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技術 封止用樹脂組成物、半導体装置、及び半導体装置の製造方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 小川和人岩谷絵美石川浩太辻隆行
出願日 2016年10月3日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-196005
公開日 2018年4月12日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-058960
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 エポキシ樹脂 半導体又は固体装置の封緘,被覆構造と材料
主要キーワード 鉄合金製 pH測定 マグネシウム系化合物 バイアスなし 加速ストレス カルボン酸陰イオン ビスフェノール型樹脂 クアッド
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図面 (9)

課題

高温下においてメッキされたリードフレームとの高い密着性を有する封止用樹脂組成物の提供。

解決手段

式(1)で示されるエポキシ樹脂(A1)を含有するエポキシ樹脂(A)と、式(2)で示されるフェノール化合物(B1)を含有するフェノール化合物(B)と、並びに電子吸引性官能基を有する芳香族モノカルボン酸(C)と、を含有する封止用樹脂組成物。

概要

背景

従来、トランジスタ、IC等の半導体素子封止に当たり、生産性向上、コスト低減等の目的で、樹脂封止が行われている。樹脂封止は、例えばエポキシ樹脂フェノール樹脂系硬化剤硬化促進剤、及び無機充填材を含有する封止用樹脂組成物成形して封止材を作製することで行われている。

封止材で封止された半導体装置は、例えば銅製のリードフレームと、リードフレームに搭載されている半導体素子と、半導体素子とリードフレームとを電気的に接続するワイヤとを備え、封止材が半導体素子を封止している(特許文献1参照)。このため、封止材はリードフレームとワイヤに接している。

特許文献1では、封止材とメッキされたリードフレームとの密着性を向上するために、エポキシ樹脂、フェノール樹脂系硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する封止用エポキシ樹脂組成物に、更に分子中に1個のニトロ基を持つ芳香族多価カルボン酸を含有させることが、提案されている。

概要

高温下においてメッキされたリードフレームとの高い密着性を有する封止用樹脂組成物の提供。式(1)で示されるエポキシ樹脂(A1)を含有するエポキシ樹脂(A)と、式(2)で示されるフェノール化合物(B1)を含有するフェノール化合物(B)と、並びに電子吸引性官能基を有する芳香族モノカルボン酸(C)と、を含有する封止用樹脂組成物。

目的

本発明の目的は、封止材を作製するために用いることができ、この封止材は、高温下においてメッキされたリードフレームとの高い密着性を有することができる封止用樹脂組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

下記式(1)で示されるエポキシ樹脂(A1)を含有するエポキシ樹脂(A)、下記式(2)で示されるフェノール化合物(B1)を含有するフェノール化合物(B)、及びニトロ基シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも一種電子吸引性官能基を有する芳香族モノカルボン酸(C)を含有する、封止用樹脂組成物、式(1)中のnは各々独立に1又は2であり、mは1〜9の範囲内の数であり、式(2)中のnは各々独立に1又は2であり、mは1〜9の範囲内の数である。

請求項2

蛍光X線分析で測定される硫黄含有量がSO3換算で0.1質量%以下である、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。

請求項3

イオントラップ剤(D)を含有する、請求項1又は2に記載の封止用樹脂組成物。

請求項4

前記イオントラップ剤(D)は、炭酸イオンと水酸物イオンとのうち少なくとも一方を有する成分を含有する請求項3に記載の封止用樹脂組成物。

請求項5

前記イオントラップ剤(D)は、アルミニウムマグネシウム系化合物を含有する請求項3に記載の封止用樹脂組成物。

請求項6

前記イオントラップ剤(D)は、ハイドロタルサイト系化合物を含有する請求項3に記載の封止用樹脂組成物。

請求項7

硬化促進剤(E)を含有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項8

無機充填材(F)を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項9

25℃で固体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項10

前記エポキシ樹脂(A)全体に対する、前記エポキシ樹脂(A1)の量は、80〜100質量%の範囲内であり、前記フェノール化合物(B)全体に対する、前記フェノール化合物(B1)の量は、49質量%以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項11

前記エポキシ樹脂(A)全体に対する、前記エポキシ樹脂(A1)の量は、79質量%以下であり、前記フェノール化合物(B)全体に対する、前記フェノール化合物(B1)の量は、50〜100質量%の範囲内である、請求項1から9のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項12

前記エポキシ樹脂(A)及び前記フェノール樹脂(B)は、いずれもニトロ基を有さない、請求項1から11のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項13

半導体装置における封止材加圧成形法で作製するために用いられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。

請求項14

前記半導体装置は、ワイヤボンディング用のワイヤを備え、前記ワイヤは、銅と銀とのうち少なくとも一方を含む、請求項13に記載の封止用樹脂組成物。

請求項15

前記封止用樹脂組成物を加圧成形法で成形する際の成形圧力が3.0MPa以上、成形温度が120℃以上である、請求項13又は14に記載の封止用樹脂組成物。

請求項16

リードフレームと、前記リードフレームに搭載されている半導体素子と、前記半導体素子と前記リードフレームとを電気的に接続するワイヤと、前記半導体素子を封止する封止材とを備え、前記封止材が請求項1乃至15のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物である半導体装置。

請求項17

前記リードフレームが銀、ニッケル及びパラジウムのうち少なくとも一種の成分を含むメッキ層を備える請求項16に記載の半導体装置。

請求項18

前記ワイヤが銅と銀のうち少なくとも一方を含む請求項16又は17に記載の半導体装置。

請求項19

請求項16から18のいずれか一項に記載の半導体装置を製造する方法であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物を加圧成形法で成形することで封止材を作製することを含む半導体装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、封止用樹脂組成物、前記封止用樹脂組成物の硬化物を含む封止材を備える半導体装置、及び前記封止用樹脂組成物を用いる半導体装置の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、トランジスタ、IC等の半導体素子封止に当たり、生産性向上、コスト低減等の目的で、樹脂封止が行われている。樹脂封止は、例えばエポキシ樹脂フェノール樹脂系硬化剤硬化促進剤、及び無機充填材を含有する封止用樹脂組成物を成形して封止材を作製することで行われている。

0003

封止材で封止された半導体装置は、例えば銅製のリードフレームと、リードフレームに搭載されている半導体素子と、半導体素子とリードフレームとを電気的に接続するワイヤとを備え、封止材が半導体素子を封止している(特許文献1参照)。このため、封止材はリードフレームとワイヤに接している。

0004

特許文献1では、封止材とメッキされたリードフレームとの密着性を向上するために、エポキシ樹脂、フェノール樹脂系硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する封止用エポキシ樹脂組成物に、更に分子中に1個のニトロ基を持つ芳香族多価カルボン酸を含有させることが、提案されている。

先行技術

0005

特開2014−114426号公報

発明が解決しようとする課題

0006

近年、車載用の半導体装置などの過酷な環境下で使用される半導体装置には、高温に耐えうる高い信頼性が求められている。そのため、高温に曝されても封止材とメッキされたリードフレームとの間の高い密着性を確保する必要がある。

0007

本発明の目的は、封止材を作製するために用いることができ、この封止材は、高温下においてメッキされたリードフレームとの高い密着性を有することができる封止用樹脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様に係る封止用樹脂組成物は、下記式(1)で示されるエポキシ樹脂(A1)を含有するエポキシ樹脂(A)、下記式(2)で示されるフェノール化合物(B1)を含有するフェノール化合物(B)、並びにニトロ基、シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも一種電子吸引性官能基を有する芳香族モノカルボン酸(C)を含有する。

0009

0010

式(1)中のnは平均1.0〜3.5の範囲内であり、mは平均1.0〜9.0の範囲内である。

0011

0012

式(2)中のnは平均1.0〜2.0の範囲内であり、mは平均1.0〜9.0の範囲内である。

0013

本発明の一態様に係る半導体装置は、リードフレームと、前記リードフレームに搭載されている半導体素子と、前記半導体素子と前記リードフレームとを電気的に接続するワイヤと、前記半導体素子を封止する封止材とを備え、前記封止材が前記封止用樹脂組成物の硬化物である。

0014

本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、前記封止用樹脂組成物を加圧成形法で成形することで封止材を作製することを含む。

発明の効果

0015

本発明の一態様によれば、封止材を作製するために用いることができ、この封止材は、高温下においてメッキされたリードフレームとの高い密着性を有することができる封止用樹脂組成物を提供できる。

0016

また、本発明の一態様によれば、前記封止用樹脂組成物の硬化物を含む封止材を備える半導体装置、及び前記封止用樹脂組成物を用いる半導体装置の製造方法を、提供できる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
3−ニトロ安息香酸分子構造を示す模式図である。
金属表面に近づくときの3−ニトロ安息香酸の分子構造を示す模式図である。
金属表面に結合するときの3−ニトロ安息香酸の分子構造を示す模式図である。
3−ニトロ安息香酸と銀との反応を解析する際に測定したフーリエ変換赤外分光(FT−IR)スペクトルを示す図である。
図6A及び図6Bは、イオントラップ剤イオン交換メカニズムを示す模式図である。
図7Aは封止材をトランスファ成形法で作製して半導体装置を得る工程を示す概略の断面図であり、図7Bは封止材をトランスファ成形法で作製して半導体装置を得る工程を示す概略の断面図である。
図8Aは封止材を圧縮成形法で作製して半導体装置を得る工程を示す概略の断面図であり、図8Bは封止材を圧縮成形法で作製して半導体装置を得る工程を示す概略の断面図である。

0018

以下、本発明の実施形態を説明する。

0019

本実施形態に係る封止用樹脂組成物(以下、組成物(X)という)は、エポキシ樹脂(A)、フェノール化合物(B)、及び芳香族モノカルボン酸(C)を含有する。エポキシ樹脂(A)は、下記式(1)に示すエポキシ樹脂(A1)を含有する。フェノール化合物(B)は、下記式(2)に示すフェノール化合物(B1)を含有する。芳香族モノカルボン酸(C)は、ニトロ基、シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも一種の電子吸引性官能基を有する。

0020

0021

式(1)中のnは平均1.0〜3.5の範囲内であり、mは平均1.0〜9.0の範囲内である。

0022

0023

式(2)中のnは平均1.0〜2.0の範囲内であり、mは平均1.0〜9.0の範囲内である。

0024

組成物(X)を例えば加圧成形法で成形することで、半導体装置1における封止材62を作製できる。半導体装置1は、例えば図1に示すように、金属製のリードフレーム52と、リードフレーム52に搭載されている半導体素子50と、半導体素子50とリードフレーム52とを電気的に接続するワイヤ56と、半導体素子50を封止する封止材62とを備える。

0025

このように組成物(X)を、封止材62を作製するために用いることができる。この封止材62は、リードフレーム52がメッキ層54を備えていても、リードフレーム52との高い密着性を有することができ、しかも高温下においてもリードフレーム52との高い密着性を有することができる。

0026

組成物(X)が硫黄化合物を含まず、或いは組成物(X)中の硫黄化合物の含有量が少ないことが好ましい。特に、組成物(X)の、蛍光X線分析で測定される硫黄含有量が、SO3換算で0.1質量%以下であることが好ましい。この場合、ワイヤ56が銅と銀のうち少なくとも一方を含んでも、高温下でワイヤ56が腐食されにくい。近年、ワイヤ56の材質として、金に代えて銀又は銅が用いられるようになってきているが、ワイヤ56が銅と銀のうち少なくとも一方を含有しても、組成物(X)が硫黄化合物を含まず、或いは硫黄化合物の含有量が少なければ、高温下でワイヤ56が腐食されにくい。また、このように硫黄化合物を含まず、或いは硫黄化合物の含有量が少なくても、組成物(X)が芳香族モノカルボン酸(C)を含有するため、封止材62は、リードフレーム52との高い密着性を有することができる。

0027

さらに、組成物(X)には、密着性向上に伴うゲルタイムの長大化が起こりにくい。このため、組成物(X)のゲルタイムを短縮化することで、半導体装置1の作製時の成形サイクルを短くできる。

0028

組成物(X)の組成について、更に詳しく説明する。

0029

エポキシ樹脂(A)について説明する。エポキシ樹脂(A)は、上記の通り、式(1)で示されるエポキシ樹脂(A1)を含有する。式(1)中のnは上記のように平均1.0〜3.5の範囲内である。このため、組成物(X)の成形時の良好な流動性と硬化物の良好な耐熱性とが、バランス良く実現できる。また、式(1)中のmは平均1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。この場合は組成物(X)の成形時の良好な流動性と硬化物の良好な耐熱性とが、よりバランス良く実現できる。

0030

エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(A1)以外の成分(以下、エポキシ樹脂(A2)という)を含有できる。エポキシ樹脂(A2)は、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂グリシジルアミン型エポキシ樹脂グリシジルエステル型エポキシ樹脂及びオレフィン酸化型(脂環式)エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。より具体的には、エポキシ樹脂は、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂といったアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格ビフェニレン骨格といった骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;フェニレン骨格、ビフェニレン骨格といった骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂といった多官能型エポキシ樹脂トリフェニルメタン型エポキシ樹脂テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂スチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂といったビスフェノール型エポキシ樹脂ビフェニル型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂;ビスフェノールA型ブロム含有エポキシ樹脂といったブロム含有エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタンイソシアヌル酸といったポリアミンエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;並びにフタル酸ダイマー酸といった多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、からなる群から選択される一種以上の成分を含有できる。

0031

封止材62の耐湿信頼性向上のためには、エポキシ樹脂(A)中のNaイオンClイオン等のイオン性不純物が極力少ない方が好ましい。

0032

組成物(X)全体に対する、エポキシ樹脂(A)の量は、5〜35質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、成形時の組成物(X)の流動性及び封止材62の物性が向上する。

0033

フェノール化合物(B)について説明する。フェノール化合物(B)は、上記の通り、式(2)で示されるフェノール化合物(B1)を含有する。式(2)中のnは上記のように平均1.0〜2.0の範囲内である。このため、組成物(X)の成形時の良好な流動性と硬化物の良好な耐熱性とが、バランス良く実現できる。また、式(1)中のmは平均1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。この場合は組成物(X)の成形時の良好な流動性と硬化物の良好な耐熱性とが、よりバランス良く実現できる。

0034

フェノール化合物(B)は、フェノール化合物(B1)以外の成分(以下、フェノール化合物(B2)という)を含有できる。フェノール化合物(B2)は、例えばフェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂ナフトールノボラック樹脂といったノボラック型樹脂;フェニレン骨格又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂;フェニレン骨格又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂といったアラルキル型樹脂;トリフェノールメタン型樹脂といった多官能型フェノール樹脂ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂といったジシクロペンタジエン型フェノール樹脂テルペン変性フェノール樹脂ビスフェノールA、ビスフェノールFといったビスフェノール型樹脂;並びにトリアジン変性ノボラック樹脂、からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特にフェノール化合物(B2)がフェノールアラルキル型フェノール樹脂ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。

0035

フェノール化合物(B)の1当量に対して、エポキシ樹脂(A)は0.9〜1.5当量の範囲内であることが好ましい。この場合、封止材62は高温時でも特に高い密着性を有しうるとともに、組成物(X)は良好な保存安定性を有しうる。エポキシ樹脂(A)が1.0〜1.3当量の範囲内であれば更に好ましい。

0036

エポキシ樹脂(A)全体に対する、エポキシ樹脂(A1)の量が、80〜100質量%の範囲内であり、フェノール化合物(B)全体に対する、フェノール化合物(B1)の量が、49質量%以下であることが、好ましい。この場合、半導体装置が特に高い信頼性を有することができるとともに、半導体装置におけるワイヤースイープが特に抑制できる。フェノール化合物(B1)の量が30〜49質量%の範囲内であれば、より好ましい。

0037

エポキシ樹脂(A)全体に対する、エポキシ樹脂(A1)の量が、79質量%以下であり、フェノール化合物(B)全体に対する、フェノール化合物(B1)の量が、50〜100質量%の範囲内であることも好ましい。この場合、半導体装置が特に高い信頼性を有することができるとともに、半導体装置におけるワイヤースイープが特に抑制できる。エポキシ樹脂(A)全体に対する、エポキシ樹脂(A1)の量が、50〜79質量%の範囲内であれば更に好ましい。

0038

芳香族モノカルボン酸(C)について説明する。芳香族モノカルボン酸(C)は、特に芳香環と、芳香環に結合している一つのカルボキシル基と、芳香環に結合している少なくとも一つの電子吸引性官能基とを有することが好ましい。芳香環は、特にベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましい。

0039

芳香族モノカルボン酸(C)は、ハロゲン原子及び硫黄原子を有さないことが好ましい。この場合、芳香族モノカルボン酸(C)に起因する銀製又は銅製のワイヤ56の腐食が、抑制される。

0040

電子吸引性官能基は、上記の通りニトロ基、シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される。芳香族モノカルボン酸(C)は、一つの電子吸引性官能基を有してもよく、複数の電子吸引性官能基を有してもよい。

0041

芳香族モノカルボン酸(C)は、例えば下記式(3)で表される。

0042

0043

式(3)中のR1〜R5のうち一つが電子吸引性官能基であり、残りの四つは各々独立にH、有機基又は電子吸引性官能基である。有機基は芳香族モノカルボン酸(C)の特性に影響を与えない基であることが好ましい。有機基はアルキル基アルケニル基又はアルコキシ基であることが好ましく、特にCH3であることが好ましい。R1〜R5のうち一つが電子吸引性官能基であり、残りの四つが各々独立にH又は有機基であれば、特に好ましい。

0044

芳香族モノカルボン酸(C)は、特にニトロ安息香酸を含有することが好ましい。芳香族モノカルボン酸(C)は、2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、3−メチル−4ニトロ安息香酸、2−メチル−3−ニトロ安息香酸、4−メチル−3−ニトロ安息香酸、2−メチル−6−ニトロ安息香酸、3−メチル−2−ニトロ安息香酸、2−メチル−5−ニトロ安息香酸、5−メチル−2−ニトロ安息香酸、2−シアノ安息香酸、3−シアノ安息香酸、4−シアノ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸、5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸、3−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸、3−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸、2−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸及び2−ヒドロキシ−5−ニトロ安息香酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することも好ましい。

0045

芳香族モノカルボン酸(C)の融点は200℃以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の構成成分を加熱して溶融しながら混合することで組成物(X)を調製する際に、加熱温度をそれほど上昇させなくても混合が可能となる。そのため、芳香族モノカルボン酸(C)がニトロ安息香酸を含有する場合、ニトロ安息香酸は2−ニトロ安息香酸と3−ニトロ安息香酸のうち少なくとも一方のみを含有することが好ましい。芳香族モノカルボン酸(C)が200℃以上の融点を有する4−ニトロ安息香酸は含有してもよいが、その場合、構成成分を十分に混合するためには、構成成分中の4−ニトロ安息香酸以外の以外の成分の種類、配合量等が制約を受ける。

0046

組成物(X)が芳香族モノカルボン酸(C)を含有するから、組成物(X)から作製される封止材62がメッキ層54を備えるリードフレーム52と高い密着性を有する。この高い密着性は、次の機序によって実現されると推測される。

0047

組成物(X)中の芳香族モノカルボン酸(C)においては、電子吸引性官能基が芳香環の電子吸引するため、図2に示すようにカルボキシル基からプロトンが脱離してカルボン酸陰イオンが生成しやすい。このため、封止材62の作製時に、組成物(X)がリードフレーム52に接触することで図3に示すように芳香族モノカルボン酸(C)がリードフレーム52に近づき、この状態で組成物(X)が加熱されると、図4に示すように置換芳香族モノカルボン酸のカルボキシル基から水素が脱離してカルボン酸陰イオンが生成し、このカルボン酸陰イオンがリードフレーム52を構成する金属と塩を形成しやすい。なお、図3及び図4において、Mはリードフレーム52における金属を示す。そのため、封止材62とリードフレーム52との界面付近に、リードフレーム52と結合した芳香族モノカルボン酸(C)が配置され、あたかもリードフレーム52が芳香族モノカルボン酸(C)からなる皮膜で覆われたようになる。この芳香族モノカルボン酸(C)は、芳香環を有するため、有機物を含む封止材62と親和性が高い。このため、封止材62とリードフレーム52と間の高い密着性が実現されると考えられる。

0048

上記の推測は、次の試験結果によって裏付けられる。芳香族モノカルボン酸(C)の一例として3−ニトロ安息香酸を選択し、この3−ニトロ安息香酸と銀粉末を混合して得られた混合物を、銀製の板の表面に滴下した。この板上の混合物を175℃で30秒加熱した。加熱前の混合物と加熱後の混合物に対し、拡散反射フーリエ変換赤外分光法による分析実施した。これにより得られたチャート図5に示す。図5中の実線は加熱前のチャートを、破線は加熱後のチャートを、それぞれ示す。加熱後のチャートでは、加熱前のチャートと比べて、符号10で示されるカルボン酸由来するピークの強度が増大しているとともに、符号20で示されるカルボニル骨格に由来するピークが高波数側へシフトしている。この結果は、加熱後ではカルボン酸の塩が増大していることを示している。これは、加熱されることで芳香族モノカルボン酸(C)が銀製の板に結合し、カルボン酸の塩が生成したためであると考えられる。

0049

上記の機序で封止材62がリードフレーム52と高い密着性を有するためには、芳香族モノカルボン酸(C)のpKaは高すぎないことが好ましい。具体的には、芳香族モノカルボン酸(C)のpKaは4以下であることが好ましい。pKaが4以下であれば、芳香族モノカルボン酸(C)におけるカルボキシル基は容易に陰イオン化して、リードフレーム52を構成する金属と塩を形成しやすくなる。pKaが3.4以下であれば特に好ましい。

0050

なお、上述の推論は、芳香族モノカルボン酸(C)がニトロ基を有する場合の分析に基づくが、芳香族モノカルボン酸(C)がシアノ基又はヒドロキシル基を有する場合でも、同様の推論が成り立つ。

0051

エポキシ樹脂(A)と芳香族モノカルボン酸(C)における電子吸引性官能基との反応性は低いことが好ましい。この場合、組成物(X)を加熱しても、芳香族モノカルボン酸(C)がエポキシ樹脂(A)と反応することで固定されてしまうことが抑制される。このため、芳香族モノカルボン酸(C)がリードフレーム52を構成する金属と塩を形成しやすくなる。従って、エポキシ樹脂(A)と電子吸引性置換基との反応性が低くなるように、エポキシ樹脂(A)と電子吸引性置換基との組合せを選択することが好ましい。

0052

本実施形態では、上述のように組成物(X)が密着性向上のために芳香族モノカルボン酸(C)を含有しても、組成物(X)のゲルタイムが長くなりにくい。これは、芳香族モノカルボン酸(C)がカルボキシル基を一つだけ有するため、芳香族モノカルボン酸(C)からのプロトンの放出量が過大ではないためであると推察される。これについて、より詳しく説明する。プロトンは組成物(X)中の塩基性の硬化促進剤(E)を失活させるため、ゲルタイムの長大化の原因となりえる。しかし、本実施形態では、芳香族モノカルボン酸(C)はカルボキシル基を一つしか有さないため、芳香族モノカルボン酸(C)からのプロトンの放出量は多くない。このため、プロトンによる硬化促進剤(E)の失活が抑制され、その結果、ゲルタイムが長くなりにくいと考えられる。

0053

プロトンによる硬化促進剤(E)の失活を抑制するためには、組成物(X)が芳香族モノカルボン酸(C)以外のカルボン酸、例えば電子吸引性官能基を有する芳香族多価カルボン酸、を含有しないことが好ましい。組成物(X)が芳香族モノカルボン酸(C)以外のカルボン酸含有する場合でも、芳香族モノカルボン酸(C)以外のカルボン酸が組成物(X)全体に対して0.3質量%以下であることが好ましい。

0054

芳香族モノカルボン酸(C)の量は、組成物(X)に対して0.001〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。芳香族モノカルボン酸(C)の量が0.001質量%以上であると、封止材62とリードフレーム52との密着性が特に高くなる。芳香族モノカルボン酸(C)の量が0.5質量%以下であると、プロトンによる硬化促進剤(E)の失活が特に抑制され、ゲルタイムが長くなることが特に抑制される。

0055

組成物(X)は、イオントラップ剤(D)を含有することが好ましい。イオントラップ剤(D)は、組成物(X)中の塩素イオンといった遊離イオン捕捉する機能を有する。

0056

さらに、組成物(X)が芳香族モノカルボン酸(C)とともにイオントラップ剤(D)を含有すると、封止材62とリードフレーム52との密着性が更に向上しうる。イオントラップ剤(D)がイオン交換性を有するイオントラップ剤を含有する場合には、その効果が著しい。その理由の一つは、イオントラップ剤(D)が組成物(X)のpHを5.0〜7.5の間に維持でき、そのことが、芳香族モノカルボン酸(C)が封止材62をリードフレーム52に密着させる作用を、高めるためであると、推察される。

0057

組成物(X)のpHは、例えば次のように測定される。組成物(X)を、金型温度170℃で成形して、直径60mm、厚み2mmの円盤状の成形体を作製し、この成形体を更に175℃で6時間加熱する。この成形体をスタンプミル粉砕してから、150μmのメッシュいにかける。篩いを通過した粉体pH測定用のサンプルとする。このサンプル5gを、テフロン登録商標)製の容器に入れてメタノール4mLで湿らせた後、容器にイオン交換水46mLを加えてから120℃で24時間加熱する。これによりpH測定用検液を得る。この検液の温度を25℃±1℃に保った状態で、検液のpHをpHメーターで測定する。この測定結果を、組成物(X)のpHと見做せる。

0058

イオントラップ剤(D)が組成物(X)のpHを調整するメカニズムを説明する。

0059

図6A及び図6Bは、イオントラップ剤(D)が、Cl-といった陰イオン72を捕捉して組成物(X)のpHを高くする様子を示す模式図である。図6Aは、陰イオン72を吸着する前のイオントラップ剤(D)を示す模式図である。図6A及び図6B中で、イオントラップ剤(D)は符号70で示される。図6Aでは、イオントラップ剤(D)がOH基76を捕捉している。図6Aにおいて、イオントラップ剤(D)の周囲には、陰イオン72が存在する。図6Bは、陰イオン72を捕捉した状態のイオントラップ剤(D)を示す。

0060

イオントラップ剤(D)が金属水酸化物である場合の、イオントラップ剤(D)が組成物(X)のpHを調整するイオン交換反応について説明する。

0061

イオントラップ剤(D)の陽イオン交換反応は、例えば下記式(4)又は(5)で示される。式(4)及び(5)において、Tはイオントラップ剤(D)であり、M+は陽イオンである。式(4)又は(5)の反応によって組成物(X)のpHは低くなる。この陽イオン交換反応は、塩基性環境下で進みやすい。このため、陽イオン交換反応によって、組成物(X)pHの上昇が抑制される。

0062

T−OH +M+ → T−OM + H+ (4)
T−OH +M+ + OH- → T−OM + H2O (5)
イオントラップ剤(D)の陰イオン交換反応は、例えば下記式(6)又は(7)で示される。式(6)及び(7)において、Tはイオントラップ剤(D)であり、A-は陰イオンである。式(6)又は(7)の反応によって組成物(X)のpHは高くなる。陰イオン交換反応は、酸性環境下で進みやすい。このため、陰イオン交換反応によって、組成物(X)のpHの低下が抑制される。

0063

T−OH + A- → R−A + OH- (6)
T−OH + A- +H+ → R−OH2・A (7)
上記のように、塩基性環境下では式(4)又は(5)に示す反応が優位であり、酸性環境下では式(6)又は(7)に示す反応が優位であることで、組成物(X)のpHが調整される。これにより、イオントラップ剤(D)が組成物(X)のpHを5.0〜7.5の範囲内、好ましくは6.0〜6.5の範囲内、に調整することが可能である。

0064

組成物(X)のpHが与える影響について詳しく説明する。

0065

組成物(X)のpHが5.0未満では、芳香族モノカルボン酸(C)による封止材62をリードフレームに密着させる作用が、低下する。その理由は、pHが5.0未満では封止材62中に含まれるプロトン(H+)の量が過剰であり、そのために芳香族モノカルボン酸(C)とリードフレーム52中の金属Mとの反応(図3及び4参照)が進みにくくなるからだと推察される。

0066

組成物(X)のpHが7.5より高いと、封止材62中のMg2+、Ca2+、Na+といったカチオンが増加する。封止材62中のカチオンは、芳香族モノカルボン酸(C)とリードフレーム52中の金属Mとの反応(図3及び4参照)を阻害し、そのことが、封止材62と金属表面との密着力の低下を招くと推察される。

0067

それに対し、組成物(X)のpHが5.0〜7.5の範囲内、好ましくは6.0〜6.5の範囲内であると、芳香族モノカルボン酸(C)と金属表面との反応性が高くなる。

0068

組成物(X)に対する、イオントラップ剤(D)の量は、0.05〜0.6質量%の範囲内であることが好ましい。このイオントラップ剤(D)の量が0.05質量%以上であると、イオントラップ剤(D)によるpH調整機能が高まる。イオントラップ剤(D)の量が0.6質量%より多くても、イオントラップ剤(D)のpH調整機能の増大は得られない。

0069

イオントラップ剤(D)は、炭酸イオンと水酸物イオンとのうち少なくとも一方を有する化合物を含有することが好ましい。この場合、イオントラップ剤(D)は、組成物(X)のpHを調整する上記のようなイオン交換反応を生じさせることができる。

0070

イオントラップ剤(D)は、アルミニウム及びマグネシウムの化合物を含有することも好ましい。

0071

イオントラップ剤(D)は、金属元素含水酸化物を含有することも好ましい。金属元素の含水酸化物は、例えばアルミニウムの含水酸化物、ビスマスの含水酸化物、チタンの含水酸化物、及びジルコニウムの含水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。

0072

イオントラップ剤(D)は、特にハイドロタルサイト系化合物を含有することが好ましい。ハイドロタルサイト系化合物の代表的な構造の例は、[M2+1-xM3+x(OH)2][An-x/n・mH2O]である。

0073

ハイドロタルサイト系化合物が、炭酸イオンと水酸物イオンとのうち少なくとも一方を有するアルミニウム及びマグネシウムの含水酸化物であれば、特に好ましい。この場合、イオントラップ剤(D)は、特に高いイオントラップ性能を有することができる。このようなハイドロタルサイト系化合物の例は、Mg−Al−CO3系ハイドロタルサイト系化合物を含む。Mg−Al−CO3系ハイドロタルサイト系化合物の代表的な構造の例は、[Mg1-xAlx(OH)2]x+[(CO3)x/2・mH2O]x-である。

0074

なお、Bi系イオントラップ剤は、組成物(X)を酸性にしやすく、吸着型のイオントラップ剤は、イオン交換性を有するイオントラップ剤と比較して、トラップした陰イオンを脱離させやすい。このため、イオントラップ剤(D)はBi系イオントラップ剤及び吸着型のイオントラップ剤を含有しないことが好ましい。

0075

ハイドロタルサイト系化合物の、25℃から800℃まで20℃/分の昇温速度で加熱された場合の重量減少率は、10〜70%の範囲内であることが好ましい。重量減少率は、市販の熱重量・示差熱測定機(TG−DTA)で測定できる。重量減少率が前記範囲であれば、ハイドロタルサイト系化合物における炭酸イオンと水酸物イオンとのうち少なくとも一方の含有量が高いため、組成物(X)のpHが5.0〜7.5の範囲内に維持されやすい。重量減少率が10〜50%の範囲内であれば、組成物(X)のpHが5.0〜7.5の範囲内に、更に維持されやすい。ハイドロタルサイト系化合物の、層間水の脱水が生じる温度領域(例えば、180℃〜210℃)を除く温度領域(例えば、220℃〜600℃、あるいは220℃〜800℃)での重量減少率が10%以上であればより好ましく、15%以上であれば更に好ましく、20%以上であれば特に好ましい。

0076

組成物(X)中のハイドロタルサイト系化合物は、例えばイオンクロマトグラフ法で検出できる。組成物(X)中のハイドロタルサイト系化合物の量が200ppm以上であれば、ハイドロタルサイト系化合物をイオンクロマトグラフ法で検出可能である。組成物(X)中のハイドロタルサイト系化合物の量が200ppm以上であれば、組成物(X)のpHを5.0〜7.5の範囲内に維持する効果が十分に得られうる。

0077

上述の通り、組成物(X)は硬化促進剤(E)を含有することが好ましい。硬化促進剤(E)は、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールとったイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン類;2−(ジメルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミンベンジルジメチルアミントリエタノールアミンジメチルアミノエタノールトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールといった第3級アミン類トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィントリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンとパラベンゾキノン付加反応物フェニルホスフィンといった有機ホスフィン類テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレートテトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートといったテトラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレート;ボレート以外の対アニオンを持つ4級ホスホニウム塩;並びに2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートとったテトラフェニルボロン塩、からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。硬化促進剤(E)は、ハロゲン及び硫黄元素を含まないことが好ましい。硬化促進剤(E)がイミダゾールを含有すると、イミダゾールは硬化剤としても機能できる。

0078

硬化促進剤(E)は、例えば、組成物(X)に対して0.001〜0.5質量%の範囲内である。

0079

組成物(X)は、無機充填材(F)を含有することが好ましい。無機充填材(F)は、例えば溶融球状シリカ等の溶融シリカ結晶シリカアルミナ及び窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。組成物(X)に無機充填材(F)を含有させることで、封止材62の熱膨張係数を調整できる。特に無機充填材(F)が溶融シリカを含有することが好ましい。この場合、組成物(X)中の無機充填材(F)の高い充填性と、成形時の組成物(X)の高い流動性とが得られる。無機充填材(F)がアルミナ、結晶シリカ及び窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することも好ましく、この場合、封止材62の高い熱伝導性が得られる。

0080

無機充填材(F)の平均粒径は例えば0.2〜70μmの範囲内である。平均粒径が0.5〜20μmの範囲内であれば、組成物(X)の成形時に特に良好な流動性が得られる。なお、平均粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定値から算出される体積基準メディアン径であり、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて得られる。

0081

無機充填材(F)は、成形時の組成物(X)の粘度、封止材62の物性等の調整のために、平均粒径の異なる二種以上の成分を含有してもよい。

0082

無機充填材(F)は、組成物(X)全量に対して60〜93質量%の範囲内であることが好ましい。無機充填材(F)が少なすぎると封止材62の線膨張係数が大きくなるためリフロー時等の半導体装置1の反りが大きくなるおそれがある。一方、無機充填材(F)が多すぎると組成物(X)の十分な流動性が確保されず、成形時にワイヤースイープが大きくなる場合がある。

0083

組成物(X)は、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤は、無機充填材(X)とエポキシ樹脂(A)及びフェノール化合物(B)との親和性を向上させうる。カップリング剤は、リードフレーム52に対する封止材62の密着性も向上させうる。

0084

カップリング剤は、例えばシランカップリング剤チタネートカップリング剤アルミニウムカップリング剤、及びアルミニウム/ジルコニウムカップリング剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。シランカップリング剤は、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等といったグリドキシシラン;N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランといったアミノシランアルキルシランウレイドシラン;並びにビニルシラン、からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。

0085

無機充填材(F)とカップリング剤の合計量に対して、カップリング剤の量は、0.1〜2.0質量%の範囲内が好ましい。

0086

エポキシ樹脂(A)はニトロ基を有しないことが好ましく、フェノール化合物(B)もニトロ基を有しないことが好ましい。この場合、組成物(X)中に存在するニトロ基の合計量が過剰に多くなることが抑制され、ニトロ基によって封止材62の電気特性が悪化することが抑制されうる。また、フェノール化合物(B)がニトロ基を有しないと、フェノール化合物(B)の求核性がニトロ基によって低下させられることがない。このため、エポキシ樹脂(A)に対するフェノール化合物(B)の良好な反応性が維持され、ゲルタイムが長くなることが特に抑制される。

0087

組成物(X)がイオントラップ材(E)を含有する場合は、イオントラップ材(E)もニトロ基を有さないことが好ましい。組成物(X)が無機充填材(F)を含有する場合は、無機充填材(F)もニトロ基を有さないことが好ましい。れらの場合、封止材62の電気特性が悪化することが特に抑制されうる。

0088

組成物(X)は、本実施形態の効果を損なわない範囲内において、上記成分以外の添加剤を含有してもよい。添加剤の例は、離型剤難燃剤着色剤、及び低応力化剤を含む。

0089

離型剤は、例えばカルナバワックスステアリン酸モンタン酸カルボキシル基含有ポリオレフィンエステルワックス酸化ポリエチレン、及び金属石鹸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0090

難燃剤は、例えば、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム及び赤リンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0091

着色剤は、例えば、カーボンブラックベンガラ酸化チタンフタロシアニン及びペリレンブラックからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0092

低応力化剤は、例えば、シリコーンエラストマーシリコーンレジンシリコーンオイル及びブタジエン系ゴムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することができる。ブタジエン系ゴムは、例えばアクリル酸メチルブタジエンスチレン共重合体及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体のうち少なくとも一方の成分を含有できる。

0093

上記のような組成物(X)の構成成分を混合することで、組成物(X)を調製できる。より具体的には、例えばエポキシ樹脂(A)、フェノール化合物(B)、芳香族モノカルボン酸(C)、無機充填材(F)及び硬化促進剤(E)を含む構成成分を、ミキサーブレンダーなどで十分均一になるまで混合し、続いて熱ロールニーダーなどの混練機により加熱されている状態で溶融混合してから、室温に冷却する。これにより得られた混合物を公知の手段で粉砕することで、粉体状の組成物(X)を製造できる。組成物(X)は粉体状でなくてもよく、例えばタブレット状であってもよい。タブレット状である場合の組成物(X)は成形条件に適した寸法と質量を有することが好ましい。

0094

組成物(X)は、25℃で固体であることが好ましい。この場合、組成物(X)を射出成形法、トランスファ成形法、圧縮成形法などの加圧成形法で成形することで、封止材62を得ることができる。組成物(X)が15〜25℃の範囲内のいずれの温度でも固体であればより好ましく、5〜35℃の範囲内のいずれの温度でも固体であれば特に好ましい。

0095

組成物(X)が固体であるためには、エポキシ樹脂(A)及びフェノール化合物(B)が固体であることが好ましい。なお、エポキシ樹脂(A)及びフェノール化合物(B)に液状の成分が含まれているなどして、組成物(X)に液状の成分が含まれていても、組成物(X)中の固体状の成分が液状の成分を吸収するなどにより、組成物(X)が全体として固体とみなされるならばよい。

0096

組成物(X)の25℃での弾性率は、0.3MPa以上であることが好ましい。この場合、組成物(X)を射出成形法、トランスファ成形法、圧縮成形法などの加圧成形法で成形しやすい。弾性率は0.3〜350000MPaの範囲内であることが好ましい。なお、組成物(X)の弾性率は、組成物(X)の組成を本実施形態の範囲内で適宜設定することで制御できる。

0097

組成物(X)の120℃でのスパイラルフロー長さがは1cm以上であることが好ましい。この場合、組成物(X)の成形時の流動性が良好になる。このスパイラルフロー長さが1〜200cmの範囲内であることが好ましい。組成物(X)の160℃でのスパイラルフロー長さが20〜250cmの範囲内であることも好ましい。この場合、成形時の組成物(X)の流動性の悪化に起因する封止材62の未充填、いわゆるウェルドボイド、が発生しにくいと共に、成形時に半導体素子50とリードフレーム52を接続しているワイヤ56がダメージを受けにくい。なお、組成物(X)のスパイラルフロー長さは、組成物(X)の組成を本実施形態の範囲内で適宜設定することで制御できる。

0098

組成物(X)のゲルタイムは、10〜100秒の範囲内であることが好ましい。この場合、封止材62を作製する場合の成形サイクルが特に短くなり、半導体装置1の生産性が特に高くなる。なお、ゲルタイムは、JSRトレーディング株式会社製のキュラストメータVPS型を用いて、組成物(X)を175℃で加熱しながらトルクを測定した場合に、加熱開始時からトルクの測定値が0.05(N/m)に達するまでに要する時間と定義される。

0099

組成物(X)から作製された封止材62を備える半導体装置1、及びその製造方法の例について説明する。

0100

半導体装置1は、例えばMini、Dパック、D2パック、To22O、To3P、デュアルインラインパッケージDIP)といった、挿入型パッケージ、又はクワッドフラット・パッケージ(QFP)、スモールアウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)といった、表面実装型のパッケージである。

0101

図1に、本実施形態における半導体装置1の断面図を示す。この半導体装置1は、金属製のリードフレーム52と、リードフレーム52に搭載されている半導体素子50と、半導体素子50とリードフレーム52とを電気的に接続するワイヤ56と、半導体素子50を封止する封止材62とを備える。

0102

本実施形態では、リードフレーム52は、ダイパッド58、インナーリード521及びアウターリード522を備える。リードフレーム52は、例えば銅製又は42アロイなどの鉄合金製である。リードフレーム52はメッキ層54を備えることが好ましい。この場合、リードフレーム52の腐食が抑制される。メッキ層54は、銀、ニッケル及びパラジウムのうち少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。メッキ層54は、銀、ニッケル及びパラジウムのうちいずれか一種の金属のみを含んでもよく、銀、ニッケル及びパラジウムのうち少なくとも一種の金属を含む合金を含んでもよい。メッキ層54が積層構造を有してもよく、具体的には例えばパラジウム層ニッケル層及び金層からなる積層構造を有してもよい。メッキ層54の厚みは例えば1〜20μmの範囲内であるが、特にこれに制限されない。

0103

リードフレーム52のダイパッド58上に半導体素子50を適宜のダイボンド材60で固定する。これによりリードフレーム52に半導体素子50を搭載する。半導体素子50は、例えば集積回路大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタダイオード又は固体撮像素子である。半導体素子50は、SiC、GaN等の新規パワーデバイスであってもよい。

0104

続いて、半導体素子50とリードフレーム52におけるインナーリード521とを、ワイヤ56で接続する。ワイヤ56は、金製でもよいが、銅と銀のうち少なくとも一方を含んでもよい。例えばワイヤ56は銀製又は銅製でもよい。ワイヤ56が銅と銀のうち少なくとも一方を含む場合、ワイヤ56はパラジウムなどの金属の薄膜でコートされていてもよい。

0105

続いて、組成物(X)を成形することで、半導体素子50を封止する封止材62を形成する。封止材62はワイヤ56も封止している。封止材62はダイパッド58及びインナーリード521も封止し、そのため封止材62は、リードフレーム52と接しており、リードフレーム52がメッキ層54を備える場合はメッキ層54と接している。

0106

封止用組成物を加圧成形法で成形することで封止材62を作製することが好ましい。加圧成形法は、例えば射出成形法、トランスファ成形法又は圧縮成形法である。

0107

封止材62をトランスファ成形法で作製する方法の一例を、図7A及び図7Bに概略的に示す。この例では、半導体素子50が搭載されたリードフレーム52を、図7Aに示すようにトランスファ成形用の金型31内に配置する。この状態で符号4で示す組成物(X)を加熱して溶融させてから金型31内に射出する。金型31内で組成物(X)を更に加熱することで、組成物(X)を硬化させる。これにより、封止材62が作製され、リードフレーム52、半導体素子50、ワイヤ56及び封止材62を備える半導体装置1が得られる。続いて金型31を開いて、図7Bに示すように金型31から半導体装置1を取り出す。

0108

封止材62を圧縮成形法で作製する方法の一例を、図8A及び図8Bに概略的に示す。この例では、図8Aに示すように、圧縮成形用の金型32を構成する上型33と下型34との間に、半導体素子50が搭載されたリードフレーム52と符号4で示す組成物(X)とを配置する。続いて、上型33と下型34とを加熱しながら、上型33と下型34とを近づける。これにより組成物(X)を金型32内で加圧しながら加熱することで硬化させる。これにより、封止材62が作製され、リードフレーム52、半導体素子50、ワイヤ56及び封止材62を備える半導体装置1が得られる。続いて金型32を開いて、図8Bに示すように金型32から半導体装置1を取り出す。

0109

組成物(X)を加圧成形方で成形する際の成形圧力は3.0MPa以上であることが好ましく、成形温度は120℃以上であることが好ましい。この場合、未充填、いわゆるウェルドボイドや内部ボイド、が少なく均一な封止材62で半導体素子50が封止された、半導体装置1を得ることができる。

0110

特にトランスファ成形法の場合は、金型への組成物(X)の注入圧力が3MPa以上であることが好ましく、4〜710MPaの範囲内であれば更に好ましい。また、加熱温度(金型温度)は120℃以上であることが好ましく、160〜190℃の範囲内であれば更に好ましい。また、加熱時間は30〜300秒の範囲内であることが好ましく、60〜180秒の範囲内であれば更に好ましい。

0111

トランスファ成形法では、金型内で封止材62を作製した後、金型を閉じたままで封止材62を加熱することにより後硬化ポストキュア)を行ってから、金型を開いて半導体装置1を取り出すことが好ましい。後硬化のための加熱条件は、例えば加熱時間が160〜190℃の範囲内、加熱時間が2〜8時間の範囲内である。

0112

圧縮成形の場合は、圧縮圧力が3MPa以上であることが好ましく、5.0〜10MPaの範囲内であれば更に好ましい。加熱温度(金型温度)は120℃以上であることが好ましく、150〜185の範囲内であれば更に好ましい。加熱時間は60〜300秒の範囲内であることが好ましい。

0113

本実施形態で得られた半導体装置1では、組成物(X)が硫黄化合物を含まず或いは硫黄化合物の含有量が低いにもかかわらず、リードフレーム52がメッキ層54を備えていても、封止材62はリードフレーム52と高い密着性を有する。このため、半導体装置1が加熱された場合及び半導体装置1に振動が加えられた場合でも、リードフレーム52から封止材62が剥離しにくい。

0114

また、組成物(X)が硫黄化合物を含まず或いは硫黄化合物の含有量が低いため、高温下及び高湿下であっても、封止材62に接するワイヤ56が腐食されにくい。このため高温下及び高湿下で半導体装置1に導通不良及び断線が生じにくく、このため半導体装置1は高い信頼性を有する。

0115

また、組成物(X)には、密着性向上に伴うゲルタイムの長大化が起こりにくいため、封止材62の作製時における成形サイクルの短縮化が可能であり、このため半導体装置1の生産効率を高くできる。

0116

以下に、実施例により本実施形態の効果を更に詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるない。

0117

[組成物の調製]
後掲の表1,2の「組成」の欄に示す成分を配合し、ミキサーで均一に混合分散してから、ニーダーで100℃で加熱混練し、得られた混合物を冷却してから粉砕した。これにより得られた粉体を打錠することで、タブレット状の組成物を得た。

0118

組成物の拡散反射フーリエ変換赤外分光法による分析を実施したところ、実施例ではニトロ基に由来するピークが確認されたのに対し、比較例ではニトロ基に由来するピークは確認できなかった。

0119

なお、表1,2に示す成分の詳細は次の通りである。
・エポキシ樹脂A:式(1)に示す構造を有し、式(1)中のnが平均1.0〜1.5、mが平均1.0〜3.0であるエポキシ樹脂、日本化薬製品番NC3000、エポキシ当量284。
・エポキシ樹脂B:式(1)に示す構造を有し、式(1)中のnが平均2.0〜3.5、mが平均1.0〜3.0であるエポキシ樹脂、日本化薬製、品番NC−3500、エポキシ当量209。
・エポキシ樹脂C:ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学製、品番YX4000、エポキシ当量186。
フェノール化合物A:式(2)に示す構造を有し、式(2)中のnが平均1.0〜2.0、mが平均1.0〜3.0であるフェノール化合物、明和化成製、品番MEH−7851SS
フェノール化合物B:式(2)に示す構造を有し、式(2)中のnが平均1.5〜2.5、mが平均1.0〜3.0であるフェノール化合物、明和化成製、品番MEH−7403H。
フェノール化合物C:フェノールアラルキル型フェノール樹脂、明和化成製、品番MEH7800−3L。
フェノール化合物D:フェノールノボラック樹脂、明和化成製、品番H−1M。
・3−ニトロ安息香酸:東京化成工業製、融点141〜144℃。
・4−シアノ安息香酸:東京化成工業製、融点218〜225℃。
・イオントラップ剤A:Mg−Al−CO3系ハイドロタルサイト系化合物、協和化学工業株式会社、品番DHT−4H。
イオントラップ剤B:Mg−Al−CO3系ハイドロタルサイト系化合物 東亜合成株式会社IXE770D。
イオントラップ剤C:アンチモンビスマス系イオントラップ材 東亜合成株式会社IXE600
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン、興化学工業製。
充填材球状溶融シリカ電気化学工業製、品番FB940。
・シランカップリング剤A:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン信越シリコーン製、品番KBM803。
・シランカップリング剤B:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン製、品番KBM573。
・離型剤:カルナバワックス。
顔料:三菱化学製、品番MA600。

0120

評価試験
組成物に対し、次の評価試験を実施した、これらの結果は後掲の表1,2に示す。

0121

(1)SO3換算硫黄量評価
組成物に対して蛍光X線分析を実施し、その結果に基づいて、組成物の硫黄含有量を、SO3換算量として算出した。

0122

(2)ゲルタイム評価
JSRトレーディング株式会社製のキュラストメータVPS型を用いて、組成物を175℃で加熱しながらトルクを測定した。加熱開始時からトルクの測定値が0.05(N/m)に達するまでに要した時間を調査し、この時間をゲルタイムとした。

0123

(3)Cu密着性評価
金型を用い、組成物をトランスファ成形法で金型温度175℃、注入圧力7.0MPa、硬化時間120秒の条件で成形することで、銅合金(株式会社神戸製鋼所製、品名KFC−H)製の基板の上に硬化物を作製した。硬化物と基板との間の密着力を、Dage社製のボンドテスターで測定した。なお、リードフレームが銀を含むメッキ層を備える場合に、半導体装置のリフロー時に封止材がリードフレームから剥離しにくくなるためには、本評価における密着力が25MPa以上であることが好ましい。

0124

(4)Ag密着性評価
基板に銀メッキを施した以外は、上記「Cu密着性評価」の場合と同じ方法で評価を行った。

0125

(5)耐リフロー性評価
銅製であって部分的に銀メッキ層を備えるリードフレームに半導体素子を搭載し、リードフレーム上で組成物をマルチトランスファプレス(アピックヤマダ製)を用いてトランスファ成形法で金型温度175℃、注入圧力7.0MPa、硬化時間120秒の条件で成形することで封止材を作製した。続いて封止材を175℃で6時間加熱することでポストキュアを行った。これにより、半導体装置として28mm×28mmの寸法の矩形状のLQFP(ロー・プロファイルクアッド・フラット・パッケージ)を得た。この半導体装置を恒温恒湿機で制御された60℃、60%RHの雰囲気中に120時間放置することで、吸湿処理を行った。続いて、遠赤外線リフロー炉を用いて、半導体装置にピーク温度265℃の条件でリフロー処理を施した。続いて、超音波探査装置を用いて半導体装置における封止材とリードフレームとの間の剥離の有無を確認した。剥離が確認されない場合を「良」、剥離が確認された場合を「不良」と評価した。

0126

(6)信頼性評価
銅合金(株式会社神戸製鋼所製、品名KFC−H)製で部分的に銀メッキ層を備えるリードフレームに半導体素子を搭載し、リードフレームと半導体素子とを銅製のワイヤで接続した。続いて、組成物をトランスファ成形法で金型温度175℃、注入圧力7.0MPa、硬化時間120秒の条件で成形することで封止材を作製した。これにより半導体装置としてDIP16pinを作製した。この半導体装置を乾燥機に配置して250℃に2000時間保ちながら、半導体装置の端子間の電気抵抗を測定した。電気抵抗の測定値が初期値の1.5倍になるまでに要した時間を調査した。なお、2000時間経過しても電気抵抗値が初期値の1.5倍に達しなかった場合は、「良」と評価した。

0127

(7)信頼性評価B
銅合金(株式会社神戸製鋼所製、品名KFC−H)製で部分的にAgメッキ層を備えるリードフレームに半導体素子を搭載し、リードフレームと半導体素子とを銅製のワイヤで接続した。続いて、組成物をトランスファ成形法で金型温度175℃、注入圧力7.0MPa、硬化時間120秒の条件で成形することで封止材を作製した。これにより半導体装置としてDIP16pinを作製した。この半導体装置に、130℃、85%RHの条件でバイアスなし高度加速ストレス試験(UHAST)を2000時間実施しながら、半導体装置の端子間の電気抵抗を測定し、電気抵抗の測定値が初期値の1.5倍になるまでに要した時間を調査した。なお、2000時間経過しても電気抵抗値が初期値の1.5倍に達しなかった場合は、「良」と評価した。

0128

実施例

0129

0130

1半導体装置
50半導体素子
52リードフレーム
54メッキ層
56ワイヤ
62 封止材

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