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技術 中間転写ベルト、転写ユニット、及び、画像形成装置

出願人 富士ゼロックス株式会社
発明者 松嶋智雄大士文男大森健司
出願日 2016年10月4日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-196601
公開日 2018年4月12日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-060016
状態 特許登録済
技術分野 電子写真一般。全体構成、要素 電子写真における帯電・転写・分離
主要キーワード 導電点 金型ダイ PEI樹脂 電気良導性 最終媒体 鋭角側 樹脂加熱 ベルト軸
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトを提供する。

解決手段

ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、前記複数の凹部の平均長径が20μm以上1000μm以下であり、前記複数の凹部の平均短径が3μm以上800μm以下であり、前記凹部の存在割合が1個/mm2以上である中間転写ベルト。

概要

背景

例えば、特許文献1には、像担持体上のトナー像転写される転写材担持するベルト状の転写材担持体であって、該転写材の担持に使用するときの該転写材を担持する表面に発生するクラックの幅が該表面に付着する付着物の寸法以下になるように、該表面に被膜層を設けたことを特徴とする転写材担持体が開示されている。
特許文献2には、電子写真方式画像形成装置に用いられてトナー像の転写時に回転駆動される無端状の転写ベルトにおいて、少なくとも弾性層と、前記弾性層よりも硬い表面層とが,内側から最終媒体と対面する面のある外側へ向かってこの順に積層されており、前記表面層の表面の、当該転写ベルトの幅方向でみて少なくとも最終媒体と接し得る領域には、当該転写ベルトの進行方向に対して45度以内の角度の方向の溝が,当該転写ベルトの幅方向に間隔をあけて複数形成されており、前記間隔は、最長でも10mm以下であることを特徴とする転写ベルトが開示されている。

概要

画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトを提供する。ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、前記複数の凹部の平均長径が20μm以上1000μm以下であり、前記複数の凹部の平均短径が3μm以上800μm以下であり、前記凹部の存在割合が1個/mm2以上である中間転写ベルト。

目的

本発明は、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有する中間転写ベルトにおいて、複数の凹部の平均長径が20μm未満である場合、複数の凹部の平均短径が3μm未満である場合、又は、凹部の存在割合が1個/mm2未満である場合に比べ、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、前記複数の凹部の平均長径が20μm以上1000μm以下であり、前記複数の凹部の平均短径が3μm以上800μm以下であり、前記凹部の存在割合が1個/mm2以上である中間転写ベルト

請求項2

前記複数の凹部の平均深さが1μm以上5μm以下である請求項1に記載の中間転写ベルト。

請求項3

熱可塑性樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の中間転写ベルト。

請求項4

前記熱可塑性樹脂がポリエーテルイミド及びシロキサン変性ポリエーテルイミドである請求項3に記載の中間転写ベルト。

請求項5

管状の押出成形物である請求項3又は請求項4に記載の中間転写ベルト。

請求項6

請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備え、画像形成装置に対して脱着される転写ユニット

請求項7

像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の中間転写ベルトと、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を、前記中間転写ベルトの外周面一次転写する一次転写手段と、前記中間転写ベルトの外周面に一次転写された前記トナー像を記録媒体二次転写する二次転写手段と、前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を定着する定着手段と、前記中間転写ベルトの表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニング手段と、を備えた画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、中間転写ベルト転写ユニット、及び、画像形成装置に関する。

背景技術

0002

例えば、特許文献1には、像担持体上のトナー像転写される転写材担持するベルト状の転写材担持体であって、該転写材の担持に使用するときの該転写材を担持する表面に発生するクラックの幅が該表面に付着する付着物の寸法以下になるように、該表面に被膜層を設けたことを特徴とする転写材担持体が開示されている。
特許文献2には、電子写真方式の画像形成装置に用いられてトナー像の転写時に回転駆動される無端状の転写ベルトにおいて、少なくとも弾性層と、前記弾性層よりも硬い表面層とが,内側から最終媒体と対面する面のある外側へ向かってこの順に積層されており、前記表面層の表面の、当該転写ベルトの幅方向でみて少なくとも最終媒体と接し得る領域には、当該転写ベルトの進行方向に対して45度以内の角度の方向の溝が,当該転写ベルトの幅方向に間隔をあけて複数形成されており、前記間隔は、最長でも10mm以下であることを特徴とする転写ベルトが開示されている。

先行技術

0003

特開2005−284320号公報
特開2014−219505号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有する中間転写ベルトにおいて、複数の凹部の平均長径が20μm未満である場合、複数の凹部の平均短径が3μm未満である場合、又は、凹部の存在割合が1個/mm2未満である場合に比べ、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記目的を達成するため、以下の手段が提供される。
請求項1に係る発明は、
ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、前記複数の凹部の平均長径が20μm以上1000μm以下であり、前記複数の凹部の平均短径が3μm以上800μm以下であり、前記凹部の存在割合が1個/mm2以上である中間転写ベルトである。

0006

請求項2に係る発明は、
前記複数の凹部の平均深さが1μm以上5μm以下である請求項1に記載の中間転写ベルトである。

0007

請求項3に係る発明は、
熱可塑性樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の中間転写ベルトである。

0008

請求項4に係る発明は、
前記熱可塑性樹脂がポリエーテルイミド及びシロキサン変性ポリエーテルイミドである請求項3に記載の中間転写ベルトである。

0009

請求項5に係る発明は、
管状の押出成形物である請求項3又は請求項4に記載の中間転写ベルトである。

0010

請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備え、画像形成装置に対して脱着される転写ユニットである。

0011

請求項7に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の中間転写ベルトと、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を、前記中間転写ベルトの外周面一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写ベルトの外周面に一次転写された前記トナー像を記録媒体二次転写する二次転写手段と、
前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
前記中間転写ベルトの表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニング手段と、
を備えた画像形成装置である。

発明の効果

0012

請求項1、3、4又は5に係る発明によれば、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有する中間転写ベルトにおいて、複数の凹部の平均長径が20μm未満である場合、複数の凹部の平均短径が3μm未満である場合、又は、凹部の存在割合が1個/mm2未満である場合に比べ、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトが提供される。

0013

請求項2に係る発明によれば、複数の凹部の平均深さが5μmを超える場合に比べ、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する中間転写ベルトが提供される。

0014

請求項6又は7に係る発明によれば、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有する中間転写ベルトにおいて、複数の凹部の平均長径が20μm未満である中間転写ベルトを適用した場合、複数の凹部の平均短径が3μm未満である中間転写ベルトを適用した場合、又は、凹部の存在割合が1個/mm2未満である中間転写ベルトを適用した場合に比べ、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する転写ユニット又は画像形成装置が提供される。

図面の簡単な説明

0015

EMにより観察された凹部の長径及び短径を示す写真である。
レーザー顕微鏡により測定された凹部の深さを示す図である。
本実施形態に係る中間転写ベルトの一例を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る転写ユニットの一例を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。

0016

以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一例である実施形態について説明する。なお、以下の説明において、符号は省略する場合がある。

0017

[中間転写ベルト]
本実施形態に係る中間転写ベルトは、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、前記複数の凹部の平均長径が20μm以上1000μm以下であり、前記複数の凹部の平均短径が3μm以上800μm以下であり、前記凹部の存在割合が1個/mm2以上である。
なお、本実施形態に係る中間転写ベルトは、その表面にベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有するが、これはベルト軸方向に長径を持たない凹部の存在を排除するものではない。ただし、ベルト表面に存在する凹部が主にベルト軸方向に長径を持つ凹部であることが好ましく、具体的にはベルト表面に存在する凹部の60%以上がベルト軸方向に長径を持つ凹部であることが好ましく、さらには80%以上がベルト軸方向に長径を持つ凹部であることがより好ましい。

0018

ここで、中間転写方式の画像形成装置では、像保持体に形成されたトナー像は、中間転写ベルトに一次転写された後、中間転写ベルトから記録媒体に二次転写される。そして、二次転写後、中間転写ベルトの表面に残留したトナーはクリーニングブレードによって掻き取られる(クリーニングされる)ことが行われることがある。
しかし、中間転写方式の画像形成装置では、画像を繰り返し形成すると、中間転写ベルト表面(以下、単に「ベルト表面」とも称する)に軸方向に向かう割れ(クラック)が発生することがある。
ベルト表面に割れが発生すると、その割れの中に、残留トナー(特に外添剤)が埋まり込みやすくなる。割れに埋まり込んだ残留トナーはクリーニングブレードでの掻き出しが容易でなく、割れの内部には残留トナーが堆積し、その結果この堆積部においてクリーニングブレードが滑りやすくなって、クリーニング性を維持することが困難になり、クリーニングブレードの滑りによる画質不良が発生していた。

0019

また、二次転写方式の画像形成装置において、画像形成を繰り返すことによるクリーニング性の低下は、低温低湿環境(例えば10℃、15%RH環境)下でより発生しやすい。これは、低温低湿環境下ではクリーニングブレードが硬くなり、ベルト表面への追従性が低下しやすくなるためであると考えられる。

0020

これに対し、本実施形態に係る中間転写ベルトでは、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、その複数の凹部の平均長径及び平均短径を特定の大きさに制御する。そして、さらにその凹部の存在割合を1個/mm2以上となるように制御する。
これにより、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制される。その理由は定かではないが、以下の理由によるものと考えられる。
まず、複数の凹部の平均長径及び平均短径が上記範囲であるとは、凹部の大きさが比較的大きいことの指標となる。具体的には、画像を繰り返し形成することでベルト表面に発生する割れの大きさは、例えば長径5μm以上15μm以下程度、短径1μm以上3μm未満程度であり、本実施形態に係る中間転写ベルトが表面に有する凹部は、その平均長径及び平均短径がこれよりも大きい。
また、凹部の存在割合が1個/mm2以上であるとは、ベルト軸方向に長径を持つ凹部がベルト表面に比較的多数存在していることの指標となる。
つまり、本実施形態に係る中間転写ベルトは、画像を繰り返し形成することで発生する割れよりも比較的大きな凹部が、その表面に予め形成された中間転写ベルトであると言える。

0021

本実施形態に係る中間転写ベルトでは、複数の凹部が上記平均長径及び平均短径を有し(凹部が比較的大きく)、かつベルト軸方向に長径を持つため、クリーニングブレードをベルト表面に押し当てて残留トナーを掻き取る際、クリーニングブレードがベルト表面の凹部に入り込みやすくなり、その凹部形状に追従しやすくなる。
ここで、残留トナーは、ベルト表面の凹部に埋まり込むことがあるが、クリーニングブレードを凹部に入り込ませることで、凹部中の残留トナーは掻き取られやすくなる。これにより、画像形成を繰り返した後でもクリーニング性が維持されやすく、凹部の内部での残留トナーの堆積も抑制され、その結果残留トナーの堆積部において生じるクリーニングブレードの滑りも発生し難くなる。
さらに、上記凹部を有する中間転写ベルトではベルト駆動時の応力がこの凹部に集中しやすいので、繰り返しの画像形成によって、ベルト表面に割れが発生したとしても、その割れはベルト表面の凹部以外の箇所ではなく、凹部の内部に形成されやすくなると考えられる。これにより、ベルト表面の凹部以外の箇所では、クリーニングブレードでの残留トナーの掻き取りが容易でないような割れの発生が抑制され、この割れに起因する残留トナーの堆積及びこの残留トナーの堆積部におけるクリーニングブレードの滑りが抑制される。つまり、ベルト表面に割れが発生してもクリーニング性の低下に影響しにくくなる。
また、本実施形態に係る中間転写ベルトでは、凹部の存在割合が1個/mm2以上であり、その凹部がベルト表面に比較的多数存在しているので、上述のベルト表面の凹部以外の箇所での割れの発生が良好に抑制され、これによってもクリーニング性の低下が抑制される。
以上のことから、本実施形態に係る中間転写ベルトによれば、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制される。
さらに、本実施形態に係る中間転写ベルトによれば、低温低湿環境下であっても、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制される。

0022

また、ベルト軸方向と直交する方向(ベルト周方向)に長径を持つ複数の凹部のみを有する転写ベルトが提案されているが(例えば上述の特許文献2)、かかる転写ベルトを用いても、画像形成を繰り返した後のクリーニング性は確保されにくい。これは、凹部がベルト周方向に長径を有するように形成されているため、クリーニングブレードをベルト表面に押し当てて、残留トナーを掻き取る際、クリーニングブレードがベルト表面の凹部に入り込みにくく、その凹部形状に追従しにくいためと考えられる。

0023

本実施形態に係る中間転写ベルトは、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有する。
ここで、「ベルト軸方向」とは、ベルトが複数のロールで掛け渡された際に、そのロールの軸方向となる方向を指す。
また、「ベルト軸方向に長径を持つ」とは、上記「ベルト軸方向」に対する角度(鋭角側の角度)が40°以下(好ましくは30°以下)の方向に長径が存在することを指す。
凹部の長径とは、凹部の開口面において、最も長い部分及びその長さを指す。
凹部の短径とは、長径と直交する方向において、最も長い部分及びその長さを指す。
凹部の深さとは、凹部の開口面から凹部の最深部までの距離を指す。

0024

図1は、SEMにより観察された凹部の長径及び短径を示す写真である。図1中、「ベルト周方向」とは、ベルト軸方向に対して直交する方向を指す。
図2は、レーザー顕微鏡により測定された凹部の深さを示す図である。
なお、凹部の形状は特に限定されない。

0025

本実施形態に係る中間転写ベルトにおいて、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下を抑制する観点から、凹部の平均長径、凹部の平均短径、凹部の存在割合、及び凹部の平均深さの好ましい範囲は以下の通りである。

0026

−凹部の平均長径−
凹部の平均長径は、20μm以上1000μm以下であり、好ましくは40μm以上800μm以下である。
凹部の平均長径が20μm以上であると、クリーニングブレードがベルト表面の凹部に入り込みやすくなり、その凹部形状に追従しやすくなる。
凹部の平均長径が1000μm以下であると、凹内部に発生した割れによるブレードの滑りが抑制され、クリーニングの維持性が得られる。

0027

−凹部の平均短径−
凹部の平均短径は、3μm以上800μm以下であり、好ましくは10μm以上400μm以下、より好ましくは15μm以上100μm以下である。
凹部の平均短径が3μm以上であると、クリーニングブレードによって凹部中の残留トナーが掻き取られやすくなる。
凹部の平均短径が800μm以下であると、凹内部に発生した割れによるブレードの滑りが抑制され、クリーニングの維持性が得られる。

0028

−凹部の存在割合−
凹部の存在割合は、1個/mm2以上であり、好ましくは3個/mm2以上である。
凹部の存在割合が1個/mm2以上であると、ベルト表面の凹部以外の箇所での割れの発生が良好に抑制されやすくなる。
なお、ベルト表面(ただしクリーニングブレードが接触する領域)における凹部が占める領域の面積比は、好ましくは60%以下、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは30%以下である。
ベルト表面における凹部が占める領域の面積比が60%以下であると、ベルト表面の凹部以外での割れの発生が抑制され、クリーニング維持性が向上する。

0029

−凹部の平均深さ−
凹部の平均深さは、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは2μm以上4μm以下である。
凹部の平均深さが1μm以上であると、ベルト走行時に発生する割れが、ベルト凹内部で発生しにくくなる。
凹部の平均深さが5μm以下であると、クリーニングブレードによって凹部中の残留トナーが掻き取られやすくなる。

0030

−凹部の平均長径、及び、凹部の平均短径の測定−
ベルト軸方向において、一方の側から50mm離れた位置を中心とする1mm2領域、他方の側から50mm離れた位置を中心とする1mm2領域、ベルト中央の1mm2領域、さらに上記領域に対して、それぞれ周方向に120°毎離れた領域を特定する。特定された9の領域に存在する凹部(ただし、ベルト軸方向に長径を持つ凹部)を走査型電子顕微鏡(SEM)により表面観察して画像を撮影し、凹部ごとの長径及び短径を測定する。
凹部の平均長径は、測定された全凹部の長径の平均値とし、凹部の平均短径は、測定された全凹部の短径の平均値とする。

0031

−凹部の存在割合、及び、凹部の平均深さの測定−
上記9の領域をレーザー顕微鏡により観察して画像を撮影し、9の領域に存在する凹部の数、及び、凹部ごとの深さを測定する。
凹部の存在割合は、9の領域に存在する全凹部の数を9の領域の総面積(9mm2)で割った値とする。
凹部の平均深さは、測定された全凹部の深さの平均値とする。
なお、図2に示すように、凹部の深さは、ノイズが生じる場合、凹部の一番高いピークと、一番低いピークの差とする。

0032

本実施形態において、凹部の大きさ(平均長径及び平均短径(好ましくは平均深さ))及び凹部の存在割合が上記範囲に制御された中間転写ベルトを得る方法としては、例えば、熱可塑性樹脂として、シロキサン変性樹脂以外の熱可塑性樹脂及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂材料混練して管状に押し出す工程(押出工程)と、押し出された樹脂材料を引き取る工程(引取工程)とを経て中間転写ベルトを得る方法が好ましい。なお、引取工程では樹脂材料を引き取る際の速度(引き取り速度)を調整することが好ましい。
特に熱可塑性樹脂として、ポリエーテルイミド(シロキサン変性ポリエーテルイミドを除く、以下同様)及びシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性ポリエーテルイミド(以下「シロキサン変性EI」とも称す))を含む樹脂材料を用いて上記押出工程及び引取工程を実施することが好ましい。これにより、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制される中間転写ベルトが実現されやすくなる。

0033

その理由は定かではないが、以下の理由によるものと考えられる。
ポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)を含む樹脂材料を混練して管状に押し出す工程(押出工程)では、シロキサン変性樹脂のシロキサン結合局所的に分解されて樹脂材料の表面に比較的小さい径を持つ凹部が形成されると考えられる。一方で、ポリエーテルイミドは耐熱性が高く分解が起きにくい、つまりポリエーテルイミドが存在する箇所では凹部が形成されにくいと考えられる。そして、続く樹脂材料を引き取る工程(引取工程)では、その比較的小さい径を持つ凹部が樹脂材料の軸方向(ベルト軸方向)に引き延ばされ、ベルト軸方向に長径を持つ凹部が形成されると考えられる。
形成された凹部、つまり、シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の分解によって形成された凹部及びその周辺には、シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)成分がより多く存在すると考えられる。シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)は、例えば中間転写ベルトの材料として用いられるポリブチレンナフタレートポリフェニレンスルフィド樹脂等の熱可塑性樹脂に比べて比較的柔らかい材料であるため、シロキサン変性樹脂成分が凹部及びその周辺に多く存在することによって、ベルト駆動時に凹部への応力の集中が発生してもその応力が緩和される。これにより、凹部内で生じ得る割れの発生までもが抑制され、その結果凹部内での残留トナーの堆積が低減されてクリーニング性の低下がより抑制されると考えられる。
さらに、上記構成の中間転写ベルトにおいては、シロキサン変性樹脂成分が凹部及びその周辺に多く存在し、かつこのシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)がシロキサン鎖を有することで、凹部内におけるトナーや外添剤に対する離型性にも優れるものとなる。そのため、凹部内での残留トナーの堆積がより低減される。
以上のことから、シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の分解によって形成された凹部を持つ中間転写においては、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下がより抑制されやすくなる。

0034

また、熱可塑性樹脂としてポリエーテルイミド及びシロキサン変性PEIを併用して得た中間転写ベルトでは、表層部において、ポリエーテルイミドが海部であり、シロキサン変性PEIが島部である海島構造が形成されやすい。この特性(海島構造の形成のしやすさ)によって、凹部にはシロキサン変性PEI成分がより存在しやすくなり、これによっても上記効果が発現されやすくなると考えられる。

0035

中間転写ベルトの凹部及びその周辺、並びに、凹部を有さない箇所に存在するシロキサン変性樹脂成分の量はFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)によって測定される。具体的には、中間転写ベルトの凹部及びその周辺の表面をヤスリ研磨して表面から1μm以上5μm以下の深さまでの範囲内の領域から粉末採取する(サンプル1)。サンプル1と同様にして、凹部を有さない箇所の表面をヤスリで研磨して粉末を採取する(サンプル2)。得られたサンプル1、2について、FT/IR−6100(日本分光株式会社社製)を用いて赤外吸収スペクトルを測定する。
例えば、シロキサン変性樹脂がシロキサン変性PEIの場合、凹部及びその周辺、並びに、凹部を有さない箇所に存在するシロキサン変性PEI成分の量は、ポリエーテルイミド骨格由来のピークに対するシロキサン変性PEIのシロキサン骨格由来のピークの比率からそれぞれ算出される。算出されたサンプル1、2のシロキサン変性PEI成分の量を比べることで、凹部及びその周辺にシロキサン変性PEI成分がより多く含まれることが確認される。

0036

なお、本実施形態に係る中間転写ベルトは、公知の方法で中間転写ベルトを得た後、そのベルト表面に例えばブラシ(真鍮ブラシ等)を用いて、上記大きさ(平均長径及び平均短径(好ましくは平均深さ))及び存在割合を持つ凹部を形成してもよい。この場合にも、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制される。

0037

以下、本実施形態に係る中間転写ベルトを構成する材料について詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る中間転写ベルトの一例を示す概略斜視図である。
図3に示す中間転写ベルト10は、単層体で構成された無端ベルトである。
また、図3に示す中間転写ベルト10では、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、凹部の大きさ(平均長径及び平均短径(好ましくは平均深さ))及び凹部の存在割合が上記範囲に制御されている。
なお、中間転写ベルト10は、例えば熱可塑性樹脂を含んで構成され、さらに導電剤やその他の成分を含んでもよい。

0038

<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく中間転写ベルトに用いられる一般的な熱可塑性樹脂を用い得る。例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリサルフォン(PES)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂を変性したものも適用できる。熱可塑性樹脂は、上記のものを1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ベルトの耐傷性難燃性の獲得の観点から、ポリエーテルイミドを含むことが好ましい。
また、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の大きさ及び凹部の存在割合を上記範囲に制御する観点から、熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂を共に含むことが好ましい。シロキサン変性樹脂としては特に限定されず、例えば、シロキサン変性ポリエーテルイミド(シロキサン変性PEI)、シロキサン変性ポリカーボネート(以下、「シロキサン変性PC」とも称する)が挙げられる。中でも、シロキサン変性PEIが好ましい。

0039

(ポリエーテルイミド(シロキサン変性PEI以外のポリエーテルイミド))
ポリエーテルイミドは、シロキサン結合を含まないポリエーテルイミドであり、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族系のエーテル単位環状イミド基繰り返し単位として含有する溶融成形性を有する樹脂である。

0040

ポリエーテルイミドは、例えば、エーテル結合を含むジカルボン酸二無水物と、ジアミンとの重合反応により得られたものが挙げられる。つまり、ポリエーテルイミドは、例えば、エーテル結合を含むジカルボン酸二無水物とジアミンとから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有するポリエーテルイミドが挙げられる。

0041

エーテル結合を含むジカルボン酸無二水物としては、例えば、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニルプロパン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物及び4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物等が挙げられる。これらのジカルボン酸二無水物は、1種単独で使用してもよいし、それらのうち選択される2種以上を併用してもよい。

0042

ジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン脂環式ジアミン芳香族ジアミン複素環を含む芳香族ジアミン等が挙げられる。

0043

ジアミンとしては、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
前記ジアミンは、例えば、p−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミンテトラメチレンジアミンペンタメチレンジアミンオクタメチレンジアミンノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサンイソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノイダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは、1種単独で使用してもよいし、それらのうち選択される2種以上を併用してもよい。

0044

なお、中間転写ベルト10に含まれるポリエーテルイミドは、後述するシロキサン変性樹脂以外の変性ポリエーテルイミド(例えば、シアノ変性ポリエーテルイミド含フッ素ポリエーテルイミド)でもよい。

0045

ポリエーテルイミドとしては市販品を用いてもよく、例えば、SABICイノベーティプラスチックス社のウルテム(ULTEM)1000、1010、1100等のULTEMシリーズ等が挙げられる。

0046

(シロキサン変性樹脂)
シロキサン変性樹脂としては特に限定されないが、例えば、上述の通り、シロキサン変性ポリエーテルイミド(シロキサン変性PEI)、シロキサン変性ポリカーボネート(シロキサン変性PC)が挙げられる。

0047

−シロキサン変性PEI−
シロキサン変性PEIは、ポリエーテルイミドをシリコーン樹脂により変性して得られ、シロキサン結合を有するポリエーテルイミドである。
シロキサン変性PEIの具体例として、前述したポリエーテルイミドをシリコーン樹脂により変性して得られるシロキサン変性ポリエーテルイミドが挙げられ、例えば、芳香族ビス(エーテル無水物)とアミン末端オルガノシロキサン及び有機ジアミンとの反応物が挙げられる。
シロキサン変性PEI(ポリエーテルイミド樹脂とシリコーン樹脂との共重合体)の市販品としては、例えば、SABICイノベーティブプラスチックス社のシルテム(SILTEMSTM1500、1600、1700等がある。

0048

−シロキサン変性PC−
シロキサン変性PCは、ポリカーボネートをシリコーン樹脂により変性して得られ、シロキサン結合を有するポリカーボネートである。
シロキサン変性PCとしては特に限定されず、公知のものを用いることができる。

0049

中間転写ベルト10が、熱可塑性樹脂としてポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)を共に含む場合、シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の含有量は、中間転写ベルト10に含まれる全樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下がよく、8質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。
なお、ここで「全樹脂」とは、中間転写ベルト10が樹脂成分としてポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂のみを含む場合は、これらの全樹脂成分を意味し、その他の樹脂を含む場合は、その他の樹脂を含む全樹脂成分を意味する。
また、中間転写ベルトが多層体である場合においては、シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の含有量は、少なくとも最外表面を構成する層(最外層)において、含まれる全樹脂100質量部に対し前記の範囲であることが好ましい。

0050

<導電剤>
中間転写ベルト10は導電剤を含むことが好ましい。
導電剤としては、例えば、カーボンブラックアルミニウムニッケル等の金属;酸化イットリウム酸化スズ等の金属酸化物チタン酸カリウム塩化カリウム等のイオン導電性物質ポリアニリンポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等の導電性高分子等が挙げられる。
これらのうち、導電性経済性の観点から、カーボンブラックがよい。カーボンブラックは、導電性に優れ、少ない含有量でも高い導電性を付与することができる。

0051

カーボンブラックとしては、例えば、ケッチエンブラックオイルファーネスブラックチャンネルブラックアセチレンブラック、表面が酸化されたカーボンブラック(以下、「表面処理カーボンブラック」と称する)等が挙げられる。このうち、経時での電気抵抗定性の観点から、表面処理カーボンブラックがよい。
表面処理カーボンブラックは、その表面に、例えば、カルボキシル基キノン基ラクトン基ヒドロキシル基等を付与して得られる。前記表面処理の方法としては、例えば、高温雰囲気下で空気と接触して反応させる空気酸化法、常温(例えば、22℃)下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、高温雰囲気下での空気酸化後、低温でオゾンにより酸化する方法等を挙げられる。

0052

中間転写ベルト10における導電剤の含有量は、例えば、全樹脂100質量部に対して、10質量部以上30質量部以下であることがよく、12質量部以上28質量部以下であることが望ましく、15質量部以上25質量部以下であることがより望ましい。
中間転写ベルト10における導電剤の含有量が上記範囲内であると、中間転写ベルト10中の導電剤による導電点が高密度になり、中間転写ベルト10の表面の受ける放電エネルギーを分散させ易くなることから、劣化が抑制される。
また、導電剤の含有量が上記範囲であれば、中間転写ベルト10は目的とする導電性を得やすくなり、中間転写ベルト10中で上記高密度な導電点を形成しやすくなる。

0053

導電剤は、経時での電気抵抗安定性の観点から、pH5以下がよく、pH4.5以下が望ましく、pH4.0以下がより望ましい。

0054

<その他の成分>
中間転写ベルト10は、上述した成分以外の成分(その他の成分)を含むことができる。
例えば、中間転写ベルト10の熱劣化を防止するための酸化防止剤流動性を向上させるための界面活性剤耐熱老化防止剤等、特に、画像形成装置の中間転写ベルト10に配合される公知の添加剤が挙げられる。

0055

中間転写ベルト10の厚みは特に限定されないが、60μm以上150μm以下が好ましい。

0056

図3に示す中間転写ベルト10では、単層体で構成された中間転写ベルトを説明したが、中間転写ベルト10は2層以上の積層体で構成されていてもよい。この態様の場合、中間転写ベルトの最外層が、ベルト軸方向に長径を持つ複数の凹部を有し、凹部の大きさ(平均長径及び平均短径(好ましくは平均深さ))及び凹部の存在割合が上記範囲に制御されている態様となる。

0057

[中間転写ベルトの製造方法]
中間転写ベルトの製造方法としては特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、導電剤、及びその他の成分等の構成材料を配合及び混練して樹脂材料を得た後、樹脂材料を、管状に押し出す工程(押出工程)と、押し出された樹脂材料を引き取る工程(引取工程)とを経て中間転写ベルトを製造する方法が好ましい。すなわち、本実施形態に係る中間転写ベルトは、管状の押出成形物であることが好ましい。

0058

以下では、中間転写ベルトの製造方法の一例として、熱可塑性樹脂としてポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)と、導電剤と、を含む中間転写ベルトの製造方法について説明する。

0059

具体的には、ポリエーテルイミド及びシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)と、導電剤と、をそれぞれ予め定めた量で配合及び混練して樹脂材料(例えば樹脂ペレット)を作製する。樹脂材料の作製には、樹脂材料中に導電剤を高い均一性で分散させる観点から、二軸溶融押出機を用いることが好ましい。なお、ポリエーテルイミドを含む樹脂材料及びシロキサン変性樹脂を含む樹脂材料はそれぞれ作製してもよい。

0060

次に、得られた樹脂材料を溶融押出機に投入して、ダイから管状に押し出す(押出工程)。管状に押し出された樹脂材料を引き取り機により引き取る(引取工程)。
押出工程では、樹脂材料中にシロキサン変性樹脂が含まれるので、樹脂材料を押し出す際に、シロキサン変性樹脂のシロキサン結合が局所的に分解されて樹脂材料の表面に比較的小さい径を持つ凹部が形成されると考えられる。そして、続く引取工程では、更に樹脂材料が引き取り機により引き取られる際に、その比較的小さい径を持つ凹部が樹脂材料の軸方向(ベルト軸方向)に引き延ばされ、ベルト軸方向に長径を持つ凹部が形成されると考えられる。
次いで、樹脂材料の内周面円筒状中子の外周面を接触させて樹脂材料を冷却し樹脂管状体を得る。このようにして、凹部の大きさ及び凹部の存在割合が上記範囲に制御された樹脂管状体が得られる。
次いで、得られた樹脂管状体を目標とする長さに切断して中間転写ベルトを得る。
なお、中間転写ベルトを製造する方法は、上記方法に限定されず、例えば、公知の方法で中間転写ベルトを得た後、そのベルト表面にブラシ等(例えば真鍮ブラシ)を用いて、上記大きさ及び存在割合を持つ凹部を形成してもよい。

0061

上記中間転写ベルトの製造方法では、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の大きさ及び凹部の存在割合を上記範囲に制御する観点から、樹脂材料中におけるポリエーテルイミドに対するシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の質量比、及び、引取工程での樹脂材料の引き取り速度を以下の範囲に制御することが好ましい。
ポリエーテルイミドに対するシロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)の質量比(シロキサン変性樹脂(好ましくはシロキサン変性PEI)/ポリエーテルイミド)は、好ましくは5質量部以上50質量部以下がよく、8質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下である。
上記質量比を大きくすると、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の大きさ及び凹部の存在割合が大きく制御されやすい。また、上記質量比を小さくすると、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の大きさ及び凹部の存在割合が小さく制御されやすい。

0062

樹脂材料の引き取り速度は、好ましくは0.5m/分以上2m/分以下、より好ましくは0.5m/分以上1.5m/分以下である。
上記引き取り速度を速くすると、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の長径が大きく、かつ凹部の短径が小さく制御されやすい。また、上記引き取り速度を遅くすると、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の長径が小さく、かつ凹部の短径が大きく制御されやすい。
なお、押出工程でのダイの温度(好ましくは300℃以上330℃以下)、並びに、押出工程から引取工程を経て樹脂材料を冷却させるまでの時間(好ましくは0.5分以上2分以下)を調整する、つまり、総熱量を調整することによっても、ベルト軸方向に長径を持つ凹部の大きさ及び凹部の存在割合が制御されやすくなる。

0063

[転写ユニット]
本実施形態に係る中間転写ベルト10は、例えば、画像形成装置用の中間転写ベルト10として好適に適用される。
本実施形態に係る転写ユニットは、上記実施形態に係る中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10を張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備え、画像形成装置に対して脱着される。

0064

図4は、本実施形態に係る転写ユニットを示す概略斜視図である。本実施形態に係る転写ユニット130は、図4に示すように、上記実施形態に係る中間転写ベルト10を備えており、例えば、中間転写ベルト10は対向して配置された駆動ロール131及び従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている(以下、「張架」という場合がある。)。
ここで、本実施形態に係る転写ユニット130は、中間転写ベルト10を張架するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を中間転写ベルト10上に1次転写させるためのロールと、中間転写ベルト10上に1次転写されたトナー像をさらに記録媒体に2次転写させるためのロールが配置される。
なお、中間転写ベルト10を張架するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。このような構成の転写ユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131,従動ロール132の回転に伴って中間転写ベルト10も張架した状態で回転する。

0065

[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、上記実施形態に係る中間転写ベルトと、像保持体の表面に形成された前記トナー像を、中間転写ベルトの外周面に一次転写する一次転写手段と、中間転写ベルトの外周面に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、記録媒体に二次転写されたトナー像を定着する定着手段と、中間転写ベルトの表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニング手段(以下、「中間転写ベルトクリーニング手段」とも称する)と、を備える。

0066

本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置が挙げられる。

0067

以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
図5は、実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。

0068

本実施形態に係る画像形成装置100は、図5に示すように、例えば、いわゆるタン

ム方式であり、電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d(帯電手段の一例)、露光装置114a〜114d(潜像形成手段の一例)、現像装置103a〜103d(現像手段の一例)、一次転写装置一次転写ロール)105a〜105d(一次転写手段の一例)、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。

0069

中間転写ベルト107(本実施形態に係る中間転写ベルトの一例)が、支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108により張力を付与しつつ支持され、転写ユニット107b(本実施形態に係る転写ユニットの一例)を形成している。
これらの支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108により、中間転写ベルト107は、各像保持体101a〜101dの表面に接触しながら各像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとを矢印Aの方向に移動し得る。一次転写ロール105a〜105dが中間転写ベルト107を介して像保持体101a〜101dに接触する部位が一次転写部となり、像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとの接触部には一次転写電圧印加される。

0070

二次転写装置(二次転写手段の一例)として、中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介して対向ロール108と二次転写ロール109が対向配置されている。紙等の記録媒体115が中間転写ベルト107の表面に接触しながら中間転写ベルト107と二次転写ロール109とで挟まれる領域を矢印Bの方向に移動し、その後、定着装置110を通過する。二次転写ロール109が中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介して対向ロール108に接触する部位が二次転写部となり、二次転写ロール109と対向ロール108との接触部には二次転写電圧が印加される。更に、転写後の中間転写ベルト107と接触するように、中間転写ベルトクリーニング装置112および113(中間転写ベルトクリーニング手段の一例)が配置されている。

0071

この構成の多色画像形成装置100では、像保持体101aが矢印Cの方向に回転するとともに、その表面が帯電装置102aによって帯電された後、レーザー光等の露光装置114aにより第1色目静電潜像が形成される。形成された静電潜像はその色に対応するトナーを収容した現像装置103aにより、トナーで現像(顕像化)されてトナー像が形成される。なお、現像装置103a〜103dには、各色の静電潜像に対応するトナー(例えば、イエローマゼンタシアン、ブラック)がそれぞれ収容されている。

0072

像保持体101a上に形成されたトナー像は、一次転写部を通過する際に、一次転写ロール105aによって中間転写ベルト107上に静電的に転写(一次転写)される。以降、第1色目のトナー像を保持した中間転写ベルト107上に、一次転写ロール105b〜105dによって、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像が順次重ね合わせられるよう一次転写され、最終的に多色多重トナー像が得られる。

0073

中間転写ベルト107上に形成された多重トナー像は、二次転写部を通過する際に、記録媒体115に静電的に一括転写される。トナー像が転写された記録媒体115は、定着装置110に搬送され、加熱及び加圧、又は加熱若しくは加圧により定着処理された後、機外に排出される。

0074

一次転写後の像保持体101a〜101dは、像保持体クリーニング装置104a〜104dにより残留トナーが除去される。一方、二次転写後の中間転写ベルト107は、中間転写ベルトクリーニング装置112および113により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。

0075

−像保持体−
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。

0076

また、像保持体の形状には特に限定はなく、例えば、円筒ドラム状、シート状またはプレート状等、公知の形状が採用される。

0077

−帯電装置−
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が107Ω・cm未満を意味する。)または半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が107乃至1013Ωcmを意味する。)のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器コロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が望ましい。

0078

帯電装置102a〜102dは、像保持体101a〜101dに対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流を更に重畳させて印加してもよい。

0079

−露光装置−
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザー光LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、または液晶シャッタ光等の光源、またはこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。

0080

−現像装置−
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、またはローラ等を用い接触若しくは非接触させて現像する公知の現像器などが挙げられる。

0081

−一次転写ロール−
一次転写ロール105a〜105dは単層若しくは多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴムウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。

0082

−像保持体クリーニング装置−
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。

0083

−二次転写ロール−
二次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆するコーティング層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。コーティング層の材料としては、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール109の体積抵抗率は107Ωcm以下であることが望ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。

0084

−対向ロール−
対向ロール108は、二次転写ロール109の対向電極を形成する。対向ロール108の層構造は、単層若しくは多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。

0085

対向ロール108と二次転写ロール109のシャフトには、通常1kV以上6kV以下の電圧が印加される。対向ロール108のシャフトへの電圧印加に代えて、対向ロール108に接触させた電気良導性電極部材と二次転写ロール109とに電圧を印加してもよい。上記電極部材としては、金属ロール導電性ゴムロール導電性ブラシ金属プレート、または導電性樹脂プレート等が挙げられる。

0086

−定着装置−
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器加圧ローラ定着器、またはフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。

0087

−中間転写ベルトクリーニング装置−
中間転写ベルトクリーニング装置112および113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。

0088

以上、本実施形態に係る中間転写ベルト、並びに、本実施形態に係る中間転写ベルトを用いた転写ユニット及び画像形成装置について説明したが、上記態様に限定されない。

0089

以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。

0090

[実施例1]
混合樹脂ペレットの作製>
熱可塑性樹脂としてポリエーテルイミド(Ultem1010、Sabic社製)90質量部及びシロキサン変性PEI(Siltem1500、Sabic社製)10質量部と、PEI及びシロキサン変性PEIの合計100質量部に対し、導電剤としてカーボンブラック(Printex alpha、オリオンエンジニアードカーボン社製、平均一次粒子径:20nm)20質量部と、を配合し、二軸押出溶融混練機(二軸溶融混練押出機L/D60(パーカーコーポレーション社製))を用い、樹脂加熱温度340℃/スクリュ回転数200rpmにて溶融混練した。混練された溶融物水槽中に入れて冷却固化した後、切断して、PEI樹脂及びシロキサン変性PEI樹脂にカーボンブラックが配合された混合樹脂ペレットを得た。

0091

<中間転写ベルトの作製>
溶融混練により得られた混合樹脂ペレット(以下、「樹脂材料」とも称す)を、一軸溶融押出機(L/D24、溶融押出装置三葉製作所社製)に投入し、樹脂加熱温度320℃/スクリュ回転数20rpmにて溶融して、溶融状態の樹脂材料を300℃に設定した金型ダイニップル間隙から管状に押し出した(押出工程)。管状に押し出された樹脂材料を引き取り速度1.0m/minで周方向の厚みが平均100μmとなるように引き取りを実施しながら(引取工程)、管状の形状及び径を固定化するために、樹脂材料の内周面に円筒状中子の外周面を接触させることにより樹脂材料を冷却した。これにより樹脂管状体を得た。得られた樹脂管状体を切断して中間転写ベルト(以下、「ベルト」とも称する)1を作製した。
なお、ベルト1の作製では、シロキサン変性PEIの分解によってベルト軸方向に長径を持つ凹部が複数形成される。後述するベルト2、ベルト3、ベルト2C〜4Cも同様である。

0092

[実施例2]
実施例1において、引き取り速度を1.2m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順でベルト2を得た。

0093

[実施例3]
実施例1において、引き取り速度を0.7m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順でベルト3を得た。

0094

[実施例4]
実施例1において、金型ダイとニップルの温度設定を285℃に変更したこと以外は実施例1と同様の手順でベルトを得た。その後、真鍮ブラシを用いてベルトの表面に対し、ベルト軸方向に長径を持つ凹部を複数形成することによりベルト4を得た。

0095

[比較例1]
実施例4と同様の方法でベルトを得た後、真鍮ブラシを用いてベルトの表面に対し、ベルト軸方向に直交する方向(ベルト周方向)に長径を持つ凹部を複数形成することによりベルト1Cを得た。

0096

[比較例2]
実施例1の押出工程において、樹脂加熱温度320℃/スクリュ回転数12rpmにて溶融したこと、及び、引取工程において、引き取り速度を0.4m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順でベルト2Cを得た。

0097

[比較例3]
実施例1において、引き取り速度を2.5m/minに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順でベルト3Cを得た。

0098

[比較例4]
実施例1において、PEIを98質量部、シロキサン変性PEIを2質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の手順でベルト4Cを得た。

0099

[評価]
<凹部の平均長径、凹部の平均短径、凹部の存在割合、凹部の平均深さ、及びベルト軸方向に対する角度>
各実施例及び各比較例で得られたベルト表面を既述の方法により観察して、凹部の平均長径、凹部の平均短径、凹部の存在割合、凹部の平均深さ、及びベルト軸方向に対する角度(鋭角側の角度)を測定した。結果を表1に示す。
なお、表1中の「ベルト軸方向に対する角度」は、測定した全凹部の前記角度の範囲(下限値及び上限値の範囲)を示すものである。

0100

<クリーニング維持性>
各例で得られたベルト(中間転写ベルト)を富士ゼロックス社製 DocuPrint CP200Wに組み込み、低温低湿環境(10℃、15%RH環境)下において、富士ゼロックス社製C2紙A4紙を使用し、文字パッチのある総合パターンを10000枚出力した。
クリーニング維持性は、出力した紙に、クリーニング不良に起因する筋が発生するか否か、及び、出力後にベルト表面の凹部中に外添剤が付着しているか否か(外添剤の付着状態)の双方の結果から判定した。なお、上記外添剤の付着状態はSEM観察により判定した。判定基準は以下の通りである。

0101

−判定基準(クリーニング不良に起因する筋の発生)−
G1(○):筋が発生しなかった(発生枚数が0枚)。
G2(△):筋が発生し、発生枚数が5枚未満であった。
G3(×):筋が発生し、発生枚数が5枚以上50枚以下であった。

0102

−判定基準(外添剤の付着状態)−
G1(○):ベルト表面の凹部中に外添剤が付着していなかった。
G2(△):ベルト表面の凹部中に外添剤が付着している。
G3(×):ベルト表面の凹部中に外添剤がトナーなどを結着樹脂として埋まりこんでいる。

0103

実施例

0104

上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、クリーニング不良に起因する筋の発生が抑制され、また出力後のベルト表面の凹部中への外添剤の付着も抑制されており、クリーニング維持性が良好であることがわかる。
すなわち、本実施例は、比較例に比べ、低温低湿環境(10℃、15%RH環境)下においても、画像形成を繰り返した後におけるクリーニング性の低下が抑制されていることがわかる。
また、凹部の平均深さが1μm以上5μm以下である実施例1、2、4は、凹部の平均深さが5μmを超える実施例3に比べ、クリーニング不良に起因する筋の発生が抑制され、出力後のベルト表面の凹部中への外添剤の付着も抑制されていることがわかる。

0105

10中間転写ベルト
100画像形成装置
101a、101b、101c、101d像保持体
102a、102b、102c、102d帯電装置(帯電手段の一例)
103a、103b、103c、103d現像装置(現像手段の一例)
104a、104b、104c、104d 像保持体クリーニング装置
105a、105b、105c、105d一次転写ロール(一次転写手段の一例)
106a、106b、106c、106d支持ロール
107 中間転写ベルト
107b転写ユニット
108対向ロール
109二次転写ロール(二次転写手段の一例)
110定着装置
111駆動ロール
112、113中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写ベルトクリーニング手段の一例)
114a、114b、114c、114d露光装置(潜像形成手段の一例)
115記録媒体
131 駆動ロール
132 従動ロール

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