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技術 高温ガスバルブ用のシール部品

出願人 三菱電線工業株式会社
発明者 柏原一之本田照一
出願日 2016年10月26日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-209549
公開日 2018年5月10日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-071597
状態 未査定
技術分野 密封装置
主要キーワード 両環状板 硬質マイカ 軟質マイカ 本体ハウジング内 シャフト挿 湾曲形 各補強部材 シャフト駆動機構
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年5月10日)のものです。
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図面 (15)

課題

シール部材シャフトとの間のシール性の向上。

解決手段

シャフト6との接触部を密封する第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1のシール部材8に積層される第1の補強部材9と、第2のシール部材8Aに積層される第2の補強部材9Aと、保持ケース11とを有する。シール部材はシャフトを挿通する挿通孔8aを有する。挿通孔の内径はシャフトの外径より小さい。シール部材はマイカからなる。第2の補強部材9Aはシャフトの外径より大きい挿通孔9A1を有し、かつ第1の補強部材の板厚より厚い板厚を有する。第2のシール部材はシャフトが挿入されると内径側が第2の補強部材9Aにより挿入の方向に折り曲げられて第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間内に組み込まれる。

概要

背景

内燃機関において、バタフライ弁ポペット弁等は、高温ガスバルブとして、高温ガスの吸排気に使用される。この高温ガスバルブは、弁体と、これを駆動するシャフトと、弁体を収納するハウジングと、を備える。ハウジングは、弁体を収納する本体ハウジングと、本体ハウジングとは隔壁で隔てられ、前記隔壁の開口から軸方向に延長される延長ハウジングと、を備える。

シャフトは、その一端側が延長ハウジングから前記隔壁の開口を介し本体ハウジング内に軸方向から挿入されて弁体に接続され、その他端側は延長ハウジング内を軸方向に延びてシャフト駆動機構に接続されている。

シール部品は、延長ハウジングの内周面とシャフトの外周面との間の隙間に装着され、本体ハウジング内の高温ガスが前記隔壁の開口を介してシャフト駆動機構側へ漏出しないように、前記隙間をシールする。

かかるシール部品に関連する特許文献を、以下において代表的に掲載する。

概要

シール部材とシャフトとの間のシール性の向上。シャフト6との接触部を密封する第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1のシール部材8に積層される第1の補強部材9と、第2のシール部材8Aに積層される第2の補強部材9Aと、保持ケース11とを有する。シール部材はシャフトを挿通する挿通孔8aを有する。挿通孔の内径はシャフトの外径より小さい。シール部材はマイカからなる。第2の補強部材9Aはシャフトの外径より大きい挿通孔9A1を有し、かつ第1の補強部材の板厚より厚い板厚を有する。第2のシール部材はシャフトが挿入されると内径側が第2の補強部材9Aにより挿入の方向に折り曲げられて第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間内に組み込まれる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、上記熱サイクルを受けても、シャフトとの接触部の隙間を安定してシールできるシール部品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シャフト挿通するシール部品において、前記シャフトとの接触部を密封する、マイカからなる複数のシール部材と、前記複数のシール部材のうち、第1のシール部材に積層される第1の補強部材と、前記複数のシール部材のうち、前記第1のシール部材とは別の第2のシール部材に積層される第2の補強部材と、前記各部材を積層状態で保持する保持ケースとを有し、前記各シール部材は、前記シャフトを挿通する挿通孔を有し、前記各シール部材の前記挿通孔の内径は、前記シャフトの外径より小さく、前記第2の補強部材は前記シャフトの外径より大きい挿通孔を有し、かつ、前記第1の補強部材より厚い板厚を有し、前記第2のシール部材は、前記挿通孔に前記シャフトが挿入されると、その内径側が前記第2の補強部材により前記挿入の方向に折り曲げられ、前記第2の補強部材と前記シャフトとの間の隙間内に組み込まれる、ことを特徴とするシール部品。

請求項2

前記第1のシール部材及び前記第1の補強部材は、前記挿通孔に前記シャフトを挿入したときの湾曲形状に型付けされ、前記第2の補強部材は、半径方向に平坦な形状に型付けされている、ことを特徴とする請求項1に記載のシール部品。

請求項3

前記マイカが、軟質マイカである、ことを特徴とする請求項1または2に記載のシール部品。

請求項4

前記第1の補強部材が、Fe系合金Ni系合金、Cu系合金から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシール部品。

請求項5

前記第1の補強部材は、少なくとも2層以上で前記第1のシール部材に交互に積層され、前記第2の補強部材は、前記第2のシール部材に積層されて前記保持ケースに保持されている、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシール部品。

請求項6

前記第1の補強部材の内径側には、その周方向に沿って、半径方向に切り込みが複数形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のシール部品。

請求項7

シャフトを挿通するシール部品において、前記シャフトとの接触部を密封するシール部材と、前記シール部材に積層される補強部材と、前記各部材を保持する保持ケースとを有し、前記シール部材は、前記シャフトを挿通する挿通孔を有し、前記挿通孔の内径は、前記シャフトの外径より小さく、前記シール部材は、グラファイトまたは膨張黒鉛からなる、ことを特徴とするシール部品。

請求項8

前記シール部材及び前記補強部材は、前記挿通孔に前記シャフトを挿入したときの湾曲形状に型付けされている、ことを特徴とする請求項7に記載のシール部品。

請求項9

前記補強部材が、Fe系合金、Ni系合金、Cu系合金から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項7または8に記載のシール部品。

請求項10

前記シール部材と前記補強部材とが、少なくとも2層以上で交互に積層されて前記保持ケースに保持されている、ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のシール部品。

請求項11

前記補強部材の内径側には、その周方向に沿って、半径方向に切り込みが複数形成されている、ことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載のシール部品。

技術分野

0001

本発明は、ハウジングシャフトとの間の隙間をシールするための高温ガスバルブ用のシール部品(以下、単に「シール部品」と称する。)に関するものである。

背景技術

0002

内燃機関において、バタフライ弁ポペット弁等は、高温ガスバルブとして、高温ガスの吸排気に使用される。この高温ガスバルブは、弁体と、これを駆動するシャフトと、弁体を収納するハウジングと、を備える。ハウジングは、弁体を収納する本体ハウジングと、本体ハウジングとは隔壁で隔てられ、前記隔壁の開口から軸方向に延長される延長ハウジングと、を備える。

0003

シャフトは、その一端側が延長ハウジングから前記隔壁の開口を介し本体ハウジング内に軸方向から挿入されて弁体に接続され、その他端側は延長ハウジング内を軸方向に延びてシャフト駆動機構に接続されている。

0004

シール部品は、延長ハウジングの内周面とシャフトの外周面との間の隙間に装着され、本体ハウジング内の高温ガスが前記隔壁の開口を介してシャフト駆動機構側へ漏出しないように、前記隙間をシールする。

0005

かかるシール部品に関連する特許文献を、以下において代表的に掲載する。

先行技術

0006

特開平06−129544号公報
特開平02−17271号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上述した高温ガスバルブに使用されるシール部品において、本出願人は、特願2016−101632号で、シール部材の材料に、柔軟性のあるマイカを用いたシール部品を提供している。

0008

本出願人は、かかるシール部品にあっては、高温(450℃を超える温度)に晒された後、室温付近に戻るという熱サイクルを受けると、マイカの柔軟性が損なわれ、その結果、補強部材によりシール部材をシャフトに押し付けるだけでは、シャフトとの接触部における隙間に対し、十分なシール性を得ることが困難になってくることを見出した。

0009

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、上記熱サイクルを受けても、シャフトとの接触部の隙間を安定してシールできるシール部品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提供する。
(1)第1の本発明は、
シャフトを挿通するシール部品において、
前記シャフトとの接触部を密封する、マイカからなる複数のシール部材と、
前記複数のシール部材のうち、第1のシール部材に積層される第1の補強部材と、
前記複数のシール部材のうち、前記第1のシール部材とは別の第2のシール部材に積層される第2の補強部材と、
前記各部材を積層状態で保持する保持ケースとを有し、
前記各シール部材は、前記シャフトを挿通する挿通孔を有し、
前記各シール部材の前記挿通孔の内径は、前記シャフトの外径より小さく、
前記第2の補強部材は前記シャフトの外径より大きい挿通孔を有し、かつ、前記第1の補強部材より厚い板厚を有し、
前記第2のシール部材は、前記挿通孔に前記シャフトが挿入されると、その内径側が前記第2の補強部材により前記挿入の方向に折り曲げられ、前記第2の補強部材と前記シャフトとの間の隙間内に組み込まれる、
ことを特徴とする。

0011

好ましくは、前記第2のシール部材は、前記第2の補強部材と前記シャフトとの間の隙間に対して、当該隙間が無くなる程度に圧縮された状態で組み込みが可能な板厚を有する。

0012

好ましくは、前記第2の補強部材は、前記シャフトと同じ材質金属材料で構成される。前記第2の補強部材と前記シャフトとが同じ金属材料で構成されると、前記熱サイクル環境下において、前記第2の補強部材と前記シャフトとの間の隙間の大きさの変化が小さくなるか、実質無くなるので、前記隙間は、当該隙間に組み込まれている前記第2のシール部材の内径側により、その密封性が長期に維持される。

0013

第1の本発明によれば、シール部材が耐熱性に優れたマイカからなるので、高温環境下でも前記シャフトとの接触部における密封状態を安定して維持することができる。また、第1の補強部材による第1のシール部材のシャフトへの押し付け力(密着力)が増し、シャフトとの接触部におけるシール性が向上する。

0014

第1の本発明では、第1のシール部材の材料にマイカを使用していることで、上述のように、高温環境下でも第1のシール部材のシャフトへの押し付け力(密着力)が増し、接触部におけるシール性が向上するという効果を得られるが、その反面、第1のシール部材は、線膨張係数が小さいため、以下において改良すべき点がある。

0015

すなわち、高温側(450℃を超える温度)から低温側(450℃以下)に温度が変化する熱サイクルを受ける環境下におかれると、シャフトが膨張収縮して第1のシール部材の挿通孔が押し広げられて次第に大きくなる。

0016

そのため、その後、高温側から低温側、例えば、室温に戻ってシャフトが当初の外径に収縮しても、第1のシール部材が線膨張係数が小さいために、第1のシール部材の挿通孔が、十分には収縮できなくなる。その結果、第1のシール部材のシャフトへの押し付け力(密着力)が減り、そのシール性が低下してくるようになる。

0017

このような場合、第1の本発明によれば、前記第1のシール部材とは別の第2のシール部材に積層される前記第2の補強部材の板厚が前記第1の補強部材のそれよりも厚くされているので、前記熱サイクルを受ける環境下であっても、第2のシール部材の内径側は、第2の補強部材とシャフトとの間の隙間に、組み込まれた状態に維持される。

0018

そのため、第1のシール部材の挿通孔が十分に収縮できなくなっても、前記第2の補強部材と前記シャフトとの間の隙間は、前記組み込まれた第2のシール部材の内径側でもって、密封状態が維持され、上記熱サイクルを受けても、シール性が確保される。

0019

好ましくは、前記第1のシール部材及び前記第1の補強部材は、前記挿通孔に前記シャフトを挿入したときの形状に型付けされ、前記第2の補強部材は、半径方向に平坦な形状に型付けされている。

0020

好ましくは、前記マイカが軟質マイカである。

0021

好ましくは、前記第1の補強部材が、Fe系合金Ni系合金、Cu系合金から選ばれる少なくとも1種である。

0022

好ましくは、前記第1の補強部材は、少なくとも2層以上で前記第1のシール部材に交互に積層され、前記第2の補強部材は、前記第2のシール部材に積層されて前記保持ケースに保持されている。

0023

前記第1の補強部材の内径側に、その周方向に沿って、半径方向に切り込みを複数形成した形態でもよい。

0024

好ましくは、前記第1の補強部材は、前記シャフトが挿通する挿通孔を有し、シャフト挿通前の前記第1のシール部材の孔径をD1a、前記第1の補強部材の孔径をD3a、前記シャフトの外径をD2として、D1a<D2であれば、前記第1のシール部材の孔径D1aと前記第1の補強部材の孔径D3aとの関係は、D1a=D3a、D1a<D3aの何れでもよい。

0025

シャフト挿通後は、D1b=D2で、D3b>D2であればよく、つまりは第1のシール部材は、シャフトの外周に接触(密封状態を維持)しており、第1の補強部材は、シャフトの外周と接触していないことである。
(2)第2の本発明は、
シャフトを挿通するシール部品において、
前記シャフトとの接触部を密封するシール部材と、
前記シール部材に積層される補強部材と、
前記各部材を保持する保持ケースとを有し、
前記シール部材は、前記シャフトを挿通する挿通孔を有し、
前記挿通孔の内径は、前記シャフトの外径より小さく、
前記シール部材は、グラファイトまたは膨張黒鉛からなる、
ことを特徴とする。

0026

第2の本発明によれば、シール部材が耐熱性に優れたグラファイトや膨張黒鉛からなるので、高温環境下でも前記シャフトとの接触部における密封状態を安定して維持することができる。また、シール部材に第1の補強部材が積層されているので、シール部材のシャフトへの押し付け力(密着力)が増し、接触部におけるシール性が向上する。

0027

また、第2の本発明では、シール部材の材料にマイカよりも線膨張係数が大きく、より剛性の低いグラファイトや膨張黒鉛を使用しているので、上述の熱サイクルを受ける環境下におかれて、シャフトが膨張収縮しても、その膨張収縮にシール部材の挿通孔の孔径が追従して変化し、その後、例えば室温に戻ってシャフトが当初の外径に収縮しても、シール部材の挿通孔は、十分に収縮できる結果、シール部材のシャフトへの押し付け力(密着力)は維持され、シール部材のシール性を確保することができる。

0028

好ましくは、前記シール部材及び前記補強部材は、前記挿通孔に前記シャフトを挿入したときの湾曲形状に型付けされている。

0029

好ましくは、前記補強部材が、Fe系合金、Ni系合金、Cu系合金から選ばれる少なくとも1種である。

0030

好ましくは、前記シール部材と前記補強部材とが、少なくとも2層以上で交互に積層されて前記保持ケースに保持されている。

0031

好ましくは、前記補強部材の内径側には、その周方向に沿って、半径方向に切り込みが複数形成されている。

発明の効果

0032

本発明によれば、熱サイクルを受けても、シャフトとの接触部の隙間を安定してシールできるシール部品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0033

本発明の実施形態1に係るシール部品を備えた高温ガスバルブの概略側面断面図。
図1の概略平面図。
本発明のシール部品を高温ガスバルブのハウジングとシャフトとの間の隙間に組み込む例を示すもので、シャフトがシール部材の挿通孔に挿入される前の概略図。
図3の状態からシャフトがシール部材の挿通孔に挿入された状態を示す概略図。
(a)シャフト挿通前のシール部材の孔径と、補強部材の孔径と、シャフトの外径との関係を示す図、(b) シャフト挿通後のシール部材の孔径と、補強部材の孔径と、シャフトの外径との関係を示す図。
本発明の実施形態2に係るシール部材の平面図。
本発明の実施形態3に係る第1の補強部材の平面図。
本発明の実施形態4に係るシール部品を備えた高温ガスバルブの概略側面断面図。
図8の概略平面図。
本発明のシール部品を高温ガスバルブのハウジングとシャフトとの間の隙間に組み込む例を示すもので、シャフトがシール部材の挿通孔に挿入される前の概略図。
図10の状態からシャフトがシール部材の挿通孔に挿入された状態を示す概略図。
(a)シャフト挿通前のシール部材の孔径と、補強部材の孔径と、シャフトの外径との関係を示す図、(b) シャフト挿通後のシール部材の孔径と、補強部材の孔径と、シャフトの外径との関係を示す図。
本発明の実施形態5に係るシール部材の平面図。
本発明の実施形態6に係る補強部材の平面図。

実施例

0034

以下、本発明の実施形態に係るシール部品を説明する。

0035

(実施形態1)
図1及び図2を参照して、実施形態1を説明する。図1はシール部品と、高温ガスバルブとの概略的な側面断面図であり、図2は、図1の概略的な平面図である。これらの図において、符号1は、内燃機関における吸気ガス排気ガス通路に配置されるバタフライ弁やポペット弁等の高温ガスバルブを示す。

0036

高温ガスバルブ1は、ハウジング2を備える。ハウジング2は、本体ハウジング2aと、延長ハウジング2bとを有する。本体ハウジング2aと延長ハウジング2bとの間にはこれらを仕切る隔壁3が設けられている。隔壁3は、必ずしも、必須ではなく、隔壁3がない高温ガスバルブにも本発明のシール部品を適用することができる。

0037

高温ガスバルブ1においては、本体ハウジング2b内のガス温度は600℃以上、900℃以下であり、延長ハウジング2a内のガス温度は、500℃以上、800℃以下である。

0038

本体ハウジング2aは、高温ガスの吸気や排気の通路側5に配置され、内部に弁体(図示略)が設けられる。延長ハウジング2bの内部は、シャフト6が挿入されるシャフト駆動機構側4となる。

0039

シャフト6は、延長ハウジング2a内を回転や往復運動を行うことで弁体を駆動するシャフトであり、シャフト6の下方の一端側6aは、隔壁3の開口3aを介して、通路側5内の弁体(図示略)に接続され、上方の他端側6bは、延長ハウジング2a外へ延び、シャフト駆動機構(図示略)に接続されている。

0040

シャフト6は、高温ガスバルブ1が、バタフライ弁であるときはハウジング2内を軸線周り回転駆動し、ポペット弁であるときは、ハウジング2内を軸方向に往復駆動する。

0041

シール部品7は、延長ハウジング2a内に配置されて、隔壁3の開口3aから延長ハウジング2a内に入り込んだ本体ハウジング2b内の高温ガスが、延長ハウジング2aとシャフト6との間の隙間から延長ハウジング2a外のシャフト駆動機構側4へと漏出しないように、該隙間を軸方向内外でシールする部品である。

0042

シール部品7は、環状で厚肉の複数、実施形態では2つの第1のシール部材8と、環状で薄肉の1つの第2のシール部材8Aと、環状で薄肉の複数、実施形態では2つの第1の補強部材9と、環状で厚肉の1つの第2の補強部材9Aと、環状のスペーサ10と、これらを収納保持する円筒状の保持ケース11とを備える。スペーサ10は、シール部品7として必須のものではなく、必要に応じて使用される。

0043

第1のシール部材8は、半径方向に均等な厚さの部材であり、半径方向中央に挿通孔8aを有する。また、第2のシール部材8Aは、半径方向に均等な厚さで第1のシール部材8よりも薄肉とされた部材であり、半径方向中央に挿通孔8aを有する。ただし、これら第1及び第2のシール部材8、8Aの厚さは半径方向に均等な厚さの部材には限定されない。

0044

第1及び第2のシール部材8、8Aそれぞれの挿通孔8aの孔径は、それにシャフト6が挿入されていないときは、シャフト6の外径より小さい。

0045

第1及び第2のシール部材8、8Aそれぞれは、内径側8bと、外径側8cとを含む。シャフト6が、第1及び第2のシール部材8、8Aそれぞれの挿通孔8aに対して、図中の下側から上側へ挿入されると、第1のシール部材8それぞれの内径側9bは、シャフト6の挿入方向に湾曲する形態で変形してシャフト6に密着し、第1のシール部材8それぞれの挿通孔8aとシャフト6との間の隙間をシールする。

0046

第1のシール部材8は、挿通孔8aにシャフト6が挿入されていない状態でそれぞれの半径方向の長さは、挿通孔8aにシャフト6が挿入されて変形する場合に、挿通孔8aの内壁が、シャフト6に十分に密着して前記隙間をシールできる長さに設定する。

0047

第2のシール部材8Aは、第1のシール部材8よりも、上記のように、その厚さが薄くされていることにより、その内径側8bがシャフト6の挿入方向に折れ曲がり易くされている。

0048

第1及び第2のシール部材8、8Aは、その全体が、非有機系で耐熱性を有する材料、例えば500℃以上の耐熱性を有する材料で構成される。

0049

第1及び第2のシール部材8、8Aの材料は、シール性、耐熱性、断熱性、柔軟性、等に優れた材料であれば、特に限定されないが、代表的に、マイカが好ましく、マイカには、硬質マイカ、軟質マイカを含む。中でも、軟質マイカが耐熱性の点で、より好適である。軟質マイカの一般特性は、JIS C 2116に準拠して測定した例として、呼び厚さ(mm)0.15のものでは、見かけ密度(kg/mm3)2.11×103、加熱減量(%)2.81、引っ張り強さ(N/10mm幅)60、絶縁破壊強さ(kV/mm)35であり、また、呼び厚さ(mm)0.30のものでは、見かけ密度(kg/mm3)2.11×103、加熱減量(%)2.64、引っ張り強さ(N/10mm幅)83、絶縁破壊強さ(kV/mm)36である。

0050

かかる軟質マイカは900℃程度の耐熱性があり、温度変化に対して寸法的に安定し、高温ガスバルブ用のシール材として好ましい。

0051

軟質マイカには、金雲母(マグネシアマイカ、フロパイト)がある。

0052

第1及び第2のシール部材8、8Aは、それぞれの挿通孔8aに、シャフト6が挿入されたときに、その内径側8bがその挿入の方向に破損することなくスムーズに変形できる可撓性や、柔軟性を有する必要がある。

0053

第1のシール部材8はまた、シャフト6をしなやかに抱き込むことが求められるため、薄いものが好ましい。

0054

特に、第1のシール部材8は、薄すぎると、シャフト6に対する接触面積が減って、そのシール性能が低下し、また、シャフト6の挿入時や運動時に破損するおそれがある。

0055

そのため、第1のシール部材8の厚さは、材質にもよるが、材料に軟質マイカを用いるのであれば、0.05mm以上、2mm以下の範囲が好ましく、0.1mm以上、1mm以下の範囲の厚さが、より好ましい。

0056

第1の補強部材9は、第1のシール部材8よりも板厚が薄く、シャフト6が挿入されていない状態では半径方向に均等な厚さの部材であり、半径方向中央に、シャフト6と同心の挿通孔9aを有する。ただし、第1の補強部材9の厚さは半径方向に均等な厚さの部材には限定されない。

0057

第1の補強部材9は、第1のシール部材8の内径側8bの変形により、その内径側9bが湾曲するように変形すると共に、第1のシール部材8の内径側8bの軸方向に変形した形態を保持しつつ、当該内径側8bをシャフト6に押し付け、第1のシール部材8のシール状態補強する。

0058

そのため、第1の補強部材9の材料には、所要硬度弾性を有する金属材料が好ましい。また、第1の補強部材9の材料として500℃以上の高温に対して耐熱性を有する金属材料が好ましい。これら金属材料には、Fe系合金、Ni系合金、Cu系合金、等があり、実施形態では少なくともこれらのうちの1種の金属材料を選択することができる。

0059

Fe系合金には、Fe-Cr系合金(SUS303合金、SUS304合金等のステンレス鋼)があり、
Ni系合金には、Ni−Fe−Cr系合金(インコネル)があり、Cu系合金には、Cu−Ni−Fe−Mn系合金がある。

0060

第1の補強部材9は、第1のシール部材8の変形に伴い、変形し易い柔軟性を有する一方で、第1のシール部材8の内径側8bの変形した形態を保持しつつ、弾性復元力で第1のシール部材8をシャフト6に押し付けるため、その厚さは、ステンレス鋼であれば、0.01mm以上、0.1mm以下の範囲が好ましく、実施形態では、厚さが0.05mm程度のステンレス鋼からなる金属材料で構成されている。

0061

第1の補強部材9は、複数、実施形態では2つからなり、内径側9bと、外径側9cとを含む。第1の補強部材9は、第1のシール部材8に交互に積層されている。

0062

第2の補強部材9Aは、第2のシール部材8A上に積層されている。第2の補強部材9Aは、第1の補強部材9よりも、板厚が厚く、その上下両面が半径方向に均等な厚さの平坦な平板であり、半径方向中央に、シャフト6と同心の挿通孔9A1を有する。

0063

第2の補強部材9Aの挿通孔9a1の孔壁円周方向に平滑な壁面である必要はなく、図示しないが、凹凸を有する壁面でもよい。かかる凹凸を有すると、後述のように第2のシール部材8Aの内径側が、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間に組み込まれると、第2のシール部材8Aの内径側は第2の補強部材9Aの挿通孔8aの孔壁との摩擦により前記隙間から抜け出にくくなる。その結果、第2のシール部材8Aの内径側の前記組み込み状態が良好に維持されて、該隙間の密封性の維持に好ましい。

0064

第2の補強部材9Aは、挿通孔9A1にシャフト6が挿入されても湾曲しない剛性を有し、図1に示すように、シャフト6が挿入されている状態では、第1の補強部材9が湾曲していても、半径方向に平板状態を維持し、挿通孔9A1の孔壁とシャフト6との間の隙間に、第2のシール部材8Aの内径側がシャフト6の挿入方向に折り曲げられて組み込まれている。

0065

第2の補強部材9Aの材料は、シャフト6と同じ材質の金属材料が好ましい。第2の補強部材9Aとシャフト6それぞれを構成する金属材料としては、Fe系合金があり、実施形態では、少なくとも、これらのうちの1種の金属材料を選択することができる。この金属材料のうち、Fe系合金には、Fe−Cr系合金があり、Fe−Cr系合金には、SUS316や、SUS304がある。

0066

第2の補強部材9Aは、その板厚は、Fe系合金であれば、0.5mm以上、5mm以下の範囲が好ましく、実施形態では、厚さが1mm程度のFe系合金からなる金属材料で構成されている。

0067

第1及び第2の補強部材9、9Aは、シャフト6の挿入方向に対して、層ごとに、第1及び第2のシール部材8、8Aの上側に位置する。

0068

第1の補強部材9は、それぞれ、その直下の第1のシール部材8と1セットとなって組合せされ、第2の補強部材9Aは第2のシール部材8Aと1セットとなって組合せされ、都合、3セットの組合せとされている。

0069

図1中、第1の補強部材9は、第1のシール部材8をシャフト6に押し付ける方向に作用する。これにより、シャフト6と第1のシール部材8との隙間は密封される。第2の補強部材9Aの挿通孔9A1に第2のシール部材8Aの内径側が圧入されていることにより、第2の補強部材9Aの挿通孔9A1とシャフト6との隙間は、第2のシール部材8Aの内径側で密封される。

0070

このように第1のシール部材8の内径側8bそれぞれの内端部は、肉厚方向の全体にわたり、第1の補強部材9により、肉厚方向において隙間無く連続的に湾曲した形態を保持して、シャフト6に密着するよう押し付けられ、これにより、第1のシール部材8それぞれの挿通孔8aとシャフト6との間の隙間のシール性が高められている。

0071

挿通孔8aにシャフト6が挿入されていない状態で、第1の補強部材9の内径側9bの半径方向の長さは、挿通孔8aにシャフト6が挿入されて第1のシール部材8の内径側8bが変形する場合に、第1のシール部材8それぞれの内径側8bをシャフト6に押し付けて、シャフト6に十分に密着させることができる長さに設定する。

0072

第1のシール部材8は、厚肉であるが、軟質マイカからなり柔軟である一方、第1の補強部材9は厚さが薄いものの、金属材料からなる。そのため、第1のシール部材8の内径側8bは、第1の補強部材9の弾性復元力で、シャフト6に密着するように押し付けられ、そのシール性能が高められている。

0073

そして、第1の補強部材9の内径側9bは、第1のシール部材8の内径側8bの変形と共に、その形状が連続した湾曲形状に変形する柔軟性を有する一方で、高温ガスバルブの延長ハウジング2a内の500℃以上の高温の環境下でも、弾性を発現して、第1のシール部材8の内径側8bの連続的に湾曲した形態を保持して、第1のシール部材8の内径側8bをシャフト6に押し付けている。

0074

なお、第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aとを保持ケース11に収納保持したシール部品7においては、シャフト6と同寸法、同形状の模擬シャフトを挿通孔8aに挿入し、第1及び第2のシール部材8、8A、第1及び第2の補強部材9、9Aを図1の形状に予め型付けを施しておき、その型付けされたシール部品7の挿通孔8aにシャフト6を挿入できるようにしてもよい。このようにシール部品7を予め型付けしていると、ハウジング1内にシール部品7を組み付け易くなる。また、型付けすることで、シャフトへの挿通する向きが明確になり、シャフトへの誤装着を低減できる。

0075

スペーサ10は、500℃以上の高温に対して耐熱性を有し、かつ、軸方向に圧縮力を付与できる材料であればよく、例えば、ステンレス鋼、黒鉛セラミック、等で製作することができる。

0076

保持ケース11は、耐熱性の材料、好ましくは、金属材料からなる。この金属材料には、例えば、ステンレス鋼が好ましい。金属以外の材料には、セラミック等がある。

0077

保持ケース11は、挿通孔11aを有する通路側5の環状板部11bと、シャフト駆動機構側4の環状板部11cと、両環状板部11b,11cの半径方向外周側を軸方向に延びる円筒体部11dとから構成される。

0078

環状板部11bと円筒体部11dとは、一体成形され、環状板部11cは、円筒体部11dと一体成形される。

0079

環状板部11cは、上記では、円筒体部11dとは一体としたが、円筒体部11dと別体でもよい。別体の場合、環状板部11cは、円筒体部11dの内周面に形成されたネジ溝(図示略)にネジ込まれるか、あるいは、かしめ付けされることによって、円筒体部11dに装着される。

0080

シール部品7の組み立ては、例えば、環状板部11bの底面上に、第2のシール部材8Aと、第2の補強部材9Aと、第1のシール部材8と、第1の補強部材9とを積層し、その上にスペーサ10をかしめつけるか、または、ねじ込ませればよい。

0081

また、第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aとを1組の部品として予め積層した積層部品とし、これら積層部品をスペーサ10と共に、保持ケース11内に収納保持してもよい。第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aの積層数は、実施形態に限定されない。

0082

スペーサ10は、保持ケース11に、図示の位置に1つ組み込まれているが、その組み込みの個数及び態様は、実施形態に限定されない。

0083

スペーサ10は、保持ケース11内に組み込まれた状態で、弾性的に圧縮変形し、保持ケース11内における第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aとの支持の安定性を補強できるようにしている。

0084

シール部品7は、保持ケース11内に第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aと、スペーサ10とを組み込んだ状態で、延長ハウジング2aの内部に圧入等によって、隔壁3上に載置されてもよいし、延長ハウジング2aの内部で組み込んでもよい。

0085

ハウジング2に対するシール部品7の密閉装着は、例えば、保持ケース11の円筒体部11dの外周面に環状溝(図示略)を形成し、この環状溝に金属製のOリング(図示略)を装着し、このOリングで密閉してもよい。

0086

以上の構成を備えたシール部品7は、ハウジング2とシャフト6との間の隙間に組み込まれた状態では、保持ケース11は、ハウジング2の内部に密閉状態で装着され、保持ケース11の挿通孔11aに、シャフト6が非接触の状態で貫通挿入されている。

0087

そして、第1のシール部材8は、保持ケース11に密閉状態で収納支持され、その支持状態で、第1のシール部材8の挿通孔8aにシャフト6が挿入された状態で、第1のシール部材8の内径側8bがシャフト6の挿入方向に変形してシャフト6に密着して、前記隙間を軸方向内外でシールする。

0088

このように第1の補強部材9により、第1のシール部材8の内径側8bは、シャフト6の外周面に押し付けられる。そのため、第1のシール部材8の内径側8bのシャフト6に対する密着性が安定して維持されるようになる結果、第1のシール部材8のシール性能を長期に亘り安定して確保することができる。

0089

また、第2の補強部材9Aの板厚が第1の補強部材9のそれよりも厚くされ、挿通孔9A1にシャフト6が挿入されると、シャフト6との間の隙間に、下層の第2のシール部材8Aの内径側がシャフト6挿入方向に折り曲げられて組み込まれた状態になっている。そのため、上層中層の第1のシール部材8の挿通孔8aが十分に収縮できなくなっても、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間は、下層の第2のシール部材8Aの内径側の上記組み込みでもって、密封状態が維持されるので、低温と高温の熱サイクルを繰り返し受けても、シール性が確保される。

0090

以上の構成を備えたシール部品7によれば、ガス温度が600℃以上、900℃以下となる内燃機関の高温ガスバルブにおいて、ハウジング2とシャフト6との隙間周辺が、500℃以上の高温環境にあっても、有機系材料を用いず、また、金属製のOリングを使用せずに、シャフト6がハウジング2内を回転したり往復運動したりする環境下でも、ハウジング2とシャフト6との間の隙間をシールすることができる。

0091

図3及び図4を参照して、高温ガスバルブへのシール部品7の組み込みを説明すると、図3の状態では、シール部品7は、ハウジング2に装着された状態で、シャフト6は第1及び第2のシール部材8、8Aの挿通孔8aに挿入されていない。第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aそれぞれは、スペーサ10と共に、保持ケース11に保持されている。

0092

この保持の状態で、第1及び第2のシール部材8、8Aの内径側及び第1の補強部材9の内径側は、シャフト6の外周面の内方側に突出している。第2の補強部材9Aの内径側はシャフト6の外周面の内方に突出していない。

0093

シャフト6が、第1のシール部材8それぞれの挿通孔8aに挿入されると、第1のシール部材8それぞれの内径側8bは、図4に示すように、シャフト6に接触しつつ、シャフト6の挿入方向に変形させられ、シャフト6の外周面に密着する。

0094

この密着の状態で、第1の補強部材9それぞれの内径側は第1のシール部材8それぞれの内径側の変形に伴って弾性変形または塑性変形して、第1のシール部材8それぞれの内径側8bをシャフト6の外周面に押し付けた状態になっている。

0095

そのため、シャフト6が運動しても、第1のシール部材8それぞれの内径側8bが過度に変形しすぎるようなことがなく、ハウジング2とシャフト6との間の隙間は安定してシールされる。

0096

また、第2の補強部材9Aは、板厚が第1の補強部材9よりも厚く、かつ、シャフト6と同材質であるので、第2の補強部材9Aは、第1のシール部材8及び第1の補強部材9それぞれの内径側が軸方向に変形しても、半径方向全体にわたり、軸方向に変形せず、半径方向に平坦な状態を維持し、その内径側とシャフト6の間の隙間に第2のシール部材8の内径側が隙間無く組み込まれた状態を維持している。

0097

これにより、シャフト6が膨張収縮を繰り返した後、その外径が元の状態に戻った際、第1のシール部材8の挿通孔8aが十分に収縮できず、押し広げられた状態となっても、第2の補強部材9Aの内径側とシャフト6との間の隙間に、第2のシール部材8の内径側が組み込まれた状態が維持されているので、前記隙間が密封され、前記隙間のシール性は確保される。

0098

なお、第1のシール部材8の内径側8bは、それらの挿通孔8aにシャフト6が挿入される前に予め、図4のように変形していてもよい。

0099

なお、シール部品7は、シャフト6に対して矢印の方向に挿入される。

0100

図5(a)に示すように、シャフト6の挿通前の第1及び第2のシール部材8、8Aの孔径をD1a、第1の補強部材9の孔径をD3a、第2の補強部材9Aの孔径をD4、シャフト6の外径をD2とする。

0101

また、図5(b)に示すように、シャフト6の挿通後の第1のシール部材8の孔径をD1b、第1の補強部材9の孔径をD3b、シャフト6の外径をD2とする。

0102

図5(a)において、シャフト6の挿通前の第1のシール部材8の孔径D1aと、シャフト6の外径D2との関係は、D1a<D2であり、第1のシール部材8の孔径D1aと第1の補強部材9の孔径D3aとの関係は、D1a<D3a、D1a=D3aの何れでもよい。

0103

また、第2の補強部材9Aの孔径D4は、シャフト6の外径D2に対して、D4>D2である。

0104

第2のシール部材8Aの内径側が、シャフト6の外周面と第2の補強部材9Aの挿通孔9A1との間の隙間に対して、容易に当該隙間から抜け出ないように組み込むため、第2のシール部材8Aの板厚は、前記隙間より大きい。この組み込みの状態で、第2のシール部材8Aの内径側は、半径方向に圧縮された状態(圧入状態)となることが好ましい。

0105

そのため、第2のシール部材8Aは、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間に対して、当該隙間が無くなる程度に圧縮された状態で組み込みが可能な板厚を有することが好ましい。

0106

前記隙間が、0.1mm以上、0.5mm以下であれば、第2のシール部材8Aの板厚は、前記隙間の1.1倍以上、2倍以下が好ましい。

0107

第2の補強部材9Aは、シャフト6と同じ材質の金属材料で構成されることが好ましい。第2の補強部材9Aとシャフト6とが同じ金属材料で構成されると、前記熱サイクル環境下において、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間の大きさの変化が小さくなるか、実質無くなるので、前記隙間は、当該隙間に組み込まれている第2のシール部材8Aの内径側8bにより、その密封性が長期に維持される。

0108

そのため、第2の補強部材9Aとシャフト6は、Fe系合金等の金属材料から構成されることが好ましく、特に、ステンレス鋼が、耐食性の理由で好ましい。

0109

シャフト6の挿通前の第1のシール部材8の孔径D1aと、シャフト6の外径D2との関係は、D1a<D2なので、シャフト6の挿通後は、上層と中層の各シール部材8は湾曲(変形)し、それに追随するように第1の補強部材9が湾曲(変形)する。この場合、第2の補強部材9Aは、変形しない。

0110

第2のシール部材8Aはその内径側が第2の補強部材9Aにより、上方に折り曲げられ、第2のシール部材8Aの挿通孔8aへのシャフト6の挿入と共に、第2の補強部材9Aの挿通孔9A1とシャフト6との隙間に組み込まれる。

0111

図5(b)に示すように、シャフト6の挿通後の第1のシール部材8の孔径D1bは、シャフト6の外径D2に等しく、D1b=D2となる。第1の補強部材9は第1のシール部材8の湾曲(変形)に伴い、湾曲(変形)するので、湾曲(変形)後の第1の補強部材9の孔径D3bは、シャフト6の挿通前の第1の補強部材9の孔径D3aに対して、D3b>D2の関係となっていればよい(接触しなければよい)。

0112

第2の補強部材9Aは、図5(a)から図5(b)のように第1の補強部材9が湾曲しても、湾曲変形することはなく、内径側とシャフト6との間の隙間は、その隙間に組み込まれている第2のシール部材8の内径側により密封されている。

0113

(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るシール部品の平面図である。実施形態2のシール部品1は、第1及び第2のシール部材8、8Aと、第1及び第2の補強部材9、9Aとを備え、これらは、保持ケース(図6では図示略)により保持される。実施形態1の第1の補強部材9は、挿通孔9aを有する環状の部材であったが、実施形態2の第1の補強部材9は、挿通孔はなく、第1のシール部材8をシャフト6に押し付けることができるように、第1のシール部材8の周囲に周方向均等間隔で配置されている。

0114

(実施形態3)
図7を参照して、実施形態3を説明すると、実施形態3のシール部品1においては、第1の補強部材9の内径側9bに、半径方向に切り込み9dが、周方向等間隔に、複数形成されている。この切り込み9dによって、第1の補強部材9の内径側9bの軸方向への変形が容易となり、そのため、第1の補強部材9の型付けが容易となる。加えて、補強部材のバネ性向上が期待できシール性が向上する利点がある。なお、第1の補強部材9それぞれの切り込み9dの切り込み位置は、第1の補強部材9ごとに、平面視において円周方向等間隔にずらしてもよい。

0115

以上により、実施形態1ないし3によれば、第1のシール部材8が耐熱性に優れたマイカからなるので、高温環境下でもシャフト6との接触部における密封状態を安定して維持することができる。また、第1の補強部材9による第1のシール部材8のシャフト6への押し付け力(密着力)が増し、シャフト6との接触部におけるシール性が向上する。

0116

また、第1のシール部材8の材料にマイカを使用して、その線膨張係数が小さくて、高温側(450℃を超える温度)から低温側(450℃以下)に温度が変化する熱サイクルを受ける環境下におかれて、第1のシール部材8の挿通孔8aが熱サイクルで十分に収縮できなくなっても、第2のシール部材8の内径側は、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間に組み込まれた状態を維持される。

0117

そのため、第2の補強部材9Aとシャフト6との間の隙間は、第2のシール部材8Aの内径側でもって、密封状態が維持され、そのシール性が確保される。

0118

(実施形態4)
図8及び図9を参照して、実施形態4を説明する。図8はシール部品と、高温ガスバルブとの概略的な側面断面図であり、図9は、図8の概略的な平面図である。これらの図において、符号1は、内燃機関における吸気ガスや排気ガスの通路に配置されるバタフライ弁やポペット弁等の高温ガスバルブを示す。

0119

高温ガスバルブ1は、ハウジング2を備える。ハウジング2は、本体ハウジング2aと、延長ハウジング2bとを有する。本体ハウジング2aと延長ハウジング2bとの間にはこれらを仕切る隔壁3が設けられている。隔壁3は、必ずしも、必須ではなく、隔壁3がない高温ガスバルブにも本発明のシール部品を適用することができる。

0120

高温ガスバルブ1においては、本体ハウジング2b内のガス温度は600℃以上、900℃以下であり、延長ハウジング2a内のガス温度は、500℃以上、800℃以下である。

0121

本体ハウジング2aは、高温ガスの吸気や排気の通路側5に配置され、内部に弁体(図示略)が設けられる。延長ハウジング2bの内部は、シャフト6が挿入されるシャフト駆動機構側4となる。

0122

シャフト6は、延長ハウジング2a内を回転や往復の運動を行うことで弁体を駆動するシャフトであり、シャフト6の下方の一端側6aは、隔壁3の開口3aを介して、通路側5内の弁体(図示略)に接続され、上方の他端側6bは、延長ハウジング2a外へ延び、シャフト駆動機構(図示略)に接続されている。

0123

シャフト6は、高温ガスバルブ1が、バタフライ弁であるときはハウジング2内を軸線周りに回転駆動し、ポペット弁であるときは、ハウジング2内を軸方向に往復駆動する。

0124

シール部品7は、延長ハウジング2a内に配置されて、隔壁3の開口3aから延長ハウジング2a内に入り込んだ本体ハウジング2b内の高温ガスが、延長ハウジング2aとシャフト6との間の隙間から延長ハウジング2a外のシャフト駆動機構側4へと漏出しないように、該隙間を軸方向内外でシールする部品である。

0125

シール部品7は、環状で厚肉のシール部材8と、環状で薄肉の補強部材9と、環状のスペーサ10と、これらを収納保持する円筒状の保持ケース11とを備える。スペーサ10は、シール部品7として必須のものではなく、必要に応じて使用される。

0126

シール部材8は、複数、実施形態では3つからなり、シャフト6が挿入されていない状態では半径方向に均等な厚さの部材であり、半径方向中央に挿通孔8aを有する。ただし、シール部材8の厚さは半径方向に均等な厚さの部材には限定されない。挿通孔8aの孔径(D1)は、それにシャフト6が挿入されていないときは、シャフト6の外径(D2)より小さい。

0127

シール部材8は、内径側8bと、外径側8cとを含む。シャフト6が、挿通孔8aに対して、下側から上側へ挿入されると、シール部材8の内径側9bは、シャフト6の挿入方向に湾曲する形態で変形してシャフト6に密着し、挿通孔8aとシャフト6との間の隙間をシールする。1つのシール部材8の内径側8bの内端部は、肉厚方向に全体が一様に湾曲する形態で、シャフト6の外周面に密着していると共に、3つのシール部材8それぞれの内径側8b同士も、肉厚方向に全体が一様に湾曲する形態で連続しているため、前記隙間のシール性が高められた形態となっている。

0128

挿通孔8aにシャフト6が挿入されていない状態でのシール部材8の内径側8bの半径方向の長さは、挿通孔8aにシャフト6が挿入されて変形する場合に、内径側8bの内端部(挿通孔8aの内周壁部)が、シャフト6に十分に密着して前記隙間をシールできる長さに設定する。

0129

シール部材8は、その全体が、非有機系で耐熱性を有する材料、例えば450℃以上の耐熱性を有する材料で構成される。

0130

シール部材8の材料は、シール性、耐熱性、断熱性、柔軟性、等に優れた材料であれば、特に限定されないが、代表的にグラファイトや膨張黒鉛を挙げることができる。グラファイトや膨張黒鉛は、他の非有機系耐熱材料(例えばマイカ)に比べるとしなやかである。

0131

剛性の硬いシール部材の場合、一度、高温にさらされてシャフト6の熱膨張によって、挿通孔が押し広げられたのちに、室温に戻った際には、第1の補強部材9のバネ性によっても、孔径が縮径しにくく、室温での排気ガスの漏れ量が多くなることが懸念される。

0132

これに対して、グラファイトや膨張黒鉛では、しなやかであるが故に、室温に戻った際に、元の孔径に戻り易く、室温での排気ガスの漏れ量が低減することが期待できる。

0133

シール部材8は、挿通孔8aに、シャフト6が挿入されたときに、内径側8bがその挿入の方向に破損することなくスムーズに変形できる可撓性や、柔軟性を有する必要がある。シール部材8はまた、シャフト6をしなやかに抱き込むことが求められるため、薄いものが好ましい。

0134

しかし、シール部材8が薄すぎると、シール部材8のシャフト6に対する接触面積が減って、シール部材8のシール性能が低下し、また、シャフト6の挿入時や運動時にシール部材8が破損するおそれがある。

0135

そのため、シール部材8の厚さは、材質にもよるが、材料にグラファイトや膨張黒鉛を用いるのであれば、0.05mm以上、2mm以下の範囲が好ましく、0.1mm以上、1mm以下の範囲の厚さが、より好ましい。

0136

実施形態では、シール部材8を、厚さ0.5mm程度のグラファイトや膨張黒鉛で構成している。

0137

補強部材9は、シール部材8よりも厚さが薄く、シャフト6が挿入されていない状態では半径方向に均等な厚さの部材であり、半径方向中央に、シャフト6と同心の挿通孔9aを有する。ただし、補強部材9の厚さは半径方向に均等な厚さの部材には限定されない。

0138

補強部材9は、シール部材8の内径側8bの変形により、その内径側9bが湾曲するように変形すると共に、シール部材8の内径側8bの軸方向に変形した形態を保持しつつ、当該内径側8bをシャフト6に押し付け、シール部材8のシール状態を補強する。

0139

そのため、補強部材9の材料には、所要の硬度と弾性を有する金属材料が好ましい。また、補強部材9の材料として500℃以上の高温に対して耐熱性を有する金属材料が好ましい。これら金属材料には、Fe系合金、Ni系合金、Cu系合金、等があり、実施形態では少なくともこれらのうちの1種の金属材料を選択することができる。

0140

Fe系合金には、Fe-Cr系合金(SUS303合金、SUS304合金等のステンレス鋼)があり、外径側Ni系合金には、Ni−Fe−Cr系合金(インコネル)があり、外径側 Cu系合金には、Cu−Ni−Fe−Mn系合金がある。

0141

補強部材9は、シール部材8の変形に伴い、変形し易い柔軟性を有する一方で、シール部材8の内径側8bの変形した形態を保持しつつ、弾性復元力でシール部材8をシャフト6に押し付けるため、その厚さは、ステンレス鋼であれば、0.01mm以上、0.1mm以下の範囲が好ましく、実施形態では、厚さが0.05mm程度のステンレス鋼からなる金属材料で構成されている
補強部材9は、複数、実施形態では3つからなり、内径側9bと、外径側9cとを含む。補強部材9は、3つのシール部材8と交互に積層されている。

0142

各層の補強部材9は、シャフト6の、挿通孔8aに対する相対的な挿入方向に対して、層ごとに、各層のシール部材8の上側に位置する。

0143

補強部材9は、その直下のシール部材8とで1セットとなって組合せされ、実施形態では、シール部材8と補強部材9は、都合、3セットの組合せとされている。

0144

図8において、3つの補強部材9は、3つのシール部材8それぞれに積層されている。

0145

図8中、上層の補強部材9は、その直下のシール部材8だけでなく、それより下方の2つのシール部材8に対しても、シャフト6に押し付ける方向に作用する。中層の補強部材9は、その直下のシール部材8だけでなく、それより下方の1つのシール部材8に対しても、シャフト6に押し付ける方向に作用する。下層の補強部材9は、その直下のシール部材8に対して、シャフト6に押し付ける方向に作用する。

0146

このように3つのシール部材8の内径側8bそれぞれの内端部は、肉厚方向の全体にわたり、3つの補強部材9それぞれにより、肉厚方向において隙間無く連続的に湾曲した形態を保持して、シャフト6に密着するよう押し付けられ、これにより、挿通孔8aとシャフト6の隙間のシール性が高められている。

0147

挿通孔8aにシャフト6が挿入されていない状態での補強部材9の内径側9bの半径方向の長さは、挿通孔8aにシャフト6が挿入されてシール部材8の内径側8bが変形する場合に、内径側8bをシャフト6に押し付けて、シャフト6に十分に密着させることができる長さに設定する。

0148

シール部材8は、厚肉であるが、グラファイトや膨張黒鉛からなり柔軟である一方、補強部材9は厚さが薄いものの、金属材料からなる。そのため、シール部材8の内径側8bは、補強部材9の弾性復元力で、シャフト6に密着するように押し付けられ、そのシール性能が高められている。

0149

そして、補強部材9の内径側9bは、シール部材8の内径側8bの変形と共に、その形状が連続した湾曲形状に変形する柔軟性を有する一方で、上記高温ガスバルブの延長ハウジング2a内の500℃以上の高温の環境下でも、弾性を発現して、シール部材8の内径側8bの連続的に湾曲した形態を保持して、シール部材8の内径側8bをシャフト6に押し付けている。

0150

なお、シール部材8と補強部材9とを保持ケース11に収納保持したシール部品7においては、シャフト6と同寸法、同形状の模擬シャフトを挿通孔8aに挿入し、シール部材8及び補強部材9それぞれの内径側8b、9bを図1の形状に予め型付けを施しておき、その型付けされたシール部品7の挿通孔8aにシャフト6を挿入できるようにしてもよい。このようにシール部品7を予め型付けしていると、ハウジング1内にシール部品7を組み付け易くなる。

0151

また、型付けすることで、シャフトへの挿通する向きが明確になり、シャフトへの誤装着を低減できる。

0152

スペーサ10は、450℃までの高温に対して耐熱性を有し、かつ、軸方向に圧縮力を付与できる材料であればよく、例えば、ステンレス鋼、黒鉛、セラミック、等で製作することができる。

0153

保持ケース11は、耐熱性の材料、好ましくは、金属材料からなる。この金属材料には、例えば、ステンレス鋼が好ましい。金属以外の材料には、セラミック等がある。

0154

保持ケース11は、挿通孔11aを有する通路側5の環状板部11bと、シャフト駆動機構側4の環状板部11cと、両環状板部11b,11cの半径方向外周側を軸方向に延びる円筒体部11dとから構成される。

0155

環状板部11bと円筒体部11dとは、一体成形され、環状板部11cは、円筒体部11dと一体成形される。

0156

環状板部11cは、上記では、円筒体部11dとは一体としたが、円筒体部11dと別体でもよい。別体の場合、環状板部11cは、円筒体部11dの内周面に形成されたネジ溝(図示略)にネジ込まれるか、あるいは、かしめ付けされることによって、円筒体部11dに装着される。

0157

シール部品7の組み立ては、例えば、環状板部11bの底面上に、3つのシール部材8と3つの補強部材9とを交互に積層し、その上にスペーサ10をかしめつけるか、または、ねじ込ませればよい。

0158

また、シール部材8と補強部材9とを2つ一対で1組の部品として予め積層した積層部品とし、これら3組の積層部品をスペーサ10と共に、保持ケース11内に収納保持してもよい。シール部材8と補強部材9それぞれの積層数は、3つに限定されるものではなく、1つ、2つ、あるいは4つ以上でもよい。

0159

スペーサ10は、保持ケース11に、図示の位置に1つ組み込まれているが、その組み込みの個数及び態様は、実施形態に限定されない。

0160

スペーサ10は、保持ケース11内に組み込まれた状態で、弾性的に圧縮変形し、保持ケース11内におけるシール部材8と補強部材9との支持の安定性を補強できるようにしている。

0161

シール部品7は、保持ケース11内にシール部材8と補強部材9とスペーサ10とを組み込んだ状態で、延長ハウジング2aの内部に圧入等によって、隔壁3上に載置されてもよいし、延長ハウジング2aの内部で組み込んでもよい。

0162

ハウジング2に対するシール部品7の密閉装着は、例えば、保持ケース11の円筒体部11dの外周面に環状溝(図示略)を形成し、この環状溝に金属製のOリング(図示略)を装着し、このOリングで密閉してもよい。

0163

以上の構成を備えた実施形態4のシール部品7は、ハウジング2とシャフト6との間の隙間に組み込まれた状態では、保持ケース11は、ハウジング2の内部に密閉状態で装着され、保持ケース11の挿通孔11aに、シャフト6が非接触の状態で貫通挿入されている。

0164

そして、シール部材8は、保持ケース11に密閉状態で収納支持され、その支持状態で、シール部材8の挿通孔8aにシャフト6が挿入された状態で、シール部材8の内径側8bがシャフト6の挿入方向に変形してシャフト6に密着して、前記隙間を軸方向内外でシールする。

0165

このように補強部材9により、シール部材8の内径側8bは、シャフト6の外周面に押し付けられる。そのため、シール部材8の内径側8bのシャフト6に対する密着性が安定して維持されるようになる結果、シール部材8のシール性能を長期に亘り安定して確保することができる。

0166

以上の構成を備えた実施形態4のシール部品7によれば、ガス温度が600℃以上、900℃以下となる内燃機関の高温ガスバルブにおいて、ハウジング2とシャフト6との隙間周辺が、500℃以上の高温環境にあっても、有機系材料を用いず、また、金属製のOリングを使用せずに、シャフト6がハウジング2内を回転したり往復運動したりする環境下でも、ハウジング2とシャフト6との間の隙間をシールすることができる。

0167

図10及び図11を参照して、高温ガスバルブへのシール部品7の組み込みを説明すると、図10の状態では、シール部品7は、ハウジング2に装着された状態で、シャフト6はシール部材8の挿通孔8aに挿入されていない。シール部材8と補強部材9それぞれは、スペーサ10と共に、保持ケース11に保持されている。

0168

この保持の状態で、シール部材8の内径側8bは、シャフト6の外周面よりも内径側に突出している。また、補強部材9の内径側9bはシャフト6の外周面に突出していない。

0169

シャフト6が、シール部材8の挿通孔8aに挿入されると、シール部材8の内径側8bは、図4に示すように、シャフト6に接触しつつ、シャフト6の挿入方向に変形させられ、シャフト6の外周面に密着する。

0170

この密着の状態で、補強部材9の内径側9bはシール部材8の内径側8bの変形に伴って弾性変形または塑性変形して、シール部材8の内径側8bをシャフト6の外周面に押し付けた状態になっている。

0171

そのため、シャフト6が運動しても、シール部材8の内径側8bが過度に変形しすぎるようなことがなく、ハウジング2とシャフト6との間の隙間は安定してシールされる。

0172

なお、シール部材8の内径側8bは、その挿通孔8aにシャフト6が挿入される前に予め、図11のように変形していてもよい。図11で示すシール部材8と補強部材9それぞれの内径側8b、8cは、全体的になだらかに湾曲した形状に変形しているが、実施形態の変形形状に、限定されない。

0173

なお、シール部品7へのシャフト6の挿入方向は、シール部材8、補強部材8の積層順に依存するので、図10に示す構造の場合、矢印の方向が挿入方向である。

0174

図12(a)に示すように、シャフト6の挿通前のシール部材8の孔径をD1a、補強部材9の孔径をD3a、シャフト6の外径をD2とする。また、図12(b)に示すように、シャフト6の挿通後のシール部材8の孔径をD1b、補強部材9の孔径をD3b、シャフト6の外径をD2とする。

0175

図12(a)において、シャフト6の挿通前のシール部材8の孔径D1aと、シャフト6の外径D2との関係は、D1a<D2であり、シール部材8の孔径D1aと補強部材9の孔径D3aとの関係は、D1a<D3a、D1a=D3aの何れでもよい。シャフト6の挿通前のシール部材8の孔径D1aと、シャフト6の外径D2との関係は、D1a<D2なので、シャフト6の挿通後は、シール部材8が湾曲(変形)し、それに追随するように補強部材9が湾曲(変形)する。

0176

図12(b)に示すように、シャフト6の挿通後のシール部材8の孔径D1bは、シャフト6の外径D2に等しく、D1b=D2となる。補強部材9はシール部材8の湾曲(変形)に伴い、湾曲(変形)するので、湾曲(変形)後の補強部材9の孔径D3bは、シャフト6の挿通前の補強部材9の孔径D3aに対して、D3b>D2の関係となっていればよい(接触しなければよい)。

0177

以上の実施形態4において、シール部材8が、マイカ等の他の非有機系耐熱材料とは異なり、耐熱温度が450℃までのしなやかさのあるグラファイトや膨張黒鉛で構成されているので、低温と高温が繰り返される熱サイクルの環境下によりシャフト6が膨張収縮し、その後、シャフト6の温度が室温になって収縮しても、シール部材8の挿通孔8aは、シャフト6の変化に追従する。その結果、シール部材8とシャフト6との間の隙間の密封は、上記熱サイクルの環境下で維持され、シール性が長期にわたり、確保される。

0178

(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5に係るシール部品の平面図である。実施形態5のシール部品1は、シール部材8と、このシール部材8の周囲に均等間隔で配置された複数の補強部材9と、を備え、シール部材8と複数の補強部材9は、保持ケース(図12では図示略)により保持される。実施形態1の補強部材9は、挿通孔9aを有する環状の部材であったが、実施形態2の補強部材9は、挿通孔はなく、シール部材8をシャフト6に押し付けることができるように、シール部材8の周囲に周方向均等間隔で配置されている。

0179

(実施形態6)
図14を参照して、実施形態6を説明すると、実施形態6のシール部品1においては、軸方向3つの補強部材9それぞれの内径側9bに、半径方向に切り込み9dが、その周方向等間隔に、複数形成されている。この切り込み9dによって、補強部材9の内径側9bの軸方向への変形が容易となり、そのため、補強部材9の型付けが容易となる利点がある。なお、各補強部材9それぞれの切り込み9dの切り込み位置は、補強部材9ごとに、平面視において円周方向等間隔にずらしてもよい。

0180

以上説明したように、実施形態4ないし6では、シール部材8が、グラファイトや膨張黒鉛からなるので、高温環境下でも、シール部材8とシャフト6との接触部の密封状態が維持され、そのうえ、シール部材8に補強部材9が積層されているので、シール部材8のシャフト6への押し付け力(密着力)が増し、シール性が向上する。

0181

本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。

0182

1高温ガスバルブ
2ハウジング
3隔壁
6シャフト
7シール部品
8シール部材(第1のシール部材)
8A 第2のシール部材
8a挿通孔
8b内径側
8c外径側
9補強部材(第1の補強部材)
9a 挿通孔
9b 内径側
9c 外径側
9A 第2の補強部材
9A1 挿通孔
10スペーサ
11 保持ケース

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