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技術 エレベータのロープ清掃装置

出願人 日本オーチス・エレベータ株式会社
発明者 加藤充黒川大五郎古市直斗
出願日 2016年10月11日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-199641
公開日 2018年4月19日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-062393
状態 特許登録済
技術分野 清浄化一般 エレベーターの昇降案内装置及びロープ類
主要キーワード ハーフカバー ゴム系弾性材 テーパコーン状 中心繊維 半割構造 テンションシーブ ガイドローラユニット 各分割片
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月19日)のものです。
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図面 (7)

課題

ロープに付着している油分等を飛散を招くことなく且つ粘度の度合いにかかわらず効率良く拭い取ることができるロープ清掃装置を提供する。

解決手段

三個のワイピングユニット13A〜13Cは、中心部に調速機ロープ9のためのロープ挿通穴が形成された三割り構造の縮拡径可能なテーパ状のワイピングパッド17と、ワイピングパッド17を収容してテーパ接触しているホルダー16と、を備えている。調速機ロープ9の下方への走行移動時にワイピングパッド17が縮径して調速機ロープ9を把持しつつ摺動して清掃機能を発揮する。その一方、調速機ロープ9の上方への走行移動時にはワイピングパッド17の拡径を許容して調速機ロープ9に対する把持力解除される構造である。

概要

背景

この種のエレベータロープ清掃装置として例えば特許文献1に記載されたものが本出願人により提案されている。この特許文献1に記載されたロープ清掃装置は、保守ツールとしてエレベータの保守点検時に一時的に設置するいわゆる回転型ワイヤブラシタイプのものであり、例えば調速機ロープがワイヤブラシに接触しつつ長手方向に走行移動すると、その調速機ロープとの摩擦によってワイヤブラシが連れ回りするかたちで回転し、調速機ロープに付着している油分や埃等の付着物が掻き落とされるようにして除去されることになる。

このようなロープ清掃装置が必要とされるのは次のような理由による。エレベータのワイヤロープには、サイザル麻またはPP材製の繊維を中心繊維(繊維心)として用いたものが広く採用されており、中心繊維およびストランドには多量の油(グリス)を含有させることで、ストランドや素線間フレッチング摩耗腐食を防いでいる。そして、ワイヤロープに含有されていた油が滲出して埃等と共にワイヤロープの表面を覆ってしまうと、ワイヤロープの目視点検ロープ径の正確な測定が困難になるほか、滲出した油や埃等によるロープ径の肥大化のために、ロープ外れ止め等の構造部材干渉して異音が発生する、などの二次的不具合の原因となるからである。

概要

ロープに付着している油分等を飛散を招くことなく且つ粘度の度合いにかかわらず効率良く拭い取ることができるロープ清掃装置を提供する。三個のワイピングユニット13A〜13Cは、中心部に調速機ロープ9のためのロープ挿通穴が形成された三割り構造の縮拡径可能なテーパ状のワイピングパッド17と、ワイピングパッド17を収容してテーパ接触しているホルダー16と、を備えている。調速機ロープ9の下方への走行移動時にワイピングパッド17が縮径して調速機ロープ9を把持しつつ摺動して清掃機能を発揮する。その一方、調速機ロープ9の上方への走行移動時にはワイピングパッド17の拡径を許容して調速機ロープ9に対する把持力解除される構造である。

目的

本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ワイヤロープに付着している油分等を飛散を招くことなく且つ粘度の度合いにかかわらず効率良く拭い取ることができるように考慮されたエレベータのロープ清掃装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上下方向に走行移動するワイヤロープワイピングユニットが包囲していて、それら両者の相対摺動動作に基づいてワイヤロープを清掃するエレベータロープ清掃装置であって、上記ワイピングユニットは、外周面が下方に向かって縮径するようにテーパ状に形成されていて、中心部にワイヤロープが挿入される縮拡径可能な筒状の摺動部材と、上記摺動部材を収容してその摺動部材の外周面とテーパ接触する外筒部材と、を備えていて、上記ワイヤロープの下方への走行移動時に摺動部材が縮径してワイヤロープを把持しつつ摺動することにより清掃機能を発揮する一方、上記ワイヤロープの上方への走行移動時には摺動部材の拡径を許容してワイヤロープに対する把持力解除されるようになっていることを特徴とするエレベータのロープ清掃装置。

請求項2

上記摺動部材は、周方向で分割されていて互いに独立した複数の分割片集合体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項3

上記摺動部材は、三個以上の分割片の集合体により形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項4

上記外筒部材は、周方向で分割されている複数のカバー部材着脱可能に結合したものであることを特徴とする請求項2または3に記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項5

上記摺動部材の最小縮径時の内径はワイヤロープの直径よりも小さいことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項6

上記ワイヤロープの走行移動経路の同一軸線上に少なくとも二つのワイピングユニットが配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項7

一つのワイピングユニットがワイヤロープの走行移動に連動してその走行移動方向に移動する可動式のものであり、残りのワイピングユニットが定位固定式のものであることを特徴とする請求項6に記載のエレベータのロープ清掃装置。

請求項8

上記ワイヤロープが調速機ロープであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のエレベータのロープ清掃装置。

技術分野

0001

本発明は、エレベータロープ清掃装置に関し、特にワイヤロープ走行移動連動してそのワイヤロープを清掃するためのロープ清掃装置に関する。

背景技術

0002

この種のエレベータのロープ清掃装置として例えば特許文献1に記載されたものが本出願人により提案されている。この特許文献1に記載されたロープ清掃装置は、保守ツールとしてエレベータの保守点検時に一時的に設置するいわゆる回転型ワイヤブラシタイプのものであり、例えば調速機ロープがワイヤブラシに接触しつつ長手方向に走行移動すると、その調速機ロープとの摩擦によってワイヤブラシが連れ回りするかたちで回転し、調速機ロープに付着している油分や埃等の付着物が掻き落とされるようにして除去されることになる。

0003

このようなロープ清掃装置が必要とされるのは次のような理由による。エレベータのワイヤロープには、サイザル麻またはPP材製の繊維を中心繊維(繊維心)として用いたものが広く採用されており、中心繊維およびストランドには多量の油(グリス)を含有させることで、ストランドや素線間フレッチング摩耗腐食を防いでいる。そして、ワイヤロープに含有されていた油が滲出して埃等と共にワイヤロープの表面を覆ってしまうと、ワイヤロープの目視点検ロープ径の正確な測定が困難になるほか、滲出した油や埃等によるロープ径の肥大化のために、ロープ外れ止め等の構造部材干渉して異音が発生する、などの二次的不具合の原因となるからである。

先行技術

0004

特開2011−105493号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に代表されるようなワイヤブラシタイプのロープ清掃装置では、ワイヤブラシで掻き落とされた油分等の飛散不可避であることから、飛散防止のためのケースカバーを設置する必要があり、構造が複雑化するという問題があった。また、ワイヤロープの表面に滲出した粘度の低い油分等は、ワイヤブラシだけでは十分に除去することが困難であった。そのため、ウエス等による拭き取りを併用する必要があり、ロープ清掃工数が増大するという問題があった。

0006

本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ワイヤロープに付着している油分等を飛散を招くことなく且つ粘度の度合いにかかわらず効率良く拭い取ることができるように考慮されたエレベータのロープ清掃装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、請求項1に記載のように、上下方向に走行移動するワイヤロープをワイピングユニットが包囲していて、それら両者の相対摺動動作に基づいてワイヤロープを清掃するエレベータのロープ清掃装置である。そして、上記ワイピングユニットは、外周面が下方に向かって縮径するようにテーパ状に形成されていて、中心部にワイヤロープが挿入される縮拡径可能な筒状の摺動部材と、上記摺動部材を収容してその摺動部材の外周面とテーパ接触する外筒部材と、を備えている。その上で、上記ワイヤロープの下方への走行移動時に摺動部材が縮径してワイヤロープを把持しつつ摺動することにより清掃機能を発揮する一方、上記ワイヤロープの上方への走行移動時には摺動部材の拡径を許容してワイヤロープに対する把持力解除されるようになっていることを特徴とする。

0008

この場合において、清掃対象となるエレベータのワイヤロープとしては、請求項8に記載の調速機ロープのほか、メインロープ等を想定している。そして、ロープ清掃装置による清掃の目的は、ワイヤロープに予め含浸されているグリス等の油分が滲出して外周面に付着している場合に、その外周面に付着しているグリス等の油分やその油分とともに付着している埃や異物(これらを含めて、以下では「油分等」と言う。)を拭き取りによって除去するためである。

0009

また、所定位置掛け渡されている既設のワイヤロープを摺動部材で包囲するようにして、その摺動部材の中心部にワイヤロープを挿通させるためには、請求項2に記載のように、摺動部材は、周方向で分割されていて互いに独立した複数の分割片集合体により形成されていることが望ましい。より望ましくは、請求項3に記載のように、摺動部材は、三個以上の分割片の集合体により形成されているものとする。

0010

加えて、摺動部材が複数の分割片の集合体により形成されているのと同様の理由から、請求項4に記載のように、外筒部材は、周方向で分割されている複数のカバー部材着脱可能に結合したものであることが望ましい。

0011

さらに、摺動部材の機能よりして、請求項5に記載のように、摺動部材の最小縮径時の内径はワイヤロープの直径よりも小さいものとする。

0012

また、清掃対象となるワイヤロープの長さ等によっては、請求項6に記載のように、ワイヤロープの走行移動経路の同一軸線上に少なくとも二つのワイピングユニットが配置されていることが望ましい。

0013

その場合には、請求項7に記載のように、一つのワイピングユニットがワイヤロープの走行移動に連動してその走行移動方向に移動する可動式のものであり、残りのワイピングユニットが定位固定式のものであることが望ましい。

0014

したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、ワイヤロープの下方への走行移動時には、その走行移動方向と摺動部材の自重作用方向とが一致することになる。そのため、ワイヤロープと摺動部材との摩擦力のために、摺動部材は下方へと引き込まれつつ縮径してワイヤロープを把持することになる。その一方で、ワイヤロープに対する摺動部材の把持力よりもワイヤロープの下方への走行移動力の方が大きいので、ワイヤロープは摺動部材による縮径方向の把持力のもとでその摺動部材と相対摺動しながら走行移動することになる。

0015

このワイヤロープと摺動部材との摺動動作の際に、ワイヤロープの外周面に滲出して付着している油分等が摺動部材により拭い取られて、摺動部材の上に溜まることになる。

発明の効果

0016

本発明によれば、ワイヤロープに対して縮径力を及ぼす摺動部材により、ワイヤロープの外周面に付着している油分等が拭い取られることになるので、拭い取った油分等が飛散することがなく、簡単な構造のもとで、粘度の度合いにかかわらず油分等を効率良く拭い取ることができる。また、従来のようにウエス等による油分等の拭き取りを併用する必要がなくなり、ロープ清掃工数を低減できる。

0017

また、請求項2,3に記載のように、摺動部材が分割構造のものとして形成されていたり、あるいは請求項4に記載のように、外筒部材が分割構造のものとして形成されていると、所定位置に巻き掛けられている既設のワイヤロープへの挿入作業を容易に行える。

0018

さらに、請求項6,7に記載のように、ワイヤロープの走行移動経路上に複数のワイピングユニットが設けられていると、ワイヤロープに付着している油分等を一段と効率良く除去することができる利点がある。

図面の簡単な説明

0019

本発明に係るロープ清掃装置を調速機ロープに適用したエレベータの概略構造を示す説明図。
図1に示したロープ清掃装置の主要素であるワイピングユニットの俯瞰的な拡大斜視図。
図2に示したワイピングユニットの平面説明図。
図2に示したワイピングユニットの詳細を示す図で、(a)は分解斜視図、(b)は同図(a)のワイピングパッドの分解斜視図。
調速機ロープの下向き走行移動時におけるワイピングユニットの機能を示す断面説明図。
調速機ロープの上向き走行移動時におけるワイピングユニットの機能を示す断面説明図。

実施例

0020

図1〜6は本発明に係るエレベータのロープ清掃装置を実施するためのより具体的な形態を示し、特に図1は本発明に係るロープ清掃装置を調速機ロープに適用したエレベータの概略構造を示している。また、図2以下のそれぞれの図面は上記ロープ清掃装置の主要素であるワイピングユニットの詳細を示している。

0021

図1に示すエレベータは、図示外の巻上機に巻き掛けられたメインロープ1の一端にかご2が、他端にカウンターウエイトがそれぞれ吊り下げられたいわゆるトラクション方式のものであって、巻上機によってメインロープ1を駆動することでかご2およびカウンターウエイトが昇降路内を昇降移動する周知の構造のものである。なお、かご2の上下に複数のガイドローラユニット3が設けられていて、これらのガイドローラユニット3がガイドレールに案内されることになるが、図1ではガイドローラを図示省略している。

0022

また、昇降路の頂部には調速機ガバナー)4が設けられている一方、昇降路の底部には張力付与装置5が設けられている。この張力付与装置5は、回転可能なテンションプーリテンションシーブ)6の中心部にウエイトケース7を吊り下げ支持させたものであり、ウエイトケース7には所定重量ウエイト8が搭載されている。そして、調速機4とテンションプーリ6との間にはワイヤロープである調速機ロープ(ガバナーロープ)9が巻き掛けられていて、調速機ロープ9には張力付与装置5全体の重量に応じた張力が付与されている。調速機ロープ9は複数のストランド(撚り線)を中心繊維とともにさらに撚り合わせて構成された周知の構造のものである。

0023

他方、かご2側には非常止め装置のリンク機構10が付帯している。リンク機構10の両端にはベルクランク11a,11bがあり、それぞれのベルクランク11a,11bには下方に延びるリフトロッド12が接続されている。一方のベルクランク11aは調速機ロープ9の連結部9cに接続されているとともに、それぞれのリフトロッド12はかご2の下部の図示を省略した非常止め装置に接続されている。

0024

これにより、かご2の昇降移動に伴って調速機ロープ9が走行移動し、調速機4が回転するようになっている。そして、かご2の速度が異常に増大したときに調速機4がこれを検出して調速機ロープ9を掴み、ベルクランク11a,11bを含むリンク機構10を介して双方のリフトロッド12を引き上げることで非常止め装置を作動させて、かご2を制止させることになる。

0025

なお、図1に示した調速機ロープ9のうち左側の部分の連結部9cにリンク機構10のベルクランク11aが連結されていて、かご2の昇降移動に応じて調速機ロープ9が走行移動することになるものの、連結部9cが調速機4や張力付与装置5を超えることはないので、ここでは、便宜上、図1に示した調速機ロープ9のうち左側の部分を調速機ロープ9の駆動側9aと称し、右側の部分を調速機ロープ9の従動側9bと称するものとする。

0026

また、昇降路内には調速機ロープ9の従動側9bの走行移動経路に沿って例えば合計で三つのロープ清掃ユニットであるワイピングユニット13A〜13Cが設けられている。これら三つのワイピングユニット13A〜13Cは、清掃対象となる調速機ロープ9の従動側9bの外周側を包囲するようにそれぞれ設けられており、同一軸線上に位置する調速機ロープ9の従動側9bがそれぞれのワイピングユニット13A〜13Cの中心部を挿通している。

0027

これら三つのワイピングユニット13A〜13Cのうち、上部と下部の二つのワイピングユニット13A,13Bは、例えばかご2またはカウンターウエイトを案内するガイドレールや昇降路内の梁に代表されるような構造体取付部材としてこれに着脱可能に固定されている。また、中央部のワイピングユニット13Cは支持アーム14を介してかご2の上部に着脱可能に固定されている。これにより、上下一対のワイピングユニット13A,13Bがいわゆる定位置固定式のものであるのに対して、中央部のワイピングユニット13Cはかご2とともに昇降移動する可動式のものとなっている。

0028

なお、図1に示したエレベータの例では、それぞれのワイピングユニット13A〜13Cは昇降路内に常時設置されているものではなく、例えばエレベータの保守点検作業に際して、調速機ロープ9の清掃が必要な時に一時的に設置されるものであって、調速機ロープ9の清掃作業完了後には取り外されることになる。

0029

図1に示した三つのワイピングユニット13A〜13Cは共に同じ構造のものであり、ここでは、代表して最上部のワイピングユニット13Aの詳細を図2以下の図面に基づいて説明する。

0030

図2図1に示したワイピングユニット13Aの俯瞰的な拡大斜視図を、図3図2に示したワイピングユニット13Aの平面説明図をそれぞれ示している。さらに、図4の(a)は図2に示したワイピングユニット13Aの分解斜視図を、(b)は同図(a)のワイピングパッド17の分解斜視図をそれぞれ示している。

0031

図2に示すように、ワイピングユニット13Aは、略矩形平板状ベースプレート15と、そのベースプレート15の上に載置された外筒部材としてのカップ状のホルダー16と、そのホルダー16の内部に収容される摺動部材としてのワイピングパッド17と、から構成されている。ベースプレート15は相手側の取付部材に固定されてホルダー16を支える機能を有するもので、中央部には調速機ロープ9の従動側9bの通過を許容するようにその調速機ロープ9の直径よりも十分に大きな図示外の穴が形成されている。

0032

ホルダー16は、半割状の二つで一組のカバー部材としてのハーフカバー18同士を突き合わせることで形成されている。図3,4に示すように、各ハーフカバー18は、例えば均一厚みで所定サイズの金属板プレス成形を施すことにより、半円状のテーパ胴部18aの両側にフランジ部18bを有したものとして形成されている。各フランジ部18bには一対のボルト穴19が形成されている。

0033

そして、二つで一組のハーフカバー18のフランジ部18b同士を突き合わせた上で、各ボルト穴19に挿入されるボルト20とナット21とにより着脱可能に結合することによりホルダー16が形成されている。この二つで一組のハーフカバー18で形成されたホルダー16は、図2,4に示すように、各フランジ部18bを除いた部分が上端側から下端側に向かって滑らかに縮径するテーパコーン状のものとして形成されている。

0034

また、ワイピングパッド17は、図3に示すように、中心部に調速機ロープ9の従動側9bの通過を許容するロープ挿通穴22が貫通形成されていて、いわゆる状の三割り構造の分割片17aの集合体により形成されている。このワイピングパッド17は、ロープ挿通穴22を有する筒体すり割り溝をもって円周方向で三等分したものと理解することができ、相互に独立したそれぞれの駒状の分割片17aの外周面はホルダー16の内周面合致するテーパ面に形成されている。

0035

これにより、図2,3に示すように、三つの分割片17aからなるワイピングパッド17をホルダー16内に収容したときには、そのワイピングパッド17の外周面はホルダー16の内周面と密着するかたちとなる。同時に、ホルダー16とワイピングパッド17との軸心方向での相対移動に応じて、ワイピングパッド17が縮拡径可能となっている。

0036

そして、図4の(a)に示すように、仮に三つの分割片17a同士を隙間なく突き合わせて、ロープ挿通穴22の大きさを最小縮径時の直径とした場合に、そのロープ挿通穴22の最小縮径時の直径は調速機ロープ9の直径よりも小さくなるように予め設定されている。逆に言うならば、図3に示すように、ホルダー16に収容されたワイピングパッド17のロープ挿通穴22に調速機ロープ9が挿入されたときには、ワイピングパッド17を形成している各分割片17a同士の間には、すり割り溝のかたちで所定の隙間Gが確保されるようになっている。なお、ワイピングパッド17を形成しているそれぞれの分割片17aの上面は平坦面となっている。

0037

ここで、ワイピングパッド17を形成しているそれぞれの分割片17aは、例えばゴムウレタン等のゴム系弾性材料で形成されたもののほか、POM(ポリアセタール樹脂)等の樹脂材料で形成されたもの、あるいはアルミダイキャスト法で成形されたもの等を用いることができる。すなわち、後述するように調速機ロープ9に付着している油分等を拭い取ることができるならば、各分割片17aの材質は必ずしも特定の材質のものに限定されない。ただし、ゴム系弾性材料で形成されたワイピングパッド17を用いる場合、そのワイピングパッド17を形成している分割片17a自体が過剰に縮拡径してしまうことがないように、比較的硬質のゴム系弾性材料を用いることが望ましい。

0038

また、ワイピングパッド17を形成している分割片17aの数は必ずしも三つに限定されるものではなく、二つ以上であれば良い。同様に、ホルダー16も三つ以上に分割されたカバー部材で形成されていても良い。ただし、ワイピングパッド17とホルダー16との相対移動に基づく縮拡径時のセンタリング機能の安定化の上では、分割片の数は三つもしくは四つであることが望ましい。さらに、ホルダー16およびワイピングパッド17は円錐状のものに代えて、多角錐状のものとしても良い。

0039

なお、ワイピングユニット13A以外の図1に示した他のワイピングユニット13B,13Cについても、ワイピングユニット13Aと同じ構造のものであることは先に述べた通りである。

0040

したがって、このような構造の複数のワイピングユニット13A〜13Cを主要素とするロープ清掃装置によれば、例えばエレベータの保守点検作業に際して調速機ロープ9の清掃を行う場合には、図1に示したように、調速機ロープ9の従動側9bにおいてその走行移動経路の三箇所にそれぞれロープ清掃ユニット13A〜13Cを同じ向きで一時的に設置するものとする。その上で、かご2を昇降動作させるものとし、かご2の昇降移動に応じて調速機ロープ9が走行移動することになる。

0041

この場合において、上部と下部の一対のワイピングユニット13A,13Bが昇降路内の所定位置に固定されているのに対して、中央部のワイピングユニット13Cはかご2の上部に固定されているものであることは先に述べた通りである。上部および下部のロープ清掃ユニット13A,13Bに着目した場合、かご2が上昇移動する際には、それぞれのワイピングユニット13A,13B内を調速機ロープ9の従動側9bが上方から下方に向かって走行移動し、逆にかご2が下降移動する際には、それぞれのワイピングユニット13A,13B内を調速機ロープ9の従動側9bが下方から上方に向かって走行移動することになる。

0042

他方、中央部のワイピングユニット13Cに着目した場合、中央部のワイピングユニット13Cはかご2に固定されているために、かご2とともに同じ方向に移動することになる。そして、かご2に連結されている調速機ロープ9の駆動側9aに対して、中央部のワイピングユニット13Cに挿通されている調速機ロープ9の従動側9bは走行移動方向が反転しているので、中央部のワイピングユニット13Cと調速機ロープ9の従動側9bとの相対移動方向は、上部と下部の一対のワイピングユニット13A,13Bと同じ関係となる。

0043

すなわち、中央部のワイピングユニット13Cについては、かご2が上昇移動する際には、ワイピングユニット13C内を調速機ロープ9の従動側9bが上方から下方に向かって走行移動し、逆にかご2が下降移動する際には、ワイピングユニット13C内を調速機ロープ9の従動側9bが下方から上方に向かって走行移動することになる。そして、中央部のワイピングユニット13Cについては、かご2とともに昇降移動しながら、走行移動している調速機ロープ9の従動側9bと相対移動することになるので、その相対移動速度は上部および下部のワイピングユニット13A,13B側と比べて倍速となる。

0044

なお、中央部のワイピングユニット13Cがかご2とともに昇降移動しても、そのワイピングユニット13Cが上部および下部のワイピングユニット13A,13Bと干渉することがないように、それら上部および下部のワイピングユニット13A,13Bの位置が予め設定されている。

0045

図5は調速機ロープ9の下向き走行移動時におけるワイピングユニット13Aの機能を示す断面説明図であり、同様に図6は調速機ロープ9の上向き走行移動時におけるワイピングユニット13Aの機能を示す断面説明図である。なお、これらの図5,6は、図4に示したホルダー16を形成しているハーフカバー18同士の突き合わせ面に沿った断面説明図である。

0046

図5に示すように、調速機ロープ9の従動側9bが走行移動しない静止状態においては、ホルダー16に収容されているワイピングパッド17はその自重によってホルダー16の内周面とテーパ面接触している。そのため、ワイピングパッド17はホルダー16とのテーパ面接触のために縮径して、調速機ロープ9の従動側9bの外周面に接触しているかたちとなっている。

0047

この状態から調速機ロープ9の従動側9bが下向きの走行移動を開始すると、その調速機ロープ9の従動側9bの走行移動方向とワイピングパッド17の自重作用方向とが一致することになる。調速機ロープ9の従動側9bの下向きの走行移動に伴って、ワイピングパッド17と調速機ロープ9との摩擦力のためにワイピングパッド17は一段と下方に引き込まれるかたちとなる。そのため、ワイピングパッド17はホルダー16とのテーパ面接触のためにさらに縮径して、その縮径に基づく把持力で調速機ロープ9を把持するべく、調速機ロープ9の従動側9bの外周面により強く圧接するかたちとなる。

0048

この時、ワイピングパッド17が調速機ロープ9に及ぼす把持力よりも調速機ロープ9自体の下向きの走行移動力の方が著しく大きいことから、調速機ロープ9はワイピングパッド17の内周面と比較的強く摺動しながら下向きの走行移動を継続することになる。このワイピングパッド17と下向きに走行移動する調速機ロープ9との摺動動作に伴い、調速機ロープ9はワイピングパッド17によるしごき力を受け、調速機ロープ9の従動側9bの外周面に付着している油分等がこそぎ落とされるかたちでワイピングパッド17によって拭い取られることになる。これにより、調速機ロープ9の従動側9bから拭い取られた油分等は、図5に符号Qで示すようにワイピングパッド17の上面に溜まることになる。

0049

特に、下向きに走行移動している調速機ロープ9は、ワイピングパッド17の縮径に基づく把持力を常に受けているので、調速機ロープ9に予め含浸されている油分までも絞り出すようにして拭い取られるかたちとなり、油分等の除去を効率的に行える。

0050

その一方、調速機ロープ9が上向きに走行移動する際には、図6に示すように、自重によりホルダー16の内周面とのテーパ面接触を維持しようとするワイピングパッド17に対して、そのワイピングパッド17と上向きに走行移動する調速機ロープ9との摩擦力のために、ワイピングパッド17は調速機ロープ9にひきずられるようにして引き上げられる。これにより、ワイピングパッド17は拡径して、ホルダー16とのテーパ面接触による調速機ロープ9への把持力が解除され、調速機ロープ9の上向きの走行移動をスムーズに許容するようになる。そのため、調速機ロープ9の上向きの走行移動の際には、ワイピングパッド17による積極的な油分等の拭い取りは行われないことになる。

0051

そして、以上のような調速機ロープ9の従動側9bが下向きに走行移動する際の挙動と、調速機ロープ9の従動側9bが上向きに走行移動する際の挙動とが、図1に示した三個のワイピングユニット13A〜13Cにおいて同時並行的に行われることになる。

0052

特に、三個のワイピングユニット13A〜13Cのうち、中央部のワイピングユニット13Cにおける調速機ロープ9とワイピングパッド17との相対移動速度は、他の二つのワイピングユニット13A,13Bにおける調速機ロープ9とワイピングパッド17との相対移動速度の倍速となっていることは先にも述べた通りである。そのため、三個のワイピングユニット13A〜13C相互間での相対移動速度の変化によって、より効率的に油分等の除去を行えることになる。

0053

また、それぞれのワイピングユニット13A〜13Cは、調速機ロープ9の従動側9bが下向きに走行移動した場合のみ清掃機能を発揮し、調速機ロープ9の従動側9bが上向きに走行移動した場合には清掃機能が発揮されない構造となっている。そのため、万が一、調速機ロープ9の方向を誤って使用した場合でも、調速機ロープ9の駆動側9aに上向きの過剰な引っ張り力を作用させてしまうことがなく、ひいては非常止め装置を誤作動させてしまうこともない。

0054

ここで、図4に示したように、それぞれのワイピングユニット13A〜13Cは、ホルダー16が二つで一組の半割構造のハーフカバー18で形成されていて、且つワイピングパッド17が三割り構造とされた分割片17aの集合体により形成されていることは先に述べた通りである。

0055

そこで、図1に示すように、調速機4と張力付与装置5との間に巻き掛けられている既設の調速機ロープ9をそれぞれのワイピングユニット13A〜13Cに挿通させるには、ベースプレート15を昇降路の所定位置に固定した後、そのベースプレート15上において、調速機ロープ9の従動側9bを取り囲むようにして、図4に示した一対のハーフカバー18同士をボルト20およびナット21により締結してホルダー16を組み立てる。

0056

その後、ホルダー16の上面側からワイピングパッド17の構成要素である三つの分割片17aを挿入して、調速機ロープ9の従動側9bを取り囲むように並べるものとする。こうすることにより、予め巻き掛けられている既設の調速機ロープ9の従動側9bへのワイピングユニット13A〜13Cの設置を容易に行えることになる。

0057

この場合において、昇降路内において特に支障がない場合には、ベースプレート15は常設されていても良い。また、ホルダー16の組み立てに先立ってベースプレート15を昇降路内の所定位置に固定する場合には、そのベースプレート15には、調速機ロープ9の従動側9bの通過を許容する穴が長穴状のスリットのかたちで四辺のうちのいずれかの一辺に臨むように開放されていることが望ましい。

0058

また、先に述べたように、調速機ロープ9の従動側9bが下向きに移動する際には、ホルダー16とワイピングパッド17とがセンタリングされながら、ホルダー16がベースプレート15に押し付けられる一方で、調速機ロープ9の従動側9bが上向きに移動する際には、ワイピングパッド17は調速機ロープ9にひきずられてホルダー16から浮き上がるようにして上昇移動しようとするものの、自重によりホルダー16内に戻されることになる。このようなことから、ワイピングパッド17を含むホルダー16は、それらの自重によりベースプレート15の上に載置されているだけで良いが、必要に応じてホルダー16をベースプレート15に対し着脱可能に固定するようにしても良い。

0059

また、ワイピングパッド17の内周面は使用により徐々に摩耗して、中心部のロープ挿通穴22の直径が拡径化することになるが、図3に示すように、ワイピングパッド17が調速機ロープ9を把持した状態で、隣り合う分割片17a同士の間に所定の隙間Gが確保されているかぎりは継続使用が可能である。その一方、ワイピングパッド17の内周面の摩耗に伴い図3に示した隙間Gがなくなって、図4の(a)に示すように、最小縮径時において隣り合う分割片17a同士が直接当接して調速機ロープ9を把持できなくなった時には、ワイピングパッド17を交換することになる。

0060

このように本実施の形態によれば、調速機ロープ9に付着している油分等を粘度の度合いにかかわらず効率良く拭い取ることができるとともに、従来のワイヤブラシタイプのもののように周囲への油分等の飛散を招くこともない。

0061

なお、本実施の形態では、三個のワイピングユニット13A〜13Cを調速機ロープ9に適用した場合の例を示したが、メインロープ(主ロープ)にも適用可能であることは言うまでもない。また、本実施の形態では、図1に示したように、三個のワイピングユニット13A〜13Cを併用しているが、これはあくまで一例にすぎず、いずれか一つのワイピングユニットを単独で、あるいはいずれか二つのワイピングユニットを併用した場合でも所期の目的を達成することができる。

0062

2…かご
4…調速機
5…張力付与装置
9…調速機ロープ(ワイヤロープ)
9b…調速機ロープの従動側
13A〜13C…ワイピングユニット
15…ベースプレート
16…ホルダー(外筒部材)
17…ワイピングパッド(摺動部材)
17a…分割片
18…ハーフカバー(カバー部材)
22…ロープ挿通穴

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