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技術 電極、電極体、二次電池、電池モジュール及び車両

出願人 株式会社東芝
発明者 渡邊英俊田中政典水上俊介佐藤麻子
出願日 2016年10月26日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-209896
公開日 2018年5月10日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-073549
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 固体添加物 混合バインダー 封止蓋 質量濃度比 組成率 無機粒子層 バインダー質量 成型部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

実施形態は、入出力特性又は寿命特性に優れる非水電解質電池電池モジュール及び車両を提供する。

解決手段

実施形態の電極は、集電体と、集電体上に電極合剤層を有し、電極合剤層は、集電体側に第1領域と、集電体側とは反対側に第2領域を有し、第2領域は、アクリル系樹脂を少なくとも含むバインダー含み、第2領域中のアクリル系樹脂に対する、第1領域中のアクリル系樹脂の質量濃度比は、1/300未満である。

概要

背景

リチウムイオン二次電池は、その用途から、高い優れた入出力性能や長寿命を有することが要求されている。その方法として、電極を構成する部材の組成の最適化などが検討されている。

概要

実施形態は、入出力特性又は寿命特性に優れる非水電解質電池電池モジュール及び車両を提供する。 実施形態の電極は、集電体と、集電体上に電極合剤層を有し、電極合剤層は、集電体側に第1領域と、集電体側とは反対側に第2領域を有し、第2領域は、アクリル系樹脂を少なくとも含むバインダー含み、第2領域中のアクリル系樹脂に対する、第1領域中のアクリル系樹脂の質量濃度比は、1/300未満である。

目的

特開2014−007767号公報






実施形態は、入出力特性又はサイクル特性に優れた電極、電極体二次電池、電池モジュール及び車両を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

集電体と、前記集電体上に電極合剤層を有し、前記電極合剤層は、前記集電体側に第1領域と、前記集電体側とは反対側に第2領域を有し、前記第2領域は、アクリル系樹脂を少なくとも含むバインダー含み、前記第2領域中のアクリル系樹脂に対する、前記第1領域中のアクリル系樹脂の質量濃度比は、1/300未満である電極

請求項2

前記電極合剤層は、ポリビニリデンフルオライドを含む請求項1に記載の電極。

請求項3

前記第2領域中のアクリル系樹脂に対する、前記第1領域中のアクリル系樹脂の質量濃度比は、1/500未満である請求項1又は2に記載の電極。

請求項4

前記第2領域中のアクリル系樹脂以外のバインダーに対する、前記第1領域中のアクリル系樹脂以外のバインダーの質量濃度比は、0.8以上1.2以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電極。

請求項5

前記電極合剤層の厚さをDとし、前記電極合剤層の前記集電体側の面を第1面とし、前記電極合剤層の前記第1面とは反対側の面を第2面とするとき、前記第1領域は、前記電極合剤層の前記第1面から前記第2面方向に向かって0.60D以上0.99Dの厚さまでの領域であり、前記第2領域は、前記電極合剤層の前記第2面から前記第1面方向に向かって0.01D以上0.40Dまでの厚さの領域である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電極。

請求項6

前記電極合剤層は、正極活物質又は負極活物質を含み、前記正極活物質は、リチウムニッケル複合酸化物リチウム鉄複合酸化物リチウムマンガン複合酸化物リチウムコバルト複合酸化物リチウムマンガンコバルト複合酸化物からなる群のうちの1種以上の酸化物であり、前記負極活物質は、Li4+xTi5012(xは充放電反応により、−1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウムラムステライドチタン酸リチウムLi2+xTi307(xは充放電反応により、−1≦x≦3の範囲で変化する)、ブロンズ型酸化チタンTiO2(B)、TiとP、V、Sn、Cu、Ni、NbおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物からなる群のうちの1種以上の酸化物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電極。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電極と、酸化物粒子を含む無機粒子層とを有し、前記電極合剤層は、前記集電体と前記無機粒子層の間に存在する電極体

請求項8

請求項7に記載の電極体を有する非水電解質電池

請求項9

請求項8に記載の非水電解質電池を用いた電池モジュール

請求項10

請求項9に記載の電池モジュールを用いた車両。

技術分野

0001

実施形態は、電極電極体二次電池電池モジュール及び車両に関する。

背景技術

0002

リチウムイオン二次電池は、その用途から、高い優れた入出力性能や長寿命を有することが要求されている。その方法として、電極を構成する部材の組成の最適化などが検討されている。

先行技術

0003

特開2014−007767号公報

発明が解決しようとする課題

0004

実施形態は、入出力特性又はサイクル特性に優れた電極、電極体、二次電池、電池モジュール及び車両を提供する。

課題を解決するための手段

0005

実施形態の電極は、集電体と、集電体上に電極合剤層を有し、電極合剤層は、集電体側に第1領域と、集電体側とは反対側に第2領域を有し、第2領域は、アクリル系樹脂を少なくとも含むバインダー含み、第2領域中のアクリル系樹脂に対する、第1領域中のアクリル系樹脂の質量濃度比は、1/300未満である。

図面の簡単な説明

0006

第1実施形態の電極の断面概念図。
第2実施形態の電極体の断面概念図。
第3実施形態の非水電解質電池外観を示す斜視図。
図3の非水電解質電池の展開斜視図。
図3の非水電解質電池の蓋の斜視図。
図3の非水電解質電池の内部を示す側面図。
図3の非水電解質電池の捲回型電極群を示す展開図。
第4実施形態の電池モジュールの斜視展開図。
第5実施形態の電池モジュールの断面図。
第5実施形態の蓄電装置の概念図。
第6実施形態の車両の概念図。
第6実施形態の車両の概念図。

実施例

0007

以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図は実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる点があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜設計変更することができる。

0008

(第1実施形態)
第1実施形態は、電極に関する。第1実施形態の電極は、例えば、非水電解質二次電池に用いられる電極である。第1実施形態の電極は、集電体と、集電体上に電極合剤層を有する。図1に第1実施形態の電極100の断面概念図を示す。図1の電極100は、集電体1と、電極合剤層2を有する。電極合剤層2は、第1領域2Aと第2領域2Bの2領域を有する。図1では、電極合剤層2は、集電体1の片面に設けられているが、集電体1の両面に電極合剤層2が設けられていてもよい。

0009

集電体1は、電極合剤層2と接した導電材である。集電体1には、無孔の金属箔、多数の孔を有するパンチドメタル金属細線成型した金属メッシュなどを用いることができる。集電体1としては、例えば金属箔又は合金箔を用いることができる。金属箔の例としては、アルミニウム箔銅箔及びニッケル箔などを挙げることができる。合金箔の例としては、アルミニウム合金銅合金及びニッケル合金などを挙げることができる。

0010

集電体1の素材としては電池使用環境で溶解しないものであれば特に限定するものではなく、例えば、Al、Tiなどの金属や、前記金属を主成分として、Zn、Mn、Fe、Cu、Siから成る群のうちの一以上の元素を添加した合金を用いることができる。特に、Alを主成分とするアルミニウム合金箔は、柔軟で成形性に優れているために好ましい集電体1の厚さは、典型的には、5μm以上20μmのものが好適である。

0011

電極合剤層2は、電極活物質、バインダーと導電材を含む層状物である。電極合剤層2は、集電体1の一方の面と物理的に直接的に接している。電極合剤層2は、集電体1側とその反対側にバインダーの組成率が異なる2領域を含む。電極合剤層2は、集電体1側とその反対側にバインダーの組成率が異なる2領域で構成されることが好ましい。その2領域は、第1領域2Aと第2領域2Bである。第1領域2Aと第2領域2Bは物理的に直接的に接した領域である。第1領域2Aは、集電体1と第2領域2Bに挟まれている。第1領域2Aは、電極合剤層2の一方の面である第1面S1を含む。第1面S1は、集電体1と対向する。第2領域2Bは、電極合剤層2の他方の面である第2面S2を含む。第2面S2は、電極合剤層2の第1面S1とは反対側の面であり、セパレータ無機粒子層が形成される面でもある。

0012

第1領域では、電極活物質が低被覆率でバインダーと接触しているため、導電性に優れ高い入出力特性が得られる。しかし、セパレータや無機粒子層との接着性が低いため、第1領域2Aがセパレータや無機粒子層と接合しているとき、繰り返し充放電を行うと剥離が生じやすくサイクル特性が低下しやすい。第2領域2Bは、電極活物質が高い被覆率でバインダーと接触しているため、導電性はあまりよくはないが、接着性に優れる。そこで、セパレータや無機粒子層が形成される面側に第2領域2Bを設けることで、高い入出力特性とサイクル特性を両立させた。

0013

電極合剤層2の厚さをDとする。第1領域2Aは、電極合剤層2の第1面S1から第2面S2方向に向かって0.60D以上0.99D以下の厚さまでの領域である。また、第2領域2Bは、電極合剤層2の第2面S2から第1面S1方向に向かって0.01D以上0.40D以下の厚さまでの領域である。第1領域2Aと第2領域2Bは、どちらも活物質、バインダーと導電材を含む。第1領域2Aが厚すぎると、入出力特性は優れるが第2領域2Bによる接着性の効果が低下してしまうため好ましくない。また、第2領域2Bが厚すぎると、サイクル特性は優れるが入出力特性が低下する。なお、電極合剤層2の組成比率は、電極合剤層2を作成する電極合剤スラリーに含まれる電極活物質、バインダー、導電材及びその他固体添加物の組成比率と同じである。上記観点から、第1領域2Aは、電極合剤層2の第1面S1から第2面S2方向に向かって0.8D以上0.95D以下の厚さまでの領域であることが好ましい。また、上記観点から、第2領域2Bは、電極合剤層2の第2面S2から第1面S1方向に向かって0.05D以上0.2D以下の厚さまでの領域であることが好ましい。

0014

電極活物質は、特に限定されるものではなく、リチウムや他のアルカリ金属イオン挿入脱離することで充放電が可能な物質であれば使用できる。電極活物質には、正極活物質負極活物質の2種類が挙げられる。

0015

正極活物質として用いることができるものの例としては、リチウムニッケル複合酸化物リチウム鉄複合酸化物リチウムマンガン複合酸化物リチウムコバルト複合酸化物リチウムマンガンコバルト複合酸化物、などからなる群のうちの1種以上の酸化物であることが好ましい。正極に用いられる正極活物質は1種類、または2種類以上を含んでいても良い。

0016

負極活物質としては、例えばLi4+xTi5012(xは充放電反応により、−1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウムラムステライドチタン酸リチウムLi2+xTi307(xは充放電反応により、−1≦x≦3の範囲で変化する)、ブロンズ型酸化チタンTiO2(B)、TiとP、V、Sn、Cu、Ni、NbおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物などからなる群のうちの1種以上の酸化物であることが好ましい。TiとP、V、Sn、Cu、Ni、NbおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiNb2O7、Ti02−P205、Ti02−V205、Ti02−P205−Sn02、Ti02−P205−MO(MはCu、Ni及びFeからなる群のうちの少なくとも1つの元素)を挙げることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。リチウムチタン複合酸化物のうち、スピネル型チタン酸リチウムがサイクル特性に優れ好ましい。なお、負極活物質として、一般的な炭素系材料、例えば黒鉛は実施形態の電極の活物質としては好ましくない。活物質に黒鉛を用いると、SEI被膜が形成され、抵抗増加膨張収縮による活物質の割れが生じやすい。また、活物質が割れると導電性が低下してしまう。

0017

導電材は適切な導電性を有する材料であれば何れのものでも使用できる。例えば、アセチレンブラックなどのカーポンブラックグラファイトなどのカーボンを組み合わせて使用することができる。

0018

電極が正極である場合、電極合剤層2全体の正極活物質、導電材およびバインダーの混合比は、正極活物質を70質量%以上96質量%以下、導電材を3質量%以上17質量%以下、結着剤を1質量%以上13質量%以下にすることが望ましい。正極密度正極充填密度)は高容量化や入出力特性の観点から2.8g/cc以上3.3g/cc以下にすることが望ましい。

0019

電極が負極である場合、電極合剤層2全体の負極活物質、導電材およびバインダーの混合比は、負極活物質が70質量%以上96質量%以下、導電材が2質量%以上28質量%以下、結着剤が2質量%以上28質量%以下になるようにすることが望ましい。導電材の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質層集電性能を向上させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質層と負極集電体との結着性を高めることができ、優れたサイクル特性を期待できる。一方、導電材及び結着剤はそれぞれ28質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。負極密度負極充填密度)は高容量化や入出力特性の観点から2.0g/cc以上2.3g/cc以下にすることが望ましい。

0020

バインダーは、フッ素系樹脂及びアクリル系樹脂、又は、フッ素系樹脂を含む。バインダーは、フッ素系樹脂及びアクリル系樹脂、又は、フッ素系樹脂であることが好ましい。

0021

フッ素系樹脂としては、ポリビニリデンフルオライドPVdF)やポリテトラフルオロエチレンPTFE)を用いることができる。

0022

アクリル系樹脂としては、アクリル酸メチル構造、アクリル酸エチル構造、又は、アクリル酸メチル構造及びアクリル酸エチル構造を含む樹脂が好ましい。より具体的には、アクリル酸メチル構造、アクリル酸エチル構造、又は、アクリル酸メチル構造及びアクリル酸エチル構造と他の繰り返し構造を含むアクリル系共重合体や、アクリル酸メチル構造、アクリル酸エチル構造、又は、アクリル酸メチル構造及びアクリル酸エチル構造を含む重合体などが挙げられる。アクリル系樹脂中の繰り返し構造のうち50%以上が、アクリル酸メチル構造又はアクリル酸エチル構造であるアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂中の繰り返し構造のうち70%以上が、アクリル酸メチル構造又はアクリル酸エチル構造であるアクリル系樹脂がより好ましい。

0023

バインダーがフッ素系樹脂及びアクリル系樹脂を含むとき、第2領域2B中のアクリル系樹脂に対する、第1領域2A中のアクリル系樹脂の質量濃度比である[第1領域2A中のアクリル系樹脂の質量濃度]/[第2領域2B中のアクリル系樹脂の質量濃度]は、1/300未満であることが好ましい。[第1領域2A中のアクリル系樹脂の質量濃度]/[第2領域2B中のアクリル系樹脂の質量濃度]は、1/500未満であることがより好ましい。アクリル系樹脂が第2領域2B中に偏在した電極を用いることで、第2領域2B側の接着性が高まり、そして、高抵抗化しないため、高い入出力特性およびサイクル特性の電池に寄与する。第2領域2B中のアクリル系樹脂濃度は、0.01質量%以上3質量%以下が好ましい。かかる範囲の濃度であれば、第2領域2B側の接着性が高まり、そして、高抵抗化しないため、入出力特性及びサイクル特性に寄与する電極を提供することができる。

0024

電極合剤層2の厚さDに対し、第2領域2Bの厚さが0.01D以上0.1D未満の範囲では、第2領域2B中のアクリル系樹脂濃度が2質量%以上、3質量%以下であることが好ましく、0.1D以上0.25D未満の範囲では1質量%以上、2質量%未満であることが好ましく、0.25D以上0.4D以下の範囲では0.01質量%以上、1質量%未満であることが好ましい。第2領域2Bの厚さが小さい範囲では、アクリル系樹脂濃度を高くし、第2領域2Bの厚さが大きい範囲では、アクリル系樹脂濃度を低くすることで入出力特性及びサイクル特性に優れた電極を提供することができる。

0025

アクリル系樹脂以外のバインダー濃度は、第1領域2A中及び第2領域2B中で同程度であることが好ましい。具体的には、[第1領域2A中のアクリル樹脂系以外のバインダー質量濃度]/[第2領域2B中のアクリル樹脂系以外のバインダー質量濃度]は、0.8以上1.2以下であることが好ましい。また、[第1領域2A中のフッ素系樹脂の質量濃度]/[第2領域2B中のフッ素系樹脂の質量濃度]は、0.8以上1.2以下であることがより好ましい。このように、フッ素系樹脂のバインダーが電極合剤層2で全体的に均一な濃度であって、かつ、アクリル系樹脂のバインダーが第2領域2Bに偏在することで、第2領域2B側の接着性が高まり、そして、高抵抗化しないため、入出力特性とサイクル特性の向上に寄与する電極を提供することができる。

0026

バインダーがフッ素系樹脂であるとき、[第2領域2B中のフッ素系樹脂の質量濃度]/[第1領域2A中のフッ素系樹脂の質量濃度]が1.0以上5.0以下であることが好ましい。第2領域2B中にフッ素系樹脂が多く存在することにより、第2領域2B側の接着性が高まり入出力特性及びサイクル特性に優れた電池の電極として好適である。

0027

電極100の作製方法は、例えば、集電体1上に第1領域2Aの組成になるように調整したスラリーを塗布し、乾燥させ、第1領域2A部分を先に形成させる。ついで、第2領域2Bの組成になるように調整したスラリーを先に形成させた第1領域2A上に塗布し、乾燥させ、第2領域2B部分を形成させて、集電体1上に電極合剤層2を形成させて電極100を得る。

0028

また、第2領域2B側の電極合剤層2の面には、アクリル系樹脂を含む接着層をさらに設けてもよい。接着層を設けることで、接着性がさらに向上し、サイクル特性の向上に寄与する。接着層の厚さは、電極合剤層2の厚さDに対して、0.0Dより大きく0.1D以下であることが好ましい。接着層が厚すぎると入出力特性が低下するため、接着層は薄い層であることが好ましい。

0029

電極合剤層2の厚さDおよび電極に含まれるバインダー樹脂の種類と含有量測定方法について説明する。
分析用試料の準備として、放電処理した電池を不活性雰囲気密閉空間で解体し、正極もしくは負極を取り出し、適当な寸法に切り出した。切り出した試料メチルエチルカーボネート(MEC)で洗浄し、常温減圧乾燥させた。

0030

電極合剤層2の厚さDについては、試料断面をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)にて観察することで測定することができる。第1の方向(I)に延び、この第1の方向に直交する第2の方向(ll)に幅を有する帯形状の電極合剤層2において、第1の方向(I)に10cm、第2の方向(ll)に等間隔で5分割して得られる5つの試料のうち、両端を除く3つの試料について、試料中央部を切り出し、切り出した試料をイオンミリングにて断面加工して分析試料とした。SEMの観察倍率を500倍として観察される試料について、5等分割し、それぞれの中心を観察点として、集電体の表層から電極合剤層2の表層までの距離の平均値を電極合剤層2の厚さDとした。なお、電極合剤層2の厚さの測定において、EDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy:エネルギー分散型X線分光法)を併用してもよい。

0031

バインダーの種類については、断面SEMの分析試料とした3つの試料のうち中心の1つから、第1の方向(I)に対して±50cmの範囲に存在する電極合剤層2を、1.0mg削り取ったものを分析試料とし、Pyro−GC/MS(Pyrolysis-Gas Chromatography-Mass Spectroscopy:熱分解ガスクロマトグラフィー)にて、熱分解温度を500〜700℃として分析することで同定することができる。

0032

バインダー樹脂の含有量については、断面SEMの分析試料とした3つの試料のうち中心の1つから、第1の方向(I)に対して±50cmの範囲に存在する電極を、SAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System:表面・界面切削分析装置)にて、表層から所定の深さ位置で、試料を5mg削り取り、TG(熱重量分析)にて、300mL/minの範囲で一定の速度に保ちながら窒素置換し、昇温速度は10℃/minの範囲で一定の速度に保ちながら昇温し、重量変化が生じる温度と変化量を測定することで、バインダーごとに定量することができる。

0033

(第2実施形態)
第1実施形態は、電極体に関する。第2実施形態の電極体は、例えば、非水電解質二次電池に用いられる電極である。第2実施形態の電極体は、集電体と、電極合剤層と、無機粒子層を有する。図2に第2実施形態の電極体200の断面概念図を示す。図2の電極体200は、集電体1と、電極合剤層2と、無機粒子層3を有する。電極合剤層2は、第1領域2Aと第2領域2Bの2領域を有する。電極合剤層2は、集電体1と無機粒子層3の間に存在する。図2では、電極合剤層2及び無機粒子層3は、集電体1の片面に設けられているが、集電体1の両面に電極合剤層2及び無機粒子層3が設けられていてもよい。第2実施形態の電極体200について、集電体1と電極合剤層2は、第1実施形態の電極と共通するため、第2実施形態において、集電体1と電合剤層2の説明を省略する。

0034

無機粒子層3は、電極合剤層2又は接着層と物理的に接した無機粒子を含む多孔質層である。無機粒子層3は、無機粒子、増粘剤、バインダーを含む。無機粒子には、酸化アルミ酸化チタン酸化マグネシウム酸化亜鉛などの金属酸化物や、硫酸バリウムなどの硫酸塩が使用できる。増粘剤にはカルボキシメチルセルロースが使用できる。バインダーには、アクリル酸メチルやそれを含むアクリル系共重合体、スチレンブタジエンゴムSBR)などが使用できる。

0035

実施形態では、無機粒子層3は、セパレータとして機能する。無機粒子層3の厚さは、導電性の観点から電極合剤層2の厚さDに対して、0.00Dより大きく0.25D以下であることが好ましい。非水電解質電池では、セパレータには、ポリプロピレンポリエチレンなどの高分子化合物を用いるが実施形態では、高分子化合物を用いず、酸化物粒子の層を用いている。無機粒子層3の片方の面は、正極の電極合剤層の全面と物理的に直接的に接触していて、他方の面は、負極の電極合剤層の全面と物理的に直接的に接触していることが好ましい。

0036

無機粒子層3は、例えば酸化物粒子、分散剤および結着剤を水などの溶媒に懸濁し、作製したスラリーを、電極活物質層2の表面上に塗布し、乾燥することにより形成される。酸化物粒子層は圧延前の電極表面上にスラリーを塗布し、形成しても良い。得られる無機粒子層3の酸化物粒子、分散剤および結着剤の混合比は、酸化物粒子を85.0質量%以上98.5質量%以下、分散剤を0.5質量%以上5.0質量%以下、結着剤を1.0質量%以上10.0質量%以下にとなるようにすることが望ましい。無機粒子層3中の酸化物粒子の比率が低すぎると自己放電が増加して寿命特性が低下する。酸化物粒子の比率が高すぎると酸化物粒子が脱落しやすいため好ましくない。

0037

(第3実施形態)
第3実施形態は、非水電解質電池に関する。第3実施形態の非水電解質電池は、正極活物質層正極集電体を有する正極と、負極活物質層と負極集電体を有する負極と、電解液と、を有する。第1の実施形態の非水電解質電池の一例として、図3に非水電解質電池300の外観を、図4に非水電解質電池300の展開斜視図を、図5に非水電解質電池300の蓋の斜視図を、図6に非水電解質電池300の内部を示す側面図を示す。図7に捲回型電極群12の展開図を示す。図3から7に示すように非水電解質電池300は、外装材11、偏平形状の捲回型電極群12、正極リード13、負極リード14、蓋15、正極端子16、負極端子17、正極バックアップリード18、負極バックアップリード19、正極絶縁カバー20、負極絶縁カバー21、正極ガスケット22、負極ガスケット23、安全弁24、電解液注入口25と図示しない電解液を備える。電解液は、外装材11内に存在し、外装材11内に充填されていることが好ましい。なお、実施形態の非水電解質電池は、例えば、充放電が可能な二次電池である。図3では、角型の非水電解質電池を示しているが、角型に限定されるものではない。第3実施形態の非水電解質電池は、第2実施形態の電極体200を含むことが好ましい。

0038

外装材11は、ラミネートフィルムや、金属製容器などが挙げられる。形状としては、扁平型、角型、円筒型コイン型、ボタン型、シート型積層型等が挙げられる。

0039

ラミネートフィルムは、樹脂フィルム間金属層を介在した多層フィルムを使用することができる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂フィルムは、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロンポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行い、外装材の形状に成形することができる。ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.2mm以下が好ましい。

0040

金属製容器は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどを使用することができる。蓋15は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどを使用することができる。蓋15と外装材11は、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。金属性容器の厚さは、例えば、0.5mm以下が好ましい。

0041

次に、図7に示す捲回型電極群12の展開図を参照して、捲回型電極群12について、より詳細に説明する。図7の展開図では、正極31、無機粒子層32と負極33が積層した積層体が捲回された構造が表されている。なお、図7では、プレスされる前で集電体タブ束ねられる前の電極群を示しているが、外装材11に収容される捲回型電極群12の集電タブは、束ねられ、リードを介して正極端子16又は負極端子17と電気的に接続している。扁平形状の捲回型電極群12を示したが、これに限定されず、他の形状の電極群とすることもできる。

0042

捲回型電極群12は、帯状の正極31、帯状の無機粒子層32と帯状の負極33が積層した帯状の積層体がさらに巻かれるなどして積層されたものである。無機粒子層32は、正極31の集電体上の活物質層と負極33の集電体上の活物質層の間に存在し、正極31と負極33の活物質層に挟持されている。無機粒子層32は、正極31の活物質層上、負極33の活物質層上、又は、正極31の活物質層上及び負極33の活物質層上に存在することが好ましく、物理的に直接的に接触していることが好ましい。正極31の活物質層上及び負極33の活物質層上に無機粒子層32が存在する場合、無機粒子層32は、正極活物質層と負極活物質層の間と、正極集電体上又は負極集電体上に存在する。正極集電体上に存在する無機粒子層32は、正極集電体上の正極活物質層に沿って正極集電体に接して設けられている。正極集電体上の正極活物質層、又は、正極活物質層及び無機粒子層32が設けられた領域を塗工部とし、正極集電体上の正極活物質層と無機粒子層32のいずれも設けられていない領域を非塗工部とする。正極集電体の非塗工部は正極集電体タブとなる。負極集電体上に存在する無機粒子層32は、負極集電体上の負極活物質層に沿って負極集電体に接して設けられている。負極集電体上の負極活物質層、又は、負極活物質層及び無機粒子層32が設けられた領域を塗工部とし、負極集電体上の負極活物質層と無機粒子層32のいずれも設けられていない領域を非塗工部とする。負極集電体の非塗工部は負極集電体タブとなる。正極31、正極集電体、正極活物質層、負極33、負極集電体、負極活物質層と無機粒子層32はいずれも帯状である。

0043

正極31と負極33はそれぞれ作製後に重ねて捲回することで、捲回型電極群12が作製される。そのため、捲回型電極群12を分解した際も、正極31作製時に形成された無機粒子層32は、正極活物質層上に存在し、また、負極33作製時に形成された無機粒子層32は、負極活物質層上に存在する。なお、正極活物質層の面が負極活物質層の面に対向するよう、つまり正極31に非対向部が生じないように、位置の調整を行いながら捲回している。捲回型電極群12の最外周にある層は図示しない絶縁テープで固定されていることが好ましい。

0044

正極集電タブは、正極バックアップリード18で束ねられ、正極リード13を介して正極端子16と電気的に接続する。また、負極集電タブは、負極バックアップリード19で束ねられ、負極リード14を介して負極端子7と電気的に接続する。

0045

正極31、負極33、又は、正極31及び負極33は、第1実施形態の電極であることが好ましい。一方の電極に第1実施形態の電極を用いる場合、他の電極では、第1領域2Aと第2領域2Bのバインダー濃度の偏在以外については、同条件を満たすことが好ましい。

0046

無機粒子層32は、第2実施形態の電極体200の無機粒子層3であることが好ましい。

0047

電解液は、外装材11内に存在する電解質塩非水溶媒を含む溶液である。−20℃における電解液の粘度が、50mPa・s以下であることが望ましい。50mPa・sより高いと、無機粒子層32の空孔への電解液の含浸性が低下するため、上記の無機粒子層32の物性を満たしても電解液の粘度が高すぎると電池特性が向上しにくくなる。−20℃における電解液の粘度は、より具体的には、21mPa・s以上50mPa・s以下が好ましい。電解質塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li(CF3SO2)2N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C2F5SO2)2N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム{LiB(C2O4)2、通称;LiBOB}、ジフルオロトリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム{LiBF2OCOOC(CF3)2、通称;LiBF2(HHIB)}のようなリチウム塩を用いることができる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF6、LiBF4が好ましい。リチウム塩には、イオンを導電する支持塩を使用することができる。例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)や四フッ化ホウ酸リチウム、イミド系支持塩などが挙げられる。リチウム塩は1種類、または2種類以上を含んでいても良い。

0048

電解質塩濃度は、1モル/L以上3モル/L以下の範囲内にすることが好ましく、1モル/L以上2モル/L以下の範囲内にすることがより好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。

0049

非水溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネートDMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)もしくはジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソランスルホランアセトニトリル(AN)を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。環状カーボネート及び/または鎖状カーボネートを含む非水溶媒が好ましい。

0050

正極リード13は、図5、6に示すように正極端子16と正極バックアップリード18を物理的に接続する導電性部材である。正極リード13は、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性部材である。正極リード13と正極バックアップリード18は、例えば、レーザー溶接などによって接合されることが好ましい。

0051

負極リード14は、図5、6に示すように負極端子7と負極バックアップリード19を物理的に接続する導電性部材である。負極リード14は、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性部材である。負極リード14と負極バックアップリード19は、例えば、レーザー溶接などによって接合されることが好ましい。

0052

蓋15は、図3から6に示すように捲回型電極群12を収容した外装材11の蓋であり、正極端子16と負極端子17を有する。蓋15は、正極端子16、負極端子17、負極絶縁カバー21、正極ガスケット22、負極ガスケット23、安全弁24、電解液注入口25を備える。蓋15は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属又は合金製成型部材である。蓋15と外装材11は、レーザー溶接されているか、接着性樹脂等のシール材によって接着されていることが好ましい。

0053

正極端子16は、図3から6に示すように蓋15に設けられた二次電池の正極用電極端子である。正極端子16は、アルミニウムやアルミニウム合金等の導電性部材で構成される。正極端子16は、絶縁性の正極ガスケット22を介して、蓋15に固定されている。正極端子16は、正極リード13、正極バックアップリード18を介して、正極31と電気的に接続している。

0054

負極端子17は、図3から6に示すように蓋15に設けられた二次電池の負極用の電極端子である。負極端子17は、アルミニウムやアルミニウム合金等の導電性部材で構成される。負極端子17は、絶縁性の負極ガスケット23を介して、蓋15に固定されている。負極端子17は、負極リード14、負極バックアップリード19を介して、負極33と電気的に接続している。

0055

正極バックアップリード18は、図3から6に示すように正極集電タブを束ね、正極リード13に固定された導電性部材である。正極バックアップリード18と正極集電タブは、超音波接合によって接合されていることが好ましい。

0056

負極バックアップリード19は、図3から6に示すように負極集電タブを束ね、負極リード14に固定された導電性部材である。負極バックアップリード19と負極集電タブは、超音波接合によって接合されていることが好ましい。

0057

正極絶縁カバー20は、図4に示すように正極リード13と正極バックアップリード18を覆う絶縁性の部材である。正極絶縁カバー20は、捲回型電極群12の正極集電タブを含む一端部を篏合している。正極絶縁カバー20は、絶縁性で耐熱性の部材であることが好ましい。正極絶縁カバー20としては、樹脂成型体、紙を主体とする材料の成型体や紙を主体とする材料の成型体を樹脂で被覆した部材などが好ましい。樹脂としては、ポリエチレン樹脂フッ素樹脂を用いることが好ましい。正極絶縁カバー20の形状は、正極リード13と正極バックアップリード18とが外装材11と接触する形である。正極絶縁カバー20を用いることによって、正極31と外装材11が絶縁され、また、外部衝撃から集電タブ領域(集電タブ、リード、バックアップリード)を保護することができる。

0058

負極絶縁カバー21は、図4に示すように負極リード14と負極バックアップリード19を覆う絶縁性の部材である。負極絶縁カバー21は、捲回型電極群12の負極集電タブを含む一端部を篏合している。負極絶縁カバー21の材質や形状等は、正極絶縁カバー10と共通する。正極絶縁カバー20と負極絶縁カバー21の共通する説明は、省略する。

0059

正極ガスケット22は、図3から6に示すように正極端子16と外装材11を絶縁する部材である。正極ガスケット12は、耐溶剤性難燃性の樹脂成型体が好ましい。正極ガスケット22には、例えば、ポリエチレン樹脂やフッ素樹脂などが用いられる。

0060

負極ガスケット23は、図3から6に示すように負極端子17と外装材11を絶縁する部材である。負極ガスケット23は、耐溶剤性で難燃性の樹脂成型体が好ましい。負極ガスケット23には、例えば、ポリエチレン樹脂やフッ素樹脂などが用いられる。

0061

安全弁24は、図3から6に示すように蓋に設けられ、外装材11内の内圧が上昇した際に、外装材11内の圧力を低下させる減圧弁として機能する部材である。安全弁24は、設けられることが好ましいが、電池の保護機構電極材料等の条件を考慮して省略することができる。

0062

電解液注入口25は、図3から6に示すように電解液を注入するための孔である。電解液の注入後には、樹脂等によって封止されていることが好ましい。
図中では、省略しているが、絶縁性の接着テープを用いて各部材が固定乃至接続されていることが好ましい。

0063

(第4実施形態)
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。第4実施形態に係る電池モジュールは、上記第3実施形態に係る二次電池(即ち、単電池)を一以上有する。電池モジュールに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。

0064

図8の斜視展開図及び図9の断面図を参照して電池モジュール400を具体的に説明する。図8に示す電池モジュール400では、単電池401として図3に示す非水電解質電池300を使用している。図9の断面図は、図8の斜視展開図の正極端子403Bと負極端子406Bが含まれる断面である。

0065

複数の単電池401は、電池の外装缶の外部に、正極ガスケット402に設けられた正極端子403(403A、403B)、安全弁404、負極ガスケット405に設けられた負極端子406(406A、406B)を有している。図8に示す単電池401は、互い違いにそろえられるように配置されている。図9に示す単電池401は、直列に接続されているが、配置方法を変えるなどして並列接続にしてもよい。

0066

単電池401は、下ケース407と上ケース408内に収容されている。上ケース408には、電池モジュールの電源入出力用端子409及び410(正極端子409、負極端子410)が設けられている。上ケース408には、単電池401の正極端子403及び負極端子406の位置に合わせて開口部411が設けられ、開口部411から正極端子403及び負極端子406が露出している。露出した正極端子403Aは、隣の単電池401の負極端子406Aとバスバー412によって接続され、露出した負極端子406Aは、前記の隣とは反対側の隣の単電池401の正極端子403Aとバスバー412によって接続されている。バスバー412によって接続されていない正極端子403Bは、基板413に設けられた正極端子414Aと接続し、正極端子414Aは、基板413上の回路を介して正極の電源入出力用端子409と接続している。また、バスバー412によって接続されていない負極端子406Bは、基板413に設けられた負極端子414Bと接続し、負極端子414Bは、基板413上の回路を介して負極の電源入出力用端子410と接続している。電源入出力用端子409及び410は、図示しない充電電源負荷と接続し、電池モジュール400の充電や利用がなされる。上ケース408は、蓋415で封止されている。基板413には、充放電の保護回路が設けられていることが好ましい。また、単電池401の劣化等の情報を図示しない端子より出力可能な構成とするなどの構成の追加等を適宜行ってもよい。

0067

(第5実施形態)
実施形態の電池モジュールを蓄電装置500に搭載することができる。図10の概念図に示す蓄電装置500は、電池モジュール400と、インバーター502と、コンバーター501とを備える。外部交流電源503をコンバーター501で直流変換し、電池モジュールを充電し、電池モジュールのからの直流電源のインバーター502で交流変換し、負荷504に電気を供給する構成となっている。実施形態の電池モジュール400を有する本構成の蓄電装置500とすることで、電池特性に優れた蓄電装置が提供される。

0068

(第6実施形態)
実施形態の電池モジュール400を車両600に搭載することができる。図11の概念図に示す車両600は、電池モジュール400と、インバーター601と、モーター602と、車輪603とを少なくとも備える。電池モジュール400からの直流電源をインバーターで交流変換し、交流電源によって、モーター602を駆動する。直流電流によって駆動するモーターを用いる場合は、インバーターは省略される。図において、電池モジュールの充電機構等は省略されている。モーター602の駆動力によって、車輪603を回転させることができる。なお、車両600は、電車などの電動車両エンジンなどの他の駆動源を有するハイブリッド車も含まれる。モーター602からの回生エネルギーによって、電池モジュール400を充電してもよい。電池モジュールからの電気エネルギーによって駆動されるものはモーターに限られず、図12の概念図に示すように車両700の電気機器701を動作させるための動力源に用いても良い。図12の概念図に示す車両700の場合、例えば、車輪702の車軸部分に取り付けられたモーターなどの発電機703を車両の減速時に動作させて回生エネルギーを得て、得られた回生エネルギーを用いて電池モジュール400を充電することが好ましい。

0069

[実施例]
以下に例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。

0070

(実施例1)
1.非水電解質電池の作製
実施例1では、以下のようにして、角型の非水電解質電池を作製した。
正極用スラリーAの作製]
正極活物質としてのリチウム含有ニッケルコバルトマンガン酸化物LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2及びリチウムコバルト酸化物LiCoO2、導電剤としてのアセチレンブラック、並びにバインダーとしてのポリビニリデンフルオライドPVdFをNーメチルピロリドン中に懸濁させて、正極用スラリーAを得た。Nーメチルピロリドンに投入したリチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムコバルト酸化物、アセチレンブラック及びPVdFの混合比は、それぞれ、75質量%、15質量%、5質量%および5質量%であった。

0071

[正極用スラリーB(アクリル系共重合体含有)の作製]
正極活物質としてのリチウム含有ニッケルコバルトマンガン酸化物LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2及びリチウムコバルト酸化物LiCoO2、導電剤としてのアセチレンブラック、並びにバインダーとしてのポリビニリデンフルオライドPVdFと、アクリル酸メチルを70質量%含むアクリル系共重合体とを90:10(PVdF:アクリル系共重合体)の重量比で混合したバインダーをNーメチルピロリドン中に懸濁させて、正極用スラリーBを得た。Nーメチルピロリドンに投入したリチウム含有ニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、アセチレンブラック及びPVdFとアクリル系の混合バインダーの混合比は、それぞれ、75質量%、15質量%、5質量%および5質量%であった。

0072

負極用スラリーCの作製]
負極活物質としてのスピネル型チタン酸リチウムLi4Ti5O12、導電材としての黒鉛及びバインダーとしてのPVdFをNーメチルピロリドン中に懸濁させて、負極作製用スラリーを得た。Nーメチルピロリドンに投入したチタン酸リチウム、黒鉛及びPVdFの混合比は、それぞれ、95質量%、3.5質量%、および1.5質量%であった。

0073

[正極の作製]
正極集電体として、厚さが12μmであるアルミニウム箔を準備した。正極集電体は、第1の方向(I)に延び、この第1の方向に直交する第2の方向(ll)に幅を有する帯形状を有していた。前記手順にて作製した正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが60μmとなるように調整しながら、正極集電体の両面に塗布し、乾燥することで正極合剤層Aを形成した。正極用スラリーAを塗布する際に、正極集電体の表面の一部に、第1の方向(I)に延びた帯状のスラリー未塗布部を形成し、正極集電体タブを形成した。統いて正極用スラリーBを、片面あたりの合剤層の厚さが40μmとなるように調整しながら、正極合剤層Aの表層に塗布し、乾燥することで正極合剤層Bを形成した。かくして正極合剤層(正極合剤層A+B)を形成した。乾燥後、正極活物質層の幅が90mmとなるように裁断した。裁断後、電極を圧延し、正極を作製した。

0074

[負極の作製]
負極集電体として、厚さが12μmであるアルミニウム箔を準備した。負極集電体は、第1の方向(I)に延び、この第1の方向に直交する第2の方向(II)に幅を有する帯形状を有していた。前記手順にて作製した負極用スラリーCを、片面あたりの合剤層の厚さが95μmとなるように調整しながら、負極集電体の両面に塗布し、乾燥した。負極用スラリーCを塗布する際に、負極集電体の表面の一部に、第1の方向(I)に延びた帯状のスラリー未塗布部を形成し、負極集電体タブを形成した。乾燥後、負極活物質層の幅が95mmとなるように裁断した。裁断後、電極を圧延し、負極を作製した。

0075

電極コイルの作製]
かくして得られた正極および負極を、正極および負極の幅方向に延びた軸を中心にして捲回した。このとき正極活物質面が負極活物質面に対向するよう、つまり負極活物質面から正極活物質面がはみ出さないように、位置の調整を行いながら捲回した。電極コイルの最外周の負極活物質表面に絶縁テープを貼り付けて、電極コイルを固定した。上記のように捲回して作製した電極コイルに、熱プレスを供し、扁平型の捲回電極コイルを得た。正極集電体タブと負極集電体タブを、それぞれアルミ集電タブと超音波溶着を行い、集電体を束ねた。

0076

[電池の組み立て]
かくして得られた扁平型の捲回電極コイルと非水電解質を、開口部を有したアルミニウム製の有底角状容器収納した。この際、正極集電タブおよび負極集電タブがこの開口部に向き合う電極コイルの端面から延出するようにした。次に、アルミニウム製の矩形封口板を準備した。封口板は、図示しない3つの開口部が設けられていた。3つの開口部のうちの1つには、角柱の正極端子が嵌め込まれて固定されていた。3つの開口部のうちの他の1つには、絶縁性のガスケット34を介して、角柱の負極端子が嵌め込まれて固定されていた。3つの開口部のうちの残りの1つは、電解液を注入するための注入口であった。

0077

次に、正極端子の一端と電極コイルの正極集電タブとを、レーザー溶接によって電気的に接続した。同様に負極端子の一端と電極コイルの負極集電タブとを、レーザー溶接によって電気的に接続した。次に、封口板の周縁部を、容器の開口部を塞ぐように、容器に溶接した。次に、電解液を詞製した。電解液は、ブロピレンカーホネート(PC)及びジエチルカーポネート(DEC)を1:1の容積比で混合して調製した非水溶媒に、六フッ化リン酸リチウムLiPF4を1.Omol/Lの濃度で溶解させて調整した。次に、上記のようにして作製した電解液を、封口板に設けられた電解液注入口を介して容器内に注入した。次に、電解液注入口の周縁部に封止蓋を溶接することにより、電池を組み立てた。

0078

高電流放電時の放電容量率の測定]
実施例1の電池を、25℃環境下にて、1Cで2.7Vで定電流充電を行った。その後、定電圧充電電流値が0.1Cとなるまで充電を行った。環境温度を−20℃として3時間休止した後に、1Cで定電流放電し、電圧が1.7Vになるまで放電を行った。この時の放電容量を−20℃環境下における1C放電容量とした。

0079

その後25℃環境下として3時間休止し、1Cで2.7Vまで定電流充電を行った。その後定電圧充電を電流値が0.1Cとなるまで充電を行った。環境温度を−20℃として3時間休止した後に、5Cで定電流放電し、電圧が1.7Vになるまで放電を行った。この時の放電容量を−20℃環境下における5C放電容量とした。

0080

−20℃環境下における1C放電容量に対する−20℃環境下における5C放電容量を、高電流放電時の放電容量率とした(高電流放電容量率=5C放電容量/1C放電容量X100)。実施例1の電池の高電流放電容量率は99%であった。

0081

[1C定電流定電圧充電および,1C定電流放電のサイクル評価]
かくして得られた電池を、25℃環境下にて1Cで2.7Vまで定電流充電を行った。その後定電圧充電を電流値が0.1Cとなるまで行った。30分休止した後に、1Cで電圧が1.7Vになるまで定電流放電を行い30分休止した。上記した手順の充放電を1サイクルとして、計2サイクル行いった。2サイクル目の1C定電流放電した時の容量を、45℃環境下における1C/1Cサイクル試験前の1C放電容量とした。続いて環境温度を45℃とし、上記した25℃環境下と同様の手順を1サイクルとして、1000サイクルを繰り返し行った。

0082

1000サイクル後に環境温度を25℃とし、上記した手順の充放電を計2サイクル行った。2サイクル目の1C定電流放電した時の容量を、45℃環境下における1C/1Cサイクル試験後の1C放電容量とした。45℃環境下における1C/1Cサイクル試験前に得られた1C放電容量に対して、45℃環境下における1C/1Cサイクル試験後に得られた1C放電容量を、45℃、1000サイクル後の1C放電容量回復率(1C放電容量回復率=試験後1C放電容量/試験前1C放電容量X100)としたところ、95%であった。
実施例と比較例の結果をまとめて表1に示す。

0083

(実施例2)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが99μmとなるように調整しながら正極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより正極合剤層Aを形成した後に、正極用スラリーBを、片面あたりの合剤層の厚さが1μmとなるように調整しながら正極合剤層Aの表層に塗布したこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例2の電池を作製した。

0084

(実施例3)
正極スラリーBに用いるアクリル系バインダーとして、アクリル酸メチルを重合させたアクリルモノマー重合体を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で実施例3の電池を作製した。

0085

(実施例4)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが100μmとなるように調整しながら正極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより正極合剤層Aを形成した後に、PVdFの溶液濃度が15質量%となるようにPVdFをNーメチルピロリドン中に懸濁させた、PVdF溶液を、片面あたりの厚さが1μmとなるように調整しながら、正極合剤層Aの表層に塗布し、乾燥したこと以外は実施例1と同様の手順で実施例4の電池を作製した。

0086

(実施例5)
正極スラリーAおよび正極スラリーBに含まれる正極活物質としてリチウム含有マンガン酸化物LiMnO2及びリチウムコバルト酸化物LiCoO2を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で実施例5の電池を作製した。

0087

(実施例6)
負極スラリーに含まれる負極活物質として、TiNb2O7を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で実施例6の電池を作製した。

0088

(実施例7)
負極スラリーに含まれる負極活物質として、TiO2(B)を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で実施例6の電池を作製した。

0089

(実施例8)
正極スラリーBに用いるバインダーとして、ポリビニリデンフルオライドPVdFと、アクリル酸メチルを70質量%含むアクリル系共重合体とを60:40(PVdF:アクリル系共重合体)の重量比で混合したこと以外は実施例1と同様の手順で実施例7の電池を作製した。

0090

(実施例9)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが99μmとなるように調整しながら正極集電体の両面に塗布し、乾燥することで正極合剤層Aを形成し、正極スラリーBに用いるバインダーとして、ポリビニリデンフルオライドPVdFと、アクリル酸メチルを70質量%含むアクリル系共重合体とを99.5:0.5(PVdF:アクリル系共重合体)の重量比で混合し、片面あたりの合剤層の厚さが1μmとなるように調整しながら、正極合剤層Aの表層に塗布し、乾燥したこと以外は実施例1と同様の手順で実施例8の電池を作製した。

0091

(実施例10)
正極スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが100μmとなるように調整しながら、正極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより正極合剤層を形成し、負極スラリーCを片面あたりの合剤層の厚さが60μmとなるように調整しながら、負極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより形成した負極合剤層の表層に、
負極活物質としてのスピネル型チタン酸リチウムLi4Ti5O12、導電材としての黒鉛、およびバインダーとしてのポリビニリデンフルオライドPVdFと、アクリル酸メチルを70質量%含むアクリル系共重合体とを90:10(PVdF:アクリル系共重合体)の重量比で混合したバインダーを、それぞれ、95質量%、3.5質量%、及び1.5%の混合比でNーメチルピロリドン中に懸濁させて得た、負極スラリーDを片面あたりの合剤層の厚さが35μmとなるように調整しながら、負極合剤層Cの表層に塗布し、乾燥させたこと以外は実施例1と同様の手順で実施例9の電池を作製した。

0092

(実施例11)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが80μmとなるように調整しながら正極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより正極合剤層Aを形成した後に、正極用スラリーBを、片面あたりの合剤層の厚さが20μmとなるように調整しながら正極合剤層Aの表層に塗布し、負極用スラリーCを、片面あたりの合剤層の厚さが75μmとなるように調整しながら負極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより負極合剤層Cを形成した後に、負極用スラリーDを、片面あたりの合剤層の厚さが20μmとなるように調整しながら負極合剤層Cの表層に塗布したこと以外は実施例1と同様の手順で実施例10の電池を作製した。

0093

(比較例1)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが100μmとなるように調整しながら正極集電体に塗布することにより正極合剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様の手順で比較例1の電池を作製した。

0094

(比較例2)
正極用スラリーBを、片面あたりの合剤層の厚さが100μmとなるよう調整しながら正極集電体に塗布することにより正極合剤層を形成したこと以外は、実施例1と同様の手順で比較例2の電池を作製した。

0095

(比較例3)
正極用スラリーAを、片面あたりの合剤層の厚さが50μmとなるように調整しながら正極集電体の両面に塗布し、乾燥することにより正極合剤層Aを形成した後に、正極用スラリーBを、片面あたりの合剤層の厚さが50μmとなるように調整しながら正極合剤層Aの表層に塗布したこと以外は、実施例1と同様の手順で比較例3の電池を作製した。

0096

(比較例4)
負極活物質として黒鉛を用い、黒鉛とバインダーとしてのPVdFの混合比が、95質量%および5質量%となるように混合し、負極集電体に塗布し、乾燥した後に、1.5g/ccとなるように圧延したこと以外は、実施例1と同様の手順で比較例4の電池を作製した。高電流放電時の放電容量率の測定およびサイクル評価について、充電時の上限電圧は4.2V、放電時の下限電圧は3Vとして行った。

0097

0098

実施例1〜11にて作製した電池は、高電流放電率およびサイクル後の容量回復率に優れていた。高電流放電率が優れていたことについて、PVdFにより正極活物質間の結着力が向上したことにより、導電性が向上したためであると考えられる。サイクル後の容量回復率が優れていたことについて、正極合剤層の表層にアクリル酸メチルおよびアクリル系共重合体を含むアクリル系バインダーやアクリルモノマー重合体からなるアクリル系バインダー(実施例3に記載)を含んでおり、それらが正極活物質粒子の表面を覆い、膨張収縮による正極活物質の割れや、正極活物質の割れによる導電性の低下を抑制したと考えられる。

0099

実施例5は、実施例1に比べてわずかにサイクル後の容量回復率が低くなっている。正極合剤層に含まれる正極活物質としてLiMnO2が用いられているが、LiMnO2は電解液中のLiPF6が水と反応することにより生成されるフッ化水素と反応してマンガン溶出を引き起こすことが知られており、電池全体の劣化に寄与する膨張収縮による活物質の割れや、正極活物質の割れによる導電性の低下よりも、マンガン溶出が及ぼす劣化の方が大きく影響しているためであると考えられる。
実施例6、7は、実施例1に比べてわずかにサイクル後の容量回復率が低くなっている。負極合剤層に含まれる負極活物質としてTiNb2O7ないし、TiO2(B)が用いられているが、実施例1に用いられているLi4Ti5O12に比べると充放電時の活物質の膨張収縮が大きく、膨張収縮による負極活物質の割れや、負極活物質の割れによる導電性の低下が引き起こされたと考えられる。

0100

実施例9および10にて作製した電極は、高電流放電率およびサイクル後の容量回復率に優れていた。ただし実施例1に比べるとサイクル後の容量回復率がやや低くなっている。負極にLi4Ti5O12を用いているため、活物質の膨張収縮がほとんど起こらず、電池全体の劣化に寄与する負極起因の劣化が小さいため、正極に塗布した場合に比べて効果が小さくなったためと考えられる。

0101

比較例1にて作製した電池は、実施例1〜11に記載した電池に比べて、サイクル後の容量回復率が低下していた。正極合剤層の表層に、アクリル酸メチルおよびアクリル系共重合体を含むアクリル系バインダー(実施例1および2に記載)や、アクリルモノマー重合体からなるアクリル系バインダー(実施例3に記載)によって表面が覆われた正極活物質粒子を含む正極合剤層や、PVdFを塗布して形成されるPVdF層(実施例4に記載)が存在しないため、膨張収縮による正極活物質の割れや、正極活物質の割れによる導電性の低下が生じたためであると考えられる。

0102

比較例2にて作製した電池は、実施例1〜11に記載した電池に比べて、高電流放電率が低下していた。
電極活物質合剤層全域でアクリル系バインダーが電極活物質粒子の表面を覆ってしまっているため、集電体と接する活物質を覆うアクリル系バインダーが抵抗増加の要因となったためであると考えられる。

0103

比較例3にて作製した電池は、実施例1〜10に記載した電池に比べて、高電流放電率が低下していた。電極活物質層全体に対する、アクリル系バインダーが正極活物質粒子の表面を覆ってしまっている領域が広いため、抵抗が増加し、入出力特性が低下したと考えられる。

0104

比較例4にて作製した電池は、実施例1〜11に記載した電池に比べて、サイクル後の容量回復率が低下していた。比較例3では、負極に黒鉛を用いており、SEI被膜の形成による抵抗増加や膨張収縮による負極活物質の割れや、負極活物質の割れによる導電性の低下が引き起こされる。そのため電池全体の劣化に寄与する負極起因の劣化が大きいため、正極合剤層の表層にアクリル系バインダーを含んだ際の効果が見かけ上小さくなる。実施例1〜11では、負極にLi4Ti5O12、TiNb2O7もしくはTiO2(B)を用いていており、黒鉛に比べて活物質の膨張収縮が小さく、電池全体の劣化に寄与する負極起因の劣化が小さいため、正極合剤層の表層にアクリル系バインダーを含んだ際の効果が見かけ上大きくなる。
明細書中、元素の一部は元素記号のみで表している。

0105

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0106

100…電極、1…集電体、2…電極合剤層、2A…第1領域、2B…第2領域、S1…第1面、S2…第2面、200…電極体、3…無機粒子層、300…非水電解質電池、11…外装缶、12…捲回電極群、13…正極リード、14…負極リード、15…蓋、16…正極端子、17…負極端子、18…正極バックアップリード、19…負極バックアップリード、20…正極絶縁カバー、21…負極絶縁カバー、22…正極ガスケット、23…負極ガスケット、24…安全弁、25…電解液注入口、31…正極、32…酸化物粒子層、33…負極、400…電池モジュール、401…単電池、402…正極ガスケット、403…正極端子、404…安全弁、405…負極ガスケット、406…負極端子、407…下ケース、408…上ケース、409…電源入出力用端子(正極端子)、410…電源入出力用端子(負極端子)、411…開口部、412…バスバー、413…基板、414A…正極端子、414B…負極端子、415…蓋、500…蓄電装置、501…インバーター、502…コンバーター、503…AC電源、504…負荷、600…車両、601…インバーター、602…モーター、603…車輪、700…車両、701…電気機器、702…車輪、703…発電機

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