのサブセットなど)を特異的に標識することができる。捕捉成分として、細胞または細胞表面に置かれるアンカー成分についての抗原認識部位と、産物についての抗原認識部位とを有する二重特異性抗体が使用される場合がある。

0179

捕捉成分、特に捕捉抗体は、分泌された産物の量に基づいて選択されなければならない。例えば、ほんの少数の分子を分泌する細胞については、高親和性の抗体が、分泌された分子のほとんどを捕獲するように選定されなければならない。代替として、細胞がインキュベーション時間の期間中に多くの分子を分泌する場合には、より低親和性の抗体が、捕獲マトリックスの早すぎる飽和を防止するために好まれる場合がある。分泌されたタンパク質のレベルについての好適な親和性の決定が経験的に決定され、この決定は当業者の能力の範囲内である。

0180

本発明のいくつかの実施形態において、捕捉成分が、細胞に対して、疎水性アンカー成分によって細胞膜にカップリングされる。膜の脂質二重層と相互作用するであろう様々な好適な疎水性アンカー成分がこの技術分野では知られており、これらには、脂肪酸および非イオン性界面活性剤(例えば、Tween−80を含む)が含まれるが、これらに限定されない。捕捉成分をアンカー成分の挿入により細胞に結合することに対する欠点の1つが、アンカー成分が細胞内に一体化される速度が低いことである。したがって、大きい濃度のアンカー成分が多くの場合には要求される。この後者の状況は、捕捉成分が、比較的限定された物質または高価な物質であるとき、例えば、抗体であるときには、非経済的であることが多い。膜に埋め込まれた疎水性アンカー成分の低い収率は、これらの分子が比較的限られた量で利用可能であるときにだけ関連がある。この問題は、アンカー成分および捕捉成分を含む架橋システムを使用することによって克服される場合があり、ただし、この場合、これらの成分の一方がより大きい利用可能性を有しており、かつ、架橋系のこれら2つの部分が相互について大きな程度の特異性および親和性を有する。例えば、1つの実施形態において、アビジンまたはストレプトアビジンが疎水性アンカー成分を介して細胞に結合させられ、一方、捕捉成分が、ビオチン化された抗産物抗体である。

0181

別の実施形態において、細胞表面がジゴキシゲニンにより標識され、その後、ジゴキシゲニンおよび産物の両方についての特異性を有する二重特異性抗体により標識される。この取り組みは、例えば、ハプテンと抗ハプテン抗体との対、または、NTAとポリヒスチジン残基との対を含めて、連結を形成することができる他の分子対とともに使用することができる。1つの具体的な実施形態が、アンカー成分あたりの捕捉成分の数を増大することによる系の「増幅」を可能にするものである。

0182

1つの例示的な実施形態において、分岐したデキストランパルミチン酸に結合させられ、したがって、これにより、非常に多数の利用可能な結合部位がもたらされる。このデキストランは次に、ビオチンにカップリングされ、産物について特異的であるアビジンコンジュゲート化抗体により処理される。アンカー成分が、どのような様式であれ、細胞表面にカップリングされるときには、リンカー成分がアンカー成分と捕捉成分との間において使用されるかもしれないことが、当然のことながら、本発明の実施形態において意図される。したがって、例えば、アビジン(またはストレプトアビジン)ビオチンリンカー成分により、抗体アンカー成分が捕捉成分と連結される場合がある。二重特異性抗体の系もまた、リンカー成分として作用する場合がある。

0183

目的とする産物を分泌する能力を有する細胞を選択するために、捕捉成分を含有するために上記のように改変された細胞が、捕捉された産物を含有する細胞への結合および当該細胞の検出を可能にするための十分な量での当該産物の産生および分泌を可能にする条件のもとでインキュベーションされる。これらの条件は当業者には知られており、これらの条件には、とりわけ、適切な温度、pH、ならびに、インキュベーション培地における塩、増殖因子および基質の濃度、同様にまた、気相におけるガスの適切な濃度が含まれる。高産生体細胞と低産生体細胞とを識別することが望ましいときには、インキュベーション時間が、細胞による産物分泌が依然として直線期にあるようにされる。そのような適切な条件は経験的に決定することができ、そのような決定は当業者の能力の範囲内である。

0184

加えて、細胞による分泌を、生物学的改変剤を使用して改変することができる(すなわち、アップレギュレーションすることができ、または誘導することができ、または低下させることができる)。好適な生物学的改変剤には、様々な分子および他の細胞が含まれるが、これらに限定されない。好適な分子には、薬物、サイトカイン、小分子、ホルモン、インターロイキンの組合せ、および、他の刺激作用因(例えば、二重特異性抗体、および、細胞の機能またはタンパク質発現を改変する他の作用因)が含まれるが、これらに限定されない。他の細胞には、直接的な細胞・細胞相互作用(例えば、腫瘍とT細胞との間などにおける相互作用など)、および、間接的な細胞・細胞相互作用(例えば、生物学的改変剤を分泌する他の細胞の近くによって誘導される相互作用など)が含まれるが、これらに限定されない。好適な細胞には、血液細胞、末梢骨髄細胞(PBMC)および様々な細胞系統が含まれるが、これらに限定されない。生物学的改変剤はどのような時間においでも加えることができ、しかし、好ましくはインキュベーション培地に加えられる。

0185

代替として、細胞は、インキュベーション工程に先立って、これらの作用因子または細胞により前処理することができる。インキュベーション条件はまた、産生体細胞によって分泌される産物が別の細胞によって本質的に捕捉されないようにされ、したがって、非産生細胞を産物産生細胞から識別すること、または、高産生体を低産生体から識別することが可能である。一般に、インキュベーション時間は5分〜10時間の間であり、より通常的には1時間〜5時間の間である。インキュベーション培地は必要な場合には、分泌産物の産生体細胞からの拡散を遅らせる物質を含む場合がある。液体培地における産物拡散を阻害し、かつ、細胞に対して非毒性である様々な物質がこの技術分野では知られており、これらには、例えば、部分的または完全にゲル化する様々な物質が含まれる(これには、例えば、アルギン酸塩低融点アガロースおよびゼラチンが含まれる)。

0186

培地の粘度または透過性を変化させることによって、分泌産物のある特定のサイズの産生細胞による局所的捕捉を調節することができる。培地の分子量サイズ排除を、反応を最適化するために調節することができる。培地の最適な組成を経験的に決定することができ、また、培地の最適な組成が、細胞濃度、産物の分泌レベルおよび分子量、ならびに、産物についての捕捉抗体の親和性によって影響される。そのような決定は当業者の能力の範囲内である。

0187

好ましくは、ゲルは、細胞または細胞群を細胞選別技術によって培地から単離することを可能にするためにインキュベーション後に可溶化される。したがって、例えば、ゲルが、スルフヒドリル還元剤(例えば、β−メルカプトエタノールまたはDTTなど)によって解離させることができるジスルフィド結合によって連結される場合があり、または、ゲルは、キレート化剤(例えば、EDTAなど)の添加によって可溶化されるイオン性架橋(例えば、カルシウムイオンを含む)を含有する場合がある。

0188

1つの具体的な実施形態において、分泌期の期間中、細胞がゼラチン様培地においてインキュベーションされ、優先的ではあるが、ゲル内への浸透サイズ制限により、産物が実質的にゲルに進入することが妨げられる。

0189

非特異的細胞の相互混入を防止するために粘性培地またはゼラチン様培地を使用することに代わるものまたは加えられるものが、分泌細胞上の細胞表面捕捉系によって捕捉されない産物を捕捉するための捕捉系を提供することである。例えば、この技術を、多くの細胞タイプが産物を産生する場合において、または、十分な拡散バリアを細胞間に生じさせることができないならば、使用することができる。これは、上清由来の抗体産物にコンジュゲート化されるビーズ(例えば、ラテックスビーズ)を、細胞を取り囲む培地に加えることによって達成することができる。代替として、結合していない産物を培地から除くことができる固定化された抗体または他の成分を有するゲルが用いられてもよい。これらの捕獲成分は、これらの望まれない産物を保持することができ、または、これらの望まれない産物が非分泌性細胞に結合することを非保持産物への結合によって妨げることができる。この「ジャンク捕捉系」は、ゲルマトリックス内に固定化されることからなる場合があり、あるいは、磁性粒子または他のタイプの粒子に結合させられる場合がある。ジャンク捕捉系の配置および捕獲特性は、十分な産物分子が分泌細胞に特異的に結合し、したがって、これにより、非産生細胞に関するバックグランドが最小限に抑えられるように調節されなければならない。

0190

分泌期が終了したとき、ゲルマトリックス(存在する場合)が可溶化される。捕捉された産物を含有する細胞がその後、標識成分により標識される。標識化が、どのような方法であれ、当業者に知られている方法によって達成される場合がある。例えば、抗産物抗体が、産物を含有する細胞を直接的または間接的に標識するために使用される場合がある。使用される標識は、細胞が、産物への標識成分の結合に基づいて分析または選別されることになる系における使用のために好適である標識である。

0191

他の実施形態において、捕捉された産物を含有しない捕捉成分が検出される場合がある。このことは、例えば、多量の産物を分泌する細胞の、負の選択方法を用いることによる単離、すなわち、産物により大きく飽和されない細胞の検出を可能にする。細胞は、細胞表面マーカー、細胞タイプ、細胞パラメーター(例えば、DNA含有量細胞状態、または、捕捉成分の数など)(これらに限定されない)を含めて、これらを認識する他の物質により標識することができる。

0192

実際の捕捉成分の列挙は、例えば、細胞の異なるコンジュゲーション能に起因するこれらの分子の変化する量を相殺するために重要であり得る。まれな細胞を単離することにより、アンカー成分および捕捉成分を含む産物捕捉系と結合するための低下した能力または増大した能力を有する細胞が除外されることがとりわけ重要である場合がある。

0193

標識の存在に基づく細胞集団の分析および細胞選別が、この技術分野で知られている数多くの技術によって達成される場合があり、これらが本明細書中でさらに詳しく記載される。

0194

V.米国特許第6576428号(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従う抗原特異的T細胞の分離:
1つの実施形態によれば、抗原特異的T細胞を、抗原刺激応答してこれらのT細胞によって分泌される1つまたは複数の産物(例えば、サイトカインまたは増殖因子、これらには、IL−3、GM−CSF、IL−2、IFN−ガンマ、TNF−アルファ、IL−4、IL−5、IL−10および/またはIL−13が含まれるが、これらに限定されない)に基づいて細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)から細胞分離するための方法が提供される。T細胞には、産物のための捕捉成分(例えば、抗体)が提供され(この場合、この捕捉成分はその後、いくつかの場合には標識として直接に使用することができる)、または、結合した産物はさらに、産物に特異的に結合し、かつ、従来の標識材(例えば、蛍光団放射性同位体発色団または磁性粒子など)により標識される標識成分(すなわち、検出可能成分)により標識することができる。標識された細胞はその後、これらの標識に基づく標準的な細胞選別技術を使用して分離される。そのような技術には、(本明細書中でさらに詳しく記載されるような)フローサイトメトリー、磁気勾配分離および遠心分離などが含まれる。

0195

1つの実施形態によれば、抗原刺激が、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)を、少なくとも1個のT細胞の抗原特異的刺激を誘発するために効果的である条件のもとで少なくとも1つの抗原にさらすことによって達成される。産物により標識することが、少なくとも1つの捕捉成分を含有するように細胞の表面を改変すること、産物が分泌され、放出され、かつ、捕捉成分に特異的に結合する(「捕獲される」または「捕捉される」)条件のもとで細胞を培養すること、および、捕捉された産物を標識成分により標識すること(ただし、標識された細胞は、標識手順の一部として、または、分離手順の一部として溶解されない)によって達成される。

0196

別の実施形態によれば、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)はさらに、細胞表面マーカーの発現に基づく1つまたは複数の分離プロトコルに供することができる。例えば、細胞は、1つまたは複数の細胞表面ポリペプチドの発現に基づく正の選択に供することができ、そのような細胞表面ポリペプチドには、「分化抗原クラスター(CD)」細胞表面マーカー、例えば、CD2、CD3、CD4、CD8、TCR、CD45、CD45RO、CD45RA、CD11b、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD40Lなど;リンパ球活性化に関連する他のマーカー、例えば、リンパ球活性化遺伝子3産物(LAG3)など;シグナル伝達リンパ球活性化分子SLAM)、T1/ST2;ケモカイン受容体、例えば、CCR3、CCR4、CXCR3、CCR5など;ホーミング受容体、例えば、CD62L、CD44、CLA、CD146、alpha.4.beta.7、alpha.E.beta.7など;活性化マーカー、例えば、CD25、CD69およびOX40など;ならびに、CD1によって提示されるリポグリカンが含まれるが、これらに限定されない。代替として、細胞調製物(例えば、未成熟造血細胞)はさらに、非T細胞および/または特定のT細胞サブセットを枯渇させるための負の選択に供することができる。負の選択を様々な分子の細胞表面発現に基づいて行うことができ、そのような分子には、B細胞マーカー(例えば、CD19およびCD20など)、単球マーカーのCD14、NK細胞マーカーのCD56が含まれるが、これらに限定されない。

0197

述べられたように、T細胞またはB細胞の減量が、インビトロにおいて、または、インビボにおいて(例えば、未成熟造血細胞をドナーから取得する前のドナーにおいて)行われる場合がある。

0198

下記は、T細胞/B細胞減量を本発明に従って行うためのいくつかの限定されない例である。
I.PCT公開番号WO2009/066180(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従うMACS(商標)
1つの実施形態によれば、T細胞またはB細胞のインビトロでの減量(TCDおよび/またはBCD)が磁気活性化細胞分取(MACS(商標))によって行われる。したがって、MACS(商標)により、特定の生細胞を生細胞の集団から分離するための手段が提供される。

0199

細胞分離が典型的には、表面マーカー(この場合、T/B細胞マーカー、例えば、分化抗原クラスター(すなわち、CD)ポリペプチド)の細胞外エピトープに特異的に結合する抗体を細胞の集団に加えることによって行われる。抗体が、細胞選別(細胞分離)のために好適である検出可能な作用因により、例えば、蛍光性色素(例えば、FITC)または磁気応答性作用因(例えば、ビーズ)などにより標識されることが好都合である。

0200

したがって、抗体が磁気応答性作用因にカップリングされる場合がある。抗体が磁気応答性作用因にカップリングされると、抗体は、磁気応答性作用因に結合した細胞を、当該抗体をエピトープ(抗原)に特異的に結合させるために十分な条件のもとで分離するために使用することができる。

0201

1つの実施形態によれば、また、国際公開WO/2009/066180において教示されるように、この方法はさらに、下記の工程を含む:磁気応答性作用因により標識される抗体に特異的に結合する表面マーカーを発現する細胞を磁場により強磁性マトリックス(これは本明細書中下記でさらに詳しく記載される)において固定化する工程、結合していない細胞を除くためにマトリックスを洗浄する工程、および、細胞をマトリックスから溶出するために磁場を除く工程。それによって、表面マーカーを発現する細胞が濃縮されるか、または、表面マーカーを発現する細胞からなる細胞サンプルが提供される。

0202

強磁性マトリックスの溶出を、重力流、遠心分離または真空ろ過を使用して、あるいは、正の圧力によって、例えば、プランジャーを使用して行うことができる。

0203

用語「磁気細胞選別」は、本明細書中で使用される場合、モノクローナル抗体に結合させられるか、または、この技術分野で知られているいずれかの抗体依存的分離技術と併せて使用されるコロイド状磁性粒子、親和性クロマトグラフィーおよび細胞傷害性作用因に連結される抗体を使用する磁気分離(これに限定されない)を含む細胞分離(細胞選別)のための手法を示す。

0204

1つの例示的な実施形態において、モノクローナル抗体が、例えば、多糖による有機被覆を有するコロイド状超常磁性マイクロ粒子と併せて使用される(Miltenyi他(1990)、Cytometry、11:231〜238)。10nm〜200nmのサイズ、好ましくは40nm〜100nmの間のサイズを有するこれらの粒子を使用することができ、あるいは、粒子は、抗体に直接にコンジュゲート化すること、または、抗免疫グロブリン、アビジンもしくは抗ハプテン特異的マイクロビーズとの組合せで使用することのどちらもが可能である。多糖により被覆された超常磁性粒子が、Miltenyi Biotec GmbH(ドイツ)から市販されている。

0205

米国特許第4770183号に記載されるような超常磁性粒子を調製するための方法を本発明の教示と組み合わせることができる。

0206

この技術分野における一般的な使用であるような用語に関して:
本明細書中で使用される場合、用語「強磁性(の)」は、磁場に対する強い感受性を有し、かつ、磁場が除かれたときに磁気的性質を保持することができる材料に関連する。強磁性が、材料内の不対電子結晶格子に含有され、したがって、これにより、不対電子のカップリングが許されるときにだけ生じる。

0207

本明細書中で使用される場合、用語「超常磁性(の)」は、大きい磁気感受性を有する材料に関連し、すなわち、そのような材料は、磁場に置かれたときには強く磁化され、しかし、その磁性を急速に失う。超常磁性が、結晶の直径が臨界値未満にまで低下したときに強磁性材料において生じる。

0208

粒子によって獲得される磁化の程度はその磁化率および加えられた磁場の関数であることが理解されるであろう。磁化は、生じた磁気モーメントの関数であり、また、粒子の体積の関数である。磁気モーメントが大きいほど、また、体積が小さいほど、磁化が大きくなる。

0209

II.米国特許第5411863号(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従うMACS(商標)
1つの実施形態によれば、また、米国特許第5411863号において教示されるように、細胞分離[T細胞またはB細胞のインビトロでの減量(TCDおよび/またはBCD)]が、高勾配磁気分離(HGMS)で、すなわち、磁性材料、または、磁性粒子により標識される非磁性標的を、磁場に配置されるチャンバーまたはカラムにおいて選択的に保持するための手法で行われる場合がある。したがって、例えば、磁性粒子を含有する流体が、磁気勾配に配置される容器またはカラムに通される。細胞分離を行うための望ましい方法において、容器は、大きい磁気勾配をその表面の近くで生じさせることができるマトリックスにより満たされる。粒子に与えられる磁場の強さにより、それらの磁化が決定されるが、それらの保持は磁気勾配の強さの関数である。磁化された粒子が、大きい磁気勾配によって保持される。典型的なマトリックスがフィラメント状または粒状の金属であり、例えば、スチールウールワイヤまたはフィラメントまたは微粒子または格子状物などである。

0210

本発明はさらに、マトリックスに通すことに供される生物学的材料を、これらの材料が金属表面にさらされることによって引き起こされると思われる損傷から効率的および効果的の両方で保護するそのようなマトリックスを被覆する方法を提供する。マトリックス上の被覆は金属表面の腐食を効果的に防止し、また、どのようなイオンであれ、表面で形成するかもしれないイオンの周囲流体への通過を防止する。さらに、本発明によって提供される不透過性被覆により、物理的安定性がマトリックスに加えられる。

0211

様々なHGMSシステムを記載するさらなる刊行物がこの技術分野では知られており、これらには、例えば、米国特許第4452773号、米国特許第4230685号、PCT出願公開WO85/04330、米国特許第4770183号および国際出願PCT/EP89/01602が含まれる;様々なシステムがまた、米国特許出願第07/291177号および米国特許出願第07/291176に記載される(これらのすべてが参照によって本明細書中に組み込まれる)。

0212

III.米国特許第5786161号および同第5711871号(これらは本書によりそれらの全体が参照によって組み込まれる)の教示に従う磁気分離(MACS(商標))装置
1つの実施形態によれば、磁気分離デバイスが本発明と合致して使用される場合がある。

0213

1つの実施形態によれば、磁気分離手法のための磁気分離デバイスは、空気または非標的物質の捕捉を少なくし、かつ、機械的崩壊に起因する標的物質の喪失を低下させる均一な細孔または流路を提供するマトリックスを含有する。様々な生物学的サンプルに由来する標的細胞(例えば、B細胞またはT細胞)が、適する特異的な結合性メンバー(例えば、上記で記載されるようなT/B細胞特異的抗体)と併せて標識され、本発明のデバイスおよび方法を使用して単離される。

0214

分離システムは、規定された集団の細胞(標的細胞)を混合細胞集団から、例えば、末梢血、骨髄、臍帯もしくは胎盤に由来する血液、胎児血液または白血球フェレーシス産物などから特異的に選択し、分離することができる。

0215

1つの実施形態によれば、高勾配磁気分離(HGMS)デバイスが本発明と合致して使用される。

0216

従来の高勾配磁気分離マトリックスが典型的には、ワイヤ、金属被覆繊維またはスチールウールなどの材料から調製される。本発明の改善された磁気分離デバイスにおいて、高勾配磁気分離装置勾配強化マトリックスが磁気感受性材料または強磁性材料の小さい球体から形成される。そのような材料には、鉄、スチールコバルトニッケルおよび他の強磁性希土類金属またはそれらの合金が含まれるが、これらに限定されない。例えば、マトリックス材料には、強磁性金属球体、例えば、鉄球体(例えば、MARUBU Balls、Kugelfabrik Schulte&Co.、Wermelskirchen、ドイツ)などが含まれる場合がある。

0217

球体を製造する多くの異なる方法が知られている。通常、球体は、大きい細胞または細胞複合体の分離のためには約0.2mmから1.5mmにまで及ぶ平均直径を有し、細胞内物のためには約0.05mmから0.2mmにまで及ぶ平均直径を有する。具体的には、球体は、約0.2mmから0.5mmにまで及ぶ平均直径を有し、最も具体的には、球体は、約0.2mmから0.3mmにまで及ぶ平均直径を有するように選択される。球体のサイズは比較的均一であることが望ましく、球体のサイズは通常、平均サイズから約15%以下の変動であり、より通常的には約10%以下の変動であり、好ましくは5%以下の変動である。

0218

球体は強磁性材料(例えば、鉄、スチールなど)から構成され、この場合、強磁性材料は、細胞の金属との接触を防止するために、不透過性被覆により被覆される場合がある。不透過性被覆によって、実質的には重量比で30%未満の水を含有し、イオンの通過を許さず、かつ、比較的疎水性のポリマーまたはコポリマー受動的適用、架橋または重合の結果として球体表面に形成されるポリマー被覆が意味される。好適なポリマーには、ポリスチレンポリアクリルアミドポリエーテルウレタンポリスルホンフッ素化ポリマーまたは塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、ポリエチレンおよびポリプロピレンポリカルボナートならびにポリエステルなどが含まれる。

0219

球体のマトリックスは、十分な磁場勾配分離デバイスにおいて生じさせて、磁気標識された細胞の効率的な保持を可能にするために、十分な表面積を有しなければならない。所与の分離のために必要な体積が経験的に決定される場合があり、所与の分離のために必要な体積は、細胞サイズ、細胞表面での抗原密度、抗体親和性などにより変化するであろう。流速がカラムのサイズによって決定されるであろうし、しかし、一般には、流れを調節するためのカニューレまたはバルブは必要とされないであろう。

0220

標識された細胞が、通常的には少なくとも約100mTで、より通常的には少なくとも約500mTで、通常的には約2T以下の磁場の存在下で、より通常的には約1T以下の磁場の存在下で磁気分離デバイスに保持される。磁場源永久磁石または電磁石であり得る。最初の結合の後、デバイスは、結合していない細胞を除くために、どのような緩衝液であれ、好適な生理学的緩衝液により洗浄される場合がある。

0221

結合した細胞が、磁場を除き、好適な緩衝液において溶出することによって磁気分離手段から放出される。細胞は、いずれかの適切な培地において、好ましくは、細胞の生存性を維持する培地において回収される場合がある。様々な培地が市販されており、細胞の性質に従って使用される場合があり、これらの培地には、dMEM、HBSS、dPBS、RPMI、PBS−EDTA、PBS、Iscove培地などが含まれ、これらには、ウシ胎児血清、BSA、HSAなどが補充される場合がある。その後、細胞が、適するように、また、本明細書中で教示されるように使用される場合がある。

0222

その最も簡便な形態において、本発明の細胞分離システムは、2つの主要な構成要素、すなわち、磁気分離装置および細胞分離試薬を有する。より複雑な分離デバイスは、流体流路回収容器および貯蔵容器、ならびに、分離カラムを含む。流体回路を一体化バルブとともに構築することができ、または、バルブが流体経路に対して外部に適用される場合がある。

0223

本発明と合致して使用され得るさらなる磁気分離デバイスが、国際公開WO/90/07380、国際出願PCT/US96/00953および欧州特許第438520号、米国特許第5779892号、米国特許第6417011号に記載される(それらのすべてが参照によって本明細書中に組み込まれる)。

0224

IV.米国特許第6900029号(これは本書によりその全体が参照によって組み込まれる)の教示に従うMACS(商標)
本発明の別の実施形態によれば、細胞の集団が、米国特許第6900029号において教示されるように、粒子および重力沈降を利用することによって選択される場合がある。したがって、T/B細胞減量が、迅速かつ高い収率での生物学的サンプル(例えば、流体サンプル)からのその分離を、例えば、全血または骨髄などからのその分離を、生物学的サンプル(例えば、流体サンプル)と混合される、細胞に結合する1つまたは複数の反応物(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体など)を有する複数の高密度の比較的重い粒子を使用して行うことによる望まれない集団または亜集団の細胞(例えば、CD20、CD19、CD2、CD4、CD8を発現する細胞)の除去によって行われる場合がある。粒子に結合した抗体を、生物学的サンプルから除去されることになるT細胞またはB細胞に向けることができる。細胞が結合した粒子を重力によって示差的に沈降させることができ、その後、(T/B細胞枯渇サンプル、例えば、未成熟造血細胞を含む)残存サンプルがさらなる使用のために取り出される。これにより、粒子によって標的とされなかったサンプル中の目的とする残存細胞(例えば、未成熟造血細胞)の数が高められる。したがって、目的とする細胞の高い収率が多数の除去工程の後でさえもたらされる。粒子に結合した抗体はまた、目的とする細胞(例えば、未成熟造血細胞、例えば、CD34を発現する未成熟造血細胞)に向けることができる。標的とされた細胞(例えば、CD34+の未成熟造血細胞)をその後、さらなる使用のために粒子から取り出すことができる。

0225

1つの実施形態によれば、粒子材料はニッケルが可能である。ニッケル粒子は、所望される場合、粒子を滅菌するために加熱することができる。サンプルが浄化されており、ヒトに移植されることになるならば、磁場および洗浄手順を、さらなる望まれていない細胞(例えば、赤血球)を除くために、また、高密度粒子のすべてが生物学的サンプルから除かれていることをさらに保証するために(上記で詳しく記載されるように)利用することができる。

0226

1つの実施形態によれば、T細胞枯渇未成熟造血細胞(例えば、CD34+細胞を含むT細胞枯渇未成熟造血細胞)は、(上記で述べられた供給源のすべてから採取され、例えば、骨髄および/またはG−CSF動員末梢血始原体細胞から採取され、(例えば、抗CD34抗体を、例えば、MACS(商標)を使用して上記で記載されるように使用する磁性ビーズを用いた)正の選択によって選択される)T細胞枯渇の骨髄細胞、T細胞枯渇の動員末梢血始原体細胞(例えば、G−CSFによって動員されたもの)、T細胞枯渇の臍帯血/胎児肝臓/卵黄嚢、および/または、精製されたCD34+細胞を含む。加えて、細胞数を増大させるためにインビボ拡大された精製CD34+細胞もまた、本発明の方法によって意図される。

0227

本発明の1つの実施形態によれば、対象には、体重1キログラムあたり少なくとも約4×106個、少なくとも約4.5×106個、少なくとも約5×106個、少なくとも約5.5×106個、少なくとも約6×106個、少なくとも約6.5×106個、少なくとも約7×106個、少なくとも約7.5×106個、少なくとも約8×106個、少なくとも約8.5×106個、少なくとも約9×106個、少なくとも約9.5×106個、少なくとも約10×106個、少なくとも約12.5×106個、少なくとも約15×106個、少なくとも約20×106個、少なくとも約25×106個、少なくとも約30×106個、少なくとも約35×106個、少なくとも約40×106個、少なくとも約45×106個、少なくとも約50×106個、少なくとも約60×106個、少なくとも約70×106個、少なくとも約80×106個、少なくとも約90×106個のCD34+細胞を含む所与の用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞が投与される。

0228

1つの具体的な実施形態によれば、対象には、体重1キログラムあたり少なくとも約10×106個のCD34+細胞を含む所与の用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞が投与される。

0229

1つの具体的な実施形態によれば、対象には、体重1キログラムあたり少なくとも約5×106個のCD34+細胞を含む所与の用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞が投与される。

0230

1つの実施形態によれば、対象には、対象の体重1キログラムあたり約4〜30×106個、4〜40×106個、4〜50×106個、4〜60×106個、4〜70×106個、4〜80×106個、4〜90×106個、4〜100×106個、5〜10×106個、5〜20×106個、5〜30×106個、5〜40×106個、5〜50×106個、5〜60×106個、5〜70×106個、5〜80×106個、5〜90×106個、5〜100×106個、10〜20×106個、10〜30×106個、10〜40×106個、10〜50×106個、10〜60×106個、10〜70×106個、10〜80×106個、10〜90×106個、10〜100×106個、20〜30×106個、20〜40×106個、20〜50×106個、20〜60×106個、20〜70×106個、20〜80×106個、20〜90×106個、20〜100×106個、30〜40×106個、30〜50×106個、30〜60×106個、30〜70×106個、30〜80×106個、30〜90×106個、30〜100×106個、40〜50×106個、40〜60×106個、40〜70×106個、40〜80×106個、40〜90×106個、40〜100×106個、50〜60×106個、50〜70×106個、50〜80×106個、50〜90×106個、50〜100×106個、60〜70×106個、60〜80×106個、60〜90×106個、60〜100×106個、70〜80×106個、70〜90×106個、70〜100×106個、80〜90×106個、80〜100×106個の範囲のCD34+細胞を含む所与の用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞が投与される。

0231

1つの具体的な実施形態によれば、対象には、体重1キログラムあたり約5〜40×106個の範囲のCD34+細胞を含む所与の用量のT細胞枯渇未成熟造血細胞が投与される。

0232

本発明のT細胞枯渇未成熟造血細胞は、どのような方法であれ、細胞移植のためにこの技術分野で知られている方法を使用して、例えば、細胞注入(例えば、I.V.)を使用して、腹腔経路を介して、または、骨内経路を介して(これらに限定されない)レシピエントに移植される場合がある。

0233

述べられたように、本発明の対象にはさらに、細胞移植片または組織移植片(例えば、肝臓、膵臓、脾臓、腎臓、心臓、肺、皮膚、腸および/またはリンパ系/造血系の組織)が移植される場合がある。

0234

細胞または組織を対象に移植することが、様々なパラメーターに依存して、例えば、細胞タイプまたは組織タイプ、レシピエントの疾患(例えば、臓器不全)のタイプ、病期または重篤度、対象に対して特異的な身体的または生理学的なパラメーター、および/あるいは、所望される治療結果などに依存して、数多くの方法で行われる場合がある。

0235

本発明の細胞移植片または組織移植片を移植することが、細胞移植片または組織移植片を、適用に依存して、様々な解剖学的位置のいずれか1つに移植することによって行われる場合がある。細胞移植片または組織移植片が、同位置の解剖学的位置(移植のための正常な解剖学的位置)に、または、異所性の解剖学的位置(移植のための異常な解剖学的位置)に移植される場合がある。適用に依存して、細胞移植片または組織移植片が、腎被膜の下に、あるいは、腎臓、精巣脂肪皮下組織、網、門脈、肝臓、脾臓、心臓腔、心臓、胸腔、肺、皮膚、膵臓および/または腹腔内空間の中に都合よく埋め込まれる場合がある。

0236

例えば、本発明の教示による肝臓組織が、肝臓、門脈、腎被膜、皮下、網、脾臓および腹腔内空間に移植される場合がある。様々な解剖学的位置(例えば、これら)への肝臓の移植が、肝移植による処置を受け入れる疾患(例えば、肝不全)を処置するためにこの技術分野では一般に実施される。類似して、膵臓組織を本発明に従って移植することが、組織を、門脈、肝臓、膵臓、精巣脂肪、皮下、網、腸の係蹄小腸のU係蹄の漿膜下組織)および/または腹腔内空間に移植することによって都合よく行われる場合がある。膵臓組織の移植が、膵臓移植による処置を受け入れる疾患(例えば、糖尿病)を処置するために使用される場合がある。同様に、腎臓組織心臓組織肺組織または皮膚組織などの組織の移植が、例えば、腎不全心不全肺不全または皮膚損傷(例えば、火傷)に苦しむレシピエントを処置するという目的のために上記のいずれかの解剖学的位置に行われる場合がある。

0237

場合により、本発明の細胞移植片または組織移植片を、不全臓器を有する対象に移植するときには、損なわれた臓器を最初に少なくとも部分的に対象から取り出し、その結果、移植組織の最適な発達および対象の解剖学/生理学とのその構造的/機能的な一体化を可能にするようにすることが好都合である場合がある。

0238

本発明の方法ではまた、いくつかの臓器(例えば、心臓および肺、肝臓および脾臓、膵臓および骨髄(例えば、造血幹細胞)、腎臓および骨髄(例えば、造血幹細胞)、など)の同時移植が、対象がそのような手法による有益な影響を受ける場合には想定される。

0239

1つの実施形態によれば、同時移植は、未成熟造血細胞および実質組織/臓器またはいくつかの実質臓器/組織を移植することを含む。

0240

1つの実施形態によれば、未成熟造血細胞および実質臓器は、同じドナーから得られる。

0241

1つの実施形態によれば、細胞移植片または組織移植片(例えば、実質臓器)が、T細胞枯渇未成熟造血細胞(例えば、CD34+細胞を含むT細胞枯渇未成熟造血細胞)を対象に移植する前に、または、移植するのと同時に、または、移植した後で対象に移植される。

0242

細胞移植片または組織移植片を対象に移植した後では、標準的な医療実務によれば、臓器の成長機能性および免疫適合性を当該技術分野での様々な標準的技術のいずれか1つに従ってモニターすることが望ましい。例えば、膵臓組織の移植組織の機能性が、標準的な膵臓機能検査(例えば、インスリン血清中レベルの分析)によって移植後にモニターされる場合がある。同様に、肝臓組織の移植組織が、標準的な肝臓機能検査(例えば、アルブミン総タンパク質、ALT、ASTおよびビリルビンの血清中レベルの分析、ならびに、血液凝固時間の分析)によって移植後にモニターされる場合がある。細胞移植片または組織移植片の構造的発達がコンピューター断層撮影法または超音波画像診断によりモニターされる場合がある。

0243

移植組織タイプにかかわらず、移植片拒絶および/または移植片対宿主病(GVHD)を少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%軽減するために、あるいは、好ましくは、移植片拒絶および/または移植片対宿主病(GVHD)を回避するために、本発明では、シクロホスファミドの移植後投与が意図される。

0244

1つの実施形態によれば、本発明ではさらに、本明細書中に記載されるような移植後での投与に加えて、移植前(例えば、移植の4日前、3日前または2日前、すなわち、T−4、T−3またはT−2)におけるシクロホスファミドの投与が意図される。

0245

留意すべきことに、(細胞移植片または組織移植片の)移植日はT=ゼロであると見なされる。

0246

本明細書中で使用される場合、用語「シクロホスファミド」は、アルキル基(CnH2n+1)をDNAに特異的に付加するナイトロジェンマスタードアルキル化剤(これはまた、シクロホスファンとして知られている)を示す。1つの具体的な実施形態において、シクロホスファミドは、分子式C7H15C12N2O2P・H2Oおよび化学名2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサザホスホリン2−オキシド一水和物を示す。シクロホスファミドは、例えば、Zydus(German Remedies)、Roxane Laboratories Inc−Boehringer Ingelheim、Bristol−Myers Squibb Co−Mead Johnson and Co、および、Pfizer−Pharmacia&Upjohnから、Endoxan、Cytoxan、Neosar、ProcytoxおよびRevimmuneの商品名で市販されている。

0247

治療効果的な量のシクロホスファミドが典型的には、細胞移植片または組織移植片が移植された後で対象に投与される。

0248

理論にとらわれることはないが、治療効果的な量は、対象に対して毒性であることなく、ドナーまたは宿主の活性化された同種反応性T細胞を殺傷するために効率的であるシクロホスファミドの量である。

0249

例えば、細胞移植片または組織移植片の場合、シクロホスファミドの治療効果的量は、対象の体重1キログラムあたり約1〜25mg、1〜50mg、1〜75mg、1〜100mg、1〜250mg、1〜500mg、1〜750mg、1〜1000mg、5〜50mg、5〜75mg、5〜100mg、5〜250mg、5〜500mg、5〜750mg、5〜1000mg、10〜50mg、10〜75mg、10〜100mg、10〜250mg、10〜500mg、10〜750mg、10〜1000mg、25〜50mg、25〜75mg、25〜100mg、25〜125mg、25〜200mg、25〜300mg、25〜400mg、25〜500mg、25〜750mg、25〜1000mg、50〜75mg、50〜100mg、50〜125mg、50〜150mg、50〜175mg、50〜200mg、50〜250mg、50〜500mg、50〜1000mg、75〜100mg、75〜125mg、75〜150mg、75〜250mg、75〜500mg、75〜1000mg、100〜125mg、100〜150mg、100〜200mg、100〜300mg、100〜400mg、100〜500mg、100〜1000mg、125〜150mg、125〜250mg、125〜500mg、125〜1000mg、150〜200mg、150〜300mg、150〜500mg、150〜1000mg、200〜300mg、200〜400mg、200〜500mg、200〜750mg、200〜1000mg、250〜500mg、250〜750mg、250〜1000mgを含む。

0250

1つの具体的な実施形態によれば、シクロホスファミドの治療効果的量は対象の体重1キログラムあたり約25mg〜200mgである。

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