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技術 車両用クラッチユニット

出願人 シロキ工業株式会社
発明者 三笠訓寛
出願日 2016年10月7日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-198861
公開日 2018年4月12日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2018-059596
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席 一方向・自動クラッチ、異種クラッチ組合わせ
主要キーワード 固定ボルト挿通孔 回転抑制部材 最大回転状態 回転角度γ 内側穴 操作ブラケット スライド可動 解除ブラケット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
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図面 (14)

課題

操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットを提供する。

解決手段

操作レバー21に入力された操作力を、入力側クラッチ50と出力側クラッチ60とを介して出力軸部材30に伝達して車両用シート40に出力するクラッチユニット100であって、それぞれ別体の入力側内輪部材51と操作ブラケット54は互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向相対移動可能に連結されており、回転軸線方向において入力側内輪部材51と操作ブラケット54との間に、入力側内輪部材51と操作ブラケット54とを互いに離間させる付勢部材53が設けられている。

概要

背景

車両用クラッチユニットとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
この車両用クラッチユニットにおいては、ハウジングの外部に操作プレートが設けられ、ハウジングの内部に入力側内輪部材が設けられている。操作プレートは操作レバーに連結される部材である。操作プレートは、回転軸線回りに回転する。操作プレートの中心孔に入力側内輪部材の円筒部溶接などによって固着されている。これにより、操作プレートに入力された操作力を入力側内輪部材に伝達している。

概要

操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットを提供する。操作レバー21に入力された操作力を、入力側クラッチ50と出力側クラッチ60とを介して出力軸部材30に伝達して車両用シート40に出力するクラッチユニット100であって、それぞれ別体の入力側内輪部材51と操作ブラケット54は互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向相対移動可能に連結されており、回転軸線方向において入力側内輪部材51と操作ブラケット54との間に、入力側内輪部材51と操作ブラケット54とを互いに離間させる付勢部材53が設けられている。

目的

本発明は、操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両用シートに用いられるクラッチユニットであって、回転軸線回りに回転可能な操作レバーと、前記操作レバーと一体的に前記回転軸線回りに回転する操作部材と、前記回転軸線回りに回転可能であり、前記操作レバーに入力された操作力を車両用シートに出力する出力軸部材と、前記回転軸線同軸に設けられ前記出力軸部材が挿入された入力側内輪部材と入力側外輪部材と、前記入力側内輪部材の外周面と前記入力側外輪部材の内周面との間に形成された楔状空間に配置された入力側伝達部材と、を有する入力側クラッチと、を有し、前記入力側クラッチは、前記入力側内輪部材及び前記入力側外輪部材の一方の部材が前記操作レバーの回転に伴って回転し、前記入力側伝達部材を介して前記入力側内輪部材及び前記入力側外輪部材の他方の部材を回転させることにより、前記操作レバーの回転を前記出力軸部材に伝達し、それぞれ別体の前記入力側内輪部材と前記操作部材は互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向相対移動可能に連結されており、前記回転軸線方向において前記入力側内輪部材と前記操作部材との間に、前記入力側内輪部材と前記操作部材とを互いに離間させる付勢部材が設けられている、車両用クラッチユニット

請求項2

少なくとも前記入力側クラッチ、前記付勢部材および前記操作部材を収容する有底円筒状のハウジングが設けられ、前記回転軸線方向について、前記入力側内輪部材、前記付勢部材、前記操作部材、前記ハウジングの底面、前記操作レバーがこの順に並んでおり、前記付勢部材は、前記操作部材を前記ハウジングの底面に押し当てている、請求項1に記載の車両用クラッチユニット。

請求項3

前記操作部材および前記ハウジングの底面の一方には、前記回転軸線に沿って他方に向かって突出して摺接する第一突起が設けられている、請求項2に記載の車両用クラッチユニット。

請求項4

前記ハウジングの底面および前記操作レバーの一方には、前記回転軸線に沿って他方に向かって突出して摺接する第二突起が設けられている、請求項2または3に記載の車両用クラッチユニット。

請求項5

前記操作部材と前記入力側内輪部材は、一方に設けられて他方に向かって突き出す凸部と、前記他方に設けられて前記凸部が挿入される凹部とを備えた嵌合構造によって、互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向に相対移動可能に連結されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用クラッチユニット。

請求項6

前記操作部材と前記操作レバーとは、一方に設けられた穴部と、他方に設けられ、前記ハウジングの底面に設けられた貫通孔および前記一方に設けられた穴部を貫通するように延びる爪部とを備えた嵌合構造によって、互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向に相対移動可能に連結されており、前記爪部に前記穴部から抜けるのを防止する抜け止め部が設けられている、請求項2から4のいずれか一項に記載の車両用クラッチユニット。

技術分野

0001

本発明は、車両用クラッチユニットに関する。

背景技術

0002

車両用クラッチユニットとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
この車両用クラッチユニットにおいては、ハウジングの外部に操作プレートが設けられ、ハウジングの内部に入力側内輪部材が設けられている。操作プレートは操作レバーに連結される部材である。操作プレートは、回転軸線回りに回転する。操作プレートの中心孔に入力側内輪部材の円筒部溶接などによって固着されている。これにより、操作プレートに入力された操作力を入力側内輪部材に伝達している。

先行技術

0003

特開2012−47330号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、特許文献1に記載の車両用クラッチユニットでは、操作レバーには常に回転軸線と直交する方向の力のみが入力されるとは限らない。

0005

回転軸線と直交しない力が操作レバーに入力されると、操作プレートは回転軸線から傾いた軸線回りに回転しようとし、がたついてしまう。すると、このがたついた操作プレートの回転運動がそのまま入力側内輪部材に伝達されてしまう。

0006

すると、有底円筒状の入力側内輪部材に設けられた入力側コロと、入力側内輪部材との係り代が不十分になり、操作レバーに入力した入力トルクが入力側外輪部材に伝達されない恐れがある。

0007

そこで本発明は、操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明にかかる車両用クラッチユニットは、
車両用シートに用いられるクラッチユニットであって、
回転軸線回りに回転可能な操作レバーと、
前記操作レバーと一体的に前記回転軸線回りに回転する操作部材と、
前記回転軸線回りに回転可能であり、前記操作レバーに入力された操作力を車両用シートに出力する出力軸部材と、
前記回転軸線と同軸に設けられ前記出力軸部材が挿入された入力側内輪部材と入力側外輪部材と、前記入力側内輪部材の外周面と前記入力側外輪部材の内周面との間に形成された楔状空間に配置された入力側伝達部材と、を有する入力側クラッチと、を有し、
前記入力側クラッチは、
前記入力側内輪部材及び前記入力側外輪部材の一方の部材が前記操作レバーの回転に伴って回転し、前記入力側伝達部材を介して前記入力側内輪部材及び前記入力側外輪部材の他方の部材を回転させることにより、前記操作レバーの回転を前記出力軸部材に伝達し、
それぞれ別体の前記入力側内輪部材と前記操作部材は互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向相対移動可能に連結されており、
前記回転軸線方向において前記入力側内輪部材と前記操作部材との間に、前記入力側内輪部材と前記操作部材とを互いに離間させる付勢部材が設けられている。

0009

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、操作部材と入力側内輪部材とが別体であり、かつ、付勢部材によって操作部材が入力側内輪部材から離間されている。このため、操作レバーに回転軸線に直交しない操作力が入力されて操作部材が回転軸線から傾いた軸線回りに回転しても、このような操作部材の回転運動は入力側内輪部材に伝達されず、入力側内輪部材を常に回転軸線回りに安定して回転させることができる。このため、入力側内輪部材から入力側伝達部材を介して入力側外輪部材へ安定して操作力を伝達することができる。つまり、操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットが提供される。

0010

上記本発明に係る車両用クラッチユニットにおいて、
少なくとも前記入力側クラッチ、前記付勢部材および前記操作部材を収容する有底円筒状のハウジングが設けられ、
前記回転軸線方向について、前記入力側内輪部材、前記付勢部材、前記操作部材、前記ハウジングの底面、前記操作レバーがこの順に並んでおり、
前記付勢部材は、前記操作部材を前記ハウジングの底面に押し当てていてもよい。

0011

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、操作部材のがたつきを低減できる。

0012

上記本発明に係る車両用クラッチユニットにおいて、
前記操作部材および前記ハウジングの底面の一方には、前記回転軸線に沿って他方に向かって突出して摺接する第一突起が設けられていてもよい。

0013

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、第一突起によって、操作部材とハウジングの底面の相対回転に対する摺動抵抗を低減できる。

0014

上記本発明に係る車両用クラッチユニットにおいて、
前記ハウジングの底面および前記操作レバーの一方には、前記回転軸線に沿って他方に向かって突出して摺接する第二突起が設けられていてもよい。

0015

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、第二突起によってハウジングの底面と操作レバーの相対回転に対する摺動抵抗を低減できる。また、第二突起によって操作レバーのがたつきを抑制できる。

0016

上記本発明に係る車両用クラッチユニットにおいて、
前記操作部材と前記入力側内輪部材は、一方に設けられて他方に向かって突き出す凸部と、前記他方に設けられて前記凸部が挿入される凹部とを備えた嵌合構造によって、互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向に相対移動可能に連結されていてもよい。

0017

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、操作レバーからの回転トルクを操作部材から入力側内輪部材へ伝達することができる。

0018

上記本発明に係る車両用クラッチユニットにおいて、
前記操作部材と前記操作レバーとは、
一方に設けられた穴部と、
他方に設けられ、前記ハウジングの底面に設けられた貫通孔および前記一方に設けられた穴部を貫通するように延びる爪部とを備えた嵌合構造によって、
互いに一体的に回転するように、かつ、前記回転軸線方向に相対移動可能に連結され、
前記爪部に前記穴部から抜けるのを防止する抜け止め部が設けられていてもよい。

0019

本発明に係る車両用クラッチユニットによれば、操作部材と操作レバーとを確実に連結させ、操作レバーからの回転トルクを操作部材へ伝達することができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、操作レバーに入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材に伝達される車両用クラッチユニットを提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本実施形態に係る車両用クラッチユニットを車両用シートリフタに適用した状態を示す側面図である。
本実施形態に係る車両用クラッチユニットの分解斜視図である。
本実施形態に係る車両用クラッチユニットの軸方向に沿う断面図である。
操作板動きを説明する図であって、(a)及び(b)は、それぞれ図3におけるA矢視図である。
車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
参考例に係る車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
参考例に係る車両用クラッチユニットの内部動作を説明する図であって、(a)は図3におけるB−B断面図、(b)は図3におけるC−C断面図である。
本発明の変形例に係る車両用クラッチユニットの分解斜視図である。
本発明の変形例に係る車両用クラッチユニットの軸方向に沿う断面図である。

実施例

0022

以下、本発明に係る車両用クラッチユニットの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。

0023

図1は、本実施形態に係る車両用クラッチユニットを車両用シートリフタに適用した状態を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100は、車両用シート40に用いられる。車両用シート40は、着座シート40aと背もたれ40bと、シートフレーム40cを有している。車両用クラッチユニット100は、着座シート40aのシートフレーム40cに固定される。車両用シート40には、車両用シートリフタ41が搭載されている。車両用シートリフタ41は車両用クラッチユニット100を備えている。

0024

車両用シートリフタ41は、セクターギヤ41fと、リンク機構と、を備えている。車両用クラッチユニット100は、正逆に回転操作される操作レバー21を備えている。この操作レバー21によって正逆に回転駆動される出力軸部材30と一体のピニオンギヤ31が、車両用シートリフタ41のセクターギヤ41fと噛み合っている。

0025

リンク機構は、略上下方向に延びる第一リンク部材41c、略上下方向に延びる第二リンク部材41dと、略横方向に延びる第三リンク部材41eとを備えている。
第一リンク部材41cの上部と第二リンク部材41dの上部はそれぞれ、シートフレーム40cにそれぞれ軸部材41c1,41d1で回転自在に連結されている。第一リンク部材41cの下部と第二リンク部材41dの下部は、それぞれシートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材41b1にそれぞれ軸部材41c2,41d2で回転自在に連結されている。
第三リンク部材41eの一端は、軸部材41c1より上方で第一リンク部材41cと軸部材41e1により連結されている。第三リンク部材41eの他端は、セクターギヤ41fと軸部材41e2で回転自在に連結されている。

0026

図1に示すように、操作レバー21を反時計方向(上側)に回転させると、その回転方向の入力トルク(回転力)がクラッチユニット100を介してピニオンギヤ31に伝達され、ピニオンギヤ31が反時計方向に回転する。すると、ピニオンギヤ31と噛合するセクターギヤ41fが時計方向に回転して、第三リンク部材41eが第一リンク部材41cの上部を上方に引っ張る。その結果、第一リンク部材41cと第二リンク部材41dが共に起立して、着座シート40aの座面が高くなる。

0027

このようにして、操作者が、着座シート40aの高さHを調整した後、操作レバー21に入力していた力を開放すると、操作レバー21が時計方向に回転して元の位置(以降の説明において、中立位置または中立状態と呼ぶ)に戻る。
また、操作レバー21を時計方向(下側)に回転操作した場合は、上記とは逆の動作によって、着座シート40aの座面が低くなる。また、高さ調整後に操作レバー21を開放すると、操作レバー21が反時計方向に回転して元の位置(中立位置、中立状態)に戻る。
そして、操作レバー21を開放した状態では、車両用クラッチユニット100が出力軸部材30(ピニオンギヤ31)の回転にブレーキ掛け、着座シート40aに上下方向の力が加わってもその移動を阻止している。

0028

<車両用クラッチユニット>
次に、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100を説明する。以下に説明するクラッチユニット100の構成部品は、特に断らない限り基本的に金属製である。

0029

図2は車両用クラッチユニット100の分解斜視図である。図3は車両用クラッチユニット100の軸方向に沿う断面図である。
図2及び図3に示すように、車両用クラッチユニット100は、操作レバー21と、出力軸部材30と、入力側クラッチ50と、出力側クラッチ60と、ハウジング11を備えている。

0030

入力側クラッチ50は、操作レバー21によって駆動(作動)して、操作レバー21の回転を出力軸部材30に伝達する。出力側クラッチ60は、着座シート40aに上下方向の力が加わっても出力軸部材30の回転を阻止する。入力側クラッチ50と出力側クラッチ60は、ハウジング11に収容されている。

0031

出力軸部材30は、図3の左右方向に延びる軸部材である。以降の説明において、「軸方向」とは出力軸部材30の延びる方向を意味する。図3に示したように、図3の左方から右方に向かって、出力軸部材30は出力側クラッチ60と入力側クラッチ50とをこの順に貫通している。以降の説明において、図3における左方を軸方向の出力側図3における右方を軸方向の入力側と呼ぶことがある。出力軸部材30の軸方向における出力側の端部に、ピニオンギヤ31が設けられている。

0032

出力軸部材30には、ピニオンギヤ31と、大径円柱部32と、スプライン部33と、小径円柱部34とが、軸方向の出力側から入力側に向かってこの順に設けられている。

0033

大径円柱部32は、後述する出力側クラッチ60の出力側外輪部材62に固定されたメタルブッシュ13に回転可能に支持されている。小径円柱部34は、後述する入力側クラッチ50の入力側内輪部材51、入力側外輪部材52、ハウジング11に回転可能に支持されている。スプライン部33の外周面には複数の溝部が形成されている。スプライン部33は、後述する出力側クラッチ60の出力側内輪部材61にスプライン結合している。

0034

出力軸部材30の小径円柱部34には、ストッパリング36が装着されている。ストッパリング36は、円筒状の嵌合部36aと、嵌合部36aよりも軸方向の出力側に位置する円板状のフランジ部36bとを有している。嵌合部36aに出力軸部材30の小径円柱部34が嵌め込まれる。フランジ部36bは後述する操作板22に当接し、操作板22やハウジング11、入力側クラッチ50、出力側クラッチ60が出力軸部材30から抜け出ることを防止する。

0035

ハウジング11はカップ状の部材であり、底面11aと筒状部11bとを有している。筒状部11bの底面11aよりも軸方向の出力側の端部に、径方向に突出する2個の固定フランジ11cが形成されている。固定フランジ11cには、固定ボルト挿通孔11dが設けられている。この固定ボルト挿通孔11dに挿し込んだボルト(図示略)をシートフレーム40cのネジ孔ねじ込むことで、ハウジング11がシートフレーム40cに固定される。あるいは、ハウジング11にかしめ部を設けて、該かしめ部をシートフレーム40cにかしめることで、ハウジング11をシートフレーム40cに固定してもよい。
一方の固定フランジ11cに、バネ係止片24aを有するバネ係止部24が固定されている。バネ係止部24は、ハウジング11の固定フランジ11cに固定されている。バネ係止片24aは筒状部11bに沿って軸方向に延びている。

0036

また、底面11aの径方向の中心部には、バーリング加工によって、筒状の軸受11gが形成されている。軸受11gは底面11aから軸方向の入力側に向かって延びている。底面11aには、円弧状の長孔からなる3つの窓部11hと、この窓部11hの縁部から軸方向の出力側に向かって延びる3つの突出片11iとが形成されている。

0037

操作レバー21は、例えば、合成樹脂から成形されたもので、操作板22が固定される固定部21aと、固定部21aから径方向外方へ延びる棒状の把持部21bと、を有している。操作レバー21は操作板22に固定されている。
操作板22は、操作者が操作レバー21の把持部21bを把持して操作レバー21を正逆に回転操作すると、操作レバー21と一体に正逆に回転する。操作板22は、軸方向について、ハウジング11と操作レバー21の間に設けられている。操作板22は、操作レバー21に固定されている。操作板22はハウジング11に回転可能に支持されている。

0038

操作板22は、径方向の中央に挿通孔22aを有している。この挿通孔22aには、出力軸部材30の小径円柱部34が挿通されている。操作板22は、挿通孔22aの周りに、矩形状の3つの係合孔22bと、円形固定孔22cとを有している。固定孔22cに挿通させたネジ(図示略)を操作レバー21にねじ込むことで操作板22が操作レバー21に固定される。

0039

操作板22の外周縁には、一対の規制片部22eと、操作片部22dが設けられている。操作片部22dは、一対の規制片部22eの間に設けられている。一対の規制片部22eと操作片部22dは軸方向の出力側に向かって延びている。

0040

ハウジング11の外周には戻しばね23が設けられている。戻しばね23は、操作レバー21に操作力が加わらないとき(操作力を開放したとき)、操作レバー21(および操作板22)を中立位置に復帰させるばねである。戻しばね23は、両自由端部23aを互いに接近させた円弧状をなす板ばねである。戻しばね23の両自由端部23aの間には、ハウジング11に固定されたバネ係止部24のバネ係止片24aと操作板22の操作片部22dとが配置されている。

0041

図4は、操作板22の動きを説明する図である。図4図3におけるA矢視図である。
図4の(a)は中立状態、図4の(b)は駆動状態を示す。
図4の(a)に示すように、操作者が操作レバー21に操作力を加えない状態(中立状態)では、操作レバー21は、戻しばね23の一対の自由端部23aが共にバネ係止片24a及び操作片部22dに当接する中立位置に支持されている。

0042

図4の(b)に示すように、操作者が操作レバー21を正逆のいずれかに回転操作して駆動状態とすると、操作レバー21とともに操作板22がハウジング11に対して回転する。すると、一対の自由端部23aのうちの一方の自由端部23aがハウジング11に固定されたバネ係止片24aとの係合状態を維持する一方、他方の自由端部23aが操作板22の操作片部22dに係合して一方の自由端部23aから離反する方向に移動する。したがって、戻しばね23が撓んで中立位置への復帰力が作用した状態となる。

0043

操作レバー21の回転量が所定量に達すると、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している他方の自由端部23aに当接し、操作レバー21のそれ以上の回転が規制される。

0044

<入力側クラッチ>
図2および図3戻り、入力側クラッチ50は、入力側内輪部材51と、入力側外輪部材52と、付勢部材53と、操作ブラケット(操作部材)54と、入力側クラッチコロ(入力側伝達部材)55と、入力側コロ付勢バネ56とを備えている。

0045

入力側内輪部材51は、軸方向に延びる円柱状の部材である。入力側内輪部材51は、中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔51aを有している。入力側内輪部材51の軸方向の入力側の面には、3つの突起部51bが形成されている(図3参照)。入力側内輪部材51の外周縁の3箇所に、外方へ膨出するカム部51cが等間隔に設けられている。

0046

操作ブラケット54は板状の部材である。操作ブラケット54は、径方向の中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔54aを有している。操作ブラケット54は、入力側内輪部材51の突起部51bが嵌合される3つの嵌合孔54bを有している。

0047

操作ブラケット54の外周縁に、3つの爪部54cが設けられている。これらの爪部54cは、ハウジング11の底面11aに形成された窓部11hを貫通し、操作板22の係合孔22bに嵌合されている。これにより、入力側内輪部材51は、操作ブラケット54を介して操作板22と固定されている。

0048

付勢部材53は、回転軸線方向において入力側内輪部材51と操作ブラケット54との間に設けられている。付勢部材53は、入力側内輪部材51の軸方向の入力側に設けられている。付勢部材53は、バネ鋼リング状に形成したウェーブワッシャ等からなるもので、周方向に沿って複数の湾曲部分が交互に形成された波形形状とされている。

0049

付勢部材53は、入力側内輪部材51と操作ブラケット54とに、互いに離間させる付勢力を作用させている。この付勢部材53による付勢力が作用した状態で、入力側内輪部材51の突起部51bは操作ブラケット54の嵌合孔54bは挿入されたままである。これにより、それぞれ別体の入力側内輪部材51と操作ブラケット54は互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結されている。

0050

入力側外輪部材52は、底部52bと、外輪部52cと、固定部52dと、を有している。底部52bは円板状の部位である。底部52bの径方向の中心に出力軸部材30の小径円柱部34が挿通される挿通孔52aが設けられている。外輪部52cは、底部52bの外縁部に形成された円筒状の部位である。外輪部52cの軸方向の出力側の端部に底部52bが設けられている。固定部52dは、挿通孔52aの外縁から軸方向の出力側へ突出されている。固定部52dの外周面にはスプライン溝が形成されている。固定部52dは、後述する出力側クラッチ60の解除ブラケット64とスプライン結合する。

0051

図5は、図4の(a)に示した中立状態における車両用クラッチユニット100を示す図である。図5の(a)は図3におけるB−B断面図であり、中立状態における出力側クラッチ60を示している。図5の(b)は図3におけるC−C断面図であり、中立状態における入力側クラッチ50を示している。

0052

図5の(b)に示すように、入力側外輪部材52の内周面と入力側内輪部材51の外周面との間には、隙間が設けられている。入力側外輪部材52の内周面は円周面である一方で、入力側内輪部材51の外周面には外方へ膨出する3つの楔カム部51cが設けられている。このため、入力側外輪部材52の内周面と入力側内輪部材51の外周面との間の隙間には、径方向の両端が楔状先細りになった部分が3つ形成されている。この隙間に、ハウジングの3つの突出片11iが突出している。操作レバー21によって入力側内輪部材51が回転されると、突出片11iが入力側クラッチコロ55の動きを規制する。

0053

入力側クラッチ50は、6個の入力側クラッチコロ55と、3個の入力側コロ付勢バネ56とを有している。入力側クラッチコロ55及び入力側コロ付勢バネ56は、入力側内輪部材51の外周面と、入力側外輪部材52の外輪部52cの内周面との間に配置されている。

0054

入力側コロ付勢バネ56は、径方向について、入力側内輪部材51の楔カム部51c同士の間に配置されている。また、入力側クラッチコロ55は、入力側内輪部材51の楔カム部51cの両側に一対ずつ配置されている。これらの一対の入力側クラッチコロ55の間に、ハウジング11の突出片11iが配置されている。

0055

<出力側クラッチ>
図2および図3に戻り、出力側クラッチ60は、出力側内輪部材61と、出力側外輪部材62と、解除ブラケット(出力側クラッチ解除部材)64と、出力側クラッチコロ(出力側伝達部材)65と、出力側コロ付勢バネ66とを備えている。

0056

出力側外輪部材62は、略円筒状の部材である。出力側外輪部材62は、出力軸部材30の回転軸と同軸に設けられ、出力側内輪部材に対して相対回転可能である。出力側外輪部材62は出力側内輪部材61の外周側に配置されている。出力側外輪部材62の内側穴の内周面は、メタルブッシュ13の円筒部13bを介して出力軸部材30の大径円柱部32を回転可能に支持している。メタルブッシュ13のフランジ部13aは出力側内輪部材61に摺接し、出力側内輪部材61が出力軸部材30から抜け出ることを防止している。メタルブッシュ13の円筒部13bは樹脂製である。メタルブッシュ13は出力軸部材30に摩擦力を作用させて、車両用シート40を下降させる際の出力軸部材30の回転速度を抑制する。

0057

出力側外輪部材62は、円板状の底部62aと、底部62aから軸方向の入力側に延びる筒状の第一円筒部62bと、底部62aから軸方向の出力側に延びる第二円筒部62cとを備えている。第二円筒部62cは第一円筒部62bよりも小径である。
出力側外輪部材62の外周縁には、2か所にテーパ部62dが設けられている。ハウジング11に設けられたかしめ部11fを径方向内側に折り曲げてこの出力側外輪部材62の外周縁にかしめることにより、出力側外輪部材62はハウジング11に対して回転不能に固定されている。

0058

出力側内輪部材61は、略円筒状の部材である。出力側内輪部材61は、出力軸部材30の回転軸と同軸に設けられ出力軸部材30と一体に回転する。出力側内輪部材61は、出力側外輪部材の第一円筒部62bよりも小径の部材である。出力側内輪部材61の内側穴の内周面には複数の溝部が設けられ、出力軸部材30のスプライン部33が結合されるスプライン部61aとされている。出力側内輪部材61の軸方向の入力側の面には、6つの突起部61bが形成されている(図3参照)。出力側内輪部材61の外周部には、外方へ膨出する6つの楔カム部61cが等間隔に形成されている。

0059

解除ブラケット64は板状の部材である。解除ブラケット64は、入力側外輪部材52に連結されており、入力側外輪部材52とともに回転する。解除ブラケット64は、出力側内輪部材61、出力側外輪部材62、入力側内輪部材51、入力側外輪部材52とは別体の部材である。解除ブラケット64は、後述する出力側クラッチコロ65を変位させて、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とが相対回転不能なロック状態と、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とが相対回転可能なロック解除状態と、を切り替え可能である。ロック状態とロック解除状態の詳細は後述する。

0060

解除ブラケット64の内周面には、複数の溝部を有する第一係合穴64aが形成されている。第一係合穴64aは、入力側外輪部材52の固定部52dとスプライン結合する。これにより、解除ブラケット64は、入力側外輪部材52とともに回転可能とされている。

0061

解除ブラケット64は、出力側内輪部材61の突起部61bが挿入される複数の第二係合孔64bを有している。これらの第二係合孔64bは、それぞれ周方向に延びる長孔である。この第二係合孔64b内で突起部61bが周方向へ僅かに変位可能とされている。つまり、解除ブラケット64と出力側内輪部材61とは、第二係合孔64b内で突起部61bが変位する範囲で相対的に回転可能とされている。解除ブラケット64の外周縁には、6つの突出片64cが設けられている。

0062

図5の(a)に示すように、出力側外輪部材62の内周面と出力側内輪部材61の外周面との間には、隙間が設けられている。出力側外輪部材62の内周面は円周面である一方で、出力側内輪部材61の外周面には外方へ膨出する6つの楔カム部61cが設けられている。このため、出力側外輪部材62の内周面と出力側内輪部材61の外周面との間の隙間には、径方向の両端が楔状に先細りになった形状となった部分が6つ形成されている。
この隙間に、解除ブラケット64の6つの突出片64cが突出している。解除ブラケット64が回転されると、突出片64cが隙間の内部を移動する。

0063

出力側クラッチ60は、12個の出力側クラッチコロ65と、6個の出力側コロ付勢バネ66とを有している。出力側クラッチコロ65及び出力側コロ付勢バネ66は、出力側内輪部材61の外周面と、出力側外輪部材62の第二円筒部62cの内周面との間の隙間に配置されている。出力側クラッチコロ65は、出力側内輪部材61の外周面と出力側外輪部材62の内周面との間に配置されて、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62との間で回転力を伝達可能な部材である。

0064

出力側コロ付勢バネ66は、径方向について、出力側内輪部材61の楔カム部61c同士の間に配置されている。また、出力側クラッチコロ65は、出力側内輪部材61の楔カム部61cの両側に一対ずつ配置されている。これらの一対の出力側クラッチコロ65の間に、解除ブラケット64の突出片64cが配置されている。これらの出力側クラッチコロ65は、出力側コロ付勢バネ66によって楔カム部61cの頂部へ向かって付勢されている。

0065

本実施形態に係る車両用クラッチユニット100によれば、操作ブラケット54と入力側内輪部材51とが別体であり、かつ、付勢部材53によって操作ブラケット54が入力側内輪部材51から離間されている。このため、操作レバー21に回転軸線に直交しない操作力が入力されて操作ブラケット54が回転軸線から傾いた軸線回りに回転しても、このような操作ブラケット54の回転運動は入力側内輪部材51に伝達されず、入力側内輪部材51を常に回転軸線回りに安定して回転させることができる。このため、入力側内輪部材51から入力側クラッチコロ55を介して入力側外輪部材52へ安定して操作力を伝達することができる。つまり、操作レバー21に入力した入力トルクが確実に入力側外輪部材52に伝達される車両用クラッチユニット100が提供される。

0066

また、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100において、図2および図3に示したように、入力側クラッチ50と出力側クラッチ60との間に、ウェーブワッシャ等の回転抑制部材70が設けられている。この回転抑制部材70は、軸方向について、入力側クラッチ50の入力側外輪部材52と出力側クラッチ60の解除ブラケット64との間に配置されている。この回転抑制部材70は、バネ鋼をリング状に形成したもので、周方向に沿って複数の湾曲部分が交互に形成された波形形状とされている。回転抑制部材70は、入力側外輪部材52と解除ブラケット64とを互いに離間する方向へ付勢している。

0067

次に、上記構成の車両用クラッチユニット100の動作について説明する。なお、以降の説明では、操作レバー21を反時計回りに回転させる場合を説明する。操作レバー21を時計回りに回転させる場合は、以降の説明と回転方向が逆になるだけであるので、その説明を省略する。

0068

<操作レバーの回転操作>
図4の(a)に示すように、車両用クラッチユニット100は、中立状態において、戻しばね23の一対の自由端部23aがバネ係止片24a及び操作片部22dに当接されている。

0069

図4の(b)に示すように、中立位置から、操作レバー21が反時計方向に回転角度αだけ回転されると、一対の自由端部23aのうちの一方の自由端部23aがバネ係止片24aとの係合状態を維持する一方、他方の自由端部23aが操作板22の操作片部22dに係合して一方の自由端部23aから離反する方向に移動する。
そして、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している他方の自由端部23aに当接すると、操作レバー21の回転が規制される。この操作レバー21の回転が規制された状態が操作レバー21の最大操作状態となる。つまり、操作レバー21は、中立状態から最大操作状態までの回転角度最大操作角αmaxとなるまでの範囲で回転可能とされている。また、操作レバー21が回転されることで、戻しばね23が撓んで中立位置へ戻す方向へ復帰力が作用した状態となる。

0070

次に、中立状態から最大操作状態までの動作について説明する。

0071

<中立状態>
図5の(a)は、中立状態における出力側クラッチ60を示している。図5の(a)に示すように、中立状態において、出力側クラッチ60では、出力側クラッチコロ65が出力側コロ付勢バネ66によって楔カム部61cの頂部へ向かって付勢されている。これにより、出力側クラッチコロ65が、楔カム部61cと第一円筒部62bの内周面との間の楔状の隙間に食い込んでいる。

0072

より具体的には、第一出力側クラッチコロ65aが位置している隙間は、反時計方向に向かって先細りの楔形状である。第一出力側クラッチコロ65aは出力側コロ付勢バネ66によって反時計方向に付勢されている。このため、第一出力側クラッチコロ65aは反時計方向に出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とに食い込んでいる。第二出力側クラッチコロ65bが位置している隙間は、時計方向に向かって先細りの楔形状である。第二出力側クラッチコロ65bは出力側コロ付勢バネ66によって時計方向に付勢されている。このため、第二出力側クラッチコロ65bは時計方向に出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とに食い込んでいる。
出力側外輪部材62はハウジング11に対して移動不可能であり、かつ、第一出力側クラッチコロ65aおよび第二出力側クラッチコロ65bが出力側内輪部材61と出力側外輪部材62の両者に反時計方向および時計方向に食い込んでいるので、出力側内輪部材61および出力側外輪部材62は回転できない。この結果、出力側内輪部材61にスプライン結合されている出力軸部材30も回転できない。

0073

このように、中立状態では、出力側内輪部材61と出力側外輪部材62とが、回転不能なロック状態とされているので、車両用シート40側から出力軸部材30に回転力が付与されても出力軸部材30は回転することがない。これにより、車両用シート40は、その高さが保持された状態で固定される。

0074

図5の(b)は、中立状態における入力側クラッチ50を示している。図5の(b)に示すように、中立状態において、入力側クラッチ50では、入力側クラッチコロ55が入力側コロ付勢バネ56に接触しておらず、入力側クラッチコロ55が入力側コロ付勢バネ56によって楔カム部51cの頂部へ向かって付勢されていない。このため、中立状態において、入力側クラッチコロ55が入力側内輪部材51と入力側外輪部材52とに食い込んでいない。これにより、操作レバー21が回転されると、入力側外輪部材52は入力側クラッチコロ55を介して入力側内輪部材51ともに回転することができる。

0075

<回転の初期段階
図6は、操作レバー21を中立位置から微小角度α1だけ反時計方向に回転させた状態を示す図である。図6の(a)は出力側クラッチ60を示し、図6の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図6の(b)に示すように、中立位置から操作レバー21が反時計方向に角度α1だけ回転されると、その回転が、操作板22及び操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51に伝達される。すると、この入力側内輪部材51が操作レバー21とともに角度α1だけ回転され、入力側クラッチコロ55を介して入力側外輪部材52が入力側内輪部材51とともに回転される。

0076

入力側クラッチ50の入力側外輪部材52は解除ブラケット64とスプライン結合している。このため、図6の(a)に示すように、入力側外輪部材52が回転されると、解除ブラケット64も入力側外輪部材52とともに角度β1だけ回転する。
なお、図6の(a)に示した状態では、解除ブラケット64の第二係合孔64bの内周面が出力側内輪部材61の突起部61bに当接していない。このため、出力側内輪部材61や出力側外輪部材62には入力側外輪部材52からの回転が伝達されず、出力側内輪部材61や出力側外輪部材62は回転しない。

0077

<出力側ロック解除
図7は、図6の状態からさらに反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図7の(a)は出力側クラッチ60を示し、図7の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図7(b)に示すように、操作レバー21が反時計方向にさらに回転されると、入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52が回転されて入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52の回転角度がα2(α2>α1)になる。

0078

すると、図7(a)に示すように、入力側外輪部材52とともに回転する解除ブラケット64が角度β2まで回転される。解除ブラケット64の回転角度がβ2(出力側ロック解除角度)に達すると、解除ブラケット64の突出片64cが、突出片64cの反時計方向に隣接する出力側クラッチコロ65cに当接し、出力側クラッチコロ65cを反時計回転方向へ押圧する。すると、出力側クラッチコロ65cの楔カム部61cと第一円筒部62bの内周面への食い込みが解除される。これにより、出力側外輪部材62と出力側内輪部材61とが反時計方向へ回転可能な状態となる。

0079

回転力伝達状態
図8は、図7の状態からさらに反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図8の(a)は出力側クラッチ60を示し、図8の(b)は入力側クラッチ50を示す。
図8の(b)に示すように、操作レバー21が反時計方向へさらに回転されると、入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52が回転されて入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52の回転角度がα3(α3>α2)となる。

0080

すると、図8の(a)に示すように、解除ブラケット64が反時計方向へ角度β3(β3>β2)まで回転される。そして、この解除ブラケット64の回転角度がβ3に達すると、解除ブラケット64の第二係合孔64bの内周面が、出力側内輪部材61の突起部61bに当接する。これにより、解除ブラケット64の回転が出力側内輪部材61に伝達可能な状態となる。また、図7で述べたように、出力側内輪部材61および出力側外輪部材62は既に反時計方向へ回転可能となっている。このため、図8の状態からさらに操作レバー21を反時計方向へ回転させると、出力側内輪部材61および出力側外輪部材62が反時計方向へ回転し、出力側外輪部材62にスプライン結合した出力軸部材30が反時計方向へ回転する。これにより、車両用シート40の着座シート40aの高さが変位される。

0081

最大回転状態
図9は、最大操作角αmaxまで反時計方向へ操作レバー21を回転させた状態を示す図である。図9の(a)は出力側クラッチ60を示し、図9の(b)は入力側クラッチ50を示す。
操作レバー21が最大操作角αmaxに達するまで回転されると、車両用クラッチユニット100は、最大回転状態となる。この状態において、操作板22の規制片部22eが、バネ係止片24aに当接している他方の自由端部23aに当接し、操作レバー21の回転が規制される(図4(b)参照)。

0082

この最大回転状態では、図9の(b)に示すように、入力側内輪部材51及び入力側外輪部材52の反時計方向への回転角度αも最大回転角度αmaxとなる。また、図9(a)に示すように、解除ブラケット64の反時計方向の回転角度が最大回転角度βmaxとなる。そして、この解除ブラケット64とともに回転される出力側内輪部材61の反時計方向への回転角度γが最大回転角度γmaxとなる。

0083

<中立状態への復帰>
操作レバー21による一度の回転操作が終了し、操作者が操作レバー21に付与していた回転力を解除すると、撓んでいる戻しバネ23による復帰力で操作レバー21が初期の中立位置へ向かって時計回りに回転される。すると、入力側クラッチ50では、操作レバー21が反時計回りに回転されることで、操作板22及び操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51が反時計方向へ回転される。

0084

ところで、図6の(b)に示した入力側内輪部材51の回転角度がα1の状態より入力側内輪部材51の回転角度が大きな状態(図7図9に示した状態)になると、ハウジング11の突出片11iが、ハウジング11の突出片11iに対して時計方向に隣接する入力側クラッチコロ55aに当接し、該入力側クラッチコロ55aを反時計方向へ押圧する。これにより、該入力側クラッチコロ55aの楔カム部51cと外輪部52cへの食い込みが解除される。この状態から入力側内輪部材51が時計方向に回転しようとすると、該入力側クラッチコロ55aは、入力側内輪部材51の時計方向の回転を入力側外輪部材52に伝達することができない。

0085

このため、図6の(b)に示した入力側内輪部材51の回転角度がα1の状態より入力側内輪部材51の回転角度が大きな状態(図7図9に示した状態)においては、入力側内輪部材51は入力側外輪部材52に対して空転し、入力側内輪部材51のみが時計方向へ回転し、入力側外輪部材52は回転しない。これにより、操作レバー21が中立位置へ戻される際に、入力側内輪部材51だけが操作レバー21とともに中立位置(図5(b)参照)へ戻され、出力側クラッチ60では、解除ブラケット64が回転されることがなく、結果的に、出力軸部材30は回転位相が維持された状態となる(図9(a)参照)。

0086

このように、上記の車両用クラッチユニット100では、入力側クラッチ50は、操作レバー21が中立位置から駆動する操作時には、入力側内輪部材51が操作レバー21の回転に伴って回転し、入力側クラッチコロ55を介して入力側外輪部材52を回転させることにより、操作レバー21の回転を出力側クラッチ60に伝達する。そして、操作レバー21を操作した後に中立位置へ復帰する復帰動作時には、出力軸部材30の回転位置を保持したまま操作レバー21を中立位置に復帰させる。また、出力側クラッチ60は、車両用シート40側から出力軸部材30に入力された力による出力軸部材30の回転を規制する。
また、本実施形態に係る車両用クラッチユニット100によれば、操作レバー21を回転させるとすぐに入力側クラッチ50の入力側内輪部材51の回転が入力側外輪部材52に伝達されるので、出力軸部材30の応答性が高められている。

0087

<共回り>
ここで、図10および図11を用いて、この入力側外輪部材52の共回りについて説明する。図10および図11は、上述したように動作し、かつ、後述する回転抑制部材70を備えていない車両用クラッチユニットにおいて、中立位置へ戻る際の状態を示している。図10は最大回転状態(図9)からの戻り始めの状態を示し、図11は操作レバー21が中立状態へ復帰した状態を示している。

0088

操作レバー21による反時計方向の回転操作の終了後に操作レバー21が中立位置へ戻る際には、前述したように、入力側クラッチ50では、操作レバー21が時計方向に回転され、操作板22及び操作ブラケット54を介して入力側内輪部材51が時計方向へ回転される。図10は、最大回転状態から操作レバー21を開放した直後の状態を示し、入力側内輪部材51が最大回転角度αmaxよりわずかに小さいα4の状態を示している。

0089

このとき、図10の(b)に示すように、入力側クラッチ50では、ハウジング11の突出片11iよりも反時計方向に位置する入力側クラッチコロ55aは入力側内輪部材51と入力側外輪部材52との食い込みが解除されている。しかし、ハウジング11の突出片11iよりも時計方向に位置する入力側クラッチコロ55bは、入力側コロ付勢バネ56に押圧されて、入力側内輪部材51と入力側外輪部材52とに食い込んだ状態のままである。

0090

このように、入力側クラッチコロ55bが入力側コロ付勢バネ56に押圧されている状態では、入力側クラッチコロ55bと入力側内輪部材51との間、および、入力側クラッチコロ55bと入力側外輪部材52との間、に摩擦力が作用している。入力側コロ付勢バネ56が自然長に戻り、入力側クラッチコロ55bが入力側コロ付勢バネ56に押圧されなくなるまで、入力側クラッチコロ55bと入力側内輪部材51および入力側外輪部材52との間に摩擦力が作用し続ける。
その結果、本来は、操作レバー21の復帰動作時には入力側外輪部材52は回転させずに入力側内輪部材51のみを回転させたいところ、入力側内輪部材51の時計回りの回転が入力側クラッチコロ55bを介して入力側外輪部材52に伝達されてしまう。

0091

すると、この入力側外輪部材52の意図しない時計方向への回転が、スプライン結合している解除ブラケット64に伝達されてしまう。これにより、図10の(a)に示すように、解除ブラケット64の反時計方向への回転角度β4が最大回転角度βmaxよりも僅かに小さい角度となる。この意図しない入力側外輪部材52の回転に伴い、解除ブラケット64の第二係合孔64bの内周面と出力側内輪部材61の突起部61bとが当接した状態から、第二係合孔64bの内周面と突起部61bとの間に微小な隙間Gが形成された状態となってしまう。

0092

その後、操作レバー21が中立位置へ戻され、図11(b)に示すように、入力側内輪部材51が中立位置へ戻されても、図11(a)に示すように、解除ブラケット64は、隙間Gの分だけ時計方向へ変位したままとなる。

0093

その結果、図11の状態から、出力軸部材30を再び反時計方向へ回転させるべく、再度操作レバー21を反時計方向に回転させる場合には、第二係合孔64bの内周面と突起部61bとの間に形成された隙間Gの分だけ、解除ブラケット64の回転が出力側内輪部材61に伝達されるタイミングが遅れ、応答性を損なうこととなる。

0094

そこで、図2および図3に示したように、入力側クラッチ50と出力側クラッチ60との間に、ウェーブワッシャ等の回転抑制部材70が設けられ、回転抑制部材70は、入力側外輪部材52と解除ブラケット64とを互いに離間する方向へ付勢している。

0095

つまり、操作レバー21の復帰動作時の入力側内輪部材51による入力側外輪部材52の共回りを抑制するように、入力側外輪部材52と、操作レバー21の復帰動作時に回転しない部材(本実施形態ではハウジング11)との間に共回りさせる力より大きい回転抵抗力を付与する回転抑制部材70が設けられている。本実施形態に係る車両用クラッチユニット100においては、回転抑制部材70によって入力側外輪部材52を軸方向に押し付け、入力側外輪部材52を共回りさせようとする力に抗する力を生じさせている。本実施形態においては、回転抑制部材70は、入力側外輪部材52を、入力側内輪部材51を介してハウジング11に押し付けている。

0096

したがって、操作レバー21の復帰動作時に入力側外輪部材52の回転が規制されている。このため、操作レバー21の復帰動作時に、入力側外輪部材52が入力側内輪部材51によって復帰方向へ共回りすることが抑制される。これにより、操作レバー21の連続操作時の応答性が向上する。

0097

また、回転抑制部材70は、入力側クラッチ50(入力側外輪部材52および入力側内輪部材51の他方の部材)をハウジング11の底面11aに向けて押し付けているので、入力側クラッチ50の軸線方向におけるガタツキをなくすことができる。このように、回転抑制部材70は、ガタツキをなくすためのバネの機能を兼ねており、別個のバネを設ける場合と比較して部品点数が削減されている。

0098

しかも、回転抑制部材70は、入力側外輪部材52と解除ブラケット64(回転伝達部)を軸方向に離間する方向に押している。このように、解除ブラケット64を軸方向に付勢することにより、解除ブラケット64と出力側内輪部材61との係り代を増やすことができ、より確実に出力側クラッチ60のロックを解除することができる。また、回転抑制部材70が、入力側外輪部材52と解除ブラケット64との間に位置しているので、回転抑制部材70が入力側外輪部材52と解除ブラケット64(回転伝達部)を軸方向に離間する方向に押圧しやすい。

0099

出力側クラッチ60は、出力側内輪部材61と、出力側外輪部材62と、出力側クラッチコロ65(出力側伝達部材)と、出力側コロ付勢バネ66(弾性部材)とを備えている。出力側クラッチコロ65と出力側コロ付勢バネ66は、出力側内輪部材61の外周面と出力側外輪部材62の内周面との間に配置されている。出力側コロ付勢バネ66は、操作レバー21の中立位置への復帰動作時に、出力側クラッチコロ65が解除ブラケット64(回転伝達部)と共に移動するように出力側クラッチコロ65を押す弾性力を生じさせている。したがって、操作レバー21の中立位置への復帰動作時に、出力側クラッチコロ65をクリアランスなく、楔カム部61cと第一円筒部62bの内周面との間に押し付け、出力側内輪部材61を出力側外輪部材62にロックさせることができる。

0100

また、車両用クラッチユニット100は、入力側クラッチ50(入力側外輪部材52および入力側内輪部材51の他方の部材)を収容する有底円筒状のハウジング11を有している。回転抑制部材70は、入力側クラッチ50をハウジング11の底面11aに向けて押し付けている。この回転抑制部材70は、入力側外輪部材52と解除ブラケット64との間に位置している。
このように、回転抑制部材70が入力側外輪部材52(他方の部材)と解除ブラケット64(回転伝達部)との間に位置しているため、回転抑制部材70が、入力側クラッチ50をハウジング11の底面11aに向けて押し付け、かつ、解除ブラケット64を回転軸方向における出力側に押す構造を構成しやすい。

0101

なお、上述した実施形態では、回転抑制部材70としてウェーブワッシャを用いた例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、入力側外輪部材52とハウジング11との間に共回りさせる力より大きい回転抵抗力を付与する、圧縮バネであってもよい。

0102

あるいは、回転抑制部材70として、入力側外輪部材52の外周面に取り付けたブレーキパッドおよびハウジング11の内周面に取り付けたブレーキパッドを採用してもよい。両者のブレーキパッドに作用する大きな静止摩擦力が、入力側外輪部材52のハウジング11に対する動き出しを抑制し、入力側外輪部材52の共回りが抑制される。

0103

また、上述した実施形態では、操作レバー21の復帰動作時に回転しない部材としてハウジング11を用いた例を説明したが、ハウジング11に限られない。例えばハウジング11とは別体でハウジング11に固定された部品など、操作レバー21の復帰動作時に回転しない部材であれば、回転抑制部材70により該部材と入力側外輪部材52との間に共回りさせる力より大きい回転抵抗力を付与することができる。

0104

また、上述の実施形態では、操作レバー21とともに入力側内輪部材51が回転する構成を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、操作レバー21とともに入力側外輪部材が回転する構成を採用してもよい。この場合には、回転抑制部材70は、入力側外輪部材による入力側内輪部材の共回りを抑制するために、入力側内輪部材と操作レバー21の復帰動作時に回転しない部材との間に、入力側内輪部材を共回りさせる力より大きい回転抵抗力を付与するように、構成する。

0105

なお、上述した実施形態では、解除ブラケット64と入力側外輪部材52との間に回転抑制部材70を介在させた例を説明したが、本発明はこれに限られない。

0106

図12は、本発明の変形例に係る車両用クラッチユニット200の分解斜視図である。図13は、本発明の変形例に係る車両用クラッチユニット200の軸方向に沿う断面図である。変形例に係る車両用クラッチユニット200の構成部材を示す符号を、上述した実施形態に係る車両用クラッチユニット100のそれぞれの構成部材を示す符号+100で示した。

0107

図12及び図13に示したように、回転抑制部材170をハウジング111と入力側外輪部材152との間に設け、解除ブラケット164を入力側外輪部材152と出力側内輪部材161との間に隣接して設けてもよい。

0108

本変形例に係る車両用クラッチユニット200においても、回転軸線方向において入力側内輪部材151と操作ブラケット154との間に付勢部材153が設けられており、この付勢部材153の付勢力によって、入力側内輪部材151と操作ブラケット154とが互いに離間される。

0109

本変形例においては、有底円筒状のハウジング111が、少なくとも入力側クラッチ150、付勢部材153および操作ブラケット154を収容する。そして、回転軸線方向について、入力側内輪部材151、付勢部材153、操作ブラケット154、ハウジング111の底面111a、操作レバー121がこの順に並んでいる。さらに、付勢部材153は、操作ブラケット154をハウジング111の底面111aに押し当てている。

0110

また、本変形例においては、操作ブラケット154には、回転軸線に沿ってハウジング111の底面111aに向かって突出し、ハウジング111の底面111aに摺接する第一突起154dが設けられている。

0111

さらに、本変形例においては、ハウジング111の底面111aには、回転軸線に沿って操作レバー121が固定される操作板122に向かって突出し、操作板122に摺接する第二突起111jが設けられている。

0112

また、本変形例においては、操作ブラケット154は、入力側内輪部材151に向かって突き出す凸部154eを備えている。また、入力側内輪部材151は、操作ブラケット154の凸部154eが挿入される凹部151dを備えている。そして、これらの凸部154eと凹部151dとの嵌合構造によって、操作ブラケット154と入力側内輪部材151とが互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結されている。また、凸部154eの外周面と凹部151dの内周面との間には、隙間が設けられている。

0113

また、本変形例においては、操作ブラケット154に設けられた爪部154cが、ハウジング111の底面111aに設けられた窓部(貫通孔)111hおよび操作板122に設けられた係合孔(穴部)122bを貫通するように延びている。そして、操作ブラケット154と操作レバー121が固定された操作板122とは、操作板122の係合孔(穴部)122bと操作ブラケット154の爪部154cとの嵌合構造によって、互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結されている。さらに、操作ブラケット154の爪部154cの先端には、操作板122の係合孔(穴部)122bに係合する抜け止め部154fが設けられている。抜け止め部154fは、操作板122が爪部154cから抜けるのを防止する。

0114

さらに、本変形例においては、解除ブラケット164と入力側外輪部材152とは、互いに等しい直径を有する三つの突起152aと、突起152aがそれぞれ挿入される穴部164aとを有する係合構造によって係合されている。

0115

本変形例に係る車両用クラッチユニット200の場合も、付勢部材153によって操作ブラケット154が入力側内輪部材151から離間されているので、操作レバー121に回転軸線に直交しない操作力が入力されて操作ブラケット154が回転軸線から傾いた軸線回りに回転しても、入力側内輪部材151を常に回転軸線回りに安定して回転させることができる。これにより、操作レバー121に入力した入力トルクを確実に入力側外輪部材152に伝達させることができる。

0116

本変形例に係る車両用クラッチユニット200では、ハウジング111に、入力側クラッチ150、付勢部材153および操作ブラケット154が収容され、回転軸線方向について、入力側内輪部材151、付勢部材153、操作ブラケット154、ハウジング111の底面111a、操作レバー121がこの順に並んでおり、さらに、付勢部材153が、操作ブラケット154をハウジング111の底面111aに押し当てている。したがって、この車両用クラッチユニット200によれば、操作ブラケット154のがたつきを低減できる。

0117

また、本変形例に係る車両用クラッチユニット200によれば、操作ブラケット154の第一突起154dがハウジング111の底面111aに摺接するので、この第一突起154dによって、操作ブラケット154とハウジング111の底面111aの相対回転に対する摺動抵抗を低減できる。

0118

また、本変形例に係る車両用クラッチユニット200によれば、ハウジング111の底面111aに設けられた第二突起111jが操作板122に摺接するので、この第二突起111jによってハウジング111の底面111aと操作板122の相対回転に対する摺動抵抗を低減できる。また、第二突起111jによって操作レバー121のがたつきを抑制できる。

0119

また、本変形例に係る車両用クラッチユニット200では、操作ブラケット154の凸部154eと入力側内輪部材151の凹部151dとの嵌合構造によって、操作ブラケット154と入力側内輪部材151とが互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結されている。したがって、この車両用クラッチユニット200によれば、回転トルクを操作ブラケット154から入力側内輪部材151へ伝達することができる。

0120

また、本変形例に係る車両用クラッチユニット200では、操作ブラケット154と操作レバー121が固定された操作板122とが、操作板122の係合孔(穴部)122bと操作ブラケット154の爪部154cとの嵌合構造によって、互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結され、さらに、爪部154cの先端に、操作板122の係合孔(穴部)122bに係合する抜け止め部154fが設けられている。したがって、この車両用クラッチユニット200によれば、操作ブラケット154と操作レバー121とを確実に連結させ、操作レバー121からの回転トルクを操作ブラケット154へ伝達することができる。

0121

なお、上述した変形例において、付勢部材153であるワッシャスプリングは大径であることが好ましく、このように大径のワッシャスプリングを用いれば、ワッシャスプリングによって周方向に均等な力で入力側内輪部材151と操作ブラケット154とを離間させることができる。本実施形態では、回転軸線方向から見て、ワッシャスプリングの外周縁が操作ブラケット154の第一突起154dに重なるような形状とされている。したがって、第一突起154dを確実にハウジング111の底面111aに押し当てることができる。

0122

また、上述した変形例では、ハウジング111の底面111aに摺接する第一突起154dを操作ブラケット154に設けたが、操作ブラケット154に摺接する第一突起をハウジング111の底面111aに設けてもよい。

0123

また、上述した変形例では、操作板122に摺接する第二突起111jをハウジング111の底面111aに設けたが、ハウジング111の底面111aに摺接する第二突起を操作板122に設けてもよい。

0124

さらに、上述した変形例では、操作ブラケット154の凸部154eと入力側内輪部材151の凹部151dとの嵌合構造によって、操作ブラケット154と入力側内輪部材151とを互いに連結させたが、入力側内輪部材151に設けた凸部を操作ブラケット154に設けた凹部に嵌合させて操作ブラケット154と入力側内輪部材151とを互いに連結させてもよい。

0125

また、上述した変形例では、操作板122の係合孔(穴部)122bと操作ブラケット154の爪部154cとの嵌合構造によって、操作板122と操作ブラケット154とを互いに一体的に回転するように、かつ、回転軸線方向に相対移動可能に連結したが、操作ブラケット154に設けた係合孔に操作板122に設けた爪部を嵌合させて操作板122と操作ブラケット154とを互いに連結させてもよい。

0126

なお、上述した実施形態および変形例では、回転抑制部材を備えた車両用クラッチユニット100,200を説明したが、本発明は回転抑制部材を備えない車両用クラッチユニットにも適用できる。

0127

11,111:ハウジング、11a,111a:底面、21,121:操作レバー、30,130:出力軸部材、40:車両用シート、50,150:入力側クラッチ、51,151:入力側内輪部材、52,152:入力側外輪部材、53,153:付勢部材、54,154:操作ブラケット(操作部材)、55,155:入力側クラッチコロ(入力側伝達部材)、60,160:出力側クラッチ
、100,200:車両用クラッチユニット、111h:窓部(貫通孔)、111j:第二突起、122b:係合孔(穴部)、151d:凹部、154c:爪部、154d:第一突起、154e:凸部、154f:抜け止め部

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