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技術 データベースシステムおよび情報開示システム

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 市川公義新田哲田中道成亀谷成
出願日 2017年2月21日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2017-030007
公開日 2018年5月17日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-077815
状態 特許登録済
技術分野 物流システム
主要キーワード 予定寸法 完成済み 製品質量 コイルセンター 製品品種 通過ライン 供給連鎖 消費者システム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年5月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (19)

課題

製品取引において、問い合わせ負荷を増大させることなく、即時性の高い正確な進捗状況の確認が可能となるデータベースシステムおよび情報開示システムを提供すること。

解決手段

データベースシステムは、コンピュータを用いて構築されるものであり、製品の注文に含まれる仮想現品を示す最小構成現品を保有する現品DB12と、製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、各工程における現実の現品の単位で現品DB12に登録する現品登録部11と、を備え、最小構成現品は、最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日を少なくとも含み、現品DB12は、各工程における現実の現品の情報を、現品DB12が保有する最小構成現品に対して関連付けて保有している。

概要

背景

従来、鉄鋼製品操業管理を効率的に行うために、鉄鋼製品の製造工程の実績情報データベース化する技術が提案されている。例えば特許文献1には、出鋼から製品完成に至る各工程(製造工程)の操業実績に基づいて、現品の発生から消滅までの履歴を作成することにより、現品データベース構築する技術が開示されている。なお、前記した「現品」とは、各工程で扱われる物そのものを意味しており、例えば連鋳(連続鋳造)工程における現品は「スラブ」であり、熱延熱間圧延)工程における現品は「熱延コイル」である。

概要

製品取引において、問い合わせ負荷を増大させることなく、即時性の高い正確な進捗状況の確認が可能となるデータベースシステムおよび情報開示システムを提供すること。データベースシステムは、コンピュータを用いて構築されるものであり、製品の注文に含まれる仮想の現品を示す最小構成現品を保有する現品DB12と、製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、各工程における現実の現品の単位で現品DB12に登録する現品登録部11と、を備え、最小構成現品は、最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日を少なくとも含み、現品DB12は、各工程における現実の現品の情報を、現品DB12が保有する最小構成現品に対して関連付けて保有している。

目的

例えば、総質量Xトン表面処理鋼板コイル発注した注文者に対し、特許文献1における現品データベースでは、「注文した総量に対して各工程にどのくらいの量が「現品」として存在するか」という形式でしか、進捗状況を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンピュータを用いて構築されるデータベースシステムであって、製品注文に含まれる仮想現品を示す最小構成現品を保有する現品データベースと、前記製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、前記製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、前記各工程における現実の現品の単位で前記現品データベースに登録する現品登録部と、を備え、前記最小構成現品は、前記最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日に関する情報を少なくとも含み、前記現品データベースは、前記各工程における現実の現品の情報を、前記現品データベースが保有する前記最小構成現品に対して関連付けて保有することを特徴とするデータベースシステム。

請求項2

前記現実の現品の情報は、前記各工程に現在存在している現実の現品の質量に関する情報を含み、前記最小構成現品は、質量に関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のデータベースシステム。

請求項3

前記現品登録部は、前記各工程における現実の現品の情報を、前記現品データベースが保有する前記最小構成現品に対して関連付けて、前記現品データベースに登録することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータベースシステム。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデータベースシステムを利用した情報開示システムであって、製品の注文者からの要求に従って前記データベースシステムが備える現品データベースを参照し、前記製品の注文に紐付いている現品を前記注文者に開示する現品参照部を備え、前記現品参照部は、前記現品を、前記最小構成現品の単位で開示することを特徴とする情報開示システム。

請求項5

請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデータベースシステムを利用した情報開示方法であって、製品の注文者からの要求に従って前記データベースシステムが備える現品データベースを参照し、前記製品の注文に紐付いている現品を前記注文者に開示する開示ステップを含み、前記開示ステップは、前記現品を、前記最小構成現品の単位で開示することを特徴とする情報開示方法。

請求項6

コンピュータを用いて構築されるデータベースシステムによる現品管理方法であって、コンピュータが備える現品登録部が、製品の注文に含まれる仮想の現品を示す最小構成現品を、現品データベースに登録する最小構成現品登録ステップと、コンピュータが備える現品登録部が、前記製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、前記製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、前記各工程における現実の現品の単位で現品データベースに登録する現品登録ステップと、コンピュータが備える現品登録部が、前記各工程における現実の現品の情報を、前記最小構成現品に対して関連付ける関連付けステップと、を含み、前記最小構成現品は、前記最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日を少なくとも含むことを特徴とする現品管理方法。

技術分野

0001

本発明はデータベースシステムおよび当該データベースシステムを利用した情報開示システムに関する。

背景技術

0002

従来、鉄鋼製品操業管理を効率的に行うために、鉄鋼製品の製造工程の実績情報データベース化する技術が提案されている。例えば特許文献1には、出鋼から製品完成に至る各工程(製造工程)の操業実績に基づいて、現品の発生から消滅までの履歴を作成することにより、現品データベース構築する技術が開示されている。なお、前記した「現品」とは、各工程で扱われる物そのものを意味しており、例えば連鋳(連続鋳造)工程における現品は「スラブ」であり、熱延熱間圧延)工程における現品は「熱延コイル」である。

先行技術

0003

特開平5−298327号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1における現品データベースは、各工程における現品の情報を、鉄鋼製品の製造拠点からバッチ処理で取得している。すなわち、決まった時間にまとめて情報を更新するため、保有する情報にタイムラグがあり、即時性が低かった。従って、任意の時点での正確な進捗状況を把握するには、例えば注文者需要家(例えば鉄鋼メーカ営業商社)等が製造拠点の工程管理部門電話FAX等で直接問い合わせる必要があり、問い合わせに要する負荷(以下、「問い合わせ負荷」という)が大きかった。

0005

ここで、鉄鋼製品を製造する際の工程情報と現品の情報とを管理している現品データベースは、通常、受注者(例えば鉄鋼メーカ)の製造拠点に設けられている。そして、保有されている情報の破損や盗難を防ぐため、この現品データベースへのアクセスは、例えば製造拠点内の工程管理部門等の、限られた者にしか許可されていないのが普通である。つまり、注文者や需要家等(以下、「注文者」という)の、現品データベースに直接アクセスできない者が注文の進捗状況(例えば、注文者の荷揃希望日からの乖離状況等)を知りたい場合は、上記のような直接の問い合わせを行うしかない。

0006

例えば1つの製造拠点に工程管理部門や営業部門等の鉄鋼メーカの機能が全て集約されていれば、上記「問い合わせ負荷」も余り大きくはない。一方、鉄鋼メーカ内で、例えば製造拠点と営業部門とが物理的および組織的に分離している場合や、製造拠点が複数あり、情報の共通性の乏しい現品データベースがそれぞれの製造拠点に独立して存在している場合、上記「問い合わせ負荷」は劇的に大きくなる。この場合、現品データベースにアクセスできる者の数に対して、進捗状況を求める者の数が相対的に多くなるためである。しかもこの場合、製造拠点、現品データベースまたは工程管理部門の担当者といった問い合わせ先の環境により、得られる結果が異なる可能性が非常に高くなる。

0007

さらに、この場合の問い合わせ結果では、問い合わせ時点で存在する「現品」に関する情報しか得ることができない。例えば、総質量Xトン表面処理鋼板コイル発注した注文者に対し、特許文献1における現品データベースでは、「注文した総量に対して各工程にどのくらいの量が「現品」として存在するか」という形式でしか、進捗状況を提供することができない。

0008

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製品取引において、問い合わせ負荷を増大させることなく、即時性の高い正確な進捗状況の確認が可能となるデータベースシステムおよび情報開示システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るデータベースシステムは、コンピュータを用いて構築されるデータベースシステムであって、製品の注文に含まれる仮想の現品を示す最小構成現品を保有する現品データベースと、前記製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、前記製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、前記各工程における現実の現品の単位で前記現品データベースに登録する現品登録部と、を備え、前記最小構成現品は、前記最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日に関する情報を少なくとも含み、前記現品データベースは、前記各工程における現実の現品の情報を、前記現品データベースが保有する前記最小構成現品に対して関連付けて保有することを特徴とする。

0010

また、本発明に係るデータベースシステムは、上記発明において、前記現実の現品の情報は、前記各工程に現在存在している現実の現品の質量に関する情報を含み、前記最小構成現品は、質量に関する情報をさらに含むことを特徴とする。

0011

また、本発明に係るデータベースシステムは、上記発明において前記現品登録部は、前記各工程における現実の現品の情報を、前記現品データベースが保有する前記最小構成現品に対して関連付けて、前記現品データベースに登録することを特徴とする。

0012

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報開示システムは、上記データベースシステムを利用した情報開示システムであって、製品の注文者からの要求に従って前記データベースシステムが備える現品データベースを参照し、前記製品の注文に紐付いている現品を前記注文者に開示する現品参照部を備え、前記現品参照部は、前記現品を、前記最小構成現品の単位で開示することを特徴とする。

0013

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報開示方法は、上記データベースシステムを利用した情報開示方法であって、製品の注文者からの要求に従って前記データベースシステムが備える現品データベースを参照し、前記製品の注文に紐付いている現品を前記注文者に開示する開示ステップを含み、前記開示ステップは、前記現品を、前記最小構成現品の単位で開示することを特徴とする。

0014

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る現品管理方法は、コンピュータを用いて構築されるデータベースシステムによる現品管理方法であって、コンピュータが備える現品登録部が、製品の注文に含まれる仮想の現品を示す最小構成現品を、現品データベースに登録する最小構成現品登録ステップと、コンピュータが備える現品登録部が、前記製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から、前記製品の製造から流通までの各工程における情報をリアルタイムで取得し、前記各工程における現実の現品の単位で現品データベースに登録する現品登録ステップと、コンピュータが備える現品登録部が、前記各工程における現実の現品の情報を、前記最小構成現品に対して関連付ける関連付けステップと、を含み、前記最小構成現品は、前記最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日を示す荷揃予定日を少なくとも含むことを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明によれば、製品の製造拠点および流通拠点の少なくとも一方から現実の現品の情報をリアルタイムで取得し、現品データベースに登録することにより、製品の製造から流通までの各工程における即時性の高い現品の情報を蓄積することができる。

0016

また、本発明によれば、注文に基づいて設定される仮想の現品(最小構成現品)に対して、現実の現品の情報を関連付けて保有することにより、データベースシステムの利用者に対して、注文の進捗状況を一元的に提供することができる。従って、本発明に係るデータベースシステムの利用者は、それぞれの環境に依存することなく、同一の情報を得ることができる。

0017

また、本発明によれば、最小構成現品に対して、現実の現品の情報を関連付けて保有するとともに、最小構成現品が荷揃予定日に関する情報を少なくとも含むことにより、データベースシステムの利用者に対して、当該利用者が必要とする形式で注文の進捗状況を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムおよび情報開示システムの構成を模式的に示す図である。
図2は、鉄鋼製品の製造から流通までの各工程の一例と、各工程で扱われる現実の現品とを模式的に示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムによる現品管理方法の一例を示す図である。
図4は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムで扱われる情報のデータ構造を模式的に示す図である。
図5は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムで扱われる情報のうち、操業管理用現品情報の内容を説明するための図である。
図6は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムで扱われる情報の詳細なデータ項目を示す概念図である。
図7は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、新規出鋼の際に最初に作成される情報のデータ構造を示す図である。
図8は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図7の時点から工程が進み、現品がスラブである場合に作成される情報のデータ構造を示す図である。
図9は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図8の時点から工程が進み、現品が熱延コイルである場合に作成される情報のデータ構造を示す図である。
図10は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図9の時点から工程が進み、現品が冷延コイルおよび製品である場合に作成される情報のデータ構造を示す図である。
図11は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図9の時点で注文内容の変更があり、最小構成現品の個数が変更された場合に作成される情報のデータ構造を示す図である。
図12は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図11の状態に対して新たな最小構成現品情報と予定情報とが作成された場合のデータ構造を示す図である。
図13は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図10の時点で注文取消等があった場合のデータ構造を示す図である。
図14は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、図13の時点で新たな注文があった場合のデータ構造を示す図である。
図15は、従来技術に係る情報開示システムによる開示内容の一例を示す図である。
図16は、本発明の実施形態に係る情報開示システムによる開示内容の一例を示す図である。
図17は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムおよび情報開示システムの変形例の構成を模式的に示す図である。
図18は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムおよび情報開示システムの別の変形例の構成を模式的に示す図である。

実施例

0019

以下、本発明の実施形態に係るデータベースシステム、情報開示システム、情報開示方法および現品管理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、以下の説明では、「AおよびBの少なくとも一方」のことを、「Aおよび/またはB」と表記する。

0020

ここで、以下の実施形態では、取り扱われる製品が鉄鋼製品であり、受注者が鉄鋼メーカである場合の例について説明するが、本発明は他分野にも適用可能である。例えば製造業の場合、非金属メーカ、金属メーカ、素材メーカ、化学メーカ、半導体メーカ自動車メーカ電機メーカ、機械メーカ等を受注者としてもよい。また、製造拠点(鉄鋼メーカの製鉄所)の代わりに、製品を生産者仲買人から大量に仕入れるための流通拠点を置けば、流通業にも適用することができる。

0021

特に、鉄鋼製品の製造拠点および/または流通拠点が複数あり、情報の共通性が乏しい現品データベースがそれぞれに独立して稼働している場合や、製造拠点および流通拠点の少なくとも一方と他部門とが物理的に分かれている場合や、大量製品を扱うため、日々製品情報を大量に現品データベースに登録している場合等であれば、本発明による効果をより高く得ることができる。

0022

[データベースシステムの概要]
本実施形態に係るデータベースシステムは、鉄鋼製品(以下、単に「製品」という)の製造管理および/または流通管理を行うためのものであり、例えばパーソナルコンピュータサーバー等の情報処理装置を用いて構築される。本実施形態に係るデータベースシステムは、図1に示すように、統合現品DBシステム1を備えている。また、本実施形態に係るデータベースシステムは、上記製造管理および/または流通管理を容易にするために、同図に示すように、さらに本社販生流システム2と、製鉄所システム3と、物流システム4と、を備えている。

0023

ここで、前記した「DB」とはデータベースのことを、「販生流システム」とは販売生産流通システム(詳細は後記する)のことを示している。また、同図で示した統合現品DBシステム1、本社販生流システム2、製鉄所システム3および物流システム4は、それぞれネットワークにより接続されており、各々のシステム間で通信可能に構成されている。このネットワークは、具体的には、インターネットイントラネットローカルエリアネットワーク(以下、「LAN」という)等を指し、鉄鋼メーカ内同士、鉄鋼メーカ内外または鉄鋼メーカ外同士の内の少なくとも1つを接続する。

0024

また、図1において、「本社」とは製品を販売する鉄鋼メーカのことを、「地区」とは鉄鋼メーカの製鉄所(製造拠点)のことを、「外部」とは鉄鋼メーカの委託によって製品を流通・保管等する拠点(流通拠点)のことを示している。また、同図では、「本社」および「地区」のシステムを「社内I」として破線区画し、「外部」のシステムを「社外O」として一点鎖線で区画している。

0025

統合現品DBシステム1は、図1に示すように、社内Iのうちの「本社」に設けられるシステムである。統合現品DBシステム1は、現品登録部11と、現品DB12と、目的別現品登録部13と、目的別現品DB14と、検証部15と、を備えている。現品登録部11から検証部15までは、図1実線で接続されているように、公知の方法(例えば、インターネット、イントラネット、LAN等)で通信可能に接続されている。

0026

現品登録部11は、製品の製造工程および/または流通工程で扱われる情報を、各工程における現実の現品の単位で現品DB12に登録する。すなわち、現品登録部11は、各工程で扱われる現実の現品の情報を現品DB12に登録する。ここで、「現品」とは、一般的には現実に存在する現品のことを示すが、本実施形態では、現品をデータ化した上記のような「現実の現品の情報」のことを、「現品」と定義する。すなわち、本実施形態に係るデータベースシステムでは、この「現実の現品の情報(データ化された現品)」を「現品」として取り扱う。また、現実に存在する現品のことは、「現実の現品」と表記する。

0027

現品登録部11は、具体的には、製鉄所システム3および/または物流システム4から、各工程における現実の現品の情報を「現品」としてリアルタイムで取得する。そして、現品登録部11は、現品を取得するたびに、当該現品を現品DB12に送信して登録(以下、「現品登録処理」という)する。なお、前記した「現実の現品の情報」としては、例えば、製造工程および/または流通工程を通過した際の現実の現品の質量、寸法、規格および品種等が挙げられる。

0028

現品登録部11は、図1に示すように、例えば製品の製造拠点(地区)において、注文者によって注文された製品についての製造工程(例えば製鋼工程、連鋳工程、熱延工程等)が実施され、製鉄所システム3が備える地区現品DB32に新たな現品が登録された際、すなわち地区現品DB32が更新されたタイミングで、製鉄所システム3が備える発信処理部33を介して当該現品を取得する。そして、現品登録部11は、現品DB12への現品登録処理を行う。また、現品登録部11は、その際、同じ現品を目的別現品登録部13に対しても出力する。

0029

また、現品登録部11は、例えば製品の流通拠点(外部)において、注文者によって注文された製品についての流通工程(例えば搬送工程、納入工程等)が実施されたタイミングで、物流システム4が備える発信処理部41を介して現品を取得する。そして、現品登録部11は、現品DB12への現品登録処理を行う。また、現品登録部11は、その際、同じ現品を目的別現品登録部13に対しても出力する。なお、現品登録部11による現品登録処理の詳細については後記する(図3参照)。

0030

また、現品登録部11は、後記するように、最小構成現品を現品DB12に登録する。そして、現品登録部11は、各工程における現品を、現品DB12が保有する最小構成現品に対して関連付けて、当該現品DB12に登録する。なお、最小構成現品の詳細と、現品と最小構成現品との関連付けの詳細については後記する(図4参照)。

0031

現品DB12は、製品の製造から流通までの各工程における現品を保有する。現品DB12は、具体的には、製品の製造工程および/または流通工程の各工程における情報を、各工程で扱われる現実の現品の単位で保有する。また、現品DB12は、後記するように、最小構成現品を保有しており、各工程における現品を、当該最小構成現品に対して関連付けて保有する。

0032

現品DB12が保有する情報は、実績予定とに分類される。「実績」とは、製品に関する製造および/または流通の実績に関する情報であり、具体的には現時点において既に実施済みの工程に関する情報と、当該工程における現品の情報である「現品」および「実績現品」とを含んでいる。

0033

また、「予定」とは、製品に関する製造および/または流通の予定に関する情報であり、具体的には現時点において未実施の工程に関する情報と、当該工程における現品の情報である「予定現品」とを含んでいる。なお、現品DB12は、実績および予定を、必ずしも同じタイミングで両方保有しているわけではなく、製品の注文の態様によっては、実績および予定の一方のみを保有している場合もある。

0034

現品DB12には、前記したように、製造拠点で製品の製造工程が実施され、製鉄所システム3の地区現品DB32が更新されたタイミングで、現品登録部11によって現品が入力される。これにより、現品DB12上の現品は、製造工程の実施と同期してリアルタイムで更新される。また、現品DB12には、前記したように、流通拠点で製品の流通工程が実施されたタイミングで、現品登録部11によって現品が入力される。これにより、現品DB12上の現品は、流通工程の実施と同期してリアルタイムで更新される。

0035

目的別現品登録部13は、現品登録部11から入力された現品を加工し、加工後の現品を目的別現品DB14に登録する。目的別現品登録部13は、具体的には、現品登録部11による現品登録処理の際に、現品登録部11から同一の現品を取得する。そして、目的別現品登録部13は、当該現品が所定のデータ構造となるように加工を施した後、加工した現品を目的別現品DB14に登録する。

0036

ここで、本実施形態では、後記するように、本社販生流システム2に設けられた統合現品参照AP23を介して、注文者が統合現品DBシステム1にアクセスして情報を取得し、荷揃予定日を含む進捗状況の確認を行えるように構成されている。その際、前記した現品DB12には、製鉄所システム3や物流システム4から取得した現品が生の状態で保有されているため、例えば進捗状況の確認の際に不要な項目等も含まれている。そこで、本実施形態では、目的別現品登録部13によって、統合現品参照AP23で利用しやすくなるように現品を目的別に加工(例えば進捗確認に不要な項目の削除、進捗確認に必要な項目の創出等)している。

0037

目的別現品DB14は、目的別現品登録部13によって加工された現品を保有する。目的別現品DB14は、地区現品DB32の更新時に実施される現品登録部11による現品登録処理の際(すなわち現品DB12の更新時)に、当該現品登録処理と並行して更新される。

0038

検証部15は、本実施形態に係るデータベースシステムが保有する現品を検証する。検証部15は、具体的には、現品DB12が保有する現品と、地区現品DB32が保有する現品とを定期的に(所定時間間隔で)比較し、両者が整合しているか否かを検証する(縦チェック)。そして、検証部15は、例えば現品を製鉄所システム3から正しく取得できなかった等を理由として、現品DB12が保有する現品と、地区現品DB32が保有する現品とが整合していない場合、現品DB12の該当する現品を修正する。

0039

また、検証部15は、現品DB12が保有する現品を定期的に(所定時間間隔で)確認し、現品が各工程間でそれぞれ整合しているか否かを検証する(横チェック)。そして、検証部15は、例えばデータ処理の不具合等を理由として、現品が各工程間で整合していない場合、現品DB12の該当する現品を修正する。

0040

本社販生流システム2は、図1に示すように、社内Iのうちの「本社」に設けられるシステムである。本社販生流システム2は、具体的には、特定の機能を有するアプリケーションソフトウェア集合体であり、必要とされる機能に応じてアプリケーションソフトウェア(本明細書内では、省略して「AP」とも記す)が増減されることにより、その機能も増減される。

0041

本社販生流システム2は、本実施形態の場合には少なくとも、受注AP21と、製作指図AP22と、統合現品参照AP23と、を備えている。これら受注AP21、製作指図AP22および統合現品参照AP23は、いずれもコンピュータプログラム、すなわちアプリケーションソフトウェアによって実現される機能である。

0042

受注AP21は、注文者からの注文を、後記する端末(本社)51、端末(地区)52、端末(外部)53で受け付け、その注文を製作指図AP22に対して出力する。なお、前記した「注文」には、例えば製品の仕様、質量、寸法、規格、品種、荷揃希望日等が含まれる。製作指図AP22は、受注AP21から入力された注文に基づいて製造依頼情報を作成し、当該製造依頼情報を製鉄所システム3が備える現品作成部31に対して送信する。

0043

統合現品参照AP(現品参照部)23は、後記する端末(本社)51、端末(地区)52、端末(外部)53からの要求に応じて統合現品DBシステム1の目的別現品DB14にアクセスし、当該目的別現品DB14内の現品を参照する。なお、この統合現品参照AP23を利用した進捗状況の確認方法の詳細については後記する。

0044

なお、本実施形態の例では、統合現品参照AP23に適した目的別現品DB14により説明しているが、本発明はこれに限定しない。例えば別のアプリケーションソフトウェアにより別機能を付与したい場合は、別のアプリケーションソフトウェアに適した別の目的別現品DBを独立して設置することもできる。つまり、本社販生流システム2に設けられるアプリケーションソフトウェアと同じ数だけ、目的別現品DBを設置することもできる。この場合、目的別現品DBへの現品の登録方法は、前記した目的別現品DB14の場合と同様である。このような方法であれば、各アプリケーションソフトウェアに適したデータを提供できるため、各アプリケーションソフトウェアの利用者に迅速かつ必要とする現品だけを提供することができる。

0045

端末(本社)51、端末(地区)52および端末(外部)53は、本実施形態に係るデータベースシステムへ前記した本社販生流システム2を介してアクセス可能に設定された端末である。注文者は、本社販生流システム2内の受注AP21や統合現品参照AP23に対し、これら端末51,52,53から要求するとともに、要求した結果に対する出力を得ることもできる。

0046

端末51,52,53は、ネットワークを介して本社販生流システム2へ接続されている。このネットワークは、具体的には、インターネット、イントラネット、LAN等を指し、鉄鋼メーカ内同士、鉄鋼メーカ内外または鉄鋼メーカ外同士の内、少なくとも1つを接続する。本実施形態の例では、端末(本社)51は本社に、端末(地区)52は地区に、端末(外部)53は外部に設けられている。言い換えれば、端末(本社)51と端末(地区)52は鉄鋼メーカの社内Iに、端末(外部)53は鉄鋼メーカの社外Oに設けられている。

0047

また、本実施形態では、端末51,52,53は、受注AP21と統合現品参照AP23とを使用できる例で説明したが、本発明においてはその例に限定されない。端末51,52,53が本社販生流システム2内のどのアプリケーションソフトウェアを使用できるかは、端末51,52,53それぞれの利用目的に応じて、端末51,52,53ごとに設定することができる。

0048

製鉄所システム3は、図1に示すように、社内Iのうちの「地区」に設けられるシステムである。製鉄所システム3は、現品作成部31と、地区現品DB32と、発信処理部33と、工程情報更新部34と、を備えている。現品作成部31から工程情報更新部34までは、図1の実線で接続されているように、公知の方法(例えば、インターネット、イントラネット、LAN等)で通信可能に接続されている。

0049

現品作成部31は、製品の製造工程で扱われる現品を地区現品DB32に登録する。現品作成部31は、製造拠点において、注文者によって注文された製品についての製造工程が実施されるたびに、製造拠点に設けられた図示しないプロセスコンピュータ等から、当該工程における現実の現品の情報を、「現品」として取得する。そして、現品作成部31は、当該現品を地区現品DB32に登録する。

0050

さらに、現品作成部31は、後記するように、製作指図AP22から入力される製造依頼情報に基づいて、工程の予定および最小構成現品を作成し、これらを地区現品DB32に登録する。なお、前記した「工程の予定」とは、注文に含まれる製品を製造する工程に関する情報を示している。

0051

また、現品作成部31は、後記する工程情報更新部34によって工程の予定が変更された際に、変更後の工程における現実の現品の情報を「現品」として取得し、当該現品を地区現品DB32に登録する。

0052

地区現品DB32は、製造拠点で実施される製品の製造工程における現実の現品の情報を「現品」として保有する。地区現品DB32は、具体的には、製造工程の各工程における情報(実績、予定)を、各工程で扱われる現実の現品の単位で保有する。

0053

地区現品DB32には、前記したように、製造拠点における製造工程が実施されたタイミングで、現品作成部31によって現品が入力される。これにより、地区現品DB32上の現品は、製造工程の実施と同期してリアルタイムで更新される。

0054

発信処理部33は、地区現品DB32が保有する現品を、統合現品DBシステム1の現品登録部11に対して送信する。発信処理部33は、具体的には、地区現品DB32に現品が登録されるたびに、地区現品DB32から当該現品を取得し、現品登録部11に対して送信する。なお、発信処理部33は、前記したように、検証部15の要求に応じて、地区現品DB32から取得した現品を検証部15に対しても送信する。

0055

工程情報更新部34は、製造工程における工程の実績を地区現品DB32に登録する。工程情報更新部34は、製造拠点において、注文者によって注文された製品についての製造工程が実施されるたびに、製造拠点に設けられた図示しないプロセスコンピュータ等から、当該工程の実績を取得する。そして、工程情報更新部34は、当該工程の実績を地区現品DB32に登録する。

0056

工程情報更新部34は、図示しない入力装置と接続されており、必要に応じて、オペレータから工程の予定の変更指示を受け付ける。工程情報更新部34は、オペレータから工程の予定の変更指示を受け付けた場合、変更後の工程の予定を現品作成部31および地区現品DB32に対して出力する。

0057

物流システム4は、本実施形態の図1の場合においては、鉄鋼メーカの社外O(外部)に設けられるシステムであり、少なくとも発信処理部41を備えている。発信処理部41は、製品の流通拠点において、流通工程(例えば搬送工程、納入工程等)が実施されるたびに、当該工程における現実の現品の情報を、統合現品DBシステム1の現品登録部11に対して送信する。送信された現実の現品の情報は、現品登録部11により、現品DB12に登録されている最小構成現品に対し関連付けされた上で、現品DB12へ現品として登録される。

0058

[現品管理方法]
本実施形態に係るデータベースシステムを利用した現品管理方法について、図2および図3を参照しながら説明する。

0059

図2は、製造から流通までの各工程の一例と、各工程で扱われる現品とを示している。製品の製造工程および流通工程は、例えば図2に示すように、製鋼工程、連鋳工程、熱延工程、熱間圧延仕上(以下、「熱仕」という)工程、冷間圧延(以下、「冷延」という)工程、表面処理工程、荷揃工程、出荷工程、搬送工程および納入工程に分類することができる。

0060

ここで、図2では、現品として、実体のない溶鋼の状態、スラブ、熱延コイル、冷延コイルおよび製品(例えば表面処理鋼板のコイル)の状態を一例として示している。また、同図に示した現品では、連鋳工程を経て2つのスラブが製造され、熱延工程を経て2つの熱延コイルが製造され、熱仕工程の際に2つの熱延コイルが1つに接合され、冷延工程を経て、表面処理工程の際に1つの冷延コイルが3つに分割され、荷揃の際に3つの冷延コイルが5つに分割され、最終的に5つのコイルが製造される例を示している。

0061

図3は、図2に本実施形態に係るデータベースシステムを適用した場合において、業務プロセスと、その際の情報の流れとを示している。同図において、左側は製品の製造工程および流通工程の業務プロセスを示しており、右側は各業務プロセスにおける各システム間の情報の流れを示している。なお、以下の説明では、新規出鋼の場合(製品を一から製造する場合)の業務プロセスに沿って説明する。また、同図における業務プロセスの分け方は一例であり、製品の注文の内容(以下、「注文内容」という)によっては、例えば図2に示すように、熱延工程と冷延工程との間に熱仕工程を設けてもよく、あるいは冷延工程と荷揃工程との間に表面処理工程を設けてもよい(前記した図2参照)。

0062

<(01)受注>
業務ステップでは、端末(本社)51、端末(地区)52または端末(外部)53の内のいずれかの端末を介し、本社販生流システム2の受注AP21に対して注文が入力され、受注が発生する(ステップS1)。そして、受注AP21は、当該注文を製作指図AP22に対して出力する。

0063

<(02)制作指図>
本業務ステップでは、本社販生流システム2の製作指図AP22が、注文に基づいて製造依頼を作成する(ステップS2)。そして、製作指図AP22は、当該製造依頼を製鉄所システム3の現品作成部31に対して送信する。

0064

<(03)オーダエントリ
本業務ステップでは、製鉄所システム3の現品作成部31が製造依頼を受け付ける(ステップS3)。

0065

<(04)素材計算
本業務ステップでは、製鉄所システム3の現品作成部31が、製造依頼に基づいて、製品を製造するための工程の予定を作成する(ステップS4)。そして、現品作成部31は、当該工程の予定を地区現品DB32に登録する(ステップS5)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した工程の予定を現品DB12に登録する(ステップS6)。なお、図3では図示を省略したが、現品作成部31は、工程の予定に基づいて最小構成現品を作成し、地区現品DB32に登録する。

0066

<(05)製造(_1)製鋼>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で製鋼工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、製鋼工程における「製鋼工程情報」が発生する(ステップS7)。この製鋼工程情報には、製鋼工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該製鋼工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS8)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した製鋼工程情報を現品DB12に登録する(ステップS9)。

0067

<(05)製造(_2)連鋳>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で連鋳工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、連鋳工程における「連鋳工程情報」が発生する(ステップS10)。この連鋳工程情報には、連鋳工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該連鋳工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS11)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した連鋳工程情報を現品DB12に登録する(ステップS12)。

0068

<(05)製造(_3)熱延>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で熱延工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、熱延工程における「熱延工程情報」が発生する(ステップS13)。この熱延工程情報には、熱延工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該熱延工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS14)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した熱延工程情報を現品DB12に登録する(ステップS15)。

0069

<(05)製造(_4)冷延>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で冷延工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、冷延工程における「冷延工程情報」が発生する(ステップS16)。この冷延工程情報には、冷延工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該冷延工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS17)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した冷延工程情報を現品DB12に登録する(ステップS18)。

0070

<(05)製造(_5)荷揃>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で荷揃工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、荷揃工程における「荷揃工程情報」が発生する(ステップS19)。この荷揃工程情報には、荷揃工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該荷揃工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS20)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した荷揃工程情報を現品DB12に登録する(ステップS21)。

0071

<(05)製造(_6)出荷>
本業務ステップでは、製品の製造拠点で出荷工程が実施されることにより、製鉄所システム3において、出荷工程における「出荷工程情報」が発生する(ステップS22)。この出荷工程情報には、出荷工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、現品作成部31は、当該出荷工程情報を地区現品DB32に登録する(ステップS23)。続いて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部33を介して取得した出荷工程情報を現品DB12に登録する(ステップS24)。

0072

<(06)搬送>
本業務ステップでは、製品の流通拠点で搬送工程が実施されることにより、物流システム4において、搬送工程における「搬送工程情報」が発生する(ステップS25)。この搬送工程情報には、搬送工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部41を介して取得した搬送工程情報を現品DB12に登録する(ステップS26)。

0073

<(07)納入>
本業務ステップでは、製品の流通拠点で納入工程が実施されることにより、物流システム4において、納入工程における「納入工程情報」が発生する(ステップS27)。この納入工程情報には、納入工程を実施した際の工程の実績と、現品とが含まれる。そして、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、発信処理部41を介して取得した納入工程情報を現品DB12に登録する(ステップS28)。

0074

[データベースシステムのデータ構造]
本実施形態に係るデータベースシステムで扱われる情報のデータ構造について、図4図6および表1,2を参照しながら説明する。

0075

図4は、製品の製造工程および流通工程の各工程における現品とその態様の例を示している。具体的には左から順に、連鋳工程実施後の現品(スラブ)、熱延工程実施後の現品(熱延コイル)、熱仕工程実施後の現品(熱延コイル)、冷延工程(一次)実施後の現品(冷延コイル)、冷延工程(二次)実施後の現品(冷延コイル)、表面処理工程実施後の現品(冷延コイル)、荷揃工程実施後の現品(製品)、を示している。すなわち、同図では、左から右に向かって時間軸が設定されている。また、同図は、新規出鋼の場合において、冷延工程(一次)まで工程が進んだ際の現品の変遷の例を示している。

0076

また、図4では、過去に既に実施された工程(実施済みの工程)における現品を実績Riとして、将来的に実施される工程(未実施の工程)における現品を予定Siとして、二点鎖線でそれぞれ区画している。実績Riには、実施済みの工程の結果に関する情報、すなわち、「製造された現実の現品に関する情報」である「実績現品」を含む。また、実績Riに含まれる実績現品のうち、最新のもの(現在存在する現実の現品に関する情報)を「現品」としてドットハッチングで示している。

0077

現品DB12は、具体的には図4に示すように、現品A02と、予定現品A12と、実績現品A22と、を保有している。

0078

現品A02は、製品の製造拠点および/または流通拠点に現在の時点で実在している現品に関する情報である。また、予定現品A12は、製造拠点および/または流通拠点に将来実在することが予定されている現品に関する情報である。そして、実績現品A22は、製造拠点および/または流通拠点に過去に実在した現品に関する情報である。

0079

また、現品DB12は、上記現品A02を最小構成現品A01に対して、予定現品A12を予定最小構成現品A11に対して、実績現品A22を実績最小構成現品A21に対して、それぞれ関連付けて保有している。

0080

以下、最小構成現品について説明する。この最小構成現品という「仮想の現品」をデータベースシステムの核として構成するとともに、この最小構成現品に対して、従来使用されている現実の現品に関する情報を関連付けて保有させたことが、本実施形態に係るデータベースシステムの最も重要な技術的要素である。

0081

本実施形態に係るデータベースシステムにおいては、注文者からの製品の注文に含まれる仮想の現品に関する情報を「最小構成現品」と定義する。より詳細には、「最小構成現品」とは、注文された製品を出荷するまでの過程における前記製品の管理上の最小構成単位を示す。

0082

最小構成現品は、具体的には、注文者が注文した製品の態様(例えば、ある質量、ある長さ、ある幅を有した表面処理鋼板のコイルをx巻)から設定されることが多い。また、最小構成現品は、例えば注文された製品を一から製造する場合(新規出鋼の場合)、最終的に製造される現品を示すことが多い。また、最小構成現品は、例えば注文された製品に倉庫保管既製品割り当てる場合、流通の対象となる現品(最終製品)を示すことが多い。

0083

いずれにせよ、最小構成現品は、注文者の注文に含まれる情報、具体的には仕様、質量、寸法、規格、品種等から設定される。また、最小構成現品は、注文者へ本実施形態に係るデータベースシステムを介して情報を開示する際に、情報内容を変換するために他のシステムを介さなくてもよい、という点から、注文者の注文した製品に極力近いことが好ましい。また、最小構成現品は、注文した製品そのものであれば、より好ましい。

0084

現品DB12は、具体的には図4および図6に示すように、最小構成現品A01に対して現品A02を関連付けて保有し、予定最小構成現品A11に対して予定現品A12を関連付けて保有し、実績最小構成現品A21に対して実績現品A22を関連付けて保有している。これらの関係を視覚的に示したものが表1である。

0085

0086

表1に示すように、予定最小構成現品A11は、実時間では将来に実在が予定される最小構成現品である。また、最小構成現品A01は、実時間では現在実在する最小構成現品である。そして、実績最小構成現品A21は、実時間では過去に実在し実績となった最小構成現品である。同様に、予定現品A12は、実時間では将来に実在が予定される現品である。また、現品A02は、実時間では現在実在する現品である。そして、実績現品A22は、実時間では過去に実在し実績となった現品である。

0087

図4の場合、最小構成現品A01は、製造工程および/または流通工程が実施されることにより、予定最小構成現品A11からステータス遷移したものである。また、実績最小構成現品A21は、製造工程および/または流通工程が実施されることにより、最小構成現品A01からステータスが遷移したものである。すなわち、予定最小構成現品A11、最小構成現品A01および実績最小構成現品A21は、注文者の注文に含まれる仮想の現品であり、それぞれの中身自体は全て同じとなる。なお、図4における破線枠Cは、当該破線枠C内における予定最小構成現品A11、最小構成現品A01および実績最小構成現品A21の中身が同じであることを示している。

0088

また図4の場合、現品A02は、製造工程および/または流通工程が実施されることにより、予定現品A12が最新の実績として確定したものである。また、実績現品A22は、製造工程および/または流通工程が実施されることにより、現品A02が最新の実績から過去の実績へと変化したものである。

0089

ここで、現品DB12は、最小構成現品A01、予定最小構成現品A11および実績最小構成現品A21のそれぞれに関連付けて、操業管理用現品を保有してもよい。この操業管理用現品とは、各工程において管理される単位となる仮想の現品として設定したものである。操業管理上の仮想現品ともいえる。操業管理用現品は、工程実施後に製造される現実の現品と一致する必要はなく、操業管理上都合のよいように設定される。図5に操業管理用現品の一例を示す。

0090

図5に示すように、6つの最小構成現品(最小構成現品A〜F)を含む現品Aが、板厚の異なる2つのコイルを繋ぎ合わせた2巻繋ぎコイルである場合を考える。この場合、物理的な現品としては1つであるが、後の工程で板厚ごとに2つに分割されることが想定されるため、操業管理上は、実在する1つの現品としてだけではなく、仮想の2つの現品(操業管理用現品A,B)としても管理する。

0091

現品DB12は、具体的には図4および図6に示すように、最小構成現品A01に対して操業管理用現品A03を関連付けて保有してもよく、予定最小構成現品A11に対して予定操業管理用現品A13を関連付けて保有してもよく、実績最小構成現品A21に対して実績操業管理用現品A23を関連付けて保有してもよい。これらの関係を視覚的に示したものが表2である。

0092

0093

表2に示すように、予定操業管理用現品A13は、実時間では将来に実在が予定される各工程において管理される単位となる仮想の現品である。また、操業管理用現品A03は、実時間では現在実在する各工程において管理される単位となる仮想の現品である。そして、実績操業管理用現品A23は、実時間では過去に実在し実績となった各工程において管理される単位となる仮想の現品である。このように、操業管理用現品A03、予定操業管理用現品A13および実績操業管理用現品A23を、「現品」とは別に、現品DB12で保有することにより、操業管理上利便性の高い単位で現品を管理することができる。さらに、操業管理用現品A03は最小構成現品A01に関連付けされ、予定操業管理用現品A13は予定最小構成現品A11に関連付けされ、実績操業管理用現品A23は実績最小構成現品A21に関連付けされているため、本社における操業管理も容易となる。

0094

<データ項目>
本実施形態に係るデータベースシステムで扱われる情報のデータ項目について、図6の概念図を参照しながら説明する。

0095

四角の枠は、データ項目の塊を示している。この四角の枠内にあるデータ項目の塊は、データベース設計において、一般的にエンティティと呼ばれるものである。四角の枠内の最上段には、四角の枠内にあるデータ項目の塊(すなわちエンティティ)に対する名称を示している。例えば、図6の最上段にある四角の枠は、この枠内が「注文」に関するデータ項目の塊であることを示している。以下の説明においては、各四角の枠の特定をこの名称にて行う。

0096

各四角の枠を結ぶ線は、各エンティティ同士に何らかの関係があることを示す関係線である。図6中では、実線、点線および一点鎖線の関係線を用いて、基本的な関係か補助的な関係かを示している。

0097

実線は、各エンティティ同士の関係のうち、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて基本的な関係であることを示している。一方、一点鎖線は、本発明の実施形態に係るデータベースシステムにおいて、上記実線に対して補足的な関係であることを示している。具体的には、最小構成現品から見た現品、予定最小構成現品から見た予定現品、実績最小構成現品から見た実績現品、のそれぞれの関係を示している。さらに、点線は、本発明のデータベースシステムに操業管理用現品、予定操業管理用現品および実績操業管理用現品を設けた場合に、適宜設ければよい関係を示している。そのため、点線も、上記実線に対して補足的な関係を示している。具体的には、最小構成現品から見た操業管理用現品、予定最小構成現品から見た予定操業管理用現品、実績最小構成現品から見た実績操業管理用現品、のそれぞれの関係を示している。

0098

なお、図6に記載した各エンティティ同士の関係線は、本発明の説明において必要と思われるものだけを示した。そのため、図6に実線、点線および一点鎖線で示した以外の関係線は省略してある。その他のエンティティ同士の関係は、データベースシステムの規模や目的に応じて、適宜追加すればよい。最後に、四角の枠の2段目は、キー項目を、3段目は、キー項目以外のデータ項目(以下の説明では、単に「データ項目」と呼ぶ)を示している。

0099

まず、注文は、キー項目として、「注文番号」を有し、データ項目として、「注文者」と、製品の仕様を示す「製品仕様」と、製品の質量を示す「製品質量」と、製品の寸法(厚さ、幅、長さ、内径外径等)を示す「製品寸法」と、製品の規格を示す「製品規格」と、製品の品種を示す「製品品種」と、「荷揃希望日」と、を有している。ここで、前記した「荷揃希望日」とは、注文の際に注文者と受注者との間で取り決めた、荷揃完了の目安不変期日)である。

0100

現品A02は、キー項目として、「統合現品識別子」を有し、データ項目として、製品の製造拠点および/または流通拠点における現品の番号を示す「拠点現品番号」と、現品の質量を示す「現品質量」と、現品の寸法を示す「現品寸法」と、現品の規格を示す「現品規格」と、現品の品種を示す「現品品種」と、を有している。なお、現品として最低限必要なデータ項目は、「現品質量」である。

0101

予定現品A12は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「予定現品連番」と、を有し、データ項目として、「拠点現品番号」と、現品が通過するラインを示す「現品通過ラインコード」と、現品が将来予定するラインを通過する時刻を示す「ライン予定時刻」と、将来予定するラインを通過した後の現品の質量を示す「ライン予定質量」と、将来予定するラインを通過した後の現品の寸法を示す「ライン予定寸法」と、を有している。

0102

実績現品A22は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「実績現品連番」と、を有し、データ項目として、「拠点現品番号」と、「現品通過ラインコード」と、現品が過去にラインを通過した時刻を示す「ライン実績時刻」と、過去にラインを通過した後の現品の質量を示す「ライン実績質量」と、過去にラインを通過した後の現品の寸法を示す「ライン実績寸法」と、を有している。

0103

最小構成現品A01は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「最小構成現品連番」と、を有し、データ項目として、最小構成現品の番号を示す「最小構成現品番号」と、最小構成現品の質量を示す「最小構成現品質量」と、最小構成現品の寸法を示す「最小構成現品寸法」と、「荷揃予定日」と、を有している。

0104

ここで、前記した「荷揃予定日」とは、最小構成現品に対応する現実の現品を出荷可能な日である。荷揃予定日は、前記した「荷揃希望日」のような不変の期日ではなく、製造工程が進捗するにつれて、逐次更新される。すなわち、最小構成現品に含まれる荷揃予定日は、工程情報更新部34によって、工程の実績が地区現品DB32に登録されるたびに、工程の進捗状況に合わせて更新(延長または短縮)される。なお、最小構成現品として最低限必要なデータ項目は、「最小構成現品質量」および「荷揃予定日」である。

0105

予定最小構成現品A11は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「最小構成現品連番」と、「予定現品連番」と、を有し、データ項目として、「拠点現品番号」と、「現品通過ラインコード」と、「ライン予定時刻」と、「ライン予定質量」と、「ライン予定寸法」と、を有している。

0106

実績最小構成現品A21は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「最小構成現品連番」と、「実績現品連番」と、を有し、データ項目として、「拠点現品番号」と、「現品通過ラインコード」と、「ライン実績時刻」と、「ライン実績質量」と、「ライン実績寸法」と、を有している。

0107

操業管理用現品A03は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「操業管理用現品連番」と、を有し、データ項目として、操業管理用現品の番号を示す「操業管理用現品番号」と、操業管理用現品の質量を示す「操業管理用現品質量」と、を有している。

0108

予定操業管理用現品A13は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「予定現品連番」と、「予定操業管理用現品連番」と、を有し、データ項目として、予定操業管理用現品の質量を示す「予定操業管理用現品質量」を有している。

0109

実績操業管理用現品A23は、キー項目として、「統合現品識別子」と、「実績現品連番」と、「実績操業管理用現品連番」と、を有し、データ項目として、実績操業管理用現品の質量を示す「実績操業管理用現品質量」を有している。

0110

[データベースシステムの構築方法
本実施形態に係るデータベースシステムの構築方法について、図7図14を参照しながら説明する。なお、以下の説明の一部では、図3で説明した各ステップとの関係性を示すために、説明中に同図に示したステップ番号を適宜併記する。

0111

本実施形態に係るデータベースシステムでは、前記したように、まず製造拠点の製鉄所システム3側で現品が作成され、当該現品が本社の統合現品DBシステム1が備える現品DB12にリアルタイムで反映される。

0112

ここで、データベースシステムの構築方法は、製品の注文の態様によって異なる。以下では、(1)注文者から注文を受け付けて一から製品を製造する場合(新規出鋼の場合)、(2)製造工程の途中で注文内容の変更があった場合、(3)完成済みの製品(在庫品)に注文を割り付ける場合、の3つの場合に分けて、データベースシステムの構築方法を説明する。

0113

(1)新規出鋼の場合
この場合、受注工程(図3のステップS1参照)、製作指図工程(同ステップS2参照)およびオーダエントリ工程(同ステップS3参照)を経た後、素材計算工程(同ステップS4参照)において、図7に示すような現品が作成される。

0114

具体的には、製鉄所システム3の現品作成部31は、本社販生流システム2の製作指図AP22から受信した製品の製造依頼情報に基づいて、工程の予定を作成する(図3のステップS4参照)。そして、現品作成部31は、工程の予定に基づいて、各工程における予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を作成し、それぞれ地区現品DB32に登録する(同ステップS5参照)。

0115

これを受けて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、製鉄所システム3の発信処理部33を介して、予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を取得する。そして、現品登録部11は、予定最小構成現品A11に対して、予定現品A12および予定操業管理用現品A13を関連付けて、現品DB12に登録する(図3のステップS6参照)。以上の処理により、現品DB12に、図7に示すような現品が登録される。なお、同図の段階では、地区現品DB32および現品DB12のそれぞれには予定Siのみが存在し、実績Riはまだ存在しない。

0116

続いて、製鉄所システム3の現品作成部31は、例えば製品の製造拠点で連鋳工程が実施されると(図3のステップS10参照)、当該連鋳工程実施後のスラブに関する現品を、図示しないプロセスコンピュータ等から取得し、地区現品DB32に登録する(同ステップS11参照)。

0117

これを受けて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、製鉄所システム3の発信処理部33を介して、現品A02を取得する。そして、現品登録部11は、図7の左端の列のスラブを示す予定現品A12を、図8に示すように、現品A02へと置き換える。また、現品登録部11は、図7の左端の列の予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13のステータスを、図8に示すように、最小構成現品A01および操業管理用現品A03へと変更する。以上の処理により、図8に示すように、予定Siの一部が実績Riへと置き換わる。

0118

続いて、製鉄所システム3の現品作成部31は、例えば製品の製造拠点で熱延工程が実施されると(図3のステップS13参照)、当該熱延工程実施後のスラブに関する現品を、図示しないプロセスコンピュータ等から取得し、地区現品DB32に登録する(同ステップS14参照)。

0119

これを受けて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、製鉄所システム3の発信処理部33を介して、現品A02を取得する。そして、現品登録部11は、図8の左から2列目の熱延コイルを示す予定現品A12を、図9に示すように、現品A02へと置き換える。また、現品登録部11は、図8の左から2列目の予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13のステータスを、図9に示すように、最小構成現品A01および操業管理用現品A03へと変更する。以上の処理により、図9に示すように、予定Siの一部が実績Riへと置き換わる。

0120

さらに、現品登録部11は、図8の左端の列のスラブを示す現品A02、最小構成現品A01および操業管理用現品A03のステータスを、図9に示すように、実績現品A22、実績最小構成現品A21および実績操業管理用現品A23へと変更する。

0121

以上のように、現品DB12では、製品の製造拠点および/または流通拠点で工程が実施されるたびに情報が更新され、予定Siが一工程ずつ確定して実績Riへと遷移していく。なお、現品DB12では、例えば図10に示すように、一部の現品が製品として出荷可能な状態(出荷工程の段階。同図の右端の列の上から1,2行目の現品A02参照)にあり、残りの一部の現品が製造工程の途中(例えば表面処理工程の段階。同図の右から2列目の上から3〜5行目の現品A02参照)にあるようなデータ構造となる場合もある。

0122

(2)注文内容の変更があった場合
前記した図7図10では、各工程における最小構成現品(最小構成現品A01、予定最小構成現品A11、実績最小構成現品A21)の数が常に同じ(5つ)である場合の例を示したが、例えば製造工程の途中で注文内容が変更された場合、製造工程の途中で最小構成現品の数が変更される場合がある。例えば、当初の注文において、製品(表面処理鋼板のコイル)の注文個数が5つであった場合、この注文に基づいて設定される最小構成現品の数も同様に5つである。すなわち、注文における製品の個数と最小構成現品の数は同じであり、注文における製品の個数が変更されれば、最小構成現品の数も同様に変更される。

0123

前記した図9で示した現品は、元々5つの製品を製造するという注文と紐付いており、最小構成現品の数は5つである。このような場合において、例えば2つの製品を製造するという注文に変更されると、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、図11に示すように、予定Siに含まれる全ての予定最小構成現品A11と、予定最小構成現品A11に関連付いていた予定現品A12および予定操業管理用現品A13を削除するとともに、実績Riに含まれる最小構成現品A01と、最小構成現品A01に関連付いていた操業管理用現品A03を削除する。なお、同図に示すように、実績Riに含まれる現品A02、実績現品A22、実績最小構成現品A21および実績操業管理用現品A23は、削除せずにそのまま残す。

0124

続いて、製鉄所システム3の現品作成部31は、図12に示すように、本社販生流システム2の製作指図AP22から受信した製品の新たな製造依頼情報に基づいて、工程の予定を作成する。そして、現品作成部31は、工程の予定に基づいて、左から2列目の熱延コイルについて、最小構成現品A01および操業管理用現品A03を作成するとともに、熱仕工程以降の予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を作成し、それぞれ地区現品DB32に登録する。

0125

これを受けて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、製鉄所システム3の発信処理部33を介して、最小構成現品A01、現品A02、操業管理用現品A03、予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を取得する。そして、現品登録部11は、最小構成現品A01に対して、現品A02および操業管理用現品A03を関連付けて、現品DB12に登録する。また、現品登録部11は、予定最小構成現品A11に対して、予定現品A12および予定操業管理用現品A13を関連付けて、現品DB12に登録する。以上の処理により、現品DB12に図12に示すような現品が登録される。

0126

なお、同図において、左端の列のスラブを示す実績現品A22が関連付けられている実績最小構成現品A21は、古い注文に基づいたものであり、それ以外の新たに作成された最小構成現品A01または予定最小構成現品A11とは異なる現品である。

0127

以上のように、本実施形態に係るデータベースシステムは、注文内容が事後的に変更された場合であっても、現品DB12の現品を変更後の注文内容に合わせて修正することができる。

0128

(3)在庫品に注文を割り付ける場合
ここで、「在庫品に注文を割り付ける」とは、例えば注文者によって注文がなされた際に、新規出鋼するのではなく、在庫品として保管していた余剰の製品(例えば表面処理鋼板のコイル)を充当することを示している。

0129

例えば、前記した図10の時点まで製造工程が実施された後に、注文が取り消された場合や、格落ちにより品質要求を満たさなくなった場合を考える。この場合、図13に示すように、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、予定Siに含まれる全ての予定最小構成現品A11と、予定最小構成現品A11に関連付いていた予定現品A12および予定操業管理用現品A13を削除するとともに、実績Riに含まれる最小構成現品A01と、最小構成現品A01に関連付いていた操業管理用現品A03を削除する。なお、同図に示すように、実績Riに含まれる現品A02、実績現品A22、実績最小構成現品A21および実績操業管理用現品A23は、削除せずにそのまま残す。そして、完成済みの2つの製品と、表面処理工程まで実施された2つの冷延コイルとからなる4つの現品は、製造拠点内に在庫品として保管される。

0130

このような場合において、例えば5つの製品の注文が新たに発生し、仕様、質量、寸法、規格、品種等の面で、製造拠点内に保管されている上記4つの現品への割り付けが可能である場合、以下のような処理を行う。

0131

具体的には、製鉄所システム3の現品作成部31は、図14に示すように、本社販生流システム2の製作指図AP22から受信した製品の製造依頼情報に基づいて、工程の予定を作成する。そして、現品作成部31は、工程の予定に基づいて、右端の列の2つの製品および右から2列目の2つの冷延コイルについて、最小構成現品A01および操業管理用現品A03を作成するとともに、荷揃工程以降の予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を作成し、それぞれ地区現品DB32に登録する。

0132

これを受けて、統合現品DBシステム1の現品登録部11は、製鉄所システム3の発信処理部33を介して、最小構成現品A01、現品A02、操業管理用現品A03、予定現品A12、予定最小構成現品A11および予定操業管理用現品A13を取得する。そして、現品登録部11は、最小構成現品A01に対して、現品A02および操業管理用現品A03を関連付けて、現品DB12に登録する。また、現品登録部11は、予定最小構成現品A11に対して、予定現品A12および予定操業管理用現品A13を関連付けて、現品DB12に登録する。以上の処理により、現品DB12に図14に示すような現品が登録される。なお、図13および図14において、破線枠C1,C2は、それぞれに含まれる予定最小構成現品A11、最小構成現品A01および実績最小構成現品A21の情報の中身が同じであることを示している。

0133

以上説明したような本実施形態に係るデータベースシステムによれば、製品の製造拠点および/または流通拠点から現品をリアルタイムで取得し、現品DB12に登録することにより、製品の製造から流通までの各工程における即時性の高い情報を蓄積することができる。

0134

また、本実施形態に係るデータベースシステムによれば、注文に基づいて設定される仮想の現品(最小構成現品)に対して、現品を関連付けて保有することにより、データベースシステムの利用者に対して、注文の進捗状況を一元的に提供することができる。従って、本実施形態に係るデータベースシステムの利用者は、それぞれの環境に依存することなく、同一の情報を得ることができる。

0135

また、本実施形態に係るデータベースシステムによれば、最小構成現品に対して、現品を関連付けて保有するとともに、最小構成現品が荷揃予定日に関する情報を少なくとも含むことにより、データベースシステムの利用者に対して、当該利用者が必要とする形式で注文の進捗状況を提供することができる。

0136

また、本実施形態に係るデータベースシステムによれば、製品の製造拠点および/または流通拠点で扱われる情報を現品DB12で一元的に保有することにより、正確な供給連鎖管理(Supply Chain Management、略してSCM)が可能となる。

0137

[情報開示システム]
本実施形態に係る情報開示システム(情報開示方法)は、前記した実施形態に係るデータベースシステムを利用したものであり、注文者に対して注文の進捗状況を開示するためのものである。本実施形態に係る情報開示システムは、図1に示すように、統合現品DBシステム1と、本社販生流システム2と、製鉄所システム3と、物流システム4と、端末(端末(本社)51、端末(地区)52、端末(外部)53)と、を備えて構成される。

0138

本実施形態に係る情報開示システムでは、注文者の要求に応じて統合現品DBシステム1の目的別現品DB14にアクセスし、注文者が求める情報を開示する。具体的には、注文者から端末を介して、注文を特定するための注文番号が入力されると、本社販生流システム2の統合現品参照AP(現品参照部)23は、注文番号の入力を受け付け、当該注文番号に基づいて目的別現品DB14を参照する。そして、統合現品参照AP23は、注文番号が示す注文に紐付いている現品を取得し、これを端末に送信することにより、注文者に対して開示する。これにより、注文者は、自らの注文の進捗状況を確認することができる。

0139

また、本実施形態に係る情報開示システムでは、前記した図4に示すような構造のデータを利用することにより、各工程における現品を最小構成現品単位、すなわち注文に含まれる製品の単位で開示することができる。

0140

例えば、特許文献1における現品DBを利用した従来の情報開示システムでは、図15に示すように、注文番号(6A5680)を入力して注文の進捗状況を確認しようとしても、注文した製品(例えば表面処理鋼板のコイル)の総量(ここでは100t)に対して、各工程にどのくらいの量の現品が存在するのか等の情報しか得ることができなかった。そのため、注文した製品が例えば5つである場合に、そのうちのいくつがどの工程まで進んでいるのかを確認することができなかった。また、特許文献1における現品DBは、現品の情報をバッチ処理で取得しているため、同図に示した情報自体の信頼性が低かった。なお、同図では、連鋳工程に50tの現品が存在し、熱延工程に30tの現品が存在し、冷延工程に20tの現品が存在する例を示している。

0141

一方、本実施形態に係る情報開示システムでは、例えば図16に示すように、連鋳工程に50tの現品が存在し、熱延工程に30tの現品が存在し、冷延工程に20tの現品が存在することを開示する点については同様であるが、例えば連鋳工程の「50t」の内訳を「最小構成現品」として開示できるように構成されている。そして、最小構成現品では、現品番号(最小構成現品番号)ごと、すなわち最小構成現品ごとに、実績および予定を参照できるように構成されている。これは、前記した現品DB12において、最上流の工程から最下流の工程にわたって、現品を、最小構成現品に対して関連付けて常に保有しているためである。なお、同図では、荷揃工程までの予定を一例として示しているが、出荷工程、搬送工程、納入工程までの予定を開示しても構わない。また、同図では、実績として、最新の実績(すなわち、現品)のみを開示しているが、最新以外の過去の実績を開示してもよい。

0142

以上説明したような本実施形態に係る情報開示システムによれば、最終製品を示す最小構成現品の単位で進捗状況の確認を行うことができるため、注文者に対して安心感を提供することができる。

0143

また、本実施形態に係る情報開示システムによれば、注文者が自らの注文の進捗状況を正確に確認および把握することができるため、例えば製造拠点の工程管理部門等に問い合わせる必要がなくなり、問い合わせ負荷が低減される。

0144

[変形例1]
ここで、本発明に係るデータベースシステムは、図1に示した形態のみに限定されない。例えば、製造拠点(製鉄所システム3)を複数設けたり、あるいは流通拠点(物流システム4)を複数設けてもよい。または、流通拠点として、物流システム4に代えて、流通基地に設置される流通基地システムや、コイルセンターに設置されるCCシステム等を設けてもよい。この場合、物流システム4、流通基地システムおよびCCシステムの内から少なくとも1つを設置してもよい。

0145

[変形例2]
また、本発明に係るデータベースシステムは、図17に示すような形態であってもよい。図17で示したデータベースシステムは、図1で示した形態に対して、社内Iに流通拠点(コイルセンター)が、社外Oに製造拠点(加工拠点)がさらに設けられている。

0146

製鉄所内CCシステム6は、社内Iのうちの「地区」に設けられるシステムであり、発信処理部61を備えている。発信処理部61は、製品の流通拠点において、注文者によって注文された製品についての流通工程が実施されるたびに、当該工程における現品を、統合現品DBシステム1の現品登録部11に対して送信する。

0147

加工業者システム7は、社外O(外部)に設けられるシステムである。加工業者システム7は、現品作成部71と、外部現品DB72と、発信処理部73と、を備えている。

0148

現品作成部71は、製品の製造工程で扱われる現品を外部現品DB72に登録する。現品作成部71は、製造拠点において、注文者によって注文された製品についての製造工程が実施されるたびに、製造拠点に設けられた図示しないプロセスコンピュータ等から、当該工程における現実の現品の情報を、「現品」として取得する。そして、現品作成部71は、当該現品を外部現品DB72に登録する。

0149

外部現品DB72は、製造拠点で実施される製品の製造工程における現実の現品の情報を「現品」として保有する。外部現品DB72は、具体的には、製造工程の各工程における情報(実績、予定)を、各工程で扱われる現実の現品の単位で保有する。

0150

外部現品DB72には、前記したように、製造拠点における製造工程が実施されたタイミングで、現品作成部71によって現品が入力される。これにより、外部現品DB72上の現品は、製造工程の実施と同期してリアルタイムで更新される。

0151

発信処理部73は、外部現品DB72が保有する現品を、統合現品DBシステム1の現品登録部11に対して送信する。発信処理部73は、具体的には、外部現品DB72に現品が登録されるたびに、外部現品DB72から当該現品を取得し、現品登録部11に対して送信する。

0152

[変形例3]
また、本発明に係るデータベースシステムは、図18に示すような形態であってもよい。図18は、主に商社において、社外の流通拠点から製品を調達する際に利用するデータベースシステムを想定している。流通業では、一般的に、(i)生産者(メーカ、農家畜産業者水産業者、林業事業体等)、(ii)仲買、(iii)二次卸業者、(iv)小売業者、(v)消費者、の順に製品が流通する。従って、同図に示すように、社内Iの製造拠点(製鉄所)に代えて、社外Oの製造拠点(上記(i))または社外Oの流通拠点(上記(ii))を設けることにより、本発明に係るデータベースシステムを適用することができる。

0153

生産者システム、または仲買システム8は、社外O(外部)に設けられるシステムでああり、現品作成部81と、外部現品DB82と、発信処理部83と、工程情報更新部84と、を備えている。ここで、現品作成部81、外部現品DB82、発信処理部83および工程情報更新部84の機能は、前記した製鉄所システム3の現品作成部31、地区現品DB32、発信処理部33、工程情報更新部34(図1参照)の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。

0154

二次卸業者システム、小売業者システム、または消費者システム9は、社外O(外部)に設けられるシステムであり、発信処理部91を備えている。ここで、発信処理部91の機能は、前記した物流システム4の発信処理部41の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。

0155

以上、本発明に係るデータベースシステムおよび情報開示システムについて、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。

0156

1統合現品DBシステム
11 現品登録部
12 現品DB
13 目的別現品登録部
14 目的別現品DB
15 検証部
2 本社販生流システム
21受注AP
22製作指図AP
23 統合現品参照AP(現品参照部)
3製鉄所システム
31 現品作成部
32地区現品DB
33発信処理部
34工程情報更新部
4物流システム
41 発信処理部
51端末(本社)
52 端末(地区)
53 端末(外部)
6 製鉄所内CCシステム
61 発信処理部
7加工業者システム
71 現品作成部
72 外部現品DB
73 発信処理部
8生産者システム、または仲買システム
81 現品作成部
82 外部現品DB
83 発信処理部
84 工程情報更新部
9 二次卸業者システム、小売業者システム、または消費者システム
91 発信処理部
A01最小構成現品
A02 現品
A03操業管理用現品
A11予定最小構成現品
A12 予定現品
A13 予定操業管理用現品
A21実績最小構成現品
A22 実績現品
A23 実績操業管理用現品
I 社内
O 社外

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