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技術 酸凝固性の乳食品用の乳タンパク濃縮物の製造方法及び酸凝固性の乳食品の製造方法

出願人 株式会社明治
発明者 金子成子斎藤淳平久保田隆之長岡誠二越膳浩
出願日 2016年10月18日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-204067
公開日 2018年4月26日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-064482
状態 特許登録済
技術分野 乳製品
主要キーワード 乳タンパク質成分 カードメータ プレート式熱交換機 クエン酸水和物 ブルガリア 酸凝固 加熱殺菌条件 乳濃縮物
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この項目の情報は公開日時点(2018年4月26日)のものです。
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図面 (1)

課題

物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造するための新規な方法を提供する。

解決手段

酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法であって、次の工程:(a)原料乳を提供する工程;(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;及び(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程を含む前記製造方法。

概要

背景

発酵乳ヨーグルトチーズ)等の乳食品乳製品)は、原料乳タンパク質が酸により凝固する性質酸凝固性)を利用した食品である。この酸凝固性の乳食品のうち、チーズを製造するための原材料として、乳タンパク質濃縮物を使用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。

しかし、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を提供することが常に求められており、また、酸凝固性の乳食品を製造するために好適な乳タンパク質濃縮物を提供することが求められている。

概要

物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造するための新規な方法を提供する。 酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法であって、次の工程:(a)原料乳を提供する工程;(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;及び(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程を含む前記製造方法。 なし

目的

しかし、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を提供することが常に求められており、また、酸凝固性の乳食品を製造するために好適な乳タンパク質濃縮物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法であって、次の工程:(a)原料乳を提供する工程;(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;及び(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程を含む前記製造方法。

請求項2

さらに、次の工程:(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程を含む、請求項1に記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。

請求項3

前記工程(a)において、原料乳として、生乳遠心分離処理して、脱脂乳を提供する、請求項1又は2に記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。

請求項4

前記工程(b)を10℃以下で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。

請求項5

前記工程(c)において、分画分子量が8〜12kDaの限外濾過膜を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク濃縮物の製造方法。

請求項6

酸凝固性の乳食品の製造方法であって、次の工程:(a)原料乳を提供する工程;(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程;(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程;(e)前記乳タンパク質濃縮物を用いて、調合乳を調製する工程;及び(f)前記調合乳を酸凝固させて、酸凝固性の乳食品を製造する工程を含む、酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項7

前記工程(a)において、原料乳として、生乳を遠心分離処理して、脱脂乳を提供する、請求項6に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項8

前記工程(b)を10℃以下で行う、請求項6又は7に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項9

前記工程(c)において、分画分子量が8〜12kDaの限外濾過膜を用いる、請求項6〜8のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項10

前記工程(f)において、有機酸を用いる、請求項6〜9のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項11

前記工程(f)において、乳酸菌を用いる、請求項6〜10のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

請求項12

前記酸凝固性の乳食品が発酵乳である、請求項11に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸凝固性の乳食品用の乳タンパク濃縮物の製造方法及び酸凝固性の乳食品の製造方法に関する。

背景技術

0002

発酵乳ヨーグルトチーズ)等の乳食品(乳製品)は、原料乳タンパク質が酸により凝固する性質(酸凝固性)を利用した食品である。この酸凝固性の乳食品のうち、チーズを製造するための原材料として、乳タンパク質濃縮物を使用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

しかし、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を提供することが常に求められており、また、酸凝固性の乳食品を製造するために好適な乳タンパク質濃縮物を提供することが求められている。

先行技術

0004

特表2006−528487号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造するための新規な方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明によれば、以下の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク濃縮物の製造方法等を提供できる。
1.酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法であって、次の工程:
(a)原料乳を提供する工程;
(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;及び
(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程
を含む前記製造方法。
2.さらに、次の工程:
(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程
を含む、1に記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。
3.前記工程(a)において、原料乳として、生乳遠心分離処理して、脱脂乳を提供する、1又は2に記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。
4.前記工程(b)を10℃以下で行う、1〜3のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法。
5.前記工程(c)において、分画分子量が8〜12kDaの限外濾過膜を用いる、1〜4のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク濃縮物の製造方法。
6.酸凝固性の乳食品の製造方法であって、次の工程:
(a)原料乳を提供する工程;
(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;
(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程;
(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程;
(e)前記乳タンパク質濃縮物を用いて、調合乳を調製する工程;及び
(f)前記調合乳を酸凝固させて、酸凝固性の乳食品を製造する工程
を含む、酸凝固性の乳食品の製造方法。
7.前記工程(a)において、原料乳として、生乳を遠心分離処理して、脱脂乳を提供する、6に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。
8.前記工程(b)を10℃以下で行う、6又は7に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。
9.前記工程(c)において、分画分子量が8〜12kDaの限外濾過膜を用いる、6〜8のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。
10.前記工程(f)において、有機酸を用いる、6〜9のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。
11.前記工程(f)において、乳酸菌を用いる、6〜10のいずれかに記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。
12.前記酸凝固性の乳食品が発酵乳である、11に記載の酸凝固性の乳食品の製造方法。

発明の効果

0007

本発明によれば、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造するための新規な方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

実施例2及び比較例2で製造された発酵乳の強度(硬度)を示す図である。

0009

本発明において、酸凝固性の乳食品とは、動物の乳を含む原材料に酸を加えて凝固(酸凝固)させることにより製造される食品をいうものとする。酸凝固とは、動物の乳のタンパク質が酸により凝固する現象をいう。動物の乳とは、例えば、水牛ヤギ等の乳が挙げられる。このとき、牛の乳は、比較的に安価で多量に入手できるため、経済的に有利であって好ましい。また、本発明において、酸凝固性の乳食品とは、例えば、乳酸菌及び/又は酵母を用いて凝固(発酵)させる発酵乳(ヨーグルト、チーズ(当業界において、一般的にチーズ様食品と呼ばれるチーズ類似物を含む))等が挙げられる。

0010

[酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法]
本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法は、次の工程:(a)脱脂乳を提供する工程;(b)前記脱脂乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;及び(c)前記脱脂乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程を含むことを特徴とする。

0011

本発明の製造方法にしたがって製造される乳タンパク質濃縮物は、熱安定性にすぐれ、酸凝固性の乳食品を製造するための原材料として好適である。本発明の製造方法にしたがって製造される乳タンパク質濃縮物を用いることにより、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造できる。

0012

以下、各工程について説明する。

0013

工程(a):原料乳提供工程
本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法では、工程(a)において、原料乳を提供する。原料乳は、例えば、生乳(全脂乳)、脱脂乳であり、生乳を遠心分離処理や膜分離処理することにより提供される脱脂乳であることが好ましい。遠心分離処理や膜分離処理の条件は、特に限定されず、適宜決定することができる。ここで、遠心分離処理では、例えば、生乳を50℃〜60℃に保ちながら、重量加速度を1500〜6000Gに設定すると、脱脂乳とクリームを安定的に分離しやすくて好ましい。また、膜分離処理では、例えば、生乳を5℃〜10℃に保ちながら、セラミック製の精密濾過MF)膜を用いると、脱脂乳とクリームを安定的に分離しやすくて好ましい。なお、遠心分離処理や膜分離処理した後には、脱脂乳の品質を保持する観点から、脱脂乳を1〜5℃に保つことが好ましい。

0014

工程(b):酸性域へのpH調整工程
本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法では、工程(a)に続いて、工程(b)において、原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する。工程(b)において、原料乳のpHを、5.5〜6.0に調整することが好ましく、5.5〜5.8に調整することがより好ましい。

0015

クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される特定のpH調整剤を用いて、原料乳のpHを、5.5〜6.2の特定の酸性域に調整することにより、原料乳のカゼイン等に結合したカルシウムを効率的に遊離イオン化)させ、工程(b)に続いて、工程(c)において、限外濾過処理により、乳タンパク質成分とカルシウムを分離できる。また、クエン酸及びクエン酸塩を用いて、原料乳のpHを調整することにより、多量のミセル化カゼインを含む乳濃縮物を製造することができる。例えば、このような乳濃縮物から酸凝固性の乳食品を製造すると、強度(硬度)がある組織を形成することができる。

0016

本発明において、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される特定のpH調整剤は、1種を単独で使用してもよく、又は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明において、クエン酸塩は、食品添加物として認められているクエン酸塩であればよく、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウムクエン酸三カリウムクエン酸カルシウム等が挙げられる。本発明において、クエン酸及びクエン酸塩は、例えば、水溶液の形態で使用できる。水溶液の濃度は、特に限定されず、適宜調整すればよい。本発明において、クエン酸及びクエン酸塩は、例えば、無水クエン酸を使用でき、クエン酸水和物を使用してもよい。

0017

工程(b)において、原料乳の品質を保持する観点などから、原料乳のpHの調整では、例えば、1〜10℃で行われ、1〜5℃で行われることが好ましい。

0018

工程(c):限外濾過処理工程
本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法では、工程(b)に続いて、工程(c)において、原料乳を限外濾過(UF)処理して、乳タンパク質濃縮物を得る。原料乳を限外濾過処理することにより、原料乳の乳タンパク質(成分)と乳糖ミネラル等を分離し、乳タンパク質(成分)を濃縮できる。

0019

工程(c)において、限外濾過(UF)膜の分画分子量は、例えば、8〜12kDaであり、8〜11kDaが好ましく、9〜11kDaがより好ましい。また、工程(c)において、原料乳の濃縮倍率は、例えば、2.5〜5倍であり、2.5〜4倍が好ましく、3〜4倍がより好ましくは、3〜3.5倍がさらに好ましい。

0020

工程(d):中性域へのpH調整工程
本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法では、さらに次の工程:(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程を含むことが好ましい。乳タンパク質濃縮物のpHを、6.3〜7の特定の中性域に調整することにより、乳タンパク質濃縮物の品質を安定化して、熱安定性にすぐれた状態を維持できる。

0021

乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整するためのpH調整剤は、特に限定されず、任意のものを使用できる。かかるpH調整剤は、1種を単独で使用してもよく、又は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0022

本発明の製造方法にしたがって製造される乳タンパク質濃縮物は、熱安定性にすぐれ、酸凝固性の乳食品を製造するための原材料として好適である。また、本発明の製造方法にしたがって製造される乳タンパク質濃縮物は、上記の各工程を経た液体の形態で使用してもよく、又は、上記の各工程の後に濃縮や乾燥させて、液体や固体の形態で使用してもよい。

0023

[酸凝固性乳食品の製造方法]
本発明の酸凝固性の乳食品の製造方法は、次の工程:(a)原料乳を提供する工程;(b)前記原料乳のpHを、クエン酸及びクエン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を用いて、5.5〜6.2に調整する工程;(c)前記原料乳を限外濾過処理して、乳タンパク質濃縮物を得る工程;(d)前記乳タンパク質濃縮物のpHを6.3〜7に調整する工程;(e)前記乳タンパク質濃縮物を用いて、調合乳を調製する工程;及び(f)前記調合乳を酸凝固させて、酸凝固性の乳食品を製造する工程を含むことを特徴とする。

0024

本発明の製造方法にしたがって製造される酸凝固性の乳食品は、物性等にすぐれている。特に、本発明の製造方法にしたがって製造される発酵乳は、しっかりとした強度を有する。

0025

以下、各工程について説明する。

0026

本発明の酸凝固性の乳食品の製造方法において、工程(a)〜工程(d)は、上記で説明した本発明の酸凝固性の乳食品用の乳タンパク質濃縮物の製造方法における工程(a)〜工程(d)とそれぞれ同じである。

0027

工程(e):調合乳調製工程
本発明の酸凝固性の乳食品の製造方法では、工程(d)に続いて、工程(e)において、乳タンパク質濃縮物を用いて、調合乳を調製する。これにより、酸凝固性の乳食品を製造するための原材料である調合乳が提供される。

0028

本発明において、調合乳とは、酸凝固性の乳食品を製造するための原材料であって、乳タンパク質濃縮物を含む液体である。ここで、調合乳は、乳タンパク質濃縮物を含むほか、目的とする酸凝固性の乳食品を構成するための任意の副原料を含んでもよい。これらの副原料は、特に限定されず、適宜選定することができる。これらの副原料は、例えば、一般的な乳製品に配合される成分である酸味料野菜果物種実野菜汁や果物や種実汁、野菜や果物や種実のエキスビタミン、ミネラル、ペプチドアミノ酸等などの栄養成分を含む素材、乳酸菌、ビフィズス菌プロピオン酸菌等の有用な微生物、有用な微生物の培養物、有用な微生物の発酵物ローヤルゼリーグルコサミンアスタキサンチンポリフェノール等の既存の機能性素材香料、pH調整剤、賦形剤、酸味料、着色料乳化剤保存料等が挙げられる。また、調合乳は、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、賦形剤、酸味料、着色料、乳化剤、保存料等の任意の食品添加剤を含んでもよい。

0029

工程(f):酸凝固工程
本発明の酸凝固性の乳食品の製造方法では、工程(e)に続いて、工程(f)において、原料乳を酸凝固させて、酸凝固性の乳食品を製造する。調合乳の酸凝固では、有機酸を用いることによって行ってもよく、又は、乳酸菌等の微生物を用いることによって行ってもよい。

0030

本発明において、有機酸とは、例えば、酢酸乳酸、クエン酸、リン酸酒石酸リンゴ酸グルコン酸等が挙げられる。有機酸の濃度、添加量等は、特に限定されず、適宜決定することができる。有機酸を使用して製造される酸凝固性の乳食品とは、例えば、チーズ(例えば、フレッシュチーズ)等が挙げられる。

0031

本発明において、乳酸菌とは、例えば、ラクトバチルス属ワイセラ属等の乳酸桿菌ペディオコッカス属ロイコノストック属ラクトコッカス属ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属等の乳酸球菌等が挙げられる。また、乳酸菌に加えて、ビフィズス菌、プロピオン酸菌等を使用することができる。乳酸菌の種類は、特に限定されず、適宜選定することができるが、酸凝固性の乳食品の食感や物性を向上する観点から、ラクトバチルス属とストレプトコッカス属を組合せて使用することが好ましい。乳酸菌のスターターの濃度(菌数)、添加量等は、特に限定されず、適宜決定することができる。乳酸菌を使用して製造される酸凝固性の乳食品とは、例えば、ヨーグルト、チーズ等が挙げられる。

0032

以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例の記載に何ら限定されるものではない。

0033

以下の実施例及び比較例で検討したパラメータ測定方法を説明する。
(熱安定性)
乳タンパク濃縮物の熱安定性は、試料4mlを14ml容丸底バイアル瓶に入れ密封し、130℃の油浴中で振とうしながら、目視で凝固が始まるまでの時間(熱凝固時間)を測定して評価した。

0034

(強度)
発酵乳(ヨーグルト)の強度(硬度)は、カードメータマックスME−500(Ltechno Engineering社製)により、400gの重りを用いて、カードテンション(CT)[g]を測定した。

0035

[実施例1]
生乳を50℃にて遠心分離処理し、脂肪分を除去して脱脂乳を調製した。この脱脂乳を5℃に冷却し、クエン酸水溶液(70重量%)を用いて、pHを5.6に調整し、2時間保持した。限外濾過膜(スパイラル型膜、Koch Membrane Systems社、HpHT3838−K131−NYV、分画分子量:10,000Da、膜面積:6.1m2)2本を並列に用いて、この脱脂乳を限外濾過処理することにより、濃縮倍率を4倍に濃縮し、乳タンパク質濃縮物を調製した。2Nの水酸化ナトリウム(NaOH)と2Nの水酸化カリウム(KOH)を3:7の比率で混合した水溶液を用いて、この乳タンパク質濃縮物について、pHを6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0に調整した試料を調製し、熱凝固時間を測定した。

0036

[比較例1]
脱脂乳について、pHを調整する際に、クエン酸水溶液ではなく、塩酸を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、乳タンパク質濃縮物を調製した。この乳タンパク質濃縮物について、pHを6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0に調整した試料を調製し、熱凝固時間を測定した。

0037

pH6.3〜7.0の各試料について、実施例1、比較例1ともに、熱安定性は良好であった。特に、pHが6.3〜6.6において、実施例1では、比較例1より、熱凝固時間が長く、熱安定性にすぐれていた。

0038

[実施例2]
実施例1で得られた乳タンパク質濃縮物(pHが6.7)から、固形分濃度が15重量%、タンパク質濃度が10重量%、pHが6.7の調合乳(ヨーグルトミックス)を調製し、加熱殺菌した。加熱殺菌は、ジャケット付きのタンクを用いて回分式に95℃・達温で行うか、あるいは、プレート式熱交換機(Powerpoint International社製)を用いて、連続式に、110℃・2秒間、120℃・2秒間、又は130℃・2秒間で行った。加熱殺菌した原料乳を43℃に冷却し、乳酸菌スターター(株式会社明治製「明治ブルガリアフルーツヨーグルト」から分離した)を2重量%の量で添加してから、酸度が1.3〜1.5%になるように、43℃・5.5時間で発酵させて、発酵乳(ヨーグルト)を製造した。このヨーグルトについて、強度を評価した。結果を図1に示す。

0039

[比較例2]
比較例1で得られた乳タンパク質濃縮物(pHが6.7)から、固形分濃度が15重量%、タンパク質濃度が10重量%、pHが6.7の調合乳(ヨーグルトミックス)を調製し、実施例1と同様にして、加熱殺菌した。加熱殺菌した原料乳を43℃に冷却し、乳酸菌スターター(株式会社明治製「明治ブルガリアフルーツヨーグルト」から分離した)を2重量%の量で添加してから、酸度が1.3〜1.5%なるように、43℃・5時間で発酵させて、ヨーグルト(発酵乳)を製造した。このヨーグルトについて、強度を評価した。結果を図1に示す。

実施例

0040

110℃〜130℃の加熱殺菌条件において、実施例2、比較例2ともに、発酵乳の強度は良好であった。また、110℃〜130℃の加熱殺菌条件において、実施例2では、比較例2より、発酵乳の強度が大きく向上した。

0041

本発明によれば、熱安定性にすぐれ、酸凝固性の乳食品を製造するための原材料として好適な、乳タンパク質濃縮物を製造できる。また、本発明によれば、物性等にすぐれた酸凝固性の乳食品を製造できる。

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