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技術 緊急離脱装置

出願人 日本海洋産業株式会社
発明者 松浦福太
出願日 2016年10月12日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-201223
公開日 2018年4月19日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-062985
状態 未査定
技術分野 迅速・多重管継手 リフト弁 機械駆動弁
主要キーワード 切離し装置 旋回腕 案内腕 蝶形弁 離脱装置 グローブ弁 電気的駆動装置 固定支軸
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

簡易リンク機構で駆動される弁構造を備え、緊急時に弁箱開放端を迅速かつ自動的に閉止可能であり、開放端の全周について均一なシール性を発揮する緊急離脱装置を提供する。

解決手段

弁構造4を収容する弁箱2と、弁箱2同士を連結する連結具14と、を備え、弁構造4は、リンク機構5と、リンク機構5で駆動され開放端2aを開閉する弁体15と、からなり、リンク機構5は、第1及び第2の軸体6,7と、第1の軸体6を中心として回動する第1のリンクバー10と、第2の軸体7を中心として回動する第2のリンクバー11と、先端が弁体15に固定され、第1及び第2のリンクバー10,11に第3及び第4の軸体8,9を介して連結される弁保持体12と、第1及び第2のリンクバー10,11を弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させる弾性体13と、を備え、弁体15は、突起16が設けられる。

概要

背景

従来、上の貯蔵設備接岸した船舶との間で導管を用いて液化燃料等の流体移送する場合に、高波強風によって船舶が急激に移動し、導管が破断するという事故が発生することがあった。このような緊急時の対処法として、導管の陸上側及び海上側の各開口端に設けられた弁構造によって速やかにこの開放端閉止するとともに、各開口端同士を離脱させることが可能な緊急離脱装置が設置されてきた。
しかし、弁構造として、ボール弁グローブ弁が採用されていたため、重量や開閉トルクが大きすぎるという課題があった。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、バラフライ弁やフラップ弁を採用した弁構造に関する技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明や考案が開示されている。

特許文献1には「リンク式密閉ダンパ」という名称で、気体用フラップ弁の弁体作動装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示されたリンク式密閉ダンパに関する考案は、少なくとも3つの軸受台を有するフラップ弁体を備え、両端の軸受台は旋回腕ヒンジ結合しており、旋回腕は弁箱の両端で軸受された駆動軸回動不能に取り付けられ、中間の軸受台には旋回腕より短い案内腕がヒンジ結合され、案内腕の他端は弁箱の内壁ブラケットを介して固定されていることを特徴とする。
このような特徴を備えたリンク式密閉ダンパにおいては、フラップ弁体が開放される当初は、その上縁部が、弁箱シート面に対して直交する方向に沿って平行に移動する。その後は、徐々に上縁部が、弁箱シート面に対して円弧軌道を描いて移動する。
したがって、本考案によれば、フラップ弁体の上縁部と、弁箱のシート面偏摩耗を防止することができる。

特許文献2には「緊急切離し装置における弁装置」という名称で、流体荷役装置等の接続管設けられる弁装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献2に開示された考案について説明する。特許文献2に開示された弁装置に関する考案は、第1及び第2接続管にそれぞれ固定した第1及び第2弁箱に、偏心型蝶形弁が第1接続管と第2接続管の接続面に対して対称にそれぞれ装設され、第1弁箱の蝶形弁の第1の操作軸には第1レバーが取り付けられるとともに、第2弁箱には回動レバーを備えた回動軸付設される一方、第2弁箱の蝶形弁の第2の操作軸と回動軸とは逆転伝導機構によって連絡され、第1レバーと第2レバーには連動リンクが連結されることを特徴とする。
このような特徴を備えた弁装置においては、第1の操作軸の回動は、第1レバー、連動リンク、第2レバー、回動軸、逆転伝導機構を介して、第2の操作軸に伝達される。このとき、逆転伝導機構は、回動軸とは逆の方向に第2の操作軸を回動させるため、各蝶形弁は互いに逆方向に回動し、第1及び第2接続管が開放又は閉止される。このうち、第1及び第2接続管が開放される場合では、各蝶形弁はいずれも同一面内に平行して静止することから、荷役流体の流れに支障が出ることがなく、流体の荷役を円滑に実施することができる。

特許文献3には「弁装置」という名称で、開閉の操作性の良い弁装置に関する発明が開示されている。
以下、特許文献3に開示された発明について説明する。特許文献3に開示された弁装置に関する発明は、流体の流路に設けられた弁座と、一端が固定支軸によって回動可能に軸支された弁子とを有する弁装置において、弁子を一端の周りに回動させる操作棒と、操作棒の流路側の一端に設けられた第1の支軸と弁子の弁座に接離する側と反対の背面側に設けられた第2の支軸とを連結する連結材とを備えることを特徴とする。
このような特徴を備える弁装置においては、操作棒の流路側への移動操作によって弁子を回動させると、流体の流れが絞られ始め、さらには弁子が弁座の開口面に当接して密着する。このとき、第1の支軸は、第2の支軸よりも下方に位置するので、第2の支軸から第1の支軸の方向に流体の圧力が加えられた場合であっても、第1の支軸を上方に移動させる力は生じない。また、第1の支軸の位置は、連結材と弁子を介して固定支軸で支えられ移動しない。
このように、上記特徴を備える弁装置によれば、単純なリンク機構により、弁子と弁座の面圧を維持することができる。

概要

簡易なリンク機構で駆動される弁構造を備え、緊急時に弁箱の開放端を迅速かつ自動的に閉止可能であり、開放端の全周について均一なシール性を発揮する緊急離脱装置を提供する。弁構造4を収容する弁箱2と、弁箱2同士を連結する連結具14と、を備え、弁構造4は、リンク機構5と、リンク機構5で駆動され開放端2aを開閉する弁体15と、からなり、リンク機構5は、第1及び第2の軸体6,7と、第1の軸体6を中心として回動する第1のリンクバー10と、第2の軸体7を中心として回動する第2のリンクバー11と、先端が弁体15に固定され、第1及び第2のリンクバー10,11に第3及び第4の軸体8,9を介して連結される弁保持体12と、第1及び第2のリンクバー10,11を弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させる弾性体13と、を備え、弁体15は、突起16が設けられる。

目的

本発明は、このような従来の事情対処してなされたものであり、簡易なリンク機構で駆動される弁構造を備えることで、緊急時において弁箱の開放端を迅速かつ自動的に閉止することが可能であるとともに、弁箱の開放端を閉止する際に、この開放端の全周について均一なシール性を発揮し得る緊急離脱装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一対の導管の端部にそれぞれ設けられ、内部に弁構造を収容する弁箱と、この弁箱同士を連結する連結具と、を備え、前記弁構造は、前記弁箱の内周壁に支持されるリンク機構と、このリンク機構で駆動されて前記弁箱の開放端開閉する弁体と、からなり、前記リンク機構は、前記内周壁にそれぞれの両端が固定される第1及び第2の軸体と、一端が前記第1の軸体に支持され、この第1の軸体を中心として回動する第1のリンクバーと、一端が前記第2の軸体に支持され、この第2の軸体を中心として回動する第2のリンクバーと、先端が前記弁体の一端に固定されるとともに、前記先端に連なる体部が、前記第1のリンクバーの他端及び前記第2のリンクバーの他端に、前記先端に近い順にそれぞれ第3及び第4の軸体を介して連結される弁保持体と、前記第1の軸体に取り付けられ、前記第1及び第2のリンクバーを、前記弁体が前記開放端を閉止する方向へ回動させるように付勢する弾性体と、を備え、一対の前記弁体は、それぞれの他端に、互いに接触可能な接触端を備える突起が設けられることを特徴とする緊急離脱装置

請求項2

前記弁箱は、前記内部において、前記開放端の反対端に凸部が形成され、前記弁保持体は、その後端係止部が設けられ、この係止部は、前記弁体が前記開放端を開放する方向へ最大に回動する場合に、前記凸部へ係止されることを特徴とする請求項1に記載の緊急離脱装置。

請求項3

一対の前記弁体の他端は、一対の前記弁箱を側面視した場合に、この弁箱の直径方向に対し絶対値で0度以上、かつ、90度未満の範囲内の角度で対称的に回動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緊急離脱装置。

請求項4

一対の前記接触端は、一対の前記弁体がそれぞれ対応する前記開放端を開放する方向へ最大に回動する場合に、互いに面接触可能な接触面が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の緊急離脱装置。

請求項5

前記弾性体は、前記第1の軸体に巻装されるコイル部と、このコイル部の両端から延びる第1及び第2の腕部からなるねじりばねであって、前記第1の腕部は、その先端が前記第2の軸体付近に到達するとともに、前記第2の腕部は、その先端が前記第3の軸体付近又は前記第4の軸体付近に到達することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の緊急離脱装置。

請求項6

一対の前記開放端は、それぞれフランジ部が形成され、前記連結具は、一対の前記フランジ部を挟持又は挟持解除するクランプであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の緊急離脱装置。

技術分野

0001

本発明は、一対の導管同士を離脱させる際に、これら導管の開放端閉止する弁体を備えた緊急離脱装置係り、特に、リンク機構を備えて弁体を駆動する緊急離脱装置に関する。

背景技術

0002

従来、上の貯蔵設備接岸した船舶との間で導管を用いて液化燃料等の流体移送する場合に、高波強風によって船舶が急激に移動し、導管が破断するという事故が発生することがあった。このような緊急時の対処法として、導管の陸上側及び海上側の各開口端に設けられた弁構造によって速やかにこの開放端を閉止するとともに、各開口端同士を離脱させることが可能な緊急離脱装置が設置されてきた。
しかし、弁構造として、ボール弁グローブ弁が採用されていたため、重量や開閉トルクが大きすぎるという課題があった。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、バラフライ弁やフラップ弁を採用した弁構造に関する技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明や考案が開示されている。

0003

特許文献1には「リンク式密閉ダンパ」という名称で、気体用フラップ弁の弁体作動装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示されたリンク式密閉ダンパに関する考案は、少なくとも3つの軸受台を有するフラップ弁体を備え、両端の軸受台は旋回腕ヒンジ結合しており、旋回腕は弁箱の両端で軸受された駆動軸回動不能に取り付けられ、中間の軸受台には旋回腕より短い案内腕がヒンジ結合され、案内腕の他端は弁箱の内壁ブラケットを介して固定されていることを特徴とする。
このような特徴を備えたリンク式密閉ダンパにおいては、フラップ弁体が開放される当初は、その上縁部が、弁箱シート面に対して直交する方向に沿って平行に移動する。その後は、徐々に上縁部が、弁箱シート面に対して円弧軌道を描いて移動する。
したがって、本考案によれば、フラップ弁体の上縁部と、弁箱のシート面偏摩耗を防止することができる。

0004

特許文献2には「緊急切離し装置における弁装置」という名称で、流体荷役装置等の接続管設けられる弁装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献2に開示された考案について説明する。特許文献2に開示された弁装置に関する考案は、第1及び第2接続管にそれぞれ固定した第1及び第2弁箱に、偏心型蝶形弁が第1接続管と第2接続管の接続面に対して対称にそれぞれ装設され、第1弁箱の蝶形弁の第1の操作軸には第1レバーが取り付けられるとともに、第2弁箱には回動レバーを備えた回動軸付設される一方、第2弁箱の蝶形弁の第2の操作軸と回動軸とは逆転伝導機構によって連絡され、第1レバーと第2レバーには連動リンクが連結されることを特徴とする。
このような特徴を備えた弁装置においては、第1の操作軸の回動は、第1レバー、連動リンク、第2レバー、回動軸、逆転伝導機構を介して、第2の操作軸に伝達される。このとき、逆転伝導機構は、回動軸とは逆の方向に第2の操作軸を回動させるため、各蝶形弁は互いに逆方向に回動し、第1及び第2接続管が開放又は閉止される。このうち、第1及び第2接続管が開放される場合では、各蝶形弁はいずれも同一面内に平行して静止することから、荷役流体の流れに支障が出ることがなく、流体の荷役を円滑に実施することができる。

0005

特許文献3には「弁装置」という名称で、開閉の操作性の良い弁装置に関する発明が開示されている。
以下、特許文献3に開示された発明について説明する。特許文献3に開示された弁装置に関する発明は、流体の流路に設けられた弁座と、一端が固定支軸によって回動可能に軸支された弁子とを有する弁装置において、弁子を一端の周りに回動させる操作棒と、操作棒の流路側の一端に設けられた第1の支軸と弁子の弁座に接離する側と反対の背面側に設けられた第2の支軸とを連結する連結材とを備えることを特徴とする。
このような特徴を備える弁装置においては、操作棒の流路側への移動操作によって弁子を回動させると、流体の流れが絞られ始め、さらには弁子が弁座の開口面に当接して密着する。このとき、第1の支軸は、第2の支軸よりも下方に位置するので、第2の支軸から第1の支軸の方向に流体の圧力が加えられた場合であっても、第1の支軸を上方に移動させる力は生じない。また、第1の支軸の位置は、連結材と弁子を介して固定支軸で支えられ移動しない。
このように、上記特徴を備える弁装置によれば、単純なリンク機構により、弁子と弁座の面圧を維持することができる。

先行技術

0006

実願昭57−58009号(実開昭58−161265号)のマイクロフィルム
実公平4−14685号公報
特開平8−247332号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に開示された考案においては、フラップ弁体が弁箱シート面を開放し始めるとき、その上縁部が弁箱シート面に対してほぼ直角方向に離隔することから、逆にフラップ弁体が弁箱シート面を閉止する場合は、弁体の周縁が弁箱シート面に一様に当接するものと想到される。したがって、本考案を緊急離脱装置の弁構造として採用すれば、導管の各開口端を閉止する際に開放端の全周について均一なシール性が得られることが期待できる。しかしながら、本考案においては、駆動軸の制御方法が不明であることから、弁体を自動的に開閉させることが必要な緊急離脱装置に対し、直ちに本考案を適用することは困難である。

0008

次に、特許文献2に開示された発明においては、各蝶形弁は、それぞれ第1及び第2の操作軸を中心にして回動するため、第1及び第2接続管を閉止する直前においても、各蝶形弁の周縁は円弧軌道を描いて回動する。よって、特許文献1に係る考案と異なり、導管の各開口端を閉止する際に均一なシール性が得られることを期待できない。さらに、第1及び第2接続管を開閉するためには、各蝶形弁が回動する角度を90度とする必要がある。このように、角度を90度変化させる場合、回動に時間がかかり、緊急時において第1及び第2接続管を迅速に閉止することが困難な可能性がある。

0009

さらに、特許文献3に開示された発明においては、弁子の一端が固定支軸によって回動可能に軸支されることから、流路を閉止する直前においても、弁子の他端は円弧軌道を描いて回動する。さらに、弁子が回動する角度は90度であるため、特許文献2に開示された考案と同様の課題があるものと考えられる。

0010

本発明は、このような従来の事情対処してなされたものであり、簡易なリンク機構で駆動される弁構造を備えることで、緊急時において弁箱の開放端を迅速かつ自動的に閉止することが可能であるとともに、弁箱の開放端を閉止する際に、この開放端の全周について均一なシール性を発揮し得る緊急離脱装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するため、第1の発明は、一対の導管の端部にそれぞれ設けられ、内部に弁構造を収容する弁箱と、この弁箱同士を連結する連結具と、を備え、弁構造は、弁箱の内周壁に支持されるリンク機構と、このリンク機構で駆動されて弁箱の開放端を開閉する弁体と、からなり、リンク機構は、内周壁にそれぞれの両端が固定される第1及び第2の軸体と、一端が第1の軸体に支持され、この第1の軸体を中心として回動する第1のリンクバーと、一端が第2の軸体に支持され、この第2の軸体を中心として回動する第2のリンクバーと、先端が弁体の一端に固定されるとともに、先端に連なる体部が、第1のリンクバーの他端及び第2のリンクバーの他端に、先端に近い順にそれぞれ第3及び第4の軸体を介して連結される弁保持体と、第1の軸体に取り付けられ、第1及び第2のリンクバーを、弁体が開放端を閉止する方向へ回動させるように付勢する弾性体と、を備え、一対の弁体は、それぞれの他端に、互いに接触可能な接触端を備える突起が設けられることを特徴とする。

0012

このような構成の第1の発明においては、弁体として、例えば、弁箱の開放端を閉止可能な面積を有するバタフライ弁が使用される。この弁体を駆動して開放端を開閉するリンク機構は、大まかには、第1の軸体を中心として回動する第1のリンクバーと、第2の軸体を中心として回動する第2のリンクバーと、第2のリンクバーを、弁体が開放端を閉止する方向へ回動させるように付勢する弾性体と、を備えることから、弁体は、側面視で一方向へ回動するよう、常に弾性体からの付勢力を受けている。そのため、付勢力が抑制される場合に開放端が開放され、その中を流体が通過可能となる。より詳細には、付勢力が抑制される場合とは、一対の弁箱同士が連結具で連結され、かつ、弁体の他端に設けられる突起の接触端が互いに接触することで、一対の弁体同士が互いに間隔を開けて静止している場合である。

0013

上記構成の緊急離脱装置においては、それぞれ開放された一対の開放端の中を流体が通過している場合に、強風等によって一対の導管が大きく動いたり、一方の導管が強く引っ張られたりすると、連結具による弁箱同士の連結を直ちに解除する。これにより、弁箱同士が互いに離隔し始めるため、互いに接触していた突起の接触端も離隔を開始する。これと同時に、弾性体の付勢力の抑制が解除され始めることから、弁体はリンク機構を介して開放端を閉止する方向へ回動を開始する。この回動は、弾性体の付勢力によってそのまま持続されるため、弁体によって一対の開放端は完全に閉止され、流体の吐出がそれぞれ停止される。

0014

なお、弁体が開放端を閉止する方向へ回動を開始した直後は、側面視における弁体の下縁は、略円運動を行う。しかし、弁体が開放端を閉止する直前では、側面視における弁体の下縁は、弁箱の直径方向に直交する方向に沿って直線運動を行う。

0015

次に、第2の発明は、第1の発明において、弁箱は、内部において、開放端の反対端に凸部が形成され、弁保持体は、その後端係止部が設けられ、この係止部は、弁体が開放端を開放する方向へ最大に回動する場合に、凸部へ係止されることを特徴とする。
このような構成の第2の発明において、「弁体が開放端を開放する方向へ最大に回動する場合」とは、連結具が一対の弁箱同士を連結する場合をいう。
上記構成の第2の発明においては、第1の発明の作用に加え、係止部が凸部に係止されることによって、例えば、すでに接触した接触端同士の接近が抑制され、接触端に過剰な力が加わることが防止される。

0016

さらに、第3の発明は、第1又は第2の発明において、一対の弁体の他端は、一対の弁箱を側面視した場合に、この弁箱の直径方向に対し絶対値で0度以上、かつ、90度未満の範囲内の角度で対称的に回動することを特徴とする。
このような構成の第3の発明において、弁体の他端が、弁箱の直径方向に対し絶対値で0度をなす場合とは、一対の接触端が互いに最大の間隔を開けて離隔したときであって、一対の弁体の他端同士が平行して対向する場合である。すなわち、一対の開放端がそれぞれ弁体によって閉止されている場合である。また、弁体の他端が弁箱の直径方向に対し絶対値で90度未満をなす場合とは、一対の接触端が互いに接触したときであって、一対の弁体の他端が平行せず傾斜して対称的に対向する場合である。すなわち、一対の開放端がそれぞれ弁体によって開放されている場合である。
上記構成の第3の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加え、一対の弁体の他端が互いに平行又は傾斜して対向することで、それぞれ流体が停止又は通過可能となる。

0017

そして、第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、一対の接触端は、一対の弁体がそれぞれ対応する開放端を開放する方向へ最大に回動する場合に、互いに面接触可能な接触面が形成されることを特徴とする。
このような構成の第4の発明においては、第1乃至第3のいずれかの発明の作用に加え、一対の接触面同士が互いに面接触することで、一対の弁体の他端が一対の弁箱の直径方向に対しそれぞれ最大に傾斜した姿勢が強く保持される。

0018

続いて、第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、弾性体は、第1の軸体に巻装されるコイル部と、このコイル部の両端から延びる第1及び第2の腕部からなるねじりばねであって、第1の腕部は、その先端が第2の軸体付近に到達するとともに、第2の腕部は、その先端が第3の軸体付近又は第4の軸体付近に到達することを特徴とする。
このような構成の第5の発明においては、第1乃至第4のいずれかの発明の作用に加え、第1及び第2の腕部によって、第2の軸体に対する第3の軸体の位置、又は第2の軸体に対する第4の軸体の位置が規制される。また、第3の軸体と第4の軸体は、弁保持体を介して連結され常に同一間隔を保つように構成されているので、第1の軸体に対する第3の軸体の位置、又は第1の軸体に対する第4の軸体の位置が、第1及び第2の腕部によってそれぞれ間接的に規定される。すなわち、ねじりばねによって、第1のリンクバーと、第2のリンクバーとの相対的な位置関係が規制される。

0019

また、第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、一対の開放端は、それぞれフランジ部が形成され、連結具は、一対のフランジ部を挟持又は挟持解除するクランプであることを特徴とする。
このような構成の第6の発明において、第1乃至第5のいずれかの発明の作用に加え、一対のフランジ部の挟持又は挟持解除は、これに対するクランプの締め付けを制御することで行われる。締め付けの制御は、例えば、油圧制御手段を用いて行われる。

発明の効果

0020

第1の発明によれば、弁箱同士の連結を直ちに解除するという一種類の操作のみによって、開放端を閉止する方向へ弁体の回動を開始させ、ひいては開放端を完全に閉止し流体の吐出を停止することができる。したがって、緊急時において開放端を迅速かつ自動的に閉止することが可能である。
また、弁体が開放端を閉止する直前には、側面視における弁体の下縁は、弁箱の直径方向に直交する方向に沿って直線運動を行うため、弁体は開放端に対し、並進運動で接近し、最後に他端の全周について均等な圧力で当接する。したがって、弁体によるシール性を開放端の全周について均一にすることができる。
さらに、本発明を構成する弁箱は、リンク機構と、弁体と、からなり、さらにリンク機構は、第1及び第2のリンクバーと、弾性体等からなる簡易な構成であるため、本発明に係る緊急離脱装置を容易かつ安価に製造することができる。

0021

第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、弁体が開放端を開放する方向へ最大に回動する場合に、接触端に過剰な力が加わることが防止されるため、突起の破損を防止可能である。

0022

第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加え、一対の弁体の他端が互いに平行又は傾斜して対向することでそれぞれ流体の通過を制御可能であることから、弁体の他端が、弁箱の直径方向に対し90度させて流体の通過を制御する場合と比較して、回動が完了する時間を短縮することができる。

0023

第4の発明によれば、第1乃至第3のいずれかの発明の効果に加え、一対の接触面同士が互いに面接触するために、弁体が傾斜した姿勢が強く保持されることから、開放端が開放されている際に、弁体が不測の回動を行うことを防止可能である。

0024

第5の発明によれば、第1乃至第4のいずれかの発明の効果に加え、ねじりばねによって、第1のリンクバーと、第2のリンクバーとの相対的な位置関係が規制されることから、第1の発明に記載の「第1及び第2のリンクバーを、弁体が開放端を閉止する方向へ回動させるように付勢する」ための具体的な構成を具現化可能である。また、弁体が開放端を閉止するために、電気的駆動部材を用いる必要がなく、簡易な構成によって流体の通過を停止させることができる。

0025

第6の発明によれば、第1乃至第5のいずれかの発明の効果に加え、一対のフランジ部の挟持解除は、クランプの締め付けを制御することで行われるので、緊急時において迅速に導管同士の離脱と開放端の閉止をともに開始させることができる。

図面の簡単な説明

0026

実施例に係る緊急離脱装置の側断面図である。
実施例に係る緊急離脱装置を構成するリンク機構の構成図である。
実施例に係る緊急離脱装置を構成するリンク機構の斜透視図である。
実施例に係る緊急離脱装置の作用を示す側断面図である。
実施例に係る緊急離脱装置の作用を示す側断面図である。
実施例に係る緊急離脱装置の作用を示す側断面図である。
実施例に係る緊急離脱装置を構成する弁体が回動する場合の軌跡を示す回動軌跡図である。
(a)は実施例に係る緊急離脱装置を構成する連結具の正面図であり、(b)は連結具を制御するための制御装置の構成図である。

0027

本発明の実施の形態に係る実施例の緊急離脱装置について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。図1は、実施例に係る緊急離脱装置の側断面図である。
図1に示すように、本実施例に係る緊急離脱装置1は、一対の導管50,50の端部50aにそれぞれ設けられ、内部3,3に弁構造4,4を収容する略円筒形の弁箱2,2と、この弁箱2,2同士を連結する連結具14と、を備える。
弁箱2,2と端部50a,50aは、それぞれボルトナットからなる留め具50b,50bによって、強固に接続されている。
また、弁構造4,4は、それぞれ、弁箱2,2の内周壁3a,3aに支持されるリンク機構5,5と、このリンク機構5,5で駆動されて弁箱2,2の開放端2a,2aを開閉する弁体15,15と、からなる。
そして、開放端2a,2aは、それぞれフランジ部17,17が形成される。また、連結具14としては、例えば、フランジ部17,17を挟持又は挟持解除するクランプが使用される。

0028

各リンク機構5は、弁箱2の内周壁3aにそれぞれの両端が固定される第1の軸体6及び第2の軸体7と、一端10aが第1の軸体6に支持され、この第1の軸体6を中心として回動する第1のリンクバー10と、一端11aが第2の軸体7に支持され、この第2の軸体7を中心として回動する第2のリンクバー11と、を備える。なお、第2の軸体7は、側面視で弁箱2の開放端2aから遠ざかる方向寄りの、第1の軸体6の斜め下方に配設される。また、第1のリンクバー10の長さL10は、第2のリンクバー11の長さL11よりも長く、その比率(L10/L11)≒1.4である。
さらに、各リンク機構5は、先端12aが弁体15の一端15aに固定されるとともに、先端12aに連なる体部12bが、第1のリンクバー10の他端10b及び第2のリンクバー11の他端11bに、先端12aに近い順にそれぞれ第3の軸体8及び第4の軸体9を介して連結される弁保持体12と、第1の軸体6に取り付けられ、第1及び第2のリンクバー10,11を、弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させるように付勢する弾性体13,13と、を備える。

0029

この「第1及び第2のリンクバー10,11を、弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させる」とは、具体的には、図4乃至図6で示すように、例えば、第2のリンクバー11を、第1のリンクバー10と平行するように回動させることである。ただし、第1の軸体6に対する第2の軸体7の相対的位置や、第3の軸体8と第4の軸体9の間隔を変化させることにより、必ずしも第2のリンクバー11を、第1のリンクバー10と平行するように回動させなくても、第1及び第2のリンクバー10,11を、弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させることができる。

0030

また、弁体15,15は、それぞれの他端15b,15bに、互いに接触可能な接触端16a,16aを備える突起16,16が設けられる。この突起16,16は、弁体15,15を側面視した場合に、それぞれ他端15b,15bの上縁U,U寄りに配設される。これは、突起16,16が他端15b,15bの下縁V,V寄りに配設される場合と比較すれば、他端15b,15bが弁箱2,2の直径方向D,Dに対しそれぞれ最大に傾斜した場合に、他端15b,15bが上縁U,U寄りに配設される方が、上縁U,U同士が万一衝突することをより効果的に防止できるからである。なお、突起16,16の横断面における外周形状は、円形楕円形多角形状のいずれかに形成されるが、これ以外の不定形状に形成されても良い。
さらに、弁体15,15の他端15b,15bは、弁箱2,2を側面視した場合に、この弁箱2,2の直径方向D,Dに対し絶対値で0度以上、かつ、約50度の範囲内の角度A,Bで対称的に回動する。なお、角度A,Bの大きさは、第1の軸体6に対する第2の軸体7の相対的な配置、第1及び第2のリンクバー10,11の長さ、弾性体13の付勢力等を調整して組み合わせることで決定される。

0031

なお、弁箱2は、内部3において、開放端2aの反対端2bに凸部18が形成される。
弁保持体12は、その後端12cに係止部12dが設けられ、この係止部12dは、弁体15が開放端2aを開放する方向へ最大に回動する場合に、凸部18へ係止される。

0032

次に、緊急離脱装置1を構成するリンク機構について、図2及び図3を用いながら、詳細に説明する。図2は、実施例に係る緊急離脱装置を構成するリンク機構の構成図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、緊急離脱装置1を構成する一方のリンク機構5は、第1のリンクバー10の一端10aの貫通孔10cに、第1の軸体6が、その長手方向の中央部まで嵌入されている。第1の軸体6の端部6a,6aは、弁箱2,2の内周壁3a,3aに固定されているため、第1の軸体6,6自体は内周壁3a,3aに対して回動不能である。しかし、第1のリンクバー10は、一端10aにおいて、第1の軸体6を中心として回動可能である。
また、第1のリンクバー10の他端10bの貫通孔10dには、第3の軸体8が、その長手方向の中央部まで嵌入されている。そして、弁保持体12は、第1のリンクバー10を挟んだ左右両側にそれぞれ設けられ、弁体15の一端15aを二カ所において支持する。そのため、第3の軸体8の端部8a,8aは、弁保持体12,12の体部12b,12bに位置する貫通孔12e,12eにそれぞれ嵌入され、第1のリンクバー10が、他端10bにおいて、第3の軸体8を中心として回動する構成となっている。

0033

さらに、第2のリンクバー11と第2の軸体7も、第1のリンクバー10を挟んだ左右両側にそれぞれ設けられる。このうち、第2の軸体7,7の端部7a,7aは、弁箱2,2の内周壁3a,3aにそれぞれ固定されており、一方の端部7b,7bは、第2のリンクバー11,11の一端11a,11aの貫通孔11c,11cに、それぞれ嵌入されていることから、第2のリンクバー11,11は、いずれも一端11a,11aにおいて、第2の軸体7,7を中心として回動可能である。ただし、第2の軸体7,7自体は、内周壁3a,3aに対して回動不能である。
そして、他端11b,11bの貫通孔11d,11dには、第4の軸体9の端部9a,9aがそれぞれ嵌入されている。
なお、弁保持体12,12の後端12cは、体部12b,12bに対し略直角をなすことで体部12b,12b同士を連結する筒状体であって、係止部12dは後端12cの長手方向の中央部に設けられる。また、第4の軸体9は、後端12cを貫通して設けられていることから、第2のリンクバー11,11は、いずれも他端11b,11b及び後端12cにおいて、第4の軸体9を中心として回動可能となっている。

0034

続いて、図3を参照しながら、緊急離脱装置を構成するリンク機構についてさらに説明する。図3は、実施例に係る緊急離脱装置を構成するリンク機構の斜透視図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、フランジ部以外の弁箱の図示も省略する。
図3に示すように、弾性体13,13は、第1の軸体6の中央部寄りにそれぞれ回動不能に固定されて設けられる。各弾性体13は、第1の軸体6に巻装されるコイル部13aと、このコイル部13aの両端から延びる第1の腕部13b及び第2の腕部13cからなるねじりばねである。
弾性体13,13において、第1の腕部13b,13bの先端は、それぞれ第2の軸体7,7付近に到達し、第2の腕部13c,13cの先端は、それぞれ第3の軸体8,8付近に到達する。より詳細には、第1の腕部13b,13bの先端はそれぞれ第2の軸体7,7に巻回されて固定され、第2の腕部13c,13cの先端は互いに繋がって第1のリンクバー10に対して上方から接触する。なお、第1の腕部13bと第2の腕部13cは、コイル部13aを中心として互いに開く方向に付勢する性質を有している。このため、第1のリンクバー10は、常に弾性体13,13によって、他端10b(図1,2参照)が一端10aよりも下方に移動するよう付勢される。

0035

次に、緊急離脱装置1の作用について、図1図4乃至図6を参照しながら説明する。
まず、図1は、連結具14が弁箱2,2同士を連結している場合の側断面図である。
図1に示すように、弁体15,15の他端15b,15bは、弁箱2,2を側面視した場合に、この弁箱2,2の直径方向D,Dに対し絶対値で約50度の角度A,Bで対称的に静止している。これは、弁体15,15がそれぞれ対応する開放端2a,2aを開放する方向へ最大に回動する場合である。このような弁体15,15の姿勢は、連結具14がフランジ部17,17を締め付けることによってもたらされる。
また、突起16,16の接触端16a,16aは、上記の場合に、互いに面接触可能な接触面S,Sが形成される。すなわち、突起16を側面視した場合、接触面Sと、突起16の下縁16bによって、鋭角をなす角部Tが形成される。
したがって、上記のような弁体15,15の傾斜姿勢は、接触面S,Sが互いに面接触することにより、強く保持される。

0036

前述したように、接触面S,Sが互いに面接触する状態は、弁箱2,2同士が連結具14で連結されることによるから、仮に、係止部12dが設けられない場合では、弁箱2,2の開放端2a,2aを一方向(図1の流れ方向X)に通過する流体の圧力によって弁体15,15の傾斜が変動し、接触面S,S同士が過剰に圧接し合うおそれが考えられる。そこで、係止部12d,12dを凸部18,18に係止することにより、このような流体の圧力に起因する接触面S,S同士の圧接が抑制される。

0037

続いて、緊急離脱装置1の作用について、図4乃至図6を参照しながら説明する。図4乃至図6は、実施例に係る緊急離脱装置の作用を示す側断面図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4乃至図6においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、導管の図示も、省略する。
図4に示すように、フランジ部17,17に対する連結具14の締め付けを解除すると、フランジ部17,17同士は、互いに離隔し始め、互いに面接触していた突起16,16の接触面S,S同士も離隔を開始する。これと同時に、弾性体13,13の付勢力の抑制が解除され始めることから、一方の弁箱2において、第1のリンクバー10は、他端10bが一端10aよりも下方に移動するよう、付勢される。この作用は他方の弁箱2においても同様であって、その結果、弁体15,15は開放端2a,2aを閉止する方向へ回動を開始する。

0038

次に、図5に示すように、フランジ部17,17の離隔の間隔が拡大することに伴い、突起16,16の接触面S,S同士もさらに離隔するため、弾性体13,13の付勢力を抑制する原因は消滅することになる。よって、一方の弁箱2において、それぞれ弾性体13の付勢力によって、凸部18から係止部12dが遠ざかり、弁体15の他端15bは弁箱2の直径方向Dに対し絶対値で約20度の角度A(図1参照)で回動を継続している。この作用は他方の弁箱2においても同様であって、弁体15,15は開放端2a,2aを閉止する方向へ回動を続ける。

0039

さらに、図6に示すように、フランジ部17,17の離隔の間隔がさらに拡大することに伴い、突起16,16の下縁16b,16b同士が一直線上に並列し、角部T,T同士も離隔した状態になるとき、一方の弁箱2において、弁体15の他端15bは弁箱2の直径方向Dに対し絶対値で0度の角度A(図1参照)で静止する。すなわち、一方の弁体15によってこれに対応する開放端2aは完全に閉止され、流体の吐出が停止される。このとき、弾性体13によって、第3の軸体8及び第4の軸体9は、それぞれ第1の軸体6及び第2の軸体7よりも下方に位置する。

0040

すなわち、図1に示すように、弁箱2,2において、それぞれ第1のリンクバー10の中間部が第2のリンクバー11,11の一端11a,11aと側面視で重複し、かつ第1のリンクバー10に対して第2のリンクバー11,11が傾斜していた当初の配置が、図6に示すように、第1のリンクバー10と第2のリンクバー11,11が交差せずに互いに平行する配置へと変化させることにより、弁体15を駆動させ、開放端2aを閉止した状態から開放した状態へと変化させる。この作用は他方の弁箱2においても同様であって、弁体15,15は開放端2a,2aを閉止した状態で静止する。
一方、突起16,16の下縁16b,16b同士が一直線上に並列し、かつ角部T,T同士が接触するように接近させると、第1のリンクバー10等は、弾性体13,13の付勢力に抗して、図6に示した配置から図1に示した配置へと変化するため、フランジ部17,17を連結具14で連結することにより、開放された開放端2a,2を再び閉止された状態へと変化させることができる。
なお、突起16,16同士を上述したように接近させるには、一方のフランジ部17に設けられる複数の連結ピン17aを、他方のフランジ部17に設けられる複数の連結ピン用孔17bに挿入することで行われる。

0041

さらに、弁体が回動する場合の軌跡について、図7を参照しながら詳細に説明する。図7は、実施例に係る緊急離脱装置を構成する弁体が回動する場合の軌跡を示す回動軌跡図である。なお、図1乃至図6で示した構成要素については、図7においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、他端15b以外の弁体15、リンク機構5及び第1乃至第4の軸体6〜9等の図示も省略する。
図7に示すように、一方の弁箱2において、弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動を開始した直後(図4参照)は、側面視における他端15bの下縁Vは、略円弧運動Kを行う。しかし、弁体15が開放端2aを閉止する直前(図5参照)では、下縁Vは、弁箱2の直径方向Dに直交する方向に沿って直線運動Lを行う。なお、開放端2aの端面Eは直径方向Dと平行であるため、弁体15は開放端2aの端面Eに対し並進運動により接近し、最終的に他端15bの全周について均等な圧力で当接する(図6参照)。

0042

最後に、弁箱同士を連結する連結具について、図8を用いながら説明する。図8(a)は実施例に係る緊急離脱装置を構成する連結具の正面図であり、図8(b)は連結具を制御するための制御装置の構成図である。なお、図1乃至図7で示した構成要素については、図8においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、連結具14は、環状のフランジ部17,17をその全周に亘って挟持する。この連結具14は、弁箱2の中心軸Cを中心として略90度毎に分割された分割片14a〜14dと、分割片14aと分割片14b、及び分割片14cと分割片14dをそれぞれ継合する継合具19a,19bを備える。分割片14aと分割片14dの継合部20は、固定ピン22a(図8(b)参照)を挿入及び引き抜きをするための固定ピン用孔23aが形成される。
また、分割片14bと分割片14cの継合部21は、固定ピン22b(図8(b)参照)を挿入固定するための固定ピン用孔23bが形成される。

0043

より詳細には、図8(b)に示すように、継合部20は、分割片14aから突出する2枚の板状片20a,20cと、分割片14dから突出する1枚の板状片20bと、を備え、板状片20a〜20cは、それぞれ固定ピン用孔23aが穿通されている。したがって、板状片20a,20cの間に板状片20bを配し、それぞれの固定ピン用孔23aを一直線上に並列させた後、この固定ピン用孔23aに固定ピン22aを挿入すると、分割片14aと分割片14dが継ぎ合わされる。したがって、連結具14は、その内周面をフランジ部17,17に圧接させてこれを締め付け、弁箱2,2同士を連結する。このような構成及び作用は、継合部21においても同様である。

0044

逆に、弁箱2,2同士の連結を解除するには、3個の固定ピン用孔23aに挿入された固定ピン22aを引き抜く。これにより、板状片20a,20cの間から板状片20bが抜き出されるから、フランジ部17,17に対する連結具14の締め付けが緩められ、弁箱2,2同士の連結が解除される。なお、弁箱2,2同士の連結を解除するために固定ピン用孔23bに挿入された固定ピン22bを引き抜くことは不要である。次に、固定ピン用孔23aから固定ピン22aの引き抜きを制御するための構成について説明する。

0045

図8(b)に示すように、固定ピン22aの引き抜きは、油圧制御装置24によって制御される。油圧制御装置24は、ワイヤロープ25aを介して固定ピン22aと接続される油圧シリンダー26と、油圧ホース25bを介して油圧シリンダー26を駆動させる油圧ポンプ27と、から構成される。このような構成の油圧制御装置24においては、油圧ポンプ27を自動的又は手動で操作することにより、油圧シリンダー26が作動してワイヤロープ25aが油圧シリンダー26側へ引っ張られ、固定ピン22aがすべての固定ピン用孔23aから引き出される。
これにより、図8(a)に示すように、分割片14aと分割片14b、及び分割片14cと14dが、継合部20を境にそれぞれ固定ピン22bを中心として回動方向α,βに回動する。すなわち、フランジ部17,17に対する連結具14の締め付けが緩められることになる。

0046

以上、説明したように、本実施例に係る緊急離脱装置1によれば、連結具14が弁箱2,2同士を連結している場合、すなわち平常時に、弁体15,15の他端15b,15bが弁箱2,2の直径方向D,Dに対して傾斜していることから、流体が単位時間当たりに開放端2a,2aを通過する量を確保できる。
さらに、平常時においては、弁体15,15の傾斜姿勢は接触面S,Sが互いに面接触することにより強く保持されることから、例えば波浪による振動を受けて、弁体15,15が不測の回動を行うことを防止可能である。
加えて、係止部12d,12dを凸部18,18に係止することにより、流体の圧力に起因する接触面S,S同士の圧接が抑制されることから、流体の通過を安定的に維持することができるとともに、突起16,16の破損を防止し、緊急離脱装置1の耐用年数を長期化することができる。

0047

また、緊急離脱装置1によれば、常に弁体15が開放端2aを閉止する方向へ回動させるように付勢されるため、緊急時において、油圧シリンダー26を操作して固定ピン22aを固定ピン用孔23aから引き出す操作のみを行うことで、自動的かつ迅速に開放端2aを閉止することが可能であり、操作性が良好である。
さらに、弁体15の回動は、第1及び第2のリンクバー10,11、ねじりばねである弾性体13等からなる簡易な構成のリンク機構5によってもたらされることから、弁体15を回動させるための電気的駆動装置が不要である。したがって、簡易な構成によって流体の通過を自動的に停止させることが可能であり、また緊急離脱装置1を容易かつ安価に製造することができる。
加えて、緊急時においては、従来技術のように弁体を90度回動させる場合と比較して、弁体15,15の回動が完了する時間、すなわち、連結具14の連結を解除してから開放端2a,2aが弁体15,15によって閉止されるまでの時間を短縮することができる。

0048

さらに、緊急離脱装置1によれば、弁体15は開放端2aの端面Eに対し並進運動により接近し、最終的に他端15bの全周について均等な圧力で当接するため、弁体15によるシール性を開放端2aの全周について均一にすることができる。
一方、突起16,16の角部T,T同士を接近させることで、開放された開放端2a,2aを再び閉止された状態へと容易に変化させることができるため、開放端2a,2aを閉止する場合のみならず、これを開放させる場合の操作性も良好である。

実施例

0049

なお、本発明の緊急離脱装置1は、本実施例に示すものに限定されない。例えば、弁保持体12,12の係止部12d,12dは、設けられなくても良い。また、第1及び第2の軸体6,7は、それぞれ弁箱2の内周壁3aに対し回動可能に支持される構造であっても良い。この場合、第1のリンクバー10の一端10a及び第2のリンクバー11の一端11aは、それぞれ第1及び第2の軸体6,7に対して回動不能に固着される。また、弁体15の他端15bが回動する角度A,Bが、弁箱2,2を側面視した場合に、弁箱2,2の直径方向D,Dに対してそれぞれ絶対値で約50度より大きく、かつ90度未満の範囲内であるように構成されても良い。このような角度A,Bの大きさの変更は、第1の軸体6に対する第2の軸体7の相対的な配置や、第1及び第2のリンクバー10,11の長さ等を調整することにより、実現される。この他、弾性体13,13において、第2の腕部13c,13cの先端は、第3の軸体8,8の代わりに、それぞれ後端12cに上方から接触して第4の軸体9,9付近に到達しても良い。このとき、第2のリンクバー11,11は、常に弾性体13,13によって、他端11b,11bが一端11a,11aよりも下方に移動するようそれぞれ付勢される。

0050

本発明は、緊急時に、リンク機構で駆動される弁体が一対の導管の開放端をそれぞれ迅速に閉止する緊急離脱装置として利用可能である。

0051

1…緊急離脱装置2…弁箱2a…開放端2b…反対端3…内部 3a…内周壁4…弁構造5…リンク機構6…第1の軸体6a…端部 7…第2の軸体 7a,7b…端部 8…第3の軸体 8a…端部 9…第4の軸体 9a…端部 10…第1のリンクバー10a…一端 10b…他端 10c,10d…貫通孔11…第2のリンクバー 11a…一端 11b…他端 11c,11d…貫通孔 12…弁保持体12a…先端 12b…体部 12c…後端12d…係止部 12e…貫通孔 13…弾性体13a…コイル部 13b…第1の腕部 13c…第2の腕部 14…連結具14a〜14d…分割片15…弁体15a…一端 15b…他端 16…突起16a…接触端16b…下縁17…フランジ部 17a…連結ピン17b…連結ピン用孔18…凸部 19a,19b…継合具20,21…継合部 20a〜20c…板状片22a,22b…固定ピン23a,23b…固定ピン用孔 24…油圧制御装置25a…ワイヤロープ25b…油圧ホース26…油圧シリンダー27…油圧ポンプ50…導管50a…端部 50b…留め具A,B…角度 α,β…回動方向C…中心軸D…直径方向E…端面 S…接触面 T…角部 U…上縁V…下縁 X…流れ方向

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