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技術 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、及び、超音波診断装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 進泰彰
出願日 2016年10月4日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-196787
公開日 2018年4月12日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-057560
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード エルミート多項式 解析対象範囲 観測スペクトル ルジャンドル多項式 操作者入力 弾性計測 チェビシェフ多項式 圧電変換素子
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この項目の情報は公開日時点(2018年4月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

受信ビームフォーミングにおける演算量を低減する。

解決手段

振動子101a各々が被検体から時系列受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成する受信部1040と、受波信号フレームデータを第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成する直交空間変換部1044と、観測スペクトルフレームデータの第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成する変換処理部1045と、変換スペクトル部分フレームデータに対して、逆直交変換を行い関心領域内の複数の観測点について音響線信号フレームデータを生成する直交空間逆変換部1048とを有する。

概要

背景

超音波診断装置は、超音波プローブ(以後、「プローブ」とする)により被検体内部に超音波を送信し、被検体組織音響インピーダンス差異により生じる超音波反射波エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体内部組織の構造を示す画像を生成し、モニタ(以後、「表示部」とする)上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイム体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。

近年、超音波診断装置には、カラーフローマッピング(CFM;Color Flow Mapping)法が具備されている。CFM法では、血流等の体内組織の動きによるエコーに発生するドプラシフト周波数偏移)を反射波と反射波との位相差から検出し、速度情報二次元画像として、二次元断層画像Bモード断層画像)に重畳表示を行う。ドプラシフトの検出を行うためには、被検体内の同一の位置に繰り返し超音波を送受信する必要がある(以下、超音波が同一の位置に送受信される回数を「アンサンブル数」とよび、CFM法で生成された画像を「カラードプラ画像」と表記する)。そのため、CFM法においては、受信ビームフォーミング処理における単位時間あたりの演算量が多く、1回の送受信により被検体中の解析対象範囲全体から反射波が得られる焦点を結ばない平面波を送信する構成が採られている。

しかしながら、近年ではCFM法においてアンサンブル数をさらに高めて実時間処理に近い画質を得ることが求められており、そのために、受信ビームフォーミング処理における演算量をさらに低減することが求められている。これに対し、例えば、特許文献1では、平面波(Plane wave)を送信して、得られた反射波を周波数領域(frequency-wavenumber (f-k) domain)において受信ビームフォーミングを行うことにより演算量の低減を図る技術が検討されている。

概要

受信ビームフォーミングにおける演算量を低減する。振動子101a各々が被検体から時系列受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成する受信部1040と、受波信号フレームデータを第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成する直交空間変換部1044と、観測スペクトルフレームデータの第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成する変換処理部1045と、変換スペクトル部分フレームデータに対して、逆直交変換を行い関心領域内の複数の観測点について音響線信号フレームデータを生成する直交空間逆変換部1048とを有する。

目的

本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の振動子が列設されたプローブ接続可能に構成された超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子に検出波パルスを供給して前記複数の振動子に被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域を通過する検出波を送信させる送信ビームフォーマ部と、前記検出波の送信に対応して前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体組織からの反射検出波に基づき、前記関心領域内の複数の観測点に対する音響線信号フレームデータを生成する受信ビームフォーマ部と、前記音響線信号フレームデータから、超音波画像フレームデータを生成する画像生成部とを備え、前記受信ビームフォーマ部は、前記複数の振動子の各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成する受信部と、前記受波信号フレームデータを前記第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成する直交空間変換部と、前記観測スペクトルフレームデータの前記第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成する変換処理部と、前記変換スペクトル部分フレームデータに対して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換を行い前記関心領域内の複数の観測点について音響線信号を生成して、前記音響線信号フレームデータを生成する直交空間逆変換部とを有する超音波信号処理装置。

請求項2

前記直交空間変換部は、前記受波信号フレームデータを時間方向と振動子列方向にてフーリエ変換を行うことにより前記第2直交空間に変換して前記観測スペクトルフレームデータを生成し、前記直交空間逆変換部は、前記変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数と振動子列方向の波数にて逆フーリエ変換を行うことにより前記音響線信号フレームデータを生成する請求項1に記載の超音波信号処理装置。

請求項3

前記変換処理部は、前記観測スペクトル部分フレームデータ中の前記時間方向の角周波数を振動子列方向の波数及び被検体深さ方向の波数に内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータを生成する内挿スペクトル変換部と、前記内挿スペクトル部分フレームデータに、複素振幅乗算して前記変換スペクトル部分フレームデータを生成する乗算部とを含む請求項2に記載の超音波信号処理装置。

請求項4

前記乗算部は、前記一部領域に対応した前記内挿スペクトル部分フレームデータ中の領域のみ前記複素振幅を乗算する請求項3に記載の超音波信号処理装置。

請求項5

前記観測スペクトルフレームデータの一部領域は、前記時間方向の角周波数の一部分と振動子列方向の波数の全てとにより構成される請求項2から4の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項6

前記受信ビームフォーマ部は、前記観測スペクトルフレームデータの一部領域を処理対象領域に設定する領域設定部を備える請求項1から4の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項7

前記領域設定部は、操作者により入力された前記角周波数の一部分の帯域を指定する帯域設定情報に基づき前記一部領域を決定する請求項6に記載の超音波信号処理装置。

請求項8

前記領域設定部は、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域を前記一部領域に設定する請求項6に記載の超音波信号処理装置。

請求項9

前記領域設定部は、振動子列方向の波数ごとに、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域を前記一部領域に設定する請求項8に記載の超音波信号処理装置。

請求項10

前記領域設定部は、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲を前記一部領域に設定する請求項6に記載の超音波信号処理装置。

請求項11

前記領域設定部は、振動子列方向の波数ごとに、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲を前記一部領域に設定する請求項10に記載の超音波信号処理装置。

請求項12

前記領域設定部は、所定の検出波を送信回数ごとに前記一部領域を設定する請求項6から11の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項13

前記直交空間逆変換部は、前記一部領域が所定の波数条件を満たした場合、前記変換スペクトル部分フレームデータ中、前記一部領域に対応する被検体深さ方向の波数領域に対応する部分を離散逆フーリエ変換することにより前記音響線信号フレームデータを生成する請求項2から12の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項14

前記直交変換部は、前記一部領域が所定の波数条件を満たした場合、前記受波信号フレームデータ中、前記一部領域の角周波数に対応する時間方向の範囲に対応する部分を離散フーリエ変換することにより前記観測スペクトルフレームデータを生成する請求項2から13の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項15

前記送信ビームフォーマ部は、被検体に焦点を結ばない非収束超音波ビームを送信する請求項1から14の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項16

前記画像生成は前記音響線信号フレームデータの位相情報に基づき前記超音波画像フレームデータを生成する請求項1から15の何れか1項に記載の超音波信号処理装置。

請求項17

複数の振動子が列設されたプローブが接続可能に構成された超音波信号処理方法であって、前記複数の振動子に検出波パルスを供給して前記複数の振動子に被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域を通過する検出波を送信させるステップと、前記検出波の送信に対応して前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体組織からの反射検出波に基づき、前記関心領域内の複数の観測点に対する音響線信号フレームデータを生成するステップと、前記音響線信号フレームデータから、超音波画像フレームデータを生成するステップとを有し、前記音響線信号フレームデータを生成するステップでは、前記複数の振動子の各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成し、前記受波信号フレームデータを前記第1直交空間と異なる第2直交空間に直交変換して、観測スペクトルフレームデータを生成し、前記観測スペクトルフレームデータの前記第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成し、前記変換スペクトル部分フレームデータに対して、直交逆変換を行い前記関心領域内の複数の観測点について音響線信号を生成して、前記音響線信号フレームデータを生成する超音波信号処理方法。

請求項18

前記観測スペクトルフレームデータを生成では、前記受波信号フレームデータを時間方向と振動子列方向にてフーリエ変換を行うことにより前記第2直交空間に変換して前記観測スペクトルフレームデータを生成し、前記音響線信号フレームデータを生成では、前記変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数と振動子列方向の波数にて逆フーリエ変換を行うことにより前記音響線信号フレームデータを生成する請求項17に記載の超音波信号処理方法。

請求項19

前記変換スペクトル部分フレームデータの生成では、前記観測スペクトル部分フレームデータ中の前記時間方向の角周波数を振動子列方向の波数及び被検体深さ方向の波数に内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータを生成し、前記内挿スペクトル部分フレームデータに、複素振幅を乗算して前記変換スペクトル部分フレームデータを生成する請求項18に記載の超音波信号処理方法。

技術分野

0001

本開示は、超音波信号処理装置超音波信号処理方法、及び、それを備えた超音波診断装置に関し、特に、血流測定カラーフローマッピング組織弾性計測に用いる超音波信号処理装置における受信ビームフォーミング処理方法に関する。

背景技術

0002

超音波診断装置は、超音波プローブ(以後、「プローブ」とする)により被検体内部に超音波を送信し、被検体組織音響インピーダンス差異により生じる超音波反射波エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体内部組織の構造を示す画像を生成し、モニタ(以後、「表示部」とする)上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイム体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。

0003

近年、超音波診断装置には、カラーフローマッピング(CFM;Color Flow Mapping)法が具備されている。CFM法では、血流等の体内組織の動きによるエコーに発生するドプラシフト周波数偏移)を反射波と反射波との位相差から検出し、速度情報二次元画像として、二次元断層画像Bモード断層画像)に重畳表示を行う。ドプラシフトの検出を行うためには、被検体内の同一の位置に繰り返し超音波を送受信する必要がある(以下、超音波が同一の位置に送受信される回数を「アンサンブル数」とよび、CFM法で生成された画像を「カラードプラ画像」と表記する)。そのため、CFM法においては、受信ビームフォーミング処理における単位時間あたりの演算量が多く、1回の送受信により被検体中の解析対象範囲全体から反射波が得られる焦点を結ばない平面波を送信する構成が採られている。

0004

しかしながら、近年ではCFM法においてアンサンブル数をさらに高めて実時間処理に近い画質を得ることが求められており、そのために、受信ビームフォーミング処理における演算量をさらに低減することが求められている。これに対し、例えば、特許文献1では、平面波(Plane wave)を送信して、得られた反射波を周波数領域(frequency-wavenumber (f-k) domain)において受信ビームフォーミングを行うことにより演算量の低減を図る技術が検討されている。

先行技術

0005

“Stolt's f-k Migration for Plane Wave Ultrasound Imaging”,D.Garcia, L.Tarnec, S.Muth, E.Montagnon,J.Poree,and G.Cloutier,IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control, vol. 60, no. 9, September 2013

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、CFM法での実時間処理に向けてフレームレートのさらなる向上を図ろうとしたとき、演算量低減が十分でないという課題があった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一態様に係る超音波信号処理装置は、複数の振動子が列設されたプローブが接続可能に構成された超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子に検出波パルスを供給して前記複数の振動子に被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域を通過する検出波を送信させる送信ビームフォーマ部と、前記検出波の送信に対応して前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体組織からの反射検出波に基づき、前記関心領域内の複数の観測点に対する音響線信号フレームデータを生成する受信ビームフォーマ部と、前記音響線信号フレームデータから、超音波画像フレームデータを生成する画像生成部とを備え、前記受信ビームフォーマ部は、前記複数の振動子の各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成する受信部と、前記受波信号フレームデータを前記第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成する直交空間変換部と、前記観測スペクトルフレームデータの前記第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成する変換処理部と、前記変換スペクトル部分フレームデータに対して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換を行い前記関心領域内の複数の観測点について音響線信号を生成して、前記音響線信号フレームデータを生成する直交空間逆変換部とを有することを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明の一態様に係る超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、及び、それを用いた超音波診断装置によれば、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。そのため、特に位相情報を用いて信号処理を行う場合に血流情報等の品質の低下を抑えつつフレームレートを向上させることができる。

図面の簡単な説明

0009

実施の形態1に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。
(a)(b)は、検出波の概要を示す模式図である。
実施の形態1に係る、受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態1に係る、直交空間受信ビームフォーミング部1041の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態1に係る、CFM処理部105、画像生成部107の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態1に係る超音波診断装置100の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1に係る受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。
実施の形態1に係る受信ビームフォーミング動作により得られたフレームデータ又は部分フレームデータの態様を示す模式図である。
被検体中の伝搬波pと、波数ベクトルとの関係を示す模式図である。
第2直交空間(ω,κx)から第3直交空間(κx,κz)への変換を示す模式図である。
実施の形態1に係る受信ビームフォーミング動作の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態2に係る、直交空間受信ビームフォーミング部1041の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態2に係る受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。
実施の形態2に係る受信ビームフォーミングにおいて、処理対象領域となる観測スペクトルフレームデータP0の一部領域を示す説明図である。
実施の形態3に係る、直交空間受信ビームフォーミング部1041の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態3に係る受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。
テップS170Bにおける音響線信号の算出処理の動作の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態3に係る受信ビームフォーミング動作により得られたフレームデータ又は部分フレームデータの態様を示す模式図である。
実施の形態4に係る、直交空間受信ビームフォーミング部1041の構成を示す機能ブロック図である。
実施の形態4に係る受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。
ステップS130Cにおける観測スペクトルの算出処理の動作の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態4に係る受信ビームフォーミング動作により得られたフレームデータ又は部分フレームデータの態様を示す模式図である。

実施例

0010

≪実施の形態1≫
<超音波診断システム1000の構成>
以下、実施の形態1に係る超音波診断装置100について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波を受信する複数の振動子101aを有するプローブ101、プローブ101に検出波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、超音波画像を画面上に表示する表示部108を有する。プローブ101、表示部108、操作入力部111は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、表示部108、操作入力部111が接続された状態を示している。なお、プローブ101と、表示部108、操作入力部111とは、超音波診断装置100の内部にあってもよい。

0011

次に、超音波診断装置100に外部から接続される各要素について説明する。
プローブ101は、振動子列方向を表す一次元方向(以下、「方位方向」とする)に配列された複数の振動子101aからなる振動子列(101a)を有する。プローブ101は、後述の送信ビームフォーマ部103から供給されたパルス状の電気信号をパルス状の超音波に変換する。プローブ101は、プローブ101の振動子側外表面を超音波ジェル等を介して被検体の皮膚表面に当てた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビーム測定対象に向けて送信する。そして、プローブ101は、被検体からの反射波を受信し、複数の振動子101aによりこれら反射波をそれぞれ電気信号に変換して受信ビームフォーマ部104に供給する。

0012

操作入力部111は、検査者からの超音波診断装置100に対する各種設定・操作等の各種操作入力を受け付け制御部110に出力する。
操作入力部111は、例えば、表示部108と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、表示部108に表示された操作キーに対してタッチ操作ドラッグ操作を行うことで超音波診断装置100の各種設定・操作を行うことができ、超音波診断装置100がこのタッチパネルにより操作可能に構成される。また、操作入力部111は、例えば、各種操作用キーを有するキーボードや、各種操作用のボタンレバー等を有する操作パネルであってもよい。また、表示部108に表示されるカーソルを動かすためのマウス等であってもよい。または、これらを複数用いてもよく、これらを複数組合せた構成のものであってもよい。

0013

表示部108は、いわゆる画像表示用表示装置であって、後述する画像生成部107からの画像出力を画面に表示する。表示部108には、液晶ディスプレイ、CRT有機ELディスプレイ等を用いることができる。
<超音波診断装置100の構成>
超音波診断装置100は、プローブ101の複数ある振動子101aのうち、送信又は受信の際に用いる振動子を各々に選択し、選択された振動子に対する入出力を確保するマルチプレクサ部102、検出波の送信を行うためにプローブ101の各振動子101aに対する高電圧印加のタイミングを制御する送信ビームフォーマ部103と、プローブ101で受信した反射検出波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号を増幅し、A/D変換し、受信ビームフォーミングして音響線信号を生成する受信ビームフォーマ部104を有する。また、受信ビームフォーマ部104からの出力信号を周波数解析しカラーフロー情報を生成するCFM処理部105、受信ビームフォーマ部104から出力される音響線信号フレームデータを断層画像(Bモード画像)に変換しカラーフロー情報を重畳してカラードプラ画像を生成、表示部108に表示させる画像生成部107、受信ビームフォーマ部104が出力する音響線信号、CFM処理部105が出力するCFM信号フレームデータ、及び画像生成部107が出力するカラードプラ画像フレームデータを保存するデータ格納部109と、各構成要素を制御する制御部110を備える。

0014

このうち、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、CFM処理部105、画像生成部107は、超音波信号処理装置150を構成する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、CFM処理部105、画像生成部107、制御部110は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)などのハードウェア回路により実現される。

0015

また、マルチプレクサ部102、送信ビームフォーマ部103、受信ビームフォーマ部104、CFM処理部105、画像生成部107、制御部110を構成する回路は、マイクロプロセッサメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波信号処理方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムを含む。

0016

データ格納部109は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスクハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、BD、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部109は、超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102がなく、送信ビームフォーマ部103と受信ビームフォーマ部104とが直接、プローブ101の各振動子101aに接続されていてもよい。また、プローブ101に送信ビームフォーマ部103や受信ビームフォーマ部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。これは、本実施の形態に係る超音波診断装置100に限られず、後に説明する他の実施の形態や変形例に係る超音波診断装置でも同様である。

0017

<超音波診断装置100の各構成要素の説明>
1.送信ビームフォーマ部103
送信ビームフォーマ部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から検出波の送信を行うためにプローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる振動子列からなる検出波送信振動子列Tx(以後、「振動子列Tx」とする)に含まれる複数の振動子の各々に対する高電圧印加のタイミングを制御する。例えば、プローブ101に存する振動子101aの数を256個とし、振動子101a全数を振動子列Txとしてもよい。振動子列Txに含まれる振動子の位置を示す情報は制御部110を介してデータ格納部109に出力される。

0018

送信ビームフォーマ部103は送信部1031から構成される。送信部1031は、制御部110からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、振動子列Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信信号を供給する送信処理を行う。具体的には、送信部1031は、例えば、駆動信号発生部、遅延プロファイル生成部、駆動信号送信部を含む。駆動信号発生部(不図示)は、制御部110からの送信制御信号のうち、振動子列Txとパルス幅を示す情報とに基づき、プローブ101に存する振動子101aの一部又は全部に該当する送信振動子から超音波ビームを送信させるための送信パルス信号を発生する回路である。遅延プロファイル生成部(不図示)では、制御部110から得られる送信制御信号のうち、振動子列Txに基づき、超音波ビームの送信タイミングを決める遅延時間を振動子毎に設定して出力する回路である。駆動信号送信部(不図示)は、プローブ101に存する複数の振動子101a中、振動子列Txに含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるための検出波パルスpwp(lは1からmまでの自然数、番号を区別しない場合は検出波パルスpwpとする)を供給する検出波送信処理を行う。振動子列Txは、マルチプレクサ部102によって選択される。しかしながら、検出波パルスpwp供給に係る構成には上記に限定されず、例えば、マルチプレクサ部102を用いない構成としてもよい。

0019

図2(a)は、検出波送信の概要を示す模式図である。振動子列Txに含まれる振動子に対しては遅延時間が適用されず、振動子列Txに対して位相が等しい検出波パルスpwpが送信される。これにより、図2(a)に示すように、振動子列Tx中の各振動子から、被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域roiを通過し、被検体深さ方向に進行する平面波が送信させる。

0020

ここで、「平面波」とは、被検体内に焦点を結ばない波面形状を有する非焦点波の送信ビームである。検出波が到達する被検体内の範囲に対応し振動子列(101a)を含む平面内の領域を、以後、検出波照射領域Axとする。検出波照射領域Axにおいて、振動子列(101a)と平行な方向をx方向、振動子列(101a)と垂直な方向をz方向とする。

0021

送信ビームフォーマ部103は、制御部110からの送信制御信号に基づき検出波パルスpwpを連続して複数回送信する。振動子列Txから行われる連続した検出波パルスpwp送信を「送信イベントセット」と総称し、送信イベントセットを構成する個々の送信を「送信イベント」と称呼する。
2.受信ビームフォーマ部104
受信ビームフォーマ部104は、プローブ101で受波した検出波の反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から音響線信号フレームデータを生成する回路である。具体的には、受信ビームフォーマ部104は、複数回の検出波パルスpwpの各々に対応して複数の振動子101aにおいて時系列に受信された被検体組織からの反射波に基づき、関心領域roi内の複数の観測点Pijに対する音響線信号ipijを生成して音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する。ここで、「音響線信号」とは、ある観測点Pijに対する、受信ビームフォーミング処理がされた後の信号である。受信ビームフォーミング処理については後述する。

0022

すなわち、受信ビームフォーマ部104は、検出波パルスpwpを送信した後、プローブ101で受信した反射波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から観測点Pijに対する音響線信号ipijを生成する。ここで、iは関心領域roiにおけるx方向の座標を示す1からnまでの自然数であり、jはz方向の座標を示す1からzmaxまでの自然数である。なお、「音響線信号」とは、受波信号(RF信号)を受信ビームフォーミング処理することによりフォーカシングした信号である。

0023

図3は、受信ビームフォーマ部104の構成を示す機能ブロック図である。受信ビームフォーマ部104は、受信部1040、直交空間受信ビームフォーミング部1041を備える。
以下、受信ビームフォーマ部104を構成する各部の構成について説明する。
2.1 受信部1040
受信部1040は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、複数の振動子101aの各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく電気信号を取得して、方位方向xと時間方向tとから構成される第1直交空間(t,x)上の受波信号plkを生成する回路である。ここで、kは方位方向xと平行であって、関心領域roiにおけるx方向の座標を示す1からnまでの自然数であり、lは時間t方向の座標を示す1からtmaxまでの自然数である。また、受波信号plkとは、検出波パルスpwpの送信に基づいて各振動子にて受信された反射波から変換された電気信号をA/D変換したいわゆるRF信号である。

0024

受信部1040は、受波振動子rwk(kは1からnまでの自然数である)の各々が得た反射波に基づいて、送信イベントごとに各受波振動子rwkに対する受波信号plkの時間方向tの列を生成する。受波信号plkのフレームデータを受波信号フレームデータp(t,x)と表記する。受波信号フレームデータp(t,x)は、受波振動子列Rwに含まれる複数の受波振動子rwkにて受信された時間t方向に連なった信号の列(受波信号列)から構成される。受波振動子列Rw(以後、「振動子列Rw」とする)はプローブ101に存する複数の振動子101aの一部又は全部にあたる振動子列から構成されており、制御部110からの指示に基づきマルチプレクサ部102によって選択される。受波振動子列Rwを構成する振動子列の数は、例えば32、64、96、128、256等としてもよい。本例では、複数の振動子101aの全部が受波振動子列として選択される構成とした。これにより、図2(b)に示すように、1回の受信処理により、被検体内の解析対象範囲を表す関心領域roiを含む検出波照射領域Ax内全域に存する観測点Pijからの反射波を全ての振動子を用いて受波して全ての振動子に対する受波振動子列を生成することができる。

0025

生成された受波信号フレームデータp(t,x)は、データ格納部109に出力される。データ格納部109は、送信イベントに同期して受信部1040から、受波信号フレームデータp(t,x)を入力し、送信イベントから1枚の音響線信号フレームデータip(x,z)が生成されるまでの間これを保持する。
2.2直交空間受信ビームフォーミング部1041
直交空間受信ビームフォーミング部1041は、送信イベントに同期して、受信部1040により生成された受波信号フレームデータp(t,x)を入力して、関心領域roi内の複数の観測点Pijに対する音響線信号ipijを生成し音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する回路である。図4は、実施の形態1に係る、直交空間受信ビームフォーミング部1041の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、直交空間受信ビームフォーミング部1041は、領域設定部1042、直交空間変換部1044、内挿スペクトル変換部1046と乗算部1047とからなる変換処理部1045、及び直交空間逆変換部1048を有する。

0026

以下、直交空間受信ビームフォーミング部1041を構成する各部の構成について説明する。
(1)直交空間変換部1044
直交空間変換部1044は、時間方向tと方位方向xとから構成される第1直交空間(t,x)上の受波信号フレームデータp(t,x)を第1直交空間と異なる第3直交空間(ω,κx)に変換して、観測スペクトルフレームデータP0を生成する回路である。具体的には、直交空間変換部1044は、受波信号フレームデータp(t,x)を時間t方向と振動子列x方向にて2次元フーリエ変換して、角周波数ωと振動子列x方向の波数κxとから構成される第2直交空間(ω,κx)に変換して観測スペクトルフレームデータP0を生成する。実施の形態3、4にて後述する場合を除き、2次元フーリエ変換には、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)を用いることが好ましい。その場合、受波振動子列Rwに含まれる振動子数nを、例えば32、64、96、128、256等、2のべき乗とすることにより高速に計算することが可能である。また、フーリエ変換においては、例えば、ハミング窓等による重み付け処理を行う構成としてもよい。

0027

送信イベントに同期して、生成された観測スペクトルフレームデータP0は内挿スペクトル変換部1046に出力される。
(2)領域設定部1042
領域設定部1042は、観測スペクトルフレームデータP0の一部領域を、変換処理部1045における処理対象領域に設定する回路である。具体的には、領域設定部1042は、制御部110を介して得られる操作者により操作入力部111に入力された帯域設定情報に基づき一部領域を設定する。帯域設定情報とは、観測スペクトルフレームデータP0の時間方向の周波数を示す角周波数一部範囲を示す情報である。領域設定部1042は、観測スペクトルフレームデータP0における帯域設定情報の示す角周波数ωの一部範囲と方位方向の波数κxの全範囲より構成される矩形状の一部領域を設定する。

0028

設定された一部領域を示す情報は、変換処理部1045を構成する内挿スペクトル変換部1046、乗算部1047及び直交空間逆変換部1048に出力される。
(3)変換処理部1045
変換処理部1045は、観測スペクトルフレームデータP0を入力として、観測スペクトルフレームデータP0の第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータP0に対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータPを生成する回路である。変換処理部1045は、内挿スペクトル変換部1046と乗算部1047とから構成される。

0029

内挿スペクトル変換部1046は、観測スペクトル部分フレームデータP0中の時間方向の周波数を示す角周波数ωを方位方向の波数κx及び被検体深さ方向の波数κzに内挿して内挿スペクトル部分フレームデータP0を生成する回路である。生成された内挿スペクトル部分フレームデータP0は乗算部1047に出力される。
乗算部1047は、内挿スペクトル部分フレームデータP0に、複素振幅Aを乗算して変換スペクトル部分フレームデータPを生成する回路である。このとき、乗算部1047は、領域設定部1042より一部範囲を示す情報を入力し、領域設定部1042において設定した一部領域に対応した内挿スペクトル部分フレームデータP0中の領域のみ複素振幅Aを乗算する。生成された変換スペクトル部分フレームデータPは直交空間逆変換部1048に出力される。

0030

(4)直交空間逆変換部1048
直交空間逆変換部1048は、変換スペクトル部分フレームデータPに対して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間(x,z)に逆直交変換を行い前記関心領域内の複数の観測点Pijについて音響線信号ipijを生成して、音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する回路である。具体的には、直交空間逆変換部1048は、変換スペクトル部分フレームデータPを、被検体深さ方向の波数κzと方位方向の波数κxにて逆フーリエ変換して音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する。2次元逆フーリエ変換には、高速フーリエ変換を用いることが好ましい。このとき、直交空間逆変換部1048は、領域設定部1042より一部範囲を示す情報を入力し、変換スペクトル部分フレームデータP以外のフレーム部分にダミーデータで補間した後に、フレーム全体に対して逆フーリエ変換を行う。生成された音響線信号フレームデータip(x,z)は、データ格納部109に出力され保存される。

0031

3.CFM処理部105の構成
CFM処理部105は、複数の送信イベントセットのそれぞれで得た複数の音響線信号フレームデータip(x,z)に基づき、周波数解析を行って、CFM信号フレームデータを生成する。なお、「CFM信号」とは、ある観測点Pijに対する、速度情報を示す信号である。速度情報については後述する。図5は、CFM処理部105、画像生成部107の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、CFM処理部105は、直交検波部1051、フィルタ部1052、速度推定部1053を備える。

0032

以下、CFM処理部105を構成する各部の構成について説明する。
(1)直交検波部1051
直交検波部1051は、送信イベントに同期して生成される音響線信号フレームデータip(x,z)のそれぞれに対して直交検波を行い、各観測点Pijにおける受信信号の位相を示す複素音響線信号を生成する回路である。具体的には以下の処理が行われる。まず、検出波の中心周波数と周波数が同一である第1参照信号と、第1参照信号と周波数及び振幅が同一で位相のみ90°異なっている第2参照信号とを生成する。次に、音響線信号と第1参照信号を積算し、LPFにより第1参照信号の約2倍の周波数を有する高周波成分を取り除き、第1成分とする。同様に、音響線信号と第2参照信号を積算し、LPFにより第2参照信号の約2倍の周波数を有する高周波成分を取り除いて第2成分とする。最後に、第1成分を実部(I成分;In Phase)、第2成分を虚部(Q成分;Quadrature Phase)として、複素音響線信号を生成する。

0033

(2)フィルタ部1052
フィルタ部1052は、複素音響線信号からクラッタを取り除くフィルタ回路である。クラッタとは、組織の動きのうち、画像化の対象としない成分のことであり、具体的には、血管壁筋肉臓器などの組織の動きを示す情報である。クラッタは血流を示す信号よりパワーが大きいが、組織の動きは血流に比べて遅いため、血流を示す信号より周波数が低い。そのため、クラッタのみを選択的に取り除くことが可能である。フィルタ部1052は、既知のいわゆる「ウォールフィルタ」、「MTI(Moving Target Indicator)フィルタ」を適用することができる。

0034

(3)速度推定部1053
速度推定部1053は、フィルタ処理された後の複素音響線信号から、各観測点Pijに対応する被検体内の動き、具体的には血流を推定する回路である。速度推定部1053は、各観測点Pijについて、複数の送信イベントセットに係る複数の送信イベントに対応する各複素音響線信号から位相を推定し、位相の変化速度を算出する。このとき、同一の観測点Pijに関する複素音響線信号であれば、どの送信イベントで取得したかに関わらず、区別なく使用する。速度推定部1053は、得られた複数の複素音響線信号の間で相関処理を行うことにより、位相の変化速度を推定するとしてもよい。

0035

速度推定部1053は、位相の変化速度から各観測点Pijで生じたドプラシフト量を算出し、ドプラシフト量から、平均速度を推定する。速度推定部1053は、平均速度を検出波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列としたCFM信号フレームデータを生成し、画像生成部107とデータ格納部109に出力する。なお、速度推定部1053は、ドプラシフト量のパワースペクトルを基に、速度の分散値やパワーをさらに算出するとしてもよい。

0036

4.画像生成部107の構成
画像生成部107は、受信ビームフォーマ部104が生成した音響線信号フレームデータをBモード断層画像に変換し、CFM処理部105が生成したCFM信号フレームデータを色調変換して重畳することでカラードプラ画像を生成するための回路である。図5に示すように、画像生成部107は、カラーフロー生成部1071、断層画像生成部1072、画像合成部1073を備える。

0037

(1)カラーフロー生成部1071
カラーフロー生成部1071は、CFM信号フレームデータcfからカラードプラ画像を生成するための色調変換を行う回路である。具体的には、まず、CFM信号フレームデータcfの座標系直交座標系に変換する。次に、各観測点Pijの平均速度を色情報に変換してカラーフロー情報を生成する。このとき、例えば、(1)プローブに向かう向きは赤色、プローブから遠ざかる向きは青色、(2)速度の絶対値が大きいほど彩度が高く、絶対値が小さいほど彩度が低い、のように変換を行う。より具体的には、プローブに向かう速度成分については速度の絶対値を赤色の輝度値に変換し、プローブから遠ざかる速度成分については速度の絶対値を青色の輝度値に変換する。

0038

なお、カラーフロー生成部1071は、CFM処理部105から速度分散を示す信号をさらに受信し、分散の値を緑の輝度値に変換してもよい。このようにすることで、乱流の発生位置を示すことができる。
カラーフロー生成部1071は、生成したカラーフロー情報を画像合成部1073に出力する。

0039

(2)断層画像生成部1072
断層画像生成部1072は、音響線信号フレームデータipからBモード断層画像を生成する回路である。具体的には、まず、音響線信号フレームデータipの座標系を直交座標系に変換する。次に、各観測点Pijの音響線信号の値を輝度に変換してBモード断層画像を生成する。具体的には、断層画像生成部1072は、音響線信号の値に対して包絡線検波を行い、対数圧縮を行うことで、輝度に変換する。断層画像生成部1072は、生成したBモード断層画像を画像合成部1073に出力する。

0040

(3)画像合成部1073
画像合成部1073は、断層画像生成部1072が生成したBモード断層画像に、カラーフロー生成部1071が生成したカラーフロー情報を重畳してカラードプラ画像cdを生成し、表示部108に出力する回路である。これにより、Bモード断層画像上に血流の向きと速さ(速度の絶対値)を追加したカラードプラ画像cdが表示部108に表示される。

0041

<動作>
以上の構成からなる超音波診断装置100の動作について説明する。
1.超音波診断装置100の動作概要
図6は、超音波診断装置100の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS100において、検出波を送受信して取得した受波信号フレームデータp(t,x)に受信ビームフォーミング処理を行い音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する。ここでは、送信処理と受信処理を1つの対象領域に対して1回ずつ行い(すなわち、1の送信イベントのみを含む送信イベントセットを実施し)、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列(RF信号)を取得して受波信号フレームデータp(t,x)を生成し、受信ビームフォーミング処理を行い音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する。生成された音響線信号フレームデータip(x,z)は画像生成部107とデータ格納部109に出力される。ステップS100における受信ビームフォーミング処理の詳細については、後述する。

0042

次に、ステップS200において、CFM処理部105は、データ格納部109に保持されている音響線信号フレームデータip(x,z)を読み出し、観測点Pijの位置を指標として、複素音響線信号の位相変化から平均速度を算出する。まず、直交検波部1051は、読みだした音響線信号のそれぞれを直交検波し複素音響線信号に変換する。フィルタ部1052は、各複素音響線信号からクラッタを除外または低減する。次に、速度推定部1053は、同一の観測点Pijに係る複数の複素音響線信号に対して相関処理を行うことで、位相の変化速度を推定する。この時、上述したように、同一の観測点Pijに係る複素音響線信号であれば、どの送信イベントセットに係る音響線信号であるかの区別は行わない。さらに、速度推定部1053は、推定した位相の変化速度からドプラシフト量を算出し、ドプラシフト量から速度を算出し、速度の平均値を算出する。なお、速度推定部1053は、ドプラシフト量の平均値を基に平均速度を算出してもよいし、推定した位相の変化速度の平均値から平均ドプラシフト量を算出してもよい。最後に、速度推定部1053は、算出した平均速度を観測点Pijと対応付けてCFM信号フレームデータcf(x,z)を生成し、画像生成部107とデータ格納部109に出力する。

0043

次に、ステップS300において、画像生成部107は、カラードプラ画像を生成して表示する。カラーフロー生成部1071はCFM信号フレームデータcf(x,z)からカラーフロー情報を生成し、断層画像生成部1072は音響線信号フレームデータip(x,z)からBモード断層画像を生成する。最後に、画像合成部1073は、Bモード断層画像にカラーフロー情報を重畳してカラードプラ画像cd(x,z)を生成し、表示部108に出力を行う。

0044

2.ステップS100における受信ビームフォーミング処理動作
ステップS100における受信ビームフォーミング処理の動作について説明する。図7は、受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。図8は、受信ビームフォーミング動作により得られたフレームデータ又は部分フレームデータの態様(以後、「マップ」とする)を示す模式図である。

0045

先ず、ステップS110では、直交空間変換部1044は、プローブ101で得た反射検出波に基づく受信部1040にて生成した受波信号フレームデータp(t,x,z0)を取得する。図8の上欄左側に、受波信号フレームデータp(t,x,z0)の模式図を示す。図8上欄左側のマップにおいて、縦軸は時間tを表し、横軸は方位方向xを表す。z0は、被検体深さz方向の位置を表し、被検体表面をz0(z=0)とする。

0046

図9は、被検体中の伝搬波p(t,x,z)と波数ベクトルとの関係を示す模式図である。伝搬波p(t,x,z)と波数ベクトルとは、ω,κx,κz(ω:時間t方向の角周波数、κx:方位方向xの波数、κz:被検体深さz方向の波数)を用いて、(1)式により表すことができる。

0047

0048

図9に示すように、プローブ101で取得された受波信号はプローブ101の位置する被検体表面z0における伝播波p(t,x,z)の値を示しているので、被検体表面z0において取得された受波信号フレームデータをp(t,x,z0)と表記することができる。
次に、ステップS120では、領域設定部1042は、操作入力部111に入力された操作者入力に基づき処理対象とすべき深さz方向の対象波数κz0を取得する。これにより、操作者がリマッピング対象波数κz0条件を決定する。

0049

ステップS130では、直交空間変換部1044は、時間方向tと方位方向xとから構成される第1直交空間(t,x)上の受波信号フレームデータp(t,x,z0)を、時間t、方位方向xで2次元フーリエ変換して、角周波数ωと方位方向の波数κxとから構成される第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を変換する。フーリエ変換には、高速フーリエ変換を用いることが好ましい。

0050

受波信号フレームデータp(t,x,z0)と観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)は2次元フーリエ変換の関係により、(2)式により表すことができる。

0051

0052

図8の上欄中央に、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の模式図を示す。図8上欄中央のマップにおいて、縦軸は角周波数ωを表し、横軸は方位方向xの波数κxを表、マップの中央(ω,κx)=(0,0)が、原点(0,0)を示す。縦軸において検出波の送信周波数を中心とする分布として角周波数ωが観測されていることがわかる。

0053

以降のステップS150〜S160では、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)に変換する処理を行う。
先ず、ステップS150では、内挿スペクトル変換部1046は、領域設定部1042から深さz方向の対象波数κz0を取得し、第3直交空間(κx,κz)上の一部領域(κx,κz0)に対応する第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の領域に対して角周波数ω(t,x)を、方位方向の波数κxと深さ方向の波数κzで内挿するリマッピング処理を行い、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}を算出する。

0054

ここで、音速をcとしたとき、波数κx、波数κzと角周波数ωとの関係は(3)式の関係となり、

0055

0056

これより、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}におけるω(κx,κz)は、(4)式により表される。(4)式において、深さ方向の波数κzには対象波数κz0を内挿し、方位方向の波数κxには全波数領域を内挿することにより、観測スペクトル部分フレームデータP0(ω,κx,z0)から、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}への変換を行うことができる。

0057

0058

図8の上欄右側に、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}の模式図を示す。図8上欄右側のマップにおいて、縦軸は被検体深さ方向zの波数κzを表し、横軸は方位方向xの波数κxを表、マップの中央(κx,κz)=(0,0)が、原点(0,0)を示す。縦軸において検出波の送信周波数を中心とする分布として波数κzが観測されていることがわかる。深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲について、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる部分ついて内挿スペクトルデータP0が算出されていることがわかる。

0059

ステップS160では、第3直交空間(κx,κz)における深さ方向の波数κzには対象波数κz0の範囲、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる一部領域ついて、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}に、複素振幅A(κz,κx)を乗算して変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、式(5)を用いて算出する。

0060

0061

ここで、複素振幅A(κz,κx)は、式(6)により表される。

0062

0063

以上の計算により、図10に示すように、第2直交空間(ω,κx)を、第3直交空間(κx,κz)に変換することができる。
図8の下欄右側に、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)の模式図を示す。図8下欄右側上のマップにおいて、縦軸は被検体深さ方向zの波数κzを表し、横軸は方位方向xの波数κxを表し、マップの中央(κx,κz)=(0,0)が、原点(0,0)を示す。深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲にのみ、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる部分ついて変換スペクトルデータPが算出されていることがわかる。

0064

ステップS150〜S160の内挿スペクトルの算出処理の詳細について説明する。図11は、ステップS150〜S160の動作の詳細を示すフローチャートである。
先ず、o、pを初期化し(ステップS1501)、o番目の深さ波数κoがリマッピング対象波数κz0条件を満たすか否かを判定し(ステップS1502)、満たさない場合にはステップS1602に進み、満たす場合にはステップS1503に進む。

0065

ステップS1503では、o番目の深さ波数κo、p番目の方位波数κpに対応した観測スペクトルP0(ω,κp,z0)におけるωを、式(4)により波数κoと波数κpにて内挿して内挿スペクトルP0{ω(κp,κo),κp,z0}を算出する。ステップS1504では、内挿スペクトルP0{ω(κp,κo),κp,z0}に式(6)により規定される複素振幅A(κo,κp)を式(5)により乗算して変換スペクトルデータP(t=0,κp,κo)を算出して、ステップS1602に進む。そして、oが波数κoの最大値omaxでない場合には、oをインクリメントしてステップS1502に戻り、最大値omaxである場合にはステップS1604に進む。さらに、pが波数κpの最大値pmaxでない場合には、pをインクリメントしてステップS1502に戻り、最大値pmaxである場合には、内挿スペクトル算出処理を終了する。

0066

図7に戻り、以降のステップS170では、音響線信号フレームデータip(x,z)を算出する処理を行う。
ステップS170では、さらに、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を方位方向の波数κxと深さ方向の波数κzで逆2次元逆フーリエ変換して、直交空間(x,z)における音響線信号フレームデータip(x,z)を算出する。上述のとおり、ステップS150〜S160では、式(4)〜(6)により第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)に変換した。変換した第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を用いて、音響線信号フレームデータip(x,z)は、式(7)を用いて算出することができる。ここで、Δzは、被検体深さ方向の座標zと被検体表面z0との深さの差を表すものである。

0067

0068

音響線信号フレームデータip(x,z)を算出して、ステップS100における受信ビームフォーミング処理動作を終了する。
図8の下欄左側に、音響線信号フレームデータip(x,z)の模式図を示す。図8下欄左側のマップにおいて、縦軸は被検体深さ方向zを表し、横軸は方位方向xを表す。上述のとおり、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0、κx,κz)では、深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲にのみ、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる部分ついて算出されていた、これに対し、第2直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータPを、方位方向の波数κxと深さ方向の波数κzで逆2次元逆フーリエ変換することにより、直交空間(x,z)における被検体深さ方向z、方位方向xの全域に対してフォーカシングされた音響線信号フレームデータip(x,z)が得られることがわかる。すなわち、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してフレームレートを向上させることができる。

0069

<小 括>
1.以上、説明したように本実施の形態に係る超音波診断装置100によれば、振動子101a各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間t方向と振動子列x方向とから構成される第1直交空間(t,x)上の受波信号フレームデータp(t,x,z0)を生成する受信部1040と、受波信号フレームデータp(t,x,z0)を第1直交空間(t,x)と異なる第2直交空間(ω,κx)に変換して、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を生成する直交空間変換部1044と、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の第3直交空間(κx,κz)上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータPに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を生成する変換処理部1045と、変換スペクトル部分フレームデータP(y=0,κx,κz)に対して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間(x,z)に逆直交変換を行い関心領域roi内の複数の観測点Pijについて音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する直交空間逆変換部1048とを有する。

0070

係る構成により、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。その結果、超音波画像の品質の低下を抑えつつフレームレートを向上させることができる。
また、直交空間変換部1044は、受波信号フレームデータp(t,x,z0)を時間t方向と振動子列x方向にてフーリエ変換を行うことにより第2直交空間(ω,κx)に変換して観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を生成し、直交空間逆変換部1048は、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、被検体深さz方向の波数κzと振動子列x方向の波数κxにて逆フーリエ変換を行うことにより音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する構成を採る。

0071

係る構成により、第1直交空間(t,x)上の受波信号フレームデータp(t,x,z0)を第1直交空間(t,x)と異なる第2直交空間(ω,κx)に変換して、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を生成するとともに、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、被検体深さz方向と振動子列x方向とから構成される直交空間(x,t)に変換して音響線信号フレームデータを生成することができる。

0072

また、変換処理部1045は、観測スペクトル部分フレームデータP0(ω,κx,z0)中の時間t方向の角周波数ωを振動子列x方向の波数κx及び被検体深さz方向の波数κzに内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}を生成する内挿スペクトル変換部1046と、内挿スペクトル部分フレームデータP0{ω(κx,κz),κx,z0}に、複素振幅を乗算して変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を生成する乗算部1047とを含む構成を採る。

0073

係る構成により、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトル部分フレームデータP0(ω,κx,z0)から第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)への変換処理を実現することができ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。
2.平面波の利用
実施の形態に示した態様では、振動子列Tx中の各振動子から、被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域roiを通過し、被検体深さ方向に進行する平面波が送信させる構成とした。これにより、1回の送受信処理により、被検体内の解析対象範囲を表す関心領域roiを含む検出波照射領域Ax内全域に存する観測点Pijからの反射波を全ての振動子を用いて受波して全ての振動子に対する受波振動子列を生成することができる。このように、平面波の送受信はフレームレートを向上させるために好適な方法である。したがって、本開示の超音波信号処理方法において、送信ビームフォーマ部は、被検体に焦点を結ばない非収束の超音波ビームを送信する構成とすることが好ましい。検出波としておいて平面波を送信することにより、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してより一層のフレームレートを向上させることができる。

0074

3.CFM法への利用
実施の形態に示した態様では、画像生成部は音響線信号フレームデータの位相情報に基づき超音波画像フレームデータを生成する構成とすることが好ましい。CFM法では、血流等の体内組織の動きによるエコーに発生するドプラシフト(周波数偏移)を送信波と反射波との位相差から検出し、速度情報を二次元画像として、Bモード断層画像に重畳表示する。ドプラシフトの検出を行うためには、被検体内の同一の位置に送信周波数を特定の周波数帯域に限定した状態で送信繰り返し超音波を送受信を行い、送信波と反射波との位相差を測定する。したがって、時間方向の角周波数の一部分と振動子列方向の波数の全てとにより観測スペクトルフレームデータの一部領域を処理対象領域に設定する領域設定部を備えた本開示の受信ビームフォーミングは、CFM処理部105における周波数解析と類似し、本開示の受信ビームフォーマの音響線信号の出力は、そのまま、CFM処理部におけるCFM信号フレームデータを生成に利用することができ好適である。その他に、送信波と反射波との位相差に基づく受信ビームフォーマ以後の処理として、パルスドプラ法連続波ドプラ法、組織ドプラ法、ストレインエラスト法、シアウェーブエラスト法等があり、本開示の受信ビームフォーマ出力のアプリケーションとして好適である。本開示の受信ビームフォーマの音響線信号の出力のCFM信号への利用は、Bモード断層画像への利用に比べて、観測スペクトルフレームデータの角周波数を限定したことに伴なう超音波画像の品質低下は小さなものとなる。

0075

≪実施の形態2≫
実施の形態1に係る超音波診断装置100では、領域設定部1042は、制御部110を介して得られる操作者により操作入力部111に入力された帯域設定情報に基づき、観測スペクトルフレームデータP0の一部領域を、変換処理部1045における処理対象領域に設定する構成とした。

0076

しかしながら、処理対象領域の設定方法は上記に限られず、観測スペクトルフレームデータP0により設定するよう、適宜変更してもよい。
以下、実施の形態2に係る超音波診断装置100Aについて説明する。
<構 成>
実施の形態2に係る超音波診断装置100Aでは、実施の形態1に係る超音波診断装置100と直交空間受信ビームフォーミング部1041Aが相違するため、この構成について説明する。他の構成については、超音波診断装置100A同じであり説明を省略する。図12は、実施の形態2に係る直交空間受信ビームフォーミング部1041Aの構成を示す機能ブロック図である。領域設定部1042Aの構成が実施の形態1と相違するため、その構成について説明する。他の構成については、超音波診断装置100と同じであり説明を省略する。

0077

領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0に基づいて観測スペクトルフレームデータP0の一部領域を、変換処理部1045における処理対象領域に設定する回路である。具体的には、領域設定部1042は、直交空間変換部1044から入力された観測スペクトルフレームデータP0に基づきその一部領域を処理対象領域に設定する。帯域設定情報とは、観測スペクトルフレームデータP0の時間方向の周波数を示す角周波数ωの一部範囲を示す情報である。領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0における帯域設定情報の示す角周波数ωの一部範囲と方位方向xの波数κxの全範囲により構成される一部領域を設定する。

0078

図14は、実施の形態2に係る受信ビームフォーミングにおいて、処理対象領域となる観測スペクトルフレームデータP0の一部領域を示す説明図である。図中の曲線は角周波数ωにおける観測スペクトルフレームデータP0の強度の分布を示したグラフである。
図14に示すように、領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域ωaに基づき処理対象領域となる一部領域を設定する。このとき、領域設定部1042Aは、振動子列方向xの波数κxごとに、観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域ωaに基づき処理対象領域となる一部領域を設定する構成としてもよい。

0079

あるいは、領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数を含み1つの周波数帯域ωaを越えて決定された周波数範囲ωbに基づき処理対象領域となる一部領域を設定してもよい。この場合にも、領域設定部1042Aは、振動子列方向xの波数κxごとに、観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数に基づき決定された周波数範囲ωbに基づき処理対象領域となる一部領域を設定する構成としてもよい。

0080

領域設定部1042Aは、送信イベントごとに得られた観測スペクトルフレームデータP0に基づき処理対象領域となる一部領域を設定するが、例えば、所定の検出波を送信回数ごとに前記一部領域を設定する構成としてもよい。
設定された一部領域を示す情報は、変換処理部1045を構成する内挿スペクトル変換部1046、乗算部1047及び直交空間逆変換部1048に出力される。

0081

<動 作>
超音波診断装置100Aの動作について説明する。図13は、実施の形態2に係る超音波診断装置100Aの受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。超音波診断装置100Aの動作では、図13のステップS140Aを除き図6、7と同じ処理が行われるために、異なる処理についてのみ説明する。

0082

図13におけるステップS140Aでは、領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた角周波数ωを含む周波数帯域ωaに基づき、ステップS150〜S160において処理対象領域となる観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の一部領域を処理対象領域に設定する。観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の一部領域は、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)において、限定された各周波数ωと方位方向波数xの全範囲から構成されるフレームデータの領域である。

0083

ステップS140Aにおいて、設定された観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の一部領域に対応する第3直交空間(κx,κz)上の一部領域に対して、ステップS150〜S160では、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0、κx,κz)に変換する処理を行う。観測スペクトルフレームデータP0(t=0,ω,κx)の一部領域に対応する第3直交空間(κx,κz)上の一部領域は、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)において、限定された被検体深さ方向zの波数κzと方位方向xの波数κxの全範囲から構成されるフレームデータの領域である。

0084

以上、説明したように、実施の形態2に係る構成では、受波信号フレームデータp(t,x,z0)から直交変換された観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む所定の周波数帯域ωaに基づき処理対象領域となる一部領域を設定することができるので、反射検出波の最大強度が得られた周波数の信号に基づき観測スペクトル部分フレームデータP0(ω,κx,z0)を構成することができる。そのため、超音波画像の品質の低下をより一層抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してフレームレートを向上させることができる。

0085

<小 括>
以上、説明したように実施の形態2に係る構成によれば、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の一部領域は、時間t方向の角周波数ωの一部分と振動子列x方向の波数κxの全範囲により構成されており、受信ビームフォーマ部104は、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)の一部領域を処理対象領域に設定する領域設定部1042Aを備え、領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域ωaを一部領域に設定する構成を採る。このとき、領域設定部1042Aは、振動子列x方向の波数κxごとに、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域ωaを一部領域に設定する構成としてもよい。

0086

また、領域設定部1042Aは、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲ωbを一部領域に設定する構成を採る。このとき、領域設定部1042Aは、振動子列x方向の波数κxごとに、観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲ωbを一部領域に設定する構成としてもよい。

0087

係る構成により、受波信号フレームデータp(t,x,z0)から直交変換された観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)中の最大強度が得られた周波数を含む所定の周波数帯域ωa又は周波数範囲ωbに基づき処理対象領域となる一部領域を設定することができるので、反射検出波の最大強度が得られた周波数の信号に基づき観測スペクトル部分フレームデータP0(ω,κx,z0)を構成することができる。その結果、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。そのため、超音波画像の品質の低下をより一層抑えつつ、フレームレートを向上させることができる。

0088

≪実施の形態3≫
実施の形態2に係る超音波診断装置100Aでは、直交空間逆変換部1048は、変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数κzと方位方向の波数κxにて高速フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換して音響線信号フレームデータを生成する構成とした。

0089

しかしながら、逆フーリエ変換の処理方法は上記に限られず、被検体深さ方向の波数κzについては限定された対象波数κz0についてのみ逆フーリエ変換の処理を行うよう、適宜変更してもよい。
以下、実施の形態3に係る超音波診断装置100Bについて説明する。
<構 成>
実施の形態3に係る超音波診断装置100Bでは、実施の形態2に係る超音波診断装置100Bと直交空間受信ビームフォーミング部1041Bが相違するため、この構成について説明する。他の構成については、超音波診断装置100A同じであり説明を省略する。図15は、実施の形態3に係る直交空間受信ビームフォーミング部1041Bの構成を示す機能ブロック図である。直交空間逆変換部104Bの構成が実施の形態2と相違するため、その構成について説明する。他の構成については、超音波診断装置100Aと同じであり説明を省略する。

0090

直交空間逆変換部1048Bは、変換スペクトル部分フレームデータに対して、被検体深さ方向の波数κzについて限定された対象波数κz0に対して離散逆フーリエ変換(Discrete Fourier transform、DFT)を用いて逆フーリエ変換を行う。他方、方位方向の波数κxに対しては全波数κxに対して高速フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行うことにより音響線信号フレームデータを生成する。このとき、直交空間逆変換部1048Bは、領域設定部1042Aより一部範囲を示す情報を入力し、変換スペクトル部分フレームデータ以外のフレーム部分にダミーデータで補間した後に、フレーム全体に対して逆フーリエ変換を行う。生成された音響線信号フレームデータは、データ格納部109に出力され保存される。

0091

<動 作>
超音波診断装置100Bの動作について説明する。図16は、超音波診断装置100Bの受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。超音波診断装置100Bの動作では、図16のステップS170Bを除き図6、14と同じ処理が行われるために、異なる処理についてのみ説明する。

0092

図16におけるステップS170Bでは、直交空間逆変換部1048Bは、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)に対して、対象波数κz0が離散逆フーリエ変換の適合条件を満たす場合には、被検体深さ方向の波数κzについては限定された対象波数κz0に対してのみ離散逆フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行う。他方、方位方向の波数κxに対しては全波数κxに対して高速フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行い、直交空間(t,x)における音響線信号フレームデータip(x,z)を算出する。

0093

直交空間逆変換部1048Bによる対象波数κz0が離散逆フーリエ変換の適合条件を満たすか否かの判定は、nをデータ数、mをフーリエ変換するデータ数、fwをフーリエ変換する周波数帯域、fsをサンプリング周波数式としたとき、式(8)、式(9)により行う。

0094

0095

0096

音響線信号フレームデータip(x,z)は、実施の形態1と同様に、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を用いて、式(7)を用いて算出することができる。
図17は、ステップS170Bにおける音響線信号の算出処理の動作の詳細を示すフローチャートである。

0097

先ず、リマッピング対象波数κz0が離散逆フーリエ変換の適合条件を満たすか否かを式(8)、式(9)により判定し(ステップS1701B)、満たさない場合には、直交空間逆変換部1048Bは、実施の形態1と同様に、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、被検体深さ方向の波数κzと方位方向の波数κxにて高速フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換して音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する(ステップS1703B)。

0098

他方、ステップS1701Bでの判定が、離散逆フーリエ変換の適合条件を満たす場合には、直交空間逆変換部1048Bは、被検体深さ方向の波数κzについては限定された対象波数κz0に対してのみ離散逆フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行い、方位方向の波数κxに対しては全波数κxに対して高速フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行うことにより直交空間(t,x)における音響線信号フレームデータip(x,z)を算出する(ステップS1503)。

0099

図18の下欄左側に、音響線信号フレームデータip(x,z)の模式図を示す。図8下欄左側のマップにおいて、縦軸は被検体深さ方向zを表し、横軸は方位方向xを表す。上述のとおり、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)では、深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲にのみ、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる部分ついて算出されていた。さらに、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、方位方向の全波数κxに対して高速フーリエ変換により逆フーリエ変換を行うが、深さ方向については限定された対象波数κz0に対してのみ離散フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行った場合でも、直交空間(t,x)における被検体深さ方向z、方位方向xの全域についてフォーカシングされた音響線信号フレームデータip(x,z)が得られることがわかる。

0100

一般に、高速フーリエ変換では、計算対象とすべきデータ数を2のべき乗とすることにより高速に計算することが可能である。これに対し、離散フーリエ変換では、計算対象とすべきデータ数が少ないほど高速に計算することが可能となる。
実施の形態3に係る構成では、方位方向の波数κxには全波数領域を計算対象として高速フーリエ変換を用いる。方位方向xの振動子数nは、上述のとおり2のべき乗で構成されているので高速フーリエ変換により高速処理が可能となる。これに対し、深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲のみを計算対象として離散フーリエ変換を利用することにより、計算対象とすべきデータ数を削減できるので高速に計算することが可能となる。

0101

したがって、実施の形態3に係る構成では、実施の形態1、2に係る構成と比較して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換の処理においても演算量を削減できる。
<小 括>
以上、説明したように実施の形態3に係る構成によれば、直交空間逆変換部1048は、一部領域が所定の波数条件を満たした場合、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)中、一部領域に対応する被検体深さz方向の対象波数κz0に対応する部分を離散逆フーリエ変換することにより音響線信号フレームデータip(x,z)を生成する構成を採る。

0102

係る構成により、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換の処理においても演算量を削減できる。そのため、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量をさらに低減することができる。そのため、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してフレームレートを向上させることができる。

0103

≪実施の形態4≫
実施の形態1に係る超音波診断装置100では、直交空間変換部1044は、受波信号フレームデータp(t,x,z0)を時間t方向と方位方向xにて高速フーリエ変換を用いて2次元フーリエ変換を行い、角周波数ωと方位方向xの第2直交空間(ω,x)に変換して観測スペクトルフレームデータP0を生成する構成とした。

0104

しかしながら、フーリエ変換の処理方法は上記に限られず、時間t方向の角周波数ωについては限定された対象波数κz0に対応する範囲についてのみ逆フーリエ変換の処理を行うよう、適宜変更してもよい。
以下、実施の形態4に係る超音波診断装置100Cについて説明する。
<構 成>
超音波診断装置100Cでは、実施の形態1に係る超音波診断装置100と直交空間受信ビームフォーミング部1041Cが相違するため、この構成について説明する。他の構成については、超音波診断装置100と同じであり説明を省略する。図19は、実施の形態4に係る直交空間受信ビームフォーミング部1041Cの構成を示す機能ブロック図である。直交空間受信ビームフォーミング部1041Cでは、直交空間変換部1044C、直交空間逆変換部104Bの構成が実施の形態1と相違する。このうち、直交空間逆変換部104Bは実施の形態3に係る構成と同じであるので説明を省略し、直交空間変換部1044Cについて説明する。また、他の構成については、超音波診断装置100と同じであり説明を省略する。

0105

直交空間変換部1044Cは、受波信号フレームデータp(t,x,z0)に対して、操作入力部111への操作入力に基づき領域設定部1042において設定された対象波数κz0が離散フーリエ変換の適合条件を満たす場合には、被検体深さ方向の波数κzについては限定された対象波数κz0に対してのみ離散フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行う。他方、方位方向の波数κxに対しては全波数κxに対して高速フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行うことにより観測スペクトルフレームデータP0を生成する。生成された観測スペクトルフレームデータP0は、データ格納部109に出力され保存される。

0106

<動 作>
超音波診断装置100Cの動作について説明する。図20は、超音波診断装置100Cの受信ビームフォーミング動作の概要を示すフローチャートである。超音波診断装置100Cの動作では、図20のステップS130C、S170Bが図6、7と相違する。このうち、ステップS170Bは、図16と同じであるので説明を省略し、ステップS130Cについて説明する。また、他の処理については、図6、7と同じ処理が行われるために説明を省略する。

0107

図20におけるステップS130Cでは、直交空間変換部1044Cは、受波信号フレームデータp(t,x,z0)に対して、操作入力に基づき設定された対象波数κz0が離散フーリエ変換の適合条件を満たす場合には、時間tについては限定された対象波数κz0に対応する範囲に対してのみ離散フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行う。他方、方位方向xでは全範囲に対して高速フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行うことにより観測スペクトルフレームデータP0を生成する。

0108

図21は、ステップS130Cにおける観測スペクトルの算出処理の動作の詳細を示すフローチャートである。
先ず、直交空間変換部1044Cは、領域設定部1042から深さz方向の対象波数κz0を取得し、リマッピング対象波数κz0が離散逆フーリエ変換の適合条件を満たすか否かを判定し(ステップS1301C)、満たさない場合には、直交空間変換部1044Cは、実施の形態1と同様に、受波信号フレームデータp(t,x)を、時間t、方位方向xで高速フーリエ変換を用いてフーリエ変換して観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を生成する(ステップS1303C)。

0109

他方、ステップS1301Cでの判定が、離散逆フーリエ変換の適合条件を満たす場合には、直交空間変換部1044Cは、時間tについては限定された対象波数κz0に対応する時間tの範囲に対してのみ離散フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行い、方位方向xに対しては全範囲に対して高速フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行うことにより第2直交空間(ω,κx)における観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を算出する(ステップS1302C)。

0110

図23は、実施の形態4に係る受信ビームフォーミング動作により得られたフレームデータ又は部分フレームデータの態様を示す模式図である。
上述のとおり、実施の形態1では、変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)では、深さ方向の波数κzには対象波数κz0に含まれる限定された範囲にのみ、方位方向の波数κxには全波数領域に含まれる部分ついて算出されていた。

0111

また、実施の形態3では、第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータP(t=0,κx,κz)を、方位方向の全波数κxに対して高速フーリエ変換により逆フーリエ変換を行うが、深さ方向については限定された対象波数κz0に対してのみ離散フーリエ変換を用いて逆フーリエ変換を行う構成を含めた。
さらに、実施の形態4では、第1直交空間(t,x)上の受波信号フレームデータp(t,x,z0)に対して、時間tについては対象波数κz0に対応する時間tの範囲に対してのみ離散フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行い、方位方向xに対しては全範囲に対して高速フーリエ変換を用いてフーリエ変換を行うことにより第2直交空間(ω,κx)における観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を算出する構成を含めた。図23の下欄左側に示されるよう、この構成においても、第1直交空間(t,x)における被検体深さ方向z、方位方向xの全域についてフォーカシングされた音響線信号フレームデータip(x,z)が得られることがわかる。

0112

以上のとおり、実施の形態4に係る構成では、方位方向の波数κxには全波数領域を計算対象として高速フーリエ変換を用いる。方位方向xの振動子数nは、上述のとおり2のべき乗で構成されているので高速フーリエ変換により高速処理が可能となる。これに対し、時間方向tについては、深さ方向の波数κzの対象波数κz0に含まれる限定された範囲のみを計算対象として離散フーリエ変換を利用することにより、計算対象とすべきデータ数を削減できるので高速に計算することが可能となる。

0113

したがって、実施の形態4に係る構成では、実施の形態1、2、3に係る構成と比較して、第1直交空間(t,x)から第2直交空間(ω,x)に直交変換の処理においても演算量を削減できる。
<小 括>
以上、説明したように実施の形態4に係る構成によれば、直交変換部は、一部領域が所定の波数条件を満たした場合、受波信号フレームデータp(t,x,z0)中、一部領域の角周波数ωに対応する時間t方向の範囲に対応する部分を離散フーリエ変換することにより観測スペクトルフレームデータP0(ω,κx,z0)を生成する構成を採る。

0114

係る構成により、第1直交空間(t,x)から第2直交空間(ω,x)に直交変換の処理においても演算量を削減できる。そのため、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量をさらに低減することができる。そのため、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してフレームレートを向上させることができる。

0115

≪実施の形態に係る変形例≫
(1)各実施の形態及び各変形例では、第2直交空間として周波数領域を規定し、直交空間変換部は、受波信号フレームデータを時間方向と振動子列方向にてフーリエ変換を行うことにより第2直交空間に変換して観測スペクトルフレームデータを生成し、直交空間逆変換部は、変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数と振動子列方向の波数にて逆フーリエ変換を行うことにより音響線信号フレームデータを生成する構成とした。しかしながら、第2直交空間として周波数領域以外の領域として規定し、第1直交空間と異なる第2直交空間に直交変換、第2直交空間から被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換では、フーリエ変換以外の変換方法を用いる構成としてもよい。その場合、例えば、第2直交空間として領域を用い、変換方法として、チェビシェフ多項式ルジャンドル多項式エルミート多項式主成分分析等を用いることができる。

0116

(2)各実施の形態及び各変形例では、内挿スペクトル変換部における、観測スペクトル部分フレームデータ中の時間方向の角周波数を振動子列方向の波数及び被検体深さ方向の波数に内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータを生成する処理と、乗算部における、内挿スペクトル部分フレームデータに、複素振幅を乗算して変換スペクトル部分フレームデータを生成する処理とを、処理ごとにシーケンシャルに行う態様について説明した。また、各実施の形態及び各変形例の具体的説明では、内挿スペクトル変換部での処理と乗算部での処理とを観測点毎にシーケンシャルに行う態様についても説明した。しかしながら、内挿スペクトル変換部での処理と乗算部での処理とを、シーケンシャルに分離せずに一度の演算にて行う処理や、同時に行う構成としてもよい。

0117

(3)各実施の形態及び各変形例では、カラーフロー生成部1071が各観測点Pijの平均速度を色情報に変換することでカラードプラ画像を生成するとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、速度推定部1053が、各観測点Pijのパワースペクトルからパワーを算出してフレームパワー信号を生成し、カラーフロー生成部1071がパワー値を黄色の輝度値に変換することで、パワードプラ画像を生成するとしてもよい。

0118

(4)なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
例えば、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波診断装置の診断方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムであってもよい。

0119

また、上記超音波診断装置の全部、もしくは一部、またビームフォーミング部の全部又は一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等の記録媒体、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合も本発明に含まれる。上記RAM又はハードディスクユニットには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。

0120

また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。上記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。例えば、本発明のビームフォーミング方法がLSIのプログラムとして格納されており、このLSIがコンピュータ内に挿入され、所定のプログラム(ビームフォーミング方法)を実施する場合も本発明に含まれる。

0121

なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサー(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。

0122

さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置の診断方法や、ビームフォーミング方法を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。

0123

また、上記実施形態に係る超音波診断装置の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスソフトウェアにより実現される構成であってもよい。後者の構成は、いわゆるGPGPU(General−Purpose computing on Graphics Processing Unit)である。これらの構成要素は一個回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。

0124

上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ光ディスクドライブ磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。

0125

また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。

0126

また、上記実施の形態においては、プローブは、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型プローブを用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。

0127

また、プローブは、送受信部の一部の機能をプローブに含んでいてもよい。例えば、送受信部から出力された送信電気信号を生成するための制御信号に基づき、プローブ内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する。併せて、受信した反射超音波受信電気信号に変換し、プローブ内で受信電気信号に基づき受信信号を生成する構成を採ることができる。

0128

また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。

0129

≪まとめ≫
以上、説明したとおり、実施の形態に係る超音波信号処理装置は、複数の振動子が列設されたプローブが接続可能に構成された超音波信号処理装置であって、前記複数の振動子に検出波パルスを供給して前記複数の振動子に被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域を通過する検出波を送信させる送信ビームフォーマ部と、前記検出波の送信に対応して前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体組織からの反射検出波に基づき、前記関心領域内の複数の観測点に対する音響線信号フレームデータを生成する受信ビームフォーマ部と、前記音響線信号フレームデータから、超音波画像フレームデータを生成する画像生成部とを備え、前記受信ビームフォーマ部は、前記複数の振動子の各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成する受信部と、前記受波信号フレームデータを前記第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成する直交空間変換部と、前記観測スペクトルフレームデータの前記第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成する変換処理部と、前記変換スペクトル部分フレームデータに対して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換を行い前記関心領域内の複数の観測点について音響線信号を生成して、前記音響線信号フレームデータを生成する直交空間逆変換部とを有することを特徴とする。

0130

係る構成により、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。その結果、超音波画像の品質の低下を抑えつつフレームレートを向上させることができる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記直交空間変換部は、前記受波信号フレームデータを時間方向と振動子列方向にてフーリエ変換を行うことにより前記第2直交空間に変換して前記観測スペクトルフレームデータを生成し、前記直交空間逆変換部は、前記変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数と振動子列方向の波数にて逆フーリエ変換を行うことにより前記音響線信号フレームデータを生成する構成としてもよい。

0131

係る構成により、第1直交空間上の受波信号フレームデータを第1直交空間と異なる第2直交空間に変換して、観測スペクトルフレームデータを生成するとともに、第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に変換して音響線信号フレームデータを生成することができる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記変換処理部は、前記観測スペクトル部分フレームデータ中の前記時間方向の角周波数を振動子列方向の波数及び被検体深さ方向の波数に内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータを生成する内挿スペクトル変換部と、前記内挿スペクトル部分フレームデータに、複素振幅を乗算して前記変換スペクトル部分フレームデータを生成する乗算部とを含む構成としてもよい。

0132

係る構成により、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトル部分フレームデータから第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータへの変換処理を実現することができ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記乗算部は、前記一部領域に対応した前記内挿スペクトル部分フレームデータ中の領域のみ前記複素振幅を乗算する構成としてもよい。受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。

0133

係る構成により、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトル部分フレームデータを第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータへ変換することができる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記観測スペクトルフレームデータの一部領域は、前記時間方向の角周波数の一部分と振動子列方向の波数の全てとにより構成される構成としてもよい。

0134

係る構成により、第2直交空間(ω,κx)上の観測スペクトル部分フレームデータから第3直交空間(κx,κz)上の変換スペクトル部分フレームデータへの変換処理における演算量を低減することができる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記受信ビームフォーマ部は、前記観測スペクトルフレームデータの一部領域を処理対象領域に設定する領域設定部を備える構成としてもよい。

0135

係る構成により、観測スペクトルフレームデータの処理対象領域となる一部領域を各種条件や操作入力に基づき異ならせて設定できる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、操作者により入力された前記角周波数の一部分の帯域を指定する帯域設定情報に基づき前記一部領域を決定する構成としてもよい。

0136

係る構成により、操作者は、観測スペクトルフレームデータの処理対象領域となる一部領域を任意に設定できる。
また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域を前記一部領域に設定する構成としてもよい。

0137

係る構成により、受波信号フレームデータから直交変換された観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数を含む所定の周波数帯域ωaに基づき処理対象領域となる一部領域を設定することができるので、反射検出波の最大強度が得られた周波数の信号に基づき観測スペクトル部分フレームデータを構成することができる。その結果、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量を低減することができる。そのため、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、フレームレートを向上させることができる。

0138

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、振動子列方向の波数ごとに、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数帯域を前記一部領域に設定する構成としてもよい。
係る構成により、観測スペクトルフレームデータの処理対象領域となる周波数帯域を方位方向xの位置に応じて異ならせて設定でき、方位方向xの位置に応じた細かなフィティングが可能となる。

0139

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲を前記一部領域に設定する構成としてもよい。
係る構成により、受波信号フレームデータから直交変換された観測スペクトルフレームデータP0中の最大強度が得られた周波数を含む所定の周波数領域ωbに基づき処理対象領域となる一部領域を設定することができるので、1つの周波数帯域ωaを超えて、反射検出波の最大強度が得られた周波数を基準とする所定の範囲の信号に基づき観測スペクトル部分フレームデータを構成することができる。

0140

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、振動子列方向の波数ごとに、前記観測スペクトルフレームデータ中の最大強度が得られた周波数を含む周波数範囲を前記一部領域に設定する構成としてもよい。
係る構成により、観測スペクトルフレームデータの処理対象領域となる周波数範囲を方位方向xの位置に応じて異ならせて設定でき、方位方向xの位置に応じた細かなフィティングが可能となる。

0141

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記領域設定部は、所定の検出波を送信回数ごとに前記一部領域を設定する構成としてもよい。
係る構成により、送信イベントごとに、観測スペクトルフレームデータの処理対象領域となる一部領域を異ならせて設定でき、送信イベントに応じた細かなフィティングが可能となる。

0142

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記直交空間逆変換部は、前記一部領域が所定の波数条件を満たした場合、前記変換スペクトル部分フレームデータ中、前記一部領域に対応する被検体深さ方向の波数領域に対応する部分を離散逆フーリエ変換することにより前記音響線信号フレームデータを生成する構成としてもよい。
係る構成により、実施の形態1、2に係る構成と比較して、被検体深さ方向と振動子列方向とから構成される直交空間に逆直交変換の処理においても演算量を削減できる。そのため、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量をさらに低減することができる。

0143

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記直交変換部は、前記一部領域が所定の波数条件を満たした場合、前記受波信号フレームデータ中、前記一部領域の角周波数に対応する時間方向の範囲に対応する部分を離散フーリエ変換することにより前記観測スペクトルフレームデータを生成する構成としてもよい。
係る構成により、実施の形態1、2、3に係る構成と比較して、第1直交空間(t,x)から第2直交空間(ω,x)に直交変換の処理においても演算量を削減できる。そのため、被検体への超音波送信から得られた反射波の受信ビームフォーミングにおける演算量をさらに低減することができる。

0144

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記送信ビームフォーマ部は、被検体に焦点を結ばない非収束の超音波ビームを送信する構成としてもよい。
係る構成により、平面波の送受信はフレームレートを向上させるために好適な方法であるため、本開示の超音波信号処理方法において、検出波としておいて平面波を送信することにより、超音波画像の品質の低下を抑えつつ、受信ビームフォーミングにおける演算量を低減してより一層のフレームレートを向上させることができる。

0145

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記画像生成は前記音響線信号フレームデータの位相情報に基づき前記超音波画像フレームデータを生成する構成としてもよい。
実施の形態に示した態様では、画像生成部は音響線信号フレームデータの位相情報に基づき超音波画像フレームデータを生成する構成とすることが好ましい。

0146

係る構成により、例えば、音響線信号の出力をCFM信号へ利用する場合には、Bモード断層画像への利用に比べて、観測スペクトルフレームデータの角周波数を限定したことに伴なう超音波画像の品質低下は小さなものとなる。
また、実施の形態に係る超音波信号処理方法は、複数の振動子が列設されたプローブが接続可能に構成された超音波信号処理方法であって、前記複数の振動子に検出波パルスを供給して前記複数の振動子に被検体中の少なくとも解析対象範囲を表す関心領域を通過する検出波を送信させるステップと、前記検出波の送信に対応して前記複数の振動子にて時系列に受信された被検体組織からの反射検出波に基づき、前記関心領域内の複数の観測点に対する音響線信号フレームデータを生成するステップと、前記音響線信号フレームデータから、超音波画像フレームデータを生成するステップとを有し、前記音響線信号フレームデータを生成するステップでは、前記複数の振動子の各々について、振動子各々が被検体から時系列に受波した反射波に基づく受波信号列を取得して、時間方向と振動子列方向とから構成される第1直交空間上の受波信号フレームデータを生成し、前記受波信号フレームデータを前記第1直交空間と異なる第2直交空間に直交変換して、観測スペクトルフレームデータを生成し、前記観測スペクトルフレームデータの前記第2直交空間上の一部領域に対応する観測スペクトル部分フレームデータに対して、所定の演算処理を行い第3直交空間上の変換スペクトル部分フレームデータを生成し、前記変換スペクトル部分フレームデータに対して、直交逆変換を行い前記関心領域内の複数の観測点について音響線信号を生成して、前記音響線信号フレームデータを生成することを特徴とする。

0147

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記観測スペクトルフレームデータを生成では、前記受波信号フレームデータを時間方向と振動子列方向にてフーリエ変換を行うことにより前記第2直交空間に変換して前記観測スペクトルフレームデータを生成し、前記音響線信号フレームデータを生成では、前記変換スペクトル部分フレームデータを、被検体深さ方向の波数と振動子列方向の波数にて逆フーリエ変換を行うことにより前記音響線信号フレームデータを生成する構成としてもよい。

0148

また、別の態様では、上記何れかの態様において、前記変換スペクトル部分フレームデータの生成では、前記観測スペクトル部分フレームデータ中の前記時間方向の角周波数を振動子列方向の波数及び被検体深さ方向の波数に内挿して、内挿スペクトル部分フレームデータを生成し、前記内挿スペクトル部分フレームデータに、複素振幅を乗算して前記変換スペクトル部分フレームデータを生成する構成としてもよい。

0149

本開示にかかる超音波信号処理装置、超音波信号処理方法、超音波診断装置は、従来の超音波診断装置の性能向上、特に、超音波画像の品質の低下を抑えつつフレームレートを向上させ、さらに平均速度を向上させたカラードプラ画像生成装置として有用である。

0150

1000超音波診断システム
100、100A、100B、100C超音波診断装置
101プローブ
101a振動子
102マルチプレクサ部
103送信ビームフォーマ部
1031 送信部
104受信ビームフォーマ部
1040 受信部
1041、1041A、1041B、1041C、直交空間受信ビームフォーマ部
1042、1042A領域設定部
1044、1044C 直交空間変換部
1045変換処理部
1046内挿スペクトル変換部
1047乗算部
1048、1048B 直交空間逆変換部
105、105A CFM処理部
1051直交検波部
1052フィルタ部
1053、1053A速度推定部
1054A 速度合成部
107画像生成部
1071カラーフロー生成部
1072断層画像生成部
1073画像合成部
108 表示部
109データ格納部
110 制御部
111操作入力部
150 超音波信号処理装置

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