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技術 アシスト装置、アシスト方法及びプログラム

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 村上健太ジョンステファンウィリアム小松真弓小澤順
出願日 2017年6月28日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2017-125765
公開日 2018年4月12日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-057825
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ リハビリ用具
主要キーワード 毎回キャリブレーション 補助用具 接合関係 締めすぎ 軸方向周り 締め具合 フック面 非伸縮性素材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

当該アシスト装置ベルトの緩みなどを効果的に検知できるアシスト装置などを提供する。

解決手段

上半身に装着される上半身ベルト部110と、に装着される第1及び第2のベルトと、上半身ベルト及び第1のベルトを接続する第1のワイヤと、第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、上半身ベルト及び第2のベルトを接続する第3のワイヤと、第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、第1〜第4のワイヤの末端と接続されるモータと、歩行アシストするときは、モータにより、第1又は第2のワイヤと、第3又は第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、上半身ベルトの緩みを検知するときは、モータにより、第1又は第2のワイヤと、第3又は第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、駆動制御部を含むアシスト装置。

概要

背景

特許文献1には、ユーザの姿勢センサ等で検知することで、姿勢によって変化するコルセット締め付け具合を判定し、締め付け力を調整する補助用具が開示されている。

概要

当該アシスト装置ベルトの緩みなどを効果的に検知できるアシスト装置などを提供する。上半身に装着される上半身ベルト部110と、に装着される第1及び第2のベルトと、上半身ベルト及び第1のベルトを接続する第1のワイヤと、第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、上半身ベルト及び第2のベルトを接続する第3のワイヤと、第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、第1〜第4のワイヤの末端と接続されるモータと、歩行アシストするときは、モータにより、第1又は第2のワイヤと、第3又は第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、上半身ベルトの緩みを検知するときは、モータにより、第1又は第2のワイヤと、第3又は第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、駆動制御部を含むアシスト装置。

目的

本開示の非限定的で例示的な一態様は、ワイヤを用いて人の動作を支援するアシスト装置において、当該アシスト装置のベルトの緩みなどを効果的に検知できるアシスト装置などを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤの第1端、前記第2のワイヤの末端、前記第3のワイヤ末端、および前記第4のワイヤの末端と接続されるモータと、前記ユーザの歩行アシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、駆動制御部と、を備えるアシスト装置

請求項2

さらに、前記上半身ベルトに配置され、前記ユーザの上下方向の軸周りの角速度を測定するジャイロセンサと、制御部とを備え、前記ジャイロセンサは、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加えられたときに、前記角速度を測定し、前記制御部は、前記角速度が第2の閾値以上の場合に、前記上半身ベルトの緩みがあることを示す情報を出力する、請求項1に記載のアシスト装置。

請求項3

前記第1のワイヤは、前記第3のワイヤに対して、平行に位置しており、前記第2のワイヤは、前記第4のワイヤに対して、平行に位置しており、前記駆動制御部は、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記第1のワイヤ及び前記第3のワイヤに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、又は、前記第2のワイヤ及び前記第4のワイヤに、同じタイミングで前記第1の閾値以上の張力を加える、請求項1に記載のアシスト装置。

請求項4

さらに、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第5のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第6のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第7のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第8のワイヤとを備え、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ、前記第3のワイヤ、及び前記第4のワイヤは、前記ユーザの前面に位置し、前記第5のワイヤ、前記第6のワイヤ、前記第7のワイヤ、及び前記第8のワイヤは、前記ユーザの後面に位置し、前記第1のワイヤは、前記第3のワイヤ、前記第5のワイヤ、及び前記第7のワイヤに対して、平行に位置しており、前記第2のワイヤは、前記第4のワイヤ、前記第6のワイヤ、及び前記第8のワイヤに対して、平行に位置しており、前記駆動制御部は、(a1)前記第1のワイヤ及び前記第5のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a2)前記第2のワイヤ及び前記第6のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a3)前記第3のワイヤ及び前記第7のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a4)前記第4のワイヤ及び前記第8のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、のうちいずれか1つを行うことで、前記ユーザの脚の内転又は外転の動作をアシストする、請求項1に記載のアシスト装置。

請求項5

前記駆動制御部は、(b1)前記第1のワイヤ及び前記第6のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b2)前記第2のワイヤ及び前記第5のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b3)前記第3のワイヤ及び前記第8のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b4)前記第4のワイヤ及び前記第7のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、のうちのいずれか1つを行うことで、前記ユーザの足の内旋又は外旋の動作をアシストする、請求項4に記載のアシスト装置。

請求項6

前記第1のワイヤは前記第1端と第2端を含み、前記モータは、前記上半身ベルトに配置され、前記第2端は、前記第1のベルトに固定され、前記上半身ベルトは、前記第1のワイヤをスライド自在に支持する支持部を有し、前記第1端と前記支持部との間に存在する前記第1のワイヤの第1部分は、前記上半身ベルトの長さ方向に沿って位置しており、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータは、前記第1部分に力を加える、請求項1に記載のアシスト装置。

請求項7

ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右膝に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ、前記第3のワイヤ、および前記第4のワイヤと接続されるモータと、を備えるアシスト装置において、(a)前記ユーザの歩行をアシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、(b)前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、アシスト方法。

請求項8

ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右膝に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ、前記第3のワイヤ、および前記第4のワイヤと接続されるモータと、を備えるアシスト装置において用いられるコンピュータプログラムであって、(a)前記ユーザの歩行をアシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、(b)前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、アシスト方法をコンピュータに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本開示は、人の動作を支援するアシスト装置アシスト方法及びコンピュータプログラムに関する。

背景技術

0002

特許文献1には、ユーザの姿勢センサ等で検知することで、姿勢によって変化するコルセット締め付け具合を判定し、締め付け力を調整する補助用具が開示されている。

先行技術

0003

特開2014−133121号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特許文献1に開示される従来技術では、ベルトの緩みを効果的に検知できていなかった。

0005

本開示の非限定的で例示的な一態様は、ワイヤを用いて人の動作を支援するアシスト装置において、当該アシスト装置のベルトの緩みなどを効果的に検知できるアシスト装置などを提供する。

課題を解決するための手段

0006

本開示の一態様に係るアシスト装置は、ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤの第1端、前記第2のワイヤの末端、前記第3のワイヤの末端、および前記第4のワイヤの末端と接続されるモータと、前記ユーザの歩行をアシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、駆動制御部と、を備える。

0007

なお、この包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。

発明の効果

0008

本開示によれば、アシスト装置のベルトの緩みなどを効果的に検知できる。本開示の一態様の付加的な恩恵及び有利な点は本明細書及び図面から明らかとなる。この恩恵及び/又は有利な点は、本明細書及び図面に開示した様々な態様及び特徴により個別に提供され得るものであり、その1以上を得るために全てが必要ではない。

図面の簡単な説明

0009

図1は、本実施の形態におけるアシスト装置200がユーザに利用される様子を示す模式図である。
図2は、本実施の形態におけるアシスト装置の構成を示すブロック図である。
図3は、ユーザがアシスト装置を使用する際の、情報提示方法の例を示す図である。
図4は、クロスに配置されたワイヤの制御によるユーザへのアシスト方法と緩みを判定する方法の一例を説明するための図である。
図5は、アシスト装置に配置された8本のワイヤについて説明するための図である。
図6は、アシスト装置によってアシスト可能なユーザの股関節動きについて説明するための図である。
図7は、ユーザの股関節の屈曲方向をアシストする場合について説明するための図である。
図8は、ユーザの股関節の伸展方向をアシストする場合について説明するための図である。
図9は、ユーザの股関節の外転のアシストを行う場合について説明するための図である。
図10は、ユーザの股関節の内転のアシストを行う場合について説明するための図である。
図11は、ユーザの股関節の外旋のアシストを行う場合について説明するための図である。
図12は、ユーザの股関節の内旋のアシストを行う場合について説明するための図である。
図13は、キャリブレーション信号の入力時において、緩んでいる上半身ベルト部の動きの一例について説明するための図である。
図14は、キャリブレーション信号の入力時において、緩んでいる上半身ベルト部の動きの他の一例について説明するための図である。
図15は、入力パターンパルス波である場合のキャリブレーション信号を示すグラフである。
図16は、入力パターンが三角波である場合のキャリブレーション信号を示すグラフである。
図17は、その他の入力パターンのキャリブレーション信号を示す図である。
図18は、キャリブレーションを開始するタイミングを決定する処理の一例を説明するための図である。
図19は、判定部による上半身ベルト部の緩み判定方法について説明するための図である。
図20は、パルス波のキャリブレーション信号を入力することで8本のうち4本のワイヤに第1の閾値以上の張力を作用させた時の上半身ベルト部のX軸方向周り角速度変化を示すグラフである。
図21は、動作計測部とワイヤとの接続位置の一例について示す図である。
図22は、キャリブレーション時に上半身ベルト部のX軸方向周りの回転成分を、より顕著に作用させるための構成を示す図である。
図23は、キャリブレーション時に上半身ベルト部のX軸方向周りの回転成分を、より顕著に作用させるための構成を示す図である。
図24は、上半身ベルトのZ軸周りの回転とその方法について説明する図である。
図25は、上半身ベルトのZ軸周りの回転とその方法について説明する図である。
図26は、通常の状態において、上半身ベルト部の緩みを判定する場合の上半身ベルト部の移動量(ずれ量)について説明するための図である。
図27は、ユーザが歩行中に右に曲がった場合において、上半身ベルト部の緩みを判定する場合の上半身ベルト部の移動量(ずれ量)について説明するための図である。
図28は、ユーザへの情報提示の一例を示す図である。
図29は、実施の形態におけるアシスト装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図30は、変形例1に係るアシスト装置の構成を示すブロック図である。
図31は、座位状態で、膝ベルト部の装着状態を判定する様子を示す図である。

実施例

0010

(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、補助用具に関し、以下の問題が生じることを見出した。

0011

特許文献1に記載の補助用具では、補助用具を装着した際のベルトの緩みを、付属アクチュエータを動かすことで締め付け力を計測し、その値に基づいて締め付け操作を行っている。しかしながら、当該補助用具では、緩みによるベルト位置のずれを計測していないため、ベルトの緩みによるベルトの位置ずれまでを抑止できていなかった。

0012

そこで、本開示では、アシスト装置のベルトの緩み等を効果的に検知するために、以下の改善策を検討した。

0013

本開示の一態様に係るアシスト装置は、ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右膝に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤの第1端、前記第2のワイヤの末端、前記第3のワイヤの末端、および前記第4のワイヤの末端と接続されるモータと、前記ユーザの歩行をアシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、駆動制御部と、を備える。

0014

これによれば、ワイヤを用いて人の動作を支援するアシスト装置において、当該アシスト装置の上半身ベルトの緩みなどを効果的に検知できる。

0015

また、さらに、前記上半身ベルトに配置され、前記ユーザの上下方向の軸周りの角速度を測定するジャイロセンサと、制御部とを備え、前記ジャイロセンサは、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加えられたときに、前記角速度を測定し、前記制御部は、前記角速度が第2の閾値以上の場合に、前記上半身ベルトの緩みがあることを示す情報を出力してもよい。

0016

これによれば、ワイヤを用いて人の動作を支援するアシスト装置において、当該アシスト装置の上半身ベルトの緩みなどを効果的に検知でき、検知結果を例えばユーザに提示できる。このため、ユーザに緩みなどがあるベルトを締め直すことを促すことができ、ユーザは、より効果的なアシスト力をアシスト装置から受けることができる。

0017

また、前記第1のワイヤは、前記第3のワイヤに対して、平行に位置しており、前記第2のワイヤは、前記第4のワイヤに対して、平行に位置しており、前記駆動制御部は、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記第1のワイヤ及び前記第3のワイヤに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、又は、前記第2のワイヤ及び前記第4のワイヤに、同じタイミングで前記第1の閾値以上の張力を加えてもよい。

0018

これによれば、上半身ベルトに対して回転方向に力を作用させることができるため、上半身ベルトの緩みなどを効果的に検知できる。

0019

また、さらに、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第5のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第6のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第7のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第8のワイヤとを備え、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ、前記第3のワイヤ、及び前記第4のワイヤは、前記ユーザの前面に位置し、前記第5のワイヤ、前記第6のワイヤ、前記第7のワイヤ、及び前記第8のワイヤは、前記ユーザの後面に位置し、前記第1のワイヤは、前記第3のワイヤ、前記第5のワイヤ、及び前記第7のワイヤに対して、平行に位置しており、前記第2のワイヤは、前記第4のワイヤ、前記第6のワイヤ、及び前記第8のワイヤに対して、平行に位置しており、前記駆動制御部は、(a1)前記第1のワイヤ及び前記第5のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a2)前記第2のワイヤ及び前記第6のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a3)前記第3のワイヤ及び前記第7のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(a4)前記第4のワイヤ及び前記第8のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、のうちいずれか1つを行うことで、前記ユーザの脚の内転又は外転の動作をアシストしてもよい。

0020

このため、ユーザの脚の内転又は外転の動作を容易にアシストできる。

0021

また、前記駆動制御部は、(b1)前記第1のワイヤ及び前記第6のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b2)前記第2のワイヤ及び前記第5のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b3)前記第3のワイヤ及び前記第8のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、(b4)前記第4のワイヤ及び前記第7のワイヤに対して、前記第1の閾値以上の張力を加える、のうちのいずれか1つを行うことで、前記ユーザの足の内旋又は外旋の動作をアシストしてもよい。

0022

このため、ユーザの脚の内旋又は外旋の動作を容易にアシストできる。

0023

また、前記第1のワイヤは前記第1端と第2端を含み、前記モータは、前記上半身ベルトに配置され、前記第第2端は、前記第1のベルトに固定され、前記上半身ベルトは、前記第1のワイヤをスライド自在に支持する支持部を有し、前記第1端と前記支持部との間に存在する前記第1のワイヤの第1部分は、前記上半身ベルトの長さ方向に沿って位置しており、前記上半身ベルトの緩みを検知するときは、前記モータは、前記第1部分に力を加えてもよい。

0024

このため、効果的に上半身ベルトに対して回転方向に力を作用させることができるため、上半身ベルトの緩みなどを効果的に検知できる。

0025

なお、これらの全般的または具体的な態様は、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

0026

以下、本開示の一態様に係るアシスト装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。

0027

なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

0028

(実施の形態)
本実施の形態におけるアシスト装置では、アシスト装置が備える上半身ベルト部及び膝ベルト部をユーザが体に装着した際または装着後の停止時において、膝ベルト部の緩みを、アシスト装置が備える加速度センサ及び/又はジャイロセンサの値から判定し、ユーザに判定結果を示す情報を提示するアシスト装置について説明する。

0029

[1−1.構成]
以下、本実施の形態に係るアシスト装置200について図面を用いて説明する。

0030

図1は、本実施の形態におけるアシスト装置200がユーザに利用される様子を示す模式図である。図2は、本実施の形態におけるアシスト装置の構成を示すブロック図である。

0031

図1および図2に示すように、アシスト装置200は、制御部100と、上半身ベルトとしての上半身ベルト部110と、第1及び第2のベルトとしての膝ベルト部120と、ワイヤ130とを備える。アシスト装置200は、さらに、制御部100で判定した装着状態をユーザに提示する、提示部140を備えていてもよい。

0032

制御部100は、信号入力部101と、判定部102とを有する。制御部100は、例えば、上半身ベルト部110に配置される。なお、制御部100は、膝ベルト部120に配置されてもよい。

0033

信号入力部101は、上半身ベルト部110の緩みを検知するためのキャリブレーション信号を生成する。

0034

判定部102は、上半身ベルト部110が有する動作計測部113の計測結果から、ユーザの上半身ベルト部110の装着状態を判定する。判定部102は、具体的には、モータ112によりワイヤ130に第1の張力が加えられたときに、動作計測部113が有するジャイロセンサ115が測定した角速度が第2の閾値以上であるか否かを判定する。判定部102は、判定の結果、ジャイロセンサ115が測定した角速度が第2の閾値以上である場合、上半身ベルト部110が緩んでいる状態及び/又は上半身ベルト部110がずれている状態を示す情報を出力する。なお、緩んでいる状態とは、ユーザに対して上半身ベルト部110がしっかりと固定されておらず、ワイヤ130からの張力が上半身ベルト部110に加えられた場合に、ユーザの腰部に対して上半身ベルト部110に動きが生じる状態を示す。また、ずれている状態とは、ユーザの腰部の所定の位置に対して、1つの膝ベルト部120に接続されている2本のワイヤ130が前後方向に並ぶ適切な向きから、一方の回転方向側の位置に位置する状態を示す。

0035

制御部100は、例えば、所定のプログラムを実行するプロセッサ及び当該所定のプログラムが記憶されているメモリにより実現される。制御部100は、専用回路により実現されてもよい。

0036

上半身ベルト部110は、駆動制御部111と、モータ112と、動作計測部113を備える。上半身ベルト部110は、図1の(a)に示すように、ユーザの上半身(例えば腰部)に装着される装着具である。ユーザの上半身の例は、、両肩である。本システムでは、ワイヤを引っ張ることで上半身ベルト部は、鉛直下向き(膝ベルト部の方向)に引っ張られる。この時、上半身ベルト部が例えば腰にある場合、骨盤によって、ベルトの滑りを止めることができる。また、両肩の場合では、例えば、リュックのようにユーザが上半身ベルト部を背負うことで、両肩において、上半身ベルト部を固定することできる。

0037

上半身ベルト部110は、例えば、長尺帯状の形状を有し、ユーザの腰部に巻回され、面ファスナまたは留め具などの固定具により巻回された状態が維持されることにより、ユーザの腰部に装着される部材である。上半身ベルト部110は、例えば、アシストを行うために、引っ張り力を与えても変形しにくい非伸縮性素材により構成される。

0038

駆動制御部111は、受信した信号に応じて、モータ112の駆動を制御する。モータ112は、ワイヤ130と接続されており、駆動制御部111により駆動されることにより、ワイヤ130を引っ張ったり、ワイヤ130を緩めたりする。モータ112は、上半身ベルト部110の所定の位置に固定されている。モータ112は、8本のワイヤ130のそれぞれに対応した数(本実施の形態では8つ)設けられ、8本のワイヤ130のそれぞれに接続されている。

0039

なお、上半身ベルト部110は、筒状の形状を有していてもよく、この場合、筒状の形状の周長はユーザの腰部の周囲の長さよりも長い。このため、この場合の上半身ベルト部110は、ユーザの腰の周囲の長さに調整するための調整機構を有する。調整機構は、例えば、面ファスナであり、面ファスナのフック面を有する部位が筒状の外周に当該外周から分岐するように配置され、筒状の外周面に面ファスナのループ面が配置される構成により実現されてもよい。

0040

動作計測部113は、上半身ベルト部110に配置され、上半身ベルト部110の動きを計測する。動作計測部113は、具体的には、上半身ベルト部110の、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の異なる3方向への加速度を計測する加速度センサ114と、X軸方向周り、Y軸方向周り及びZ軸方向周りの異なる3軸周りの回転における角速度を計測するジャイロセンサ115とを有する。X軸、Y軸、Z軸は図19を用いて説明される。つまり、ジャイロセンサ115は、上半身ベルト部110に配置され、上半身ベルト部110の長さ方向(つまり、筒状の上半身ベルト部110をX軸方向から見たときの筒状の周方向)における角速度を測定する。動作計測部113は、測定結果を制御部100の判定部102に送信する。なお、動作計測部113は、さらに、膝ベルト部120に配置され、膝ベルト部120の動きを計測することで、ユーザの動きを計測してもよい。上半身ベルト部110に記載された印と、動作計測部113またはジャイロセンサ115に記載された印を合致させて、動作計測部113またはジャイロセンサ115を、上半身ベルト部110に装着することで、ジャイロセンサ115のX軸、Y軸、Z軸とジャイロセンサ115の計測対象系のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれを合致させてもよい。上半身ベルト部110に記載された印と、動作計測部113または加速度センサ114に記載された印を合致させて、動作計測部113または加速度センサ114を、上半身ベルト部110に装着することで、加速度センサ114のX軸、Y軸、Z軸と加速度センサ114の計測対象系のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれを合致させてもよい。

0041

ワイヤ130は、上半身ベルト部110及び膝ベルト部120を接続する。具体的には、ワイヤ130は、モータ112と膝ベルト部120とを接続する。ワイヤ130は、1つの膝ベルト部120に対して4本が配置されており、互いに交差している2本のワイヤ130が当該膝ベルト部120の前後のそれぞれに配置される。それぞれのワイヤ130は第1端と第2端を有する。第1端はモータ112に接続される。モータ112が上半身ベルト部110に配置される場合、第2端は膝ベルト部120に接続される。

0042

膝ベルト部120は、例えば、上半身ベルト部110と同様に、長尺帯状の形状を有する。膝ベルト部120は、ユーザの大腿部、又は膝上に装着される。膝ベルト部120は、股関節に装着されなくてもよい。人間の大腿部は、膝からにかけて、だんだん太くなるという特徴がある。そのため、大腿部の中でも膝上に膝ベルトを装着することで、膝ベルトがきつく締まっている場合においては、ワイヤを引っ張ることによる滑りが小さくなり、ユーザにより効率的にアシストを行うことができる。例えば、膝ベルト部120は、ユーザの大腿部に巻回され、面ファスナ又は留め具などの固定具により巻回された状態が維持されることにより、ユーザの大腿部に装着される部材である。膝ベルト部120は、例えば、アシストを行うために、引っ張り力を与えても変形しにくい非伸縮性素材により構成される。本実施の形態では、アシスト装置200は、ユーザの両脚に対応して2つの膝ベルト部120を備える。つまり、アシスト装置200は、ユーザの右膝に装着される膝ベルト部120と、ユーザの左膝に装着される膝ベルト部120とを備える。

0043

このように、上半身ベルト部110及び膝ベルト部120は、非伸縮性素材により構成されているため、アシスト装置200は、膝ベルト部120に緩みがなく、ユーザの脚にフィットして装着されている場合は、ユーザにアシスト力を伝達しやすく、より効率的なアシストが可能となる。

0044

提示部140は、ユーザに制御部100の判定部102による判定結果を提示する。つまり、提示部140は、ユーザに、膝ベルト部120が緩んでいる状態及び/又は膝ベルト部120がずれている状態であるか否かを提示する。

0045

図3は、ユーザがアシスト装置を使用する際の、情報提示方法の例を示す図である。

0046

提示部140は、ユーザが装着した上半身ベルト部110が緩んでいる状態である場合に、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であることをユーザに提示する。提示部140は、例えば、図3の(a)に示すように、上半身ベルト部110に配置され、振動することで上半身ベルト部110が緩んでいる状態であることをユーザに知らせる振動アクチュエータ(図示せず)によって実現してもよい。また、提示部140は、例えば、膝ベルト部120に配置され、振動することで上半身ベルト部110が緩んでいる状態であることをユーザに知らせる振動アクチュエータによって実現してもよい。また、提示部140は、図3の(b)に示すように、ユーザが所有するスマートフォン等の携帯端末300のディスプレイ301に、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であることを示す画像及び/または文字情報などを表示させてもよい。

0047

図4は、クロスに配置されたワイヤの制御によるユーザへのアシスト方法と緩みを判定する方法の一例を説明するための図である。

0048

アシスト装置200は、上半身ベルト部110から、クロスに配置された4本のワイヤ130で接続された膝ベルト部120において、4本のワイヤ130のうちの所定のワイヤを所定のタイミングで引っ張ることでユーザの動作のアシストを行う。例えば、遊脚期開始時から0.3秒は、遊脚中の脚に装着されている膝ベルト部120において、ユーザの前側に配置された2本のワイヤ130を同時に引っ張ることにより、ユーザの当該脚の股関節を屈曲させるためのアシストを行う。制御可能に配置されたワイヤ130は、合計8本あり、左右それぞれの脚に前後2本ずつワイヤ130がクロスに配置されている。このため、ユーザは、歩行中において、左右の脚において、前後交互に配置された2本のワイヤ130を引っ張ることで、ユーザの歩行中の屈曲及び伸展のアシストを行うことができる。また、各脚の前後においてクロスして配置された2本のワイヤ130を組として同時に引っ張らなくてもよく、例えば、前後に配置された2本のワイヤ130から引っ張るワイヤ130を1本ずつ選んで屈曲・伸展以外の外転・内転アシストや外旋・内旋アシストを行ってもよい。

0049

さらに、図4に示すように、もし上半身ベルト部110の装着が緩んでいた場合、上半身ベルト部110が動き、アシスト力が逃げる。しかし、ユーザの上下方向の加速度は、上半身ベルト部110が腸骨で止まるため、大きく動きにくい。むしろ、上半身ベルト部110では、左右の回転方向を助長する張力をワイヤ130から加えることで、当該回転方向の角速度を変化させやすく上半身ベルト部110が緩い場合にはずれやすい。このずれを検知するため、アシスト装置200では、例えば、図4に示すように、ユーザの両脚の前側に配置されている2本のワイヤ130において、同じ方向(腰:右→膝:左)のワイヤを引っ張ることで、上半身ベルト部110が緩んでいる場合には、上半身ベルト部110がX軸方向周りの角速度変化が発生するため、上半身ベルト部110の緩みを検知できる。

0050

したがって、ユーザがアシスト装置200を装着後の上半身ベルト部110の緩みを検知するために、キャリブレーション信号を入力し、入力した信号に応じて特定のワイヤ130を引っ張ることで緩んでいる上半身ベルトは回転する。そして、上半身ベルト部110に配置された加速度センサ114及びジャイロセンサ115により、加速度変化及び速度を評価することで、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であるか否かの検知を行う。また、アシスト装置200は、ジャイロセンサ115により検知された角速度を評価することで、上半身ベルト部110が所定の装着位置からずれている状態であるかの検知を行う。すなわち、アシスト装置200は、キャリブレーション信号を入力した結果、上半身ベルト部110が所定の装着位置からずれている状態であることが判明した場合、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であると判断する。

0051

このように、アシスト装置200では、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であるか否かの検知を行い、検知結果を出力するため、ユーザは、自身でアシスト装置200を装着した、又はアシスト装置200を装着してしばらく動作した後などにおいて、上半身ベルト部110の緩みに気づくことが容易にできる。このため、ユーザは、上半身ベルト部110を締め直すことで、アシスト装置200によるユーザの両脚の動作に対するアシストをより効果的に受けることができる。

0052

以下、図2で示した機能ブロックにおける各構成要素の詳細について説明する。

0053

[1−1−1.信号入力部]
信号入力部101は、ユーザがアシスト装置200を装着した際に、上半身ベルト部110が緩んでいるか否かを検知するための信号、又は、歩行中のアシストを行うために使用するワイヤを決定する信号を決定し、決定した信号を駆動制御部111に送信する手段である。信号入力部101は、具体的には、キャリブレーション時には上半身ベルト部110をワイヤ130で引っ張ることにより回転させるために、上半身ベルト部110を回転させるためのワイヤ130を選択し、選択したワイヤ130に与える張力を決定する。そして、その張力を実現するためのモータの回転角度入力信号とし、駆動制御部111に送信する。また、アシスト時には、歩行中のタイミング、例えば、かかと接地のタイミングから、歩行フェーズを特定し、特定した歩行フェーズに合わせて、ユーザの股関節の屈曲方向や伸展方向にワイヤを引っ張ることで、ユーザの歩行のアシストを行う。

0054

図5は、アシスト装置に配置された8本のワイヤについて説明するための図である。

0055

図5に示すように、アシスト装置200は、上半身ベルト部110と、膝ベルト部120との間の前後左右の計4箇所に4本のワイヤ130を前後それぞれの2本のワイヤ130がクロスするように配置する。各ワイヤの名前は「左右の足−前後の足_上半身ベルト部の付着位置」という順になるようにして、区別している。例えば、「RF_right」の場合、右足(Right)で前部(Front)の上半身ベルトの右側(right)に付着しているワイヤということを意味しており、「LR_left」の場合、右足(Left)で前部(Rear)の上半身ベルトの右側(left)に付着しているワイヤということを意味している。同じ要領で、8本のクロスに配置されたワイヤは、「RF_right」、「RF_left」、「RR_right」、「RR_left」、「LF_right」、「LF_left」、「LR_right」、「LR_left」とする。

0056

つまり、アシスト装置200は、第1〜第4のワイヤを備える。第1のワイヤは、上半身ベルト部110及び右膝に対応する膝ベルト部120を接続する。第2のワイヤは、上半身ベルト部110及び右膝に対応する膝ベルト部120を接続し、かつ、第1のワイヤと交差するように配置される。第3のワイヤは、上半身ベルト部110及び左膝に対応する膝ベルト部120を接続する。第4のワイヤは、上半身ベルト部110及び左膝に対応する膝ベルト部120を接続し、かつ、第3のワイヤと交差するように配置される。第1〜第4のワイヤは、ユーザの前面(前側)に配置される。

0057

また、アシスト装置200は、第5〜第8のワイヤを備える。第5のワイヤは、上半身ベルト部110及び右膝に対応する膝ベルト部120を接続する。第6のワイヤは、上半身ベルト部110及び右膝に対応する膝ベルト部120を接続し、かつ、第1のワイヤと交差するように配置される。第7のワイヤは、上半身ベルト部110及び左膝に対応する膝ベルト部120を接続する。第8のワイヤは、上半身ベルト部110及び左膝に対応する膝ベルト部120を接続し、かつ、第3のワイヤと交差するように配置される。第5〜第8のワイヤは、ユーザの後面(後側)に配置される。

0058

また、第1のワイヤ、第3のワイヤ、第5のワイヤ、及び、第7のワイヤは、互いに平行に位置する。例えば、第1のワイヤは、「RF_right」であり、第3のワイヤは、「LF_right」であり、第5のワイヤは、「RR_right」であり、第7のワイヤは、「LR_right」である。

0059

また、第2のワイヤ、第4のワイヤ、第6のワイヤ、及び、第8のワイヤは、互いに平行に位置する。例えば、第2のワイヤは、「RF_left」であり、第4のワイヤは、「LF_left」であり、第6のワイヤは、「RR_left」であり、第8のワイヤは、「LR_left」である。

0060

なお、ここで「平行」とは、厳密に平行でなくてもよくX軸方向に対して同じ向きに傾いていれば平行と言う。

0061

以下、この表現方法を使って、アシスト手法とキャリブレーション手法とについて説明する。まず、アシスト手法に関して、ユーザの股関節の動きの種類について説明する。

0062

図6は、アシスト装置200によってアシスト可能なユーザの股関節の動きについて説明するための図である。

0063

図6の(a)は、ユーザの大腿部を前後方向に動かす伸展および屈曲を説明するための図である。図6の(a)に示すように、大腿部を前方向に動かす動きを股関節の屈曲といい、大腿部を後方向に動かす動きを股関節の伸展という。

0064

図6の(b)は、ユーザの大腿部を左右方向に動かす外転および内転を説明するための図である。図6の(b)に示すように、大腿部をユーザの左右方向の外側(右脚であれば右側、左脚であれば左側)に動かす動きを外転といい、大腿部をユーザの左右方向の内側(右脚であれば左側、左脚であれば右側)に動かす動きを内転という。

0065

図6の(c)は、ユーザの大腿部をユーザの上下方向を軸として旋回させて動かす外旋および内旋を説明するための図である。図6の(c)に示すように、大腿部をユーザの外側(右脚であれば右回転方向、左脚であれば左回転方向)に旋回させる動きを外旋といい、大腿部をユーザの内側(右脚であれば左回転方向、左脚であれば右回転方向)に旋回させる動きを内旋という。

0066

なお、歩行時にアシストする場合、次に示す区間において、次の動きのアシストを行う。
・屈曲方向のアシスト:20%−60%
・伸展方向のアシスト:0%−20%、80%−100%
・外転方向のアシスト:0%−55%
・内転方向のアシスト:60%−100%(通常歩行時は、特にアシストしなくてもよい)
外旋方向のアシスト:0%−20%、55%−70%
・内旋方向のアシスト:30%−55%

0067

まず、信号入力部101で入力されるアシスト信号について順に説明する。

0068

図7は、ユーザの股関節の屈曲方向をアシストする場合について説明するための図である。

0069

図7の(a)は右脚股関節の屈曲方向のアシストについて、図7の(b)は左脚股関節の屈曲方向のアシストについて示している。右脚股関節の屈曲方向のアシストを行う場合は、「RF_right」及び「RF_left」のワイヤ張力を第1の閾値(例えば、100N)以上にする。同様に、左脚股関節の屈曲方向のアシストを行う場合は、「LF_right」及び「LF_left」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。

0070

図8は、ユーザの股関節の伸展方向をアシストする場合について説明するための図である。

0071

屈曲方向のアシストと同様に、右脚股関節の伸展方向のアシストでは、「RR_right」及び「RR_left」、左脚股関節の伸展方向のアシストでは、「LR_right」及び「LR_left」のワイヤ張力を第1の閾値(例えば、100N)以上にする。ユーザの歩行中の股関節のアシストについては、上述したように、屈曲方向と伸展方向のアシストをすることで、ユーザのエネルギー代謝下げアシスト機能を持たせることができる。つまり、ユーザの歩行をアシストするときは、モータ112により、第1のワイヤ又は第2のワイヤと、第3のワイヤ又は第4のワイヤとに異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加える。なお、ここに言う「異なるタイミング」とは、第1の閾値以上の張力を加える期間が互いに重ならないタイミングである。つまり、異なるタイミングで第1のワイヤ又は第2のワイヤと、第3のワイヤ又は第4のワイヤとに異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加えるとは、第1のワイヤ又は第2のワイヤに第1の閾値以上の張力を加える期間において、第3のワイヤ又は第4のワイヤには第1の閾値以上の張力を加えないこと、又は、第3のワイヤ又は第4のワイヤに第1の閾値以上の張力を加えている期間において、第1のワイヤ又は第2のワイヤには張力を加えないことである。

0072

さらに、歩行中の股関節において、外転・内転、外旋・内旋方向のアシストを行うことで、より歩行アシストの効果を向上させることができる。

0073

図9は、ユーザの股関節の外転のアシストを行う場合について説明するための図である。

0074

図9の(a)に示すように、右脚股関節の外転のアシストを行う場合は、「RF_right」及び「RR_right」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。同様に、左脚股関節の外転のアシストを行う場合は、「LF_left」及び「LR_left」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。

0075

図10は、ユーザの股関節の内転のアシストを行う場合について説明するための図である。

0076

図10の(a)に示すように、右脚股関節の内転のアシストを行う場合は、「RF_left」及び「RR_left」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。また、左脚股関節の内転のアシストを行う場合は、「LF_right」及び「LR_right」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。

0077

つまり、駆動制御部111は、第1のワイヤ及び第5のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第2のワイヤ及び第6のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第3のワイヤ及び第7のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第4のワイヤ及び第8のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、のうちいずれか1つを行うことで、ユーザの脚の内転又は外転の動作をアシストする。

0078

図11は、ユーザの股関節の外旋のアシストを行う場合について説明するための図である。図12は、ユーザの股関節の内旋のアシストを行う場合について説明するための図である。

0079

右脚股関節の外旋のアシストを行う場合は「RF_right」及び「RR_left」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。また、左脚股関節の外旋のアシストを行う場合は「LF_left」及び「LR_right」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。また、右脚股関節の内旋のアシストを行う場合は、「RF_left」及び「RR_right」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。また、左脚股関節の内旋のアシストを行う場合は、「LF_right」及び「LR_left」のワイヤ張力を第1の閾値以上にする。

0080

つまり、駆動制御部111は、第1のワイヤ及び第6のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第2のワイヤ及び第5のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第3のワイヤ及び第8のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、第4のワイヤ及び第7のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える、のうちのいずれか1つを行うことで、ユーザの足の内旋又は外旋の動作をアシストする。

0081

なお、ユーザの股関節の各方向への動きのアシストを行う場合、片方の脚につき、それぞれ特定の二つのワイヤを選択し、選択したワイヤの張力を第1の張力(例えば100N)以上としたが、このとき、他のワイヤの張力は0Nでもよいし、第3の閾値(例えば第1の閾値の10分の1)以下の張力であってもよい。また、選択した二つのワイヤの張力は、100Nで同じ大きさとしたが、これに限ったものではない。例えば、外転・内転や外旋・内旋アシスト時に、前側ワイヤの張力を100Nとしたとき、後側ワイヤの張力を2倍の200Nとしてもよい。このように、前側と後側では、股関節のモーメントアームが異なるため、同じ張力で引っ張った場合では、想定しているトルクが出力されないことがある。また、個人差もあるため、個人によって、前側と後ろ側のワイヤの張力のバランスを調整してもよい。

0082

以上のように、アシスト時にはユーザの歩行中の立脚期、遊脚期において作用させるべきアシスト力に応じて、屈曲方向及び伸展方向のアシスト力をメインに、外転・内転、外旋・内旋方向へのアシストを行うことで、ユーザの歩行時により効果的なアシストが可能となる。

0083

次に、上半身ベルト部110の緩みを計測するためのキャリブレーション信号の入力について説明する。アシスト装置200におけるキャリブレーションは、上半身ベルト部110の緩みを検知するためのものであり、上半身ベルト部110の回転から上半身ベルト部110の緩みを判定する。

0084

図13は、キャリブレーション信号の入力時において、緩んでいる上半身ベルト部の動きの一例について説明するための図である。上半身ベルト部110が緩んでいる場合、ユーザにとって上下方向には、上半身ベルト部110が腸骨で止まるため、ほぼ動かない。ゆえに、腰周りの回転方向に上半身ベルト部110が回転するようにワイヤ130を引っ張ることで、上半身ベルト部110は引っ張られた回転方向に動くため、その上半身ベルト部110の動きを加速度センサ114及びジャイロセンサ115で計測することができる。

0085

図13の(a)は、すべてのワイヤの張力が0Nの状態を示し、この状態から図13の(b)に示すように、キャリブレーション信号を入力して、緩みを持った上半身ベルト部110を反時計回り(左回転方向)に回転させる。このとき、「RF_right」、「RR_left」、「LF_right」、「LR_left」のワイヤの張力を第1の閾値(例えば100N)以上とする。そして、動作計測部113において計測した値から、緩みがあるかどうかを検知する。この場合、第1の閾値以上とするワイヤ以外のワイヤの張力は、0Nでもよいし、第3の閾値(例えば第1の閾値の10分の1)以下の張力であってもよい。

0086

図14は、キャリブレーション信号の入力時において、緩んでいる上半身ベルト部の動きの他の一例について説明するための図である。図14は、キャリブレーション信号として、上半身ベルト部110が時計回り(右回転方向)に回転するように引っ張りを与えた場合を示す。このとき、「RF_left」、「RR_right」、「LF_left」、「LR_right」のワイヤの張力を第1の閾値(例えば、100N)以上とする。この場合、第1の閾値以上とするワイヤ以外のワイヤの張力は、0Nでもよいし、第3の閾値(例えば第1の閾値の10分の1)以下の張力であってもよい。

0087

以上のように、アシストを行う場合と異なり、キャリブレーション時には、左右の膝ベルト部120に接続されているワイヤから1つずつ選択し、同じタイミングで計4つのワイヤを引っ張ることで、上半身ベルト部110の回転を生み出し、上半身ベルト部110の緩みを検知する。つまり、駆動制御部111は、上半身ベルト部110の緩みを検知するときは、モータ112により、第1のワイヤ又は第2のワイヤと、第3のワイヤ又は第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える。より具体的には、駆動制御部111は、上半身ベルト部110の緩みを検知するときは、第1のワイヤ及び第3のワイヤに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える。または、駆動制御部111は、上半身ベルト部110の緩みを検知するときは、第2のワイヤ及び第4のワイヤに同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える。

0088

なお、ここに言う「同じタイミング」とは、第1の閾値以上の張力を加える期間が互いに重なるタイミングである。つまり、第1のワイヤ又は第2のワイヤと、第3のワイヤ又は第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加えるとは、第1のワイヤ又は第2のワイヤに第1の閾値以上の張力を加える期間と、第3のワイヤ又は第4のワイヤには第1の閾値以上の張力を加える期間とが、互いに重なっていることである。つまり、異なる複数のワイヤに対して、第1の閾値以上の張力を加える期間が重なっていれば、同じタイミングで張力を加えているといえる。

0089

また、駆動制御部111は、モータ112を駆動することにより「第1の閾値」以上の張力を各ワイヤに加える。つまり、ユーザが動作することでワイヤに張力が加えられることで「第1の閾値」以上の張力がワイヤに加えられることは、駆動制御部111が各ワイヤに第1の閾値以上の張力を加えることに含まれない。

0090

図15及び図16は、それぞれ、キャリブレーション信号の一例を示すグラフである。図15は、入力パターンがパルス波である場合のキャリブレーション信号を示すグラフである。図16は、入力パターンが三角波である場合のキャリブレーション信号を示すグラフである。図15及び図16に示すように、キャリブレーション信号の入力パターンとしては、パルス波を用いてもよいし、三角波を用いてもよい。

0091

図15及び図16において、wは信号幅を示し、hは入力張力(第1の張力の大きさ)を示す。

0092

まず、キャリブレーション信号の入力パターンとしてパルス波を用いる場合について説明する。入力張力hが小さ過ぎると、上半身ベルト部110が緩んでいる場合であっても、上半身ベルト部110の緩みを精度よく判定できるほど十分に上半身ベルト部110を動かすことはできない。また、入力張力hが大き過ぎると、ユーザの両脚の動作を十分にアシストできるほど上半身ベルト部110がユーザの大腿部に固定されている場合であっても、上半身ベルト部110を大きく動かしてしまう可能性がある。したがって、入力張力hの大きさは、ユーザの両脚の動作をアシストする際に発揮される所定の範囲(例えば、50〜400Nの範囲)で決定されてもよい。所定の範囲の入力張力がワイヤ130に加えられることで上半身ベルト部110が動く場合は、アシストの力がユーザの大腿部に伝わらずに逃げていることを示している。このため、この場合、制御部100は、上半身ベルト部110が緩んでいる状態であると判定でき、これにより、ユーザが上半身ベルト部110を締め直す必要があると判定できる。

0093

また、信号幅wに関して、パルス波は、立ち上がり立ち下がりとが急な入力パターンである。このため、信号幅wが所定の閾値、例えば、0.1秒より大きければ、上半身ベルト部110の緩みを精度よく判定できるほど大きく上半身ベルト部110を動かすことができる。しかし、迅速に上半身ベルト部110の緩みを検知するために、信号幅wは大き過ぎず、小さくしてもよい。したがって、本実施の形態では、キャリブレーション信号の入力パターンがパルス波の場合、信号幅wは、例えば、0.1〜1.0秒の範囲内で設定すればよい。

0094

入力信号が三角波の場合、入力張力hは、パルス波と同様に、ユーザの両脚の動作をアシストする際に発揮される所定の範囲と同程度の範囲(例えば、50〜400Nの範囲)で決定されてもよい。信号幅wは、小さい場合と大きい場合とで、上半身ベルト部110に与える影響が異なる。例えば、信号幅wが0.2秒程度と小さい場合は、入力張力は、hまで上がって、元の0に下がるまでの時間が短いため、パルス波のようなステップ入力に近くなり、上半身ベルト部110は、パルス波の場合と同様な動作結果となる。一方で、信号幅wが例えば、1.0秒より大きくなると、線形的にワイヤの張力が徐々に大きくなり、再び小さくなる過程にモータ112に対する制御が追いつくことができる。つまり、上半身ベルト部110が緩んでいた場合、信号幅wが1.0秒よりも大きいキャリブレーション信号が駆動制御部111に入力されると、ワイヤ130による張力の増加速度が遅いため、上半身ベルト部110は、ワイヤ130により徐々に引っ張られる。これにより、上半身ベルト部110は、元の位置からずれていき、次に、キャリブレーション信号の三角波の頂点である折り返し時点から入力張力hが減少する。このため、上半身ベルト部110は、瞬間的に大きな張力を与えられる場合よりも、当該張力が与えられた反動によって元の位置まで戻る可能性が低くなる。

0095

すなわち、入力パターンが三角波であるキャリブレーション信号において、信号幅wが大きい、例えば1.0秒以上の場合、制御部100の判定部102は、上半身ベルト部110に取り付けた動作計測部113において検知された加速度及び角速度から上半身ベルト部110の変位量(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向への移動量、及び、X軸方向周り、Y軸方向周り及びZ軸方向周りへの回転量)を算出する。これにより、判定部102は、上半身ベルト部110の元の位置からのずれを算出し、算出したずれが所定の閾値(例えば、1cm)を超えていれば、上半身ベルト部110が緩んでいると判定してもよい。

0096

なお、本実施の形態において、キャリブレーション信号の入力パターンを1種類に決めて、上半身ベルト部110の緩みを判定するとしたが、これに限ったものではない。例えば、上述した2種類の入力パターンのキャリブレーション信号を両方入力し、動作計測部113における計測結果の組み合わせから、上半身ベルト部110の緩みを判定してもよい。例えば、入力パターンがパルス波であるキャリブレーション信号を4回駆動制御部111に入力することにより、上半身ベルト部110の動作を確認した際に、4回のキャリブレーション信号による入力のうち2回緩みがあると判定できた場合、上半身ベルト部110に緩みがあるか否か判定が難しい。このような場合、制御部100は、入力パターンが三角波であり、信号幅wが大きいキャリブレーション信号を入力し、動作計測部113により計測された値から得られた、キャリブレーション信号を入力した際の上半身ベルト部110の変位量の戻り値が、所定の閾値(例えば、1cm)より大きい場合、上半身ベルト部110に緩みがあると判定してもよい。

0097

また、図15及び図16で示した入力パターンのキャリブレーション信号の他にも、図17の(a)〜(d)で示すキャリブレーション信号としてもよい。具体的には、図17の(a)は、線形的に増加後、ステップ状に張力が落ちる入力パターンのキャリブレーション信号を示すグラフである。図17の(b)は、階段状に下がっていく入力パターンのキャリブレーション信号を示すグラフである。図17の(c)は、ステップ状に張力が大きくなり、その後線形的に下がっていく入力パターンのキャリブレーション信号を示すグラフである。図17の(d)は、階段状の張力が大きくなる入力パターンのキャリブレーション信号を示すグラフである。このように、図17の(a)〜(d)に示す入力パターンのキャリブレーション信号のいずれかを入力し、各張力の変化に応じた、上半身ベルト部110の動作を見て、上半身ベルト部110の緩みを判定してもよい。

0098

例えば、図17の(a)に示すキャリブレーション信号を用いた場合であれば、上半身ベルト部110はステップ状に張力が下がることで、勢いよく上半身ベルト部110が元の位置に戻り、その戻りが大きくなるため、元の上半身ベルト部110の位置と比較して戻りすぎてしまう。また、図17の(b)及び(c)に示すキャリブレーション信号を用いた場合であれば、図16の三角波のwが大きい場合と同様な結果が得られる。また、図17の(d)に示すキャリブレーション信号を用いた場合であれば、徐々に上半身ベルト部110のずれが大きくなり、最終的な元の位置からの上半身ベルト部110のずれが大きくなる。このように、多くの種類の入力パターンのキャリブレーション信号を用いて、上半身ベルト部110の緩みを判定することで、上半身ベルト部110の緩み検知の精度を上げることが可能となる。

0099

[1−1−2.駆動制御部]
駆動制御部111は、上半身ベルト部110に設けられ、信号入力部101から受信した信号に応じて、モータ112を駆動する手段である。具体的には、駆動制御部111は、信号入力部から受信した信号が示す入力張力からモータ112の必要回転数を算出し、算出した必要回転数でモータ112を回転させる。なお、駆動制御部111は、信号入力部101から受信した信号がモータ112の必要回転数を示す場合には、当該信号が示す必要回転数でモータ112を回転させてもよい。

0100

[1−1−3.動作計測部]
動作計測部113は、上半身ベルト部110に設けられ、上半身ベルト部110の動きを計測し、計測した動きの計測結果である時系列データを判定部102に送信する。具体的には、動作計測部113は、加速度センサ114及びジャイロセンサ115を有し、モータ112によってワイヤ130を経由して引っ張られることによる上半身ベルト部110の動きを計測する。特に、上半身ベルト部110の大腿部への締め付けが緩い場合、大腿部に対して締め付けがしっかりされている(以下、「タイト」と言う)場合と比較して、上半身ベルト部110のワイヤ130により引っ張られることによる動きによる変位量は、大きくなる。また、上半身ベルト部110の装着位置が所定の位置からずれている場合、例えば、ワイヤ130により引っ張られることにより上半身ベルト部110には回転方向に力が作用する。なお、動作計測部113で取得した値において、どの値を用いて装着状態の判定を行うのかの詳細は、後述する。

0101

なお、本実施の形態では、上半身ベルト部110の緩みを検知するため、膝ベルト部120は、緩みなくユーザの膝に装着されることを前提としているが、これに限ったことではない。例えば、上半身ベルト部110も、膝ベルト部120も緩みがある状態で装着されている場合、動作計測部113と同じ構成の動作計測部を膝ベルト部120にも設けて、膝ベルト部120の緩みも検知してもよい。この際、同時に上半身ベルト部110及び膝ベルト部120の緩みを検知するのは難しいため、例えば、まずは膝ベルト部120の緩み検知を先に行う。そして、ユーザに膝ベルト部120をしっかりと装着させた後、再度キャリブレーション信号を入力し、上半身ベルト部110の緩みを検知してもよい。

0102

膝ベルト部120は、ユーザの上下方向における動きが発生しやすいため、上半身ベルト部110の緩み検知とは異なり、例えば、「RF_right」、「RF_left」、「LF_right」、「LF_left」のワイヤの張力を第1の閾値(100N)以上として、緩みを検知してもよい。また、逆に後ろだけ、例えば、「RR_right」、「RR_left」、「LR_right」、「LR_left」のワイヤの張力を第1の閾値(100N)以上として、緩みを検知してもよい。

0103

その後、上述したような方法で、上半身ベルト部110の緩み検知を行ってもよい。このように、順に、まず膝ベルト部120の緩みの検知を行い、その後で、上半身ベルト部110の緩みの検知を行うことで、より確実に、ユーザはアシスト装置200を身体に装着することができ、より効果的なアシストを得ることができる。

0104

また、アシスト装置200は、基本的に、ユーザの歩行などの動作のアシストに用いられるが、そのアシストを適切に行うために、装着直後または装着してしばらく動作した後に、上半身ベルト部110が緩んでいないか否かを判定する必要がある。そして、上半身ベルト部110の緩みを判定するタイミングは、アシスト装置200を装着直後、もしくは、装着して動作した後である。すなわち、アシスト装置200は、当該判定を、ユーザの動作が停止しているタイミングで行う必要がある。したがって、動作計測部113は、ユーザの動作が停止しているか否かを加速度センサ114及びジャイロセンサ115が計測した値から判定し、信号入力部101にキャリブレーションを開始することを示す開始信号を送信してもよい。

0105

図18は、キャリブレーションを開始するタイミングを決定する処理の一例を説明するための図である。図18のグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸はX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度を示す。また、図18では、ユーザが歩行中に、例えば、信号等によって立ち止まった場合において、動作計測部113が計測したX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度の変化の例を示している。図18に示すように、動作計測部113は、ある一定時間区間T(例えば、2秒以上)で、第2の閾値H(例えば、0.3m/s2)以下のX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度の変化であれば、ユーザの動作は停止していると判定し、信号入力部101に開始信号を送信してもよい。つまり、動作計測部113は、上半身ベルト部110が有する加速度センサ114により測定されるX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度が第2の閾値以下であるか否かをさらに判定することで、キャリブレーションを開始するタイミングであるか否かを判定する。そして、動作計測部113は、X軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度が第2の閾値以下である場合、キャリブレーションを開始するタイミングであることを示す開始信号を信号入力部101に送信する。

0106

なお、キャリブレーションの開始の判定基準として、一定時間区間Tを2秒とし、X軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度の第2の閾値Hを0.3m/s2としたが、これに限ったものではない。一定時間区間Tは、歩行動作等のユーザの動きの状態と停止状態とを判別できればよいので、ヒトの歩行周期を加速度センサ114で捉え、その歩行周期の2倍を一定時間区間Tとして決定してもよい。例えば、ユーザの歩行周期が1.5秒の場合は、一定時間区間Tを3秒と決定してもよい。また、X軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度の第2の閾値Hも、ユーザの歩行動作のX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度の変化幅から決定してもよい。例えば、ユーザの歩行動作におけるX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度変化の1/3を第2の閾値Hと決定してもよい。

0107

なお、動作計測部113は、上述したように、一定時間区間TにX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの加速度を合成した加速度が第2の閾値H以下の場合に、キャリブレーションを開始すると判定するとしたが、これに限ったものではない。例えば、アシスト装置200に、キャリブレーションを開始するための開始ボタンを設置して、ユーザが当該開始ボタンを押すことで、キャリブレーションを開始するようにしてもよい。開始ボタンは、例えば、制御部100または、上半身ベルト部110に装着し、ユーザ自身が例えば、信号待ちの時等にボタンを押して、膝ベルトの緩み検知を行ってもよい。動作計測部113は、上記の判定を行う場合、加速度センサ114及びジャイロセンサ115と、上記判定を行う専用回路、プロセッサなどとにより実現される。上記判定を行わない場合、動作計測部113は、加速度センサ114及びジャイロセンサ115により実現される。

0108

[1−1−4.判定部]
判定部102は、動作計測部113から送信される計測結果から、ユーザが装着した上半身ベルト部110が緩んでいるか否かを判定する手段である。また、判定部102は、ユーザが装着した上半身ベルト部110の装着位置のずれを検知する手段である。具体的には、判定部102は、信号入力部101から、キャリブレーションの開始信号を受信し、上半身ベルト部110の緩みを判定する判定モードへと切り替わる。そして、判定部102は、判定モードになった時点以降において、動作計測部113から加速度や角速度の値を受信し、上半身ベルト部110が緩んでいないかを判定する。

0109

次に、判定部102による上半身ベルト部110の緩み判定方法について説明する。

0110

判定部102は、上半身ベルト部110から膝ベルト部120を引っ張る際に、上半身ベルト部110が緩んでいれば、ユーザの上下方向においては、腸骨によって上半身ベルトが止まるため、もし、上半身ベルト部110の装着状態が緩くてもユーザの上下方向には動きにくい。一方で、腰まわりの回転方向に力が加えられれば、上半身ベルト部110が緩んでいる場合、上半身ベルト部110は、回転してずれが発生する。

0111

図19に示すように、ユーザの上下方向をX軸方向、ユーザの左右方向をY軸方向、ユーザの前後方向をZ軸方向として、X軸方向は上側を正側(プラス側)、Y軸方向はユーザから見て左側を正側(プラス側)、Z軸方向はユーザの前側を正側(プラス側)として説明する。

0112

アシスト装置200では、ワイヤ130がほぼX−Y平面内にあり、X−Y平面内において斜め方向に2本のワイヤが互いに交差するように配置されているため、膝ベルト部120が緩んでいる状態で引っ張ると、各ワイヤのY軸方向の成分が作用し、上半身ベルトのY軸方向の加速度が変化する。さらに、上半身ベルトがX軸方向周りに回転するため、X軸方向周りの角速度が最も変化する。図20にX軸周りの角速度成分の例を示す。

0113

図20は、w=0.2秒、h=100Nのパルス波のキャリブレーション信号を駆動制御部111に入力することで8本のうち4本のワイヤ130に第1の閾値以上の張力を作用させた時の上半身ベルト部110のX軸方向周りの角速度変化を示すグラフである。図20のグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸はX軸方向周りの角速度を示す。なお、図20に示しているデータでは、8本のワイヤのうちの4本のワイヤとして、「RF_right」、「RR_left」、「LF_right」、「LR_left」のワイヤの張力を第1の閾値(100N)としている。また、グラフ中の一点鎖線(Tight)が、上半身ベルト部110をきつく締めた場合の角速度変化を示し、実線(Loose)が上半身ベルト部110を緩めた場合の角速度変化を示す。図19に示すように、上半身ベルト部110を緩めた場合の方が、上半身ベルト部110をきつく締めた場合よりもX軸方向周りの角速度変化が大きいことがわかる。したがって、判定部102は、パルス波で第1の張力(例えば、h=100N)が設定されているキャリブレーション信号に対して、X軸方向周りの角速度変化が、所定の閾値(例えば、0.8rad/s2)以上であれば、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110が緩んでいると判定する。

0114

なお、判定部102は、X軸方向周りの角速度を検知して、上半身ベルト部110の緩みを判定するとしたが、これに限ったものではない。例えば、Y軸方向の加速度変化とX軸方向周りの角速度変化の両方が、それぞれの変化について設定されている所定の閾値以上であった場合に、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110が緩んでいると判定してもよい。さらに、4本のワイヤを同時に引っ張らず、2本のワイヤのみ、例えば、「LF_right」及び「LR_left」を同時に引っ張る、もしくは、1本のワイヤ、例えば、「LF_right」のみを引っ張った際のZ軸方向周りの角速度変化から、判定部102は、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110の緩みを検知してもよい。横に並んだ2本のみを引っ張る場合や、1本のみを引っ張る場合は、左右前後の各足における4本のワイヤを同時引っ張る場合と比較して、上半身ベルト部110のX−Y平面のバランスが崩れるため、Z軸方向周りに回転が起こりやすくなる。また、Y軸方向の加速度変化、X軸方向周りの角速度変化、及び、Z軸方向周りの角速度変化のいずれかの値が、それぞれの変化に設定されている所定の閾値以上になれば、判定部102は、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110が緩んでいると判定してもよい。これによって、判定部102は、緩み検知に対するロバスト性を持つことができ、より精度よく、上半身ベルト部110の緩みを判定することができる。

0115

なお、ワイヤの張力に100Nの張力が加えられた場合に、判定部102は、Y軸方向の加速度変化、X軸方向周りの角速度変化、Z軸方向周りの角速度変化のいずれかの値が、それぞれの変化に設定されている所定の閾値以上になれば、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110に緩みがあると判定してもよい。緩み判断はこの例に限られない。例えば、ワイヤに50−400Nの範囲の入力信号たる張力が加えられた場合、Y軸方向の加速度変化が1.0m・s2以上、または、X軸方向周りの角速度変化が0.6rad/s2以上、または、Z軸周りの角速度変化が0.3rad/s2以上であれば、上半身ベルト部110の装着位置がずれたので、上半身ベルト部110が緩んでいると判定してもよい。

0116

また、キャリブレーション信号の第1の張力の値とY軸方向の加速度変化に対する所定の閾値、または、キャリブレーション信号の第1の張力の値とX軸方向周りの角速度変化に対する所定の閾値、または、キャリブレーション信号の第1の張力の値とZ軸方向周りの角速度変化に対する所定の閾値の少なくとも1つをユーザに応じて設定し、上半身ベルト部110の装着位置がずれた、すわなち、上半身ベルト部110の緩みを判定してもよい。第1の張力の値をユーザ毎に異ならせてもよい。この場合、アシスト装置200は、ユーザからの好みを受け付ける受付部を有していてもよく、受付部は、例えば、ボタン、スイッチ、入力キータッチパネルなどの入力IF、プロセッサ及びメモリなどにより実現される。

0117

例えば、上半身ベルト部110の締め付け具合、及び/または、感触というのは個人によって異なる。したがって、アシスト装置200を初めて使用する際、及び/または、使用開始後に定期的に、ユーザが自身で一度上半身ベルト部110をきつく締め、その際の上半身ベルト部110における加速度変化、角速度変化の値を記憶して、記憶した値に応じて、上述した上半身ベルト部110の緩みの判定のための所定の閾値を設定してもよい。つまり、きつく締めることが好ましいとするユーザに対しては、所定の閾値として、初期に設定されている値(標準値)よりも例えば5〜20%程度小さい値を設定してもよい。また、緩く締めることが好ましいとするユーザに対しては、所定の閾値として、標準値よりも例えば5〜20%程度大きい値を設定してもよい。つまり、アシスト装置は、ユーザによる設定を受け付ける受付部と、受付部により受け付けられた設定を記憶する記憶部と、をさらに備えていてもよい。そして、制御部は、記憶部に記憶されている設定に応じて、第1の閾値を調整し、調整後の第1の閾値を用いて判定された結果を、情報として出力してもよい。

0118

このように、ユーザの好みによる違い、または、同じユーザであっても、装着した日の服装等による締め付け具合の違いなどがあった場合でも、上半身ベルト部110の緩みを判定するための所定の閾値を、上記の違いに応じて異なる値に変更することで、上半身ベルト部110の緩みを適切に判定することができる。

0119

上述したように、本実施の形態では、基本的には、左右前後の各ワイヤ1本ずつを組み合わせた、4本の特定のワイヤに対して第1の張力を加えることによって上半身ベルト部110の緩みを検知する。このとき、ワイヤの張力によって引き起こされる腰の回転方向の角速度を中心に、その変化を捉えることで、顕著に上半身ベルト部110の緩みを判定できる。さらに、このユーザの上下方向を軸とした回転方向の速度成分や、ユーザの前後方向を軸とした回転方向の角速度成分を顕著に捉えるために、ワイヤ130の接続位置、固定方法について、以下で説明する。

0120

まず、X軸方向周りの回転成分を算出するための動作計測部113とワイヤ130の接続位置とについて説明する。

0121

図21は、動作計測部113とワイヤ130との接続位置の一例について示す図である。

0122

左右前後の各ワイヤ1本ずつで計4本のワイヤを引っ張る場合は、各ワイヤからY軸方向の成分を生成する必要があるため、クロスに配置しているワイヤが鉛直方向から傾いている必要がある。図21は、反時計回りに上半身ベルト部110を回転させる場合の例を示しているが、このとき、例えば、「RF_right」は、X軸方向に対して所定の角度θ(例えば10度以上45度未満の角度)を持っていればよい。所定の角度θが小さすぎると、上述したように、キャリブレーション時に上半身ベルト部110が回転しにくくなり、また、一方で大きすぎると、アシスト時の制御、特に屈曲及び伸展方向のアシストが難しくなってしまう。したがって、クロスに配置されたワイヤの取り付け角度は上限と下限とを上記のように定めた所定の角度θを満たすようにワイヤを配置してもよい。

0123

なお、ワイヤの取り付け角度を、所定の角度θ(10度以上45度未満の角度)としたが、これに限ったものではない。アシスト装置200を異なるユーザが身につけた場合、ユーザの腰周りと膝周り円周によって、ワイヤの取り付け角度が変化する。したがって、例えば、ワイヤの取り付け位置を毎回調節できるようにし、ワイヤの取り付け位置が変更可能となっており、ユーザの応じて同じ角度にできるようにアシスト装置200を構成してもよい。また、角度調節後、例えば、屈曲及び伸展方向のアシストを行い、ユーザがアシストされているかを確認し、また、上半身ベルト部110が緩んでいる状態でキャリブレーション信号を入力した際に、上半身ベルト部110が回転するかを確認することで、ワイヤの付着位置を決めてもよい。

0124

さらに、本実施の形態では、キャリブレーション時に上半身ベルト部110のX軸方向周りの回転成分を、より顕著に算出するため、本開示の方法が、ウェア一体型のアシストスーツで使用される場合に、図22及び図23に示すように、膝ベルト部120から伸びたワイヤ130をインナーウェア160に設けられた円環状の支持部161を経由させ、上半身ベルト部110上の支持部161よりも右回転方向側の固定点162に取り付けてもよい。

0125

例えば、反時計回りに上半身ベルト部110を回転させたい場合、ワイヤ「RF_right」、「LF_right」、「RR_left」、「LR_left」の上半身ベルト部110への接続の仕方を、図22に示すように、膝ベルト部120から所定の角度を持って引っ張った状態で、インナーウェア160上で経由させ、その後、ユーザにとって、右側に伸ばして、上半身ベルト部110に固定してもよい。これにより、キャリブレーション時に特定のワイヤを引っ張ることで、X軸方向周りの回転方向に、より力が加わり、上半身ベルト部110が緩んでいた場合、X軸方向周りの回転ずれが大きくなる。

0126

図23は、時計周りに上半身ベルト部を回転させたい場合を説明する図である。時計周りに回転させる場合は、「RF_left」、「LF_left」、「RR_right」、「LR_right」のワイヤを引っ張るが、これらのワイヤの上半身ベルト部110における付着方法としては、膝ベルト部120から所定の角度を持って引っ張った状態で、インナーウェア160上で経由させ、その後、ユーザにとって、左側に伸ばして、上半身ベルト部110に固定してもよい。なお、支持部161、163は、上半身ベルト部110の固定点162、164と同じ高さ(つまりX軸方向における位置が同じ)が上半身ベルト部110の長さ方向に対して最も力が作用しやすい構成にできるため、支持部161、163と固定点162、164とのX軸方向における位置を同じ位置に設置してもよい。

0127

なお、支持部161、163の構造として、例えば、上述したような円環状のリング滑車レールがある。つまり、支持部161、163は、ワイヤをスライド自在に支持する。リングもしくは滑車等を、例えば、インナーウェア等に取り付けることで、この経由点において、上半身ベルト部110と膝ベルト部120との間の斜め方向の力、そして上半身ベルト部110の長さ方向の力が生まれることになる。なお、経由点はリングや滑車として説明したが、これに限ったものではない。例えば、例えば、インナーウェアにもしくは糸を通し、その紐、もしくは糸の下にワイヤを通してもよい。金属のリング等に比べ、紐、もしくは糸等であれば、経由点がユーザに触れて場合であっても、やわらかいために、怪我等をしなくてすむ。

0128

なお、ワイヤの上半身ベルト部110への接続位置について、4本すべてのワイヤに対して、一点を経由してからユーザの左右どちらかに伸ばすとしたが、これに限ったものではない。例えば、1本のワイヤのみ上述したような固定方法としてもよい。1本でもこのように固定していれば、キャリブレーション時にX軸周りの回転成分が大きくなるからである。

0129

以上のように、第ワイヤの上半身ベルト部110への接続方法として、一点をインナーウェア160を経由させて、ユーザの左右に伸びるように、ワイヤを接続させる。つまり、第1のワイヤの一端は、上半身ベルト部110に配置されるモータ112に固定され、第1のワイヤの他端は、膝ベルト部120に固定される。また、上半身ベルト部110は、第1のワイヤの一端及び第1のワイヤの他端の間の位置において、第1のワイヤをスライド自在に支持する支持部161、163を有する。第1のワイヤは、第1のワイヤの一端及び支持部161、163に支持されている部位の間において、上半身ベルト部110の長さ方向に沿って位置している。上半身ベルト部110の緩みを検知するときは、モータ112の張力により、上半身ベルト部110の長さ方向に力が加わる。

0130

より効果的に上半身ベルト部110に対してX軸方向周りの回転方向への力を作用させることができるため、上半身ベルト部110の緩みを効果的に検知することができる。

0131

次に、Z軸周りの回転成分を算出するための動作計測部113とワイヤ130の付着位置について説明する。Z軸周りの回転成分を生み出す方法として、各足の4本のワイヤを引っ張るのではなく、図24に示すように、2本のワイヤ、例えば、「LF_left」と「LR_left」を引っ張ることで、上半身ベルト部110の左半分がZ軸周りの回転方向に回転しやすくなる。また、同様に、図25に示すように、1本のワイヤ、例えば、「LF_left」を引っ張ることで、Z軸周りの回転成分を生み出すことができる。このとき、より大きな回転を起こすために、上半身ベルト部110において、より外側に付着位置のあるワイヤ、「RF_right」、「RR_right」、「LF_left」、「LR_left」を引っ張ることが有効である。さらに、これらの場合において、動作計測部113は、よりZ軸方向周りの回転方向を算出するために、上半身ベルト部110の両端にあるのがよい。

0132

なお、上述したZ軸方向周りの回転成分を生み出すために、2本のワイヤを引っ張る際は、アシスト時の左右の外転の場合と同じワイヤを引っ張ることになる。したがって、この組み合わせをキャリブレーションとして用いる場合は、例えば、4本のワイヤを引っ張ることで、上半身ベルト部110のX軸方向周りの回転方向のずれを検知し、判定が難しい場合、例えば、所定の閾値とほぼ同じである場合に、さらなる緩み検知の信号として、この2本のワイヤを選択し、Z軸方向周りの回転成分から緩み検知を行ってもよい。

0133

また、毎回キャリブレーション時には、X軸方向周りの回転ずれの検知と、Z軸周りの回転ずれの検知との両方を行い、どちらかがずれていると判定できる場合は、ユーザに上半身ベルト部110を締めなおすよう、指示を与えてもよい。

0134

なお、本実施の形態では、キャリブレーション信号を用いて、上半身ベルト部110の緩みを検知するタイミングとして、ユーザがアシスト装置200を装着した際と、ユーザがアシスト装置200を装着後、しばらく時間がたち、所定の距離を移動した場合等に行うとしたが、これに限ったものではない。例えば、ユーザが歩行中に右や左に曲がるタイミングで、キャリブレーションを行い、上半身ベルト部110の緩みがあるかを判定してもよい。このとき、ユーザが左右どちらにどの程度曲がったかは、上半身ベルト部110に設けた動作計測部113で計測できる。

0135

図26は、通常の状態において、上半身ベルト部の緩みを判定する場合の上半身ベルト部の移動量(ずれ量)について説明するための図である。図27は、ユーザが歩行中に右に曲がった場合において、上半身ベルト部の緩みを判定する場合の上半身ベルト部の移動量(ずれ量)について説明するための図である。

0136

図26の(a)は、ユーザが立っている状態を示した図である。図26の(b)及び(c)は、ユーザが立っている状態において上半身ベルト部110の緩みの判定のために上半身ベルト部110を時計回りに回転させるキャリブレーション信号を4本のワイヤに入力した場合の移動量を説明するための図である。例えば、「RF_left」、「LF_left」、「RR_right」、「LR_right」の各々に第1の張力を作用させる。図26の(a)のように立っている状態からキャリブレーション信号を入力すると、移動量x1だけ反時計回りに回転したことがX軸方向周りの角速度を検出するジャイロセンサ115により計測される。

0137

図27の(a)は、歩行中に右に曲がる場合を示した図である。ユーザが歩行中に右に曲がる場合、ユーザの腰は、下半身に対して反時計回りに回転する。したがって、上半身ベルト部110が緩んでいた場合、ユーザが曲がることによって、図27の(b)に示すように、上半身ベルト部110は、ユーザの腰の回転と同様に回転し、その後戻らなくなる可能性がある。よって、ユーザが右に曲がった後、図27の(c)に示すように、時計回りにワイヤ、例えば、「RF_left」、「LF_left」、「RR_right」、「LR_right」を引っ張ることで、移動量x1よりも大きい移動量x2で上半身ベルト部110を移動させることができ、X軸方向周りの角速度を検出するジャイロセンサ115は上半身ベルト部110の緩み度合いをより効果的に検知することができる。また、上半身ベルト部110に取り付けられた、動作計測部113が有する加速度センサ114及びジャイロセンサ115から、ユーザが左右に何度曲がったかを検知して、その角度に応じて、ワイヤの張力を変更して、上半身ベルト部110を元の位置に戻してもよい。

0138

なお、歩行中の左右に曲がる場合に、上半身ベルト部110のキャリブレーションを行うとしたが、これに限ったものではない。例えば、ユーザが階段を昇降する場合にも、キャリブレーションを行ってもよい。階段は通常の歩行に比べ、足の昇降幅が大きいため、腰のひねりも大きい。そのため、通常の歩行に比べて、上半身ベルト部110がずれやすいという傾向がある。したがって、階段を1歩昇降するたびに、キャリブレーションを行ってもよい。また、毎回キャリブレーションを行うと、ユーザに負担を与え、エネルギーロスがあるため、階段を登りきる、又は、降りきった後に、キャリブレーションを行ってもよい。

0139

以上のように、上半身ベルト部110が大きくずれる可能性がある動きをするたびに、予想できるずれた方向と逆方向に上半身ベルトを回転させてずれを検知することで、より効果的に上半身ベルト部の緩みを検知できる。

0140

[1−1−5.提示部]
提示部140は、判定部102で、ユーザの上半身ベルト部110の緩みを判定した結果を、ユーザに提示する手段である。具体的には、上半身ベルト部110に振動アクチュエータを設け、判定部102で、上半身ベルト部110の緩んでいると判定した場合、振動アクチュエータを一定のリズムで振動させることで、ユーザに上半身ベルト部110が緩んでいること、及び/又は、装着位置がずれていることを提示してもよい。つまり、提示部140は、振動アクチュエータにより実現されてもよい。なお、上半身ベルト部110の緩みであるか装着位置のずれであるかで、振動のパターンを変更してもよい。

0141

上半身ベルト部110が緩んでいる場合、大きく振動させないとユーザが気づかないことがあるため、例えば、制御部100は、上半身ベルト部110の緩みがあると判定した場合、ワイヤ130の張力を200Nにし、かつ、振動アクチュエータを2Hzで振動させるなどしてよい。一方で、上半身ベルト部110の装着位置のずれであると判定した場合、緩みがない場合もあるため、緩みがあると判定した時よりは、ワイヤ130の張力を小さく、例えば100Nにし、かつ、振動アクチュエータを5Hzで振動させるなどしてもよい。なお、振動パターンはこれに限ったものではなく、ユーザ自身が好みの振動パターンを設定してもよい。

0142

なお、提示部140は、上半身ベルト部110に設けられた振動アクチュエータによって、ユーザに情報を提示するとしたが、これに限ったものではない。振動アクチュエータは、膝ベルト部120上に設けられてもよい。例えば、上半身ベルト部110が振動させてもユーザが気づかないほど緩んでいる場合は、ユーザ自身が、上半身ベルト部110に設けた振動アクチュエータを振動させても振動に気がつかない可能性がある。このため、比較的緩みが少ない膝ベルト部120に振動アクチュエータを設け、当該振動アクチュエータを振動させることで、ユーザに上半身ベルト部110の緩みを効果的に提示してもよい。

0143

なお、提示部140は、膝ベルト部120、又は、上半身ベルト部110に設けられた振動アクチュエータを、緩みに応じて振動させることで、ユーザに緩みがあることを提示するとしたが、これに限ったものではない。例えば、図3の(b)に示すように、アシスト装置200は、ユーザが所有しているスマートフォン等の携帯端末300と無線通信することにより、携帯端末300に情報を提示してもよい。つまり、提示部140は、外部の機器である携帯端末300により実現してもよい。

0144

また、制御部100は、上半身ベルト部110の装着位置がずれていると判定した場合、図28に示すように、アシスト装置200の画像を用いて、ユーザに対する直感的な指示を示す情報を携帯端末300に提示させてもよい。図21は、ユーザへの情報提示の一例を示す図である。図28の(a)は、上半身ベルト部110が右回転方向側にずれていたと判定しため、左回転方向側に回すことを促す指示を示す情報の一例であり、図28の(b)は、上半身ベルト部110が左回転方向側にずれていたと判定しため、右回転方向側に回すことを促す指示を示す情報の一例である。このように、アシスト装置200の画像を用いて、装着位置を正しい位置に修正させることを促す指示をユーザに提示することで、ユーザは、どちらの方向に上半身ベルト部110を回して装着位置を調整すればよいか直感的に理解することができる。

0145

[1−2.動作]
次に、アシスト装置200の動作について説明する。

0146

図29は、実施の形態におけるアシスト装置200における処理の流れを示すフローチャートである。

0147

動作計測部113は、加速度センサ114の検出値から、ユーザの動作が停止していることを検知する(S001)。動作計測部113は、具体的には、加速度センサ114により測定される加速度変化が第2の閾値H以下である期間が一定時間区間T継続しているか否かを判定し、当該加速度変化が第2の閾値H以下である期間が一定時間区間T継続している場合、ユーザの動作が停止していると検知し、そうでない場合、ユーザの動作が停止していないと検知する。

0148

動作計測部113は、ユーザの動作が停止していることを検知すると、開始信号を制御部100に出力することにより、アシスト装置200においてキャリブレーションモードが開始される。

0149

動作計測部113によりユーザの動作が停止していることが検知される(ステップS001でYes)とキャリブレーションモードが開始され、制御部100は、信号入力部101において、上半身ベルト部110の緩みの検知用のキャリブレーション信号を決定し、当該信号を駆動制御部111に送信する(S002)。これにより、キャリブレーション信号を受信した駆動制御部111は、キャリブレーション信号に応じてモータ112を駆動することでワイヤ130を引っ張り、上半身ベルト部110に引っ張り力(第1の張力)を加える。

0150

次に、動作計測部113は、ワイヤ130により第1の張力が加えられているときの、上半身ベルト部110の動作を計測する(S003)。なお、動作計測部113は、第1の張力が加えられる前から所定期間における上半身ベルト部110の動作を計測していてもよいし、アシスト装置200が起動している場合に常時上半身ベルト部110の動作を計測していてもよい。

0151

判定部102は、所定の条件を満たすかで、上半身ベルト部110が緩んでいるか否かを判定する(S004)。所定の条件は「Y軸方向の加速度の大きさの変化が所定の閾値以上」と「X軸方向周りの角速度の大きさの変化が所定の閾値以上」と「Z軸方向周りの角速度の大きさの変化が所定の閾値以上」と「Y軸方向の加速度の大きさの変化が所定の閾値以上かつX軸方向周りの角速度の大きさの変化が所定の閾値以上」の少なくとも1つを含む。

0152

判定部102が、上半身ベルト部110の装着位置がずれないと判定すれば、上半身ベルト部110が緩んでいないと判定し(S004でNo)、ステップS001へ戻る。

0153

反対に、判定部102が、上半身ベルト部110の装着位置がずれると判定した場合(S004でYes)、制御部100は、上半身ベルト部110が緩んでいることを示す情報を、提示部140よりユーザに提示する(S005)。

0154

[1−3.効果など]
本実施の形態に係るアシスト装置200によれば、ユーザの股関節をアシストするアシスト装置であって、アシストをするためのワイヤがクロスに配置されている。そして、ワイヤがクロスに配置されていることから、股関節の伸展、屈曲、外転、内転、外旋又は内旋に対するアシストができると同時に、アシスト装置200が備える上半身ベルト部110の緩みを効果的に検知することができる。

0155

つまり、ユーザがアシスト装置200を身につける際に、上半身ベルト部110が緩んでいるか否かを、上半身ベルト部110に設けた加速度センサ114又はジャイロセンサ115の変化幅から判定する。そして、上半身ベルト部110に緩みがあると判定した場合、ユーザに判定結果を示す情報を提示することで、上半身ベルト部110を適切に締めなおすことを促すことができる。これにより、ユーザがアシスト装置200を身につけた場合に、上半身ベルト部110の緩みやずれを低減することができ、ユーザは、より効果的なアシスト力をアシスト装置200から受けることができる。

0156

[1−4.変形例]
[1−4−1.変形例1]
本実施の形態の変形例として、実施の形態の構成のアシスト装置200に、さらに、記憶部150を備えるアシスト装置200Aを採用してもよい。図30は、変形例1に係るアシスト装置の構成を示すブロック図である。

0157

記憶部150は、ユーザがアシスト装置200を使用するたびに、ユーザ情報と、信号入力部101からのキャリブレーション信号と、当該入力信号によって動作計測部113で計測された加速度及び角速度の値と、判定部102の判定結果とを、合わせて記憶する。そして、ユーザの2回目以降のアシスト装置200Aの使用の際には、判定部102は、記憶部150に蓄積された、キャリブレーション信号と、加速度及び角速度の値と、過去の装着状態における判定結果とを照合し、各データのマッチングができた際は、過去と同じ判定を用いてもよい。

0158

また、前述したように、記憶部150を用いることで、同じユーザであれば、動作計測部113の値を蓄積し、過去のデータと比較することで、ユーザは新たな情報として、例えば、過去のベルトの緩みに比べて、さらに緩んでいるか、又は、前回よりも緩んではいないが、緩みが発生してベルトがずれている等の情報をユーザに知らせることができ、ユーザは具体的な上半身ベルト部110の締め具合感覚的につかむことができるようになる。

0159

このように、記憶部150により、ユーザによる違い、または、同じユーザであっても環境、及び/または、その日の服装等によって、上半身ベルト部110の緩みが異なる場合のパターンを記憶し、より正確に膝ベルト部の緩みを判定することが可能になる。また、ユーザによっては、毎回装着位置を同じように間違ってしまうユーザもいる。このとき、記憶部150において、ユーザによる装着位置のずれのパターンを学習させることで、毎回装着時にユーザに注意喚起を行い、装着当初から本装置によって、適切なアシストが可能となる。

0160

[1−4−2.変形例2]
また、本実施の形態では、ユーザの上半身ベルト部110の緩みは、基本的にユーザが立位の状態で判定するとしたが、これに限ったものではなく、座位の状態で判定してもよい。例えば、アシスト装置200を装着するユーザが高齢者の場合には、椅子に座ってからアシスト装置200を装着する場合が多い。そのため、装着直後に上半身ベルト部110の緩みの判定を行う場合、椅子に座った状態で上半身ベルト部110の緩みを判定する必要がある。

0161

図31に座位状態で、上半身ベルト部の装着状態を判定する様子を示す。クロスに配置されたワイヤ130は、立位状態を基準にして設定されるため、立位状態においては、上半身ベルト部110を回転させるために各ワイヤを引っ張ると、それぞれのワイヤによる回転成分が生まれる。例えば、「RF_right」及び「LF_right」による張力では、反時計回りに回転する方向に力が作用し、「RF_left」及び「LF_left」よる張力では、時計回りに回転する方向に力が作用する。これにより、上半身ベルト部110の緩みを検知することができる。

0162

しかし一方で、図31に示すように、座位状態では、ワイヤによって、引っ張る方向が立位状態の場合と変化してしまい、回転成分の力が弱くなってしまう。例えば、多くのユーザは座位状態になると、開脚する。このとき、例えば、「RF_right」及び「LF_left」のワイヤは、ユーザにとって前後方向に張力を発揮するようになる。これは、上半身ベルト部110の回転を生み出す成分が小さくなることを意味する。一方で、「RF_left」及び「LF_right」のワイヤは、立位状態と比較して、上半身ベルト部110の左右方向に関する角度がより大きくなるため、上半身ベルト部110を回転させる成分が大きくなる。したがって、例えば、座位状態においてキャリブレーションを行う場合、「RF_left」及び「LF_right」のいずれかのみを、所定の張力、例えば、100Nで引っ張ることで、上半身ベルト部110の緩みを検知してもよい。

0163

また、座位状態では、上半身ベルト部110の後ろ側は、椅子等と接触しているため、ワイヤを引っ張った場合、摩擦等が生じるため、張力が伝わりにくい。したがって、上述したように、座位状態では、前側の「RF_left」及び「LF_right」のワイヤのみを使って、キャリブレーションを行ってもよい。座位状態での座標は、ユーザの前後方向をX軸方向、ユーザの左右方向をY軸方向、ユーザの上下方向をZ軸方向とする。座位状態では、ユーザの脚は片方(下側)が椅子に接触し、腰も片方(後ろ側)が椅子に接触しているため、ユーザの後側の領域では、ワイヤを引っ張ると、上半身ベルト部110が緩んでいる場合でも締まっている場合でも、摩擦力によりほぼ動かない。一方で、ユーザの前側の領域では特に、「RF_left」及び「LF_right」を引っ張ることで、上半身ベルト部110が緩んでいる場合はZ軸周りの回転方向に動くが、上半身ベルト部110は、椅子と接触しているため、摩擦により動きが鈍くなる。また、勢いによって動かされた反動で元の位置に戻る可能性低い。

0164

したがって、座位状態において、判定部102は、動作計測部113から得た、Z軸方向周りの変位を算出し、その値が、所定の閾値、例えば、0.05〜0.5rad以上であれば、緩みがあると判定してもよい。また、座位状態か立位状態であるかは、動作計測部113に備えた加速度センサの値で判定し、重力成分が加速度センサのX軸方向に、例えば、70%以上含まれていれば立位、Z軸方向に、例えば、70%以上含まれていれば、座位であると判定する。

0165

[1−4−3.変形例3]
また、本実施の形態では、制御部100は、上半身ベルト部110の緩みがあるか否かを判定して、例えば、上半身ベルト部110を振動させるなどしてユーザに上半身ベルト部110に緩み、及び/または、ずれが存在するという事実を提示するが、提示する内容は、これに限ったことではない。制御部100は、例えば、上半身ベルト部110が緩みに応じて緩みを解消するように自動的に締まるようにしてもよいし、上半身ベルト部110の装着位置のずれを正しい位置に調整するために回転させるようにしてもよい。また、このとき、制御部100は、動作計測部113で計測した緩み量に応じて、上半身ベルト部110の締め具合を調節してもよい。これにより、アシスト装置200は、ユーザが締めすぎによる痛みを感じず、しかし、上半身ベルト部110がずれない程度に、上半身ベルト部110を締めることが可能となる。

0166

[1−4−4.変形例4]
また、上記のキャリブレーションを開始するための判定は、動作計測部113が行うとしたが、動作計測部113が行わなくてもよい。例えば、制御部100の判定部102が当該判定を行ってもよい。この場合、判定部102は、動作計測部113から受信した各上半身ベルト部110における加速度及び角速度をリアルタイムに受信して、受信した加速度及び角速度から上記のキャリブレーションを開始するための判定を行ってもよい。つまり、判定部102は、上半身ベルト部110が有する加速度センサ114により測定される加速度が第2の閾値以下であるか否かをさらに判定してもよい。判定部102は、加速度センサ114により測定される加速度が第2の閾値以下であり、かつ、ジャイロセンサ115により測定される角速度が第1の閾値以上の場合に、上半身ベルト部110が緩んでいる状態又は上半身ベルト部110がずれている状態を示す情報を出力してもよい。

0167

このため、ユーザが動作を停止している状態の場合に、上半身ベルト部110が緩んでいる状態又は上半身ベルト部110がずれている状態を出力することができ、より効果的にユーザに当該状態を提示できる。つまり、ユーザが動作を停止している場合に、提示部140としての振動アクチュエータを振動させることで、ユーザが動作している場合よりも効果的に、ユーザに、上半身ベルト部110が緩んでいる状態又は上半身ベルト部110がずれている状態を伝えることができる。

0168

なお、判定部102は、加速度センサ114により測定される加速度が第2の閾値以下である場合に、加速度センサ114により測定される加速度が第2の閾値以下であることを示す情報を駆動制御部111に出力してもよい。

0169

[1−4−5.変形例5]
上記実施の形態では、上半身ベルト部110と膝ベルト部120とは別体で構成されているが、これに限ったものではなく、上半身ベルト部110及び膝ベルト部120の間が接続されて一体化されているパンツショーツ)状のものであってもよい。

0170

[1−5.他の実施の形態]
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態のアシスト方法などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。

0171

すなわち、このプログラムは、コンピュータに、ユーザの上半身に装着される上半身ベルトと、前記ユーザの右膝に装着される第1のベルトと、前記ユーザの左膝に装着される第2のベルトと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続する第1のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第1のベルトを接続し、かつ前記第1のワイヤと交差するように配置される第2のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続する第3のワイヤと、前記上半身ベルト及び前記第2のベルトを接続し、かつ前記第3のワイヤと交差するように配置される第4のワイヤと、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ、前記第3のワイヤ、および前記第4のワイヤと接続されるモータと、を備えるアシスト装置において、(a)前記ユーザの歩行をアシストするときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、異なるタイミングで第1の閾値以上の張力を加え、(b)前記上半身ベルトの緩み又は前記上半身ベルトのずれを検知するときは、前記モータにより、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤと、前記第3のワイヤ又は前記第4のワイヤとに、同じタイミングで第1の閾値以上の張力を加える、アシスト方法を実行させる。

0172

本開示において、ユニットデバイスの全部又は一部、又は図2及び図23に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップ集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSIVLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるかもしれない。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array (FPGA)、又はLSI内部の接合関係再構成又はLSI内部の回路区画セットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。

0173

さらに、ユニット、装置、又は装置の一部の、全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは一つ又は一つ以上のROM、光学ディスクハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウェアは、ソフトウェア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行させる。システム又は装置は、ソフトウェアが記録されている一つ又は一つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインタフェース、を備えていてもよい。

0174

以上、本開示の一つまたは複数の態様に係るアシスト装置及びアシスト方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。

0175

本開示は、ワイヤを用いて人の動作を支援するアシスト装置において、当該アシスト装置のベルトの緩みなどを効果的に検知できるアシスト装置などとして有用である。

0176

100 制御部
101信号入力部
102 判定部
110上半身ベルト部
111駆動制御部
112モータ
113 動作計測部
114加速度センサ
115ジャイロセンサ
120膝ベルト部
130ワイヤ
140提示部
150 記憶部
200、200Aアシスト装置
300携帯端末
301 ディスプレイ

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