図面 (/)

技術 車両用カーテンエアバッグ装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 大野光由樋田浩二根崎琢也大橋順治林裕輔
出願日 2016年10月7日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-199434
公開日 2018年4月12日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-058560
状態 特許登録済
技術分野 エアバッグ
主要キーワード 矩形片状 低摩擦剤 外周四辺 布状部材 ストラップ状 テンションベルト 直接摩擦 中央領
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題

前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部に当接した際に、後席乗員の頭部が車両上下方向軸回りに急激に回転することを抑制又は防止する。

解決手段

車両用カーテンエアバッグ装置10は、カーテンエアバッグ14とは別体で構成され、かつカーテンエアバッグ14の少なくとも上縁側に固定された保護布94を備えている。保護布94は、カーテンエアバッグ14の展開完了状態で後席用側突チャンバ40の前部40Aの車両幅方向内側の表面40A1から前方チャンバ44の後部44Aの車両幅方向内側の表面44A1にかけて配置され、後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間に形成された高さ違いの凹部92を車両幅方向内側から覆っている。

概要

背景

下記特許文献1には、側面衝突時又はロールオーバー時(以下、単に「側突時等」と称す。)に膨張展開して前席乗員の頭部を保護する前席用側突チャンバ車両幅方向内側の面に、別体の保護布をその上縁部にて固定した車両用カーテンエアバッグ装置が開示されている。これにより、微小ラップ衝突時オブリーク衝突時のように前席乗員の頭部が車両前方側かつ車両幅方向外側慣性移動するような前面衝突時に、当該頭部が保護布に当接し保護布と共に前席用側突チャンバ上を滑ることにより、当該頭部が車両上下方向軸回りに回転することを抑制している。

概要

前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部に当接した際に、後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止する。車両用カーテンエアバッグ装置10は、カーテンエアバッグ14とは別体で構成され、かつカーテンエアバッグ14の少なくとも上縁側に固定された保護布94を備えている。保護布94は、カーテンエアバッグ14の展開完了状態で後席用側突チャンバ40の前部40Aの車両幅方向内側の表面40A1から前方チャンバ44の後部44Aの車両幅方向内側の表面44A1にかけて配置され、後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間に形成された高さ違いの凹部92を車両幅方向内側から覆っている。

目的

本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部に当接した際に、後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することができる車両用カーテンエアバッグ装置を得ることが目的である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

側面衝突時のみならず、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に作動してガス噴出するインフレータと、前記インフレータからのガスが供給されることにより、天井車両幅方向外側の端部から車両下方側へカーテン状膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグの一部を構成し、後席に着座しかつ三点式シートベルト装置を装着した乗員の頭部の車両幅方向外側に配置された後席用側突チャンバと、前記カーテンエアバッグの一部を構成すると共に前記後席用側突チャンバの車両前方側に非膨張部を挟んで配置され、展開完了状態における当該非膨張部から車両幅方向内側への厚さが前記後席用側突チャンバの当該非膨張部から車両幅方向内側への厚さよりも薄い前方チャンバと、前記カーテンエアバッグとは別体で構成されると共に当該カーテンエアバッグの少なくとも上縁側に固定され、前記カーテンエアバッグの展開完了状態で前記後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面から前記前方チャンバの後部の車両幅方向内側の表面にかけて配置され、前記後席用側突チャンバの前部と前記前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部を車両幅方向内側から覆う保護布と、を有する車両用カーテンエアバッグ装置

請求項2

前記保護布は、前記カーテンエアバッグを構成する基布よりも面外剛性が高い布とされている、請求項1に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。

請求項3

前記保護布の車両幅方向外側の表面の摩擦係数が、前記後席用側突チャンバの車両幅方向内側の表面の摩擦係数よりも低く設定されている、請求項1又は請求項2に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。

請求項4

前記保護布は、前記カーテンエアバッグの上縁側の他に下縁側に固定されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された車両用カーテンエアバッグ装置。

請求項5

前記保護布は、後席に着座した乗員の頭部が当接する前記カーテンエアバッグの上下方向中央領域に部分的に配置されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された車両用カーテンエアバッグ装置。

請求項6

前記保護布の上縁側には第1帯状体の一端部が接続又は接合され、かつ当該第1帯状体の他端部が前記カーテンエアバッグの上縁部に固定されていると共に、前記保護布の下縁側には第2帯状体の一端部が接続又は接合され、かつ当該第2帯状体の他端部が前記カーテンエアバッグの下縁部に固定されている、請求項5に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。

請求項7

前記第1帯状体及び前記第2帯状体の前記カーテンエアバッグへの固定部は、前記第1帯状体及び前記第2帯状体の前記保護布への接続部又は接合部に対して車両後方側へオフセットして配置されている、請求項6に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。

技術分野

0001

本発明は、車両用カーテンエアバッグ装置に関する。

背景技術

0002

下記特許文献1には、側面衝突時又はロールオーバー時(以下、単に「側突時等」と称す。)に膨張展開して前席乗員の頭部を保護する前席用側突チャンバ車両幅方向内側の面に、別体の保護布をその上縁部にて固定した車両用カーテンエアバッグ装置が開示されている。これにより、微小ラップ衝突時オブリーク衝突時のように前席乗員の頭部が車両前方側かつ車両幅方向外側慣性移動するような前面衝突時に、当該頭部が保護布に当接し保護布と共に前席用側突チャンバ上を滑ることにより、当該頭部が車両上下方向軸回りに回転することを抑制している。

先行技術

0003

特許5824584号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時には、後席乗員の頭部は、以下の挙動を示す。後席乗員は三点式のシートベルト装置によって後席シート拘束されている。このため、後席乗員の頭部は、最初に車両前方側かつ車両幅方向外側へ慣性移動し、その後ショルダ側のウエビングによってリバウンドして車両後方側かつ車両幅方向外側へ跳ね返される。特に、ショルダアンカリヤピラーに設定されている車両では、後席乗員の頭部は車両後方側かつより車両幅方向外側へ跳ね返される傾向がある。このような状況下で後席乗員の頭部が跳ね返されて後席用側突チャンバの前部側に当接すると、当該頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転する可能性があることが、原因も含めて各種実験により判明した。

0005

本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部に当接した際に、後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することができる車両用カーテンエアバッグ装置を得ることが目的である。

課題を解決するための手段

0006

請求項1に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、側面衝突時のみならず、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に作動してガス噴出するインフレータと、前記インフレータからのガスが供給されることにより、天井の車両幅方向外側の端部から車両下方側へカーテン状に膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグの一部を構成し、後席に着座しかつ三点式シートベルト装置を装着した乗員の頭部の車両幅方向外側に配置された後席用側突チャンバと、前記カーテンエアバッグの一部を構成すると共に前記後席用側突チャンバの車両前方側に非膨張部を挟んで配置され、展開完了状態における当該非膨張部から車両幅方向内側への厚さが前記後席用側突チャンバの当該非膨張部から車両幅方向内側への厚さよりも薄い前方チャンバと、前記カーテンエアバッグとは別体で構成されると共に当該カーテンエアバッグの少なくとも上縁側に固定され、前記カーテンエアバッグの展開完了状態で前記後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面から前記前方チャンバの後部の車両幅方向内側の表面にかけて配置され、前記後席用側突チャンバの前部と前記前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部を車両幅方向内側から覆う保護布と、を有している。

0007

請求項1記載の本発明によれば、側面衝突時のみならず、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時になると、車両用カーテンエアバッグ装置のインフレータが作動してガスを噴出する。これにより、カーテンエアバッグが天井の車両幅方向外側の端部から車両下方側へカーテン状に膨張展開される。

0008

ところで、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時になると、衝突側の後席乗員の頭部は、車両前方側かつ車両幅方向外側へ慣性移動した後、三点式シートベルト装置によってリバウンドして後席用側突チャンバの前部側へ向かうことがある。

0009

ここで、上記カーテンエアバッグでは、後席用側突チャンバの車両前方側に非膨張部を挟んで前方チャンバが配置されており、展開完了状態における非膨張部から車両幅方向内側への厚さが後席用側突チャンバの非膨張部から車両幅方向内側への厚さよりも薄くなっている。このため、カーテンエアバッグの展開完了状態では、後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間にはバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部が形成されている。その結果、仮に本発明の保護布が設けられていない場合には、第一にリバウンドした後席乗員の頭部が凹部に引っ掛かりやすいこと、第二に後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面上を滑る(擦れる)際に、当該頭部と当該表面との間に摩擦力を受けることに起因して、後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することが各種実験の積み重ねにより判明した。

0010

上記知見に鑑み、本発明では、カーテンエアバッグとは別体で構成された保護布が、カーテンエアバッグの少なくとも上縁側に固定されている。この保護布は、カーテンエアバッグの展開完了状態で、後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面から前方チャンバの後部の車両幅方向内側の表面にかけて配置されており、更に後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部を車両幅方向内側から覆っている。このため、保護布が設けられた領域では、(見かけ上は)高さ違いの凹部がなくなる。しかも、展開完了状態における前方チャンバの非膨張部から車両幅方向内側への厚さは後席用側突チャンバの非膨張部から車両幅方向内側への厚さよりも薄いことから、保護布を車両平面視で見た場合、保護布は後席用側突チャンバの前部から前方チャンバの後部にかけて車両幅方向外側へ傾斜した状態で配置されることになる。その結果、リバウンドした後席乗員の頭部は、凹部ではなく保護布に当接し、当該頭部が凹部に引っ掛かり難くなる。また、高さ違いの凹部が保護布で覆われることで、頭部が後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面から直接摩擦力を受けなくなる。

0011

なお、「凹部を車両幅方向内側から覆う」とは、バッグ厚さ方向に高さ違いの凹部の全体を車両幅方向内側から覆う場合と、当該凹部のうちリバウンドした後席乗員の頭部が当接することが想定される領域を車両幅方向内側から覆う場合の両方が含まれるものとする。

0012

請求項2に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1に記載の発明において、前記保護布は、前記カーテンエアバッグを構成する基布よりも面外剛性が高い布とされている。

0013

請求項2に記載の本発明によれば、保護布は、カーテンエアバッグを構成する基布よりも面外剛性が高く設定されているため、保護布が捲れ上がり難く、高さ違いの凹部が保護布でしっかりと覆われる(カバーされる)。このため、リバウンドした後席乗員の頭部が保護布に当接した際に、保護布が凹み難い。その結果、リバウンドした後席乗員の頭部が凹部により一層引っ掛かり難くなる。

0014

なお、「面外剛性」とは、保護布を平面状の部材とみなしたときにその平面に対して垂直方向に力が加わったときの剛性(変形しにくさ)をいう。

0015

また、保護布の面外剛性を高く設定するという構成であるため、リバウンドした後席乗員の頭部が凹部に引っ掛からないようにするという観点では、信頼性が上がる。

0016

請求項3に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記保護布の車両幅方向外側の表面の摩擦係数が、前記後席用側突チャンバの車両幅方向内側の表面の摩擦係数よりも低く設定されている。

0017

請求項3に記載の本発明によれば、保護布の車両幅方向外側の表面の摩擦係数が後席用側突チャンバの車両幅方向内側の表面の摩擦係数よりも低く設定されているので、保護布は後席用側突チャンバの前部の車両幅方向内側の表面上を滑りやすくなる。このため、リバウンドした後席乗員の頭部が保護布に当接すると、当該頭部は保護布と共に後席用側突チャンバの前部の表面上を車両後方側へ滑る。

0018

また、保護布の車両幅方向外側の表面の摩擦係数を後席用側突チャンバの車両幅方向内側の表面の摩擦係数よりも低く設定するという構成であるため、保護布自体の厚さはさほど厚くならずに済む。

0019

請求項4に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記保護布は、前記カーテンエアバッグの上縁側の他に下縁側に固定されている。

0020

請求項4に記載の本発明によれば、保護布がカーテンエアバッグの上縁側の他に下縁側に固定されているため、後席用側突チャンバが膨張展開する際に保護布が確実に広げられると共に、リバウンドした後席乗員の頭部が保護布に接触した際に、保護布の裾が捲れ上がりにくくなる。

0021

請求項5に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記保護布は、後席に着座した乗員の頭部が当接する前記カーテンエアバッグの上下方向中央領域に部分的に配置されている。

0022

請求項5に記載の本発明によれば、保護布が後席に着座した乗員の頭部が当接するカーテンエアバッグの上下方向中央領域に部分的に配置されている構成であるため、保護布がカーテンエアバッグの上縁部から下縁部まで全体的に配置されている場合と比べて、保護布の面積が小さくなる。このため、保護布をカーテンエアバッグと一緒に折り畳んだ際に嵩張らない。

0023

請求項6に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項5に記載の発明において、前記保護布の上縁側には第1帯状体の一端部が接続又は接合され、かつ当該第1帯状体の他端部が前記カーテンエアバッグの上縁部に固定されていると共に、当該保護布の下縁側には第2帯状体の一端部が接続又は接合され、かつ当該第2帯状体の他端部が前記カーテンエアバッグの下縁部に固定されている。

0024

請求項6に記載の本発明によれば、カーテンエアバッグの上下方向中央領域に配置された保護布の上縁側とカーテンエアバッグの上縁部とは第1帯状体で連結されていると共に、保護布の下縁側とカーテンエアバッグの下縁部とは第2帯状体で連結されている。このため、パッケージサイズを更に小さくすることができると共に、保護布がリバウンドした後席乗員の頭部と一緒に共に車両後方側へ滑りやすくなる。

0025

請求項7に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項6に記載の発明において、前記第1帯状体及び前記第2帯状体の前記カーテンエアバッグへの固定部は、前記第1帯状体及び前記第2帯状体の前記保護布への接続部又は接合部に対して車両後方側へオフセットして配置されている。

0026

請求項7に記載の本発明によれば、第1帯状体及び第2帯状体のカーテンエアバッグへの固定部は、第1帯状体及び第2帯状体の保護布への接続部又は接合部に対して車両後方側へオフセットして配置されているため、第1帯状体及び第2帯状体に余長が生じる。リバウンドした後席乗員の頭部が保護布に当接すると、第1帯状体及び第2帯状体に余長がある分、保護布は車両後方側へ移動しやすくなる。

発明の効果

0027

以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバの前部と前方チャンバの後部との間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部に当接した際に、後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。

0028

請求項2に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、リバウンドした後席乗員の頭部が凹部に引っ掛かることを効果的に抑制又は防止することができ、ひいてはリバウンドした後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することに対する信頼性を高めることができるという優れた効果を有する。

0029

請求項3に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、リバウンドした後席乗員の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを効果的に抑制又は防止することができると共に、保護布をカーテンエアバッグと一緒に折り畳んだときに嵩張らないという優れた効果を有する。

0030

請求項4に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、保護布の展開不良が生じること及び保護布の捲れ上がりが生じることを抑制又は防止することができ、保護布に本来の役割をより確実に発揮させることができるという優れた効果を有する。

0031

請求項5に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、パッケージサイズを小さくすることができるという優れた効果を有する。

0032

請求項6に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、パッケージサイズを更に小さくすることができると共にリバウンドした後席乗員の頭部の車両上下方向の軸回りの回転をより一層抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。

0033

請求項7に記載の本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、リバウンドした後席乗員の頭部の車両後方側への移動に対する保護布の追従性が良く、頭部の車両上下方向の軸回りの回転を効果的に抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。

図面の簡単な説明

0034

第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の作動状態車室内側から見た側面図である。
(A)は図1に示されるカーテンエアバッグの保護布を中心に示す拡大側面図であり、(B)は(A)の2B−2B線に沿った拡大縦断面図である。
(A)は図1に示される車両用カーテンエアバッグ装置の作動状態において後席乗員が車両前方側へ慣性移動した状態を示す側面図であり、(B)はリバウンドした後席乗員の頭部が保護布に当接した状態を示す側面図である。
(A)は保護布を備えた第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置が作動した状態において後席乗員が車両前方側へ慣性移動した状態を示す平断面図であり、(B)は(A)の状態からリバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバと前方チャンバとの間に形成された高さ違いの凹部を覆う保護布に当接して車両後方側へ移動していく様子を示す平断面図である。
(A)は保護布を備えていない対比例に係る車両用カーテンエアバッグ装置が作動した状態において後席乗員が車両前方側へ慣性移動した状態を示す平断面図であり、(B)は(A)の状態からリバウンドした後席乗員の頭部が後席用側突チャンバと前方チャンバとの凹部に当接して車両上下方向の軸回りに回転する様子を示す平断面図である。
第2実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図2(A)に対応する側面図である。
第3実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図2(A)に対応する側面図である。
(A)は第3実施形態の第1変形例を示す図7に対応する側面図であり、(B)は(A)に示される第1帯状体の他端部及び固定片固定構造を拡大して示す拡大断面図である。
(A)は第3実施形態の第2変形例を示す図7に対応する側面図であり、(B)は(A)に示される第1帯状体の他端部及び固定片を拡大して示す拡大側面図である。
第4実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図9(A)に対応する側面図である。
第5実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図9(A)に対応する側面図である。
第6実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図7に対応する側面図である。
第6実施形態の変形例の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図7に対応する側面図である。
第7実施形態の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図2(B)に対応する縦断面図である。
第7実施形態の変形例の要部であるカーテンエアバッグ及び保護布を示す図2(B)に対応する縦断面図である。

実施例

0035

〔第1実施形態〕
以下、図1図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。

0036

図1には、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10の作動状態が車室内側から見た側面図で示されている。この図に示されるように、車両用カーテンエアバッグ装置10は、側面衝突時にガスを発生する略円柱形状のインフレータ12と、このインフレータ12と接続されてインフレータ12から発生したガスの供給を受けて膨張展開するカーテンエアバッグ14と、を含んで構成されたエアバッグモジュール16を備えている。なお、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ12は、側面衝突時だけでなくロールオーバー時にも作動する。また、インフレータ12は、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時といった特殊な形態の前面衝突時にも作動する他、フルラップ正面衝突オフセット衝突時にも作動する。つまり、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ12は、側面衝突時、ロールオーバー時、及び前面衝突時のいずれであっても作動するようになっている。

0037

エアバッグモジュール16は、車両搭載前の状態では、カーテンエアバッグ14が折り畳まれて細長長尺状の部材としてアッセンブリ化されている。そして、この状態のエアバッグモジュール16が、ルーフサイドレール18と成形天井であるルーフヘッドライニング20の車両幅方向外側の端部20Aとの間のスペースフロントピラー22とその車室内側に配設されたフロントピラーガーニッシ23との間のスペース、及びリヤピラー24とその車室内側に配設されたリヤピラーガーニッシュ25との間のスペースに格納されている。なお、図1では、ルーフヘッドライニング20、フロントピラーガーニッシュ23及びリヤピラーガーニッシュ25の見切り線仮想線二点鎖線)で図示している。

0038

インフレータ12は細長い円柱状に形成されており、センタピラー26の車両上方側に車両前後方向を軸方向として配置されている。また、インフレータ12の先端外周部には、複数のガス噴出孔28が形成されている。さらに、インフレータ12の内部には一例としてガス発生剤等が充填されており、このガス発生剤が燃焼すると大量のガスが発生し、ガス噴出孔28から噴出されるようになっている。上記構成のインフレータ12が、図示しないブラケットを介してルーフサイドレール18に固定されるようになっている。

0039

カーテンエアバッグ14は、車両側面視で、前席FSサイドドア30のサイドウインド30Aと後席RSのサイドドア32のサイドウインド32Aの両方を略覆うことが可能な大きさを有する略長方形の袋状の布状部材として構成されている。より具体的に説明すると、カーテンエアバッグ14は、上記インフレータ12の先端側が挿入されるガス導入部34と、カーテンエアバッグ14の上縁に沿って車両前後方向に直線状に延びるガス供給路36と、前席FSに着座した乗員(前席乗員P1)の頭部保護エリアに対応して当該頭部の車両幅方向外側に膨張展開される前席用側突チャンバ38と、後席RSに着座した乗員(後席乗員P2)の頭部保護エリアに対応して当該頭部の車両幅方向外側に膨張展開される後席用側突チャンバ40と、を備えている。さらに、カーテンエアバッグ14は、前席用側突チャンバ38の車両前方側に後述する第2非膨張部50を挟んで隣接して設けられた前席用ディレイチャンバ42と、後席用側突チャンバ40の車両前方側に後述する第3非膨張部52を挟んで配置された前方チャンバ44と、前方チャンバ44の車両下方側に設けられた後席用ディレイチャンバ46と、を備えている。

0040

カーテンエアバッグ14における上記以外の部分は、ガスが流入されない非膨張部とされている。すなわち、カーテンエアバッグ14の外周部には第1非膨張部48が設定されており、前席用側突チャンバ38と前席用ディレイチャンバ42との間には車両上下方向に延びる第2非膨張部50が設定されている。また、後席用側突チャンバ40と前方チャンバ44との間には車両上下方向に延びる第3非膨張部52が設定されている。さらに、後席用側突チャンバ40の車両前方側には、車両前後方向に延びる第4非膨張部54が車両上下方向に複数段に設定されている。また、前方チャンバ44と前席用側突チャンバ38との間には、車両上下方向に延びる第5非膨張部56が設定されている。

0041

また、カーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁部には、適宜間隔で複数の固定片58が一体に形成されている。各固定片58は矩形片状に形成されており、クリップ固定ボルト等の固定具60(具体的な構造については後述する第3実施形態で説明する)でルーフサイドレール18等の車体に固定されている。さらに、カーテンエアバッグ14の前端部には、ストラップ状テンションベルト62の一端部が取り付けられている。テンションベルト62の他端部はフロントピラー22に固定具60で固定されている。

0042

カーテンエアバッグ14のガスが供給される各部について補足すると、ガス導入部34は、カーテンエアバッグ14の上縁の車両前後方向の略中間部に形成されている。また、ガス導入部34は、ガス供給路36の車両前後方向の中間部に連通されている。このガス導入部34にインフレータ12が接続されることで、インフレータ12から発生したガスが、ガス導入部34を介してカーテンエアバッグ14内へ供給されるようになっている。なお、本実施形態では、ガス導入部34をカーテンエアバッグ14の上縁部の車両前後方向の略中間部に設けているが、これに限らず、カーテンエアバッグの上縁部の車両前後方向の前部又は後部或いは前部と後部の両方に設けられていてもよい。ガス導入部がカーテンエアバッグの上縁部の車両前後方向の前部と後部の両方に設けられる場合は、インフレータも前後2本設定されることになる。

0043

前席用側突チャンバ38は、前席FSのサイドウインド30Aの車両前後方向の中間部付近からセンタピラー26とラップする範囲に亘って膨張展開するようになっている。この前席用側突チャンバ38の車両前後方向の前側には、第2非膨張部50を介して前席用ディレイチャンバ42が配設されている。前席用ディレイチャンバ42は、車両上下方向を長手方向とした円柱状に膨張するように形成されている。この前席用ディレイチャンバ42の上端部は、ガス供給路36の前端部と絞り部64を介して相互に連通されている。前席用ディレイチャンバ42の下端部42Aは、ドアベルトライン部68に対して車両上下方向にラップするように設定されている。

0044

一方、後席用側突チャンバ40は、車室内側から見て後席RSのサイドウインド32Aの後部領域を覆うように膨張展開するようになっている。後席用ディレイチャンバ46の上部は、前方チャンバ44の下部と絞り部66を介して相互に連通されている。後席用ディレイチャンバ46の下端部46Aは、ドアベルトライン部68に対して車両上下方向にラップするように設定されている。

0045

上述した前席乗員P1の上体は、前席用のシートベルト装置70によって前席FSに拘束されており、後席乗員P2の上体は、後席用のシートベルト装置72によって後席RSに拘束されている。また、後席用のシートベルト装置72のショルダアンカ74は、リヤピラー24に設置されている。さらに、前席乗員P1、後席乗員P2は、一例として、国際統一側面衝突ダミー(World Side Impact Dummy : WorldSID )のAM50(米国成人男性の50パーセンタイル)を想定している。

0046

次に、上述した車両用カーテンエアバッグ装置10の展開制御ステムについて説明する。上述した車両用カーテンエアバッグ装置10は、制御部であるECU(Electronic Control Unit)80によってその作動が制御されている。ECU80の入力側には、一例として、前面衝突検知センサ82、車載カメラ84、側面衝突検知センサ86及びロールオーバー検知センサ88が接続されている。一方、ECU80の出力側には、車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ12(の図示しないスクイブ)等が接続されている。

0047

前面衝突検知センサ82の種類としては、一例として加速度センサを用いることが可能である。加速度センサを複数用いることにより、衝突したことの他、衝突形態を検知することができる。例えば、車両前部の車両幅方向両側に配設された左右一対フロントサイドメンバの前端部付近に図示しないフロントサテライトセンサをそれぞれ配設する手法を採用することができる。

0048

左右のサテライトセンサによって略同等でかつ所定の閾値を超える加速度がそれぞれ検出されれば、自車両がフルラップ前面衝突したと判断することができる。また、左右のサテライトセンサのいずれか一方側のみで、所定の閾値以上の大きな加速度が検出された場合は、自車両がオフセット衝突したと判断することができる。さらに、基準となる閾値を予め複数設定しておき、左右のサテライトセンサのいずれか一方側のみで、より高い方の閾値を超える加速度を検出した場合には、検出されたサテライトセンサ側で微小ラップ衝突が発生したと判断することができる。また、サテライトセンサによる検出値に加えて車載カメラ84で検知した画像情報を使うことにより、オブリーク衝突が発生したと判断することができる。

0049

さらに、衝突形態について補足説明すると、「オブリーク衝突」とは、例えばNHTSAにて規定される斜め前方からの衝突(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度の衝突)とされる。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜突が想定されている。なお、NHTSAとは、米国の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)の略称である。また、「微小ラップ衝突」とは、自動車の前面衝突のうち、例えばIIHSにおいて規定される衝突相手方との車幅方向のラップ量が25%以下の衝突とされる。例えば、車体骨格であるフロントサイドメンバよりも車両幅方向外側へのオフセット前面衝突が微小ラップ衝突に該当する。この実施形態では、一例として相対速度64km/hrでの微小ラップ衝突が想定されている。なお、IIHSとは、米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety)の略称である。さらに、「フルラップ前面衝突」とは、試験車を時速55km/hrでコンクリート製の障壁バリヤ)に正面衝突させたときの衝突とされる。

0050

上述した構成のカーテンエアバッグ14は、袋織りによって構成されている。そのため、図2(B)に示されるように、カーテンエアバッグ14の内部に供給されたガスが洩れるのを防止するための一例としてシリコンゴムコーティングがカーテンエアバッグ14の基布14Aの外表面に施されている。以下、この層を「コーティング層90」と称す。

0051

ここで、図4(A)、(B)に示されるように、カーテンエアバッグ14の展開完了状態では、前方チャンバ44の第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB1(図4(A)参照)は、後席用側突チャンバ40の第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB2(図4(B)参照)よりも薄く設定されている。これにより、後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間には、チャンバの厚さの違いに起因したバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部92が形成されている。

0052

図1図4に示されるように、上述したカーテンエアバッグ14の後席用側突チャンバ40側には、カーテンエアバッグ14とは別体で構成された保護布94が配設されている。

0053

具体的には、図2(A)に示されるように、保護布94は、矩形の布状部材として構成されている。また、保護布94は、後席用側突チャンバ40における前部40Aの車両幅方向内側の表面40A1から前方チャンバ44における後部44Aの車両幅方向内側の表面44A1にかけて配置されている。保護布94の上縁部94Aは、カーテンエアバッグ14の上縁側(上縁側に位置する第1非膨張部48)に縫製により固定されている(第1固定部96)。同様に、保護布94の下縁部94Bは、カーテンエアバッグ14の下縁側(下縁側に位置する第1非膨張部48)に縫製により固定されている(第2固定部98)。カーテンエアバッグ14の展開完了状態では、後席用側突チャンバ40における前部40Aの車両幅方向内側の表面40A1と前方チャンバ44における後部44Aの車両幅方向内側の表面44A1との間に生じる凹部92が、保護布94によって車両幅方向内側から覆われている。

0054

また、上述した保護布94は、カーテンエアバッグ14を構成する基布14Aよりも面外剛性が高い布とされている。なお、「面外剛性」とは、保護布94を平面状の部材とみなしたときにその平面に対して垂直方向に力が加わったときの剛性(変形しにくさ)をいう。具体的には、本実施形態では、保護布94は一例としてカーテンエアバッグ14の基布14Aと同一の布材複数枚重ね合わせることで、保護布94の厚さt1(図2(B)参照)を基布14Aの厚さt2よりも厚くしている。さらに、複数枚の前記布材を、外周及び対角線に沿って縫製するなどして、一枚の前記布材と比較して変形しにくくしている。なお、保護布の材質を基布14Aよりも変形しにくい素材にしてもよい。上記の保護布94は、一枚の基布14Aよりも面外剛性が高いものの、カーテンエアバッグ14と一緒に折り畳まれて格納されている。

0055

(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。

0056

側面衝突時になると、側面衝突検知センサ86からの検知情報に基づいて自車両が側面衝突したことが検知される。これにより、ECU80によってインフレータ12が作動し、カーテンエアバッグ14がルーフヘッドライニング20の車両幅方向外側の端部20Aから車両下方側へサイドウインド30A、32Aに沿ってカーテン状に膨張展開される。カーテンエアバッグ14が膨張展開されると、前席乗員P1の頭部の車両幅方向外側に前席用側突チャンバ38が配置されると共に、後席乗員P2の頭部の車両幅方向外側に後席用側突チャンバ40が配置される。

0057

また、ロールオーバー時になると、ロールオーバー検知センサ88からの検知情報に基づいて自車両がロールオーバーしたことが検知される。これにより、左右両側のカーテンエアバッグ14が上記と同様に膨張展開される。このとき、前席用ディレイチャンバ42が前席用側突チャンバ38に遅れて膨張展開し、その下端部42Aが前席FSのサイドドア30のドアベルトライン部68に車室内側から係止される。同様に、後席用ディレイチャンバ46が後席用側突チャンバ40に遅れて膨張展開し、その下端部46Aが後席RSのサイドドア32のドアベルトライン部68に車室内側から係止される。これにより、カーテンエアバッグ14は長時間、展開状態を維持する。

0058

一方、微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時を含む前面衝突時になると、前面衝突検知センサ82からの検知情報及び車載カメラ84からの画像情報に基づいて自車両が前面衝突したことが衝突形態も含めて検知される。これにより、ECU80によって図示しない運転席用エアバッグ装置のインフレータ及び助手席用エアバッグ装置のインフレータが作動される他、車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ12も作動される。車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ12が作動されると、前述したようにインフレータ12のガス噴出孔28から噴出されたガスによって、カーテンエアバッグ14がルーフヘッドライニング20の車両幅方向外側の端部20Aから車両下方側へカーテン状に膨張展開される。その結果、前席乗員P1の頭部の車両幅方向外側に前席用側突チャンバ38が配置されると共に、後席乗員P2の頭部の車両幅方向外側に後席用側突チャンバ40が配置される。

0059

ところで、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時になると、図3(A)及び図4(A)に示されるように、衝突側の後席乗員P2の頭部は、車両前方側かつ車両幅方向外側へ慣性移動する。すなわち、後席乗員P2の頭部は、二点鎖線図示位置から一点鎖線図示位置へと慣性移動する。ここで、後席乗員P2の上体は、後席用の三点式のシートベルト装置72によって拘束されている。そのため、図3(B)及び図4(B)に示されるように、一点鎖線図示位置へ慣性移動した後席乗員P2の頭部は、リバウンドして後席用側突チャンバ40の前部40A側へ向かうことがある。すなわち、後席乗員P2の頭部は、一点鎖線図示位置から実線図示位置へと車両後方側かつ車両幅方向外側へ移動することがある。特に、後席用の三点式のシートベルト装置72のショルダアンカ74がリヤピラー24に設置されている場合には、その傾向がある。

0060

ここで、上記カーテンエアバッグ14では、後席用側突チャンバ40の車両前方側に第3非膨張部52を挟んで前方チャンバ44が配置されており、展開完了状態における第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB1が後席用側突チャンバ40の第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB2よりも薄い。このため、カーテンエアバッグ14の展開完了状態では、後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間に、バッグ厚さ方向に高さ違いの凹部92が形成されている。従って、仮に図5(A)、(B)に示されるように、本実施形態の保護布94がない場合には、リバウンドした後席乗員Qの頭部が凹部92に引っ掛かることが考えられる。この場合、後席乗員Qの頭部は凹部92に引っ掛かった時点においても車両後方側へ移動しようとしているため、図5(B)に示されるように、後席乗員Qの頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転される可能性がある。すなわち、図5(B)に実線で示される後席乗員Qの頭部が、二点鎖線で示されるように車両上下方向の軸回りに急激に回転される可能性がある。

0061

上記知見に鑑み、本実施形態では、カーテンエアバッグ14とは別体で構成された保護布94が、カーテンエアバッグ14の後席用側突チャンバ40の少なくとも上縁側(本実施形態では、上縁側に位置する第1非膨張部48と下縁側に位置する第1非膨張部48)に縫製により固定されている。この保護布94は、カーテンエアバッグ14の展開完了状態で、後席用側突チャンバ40の前部40Aの表面40A1から前方チャンバ44の後部44Aの表面44A1にかけて配置されており、更に後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部92(の全体)を車両幅方向内側から覆っている。このため、保護布94が設けられた領域では、(見かけ上は)当該高さ違いの凹部92がなくなる。しかも、展開完了状態における前方チャンバ44の第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB1は後席用側突チャンバ40の第3非膨張部52から車両幅方向内側への厚さB2よりも薄いことから、図4(A)に示されるように、保護布94を車両平面視で見た場合、保護布94は後席用側突チャンバ40の前部40Aから前方チャンバ44の後部44Aにかけて車両幅方向外側へ傾斜した状態で配置されることになる。その結果、リバウンドした後席乗員P2の頭部は、凹部92ではなく保護布94に当接し、当該頭部が凹部92に引っ掛かり難くなる。なお、保護布94に当接した後席乗員P2の頭部は、保護布94と共に車両後方側へ滑る。

0062

上より、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10は、前面衝突時のうち少なくとも微小ラップ衝突時及びオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員P2の頭部が後席用側突チャンバ40の前部40Aと前方チャンバ44の後部44Aとの間に形成されたバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部92に当接した際に、後席乗員P2の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することができる(以下、上記効果を「主たる効果」と称すことがある)。

0063

また、本実施形態では、保護布94は、カーテンエアバッグ14を構成する基布14Aよりも面外剛性が高く設定されているため、保護布94が捲れ上がり難く、凹部92が保護布94でしっかりと覆われる(カバーされる)。このため、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布94に当接した際に、保護布94が凹み難く、リバウンドした後席乗員P2の頭部が凹部92により一層引っ掛かり難くなる。さらに、保護布94の面外剛性を高く設定するという構成であるため、リバウンドした後席乗員P2の頭部が凹部92に引っ掛からないようにするという観点では、信頼性が高い。よって、本実施形態によれば、リバウンドした後席乗員P2の頭部が凹部92に引っ掛かることを効果的に抑制又は防止することができ、ひいてはリバウンドした後席乗員P2の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを抑制又は防止することに対する信頼性を高めることができる(以下、上記効果を「高面外剛性布の効果」と称すことがある)。

0064

さらに、本実施形態では、保護布94は、カーテンエアバッグ14の上縁側の他に下縁側でも固定されているため、後席用側突チャンバ40が膨張展開する際に保護布94が確実に広げられると共に、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布94に接触した際に、保護布94の裾が捲れ上がりにくくなる。その結果、本実施形態によれば、保護布94の展開(広がり)不良が生じること及び保護布94の捲れ上がりが生じることを抑制又は防止することができ、リバウンドした後席乗員P2の頭部を確実に保護布94に当てることができる(以下、上記効果を「捲れ防止効果」と称すことがある)。

0065

〔第2実施形態〕
次に、図6を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第2実施形態について説明する。なお、説明に際しては要部を中心に説明することとし、既に説明した実施形態(ここでは第1実施形態)と実質的に同一である構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。この点は、後述する第3実施形態以降についても同様とする。

0066

図6に示されるように、この第2実施形態では、保護布100が、後席乗員P2の頭部が当接するカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域に部分的に配置されている点に特徴がある。なお、第1実施形態で用いた図3(B)には後席乗員P2が保護布94に当接した状態が描かれているが、凹部92を車両幅方向内側から覆う領域を上部領域、中央領域、下部領域の三つに分けた場合の中央領域に、保護布100が配置されているという意味である。保護布100は、車両前後方向を長辺方向とする矩形状に形成されており、第1実施形態の保護布94よりも車両上下方向の寸法が短くなっている。また、保護布100は、形状及び大きさ以外は、前述した第1実施形態で説明した保護布94と同一の構成とされている。つまり、保護布100は、保護布94と同様に面外剛性が高い厚布とされている。

0067

上述した保護布100は、保護布100よりも薄い下布102に固定されている。下布102は、カーテンエアバッグ14の上縁部から下縁部までの上下方向寸法を有し、車室内側から見て矩形状とされている。保護布100は、その全体が下布102に重なっている。そして、保護布100の所定箇所(例えば、外周四辺)が縫製により下布102に固定されている。下布102は、保護布100の厚さよりも薄く面外剛性は保護布100よりも低い。下布102としては、例えば、カーテンエアバッグ14の基布14Aと同一の素材を用いることができる。

0068

上記下布102の上縁部がカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁部に縫製により固定されている(第1固定部96)。同様に、下布102の下縁部がカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の下縁部に縫製により固定されている(第2固定部98)。つまり、下布102は、凹部92を車両幅方向内側から覆う領域に対して上下方向中央領域にしか配置されない縮小された保護布100を、カーテンエアバッグ14に固定するための固定部材として機能している。

0069

(作用及び効果)

0070

上記構成によっても、リバウンドした後席乗員P2の頭部は面外剛性が高い保護布100に当接するので、前述した第1実施形態の主たる効果、高面外剛性布の効果、捲れ防止効果が得られる。

0071

また、本実施形態では、保護布100は、後席乗員P2の頭部が当接するカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域に部分的に配置されている構成であるため、保護布100がカーテンエアバッグ14の上縁部から下縁部まで全体的に配置されている場合と比べて、保護布100の面積が小さくなる。このため、保護布100をカーテンエアバッグ14と一緒に折り畳んだ際に嵩張らない。その結果、車両用カーテンエアバッグ装置10のパッケージサイズを小さくすることができる(以下、上記効果を「部分布効果」と称すことがある)。

0072

〔第3実施形態〕
次に、図7を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第3実施形態について説明する。

0073

図7に示されるように、この第3実施形態では、後席乗員P2の頭部が当接するカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域に部分的に配置された保護布100を、複数本の第1帯状体110及び第2帯状体112でカーテンエアバッグ14の上縁部及び下縁部に固定している点に特徴がある。

0074

具体的には、保護布100の上縁側の前後端部には、2本の第1帯状体110が保護布100と一体に設けられている。同様に、保護布100の下縁側の前後端部にも、2本の第2帯状体112が保護布100と一体に設けられている。つまり、この実施形態では、保護布100自体の形状を第1帯状体110及び第2帯状体112を含んだ形状にしているが、必ずしもその必要はなく、第1帯状体及び第2帯状体を保護布100と別体で構成して、保護布100の上縁側及び下縁側に第1帯状体の一端部及び第2帯状体の一端部を縫製等によって固定する構成を採ってもよい。

0075

第1帯状体110の他端部は、カーテンエアバッグ14の上縁部(即ち、第1非膨張部48の上縁部)であって保護布100の上縁よりも車両前後方向の前側及び後側に縫製により固定されている。同様に、第2帯状体112の他端部は、カーテンエアバッグ14の下縁部(即ち、第1非膨張部48の下縁部)であって保護布100の下縁よりも車両前後方向の前側及び後側に縫製により固定されている。

0076

(作用及び効果)
上記構成によっても、リバウンドした後席乗員P2の頭部は面外剛性が高い保護布100に当接するので、前述した第1実施形態と同様に主たる効果、高面外剛性布の効果、捲れ防止効果が得られる。また、保護布100はカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域のみに部分的に配置されるので、前述した第2実施形態と同様に部分布効果が得られる。

0077

また、本実施形態では、面積の小さい保護布100を第1帯状体110及び第2帯状体112といったストラップ状の細い布でカーテンエアバッグ14に固定する構成であるため、パッケージサイズを前述した第2実施形態よりも更に小さくすることができる(以下、上記効果を「パッケージサイズ効果」と称すことがある)。

0078

さらに、第1実施形態のように面積の大きい保護布94の上縁部と下縁部とをその全長に亘って固定する構成に比べて、保護布100のカーテンエアバッグ14への拘束力が弱まる。このため、保護布100自体が、リバウンドした後席乗員P2の頭部と一緒に車両後方側へ滑りやすくなる(動きやすくなる)。その結果、本実施形態によれば、リバウンドした後席乗員P2の頭部の車両上下方向の軸回りの回転をより一層抑制又は防止することができる(以下、上記効果を「滑りやすさ効果」と称すことがあり、パッケージサイズ効果と滑りやすさ効果を総称して「帯状体効果」と称すことがある)。

0079

さらに、第1帯状体110の他端部及び第2帯状体112の他端部をカーテンエアバッグ14に縫製して固定する構成であるため、前述した第1実施形態及び第2実施形態に比し、縫製量を削減することができる。従って、コストダウンを図ることができる。

0080

次に、第3実施形態の幾つかの変形例について説明する。

0081

<第1変形例>
図8(A)に示されるように、この第1変形例では、保護布100の下縁部の車両前後方向の中間部とカーテンエアバッグ14の下縁部とを1本の第2帯状体112で車両上下方向に連結している。また、2本の第1帯状体110の他端部は、カーテンエアバッグ14の上縁部への縫製による固定ではなく、カーテンエアバッグ14の2つの固定片58に重ね合わされて、固定具60でルーフサイドレール18に共締めされている。

0082

図8(B)に示されるように、固定具60は、樹脂製のクリップ部114と金属製の固定ピン116とによって構成されている。クリップ部114は、凹陥状のクリップ座114Aと、このクリップ座114Aの軸芯部から突出された円錐台形状の挿入部114Bと、この挿入部114Bの先端に拡径可能に設けられた係止部114Cと、を含んで構成されている。固定ピン116をクリップ座114Aの軸芯部に挿入して係止部114Cを拡径させることにより、カーテンエアバッグ14の固定片58と第1帯状体110の他端部とがルーフサイドレール(インナ)18に共締めされている。

0083

上記構成によっても、保護布100と第1帯状体110及び第2帯状体112を備えているため、本実施形態と同様の作用及び効果が得られる。また、第1帯状体110の他端部をカーテンエアバッグ14の固定片58にルーフサイドレール18に共締めする構成であるため、縫製箇所を減らすことができ、その分、コストダウンを図ることができる。

0084

<第2変形例>
この第2変形例は、第1変形例の変形例といえる。すなわち、第1変形例では、第1帯状体110の他端部をカーテンエアバッグ14の固定片58に重ね合わせて固定具60で締結固定したが、これに限らず、図9(A)、(B)に示されるように、第1帯状体110の他端部を固定片58に予め縫製してもよい。

0085

具体的に説明すると、第1帯状体110の他端部は矩形状に形成されており、その中央部には固定具60の軸部を挿通させるための矩形状の開口118が形成されている。そして、第1帯状体110の他端部を開口118の上下二箇所で縫製することにより、当該他端部を固定片58に固定している。すなわち、開口118の上縁に対して平行に縫製がなされて第1縫製部120とされている。また、開口118の下縁に対して平行に縫製がなされて第2縫製部122とされている。

0086

上記構成によっても、前述した第3実施形態及び第1変形例と同様の作用及び効果が得られる。また、第1帯状体110の他端部をカーテンエアバッグ14の固定片58に重ね合わせて、第1帯状体110の他端部と固定片58とを第1縫製部120及び第2縫製部122で予め縫製しておく構成であるため、固定片58の厚さが実質的に厚くなり、固定具60で固定される部位である固定片58を第1帯状体110の他端部で補強する効果が得られる。その結果、固定片58を第1帯状体110の他端部とは異なる別体の補強布を縫製して補強する構成に比べてコストダウンを図ることができる。

0087

〔第4実施形態〕
次に、図10を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第4実施形態について説明する。

0088

図10に示されるように、この第4実施形態では、前述した第3実施形態の第2変形例(図9(A))の構成に対し、保護布100を第1帯状体110のみでカーテンエアバッグ14の外周上縁部(第1非膨張部48の上縁部)に固定している点に特徴がある。すなわち、この第4実施形態では、前述した第2帯状体112は設けられていない。

0089

(作用及び効果)
上記構成によっても、リバウンドした後席乗員P2の頭部は面外剛性が高い保護布100に当接するので、前述した第1実施形態と同様に主たる効果、高面外剛性布の効果が得られる。また、保護布100はカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域のみに部分的に配置されるので、前述した第2実施形態と同様に部分布効果が得られる。さらに、保護布100を第1帯状体110でカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁部に固定しているので、前述した第3実施形態と同様に帯状体効果が得られる。

0090

また、本実施形態では、第2帯状体112が設けられていない分、パッケージサイズを前述した第3実施形態よりも更に小さくすることができる。さらに、第2帯状体112が設けられていない分、保護布100の下部側がカーテンエアバッグ14に対して無拘束の状態となる。このため、保護布100の特に下部側が車両後方側へ滑りやすくなる(以下、上記効果を「保護布無拘束効果」と称すことがある)。

0091

〔第5実施形態〕
次に、図11を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第5実施形態について説明する。

0092

図11に示されるように、この第5実施形態では、前述した第3実施形態の第2変形例(図9(A))の構成に対し、保護布130を第1帯状体110及び第2帯状体112の両方を用いてカーテンエアバッグ14の外周上縁部(第1非膨張部48の上縁部)と外周下縁部(第1非膨張部48の下縁部)に固定する点は同様であるが、第1帯状体110の他端部の固定点及び第2帯状体112の他端部の固定点を車両後方側へオフセットして設定した点が相違しており、この点に本実施形態の特徴がある。

0093

第1帯状体110の他端部のカーテンエアバッグ14への固定点は、第1帯状体110の一端部の保護布130への接続点に対して車両後方側へ所定距離だけオフセットして配置されている。同様に、第2帯状体112の他端部のカーテンエアバッグ14への固定点は、第2帯状体112の一端部の保護布130への接続点に対して車両後方側へ前記所定距離と同一距離だけオフセットして配置されている。従って、2本の第1帯状体110及び第2帯状体112は、それぞれ平行に配置されている。また、前側の第1帯状体110と保護布130の上縁とのなす角度と第2帯状体112と保護布130の下縁とのなす角度とは同一になっている。

0094

また、保護布130は、前述した例えば第3実施形態の第2変形例に対し、車両前方側へ延長されており、延長された延長部130Aが上段の第4非膨張部54にティアシーム132で仮止めされている。これにより、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布130に当接するまで、保護布130を図11図示位置に保持している。

0095

(作用及び効果)
上記構成によっても、リバウンドした後席乗員P2の頭部は面外剛性が高い保護布130に当接するので、前述した第1実施形態と同様に主たる効果、高面外剛性布の効果、捲れ防止効果が得られる。また、保護布130はカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域のみに部分的に配置されるので、前述した第2実施形態と同様に部分布効果が得られる。さらに、保護布130を第1帯状体110でカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁部に又第2帯状体112でカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の下縁部に固定しているので、前述した第3実施形態と同様に帯状体効果が得られる。

0096

また、本実施形態では、第1帯状体110及び第2帯状体112のカーテンエアバッグ14への固定部は、第1帯状体110及び第2帯状体112の保護布130への接続部に対して車両後方側へオフセットして配置されているため、第1帯状体110及び第2帯状体に余長が生じる。このため、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布130に当接すると、仮止め用のティアシーム132が破断した後は、保護布130は容易に車両後方側へ移動できる。その結果、本実施形態によれば、リバウンドした後席乗員P2の頭部の車両後方側への移動に対する保護布130の追従性が良くなり、頭部の車両上下方向の軸回りの回転を効果的に抑制又は防止することができる。別の見方をすると、ティアシーム132が破断した後は、保護布130はリバウンドした後席乗員P2の頭部と後席用側突チャンバ40との間に挟まれているので、第1帯状体110及び第2帯状体112はいずれも弛み、保護布130は一時的にカーテンエアバッグ14に対して拘束されていないのと同等の状態になる。従って、その意味では、本実施形態と前述した第4実施形態とは相通ずるものがあると捉えることができる。

0097

なお、2本の第1帯状体110及び第2帯状体112は、必ずしも平行である必要はなく、平行でない場合でもそれに応じた効果は得られる。

0098

〔第6実施形態〕
次に、図12及び図13を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第6実施形態について説明する。

0099

図12に示されるように、この第6実施形態では、カーテンエアバッグ14及び保護布100の基本構成は、前述した第3実施形態(図7)と同一とされている。但し、第2帯状体112の他端部をカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の下縁部に固定している第2縫製糸140の強度が、第1帯状体110の他端部を第1非膨張部48の上縁部に固定している第1縫製糸142の強度よりも低くなっており、この点に本実施形態の特徴がある。なお、図12では、第1縫製糸142を太い線で示し、第2縫製糸140を細い線で描くことで、第1縫製糸142と第2縫製糸140の強度差表現している。また、第2縫製糸140としては、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布100に当接した後、頭部が保護布100と共に車両後方側へ滑る際に破断する強度のものが使用されている。

0100

(作用及び効果)
上記構成によっても、リバウンドした後席乗員P2の頭部は面外剛性が高い保護布100に当接するので、前述した第1実施形態と同様に主たる効果、高面外剛性布の効果、捲れ防止効果が得られる。また、保護布100はカーテンエアバッグ14の上下方向中央領域のみに部分的に配置されるので、前述した第2実施形態と同様に部分布効果が得られる。さらに、保護布100を第1帯状体110でカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁部に又第2帯状体112でカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の下縁部に固定しているので、前述した第3実施形態と同様に帯状体効果が得られる。

0101

また、本実施形態では、リバウンドした後席乗員P2の頭部が保護布100に当接した後、頭部が保護布100と共に車両後方側へ滑る際に第2縫製糸140が破断するため、頭部が保護布100と共に車両後方側へ動きやすくなる。なお、第2縫製糸140が破断した後は、機能的には第4実施形態と同一の構成になる。従って、本実施形態においても、第4実施形態と同様に保護布無拘束効果が得られる。

0102

このように本実施形態では、保護布100の捲れを防止してリバウンドした後席乗員P2の頭部を保護布100に確実に当てることと、頭部が保護布100に当接した後に頭部を車両後方側へ保護布100と共に滑り易くすることで頭部の回転を抑制又は防止することの両立を図ることができる。

0103

なお、本実施形態では、第2帯状体112の他端部をカーテンエアバッグ14の下縁部に固定している第2縫製糸140を破断させるようにしたが、これに限らず、図13に示されるように、第2帯状体112の他端部自体はカーテンエアバッグ14の下縁部に第1縫製糸142で縫製し、車両前方側に配置された第2帯状体112の他端部の近傍にくびれ部144を形成して、ここから破断させるようにしてもよい。このようにしても図12に示される例と同様の効果が得られる。なお、くびれ部144は、車両前方側に配置された第2帯状体112の他端部近傍だけでなく、車両後方側に配置された第2帯状体112の他端部近傍にも設定してもよい。くびれ部144は広義には「脆弱部」として把握される要素であり、第2縫製糸140を破断させる構成も含めて捉えると、一例として、第2帯状体の他端部をカーテンエアバッグ14に固定した状態を解除する「固定解除部」として把握される要素である。

0104

〔第7実施形態〕
次に、図14及び図15を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第7実施形態について説明する。

0105

図14に示されるように、この第7実施形態では、前述した第1実施形態等の保護布94に替えて、滑り布として構成された保護布150が用いられている点に特徴がある。

0106

具体的に説明すると、図14の拡大付図に示されるように、保護布150は、カーテンエアバッグ14の基布14Aと同一の一枚の布材で構成されている。すなわち、保護布150には、コーティング層90が設けられていない(ノンコートの)布材で構成されている。従って、保護布150の車両幅方向外側の表面の摩擦係数は、カーテンエアバッグ14の後席用側突チャンバ40の車両幅方向内側の表面(コーティング層90)の摩擦係数よりも低くなっている。その結果、保護布150は後席用側突チャンバ40の車両幅方向内側の表面(コーティング層90)上を滑リやすくなっている。

0107

なお、保護布150は、第1実施形態の保護布94と同一形状であり、配設される位置もバッグ厚さ方向に高さ違いの凹部92を車両幅方向内側から覆う範囲とされている。また、保護布150は、その上縁部150Aが第1固定部96にてカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の上縁側に固定されており、下縁部150Bが第2固定部98にてカーテンエアバッグ14の第1非膨張部48の下縁側に固定されている。

0108

(作用及び効果)
上記構成によれば、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時に、リバウンドした後席乗員P2の頭部は凹部92を車両幅方向内側から覆う保護布150に当接する。この保護布150は滑り布として構成されており、その車両幅方向外側の表面の摩擦係数は後席用側突チャンバ40のコーティング層90の摩擦係数よりも低いため、後席乗員P2の頭部は保護布150を車両後方側へ寄せるようにして保護布150と共に車両後方側へ滑る。

0109

また、保護布150の車両幅方向外側の表面の摩擦係数を後席用側突チャンバ40の車両幅方向内側の表面(コーティング層90)の摩擦係数よりも低く設定するという構成であるため、保護布150自体の厚さは後席用側突チャンバ40の基布14Aよりも薄くすることも可能である。

0110

その結果、本実施形態によれば、リバウンドした後席乗員P2の頭部が車両上下方向の軸回りに急激に回転することを効果的に抑制又は防止することができると共に、保護布150をカーテンエアバッグ14と一緒に折り畳んだときに嵩張らない(パッケージサイズが大きくならない)。

0111

なお、本実施形態では、保護布150としてカーテンエアバッグ14の基布14Aと同一の布材を用いることとしたが、これに限らず、他の布材を用いるようにしてもよい。例えば、保護布としてフッ素繊維を含んだ低摩擦布を用いてもよい。このような低摩擦布の例としては、例えば東レ株式会社製のトヨフロン登録商標)等を挙げることができる。

0112

また、保護布150の滑りやすさだけで不足する場合は、図15に示される変形例を採用することも可能である。図15に示される変形例では、上記保護布150の車両幅方向外側の面に低摩擦部152が設けられている。低摩擦部152は、基布14Aよりも摩擦係数が低い低摩擦剤を塗布すること等によって設けられている。低摩擦剤としては、例えば滑石粉末タルク)等を用いることができる。低摩擦部152の表面の摩擦係数は、当然ながらコーティング層90の摩擦係数よりも低くなっている。

0113

なお、滑り布として構成された保護布150を使用する本実施形態を、高面外剛性布で構成された保護布94、100、130を使った第1実施形態から第6実施形態に対して組み合わせて適用してもよい。例えば、第1実施形態で用いた保護布94は基布14Aと同一の布材を重ねて厚くしたものであるため、摩擦係数だけ比べると、保護布94の車両幅方向内側の表面はコーティング層90の車両幅方向内側の表面の摩擦係数よりも低い。従って、その時点で、第1実施形態は本実施形態の一例として成立しているが、更に保護布94が滑りやすくするようにすることはリバウンドした後席乗員P2の頭部の回転を抑制又は防止するために有効である。この観点から、保護布94の車両幅方向外側の表面にフッ素繊維を含んだ低摩擦布を取り付けたり、タルクを使った低摩擦部152を設けるなどしてもよい。

0114

〔上記実施形態の補足説明〕
上述した各実施形態では、カーテンエアバッグ14が袋織りされて外表面にコーティング層90を設けたが、これに限らず、一枚の基布の片面にコーティング層を施し、当該コート布をコーティング層が内側になるように中心線で折り返して外周部等を縫製することによりカーテンエアバッグを構成する構成を採ってもよい。この場合、カーテンエアバッグの外表面の方が内表面よりも摩擦係数が低くなっているため、第7実施形態との関係でいえば、基布よりも摩擦係数が低い保護布を使用するか、基布よりも摩擦係数が低い低摩擦部を保護布の車両幅方向外側の表面に設けるとよい。

0115

また、上述した各実施形態では、側面衝突時、ロールオーバー時、微小ラップ衝突時やオブリーク衝突時を含む前面衝突時にインフレータ12が作動するように構成されていたが、これに限らず、これらの衝突が不可避であることを予め検知(予知)した場合にも、インフレータが作動するようにしてもよい。すなわち、本発明における例えば「オブリーク衝突時」には、実際にオブリーク衝突した場合が含まれる他、オブリーク衝突することが予知された場合が含まれるものとする。本発明における「側面衝突時」、「前面衝突時」、「微小ラップ衝突時」についても同義である。なお、衝突予知時にインフレータを作動させる場合は、例えば、前述した車載カメラ84といったカメラを使うようにしてもよいし、ミリ波レーダ等の衝突予知センサを新たに追加してもよいし、カメラと衝突予知センサの両方を使うようにしてもよい。

0116

10車両用カーテンエアバッグ装置
12インフレータ
14カーテンエアバッグ
14A基布
20ルーフヘッドライニング(天井)
20A車両幅方向外側の端部
40後席用側突チャンバ
40A 後席用側突チャンバの前部
40A1 前部の車両幅方向内側の表面
44前方チャンバ
44A 前方チャンバの後部
44A1 後部の車両幅方向外側の表面
52 第3非膨張部(非膨張部)
72シートベルト装置
92 凹部
94保護布
96 第1固定部
98 第2固定部
100 保護布
110 第1帯状体
112 第2帯状体
130 保護布
150 保護布
RS 後席
P2後席乗員
B1 後席用側突チャンバの非膨張部から車両幅方向内側への厚さ
B2 前方チャンバの非膨張部から車両幅方向内側への厚さ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ダイセルの「 固定方法及びそれを用いたガス発生器のシールピン固定方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】部材を固定できる固定方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の固定方法は、曲面形状の外表面を備え所定の第1金属で形成された第1部材を準備するステップと、所定の第2金属で形成された第2... 詳細

  • 中興化成工業株式会社の「 複合シート及びエアバッグ」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】 優れた滑り性能を有する複合シート、及び収納性が高く展開機能および内圧保持性能に優れたエアバッグを提供すること。【解決手段】 基布層と、前記基布層の上に設けられており、前記基布層に向いてい... 詳細

  • 日本化薬株式会社の「 ガス発生器」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】第1燃焼室と第2燃焼室とを連通させる連通孔を塞ぐ専用部材を用いることなく、第1ガス発生剤の燃焼時に生じる火炎が第1燃焼室から第2燃焼室へ至るのを阻止することと、第2ガス発生剤の燃焼時に生じるガ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ