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技術 キメラ第VIII因子ポリペプチドおよびその使用

出願人 バイオベラティブセラピューティクスインコーポレイテッド
発明者 エクタセスチャブラトンヤオリウロバートピーターズハイヤンジャン
出願日 2017年11月15日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2017-219879
公開日 2018年4月12日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-057388
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 微生物、その培養処理 動物,微生物物質含有医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 微生物による化合物の製造 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 背面結合 延長要素 半結合 ファンデルワース力 ロンドン分散力 接触ゾーン 混合試験 例示的実施
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

キメラVIII因子ポリペプチドおよびその使用を提供すること。

解決手段

本発明は、VWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含むVWF断片、該VWF断片と異種部分を含むキメラタンパク質、または該VWF断片とFVIIIタンパク質を含むキメラタンパク質、ならびにそれを使用する方法を提供する。本発明のVWF断片を含むポリペプチド鎖はFVIIIタンパク質を含むポリペプチド鎖と結合または会合し、VWF断片を含むポリペプチド鎖は、内因性VWFのFVIIIタンパク質との結合を防止または阻害できる。FVIIIの半減期制限因子である内因性VWFのFVIIIとの結合を防止または阻害することで、VWF断片は、FVIIIタンパク質の半減期延長誘導できる。本発明はまた、ヌクレオチドベクター宿主細胞、VWF断片を使用する方法またはキメラタンパク質も含む。

概要

背景

凝固は、血管の損傷により血管内膜が傷ついたほぼ直後から開始される。血液が組織因子などのタンパク質曝露されると、血小板および凝固因子である血漿タンパク質フィブリノゲンが変化し始める。血小板は損傷部位ですぐに血栓を形成し、これは一次止血と呼ばれる。同時に二次止血が生じる:凝固(coagulationまたはclotting)因子と呼ばれ
血漿中のタンパク質が複雑に次々と反応してフィブリン鎖を形成し、血小板の血栓を強化する。非限定的な凝固因子には、第I因子(フィブリノゲン)、第II因子(プロトロンビン)、組織因子、第V因子プロアクセレリン不安定因子)、第VII因子安定因子プロコンバーチン)、第VIII因子抗血友病A因子)、第IX因子抗血友病B因子またはクリスマス因子)、第X因子スチアートプラウアー因子)、第XI因子(血漿トロンボプラスチン前駆因子)、第XII因子ハーゲマン因子)、第XIII因子フィブリン安定因子)、VWF、プレカリクレインフレチャー因子)、高分子量キニノーゲン(HMWK)(フィッツジェラルド因子)、フィブロネクチン抗トロンビンIII、ヘパリン補因子II、プロテインCプロテインS、プロテインZ、プラスミノーゲンアルファ2−抗プラスミン組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子インヒビター−1(PAI1)およびプラスミノーゲン活性化因子インヒビター−2(PAI2)が含まれるがこれらに限定されない。

血友病A出血性疾患であり、凝固第VIII因子(FVIII)をコードする遺伝子の欠乏を原因とし、新生児男子10,000人に1〜2人が罹患している。Grawet al.,
Nat. Rev. Genet. 6(6): 488-501 (2005)。血友病A患者は、精製された、または組換え産生されたFVIIIの輸液により治療され得る。しかし、市販のFVIII製品はすべて半減期が約8〜12時間であることが知られており、患者に頻回静脈内投与をしなければならない。WeinerM.A. and Cairo, M.S., Pediatric Hematology Secrets, Lee, M.T., 12. Disorders ofCoagulation, Elsevier Health Sciences, 2001; Lillicrap, D. Thromb. Res. 122Suppl 4:S2-8 (2008)を参照されたい。さらに、FVIIIの半減期
延長するため多くのアプローチ試行されている。たとえば、凝固因子の半減期を延長するために開発中のアプローチには、ペグ化、グリコペグ化およびアルブミンとの複合体化が含まれる。Dumontet al., Blood. 119(13): 3024-3030(2012年1月13日オンライン発表)を参照されたい。しかし、タンパク質操作を使用しても、現在開発中の長時間作用性FVIII製品は、半減期が改善されてはいるが、前臨床動物モデルで約1.5〜2倍しか延長されていない。同文献参照。ヒトでは一貫性のある結果が示されており、たとえば血友病A患者においてrFVIIIFcはADVATE(登録商標)と比べて約1.7倍の半減期改善があったことが報告された。同文献参照。したがって、わずかな改善であっても、半減期の延長は、他のT1/2(半減期)制限因子の存在を示唆し得る。Liu,T. et al., 2007 ISTHミーティングアブストラクト#P-M-035; Henrik, A. et al., 2011 ISTHミーティング、アブストラクト#P=MO-181;Liu, T. et al., 2011 ISTHミー
ティング、アブストラクト#P-WE-131を参照されたい。

血漿中のフォンウィルブランド因子(VWF)は、約12時間(9〜15時間の範囲)の半減期を有する。http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/vwd/2_scientificoverview.htm(最終確認2011年10月22日)。VWF半減期は、グリコシル化パターン、ADAMTS−13(トロンボスポンジンモチーフ−13を含むディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼ)およびVWFの様々な突然変異などの数々の要因に影響され得る。

血漿中、95〜98%のFVIIIが全長VWFとの強固な非共有結合複合体として循環する。この複合体の形成は、インビボのFVIIIの適切な血漿レベルの維持にとって重要である。Lentinget al., Blood. 92(11): 3983-96 (1998); Lenting et al., J. Thromb. Haemost.5(7): 1353-60 (2007)。全長野生型FVIIIは、多くの場合は1本の
重鎖分子量200kd)と1本の軽鎖(分子量73kd)を有するヘテロダイマーとして存在する。FVIIIがタンパク質分解により重鎖372位と740位、ならびに軽鎖1689位で活性化されると、FVIIIに結合したVWFは活性化されたFVIIIから切り離される。活性化されたFVIIIは、活性化された第IX因子、カルシウムおよびリン脂質一緒に(「テナーゼ複合体」)、第X因子の活性化に関与し、大量のトロンビンを生成する。次にトロンビンはフィブリノゲンを切断して可溶性フィブリンモノマーを形成し、これは次に自動的に重合して可溶性フィブリンポリマーを形成する。トロンビンは第XIII因子も活性化し、第XIII因子はカルシウムとともに可溶性フィブリンポリマーを架橋し安定化させ、架橋(不溶性フィブリンを形成する。活性化FVIIIはタンパク質分解により血中から速やかに除去される。
頻回投与投与スケジュールから生じる不便のせいで、投与回数が少なくてよい、すなわち、1.5〜2倍という半減期の限界よりも長い半減期を有するFVIII製品の開発がなおも必要とされている。

概要

キメラVIII因子ポリペプチドおよびその使用を提供すること。本発明は、VWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含むVWF断片、該VWF断片と異種部分を含むキメラタンパク質、または該VWF断片とFVIIIタンパク質を含むキメラタンパク質、ならびにそれを使用する方法を提供する。本発明のVWF断片を含むポリペプチド鎖はFVIIIタンパク質を含むポリペプチド鎖と結合または会合し、VWF断片を含むポリペプチド鎖は、内因性VWFのFVIIIタンパク質との結合を防止または阻害できる。FVIIIの半減期制限因子である内因性VWFのFVIIIとの結合を防止または阻害することで、VWF断片は、FVIIIタンパク質の半減期延長を誘導できる。本発明はまた、ヌクレオチドベクター宿主細胞、VWF断片を使用する方法またはキメラタンパク質も含む。なし

目的

本発明は、本明細書に記載のVWF断片、FVIIIタンパク質および随意のVWF断片とFVIIIタンパク質の間のリンカーを含むキメラタンパク質を提供する

効果

実績

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請求項1

明細書に記載の発明。

技術分野

0001

凝固は、血液が凝血塊を形成する複雑な過程である。凝固は、止血、すなわち破損した血管からの血液損失休止にとっての重要な役割であり、破損した血管壁は、血小板フィブリン含有凝血塊で覆われて出血が止まり、破損した血管の修復が開始される。凝固の障害は、放血(出血)または閉塞性凝血血栓症)のリスクを高め得る。

背景技術

0002

凝固は、血管の損傷により血管内膜が傷ついたほぼ直後から開始される。血液が組織因子などのタンパク質曝露されると、血小板および凝固因子である血漿タンパク質フィブリノゲンが変化し始める。血小板は損傷部位ですぐに血栓を形成し、これは一次止血と呼ばれる。同時に二次止血が生じる:凝固(coagulationまたはclotting)因子と呼ばれ
血漿中のタンパク質が複雑に次々と反応してフィブリン鎖を形成し、血小板の血栓を強化する。非限定的な凝固因子には、第I因子(フィブリノゲン)、第II因子(プロトロンビン)、組織因子、第V因子プロアクセレリン不安定因子)、第VII因子安定因子プロコンバーチン)、第VIII因子抗血友病A因子)、第IX因子抗血友病B因子またはクリスマス因子)、第X因子スチアートプラウアー因子)、第XI因子(血漿トロンボプラスチン前駆因子)、第XII因子ハーゲマン因子)、第XIII因子フィブリン安定因子)、VWF、プレカリクレインフレチャー因子)、高分子量キニノーゲン(HMWK)(フィッツジェラルド因子)、フィブロネクチン抗トロンビンIII、ヘパリン補因子II、プロテインCプロテインS、プロテインZ、プラスミノーゲンアルファ2−抗プラスミン組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子インヒビター−1(PAI1)およびプラスミノーゲン活性化因子インヒビター−2(PAI2)が含まれるがこれらに限定されない。

0003

血友病A出血性疾患であり、凝固第VIII因子(FVIII)をコードする遺伝子の欠乏を原因とし、新生児男子10,000人に1〜2人が罹患している。Grawet al.,
Nat. Rev. Genet. 6(6): 488-501 (2005)。血友病A患者は、精製された、または組換え産生されたFVIIIの輸液により治療され得る。しかし、市販のFVIII製品はすべて半減期が約8〜12時間であることが知られており、患者に頻回静脈内投与をしなければならない。WeinerM.A. and Cairo, M.S., Pediatric Hematology Secrets, Lee, M.T., 12. Disorders ofCoagulation, Elsevier Health Sciences, 2001; Lillicrap, D. Thromb. Res. 122Suppl 4:S2-8 (2008)を参照されたい。さらに、FVIIIの半減期
延長するため多くのアプローチ試行されている。たとえば、凝固因子の半減期を延長するために開発中のアプローチには、ペグ化、グリコペグ化およびアルブミンとの複合体化が含まれる。Dumontet al., Blood. 119(13): 3024-3030(2012年1月13日オンライン発表)を参照されたい。しかし、タンパク質操作を使用しても、現在開発中の長時間作用性FVIII製品は、半減期が改善されてはいるが、前臨床動物モデルで約1.5〜2倍しか延長されていない。同文献参照。ヒトでは一貫性のある結果が示されており、たとえば血友病A患者においてrFVIIIFcはADVATE(登録商標)と比べて約1.7倍の半減期改善があったことが報告された。同文献参照。したがって、わずかな改善であっても、半減期の延長は、他のT1/2(半減期)制限因子の存在を示唆し得る。Liu,T. et al., 2007 ISTHミーティングアブストラクト#P-M-035; Henrik, A. et al., 2011 ISTHミーティング、アブストラクト#P=MO-181;Liu, T. et al., 2011 ISTHミー
ティング、アブストラクト#P-WE-131を参照されたい。

0004

血漿中のフォンウィルブランド因子(VWF)は、約12時間(9〜15時間の範囲)の半減期を有する。http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/vwd/2_scientificoverview.htm(最終確認2011年10月22日)。VWF半減期は、グリコシル化パターン、ADAMTS−13(トロンボスポンジンモチーフ−13を含むディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼ)およびVWFの様々な突然変異などの数々の要因に影響され得る。

0005

血漿中、95〜98%のFVIIIが全長VWFとの強固な非共有結合複合体として循環する。この複合体の形成は、インビボのFVIIIの適切な血漿レベルの維持にとって重要である。Lentinget al., Blood. 92(11): 3983-96 (1998); Lenting et al., J. Thromb. Haemost.5(7): 1353-60 (2007)。全長野生型FVIIIは、多くの場合は1本の
重鎖分子量200kd)と1本の軽鎖(分子量73kd)を有するヘテロダイマーとして存在する。FVIIIがタンパク質分解により重鎖372位と740位、ならびに軽鎖1689位で活性化されると、FVIIIに結合したVWFは活性化されたFVIIIから切り離される。活性化されたFVIIIは、活性化された第IX因子、カルシウムおよびリン脂質一緒に(「テナーゼ複合体」)、第X因子の活性化に関与し、大量のトロンビンを生成する。次にトロンビンはフィブリノゲンを切断して可溶性フィブリンモノマーを形成し、これは次に自動的に重合して可溶性フィブリンポリマーを形成する。トロンビンは第XIII因子も活性化し、第XIII因子はカルシウムとともに可溶性フィブリンポリマーを架橋し安定化させ、架橋(不溶性)フィブリンを形成する。活性化FVIIIはタンパク質分解により血中から速やかに除去される。
頻回投与投与スケジュールから生じる不便のせいで、投与回数が少なくてよい、すなわち、1.5〜2倍という半減期の限界よりも長い半減期を有するFVIII製品の開発がなおも必要とされている。

先行技術

0006

Graw et al., Nat. Rev. Genet. 6(6): 488-501 (2005)
Weiner M.A. and Cairo, M.S., Pediatric Hematology Secrets, Lee, M.T.,12. Disorders of Coagulation, Elsevier Health Sciences, 2001
Lillicrap, D. Thromb. Res. 122 Suppl 4:S2-8 (2008)
Dumont et al., Blood. 119(13): 3024-3030(2012年1月13日オンライン発表)
Lenting et al., Blood. 92(11): 3983-96 (1998); Lenting et al., J.Thromb. Haemost. 5(7): 1353-60 (2007)

課題を解決するための手段

0007

本発明は、第VIII因子(「FVIII」)タンパク質と付加部分(「AM」)を含むキメラタンパク質に関し、付加部分は、内因性VWFのFVIIIタンパク質への結合を阻害または防止する。FVIIIタンパク質と付加部分は、内因性VWF存在下での付加部分の解離を防止するために、共有結合により互いに結合している。一実施形態では、共有結合はペプチド結合ジスルフィド結合、または内因性VWF存在下でFVIIIタンパク質から付加部分を解離させない強力なリンカーである。別の実施形態では、付加部分は、FVIIIタンパク質がVWFクリアランス経路を通じて排除されるのを防止する。他の実施形態では、付加部分は、FVIIIタンパク質のVWF結合部位遮蔽またはブロックすることによって、内因性VWFのFVIIIタンパク質への結合を阻害または防止する。たとえば、VWF結合部位は、FVIIIタンパク質のA3ドメインまたはC2ドメインか、またはA3ドメインとC2ドメインの両方に位置する。

0008

いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、共有結合により互いに連結したFVIIIタンパク質と付加部分を含むコンストラクトを含み、該キメラタンパク質は、FVIIIタンパク質の半減期の制限を誘導する、たとえば全長VWFタンパク質または成熟VWFタンパク質などのFVIII半減期制限因子を含まない。したがって、いくつかの実施形態では、キメラタンパク質のFVIIIタンパク質の半減期は、内因性VWFの存在下で、FVIIIタンパク質の半減期の制限を超えて延長可能である。

0009

ある特定の実施形態では、付加部分は、少なくとも1つのVWF様FVIII保護特性を有する。VWF様FVIII保護特性の例としては、限定ではないが、1または複数のプロテアーゼ切断からのFVIIIタンパク質保護、FVIIIタンパク質の活性化からの保護、FVIIIタンパク質の重鎖および/または軽鎖の安定化、または1もしくは複数のスカベンジャー受容体によるFVIIIタンパク質の排除の防止が挙げられる。一実施形態では、付加部分は、ポリペプチド部分、非ポリペプチド部分またはその両方を含む。別の実施形態では、付加部分は、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550、少なくとも約600、少なくとも約650、少なくとも約700、少なくとも約750、少なくとも約800、少なくとも約850、少なくとも約900、少なくとも約950または少なくとも約1000アミノ酸長アミノ酸配列を含むポリペプチドであり得る。ある特定の実施形態では、付加部分は、VWF断片、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む。他の実施形態では、付加部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸ヒドロキシエチルデンプンHES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む非ポリペプチド部分である。

0010

ある特定の実施形態では、付加部分は、VWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含むVWF断片を含み、VWF断片は、FVIIIタンパク質と付加部分(VWF断片)の共有結合に加えて、FVIIIタンパク質と非共有結合により結合している。一例では、VWF断片は、モノマーである。別の例では、VWF断片は、互いの1または複数と連結した2、3、4、5または6個のVWF断片を含む。

0011

一態様では、キメラタンパク質は、付加部分、たとえばVWF断片と、少なくとも1つの異種部分(H1)と、付加部分たとえばVWF断片と異種部分(H1)の間の随意のリンカーとを含む。一実施形態では、異種部分(H1)は、FVIIIタンパク質の半減期を延長する部分、たとえば、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるポリペプチド、または、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される非ポリペプチド部分を含み得る。一実施形態では、異種部分(H1)は第1Fc領域を含む。別の実施形態では、異種部分(H1)は、少なくとも約50アミノ酸、少なくとも約100アミノ酸、少なくとも約150アミノ酸、少なくとも約200アミノ酸、少なくとも約250アミノ酸、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸または少なくとも約1000のアミノ酸を含むアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、キメラタンパク質は、付加部分たとえばVWF断片と異種部分(H1)の間のリンカーを含み、該リンカーは切断可能なリンカーである。

0012

別の態様では、キメラタンパク質のFVIIIタンパク質は、FVIIIと、少なくとも1つの異種部分(H2)を含む。一実施形態では、異種部分(H2)は、FVIIIタンパク質の半減期を延長することができ、たとえば、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるポリペプチド、または、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せを含む非ポリペプチド部分である。特定の実施形態では、異種部分(H2)は第2Fc領域を含む。

0013

いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、VWF断片、第1異種部分およびリンカーを含む第1ポリペプチド鎖と、FVIIIタンパク質および第2異種部分を含む第2ポリペプチド鎖を含み、第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖は互いに共有結合で連結している。一例では、第1異種部分と第2異種部分は、共有結合、たとえばジスルフィド結合、ペプチド結合またはリンカーで互いに連結しており、この共有結合は、第1ポリペプチド鎖のVWF断片が内因性VWFとインビボで置換されるのを防止する。いくつかの実施形態では、FVIIIタンパク質と第2異種部分の間のリンカーは切断可能なリンカーである。

0014

ある特定の実施形態では、VWF断片に連結した第1異種部分(H1)と、FVIIIタンパク質に連結した第2異種部分(H2)は、プロセス可能なリンカー、たとえばscFcリンカーに連結する。

0015

さらに他の実施形態では、キメラタンパク質のFVIIIタンパク質は、第3異種部分(H3)、第4異種部分(H4)、第5異種部分(H5)、第6異種部分(H6)またはそれらの任意の組合せをさらに含む。一実施形態では、第3異種部分(H3)、第4異種部分(H4)、第5異種部分(H5)、第6異種部分(H6)のうちの1または複数は、FVIIIタンパク質の半減期を延長できる。別の実施形態では、第3異種部分(H3)、第4異種部分(H4)、第5異種部分(H5)および第6異種部分(H6)はFVIIIのC末端またはN末端に連結するか、またはFVIIIの2つのアミノ酸の間に挿入される。他の実施形態では、第3異種部分(H3)、第4異種部分(H4)、第5異種部分(H5)、または第6異種部分(H6)のうちの1または複数は、少なくとも約50アミノ酸、少なくとも約100アミノ酸、少なくとも約150アミノ酸、少なくとも約200アミノ酸、少なくとも約250アミノ酸、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸または少なくとも約1000アミノ酸を含むアミノ酸配列を含む。

0016

いくつかの実施形態では、FVIIIタンパク質と第2異種部分の間のリンカー、またはVWF断片と第1異種部分の間のリンカーは、リンカーのN末端領域に第1切断部位(P1)を、リンカーのC末端領域に第2切断部位(P2)を、またはその両方をさらに含む。他の実施形態では、FVIIIタンパク質と付加部分の間のリンカー、FVIIIタンパク質と第2異種部分の間のリンカー、およびVWF断片と第1異種部分の間のリンカーのうちの1または複数は、約1〜約2000アミノ酸長を有する。

0017

他の実施形態では、キメラタンパク質は、FVIIIタンパク質と付加部分を含み、これらはFVIIIタンパク質と付加部分の間のリンカーにより連結しており、リンカーはさらにソルターゼ認識モチーフ、たとえば配列LPXTG(配列番号106)を含む。

0018

本発明は、フォンウィルブランド因子(VWF)のD’ドメインとD3ドメインを含むVWF断片に関し、VWF断片は第VIII因子(FVIII)に結合し、内因性VWFのFVIIIタンパク質への結合を阻害する。一実施形態では、本発明のVWF断片は、配列番号2のアミノ酸764〜1274ではない。一実施形態では、FVIIIタンパク質は、VWF断片なしでは、野生型FVIIIに匹敵する半減期を有する。別の実施形態では、FVIIIタンパク質は、FVIIIと、FVIIIの半減期を延長できる異種部分を含む融合タンパク質である。異種部分は、ポリペプチド部分、非ポリペプチド部分またはその両方であり得る。異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。他の実施形態では、異種部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分であり、たとえばFc領域である。さらに他の実施形態では、非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せからなる群より選択される。ある特定の実施形態では、FVIIIタンパク質は、第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖を含み、第1ポリペプチド鎖はFVIIIと第1Fc領域を含み、第2ポリペプチド鎖はFVIIIなしの第2Fc領域を含む。

0019

別の実施形態では、VWF断片はFVIIIの半減期を延長する。D’ドメインのアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸764〜866と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であり得る。また、D3ドメインのアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸867〜1240と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であり得る。ある特定の実施形態では、VWF断片は、配列番号2の残基1099、残基1142またはその両方に対応する残基で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。特定の実施形態では、VWF断片は、配列番号2のアミノ酸764〜1240を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。VWF断片は、VWFのD1ドメイン、D2ドメインまたはD1とD2ドメインをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、VWF断片は、A1ドメイン、A2ドメイン、A3ドメイン、D4ドメイン、B1ドメイン、B2ドメイン、B3ドメイン、C1ドメイン、C2ドメイン、CKドメイン、それらの1または複数の断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されたVWFドメインをさらに含む。他の実施形態では、VWF断片は、ペグ化、グリコシル化、ヘシル化(hesylated)、またはポリシアル酸化され
ている。

0020

本発明はまた、本明細書に記載のVWF断片、異種部分、およびVWF断片と異種部分の間に随意のリンカーを含むキメラタンパク質に関する。異種部分は、ポリペプチド部分、非ポリペプチド部分またはその両方であり得る。一実施形態では、異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。別の実施形態では、異種非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。特定の実施形態では、異種部分は第1Fc領域である。キメラタンパク質は、第2Fc領域をさらに含み得、第2Fc領域は第1Fc領域に連結または結合されているか、VWF断片に連結または結合されている。

0021

一態様では、本発明のキメラタンパク質は、
(aa)V−L1−H1−L2−H2、
(bb)H2−L2−H1−L1−V、
(cc)H1−L1−V−L2−H2および
(dd)H2−L2−V−L1−H1
からなる群より選択される式を含み、
ここでVは、本明細書に記載のVWF断片のうちの1または複数であり、
L1とL2はそれぞれ随意のリンカーであり;
H1は第1異種部分であり;
(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸であり;
H2は随意の第2異種部分である。

0022

一実施形態では、H1は、第1異種部分であり、たとえば当技術分野既知の半減期を延長する分子である。一実施形態では、第1異種部分はポリペプチドである。第1異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。別の実施形態では、H1は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される非ポリペプチド部分である。H2は、随意の第2異種部分であり、たとえば当技術分野で既知の半減期を延長する分子である。一実施形態では、第2異種部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。別の実施形態では、H2は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される非ポリペプチド部分である。ある特定の実施形態では、H1は第1Fc領域であり、H2は第2Fc領域である。第1Fc領域と第2Fc領域は、同じでも異なっていてもよく、リンカーまたは共有結合、たとえばジスルフィド結合により互いに連結し得る。別の実施形態では、第2Fc領域は第VIII因子タンパク質に連結または結合される。随意に、半減期延長因子であって、VWF断片、第1異種部分または第2異種部分に連結している第3異種部分のH3が存在し得る。第3異種部分の非限定的な例は、ポリペプチド部分、非ポリペプチド部分またはその両方を含み得る。一実施形態では、第3異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。別の実施形態では、H2は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される非ポリペプチド部分である。いくつかの実施形態では、H3は、切断可能リンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーにより、VWF断片または第1もしくは第2異種部分に連結している。リンカーの非限定的な例は、本明細書に別途開示される。

0023

別の態様では、本発明は、本明細書に記載のVWF断片、FVIIIタンパク質および随意のVWF断片とFVIIIタンパク質の間のリンカーを含むキメラタンパク質を提供する。VWF断片は、FVIIIタンパク質に結合され得る。一実施形態では、キメラタンパク質は、異種部分に連結している、本明細書に記載のVWF断片を含む。異種部分は、タンパク質の半減期を延長する部分であり得、ポリペプチド、非ポリペプチド部分、またはその両方を含む。そのような異種ポリペプチド部分の例としては、たとえば、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、それらの任意の誘導体またはバリアント、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。非ポリペプチド部分の例としては、たとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。別の実施形態では、異種部分はVWF断片に連結した第1Fc領域である。他の実施形態では、キメラタンパク質は、FVIIIタンパク質に連結した第2Fc領域を含む。VWF断片またはFVIIIタンパク質は、それぞれリンカーで第1Fc領域または第2Fc領域に連結していてよい。さらに他の実施形態では、キメラタンパク質は、第1異種部分たとえば第1Fc領域に連結した本明細書に記載のVWF断片と、第2異種部分たとえば第2Fc領域に連結したFVIIIタンパク質を含み、VWF断片はリンカーまたは共有結合により第2異種部分(たとえば第2Fc領域)またはFVIIIタンパク質にさらに連結しているか、または第1異種部分(たとえばFc領域)はリンカーまたは共有結合によりFVIIIタンパク質または第2異種部分(たとえば第2Fc領域)にさらに連結している。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質のFVIIIは、部分Bドメインを有する。いくつかの実施形態では、部分Bドメインを有するFVIIIタンパク質は、FVIII198(配列番号105)である。他の実施形態では、キメラタンパク質は、ソルターゼ認識モチーフをさらに含む。

0024

いくつかの実施形態では、本発明の結果、FVIIIタンパク質の半減期は、VWF断片なしのFVIIIタンパク質または野生型FVIIIと比べて延長される。FVIIIタンパク質の半減期は、VWF断片なしのFVIIIタンパク質の半減期よりも、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍または少なくとも約12倍長い。一実施形態では、FVIIIの半減期は、野生型FVIIIの半減期よりも、約1.5倍から約20倍、約1.5倍から約15倍または約1.5倍から約10倍長い。別の実施形態では、FVIIIの半減期は、野生型FVIIIまたはVWF断片なしのFVIIIタンパク質と比べて、約2倍から約10倍、約2倍から約9倍、約2倍から約8倍、約2倍から約7倍、約2倍から約6倍、約2倍から約5倍、約2倍から約4倍、約2倍から約3倍、約2.5倍から約10倍、約2.5倍から約9倍、約2.5倍から約8倍、約2.5倍から約7倍、約2.5倍から約6倍、約2.5倍から約5倍、約2.5倍から約4倍、約2.5倍から約3倍、約3倍から約10倍、約3倍から約9倍、約3倍から約8倍、約3倍から約7倍、約3倍から約6倍、約3倍から約5倍、約3倍から約4倍、約4倍から約6倍、約5倍から約7倍または約6倍から約8倍延長される。他の実施形態では、FVIIIの半減期は、少なくとも約17時間、少なくとも約18時間、少なくとも約19時間、少なくとも約20時間、少なくとも約21時間、少なくとも約22時間、少なくとも約23時間、少なくとも約24時間、少なくとも約25時間、少なくとも約26時間、少なくとも約27時間、少なくとも約28時間、少なくとも約29時間、少なくとも約30時間、少なくとも約31時間、少なくとも約32時間、少なくとも約33時間、少なくとも約34時間、少なくとも約35時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約60時間、少なくとも約72時間、少なくとも約84時間、少なくとも約96時間または少なくとも約108時間である。さらに他の実施形態では、FVIIIの半減期は、約15時間〜約2週、約16時間〜約1週、約17時間〜約1週、約18時間〜約1週、約19時間〜約1週、約20時間〜約1週、約21時間〜約1週、約22時間〜約1週、約23時間〜約1週、約24時間〜約1週、約36時間〜約1週、約48時間〜約1週、約60時間〜約1週、約24時間〜約6日、約24時間〜約5日、約24時間〜約4日、約24時間〜約3日または約24時間〜約2日である。

0025

いくつかの実施形態では、対象当たりのFVIIIタンパク質の平均半減期は、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間(1日)、約25時間、約26時間、約27時間、約28時間、約29時間、約30時間、約31時間、約32時間、約33時間、約34時間、約35時間、約36時間、約40時間、約44時間、約48時間(2日)、約54時間、約60時間、約72時間(3日)、約84時間、約96時間(4日)、約108時間、約120時間(5日)、約6日、約7日(1週)、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日または約14日である。

0026

別の態様では、本発明のキメラタンパク質は、
(a)V−L1−H1−L3−C−L2−H2、
(b)H2−L2−C−L3−H1−L1−V、
(c)C−L2−H2−L3−V−L1−H1、
(d)H1−L1−V−L3−H2−L2−C、
(e)H1−L1−V−L3−C−L2−H2、
(f)H2−L2−C−L3−V−L1−H1、
(g)V−L1−H1−L3−H2−L2−C、
(h)C−L2−H2−L3−H1−L1−V、
(i)H2−L3−H1−L1−V−L2−C、
(j)C−L2−V−L1−H1−L3−H2、
(k)V−L2−C−L1−H1−L3−H2および
(l)H2−L3−H1−L1−C−L2−V
からなる群より選択される式を含み、
ここでVは本明細書に記載のVWF断片であり;
L1とL2はそれぞれ随意のリンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーであり;
L3は、随意のリンカーであり、たとえばscFcリンカー、たとえばプロセス可能なリンカーであり;
H1またはH2はそれぞれ随意の異種部分であり;
CはFVIIIタンパク質であり;
(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸である。

0027

別の態様では、本発明のキメラタンパク質は、
(m)V−L1−H1:H2−L2−C、
(n)V−L1−H1:C−L2−H2、
(o)H1−L1−V:H2−L2−C、
(p)H1−L1−V:C−L2−H2、
(q)V:C−L1−H1:H2、
(r)V:H1−L1−C:H2、
(s)H2:H1−L1−C:V、
(t)C:V−L1−H1:H2および
(u)C:H1−L1−V:H2、
からなる群より選択される式を含み、
ここでVは本明細書に記載のVWF断片であり;
L1とL2はそれぞれ随意のリンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーであり;
H1またはH2はそれぞれ随意の異種部分であり;
CはFVIIIタンパク質であり;
(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸であり;
(:)は、H1とH2間、VとC間、およびVとH1とCとH2間の化学的または物理的結合である。(:)は、化学結合を表し、たとえば少なくとも1つの非ペプチド結合を表す。ある特定の実施形態では、化学結合すなわち(:)は共有結合である。いくつかの実施形態では、H1とH2間の結合は共有結合であり、たとえばジスルフィド結合である。他の実施形態では、化学結合すなわち(:)は非共有相互作用であり、たとえばイオン性相互作用疎水性相互作用親水性相互作用ファンデルワース相互作用、水素結合である。ある特定の実施形態では、FVIIIタンパク質とVWF断片間の結合は非共有結合である。他の実施形態では、(:)は非ペプチド共有結合である。さらに他の実施形態では、(:)はペプチド結合である。一実施形態では、H1は第1異種部分である。一実施形態では、第1異種部分は、FVIII活性の半減期を延長できる。別の実施形態では、第1異種部分は、ポリペプチド、非ポリペプチドまたはその両方である。一実施形態では、第1異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。別の実施形態では、非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、H2は第2異種部分である。第2異種部分も当技術分野で既知の半減期延長因子であり得、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方の組合せであり得る。一実施形態では、第2異種部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。ある特定の実施形態では、非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される。特定の実施形態では、H1は第1Fc領域である。いくつかの実施形態では、H2は第2Fc領域である。随意に、半減期延長因子である第3異種部分のH3が存在し得る。H3は、V、C、H1またはH2のうちの1または複数に随意のリンカー、たとえば切断可能なリンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーにより連結していてよい。第3異種部分の非限定的な例は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、ポリエチレングリコール(PEG)、PAS配列およびヒドロキシエチルデンプン(HES)またはそれらの誘導体を含み得る。

0028

ある特定の実施形態では、式(a)から(u)のVWF断片、FVIIIタンパク質、第1異種部分および/または第2異種部分を互いに結合するのに使用されるリンカーのうちの1または複数が切断可能リンカーである。キメラタンパク質で使用される切断部位の1または複数は、第XIa因子、第XIIa因子カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイム−B、TEVエンテロキナーゼ、プロテアーゼ3C、ソルターゼA、MMP−12、MMP−13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択されるプロテアーゼにより切断され得る。他の実施形態では、式(a)から(l)で使用される1または複数のリンカー(たとえば、L3)はプロセス可能なリンカーを含む。プロセス可能リンカーは、分泌細胞内酵素により切断され得る。プロセス可能なリンカーは、リンカーのN末端領域に第1切断部位(P1)、リンカーのC末端領域に第2切断部位(P2)、またはその両方を含み得る。

0029

いくつかの実施形態では、本発明で使用されるリンカーのうちの1または複数は、少なくとも約1〜2000アミノ酸長である。特定の実施形態では、本発明で使用されるリンカーのうちの1または複数は、少なくとも約20、35、42、48、73、98、144、288、324、576または864アミノ酸長である。特定の実施形態では、リンカーのうちの1または複数は、gly/serペプチドを含む。gly/serペプチドは、(Gly4Ser)3または(Gly4Ser)4であり得る。

0030

他の態様では、キメラタンパク質のFVIIIタンパク質は、機能的第VIII因子タンパク質である。FVIIIタンパク質は、A1ドメイン、A2ドメイン、Bドメイン、A3ドメイン、C1ドメイン、C2ドメイン、それらの1または複数の断片およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるFVIIIの1または複数のドメインを含み得る。一実施形態では、FVIIIタンパク質は、Bドメインまたはその一部分を含む。別の実施形態では、FVIIIタンパク質は、SQBドメインが欠損したFVIIIである。他の実施形態では、FVIIIタンパク質は、一本鎖FVIIIを含む。さらに他の実施形態では、FVIIIタンパク質は、FVIIIの重鎖と第VIII因子の軽鎖を含み、重鎖と軽鎖は互いに金属結合で結合している。ある特定の実施形態では、FVIIIタンパク質は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)に対する親和性が低いかまたは結合しない。たとえば、本発明に有用なFVIIIタンパク質は、LRPに対する親和性を低下させるかLRPとの結合を排除する少なくとも1つのアミノ酸の置換を含み得る。少なくとも1つのアミノ酸の置換の非限定的な例は、全長成熟FVIIIの残基471、残基484、残基487、残基490、残基497、残基2092、残基2093またはそれらの2つ以上の組合せに対応する残基である。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質のFVIIIタンパク質は、置換されていないFVIIIタンパク質よりも安定するようにFVIIIタンパク質を誘導する少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。他の実施形態では、FVIIIタンパク質は、A2ドメインに少なくとも1つのアミノ酸置換およびA3ドメインに少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、ここでA2ドメインとA3ドメインは互いに共有結合している。A2ドメインのアミノ酸置換の非限定的な例は、全長成熟FVIIIの残基662または664に対応する残基である。さらに、A3ドメインのアミノ酸置換の非限定的な例は、全長成熟FVIIIの残基1826または1828に対応する残基である。

0031

さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載のVWF断片または本明細書に記載のキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド、または第1ヌクレオチド鎖と第2ヌクレオチド鎖を含む1組のポリヌクレオチドを提供し、該第1ヌクレオチド鎖はVWF断片をコードし、第2ヌクレオチド鎖はキメラタンパク質の第2Fc領域または凝固因子またはその断片をコードする。一実施形態では、1組のポリヌクレオチドは、サブチリシン様プロタンパク質転換酵素ファミリーに属するプロタンパク質転換酵素をコードする第3ポリヌクレオチド鎖をさらに含む。プロタンパク質転換酵素の非限定的な例としては、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン3型(PACEまたはPCSK3)、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン5型(PCSK5またはPC5)、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン7型(PCSK7またはPC7)または酵母Kex2が挙げられる。さらに他の態様では、本発明は、ポリヌクレオチドまたは1組のポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドまたは1組のポリヌクレオチドに機能的に連結した1または複数のプロモーターを含むベクター、または第1ベクターと第2ベクターを含む1組のベクターを含み、第1ベクターは1組のポリヌクレオチドの第1ポリヌクレオチド鎖をコードし、第2ベクターは1組のポリヌクレオチドの第2ポリヌクレオチド鎖をコードする。1組のベクターは、PC5またはPC7をコードする第3ポリヌクレオチド鎖を含む第3ベクターをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ベクターはPACEをさらに含む。いくつかの実施形態では、PACEはVWF断片のD1D2ドメインを切断する。

0032

いくつかの態様では、本発明は、VWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチド、1組のポリヌクレオチド、ベクターまたは1組のベクター、および薬剤的許容可能な担体を含む医薬組成物に関する。本発明の組成物は、第VIII因子の半減期を延長できる。他の態様では、本発明は、ポリヌクレオチド、1組のポリヌクレオチド、ベクターまたは1組のベクターを含む宿主細胞を含む。

0033

他の態様では、本発明は、FVIIIタンパク質、付加部分、および随意のリンカーを含むキメラタンパク質に関し、付加部分は内因性VWFがFVIIIタンパク質に結合するのを阻害または阻止し、少なくとも1つのVWF様FVIII保護特性を有する。VWF様FVIII保護特性は、1または複数のプロテアーゼ切断からのFVIIIタンパク質の保護、活性化からのFVIIIタンパク質の保護、FVIIIタンパク質の重鎖および/または軽鎖の安定化、または1もしくは複数のスカベンジャー受容体によるFVIIIタンパク質排除の阻止を含む。

0034

キメラタンパク質の付加部分は、FVIIIタンパク質のVWF結合部位を遮蔽またはブロックすることで内因性VWFのFVIIIタンパク質への結合を阻害または防止できる。いくつかの実施形態では、VWF結合部位は、FVIIIタンパク質のA3ドメインまたはC2ドメインか、またはFVIIIタンパク質のA3ドメインとC2ドメインの両方に位置する。別の実施形態では、VWF結合部位は、配列番号16のアミノ酸1669〜1689および2303〜2332に対応するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、付加部分はポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方である。付加部分として有用なポリペプチドは、少なくとも40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000アミノ酸長のアミノ酸配列を含み得る。たとえば付加部分として有用なポリペプチドは、VWF断片、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、半減期を延長する他の技術、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。付加部分として有用な非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。一実施形態では、付加部分は本明細書に記載のVWF断片である。付加部分とFVIIIタンパク質は、たとえばリンカーで連結されるか、互いに結合している。リンカーは、切断可能なリンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーを含み得る。

0035

一態様では、本発明は、FVIIIタンパク質が内因性VWFと結合するのを防止または阻害する方法を提供し、方法は、有効量のVWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチド、または1組のポリヌクレオチドを、FVIIIタンパク質またはFVIIIタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む細胞に添加することを含み、VWF断片はFVIIIタンパク質に結合する。別の態様では、本発明は、FVIIIタンパク質が内因性VWFと結合するのを防止または阻害する方法を含み、方法は、有効量のキメラタンパク質、ポリヌクレオチド、または1組のポリヌクレオチドを、それを必要とする対象に添加することを含み、VWF断片がFVIIIタンパク質に結合するのでFVIIIタンパク質の結合を防止または阻害する。いくつかの態様では、本発明は、FVIIIタンパク質の半減期を延長または増加する方法を含み、方法は、有効量のVWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチド、または1組のポリヌクレオチドを、FVIIIタンパク質またはFVIIIタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む細胞か、またはそれを必要とする対象に添加することを含み、VWF断片はFVIIIタンパク質に結合する。他の態様では、本発明は、細胞からのFVIIIタンパク質の排除を防止または阻害する方法に関し、方法は、有効量のVWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチド、または1組のポリヌクレオチドを、FVIIIタンパク質またはFVIIIタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む細胞か、またはそれを必要とする対象に添加することを含み、VWF断片はFVIIIタンパク質に結合する。

0036

別の態様では、本発明は、有効量のVWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチドまたは1組のポリヌクレオチドを投与することを含む、治療を必要とする対象の出血性疾患または障害を治療する方法に関し、出血性疾患または障害は、出血性血液凝固障害関節血症筋肉出血、口腔出血、出血、筋肉内への出血、口腔出血、外傷頭部外傷消化器系出血、脳内出血腹腔内出血胸腔内出血、骨折中枢神経系出血、咽頭後隙内出血腹膜後隙内出血および腸腰筋外筒(illiopsoassheath)内出血からなる群より選択される。他の実施形態では、治療は予防的か応需型である。さらに他の実施形態では、本発明は、2N型フォンウィルブランド病関連の疾患または障害を治療する方法であり、治療を必要とする患者に有効量のVWF断片、キメラタンパク質、ポリヌクレオチドまたは1組のポリヌクレオチドを投与することを含み、疾患や障害が治療される。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
項目1)
共有結合により連結された第VIII因子(「FVIII」)タンパク質と付加部分(AM)を含むキメラタンパク質であって、前記付加部分は内因性VWFが前記FVIIIタンパク質に結合するのを阻害または防止する、キメラタンパク質。
(項目2)
前記共有結合により、前記付加部分が内因性VWFの存在下で前記FVIIIタンパク質から解離することが防止される、項目1に記載のキメラタンパク質。
(項目3)
前記共有結合がペプチド結合である、項目1または2に記載のキメラタンパク質。
(項目4)
前記共有結合がジスルフィド結合である、項目1から3のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目5)
前記共有結合が、前記FVIIIタンパク質と前記付加部分の間のリンカーである、項目1から4のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目6)
前記付加部分が、前記FVIIIタンパク質がVWFクリアランス経路を通じて排除されるのを防止する、項目1から5のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目7)
前記付加部分が、前記FVIIIタンパク質上のVWF結合部位を遮蔽またはブロックすることで、内因性VWFが前記FVIIIタンパク質に結合するのを防止または阻害する、項目1から6のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目8)
前記VWF結合部位が、前記FVIIIタンパク質のA3ドメインまたはC2ドメイン、またはA3ドメインとC2ドメインの両方に位置する、項目7に記載のキメラタンパク質。
(項目9)
前記VWF結合部位が、配列番号16のアミノ酸1669〜1689と2303〜2332に対応するアミノ酸配列である、項目8に記載のキメラタンパク質。
(項目10)
前記キメラタンパク質がFVIII半減期制限因子を含まない、項目1から9のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目11)
前記FVIII半減期制限因子は全長VWFタンパク質または成熟VWFタンパク質を含む、項目10に記載のキメラタンパク質。
(項目12)
FVIIIタンパク質の半減期が、内因性VWFの存在下で前記FVIIIタンパク質の半減期限界を超えて延長される、項目1から11のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目13)
前記付加部分が少なくとも1つのVWF様FVIII保護特性を有する、項目1から12のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目14)
前記VWF様FVIII保護特性が、前記FVIIIタンパク質を1または複数のプロテアーゼ切断から保護すること、前記FVIIIタンパク質を活性化から保護すること、前記FVIIIタンパク質の重鎖および/または軽鎖を安定させることまたは前記FVIIIタンパク質が1または複数のスカベンジャー受容体により排除されるのを防止することを含む、項目13に記載のキメラタンパク質。
(項目15)
前記付加部分がポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む、項目1から14のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目16)
前記ポリペプチドが、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550、少なくとも約600、少なくとも約650、少なくとも約700、少なくとも約750、少なくとも約800、少なくとも約850、少なくとも約900、少なくとも約950または少なくとも約1000アミノ酸長のアミノ酸配列を含む、項目15に記載のキメラタンパク質。
(項目17)
前記付加部分が、VWF断片、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む、項目1から16のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目18)
前記非ポリペプチド部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体またはそれらの任意の組合せを含む、項目17に記載のキメラタンパク質。
(項目19)
前記付加部分が、VWFのD’ドメインとD3ドメインを含むVWF断片を含み、前記VWF断片は共有結合に加えて非共有結合により前記FVIIIタンパク質と結合している、項目17に記載のキメラタンパク質。
(項目20)
前記VWF断片がモノマーである、項目17または19に記載のキメラタンパク質。
(項目21)
前記VWF断片が、互いの1または複数に連結した2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのVWF断片を含む、項目19または20に記載のキメラタンパク質。
(項目22)
前記VWF断片が、少なくとも1つの異種部分(H1)と、随意のリンカーを前記VWF断片と前記異種部分(H1)の間に含む、項目1から21のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目23)
前記VWF断片に連結した前記少なくとも1異種部分(H1)が、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む、項目22に記載のキメラタンパク質。
(項目24)
前記異種部分(H1)がFVIIIタンパク質の半減期を延長する部分を含む、項目22または23に記載のキメラタンパク質。
(項目25)
前記異種部分(H1)が、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む、項目24に記載のキメラタンパク質。
(項目26)
前記非ポリペプチド部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む、項目24に記載のキメラタンパク質。
(項目27)
前記異種部分(H1)が、第1Fc領域を含む、項目25に記載のキメラタンパク質。(項目28)
前記異種部分(H1)が、少なくとも約50アミノ酸、少なくとも約100アミノ酸、少なくとも約150アミノ酸、少なくとも約200アミノ酸、少なくとも約250アミノ酸、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸または少なくとも約1000アミノ酸を含むアミノ酸配列を含む、項目24に記載のキメラタンパク質。
(項目29)
前記キメラタンパク質が、前記VWF断片と前記異種部分(H1)の間に切断可能リンカーであるリンカーを含む、項目22に記載のキメラタンパク質。
(項目30)
前記切断可能リンカーが、1または複数の切断可能部位を含む、項目29に記載のキメラタンパク質。
(項目31)
前記切断可能リンカーが、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイム−B、TEV、エンテロキナーゼ、プロテアーゼ3C、ソルターゼA、MMP−12、MMP−13、MMP−17、およびMMP−20からなる群より選択されるプロテアーゼにより切断されることが可能である、項目29から30のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目32)
前記切断可能リンカーが、TLDPSFLLNPNDKYEPFWEDEEK(配列番号56)を含む、項目29に記載のキメラタンパク質。
(項目33)
前記切断可能リンカーが、RRRR(配列番号52)、RKRRKR(配列番号53)、RRRRS(配列番号54)、TQSFNDFTR(配列番号47)、SVSQTSKLTR(配列番号48)、DFAEGGGVR(配列番号49)、TTKIKPR(配列番号50)、LVPRG(配列番号55)、ALRPRVVGGA(配列番号51)、KLTRAET(配列番号29)、DFTRVVG(配列番号30)、TMTRIVGG(配列番号31)、SPFRSTGG(配列番号32)、LQVRIVGG(配列番号33)、PLGRIVGG(配列番号34)、IERTVGG(配列番号35)、LTPRSLLV(配列番号36)、LGPVSGVP(配列番号37)、VAGDSLEE(配列番号38)、GPAGLGGA(配列番号39)、GPAGLRGA(配列番号40)、APLGLRLR(配列番号41)、PALPLVAQ(配列番号42)、ENLYFQG(配列番号43)、DDDKIVGG(配列番号44)、LEVLFQGP(配列番号45)およびLPKTGSES(配列番号46)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む1または複数の切断部位を含む、項目29から32のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目34)
前記FVIIIタンパク質がFVIIIおよび少なくとも1つの異種部分(H2)を含む、項目1から33のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目35)
前記異種部分(H2)が、前記FVIIIタンパク質の半減期を延長できる、項目34に記載のキメラタンパク質。
(項目36)
前記異種部分(H2)が、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む、項目34または35に記載のキメラタンパク質。
(項目37)
前記異種部分(H2)が、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む、項目34または35に記載のキメラタンパク質。
(項目38)
前記非ポリペプチド部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、その誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む、項目34または35に記載のキメラタンパク質。
(項目39)
前記異種部分(H2)が、第2Fc領域を含む、項目34に記載のキメラタンパク質。(項目40)
前記VWF断片、第1異種部分およびリンカーを含む第1ポリペプチド鎖と、前記FVIIIタンパク質と第2異種部分を含む第2ポリペプチド鎖を含み、前記第1ポリペプチド鎖と前記第2ポリペプチド鎖が互いに共有結合により連結している、項目1から39のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目41)
前記第1異種部分と前記第2異種部分が互いに共有結合により連結しており、前記共有結合は前記第1ポリペプチド鎖中の前記VWF断片が内因性VWFインビボで置換されるのを防止する、項目40に記載のキメラタンパク質。
(項目42)
前記共有結合がジスルフィド結合である、項目41に記載のキメラタンパク質。
(項目43)
前記FVIIIタンパク質がリンカーにより前記第2異種部分(H2)と連結している、項目34から42のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目44)
前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカーが切断可能リンカーである、項目43に記載のキメラタンパク質。
(項目45)
前記第1異種部分(H1)と前記第2異種部分(H2)がリンカーで連結されている、項目34から44に記載のキメラタンパク質。
(項目46)
前記リンカーがscFcリンカーである、項目45に記載のキメラタンパク質。
(項目47)
前記scFcリンカーがプロセス可能なリンカーである、項目46に記載のキメラタンパク質。
(項目48)
以下からなる群より選択される式を含む、項目1〜47に記載のキメラタンパク質:(a) V−L1−H1−L3−C−L2−H2、
(b) H2−L2−C−L3−H1−L1−V、
(c) C−L2−H2−L3−V−L1−H1、
(d) H1−L1−V−L3−H2−L2−C、
(e) H1−L1−V−L3−C−L2−H2、
(f) H2−L2−C−L3−V−L1−H1、
(g) V−L1−H1−L3−H2−L2−C、
(h) C−L2−H2−L3−H1−L1−V、
(i) H2−L3−H1−L1−V−L2−C、
(j) C−L2−V−L1−H1−L3−H2、
(k) V−L2−C−L1−H1−L3−H2および
(l) H2−L3−H1−L1−C−L2−V
(式中、
VはVWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含むVWF断片を含み;
L1は随意のリンカーであり;
L2は随意のリンカーであり;
(a)〜(f)のL3は随意のリンカーであり、
(g)〜(l)のL3は随意のscFcリンカーであり、
H1とH2はそれぞれ随意の異種部分を含み;
CはFVIIIタンパク質を含み、
(−)はペプチド結合または1または複数のアミノ酸である)。
(項目49)
以下からなる群より選択される式を含む、項目1〜47に記載のキメラタンパク質:(m)V−L1−H1:H2−L2−C、
(n)V−L1−H1:C−L2−H2;
(o)H1−L1−V:H2−L2−C;
(p)H1−L1−V:C−L2−H2;
(q)V:C−L1−H1:H2;
(r)V:H1−L1−C:H2;
(s)H2:H1−L1−C:V、
(t)C:V−L1−H1:H2、および
(u)C:H1−L1−V:H2、
(式中、
VはVWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含むVWF断片であり;
L1は随意のリンカーであり;
L2は随意のリンカーであり;
H1は第1異種部分であり;
H2は第2異種部分であり;
CはFVIIIタンパク質であり;
(−)はペプチド結合または1または複数のアミノ酸であり、
(:)は前記H1と前記H2の間の共有結合である)。
(項目50)
前記VWF断片と前記FVIIIタンパク質が前記共有結合、前記ペプチド結合または前記1または複数のアミノ酸に加えて非共有結合により互いに結合している、項目48および49に記載のキメラタンパク質。
(項目51)
前記VWF断片が、内因性VWFが前記FVIIIタンパク質と結合するのを阻害または防止する、項目48および49に記載のキメラタンパク質。
(項目52)
前記H1と前記H2の間の前記共有結合が、ジスルフィド結合である、項目49から51のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目53)
H1がポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む、項目48から52のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目54)
H1が、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む、項目53に記載のキメラタンパク質。
(項目55)
H1が、第1Fc領域を含む、項目53または54に記載のキメラタンパク質。
(項目56)
前記非ポリペプチド部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、その誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む、項目53に記載のキメラタンパク質。
(項目57)
H2が、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む、項目48から56
のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目58)
H2が、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの任意の組合せを含む、項目57に記載のキメラタンパク質。
(項目59)
H2が第2Fc領域を含む、項目48から58のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目60)
前記非ポリペプチド部分が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せ.を含む、項目59に記載のキメラタンパク質。
(項目61)
前記共有結合はジスルフィド結合である、項目60に記載のキメラタンパク質。
(項目62)
前記FVIIIタンパク質が第3異種部分(H3)を含む、項目1から61のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目63)
前記FVIIIタンパク質が第4異種部分(H4)を含む、項目1から62のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目64)
前記FVIIIタンパク質が第5異種部分(H5)を含む、項目1から63のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目65)
前記FVIIIタンパク質が第6異種部分(H6)を含む、項目1から64のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目66)
前記第3異種部分(H3)、前記第4異種部分(H4)、前記第5異種部分(H5)、前記第6異種部分(H6)のうちの1または複数がFVIIIタンパク質の半減期を延長できる、項目61から65のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目67)
前記第3異種部分(H3)、前記第4異種部分(H4)、前記第5異種部分(H5)、前記第6異種部分(H6)がFVIIIのC末端またはにN末端に連結しているか、またはFVIIIの2つのアミノ酸の間に挿入されている、項目1から66のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目68)
前記第3異種部分(H3)、前記第4異種部分(H4)、前記第5異種部分(H5)、前記第6異種部分(H6)のうちの1または複数が、少なくとも約50アミノ酸、少なくとも約100アミノ酸、少なくとも約150アミノ酸、少なくとも約200アミノ酸、少なくとも約250アミノ酸、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸または少なくとも約1000アミノ酸を含むアミノ酸配列を含む、項目1から67のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目69)
前記FVIIIの半減期が、野生型FVIIIよりも少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍または少なくとも約12倍長く延長される、項目1から68のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目70)
FVIIIタンパク質の半減期が、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約13時間、少なくとも約14時間、少なくとも約15時間、少なくとも約16時間、少なくとも約17時間、少なくとも約18時間、少なくとも約19時間、少なくとも約20時間、少なくとも約21時間、少なくとも約22時間、少なくとも約23時間、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約60時間、少なくとも約72時間、少なくとも約84時間、少なくとも約96時間または少なくとも約108時間である、項目1から69のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目71)
前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカーまたは前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーが、前記リンカーのN末端領域に第1切断部位(P1)を、前記リンカーのC末端領域に第2切断部位(P2)を、またはその両方を含む、項目22から70のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目72)
前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーまたはその両方が、TLDPRSFLLRNPNDKYEPFWEDEEK(配列番号56)を含む、項目22から71のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目73)
前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーまたはその両方が、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイム−B、TEV、エンテロキナーゼ、プロテアーゼ3C、ソルターゼA、MMP−12、MMP−13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択されるプロテアーゼにより切断される、項目22から71のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目74)
前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーまたはその両方が、RRRR(配列番号52)、RKRRKR(配列番号53)、RRRRS(配列番号54)、TQSFNDFTR(配列番号47)、SVSQTSKLTR(配列番号48)、DFLAEGGGVR(配列番号49)、TTKIKPR(配列番号50)、LVPRG(配列番号55)、ALRPRVVGGA(配列番号51)、KLTRAET(配列番号29)、DFTRVVG(配列番号30)、TMTRIVGG(配列番号31)、SPFRSTGG(配列番号32)、LQVRIVGG(配列番号33)、PLGRIVGG(配列番号34)、IEGRTVGG(配列番号35)、LTPRSLLV(配列番号36)、LGPVSGVP(配列番号37)、VAGDSLEE(配列番号38)、GPAGLGGA(配列番号39)、GPAGLRGA(配列番号40)、APLGLRLR(配列番号41)、PALPLVAQ(配列番号42)、ENLYFQG(配列番号43)、DDDKIVGG(配列番号44)、LEVLFQGP(配列番号45)およびLPKTGSES(配列番号46)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、項目22から73のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目75)
前記第1酵素的切断部位と前記第2酵素的切断部位が同一であるかまたは異なる、項目71から74のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目76)
前記FVIIIタンパク質と前記付加部分の間の前記リンカー、前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、および前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーのうちの1または複数が、約1〜約2000アミノ酸長である、項目5から75のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目77)
前記FVIIIタンパク質と前記付加部分の間の前記リンカー、前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、および前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーのうちの1または複数が、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1200、1400、1600、1800または2000アミノ酸である、項目5から75のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。(項目78)
前記FVIIIタンパク質と前記付加部分の間の前記リンカー、前記FVIIIタンパク質と前記第2異種部分の間の前記リンカー、および前記VWF断片と前記第1異種部分の間の前記リンカーのうちの1または複数が、gly/serペプチドを含む、項目5から77のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目79)
前記gly/serペプチドが、(Gly4Ser)nまたはS(Gly4Ser)nの式を有し、式中nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80または100からなる群より選択される製の整数である、項目78に記載のキメラタンパク質。
(項目80)
前記(Gly4Ser)nリンカーが、(Gly4Ser)3または(Gly4Ser)4である、項目79に記載のキメラタンパク質。
(項目81)
前記FVIIIタンパク質と前記付加部分前記リンカーが切断可能リンカーである、項目5から80のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目82)
前記切断可能リンカーが、1または複数のトロンビン切断部位を含む、項目81に記載のキメラタンパク質。
(項目83)
前記切断可能リンカーが、TLDPRSFLLRNPNDKYEPFWEDEEK(配列番号56)を含む、項目81または82に記載のキメラタンパク質。
(項目84)
切断可能リンカーが、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイム−B、TEV、エンテロキナーゼ、プロテアーゼ3C、ソルターゼA、MMP−12、MMP−13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択されるプロテアーゼにより切断される、項目81から83のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目85)
前記切断可能リンカーが、RRRR(配列番号52)、RKRRKR(配列番号53)、RRRRS(配列番号54)、TQSFNDFTR(配列番号47)、SVSQTSKLTR(配列番号48)、DFLAEGGGVR(配列番号49)、TTKIKPR(配列番号50)、LVPRG(配列番号55)、ALRPRVVGGA(配列番号51)、KLTRAET(配列番号29)、DFTRVVG(配列番号30)、TMTRIVGG(配列番号31)、SPFRSTGG(配列番号32)、LQVRIVGG(配列番号33)、PLGRIVGG(配列番号34)、IEGRTVGG(配列番号35)、LTPRSLLV(配列番号36)、LGPVSGVP(配列番号37)、VAGDSLEE(配列番号38)、GPAGLGGA(配列番号39)、GPAGLRGA(配列番号40)、APLGLRLR(配列番号41)、PALPLVAQ(配列番号42)、ENLYFQG(配列番号43)、DDDKIVGG(配列番号44)、LEVLFQGP(配列番号45)およびLPKTGSES(配列番号46).からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、項目81から83のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目86)
前記FVIIIタンパク質と前記付加部分の間の前記リンカーが、ソルターゼ認識モチーフをさらに含む、項目5から85のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目87)
前記ソルターゼ認識モチーフが、LPXTG(配列番号106)配列を含む、項目86に記載のキメラタンパク質。
(項目88)
前記VWF断片がVWFのD’ドメインおよびD3ドメインを含む、項目19から87のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目89)
前記VWF断片が、内因性VWFがFVIIIタンパク質に結合するのを阻害または防止する、項目88に記載のキメラタンパク質。
(項目90)
前記VWF断片の前記D’ドメインのアミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸764〜866と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である、項目88または89に記載のキメラタンパク質。
(項目91)
前記VWF断片の前記D3ドメインのアミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸867〜1240と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である、項目88から90のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目92)
前記VWF断片が、配列番号2の残基1099、残基1142または残基1099と1142の両方に対応する残基で少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、項目88から91のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目93)
前記VWF断片の配列中、システインではないアミノ酸が、配列番号2の残基1099、残基1142、または残基1099と1142の両方に対応する残基で置換されている、項目88から91のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目94)
前記VWF断片の配列が、配列番号2のアミノ酸764〜1240を含む、項目88から93のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目95)
前記VWF断片が、VWFのD1ドメイン、D2ドメイン、またはD1とD2ドメインをさらに含む、項目88から94のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目96)
前記VWF断片が、A1ドメイン、A2ドメイン、A3ドメイン、D4ドメイン、B1ドメイン、B2ドメイン、B3ドメイン、C1ドメイン、C2ドメイン、CKドメイン、それらの1または複数の断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるVWFドメインをさらに含む、項目88から95のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目97)
前記VWF断片が、(1)VWFのD’およびD3ドメインまたはそれらの断片;(2)VWFのD1、D’、およびD3ドメインまたはそれらの断片;(3)VWFのD2、D’およびD3ドメインまたはそれらの断片;(4)VWFのD1、D2、D’およびD3ドメインまたはそれらの断片;または(5)VWFのD1、D2、D’、D3およびA1ドメインまたはそれらの断片から本質的になるか、またはそれらからなる、項目88から95のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目98)
機能的に連結されているVWFのシグナルペプチドをさらに含む、項目88から97
のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目99)
前記VWF断片がペグ化、グリコシル化、ヘシル化(hesylated)またはポリシアル
されている、項目19から98のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目100)
前記FVIIIタンパク質が、A1ドメイン、A2ドメイン、Bドメイン、A3ドメイン、C1ドメイン、C2ドメイン、それらの1または複数の断片、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるFVIIIの1または複数ドメインを含む、項目1から99のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目101)
前記FVIIIタンパク質が、A1ドメイン、A2ドメイン、A3ドメインおよびC1ドメイン、ならびに随意のC2ドメインを含む、項目100に記載のキメラタンパク質。(項目102)
前記FVIIIタンパク質が、Bドメインまたはその一部分を含む、項目100または101に記載のキメラタンパク質。
(項目103)
配列番号16または配列番号18と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含む、項目100から102のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目104)
前記FVIIIタンパク質が、SQBドメイン欠失FVIIIである、項目100から103のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目105)
前記FVIIIタンパク質が、一本鎖FVIIIを含む、項目100から104のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目106)
前記一本鎖FVIIIが、全長成熟第VIII因子ポリペプチド(配列番号16)の残基1648、残基1645またはその両方、またはSQBDD第VIII因子(配列番号18)の残基754、残基751またはその両方に`対応する残基で少なくとも1つのア
ミノ酸置換を含む、項目105に記載のキメラタンパク質。
(項目107)
前記アミノ酸置換がアルギニンではないアミノ酸である、項目106に記載のキメラタンパク質。
(項目108)
前記FVIIIタンパク質が、第1鎖と第2鎖を含み、前記第1鎖はFVIIIの重鎖を含み、前記第2鎖は第VIII因子の軽鎖を含み、前記重鎖と前記軽鎖は金属結合で結合している、項目1から107のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
(項目109)
項目1から108のいずれか一項に記載のキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(項目110)
PC5、PC7またはフーリンをコードする追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む、項目110に記載のポリヌクレオチド。
(項目111)
VWFのD1ドメインとD2ドメインをコードする追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む、項目109または110に記載のポリヌクレオチド。
(項目112)
項目109から111のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドと前記ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの組に機能的に連結した1または複数プロモーターを含むベクター(単数)またはベクター(複数)。
(項目113)
PC5、PC7またはフーリンをコードする第2ポリヌクレオチド鎖を含む追加のベクターをさらに含む、項目112のベクター(単数)またはベクター(複数)。
(項目114)
VWFのD1ドメインおよびD2ドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む追加のベクターをさらに含む、項目112または113のベクター(単数)またはベクター(複数)。
(項目115)
項目109から111のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドまたは項目112から114のいずれか一項に記載のベクターを含む、宿主細胞。
(項目116)
PC5、PC7またはフーリンをコードする追加のベクターを含む、項目115に記載の宿主細胞。
(項目117)
VWFのD1ドメインおよびD2ドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む追加のベクターをさらに含む、項目115または116に記載の宿主細胞。
(項目118)
哺乳動物細胞である、項目115または118に記載の宿主細胞。
(項目119)
前記哺乳動物細胞が、HEK293細胞、CHO細胞およびBHK細胞からなる群より選択される、項目118に記載の宿主細胞。
(項目120)
項目1から108のいずれか一項に記載のキメラタンパク質、項目109または111に記載のポリヌクレオチド、項目112または114に記載のベクター、または項目115から118のいずれか一項に記載の宿主細胞と薬剤的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
(項目121)
FVIII/VWFダブルノックアウト(「DKO」)マウスにおける前記キメラタンパク質のFVIIIタンパク質の半減期が、VWF断片なしのキメラタンパク質のFVIIIタンパク質の半減期と比べて延長される、項目120のいずれか一項に記載の組成物。
(項目122)
前記FVIIIの半減期が、野生型FVIIIと比べて少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍、少なくとも約12倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍または少なくとも40倍長く延長される、項目120または121に記載の組成物。
(項目123)
第VIII因子の半減期が少なくとも6時間、少なくとも7時間少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも15時間、少なくとも約17時間、少なくとも約18時間、少なくとも約19時間、少なくとも約20時間、少なくとも約21時間、少なくとも約22時間、少なくとも約23時間、少なくとも約24時間、少なくとも約25時間、少なくとも約26時間、少なくとも約27時間、少なくとも約28時間、少なくとも約29時間、少なくとも約30時間、少なくとも約31時間、少なくとも約32時間、少なくとも約33時間、少なくとも約34時間、少なくとも約35時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約60時間、少なくとも約72時間、少なくとも約84時間、少なくとも約96時間または少なくとも約108時間である、項目120または122に記載の組成物。
(項目124)
局所性投与、眼内投与、非経口投与髄腔内投与硬膜下投与および経口投与からなる群より選択される経路で投与される、項目120から123のいずれか一項に記載の組成物。
(項目125)
前記非経口投与が静脈内または皮下投与である、項目124に記載の組成物。
(項目126)
治療を必要とする対象の出血性疾患または病状を治療するのに使用される、項目120から125のいずれか一項に記載の組成物。
(項目127)
前記出血性疾患または病状が、出血性血液凝固障害、関節血症、筋肉出血、口腔出血、出血、筋肉内への出血、口腔出血、外傷、頭部外傷、消化器系出血、脳内出血、腹腔内出血、胸腔内出血、骨折、中枢神経系出血、咽頭後隙内出血、腹膜後隙内出血、腸腰筋外筒(illiopsoassheath)内出血およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、
項目126に記載の組成物。
(項目128)
前記対象が、手術を受ける予定である、項目126または127に記載の組成物。
(項目129)
前記治療は予防的または応需的である、項目126または127のいずれか一項に記載の組成物。
(項目130)
項目1から108のいずれか一項に記載の前記キメラタンパク質、項目109から111のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチド、項目112から114のいずれか一項に記載の前記ベクター、項目115から119のいずれか一項に記載の前記宿主細胞または項目120から129のいずれか一項に記載の前記組成物の有効量を必要とする対象に加えることを含む、FVIIIタンパク質の内因性VWFとの相互作用を防止または阻害する方法であって、前記VWF断片は前記FVIIIタンパク質の内因性VWFとの相互作用を防止または阻害する、方法。
(項目131)
FVIIIタンパク質の半減期制限因子を除去または低減する方法であって、項目1から108のいずれか一項に記載の前記キメラタンパク質、項目109から111のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチド、項目112から114のいずれか一項に記載の前記ベクター、項目115から119のいずれか一項に記載の前記宿主細胞または項目120から129のいずれか一項に記載の前記組成物の有効量を加えることを含み、前記キメラタンパク質または前記ポリヌクレオチド、前記ベクターにコードされるかまたは前記宿主細胞により発現される前記キメラタンパク質は、前記FVIIIタンパク質の内因性VWFとの相互作用を防止または阻害する、方法。
(項目132)
FVIIIタンパク質の半減期を延長または増加する方法であって、項目1から108のいずれか一項に記載の前記キメラタンパク質、項目109から111のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチド、項目112から114のいずれか一項に記載の前記ベクター、項目115から119のいずれか一項に記載の前記宿主細胞または項目120から129のいずれか一項に記載の前記組成物の有効量を加えることを含み、前記キメラタンパク質の前記VWF断片は、前記FVIIIタンパク質の内因性VWFとの相互作用を防止または阻害する、方法。
(項目133)
FVIIIタンパク質の半減期が、野生型FVIIIよりも、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍または少なくとも約12倍長く延長される、項目132に記載の方法。
(項目134)
第VIII因子の半減期が、少なくとも約17時間、少なくとも約18時間、少なくとも約19時間、少なくとも約20時間、少なくとも約21時間、少なくとも約22時間、少なくとも約23時間、少なくとも約24時間、少なくとも約26時間、少なくとも約27時間、少なくとも約28時間、少なくとも約29時間、少なくとも約30時間、少なくとも約31時間、少なくとも約32時間、少なくとも約33時間、少なくとも約34時間、少なくとも約35時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約60時間、少なくとも約72時間、少なくとも約84時間、少なくとも約96時間または少なくとも約108時間である、項目133に記載の方法。
(項目135)
治療を必要とする対象における出血性疾患または病状を治療する方法であって、項目1から108のいずれか一項に記載の前記キメラタンパク質、項目109から111のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチド、項目112から114のいずれか一項に記載の前記ベクター、項目115から119のいずれか一項に記載の前記宿主細胞または項目120から129のいずれか一項に記載の前記組成物の有効量を前記対象に投与することを含み、前記出血性疾患または病状が、出血性血液凝固障害、関節血症、筋肉出血、口腔出血、出血、筋肉内への出血、口腔出血、外傷、頭部外傷、消化器系出血、脳内出血、腹腔内出血、胸腔内出血、骨折、中枢神経系出血、咽頭後隙内出血、腹膜後隙内出血、腸腰筋外筒(illiopsoassheath)内出血、およびそれらの任意の組合せからなる群
より選択される、方法。
(項目136)
前記治療が、予防的またはオンデマンド(応需的)である、項目135に記載の方法。(項目137)
前記有効量が、0.1μg/kgから500mg/kgである、項目130から136のいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
前記キメラタンパク質、前記ポリヌクレオチド、前記宿主細胞または前記組成物が、局所性投与、眼内投与、非経口投与、髄腔内投与、硬膜下投与および経口投与からなる群より選択される経路で投与される、項目130から137のいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
前記非経口投与が、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与および皮内投与からなる群より選択される、項目138に記載の方法。
(項目140)
前記対象がヒトである、項目130から139のいずれか一項に記載の方法。
(項目141)
前記対象が血友病A患者である、項目140に記載の方法。
(項目142)
キメラタンパク質を作製する方法であって、1または複数の宿主細胞を項目109から111のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチドまたは項目112から114のいずれか一項に記載の前記ベクターで形質移入し、前記宿主細胞内でVWF断片またはキメラタンパク質を発現させることを含む、方法。
(項目143)
前記ベクターが、プロセシング酵素をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、項目142に記載の方法。
(項目144)
前記プロセシング酵素がPACEである、項目143に記載の方法。
(項目145)
PACEが、前記VWF断片のD1D2ドメインを切断する、項目144に記載の方法。
(項目146)
1または複数の宿主細胞をVWFのD1ドメインとD2ドメインを発現するポリヌクレオチド配列で形質移入することをさらに含む、請求142および143に記載の方法。
(項目147)
項目1から108のいずれか一項に記載の前記キメラタンパク質を構築する方法であって、ソルターゼ酵素の存在下で共有結合により付加部分を前記FVIIIタンパク質に連結することを含む、方法。

図面の簡単な説明

0037

図1A〜Fは、VWFタンパク質の概略図である。図1Aは、配列番号73のアミノ酸1〜276(配列番号2のアミノ酸764〜1039)を含む2つのVWF断片を示す。VWF−001は、VWFのプレプロペプチド配列なしで合成されるが、VWF−009はプレ/プロペプチド配列(D1およびD2ドメイン)と共に合成される。VWF−009のプレペプチドは合成中に切断され、VWF−009はプロペプチドとD’およびD3ドメイン配列を含む。図1Bは、配列番号73のアミノ酸1〜477(配列番号2のアミノ酸764〜1240)を含む3つのVWF断片を示す。VWF−002は、プレ/プロペプチド配列なしで合成される。VWF−010はD’D3ドメインに加えてD1D2ドメインを含む。VWF−013は、配列番号72の残基336および379でシトシンと置き換わっているアラニン残基に加えて、D1D2D’D3ドメインを含む。図1Cは、D’D3ドメインとA1ドメインの一部分を含む2つのVWF断片を示す。VWF−003は、配列番号2のアミノ酸764〜1274を有する。VWF−011はD’D3ドメインに加えてD1D2ドメインを含む。図1Dは、VWF−004とVWF−012の2つのコンストラクトを示す。VWF−004は、D’D3ドメインと完全配列のA1ドメインを含む。VWF−012は、D1D2D’D3ドメインと完全配列のA1ドメインを含む。図1Eは3つのコンストラクトを示す。VWF−006は、VWFのD1D2D’D3ドメインとCKドメイン(システインノットドメイン)を含む。VWF−008は全長VWFである。VWF−031(VWF−Fc)は、切断可能リンカーで一本鎖Fc領域(asingle Fc region)に連結されたD1D2D’D3ドメインを含むコンストラクトを示す。VWF−053はD1D2ドメインである。図1Fは、プロペプチド(D1およびD2ドメイン)と成熟サブユニット(D’、D3、A1、A2、A3、D4、B1−3、C1−2ドメイン)を含む全長VWFタンパク質を示す。VWFタンパク質は約250kDaのタンパク質であり、ジスルフィド結合によりマルチマー(>20MDa)を形成する。VWFタンパク質は、非共有結合複合体としてFVIII(95〜98%)と結合し、プロテアーゼ切断/活性からのFVIIの保護、重鎖と軽鎖の安定化およびスカベンジャー受容体によるFVIII排除の防止により、FVIIの半減期の半減期を延長する。VWFタンパク質は、VWF受容体によるFVIII−VWF複合体の排除およびrFVIIIFcの飲作用再循環の防止により、FVIIIの半減期を制限することもできる。
図1A〜Fは、VWFタンパク質の概略図である。図1Aは、配列番号73のアミノ酸1〜276(配列番号2のアミノ酸764〜1039)を含む2つのVWF断片を示す。VWF−001は、VWFのプレ/プロペプチド配列なしで合成されるが、VWF−009はプレ/プロペプチド配列(D1およびD2ドメイン)と共に合成される。VWF−009のプレペプチドは合成中に切断され、VWF−009はプロペプチドとD’およびD3ドメイン配列を含む。図1Bは、配列番号73のアミノ酸1〜477(配列番号2のアミノ酸764〜1240)を含む3つのVWF断片を示す。VWF−002は、プレ/プロペプチド配列なしで合成される。VWF−010はD’D3ドメインに加えてD1D2ドメインを含む。VWF−013は、配列番号72の残基336および379でシトシンと置き換わっているアラニン残基に加えて、D1D2D’D3ドメインを含む。図1Cは、D’D3ドメインとA1ドメインの一部分を含む2つのVWF断片を示す。VWF−003は、配列番号2のアミノ酸764〜1274を有する。VWF−011はD’D3ドメインに加えてD1D2ドメインを含む。図1Dは、VWF−004とVWF−012の2つのコンストラクトを示す。VWF−004は、D’D3ドメインと完全配列のA1ドメインを含む。VWF−012は、D1D2D’D3ドメインと完全配列のA1ドメインを含む。図1Eは3つのコンストラクトを示す。VWF−006は、VWFのD1D2D’D3ドメインとCKドメイン(システインノットドメイン)を含む。VWF−008は全長VWFである。VWF−031(VWF−Fc)は、切断可能リンカーで一本鎖Fc領域(asingle Fc region)に連結されたD1D2D’D3ドメインを含むコンストラクトを示す。VWF−053はD1D2ドメインである。図1Fは、プロペプチド(D1およびD2ドメイン)と成熟サブユニット(D’、D3、A1、A2、A3、D4、B1−3、C1−2ドメイン)を含む全長VWFタンパク質を示す。VWFタンパク質は約250kDaのタンパク質であり、ジスルフィド結合によりマルチマー(>20MDa)を形成する。VWFタンパク質は、非共有結合複合体としてFVIII(95〜98%)と結合し、プロテアーゼ切断/活性からのFVIIの保護、重鎖と軽鎖の安定化およびスカベンジャー受容体によるFVIII排除の防止により、FVIIの半減期の半減期を延長する。VWFタンパク質は、VWF受容体によるFVIII−VWF複合体の排除およびrFVIIIFcの飲作用と再循環の防止により、FVIIIの半減期を制限することもできる。
VWF:FVIIIヘテロダイマーコンストラクトの例の概略図である。左側のコンストラクトは、全長VWFのD’D3ドメイン(配列番号73のアミノ酸1〜477)を有し、配列番号72の残基336と379のアラニン置換を含むVWF断片を示す。キメラタンパク質コンストラクト(FVIII064/065)は、リンカーで第1Fc領域に連結されたVWF断片のC末端を含み、FVIIIは第2Fc領域に連結され、第2Fc領域はリンカーでVWF断片のN末端にさらに連結されている(たとえば、式C−H1−L1−V−L2−H2、ここでVはVWF断片であり、CはFVIIIであり、H1とH2はFc領域であり、L1とL2は切断可能リンカーである)。図2bのコンストラクトは細胞内プロセスされたVWF:FVIIIヘテロダイマーコンストラクトであり、第2FcとVWF断片のN末端の間のリンカーは切断されている。FVIII−064は、VWFのD’D3ドメイン(C336AとC379が置換されている、配列番号73のアミノ酸1〜477)を含む。FVIII−065は、VWFのD’D3ドメイン(配列番号73のアミノ酸1〜276)を含む。FVIII−136は、細胞内プロテアーゼ酵素でプロセスされ得るリンカーでD’D3断片−Fcに連結されたFVIIIFcを含む。FVIII−136が発現すると、酵素は第2Fc(FVIII−LCに融合)とVWFD’D3断片(第1Fcに融合)の間のリンカーを切断し、FVIII−LCに融合(または連結)したFc領域はVWF断片に融合(連結)した第1Fcと共有結合(たとえば、ジスルフィド結合)を形成する。FVIII−148は、D’D3断片を有する一本鎖FVIIIFcである(R1645A/R1648A突然変異をFVIII遺伝子に導入することによる一本鎖FVIII)。
VWFとFcの間の様々なリンカーの例を含むVWF:FVIIIヘテロダイマーコンストラクトの例の概略図である。コンストラクト(FVIII−064、FVIII−159、FVIII−160、FVIII−178およびFVIII−179)は、式C−H1−L1−V−L2−H2で表される共通の構造を有するが、異なるリンカーまたはアミノ酸置換の例を含む。図示のコンストラクトは、同一のVWF断片、すなわちVWFのD’およびD3ドメイン(すなわち、アミノ酸C336AとC379Aが置換されている配列番号73のアミノ酸1〜477)を含む。コンストラクトFVIII64は、VWF断片とFc(すなわち、H2)の間に20アミノ酸を有するトロンビン切断可能リンカー(すなわち、L2)を有する。コンストラクトFVIII159は、VWF断片とFc(すなわち、H2)の間に35アミノ酸を有するトロンビン切断可能リンカー(すなわち、L2)を有する。コンストラクトFVIII160は、VWF断片とFc(すなわち、H2)の間に48アミノ酸を有するトロンビン切断可能リンカー(すなわち、L2)を有する。コンストラクトFVIII−180、FVIII−181およびFVIII−182は、それぞれK2092A突然変異をFVIIIC1ドメインに、K2093A突然変異をFVIIIC1ドメインに、K2092A/K2093A突然変異をFVIIIC1ドメインに含むFVIII−160の誘導体である。コンストラクトFVIII−178は、VWF断片とFc(すなわち、H2)の間に73アミノ酸を有するトロンビン切断可能リンカー(すなわち、L2)を有する。コンストラクトFVIII−179は、98アミノ酸を有するトロンビン切断可能リンカー(すなわち、L2)をVWF断片とFc(すなわち、H2)の間に有する。
FVIII−VWFコンストラクトの例の概略図であり、VWFはVWFのD1D2D’D3断片であり、リンカーは切断部位、たとえば、トロンビン切断部位を含む可変長のリンカーであり、SCFVIIIはR1645A/R1648A置換を含む一本鎖FVIIIであり、Hは異種部分、たとえばイムノグロブリン定常領域またはその一部分、ポリエチレングリコール(PEG)を複合体化する部分および/またはPEG、アルブミンまたはアルブミン断片、アルブミン結合部分、HPA配列、ポリシアル化部分および/またはポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)の部分および/またはHES、またはPAS配列などであり、HCFVIIIはFVIIIの重鎖であり、LCFVIIIはFVIIIの軽鎖であり、Fcはイムノグロブリン定常領域のFc領域である。図4Aは、VWF−リンカー−SCFVIIIの式を有する。図4Bは、VWF−リンカー−H−リンカー−SCFVIIIの式を有する。リンカー(VWFとHの間の第1リンカーおよびHとSCFVIIIの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Cは、VWF−リンカー−SCFVIII−リンカー−Hの式を有する。リンカー(VWFとSCFVIIIの間の第1リンカーおよびSCFVIIIとHの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Dは、VWF−リンカー−HCFVIII−H−リンカー−LCFVIIIの式を有する。リンカー(VWFとHCFVIIIの間の第1リンカーおよびHとLCFVIIIの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Eは、HCFVIII−H−LCFVIII−リンカー−第1Fc−リンカー−VWF−リンカー−第2Fcの式を有する。リンカー(LCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびVWFと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。リンカーは切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。図4Fは、HCFVIII−H−LCFVIII−リンカー−第1Fc−リンカー−VWF−リンカー−第2Fcの式を有する。リンカー(LCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびVWFと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。1または複数のリンカーが切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。図4Gは、SCFVIII−リンカー−Fc−リンカー−VWF−H−リンカー−Fcの式を有する。図4Hは、ペグ化またはヘシル化(Hesylated)SCFVIII−リンカー−Fc−リンカー−VWF−H−リンカー−Fcの式を有する。リンカー(SCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびHと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。1または複数のリンカーが切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。
FVIII−VWFコンストラクトの例の概略図であり、VWFはVWFのD1D2D’D3断片であり、リンカーは切断部位、たとえば、トロンビン切断部位を含む可変長のリンカーであり、SCFVIIIはR1645A/R1648A置換を含む一本鎖FVIIIであり、Hは異種部分、たとえばイムノグロブリン定常領域またはその一部分、ポリエチレングリコール(PEG)を複合体化する部分および/またはPEG、アルブミンまたはアルブミン断片、アルブミン結合部分、HPA配列、ポリシアル化部分および/またはポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)の部分および/またはHES、またはPAS配列などであり、HCFVIIIはFVIIIの重鎖であり、LCFVIIIはFVIIIの軽鎖であり、Fcはイムノグロブリン定常領域のFc領域である。図4Aは、VWF−リンカー−SCFVIIIの式を有する。図4Bは、VWF−リンカー−H−リンカー−SCFVIIIの式を有する。リンカー(VWFとHの間の第1リンカーおよびHとSCFVIIIの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Cは、VWF−リンカー−SCFVIII−リンカー−Hの式を有する。リンカー(VWFとSCFVIIIの間の第1リンカーおよびSCFVIIIとHの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Dは、VWF−リンカー−HCFVIII−H−リンカー−LCFVIIIの式を有する。リンカー(VWFとHCFVIIIの間の第1リンカーおよびHとLCFVIIIの間の第2リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。図4Eは、HCFVIII−H−LCFVIII−リンカー−第1Fc−リンカー−VWF−リンカー−第2Fcの式を有する。リンカー(LCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびVWFと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。リンカーは切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。図4Fは、HCFVIII−H−LCFVIII−リンカー−第1Fc−リンカー−VWF−リンカー−第2Fcの式を有する。リンカー(LCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびVWFと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。1または複数のリンカーが切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。図4Gは、SCFVIII−リンカー−Fc−リンカー−VWF−H−リンカー−Fcの式を有する。図4Hは、ペグ化またはヘシル化(Hesylated)SCFVIII−リンカー−Fc−リンカー−VWF−H−リンカー−Fcの式を有する。リンカー(SCFVIIIと第1Fcの間の第1リンカー、第1FcとVWFの間の第2リンカーおよびHと第2Fcの間の第3リンカー)は、同一でも異なっていてもよい。1または複数のリンカーが切断可能リンカーであり得る。たとえば、第1FcとVWFの間のリンカーは、そのリンカーのN末端および/またはC末端に切断部位を含む切断可能リンカーであり得る。第1Fcと第2Fcは同一でも異なっていてもよい。
FVIII−VWFヘテロダイマー同時形質移入系の概略図である。コンストラクトFVIII−155は、Fc領域に連結した全長FVIII配列(アラニン残基がアルギニン残基と1645と1648で置き換わっている)を含む。VWF−031は、トロンビン切断可能リンカーで別のFc領域に連結されているD1D2D’D3断片(アラニン残基がシステイン残基と336と379で置き換わっている)を含む。細胞内プロセシング後、コンストラクトFVIII−155は、一方のFc断片に融合された全長一本鎖FVIII(SCFVIII)を産生し、コンストラクトVWF−031は、他方のFc断片に連結された477アミノ酸D’D3断片を産生する。SCFVIIIまたはD’D3断片に連結されたFc断片の間に2つの共有結合が形成され得、それによって、所望の最終生成物の主な特徴であるFVIIIとD’D3の共有結合が可能になる。
図6はVWF−009の非還元および還元SDS PAGE(D1D2D’D3 1−276アミノ酸×6HIS)であり、VWF−009がモノマーとして存在することを示す。プロセスなしは、プロペプチド(D1D2ドメイン)を有するVVF−009を意味する。
図7は、VWF−002(D’D3 1−477アミノ酸×6his)またはVWF−010(D1D2D’D3 1−477アミノ酸×6his)の非還元および還元SDS PAGEであり、VWF−002がモノマーとして存在し、VWF−010がダイマーとして存在するのを示す。
図2(b)に示されるFVIII−VWFヘテロダイマーのトロンビン消化を示す。レーン1はマーカーを示す。レーン2はトロンビンなしのrFVIII−Fcである。レーン3はrFVIII−Fcとトロンビンである。レーン5はFVIIIFc−VWFである。レーン6はFVIIIFc−VWFとトロンビンを示す。A1はFVIIIのA1ドメインを指し、A2はFVIIIのA2ドメインを指し、Δa3LCはFVIIIの軽鎖を指す。
図9A、Bは、FVIII比アッセイで測定したFVIII活性を示す。図9Aは、HemAマウスにおけるrFVIIIとrFVIIIFcの薬物動態プロファイルを示す。図9Bは、FVIII/VWFダブルノックアウト(DKO)マウスにおけるrFVIIIとrFVIIIFcの薬物動態プロファイルを示す。Y軸はFVIII活性をmIU/mLで示し、X軸は時間を示す。
プラスミド注射48時間後のmFVIII血漿レベル(mIU/mL)およびVWF発現レベル(nM/mL)で示されるD’D3断片によるFVIII保護を示す。FVIII保護に用いられるVWF断片は、VWF−001(276アミノ酸、モノマー)、VWF−009(276アミノ酸、モノマー)、VWF−002(477アミノ酸、モノマー)、VWF−010(477アミノ酸、ダイマー)、VWF−003(511アミノ酸、モノマー)、VWF−011(511アミノ酸、ダイマー)、VWF−004(716アミノ酸、モノマー)、VWF−012(716アミノ酸、ダイマー)、VWF−006およびVWF−008である。
同上
FVIII−VWF DKOマウスにおけるD’D3断片と共投与した場合のrBDD−FVIIIの薬物動態プロファイルを示す。図11Aは、FVIII/VWF DKOマウスにおけるrBDD−FVIIIとVWF−002、またはrBDD−FVIIIとVWF−010の共投与、またはrBDD−FVIII単独投与後のFVIII比色アッセイで測定されたFVIII活性(mIU/mL)を示す。図11Bは、投与後のVWF−002とVWF−010の血漿レベル(ng/mL)を示す。X軸は、時間を時間で表す。
VWFD’D3発現マウスにおけるrFVIIIFcの薬物動態プロファイルを示す。図12Aは、プラスミドDNAをコードするD’D3ドメインの水圧注入(HDI)(−5日目)、rFVIIIFcの静脈内投与(0日目)、および薬物動態試料回収(0日目〜3日目)の時間軸を示す。図12Bは、D1D2D’D3ドメイン(477アミノ酸)のHDIを受けたFVIII/VWF DKOマウス(円)とシステイン置換を有するD1D2D’D3ドメイン(477アミノ酸)のHDIを受けたFVIII/VWF DKOマウス(矩形)の比色アッセイで測定されたrFVIIIFc注射後の血漿FVIII活性(mIU/mL)を示す。D’D3ドメインのHDIを受けなかった対照マウスのFVIII活性を三角形で示す。図10Cは、D1D2D’D3ダイマーまたはD1D2D’D3モノマーDNAコンストラクトのHDI投与後のD’D3血漿レベル(ng/mL)を示す。X軸は、時間を時間で表す。
FVIII/VWFDKOマウスにおけるHDIによるD’D3−Fcリンカー選択を示す。異なる長さのリンカー(20アミノ酸(FVIII−064)、35アミノ酸(FVIII−159)または48アミノ酸(FVIII−160))D’D3ドメインとFc領域の間に挿入した。FVIII/VWF DKOマウスのHDI後FVIII比色アッセイでFVIII活性(mIU/ml)を測定した。
FVIII/VWFDKOマウスにおける一本鎖FVIIIFc/D’D3ヘテロダイマーのHDIを示す。プロセスされた(二本鎖)rFVIIIFc−D’D3(pSYN−FVIII−136)および一本鎖rFVIIIFc−D’D3(pSYN−FVIII−148)のFVIII活性をHDIの24時間後および48時間後測定した。
Octetアッセイによる固定化hVWFに対するFVIII−155/VWF−031ヘテロダイマーの結合親和性を示す図である。FVIIIFc、FVIIIおよびIgG対照としても使用された。x軸は時間を秒で示し、y軸は結合をナノメートル(nm)で示す。
FVIII/VWF欠乏(FVIII/VWF DKO)マウスにおけるFVIII−155/VWF−031薬物動態を示す図である。x軸は、時間を時間で示し、y軸はFVIIIのインプットに対する回収パーセントで示す。
VWF断片コンストラクトの例の概略図であり、VWFはVWFのD1D2D’D3断片であり、リンカーは切断部位、たとえば、トロンビン切断部位を含む可変長のリンカーであり、Hは異種部分、たとえばイムノグロブリン定常領域またはその一部分、ポリエチレングリコール(PEG)を複合体化する部分および/またはPEG、アルブミンまたはアルブミン断片、アルブミン結合部分、HAP配列、ポリシアル化部分および/またはポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)の部分および/またはHES、またはPAS配列などであり、FcはイムノグロブリンのFc領域である。図17Aは、D1D2−D’部分(partial)D3−H−部分D3−リンカー−Fcの式を有する。図17Bは、D1D2−部分D’−H−部分D’D3−リカー−Fcの式を有する。図17Cは、D1D2−ペグ化またはヘシル化(Hesylated)D’D3−リンカー−Fcの式を有する。リンカーは随意に切断され得る。
FVIIIFcがHemA(ひし形)およびDKO(正方形)血漿の両方で経時的にFVIII活性を失うのを示す。FVIII活性は、比色アッセイで測定される。X軸は時間を時間で示し、y軸は相対的な活性を示す。
FVIII活性の喪失が、重鎖(HC)の解離または分解によることを示す。左側のパネルバイオラッド4〜15%ゲルヒツジ抗FVIIIポリクローナル抗体を用いての免疫沈降アッセイを示す。ゲルは還元され、バイオラッドシステムで画像化される。レーン1はバイオラッド未染色マーカーを示し、レーン2はFVIIIFcとPBSを示し、レーン3はFVIIIFcとDKO血漿を示し、レーン5はヒツジ抗FVIIIポリクローナル抗体のみを示す。右側のパネルはFVIII抗重鎖抗体GMA012)を用いてのゲルのウェスタン分析を示す。レーン1はバイオラッド未染色マーカーを示し、レーン2はFVIIIFcとPBSを示し、レーン3はFVIIIFcとDKO血漿を示し、レーン4はヒツジ抗FVIIIポリクローナル抗体のみを示す。
比色アッセイによるDKOマウス血漿(左側パネル)およびHemAマウス血漿(右側パネル)における時間関数としての野生型FVIIIFc(円)、scFVIIIFc(一本鎖FVIII)(黒三角形)またはFVIII:VWFヘテロダイマー(たとえば、FVIII155/VWF31)(白三角形)のFVIII活性を示す。Y軸は、相対的なFVIII活性を示す。野生型FVIIIFcは、FVIIIの二本鎖(すなわち、FVIII重鎖とFVIII軽鎖が非共有結合的に一緒に保持されている)を含むので、FVIII重鎖、Fcと融合したFVIII軽鎖およびFcのみの3本の鎖を有する。ScFVIIIFcは、FVIII一本鎖を含むので、Fcと融合した一本鎖FVIIIの1本と、Fcのみの1本の2本の鎖を有する。FVIII:VWFヘテロダイマー(たとえば、FVIII155/VWF031)は、Fcと融合した一本鎖FVIIIと、Fcと融合したVWF断片(D’D3)を含む。
異なる濃度のPC5またはPACE(フーリン)によるVWF断片(たとえば、VWF−031(D1D2D’D3Fc))のD1D2ドメインのプロセシングを示す。D1D2プロセシングはバイオラッドイメージャーにより還元条件でバイオラッド4〜15%ゲル上に示される。レーン1はVWF031のみを示し、レーン2はPC5のみを示し、レーン3はPACEのみを示し、レーン4はVWF031と2.5%PC5を示し、レーン5はVWF031と5%PC5を示し、レーン6はVWF031と7.5%PC5を示し、レーン7はVWF031と10%PC5を示し、レーン8はVWF031と2.5%PACEを示し、レーン9はVWF031と5%PACEを示し、レーン10は7.5%VWF031を示し、レーン11はVWF031と10%PACEを示す。
ForteBio octet装置によるFVIII:VWFヘテロダイマー(たとえば、FVIII−155/VWF−031)結合アッセイを示す。アッセイでは、APSセンサーを用いて全長VWFを捕捉した。全長VWFへのFVIIIFcとFVIIIの結合を左下のパネルに示す。FVIIIY1680(VWFに親和性のないミュータント)とFVIII:VWFヘテロダイマー(FVIII155/VWF031)が結合しないことが右下のパネルに示されている。
FVIII:VWFヘテロダイマー(たとえば、FVIII−155/VWF−031)の別の結合アッセイを示す。このアッセイでは、コンストラクト(VWF031コンストラクト、FVIII−155/VWF031またはFVIII)がプロテインGセンサー上に固定化された。コンストラクトとFVIIIの結合が測定された。
表面プラスマ共鳴(surface plasma resonance)実験で測定されたVWF D’D3ドメインとFVIII分子の結合親和性を示す。VWF031コンストラクト(100RU)は1000RU抗ヒトIgGにより補足された。Bドメイン欠失FVIIIは、1:1適合(fit)の単回動態モードに当てはめられた。全数は4であった。
FVIII/VWF DKOマウスに投与された場合のFVIIIFc/VWFヘテロダイマーコンストラクトの異なるリンカー長が薬物動態に及ぼす影響を示す。3つの異なるリンカー(48アミノ酸、73アミノ酸または98アミノ酸)をD’D3とFcの間に挿入した、すなわちVWF031、VWF035およびVWF036である。5分値(%)に標準化したFVIII活性をY軸に示す。
VWF断片とFVIIIのソルターゼ連結の例を示す。図24A)は、(1)C末端でソルターゼ認識モチーフ(たとえば、LPXTG)と融合したVWF断片および(2)N末端にグリシン(n)を有するFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、VWF断片とソルターゼ認識モチーフはFVIIIのN末端に連結する。図24B)は、(1)C末端でソルターゼ認識モチーフと融合したFVIIIおよび(2)N末端にグリシン(n)を有するVWF断片の、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、FVIIIとソルターゼ認識モチーフはVWF断片のN末端でVWF断片に連結する。図24C)は、(1)可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合したVWF断片および(2)N末端でグリシン(n)と融合したFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合されたVWFはFVIIIのN末端に連結する。図24D)は、(1)可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合したFVIIIおよび(2)N末端でグリシン(n)と融合したFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合されたFVIIIはVWF断片のN末端に連結する。図24E)は、可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフに融合されたVWF断片を含む連結コンストラクトを示し、ここでソルターゼ認識モチーフもまた、可変長リンカーによりFcに融合されたプロテアーゼ切断部位(たとえば,トロンビン切断部位)に融合されている。
VWF断片とFVIIIのソルターゼ連結の例を示す。図24A)は、(1)C末端でソルターゼ認識モチーフ(たとえば、LPXTG)と融合したVWF断片および(2)N末端にグリシン(n)を有するFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、VWF断片とソルターゼ認識モチーフはFVIIIのN末端に連結する。図24B)は、(1)C末端でソルターゼ認識モチーフと融合したFVIIIおよび(2)N末端にグリシン(n)を有するVWF断片の、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、FVIIIとソルターゼ認識モチーフはVWF断片のN末端でVWF断片に連結する。図24C)は、(1)可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合したVWF断片および(2)N末端でグリシン(n)と融合したFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合されたVWFはFVIIIのN末端に連結する。図24D)は、(1)可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合したFVIIIおよび(2)N末端でグリシン(n)と融合したFVIIIの、2つの連結コンストラクトを示す。ソルターゼと反応後、リンカーによりソルターゼ認識モチーフと融合されたFVIIIはVWF断片のN末端に連結する。図24E)は、可変長リンカーによりソルターゼ認識モチーフに融合されたVWF断片を含む連結コンストラクトを示し、ここでソルターゼ認識モチーフもまた、可変長リンカーによりFcに融合されたプロテアーゼ切断部位(たとえば,トロンビン切断部位)に融合されている。
FVIII155とFVIII198の概略的比較を示す。FVIII155は一本鎖FVIIIFcをコードする。FVIII198は一本鎖FVIIIFc分子226N6を含む部分Bドメインである。226は、FVIII BドメインのN末端の226アミノ酸を表し、N6はBドメインの6つのNグリコシル化部位を表す。
図26A)はDKO血漿中のFVIII155とFVIII198の相対的活性を時間関数として測定した安定性アッセイを示す。図からわかるように、FVIII198中の部分Bドメインの存在により、FVIII155と比較して一本鎖FVIIIFcの安定性が増大した;図26B)は、DKOマウスにおけるFVIII198、FVIII155および二本鎖(dcFVIIIFc)の半減期の比較を示す。図からわかるように、一本鎖FVIII(FVIII155)の半減期は、二本鎖FVIIIの1.5倍であった。266N6 Bドメイン(FVIII198)を有する一本鎖FVIIIの半減期は、さらに1.5倍増加した。グラフは、時間関数としてのFVIIIの5分値に対する回収(%)を示す。

0038

定義
ある実体先行する「a」または「an」という用語は、その実体の1または複数を指し、たとえば、「aヌクレオチド配列」は、1または複数のヌクレオチド配列を表すものと理解される。したがって、「a(またはan)」、「1または複数」および「少なくとも1」は、本明細書では交換可能に使用され得る。

0039

「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語は、単数形ならびに複数形の核酸包含するものとし、単離された核酸分子またはコンストラクト、たとえばメッセンジャーRNAmRNA)やプラスミドDNA(pDNA)を指す。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、一般的なホスホジエステル結合または非一般的な結合(たとえば、ペプチド核酸(PNA)中に見出されるようなアミド結合)を含む。「核酸」という用語は、ポリヌクレオチド中に存在する任意の1または複数の核酸セグメント、たとえばDNAまたはRNA断片を指す。「単離された」核酸またはポリヌクレオチドは、天然環境から取り除かれた核酸分子、DNAまたはRNAとする。たとえば、ベクターに含まれる第VIII因子ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、本発明の目的のために単離されたと考えられる。単離ポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種宿主細胞内で維持されるか、または溶液中の他のポリヌクレオチドから(部分的または実質的に)精製される組換えポリヌクレオチドが含まれる。単離RNA分子は、インビボまたはインビトロで本発明のポリヌクレオチドのRNA転写物を含む。本発明による単離ポリヌクレオチドまたは核酸は、合成された分子をさらに含む。さらに、ポリヌクレオチドまたは核酸は、プロモーター、エンハンサーリボソーム結合部位または転写終了シグナルなどの調節因子を含み得る。

0040

本明細書では、「コード領域」または「コード配列」は、アミノ酸に翻訳可能コドンからなるポリヌクレオチドの一部分である。「終始コドン」(TAG、TGAまたはTAA)は典型的にはアミノ酸に翻訳されないがコード領域の一部とされるのに対し、いかなる隣接配列、たとえばプロモーター、リボソーム結合部位、転写終結区イントロンなどもコード領域の一部ではない。コード領域の境界は、典型的には、得られたポリペプチドのアミノ末端をコードする5’末端スタートコドンと、得られたポリペプチドのカルボキシル末端をコードする3’末端により決定される。本発明の2つ以上のコード領域が、1つのポリヌクレオチドコンストラクトに、たとえば1つのベクター上に、または別のポリヌクレオチドコンストラクトに、たとえば別の(異なる)ベクター上に存在し得る。したがって、1つのベクターはコード領域を1つだけ含んでも、または2つ以上のコード領域を含んでもよく、たとえば以下に記載するように、1つのベクターが結合ドメイン−Aと結合ドメイン−Bを別々にコードできる、ということになる。さらに、本発明のベクター、ポリヌクレオチドまたは核酸は、本発明の結合ドメインをコードする核酸に融合した、または融合していない異種コード領域をコードし得る。異種コード領域は、限定ではないが、分泌シグナルペプチドまたは異種機能ドメインなどの特化した因子またはモチーフを含む。

0041

哺乳動物細胞が分泌する、ある特定のタンパク質は、粗面小胞体全体に伸長するタンパク質鎖輸出が開始されると成熟タンパク質から切断される分泌シグナルペプチドと関連付けられる。当業者であれば、シグナルペプチドは一般にポリペプチドのN末端に融合され、完全または「全長」ポリペプチドから切断されて分泌または「成熟」型のポリペプチドを産生することがわかる。ある特定の実施形態では、ネイティブのシグナルペプチド、たとえばイムノグロブリン重鎖または軽鎖シグナルペプチドが使用されるか、またはそれと機能的に結合しているポリペプチドの分泌を指示する能力を保持するその配列の機能的誘導体が使用される。あるいは、異種哺乳動物シグナルペプチド、たとえばヒト組織プラスミノーゲン活性化因子TPA)またはマウスβ−グルクロニダーゼシグナルペプチドまたはその機能的誘導体が使用され得る。

0042

「下流」という用語は、基準ヌクレオチド配列の3’側に配置されているヌクレオチド配列を指す。ある特定の実施形態では、下流ヌクレオチド配列は、転写開始点に続く配列に関する。たとえば、遺伝子の翻訳開始コドン転写開始部位の下流に位置する。

0043

上流」という用語は、基準ヌクレオチド配列の5’側に配置されているヌクレオチド配列を指す。ある特定の実施形態では、上流ヌクレオチド配列は、コード領域の5’側に配置された配列または転写開始点に続く配列に関する。たとえば、ほとんどのプロモーターは転写開始部位の上流に位置する。

0044

本明細書では、「調節領域」という用語は、関連のコード領域の転写RNAプロセシング、安定性または翻訳に影響する、コード領域の上流(5’非翻訳配列)、内部、または下流(3’非翻訳配列)に配置されたヌクレオチド配列を指す。調節領域は、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化識別配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステムループ構造を含み得る。コード領域が真核生物細胞内で発現することが意図される場合、ポリアデニル化シグナル転写終結配列は通常はコード配列の3’側に配置される。

0045

遺伝子産物、たとえばポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、1または複数のコード領域に機能的に結合するプロモーターおよび/または他の転写または翻訳制御因子を含み得る。機能的結合では、遺伝子産物、たとえばポリペプチドのコード領域が、調節領域(複数可)の影響または制御下で遺伝子産物が発現するように、1または複数の調節領域と結合している。たとえば、コード領域とプロモーターは、プロモーター機能の誘導により、該コード領域にコードされる遺伝子産物をコードするmRNAの転写がもたらされるならば、および、プロモーターとコード領域の間の連結の性質が、プロモーターが該遺伝子産物の発現を指令する能力を阻害しなければ、またはDNA鋳型が転写される能力を阻害しなければ、「機能的に結合」している。プロモーターを除く他の転写制御因子、たとえばエンハンサー、オペレーターリプレッサーおよび転写終結シグナルも、コード領域と機能的に連結して遺伝子産物の発現を指令できる。

0046

さまざまな転写制御領域が当業者には既知である。これらには、限定ではないが、脊椎動物細胞で機能する転写制御領域、たとえば限定ではないが、サイトメガロウイルス類(イントロンAとつながった最初期プロモーター)、サルウイルス40(初期プロモーター)およびレトロウイルス類(たとえばラウス肉腫ウイルス由来のプロモーターおよびエンハンサーセグメントが含まれる。他の転写制御領域は、アクチン熱ショックタンパク質ウシ成長ホルモンおよびウサギβグロブリンなど脊椎動物遺伝子由来のもの、ならびに真核生物細胞における遺伝子発現を制御できる他の配列を含む。追加の適切な転写制御領域は、組織特異的プロモーターおよびエンハンサー、ならびにリンホカイン誘導プロモーター(たとえば、インターフェロンまたはインターロイキンにより誘導されるプロモーター)を含む。

0047

同様に、さまざまな翻訳制御因子が当業者には既知である。これらは、限定ではないが、リボソーム結合部位、翻訳開始および終結コドン、およびピコルナウイルス類由来の因子(特に配列内リボソーム進入部位すなわちIRES、CITE配列とも呼ばれる)を含む。

0048

本明細書では、「発現」という用語は、ポリヌクレオチドが遺伝子産物、たとえばRNAまたはポリペプチドを産生する過程を指す。発現は、限定ではないが、ポリヌクレオチドのメッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNAtRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)またはその他任意のRNA産物への転写、およびmRNAのポリペプチドへの翻訳を含む。発現により「遺伝子産物」が産生される。本明細書では、遺伝子産物は、核酸、たとえば遺伝子の転写により産生されたメッセンジャーRNA、または転写物から翻訳されたポリペプチドのいずれかであり得る。本明細書に記載される遺伝子産物は、たとえばポリアデニル化またはスプライシングなどの転写後修飾された核酸、またはたとえばメチル化、グリコシル化、脂質添加、他のタンパク質サブユニットとの結合、またはタンパク質切断などの翻訳後修飾されたポリペプチドをさらに含む。

0049

「ベクター」は核酸を宿主細胞にクローニングおよび/または移入するための任意のビヒクルを指す。ベクターは、別の核酸セグメントを付着させて、付着したセグメントの複製を生じさせ得るレプリコンであり得る。「レプリコン」は、インビボで複製の自律単位として機能する、すなわち、それ自体の制御下での複製が可能な、任意の遺伝因子(たとえばプラスミド、ファージコスミド染色体、ウイルス)を指す。「ベクター」という用語は、インビトロ、エックスビボまたはインビボで核酸を細胞に導入するウイルスビヒクルおよび非ウイルスビヒクルの両方を含む。たとえば、プラスミド、修飾真核生物ウイルスまたは修飾細菌ウイルスを含む多数のベクターが当技術分野では知られ使用されている。適切なベクターへのポリヌクレオチドの挿入は、適当なポリヌクレオチド断片相補的付着末端を有する選択されたベクターに結合させることで達成され得る。

0050

ベクターは、ベクターを組み込まれた細胞の選択または特定を可能にする選択マーカーまたはレポーターをコードするように操作され得る。選択マーカーまたはレポーターの発現により、ベクターに含まれる他のコード領域を組込み発現する宿主細胞の特定および/または選択が可能になる。当技術分野で知られ使用されている選択マーカー遺伝子の例としては、次のものが挙げられる:アンピリシン、ストレプトマイシンゲンタマイシンカナマイシンハイグロマイシンビアラホス除草剤スルホンアミドなどの耐性を与える遺伝子ならびに;表現型マーカーとして使用される遺伝子、すなわちアントシアニン調節遺伝子イソペンタニルトランスフェラーゼ遺伝子など。当技術分野で知られ使用されているレポーターの例としては、次のものが挙げられる:ルシフェラーゼ(Luc)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼCAT)−ガラクトシダーゼ(LacZ)、−グルクロニダーゼ(Gus)など。選択マーカーはレポーターとも見なされ得る。

0051

「プラスミド」という用語は、細胞の中央代謝の一部ではない遺伝子をしばしば担持し、通常は環状二本鎖DNA分子の形態をとる染色体外因子を指す。そのような因子は、任意の供給源に由来する、選択された遺伝子産物を得るための適当な3’非翻訳配列と共にプロモーター断片およびDNA配列を細胞内に導入することができる、多くのヌクレオチド配列が連結または組換えされたユニークな構成になっている、一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはRNAの自律複製配列ゲノム組込み配列、ファージもしくはヌクレオチド配列、線状、環状もしくは高次コイル状であり得る。

0052

使用され得る真核生物ウイルスベクターは、限定ではないが、アデノウイルスベクターレトロウイルスベクターアデノ随伴ウイルスベクターポックスウイルス、たとえば、ワクチニアウイルスベクター、バキュロウイルスベクターまたはヘルペスウイルスベクターを含む。非ウイルスベクターは、プラスミド、リポソーム帯電脂質(サイトフェクチン)、DNA−タンパク質複合体および生体高分子を含む。

0053

クローニングベクター」は、たとえばプラスミド、ファージまたはコスミドなどの、別の核酸セグメントを付着させて付着したセグメントの複製を可能にする、複製開始点を含み連続的に(sequentially)複製する核酸の単位長さである「レプリコン」を指す。特定のクローニングベクターは、一細胞タイプで複製が可能な、たとえば細菌であり、別の、たとえば真核生物細胞で発現が可能である。クローニングベクターは、典型的には、目的の核酸配列を挿入するためのベクターおよび/または1もしくは複数の多重クローニング部位を含む細胞の選択に使用され得る1または複数の配列を含む。

0054

発現ベクター」という用語は、宿主細胞に挿入された核酸配列が挿入後発現できるように設計されたビヒクルを指す。挿入された核酸配列は、上述のように、調節領域に機能的に結合して配置される。

0055

ベクターは、当技術分野で既知の方法、たとえば、形質移入、電気穿孔微量注入、形質移入、細胞融合DEAEデキストランリン酸カルシウム沈殿リポフェクションリソソーム融合)、遺伝子銃またはDNAベクタートランスポーターの使用により、宿主細胞に挿入される。

0056

「培養」「培養する」「培養すること」は、本発明では、細胞成長または分割を可能にするインビトロ条件下で細胞をインキュベートすることかまたは細胞が生きている状態を維持することを意味する。本発明では、「培養された細胞」は、インビトロで増殖された細胞を意味する。

0057

本明細書では、「ポリペプチド」は、1個の「ポリペプチド」ならびに複数の「ポリペプチド」を包含するものとし、アミノ結合(ペプチド結合としても知られる)で線状に連結されたモノマー(アミノ酸)でできた分子を指す。「ポリペプチド」という用語は、任意のアミノ酸の鎖または2つ以上のアミノ酸の鎖を指し、生成物の特定の長さは意味しない。したがって、ペプチド、ジペプチドトリペプチドオリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」またはその他本明細書でアミノ酸の鎖または2つ以上のアミノ酸の鎖を指して使用される用語は、「ポリペプチド」の定義に含まれ、「ポリペプチド」という用語はこれらのすべての用語の代わりに、または交換可能に使用され得る。「ポリペプチド」という用語は、グリコシル化、アセチル化リン酸化アミド化、既知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質切断、または非天然アミノ酸による修飾を含むがそれらに限定はされない発現後修飾をされたポリペプチドの生成物も指すものとする。ポリペプチドは、天然生体供給源由来または組換え技術により産生され得るが、必ずしも指定の核酸配列から翻訳されない。化学合成を含むあらゆる方法で生成され得る。

0058

「単離された」ポリペプチドまたはその断片、バリアントまたは誘導体は、その自然な環境には存在していないポリペプチドを指す。特定の精製レベルは要求されない。たとえば、単離されたポリペプチドは、その未変性または自然の環境から単純に取り除かれ得る。宿主細胞内で発現した組換え産生されたポリペプチドやタンパク質は、任意適切な手法で分離され、分画され、または部分的もしくは実質的に精製された未変性または組換えポリペプチドと同様に、本発明の目的で単離されたとみなされる。

0059

本発明には、ポリペプチドの断片またはバリアント、およびそれらの任意の組合せも含まれる。「断片」または「バリアント」という用語は、本発明のポリペプチド結合ドメインまたは結合分子に言及するとき、基準ポリペプチドの少なくとも一部の特徴(たとえば、FcRn結合ドメインまたはFcバリアントとのFcRn結合親和性、FVIIIバリアントの凝固活性またはVWF断片のFVIII結合活性)を保持するあらゆるポリペプチドを含む。ポリペプチドの断片は、本明細書で別途記載の特異的抗体断片に加えてタンパク質分解断片ならびに欠失断片を含むが、天然の全長ポリペプチド(または成熟ポリペプチド)は含まない。本発明のポリペプチド結合ドメインまたは結合分子のバリアントは、上述の断片を含み、アミノ酸置換、欠失または挿入により改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。天然バリアントでも非天然バリアントでもよい。非天然バリアントは、当技術分野で既知の変異誘発技法を用いて産生され得る。バリアントポリペプチドは、保存的または非保存的アミノ酸の置換、欠失または付加を含み得る。

0060

本明細書で使用される「VWF断片(単数または複数)」は、FVIIIと相互作用し、FVIIIが通常全長VWFにより与えられる特性、たとえば、FVIIIaに対する早発活性化の防止、早期タンパク質分解の防止、早期排除をもたらし得るリン脂質膜との結合の防止、VWFに結合したFVIIIではなくのFVIIIを結合し得るFVIII排除レセプターとの結合の防止および/またはFVIII重鎖と軽鎖相互作用の安定化を少なくとも1または複数保持する、あらゆるVWF断片を意味する。本明細書では、「VWF断片」という用語は、全長または成熟VWFタンパク質を含まない。特定の実施形態では、本明細書では、「VWF断片」はVWFタンパク質のD’ドメインとD3ドメインを含むが、VWFタンパク質のA1ドメイン、A2ドメイン、A3ドメイン、D4ドメイン、B1ドメイン、B2ドメイン、B3ドメイン、C1ドメイン、C2ドメインおよびCKドメインは含まない。

0061

「半減期制限因子」または「FVIII半減期制限因子」は、本明細書では、FVIIIタンパク質の半減期が野生型FVIIIよりも1.5倍または2倍を超えて延長されないようにする因子を意味する(たとえば、ADVATE(登録商標)またはREFACTO(登録商標))。たとえば、全長または成熟VWFは、FVIIIとVWFの複合体が1または複数のVWF排除経路により系から排除されるのを誘導することで、FVIII半減期制限因子として作用し得る。一例では、内因性VWFは、FVIII半減期制限因子である。別の例では、FVIIIタンパク質に非共有結合的に結合した全長組換えVWF分子はFVIII半減期制限因子である。

0062

本明細書では、「内因性VWF」という用語は、血漿中に自然に存在するVWF分子を意味する。内因性VWF分子はマルチマーであり得るが、モノマーまたはダイマーでもあり得る。血漿中の内因性VWFは、FVIIIに結合してFVIIIと非共有結合複合体を形成する。

0063

保存的アミノ酸置換」では、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されている。塩基性側鎖(たとえば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(たとえば、アスパラギン酸グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(たとえば、グリシン、アスパラギングルタミンセリンスレオニンチロシン、システイン)、非極性側鎖(たとえば、アラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニンメチオニントリプトファン)、β分岐側鎖(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、類似の側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーが当技術分野で定義されている。したがって、ポリペプチド中のアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸で置き換えられている場合、その置換は保存的とみなされる。別の実施形態では、一連なりのアミノ酸は、側鎖ファミリーメンバーの順および/または組成が異なる構造的に類似の一連なりで保存的に置換され得る。

0064

当技術分野で知られるように、2つのポリペプチド間の「配列同一性」は、第1ポリペプチドのアミノ酸配列を第2ポリペプチドの配列と比較することで決定される。本明細書では、限定ではないがBESTFITプログラムウィスコンシン・シーケンス・アナリシス・パッケージ、Unix(登録商標)用バージョン8、ジェネティクス・コンピューターグループ、ユニバーシティーリサーチパーク、575サイエンスドライブ、マディソン、WI53711)などの当技術分野で既知の方法およびコンピュータープログラムソフトウェアを用いて、特定のポリペプチドが別のポリペプチドと少なくとも約50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%同一であるかを決定できる。BESTFITは、Smithand Waterman, Advances in Applied Mathematics 2:482-489 (1981)のローカル相同性アルゴリズムを用いて2つの配列間の最良相同セグメントを見出す。特定の配列が、たとえば、本発明による基準配列と95%同一であるかどうかをBESTFITまたは他の任意の配列整列プログラムを用いて決定する場合、パラメーターは、当然ながら、同一性パーセンテージが基準ポリペプチド配列の全長にわたり計算されるように、また、基準配列のアミノ酸総数の5%までの相同性のギャップ許容されるように設定される。

0065

本明細書では、VWF配列またはFVIIIタンパク質配列における「対応するアミノ酸」または「相当するアミノ酸」は、第1VWFまたはFVIII配列と第2VWFまたはFVIII配列の間の同一性または類似性を最大にする配列比較により同定される。第2VWFまたはFVIII配列中の相当するアミノ酸を特定するのに使用される数は、対応する第1VWFまたはFVIII配列のアミノ酸を同定するのに使用される数に基づく。

0066

「融合」または「キメラ」タンパク質は、自然には連結されない第2アミノ酸配列に連結された第1アミノ酸配列を含む。通常は別のタンパク質に存在するアミノ酸配列が、一緒に融合ポリペプチドとされ得るか、または、通常は同一のタンパク質に存在するアミノ酸配列が、融合ポリペプチド内で新たな配置にされ得、たとえば、本発明の第VIII因子ドメインとイムノグロブリンFcドメインが融合される。融合タンパク質は、たとえば化学合成により、またはペプチド領域が所望の関係にコードされているポリヌクレオチドを作製し翻訳することで、生成される。キメラタンパク質は、共有結合、非ペプチド結合または非共有結合により第1アミノ酸配列と結合した第2アミノ酸配列をさらに含み得る。

0067

本明細書では、「半減期」という用語は、特定のポリペプチドのインビボでの生物学的半減期を指す。半減期は、対象に投与した量のうち、その動物の血中および/または他の組織から半分の量が排除されるのに要する時間で表される。所与のポリペプチドのクリアランス曲線が時間関数として構築される場合、その曲線は通常は、高速のα相とより長いβ相の二相からなる。α相は、典型的には、投与されたFcポリペプチドの血管内と血管外の間のスペースにおける平衡状態を表し、部分的には、ポリペプチドのサイズにより決定される。β相は、典型的には、血管内スペースにおけるポリペプチドの異化を表す。いくつかの実施形態では、FVIIIおよびFVIIIを含むキメラタンパク質は、単相性なので、α相をもたず、単一のβ相のみを有する。したがって、ある特定の実施形態では、半減期という用語は、本明細書ではβ相のポリペプチドの半減期を指す。ヒトのヒト抗体の典型的なβ相半減期は21日である。

0068

ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに使用される「異種」という用語は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、それが比較されている部分のものとは異なる部分に由来することを意味する。したがって、VWF断片に連結された異種ポリペプチドは、VWF断片に連結された、VWF断片の天然の部分ではないポリペプチド鎖を意味する。たとえば、異種ポリヌクレオチドまたは抗原は、異なる種、ある個体の異なる細胞種、または別の個体の同一または異なる細胞種に由来し得る。

0069

本明細書では、「連結した(linked)」という用語は、第2アミノ酸配列またはヌクレオチド配列に共有結合または非共有結合で結合した第1アミノ酸配列またはヌクレオチド配列に関する。「共有結合的に連結した」または「共有結合的連結」という用語は、共有結合たとえばジスルフィド結合、ペプチド結合、または1もしくは複数のアミノ酸たとえば連結された2つの部分の間のリンカーを指す。第1アミノ酸またはヌクレオチド配列は、第2アミノ酸またはヌクレオチド配列に直接連結しても接していてもよく、あるいは介在配列が第1配列を第2配列に共有結合的に連結していてもよい。「連結した」は、第1アミノ酸配列のC末端またはN末端での第2アミノ酸配列への融合を意味するだけでなく、第1アミノ酸配列(または第2アミノ酸配列)全体を第2アミノ酸配列(または第1アミノ酸配列)の任意の2つのアミノ酸の間に挿入することも含む。一実施形態では、第1アミノ酸配列は、ペプチド結合またはリンカーにより第2アミノ酸配列に結合され得る。第1ヌクレオチド配列は、ホスホジエステル結合またはリンカーにより第2ヌクレオチド配列に結合され得る。リンカーは、(ポリペプチド鎖の)ペプチドもしくはポリペプチド、または(ヌクレオチド鎖の)ヌクレオチドもしくはヌクレオチド鎖、または(ポリペプチド鎖およびポリヌクレオチド鎖の両方の)任意の化学部分であり得る。共有結合は(−)またはハイフンで示される場合がある。

0070

本明細書では、「と結合した(associated with)」という用語は、第1アミノ酸鎖と
第2アミノ酸鎖の間に形成された共有結合または非共有結合を指す。一実施形態では、「と結合した」という用語は、共有結合、非ペプチド結合または非共有結合を意味する。いくつかの実施形態ではこの結合はコロンすなわち(:)により示される。別の実施形態では、ペプチド結合を除く共有結合を意味する。他の実施形態では、本明細書では、「共有結合した」という用語は、共有結合、たとえばジスルフィド結合、ペプチド結合、または1もしくは複数のアミノ酸(たとえばリンカー)による2つの部分の結合を意味する。たとえば、アミノ酸のシステインは第2システイン残基のチオール基とジスルフィド結合またはブリッジを形成できるチオール基を含む。ほとんどの天然のIgG分子において、CH1とCL領域はジスルフィド結合で結合し、2つの重鎖はカバット付番方式による239と242に対応する位置(EU付番方式による226または229)で2つのジスルフィド結合により結合している。共有結合の例としては、ペプチド結合、金属結合、水素結合、ジスルフィド結合、シグマ結合、パイ結合デルタ結合、グリコシド結合、アグノスティック(agnostic)結合、屈曲結合、双極子結合、パイ背面結合二重結合三重結合、四重結合、五重結合、六重結合、コンジュゲーションハイパーコンジュゲーション、芳香族性、ハプト数(hapticity)または半結合性が挙げられるが、これらに限定され
ない。非共有結合の非限定的な例には、イオン結合(たとえば、陽イオン−パイ結合または塩結合)、金属結合、水素結合(たとえば、二水素結合、二水素錯体、低障壁水素結合、または対称水素結合)、ファンデルワース力ロンドン分散力機械的接着ハロゲン結合、金親和性、インターカレーションスタッキングエントロピー力または化学極性が含まれる。

0071

本明細書では「モノマー−ダイマーハイブリッド」は、ジスルフィド結合で互いに結合した第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖を含むキメラタンパク質を指し、第1鎖は、凝固因子、たとえば第VIII因子、およびFc領域を含み、第2鎖は、凝固因子なしでFc領域を含むか、本質的にFc領域からなるか、Fc領域からなる。したがって、モノマー−ダイマーハイブリッドコンストラクトは、1つの凝固因子のみを有するモノマーの側面と、2つのFc領域を有するダイマーの側面とを含むハイブリッドである。

0072

本発明では、「切断部位」または「酵素的切断部位」という用語は、酵素により識別される部位を指す。特定の酵素的切断部位は、細胞内プロセス部位を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、凝固カスケード中に活性化された酵素により切断される酵素的切断部位を有し、凝血塊形成部位でそのような切断が生じる。そのような部位の例としては、例えば、トロンビン、第XIa因子または第Xa因子に認識される部位が含まれる。例示的なFXIa切断部位は、たとえば、TQSFNDFTR(配列番号47)とSVSQTSKLTR(配列番号48)を含む。例示的なトロンビン切断部位は、たとえばDFLAEGGGVR(配列番号49)、TTKIKPR(配列番号50)、LVPRG(配列番号55)およびALRPR(配列番号51のアミノ酸1から5)を含む。他の酵素的切断部位は、当技術分野で既知である。

0073

本明細書では、「プロセス部位」または「細胞内プロセス部位」という用語は、ポリペプチド翻訳後に機能する酵素の標的である、ポリペプチド内の酵素的切断部位の一種を指す。一実施形態では、そのような酵素はゴルジルーメンからトランスゴルジコンパートメントへの輸送中に機能する。細胞内プロセス酵素は、細胞からタンパク質が分泌される前にポリペプチドを切断する。そのようなプロセス部位の例としては、たとえば、エンドペプチターゼのPACE/フーリン(PACEは対合塩基性アミノ酸切断酵素略語である)ファミリーに標的化されるようなものが含まれる。これらの酵素は、ゴルジ膜に局在し、配列モチーフArg−[任意の残基]−(LysまたはArg)−Argのカルボキシ末端側のタンパク質を切断する。本明細書では、酵素の「フーリン」ファミリーは、たとえば、PCSK1(PC1/Pc3としても知られる)、PCSK2(PC2としても知られる)、PCSK3(フーリンまたはPACEとしても知られる)、PCSK4(PC4としても知られる)、PCSK5(PC5またはPC6としても知られる)、PCSK6(PACE4としても知られる)またはPCSK7(PC7/LPC、PC8、またはSPC7としても知られる)を含む。他のプロセス部位は当技術分野で既知である。

0074

「フーリン」という用語は、EC No.3.4.21.75に対応する酵素を指す。フーリンは、サブチリシン様プロタンパク質転換酵素であり、PACE(対合塩基性アミノ酸切断酵素)としても知られる。フーリンは、不活性な前駆タンパク質のセクションを除去し生物学的に活性なタンパク質に変換する。細胞内輸送中、プロペプチドはゴルジ内のフーリン酵素により成熟VWF分子から切断される。

0075

2つ以上のプロセスまたは切断部位を含むコンストラクトにおいては、そのような部位は同じでも異なっていてもよいことが理解される。

0076

本明細書では、止血障害とは、フィブリン凝塊を形成する能力の障害または形成不能により、自動的または外傷の結果としての出血傾向を特徴とする、遺伝的に受け継がれた、または獲得された病状を意味する。そのような障害の例には血友病が含まれる。血友病の3つの主要な型は、血友病A(第VIII因子の欠乏)、血友病B(第IX因子の欠乏または「クリスマス病」)および血友病C(第XI因子の欠乏、軽度の出血傾向)である。他の止血障害は、たとえば、フォンウィルブランド病、第XI因子の欠乏(PTA欠乏)、第XII因子の欠乏、フィブリノゲン、プロトロンビン、第V因子、第VII因子、第X因子もしくは第XIII因子の欠乏または構造異常、GPIbの欠損または欠乏であるベルナール・スーリエ症候群を含む。VWFの受容体GPIbが欠乏する場合があり、一次凝血塊形成(一次止血)不足、出血傾向の増大、グラツマンおよびネーゲリ血小板無力症グランツマン血小板無力症)がもたらされ得る。(急性および慢性肝不全では肝臓の凝固因子産生が不十分となり、出血リスクが高まる。

0077

本発明のキメラ分子は予防的に使用できる。本明細書では、「予防的治療」という用語は、出血エピソード前の分子投与を指す。一実施形態では、一般的止血薬を必要とする対象は、手術中であるか手術予定である。本発明のキメラタンパク質は、予防薬として手術前または後に投与され得る。本発明のキメラタンパク質は、急性出血エピソードを制御するため手術前または後に投与され得る。手術は、限定ではないが、肝臓移植、肝臓切除歯科処置または幹細胞移植を含み得る。

0078

本発明のキメラタンパク質は、オンデマンド(「発症時」とも呼ばれる)治療にも使用される。「オンデマンド治療」または「発症時治療」という用語は、出血エピソードの症状に応じた、または出血の原因となり得る活動前のキメラ分子投与を指す。一態様では、オンデマンド(発症時)治療は、外傷後などの出血開始時、または手術前など出血が予測される場合に対象に与えられ得る。別の態様では、オンデマンド治療は、接触競技など出血リスクを増大させる活動の前に投与され得る。

0079

本明細書では、「急性出血」という用語は、原因に関係なく出血エピソードを指す。たとえば、対象は外傷、尿毒症、遺伝的出血障害(たとえば、第VII因子の欠乏)、血小板障害、または凝固因子に対する抗体産生による抵抗性を有しうる。

0080

本明細書では、「治療する」、「治療」、「治療すること」は、たとえば、疾患または状態の重症度の軽減;疾患経過期間の低減;疾患または状態に関連する1または複数の症状の寛解;必ずしも疾患または状態が治癒するとは限らないがその疾患または状態を有する対象に薬効を提供;または疾患または状態に関連する1または複数の症状の予防を指す。一実施形態では、「治療すること」、「治療」という用語は、本発明のキメラタンパク質またはVWF断片を投与することにより対象において少なくとも約1IU/dL、2IU/dL、3IU/dL、4IU/dL、5IU/dL、6IU/dL、7IU/dL、8IU/dL、9IU/dL、10IU/dL、11IU/dL、12IU/dL、13IU/dL、14IU/dL、15IU/dL、16IU/dL、17IU/dL、18IU/dL、19IU/dLまたは20IU/dLのFVIIIトラフレベルを維持することを意味する。別の実施形態では、「治療すること」、「治療」は、約1から約20IU/dL、約2から約20IU/dL、約3から約20IU/dL、約4から約20IU/dL、約5から約20IU/dL、約6から約20IU/dL、約7から約20IU/dL、約8から約20IU/dL、約9から約20IU/dLまたは約10から約20IU/dLのFVIIIトラフレベルを維持することを意味する。疾患または状態の治療または治療することは、対象におけるFVIII活性を、非血友病対象におけるFVIII活性の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%に匹敵するレベルに維持することも含み得る。治療に必要な最低トラフレベルは、1または複数の既知の方法で測定でき、各人に合わせて調節(増減)できる。

0081

キメラタンパク質
本発明は、FVIII半減期制限因子(たとえば内因性VWF)がインビボでFVIIIタンパク質と結合することを防止または阻害する第VIII因子タンパク質の半減期を延長することに関する。内因性VWFは、約95%〜約98%のFVIIIと結合して非共有結合複合体になる。FVIIIタンパク質と結合した内因性VWFは、FVIIIを様々な方法で保護する。たとえば、(約250kDaのマルチマーとしての)全長VWFは、FVIIIをプロテアーゼ切断とFVIII活性化から保護し、FVIII重鎖および/または軽鎖を安定させ、スカベンジャー受容体によるFVIIIの排除を防止できる。しかし、同時に、内因性VWFは、飲作用を防止し、VWFクリアランス経路を通じてFVIII−VWF複合体を系から排除することで、FVIII半減期を制限する。実施例にも示されるように、内因性VWFは、半減期延長因子と融合したFVIIIタンパク質の半減期が野生型FVIIIの約2倍に延長されることを防止する半減期制限因子であると考えられている。したがって、本発明は、内因性VWFとFVIIIタンパク質の相互作用を付加部分を用いて防止または阻害することで、FVIIIタンパク質がVWFクリアランス経路を通じて排除されるのを防止し、および/または飲作用を誘導する。一実施形態では、付加部分は、FVIIIタンパク質の内因性VWFとの結合を防止または阻害でき、少なくとも1つのVWF様FVIII保護特性を有する。さらに、付加部分は、内因性VWFとの相互作用を防止または阻害することで、FVIIIが系から排除されるのを低下させる。本発明の付加部分は、(たとえば、非共有結合により)FVIIIタンパク質と結合または連結しおよび/または物理的もしくは化学的にFVIIIタンパク質のVWF結合部位をブロックする。したがって、付加部分と結合したFVIIIタンパク質は、1または複数のVWFクリアランス受容体により、野生型FVIIIまたは付加部分と結合していないFVIIIと比較して、血中からゆっくりと排除される。

0082

本発明の付加部分の例としては、たとえば、ポリペプチドまたはFVIIIタンパク質の化学的もしくは物理的修飾、付加、欠失、または変異が含まれる。本発明において有用な付加部分は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分または両方を含み得る。付加部分として有用なポリペプチドの非限定的な例は、たとえば、本明細書に記載のVWF断片、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、トランスフェリンまたはその断片、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、HAP配列、PAS配列、またはそれらの任意の組合せを含む。非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。本発明において有用な他のそのような部分は、当技術分野で既知である。

0083

一実施形態では、付加部分は、共有結合または非共有結合によりFVIIIタンパク質と結合(または連結)している。しかし、一部の例では、付加部分とFVIIIタンパク質の間の物理的ブロックまたは化学的結合(たとえば、非共有結合)は、内因性VWFの存在下でFVIIIタンパク質と付加部分を含む安定した複合体を提供するには強度が不十分であり得る。たとえば、他の接続部なしにFVIIIタンパク質と非共有結合を形成するVWF断片は、インビボの内因性VWFの存在下ではVWF断片(たとえば、組換えVWF、すなわち、rVWF)が内因性VWFに置き換わりFVIIIタンパク質から容易に解離し得る。したがって、内因性VWFと非共有結合したFVIIIタンパク質は、VWFクリアランス経路を通じて系から排除される。付加部分とFVIIIタンパク質の解離を防止するために、いくつかの実施形態では、FVIIIタンパク質と付加部分の間の連結は共有結合であり、たとえば、ペプチド結合、1または複数のアミノ酸、またはジスルフィド結合である。ある特定の実施形態では、付加部分とFVIIIタンパク質の間の結合(すなわち、連結)はペプチド結合またはリンカーFVIIIタンパク質と付加部分の間のリンカー(「FVIII/AMリンカー」)である。リンカーの非限定的な例は本明細書に別途記載されている。いくつかの実施形態では、付加部分は、少なくとも約10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000または4000アミノ酸を含むか、主としてそれらからなるか、それらからなるポリペプチドである。他の実施形態では、付加部分は、約100〜約200アミノ酸、約200〜約300アミノ酸、約300〜約400アミノ酸、約400〜約500アミノ酸、約500〜約600アミノ酸、約600〜約700アミノ酸、約700〜約800アミノ酸、約800〜約900アミノ酸または約900〜約1000アミノ酸を含むか、主としてそれらからなるか、それらからなるポリペプチドである。いくつかの実施形態では、FVIIIタンパク質と共有結合している付加部分は本明細書に別途記載されているVWF断片である。

0084

ある特定の実施形態では、付加部分は、FVIIIタンパク質の1または複数のVWF結合部位と(たとえば、共有結合的に)化学的に結合しているかまたは物理的にブロックしている。FVIIIタンパク質のVWF結合部位は、FVIIIタンパク質のA3ドメインまたはC2ドメイン内に位置する。さらに他の実施形態では、FVIIIタンパク質のVWF結合部位はA3ドメインおよびC2ドメイン内に位置する。たとえば、FVIIIタンパク質のVWF結合部位は配列番号16のアミノ酸1669〜1689および/または2303〜2332に相当し得る[全長成熟FVIII]。

0085

他の実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、付加部分と連結したFVIIIタンパク質を含み、付加部分はVWF分子、たとえばD’ドメインとD3ドメインを含むがVWFクリアランス受容体結合部位を含まないVWF断片であり、FVIIIタンパク質のVWF結合部位を遮蔽または保護して、FVIIIタンパク質と内因性VWFの相互作用を阻害または防止する。ある特定の実施形態では、付加部分はVWF断片である。本発明に有用なVWF断片は、D’ドメインとD3ドメインを含み、1または複数のVWF様特性の利点をなおもFVIIIタンパク質に与えるが、VWF断片はVWFクリアランス経路を経ない。FVIIIタンパク質と付加部分はリンカー(たとえば、FVIII/AMリンカー)により共有結合され得る。一実施形態では、リンカーは、切断可能リンカーであり得る。リンカーの非限定的な例は本明細書に別途開示されている。

0086

さらに他の実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、FVIIIタンパク質とイムノグロブリン定常領域またはその一部分(すなわち、付加部分)を含み、イムノグロブリン定常領域またはその一部分はFVIIIタンパク質のVWF結合部位を遮蔽または保護して、FVIIIタンパク質と内因性VWFの相互作用を阻害または防止する。さらに他の実施形態では、イムノグロブリン定常領域またはその一部分はFc領域である。

0087

一態様では、本発明は、本明細書に開示のVWF断片の1または複数を含むキメラまたは融合タンパク質またはハイブリッド、およびその使用に関する。キメラまたは融合タンパク質は、1または複数の異種部分(本明細書ではHまたはH1と示される場合がある)に融合または連結し得る。一実施形態では、異種部分(H1)は、VWF断片とともに自然に生じないおよび/またはVWF断片と連結した異種ペプチドまたは異種ポリペプチドである。別の実施形態では、異種部分(H1)は、非ポリペプチド部分、たとえば化学修飾またはペプチドまたはポリペプチドと非ポリペプチド部分の組合せである。いくつかの実施形態では、VWF断片はリンカー(本明細書では「VWFリンカー」とも呼ばれる)により異種部分(H1)に連結または接続されている。一実施形態では、VWFリンカーは、切断可能リンカーである。VWF断片と異種部分(H1)の間のリンカーの非限定的な例が本明細書に別途開示されている。

0088

一実施形態では、本発明で有用な異種部分(H1)は、VWF断片の生物学的活性や機能(たとえば、FVIIIタンパク質との結合または連結)に大幅に影響を与えることなく、VWF断片の1または複数の薬物動態特性を改善する。別の実施形態では、VWF断片と連結した異種部分(H1)は、VWF断片の半減期を延長できる。異種ポリペプチド部分の非限定的な例は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの2つ以上の組合せを含む。異種非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。

0089

いくつかの実施形態では、異種部分(H1)は、VWF断片とFVIIIタンパク質を共有結合により接続するのに使用され得る。共有結合をもたらすことができる異種部分の例としては、限定ではないが、イムノグロブリン定常領域もしくはたとえばFc領域などのヒンジ領域を含むその一部分、またはFcRn結合パートナーが含まれる。特定の例では、FVIIIタンパク質は第1Fc領域に連結され、VWF断片は第2Fc領域に連結され、第1Fc領域と第2Fc領域は1または複数のジスルフィド結合を形成している。

0090

いくつかの実施形態では、異種部分(本明細書では「H」または「H1」と呼ばれる場合がある)はイムノグロブリン定常領域またはその一部分である。イムノグロブリン定常領域またはその一部分の非限定的な例は、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH4ドメイン、ヒンジドメインおよびそれらの2つ以上の組合せからなる群より選択され得る。一実施形態では、イムノグロブリン定常領域またはその一部分は、少なくとも1つのCH1ドメイン、少なくとも1つのCH2ドメイン、少なくとも1つのCH3ドメイン、少なくとも1つのCH4ドメインまたはそれらの機能的断片を含む。別の実施形態では、イムノグロブリン定常領域またはその一部分は、少なくとも1つのヒンジドメインまたはその一部分と少なくとも1つのCH2ドメインまたはその一部分(たとえば、ヒンジ−CH2方向)を含む。他の実施形態では、イムノグロブリン定常ドメインまたはその一部分は、少なくとも1つのCH2ドメインまたはその一部分と少なくとも1つのCH3ドメインまたはその一部分(たとえば、CH2−CH3方向)を含む。組合せの例としては、CH2ドメイン、CH3ドメインおよびヒンジドメインが挙げられ、Fc領域(またはFcドメイン)、たとえば、第1Fc領域としても知られるが、これらに限定されない。他の実施形態では、異種部分(H1)はリンカーによりVWF断片に連結されている。ある特定の実施形態では、異種部分(H1)は、本明細書で別途記載のとおり、FcRn結合パートナーである。他の実施形態では、異種部分(H1)はヒンジ領域である。

0091

ある特定の実施形態では、キメラタンパク質は、第2(または追加の)異種部分(本明細書では「H2」と呼ばれる場合がある)をさらに含む。なお、第1異種部分(H1)と第2異種部分(H2)は交換可能に使用され得、同じでも異なっていてもよい。第2異種部分(H2)は、FVIIIタンパク質またはキメラタンパク質の他の部分にペプチド結合、1または複数のアミノ酸またはリンカー(たとえば、FVIIIに連結される場合はFVIIIリンカー)により連結され得る。そのようなコンストラクトはFVIII/VWFヘテロダイマーと呼ばれる場合がある。一実施形態では、異種部分(H2)は、異種ポリペプチドを含む。別の実施形態では、異種部分(H2)は、非ポリペプチド部分を含む。他の実施形態では、異種部分(H2)は、異種部分と非ポリペプチド部分の組合せを含む。第2異種部分(H2)は、半減期延長因子であり得る。第2異種ポリペプチド部分(H2)の非限定的な例としては、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの2つ以上の組合せが挙げられる。異種非ポリペプチド部分の非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、第1異種部分(H1)と第2異種部分は同じかまたは異なる。第1異種部分(H1)と第2異種部分(H2)の一方または両方は、キメラタンパク質中のFVIIIタンパク質の半減期を延長し得、非共有結合よりも強力な接続、すなわち、キメラタンパク質のFVIIIタンパク質とVWF断片の間の1または複数の共有結合による接続、または両方を与え得る。第1異種部分(H1)に融合または連結したVWF断片がFVIIIタンパク質と内因性VWFタンパク質の間の相互作用を防止または阻害することで半減期の上限を除去すると、該異種部分に融合されたFVIIIタンパク質は最大限有効となり得、野生型FVIIIよりも2倍長い半減期を有することができる。

0092

ある特定の実施形態では、VWF断片に連結した第1異種部分(たとえば、第1Fc領域)と、FVIIIタンパク質に連結した第2異種部分(たとえば、第2Fc領域)は互いに結合し、該結合によりVWF断片が内因性VWFとインビボで置き換わるのを防止する。一実施形態では、第2異種部分は第2Fc領域であり、該第2Fc領域は、共有結合、たとえば、ジスルフィド結合、ペプチド結合またはリンカー(1または複数のアミノ酸)により、第1異種部分、たとえば、第1Fc領域に連結または結合されている。たとえば、FVIIIタンパク質に1端で連結した第2異種部分(たとえば、第2Fc領域)は、VWF断片と連結した第1異種部分(たとえば、第1Fc領域)とリンカー(たとえば、scFcリンカー)によりさらに連結し得るか、または共有結合または非共有結合により第1異種部分と結合し得る。別の実施形態では、第2異種部分(たとえば、第2Fc領域)は既に第1異種部分に連結しているVWF断片に連結する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、VWF断片と第1異種部分を含む第1ポリペプチド鎖と、FVIIIタンパク質と第2異種部分を含む第2ポリペプチド鎖を含み、ここで第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖は結合しており、第1異種部分を含む第1ポリペプチド鎖と第2異種部分を含む第2ポリペプチド鎖の間のこの結合は共有結合なので、VWF断片とFVIIIタンパク質は互いに相互作用を維持できる。同時に、FVIIIタンパク質と非共有結合を形成できる内因性VWFは、VWF断片を含む共有結合したポリペプチド鎖と置き換わることができない。

0093

第1異種部分(H1)とVWF断片(たとえば、VWFリンカー)の間のリンカーは、切断可能リンカー、たとえば、トロンビン切断可能リンカーであり得る。切断可能リンカーは、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイム−B、TEV、エンテロキナーゼ、プロテアーゼ3C、ソルターゼA、MMP−12、MMP−13、MMP−17、MMP−20、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるプロテアーゼにより切断され得る。これらの切断可能リンカーは、凝固カスケードの活性化後、VWF断片が切断されてFVIIIタンパク質から解離するのを可能にし、結果としてFVIIIタンパク質の活性能は最大限となる。

0094

他の実施形態では、キメラタンパク質はVWF断片、切断可能リンカー、第1異種部分(H1)、プロセス可能なリンカー、FVIIIタンパク質および第2異種部分(H2)を任意の順番で含む1本のポリペプチド鎖として産生される。合成後、プロセス可能なリンカーは、分泌前に細胞内プロテアーゼ酵素により切断され得、上述のように2本のポリペプチド鎖が生成される。分泌前、一本鎖コンストラクトでは、第2異種部分(たとえば、第2Fc領域)がプロセス可能なリンカーによりVWF断片に連結され得る。ある特定の実施形態では、1または複数のリンカーが1または複数の切断部位を含み得る。

0095

いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、第3異種部分(本明細書では「H3」と呼ばれる場合がある)をさらに含む。第3異種部分(H3)は、半減期延長因子であり得る。異種部分(H3)は、異種ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含み得る。第3異種部分(H3)の非限定的な例としては、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、その任意の誘導体またはバリアント、またはそれらの2つ以上の組合せが挙げられる。非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。VWF断片に連結した第1異種部分(H1)、FVIIIタンパク質に連結した第2異種部分(H2)および第3異種部分(H3)は同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、第1異種部分(H1)は第2異種部分(H2)とは同じだが、第3異種部分(H3)とは異なる。別の実施形態では、第3異種部分(H3)はキメラタンパク質のFVIIIタンパク質またはVWF断片に融合または連結している。いくつかの実施形態では、第3異種部分は、FVIIIタンパク質の1または複数のドメイン内に、またはFVIIIタンパク質の2つのドメインの間に挿入されている。

0096

一実施形態では、キメラタンパク質は、第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖を含み、第1鎖は随意のリンカー(たとえば、FVIIIリンカー)で第1異種部分(H1)、たとえば第1Fc領域に連結されたFVIIIタンパク質を含み、第2鎖は、随意のリンカー(たとえば、VWFリンカー)で第2異種部分(H2)、たとえば第2Fc領域に連結されたVWF断片を含む。FVIIIタンパク質は、FVIII重鎖とFVIII軽鎖の間(すなわち、配列番号16のアミノ酸残基1648)に第3異種部分(H3)、たとえば任意の半減期延長部分、たとえばアルブミンまたはPAS配列をさらに含み得るので、一本鎖FVIIIタンパク質である。あるいは、FVIIIタンパク質は二本鎖タンパク質、すなわち、FVIII重鎖とFVIII軽鎖が互いに共有結合または非共有結合(たとえば金属結合)していてもよく、重鎖は第3異種部分(H3)、たとえば非構造的半減期延長ポリペプチド、アルブミンまたはその断片またはPAS配列にさらに連結している。別の実施形態では、キメラタンパク質は第1ポリペプチド鎖と第2ポリペプチド鎖を含み、第1鎖は、随意のリンカー(たとえばFVIIIリンカー)で第1異種部分(H1)、たとえば第1Fc領域に連結されたFVIIIタンパク質を含み、第2鎖は、第3異種部分(H3)、たとえば非構造的半減期延長ポリペプチド、アルブミンまたはPAS配列に連結されている、随意のリンカーで第2異種部分(H2)、たとえば第2Fc領域に連結されているVWF断片を含む。いくつかの実施形態では、第3異種部分(H3)(たとえば、半減期延長ポリペプチド)は、FVIIIタンパク質のC末端またはN末端に連結され得、またはFVIIIタンパク質の2つのドメイン間か、FVIIIタンパク質のドメイン内の2つのアミノ酸間に挿入され得る。

0097

他の実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、第4異種部分(本明細書では「H4」と呼ばれる場合がある)および/または第5異種部分(本明細書では「H5」と呼ばれる場合がある)をさらに含む。第4または第5異種部分も、半減期延長因子であり得る。第4異種部分および/または第5異種部分は第3異種部分と同じでも異なっていてもよい。異種部分は、異種ポリペプチド、非ポリペプチド部分または両方の組合せを含み得る。第4または第5異種部分の非限定的な例としては、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、その任意の誘導体またはバリアント、またはそれらの2つ以上の組合せが挙げられる。非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。第1異種部分、第2異種部分、第3異種部分、第4異種部分、第5異種部分は同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第4異種部分(たとえば、半減期延長ポリペプチド)は、FVIIIタンパク質のC末端またはN末端に連結され得、またはFVIIIタンパク質の2つのドメイン間か、FVIIIタンパク質のドメイン内の2つのアミノ酸間に挿入され得る。他の実施形態では、第5異種部分(たとえば、半減期延長ポリペプチド)も、FVIIIタンパク質のC末端またはN末端に連結され得、またはFVIIIタンパク質の2つのドメイン間か、FVIIIタンパク質のドメイン内の2つのアミノ酸間に挿入され得る。

0098

ある特定の実施形態では、キメラタンパク質は、FVIIIタンパク質、VWF断片、第1異種部分、第2異種部分、第3異種部分、第4異種部分および第5異種部分を含み、第1異種部分と第2異種部分はFVIIIタンパク質を含む鎖とVWF断片を含む鎖の間に結合(たとえば、共有結合)を形成し、第3異種部分、第4異種部分および第5異種部分は半減期延長因子であり、FVIIIタンパク質を含む鎖とVWF断片を含む鎖の間の結合はFVIIIとVWF断片間の非共有結合の相互作用よりも強いので、内因性VWFがFVIIIタンパク質にインビボ、インビトロまたはエックスビボで結合するのを防止する。

0099

他の実施形態では、キメラタンパク質は、FVIIIタンパク質、VWF断片、第1異種部分、第2異種部分、第3異種部分、第4異種部分、第5異種部分および第6異種部分(本明細書では「H6」と呼ばれる場合がある)を含み、第1異種部分と第2異種部分はFVIIIタンパク質を含む鎖とVWF断片を含む鎖の間に結合を形成し、第3異種部分、第4異種部分、第5異種部分および第6異種部分は半減期延長因子であり、FVIIIタンパク質を含む鎖とVWF断片を含む鎖の間の結合はFVIIIとVWF断片間の相互作用よりも強いので、内因性VWFがFVIIIタンパク質にインビボ、インビトロまたはエックスビボで結合するのを防止する。

0100

いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、
(aa)V−L1−H1−L2−H2、
(bb)H2−L2−H1−L1−V、
(cc)H1−L1−V−L2−H2および
(dd)H2−L2−V−L1−H1
からなる群より選択される式を含み、ここでVは本明細書に記載のVWF断片を含み;
L1とL2はそれぞれ随意のリンカーを含み;
H1は第1異種部分を含み;
H2は随意の第2異種部分を含む。第1異種部分と第2異種部分の一方または両方は半減期延長部分であり得る。一実施形態では、H1は、ポリペプチド部分、非ポリペプチド部分またはその両方を含む。H1として有用なポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、それらの任意の誘導体もしくはバリアントまたは任意の組合せを含み得る。非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸およびヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体もしくはバリアント、またはそれらの任意の組合せを含み得る。別の実施形態では、H2は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む。H2として有用なポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、それらの任意の誘導体もしくはバリアントまたは任意の組合せを含み得る。非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体もしくはバリアント、またはそれらの任意の組合せを含み得る。ある特定の実施形態では、式(aa)と(bb)のH1とH2間のリンカーはプロセス可能リンカーである。他の実施形態では、式(aa)と(bb)のVWF断片とH1間のリンカーは、切断可能リンカーであり、たとえばトロンビンにより切断され得るトロンビン切断可能リンカーである。

0101

本明細書では、ポリペプチド式の方向はN末端(左)からC末端(右)である。たとえば、式H−L−Vは、式NH2−H−L−V−COOHを意味する。一実施形態では、本明細書に記載の式は、2つの部分の間の追加配列を含み得る。たとえば、式V−L1−H1−L2−H2は、特に断らないかぎり、VのN末端に、VとL1の間に、L1とH1の間に、L2またはH2の間に、またはH2のC末端にさらに配列を含み得る。別の実施形態では、ハイフン(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸を意味する。

0102

特定の実施形態では、キメラタンパク質は、(a1)V−H、(a2)H−V、(a3)V−L−H、(a4)H−L−V、(a5)V−L1−H1−H2、(a6)H2−H1−L1−V、(a7)V−L1−H1:H2、(a8)H2:H1−L1−V、(a9)V−H1:H2、(b1)H2:H1−V、(b2)V−L1−H1−L2−H2、(b3)H2−L2−H1−L1−V、(b4)H1−V−H2、(b5)H1−L1−V−L2−H2および(b6)H2−L2−V−L1−H1からなる群より選択される1または複数の式を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなり、ここでVは本明細書に記載のVWF断片のうちの1または複数を含み、L、L1またはL2はリンカーを含み、HまたはH1は第1異種部分を含む。一実施形態では、第1異種部分(H1)は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方であり得る。異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HPA配列、またはそれらの任意の組合せを含み得る。H1として有用な非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。別の実施形態では、H2は、第2異種部分を含む。第2異種部分は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方であり得る。異種ポリペプチド部分は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、またはそれらの任意の組合せを含み得る。H1として有用な非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。ある特定の実施形態では、第1異種部分と第2異種部分の間のリンカーは、プロセス可能なリンカーである。他の実施形態では、VWF断片と第1異種部分または第2異種部分の間のリンカーは切断可能リンカーであり、1または複数の切断部位、たとえばトロンビン切断可能リンカーを含む。

0103

本発明のキメラタンパク質は、(aa)、(bb)、(cc)、(dd)、(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)、(a7)、(a8)、(a9)、(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b5)および(b6)からなる群より選択される式と、式のVWF断片、第1異種部分(たとえば、第1Fc領域)または第2異種部分(たとえば、第2Fc領域)と共有結合または非共有結合しているFVIIIタンパク質を含む。一実施形態では、FVIIIタンパク質は、共有結合もしくは非共有結合により、またはリンカーによりVWF断片に連結または結合している。別の実施形態では、FVIIIタンパク質は、共有結合もしくは非共有結合により、またはリンカーにより第1異種部分または第2異種部分に連結し得る。

0104

一実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、FVIIIタンパク質に共有結合で連結しているか非共有結合している、本明細書に記載のVWF断片を含む。たとえば、キメラタンパク質は、VWF断片とFVIIIタンパク質を含み得、ここでVWF断片とFVIIIタンパク質は、共有結合の非ペプチド結合、ペプチド結合、非共有結合により、またはリンカー、たとえば切断可能リンカーにより結合している。特定の実施形態では、VWF断片とFVIIIタンパク質は、1または複数のジスルフィド結合により互いに結合または相互作用する。別の特定の実施形態では、VWF断片は、FVIIIタンパク質と、FVIIIのA3ドメインで、FVIIIのC2ドメインで、またはFVIIIのA3ドメインとC2ドメインの両方で、非共有結合により、結合または相互作用する。別の実施形態では、FVIIIタンパク質と結合または相互作用するVWF断片は、第1異種部分に連結または融合している。他の実施形態では、VWF断片と結合または相互作用しているFVIIIタンパク質は、さらに第2異種部分に連結している。いくつかの実施形態では、FVIIIタンパク質と結合または相互作用しているVWF断片は、さらに第1異種部分に連結し、FVIIIタンパク質はさらに第2異種部分に連結している。ある特定の実施形態では、VWF断片と第1異種部分を含む第1ポリペプチド鎖と、FVIIIタンパク質と第2異種部分を含む第2ポリペプチド鎖が互いに結合しており、該結合によりFVIIIタンパク質は他の部分、たとえば内因性VWFと相互作用できない。一実施形態では、該結合は、共有結合、たとえばジスルフィド結合である。

0105

VWF断片またはFVIIIタンパク質はそれぞれ、リンカー、たとえば切断可能リンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーにより第1および第2異種部分に結合または接続され得る。VWF断片と第1異種部分の間のリンカーは、本明細書ではVWFリンカーと呼ばれ得る。FVIIIタンパク質と第2異種部分の間のリンカーは、本明細書ではFVIIIリンカーと呼ばれ得る。または、VWF断片とFVIIIタンパク質はいずれも、リンカー、たとえば切断可能リンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーにより第1および第2異種部分に結合または接続され得る。ある特定の実施形態では、VWF断片に連結した第1異種部分は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む。第1異種ポリペプチド部分の非限定的な例は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの2つ以上の組合せを含む。非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HESまたはHAES)、それらの誘導体またはバリアント、またはそれらの任意の組合せを含む。他の実施形態では、FVIIIタンパク質に連結した第2異種部分は、ポリペプチド、非ポリペプチド部分またはその両方を含む。第2異種部分の非限定的な例は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、またはそれらの2つ以上の組合せを含む。非ポリペプチド部分の非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HESまたはHAES)、それらの誘導体またはバリアント、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、VWF断片は、ソルターゼ媒介インビトロタンパク質連結を用いてFVIIIに結合される。いくつかの実施形態では、ソルターゼ認識モチーフが用いられる。

0106

一実施形態では、第1異種部分はイムノグロブリン定常領域またはその一部分である。特定の実施形態では、第1異種部分は第1Fc領域である。いくつかの実施形態では、第2異種部分はイムノグロブリン定常領域またはその一部分である。特定の実施形態では、第2異種部分は第2Fc領域である。特定の実施形態では、キメラタンパク質は、本明細書に記載のVWF断片とFVIIIタンパク質を含み、ここでVWF断片は、Fc領域であるイムノグロブリン定常領域またはその一部分に連結している。別の実施形態では、キメラタンパク質は、本明細書に記載のVWF断片とFVIIIタンパク質を含み、ここでFVIIIタンパク質は、Fc領域であるイムノグロブリン定常領域またはその一部分に連結している。他の実施形態では、キメラタンパク質は、本明細書に記載のVWF断片とFVIIIタンパク質を含み、ここでVWF断片は第1Fc領域である第1イムノグロブリン定常領域に連結し、FVIIIタンパク質は第2Fc領域である第2イムノグロブリン定常領域に連結し、VWF断片とFVIIIタンパク質は非共有結合により互いに結合または相互作用しているか、または第1Fc領域と第2Fc領域は共有結合により互いに結合している。さらに他の実施形態では、第1異種部分に連結したVWF断片は、さらに第2異種部分、たとえば第2Fc領域にリンカー、たとえばプロセス可能なリンカーにより連結されている。一態様では、VWF断片は、第1異種部分に、リンカー、たとえばVWFリンカー、たとえば切断可能リンカーにより連結されている。別の態様では、FVIIIタンパク質は、第2異種部分に、リンカー、たとえばFVIIIリンカー、たとえば切断可能リンカーにより連結されている。異種部分の非限定的な例は本明細書で別途開示されており、たとえばイムノグロブリン定常領域またはその一部分(段落[0165]〜[0169])、アルブミン、その断片またはバリアント(段落[0170〜[0174])、HAP配列(段落[0273])、トランスフェリン、その断片またはバリアント(段落[0180]〜[0181])、ポリマー、たとえばポリエチレングリコール(段落[0182]〜[0189])、HES(段落[0190]〜[0195])、またはPSA(段落[0196]〜)およびPAS配列(段落[0175]〜[0178])である。

0107

いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、
(a)V−L1−H1−L3−C−L2−H2、
(b)H2−L2−C−L3−H1−L1−V、
(c)C−L2−H2−L3−V−L1−H1、
(d)H1−L1−V−L3−H2−L2−C、
(e)H1−L1−V−L3−C−L2−H2、
(g)H2−L2−C−L3−V−L1−H1、
(g)V−L1−H1−L3−H2−L2−C、
(g)C−L2−H2−L3−H1−L1−V、
(i)H2−L3−H1−L1−V−L2−C、
(j)C−L2−V−L1−H1−L3−H2、
(k)V−L2−C−L1−H1−L3−H2および
(l)H2−L3−H1−L1−C−L2−V、
からなる群より選択される式を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなり、ここでVは本明細書に記載のVWF断片であり;
L1とL2はそれぞれ随意のリンカー、たとえば切断可能リンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーであり;
L3は、随意のリンカーであり、たとえばプロセス可能なリンカーであり;
H1およびH2はそれぞれ随意の異種部分であり;
CはFVIIIタンパク質であり;
(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸である。

0108

他の態様では、本発明のキメラタンパク質は、
(m)V−L1−H1:H2−L2−C、
(n)V−L1−H1:C−L2−H2;
(o)H1−L1−V:H2−L2−C;
(p)H1−L1−V:C−L2−H2;
(q)V:C−L1−H1:H2;
(r)V:H1−L1−C:H2;
(s)H2:H1−L1−C:V、
(t)C:V−L1−H1:H2および
(u)C:H1−L1−V:H2
からなる群より選択される式を含み、ここでVは本明細書に記載のVWF断片であり;
L1とL2はそれぞれ随意のリンカー、たとえばトロンビン切断可能リンカーであり;
H1またはH2はそれぞれ随意の異種部分であり;
(−)はペプチド結合または1もしくは複数のアミノ酸であり;
CはFVIIIタンパク質であり;
(:)はH1とH2の間の化学的または物理的結合である。

0109

一実施形態では、異種部分のうちの1または複数は半減期延長因子である。半減期延長因子は当技術分野で既知であり、そのような半減期延長因子の非限定的な例は、イムノグロブリン定常領域またはその一部分、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合部分、PAS配列、HAP配列、トランスフェリンまたはその断片、それらの誘導体またはバリアント、またはそれらの2つ以上の組合せを含む。非ポリペプチド部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組合せを含み得る。

0110

一実施形態では、式(m)から(u)の(:)は、化学結合を表し、たとえば少なくとも1つの非ペプチド結合を表す。ある特定の実施形態では、化学結合すなわち(:)は共有結合である。他の実施形態では、化学結合すなわち(:)は共有相互作用であり、たとえばイオン性相互作用、疎水性相互作用、親水性相互作用、ファンデルワース相互作用、水素結合である。他の実施形態では、(:)は非ペプチド共有結合である。さらに他の実施形態では、(:)はペプチド結合である。さらに他の実施形態では、式(m)から(u)の(:)は、2つの配列間の物理的な結合を表し、ここで第1配列の一部分は第2配列に近接し、第2配列が別の部分と相互作用するのを第1配列が遮蔽またはブロックし、さらに、この物理的結合は第2配列を他の部分と相互作用させることなく維持される。

0111

本明細書では、式(a)〜(u)は、本発明のコンストラクトの非限定的な例として含まれるにすぎない。ポリペプチド式の向きは方向はN末端(左)からC末端(右)として示される。たとえば、式V−L1−H1−L3−C−L2−H2は、式NH2−V−L1−H1−L3−C−L2−H2−COOHを意味する。さらに、(:)は、特に断らないかぎり、2つのポリペプチド鎖間の、第1鎖のいずれかの部分と第2鎖のいずれかの部分の間の共有結合または非共有結合による結合または相互作用であり得る。たとえば式V−H1:H2−Cは、2つのポリペプチド鎖を有し、第1鎖はV−H1であり、第2鎖はC−H2であり、ここで第1鎖のVは第2鎖のCと相互作用または結合し、および/または第1鎖のH1は第2鎖のH2と相互作用または結合する。いくつかの実施形態では、(:)は、共有結合の非ペプチド結合または非共有結合を意味する。

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