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技術 ポリマーの官能化のための方法と材料及び官能化ポリマーを含むコーティング

出願人 ヴァルスパー・ソーシング・インコーポレーテッド
発明者 スキルマン,チャールズカヴァリン,カールエヴァンス,リチャード・エイチブランデンバーガー,ラリーキリリー,ティー・ハワードオーデル,ジョージ・ダブリュー
出願日 2017年7月19日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-139880
公開日 2018年4月12日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2018-059048
状態 特許登録済
技術分野 炭素―炭素不飽和結合外反応のその他樹脂等 流動性材料の適用方法、塗布方法 ポリエステル、ポリカーボネート 塗料、除去剤 剛性または準剛性容器の細部
主要キーワード 工業用容器 密封蓋 成形端 内部ライニング 閉鎖環 脱イオン水浴 スチールシート ポリエステルバインダ
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課題

コーティング組成物に利用される官能化ポリマーと、官能化ポリマーを製造するための方法とを提供する。

解決手段

ポリマーを製造する方法であって、少なくとも2,000の数平均分子量と、1つ以上の二重又は三重結合とを有する不飽和前駆ポリマーと、共有結合が、不飽和化合物と不飽和前駆動ポリマーとの間で形成されるように、1つ以上の官能基を有する不飽和化合物を、該不飽和前駆体ポリマーと、ディールスアルダー反応エン反応、又はそれら組合わせにおいて、反応されることと、を含む、方法。

概要

背景

[003]
広く種々のコーティングが、食品用及び飲料用缶の表面をコーティングするために使用されてきた。はしばしば「コイルコーティング」操作を使用してコートされ、すなわち、好適な金属基材(例えば、スチール又はアルミニウム金属)の平面シートが、好適な組成物でコートされ、硬化され、次いでこのコートされた基材が、缶端部又は缶本体に形成される。コーティングは、基材に高速塗布が可能であり、かつ、硬化したときに、この要求が高い最終用途において機能するのに必要な特性を提供することができることが好ましい。例えば、コーティングは、食品と長期間接触しても安心であり、基材への優れた接着性を示し、成形工程中に絞り加工されることが可能であり、缶の端部コーティングとして使用される場合、缶の端部が開かれ、包装された製品に接近するためのギザギザのない縁部を提供し、汚染並びに他のコーティング欠陥、例えば、「ワキ発泡跡)(popping
」、「白化」、及び/又は「膨れ」等に対する耐性があり、かつ、過酷な環境に暴露される場合であっても、長期間にわたる耐劣化性を有する必要がある。これまでのコーティングは、1つ以上の欠点に悩まされてきた。

[004]
エポキシ系コーティング及びポリ塩化ビニル系コーティングなどの様々なコーティングが、缶内面保護コーティングとして使用されてきた。しかしながら、これらのコーティングの種類のそれぞれは、潜在的な短所を有する。例えば、塩化ポリビニル又は関連するハロゲン含有ビニルポリマーを含有する物質リサイクルは、多くの問題を有する場合がある。一部には、食品と接触するエポキシコーティングを調製するために一般的に使用される特定のエポキシ化合物を低減又は排除することを望む声もある。

[005]
上述の短所に取り組むため、包装用コーティング業界は、ポリエステル樹脂系等の代替的な結合剤系に基づくコーティングを求めてきた。しかしながら、コーティング特性(例えば、可撓性、接着性、耐腐食性、安定性耐亀裂性等)の所望のバランスを呈するポリエステル系コーティングを調製することには、問題があった。例えば、かかるコーティングに関して、典型的には、耐腐食性と成形加工特性との間にトレードオフが存在する。良好な加工特性と、亀裂がないことの両方を呈する、食品との接触に適しているポリエステル系コーティングは、柔軟過ぎる傾向、及び不適切な耐腐食性を呈する傾向がある。反対に、食品との接触に適している良好な耐腐食性を呈するポリエステル系コーティングは、典型的には、加工の際に不十分な可撓性及び不適切な亀裂を呈してきた。

概要

コーティング組成物に利用される官能化ポリマーと、官能化ポリマーを製造するための方法とを提供する。ポリマーを製造する方法であって、少なくとも2,000の数平均分子量と、1つ以上の二重又は三重結合とを有する不飽和前駆ポリマーと、共有結合が、不飽和化合物と不飽和前駆動ポリマーとの間で形成されるように、1つ以上の官能基を有する不飽和化合物を、該不飽和前駆体ポリマーと、ディールスアルダー反応エン反応、又はそれら組合わせにおいて、反応されることと、を含む、方法。なし

目的

コーティングは、基材に高速塗布が可能であり、かつ、硬化したときに、この要求が高い最終用途において機能するのに必要な特性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

食品又は飲料用缶、又はその一部を含む物品であって、該物品は、金属基材と、該金属基材の少なくとも一部に配設されたコーティングと、を含み、該コーティングは、水分散性ポリマー水性分散液を含むコーティング組成物から形成され、該ポリマーは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する骨格と、少なくとも1つの塩の基を含む側基と、を含み、ここで、該側基は、1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和化合物の反応を介して該ポリマーの別の部分に結合する、少なくとも1つの塩又は塩生成基を有する該不飽和化合物の反応生成物を含む、但し、1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和化合物の反応が、フリーラジカル反応開始剤関与を必要としない、物品。

請求項2

前記側基が、前記骨格に直接結合する、請求項1に記載の物品。

請求項3

前記側基が、炭素−炭素結合を介して、前記ポリマーの別の部分に結合する、請求項1又は2に記載の物品。

請求項4

前記側基が、前記側基を前記骨格に連結するか又は前記骨格に結合する前記水分散性ポリマーの別の部分に連結する環式基の少なくとも一部を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。

請求項5

前記環式基が、該環式基の環の中に存在する少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有する、請求項4に記載の物品。

請求項6

前記1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和化合物の反応が、ペリ環状反応を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。

請求項7

前記1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和化合物の反応が、環状付加反応を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。

請求項8

前記環状付加反応が、ディールスアルダー反応である、請求項7に記載の物品。

請求項9

前記1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和化合物の反応が、エン反応を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。

請求項10

前記ポリマーが、複数の前記側基を含み、該側基の少なくとも1つが、ディールス・アルダー反応生成物であり、該側基の少なくとも1つが、エン反応生成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。

請求項11

前記側基の前記少なくとも1つの塩の基が、中和された酸基又は無水物基を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。

請求項12

前記不飽和化合物が、少なくとも2つの共役炭素−炭素二重結合を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の物品。

請求項13

前記不飽和化合物が、ソルビン酸又は中和されたソルビン酸を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品。

請求項14

前記側基が、200未満の分子量を有する前記不飽和化合物の単一分子から形成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品。

請求項15

前記側基が、炭素−炭素結合を介して、無水マレイン酸から誘導される構造ユニットに結合する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の物品。

請求項16

無水マレイン酸から誘導される前記構造ユニットが、前記骨格内に存在する、請求項15に記載の物品。

請求項17

前記水分散性ポリマーが、ポリエステルポリマーである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の物品。

請求項18

前記ポリエステルポリマーが、少なくとも25℃のガラス転移温度を有する、請求項17に記載の物品。

請求項19

前記水分散性ポリマーが、少なくとも2,000の数平均分子量を有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の物品。

請求項20

前記水分散性ポリマーが、存在する場合、ポリマーを作製するために使用される反応体の総不揮発性重量に対して、3重量パーセント未満長鎖脂肪酸超長鎖脂肪酸及び脂肪油を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の物品。

請求項21

前記物品が、食品又は飲料用缶のリベット端部を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の物品。

請求項22

前記コーティングが、前記物品の内側に配置される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の物品。

請求項23

方法であって、請求項1〜20のいずれか一項に記載のコーティング組成物を金属基材の少なくとも一部に塗布することと、該コーティングされた金属基材を食品又は飲料用缶用途で使用させることと、を含む、方法。

請求項24

前記コーティング組成物は、予備成形された食品又は飲料用缶又はその一部に塗布される、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記金属基材は、平板状のスチール又はアルミニウム基材を含み、前記方法は、前記コーティングされた平板状の金属基材を、飲料用缶のリベット端部に成形することを更に含む、請求項23に記載の方法。

請求項26

前記コーティング組成物が、内側に配置される、請求項24又は25に記載の方法。

請求項27

ポリマーを製造する方法であって、少なくとも2,000の数平均分子量と、1つ以上の二重又は三重結合とを有する不飽和前駆体ポリマーを提供することと、共有結合が、不飽和化合物と不飽和前駆体ポリマーとの間で形成されるように、(i)1つ以上の官能基を有する不飽和化合物を、(ii)該不飽和前駆体ポリマーと、ディールス・アルダー反応、エン反応、又はそれらの組み合わせにおいて、反応させることと、を含む、方法。

請求項28

前記不飽和前駆体ポリマーが、線状又は実質的に線状ポリマーである、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記ポリマーが、前記不飽和化合物から形成された、複数の官能基含有側基を含み、少なくとも1つの側基が、ディールス・アルダー反応を介して結合し、少なくとも1つの側基が、エン反応を介して結合した、請求項27又は28に記載の方法。

請求項30

前記前駆体ポリマーが、ポリエステルポリマーを含む、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

前記不飽和ポリマーの前記1つ以上の二重又は三重結合が、前記不飽和前駆体ポリマーの骨格内へ反応する、不飽和二酸不飽和無水物、又は不飽和ジオールの1つによって提供される、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。

請求項32

前記不飽和前駆体ポリマーが、少なくとも4,000の数平均分子量を有する、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記官能基が、活性水素基イソシアネート基ブロックイソシアネート基ケトン基、又はこれらの混合物である、請求項27〜32のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

前記官能基が、塩又は塩生成基である、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記不飽和ポリマーの前記二重又は三重結合が、1つ以上の炭素−炭素二重結合であり、前記不飽和化合物が、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、請求項27〜34のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記不飽和ポリマー及び前記不飽和化合物の1つ又は両方が、共役炭素−炭素二重結合を含む、請求項35に記載の方法。

請求項37

得られた官能化ポリマーを含む液体コーティング組成物を形成することを更に含む、請求項27〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

請求項1〜37のいずれか一項に記載の水分散性ポリマーを含む、水性コーティング組成物

請求項39

前記コーティング組成物が、食品に接触するコーティングを形成する際の使用に好適であり、前記水分散性ポリマーが、ポリエステルポリマーであり、前記コーティング組成物が、全樹脂固形物に対して少なくとも50重量パーセントのポリマーを含む、請求項38に記載のコーティング組成物。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
[001]
本願は、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、2012年2月17日に出願された、米国特許仮出願第61/600,430号の優先権を主張する。

0002

(発明の分野)
[002]
本開示は概ねポリマーの分野に関する。より具体的には、本開示は、例えば、包装及び包装容器に利用される包装用コーティングを含む、コーティング組成物において利用されるポリマーの分野に関する。

背景技術

0003

[003]
広く種々のコーティングが、食品用及び飲料用缶の表面をコーティングするために使用されてきた。缶はしばしば「コイルコーティング」操作を使用してコートされ、すなわち、好適な金属基材(例えば、スチール又はアルミニウム金属)の平面シートが、好適な組成物でコートされ、硬化され、次いでこのコートされた基材が、缶端部又は缶本体に形成される。コーティングは、基材に高速塗布が可能であり、かつ、硬化したときに、この要求が高い最終用途において機能するのに必要な特性を提供することができることが好ましい。例えば、コーティングは、食品と長期間接触しても安心であり、基材への優れた接着性を示し、成形工程中に絞り加工されることが可能であり、缶の端部コーティングとして使用される場合、缶の端部が開かれ、包装された製品に接近するためのギザギザのない縁部を提供し、汚染並びに他のコーティング欠陥、例えば、「ワキ発泡跡)(popping
」、「白化」、及び/又は「膨れ」等に対する耐性があり、かつ、過酷な環境に暴露される場合であっても、長期間にわたる耐劣化性を有する必要がある。これまでのコーティングは、1つ以上の欠点に悩まされてきた。

0004

[004]
エポキシ系コーティング及びポリ塩化ビニル系コーティングなどの様々なコーティングが、缶内面保護コーティングとして使用されてきた。しかしながら、これらのコーティングの種類のそれぞれは、潜在的な短所を有する。例えば、塩化ポリビニル又は関連するハロゲン含有ビニルポリマーを含有する物質リサイクルは、多くの問題を有する場合がある。一部には、食品と接触するエポキシコーティングを調製するために一般的に使用される特定のエポキシ化合物を低減又は排除することを望む声もある。

0005

[005]
上述の短所に取り組むため、包装用コーティング業界は、ポリエステル樹脂系等の代替的な結合剤系に基づくコーティングを求めてきた。しかしながら、コーティング特性(例えば、可撓性、接着性、耐腐食性、安定性耐亀裂性等)の所望のバランスを呈するポリエステル系コーティングを調製することには、問題があった。例えば、かかるコーティングに関して、典型的には、耐腐食性と成形加工特性との間にトレードオフが存在する。良好な加工特性と、亀裂がないことの両方を呈する、食品との接触に適しているポリエステル系コーティングは、柔軟過ぎる傾向、及び不適切な耐腐食性を呈する傾向がある。反対に、食品との接触に適している良好な耐腐食性を呈するポリエステル系コーティングは、典型的には、加工の際に不十分な可撓性及び不適切な亀裂を呈してきた。

発明が解決しようとする課題

0006

[006]
市場で必要なのは、例えば、包装用コーティング等のコーティングに用いるための改善された結合剤系である。かかる包装、組成物、及び該組成物を調製する方法が本明細書で開示され、特許請求の範囲に記載される。

課題を解決するための手段

0007

[007]
1つの様態において、本開示は、好ましくはポリマーの1つ以上の「中間」位置(例えば、ポリマーの骨格末端以外の位置)に位置する1つ以上の官能基を有する官能化ポリマーを提供する。官能化ポリマーは好ましくは、1つ以上の官能基を有する1つ以上の側基を含む。側基は、例えば、ポリマーの骨格に直接、又はポリマーの他の部分になど、任意の好適な位置で結合(例えば、続いてポリマーの骨格に結合するペンダント基に結合)可能である。好ましい実施形態において、官能基含有側基は、1つ以上の官能基を有する不飽和化合物から由来する。官能基含有側基は好ましくは、フリーラジカル重合反応開始剤を必要としない反応を介して、ポリマー及び/又はその前駆体に組み込まれる。

0008

[008]
官能化ポリマーの骨格は、典型的には1つ以上のヘテロ原子を含む。特定の好ましい実施形態において、骨格はポリエステル骨格である。

0009

[009]
いくつかの実施形態において、官能化ポリマーは、例えば、水分散性ポリエステルポリマー等の水分散性ポリマーである。水分散性ポリマーは、例えば、好ましくは、中和された酸基又は塩基等の塩の基の形態で、1つ以上の官能基を有する1つ以上の側基を含む。

0010

[010]
他の様態において、本開示は、ペリ環状反応(例えば、ペリ環状エン反応又はディールスアルダー反応等の環状付加反応)、又は非ペリ環状エン反応の反応生成物である、1つ以上の官能基含有構造ユニット(例えば、側基)を提供する。構造ユニットは、例えば、ペンダント位置又は骨格末端位置を含む、任意の好適な位置に位置してもよい。いくつかの実施形態において、官能基含有構造ユニットは、1つ以上の官能基、より好ましくは本明細書に記載の1つ以上の官能基(例えば、塩又は塩生成基)を有する不飽和化合物のペリ環状反応生成物、より好ましくはディールス・アルダー反応又はエン反応生成物である。実施形態において、不飽和化合物、ポリマーの得られた官能基含有構造ユニット、又はより好ましくは上記の両方が、約200ダルトン未満の原子量を有する。

0011

[011]
更に他の様態において、本開示は、官能化ポリマーを製造するための方法を提供する。本方法は、1つ以上の二重又は三重結合、より典型的には1つ以上の炭素−炭素二重又は三重結合を有する不飽和ポリマー又はプレポリマーを提供することを含む。いくつかの実施形態において、好ましくは2,000を越える、より好ましくは4,000を越える、数平均分子量を有する、線状又は実質的に線状縮合及び/又は逐次ポリマーである不飽和ポリマーが提供される。1つ以上の望ましい官能基を有する不飽和化合物は、次いで、不飽和ポリマー又はプレポリーと反応して、1つ以上の官能基含有側基に結合する。側基は好ましくは、ポリマー又はプレポリマーの1つ以上の二重又は三重結合と、不飽和化合物の1つ以上の二重又は三重結合を含む反応を介して結合する。いくつかの実施形態において、側基は、1つ以上の炭素−炭素結合を介して、ポリマーの骨格に、又は他の部分に結
合する。好ましい実施形態において、1つ以上の共有結合が、ディールス・アルダー反応、エン反応、又はディールス・アルダー反応とエン反応の両方を用いて、不飽和化合物と、不飽和ポリマー又はプレポリマーとの間で形成される。

0012

[012]
更に他の様態において、本開示は、本開示の官能化ポリマーを含むコーティング組成物を提供する。コーティング組成物は好ましくは、少なくとも被膜形成量のポリマーを含む。いくつかの実施形態において、コーティング組成物は、例えば、包装物(例えば、食品又は飲料用容器化粧品用容器、薬物用容器、これらの任意の部分等の軽金属包装用物品等)等の物品に対する接着コーティングとして塗布されてもよい水系コーティング組成物である。

0013

[013]
本開示はまた、包装用物品の表面、典型的には金属表面に配設された本開示のコーティング組成物を有する包装用物品も提供する。一実施形態において、包装用物品は、食品又は飲料用容器、又はその一部(例えば、ねじ切り密封蓋、飲料用缶端部、食品用缶端部等)等の容器であり、この容器の内面(例えば、容器の、食品又は飲料品に面する側)の少なくとも一部が、食品若しくは飲料品又は他の包装された製品との長期間の接触に好適である、本明細書に記載のコーティング組成物でコーティングされる。

0014

[014]
一実施形態において、本開示の内面の、食品に接触するコーティングを含む容器を作成する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載のコーティング組成物を提供することと、基材を、内面及び/又は外面に配設されたコーティング組成物を有する容器又はその一部に成形する前又は後に、基材の表面の少なくとも一部に、コーティング組成物を塗布することと、を含む。典型的には、基材は、金属基材であるが、コーティング組成物は、所望に応じて他の基材材料をコーティングするよう使用されてもよい。

0015

[015]
他の実施形態において、食品又は飲料用缶端部(例えば、ビールソーダ、又はジュースの缶の飲料用缶のリベット端部等のリベット缶端部)を形成する方法が、平面コイル又はシートの形状にて、金属基材(例えば、アルミニウム又はスチール)上に、本明細書に記載した水分散性ポリエステルポリマーを含む水系コーティング組成物を塗布することと、コーティング組成物を硬化させることと、食品又は飲料用缶端部に平面コイル又はシートを成形することと、を含んで提供される。

0016

[016]
本開示の上記要約は、各開示された実施形態又は全ての実施を記載する意図はない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本出願のいくつかの箇所で、実施例の一覧として説明を提供するが、実施例は様々な組み合わせにて使用することが可能である。いずれの場合にも、列挙した一覧は、代表的な群としてのみ役立つものであり、排他的な一覧として解釈されるべきではない。

0017

[017]
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の明細書に記載する。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。

0018

選択的定義
[018]
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語は、以下に提示する意味を有する。

0019

[019]
本明細書で使用されるように、用語「有機基」は、脂肪族基環式基、又は脂肪族基と環式基との組み合わせ(例えば、アルカリル及びアラルキル基)として分類される炭化水素基(場合により、酸素窒素硫黄及びケイ素等の炭素及び水素以外の元素を有する)を意味する。用語「脂肪族基」は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキルアルケニル及びアルキニル基包含するのに使用される。用語「アルキル基」は、例えば、メチルエチルイソプロピル、t−ブチルヘプチルドデシルオクタデシルアミル、2−エチルヘキシル及び同様物を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「アルケニル基」は、例えば、ビニル基等の1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「アルキニル基」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する不飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「環式基」は、脂環式基又は芳香族基として分類され、両方ともヘテロ原子を含んでもよい閉鎖環である炭化水素基を意味する。用語「脂環式基」は、芳香族基でない環を含有する有機基を意味する。

0020

[020]
同じであっても異なってもよい基は、「独立して」何かであると称される。置換は、本開示の化合物の有機基上で予想される。本願全体で使用される所定の用語の説明及び引用を簡略化するために、用語「基」及び「部分」は、置換され得る、又は置換されていてもよい化学種と、かように置換され得ない、又は置換されていなくてもよい化学種とを区別するために使用される。したがって、化学置換基の記載に用語「基」が使用されている場合、記載された化学物質は、非置換基と、例えば、鎖中に(アルコキシ基中等に)O、N、Si又はS原子を有する基、並びにカルボニル基又は他の従来の置換とを含む。用語「部分」を化学化合物又は置換基を説明するために使用する場合、非置換化学物質だけを含むことを意図する。例えば、語句「アルキル基」は、純粋な開放した鎖からなる飽和の炭化水素基である、例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル及び同様物等のアルキル置換基のみでなく、ヒドロキシアルコキシアルキルスルホニルハロゲン原子シアノ、ニトロ、アミノカルボキシル等の当技術分野にて公知の更なる置換基を支持するアルキル置換基も含むことを意図する。したがって、「アルキル基」は、エーテル基ハロアルキル、ニトロアキルカルボキシアルキルヒドロキシアルキルスルホアルキル等を含む。一方、語句「アルキル部分」は、純粋な開放した鎖からなる飽和の炭化水素基である、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル及び同様物等のアルキル置換基のみを含むように限定される。本明細書で使用するとき、用語「基」は、特定の部分の両方の詳細説明、並びに該部分を包含する広範な種類の置換及び非置換構造の詳細説明であることが意図される。

0021

[021]
用語「二重結合」は、任意の好適な原子(例えば、C、O、N等)間の任意の種類の二重結合を意味するが、芳香族二重結合は除外する。

0022

[022]
用語「三重結合」は、任意の好適な原子間の任意の種類の三重結合を意味するが、これに限定はされない。

0023

[023]
物質又は基に関係して使用される場合、用語「不飽和の(unsaturated)」又は「不飽
和(unsaturation)」は、少なくとも1つの非芳香族二重又は三重結合、より典型的には
、非芳香族炭素−炭素二重結合を含む、物質又は基を意味する。

0024

[024]
特定の遊離化合物(mobile compound)を「実質的に含まない」という用語は、本開示
の発明の組成物が、該遊離化合物を100パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の量で含有していることを意味している。特定の遊離化合物を「本質的に含まない」という用語は、本開示の発明の組成物が、該遊離化合物を10ppm未満の量で含有していることを意味している。特定の遊離化合物を「本質的に完全に含まない」という用語は、本開示の発明の組成物が、該遊離化合物を1ppm未満の量で含有していることを意味している。特定の遊離化合物を「完全に含まない」という用語は、本開示の発明の組成物が、該遊離化合物を20パーツ・パー・ビリオン(ppb)未満の量で含有していることを意味している。

0025

[025]
用語「遊離状態の(mobile)」とは、最終用途に応じて、いくつかの規定された条件一式に関して、コーティング(典型的は、〜1mg/cm2(6.5mg/in2)の厚さ)を試験媒体にさらしたときに、硬化したコーティングから該化合物を抽出することができることを意味する。これらの試験条件の一例は、硬化したコーティングをHPLCグレードアセトニトリルに25℃にて24時間曝露するというものである。上記語句が用語「遊離状態の」なしで使用される場合(例えば、「XYZ化合物を実質的に含まない」)、本開示の組成物が、化合物がコーティング中遊離状態であるか、又はコーティングの構成要素に結合しているかで、化合物を上述量未満含む。上記語句が用語「遊離状態の」なしで使用される場合(例えば、「XYZ化合物を実質的に含まない」)、本開示の組成物が、化合物がコーティング中遊離状態であるか、又はコーティングの構成要素に結合しているかで、化合物を上述量未満含む。

0026

[026]
用語「架橋剤」は、ポリマー間若しくは同一ポリマーの2つの異なる領域間に共有結合を形成することができる分子を指す。

0027

[027]
用語「水分散性」とは、水分散性ポリマーとの関係においては、安定混合物を形成するために、ポリマーが水(若しくは水性担体)に混合され得ることを意味する。例えば、通常の保存条件下、21℃にて12時間保存した後に、異なる層内に分離する混合物は、安定混合物ではない。用語「水分散性」は用語「水溶性」を含むことを意図する。換言すれば、定義により、水溶性ポリマーは水分散性ポリマーであるとも考えられる。

0028

[028]
用語「分散液」は、分散性ポリマーとの関係においては、分散性ポリマーと担体との混合物を指す。用語「分散液」は用語「水溶液」を含むことを意図する。

0029

[029]
別途記載のない限り、「(メタアクリレート」化合物(「メタ」が括弧付きの場合)への言及は、アクリレート化合物及びメタアクリレート化合物の両方を含むことを意味する。

0030

[030]
用語「上に(on)」は、表面又は基材の上に(on)塗布されたコーティングとの関係においては、表面又は基材に直接塗布されたコーティング又は間接的に塗布されたコーティングの双方を含む。したがって、例えば、基材の上にあるプライマー層に塗布されたコー
ティングは、基材に塗布されたコーティングとなる。

0031

[031]
別途記載のない限り、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマー(即ち、2種以上の異なるモノマーのポリマー)の双方を含む。したがって、例えば、用語「ポリエステルポリマー」は、コポリエステル類を含む。

0032

[032]
「含む(comprises)」という用語及びその変形は、それらの用語が明細書及び請求項
出現する箇所において、限定的な意味を有するものではない。

0033

[033]
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、所定の状況下で所定の利益を提供してもよい、本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ、又は他の状況下においては、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の引用は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、本開示の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。

0034

[034]
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換可能に使用される。したがって、例えば「an」添加剤を含むコーティング組成物は、コーティング組成物が、「1つ以上の」添加剤を含むことを意味すると解釈し得る。

0035

[035]
本明細書では更に、端点による数の範囲の記載には、その範囲内に含まれるすべての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。更に、範囲の開示は、より広い範囲内に含まれる全ての部分範囲の開示を含む(例えば、1〜5は、1〜4、1.5〜4.5、1〜2等を開示する)。

0036

[036]
1つの様態において、本開示は、1つ以上の官能基を含むために、ポリマーを官能化するための方法及び材料を提供する。好ましい実施形態において、官能化は、前もって形成された不飽和ポリマー上で実施される。官能化プロセスは、典型的に、不飽和ポリマーの少なくとも1つの二重又は三重結合を消費する。官能化の後、官能化ポリマーの分子量が、所望に応じて任意に増加してもよい。あるいは、不飽和プレポリマー(例えば、オリゴマー又は低分子量ポリマー)を官能化し、官能化の後に、所望の最終分子量まで分子量を増加させてもよい。最終官能化ポリマーは、典型的には不飽和であるが、飽和ポリマーを生成するために、(例えば、水素化を介して)任意に変性されてもよい。

0037

[037]
追加された官能性により、ポリマーは、例えば、架橋のための部位を提供すること、水系媒体内へのポリマーの分散を促進すること、1つ以上の他の材料とのポリマーの適合性を改善すること、基材への硬化したコーティングの接着性を改善すること等、1つ以上の利益を得ることができる。1つ以上の追加された官能基は、例えば、骨格の末端位置、(例えば、ポリマー骨格直接結合する側基中、又は1つ以上の分岐点によってポリマー骨格から分離される側基中に存在する)ペンダント基の位置、及びそれらの組み合わせを含む、任意の好適な位置に存在してもよい。

0038

[038]
好ましい実施形態において、官能化ポリマーは、1つ以上のヘテロ原子を有する骨格を含む。好ましいかかる骨格は、縮合骨格と、逐次骨格と、を含む。かかる骨格は、例えば、アミド炭酸エステルエステルエーテルイミド尿素ウレタン、又はそれらの組み合わせを含む、縮合及び/又は逐次結合の任意の組み合わせを含んでもよい。特定の好ましい実施形態において、ポリマーは、任意の他の好適な結合を任意に含んでもよい、ポリエステル骨格を有する。したがって、例えば、いくつかの実施形態において、ポリエステルポリマーは、ポリエステル−ウレタンポリマーであってもよい。

0039

[039]
官能化ポリマーは、好ましくは、ポリマーの骨格又は他の部分(例えば、骨格に結合した他の部分)に結合する側基中に存在する少なくとも1つの官能基を含む。いくつかの実施形態において、側基は、骨格に直接結合した全ペンダント基を構築し、一方で他の実施形態において、側基は、骨格に直接結合していないペンダント基、及び側基それ自身の一部を構成する。好ましい実施形態において、官能基含有側基は、1つ以上の炭素−炭素結合を介して、より典型的には、1つ以上の炭素−炭素一重結合を介して、ポリマーの他の部分に結合する。

0040

[040]
いくつかの実施形態において、側基は、骨格の1つの又は両方の末端に位置する。例えば、先に形成されたポリマーの1つ又は両方の末端が、骨格の1つ又は両方の末端にて官能基含有側基を組み込むように本明細書で開示された反応を介して不飽和化合物と続いて反応する、炭素−炭素二重結合を含むように変性されてもよい。

0041

[041]
好ましい実施形態において、1つ以上の官能基含有側基は、典型的に1つ以上の炭素−炭素二重又は三重結合、より典型的には、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む、不飽和化合物から由来する。ペリ環状反応が、ポリマー又はその前駆体内へ不飽和化合物を組み込むために好ましく使用される。好適なペリ環状反応としては、エン反応と環状付加反応が挙げられる。ディールス・アルダー反応は、好ましい環状付加反応である。得られた側基は、典型的には、不飽和であるが、側基は任意に飽和されてもよい。

0042

[042]
本開示のポリマーが、フリーラジカル重合ビニル及び/又はアクリル基である側基を含んでもよいことが企図される一方で、不飽和化合物から由来する現状では好ましい側基は、フリーラジカル重合化されない。したがって、好ましい官能基含有側基は、フリーラジカル反応開始剤を含まない反応中にポリマーに組み込まれる。フリーラジカル重合化基の例としては、アクリル酸アルキル(例えば、アクリル酸エチルアクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルアクリル酸ヒドロキシルプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸グリシジル等)、アクリルメタクリル酸アルキル(例えば、メタクリル酸エチルメタクリル酸メチルメタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルメタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸グリシジル等)、アクリル酸、メタクリル酸、芳香族ビニル類(例えば、スチレンビニルトルエン等)、塩化ビニルアクリルアミドメタクリルアミドアクリロニトリルビニル酢酸等、及びそれらの組み合わせ等のエチレン性不飽和モノマーフリーラジカル開始反応を介して形成された(しばしば、(メタ)アクリル酸塩及び/又は(メタ)アクリル酸が使用される時に、「アクリル」基とも呼ばれる)ビニル基が挙げられる。フリーラジカル反応開始剤の例としては、熱フリーラジカル反応開始剤、光化学フリーラジカル反応開始剤等が挙げられる。熱フリーラジカル反応開始剤の例としては、過酸化物反応開始剤レドックス反応開始剤系ペルスルホネート反応開始剤、アゾアルカン反応開始剤等が挙げられる。

0043

[043]
例えば、酸官能性アクリル基は、しばしば、ポリマーに水中分散性を与えるために、ポリエステルポリマー等のポリマー内へ組み込まれる。(かかる水分散性ポリエステル−アクリル系グラフト共重合体の検討に関する米国特許公開第2005/0196629号を参照のこと)。酸官能性アクリル基は、典型的には、フリーラジカル重合化反応関与開始剤を介するポリマーの炭素−炭素二重結合との反応を介してポリマー内に組み込まれる。

0044

[044]
特定のエン反応が、フリーラジカル反応を伴い得る一方で、かかる反応は、フリーラジカル重合化ビニル基のために利用されるように、フリーラジカル反応開始剤を伴わないことが留意されるべきである。

0045

[045]
いくつかの実施形態において、側基は、ポリマーの骨格又は他の部分に結合した側基の部分から離れた側基の末端に位置する官能基を含む。側基の官能基は、鎖中に任意のヘテロ原子を含まない、分岐又は不分岐、飽和又は不飽和の炭素鎖を介して、ポリマーの骨格又は他の部分に結合してもよい。かかる炭素鎖の例は、構造−(C(R1)m)n−であり、式中、各R1は独立して任意の好適な原子又は基(例えば、水素原子、ハロゲン原子、有機基等)であり、各mは独立して0、1又は2であり、nは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数を示し、1つ以上のR1は任意に1つ以上の他のR1と、及び/又はポリマーの他の(複数の)部分と結合する。

0046

[046]
いくつかの実施形態において、側基は、任意の繰り返しユニットを含まない。好ましいかかる実施形態において、側基は、骨格、又は骨格に結合したペンダント基に直接結合し、不飽和化合物の単独分子(例えば、ソルビン酸の単独分子等)から由来する。本アプローチは結果として、他のポリマー鎖又は遊離モノマー中に存在する二重又は三重結合と架橋しない、官能基含有側基(例えば、ソルビン酸等が不飽和化合物として使用される場合)となり得る。これは、例えば、ポリエステル−アクリレート共重合体アクリレート基とは異なる。

0047

[047]
官能化ポリマーは、コーティング組成物の成分など種々の最終用途で有用である。官能化ポリマーは、具体的に、接着性コーティング組成物のバインダポリマーとして有用である。本開示のコーティング組成物は、任意に、例えば、液体担体、架橋剤、色素潤滑剤、触媒等の1つ以上の追加的な成分を含んでもよい。コーティング組成物は、特定の実施形態において、粉末コーティング組成物又は押出コーティング組成物であってもよい。しかしながら、典型的には、コーティング組成物は、液体担体の補助により、基材に塗布される。

0048

[048]
本開示の方法の利点は、ポリマーが形成されるか、又は実質的に形成された後、1つ以上の「中間」位置(例えば、ペンダント位置等の骨格の末端位置以外の位置)においてポリマーへの1つ以上の官能基の添加が許容されることであり、これは、かかる官能基を提供するための、特定の三官能性以上の反応体を利用する必要性を除去することができる。例えば、3つ以上の同一の種類の活性水素基(例えば、チオール又はトリカルボン酸)を有する反応体のような、特定の三官能性以上の反応体の使用により、所望の分子量及び/又は官能化の程度が達成される前に、不適当高レベルの分岐化及び更にゲル化を導き得る。試料のゲル化を避けながら、比較的低濃度にて、かかる三官能性以上の反応体を使用
することが可能であり得る一方で、かかる濃度にて、所望の分子量及び官能化の程度を達成することは可能ではない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、本開示の方法は、具体的に、所望の官能基が、重合化混合物中に存在する他の官能基と反応性である場合、従来の縮合重合化技術を用いて、典型的には達成不可能である分子量及び官能化の程度を有する、実質的に線状のポリマーの製造を可能にする。実質的に線状のポリマーの例としては、実質的に全て(例えば、>95重量%、>98重量%、>99重量%、>99.5重量%等)の、ポリマーを形成するために使用するモノマーが、二官能性又は一官能性モノマーであるポリマーが挙げられる。したがって、実質的に線状のポリマーは、典型的には、5重量パーセント(「重量%」)未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満の三官能性以上のモノマーを含む。

0049

[049]
例えば、いくつかの実施形態において、本開示の方法は、例えば、1つ以上の中間位置にて(複数の)官能基(例えば、活性水素基)と、4,000数平均分子量(「Mn」)より多い分子量を有する実質的に線状の官能化ポリエステルポリマー等の、実質的に線状の官能化縮合及び/又は逐次ポリマーを製造するために使用されてもよい。

0050

[050]
好ましい実施形態において、本開示の方法は、1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和前駆体ポリマー又はプレポリマーを提供することを含む。分岐材料が使用されてもよいが、不飽和ポリマー又はプレポリマーは、典型的に線状であるか、又は実質的に線状である。(便宜上、1つ以上の二重又は三重結合を有する不飽和ポリマー又はそのプレポリマーは、以降、集合的に「不飽和前駆体ポリマー」と呼ばれるか、ポリエステルポリマーとの関係においては、「不飽和ポリエステル前駆体ポリマー」と呼ばれる)。不飽和前駆体ポリマーの1つ以上の二重又は三重結合は、典型的に、ポリマーの骨格中に位置し、二重又は三重結合はまた、1つ以上のペンダント基中に位置してもよい。

0051

[051]
不飽和前駆体ポリマーは、所望の官能性を有する不飽和化合物と反応することが好ましい。典型的には、反応により、不飽和前駆体ポリマーの不飽和化合物の熱性付加物(thermal adduct)となるが、また、他の好適な反応メカニズムを使用してもよいことが想到される。好ましい実施形態において、反応は、例えば、約140℃〜約220℃、より好ましくは約160℃〜約200℃、更に好ましくは約170℃〜約190℃等の高温にて実施される。

0052

[052]
好ましくは、不飽和化合物は、(i)1つ以上の二重結合、より典型的には1つ以上の炭素−炭素二重結合と、(ii)(典型的には二重又は三重結合以外の基である)1つ以上の所望の官能基と、の両方を含む。好適なかかる官能基の例としては、例えば、アミン基(例えば、=NH又は−NH2)、アルデヒド基無水物基カルボキシル基(−COOH)、ヒドロキシル基(−OH)、チオール基(−SH)中等の、例えば、酸素(O)、硫黄(S)及び/又は窒素(N)原子に結合した水素を有する活性水素基、イソシアネート(−NCO)又はブロック化イソシアネート基ケトン基、本明細書に記載の任意の他の官能基、又はこれらの変形(例えば、中和基)を挙げることができる。いくつかの実施形態において、官能基は、炭素−炭素二重結合であってもよい。

0053

[053]
好適な不飽和化合物の例としては、クロトン酸フルフリルアルコールフルアルデヒド、ソルビン酸ヒドロキシプロピル、ソルビン酸、ビニル酢酸及びこれらの混合物又は誘導体を挙げることができる。好適な不飽和化合物の更なる例としては、2,4−ヘキサ
エン酸(E)−1−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン、(E)−2,4−ペンタジエノン酸、(E)−1−アミノ−1,3−ブタジエン、(E)−1−アミド−1,−3−ブタジエン、2−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン、(E)−1−メトキシ−3−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン、ビニルナフタレン、ビニルジヒドロナフタレン、ビニルフェナンスレン、ビニルインドール、ビニルベンゾフラン、ビニルベンゾチオフェンシクロヘキサ−2,4−ジエノン、o−ベンゾキノン及びこれらの混合物を挙げることができる。

0054

[054]
いくつかの実施形態において、塩又は塩生成基は、不飽和化合物中への含有のための好ましい官能基である。酸基又は無水物基が、いくつかの実施形態において特に好ましい。

0055

[055]
いくつかの実施形態において、不飽和化合物は、少なくとも1つのアリル水素、より好ましくは同一の炭素原子に結合した2つのアリル水素を含む。実施形態において、不飽和化合物は、構造(H)(W1)C−C(W2)=C(W3)(W4)を有し、少なくとも1つのW1〜W4が官能基、より好ましくは本開示に記載の官能基を含むという条件で、式中各W1〜W4は独立して任意の好適な原子又は基である。好ましい実施形態において、W1は水素原子であり、少なくとも1つのW2、W3、又はW4は、官能基、より好ましくは塩又は塩生成基を含む。

0056

[056]
不飽和化合物と不飽和前駆体ポリマーとの間の反応は、典型的に、1つ以上の二重結合を消費し、不飽和化合物及び不飽和前駆体ポリマーとの間の1つ以上の共有結合が形成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の共有結合は、各炭素−炭素一重結合である。

0057

[057]
特定の好ましい実施形態において、不飽和化合物は、2つ以上の共役炭素−炭素二重結合を含む。例示により、−C(R)=C(R)−C(R)=C(R)−セグメントを有する化合物は、共役ジエンであり、式中、各Rは独立して、任意の好適な原子(例えば、水素、ハロゲン等)又は基を示す。共役不飽和化合物の例としては、フルフリルアルコール、フルアルデヒド、ソルビン酸ヒドロキシプルピル、ソルビン酸等を挙げることができる。ソルビン酸が、好ましい共役不飽和化合物である。例示により、他の好適な官能化共役不飽和化合物には、任意の以下の、アントラセン、(例えば、ジメチルブタジエン等の)ブタジエン、シクロヘキサジエン、(例えば、1−アルキルシクロペンタジエン類又は2−アルキルシクロペンタジエン類等の)シクロペンタジエンフラン、イソプロピル、メチルビニルケトンチオフェン及びこれらの混合物の官能化された変形を挙げることができる。

0058

[058]
好ましい実施形態において、不飽和化合物は、不飽和前駆体ポリマーと反応し、不飽和化合物から由来し、1つ以上の官能基を有する共有結合側基を形成する。論理束縛される意図はないが、不飽和化合物は、ポリマーの1つ以上の二重又は三重結合が関与する反応を介して、不飽和前駆体ポリマーに共有結合し、所望の(複数の)官能基を有する1つ以上の側基を組み込むと考えられている。特に、好ましい実施形態において、反応は、ディールス・アルダー反応メカニズム、及び/又はエン反応メカニズムを介して進むと考えられている。使用する材料及び反応条件に応じて、ディールス・アルダー反応及びエン反応の両方が発生可能であり、結果として、異なる構造を有する側基を組込むと考えられている。ディールス・アルダー反応及びエン反応は両方とも、化学反応の「ペリ環状」群の
一員であるが、(例えば、ルイス酸触媒が使用される特定のエン反応等の)特定のエン反応は、非ペリ環状反応であってもよい。1つ以上の他のペリ環状反応が発生し得ることも可能である。

0059

[059]
(しばしば[4+2]環状付加と呼ばれる)ディールス・アルダー反応は、典型的には、共役ジエン成分の1,4位を通して、不飽和成分(しばしばディールス・アルダー反応との関係において、「求ジエン体」と呼ばれる)の添加を伴い、一般に、典型的には、環式又は二環式の環状付加反応生成物が形成される。いくつかの状況において、少なくとも1つの共役ジエン及び不飽和化合物は、成分を反応に向かって「活性化する」1つ以上の置換基を含有するが、いくつかの例において、1つ又は両方の成分が、「不活性化」置換基又は置換基群を含有し得る。ディールス・アルダー反応は、概ね、協奏反応であると考えられ、すなわち、いずれかの成分が、それに結合している置換基に応じて、「電子供与体」又は「電子受容体」であり得る。例示として、ソルビン酸と、無水マレイン酸から由来する不飽和構造ユニットとの間のディールス・アルダー反応の間に発生すると考えられる反応メカニズムの概略図を以下に描写する。概略図は、得られる官能化側基を含む。

0060

0061

[060]
したがって、いくつかの実施形態において、側基は、環式基を介して、官能化ポリマーの他の部分(例えば、ポリマーの骨格又は骨格に結合した他の基)に結合し、任意にポリ環式基(例えば、ノルボルネン基等の架橋二環式基)であってもよい。側基が、ディールス・アルダー反応メカニズムを介して結合すると、不飽和環式基が共有結合の部位に生じると考えられる。得られる不飽和環式基は、所望により任意に水素化され、飽和環式基を
生成してもよい。

0062

[061]
反対に、エン反応がソルビン酸と、無水マレイン酸から由来する不飽和構造ユニットとの間で発生する場合に発生すると考えられる反応メカニズムを以下に描写する。以下は、得られる官能化側基を含む。

0063

0064

[062]
ディールス・アルダー反応メカニズムと違い、エン反応メカニズムは、不飽和共役ジエン成分を必要としない。したがって、エン反応メカニズムが使用される時に、モノ不飽和化合物が、本開示の側基を組み込むために、使用されてもよい(例えば、ビニル酢酸)。エン反応は、典型的に、少なくとも1つのアリル水素が存在し、より好ましくは、同一の炭素原子に結合した2つのアリル水素が存在することを必要とする。上の反応図で描写したように、エン反応の結果、共有結合した側基は、アリル水素が反応の前に結合した炭素原子を含む、二重結合を含むと考えられる。

0065

[063]
いくつかの実施形態において、ディールス・アルダー反応メカニズム又はエン反応メカニズムを、不飽和化合物を、不飽和前駆体ポリマーの不飽和ペンダント基に共有結合させるために使用してもよい。かかる実施形態において、得られるポリマーは、ポリマーの骨格に直接結合していない、少なくとも1つの官能基含有側基を含む。

0066

[064]
ディールス・アルダー反応又はエン反応はまた、1つ以上の官能基を提供するために、
不飽和前駆体ポリマーの骨格の1つ以上の末端を不飽和化合物から由来する構造ユニットで「エンドキャップ」するために使用されてもよい。

0067

[065]
任意の好適な二重又は三重結合が、不飽和前駆体ポリマー内に含まれてもよい一方で、炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合が好ましく、炭素−炭素二重結合が現状では好ましい。所望にて、二重結合は、共役二重結合、より好ましくは共役炭素−炭素二重結合であってもよい。不飽和前駆体ポリマーは、本明細書で先に記載した任意の種類の骨格を含む、任意の好適な骨格を有してもよい。特定の好ましい実施形態において、不飽和前駆体ポリマーは、ポリエステル骨格を有し、これは、先に検討したように、任意の他の好適な結合を任意に含んでもよい。

0068

[066]
上で検討したように、炭素−炭素二重結合が、不飽和化合物と、不飽和前駆体ポリマーとの両方にとって好ましい。他の好適な二重結合の例としては、炭素−酸素二重結合、炭素−窒素二重結合、窒素−窒素二重結合、又は窒素−酸素二重結合を挙げることができる。好ましい二重結合は、ディールス・アルダー反応及びエン反応の1つ又は両方に関与可能である。

0069

[067]
もう一つの様態において、本開示は、1つ以上の水分散基を有する水分散性ポリマーを提供し、そのうちの少なくとも1つが、好ましくは、本開示の官能化方法を用いてポリマー内に組み込まれた。水分散性ポリマーは好ましくは、例えば、水系包装用コーティング組成物を含む、水系コーティング組成物で利用されるバインダポリマーとして有用であり、好ましくは、少なくとも被膜形成量で、かかる組成物中に含まれる。

0070

[068]
一般に、溶媒系コーティング組成物において有用であるバインダポリマーを用い、それを水系媒体内に首尾よく分散させて、硬化した時に、好適なコーティング特性を示す、水系コーティング組成物を製造することは難しい。これは、特に、コーティング組成物が、コーティング特性を達成することが困難な厳しいバランスを示すに違いない、包装用コーティング(例えば、食品又は飲料用缶コーティング)の領域で事実である。例えば、溶媒系包装用コーティング組成物で有用であるポリエステルポリマーへ適用される際、従来の水分散技術では、劣ったコーティング特性を有する水系包装用コーティングが生成されることが多い。しかしながら、本開示の物質及び方法を使用し、硬化した時に、硬化した溶媒系コーティング組成物と同等のコーティング特性を示す、水系包装用コーティング組成物へ調製可能である、ポリエステルバインダポリマーの水分散性変形を製造するために、溶媒系包装用コーティング組成物において有用であるポリエステルバインダポリマーを改変することができることは、驚くべき発見であった。

0071

[069]
水分散性ポリマーは、任意の好適な水分散基を含むことができる。好ましい実施形態において、水分散性ポリマーは、例えば、陰イオン性又は陽イオン性の塩の基(例えば、中和された酸又は塩基)、又はそれらの組み合わせ等の、1つ以上の塩の基の形態で、水分散基を含む。

0072

[070]
好適な塩の基の例としては、陰イオン基陽イオン基、及びそれらの組み合わせが挙げられる。陰イオン性の塩の基の例としては、中和された酸基又は無水物基、硫酸基(−OSO3−)、リン酸基(−OSO3−)、スルホン酸基(−SO2O−)、ホスフィネー
ト基(−POO−)、ホスホネート基(−PO3−)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な陽イオン性の塩の基としては、

0073

0074

(それぞれ、第4級アンモニウム基、第4級ホスホニウム基、及び第三級硫酸塩基と称される)並びにそれらの組み合わせが挙げられる。現状では好ましい塩の基としては、中和された酸基又は無水物基及び中和された塩基が挙げられ、中和されたカルボン酸基が特定の実施形態において好ましい。

0075

[071]
陰イオン性の塩の基を形成するための中和剤の非限定的な例としては、アミン類水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウムアンモニア及びこれらの混合物等の、無機及び有機塩基が挙げられる。特定の実施形態において、三級アミン類が好ましい中和剤である。好適な三級アミン類の非限定的な例としては、トリメチルアミンジメチルエタノールアミン(またジメチルアミノエタノールとして公知である)、メチルジエタノールアミントリエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミンジメチルエチルアミンジメチルプロピルアミン、ジメチル3−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチル2−ヒドロキシ−1−プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチル1−ヒドロキシ−2−プロピルアミン、トリエチルアミントリブチルアミンN−メチルモルホリン及びこれらの混合物が挙げられる。

0076

[072]
陽イオン性の塩の基を形成するための好適な中和剤の例としては、ギ酸酢酸塩酸硫酸及びそれらの組み合わせ等の、有機及び無機酸が挙げられる。

0077

[073]
好ましい実施形態において、水分散性ポリマーのいくつかの、又は全ての塩の基が、本開示の官能化法と、(i)1つ以上の二重結合、より好ましくは1つ以上の炭素−炭素二重結合と、(ii)1つ以上の塩又は塩生成基とを有する不飽和化合物と、を用いて提供される。

0078

[074]
1つ以上の水分散基の、不飽和化合物との反応を介したポリマーへの組み込みは、ポリマー合成の間の任意の好適な時間に発生し得る。例えば、所望の分子量の、先に形成された不飽和ポリマーは、所望の数の水分散基を提供するために、不飽和化合物と後反応してもよい。

0079

[075]
他の実施形態において、不飽和プレポリマーは、不飽和化合物と反応してもよく、得られた官能化プレポリマーが更に増量されて所望の最終分子量を有する官能化ポリマーが製造される。しかしながら、特定のかかる状況において、ゲル化を避けるために注意が必要である。例えば、不飽和化合物が、例えば、ソルビン酸等の酸官能性化合物である場合、プレポリマーはそれぞれの末端上に酸基及び/又はヒドロキシル基を有し、ついで得られたプレポリマーは、3つ以上の酸基及び/又はヒドロキシル基を有し、これは、プレポリマーが更に分子量を増量させるために更なる多官能性化合物(例えば、二酸及び/又はジオール)と反応する場合に、ゲル化の問題を導く場合がある。かかる潜在的なゲル化の問
題は、所望の分子量の、先に形成された不飽和ポリマーが、不飽和化合物と反応する場合には存在しない。

0080

[076]
好適な塩又は塩生成基を有する任意の好適な不飽和化合物を、水分散性ポリマーを形成するために使用してもよい。不飽和化合物は、本明細書に記載の任意の好適なかかる基を含んでもよい。中和可能酸又は塩基が好ましい塩生成基である。

0081

[077]
1つ以上の塩又は塩生成基を有する不飽和化合物は、好ましくは、ディールス・アルダー反応又はエン反応に関与可能な少なくとも1つの二重結合を含み、炭素−炭素二重結合が好ましい。共役二重結合が、特定の実施形態(例えば、ディールス・アルダー反応が望ましい場合)において好ましく、共役炭素−炭素二重結合がとりわけ好ましい。

0082

[078]
共役二重結合を有する不飽和化合物が使用される実施形態において、不飽和ポリマーは、任意の好適な割合の、本開示のエンが組み込まれた、又はディールス・アルダーが組み込まれた側基を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エン反応を介して組み込まれた本開示の全官能基含有側基の相当な割合(例えば、>10%、>25%、>50%、>60%、>70%等)にて、エン及びディールス・アルダー反応生成物側基の両方が存在する。両方の種類の側基が存在する場合、ディールス・アルダー及びエン反応生成物側基は、同一のポリマー鎖上、異なるポリマー鎖上、又はそれらの組み合わせで存在し得る。

0083

[079]
塩の基含有又は塩生成基含有不飽和化合物が、任意の好適な原子量であり得る一方で、現状では好ましい実施形態において、約200未満の原子量(例えば、200未満、175未満、150未満、125未満、100未満等)を有する。長鎖(例えば、>C12)及び超長鎖(>C22)不飽和脂肪酸が使用されてもよい一方で、かかる不飽和化合物は、とりわけ、ポリマーが特定の食品接触包装用コーティング用途にて使用される場合、現状では好ましくない。

0084

[080]
塩又は塩生成基を有する好適な不飽和化合物の例としては、ソルビン酸(また2,4−ヘキサジエン酸とも呼ばれる)、2,4−ペンタジエン酸、フロ酸、1−アミノ−1,3−ブタジエン、1−ナフタレン酢酸、アントラセンカルボン酸、1,8−無水ナフタル酸、1−ナフタレンメチルアミン、ビニル酢酸、これらの中和された変形、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ソルビン酸は、水分散性ポリマーを形成する際に利用される好適な不飽和化合物である。

0085

[081]
水分散性ポリマーは、任意の所望の数の、1つ以上の塩又は塩生成基を有する不飽和化合物から由来する(複数の)側基を含んでもよい。いくつかの実施形態において、水分散性ポリマーは、少なくとも約0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、更により好ましくは少なくとも約2重量%のかかる側基を含む。かかる側基の最大量は制限されないが、水分散性ポリマーは典型的には、約50重量%未満、より典型的には、約30重量%未満、またより典型的には約7重量%未満の量で側基を含むであろう。上記側基の濃度は、水分散性ポリマーを製造するために使用される反応体の総不揮発性重量に対して、反応混合物中に含まれる不飽和化合物の量に基づく。

0086

[082]
以下の検討は、本開示の水分散性ポリエステル、及びそれより調製されるコーティング組成物を製造するための代表的な材料及び方法を提供する。以下の検討の教示は、また、本開示の他の実施形態に対しても適用可能である。

0087

[083]
水分散性ポリエステルポリマーは、ポリエステルセグメント以外のポリマーセグメントを含んでもよい。しかしながら、典型的には、少なくとも50重量%のポリエステルが、ポリエステルセグメントを含むであろう。いくつかの実施形態において、重量基準で、実質的に全て(例えば、>80重量%、>90重量%、>95重量%等)、又は全てのポリエステルが、ポリエステルセグメントを含む。

0088

[084]
不飽和ポリエステル前駆体ポリマーが、標準縮合反応を用いて調製され得る。ポリエステル前駆体は、典型的には、少なくとも1つのポリカルボン酸(又はその誘導体)でエステル化した少なくとも1つの多官能性アルコール(「ポリオール」)の混合物から由来する。反応混合物は、好ましくは、少なくとも1つの不飽和反応体を含む。いくつかの実施形態において、エステル交換重合化が使用されてもよい。所望の場合、不飽和ポリエステル前駆体ポリマーは、ポリマー結合(例えば、アミド、カルバメート、炭酸エステル、エーテル、尿素、ウレタン等)、側鎖、及び単純なポリオール及びポリ酸化合物に関連しない末端基を含んでもよい。

0089

[085]
任意の好適な不飽和反応体が、不飽和ポリエステル前駆体ポリマー内へ二重及び/又は三重結合を組み込むために使用されてもよい。かかる不飽和反応体は、典型的に、縮合及び/又は逐次重合化に関与可能な少なくとも1つの反応性官能基を含み、より典型的には、2つ以上のかかる反応性官能基を含み、2つのかかる官能基がいくつかの実施形態において好ましい。かかる反応性官能基の例としては、本明細書で開示した任意の活性水素基、及び、例えば、イソシアネート(−NCO)基等の、任意の他の好適な反応性官能基が挙げられる。エステル形成反応に関与可能な反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、無水物基等)が、好ましいかかる反応性官能基の例である。不飽和ポリ酸、ポリ(無水物)又はそれらのエステル化された変形が、好ましい不飽和反応体の例であり、不飽和ジカルボン酸及び不飽和モノ−無水物が現状では好ましい。好適な不飽和反応体のいくつかの特定の例としては、マレイン酸、2−メチルマレイン酸フマル酸イタコン酸、2−メチルイタコン酸、ナディック酸、メチル−ナディック酸、テトラヒドロフタル酸メチルテトラヒドロフタル酸、これらの誘導体又は無水物(例えば、無水マレイン酸、無水ナディック酸等)、及びこれらの混合物等の不飽和カルボン酸を挙げることができる。好適な不飽和ポリオールのいくつかの特定の例としては、ブタンジオールブチンジオール、3−ヘキシン−2,5−ジオール、2−ブチン二酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。

0090

[086]
無水マレイン酸は、不飽和ポリエステル前駆体ポリマーに不飽和を組み込むための好ましい化合物の例である。無水マレイン酸は、例えば、コスト、及び市販量で即時入手可能である等種々の理由において、とりわけ有用である。更に、理論に拘束される意図はないが、無水マレイン酸は、ディールス・アルダー反応中で優れた反応性を有するとりわけ強い求ジエン体であると考えられている。無水マレイン酸はまた、エン反応に対して好ましい反応体でもある。ディールス・アルダー反応が、無水マレイン酸から由来するユニットを有する不飽和ポリエステルポリマーに対して、より低い温度(例えば、不飽和脂肪酸又は油から由来するユニットを有するポリマーに対して必要とされ得る、例えば、260〜
280℃とは対照的に、約150〜約200℃)にて実施可能であることが観察されており、より低い反応温度が望ましい特定の実施形態にて有益であり得る。

0091

[087]
いくつかの実施形態において(例えば、コーティング組成物が、食品接触コーティング組成物としての利用を意図される場合)、ポリエステル前駆体ポリマー内の不飽和に対する不飽和化合物の比が、コーティング組成物中残余未反応不飽和化合物の好適ではない量の存在を避けるために制御されることが好ましい。例えば、ポリエステル前駆体の不飽和が、無水マレイン酸(又は(複数の)不飽和反応体等の他のもの)によって提供される場合、反応混合物中に含まれる官能基含有不飽和化合物(例えば、ソルビン酸)の量に対して、ポリエステル前駆体ポリマーは、好ましくは、無水マレイン酸(又は他の不飽和反応体)から由来する、モル換算で、過剰なユニットを含む。より好ましくは、ポリエステル前駆体中に存在する、官能基含有不飽和化合物の、不飽和単量体ユニットに対するモル比は、0.8:1未満、更により好ましくは0.6:1未満である。いくつかの実施形態において、ポリエステル前駆体中に存在する、官能基含有不飽和化合物の不飽和単量体ユニットに対するモル比は、約0.1:1より大きく、より好ましくは、約0.2:1より大きく、更により好ましくは0.3:1より大きい。いくつかの実施形態において、ポリエステル前駆体中に存在する、官能基含有不飽和化合物の炭素−炭素二重結合含有単量体ユニットに対するモル比は、上述した通りである。

0092

[088]
水分散性ポリエステルポリマーを調製するための好適なポリカルボン酸の例としては、より高い酸官能性を有するジカルボン酸及びポリカルボン酸(例えば、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等)又はその無水物、その前駆体又は誘導体(例えば、ジメチルエステル又は無水物等の、ポリカルボン酸のエステル化誘導体)又はこれらの混合物が挙げられる。好適なポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸アジピン酸フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、アゼライン酸セバシン酸イソフタル酸トリメリット酸テレフタル酸ナフタレンジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸グルタル酸、その二量体脂肪酸、無水物又は誘導体、及びこれらの混合物を挙げることができる。所望により、ポリ酸化合物(例えば、トリ酸、テトラ酸等)及び単官能性化合物添加物が使用されてもよい。ポリエステルを合成する際に、特定の酸は、無水物、エステル(例えば、アルキルエステル)の形態、又は同様の等価形態であってもよいことが理解されるべきである。簡素化のために、かかる化合物は、「カルボン酸」又は「ポリカルボン酸」と本明細書では称する。

0093

[089]
好適なポリオールの例としては、3つ以上のヒドロキシル基を有するポリオール(例えば、トリオールテトラオール等)と、それらの組み合わせが挙げられる。好適なポリオールとしては、例えば、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオールグリセロールジエチレングリコールジプロピレングリコールトリエチレングリコールトリメチロールプロパントリメチロールエタントリプロピレングリコールネオペンチルグリコールペンタエリスリトール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコールシクロヘキサンジメタノールポリエチレン又はポリプロピレングリコールイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシプロパノール−2)、及びこれらの混合物を挙げることができる。所望により、ポリオール化合物(例えば、トリオール、テトラオール等)及び単官能性化合物の添加物が使用されてもよい。

0094

[090]
水分散性ポリエステルポリマーを形成するために使用した反応混合物は、好適な任意の
コモノマーを含んでもよい。

0095

[091]
三官能性以上のポリオール、又はポリカルボン酸が、不飽和ポリエステル前駆体ポリマーを製造するために使用した反応混合物中に含まれる場合、かかる反応体の総量は、好ましくはゲル化を避けるために化学量論的に制御される。特定の好ましい実施形態において、三官能性以上のポリオール及びポリカルボン酸は、不飽和ポリエステル前駆体ポリマーを製造するために使用した反応混合物中には含まれない。使用する場合、三官能性モノマーは好ましくは、不飽和ポリエステル前駆体ポリマーを製造するために使用した反応体の総不揮発性重量基準で、5重量%未満の量で使用される。

0096

[092]
いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、1つ以上の芳香族基、より好ましくは1つ以上の骨格芳香族基を含むことが好ましい。好ましい芳香族ポリマーは、少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約10重量%、更により好ましくは少なくとも約15重量%、更により好ましくは少なくとも約20重量%の芳香族基を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、75重量%まで、又はそれ以上の芳香族基を含んでもよい。上記重量パーセントは、ポリマーを形成するために使用した反応体の総重量に対する、ポリマーを形成するために使用した芳香族モノマーの総重量に相当する。したがって、例えば、芳香族基を有するオリゴマーが、ポリマー内に組み込まれる場合、ポリマー内の芳香族基の重量%は、(オリゴマーの重量に対して)オリゴマーを形成するために使用した芳香族モノマーの重量を用いて計算される。好適な芳香族モノマーとしては、例えば、酸−、エステル−又は無水物−官能性芳香族モノマー(例えば、芳香族モノ酸及び/又はポリ酸、より好ましくは芳香族ポリ酸)、ヒドロキシル−官能性芳香族モノマー(例えば、芳香族モノ−及び/又はポリ−官能性モノマー)、又は共有結合を形成するために、相補的反応性基(より好ましくはヒドロキシル、カルボン酸、エステル又は無水物基)との、縮合及び/又は逐次反応中に関与可能な1つ以上の(典型的には少なくとも2つの)反応性基を有する芳香族モノマーが挙げられる。好適な芳香族モノマーの例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸無水トリメリット酸、トリメリット酸、ジメチルテレフタル酸、ジメチルイソフタル酸、ジメチルフタル酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、ナフタル酸、1,8−無水ナフタル酸、ジメチルナフタル酸、ピロメリット酸二無水物、及びこれらの誘導体及び組み合わせが挙げられる。

0097

[093]
水分散性ポリエステルポリマーは、任意の好適な末端基を有してもよい。いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーの骨格は、ヒドロキシル−末端及び/又はカルボキシル−末端、より好ましくはヒドロキシル−末端である。

0098

[094]
酸又は無水物基が、ポリエステルポリマーに対して水分散性を付与するために使用される場合、酸−又は無水物−官能性ポリマーは、好ましくは、少なくとも5、より好ましくは少なくともグラム樹脂あたり40ミリグラム(mg)KOHの酸価を有する。酸−又は無水物−官能性ポリエステルポリマーは、好ましくは、グラム樹脂あたり400mg/KOH以下の、より好ましくは、グラム樹脂あたり100mg/KOH以下の酸価を有する。

0099

[095]
特定の好ましい実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、通常の条件下(例えば、撹拌なしで周囲温度で保存)で1週間、好ましくは1ヶ月、より好ましくは3ヶ月間保存した後に、層に分離されない、安定水性分散液を形成するために、水と混合可能
である。

0100

[096]
水分散性ポリエステルポリマーは、任意の好適なガラス転移温度(「Tg」)を有してもよい。いくつかの実施形態において、ポリマーは、少なくとも約0℃、より好ましくは少なくとも約10℃、更により好ましくは少なくとも約25℃のTgを有する。最大Tgは特に制限されていないが、好ましくはTgは、約150℃未満、より好ましくは約100℃未満、更により好ましくは約50℃未満である。

0101

[097]
水分散性ポリエステルポリマーは、任意の好適な分子量であってもよい。好ましい実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、少なくとも約2,000、より好ましくは少なくとも約4,000、更により好ましくは少なくとも5,000の数平均分子量(Mn)を有する。分子量の上限範囲は制限されていない一方で、水分散性ポリエステルポリマーは、典型的には約50,000未満、より典型的には約20,000未満、更により典型的には約10,000未満のMnを有するであろう。

0102

[098]
いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、好ましくは、脂肪酸(例えば、長鎖、又は超長鎖脂肪酸)、油及び/又は他の長鎖炭化水素を含まず、又は感知できるほどに含まない。かかる物質を不適切な量使用することにより、長期間、本開示のコーティング組成物と接触したままである、包装された食品又は飲料品に、望ましくない異味又は臭いを付与する場合がある。ビール用缶の内部コーティングに使用される場合、ポリマー中の、不適切な量のかかる物質の存在により、ビール製品の「泡」を減じる場合がある。加えて、ポリマー中の、不適切な量のかかる物質の存在により、本開示のコーティング組成物の耐食性が、特定の最終用途に不適切であり、とりわけ「維持の難しい」食品又は飲料品と呼ばれるものへの利用が意図される包装用コーティングに不適切となる場合がある。特定の好ましい実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、水分散性ポリエステルポリマーを製造するために使用する反応体の総不揮発性重量に対して、10重量%未満、より好ましくは3重量%未満、更により好ましくは1重量%未満の脂肪酸、油又は(例えば、≧C10、≧C12、≧C15、≧C20、≧C30等の8以上の炭素原子を有する)他の「長鎖」炭化水素を含む。

0103

[099]
特定の実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーが、例えば、セバシン酸等の、12以下の炭素原子を有するいくつかの長鎖炭化水素を含んでもよいことが想到される。

0104

[0100]
特定の好ましい実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーはアルキッド樹脂ではない。

0105

[0101]
同様に、本開示の現状では好ましいコーティング組成物は、脂肪酸(例えば、長鎖又は超長鎖脂肪酸)及び油を好ましくは含まず、又は感知できるほどに含まない。好ましいコーティング組成物は、コーティング組成物の総不揮発性重量に対して、20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、及び更に好ましくは5重量%未満の油及び脂肪酸が含まれる。

0106

[0102]
いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、1つ以上の「ソフト」セグメントと、1つ以上の「ハード」セグメントと、好ましくは少なくとも2つのハードセグメントを含む、骨格を有する。いくつかのかかる実施形態において、ポリエステルポリマーは、複数のハードセグメントを含み、好ましくは約10℃〜約50℃、より好ましくは約15℃〜約35℃のTgを有する。1つ以上のハードセグメントは好ましくは、約10℃〜約100℃、より好ましくは約15℃〜約80℃、更により好ましくは約20℃〜約70℃のTgを有する。一実施形態において、ハードセグメントは、20℃〜40℃のTgを有する。典型的には、1つ以上のハードセグメントが、少なくとも500、より好ましくは少なくとも750、更により好ましくは少なくとも1,000のMnを有するオリゴマー又はポリマーから形成される。

0107

[0103]
1つ以上のソフトセグメントを生成するために使用する物質又は物質類は、1つ以上のソフトセグメントが、(i)ポリエステルポリマーのより低い全Tg(例えば、1つ以上のソフトセグメントを含まない同様の分子量のポリエステルポリマーと比べた場合)と、及び/又は(ii)該ポリエステルポリマーを使用して調製されるコーティング組成物に対する向上した成形加工特性(例えば、可撓性)と、に貢献するように選択されるのが好ましい。ソフトセグメントを形成するのに使用する物質(純粋又は1種以上のコモノマーとの組み合わせのいずれか)の例としては、アジピン酸、アゼライン酸、脂肪酸二量体若しくは二量体脂肪ジオール等の脂肪酸系物質、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、これらの誘導体若しくは変形、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、ソフトセグメントは、任意の追加コモノマーを使用せずに、上記モノマーのうちの1種から誘導される。ソフトセグメントがポリエステルオリゴマー又はポリマーである場合、上述のモノマーを1種以上の好適なコモノマーと組み合わせて使用して、ソフトセグメントを生成することができる。

0108

[0104]
ハードセグメント及びソフトセグメントを有するポリエステルポリマーを製造するための代表的な材料及び方法は、国際公開第WO2012/051540号に記載されている。本開示の目的のために、本開示の方法を用いて、国際公開第WO2012/051540号に記載された溶媒系ポリエステルポリマーの水分散性変種を製造するために、ポリマーを製造するために使用する反応体は、好ましくは、本開示の方法を用いて水分散基にてポリマーの官能化を許容するために、本明細書に記載の1つ以上の不飽和反応体(例えば、無水マレイン酸)を含む。かかる水分散性ポリエステルポリマーが、例えば、飲料用缶端部コーティング組成物を含む、特定の水系、食品接触包装用コーティング組成物のためのバインダポリマーとして使用される場合、優れた特性を示すことが発見された。

0109

[0105]
ハードセグメント及びソフトセグメントが、任意の好適なコンフィギュレーションにて編成されてもよい。いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーの骨格は、ハードセグメント及びソフトセグメントの交互配列を含む。かかる実施形態では、交互のハードセグメント及びソフトセグメントは、典型的には、逐次結合により、より典型的にはエステル結合等の縮合結合により、互いに結合される。かかる交互のポリマーの代表例は、以下の式Iで与えられる。

0110

(R2)r−([HARD]−Xs−[SOFT]−Xs)n−(R3)r
(式中、
[HARD]は独立してハードセグメントを示し、
[SOFT]は独立してソフトセグメントを示し、
各Xは、存在する場合、独立して2価の有機基、より好ましくは、例えば、縮合結合等
の逐次結合であり、
各sは、独立して、0又は1、より好ましくは1であり、
nは1以上、より好ましくは1〜15であり、
R2は、存在する場合、反応性官能基(例えば、−OH、−COOH等)、有機基、又は任意に末端反応性官能基を含んでもよく、任意に逐次結合を介して、隣接ハードセグメントに結合されてもよいソフトセグメントであり、
R3は、存在する場合、反応性官能基(例えば、−OH、−COOH等)、有機基、又は末端反応性官能基を任意に含んでもよいハードセグメントであり、
各rは、独立して、0又は1である。)
[0106]
一実施形態において、nは少なくとも2であり、各sは1であり、各Xはエステル結合であり、各rは1であり、R2は反応性官能基、より好ましくはヒドロキシル基であり、R3は、反応性官能基で終端されたハードセグメントであり、より好ましくはR3は、ヒドロキシル末端ハードセグメントである。

0111

[0107]
いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーは、各末端が、ハードセグメント、より好ましくは末端反応性官能基を有するハードセグメント、更により好ましくはヒドロキシル末端ハードセグメントによって終端している。

0112

[0108]
いくつかの実施形態において、水分散性ポリエステルポリマーにおけるソフトセグメントに対するハードセグメントの比は、重量基準で、平均で1:1〜50:1、より好ましくは8:1〜20:1、更により好ましくは10:1〜15:1(ハードセグメント:ソフトセグメント)である。

0113

[0109]
水分散性ポリエステルポリマーには、任意の数のハードセグメント及びソフトセグメントが含まれてもよい。好ましい実施形態では、ポリエステルポリマーは、ハードセグメント及びソフトセグメントのそれぞれを、平均して、1〜35、より好ましくは2〜20、更により好ましくは4〜10個含む。好ましい実施形態では、ポリエステルポリマーは、平均して、w個のソフトセグメント(ここで、「w」はソフトセグメントの平均数である)と、w+1個のハードセグメントとを含む(例えば、wが3の場合、w+1は4である)。

0114

[0110]
いくつかの実施形態において、ハードセグメント及びソフトセグメントは、重量基準で、少なくとも実質的にポリエステルポリマーの主要部分を構成する。いくつかのかかる実施形態において、ハードセグメント及びソフトセグメントは、本開示のポリエステルポリマーの少なくとも70重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%を構成する。上記の重量パーセントは、前駆体ハードセグメント及びソフトセグメント反応体上に存在する相補的な反応官能性(例えば、ヒドロキシル基及びカルボン酸基)の反応によって形成される、ハードセグメントとソフトセグメントとを連結する任意の連結基(例えば、エステル結合基)を含む。

0115

[0111]
水分散性ポリエステルポリマーは、様々な異なるコーティングの最終用途にて有用であってもよい。水分散性ポリエステルポリマーはとりわけ、食品又は飲料用容器としての用途を含む、包装用コーティングの用途において有用であることが発見されてきた。以下の検討は、水分散性ポリエステルポリマーを用いて調製され、包装用コーティングの最終用
途において有用であるコーティング組成物に関する。以下の検討が、包装用コーティング組成物に焦点をあてている一方で、他の最終用途に意図されるコーティング組成物に対して、本教示を適用することは、本開示の範囲内である。

0116

[0112]
本開示のコーティング組成物には、所望の結果を得るための、任意の好適な量の水分散性ポリエステルポリマーを含んでもよい。好ましいコーティング組成物は、水分散性ポリエステルポリマーを、少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約60重量%、更により好ましくは少なくとも約70重量%含む。好ましいコーティング組成物は、水分散性ポリマーを、約100重量%まで、より好ましくは約95重量%まで、更により好ましくは約80重量%まで含む。これらの重量%は、コーティング組成物中に存在する樹脂固形物の総重量に基づく。コーティング組成物中の樹脂固形物の総量は、特定の実施形態に応じて非常に大きく変化してもよく、任意の好適な量であってもよい一方で、樹脂固形物は、典型的には、コーティング組成物の総不揮発性重量の少なくとも主部分を構成するであろう。

0117

[0113]
コーティング組成物は、好ましくは、架橋樹脂を更に含む。例えば、周知のヒドロキシル反応性の硬化樹脂のいずれかを使用することができる。特定の架橋剤の選択は、典型的には、調製する特定の生成物に依存する。好適な架橋剤の例としては、アミノ樹脂フェノール樹脂ブロックイソシアネート及びそれらの組み合わせが挙げられる。

0118

[0114]
フェノール樹脂は、アルデヒドフェノール縮合生成物を含む。ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドは好ましいアルデヒドである。様々なフェノール、例えば、フェノール、クレゾールp−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール及びシクロペンチルフェノール等を使用することができる。

0119

[0115]
アミノ樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、及びベンズアルデヒド等のアルデヒドと、尿素、メラミン、及びベンゾグアナミン等のアミノ含有若しくはアミノ基含有物質との縮合生成物を含む。好適なアミノ樹脂の例としては、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エステル化メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられる。

0120

[0116]
他のアミン及びアミドの縮合生成物、例えば、トリアジンジアジントリアゾール、グアナジングアナミン(guanamines)、並びにアルキル及びアリール置換メラミンアルデヒド縮合物等を使用することもできる。かかる化合物の一部の例には、N,N’−ジメチル尿素ベンゾ尿素、ジシアンジアミド、ホルムアグアナミン(formaguanamine)、アセトグアナミングリコールウリル、アメリン、2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−メチル−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、3,5−ジアミノトリアゾール、トリアミノピリミジン、2−メルカプト−4,6−ジアミノピリミジン、3,4,6−トリス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン等がある。使用するアルデヒドは、典型的には、ホルムアルデヒドであるが、他のアルデヒド、例えば、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラールグリオキサール等、及びこれらの混合物から、他の類似の縮合生成物を製造することができる。

0121

[0117]
好適なイソシアネート架橋剤の例としては、ブロック若しくは非ブロックの、脂肪族、脂環式、又は芳香族の、2価、3価、又は多価イソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート等、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に好適なかかる架橋剤に利用されるイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネートジシクロヘキシルメタンジイソシアネートトルエンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートの異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。

0122

[0118]
使用される硬化剤のレベルは、例えば、硬化剤の種類、焼付け時間及び温度、並びにポリマーの分子量に依存する。架橋剤を使用する場合、架橋剤は、典型的に、約5〜約40重量%の範囲の量で存在する。好ましくは、架橋剤は、10〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%の範囲の量で存在する。これらの重量パーセントは、コーティング組成物中の樹脂固形物の総重量を基準としている。

0123

[0119]
所望に応じて、コーティング組成物は、任意に、1種以上のビニルポリマーを含んでもよい。好ましいビニルポリマーの例には、アクリルコポリマーがあり、ペンダントグリシジル基を有するアクリルコポリマーが、いくつかの実施形態において好ましい。好適なかかるアクリルコポリマーは、米国特許第6,235,102号に記載されている。存在する場合、任意のアクリルコポリマーは、典型的には、1〜20重量%の量で存在する。好ましくは、アクリルコポリマーは、2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%、最適には5〜10重量%の量で存在する。これらの重量%は、コーティング組成物中の樹脂固形物の総重量を基準としている。

0124

[0120]
ペンダントグリシジル基を有する好適なアクリルコポリマーは好ましくは、約30〜80重量%、より好ましくは約40〜70重量%、最も好ましくは50〜70重量%のグリシジル基含有モノマーを含有する。好適なグリシジル基含有モノマーには、炭素−炭素二重結合とグリシジル基とを有する任意のモノマーがある。典型的には、モノマーは、α、β−不飽和酸若しくはその無水物のグリシジルエステルである。好適なα、β−不飽和酸としては、モノカルボン酸若しくはジカルボン酸がある。かかるカルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸メサコン酸グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、無水マレイン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。グリシジル基含有モノマーの特定の例は、グリシジル(メタ)アクリレート(即ち、グリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリレート)、モノ及びジグリシジルイタコネート、モノ及びジグリシジルマレエート、並びにモノ及びジリシジルホルメートである。アリルグリシジルエーテルとビニルグリシジルエーテルも、モノマーとして使用することができると考えられる。

0125

[0121]
アクリルコポリマーは、最初に、α、β−不飽和酸とアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーであり得、そして次いでグリシジルハライド又はトシレート、例えば、グリシジルクロリドと反応されて、ペンダントグリシジル基がアクリレートコポリマー上に置かれる、ということも指摘しておかなければならない。α、β−不飽和カルボン酸は、例え
ば、上記に列挙された酸であり得る。

0126

[0122]
代替実施形態では、ペンダントヒドロキシル基を有するアクリルコポリマーが最初に形成される。ペンダントヒドロキシル基を有するアクリルコポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート若しくは3−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノマーをアクリレートコポリマー中に組み込むことにより調製され得る。次いで、このコポリマーが反応されて、ペンダントグリシジル基がアクリルコポリマー上に置かれる。

0127

[0123]
好ましいグリシジル基含有モノマーはグリシジル(メタ)アクリレートである。
[0124]
アクリルコポリマーは、任意に、構造:CH2=C(R5)−CO−OR6(式中、R5は水素又はメチルであり、R6は1〜16個の炭素原子を含有するアルキル基である)を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む反応体から形成され得る。R6基は、1個又はそれ以上、典型的には1〜3個の、例えば、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、フェニル及びアルコキシ等の部で置換され得る。したがって、コポリマーにおいて用いるための好適なアルキル(メタ)アクリレートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びアミノアルキル(メタ)アクリレートを包含する。アルキル(メタ)アクリレートは、典型的には、アクリル若しくはメタクリル酸のエステルである。好ましくは、R5はメチルであり、R6は2〜8個の炭素原子を有するアルキル基である。最も好ましくは、R5はメチルであり、R6は2〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルペンチル、イソアミルヘキシル、2−アミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、デシル、イソデシルベンジル、2−ヒドロキシプロピル、ラウリルイソボルニルオクチル、ノニル(メタ)アクリレート及びそれらの組み合わせが挙げられる。

0128

[0125]
アクリルコポリマーは、好ましくは、スチレン、ハロスチレンイソプレンジアルキルフタレートジビニルベンゼン、共役ブタジエン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、及びこれらの混合物等の1種以上のビニルコモノマーを含む。他の好適な重合性ビニルモノマーとしては、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリルビニルアセテートビニルプロピオネートビニルブチレートビニルステアレートイソブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。一実施形態において、アクリルコポリマーは、スチレンを用いて製造されない。

0129

[0126]
上記のモノマーは、標準的なフリーラジカル重合化技術により、例えば、過酸化物若しくはペルオキシエステル等の反応開始剤を使用して重合されて、好ましくは約2,000〜15,000、より好ましくは約2,500〜10,000、最も好ましくは約3,000〜8,000のMnを有するアクリルコポリマーをもたらすことができる。アクリルコポリマーは、ポリエステルポリマーの存在下、in situで製造されてもよく、及び/又は少なくとも部分的に、(例えば、無水マレイン酸等を用いて導入されてもよいような、ポリエステル中に存在する不飽和を介して)ポリエステルに移植されてもよい。

0130

[0127]
本開示のコーティング組成物はまた、コーティング組成物、又はそれより得られる硬化コーティング組成物に悪影響を与えない、他の任意の成分が含まれてもよい。かかる任意の成分は、典型的には、組成物の美的外観を高めるために、組成物の製造、処理、取り扱
い、及び塗布を容易にするために、そしてコーティング組成物又はそれから得られる硬化コーティング組成物の特定の機能特性を更に向上させるために、コーティング組成物中に含有される。

0131

[0128]
かかる任意の成分としては、例えば、触媒、染料顔料トナー伸展剤充填材、潤滑剤、耐食性剤、流れ調整剤チキソトロープ剤分散剤抗酸化剤接着促進剤光安定化剤、有機溶媒、及びこれらの混合物等が挙げられる。各任意の成分は、意図する目的に役立つのに十分な量であるが、コーティング組成物若しくはそれから得られる硬化コーティング組成物に悪影響を及ぼさないような量で含有される。

0132

[0129]
任意の成分の1つは、硬化速度及び/又は架橋の程度を高めるための触媒である。触媒の非限定的な例としては、強酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸DDBSA,CytecからCYCAT600として入手可能)、メタンスルホン酸(MSA)、p−トルエンスルホン酸(pTSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)、及びトリフルオロメタンスルホン酸)、第四アンモニウム化合物リン化合物、スズ及び亜鉛化合物、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例としては、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキルヨウ化ホスホスニウム、テトラアルキルアセテート、テトラアリールヨウ化ホスホスニウム、テトラアリールアセテート、スズオクトエート亜鉛オクトエートトリフェニルホスフィン及び当業者に公知の同様の触媒等が挙げられる。触媒が使用される場合、触媒は、コーティング組成物中の不揮発性物質の重量を基準として、少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%の量で存在するのが好ましい。触媒が使用される場合、触媒は、コーティング組成物中の不揮発性物質の重量を基準として3重量%以下、より好ましくは1重量%以下の量で存在するのが好ましい。

0133

[0130]
他の有用な任意の成分は潤滑剤(例えば、ワックス)であり、平面のコーティングされた金属基材に潤滑性を付与することによって、コーティングされた物品(例えば、食品若しくは飲料用缶端部)の製造を容易にする。潤滑剤は、不揮発性材料の重量の約0.1%〜約5%、好ましくは約0.3%〜約3.5%の量でコーティング組成物中に存在することが好ましい。好ましい潤滑剤としては、例えば、カルナバワックス、ポリエチレン型潤滑剤、ポリテトロフルオロエチレン(PTFE)−変性ポリエチレン潤滑剤、及びフィッシャートロプシュ潤滑剤が挙げられる。

0134

[0131]
別の有用な任意の成分は、二酸化チタン等の顔料である。色素は任意に、不揮発性物質の重量の0〜約50%の量で、コーティング組成物中に存在する。

0135

[0132]
特定の好ましい実施形態において、コーティング組成物は、好ましくは少なくとも被膜形成量の、本開示の水分散性ポリエステルポリマーを含む、水系コーティング組成物である。コーティング組成物は好ましくは、少なくとも30重量%の液体担体、より典型的には、少なくとも50重量%の液体担体を含む。かかる実施形態において、コーティング組成物は典型的には、90重量%未満の液体担体、より典型的には、80重量%弱の液体担体を含むであろう。液体担体は、好ましくは少なくとも約50重量%の水、より好ましくは少なくとも約60重量%の水、更により好ましくは約75重量%の水である。いくつかの実施形態において、液体担体は、有機溶媒を含まないか、又は実質的に含まない。

0136

[0133]
特定の好ましい実施形態において、水系コーティング組成物は、少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも1ヶ月間、更により好ましくは少なくとも3ヶ月間、通常の保存条件下、安定して保存できる(例えば、層に分離されない)。

0137

[0134]
本開示のコーティング組成物の他の実施形態は、例えば、僅少量(例えば、0〜2重量%)程度の水を含む、溶媒系コーティング組成物であってもよい。

0138

[0135]
いくつかの実施形態において、本開示の硬化コーティング組成物は、好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも25℃、更により好ましくは少なくとも30℃のTgを示す。いくつかの実施形態において、硬化コーティング組成物のTgは、好ましくは約80℃未満、より好ましくは約70℃未満、更により好ましくは約60℃未満である。

0139

[0136]
いくつかの実施形態において、硬化前(例えば、液体コーティング組成物)の本開示のコーティング組成物(例えば、包装用コーティング実施形態)は、1、000パーツ・パー・ミリオン(「ppm」)未満、好ましくは200ppm未満、より好ましくは100ppm未満の低分子量(例えば、<500g/mol、<200g/mol、<100g/mol等)のエチレン性不飽和化合物を含む。

0140

[0137]
好ましいコーティング組成物は、遊離状態のビスフェノールA(「BPA」)及びBPAのジグリシジルエーテル(「BADGE」)を実質的に含まず、より好ましくはこれらの化合物を本質的に含まず、最も好ましくは、これらの化合物を完全に含まない。このコーティング組成物は、また、好ましくは、結合BPA及びBADGEを実質的に含まず、より好ましくは、これらの化合物を本質的に含まず、最も好ましくはこれらの化合物を完全に含まない。加えて、好ましい組成物はまた、ビスフェノールS、ビスフェノールF、並びにビスフェノールF又はビスフェノールSのジグリシジルエーテルを実質的に含まず、より好ましくは本質的に含まず、最も好ましくは完全に含まない。

0141

[0138]
いくつかの実施形態において、本開示のポリマー(及び好ましくはコーティング組成物)は、少なくとも実質的に「エポキシ樹脂を含有しない」、より好ましくは「エポキシ樹脂を含有しない」。「エポキシ樹脂を含有しない」は、ポリマーとの関係において、本明細書で使用される場合、「エポキシ樹脂骨格セグメント」(すなわち、エポキシ基と、エポキシ基と反応する基との反応から形成されるセグメント)を含まないポリマーを意味する。したがって、例えば、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’ジヒドロキシビスフェノールなど)とハロヒドリン(halohdyrin)(例えば、エピクロロヒドリン)との反応生成物である主鎖セグメントを有するポリマーは、エポキシ樹脂を含有しないとは考えられない。しかしながら、ビニルポリマーはエポキシ樹脂骨格セグメントを含有しないので、エポキシ樹脂部分(例えば、グリシジルメタクリレート)を含むビニルモノマー及び/又はオリゴマーから形成されるビニルポリマーは、エポキシ樹脂を含有しないと考えられる。

0142

[0139]
いくつかの実施形態において、コーティング組成物は、「PVCを含有しない」。すなわち、コーティング組成物は、好ましくは2重量%未満、より好ましくは0.5重量%未
満、更により好ましくは1ppm未満の塩化ビニル材又は他のハロゲン含有ビニル材を含む。

0143

[0140]
本開示のコーティング組成物は、多岐にわたる従来の方法によって調製されてもよい。例えば、コーティング組成物は、単純に官能化ポリマーと、任意に架橋剤と、及び他の任意の成分とを、任意の所望の順番で、十分に撹拌しながら混ぜることによって調製されてもよい。得られた混合物を、全ての組成物成分が実質的に均一に混合されるまで混ぜてもよい。あるいは、コーティング組成物を、任意の担体液体と、官能化ポリマーと、任意の架橋剤と、他の任意の成分とを、任意の所望の順番で、十分に撹拌しながら混ぜることによって、液体溶液又は分散液として調製してもよい。担体液体の更なる量を、コーティング組成物中の不揮発性物質の量を所望のレベルまで調節するために、コーティング組成物に加えてもよい。

0144

[0141]
いくつかの実施形態において、官能化ポリマーを、有機溶媒中で重合化し、官能化ポリマー上に存在する塩の基又は酸基を、少なくとも部分的に中和して、ポリマーを水性溶媒中に分散させて、更なる調製のために、安定した水性懸濁液を形成する。

0145

[0142]
本開示の硬化コーティングは、金属(例えば、スチール、スズ無し鋼板(TFS)、ブリキ電気スズめっき(ETP)、アルミニウム等)に良好に付着し、食品又は飲料品等の製品に長期間曝露されることによって生じる可能性がある腐食又は劣化に対する高度な耐性を提供するのが好ましい。コーティングは、容器の内面、容器の外面、容器の端部、及びそれらの組み合わせといったあらゆる好適な表面に塗布され得る。

0146

[0143]
本開示のコーティング組成物は、スプレーコーティングロールコーティング、コイルコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティングメニスカスコーティング、キスコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、ディップコーティングスロットコーティング、スライドコーティング等、並びに他の種類のプリメータコーティングといった任意の好適な方法を用いて、基材に塗布可能である。金属シート又はコイルをコーティングするためにコーティングが使用される実施形態において、コーティングは、ロールコーティングによって塗布され得る。

0147

[0144]
コーティング組成物は、基材を物品に成形する前又は成形した後に基材に塗布され得る。いくつかの実施形態において、平面基材の少なくとも一部に本開示のコーティング組成物の1つ以上の層をコーティングした後、(例えば、打抜き加工、絞り加工、絞り−再絞り加工等を介して)基材が物品に成形される前に、このコーティングされた基材を硬化する。

0148

[0145]
基材にコーティング組成物を塗布した後、様々なプロセス(例えば、従来の方法又は対流法のいずれかによるオーブン焼付け)を用いてこの組成物を硬化することができる。硬化プロセスは、個別工程又は併用工程のいずれかで実施され得る。例えば、コーティングされた基材は、コーティング組成物を大部分が架橋されていない状態で放置するために、周囲温度で乾燥され得る。次に、コーティング組成物を完全に硬化するために、コーティングされた基材を加熱することができる。ある場合には、コーティング組成物は1工程で乾燥及び硬化され得る。好ましい実施形態において、本開示のコーティング組成物は、熱
硬化性のコーティング組成物である。

0149

[0146]
本開示のコーティング組成物は、例えば、金属に直接(又は前処理された金属に直接)単層(mono-coat)として、プライマーコートとして、中間コートとして、トップコート
として、又は任意のそれらの組み合わせで塗布されてもよい。

0150

[0147]
水分散性ポリエステルポリマーを用いて調製された本開示の好ましいコーティング組成物は、金属包装容器の内面又は外面の接着コーティングとしてとりわけ有用である。かかる物品の非限定的な例としては、クロージャ(例えば、食品及び飲料用容器のネジ切りキャップの内面等)、内部の王冠、二つ及び三つの部分からなる金属缶(例えば、食品用及び飲料用缶など)、浅絞り加工缶深絞り加工缶(例えば、多段階絞り加工及び再絞り加工された食品用缶など)、缶端部(例えば、飲料用缶のリベット端部及びイージーオープン缶端部など)、一体鋳造エアゾール容器、及び一般的な工業用容器、缶及び缶端部、及び従量用量吸入(「MDI」)缶等の薬物缶が挙げられる。

0151

[0148]
水分散性ポリエステルポリマーを用いて調製された上述のコーティング組成物は、それにプルタブを取り付けるためのリベット缶端部を有する二つの部分からなる缶を含む、二つの部分からなる缶のコーティングとしての利用にとりわけよく適合する。二つの部分からなる缶は、缶本体(典型的には絞り加工された金属製本体)と缶端部(典型的には絞り加工された金属製端部)とを接合することによって製造される。好ましい実施形態において、コーティング組成物は、食品と接触する状況での使用に適しており、かかる缶の内部で使用されてもよい。このコーティングはまた、缶の外面での使用にも適している。このコーティングは、コイルコーティング操作で用いるのによく適合していることに留意されたい。本操作において、好適な基材(例えば、アルミニウム又はスチールシートメタル)のコイルが最初にこのコーティング組成物で(片面又は両面に)コーティングされ、(例えば、焼付け法を用いて)硬化され、次いで硬化した基材は、缶端部若しくは缶本体又はその両方に(例えば、打抜き加工又は絞り加工によって)形成される。次いで、缶端部及び缶本体は、その中に入れられる食品又は飲料と共に一緒密封される。

0152

[0149]
かかるコーティング組成物はとりわけ、飲料用缶のリベット端部(例えば、ビール又はソーダ缶端部)の内部又は外部コーティングとしての利用に特によく適合する。好ましい実施形態は、後に飲料用缶のリベット端部に成形加工される金属コイルに塗布された場合、(プルタブが取り付けられるリベットの、内部表面の塗布が困難な輪郭等に関する)耐食性及び成形加工特性の優れたバランスを示す。

0153

[0150]
以下は、本開示のコーティング組成物の特定の実施形態のコーティング特性を査定するために有用ないくつかの試験方法である。本開示にしたがって調製された特定のコーティングに対する以下の試験A〜Gの結果を、以下の表1にて示している。

0154

A.接着性試験
[0151]
コーティングがコーティングされる基材に接着するかどうかを評価するために、接着性試験が実施される。接着性試験は、SCOTCH 610(Saint Paul,Minnesotaの3M Companyより入手可能)を使用し、ASTMD 3359−試験方法Bに従って行われた。一般的に、接着性は0〜10段階で評価をつけ、ここ
で「10」の評価は、接着の失敗がないことを示し、「9」の評価は、コーティングの90%が接着した状態であることを示し、「8」の評価は、コーティングの80%が接着した状態であることを示し、以下同様である。10の接着性評価は、典型的には、商業的に実現可能なコーティングに望ましい。

0155

B.白化耐性試験
[0152]
白化耐性は、様々な溶液による攻撃に耐性を示すコーティングの能力を測定する。典型的には、白化は、コーティングされた被膜に吸収される水の量によって測定される。被膜が水を吸収する場合、被膜は一般的にったようになるか、又は白く見える。白化は、0〜10段階を使用して、一般的に可視的に測定され、ここで「10」の評価は白化がないことを示し、「0」の評価は被膜の完全な白化を示す。少なくとも7の白化評価が、典型的には、商業的に実現可能なコーティングに望ましく、最適には9又はそれ以上である。

0156

C.水低温殺菌試験
[0153]
これは、水に接触している間、熱にさらした後の、コーティングされた基材のコーティング一体性の測定である。この試験は、食品又は飲料の貯蔵又は殺菌にしばしば付随する条件に耐えるコーティングの能力の指標を提供する。ここでの評価では、コーティングされた(平面パネルの形態の)基材試料を、容器に入れ、DI水中に部分的に浸漬させた。試験は、浸漬させたコーティングされた基材に、90分間、大気圧にて66℃の熱を加えることによって行われる。次いで、コーティングされた基材は、上述したように接着性及び白化に関して試験された。水低温殺菌性能を必要とする食品又は飲料用途において、10の接着性評価と、少なくとも7の白化評価が、典型的には、商業的に実現可能なコーティングに望ましい。

0157

D.水レトルト試験
[0154]
レトルト性能は、全ての食品及び飲料用コーティングに対して必ずしも必要ではないが、レトルト条件下で包装されるいくつかの製品の種類には望ましい。ここでの評価では、コーティングされた(平面パネルの形態の)基材試料を容器に配置し、DI水に部分的に浸漬させた。試験基材を部分的に浸漬させる一方で、コーティングされた基材試料を圧力クッカー中に配置し、90分間、大気圧より高い圧力で(所望の温度に達するための好適な圧力を用いて)121℃の熱を加えた。レトルト後、コーティングされた基材試料を、接着性、白化耐性又は着色耐性に対して試験する前に、少なくとも2時間静置した。レトルト性能を必要とする食品又は飲料用途において、レトルト後、10の接着性評価と、少なくとも7の白化評価が、典型的には、商業的に実現可能なコーティングに望ましい。

0158

E.成形加工試験
[0155]
本試験は、コーティングの可撓性のレベルの指標を提供する。更に、本試験は、食品又は飲料用缶端部を製造するために必要な成形プロセスを受けたときに、コーティングがその一体性を維持する能力を測定する。とりわけ、本試験は、成形端部における、亀裂又は破損の有無の尺度となる。食品又は飲料用缶端部用途のために好適であるために、コーティング組成物は、簡単に開く食品又は飲料用缶端部のリベット部の複雑な外形適応する十分な可撓性を示すことが好ましい。

0159

[0156]
この端部は、典型的には、電解質溶液充填したカップの上に配置される。カップを逆さにして、端部の表面を電解質溶液にさらす。次いで、端部を通過する電流の量を測定す
る。成形加工後にコーティングが無傷のまま(亀裂又は破損がない状態)であれば、端部を通過する電流は僅かである。

0160

[0157]
ここでの評価では、完全に加工された202基準による開口飲料用缶のリベット端部を、脱イオン水中1重量% NaClで構成される電解質溶液に4秒間さらした。WACO
Enamel Rater II(Wilkens−Anderson Company、Chicago、Illinoisより入手可能)を用いて、6.3ボルト出力電圧金属露出を測定した。測定した電流をミリアンペアで記録した。端部の導通は、典型的には、最初と、端部を低温殺菌処理、又はレトルト処理した後とに試験される。

0161

[0158]
コーティングは、上述のように試験した際に、約10ミリアンペア(mA)未満の電流(端末形成後)が通過した場合に、成形加工試験に合格していると本明細書では考えられる。飲料用缶のリベット端部での利用に好ましいコーティング組成物は、5mA未満、より好ましくは1mA未満の電流を示す。本開示にしたがって調製した特定のコーティングに対する本試験の結果を、表1−Dowfax試験前後両方に示す。

0162

F.Dowfaxを使用した洗剤試験
[0159]
「Dowfax」試験は、煮沸洗剤溶液に対するコーティングの耐性を測定するように設計されている。溶液は、5mLのDowfax 2A1(Dow Chemicalの製品)を3,000mLの脱イオン水と混合することによって準備される。典型的には、コーティングされた基材を、煮沸Dowfax溶液内に15分間浸漬させる。次いで、コーティングされた基材をすすぎ、脱イオン水中で冷却し、乾燥させ、先に記述したように、白化と接着性に関して試験し評価した。

0163

G.溶媒耐性試験
[0160]
コーティングの「硬化」又は架橋の程度を、メチルエチルケトン(MEK)等の溶媒に対する耐性として測定する。この試験は、ASTMD 5402−93に記載されるとおりに実施される。ダブル摩擦(すなわち、1回の前後の動作)の数を報告する。好ましくは、MEK溶媒耐性は、少なくともダブル摩擦30回である。

0164

H.フェザリング試験
[0161]
フェザリングを試験するために、パネルのコーティングされた側を下向きにして、コーティングされた金属パネルの裏側に好適な大きさの(例えば、ソーダ缶開口部と同様の大きさの)タブ切れ目を入れる。次いで、試験片脱イオン水浴に、85℃にて45分間浸漬させる。低温殺菌後、プライヤを使用して、切断されたタブを、基材のコートされた側から90度の角度で外側に曲げる。その後、試験片を、コートされた側を下向きに平らな面に配置する。切断されたタブをプライヤを用いてつかみ、開口部を作製するために完全に除去されるまで180度の角度で試験パネルからタブを引っ張る。タブを除去した後、試験パネルの開口部の中へ延びるコーティングを測定する。開口部内へ延びるコーティングの最長距離が測定され(フェザリング)、インチ単位で報告される。開封簡易な食品又は飲料用缶端部のためのコーティングは、好ましくは0.508cm(0.2インチ)未満、より好ましくは0.254cm(0.1インチ)未満、もっとも好ましくは0.127cm(0.05インチ)未満、そして最適には0.051cm(0.02インチ以下)のフェザリングを示す。本開示の好ましい飲料用缶端部コーティングは、以上で提示した値に応じたフェザリング特性を示す。

0165

[0162]
本開示を以下の実施例によって例示する。特定の実施例、材料、量及び手順は、本明細書で記載の本開示の範囲及び趣旨にしたがって、広く解釈されるべきであることが理解される。別段の指示がない限り、全ての部及びパーセントは重量基準であり、全ての分子量は重量平均分子量である。別段の指示のない限り、用いられる化学物質は全て、例えば、Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri)から市販されている。

0166

実施例1:官能化ポリマーの調製
[0163]
24.3グラム(「g」)のシクロヘキサン−1,4−ジメタノール(水中に90重量%溶解)、101.8gの2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1.64gの1,1,1−トリメチロールプロパン、45.4gのイソフタル酸、135.3gのテレフタル酸、及び0.36gのスズ系触媒を、2リットルの4口ガラスフラスコに加え、残りの口には、電気加熱マントルメカニカルオーバーヘッドスターラー熱電対、(Dean−Starkトラップ水冷コンデンサとを備える)充填塔、及びストッパが備えられている。窒素ガス流と、毎分100〜200回転(「rpm」)の撹拌速度をプロセスを通して維持した。フラスコの内容物を、充填塔の最頂部のヘッド温度が100℃又はそれより低くなるように、ゆっくりと235℃まで加熱し、反応水をトラップ中に回収して除去した。一旦、ヘッド温度が80℃より低下し、酸価が10mg KOH/g樹脂より低下したら、反応液を180℃まで冷却した。次いで、29.8gのセバシン酸と16.2gのエチレングリコールをフラスコに加え、ヘッド温度を100℃より低く維持し、反応水を回収しながら、温度を235℃まで戻した。一旦、ヘッド温度が80℃より低下したら、バッチ温度を再び170℃まで低下させた。28.5gの無水マレイン酸をフラスコに加え、温度を170℃にて1時間維持した。これを維持した後、21.3gのキシレンをバッチに加え、充填塔を除去し、トラップを共沸蒸留のため調製した。バッチを195〜205℃に調節し、酸価が10mg KOH/g樹脂より低下するまで反応水を回収し、(追加のキシレン中、不揮発性材料(「NVM」)50%に切り下げた)樹脂試料の粘度はU−W(Gardner−Holt気泡粘度計管(Gardner-Holt bubble tube scale))であった。一旦、樹脂が正確な酸価及び粘度範囲内となれば、バッチを180℃に冷却させ、13.4gのソルビン酸がフラスコに加えられ、180℃の温度が5時間維持された。維持の後、121.1gのジエチレングリコールモノエチルエーテルと、51.8gのn−ブタノールとをゆっくりと加えて、バッチの温度を低下させ、NVM 65%の樹脂溶液を得た。

0167

実施例2:官能性ポリマーを含む水性懸濁液の調製
[0164]
実施例1から得られた溶液を80℃まで冷却し、26.0gのエポキシ官能性アクリル樹脂を加えた(グリシジルメタクリレート、スチレン及びメチルメタクリレートを含むエポキシ官能性アクリル樹脂は、およそ5,000ダルトンのMnを有し、有機溶媒中、NVM 51.5%まで切り下げる)。80℃を維持しながら、7.16gのジメチルエタノールアミンを加え、樹脂を5分間撹拌した。5分間維持した後、375.9gの脱イオン水を、60分間かけてフラスコに加えた。

0168

実施例3:エン及びディールス・アルダー反応生成物の比率を求めるためのモデル反応
[0165]
(実施例1で示すように)ソルビン酸と反応した時に、複合マレイン化ポリエステル中で発生する反応メカニズムを判定することは極めて難しいので、モデル反応を実施した。
電気オーバーヘッド混合装置、水冷コンデンサ、窒素入口、及び加熱マントルを有する温度制御装置に接続した熱電対を備える500mLの4口フラスコに、200部のマレイン酸ジエチル模擬不飽和ポリエステルとして働く)と、78.5部ソルビン酸とを加えた。これらの量は、実施例1における、ソルビン酸のモル数対無水マレイン酸のモル数の比(0.6対1)を模倣する。混合を200rpmで開始し、物質を、30分間にわたり180℃超まで加熱した。材料を180℃にて5時間保持し、その時点で物質を室温まで冷却して取り出した。液体クロマトグラフィー質量分析器を用いて、いくつかの反応生成物を検出し、全てが284.126の質量を有した。各反応生成物質量分析断片化パターン解析することによって、どの産物がエン反応の結果であり、どれがディールス・アルダー反応の結果であったかを判別することができた。75%がエン反応、25%がディールス・アルダー反応であることが示された。同一の反応をマレイン酸ジエチルとクロトン酸(3−メチルアクリル酸)との間で実施した場合、試験条件下で反応は観察されなかった。同一の反応を、マレイン酸ジメチルと、ビニル酢酸との間で実施した場合、エン反応生成物が観察された。クロトン酸とビニル酢酸は、マレイン酸ジエチルとのディールス・アルダー反応を受けることが出来ない。

0169

実施例4:コーティング組成物の調製
[0166]
飲料用端部の透明な内部ライニングが、以下の固体組成で調製された。92.4(重量)%の実施例2からのポリエステル/アクリル樹脂分散液、2.5%のメチロール官能性フェノールホルムアルデヒド樹脂、5%の混合エーテルメラミンホルムアルデヒド架橋樹脂、0.1%のアミンブロック化ドデシルベンゼンスルホン酸触媒、及び1%の乳濁液形態のカルナウバ潤滑剤。最終コーティング組成物を、NVM 33.5%に調節し、この不揮発性成分はおよそ水54%及び有機溶媒46%であった。

0170

実施例5:コーティングされた基材
[0167]
実施例4のコーティング組成物を、0.010kg/m2〜0.017kg/m2(6.5〜7.5ミリグラム/平方インチ)の乾燥被膜重量にて、コイルコーティング塗布において前もって処理したアルミニウムコイルに塗布した。コーティングされたコイルは、465°F/241℃ピーク金属温度に達するために、加熱したオーブン内に10秒間滞留した。硬化コーティングのコーティング特性を種々の試験を用いて査定した。これらの試験からのデータを以下の表1に要約する。表1のデータは、硬化コーティング組成物が、飲料用缶のリベット端部のためのコーティングとして使用するための、望ましいバランスのコーティング特性を有することを示している。硬化したコーティングはまた、非常に良好なフェザリング耐性を示した。

0171

実施例

0172

[0168]
本明細書に引用するすべての特許、特許出願及び公開公報、並びに電子的に入手可能な資料の完全な開示内容を参照により援用する。上記の詳細な説明及び実施例は、あくまで理解を助けるために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本開示は、示されかつ記載された厳密な詳細事項に限定されず、当業者に対して明らかな変形が特許請求の範囲において規定された本開示の範囲に含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に例示的に開示された本開示は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素の不在下で、好適に実施されてもよい。

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