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技術 酸化防止剤の還元方法及び酸化防止剤の還元装置

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 川瀬広樹梶谷昌弘伊藤正也
出願日 2016年10月14日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-202624
公開日 2018年4月19日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2018-062601
状態 未査定
技術分野 水素、水、水素化物 潤滑剤 半透膜を用いた分離
主要キーワード 押圧金具 酸化防止剤濃度 金属継手 全酸価値 マグネットスターラ 銅コイル 劣化生成物 コイル形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

コンパクトな装置で大量の水素を供給できる酸化防止剤還元方法及び酸化防止剤の還元装置を提供すること。

解決手段

酸化防止剤を還元処理する還元処理工程において、温度調節装置23を用いて、潤滑油の温度(還元処理温度)を、60℃〜120℃の範囲に調節する。これにより、水素供給モジュール17から潤滑油に十分に水素を供給できる。詳しくは、還元処理温度が60℃以上の場合には、水素分離金属層17における水素透過能力が向上する。よって、水素供給モジュール17においては、潤滑油に水素を供給する部分(即ち水素分離金属層27)の面積過度に大きくする必要がない。そのため、水素供給モジュール7や還元装置5をコンパクトにすることができる。つまり、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる。

概要

背景

例えばタービンに供給される潤滑油や、油圧制御に用いられる油圧油油圧作動油油圧作動油)は、循環等により繰り返し使用されるが、使用に伴う熱や酸化ストレスによって、主成分の有機化合物酸化により連鎖的に分解されていく。これを防止するため、潤滑油及び油圧油には酸化防止剤が一般に添加される。

酸化防止剤は、例えば自身が酸化されることによって有機化合物の酸化を防止するものであり、使用に伴って酸化防止機能を有する酸化防止剤の量は減少し、潤滑油又は油圧油の劣化も大きくなっていく。

そこで、パラジウム銀合金PdAg合金)からなる壁面を有する反応器を用いて、酸化後の酸化防止剤を活性水素により還元し、酸化防止剤の機能を回復させる方法が提案されている(特許文献1参照)。

概要

コンパクトな装置で大量の水素を供給できる酸化防止剤の還元方法及び酸化防止剤の還元装置を提供すること。酸化防止剤を還元処理する還元処理工程において、温度調節装置23を用いて、潤滑油の温度(還元処理温度)を、60℃〜120℃の範囲に調節する。これにより、水素供給モジュール17から潤滑油に十分に水素を供給できる。詳しくは、還元処理温度が60℃以上の場合には、水素分離金属層17における水素透過能力が向上する。よって、水素供給モジュール17においては、潤滑油に水素を供給する部分(即ち水素分離金属層27)の面積過度に大きくする必要がない。そのため、水素供給モジュール7や還元装置5をコンパクトにすることができる。つまり、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる。

目的

本開示の一局面は、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる酸化防止剤の還元方法及び酸化防止剤の還元装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸化防止剤を含む潤滑油又は油圧油に、水素含有ガスから水素を選択的に透過させる水素分離金属を含む水素分離金属層を介して水素を供給して、前記酸化防止剤を還元処理する工程を有する酸化防止剤の還元方法において、前記還元処理の工程では、前記潤滑油又は前記油圧油の温度を60℃〜120℃に調節する、酸化防止剤の還元方法。

請求項2

前記還元処理の工程では、前記潤滑油又は前記油圧油の温度を80℃〜100℃に調節する、請求項1に記載の酸化防止剤の還元方法。

請求項3

前記潤滑油又は前記油圧油を用いる装置に、前記潤滑油又は前記油圧油を供給可能な状態にて、前記還元処理を行う、請求項1又は請求項2に記載の酸化防止剤の還元方法。

請求項4

水素含有ガスから水素を選択的に透過させる水素分離金属を含む水素分離金属層を有し、該水素分離金属層を透過した後の水素を酸化防止剤を含む潤滑油又は油圧油に供給するように配置された水素供給モジュールを備える酸化防止剤の還元装置において、前記水素供給モジュールの周囲の前記潤滑油又は前記油圧油の温度を60℃〜120℃に調節する温度調節装置を備えた、酸化防止剤の還元装置。

請求項5

前記潤滑油又は前記油圧油の温度を80℃〜100℃に調節する温度調節装置を備えた、請求項4に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項6

前記潤滑油又は前記油圧油を収容する還元槽と、該還元槽と前記潤滑油又は前記油圧油を用いる装置との間で前記潤滑油又は前記油圧油を循環させる循環路と、を備え、前記還元槽に前記水素供給モジュールを配置した、請求項4又は請求項5に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項7

前記循環路に、前記潤滑油又は前記油圧油を溜めるタンクを備えた、請求項6に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項8

前記温度調節装置は、前記潤滑油又は前記油圧油を加熱する加熱装置を備えた、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項9

前記還元後の前記酸化防止剤を含む前記潤滑油又は前記油圧油を冷却する冷却装置を、前記潤滑油又は前記油圧油を前記水素供給モジュールから前記潤滑油又は前記油圧油を用いる装置に供給する流路に備えた、請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項10

前記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤又はフェノール系酸化防止剤である、請求項4から請求項9までのいずれか1項に記載の酸化防止剤の還元装置。

請求項11

前記水素供給モジュールは、多数の細孔を内部に有する多孔質部材と、前記多孔質部材の内部及び外面の少なくとも一方に設けられ、パラジウム又はパラジウム合金を含む水素分離金属層とを有する、請求項4から請求項10までのいずれか1項に記載の酸化防止剤の還元装置。

技術分野

0001

本開示は、潤滑油油圧油に含まれる酸化防止剤還元する酸化防止剤の還元方法及び酸化防止剤の還元装置に関する。

背景技術

0002

例えばタービンに供給される潤滑油や、油圧制御に用いられる油圧油(油圧作動油油圧作動油)は、循環等により繰り返し使用されるが、使用に伴う熱や酸化ストレスによって、主成分の有機化合物酸化により連鎖的に分解されていく。これを防止するため、潤滑油及び油圧油には酸化防止剤が一般に添加される。

0003

酸化防止剤は、例えば自身が酸化されることによって有機化合物の酸化を防止するものであり、使用に伴って酸化防止機能を有する酸化防止剤の量は減少し、潤滑油又は油圧油の劣化も大きくなっていく。

0004

そこで、パラジウム銀合金PdAg合金)からなる壁面を有する反応器を用いて、酸化後の酸化防止剤を活性水素により還元し、酸化防止剤の機能を回復させる方法が提案されている(特許文献1参照)。

先行技術

0005

特開2009−263263号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、例えば発電機のタービン油など潤滑油を多量に用いる環境においては、上述した反応器のPdAg製の壁面を介して潤滑油に水素を供給する装置では、水素を供給する部分の面積を大きくする必要があるので、装置が大型化するという問題があった。

0007

本開示の一局面は、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる酸化防止剤の還元方法及び酸化防止剤の還元装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

(1)本開示の一態様は、酸化防止剤の還元方法に関するものである。この酸化防止剤の還元方法は、酸化防止剤を含む潤滑油又は油圧油に、水素含有ガスから水素を選択的に透過させる水素分離金属を含む水素分離金属層を介して水素を供給して、酸化防止剤を還元処理する工程を有する。そして、この還元処理の工程では、潤滑油又は油圧油の温度を60℃〜120℃に調節する。

0009

このような構成によれば、水素供給モジュールから供給される水素(詳しくは活性水素)によって、酸化防止剤を還元して効果的に再生することができる。しかも、還元処理する際の潤滑油又は油圧油の温度(還元処理温度)を、60℃〜120℃の範囲に調節することにより、水素供給モジュールから潤滑油又は油圧油に、十分に水素を供給できる。よって、水素供給モジュールにおいて、潤滑油又は油圧油に水素を供給する部分の面積を過度に大きくする必要がない。

0010

そのため、酸化防止剤の還元を行う装置(例えば水素供給モジュールや、水素供給モジュールを含む還元装置)をコンパクトにすることができる。つまり、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる。

0011

なお、還元処理温度が60℃以上の場合には、水素分離金属層における水素透過能力が向上する。一方、還元処理温度が120℃以下の場合には、潤滑油又は油圧油や酸化防止剤において、酸化や炭素鎖の切断による劣化(粘度等の性能の低下)が起きにくい。従って、還元処理温度は、60℃〜120℃の範囲が好適である。

0012

(2)本開示の一態様では、還元処理の工程にて、潤滑油又は油圧油の温度を80℃〜100℃に調節してもよい。
このような構成によれば、水素透過能力が一層向上し、しかも、潤滑油や油圧油や酸化防止剤の酸化や劣化をより好適に抑制できる。

0013

(3)本開示の一態様では、潤滑油又は油圧油を用いる装置に、潤滑油又は油圧油を供給可能な状態にて、還元処理を行ってもよい。
このような構成によれば、潤滑油又は油圧油を用いる例えばタービン発電機のような装置の稼働中に、酸化防止剤の還元を行うことができるので、作業効率が向上するという利点がある。

0014

(4)本開示の一態様は、酸化防止剤の還元装置に関するものである。この酸化防止剤の還元装置では、水素供給モジュールは、水素含有ガスから水素を選択的に透過させる水素分離金属を含む水素分離金属層を有している。また、水素供給モジュールは、水素分離金属層を透過した後の水素を酸化防止剤を含む潤滑油又は油圧油に供給するように配置されている。そして、温度調節装置によって、水素供給モジュールの周囲の潤滑油又は油圧油の温度を60℃〜120℃に調節する。

0015

このような構成によれば、水素供給モジュールから供給される水素(詳しくは活性水素)によって、酸化防止剤を還元して効果的に再生することができる。しかも、還元処理する際の潤滑油又は油圧油の温度(還元処理温度)を、60℃〜120℃の範囲に調節することにより、水素供給モジュールから潤滑油又は油圧油に、十分に水素を供給できる。よって、水素供給モジュールにおいて、潤滑油又は油圧油に水素を供給する部分の面積を過度に大きくする必要がない。

0016

そのため、酸化防止剤の還元を行う装置(例えば水素供給モジュールや、水素供給モジュールを含む還元装置)をコンパクトにすることができる。つまり、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる。

0017

なお、上述した理由により、還元処理温度は、60℃〜120℃の範囲が好適である。
(5)本開示の一態様では、温度調節装置により、潤滑油又は油圧油の温度を80℃〜100℃に調節してもよい。
このような構成によれば、水素透過能力が一層向上し、しかも、潤滑油や油圧油や酸化防止剤の酸化や劣化をより好適に抑制できる。

0018

(6)本開示の一態様では、潤滑油又は油圧油を収容する還元槽と、還元槽と潤滑油又は油圧油を用いる装置との間で潤滑油又は油圧油を循環させる循環路と、を備え、還元槽に水素供給モジュールを配置してもよい。

0019

このような構成により、還元槽に配置した水素供給モジュールから潤滑油又は油圧油に水素を供給することにより、酸化防止剤を効率良く還元することができる。
また、上述したように、潤滑油又は油圧油を用いる例えばタービン発電機のような装置の稼働中に、酸化防止剤の還元を行うことができるので、作業効率が向上するという利点がある。

0020

(7)本開示の一態様では、循環路に、潤滑油又は前記油圧油を溜めるタンクを備えていてもよい。
このような構成により、潤滑油又は油圧油を用いる例えばタービン発電機のような装置に対して、十分に潤滑油又は前記油圧油を供給することができる。

0021

(8)本開示の一態様では、温度調節装置は、潤滑油又は前記油圧油を加熱する加熱装置を備えていてもよい。
このような構成により、潤滑油又は油圧油の温度を、上述した還元処理温度に好適に調節することができる。

0022

(9)本開示の一態様では、還元後の酸化防止剤を含む潤滑油又は前記油圧油を冷却する冷却装置を、潤滑油又は油圧油を水素供給モジュールから潤滑油又は油圧油を用いる装置に供給する流路に備えていてもよい。

0023

このような構成により、還元処理温度に調節された潤滑油又は油圧油の温度を、潤滑油又は油圧油を用いる例えばタービン発電機のような装置に適した温度に調節することができる。これにより、潤滑油又は油圧油は、その性能を発揮することができるとともに、使用中に酸化(劣化)することを抑制できる。

0024

(10)本開示の一態様では、酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤又はフェノール系酸化防止剤であってもよい。
このような酸化防止剤を用いることにより、潤滑油又は前記油圧油の酸化を好適に抑制することができる。

0025

(11)本開示の一態様では、水素供給モジュールは、多数の細孔を内部に有する多孔質部材と、多孔質部材の内部及び外面の少なくとも一方に設けられ、パラジウム又はパラジウム合金を含む水素分離金属層とを有するものであってもよい。

0026

このような水素供給モジュールを用いることにより、潤滑油又は前記油圧油に好適に水素を供給することができる。
<以下に、本開示の各構成について説明する>
水素含有ガスとしては、水素ガスと他のガスとの混合ガスだけでなく、水素ガスのみの場合も含む。

0027

水素分離金属層は、多孔質部材の内部及び表面の少なくとも一方に水素分離金属が層状に形成された部分であり、その水素分離金属層の厚み方向の一方から他方に水素を選択して透過させることが可能である。

0028

なお、水素分離金属が多孔質部材の細孔に充填されている場合には、その充填部分が全体として層状に広がって水素分離金属層が形成されている。詳しくは、水素分離金属は、多孔質部材の構造体以外の部分を繋ぐようにして、多孔質部材の表面に対して深さ方向に広がる(例えば表面に露出して又は表面に露出しないで広がる)とともに、表面に沿って層状に広がって水素分離金属層が形成されている。

図面の簡単な説明

0029

実施形態の還元装置を備えた発電システムの模式図である。
(a)は図1の還元装置に用いる水素供給モジュールの模式的断面図であり、(b)は水素供給モジュールに金属継手を接続した状態を示す模式的正面図である。
図2の水素供給モジュールの部分拡大断面図である。
温度制御装置にて実施される温度制御を示すフローチャートである。
実施例及び比較例で用いた試験装置の模式図である。

実施例

0030

以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.実施形態]
ここでは、発電システムに用いられる潤滑剤の酸化防止剤の還元方法と、この酸化防止剤の還元方法に用いる酸化防止剤の還元装置について説明する。

0031

[1−1.発電システムの全体構成]
まず、本実施形態の酸化防止剤の還元装置(以下、単に「還元装置」ともいう。)が用いられる発電システムについて説明する。

0032

図1に示すように、発電システム1は、潤滑油が用いられるタービン発電機3と、酸化防止剤の還元を行う還元装置5と、タービン発電機3と還元装置5との間で潤滑油を循環させる循環路7と、循環路7に配置されて潤滑油を一時的に蓄えるオイルタンク9とを備えている。なお、オイルタンク9は、循環路7の一部とされている。

0033

この発電システム1では、タービン発電機3にて使用された潤滑油は、タービン発電機3から第1供給配管7aを介してオイルタンク9に供給され、オイルタンク9から第2供給管路7bを介して還元装置5の還元槽11に供給されるように構成されている。

0034

また、還元装置5にて酸化防止剤が還元された潤滑油は、還元装置5の還元槽11から第1戻り管路7cを介してオイルタンク9に戻され、オイルタンク9から第2戻し配管7dを介してタービン発電機3に戻されるように構成されている。

0035

なお、循環路7には、第1供給配管7a、第2供給管路7b、第1戻り管路7c、第2戻り配管7dが含まれている。
従って、例えばタービン発電機3の作動中(即ち発電中)などには、潤滑油は、タービン発電機3、循環路7、オイルタンク9、還元装置5の間を循環しており、一定期間使用された後に交換及び廃棄される。

0036

なお、本実施形態では、タービン発電機3に用いられる潤滑油(いわゆるタービン油)を対象とするが、本開示は、油圧油等を対象としてもよい。油圧油には金属加工油も含まれる。潤滑油又は油圧油の種別としては、鉱物油でも合成油でも部分合成油でもよい。

0037

[1−2.還元装置の全体構成]
次に、還元装置5の全体構成について説明する。
還元装置5は、潤滑油中に存在する酸化防止機能を失った酸化防止剤を、水素を用いた還元により再生することで(即ち還元処理を行うことで)、潤滑油の寿命を向上させる長寿命化装置である。

0038

この還元装置5は、潤滑油を溜める容器である還元槽11と、還元槽11内の潤滑油の温度を検出する温度センサ13と、還元槽11の周囲に配置されて、還元槽11内の潤滑油を加熱するヒーター15と、還元槽11に配置されて、酸化防止剤を含む潤滑油に水素を供給する水素供給モジュール17と、第1戻り管路7cに配置されて、還元後の酸化防止剤を含む潤滑油を冷却する冷却装置19とを備えている。

0039

また、還元装置5は、還元槽11内の潤滑油の温度を、還元処理に適した温度(還元処理温度)に制御するために、温度制御装置21を備えている。
この温度制御装置21は、周知のマイコンを備えた電子制御装置であり、後述するように、温度センサ13によって検出された潤滑油の温度に基づいて、ヒーター15の印加電圧等を制御して、潤滑油の温度を目標とする還元処理温度(ここでは、60℃〜120℃の温度範囲)に制御するものである。なお、温度制御装置21と温度センサ13とヒーター15とにより、温度調節装置23が構成されている。

0040

なお、潤滑油の温度の調節は、温度センサ13によって検出された潤滑油の温度に基づいて、マニュアルにて行ってもよい。
以下、各構成等について詳細に説明する。

0041

[1−3.酸化防止剤]
まず、潤滑油に添加される酸化防止剤について説明する。
潤滑油は、使用に伴い、酸素、熱、金属イオン紫外線等の照射エネルギー燃焼等により発生するフリーラジカルなどにより、いわゆる自動酸化と呼ばれる連鎖反応を引き起こす。これにより、劣化生成物が発生し、粘度増加、スラッジ生成、金属の腐食泡立ち、退色、フィルター閉塞などの弊害が発生する。特に、タービン発電機3などにおいて高温条件下で金属に接触する潤滑油では、酸化が著しい。このような酸化を防止するため、潤滑油には一般に酸化防止剤が添加される。

0042

本実施形態の還元装置5で用いる酸化防止剤としては、連鎖防止剤又は過酸化物分解剤分類されるものが好ましい。連鎖防止剤は、ペルオキシラジカルを生成することで、酸化反応の連鎖を抑制する。連鎖防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール(DBPC)、P,P’−ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられる。過酸化物分解剤は、酸化反応中に生成されるヒドロペルオキシド(ROOH)を安定な化合物に分解することで、酸化反応の連鎖を抑制する。過酸化物分解剤としては、例えばジアルキルジチオリン酸亜鉛ジベンジルサルファイド(DBDS)等が挙げられる。

0043

また、酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止効果が高く、また活性水素による還元反応が生じやすいアミン系又はフェノール系の酸化防止剤が好ましい。アミン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤としては、下記式(1)〜(6)に示すものが好適に使用できる。

0044

アミン系酸化防止剤の具体例としては、例えばP,P’−ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられる。また、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、DBPC、DBDS等が挙げられる。なお、酸化防止剤の添加量は、一般に潤滑油又は油圧油に対し0.01質量%以上1質量%以下である。

0045

[1−4.水素供給モジュール]
次に、水素供給モジュール17について説明する。
水素供給モジュール17は、図2(a)、図3に示すように、多数の細孔を内部に有する多孔質支持体25と、多孔質支持体25の外面に支持され、水素分離金属であるパラジウム又はパラジウム合金を含む水素分離金属層27とを有する。この水素供給モジュール17の多孔質支持体25の内部空間29に水素含有ガスGを供給することで、水素分離金属層27の外面に強い還元力を示すHラジカル(つまり、活性水素)が発生する。

0046

水素供給モジュール17の多孔質支持体25は、その長手方向(図2の上下方向)に沿って内部空間29を有するとともに、長手方向の一方(先端側:図2の下方)が閉塞され、他方(後端側:図2の上方)に開口31を有する有底円筒状の部材である。

0047

詳しくは、多孔質支持体25は、他方の端部に開口32を有する有底円筒状の多孔質基部33と、この多孔質基部33の開口32側の端部に接続される円筒状の緻密部35と、多孔質基部33と緻密部35の一部とにまたがって外面全体被覆する多孔質層37(図3参照)とを有する。

0048

多孔質基部33及び多孔質層37は、多孔質であるので、水素分離金属が充填されていない部分では、水素含有ガスGを透過する性質(つまり、ガス透過性)を有する。一方、緻密部35は、ガス透過性を有さない。

0049

なお、水素含有ガスGとしては、天然ガス水蒸気とを触媒に接触させて生成した改質ガスや、純粋な水素ガスなどが挙げられるが、ここでは、例えば水素ガスを用いる。
多孔質支持体25の構成材料としては、セラミックや金属を用いることができる。好適なセラミックとしては、例えばジルコニアアルミナマグネシアセリアドープドセリアガラス等が挙げられる。これらの中でも、パラジウム又はパラジウム合金と熱膨張係数近似し、かつパラジウム又はパラジウム合金との反応性も低いジルコニアが特に好ましい。なお、ジルコニアを用いた多孔質セラミックとしては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が挙げられる。

0050

多孔質支持体25の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、500μmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。また、上記平均厚さの上限としては、2mmが好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、モジュール全体の機械的強度が不十分となって水素分離金属層27を厚くせざるを得なくなるおそれがある。

0051

多孔質基部33及び多孔質層37の気孔率の下限としては、10%が好ましく、30%がより好ましい。一方、上記気孔率の上限としては、90%が好ましく、50%がより好ましい。また、多孔質基部33及び多孔質層37の比表面積は、50cm2/g以上400cm2/g以下が好ましい。

0052

上記気孔率又は比表面積が上記下限より小さいと、細孔の割合が小さくなり、ガス透過率が低下するおそれがある。逆に、上記気孔率又は比表面積が上記上限より大きいと、多孔質支持体25の機械的強度が低下し、破損しやすくなるおそれがある。なお、多孔質基部33と多孔質層37とは、厚み方向(つまり、半径方向)にかけて材質や気孔率等が異なっていてもよい。

0053

水素分離金属層27は、水素含有ガスの水素を選択的に透過させる層であり、パラジウム(Pd)又はパラジウム合金を含む。具体的には、水素分離金属層27はパラジウム又はパラジウム合金から形成されることが好ましい。パラジウムを用いることで、水素を効率よく透過させることができる。また、水素脆化抑制の観点からは、パラジウム合金を用いることが好ましい。

0054

パラジウム合金としては、パラジウムを主成分とし、さらに金、銀、銅又はこれらの組合せを含むものが好ましく、具体的には、パラジウム銀合金(PdAg合金)、パラジウム銅合金(PdCu合金)、パラジウム金合金(PdAu合金)等が挙げられ、水素の透過性に優れるパラジウム銀合金が特に好ましい。また、パラジウム合金は、これらの金属以外に、パラジウム以外の白金族金属白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os))、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)等を含んでもよい。

0055

水素分離金属層27の平均厚さの下限としては、1μmが好ましい。一方、上記平均厚さの上限としては、30μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限よりも小さいと、ピンホールが生じやすくなり、緻密性が不十分となるため、活性水素だけでなく、ピンホールを介して水素がガスとして供給されるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限より大きいと、水素の透過性が低下するおそれや、コストが高くなるおそれがある。

0056

また、水素分離金属層27は、図3に示すように、多孔質層37の外面側の細孔を塞ぐように構成されてもよい。或いは、多孔質層37の細孔内に水素分離金属を充填して、多孔質層37の表面に、水素分離金属が露出しないようにしてもよい。

0057

水素供給モジュール17は、図3に示すように、水素分離金属層27の外面にさらに触媒金属層39を有してもよい。この触媒金属層39は、パラジウムを含み、水素分離金属層27から発生する水素の付加反応(即ち水素添加の反応)を促進する。そのため、この触媒金属層39を有することで、酸化防止剤の再生を促進することができる。なお、触媒金属層39は、水素分離金属層27の外面に分散するように配置してもよい。

0058

また、水素供給モジュール17は、図2(b)に示すように、緻密部35に、取付金具押圧金具シール材固定金具等からなる金属継手41が螺着される。また、金属継手41を介して水素含有ガスGを導入するための導入管43が接続される。

0059

水素供給モジュール17の配置場所は、特に限定されず、上記実施形態では、還元槽11に水素供給モジュール17を配置していたが、例えば還元槽11と同様にオイル貯留する場所であるオイルタンク9内に水素供給モジュール17を配置してもよい。

0060

[1−5.その他の構成]
図1に示すように、第1戻し配管7cには、還元後の酸化防止剤を含む潤滑油を冷却する冷却装置19が配置されている。

0061

この冷却装置は、第1戻し配管7cの周囲に配置されているチラーであり、冷却水等によって、第1戻し配管7c内に流れる潤滑油を冷却する。
その他の構成として、タービン発電機3と還元装置5との間には、図示しないが、例えば熱交換器遠心分離機等の公知の機器が適宜配設される。

0062

[1−6.還元処理温度]
次に、60℃〜120℃に調節される還元処理温度について説明する。
室温で水素供給モジュール17を使用した場合には、水素分離金属層27において単位面積当たりに透過する水素の量(即ち単位面積当たりの水素発生量)は少ない。そのため、十分な還元処理を行うためには、大きな膜面積(即ち水素分離金属層27の表面積)が必要となるので、多数の水素供給モジュール17が必要となる。その結果、水素供給モジュール17の本数が増えると、還元装置5が大型化してしまう。

0063

それに対して、本実施形態では、還元処理温度を60℃〜120℃の範囲に調節するので、小さな膜面積でも(従って還元装置5がコンパクトでも)、多くの水素を容易に供給することができる。以下、この理由を説明する。

0064

下記表1に、温度と水素の透過量と単位面積当たりの水素発生量との関係を示す。これは、本発明者による実験結果であり、前記実施形態の水素供給モジュール17の内部空間29に対して、0.1MPaGの圧力にて水素ガスを供給した場合に、その外側に透過した水素の量(透過量)を調べたものである。なお、単位面積当たりの水素発生量とは、水素の透過量を水素分離金属層27の表面積で割った値である。

0065

この表1から明らかなように、還元処理温度を60℃(詳しくは59.6℃)にすると、常温(27.5℃)の場合に比べて、水素が3倍以上発生することが分かる。更に、還元処理温度を80℃(詳しくは80.1℃)にすると、常温の場合に比べて、水素が8倍以上発生することが分かる。

0066

つまり、多くの水素を供給する場合には、還元処理温度を60℃以上に調節することが望ましく、更に、80℃以上に調節することが一層望ましいことが分かる。
しかし、還元処理温度を120℃を上回る温度にすると、熱的ストレスが潤滑油や酸化防止剤に与える影響が大きくなるため、逆に潤滑油の寿命を縮めてしまう。つまり、潤滑油や酸化防止剤において、酸化や炭素鎖の切断による劣化が起き易くなる。更に、暖めるために必要なエネルギーが増加するため、経済性が悪化する。

0067

つまり、還元処理温度は120℃以下が望ましく、更に、潤滑油や酸化防止剤の劣化をより抑制するためには、100℃以下に調節することが望ましい。
従って、これらの点を考慮して、還元処理温度は60℃〜120℃の範囲に調節することが望ましく、更に、80℃〜100℃の範囲に調節することが一層望ましいことが分かる。なお、本実施形態では、水素分離金属層27の表面付近が60℃〜120℃になるように調節した。

0068

[1−7.温度制御装置の温度制御]
次に、温度制御装置21にて実施される潤滑油の温度制御について、図4のフローチャートに基づいて説明する。

0069

この温度制御は、温度センサ13によって検出された潤滑油の温度に基づいて、ヒーター15の印加電圧等を制御して潤滑油の温度を目標とする還元処理温度に制御するものである。

0070

まず、図4のステップ図4ではSで示す)100では、温度センサ13からの信号に基づいて、還元槽11内の潤滑油の温度を検出する。
続くステップ110では、潤滑油の温度が、目標とする還元処理温度(即ち60℃〜120℃)の温度範囲内であるか否かを判定する。ここで肯定判断されると一旦本処理を終了し、一方否定判断されるとステップ120に進む。

0071

ステップ120では、潤滑油の温度に応じて、ヒーター15に印加する電圧を制御して、潤滑油の温度を調整し、ステップ100に戻る。
例えば潤滑油の温度が60℃より低い場合は、ヒーター15に印加する電圧を上げて、潤滑油の温度を上げる。一方、潤滑油の温度が120℃より高い場合は、ヒーター15に印加する電圧を下げて、潤滑油の温度を下げる。

0072

これにより、潤滑油の温度を目的とする還元処理温度に制御することができる。
[1−8.実施形態の効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。

0073

(1a)本実施形態では、パラジウム合金を水素分離金属として用いた水素供給モジュール17によって、活性水素を潤滑油に供給するので、潤滑油中の酸化防止剤を効果的に還元し再生することができる。その結果、潤滑油の酸化を抑制して、潤滑油の寿命を高めることができる。

0074

(1b)本実施形態では、酸化防止剤を還元処理する還元処理工程において、温度調節装置23を用いて、潤滑油の温度(還元処理温度)を、60℃〜120℃の範囲に調節する。これにより、水素供給モジュール17から潤滑油に十分に水素を供給できる。詳しくは、還元処理温度が60℃以上の場合には、水素分離金属層17における水素透過能力が向上する。

0075

よって、水素供給モジュール17においては、潤滑油に水素を供給する部分(即ち水素分離金属層27)の面積を過度に大きくする必要がない。
そのため、水素供給モジュール7や還元装置5をコンパクトにすることができる。つまり、コンパクトな装置で大量の水素を供給できる。

0076

また、還元処理温度が120℃以下の場合には、潤滑油や酸化防止剤において、酸化や炭素鎖の切断による劣化(性能の低下)が起きにくいという利点がある。
(1c)本実施形態では、潤滑油を収容する還元槽11と、還元槽11とタービン発電機3との間で潤滑油を循環させる循環路7とを備えており、還元槽11に水素供給モジュール17が配置されている。

0077

従って、タービン発電機3に、循環路7を介して潤滑油を供給可能な状態にて(つまりタービン発電機3の稼働中に)、酸化防止剤の還元を行うことができるので、作業効率が向上するという利点がある。

0078

(1d)本実施形態では、循環路7に、潤滑油を溜めるオイルタンク9を備えているので、十分な潤滑油をタービン発電機3に容易に供給することができる。
(1e)本実施形態では、温度調節装置23は、潤滑油の温度を加熱するヒーター15を備えているので、ヒーター15の発熱状態を調節することにより、還元処理温度を容易に調節することができる。

0079

(1f)本実施形態では、還元後の酸化防止剤を含む潤滑油を冷却する冷却装置19を備えているので、還元処理温度に調節された潤滑油の温度を、タービン発電機3の動作に適した温度に容易に調節することができる。これにより、潤滑油は、その性能(即ち潤滑性能)を十分に発揮することができるとともに、使用中に潤滑油や酸化防止剤が酸化(劣化)することを抑制できる。

0080

[1−9.文言対応関係
ここで、本開示と実施形態との文言の対応関係について説明する。
本実施形態の、タービン発電機3、還元装置5、循環路7、オイルタンク9、還元槽11、ヒーター15、水素供給モジュール17、冷却装置19、温度調節装置23、多孔質支持体25、水素分離金属層27は、それぞれ、本開示の、潤滑油又は前記油圧油を用いる装置、還元装置、循環路、タンク、還元槽、ヒーター、水素供給モジュール、冷却装置、温度調節装置、多孔質部材、水素分離金属層の一例に相当する。

0081

[2.実施例及び比較例]
(実施例)
次に、本開示の効果を確認するために行った実施例について説明する。

0082

潤滑油としてタービン油などに使用される一般的な鉱物油(即ちパラフィン系鉱物油)を使用した。具体的には、潤滑油として、RIXタービン46を使用した。
この試験前の潤滑油には、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエンが0.107質量%含まれている。また、潤滑油の色相ASTMD1500−12で規定されるASTMカラースケール)は0.5であり、全酸価値は0.02mgKOH/gである。

0083

本実施例では、触媒を配置し熱を加えた容器に空気を送り込むことで容器内の潤滑油の酸化を促進する酸化槽と、酸化した潤滑油を還元する還元槽とを設け、各槽間をポンプで循環させることで試験を行った。

0084

より具体的には、図5のような試験装置を用いた。酸化槽51には丸底フラスコを用いており、この丸底フラスコをマグネットスターラ—付ヒーター53にセットした。ヒーター53によって酸化槽51内の温度(即ち潤滑油(J)の温度)が100℃になるように設定されており、酸化槽51内の潤滑油の状況が均一となるよう撹拌子(図示省略)にて撹拌を行った。

0085

また、酸化層51内には、潤滑油の酸化を促進する触媒として、φ1mm、長さ3mの銅線コイル形状に成形した銅コイル57を配置した。そして、空気導入管55よって、潤滑油内に空気を1L/minで導入し、潤滑油の酸化を行った。酸化槽51にて酸化された潤滑油は、ポンプ59により引き抜かれて、還元槽61に送られる。

0086

還元槽61も酸化槽51と同様、丸底フラスコを用い、マグネットスターラ—付ヒーター63にセットした。ヒーター63によって、還元槽61内の温度(即ち潤滑油の温度)が90℃になるように設定されており、還元槽61内の潤滑油の状況が均一となるよう撹拌子(図示省略)にて撹拌を行った。

0087

また、還元槽61には、有底管形状多孔質セラミックスチューブ上にPdAg膜を被覆した(前記実施形態と同様な)水素供給モジュール17が挿入されている。そして、水素供給モジュール17の開口31より水素ガスを20kPaGの圧力で供給し、水素供給モジュール17表面のPdAg膜を介して潤滑油に水素を供給した。

0088

これにより、潤滑油中の酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン)を還元し、潤滑油を再生した。還元槽61で再生された潤滑油は、ポンプ65にて酸化槽51に再び送られる。なお、ここで、潤滑油の再生とは、潤滑油中の酸化防止剤の還元による再生を意味する。

0089

そして、この試験装置により、上述した条件にて、500時間にわたり潤滑油の再生の試験を行った。
そして、試験後の潤滑油を調べたところ、色相は0.5であり、全酸価値は0.02mgKOH/gであった。また、酸化防止剤濃度、即ちジブチルヒドロキシトルエンの含有量は0.095質量%であった。

0090

なお、色相は目視で調べ、全酸価値は指示薬滴定法により求め、酸化防止剤濃度は、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)により測定したものである。
(比較例)
次に、本開示とは異なる比較例について説明する。

0091

比較例の試験装置及び試験条件は、水素供給モジュール17から水素を供給しないこと以外は、前記実施例で使用した試験装置及び試験条件と同様である。
そして、この試験装置により、500時間にわたり試験を行った。

0092

そして、試験後の潤滑油を調べたところ、色相は1.5であり、全酸価値は0.08mgKOH/gであった。また、GC−MSを使用して酸化防止剤濃度を分析したところ、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量は0.000質量%であった。

0093

上述した実施例及び比較例の試験結果から、実施例では、500時間の試験後でも、潤滑油の色相は0.5と薄く、全酸価値は0.02mgKOH/gと酸化の程度が低く、酸化防止剤濃度が0.095質量%と高い値であった。

0094

これにより、水素供給モジュール17から水素を供給し、前記還元処理温度で還元処理を行った実施例では、酸化防止剤の酸化の程度が低く、潤滑油も酸化の程度が低いこと(即ち劣化がそれほど進んでいないこと)が分かる。

0095

一方、比較例では、500時間の試験後では、潤滑油の色相は1.5と濃く、全酸価値は0.08mgKOH/gと酸化の程度が高く、酸化防止剤は実質的に全て消費されていた。

0096

これにより、水素供給モジュール17から水素を供給しない比較例では、酸化防止剤の酸化の程度が高く、潤滑油も酸化の程度が高いこと(即ち劣化が進んでいること)が分かる。

0097

[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態等について説明したが、本開示は、上記実施形態等に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。

0098

(3a)例えば、水素供給モジュールに供給するガスとしては、水素ガスに限らず、水素を含む各種の水素含有ガス(例えば天然ガスなどの混合ガスやその改質ガスなど)が挙げられる。

0099

(3b)水素供給モジュールから水素を供給する対象の油としては、潤滑油に限らず、各種の油圧油(作動油)等が上げられる。
(3c)水素供給モジュールは、潤滑油に対して水素分離金属層を介して水素を供給できるように配置すれば良いので、還元槽に限らず、オイルタンクなどに配置してもよい。

0100

(3d)水素供給モジュールとしては、潤滑油や油圧油に対して水素分離金属層を介して水素を供給できる各種の水素供給モジュールを採用できる。
例えば多孔質支持体としては、多孔質基部の表面に多孔質層を備えていない構成を採用できる。また、水素分離金属層を、多孔質支持体の表面ではなく、多孔質支持体の内部に設けてもよい。さらに、水素分離金属も、パラジウムやパラジウム合金に限定されるものではない。また、水素分離金属層の表面に触媒金属層を備えていなくともよい。

0101

(3e)潤滑油の温度の調節は、自動制御によって行ってもよいが、潤滑油の温度を調べて、ヒーターの発熱状態をマニュアルにて調整することによって行ってもよい。
(3f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

0102

3…タービン発電機
5…還元装置
7…循環路
9…オイルタンク
11…還元槽
15、53、63…ヒーター
17…水素供給モジュール
19…冷却装置
23…温度調節装置
25…多孔質支持体
27…水素分離金属層
G…水素含有ガス

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