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技術 通信システム、搬送車及びコンピュータプログラム

出願人 株式会社ダイヘン
発明者 鳴川雄太深江唯正巳波敏生久保正樹檀上梓紗
出願日 2016年10月7日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-199114
公開日 2018年4月12日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2018-060454
状態 特許登録済
技術分野 移動体の位置、進路、高度又は姿勢の制御 フォークリフトと高所作業車 無線による位置決定
主要キーワード 溶接部品 搬送車間 双曲線航法 位置演算装置 遮蔽領域 NRZ 乗算信号 搬送波発生器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
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図面 (14)

課題

走行に関する調整を行う対象を適切に特定することができる通信ステム搬送車及びコンピュータプログラムを提供する。

解決手段

3つの送信局10a,10b,10c夫々は、予め決められた室内Rの位置に固定されている。3つの搬送車12a,12b,12c夫々は室内Rを走行する。搬送車12a,12b,12c夫々は、送信局10a,10b,10cが送信した無線信号を受信する。搬送車12a,12b,12c夫々は、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算し、演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定し、決定した走行予定経路を示す走行データを他の搬送車に無線で送信する。搬送車12a,12b,12c夫々は、他の搬送車から受信した走行データに基づいて、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。

概要

背景

製品生産する工場の1つとして、複数の搬送車溶接部品電子部品基板又はウェハ等のワークを自動で搬送している工場がある。当然のことながら、これらの搬送車夫々は、他の搬送車との接触を回避しながらワークを搬送する必要がある。2つの搬送車の接触を回避する構成として、複数の搬送車が相互に無線通信する構成が考えられる。

特許文献1に複数の車両が相互に通信する構成が開示されている。この構成では、複数の車両夫々は、他の車両の位置を示すデータを受信し、受信したデータが示す位置を地図と共に表示する。

概要

走行に関する調整を行う対象を適切に特定することができる通信システム、搬送車及びコンピュータプログラムを提供する。3つの送信局10a,10b,10c夫々は、予め決められた室内Rの位置に固定されている。3つの搬送車12a,12b,12c夫々は室内Rを走行する。搬送車12a,12b,12c夫々は、送信局10a,10b,10cが送信した無線信号を受信する。搬送車12a,12b,12c夫々は、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算し、演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定し、決定した走行予定経路を示す走行データを他の搬送車に無線で送信する。搬送車12a,12b,12c夫々は、他の搬送車から受信した走行データに基づいて、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。

目的

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行に関する調整を行う対象を適切に特定することができる通信システム、搬送車及びコンピュータプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

予め決められた室内の位置に固定され、無線信号を送信する複数の送信局と、該室内を走行する複数の搬送車とを備え、該複数の搬送車夫々は、前記複数の送信局が送信した無線信号を受信する信号受信部と、該信号受信部が受信した無線信号の中で、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算する位置演算部と、該位置演算部が演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定する決定部と、該決定部が決定した走行予定経路を示す走行に関する走行データを他の搬送車に無線で送信するデータ送信部と、他の搬送車から前記走行データを受信するデータ受信部と、該データ受信部が受信した走行データに基づいて、該走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する調整判定部とを有することを特徴とする通信ステム

請求項2

前記室内に設置され、前記複数の送信局が送信した無線信号を反射する反射体を備え、前記複数の搬送車夫々は、前記位置演算部の演算で用いる複数の伝播距離夫々に対応する複数の無線信号に、前記反射体で反射した無線信号が含まれているか否かを判定する信号判定部を有し、前記位置演算部は、該信号判定部によって前記反射体で反射した無線信号が含まれていると判定された場合、自身に対応する前記搬送車に関連する関連情報に基づいて該搬送車の位置を演算することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。

請求項3

前記走行に関する調整は、前記走行予定経路及び走行の速度中の少なくとも1つを変更することによって行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。

請求項4

前記走行データは、該走行データの送信元に関する走行の優先度を更に示し、前記複数の搬送車夫々は、前記調整判定部が前記走行に関する調整を行うべきと判定した場合に、自車に関する走行の優先度と、前記データ受信部が受信した走行データが示す優先度とに基づいて、前記走行に関する調整を自車が行うべきか否かを判定する対象判定部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通信システム。

請求項5

前記走行データは、該走行データの送信元の車高車幅及び重量中の少なくとも1つの指標を更に示し、前記複数の搬送車夫々は、前記調整判定部が前記走行に関する調整を行うべきと判定した場合に、自車の指標と、前記データ受信部が受信した走行データが示す指標とに基づいて、前記走行に関する調整を自車が行うべきか否かを判定する対象判定部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通信システム。

請求項6

無線信号を受信する信号受信部と、該信号受信部が受信した無線信号の中で、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算する位置演算部と、該位置演算部が演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定する決定部と、該決定部が決定した走行予定経路を示す走行に関する走行データを無線で送信するデータ送信部と、該走行データを受信するデータ受信部と、該データ受信部が受信した走行データに基づいて、該走行データの送信元と走行に関する調整をすべきか否かを判定する調整判定部とを備えることを特徴とする搬送車。

請求項7

搬送車に搭載されたコンピュータに該搬送車の動作を制御させるコンピュータプログラムにおいて、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて演算された前記搬送車の位置に基づいて、該搬送車の走行が予定される走行予定経路を決定し、決定した走行予定経路を示す経路データを含む走行に関する走行データの無線での送信を指示し、無線で受信された走行データを取得し、取得した走行データに基づいて、前記搬送車が該走行データの送信元と走行に関する調整をすべきか否かを判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

技術分野

0001

本発明は、複数の搬送車間通信が行われる通信システムと、該通信システムが備える搬送車と、コンピュータに該搬送車の動作を制御させるコンピュータプログラムとに関する。

背景技術

0002

製品生産する工場の1つとして、複数の搬送車が溶接部品電子部品基板又はウェハ等のワークを自動で搬送している工場がある。当然のことながら、これらの搬送車夫々は、他の搬送車との接触を回避しながらワークを搬送する必要がある。2つの搬送車の接触を回避する構成として、複数の搬送車が相互に無線で通信する構成が考えられる。

0003

特許文献1に複数の車両が相互に通信する構成が開示されている。この構成では、複数の車両夫々は、他の車両の位置を示すデータを受信し、受信したデータが示す位置を地図と共に表示する。

先行技術

0004

特開2007−94698号公報

発明が解決しようとする課題

0005

複数の搬送車が相互に通信する通信システムでは、複数の搬送車夫々は、自車と接触する可能性がある他車を特定し、特定した他車と走行に関する調整を行う。このとき、複数の搬送車夫々は、走行に関する調整を行う対象を適切に特定する必要がある。例えば、2つの搬送車の距離が接近している場合であっても、2つの搬送車が相互に離れる方向に移動しているとき、一方の搬送車は、他方の搬送車を、走行に関する調整を行う対象として特定する必要はない。

0006

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行に関する調整を行う対象を適切に特定することができる通信システム、搬送車及びコンピュータプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る通信システムは、予め決められた室内の位置に固定され、無線信号を送信する複数の送信局と、該室内を走行する複数の搬送車とを備え、該複数の搬送車夫々は、前記複数の送信局が送信した無線信号を受信する信号受信部と、該信号受信部が受信した無線信号の中で、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算する位置演算部と、該位置演算部が演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定する決定部と、該決定部が決定した走行予定経路を示す走行に関する走行データを他の搬送車に無線で送信するデータ送信部と、他の搬送車から前記走行データを受信するデータ受信部と、該データ受信部が受信した走行データに基づいて、該走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する調整判定部とを有することを特徴とする。

0008

本発明にあっては、複数の搬送車夫々は、走行データを受信した場合、受信した走行データが示す走行予定経路に基づいて、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。このため、複数の搬送車夫々は、走行に関する調整を行う対象、例えば、自車と接触する可能性が高い他の搬送車を適切に特定することが可能である。

0009

本発明に係る通信システムは、前記室内に設置され、前記複数の送信局が送信した無線信号を反射する反射体を備え、前記複数の搬送車夫々は、前記位置演算部の演算で用いる複数の伝播距離夫々に対応する複数の無線信号に、前記反射体で反射した無線信号が含まれているか否かを判定する信号判定部を有し、前記位置演算部は、該信号判定部によって前記反射体で反射した無線信号が含まれていると判定された場合、自身に対応する前記搬送車に関連する関連情報に基づいて該搬送車の位置を演算することを特徴とする。

0010

本発明にあっては、複数の送信局が送信した無線信号を反射する反射体が室内に設置されている。このため、室内において、搬送車が無線信号を受信することが可能な範囲は広い。
1つの送信局から送信され、反射体で反射して搬送車に到達した無線信号の伝播距離は、同一の送信局から直接に同一の搬送車に到達した無線信号の伝播距離よりも長い。従って、位置の演算で用いる複数の伝播距離夫々に対応する複数の無線信号に、反射体で反射した無線信号が含まれている場合、正確な位置が演算されることはない。このため、複数の搬送車夫々は、自車の位置の演算で用いる複数の伝播距離夫々に対応する複数の無線信号に、反射体で反射した無線信号が含まれていると判定した場合、自車に関連する関連情報、例えば、自車の進行方向及び速度を示す情報に基づいて自車の位置を演算する。これにより、複数の搬送車夫々は、自車の位置を適切に演算する。

0011

本発明に係る通信システムは、前記走行に関する調整は、前記走行予定経路及び走行の速度中の少なくとも1つを変更することによって行われることを特徴とする。

0012

本発明にあっては、複数の搬送車夫々は、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきと判定した場合、走行予定経路、及び、走行の速度の少なくとも1つを変更する。これにより、2つの搬送車の接触が回避される。

0013

本発明に係る通信システムは、前記走行データは、該走行データの送信元に関する走行の優先度を更に示し、前記複数の搬送車夫々は、前記調整判定部が前記走行に関する調整を行うべきと判定した場合に、自車に関する走行の優先度と、前記データ受信部が受信した走行データが示す優先度とに基づいて、前記走行に関する調整を自車が行うべきか否かを判定する対象判定部を有することを特徴とする。

0014

本発明にあっては、複数の搬送車夫々は、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきと判定した場合において、自車に関する走行の優先度が、送信元に関する走行の優先度よりも低いとき、走行に関する調整を自車が行うべきと判定する。複数の搬送車夫々は、同様の場合において、自車に関する走行の優先度が、送信元に関する走行の優先度よりも高いとき、走行に関する調整を自車が行うべきではないと判定する。

0015

本発明に係る通信システムは、前記走行データは、該走行データの送信元の車高車幅及び重量中の少なくとも1つの指標を更に示し、前記複数の搬送車夫々は、前記調整判定部が前記走行に関する調整を行うべきと判定した場合に、自車の指標と、前記データ受信部が受信した走行データが示す指標とに基づいて、前記走行に関する調整を自車が行うべきか否かを判定する対象判定部を有することを特徴とする。

0016

本発明にあっては、複数の搬送車夫々は、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきと判定した場合において、自車、及び、走行データの送信元の指標に基づいて、走行に関する調整を自車が行うべきか否かを判定する。例えば、複数の搬送車夫々は、送信元と走行に関する調整を行うべきと判定した場合において、自車の重量が送信元の重量よりも軽いとき、走行に関する調整を自車が行うべきと判定する。

0017

本発明に係る搬送車は、無線信号を受信する信号受信部と、該信号受信部が受信した無線信号の中で、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて自車の位置を演算する位置演算部と、該位置演算部が演算した位置に基づいて、走行が予定される走行予定経路を決定する決定部と、該決定部が決定した走行予定経路を示す走行に関する走行データを無線で送信するデータ送信部と、該走行データを受信するデータ受信部と、該データ受信部が受信した走行データに基づいて、該走行データの送信元と走行に関する調整をすべきか否かを判定する調整判定部とを備えることを特徴とする。

0018

本発明にあっては、走行データを受信した場合、受信した走行データが示す走行予定経路に基づいて、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。このため、走行に関する調整を行う対象を適切に特定することが可能である。

0019

本発明に係るコンピュータプログラムは、搬送車に搭載されたコンピュータに該搬送車の動作を制御させるコンピュータプログラムにおいて、送信元が相互に異なる複数の無線信号の伝播距離に基づいて演算された前記搬送車の位置に基づいて、該搬送車の走行が予定される走行予定経路を決定し、決定した走行予定経路を示す経路データを含む走行に関する走行データの無線での送信を指示し、無線で受信された走行データを取得し、取得した走行データに基づいて、前記搬送車が該走行データの送信元と走行に関する調整をすべきか否かを判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。

0020

本発明にあっては、搬送車に搭載されたコンピュータは、走行データを取得した場合、取得した走行データが示す走行予定経路に基づいて、自身が搭載されている搬送車が、走行データの送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。このため、コンピュータは、走行に関する調整を行う対象を適切に特定することが可能である。

発明の効果

0021

本発明によれば、走行に関する調整を行う対象を適切に特定することができる。

図面の簡単な説明

0022

実施の形態1における通信システムの要部構成を示すブロック図である。
送信局の要部構成を示すブロック図である。
無線信号の生成方法の説明図である。
搬送車の要部構成示すブロック図である。
位置演算装置の要部構成を示すブロック図である。
ベースバンド信号への復号の説明図である。
位置演算処理の手順を示すフローチャートである。
位置演算処理の手順を示すフローチャートである。
信号送信元対応付けられた相関値及び伝播距離を示す図表である。
走行制御装置の要部構成を示すブロック図である。
送信処理の手順を示すフローチャートである。
第1調整処理の手順を示すフローチャートである。
第2調整処理の手順を示すフローチャートである。

実施例

0023

以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における通信システム1の要部構成を示すブロック図である。通信システム1は、室内Rに設けられており、3つの送信局10a,10b,10c、制御装置11、3つの搬送車12a,12b,12c及び反射体13を備える。送信局10a,10b,10c夫々は予め決められた室内Rの位置に固定されている。送信局10a,10b,10cの位置は、室内Rの隅であり、相互に異なっている。送信局10a,10b,10cは制御装置11に有線で接続されている。

0024

搬送車12a,12b,12c夫々は、例えば、溶接部品、電子部品、基板又はウェハ等のワークを搬送する。室内Rには、三角柱状の反射体13が設置されている。また、室内Rには、遮蔽物O1,O2が存在している。搬送車12a,12b,12c夫々は、反射体13及び遮蔽物O1,O2との接触を回避しながら室内Rを走行する。

0025

送信局10a,10b,10c夫々は、制御装置11の指示に従って、無線信号を搬送車12a,12b,12cに送信する。反射体13は、送信局10a,10b,10cが送信した無線信号を反射する。遮蔽物O1,O2夫々は無線信号を遮蔽する。遮蔽物O1,O2は並置されている。送信局10b,10c夫々から送信された無線信号は、破線の矢印で示されているように、反射体13で反射し、遮蔽物O1,O2の間を伝播する。

0026

搬送車12a,12b,12c夫々は、送信局10a,10b,10cから受信した無線信号に基づいて、自車の位置を演算し、演算した位置に基づいて、走行が予定されている走行予定経路を決定し、決定した走行予定経路を走行する。搬送車12a,12b,12c夫々の走行予定経路の例が実線の矢印で示されている。

0027

例えば、搬送車12a,12b,12c夫々は、室内Rにおいて、予め設定されている複数の設定位置を順番巡回する。搬送車12a,12b,12cは、演算した位置に基づいて、例えば、現在向かうべき設定位置への走行予定経路を決定する。

0028

搬送車12a,12b,12c夫々は、他の搬送車に無線でデータを送信すると共に、他の搬送車から無線でデータを受信する。搬送車12a,12b,12c夫々は、他の搬送車と走行に関する調整を行うことによって、他の搬送車との接触を回避する。搬送車12a,12b,12c夫々が他の搬送車にデータを送信する場合に用いられる周波数帯域は、送信局10a,10b,10cが送信する無線信号の周波数帯域と異なっている。

0029

以下では、無線信号の送信元を信号送信元と記載し、データの送信元をデータ送信元と記載する。信号送信元は、送信局10a,10b,10c中の1つであり、データ送信元は、搬送車12a,12b,12c中の1つである。

0030

図2は、送信局10aの要部構成を示すブロック図である。送信局10aは、信号出力部20、時計部21、符号化部22、符号信号発生器23、重畳部24、搬送波発生器25、増幅器26及び送信アンテナ27を有する。

0031

信号出力部20は、時計部21から、現在の時刻を示す時刻情報を取得する。信号出力部20が時計部21から時刻情報を取得した場合、信号出力部20が取得した時刻情報が示す時刻は、取得時点の時刻と一致又は略一致する。また、信号出力部20には、制御装置11から無線信号の送信指示が入力される。信号出力部20は、送信指示が入力された場合、時刻情報を時計部21から取得する。信号出力部20は、時計部21から取得した時刻情報、送信局10aを示す送信元情報、及び、送信局10aの位置を座標で示す座標情報等を含むベースバンド信号を符号化部22に出力する。信号出力部20には、無線信号の送信の停止を指示する停止指示が入力される。信号出力部20は、停止指示が入力された場合、ベースバンド信号の出力を停止する。
ベースバンド信号に含まれる時刻情報は、送信時刻を示す送信時刻情報である。以下では、ベースバンド信号に含まれる時刻情報を送信時刻情報と記載する。

0032

符号信号発生器23は、所定の符号に応じた送信側符号信号を符号化部22に出力する。符号化部22は、符号信号発生器23から入力された送信側符号信号を用いて、信号出力部20から入力されたベースバンド信号のスペクトル拡散させることによって、このベースバンド信号を符号化する。符号化部22は、符号化した符号化信号を重畳部24に出力する。

0033

搬送波発生器25は搬送波を重畳部24に出力する。搬送波発生器25が出力する搬送波は、高周波、例えば、ミリ波である。ミリ波の周波数の範囲は30GHz〜300GHzである。
重畳部24は、搬送波発生器25から入力された搬送波に、符号化部22から入力された符号化信号を重畳することによって重畳信号を生成する。重畳部24は、生成した重畳信号を増幅器26に出力する。

0034

増幅器26は、重畳部24から入力された重畳信号の振幅増幅し、振幅が増幅された重畳信号を送信アンテナ27に出力する。送信アンテナ27は、増幅器26から入力された重畳信号を無線信号として搬送車12a,12b,12cに送信する。

0035

送信アンテナ27は、指向性を有し、図1に示すように、第1方向に無線信号A1を送信し、第2方向に無線信号A2を送信し、第3方向に無線信号A3を送信する。送信アンテナ27は、所定の時間が経過する都度、無線信号の送信方向を、第1方向、第2方向又は第3方向に切替える。送信アンテナ27の送信方向は、第1方向、第2方向及び第3方向の順に切替えられる。
なお、送信方向の切替えは、時計部21が示す時刻に基づいて行われてもよいし、図示しないタイマに基づいて行われてもよいし、制御装置11の指示に従って行われてもよい。

0036

信号出力部20は、制御装置11から送信指示が入力された場合、連続してベースバンド信号を符号化部22に出力する。このとき、信号出力部20は、所定の時間が経過する都度、ベースバンド信号を符号化部22に出力する。このため、送信アンテナ27は、無線信号を連続して送信し、送信アンテナ27が連続して送信する3つの無線信号の送信方向は相互に異なる。

0037

図3は無線信号の生成方法の説明図である。図3には、ベースバンド信号、送信側符号信号、符号化信号、搬送波及び無線信号の波形の一例が示されている。これらの縦軸及び横軸夫々には、電圧及び時間が示されている。説明を簡単にするため、ベースバンド信号、送信側符号信号及び符号化信号夫々は、「+1」又は「−1」を示すデジタル信号であると仮定する。実際には、「+1」は「(振幅)/2」に対応し、「−1」は「−(振幅)/2」に対応する。

0038

信号出力部20は、前述したように、送信時刻情報、送信元情報及び座標情報を含むベースバンド信号を符号化部22に出力する。ベースバンド信号はNRZ(Non-Return to Zero)信号である。符号信号発生器23は、前述したように、送信側符号信号を符号化部22に出力する。

0039

送信側符号信号は、符号に基づいて決まる所定の波形が周期的に繰り返される信号である。符号は、「0」又は「1」で表される数字の羅列であり、この数字の数が符号長である。符号に基づいて決まる所定の波形は、例えば、符号の「0」が「+1」に対応し、符号の「1」が「−1」に対応する波形である。図3の例では、符号「0100101」に対応する所定の波形が繰り返されている。送信側符号信号の周期Tは、ベースバンド信号の1ビットの長さと一致又は略一致している。

0040

符号化部22は、ベースバンド信号と送信側符号信号とを乗算することによって、ベースバンド信号を符号化する。従って、ベースバンド信号が「+1」を示す期間の符号化信号の波形は所定の波形に一致し、ベースバンド信号が「−1」を示す期間の符号化信号の波形は、所定の波形の正負反転した波形に一致する。

0041

符号化信号のパルス幅最小値は、ベースバンド信号のパルス幅の最小値、即ち、ベースバンド信号の1ビットの期間よりも小さい。2値信号について、スペクトル幅は、パルス幅の最小値に反比例する。従って、符号化部22が符号化を行うことによって、ベースバンド信号のスペクトルが拡散される。符号化信号のパルス幅の最小値は、(ベースバンド信号のパルス幅の最小値)/(符号長)である。このため、符号化信号のスペクトル幅は、ベースバンド信号のスペクトル幅と符号長との積で表される。図3の例では、符号長が7であるため、ベースバンド信号のスペクトル幅は7倍に拡散される。

0042

搬送波発生器25が出力する搬送波は図3に示すように正弦波である。搬送波がミリ波である場合、搬送波の周波数は、30GHz〜300GHz中の1つの周波数である。

0043

重畳部24は、前述したように、搬送波発生器25が出力した搬送波に、符号化部22が出力した符号化信号を重畳することによって、送信アンテナ27から無線信号として送信される重畳信号を生成する。符号化信号が「+1」を示す期間の重畳信号の波形は搬送波の波形に一致し、符号化信号が「−1」を示す期間の重畳信号の波形は、搬送波の波形の正負を反転した波形に一致する。
前述したように、重畳部24が生成した重畳信号の振幅は増幅器26によって増幅され、振幅が増幅された重畳信号は無線信号として送信アンテナ27から送信される。

0044

送信局10b,10c夫々は送信局10aと同様に構成されている。送信局10aの構成の説明において、無線信号A1,A2,A3夫々を無線信号B1,B2,B3に置き換えることによって、送信局10bの構成を説明することができる。同様に、送信局10aの構成の説明において、無線信号A1,A2,A3夫々を無線信号C1,C2,C3に置き換えることによって、送信局10cの構成を説明することができる。

0045

送信局10a,10b,10c夫々の搬送波発生器25が出力する搬送波の周波数は同一又は略同一である。また、送信局10a,10b,10c夫々の符号信号発生器23で用いられる符号は同一である。更に、送信局10a,10b,10cの時計部21が示す時刻は同一又は略同一である。制御装置11によって、送信局10a,10b,10cの時計部21が示す時刻が一致するように、これらの時刻が繰り返し調整される。

0046

制御装置11は、3つの送信局10a,10b,10c中の少なくとも2つの送信アンテナ27が同一の時間帯に無線信号を送信することがないように、送信局10a,10b,10cに送信指示を出力し、無線信号を送信する送信アンテナ27を経時的に変更する。従って、1日の全ての時間帯において、送信局10a,10b,10c中の1つの送信局のみが無線信号を送信しているか、又は、送信局10a,10b,10cの全てが無線信号の送信を停止している。

0047

3つの送信局10a,10b,10cの送信アンテナ27は、例えば、以下のように無線信号を送信する。
まず、制御装置11は、送信局10aの信号出力部20に送信指示を出力し、無線信号を送信する送信アンテナを送信局10aの送信アンテナ27に変更する。送信局10aの送信アンテナ27は、無線信号A1,A2,A3をこの順で送信する。

0048

無線信号A3が送信された後、制御装置11は、送信局10aの信号出力部20に停止指示を出力する。その後、制御装置11は、送信局10bの信号出力部20に送信指示を出力し、無線信号を送信する送信アンテナを送信局10bの送信アンテナ27に変更する。送信局10bの送信アンテナ27は、無線信号B1,B2,B3をこの順で送信する。

0049

無線信号B3が送信された後、制御装置11は、送信局10bの信号出力部20に停止指示を出力する。その後、制御装置11は、送信局10cの信号出力部20に送信指示を出力し、無線信号を送信する送信アンテナを送信局10cの送信アンテナ27に変更する。送信局10cの送信アンテナ27は、無線信号C1,C2,C3をこの順で送信する。
無線信号C3が送信された後、制御装置11は、送信局10cの信号出力部20に停止指示を出力する。その後、制御装置11は、送信局10aの信号出力部20に送信指示を再び出力する。

0050

なお、送信局10a,10b,10c夫々の信号出力部20は、制御装置11から送信指示が入力されてから、前述した所定の時間の3倍が経過した場合にベースバンド信号の出力を停止するように構成されてもよい。この場合、制御装置11は、所定の時間の3倍が経過する都度、送信指示を出力すればよい。このとき、制御装置11は、送信局10a,10b,10cの信号出力部20の順に送信指示を出力する。

0051

図4は搬送車12aの要部構成を示すブロック図である。搬送車12aは位置演算装置30及び走行制御装置31を有する。位置演算装置30は走行制御装置31に接続されている。

0052

位置演算装置30は、3つの送信局10a,10b,10cから受信した無線信号に基づいて、搬送車12aの位置を演算し、演算した搬送車12aの位置を示す位置データを走行制御装置31に出力する。
走行制御装置31は、搬送車12aが有する図示しない複数の車載機器に信号を出力し、搬送車12aの走行を制御する。走行制御装置31は、位置演算装置30から入力された位置データが示す搬送車12aの位置に基づいて走行予定経路、例えば、搬送車12aが現在向かうべき設定位置への走行予定経路を決定し、搬送車12aに、決定した走行予定経路を走行させる。

0053

搬送車12b,12c夫々は搬送車12aと同様に構成されている。搬送車12aの構成の説明において、搬送車12aを搬送車12bに置き換えることによって、搬送車12bの構成を説明することができる。同様に、搬送車12aの構成の説明において、搬送車12aを搬送車12cに置き換えることによって、搬送車12cの構成を説明することができる。

0054

図5は位置演算装置30の要部構成を示すブロック図である。
以下では、搬送車12aの位置演算装置30の構成を説明する。搬送車12b,12c夫々の位置演算装置30は、搬送車12aの位置演算装置30と同様に構成されている。搬送車12aの位置演算装置30の構成の説明において、搬送車12aを搬送車12bに置き換えることによって、搬送車12bの位置演算装置30の構成を説明することができる。同様に、搬送車12aの位置演算装置30の構成の説明において、搬送車12aを搬送車12cに置き換えることによって、搬送車12cの位置演算装置30の構成を説明することができる。

0055

位置演算装置30は、受信アンテナ40、増幅器41、混合器42、ドップラー計測器43、発振器44、ローパスフィルタ(以下ではLPFという)45、復号部46、受信検出部47、符号信号発生器48、演算部49、時計部50、タイマ51、出力部52及び記憶部53を有する。

0056

受信アンテナ40は、送信局10a,10b,10cの送信アンテナ27が送信した無線信号を受信し、受信した無線信号を増幅器41に出力する。受信アンテナ40の無線信号の受信帯域は、高周波数帯域、例えば、ミリ波に対応する周波数帯域(30GHz〜300GHz)の一部又は全部である。受信アンテナ40は信号受信部として機能する。
増幅器41は、受信アンテナ40から受信した無線信号の振幅を増幅し、振幅が増幅された無線信号を混合器42及びドップラー計測器43に出力する。
発振器44は正弦波を混合器42に出力する。

0057

混合器42は、増幅器41から入力された無線信号と発振器44から出力された正弦波とを混合することによって、符号化信号が含まれる混合信号を生成する。発振器44が出力する正弦波の周波数は、例えば、受信アンテナ40が受信した無線信号の搬送波の周波数と同じである。混合器42は、生成した混合信号をLPF45に出力する。
LPF45は、混合器42から入力された混合信号から符号化信号を抽出し、抽出した符号化信号を、復号部46及び受信検出部47に出力する。

0058

符号信号発生器48は、所定の符号に応じた受信側符号信号を復号部46に出力する。符号信号発生器48で用いられる符号は、送信局10a,10b,10cの符号信号発生器23で用いられる符号と同一である。受信側符号信号は、送信側符号信号と同様に、符号に基づいて決まる所定の波形が周期的に繰り返される信号である。受信側符号信号及び送信側符号信号夫々について、所定の波形及び周期は同一である。
符号信号発生器23,48で用いられる符号は、例えば、PN(Pseudo Noise:疑似雑音)符号である。

0059

復号部46は、符号信号発生器48から入力された受信側符号信号と、LPF45から入力された符号化信号との位相が一致している状態で、受信側符号信号及び符号化信号を乗算することによって、LPF45から入力された符号化信号のスペクトルを逆拡散させる。これにより、LPF45によって抽出された符号化信号がベースバンド信号に復号される。

0060

図6はベースバンド信号への復号の説明図である。以下では、受信側符号信号及び符号化信号の乗算によって得られる信号を乗算信号と記載する。図6には、符号化信号、受信側符号信号及び乗算信号の波形の一例が示されている。これらの縦軸及び横軸夫々には、電圧及び時間が示されている。説明を簡単にするため、受信側符号信号、受信側符号信号及び乗算信号夫々は、「+1」又は「−1」を示すデジタル信号であると仮定する。実際には、「+1」は「(振幅)/2」に対応し、「−1」は「−(振幅)/2」に対応する。

0061

復号部35は符号化信号及び受信側符号信号を乗算する。従って、符号化信号及び受信側符号化信号が共に「+1」又は「−1」を示す期間、乗算信号は「+1」を示す。また、符号化信号及び受信側符号信号の中で一方が「+1」を示し、かつ、他方が「−1」を示す期間、乗算信号は「−1」を示す。

0062

図6に示すように、符号化信号及び受信側符号信号の位相差がゼロではない場合、乗算信号はベースバンド信号と一致しない。このとき、受信側符号信号の周期Tに亘って積分することによって算出される積分値の絶対値、即ち、相関値は小さい。図6の例では、相関値は1である。
符号化信号及び受信側符号の位相差がゼロである場合、乗算信号はベースバンド信号と一致し、相関値は最大である。図6の例では、相関値の最大値は周期Tの長さと一致する。

0063

復号部46は、相関値を監視しながら、符号化信号及び受信側符号の位相差をゼロに調整する。相関値が最大である場合、位相差はゼロである。前述したように、符号化信号のパルス幅の最小値は、ベースバンド信号のパルス幅の最小値よりも小さく、スペクトル幅は、パルス幅の最小値に反比例する。従って、復号部46が復号を行うことによって、符号化信号のスペクトルが逆拡散される。ベースバンド信号のパルス幅の最小値は、符号化信号のパルス幅の最小値と、符号長との積で表されるので、ベースバンド信号のスペクトル幅は、符号化信号のスペクトル幅を符号長で除算することによって算出される値である。図6の例では、符号長が7であるため、符号化信号のスペクトル幅は(1/7)倍に逆拡散される。

0064

相関値は、受信アンテナ40が受信した無線信号の受信強度が大きい程大きい。復号部46は、復号したベースバンド信号と、位相差がゼロである場合における相関値を示す相関値情報とを演算部49に出力する。
なお、送信局10a,10b,10c夫々の符号信号発生器23が用いる符号が、位置演算装置30の符号信号発生器48が用いる符号と異なる場合、位相差に無関係に相関値は小さく、符号化信号がベースバンド信号に復号されることはない。

0065

図5に示すドップラー計測器43には、前述したように、増幅器41から振幅が増幅された無線信号が入力される。搬送車12aが移動している間に、搬送車12aの位置演算装置30の受信アンテナ40が無線信号を受信した場合、受信アンテナ40が受信する無線信号の搬送波の周波数は、この無線信号が送信された時点における無線信号の搬送波の周波数とは異なる。この現象は、所謂ドップラー効果である。

0066

搬送車12aの進行方向が無線信号の伝播方向と同一の方向である場合、受信アンテナ40が受信する無線信号の搬送波の周波数は、送信時点における搬送波の周波数よりも低く、搬送車12aが走行する速度が速い程、これらの周波数の差は大きい。
また、搬送車12aの進行方向が無線信号の伝播方向の反対方向である場合、受信アンテナ40が受信する無線信号の搬送波の周波数は、送信時点における搬送波の周波数よりも高く、搬送車12aが走行する速度が速い程、これらの周波数の差は大きい。

0067

図1に示すように、搬送車12aが2つの遮蔽物O1,O2間の領域(以下、遮蔽領域という)に位置している場合、搬送車12aの進行方向は、反射体13で反射した無線信号の伝播方向と同一の方向であるか、又は、反射体13で反射した無線信号の伝播方向と反対方向である。

0068

以上のことから、搬送車12aが遮蔽領域に位置している場合、受信アンテナ40が受信する無線信号の搬送波の周波数と、送信局10a,10b,10cの搬送波発生器25が出力する搬送波の周波数との差に基づいて、搬送車12aの進行方向と、搬送車12aが走行する速度とを検知することができる。

0069

ドップラー計測器43は、搬送車12aが遮蔽領域に位置している場合、増幅器41から入力された無線信号の搬送波の周波数と、予め決められている周波数との差に基づいて、搬送車12aの進行方向と、搬送車12aが走行する速度とを検知する。予め決められている周波数は、送信局10a,10b,10c夫々の搬送波発生器25が出力する搬送波の周波数である。

0070

ドップラー計測器43は、検知した進行方向及び速度を示す車両情報を演算部49に出力する。車両情報は、進行方向として、反射体13に接近していること、又は、反射体13から遠ざかっていることを示す。

0071

受信検出部47は、LPF45から符号化信号が入力された場合、無線信号の受信を検出し、受信アンテナ40が無線信号を受信したことを演算部49に通知する。

0072

演算部49は、時計部50から、現在の時刻を示す時刻情報を取得する。演算部49は時計部50から時刻情報を取得した場合、演算部49が取得した時刻情報が示す時刻は、取得時点の時刻と略一致する。
タイマ51は、演算部49の指示に従って、計時の開始及び終了を行う。タイマ51が計時している計時時間は演算部49によって読み出される。
出力部52は、演算部49の指示に従って、搬送車12aの位置を示す位置データを走行制御装置31に出力する。

0073

記憶部53は例えば不揮発性メモリである。記憶部53には、コンピュータプログラムP1が記憶されている。記憶部53には、種々のデータが演算部49によって記憶される。また、記憶部53に記憶されているデータは演算部49によって読み出される。
演算部49は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を有し、演算部49のCPUは、コンピュータプログラムP1を実行することによって、搬送車12aの位置を演算する位置演算処理を実行する。

0074

なお、コンピュータプログラムP1は、コンピュータが読み取り可能に、記憶媒体E1に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E1から読み出されたコンピュータプログラムP1が記憶部53に記憶される。記憶媒体E1は、光ディスクフレキシブルディスク磁気ディスク磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクはCD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、又は、BD(Blu-Ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP1をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP1を記憶部53に記憶してもよい。

0075

図7及び図8は、位置演算処理の手順を示すフローチャートである。演算部49は位置演算処理を繰り返し実行する。
以下では、搬送車12aの演算部49が実行する位置演算処理を説明する。搬送車12b,12c夫々の演算部49は、搬送車12aの演算部49と同様に位置演算処理を実行する。搬送車12aの演算部49が行う位置演算処理の説明において、搬送車12aを搬送車12bに置き換えることによって、搬送車12bの演算部49が行う位置演算処理を説明することができる。同様に、搬送車12aの演算部49が行う位置演算処理の説明において、搬送車12aを搬送車12cに置き換えることによって、搬送車12cの演算部49が行う位置演算処理を説明することができる。

0076

記憶部53には、搬送車12a用の遮蔽フラグの値が記憶されている。遮蔽フラグの値は、ゼロ又は1である。遮蔽フラグの値がゼロであることは、搬送車12aが遮蔽領域に位置していないことを意味する。遮蔽フラグの値が1であることは、搬送車12aが遮蔽領域に位置していることを意味する。また、記憶部53には、室内Rにおいて固定されている物体の配置を示す配置情報が記憶されている。

0077

演算部49は、まず、タイマ51に指示して計時を開始させ(ステップS1)、受信検出部47が無線信号の受信を検出したか否かを判定する(ステップS2)。
演算部49は、受信検出部47が無線信号の受信を検出したと判定した場合(S2:YES)、復号部46から入力されたベースバンド信号に含まれている送信時刻情報及び送信元情報と、復号部46から入力された相関値情報とを取得する(ステップS3)。次に、演算部49は、時計部50から時刻情報を取得する(ステップS4)。ここで、演算部49が取得した時刻情報が示す時刻は、無線信号の受信時刻である。

0078

次に、演算部49は、受信アンテナ40が受信した無線信号について、ステップS3で取得した送信時刻情報が示す送信時刻と、ステップS4で取得した時刻情報が示す受信時刻とに基づいて、信号送信元から搬送車12aの受信アンテナ40までの伝播時間を算出する(ステップS5)。演算部49は、例えば、送信時刻から受信時刻までの期間を伝播時間として算出する。

0079

次に、演算部49は、受信アンテナ40が受信した無線信号について、ステップS5で算出した伝播時間に基づいて、信号送信元から搬送車12aの受信アンテナ40までの無線信号の伝播距離を算出する(ステップS6)。例えば、室内が真空であると見なす場合、演算部49は、伝播時間に、真空中の無線信号の伝播速度を乗算することによって伝播距離を算出する。真空中の無線信号の伝播速度は3と10の8乗との積(単位:m/s)で表される。

0080

次に、演算部49は、ステップS3で取得した送信元情報が示す信号送信元に対応付けて、ステップS3で取得した相関情報が示す相関値と、ステップS6で算出した伝播距離とを記憶部53に記憶する(ステップS7)。
図9は、信号送信元に対応付けられた相関値及び伝播距離を示す図表である。ステップS7では、演算部49は、例えば、図9に示すように、信号送信元である送信局10aに対応付けて、相関値Ma1と伝播距離La1とを記憶する。

0081

演算部49は、受信検出部47が無線信号の受信を検出していないと判定した場合(S2:NO)、又は、ステップS7を実行した後、タイマ51が計時している計時時間が基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS8)。演算部49は、計時時間が基準時間未満であると判定した場合(S8:NO)、ステップS2を実行する。

0082

演算部49は、計時時間が基準時間以上となるまでの間に、受信アンテナ40が受信した無線信号について、信号送信元に対応付けて相関値及び伝播時間を記憶する。前述したように、無線信号A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3は、送信局10a,10b,10cから所定の時間が経過する都度、順次送信される。基準時間は、例えば、所定の時間の9倍に設定される。これにより、計時時間が基準時間以上となるまでに、搬送車12a,12b,12c夫々の受信アンテナ40は、無線信号A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3の全てを受信することが可能である。

0083

計時時間が基準時間以上となるまでに、無線信号A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3の全てを受信した場合、図9に示すように、信号送信元に対応付けて9個の相関値と、9個の伝播距離とが記憶部53に記憶される。計時時間が基準時間以上となるまでに、例えば、無線信号B3が搬送車12aの受信アンテナ40に到達しなかった場合、信号送信元に対応付けて8個の相関値と、8個の伝播距離とが記憶部53に記憶される。

0084

演算部49は、計時時間が基準時間以上であると判定した場合(S8:YES)、タイマ51に指示して計時を終了させ(ステップS9)、送信局10a,10b,10c夫々について、相関値が最大である伝播距離を選択する(ステップS10)。演算部49は、計時時間が基準時間以上となるまでに記憶部53に記憶された相関値及び伝播距離に基づいて、ステップS10を実行する。送信局10a,10b,10c夫々について、相関値が高い程、無線信号の受信状態が良好であるため、相関値が最大である伝播距離を選択する。

0085

例えば、計時時間が基準時間以上となるまでに、図9に示すように、相関値及び伝播距離が記憶部53に記憶されたと仮定する。演算部49は、送信局10aについて、相関値Ma1,Ma2,Ma3中の最大の相関値に対応する伝播距離を選択する。相関値Ma1が最大の相関値である場合、伝播距離La1を選択する。同様に、演算部49は、送信局10bについて、相関値Mb1,Mb2,Mb3中の最大の相関値に対応する伝播距離を選択し、送信局10cについて、相関値Mc1,Mc2,Mc3中の最大の相関値に対応する伝播距離を選択する。

0086

次に、演算部49は、ステップS10で選択した3つの伝播距離を記憶部53に記憶する(ステップS11)。これらの3つの伝播距離夫々には、送信局10a,10b,10cの1つが対応付けられている。前述したように、位置演算処理は繰り返し実行される。このため、送信局10a,10b,10c夫々について、伝播距離の推移が記憶部53に記憶されている。

0087

次に、演算部49は、遮蔽フラグの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS12)。演算部49は、遮蔽フラグの値がゼロであると判定した場合(S12:YES)、搬送車12aが遮蔽領域に侵入したか否かを判定する(ステップS13)。反射体13によって反射して、搬送車12aの受信アンテナ40に到達した無線信号の伝播距離は、信号送信元から搬送車12aの受信アンテナ40に直接に到達した無線信号の伝播距離よりも長い。

0088

このため、搬送車12aが遮蔽領域に侵入した場合、送信局10b,10cの送信アンテナ27が送信した無線信号の伝播距離が突然に大きく変化する。従って、送信局10b,10cの送信アンテナ27が送信した無線信号について、今回のステップS10で選択した伝播距離が、前回のステップS10で選択した伝播距離よりも長く、かつ、これらの伝播距離の差が所定の第1基準距離以上である場合、演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域に侵入したと判定する。他の場合、演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域に侵入していないと判定する。

0089

演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域に侵入していないと判定した場合(S13:NO)、ステップS10で選択した3つの伝播距離に基づいて、搬送車12aの位置を演算する(ステップS14)。演算部49は位置演算部として機能する。
演算部49は、例えば、双曲線航法によって、搬送車12aの位置を演算する。演算部49は、ステップS10で、送信局10a,10b,10c夫々に対応する伝播距離La1,Lb1,Lc1を選択したと仮定する。双曲線航法では、演算部49は、送信局10a,10b,10cの位置を示す座標において、送信局10a,10b夫々との距離の差が(La1−Lb1)の絶対値となる位置を示す第1双曲線を描き、送信局10b,10c夫々との距離の差が(Lb1−Lc1)の絶対値となる位置を示す第2双曲線を描き、第1双曲線及び第2双曲線の交点を搬送車12aの位置として演算する。

0090

第1双曲線は、送信局10a,10bの位置を2つの焦点とする双曲線である。第2双曲線は、送信局10b,10cの位置を2つの焦点とする双曲線である。送信局10a,10b,10c夫々の位置は、信号送信元が送信局10a,10b,10cである無線信号のベースバンド信号に含まれている座標情報が示す位置である。

0091

演算部49は、他の方法で、搬送車12aの位置を演算してもよい。演算部49は、例えば、送信局10a,10b,10cの位置を示す座標において、中心が送信局10aの位置であり、半径が伝播距離La1である円を描き、中心が送信局10bの位置であり、半径が伝播距離Lb1である円を描き、中心が送信局10cの位置であり、半径が伝播距離Lc1である円を描く。そして、演算部49は、3つの円の交点を搬送車12aの位置として演算してもよい。

0092

演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域に侵入したと判定した場合(S13:YES)、遮蔽フラグの値を1に設定する(ステップS15)。演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域に位置している場合、ステップS10で選択した3つの伝播距離夫々に対応する3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれている。具体的には、送信局10b,10cから搬送車12aに送信された無線信号は、反射体13で反射した無線信号である。

0093

送信局10a,10b,10c中の1つの送信局から送信され、反射体13で反射し、搬送車12aの受信アンテナ40に到達した無線信号の伝播距離は、同一の送信局から直接に搬送車12aの受信アンテナ40に到達した無線信号の伝播距離よりも長い。従って、搬送車12aが遮蔽領域に位置している状態で、演算部49がステップS10で選択した3つの伝播距離に基づいて、搬送車12aの位置を算出した場合、搬送車12aの正確な位置が算出されることはない。

0094

ステップS13を実行することは、演算部49がステップS10で選択した3つの伝播距離、即ち、搬送車12aの位置の演算で用いる3つの伝播距離夫々に対応する3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれているか否かを判定することに相当する。ステップS13で搬送車12aが遮蔽領域に侵入したと判定することは、3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれていると判定したことに相当する。また、ステップS13で搬送車12aが遮蔽領域に侵入していないと判定することは、3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれていないと判定したことに相当する。演算部49は、信号判定部としても機能する。

0095

ステップS17の説明で述べるように、位置演算処理では、演算部49が演算した位置が記憶部53に記憶される。また、位置演算処理は繰り返し実行されるので、演算部49が演算した位置の推移が記憶部53に記憶されている。

0096

演算部49は、ステップS15を実行した後、過去の搬送車12aの位置、ドップラー計測器43から入力された車両情報、及び、室内Rの配置情報等に基づいて、搬送車12aの位置を演算する(ステップS16)。ドップラー計測器43から入力された車両情報と、配置情報とは搬送車12aに関連する関連情報に相当する。

0097

演算部49は、ステップS14又はステップS16を実行した後、演算した搬送車の位置を記憶部53に記憶する(ステップS17)。その後、演算部49は、出力部52に指示して、ステップS14又はステップS16で演算した位置を示す位置データを走行制御装置31に出力させる(ステップS18)。
演算部49は、ステップS18を実行した後、位置演算処理を終了する。演算部49は、処理を終了した後、再び、位置演算処理を実行し、搬送車12aの位置の演算を繰り返す。

0098

演算部49は、遮蔽フラグの値がゼロではない、即ち、遮蔽フラグの値が1であると判定した場合(S12:NO)、搬送車12aが遮蔽領域から離脱したか否かを判定する(ステップS19)。前述したように、反射体13によって反射して、搬送車12a,12b,12cの受信アンテナ40に到達した無線信号の伝播距離は、信号送信元から受信アンテナ40に直接に到達した無線信号の伝播距離よりも長い。

0099

このため、搬送車12aが遮蔽領域から離脱した場合、送信局10b,10cの送信アンテナ27が送信した無線信号の伝播距離が突然に大きく変化する。従って、送信局10b,10cが送信した無線信号について、今回のステップS10で選択した伝播距離が、前回のステップS10で選択した伝播距離よりも短く、かつ、これらの伝播距離の差が所定の第2基準距離以上である場合、演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域から離脱したと判定する。他の場合、演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域から離脱していないと判定する。

0100

ステップS19を実行することは、演算部49がステップS10で選択した3つの伝播距離、即ち、搬送車12aの位置の演算で用いる3つの伝播距離夫々に対応する3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれているか否かを判定することに相当する。ステップS19で搬送車12aが遮蔽領域から離脱していないと判定することは、3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれていると判定したことに相当する。また、ステップS19で搬送車12aが遮蔽領域から離脱したと判定することは、3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれていないと判定したことに相当する。

0101

演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域から離脱していないと判定した場合(S19:NO)、ステップS16を実行し、引き続き、過去の搬送車12aの位置、ドップラー計測器43から入力された車両情報、及び、室内Rの配置情報等に基づいて搬送車12aの位置を演算する。
演算部49は、搬送車12aが遮蔽領域から離脱したと判定した場合(S19:YES)、遮蔽フラグの値をゼロに設定し(ステップS20)、ステップS14を実行する。演算部49は、位置の演算方法を、ステップS10で選択した3つの伝播距離に基づいて行う演算方法に戻す。

0102

図10は走行制御装置31の要部構成を示すブロック図である。
以下では、搬送車12aの走行制御装置31の構成を説明する。搬送車12b,12c夫々の走行制御装置31は、搬送車12aの走行制御装置31と同様に構成されている。搬送車12aの走行制御装置31の構成の説明において、搬送車12a,12b夫々を搬送車12b,12aに置き換えることによって、搬送車12bの走行制御装置31の構成を説明することができる。同様に、搬送車12aの走行制御装置31の構成の説明において、搬送車12a,12c夫々を搬送車12c,12aに置き換えることによって、搬送車12cの走行制御装置31の構成を説明することができる。

0103

走行制御装置31は、入力部60,61、出力部62、無線通信部63、記憶部64及び制御部65を有する。これらは、バス66に各別に接続されている。入力部60は、バス66の他に、位置演算装置30の出力部52に接続されている。

0104

入力部60には、搬送車12aの位置演算装置30の出力部52から、演算部49が演算した搬送車12aの位置を示す位置データが入力される。入力部60は、出力部52から位置データが入力された場合、入力された位置データを制御部65に与える。
入力部61には、例えば、搬送車12aの速度を検出する図示しない車速センサが接続されている。入力部61には、搬送車12aの速度を示す車速データが入力される。制御部65は、入力部61から車速データを取得する。制御部65が入力部61から取得した車速データが示す搬送車12aの速度は、車速データが取得された時点の搬送車12aの速度と略一致している。

0105

出力部62には、搬送車12aが有する図示しない複数の車載機器に接続されている。出力部62は、制御部65の指示に従って、これらの車載機器に信号を各別に出力する。制御部65は、出力部62に信号を出力させることによって、複数の車載機器の動作を制御し、搬送車12aの走行を制御する。

0106

無線通信部63は、制御部65の指示に従って、搬送車12b,12cの少なくとも1つに、搬送車12aの走行に関する走行データ、及び、走行に関する調整の完了を示す完了データを無線で送信する。また、無線通信部63は、搬送車12b,12c夫々から走行データ及び完了データを受信する。無線通信部63はデータ受信部として機能する。

0107

記憶部64は、例えば不揮発性メモリである。記憶部64には、コンピュータプログラムP2が記憶されている。記憶部64には、種々のデータが制御部65によって記憶される。また、記憶部64に記憶されているデータは制御部65によって読み出される。

0108

制御部65は図示しないCPUを有する。制御部65のCPUは、コンピュータプログラムP2を実行することによって、走行制御処理と、走行データを搬送車12b,12cに送信するための送信処理と、走行データのデータ送信元と走行に関する調整を行う第1調整処理及び第2調整処理とを実行する。これにより、制御部65のCPUは搬送車12aの動作を制御する。

0109

なお、コンピュータプログラムP2も、コンピュータが読み取り可能に、記憶媒体E2に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E2から読み出されたコンピュータプログラムP2が記憶部64に記憶される。記憶媒体E2は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP2をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP2を記憶部64に記憶してもよい。

0110

以下では、搬送車12aの制御部65が実行する走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理を説明する。搬送車12b,12c夫々の制御部65は、搬送車12aの制御部65と同様に、走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理を実行する。搬送車12aの制御部65が実行する走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理夫々において、搬送車12a,12b夫々を搬送車12b,12aに置き換えることによって、搬送車12aの制御部65が実行する走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理を説明することができる。搬送車12aの制御部65が実行する走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理夫々において、搬送車12a,12c夫々を搬送車12c,12aに置き換えることによって、搬送車12cの制御部65が実行する走行制御処理、送信処理、第1調整処理及び第2調整処理を説明することができる。

0111

制御部65は走行制御処理を繰り返し実行する。記憶部64には、搬送車12aの走行が予定されている走行予定経路を示す経路データが記憶されている。走行制御処理では、制御部65は、出力部62に指示して、搬送車12aに搭載されている複数の車載機器に信号を出力することによって、搬送車12aに、経路データが示す走行予定経路を走行させる。

0112

図11は送信処理の手順を示すフローチャートである。搬送車12aの制御部65は、入力部60に位置データが入力される場合に送信処理を実行する。
制御部65は、まず、入力部60に入力された位置データを記憶部64に記憶し(ステップS21)、入力部60に入力された位置データが示す位置に基づいて、搬送車12aの走行予定経路を決定する(ステップS22)。ステップS22では、制御部65は、入力部60に入力された位置データが示す位置、即ち、位置演算装置30の演算部49によって演算された位置に基づいて、例えば、現在向かうべき設定位置への走行予定経路を決定する。制御部65は決定部として機能する。

0113

次に、制御部65は、記憶部64に記憶されている経路データを、ステップS22で決定した走行予定経路を示す経路データに更新する(ステップS23)。前述したように、搬送車12aは、経路データが示す走行予定経路を走行する。
次に、制御部65は、ステップS22で決定した走行予定経路、搬送車12aの位置及び速度、並びに、搬送車12aの走行の優先度等を示す走行データの搬送車12b,12cへの送信を無線通信部63に指示する(ステップS24)。これにより、無線通信部63は、走行データを搬送車12b,12cに無線で送信する。無線通信部63はデータ送信部としても機能する。
制御部65は、ステップS24を実行した後に送信処理を終了する。

0114

図12は第1調整処理の手順を示すフローチャートである。制御部65は、無線通信部63が無線で受信した走行データを無線通信部63から取得する。制御部65は、無線通信部63が無線で受信した走行データを取得した場合に第1調整処理を実行する。
第1調整処理では、制御部65は、無線通信部63が受信した走行データが示す内容に基づいて、この走行データのデータ送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する(ステップS31)。例えば、制御部65は、データ送信元の位置、速度及び走行予定経路と、搬送車12aの位置、速度及び走行予定経路とに基づいて、搬送車12aが走行データのデータ送信元と接触するか否かを判定する。制御部65は、搬送車12aがデータ送信元と接触すると判定した場合、走行に関する調整を行うべきと判定し、搬送車12aが走行データのデータ送信元と接触しないと判定した場合、走行に関する調整を行うできではないと判定する。制御部65は調整判定部としても機能する。

0115

制御部65は、データ送信元と走行に関する調整を行うべきであると判定した場合(S31:YES)、自車、即ち、搬送車12aに関する走行の優先度と、無線通信部63が受信した走行データに含まれている優先度とに基づいて、自車が走行に関する調整を行うべきか否かを判定する(ステップS32)。搬送車12aの走行の優先度は記憶部64に予め記憶されている。制御部65は、走行データに含まれるデータ送信元の優先度が搬送車12aの優先度よりも高い場合、自車が走行に関する調整を行うべきと判定する。制御部65は、走行データに含まれるデータ送信元の優先度が搬送車12aの優先度よりも低い場合、自車が走行に関する調整を行うべきではないと判定する。制御部65は対象判定部として機能する。

0116

制御部65は、自車が走行に関する調整を行うべきと判定した場合(S32:YES)、無線通信部63が受信した走行データが示す内容に基づいて、搬送車12aの走行予定経路及び速度の少なくとも1つを変更することによって、走行に関する調整を行う(ステップS33)。これにより、搬送車12aとデータ送信元との接触を回避することができる。搬送車12aの走行予定経路は、経路データが示す走行予定経路を更新することによって変更される。搬送車12aの速度は、搬送車12aが走行する速度であり、出力部62に、速度の変更を指示する信号させることによって変更される。速度の変更には、搬送車12aの一時的な走行の停止も含まれる。

0117

制御部65は、ステップS33を実行した後、内容が変更された走行データの搬送車12b,12cへの送信を無線通信部63に指示する(ステップS34)。これにより、無線通信部63は、内容が変更された走行データを搬送車12b,12cに送信し、搬送車12b,12cに走行の調整が行われた旨を通知する。

0118

制御部65は、自車が走行に関する調整を行うべきではないと判定した場合(S32:NO)、搬送車12aの走行データ、及び、走行に関する調整を指示する指示データの送信を無線通信部63に指示する(ステップS35)。これにより、無線通信部63は、自身に走行データを送信したデータ送信元、即ち、搬送車12b,12c中の1つに、搬送車12aの走行データ及び指示データを送信する。

0119

制御部65は、無線通信部63が完了データを受信したか否かを判定する(ステップS36)。完了データは、前述したように、走行に関する調整の完了を示すデータである。制御部65は、無線通信部63が完了データを受信していないと判定した場合(S36:NO)、ステップS36を再び実行し、無線通信部63が完了データを受信するまで待機する。

0120

制御部65は、搬送車12aが走行に関する調整を行うべきではないと判定した場合(S31:NO)、ステップS34を実行した後、又は、無線通信部63が完了データを受信したと判定した場合(S36:YES)、第1調整処理を終了する。

0121

図13は第2調整処理の手順を示すフローチャートである。制御部65は、無線通信部63が搬送車12b,12c中の1つから走行データ及び指示データを受信した場合に第2調整処理を実行する。
第2調整処理では、制御部65は、無線通信部63が受信した走行データが示す内容に基づいて、搬送車12aの走行予定経路及び速度の少なくとも1つを変更することによって、走行に関する調整を行う(ステップS41)。これにより、走行データ及び指示データのデータ送信元と搬送車12aとの接触を回避することができる。

0122

次に、制御部65は、完了データの送信を無線通信部63に指示する(ステップS42)。これにより、無線通信部63は、走行データ及び指示データのデータ送信元に完了データを送信する。
制御部65は、ステップS42を実行した後、第2調整処理を終了する。

0123

以上のように構成された通信システム1では、3つの搬送車12a,12b,12c夫々は、走行データを受信した場合、受信した走行データが示す内容に基づいて、走行データのデータ送信元と走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。このため、3つの搬送車12a,12b,12c夫々は、走行に関する調整を行う対象、例えば、自車と接触する可能性が高い他の搬送車を適切に特定することができる。

0124

例えば、図1において、搬送車12a,12b間の距離は短い。しかしながら、実線の矢印で示されているように、搬送車12a,12b夫々の走行予定経路は交差することはない。このため、搬送車12aは、搬送車12bから走行データを受信した場合、走行データのデータ送信元と走行に関する調整を行うべきではないと判定する。

0125

一方で、図1において、搬送車12a,12c間の距離は長い。しかし、実線の矢印で示されているように、搬送車12a,12c夫々の走行予定経路は交差する。このため、搬送車12aは、搬送車12cから走行データを受信した場合、走行データのデータ送信元と走行に関する調整を行うべきと判定する。

0126

また、室内Rに反射体13が設置されているため、室内Rにおいて、3つの搬送車12a,12b,12cの受信アンテナ40が無線信号を受信することが可能な範囲は広い。更に、3つの搬送車12a,12b,12c夫々の演算部49は、位置の演算で用いる3つの伝播距離夫々に対応する3つの無線信号に、反射体13で反射した無線信号が含まれていると判定した場合、ドップラー計測器43から入力された車両情報及び配置情報等に基づいて、位置を演算する。これにより、3つの搬送車12a,12b,12c夫々は自車の位置を適切に演算することができる。

0127

(実施の形態2)
第1調整処理のステップS32において、搬送車12a,12b,12c夫々ついて、自車が調整を行うべきか否かの指標は、自車及びデータ送信元の優先度に限定されない。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通しているため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。

0128

以下では、実施の形態2における搬送車12aの制御部65が実行する送信処理及び第1調整処理を説明する。実施の形態2における搬送車12b,12c夫々の制御部65は、実施の形態2における搬送車12aの制御部65と同様に、送信処理及び第1調整処理を実行する。搬送車12aの制御部65が実行する送信処理及び第1調整処理夫々において、搬送車12aを搬送車12bに置き換えることによって、搬送車12bの制御部65が実行する送信処理及び第1調整処理を説明することができる。搬送車12aの制御部65が実行する送信処理及び第1調整処理夫々において、搬送車12aを搬送車12cに置き換えることによって、搬送車12cの制御部65が実行する送信処理及び第1調整処理を説明することができる。

0129

実施の形態2における送信処理のステップS24では、搬送車12aの走行制御装置31の制御部65は、搬送車12aの走行の優先度の代わりに、搬送車12aの車高、車幅及び重量中の少なくとも1つの指標を示す走行データの搬送車12b,12cへの送信を指示する。
実施の形態2における第1調整処理のステップS32では、制御部65は、自車、即ち、搬送車12aの指標と、無線通信部63が受信した走行データが示す指標とに基づいて、自車が走行に関する調整を行うべきか否かを判定する。

0130

搬送車12a及びデータ送信元の中で走行に関する調整を行うべき車両を下記のように決定することができる。
1つの例として、搬送車12a及びデータ送信元の中で重量が軽い車両が走行に関する調整を行う。もう1つの例として、搬送車12a及びデータ送信元の中で車高が低い車両が走行に関する調整を行う。更に、もう1つの例として、搬送車12a及びデータ送信元の中で車幅が狭い車両が走行に関する調整を行う。
実施の形態2における通信システム1及び搬送車12a,12b,12cは実施の形態1と同様の効果を奏する。

0131

なお、実施の形態1,2における第1調整処理において、制御部65は、ステップS35を実行した後に、無線通信部63が所定期間、完了データを受信しなかった場合、ステップS33を実行してもよい。
また、走行に関する調整を行うべき車両は、搬送車12a及びデータ送信元の一方に限定されず、両方であってもよい。更に、搬送車12a,12b,12c夫々の演算部49は、位置演算処理のステップS16で位置の演算に用いる情報として、例えば、ドップラー計測器43から入力された車両情報の代わりに、自車の車輪速センサから出力され、自車の車輪速度を示す情報を用いられてもよい。

0132

また、反射体13の形状は、三角柱状に限定されない。更に、反射体13の数は、1つに限定されず、2以上であってもよい。また、送信局10a,10b,10c夫々が無線信号を送信する方向の数は、3つに限定されず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。更に、送信局10a,10b,10cが連続して送信する無線信号の数は、3つに限定されず、2つ又は4つ以上であってもよい。また、送信局10a,10b,10c夫々は連続して無線信号を送信しなくてもよい。

0133

更に、送信局の数は、3つに限定されず、4つ以上であってもよい。また、搬送車12a,12b,12c夫々が室内Rに存在している限り、搬送車12a,12b,12c夫々は、少なくとも3つの送信局から直接に無線信号を受信することができる場合、反射体13を室内Rに設けなくてもよい。この場合、信号送信元が異なる3つの無線信号の伝播距離に基づいて位置が、常時、演算される。
更に、室内Rを走行する搬送車の数は、3つに限定されず、2つ又は4つ以上であってもよい。また、位置演算装置30の演算部49と、走行制御装置31の制御部65とは同一のCPUによって構成されてもよい。また、位置演算装置30の記憶部53と、走行制御装置31の記憶部64とは同一のメモリで構成されてもよい。

0134

開示された実施の形態1,2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0135

1通信システム
10a,10b,10c送信局
12a,12b,12c搬送車
13反射体
30位置演算装置
31走行制御装置
40受信アンテナ(信号受信部)
49演算部(位置演算部、信号判定部)
63無線通信部(データ送信部、データ受信部)
65 制御部(決定部、調整判定部、対象判定部)
P2 コンピュータプログラム

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