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技術 鉄道車両

出願人 日本車輌製造株式会社
発明者 藤井忠佐藤永次鈴木恭平佐藤哲郎菅野浩之森優智
出願日 2017年10月24日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2017-205059
公開日 2018年4月12日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2018-058583
状態 特許登録済
技術分野 防音、遮音、音の減衰 鉄道車両の細部
主要キーワード 圧縮タンク 始発位置 軌道付近 予測圧力 締切弁 開放度合い 先頭形状 目標値メモリ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

鉄道車両トンネル突入時に生じる、トンネル微気圧波を低減できる鉄道車両を提供すること。

解決手段

車両1先頭吹出口13から圧縮空気を吹き出すと、吹き出された圧縮空気は、車両1先頭に空気層51を形成し、その結果、車両1の先頭形状見かけ上大きくなる。車両1先頭の空気層51がトンネル入口50へ進入すると(c)、トンネル内の空気は、その空気層51に押されて、車両1単独の場合より早いタイミングでトンネル奥への急激な移動を開始する(72)。その後、車両1先頭がトンネル入口50に差し掛かかるタイミングで(d)、各流量弁12を順次閉じる。すると、車両1先頭の空気層51は消失し、それに伴って、車両1先頭の見かけ上の大きさも小さくなる。これにより、実際の車両1先頭がトンネル入口50に進入した場合に生じるトンネル微気圧波を効果的に低減できる(e)。

概要

背景

鉄道車両トンネル突入する際に、トンネル微気圧波圧縮波)が発生する。詳細には、鉄道車両がトンネルに突入する場合、トンネル内の空気を先頭車両が押し込むように圧縮し、これが圧縮波となってトンネル内をほぼ音速で前方へ伝播する。この圧縮波がトンネル微気圧波であり、トンネル出口爆発音となって外部へ放出される。このため、トンネルの出口付近では爆発音とともに微振動等が生じ、出口周辺の家を振動させるなどの現象を引き起こすことから、その低減が求められている。

特許文献1には、先頭車両1の先頭部分に、空気吸入手段6と、空気タンク9と、その空気を排気する排気部11とを設け、先頭車両がトンネルに突入した場合に、空気を吸入し、その空気をトンネル内走行時に排気することで、車両先頭部に生じる圧力を低下させ、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。特許文献2には、先頭車両の先頭部に吸込口2を設け、その吸込口2から吸い込まれた空気を、車両内を通るダクト4によって車両後方に設けられた吐出口3から排出することで、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。特許文献3には、車両先頭部の形状を最適化して、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。

概要

鉄道車両のトンネル突入時に生じる、トンネル微気圧波を低減できる鉄道車両を提供すること。 車両1先頭吹出口13から圧縮空気を吹き出すと、吹き出された圧縮空気は、車両1先頭に空気層51を形成し、その結果、車両1の先頭形状見かけ上大きくなる。車両1先頭の空気層51がトンネル入口50へ進入すると(c)、トンネル内の空気は、その空気層51に押されて、車両1単独の場合より早いタイミングでトンネル奥への急激な移動を開始する(72)。その後、車両1先頭がトンネル入口50に差し掛かかるタイミングで(d)、各流量弁12を順次閉じる。すると、車両1先頭の空気層51は消失し、それに伴って、車両1先頭の見かけ上の大きさも小さくなる。これにより、実際の車両1先頭がトンネル入口50に進入した場合に生じるトンネル微気圧波を効果的に低減できる(e)。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、トンネル微気圧波を低減できる鉄道車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両と、その車両に設けられ、圧縮気体を収容するタンクと、そのタンクに連通されると共に、前記車両の先頭部分に複数形成され、前記タンク内の圧縮気体を前記車両の先頭部分から吹き出す複数の吹出口と、その複数の吹出口にぞれぞれ設けられ、その吹出口からの前記圧縮気体の吹き出しと停止とをそれぞれ切り替え開閉弁と、前記車両の先頭トンネルの入口に差し掛かった場合に、前記開閉弁を開放して、その開放された吹出口より圧縮気体を吹き出し、前記車両の先頭がトンネルに突入した場合に、前記開閉弁を閉鎖して、その閉鎖された吹出口からの圧縮気体の吹き出しを停止する吹出制御手段とを備えていることを特徴とする鉄道車両

請求項2

前記トンネル毎に設けられ、そのトンネルに前記車両が所定速度で進入した場合に、そのトンネル内に生じると予測される予測圧力波形を記憶する予測圧力波形記憶手段と、前記車両の速度を検出する速度検出手段とを備え、前記吹出制御手段は、前記車両の先頭がトンネルの入口に差し掛かった場合に、前記予測圧力波形記憶手段に記憶される予測圧力波形と、前記速度検出手段により検出される車速とに基づいて、複数の前記開閉弁を開放して、複数の前記吹出口から吹き出される圧縮気体の量を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。

請求項3

前記トンネル毎に設けられ、そのトンネルを前記車両が走行する場合の標準速度を記憶する標準速度記憶手段を備え、前記予測圧力波形記憶手段は、その標準速度記憶手段に記憶される標準速度で、当該トンネルに前記車両が進入した場合に生じると予測される予測圧力波形を記憶するものであり、前記吹出制御手段は、前記車両の先頭がトンネルの入口に差し掛かった場合に、前記速度検出手段により検出された車速と前記標準速度記憶手段に記憶される当該トンネルの標準速度とに基づいて、前記予測圧力波形を補正する波形補正手段を備え、その補正後の予測圧力波形に基づいて複数の前記吹出口から吹き出される圧縮気体の量を制御するものであることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両。

請求項4

前記吹出制御手段は、開放する開閉弁の数または開度によって、複数の前記吹出口から吹き出される圧縮気体の量を制御するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両。

請求項5

複数の前記吹出口は、前記車両の先頭の周辺に輪状に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鉄道車両。

技術分野

0001

本発明は、鉄道車両に関し、特に、トンネル微気圧波を低減できる鉄道車両に関するものである。

背景技術

0002

鉄道車両がトンネル突入する際に、トンネル微気圧波(圧縮波)が発生する。詳細には、鉄道車両がトンネルに突入する場合、トンネル内の空気を先頭車両が押し込むように圧縮し、これが圧縮波となってトンネル内をほぼ音速で前方へ伝播する。この圧縮波がトンネル微気圧波であり、トンネル出口爆発音となって外部へ放出される。このため、トンネルの出口付近では爆発音とともに微振動等が生じ、出口周辺の家を振動させるなどの現象を引き起こすことから、その低減が求められている。

0003

特許文献1には、先頭車両1の先頭部分に、空気吸入手段6と、空気タンク9と、その空気を排気する排気部11とを設け、先頭車両がトンネルに突入した場合に、空気を吸入し、その空気をトンネル内走行時に排気することで、車両先頭部に生じる圧力を低下させ、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。特許文献2には、先頭車両の先頭部に吸込口2を設け、その吸込口2から吸い込まれた空気を、車両内を通るダクト4によって車両後方に設けられた吐出口3から排出することで、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。特許文献3には、車両先頭部の形状を最適化して、トンネル微気圧波を低減する技術が開示されている。

先行技術

0004

特開2005−225239号公報
特開平11−301472号公報
特開平8−198105号公報

発明が解決しようとする課題

0005

トンネル微気圧波は、トンネル内部の入口(抗口)付近における単位時間当たりの圧力変化率最大値が大きいほど強くなる。かかる最大値は車両速度の3乗に比例して大きくなることから、鉄道車両の速度向上には、トンネル微気圧波の更なる低減が必要となっていた。

0006

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、トンネル微気圧波を低減できる鉄道車両を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

この目的を達成するために本発明の鉄道車両は、車両と、その車両に設けられ、圧縮気体を収容するタンクと、そのタンクに連通されると共に、前記車両の先頭部分に複数形成され、前記タンク内の圧縮気体を前記車両の先頭部分から吹き出す複数の吹出口と、その複数の吹出口にぞれぞれ設けられ、その吹出口からの前記圧縮気体の吹き出しと停止とをそれぞれ切り替え開閉弁と、前記車両の先頭がトンネルの入口に差し掛かった場合に、前記開閉弁を開放して、その開放された吹出口より圧縮気体を吹き出し、前記車両の先頭がトンネルに突入した場合に、前記開閉弁を閉鎖して、その閉鎖された吹出口からの圧縮気体の吹き出しを停止する吹出制御手段とを備えている。

発明の効果

0008

本発明の鉄道車両によれば、車両の先頭がトンネルの入口に差し掛かると、吹出制御手段によって、複数の開閉弁が開放され、その開放された複数の吹出口より圧縮気体が吹き出される。吹き出された圧縮気体により、車両の先頭に気体層が形成され、その結果、車両の先頭形状は、見かけ上、大きなものとなる。車両がこの状態で走行を続けると、車両の先頭より先に気体層の部分がトンネルに突入する。すると、トンネル内の空気は、その気体層によってトンネル奥へ押し込まれ、トンネル奥へ移動を始める。その後、車両の先頭がトンネルに突入するタイミングで、開放されていた開閉弁が吹出制御手段によって閉鎖され、その閉鎖された吹出口からの圧縮気体の吹き出しが停止されると、吹き出された気体層によって大きくなっていた見かけ上の車両の先頭形状は急激に小さくなる。よって、車両先頭のトンネル突入時における、トンネル内の空気の急激な圧縮(即ち急激な圧力上昇)が緩和される。即ち、トンネル内の空気の圧力変化率の最大値が低減されるので、トンネル微気圧波を低減できるという効果がある。

図面の簡単な説明

0009

(a)は、本発明の一実施形態の鉄道車両に設けられる、圧縮空気吹出装置の構成を模式的に表した部分的な断面図であり、(b)は、図1(a)の矢印Ib方向視における、鉄道車両の外観正面図である。
(a)は、圧縮空気の吹出装置の電気的構成を示したブロック図であり、(b)は、トンネル情報テーブルの内容を模式的に表した図であり、(c)は、吹出パターンテーブルの内容を模式的に表した図である。
初期化処理フローチャートである。
圧縮空気吹出処理のフローチャートである。
車両トンネル間距離取得処理のフローチャートである。
(a)は、鉄道車両のトンネル突入時に、トンネル内部に発生するであろう予測圧力波形を示した図である。(b)は、その圧力波形圧力波目標値データ超過した部分の拡大図(実線部)と、その超過部分を打ち消すために必要な吹出制御流量波形点線部)の図である。(c)は、吹出制御流量波形と圧力波形とに基づいて算出された圧縮空気の吹出量パターン図である。
圧縮空気の吹出制御を実行した場合の、トンネル微気圧波の低減効果の説明図である。

実施例

0010

以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施形態の鉄道車両1について説明する。図1(a)は、本実施形態の鉄道車両1に設けられる、圧縮空気の吹出装置10の構成を模式的に表した部分的な断面図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Ib方向視における、鉄道車両1の外観正面図である。

0011

図1(a)に示すように、本実施形態の鉄道車両1は、その先頭車両に、圧縮空気の吹出装置10が設けられている。吹出装置10は、空気を圧縮する空気圧縮機2と、その空気圧縮機2で圧縮された空気を除湿する除湿機3と、その除湿機3で除湿された圧縮空気を収容する圧縮タンク4とを備えている。圧縮タンク4には、タンク圧力計5と、安全弁6と、ドレインバルブ7とがそれぞれ接続されている。

0012

タンク圧力計5は、圧縮タンク4内の圧力を計測する計測装置であり、後述する制御BOX8と接続され、その制御BOX8へ圧縮タンク4内の圧力を出力する。安全弁6は、圧縮タンク4内の圧力が安全領域を超えて大きくなった場合に自動開放されて、圧縮タンク4内の圧力を安全領域に保つための弁である。ドレインバルブ7は、圧縮タンク4内の圧縮空気を圧縮タンク4外へ放出する場合に開放されるバルブである。

0013

圧縮タンク4には排気口9が接続されており、その排気口9は、締切弁11および複数の流量弁12を介して、複数の吹出口13とそれぞれ接続されている。即ち、排気口9は、締切弁11の下流側(反圧縮タンク4側)において複数本分岐され、各分岐された排気口9のぞれぞれに流量弁12が設けられている。排気口9は、更に流量弁12の下流側において、鉄道車両1の先頭に形成された複数の吹出口13とそれぞれ接続されている。よって、締切弁11および流量弁12が開放されると、圧縮タンク4内の空気は、排気口9から締切弁11および流量弁12を経由して鉄道車両1先頭の吹出口13から車両前方へ向けて吹き出される。

0014

締切弁11は、圧縮タンク4内の空気が排気口9から排気されるのを一度に止めるための弁であり、制御BOX8と接続されて、その開放と閉鎖とが制御BOX8からの指示によって行われる。流量弁12は、締切弁11の下流側において、複数に分岐された排気口9のそれぞれに設けられ、各排気口9の開放および閉鎖をするための弁である。流量弁12は、その開放度合いが調整可能に構成され、全開放、1/2開放、1/4開放、閉鎖の4段階に、各流量弁12毎にその開放度合いを調整できる。各流量弁12は、制御BOX8に接続され、制御BOX8からの指示に基づいて、開放または閉鎖や、開放時における開放度合いが制御される。

0015

図1(b)に示すように、複数の吹出口13は、鉄道車両1の先頭の先周辺に複数本の輪状(扇状)に配設されている。これにより各吹出口13から吹き出された(排出された)圧縮空気は、鉄道車両1の先頭の鼻先周辺に略均等に吹き出される。

0016

図2(a)は、圧縮空気の吹出装置10の電気的構成を示したブロック図であり、図2(b)は、ハードディスクドライブ(HDD)24に予め記憶されるトンネル情報テーブル24aの内容を模式的に表した図であり、図2(c)は、RAM23に展開される吹出パターンテーブル23eの内容を模式的に表した図である。

0017

図2(a)に示すように、制御BOX8は、圧縮空気の吹出装置10を制御するためのものであり、CPU21、ROM22、RAM23及びHDD24を備えている。CPU21、ROM22、RAM23及びHDD24は、バスライン25を介して入出力ポート26にそれぞれ接続されている。また、入出力ポート26には、速度検出装置31、地点情報取得装置32、距離測定装置33、空気圧縮機2、タンク圧力計5、締切弁11及び複数の流量弁12がそれぞれ接続されている。

0018

CPU21は、バスライン25により接続された各部を制御する演算装置である。ROM22は、CPU21により実行される制御プログラム固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性メモリである。RAM23は、CPU21の制御プログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。HDD24は、書換え可能な不揮発性の記憶装置である。

0019

RAM23の車両速度メモリ23aは、鉄道車両1の現在速度を記憶するメモリである。図4の圧縮空気吹出処理によって、速度検出装置31から出力される車速が車両速度メモリ23aに記憶される。圧縮空気吹出処理は1ms毎に実行されるので、車両速度メモリ23aの値も1ms毎に更新される。車両位置メモリ23bは、車両の現在位置を記憶するメモリである。鉄道車両1の始発時に、図3の初期化処理によって始発位置が記憶され、その後は、圧縮空気吹出処理によって、車速と走行時間とに基づいて、車両位置メモリ23bの値は1ms毎に更新される。また、走行中、地点情報取得装置32によって、鉄道車両1の走行位置の地点情報(位置情報)が取得された場合には、その取得された位置情報に基づいて、車両位置メモリ23bの値は更新される。

0020

車両トンネル間距離メモリ23cは、鉄道車両1とその鉄道車両1が突入する次のトンネル入口(抗口)との距離を記憶するメモリである。後述するトンネル情報メモリ23dのトンネル位置メモリ23d1に記憶されるトンネル入口位置から、車両位置メモリ23bに記憶される車両位置を減算したものが、車両トンネル間距離メモリ23cの値として記憶される。車両トンネル間距離メモリ23cと車両速度メモリ23aとの各値に基づいて、圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)の開始タイミングが決定される。なお、本実施形態では、鉄道車両1がトンネル入口に達するまでの所要時間が400ms(0.4秒)となるタイミングが、圧縮空気の吹出制御の開始タイミングとされる。

0021

トンネル情報メモリ23dは、鉄道車両1が突入する次のトンネルの情報を記憶するメモリであり、トンネル位置メモリ23d1と、標準速度メモリ23d2と、予測圧力波形メモリ23d3と、圧力波目標値メモリ23d4とを有して構成される。トンネル情報メモリ23dの各値には、HDD24に予め記憶されているトンネル情報テーブル24aから、鉄道車両1が突入する次のトンネルの該当情報が読み出されて記憶される。

0022

ここで、図2(b)を参照して、HDD24のトンネル情報テーブル24aについて説明する。トンネル情報テーブル24aは、鉄道車両1が走行する路線の全トンネルの情報を予め記憶したデータテーブルであり、鉄道車両1および路線毎に固有のデータとして記憶される。このトンネル情報テーブル24aには、トンネル毎に、トンネル位置データ24a1、標準速度データ24a2、予測圧力波形データ24a3、圧力波目標値データ24a4が、それぞれ記憶される。これらのトンネル情報は、鉄道車両1の進行方向毎に設けられるので、1つのトンネルに対して2組のトンネル情報が記憶される。

0023

トンネル位置データ24a1には、そのトンネルの入口位置が記憶され、標準速度データ24a2には、鉄道車両1がそのトンネルを走行する場合の標準速度が記憶される。なお、標準速度としては、鉄道車両1がそのトンネルを走行する場合の、予めシミュレートされた最適な最高速度が標準速度とされる。しかし、トンネルに制限速度があり、かかる最高速度が制限速度を上回る場合は、該トンネルの制限速度が標準速度とされて、標準速度データ24a2に記憶される。

0024

予測圧力波形データ24a3には、鉄道車両1が、そのトンネルの標準速度で、そのトンネルに突入した場合に、そのトンネル内部に生じるであろうと予測される予測圧力波形のデータが記憶される。この予測圧力波形のデータは、トンネル毎に予めシミュレートされたものが記憶される。圧力波目標値データ24a4には、そのトンネルに生じる圧力波(トンネル微気圧波)の最大許容値が記憶される。よって、後述する圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)は、鉄道車両1のトンネル突入時に生じる圧力波の最大値が、圧力波目標値データ24a4に記憶されるデータを下回るように行われる。

0025

図2(a)のRAM23の吹出パターンテーブル23eは、圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)を行う場合の、各流量弁12の開放タイミング毎の開放度合いのパターンを記憶するデータテーブルである。吹出パターンテーブル23eの各値は、図4の圧縮空気吹出処理のS16の処理において算出されて、該当領域に記憶される。

0026

ここで、図2(c)を参照して、吹出パターンテーブル23eについて説明する。吹出パターンテーブル23eには、各流量弁12毎に開放タイミング毎の開放度合いが記憶される。本実施形態の流量弁12は全部でn個設けられる。図2(c)の「1〜n」の列欄は、そのn個の流量弁12に対応したものである。また本実施形態の吹出パターンは全部でmパターン設けられる。図2(c)の「1〜m」の行欄は、そのm個の吹出パターンに対応したものである。表中の各値は、流量弁12の開放度合いを示すものであり、1/4開放が「0.25」、1/2開放が「0.5」、全開放が「1.0」、閉鎖が「閉」として表されている。圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)が開始されると、吹出パターンテーブル23eの各値が順に読み出され、その読み出された開放度合いに応じて、各流量弁12がそれぞれ開放されて、各吹出口13から圧縮空気が吹き出される。

0027

図2(a)の吹出パターン算出フラグ23fは、鉄道車両1が次に突入するトンネルについて、各吹出口13から吹き出される圧縮空気の吹出パターンの算出及び格納が完了していること、即ち、吹出パターンテーブル23eに次に突入するトンネルの吹出パターンが格納されていることを示すフラグである。吹出パターン算出フラグ23fは、初期状態においてオフされており、吹出パターンテーブル23eに各データが格納されるとオンされる。そして、鉄道車両1がトンネルに突入し、そのトンネルの吹出パターンの吹き出しが完了するとオフされて、初期状態に戻される。

0028

速度検出装置31は、鉄道車両1の走行速度を検出すると共に、その検出結果をCPU21に出力するための装置であり、鉄道車両1の走行速度を検出する速度センサ31aを備えている。

0029

地点情報取得装置32は、地点情報発信装置(図示せず)から発せられる地点情報を取得するための装置であり、その地点情報をCPU21へ出力する。地点情報発信装置は、鉄道車両1が走行する軌道付近に設置され、その地点における地点情報を常に無線発信し続ける。地点情報発信装置が発信する地点情報には、位置情報として始発点からの距離が含まれる。鉄道車両1が地点情報発信装置付近を走行すると、地点情報取得装置32が地点情報を取得し、これがCPU21へ出力される。

0030

距離測定装置33は、レーザ光照射して鉄道車両1とトンネル入口との距離を測定するための装置であり、その測定結果をCPU21へ出力する。距離測定装置33は、トンネル入口外周の鉛直なコンクリート壁に設けられたマーカに向けてレーザ光を照射し、鉄道車両1とトンネル入口との距離を測定する。本実施形態の距離測定装置33は、測定可能範囲が50m以下であるので、車両トンネル間距離メモリ23cの値が50m以下となった場合に、CPU21は距離測定装置33から鉄道車両1とトンネル入口との距離を取得する。

0031

次に、図3から図5のフローチャートを参照して、制御BOX8のCPU21で実行される各処理について説明する。図3は、初期化処理のフローチャートである。初期化処理は、鉄道車両1の始動時に実行される。

0032

まず、車両位置メモリ23bの値に、鉄道車両1が走行を開始する路線の始発位置を記憶する(S1)。次に、その記憶された車両位置メモリ23bの値に最も近い、トンネル情報テーブル24aのトンネル位置データ24a1を検索し、そのデータに対応するトンネル情報テーブル24aの各データ24a1〜24a4を、トンネル情報メモリ23dの各メモリ23d1〜23d4へそれぞれ記憶する(S2)。即ち、トンネル位置データ24a1に記憶されるデータはトンネル位置メモリ23d1へ記憶され、標準速度データ24a2に記憶されるデータは標準速度メモリ23d2へ記憶され、予測圧力波形データ24a3に記憶されるデータは予測圧力波形メモリ23d3へ記憶され、圧力波目標値データ24a4に記憶されるデータは圧力波目標値メモリ23d4へ記憶される。その後、空気圧縮機2を作動して、圧縮タンク4に空気を充填し(S3)、初期化処理を終了する。

0033

図4は、圧縮空気吹出処理のフローチャートである。圧縮空気吹出処理によって、鉄道車両1のトンネル突入時に圧縮空気の吹出制御が行われる。圧縮空気吹出処理は、1ms毎のインターバル割り込み処理によって、1ms毎に繰り返し実行される。圧縮空気吹出処理では、まずCPU21は、速度検出装置31から現在の車両速度を取得し、これを車両速度メモリ23aへ保存する(S11)。前述した通り、速度検出装置31は速度センサ31aによって現在の車両速度を検出する。その後、図5の車両トンネル間距離取得処理を実行する(S12)。

0034

図5は、車両トンネル間距離取得処理のフローチャートである。車両トンネル間距離取得処理(S12)では、まず車両速度メモリ23aの値に、前回の車両位置算出時刻からの時間差を乗じ、その結果を車両位置メモリ23bの値に加算して、現在の車両位置を車両位置メモリ23bに記憶する(S31)。なお、本実施形態では、本処理は1ms毎に実行されるので、前回の車両位置算出時刻からの時間差は1msである。

0035

次に、地点情報取得装置32が地点情報を取得したかを確認し(S32)、取得していれば(S32:Yes)、その取得した地点情報(位置情報)を車両位置メモリ23bに書き込んで、車両位置メモリ23bの値を更新する(S33)。前述した通り、地点情報取得装置32が取得する地点情報(位置情報)は、鉄道車両1が走行する軌道付近に設置された地点情報発信装置から発信される情報であるので、正確である。よって、地点情報を取得した場合には、その値で車両位置メモリ23bの値を更新することにより、車両位置の累積誤差を解消できる。これにより、トンネルへの突入タイミングを一層正確に把握でき、圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)を一層正確に行うことができる。一方、S32の処理で、地点情報を取得できなかった場合には(S32:No)、S33の処理をスキップして、処理をS34へ移行する。

0036

S34の処理では、トンネル情報メモリ23dのトンネル位置メモリ23d1の値から、車両位置メモリ23bの値を減算して、その結果を、車両トンネル間距離メモリ23cへ記憶する(S34)。トンネル位置メモリ23d1には、鉄道車両1が突入する次のトンネルの入口位置が記憶されている。よって、S34の処理によって、車両トンネル間距離メモリ23cに、鉄道車両1から次のトンネルの入口位置までの距離が記憶される。

0037

この車両トンネル間距離メモリ23cの値が50m以下であれば(S35:Yes)、トンネル入口までの距離が距離測定装置33の測定可能範囲に入ったことになる。よって、この場合には、距離測定装置33によってトンネルまでの距離を取得し、この値で車両トンネル間距離メモリ23cの値を更新する(S36)。前述した通り、距離測定装置33はレーザ光を照射して鉄道車両1とトンネル入口との距離を測定するものである。よって、トンネル突入直前において、トンネル入口までの距離を正確に計測した上で、圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)を行うことができる。

0038

一方、車両トンネル間距離メモリ23cの値が50mを超えていれば(S35:No)、距離測定装置33による計測はできないので、この場合には、S36の処理をスキップして、本処理を終了する。本処理の終了後は、図4のS13の処理へ移行する。

0039

図4のS13の処理では、S12の処理で更新された車両トンネル間距離メモリ23cの値と、車両速度メモリ23aに記憶される現在の車両速度とから、次のトンネル入口に達するまでの所要時間が算出される(S13)。算出の結果、その所要時間が指定数秒(0.4秒)を超えていれば(S14:No)、未だ、圧縮空気の吹出制御(S16〜S22)の開始タイミングの到来ではないので、以降の各処理をスキップして、この圧縮空気吹出処理を終了する。なお、指定数秒とは、締切弁11の開放動作が完了するまでに要する時間と、同じく流量弁12が開放動作が完了するまでに要する時間との合計に若干のマージン時間を加えたものである。本実施形態の指定数秒は0.4秒である。

0040

一方、鉄道車両1が次のトンネル入口に達するまでの所要時間が指定数秒(0.4秒)以内であれば(S14:Yes)、圧縮空気の吹出制御の開始タイミングの到来である。よって、この場合には、吹出パターンテーブル23eに、次のトンネルの吹出パターンが格納されているかを、吹出パターン算出フラグ23fの状態で確認する(S15)。

0041

吹出パターン算出フラグ23fがオフであれば(S15:No)、吹出パターンテーブル23eには、未だ次のトンネルの吹出パターンは格納されていない。よって、かかる場合には、次に突入するトンネルの情報を記憶したトンネル情報メモリ23dの標準速度メモリ23d2、予測圧力波形メモリ23d3、圧力波目標値メモリ23d4の各値と、車両速度メモリ23aの値とに基づいて、吹出パターンを算出し、その算出結果を吹出パターンテーブル23eへ格納する(S16)。なお、かかるデータの算出処理については、図6を参照して後述する。

0042

吹出パターンテーブル23eへのデータ格納後は、吹出パターン算出フラグ23fをオンして(S17)、締切弁11を開放する(S18)。締切弁11の開放により、圧縮タンク4からの圧縮空気の吹出準備が完了する。一方、S15の処理において、既に吹出パターン算出フラグ23fがオンされていれば(S15:Yes)、S17およびS18の各処理をスキップして、S19の処理へ移行する。

0043

S19の処理では、吹出パターンテーブル23eに従って、対応する流量弁12を、対応する開放度合いで開放する(S19)。これにより、各吹出口13から、対応する流量弁12の開放度合いに応じて、圧縮空気が吹き出される。その後は、吹出パターンテーブル23eのデータ読出位置を1つ進め(S20)、1つ進めた読出位置が吹出パターンテーブル23eのデータ終端を超えていなければ(S21:No)、突入中のトンネルに対する吹出制御は継続中であるので、以降の吹出制御の終了処理(S22〜S25)をスキップして、本処理を終了する。

0044

ここで、吹出パターンテーブル23eのデータ読出位置とは、図2(c)の行番号に相当するものである。よって、データ読出位置を1つ進めるとは、図2(c)の行番号を1つ進めるということであり、読出位置が終端を超えたとは、かかる読出位置に相当する行番号が最終のm行を超えたということである。

0045

1つ進めた吹出パターンテーブル23eのデータ読出位置が、データ終端を超えた場合には(S21:Yes)、締切弁11を閉じて(S22)、今回突入したトンネルに対する吹出制御を終了する。

0046

そして、次のトンネル突入に備え、車両位置メモリ23bの値に最も近い、トンネル情報テーブル24aのトンネル位置データ24a1を検索し、そのデータに対応するトンネル情報テーブル24aの各データ24a1〜24a4を、トンネル情報メモリ23dの各メモリ23d1〜23d4へそれぞれ記憶する(S23)。これにより、次に突入するトンネルの情報がトンネル情報メモリ23dへ記憶される。その後、空気圧縮機2を作動して、圧縮タンク4に空気を充填し(S24)、吹出パターン算出フラグ23fをオフして(S25)、本処理を終了する。

0047

次に、図6を参照して、図4のS16の処理で行われる、吹出パターンテーブル23eのデータ算出処理について説明する。図6(a)は、鉄道車両1のトンネル突入時に、トンネル内部に発生するであろう予測圧力波形を示した図である。図6(b)は、その圧力波形が圧力波目標値データを超過した部分の拡大図(実線部)と、その超過部分を打ち消すために必要な吹出制御流量波形(点線部)の図である。図6(c)は、その吹出制御流量波形に基づいて算出された、圧縮空気の吹出量のパターン波形図である。

0048

図6(a)の圧力波形は、トンネル情報メモリ23dの予測圧力波形メモリ23d3に記憶されたものがベースとなる。図6(a)の縦軸はトンネル内部の圧力変化振幅を示し、横軸は時間を示す。横軸の基準時刻(0)は、鉄道車両1上の基準位置がトンネルの基準位置を通過する時刻である。本実施形態では、鉄道車両1上の基準位置を鉄道車両1の車両先端とし、トンネルの基準位置をトンネル入口面としている。

0049

圧力波形は、上に凸で、基準時刻付近で最大値となる。圧力波形が目標値(圧力波目標値メモリ23d4の値)を超過する部分を斜線部で示す。また、圧力波形が目標値の1/2となる時刻をそれぞれt1,t2で示す。

0050

予測圧力波形メモリ23d3に記憶される波形は、鉄道車両1が標準速度メモリ23d2に記憶される速度で、当該トンネル入口に突入した場合のシミュレート結果である。よって、現在の車両速度が標準速度と異なる場合、即ち車両速度メモリ23aの値と標準速度メモリ23d2の値とが異なる場合は、圧力波形の補正が行われる。

0051

時間軸(横軸)の補正は、速度比反比例して横軸をスケール倍することにより行われ、振幅軸(縦軸)の補正は、速度比の3乗に比例して縦軸をスケール倍することにより行われる。具体的には、波形の横軸(時間軸)の値に、(車両速度メモリ23aの値/標準速度メモリ23d2の値)を乗じ、波形の縦軸(圧力の振幅軸)の値に、(車両速度メモリ23aの値/標準速度メモリ23d2の値)の3乗を乗じる。このように、車両速度メモリ23aの値に応じて圧力波形の補正が行われる。図6(a)には、かかる補正後の予測圧力波形が図示される。

0052

次に、圧力波形が目標値を超過する量(図6(a)の斜線部)を打ち消すために必要な吹出制御流量、即ち吹出口13から吹き出す圧縮空気の流量を算出する。圧力波形(∂p(t)/∂t)と吹出制御流量(M(t))との関係は次の数式1で表現される。ここで、ρ,c,ATは係数である。



まず、圧力波形から圧力波目標値メモリ23d4の値(目標値)を減じ、負になった場合は「0」に補正する。これにより、目標値を超過した圧力波形を求めることができる。この圧力波形に一定の係数を乗じたものを積分し、符号を反転させたものが、目標値を超過した圧力波形を打ち消すための流量波形となる(以下「吹出制御流量波形」という)。図6(b)は、圧力波形が目標値を超過した部分の拡大図(実線部)と、その超過部分を打ち消すために必要な吹出制御流量波形(点線部)の図である。

0053

圧縮空気の吹出パターンは、この吹出制御流量波形と圧力波形とを用いて算出される。図6(c)は、吹出制御流量波形と圧力波形とに基づいて算出された圧縮空気の吹出量のパターン図である。図6(c)の横軸は時間を示し、図6(a),(b)と同様に、基準時刻を時刻0とする。縦軸は圧縮空気の吹出量を示す。

0054

まず、締切弁11の開放後(図4のS18)、鉄道車両1が15m走行する間(流量弁12が徐々に開放される時間に相当)、圧縮空気の吹出量が、図6(b)における吹出制御流量波形の最大値Mと等しくなるように流量弁12を徐々に開く(図6(c)のtaからtbまでの期間)。本実施形態においては、圧縮空気の吹出量を一次関数的に増加させる。この圧縮空気の吹出量が吹出制御流量波形の最大値Mと等しい状態を、図6(a)の圧力波形が目標値の1/2となる時点t1まで保つ(図6(c)のtbからt1までの期間)。その後、各流量弁12を徐々に閉じていき、圧力波形が目標値の1/2となる時点t2に一定のマージン時間を加えた時点tcで、すべての流量弁12を閉じる(図6(c)のt1からtcまでの期間)。本実施形態においては、圧縮空気の吹出量を一次関数的に減少させる。

0055

このように圧縮空気の吹出量のパターンが算出される。かかる吹出量のパターンを実現できるように、各流量弁12の開放タイミングと開放度合い(開度)とが更に計算され、その計算結果が、吹出パターンテーブル23eに記憶される(図2(c)参照)。なお、図6(c)の圧縮空気の吹出量のパターン図に示されるように、圧力波(トンネル微気圧波)の減殺効果は、吹出口13から吹き出される、圧縮空気の吹出量を減少してゆく過程で、即ち流量弁12を閉じていく過程で得られる。

0056

図7は、圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)を実行した場合の、トンネル微気圧波の低減効果を説明する図である。鉄道車両1(以下「車両」と略す)が走行を続け、トンネル入口(抗口)50に接近し(図7(a))、トンネル入口に達するまでの所要時間が指定数秒(本実施形態では、0.4秒)以内になると、圧縮空気の吹出制御が開始され(S16)、締切弁11が開放され、更に各流量弁12が吹出パターンテーブル23eに記憶されるタイミングで開放されていく。これにより、各吹出口13から圧縮空気の吹き出しが開始される(図7(b))。

0057

車両1先頭の吹出口13から吹き出された圧縮空気は、車両1先頭に空気層51を形成する。これにより、車両1の先頭形状は、見かけ上大きくなる。詳細には、車両1の先頭形状は、見かけ上、延伸および拡幅される。なお、車両1のトンネル接近に伴い、図7(b)の段階でトンネル内の空気は徐々にトンネル奥へ移動を開始する(71)。

0058

車両1が走行を続け、車両1先頭に形成された空気層51がトンネル入口50へ進入すると(図7(c))、トンネル内の空気は、その空気層51に押されて、車両1単独の場合より早いタイミングでトンネル奥への急激な移動を開始する(72)。その後、車両1先頭がトンネル入口50に差し掛かかるタイミングで(図7(d))、各流量弁12を急速に閉じる。詳細には、各流量弁12を吹出パターンテーブル23eに記憶されるタイミングで閉じていく。その結果、車両1先頭の空気層51は急速に消失し、それに伴って、車両1先頭の見かけ上の大きさも急速に小さくなる。これにより、実際の車両1先頭がトンネル入口50に進入した場合に生じるトンネル微気圧波は効果的に減殺される(図7(e))。

0059

即ち、トンネル内の気流は、図7(c)の段階で、空気層51により押されて早くからトンネル奥へ移動を開始するので(72)、実際の車両1先頭がトンネル入口50に突入する、図7(d)のタイミングでのトンネル内部の空気の急激な圧縮(=圧力上昇)を緩和して、トンネル微気圧波を低減することができる。

0060

以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。

0061

上記実施形態の圧縮空気の吹出制御(図4のS16〜S22)は、鉄道車両1のトンネル突入直前に吹き出した圧縮空気の吹き出しを、トンネル突入時に順次停止することで実現した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、別途、車両先頭に気体吸引手段を設けて、トンネル突入時に圧縮空気の吹き出しを停止すると共に、その吸引手段によって、車両先頭部の空気を吸引するようにしても良い。これにより、トンネル微気圧波の低減効果を一層高めることができる。

0062

また上記実施形態では、距離測定装置33を設けて、車両トンネル間距離取得処理(図5)において、トンネルまでの距離が50m以下となった場合に、距離測定装置33によってトンネル入口までの距離を計測するように構成した。しかし、距離測定装置33を設けずに、車両トンネル間距離を取得するようにしても良い。かかる場合には、図5のS35およびS36の各処理を削除し、S34で算出された値を用いてトンネルまでの距離を把握すればよい。かかる構成によれば、距離測定装置33が不要となるので、その分、本発明を実施できる鉄道車両1のコストを低減することができる。

0063

1鉄道車両(車両)
4圧縮タンク(タンク)
8 制御BOX
12流量弁(開閉弁)
13吹出口
23a 車両速度メモリ(速度検出手段)
23dトンネル情報メモリ
23d1トンネル位置メモリ
23d2標準速度メモリ(標準速度記憶手段)
23d3予測圧力波形メモリ(予測圧力波形記憶手段)
23d4圧力波目標値メモリ
23e吹出パターンテーブル
24aトンネル情報テーブル
24a1 トンネル位置データ
24a2 標準速度データ
24a3 予測圧力波形データ
24a4 圧力波目標値データ
31速度検出装置(速度検出手段)
S16〜S22圧縮空気の吹出制御(吹出制御手段)

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