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図面 (20)

課題

生産性の向上や製造コストの低減を図ることができる巻回装置を提供する。

解決手段

巻回装置10は、帯状シート巻回可能な巻芯13,14と、シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向の位置ずれ補正する補正装置34と、シートの幅方向の位置を検出する形状判定用検出手段と、形状判定用検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するシート形良否判定手段と、巻芯13,14によるシートの巻回速度を制御する速度制御部911とを有する。速度制御部911は、シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合の巻回速度よりも小さな巻回速度となるように、巻芯13,14を制御する。

概要

背景

巻回素子は、所定の帯状シート巻回されてなる。巻回素子としては、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池として用いられるものが知られている。この種の巻回素子は、正極活物質が塗布された正電極シートと、負極活物質が塗布された負電極シートと、両電極シート絶縁するためのセパレータシートとが巻回されることにより製造される。

巻回素子を製造するための巻回装置においては、ロール状に巻回された原反から供給される上記両電極シート及びセパレータシートがそれぞれ別個搬送路に沿って所定の巻回部へと搬送される。そして、この巻回部に設けられた回転可能な巻芯により、両電極シート及びセパレータシートが重ね合わされた状態で巻取られることによって、巻回素子が得られる。

ところで、各シートの巻取りに際し、各シートが幅方向への位置ずれを起こしてしまうおそれがある。このような状態でシートが巻取られてしまうと、得られた巻回素子において、シートの巻きずれが生じてしまい、製品品質低下を招いてしまうおそれがある。

そこで、シートの巻きずれを防止すべく、巻回部よりも上流に、シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、当該検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向の位置ずれを補正する補正手段とを設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。

概要

生産性の向上や製造コストの低減をることができる巻回装置を提供する。巻回装置10は、帯状のシートを巻回可能な巻芯13,14と、シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向の位置ずれを補正する補正装置34と、シートの幅方向の位置を検出する形状判定用検出手段と、形状判定用検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するシート形良否判定手段と、巻芯13,14によるシートの巻回速度を制御する速度制御部911とを有する。速度制御部911は、シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合の巻回速度よりも小さな巻回速度となるように、巻芯13,14を制御する。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートに形状不良がある場合であっても、人的資源や時間を費やすことなく、シートを有効に利用することができ、ひいては生産性の向上や製造コストの低減を効果的に図ることができる巻回装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

帯状シートロール状に巻回されてなる原反を支持する支持手段と、前記支持手段により支持された前記原反から供給される前記シートを巻回可能な巻回手段とを備えた、巻回素子を製造するための巻回装置であって、前記シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置ずれ補正する補正手段と、前記補正手段よりも下流であって前記巻回手段よりも上流において、前記シートの幅方向の位置を検出する形状判定用検出手段と、前記形状判定用検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するシート形良否判定手段と、前記巻回手段による前記シートの巻回速度を制御可能な速度制御手段とを有し、前記速度制御手段は、前記シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、前記シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合の巻回速度よりも小さな巻回速度となるように、前記巻回手段を制御することを特徴とする巻回装置。

請求項2

前記形状判定用検出手段は、前記補正手段よりも下流において、前記シートの幅方向の位置を検出する補正後検出手段と、前記補正後検出手段よりも下流であって前記巻回手段よりも上流において、前記シートの幅方向の位置を検出する巻回前検出手段とを備え、前記シート形状良否判定手段は、前記補正後検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置に関する良否を判定する補正後良否判定手段と、前記巻回前検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置に関する良否を判定する巻回前良否判定手段とを備えるとともに、前記補正後良否判定手段により良判定がなされた場合における、前記巻回前良否判定手段による判定結果に基づき、前記シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の巻回装置。

請求項3

前記シートに対しその長手方向に沿った張力を付与するテンション付与手段と、前記テンション付与手段から前記シートに付与される張力を制御するテンション制御手段とを備え、前記テンション制御手段は、前記シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、予め設定された適正範囲内において、前記シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合に前記シートに付与される張力よりも大きな張力を前記シートに対し付与するように、前記テンション付与手段を制御可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻回装置。

請求項4

前記速度制御手段は、前記小さな巻回速度となるように前記巻回手段を制御した後において、所定の条件を満たしたときに、元の巻回速度で動作するように、前記巻回手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の巻回装置。

技術分野

0001

本発明は、シート巻回されてなる巻回素子を製造するための巻回装置に関する。

背景技術

0002

巻回素子は、所定の帯状のシートが巻回されてなる。巻回素子としては、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池として用いられるものが知られている。この種の巻回素子は、正極活物質が塗布された正電極シートと、負極活物質が塗布された負電極シートと、両電極シート絶縁するためのセパレータシートとが巻回されることにより製造される。

0003

巻回素子を製造するための巻回装置においては、ロール状に巻回された原反から供給される上記両電極シート及びセパレータシートがそれぞれ別個搬送路に沿って所定の巻回部へと搬送される。そして、この巻回部に設けられた回転可能な巻芯により、両電極シート及びセパレータシートが重ね合わされた状態で巻取られることによって、巻回素子が得られる。

0004

ところで、各シートの巻取りに際し、各シートが幅方向への位置ずれを起こしてしまうおそれがある。このような状態でシートが巻取られてしまうと、得られた巻回素子において、シートの巻きずれが生じてしまい、製品品質低下を招いてしまうおそれがある。

0005

そこで、シートの巻きずれを防止すべく、巻回部よりも上流に、シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、当該検出手段による検出結果に基づき、シートの幅方向の位置ずれを補正する補正手段とを設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。

先行技術

0006

特開2011−246212号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、補正手段を設けたにも関わらず、得られた巻回素子において巻きずれが生じてしまうことがある。これは、シート自体の少なくとも一部において曲がり(反り)やうねり蛇行)が存在しており、シート自体に形状面で不良のある場合に生じ得る。この点に関し、以下においてより詳細に説明する。

0008

シートの巻回時には、通常、シートの弛み防止などを図るべく、シートに対し張力が付与される。ところが、シートに曲がり(反り)などの形状不良が生じている場合には、シートに対し張力が付与されたときに、シートにおける幅方向両端縁部のうちの一方に対し張力が集中的に付与されてしまうことがある。そして、このような状態において、シートを巻回すると、シートのうち張力がさほど付与されていない側の端縁部が激しく振れてしまう(暴れてしまう)おそれがある。シートが暴れてしまうと、検出手段によって検出されるシートの幅方向の位置は、短期間で急激に変化してしまうこととなり、ひいては補正手段による補正精度が低下してしまう。そして、シートの形状不良と補正精度の低下とが相乗的に影響することで、シートの巻きずれが生じやすくなってしまう。

0009

尚、1の原反を構成するシートのうち、上記のような形状不良の存在する部分は、シート長手方向における一部であることが多く、原反の状態において、シート自体に形状不良があるか否かを判別することは困難である。

0010

このようなシートの形状不良への対応として、例えば、シートにおける形状不良の生じている部分や当該部分を用いて得られた巻回素子を、不良品であるとして廃棄することが考えられる。しかし、この場合には、歩留まりが悪化してしまい、生産性の低下や製造コストの増大を招いてしまうおそれがある。

0011

そこで、例えば、シートにおける形状不良の存在する部分が見つかった場合(例えば、不良品の巻回素子が所定個数以上連続で製造された場合など)に、巻回装置のセッティングを、人手によって、シートの形状に合わせたものに調節し、シートをできる限り有効に利用するといった対応が考えられる。しかし、この場合には、対応のために人的資源を割かなければならず、また、調節のために装置を一時的に停止させる必要がある。そのため、結局のところ、生産性の低下や製造コストの増大を招いてしまうおそれがある。

0012

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートに形状不良がある場合であっても、人的資源や時間を費やすことなく、シートを有効に利用することができ、ひいては生産性の向上や製造コストの低減を効果的に図ることができる巻回装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有作用効果を付記する。

0014

手段1.帯状のシートがロール状に巻回されてなる原反を支持する支持手段と、
前記支持手段により支持された前記原反から供給される前記シートを巻回可能な巻回手段とを備えた、巻回素子を製造するための巻回装置であって、
前記シートの幅方向の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置ずれを補正する補正手段と、
前記補正手段よりも下流であって前記巻回手段よりも上流において、前記シートの幅方向の位置を検出する形状判定用検出手段と、
前記形状判定用検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するシート形良否判定手段と、
前記巻回手段による前記シートの巻回速度を制御可能な速度制御手段とを有し、
前記速度制御手段は、前記シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、前記シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合の巻回速度よりも小さな巻回速度となるように、前記巻回手段を制御することを特徴とする巻回装置。

0015

尚、「検出手段」と「形状判定用検出手段」とは別々のものであってもよいし、少なくとも一部が共通のものであってもよい。例えば、補正手段よりも下流に、検出手段を兼ねる形状判定用検出手段を設けてもよい。また、シートの巻回速度とは、シートの搬送速度(走行速度)ということができる。さらに、「シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合の巻回速度」とあるのは、換言すれば、通常時(シート形状に問題がないとき)におけるシートの巻回速度ということができる。

0016

また、シート形状良否判定手段は、例えば、所定の基準に対するシートの幅方向に沿った位置ずれ量のシート単位長さ当たりにおける変化量や、所定期間における前記位置ずれ量の最大値最小値との差などが、予め設定された形状判定用の基準値を超えているか否かを判定することで、シートの形状に関する良否を判定するものであってもよい。また、シート形状良否判定手段は、後述する手段2の手法により、シートの形状に関する良否を判定するものであってもよい。

0017

通常、シートの形状が良好であれば、補正手段による位置ずれ補正を精度よく行うことができる。そのため、良好なシート形状と精度のよい補正とが相俟って、補正手段よりも下流におけるシートの幅方向の位置に関し、通常異常は生じない。一方、シートの形状が不良であれば、補正手段による位置ずれ補正の精度が低下してしまうおそれがある。そのため、補正精度の低下とシート自体の形状不良とが相乗的に影響することで、補正手段よりも下流におけるシートの幅方向の位置に異常が生じやすくなる。つまり、補正手段の下流においては、シートの幅方向の位置として、単なるシート形状の変化によるものでなく、シート形状によって高低する補正精度の影響を受けたものが検出される。

0018

この点を踏まえ、上記手段1によれば、補正手段の下流に配置された形状判定用検出手段によってシートの幅方向の位置が検出され、検出結果に基づき、シート形状良否判定手段によってシート形状の良否が判定される。そのため、シートに形状不良が生じているのか否かをより正確に判定することができる。

0019

そして、上記手段1によれば、シート形状良否判定手段により不良判定された場合に、速度制御手段により巻回手段が制御され、シートが通常時よりも比較的小さな巻回速度で巻回される。つまり、シート自体の形状面での良し悪しが自動的に判定され、シート自体に曲がり(反り)やうねり(蛇行)などの形状不良があると推定される場合には、シートの巻回速度が自動的に比較的小さなものに変更される。従って、シートに形状不良がある場合であっても、巻回時にシートが暴れてしまうことを効果的に抑制でき、ひいては補正手段における良好な補正精度を確保することができる。これにより、形状不良のあるシートを用いた場合であっても、良品の巻回素子をより確実に得ることができる。その結果、シートを極力廃棄することなく有効的に利用することができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、シートの状態に合わせた対応が自動的に行われるため、対応のために人的資源を割いたり、機械を一時的に停止させたりせずに済む。これらの結果、生産性の向上や製造コストの低減を効果的に図ることができる。

0020

さらに、上記手段1によれば、常に巻回速度を抑えるのではなく、形状不良を把握したときに限り、巻回速度が比較的小さなものとされる。そのため、通常、比較的大きな巻回速度にてシートを巻回することができる。従って、生産性を十分に向上させることができる。

0021

尚、シートの曲がり(反り)とは、シートを平面視したときに、シートの幅方向端縁部がシート長手方向に沿って徐々に湾曲していくことをいう。また、シートのうねり(蛇行)とは、シートを平面視又は側面視したときに、シートの幅方向端縁部が波打った状態となっていることをいう。

0022

手段2.前記形状判定用検出手段は、
前記補正手段よりも下流において、前記シートの幅方向の位置を検出する補正後検出手段と、
前記補正後検出手段よりも下流であって前記巻回手段よりも上流において、前記シートの幅方向の位置を検出する巻回前検出手段とを備え、
前記シート形状良否判定手段は、
前記補正後検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置に関する良否を判定する補正後良否判定手段と、
前記巻回前検出手段による検出結果に基づき、前記シートの幅方向の位置に関する良否を判定する巻回前良否判定手段とを備えるとともに、
前記補正後良否判定手段により良判定がなされた場合における、前記巻回前良否判定手段による判定結果に基づき、前記シートの幅方向端縁部の形状に関する良否を判定するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の巻回装置。

0023

尚、巻回前良否判定手段は、例えば、巻回前検出手段により検出された、所定の基準に対するシートの幅方向の位置ずれ量が、予め設定された所定の位置ずれ基準値を超えているか否かを判定することで、シートの幅方向の位置に関する良否を判定するものであってもよい。前記位置ずれ基準値は、適宜選択されるものである。従って、前記位置ずれ基準値は、例えば、シートの幅方向の位置ずれ量の最大許容値(これを超えた場合、得られた巻回素子において不良が生じ得る)であってもよいし、前記最大許容値よりも小さな値であってもよい。

0024

また、補正後良否判定手段による良否判定手法としては、巻回前良否判定手段による判定手法と同様の手法を用いてもよい。勿論、補正後良否判定手段にて用いられる位置ずれ基準値と巻回前良否判定手段にて用いられる位置ずれ基準値とをそれぞれ異なるものとしてもよい。

0025

上記手段2によれば、補正後検出手段で検出されるシートの幅方向の位置に基づき、補正後良否判定手段によって、シートの幅方向の位置に関する良否が判定される。つまり、補正後におけるシートの幅方向の位置が適正であるか否かが判定される。ここで、補正後のシートの幅方向位置が適正であっても、シート形状が良好であり、良好な補正精度が実現されているとは限らない。シート形状が不良であり、補正精度が低下していても、シートの幅方向の位置は適正となり得る。従って、補正後検出手段で検出されるシートの幅方向の位置に関する一点の情報のみに基づき、シート形状の良否を判定することは難しい。

0026

そこで、上記手段2によれば、補正後検出手段の下流に位置する巻回前検出手段にてシートの幅方向の位置が検出され、検出結果に基づき、巻回前良否判定手段によって、シートの幅方向の位置に関する良否が判定される。つまり、形状不良や補正精度の低下が生じていると、シートの幅方向の位置ずれ量が比較的大きくなり得る段階において、シートの幅方向の位置が適正であるか否かが判定される。

0027

そして、シート形状良否判定手段は、補正後良否判定手段により良判定(適正判定)がなされた場合における、巻回前良否判定手段による判定結果に基づき、シートの形状に関する良否を判定する。すなわち、補正後のシート位置が適正な状態のときにおける、巻回前のシート位置に基づき、シート形状に関する良否が判定される。これにより、シートの形状不良を容易にかつ精度よく把握することができ、ひいては巻回速度を低減させるか否かの判定を迅速にかつより正確に行うことができる。

0028

尚、シート形状良否判定手段は、例えば、補正後良否判定手段により良判定(適正判定)がなされた一方、巻回前良否判定手段により不良判定(異常判定)がなされた場合、すなわち、補正後のシート位置が適正であるにも関わらず、巻回前のシート位置に異常がある場合、シートに形状不良が生じているものと判定してもよい。また、シート形状良否判定手段は、例えば、一素子分のシートの巻回中に、補正後良否判定手段により良判定(適正判定)がなされた一方、巻回前良否判定手段により不良判定(異常判定)がなされたことが所定回数以上あった場合に、シートに形状不良が生じているものと判定してもよい。

0029

手段3.前記シートに対しその長手方向に沿った張力を付与するテンション付与手段と、
前記テンション付与手段から前記シートに付与される張力を制御するテンション制御手段とを備え、
前記テンション制御手段は、前記シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合、予め設定された適正範囲内において、前記シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合に前記シートに付与される張力よりも大きな張力を前記シートに対し付与するように、前記テンション付与手段を制御可能であることを特徴とする手段1又は2に記載の巻回装置。

0030

尚、「適正範囲」とあるのは、巻回時においてシートに付与したときに、得られた巻回素子において過度の巻締まりなどの不良を生じないものとすることができる張力の範囲をいう。また、「シート形状良否判定手段により良判定がなされた場合にシートに付与される張力」とあるのは、換言すれば、通常時(シート形状に問題がないとき)に、シートに付与される張力ということができる。

0031

上記手段3によれば、シート形状良否判定手段により不良判定がなされた場合に、テンション制御手段によりテンション付与手段が制御され、シートに対し通常時よりも比較的大きな張力を付与することができる。これにより、シートにおける形状不良を自動的に矯正することができる。その結果、形状不良のあるシートを用いた場合であっても、良品の巻回素子を一層確実に得ることができ、歩留まりをより向上させることができる。

0032

また、シートに付与される張力は、適正範囲内のものとされるため、得られた巻回素子において良好な品質をより確実に確保することができる。

0033

手段4.前記速度制御手段は、前記小さな巻回速度となるように前記巻回手段を制御した後において、所定の条件を満たしたときに、元の巻回速度で動作するように、前記巻回手段を制御することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の巻回装置。

0034

上記の通り、巻回速度を小さくすることで、良品の巻回素子をより確実に得ることが可能である。しかし、巻回速度を小さくすると、生産性の低下を招いてしまうおそれがある。また、1の原反を構成するシート(1ロール分シート)のうち形状不良の生じている部位は、シート長手方向における一部であり、1ロール分シートの大部分においては、形状不良の生じていないことが多い。従って、巻回速度を長期に亘って低減させておく必要性は低いことが多い。

0035

これらの点を踏まえ、上記手段4によれば、所定条件を満たしたとき(例えば、巻回速度を比較的小さくしてから所定個数の巻回素子を製造したときや、形状判定用検出手段による検出結果が所定の条件を満たしたとき等)に、元の巻回速度で動作するように、巻回手段が制御される。従って、比較的小さな巻回速度で動作する期間が過度に長いものとならないようにすることができる。これにより、生産性を十分に向上させることができる。

0036

尚、仮に巻回速度を元に戻したときにおいて、シート形状良否判定手段により不良判定がなされれば、比較的小さな巻回速度で巻回手段が再び動作することとなる。

図面の簡単な説明

0037

電池素子概略構成を示す断面模式図である。
巻回部の概略構成図である。
第1実施形態における巻回装置の概略構成図である。
補正装置の概略構成図である。
第1実施形態において、検出手段及び形状判定用検出手段を構成する要素を説明するための図である。
良否判定結果や張力の記憶状態を示す図である。
巻回速度の記憶状態を示す図である。
負電極シートの供給に際しての手順を説明するための要部模式図である。
負電極シートの供給に際しての手順を説明するための要部模式図である。
正電極シートが供給された状態を示す要部模式図である。
正電極シートの切断過程を説明するための要部模式図である。
一方の巻芯が取外しポジションへと配置され、他方の巻芯が巻回ポジションへと配置された状態を示す要部模式図である。
セパレータシートの切断過程を説明するための要部模式図である。
第1実施形態におけるメイン処理フローチャートである。
補正処理のフローチャートである。
第1実施形態等における異常回数カウント処理のフローチャートである。
第1実施形態における良否判定処理のフローチャートである。
第1実施形態における判定結果対応処理のフローチャートである。
位置不良連続数カウント処理のフローチャートである。
形状不良連続数カウント処理のフローチャートである。
第1実施形態における張力増大対応処理のフローチャートである。
張力リセット対応処理のフローチャートである。
第1実施形態における巻回速度制御処理のフローチャートである。
第1実施形態における速度低減対応処理のフローチャートである。
速度リセット対応処理のフローチャートである。
第2実施形態におけるメイン処理のフローチャートである。
不良有無判定処理のフローチャートである。
第2実施形態における張力増大対応処理のフローチャートである。
第2実施形態における良否判定処理のフローチャートである。
第2実施形態における判定結果対応処理のフローチャートである。
第3実施形態における張力増大対応処理のフローチャートである。
第3実施形態における張力リセット対応処理のフローチャートである。
第4実施形態における巻回装置の概略構成図である。
第4実施形態において、検出手段及び形状判定用検出手段を構成する要素を説明するための図である。
第5実施形態における巻回装置の概略構成図である。
第5実施形態において、検出手段及び形状判定用検出手段を構成する要素を説明するための図である。
第5実施形態における異常回数カウント処理のフローチャートである。
別の実施形態において、検出手段及び形状判定用検出手段を構成する要素を説明するための図である。
補正後の幅方向位置に不良があるシートの一例を示す平面模式図である。
形状が良好なシートの一例を示す拡大平面模式図である。
形状不良があるシートの一例を示す平面模式図である。
形状不良があるシートの一例を示す平面模式図である。
第5実施形態において、所定長さに対応して保存される複数の位置ずれ量などを模式的に示す図である。

実施例

0038

以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
まず、巻回装置によって得られる巻回素子としてのリチウムイオン電池素子の構成について説明する。

0039

図1に示すように、リチウムイオン電池素子1(以下、単に「電池素子1」という)は、2枚のセパレータシート2,3を介して、正電極シート4及び負電極シート5が重ね合わされた状態で巻回されることにより製造される。尚、図1においては、説明の便宜上、セパレータシート2,3及び電極シート4,5(以下、これらを総称する場合は「各種シート2〜5」という)の相互の間隔をあけて示している。

0040

セパレータシート2,3は、それぞれ同一の幅を有する帯状をなしており、異なる電極シート4,5同士が互いに接触して短絡を起こしてしまうのを防止すべく、ポリプロピレン(PP)等の絶縁体により構成されている。

0041

各電極シート4,5は、薄板状の金属シートよりなり、セパレータシート2,3と略同一の幅を有している。また、各電極シート4,5の表裏両面には活物質が塗布されている。正電極シート4には例えばアルミニウム箔シートが用いられ、その表裏両面に正極活物質(例えば、マンガン酸リチウム粒子等)が塗布されている。負電極シート5には例えば銅箔シートが用いられ、その表裏両面に負極活物質(例えば、活性炭等)が塗布されている。そして、活物質を介して、正電極シート4及び負電極シート5間におけるイオン交換ができるようになっている。より詳しくは、充電時には、正電極シート4側から負電極シート5側へとイオンが移動し、放電時には、負電極シート5側から正電極シート4側へとイオンが移動する。

0042

また、正電極シート4の幅方向一端縁からは図示しない複数の正極リード延出するとともに、負電極シート5の幅方向他端縁からは図示しない複数の負極リードが延出している。

0043

リチウムイオン電池を得るに際しては、巻回された電池素子1が金属製で筒状をなす電池容器(図示せず)内に配設されるとともに、前記正極リード及び負極リードがそれぞれまとめられる。そして、まとめられた正極リードを正極端子部品(図示せず)に接続するとともに、同じくまとめられた負極リードを負極端子部品(図示せず)に接続し、両端子部品が前記電池容器の両端開口に塞ぐように設けられることで、リチウムイオン電池を得ることができる。

0044

次に、電池素子1を製造するための巻回装置10について説明する。巻回装置10は、図3に示すように、各種シート2〜5を巻回するための巻回部11と、正電極シート4を巻回部11へ供給するための正電極シート供給機構31と、負電極シート5を巻回部11へ供給するための負電極シート供給機構41と、セパレータシート2,3をそれぞれ巻回部11へ供給するためのセパレータ供給機構51,61と、巻回制御装置91とを備えている。

0045

正電極シート供給機構31は、正電極シート4がロール状に巻回されてなる、原反としての正電極シート原反32を備えている。正電極シート原反32は、支持手段としての支持軸71によって自由回転可能に支持されており、ここから適宜、正電極シート4が引き出されるようになっている。また、支持軸71は、図示しないアクチュエータによって自身の軸線方向に沿って移動可能とされている。

0046

さらに、正電極シート供給機構31は、テンション付与手段としてのテンション付与装置72と、補正手段としての補正装置73と、シート挿入機構74と、シート切断カッタ75と、補正制御装置76とを備えている。

0047

テンション付与装置72は、正電極シート原反32から巻回部11にかけての正電極シート4の供給経路の途中に設けられている。テンション付与装置72は、一対のローラ72a,72bと、両ローラ72a,72b間において揺動自在に設けられたダンサローラ72cとを有している。ダンサローラ72cは、トルク制御された所定のサーボモータ(図示せず)により動作し、補正制御装置76(後述するテンション制御部764)により前記サーボモータが制御されることで、正電極シート4に付与される張力が変更可能となっている。正電極シート4に対する張力の付与により、正電極シート4の弛み防止が図られている。

0048

尚、正電極シート4に付与される張力は、適正範囲内において増減可能となっており、通常、所定の通常時張力とされている。「適正範囲」とあるのは、巻回時において正電極シート4に付与したときに、得られた電池素子1において過度の巻締まりなどの不良を生じないものとすることができる張力の範囲をいう。

0049

補正装置73は、テンション付与装置72よりも下流に配置されており、上下一対のローラ73a,73bを備えている。補正装置73は、図示しない所定のアクチュエータによって、下側のローラ73aの中央の下方に位置するピボットセンターαを回動中心として回動可能となっている(図4参照)。

0050

シート挿入機構74は、補正装置73の下流に配置されており、正電極シート4を巻回部11へ供給するものである。シート挿入機構74は、正電極シート4の搬送経路に沿って、巻回部11に接近する接近位置と、巻回部11から離間する離間位置との間で移動可能に構成されている。シート挿入機構74は、正電極シート4を把持可能な一対のチャック74a,74bを備えている。チャック74a,74bは、図示しない駆動手段により開閉動作可能に構成されている。そして、正電極シート4を巻回部11へ供給する際には、チャック74a,74bにより正電極シート4を把持した上で、シート挿入機構74が巻回部11に対して接近するようになっている。

0051

シート切断カッタ75は、正電極シート4を切断するためのものであり、正電極シート4の表裏両側にそれぞれ位置する一対の刃部75a,75bを備えている。刃部75a,75bは、正電極シート4を挟むように位置するシート切断位置と、正電極シート4の搬送経路外退避する退避位置との間で移動可能に構成されている。

0052

尚、正電極シート4の切断は、前記チャック74a,74bにより正電極シート4を把持した状態で行われるようになっている。また、巻回部11へと正電極シート4を供給すべく、シート挿入機構74が巻回部11へ接近移動する際には、刃部75a,75bがそれぞれ正電極シート4の搬送経路から離間することで、シート挿入機構74の移動を阻害しないようになっている。

0053

補正制御装置76は、例えば、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、各種データを長期間記憶可能なハードディスクなどを備えたコンピュータシステムにより構成されている。補正制御装置76は、正電極シート4の幅方向の位置に関する情報を得るとともに、電池素子1における巻きずれの発生を抑制すべく、得られた情報に基づき、支持軸71、テンション付与装置72及び補正装置73の動作を制御する。

0054

補正制御装置76は、供給対応エッジセンサ761と、形状判定用検出手段としての形状判定用検出部762と、シート形状良否判定手段としてのシート形状良否判定部763と、テンション制御手段としてのテンション制御部764と、幅方向位置補正部766とを備えている。

0055

供給対応エッジセンサ761は、例えば、レーザー式又は超音波式などのエッジ検出センサにより構成されており、正電極シート原反32から供給される正電極シート4の幅方向の位置をチェックするものである。供給対応エッジセンサ761は、正電極シート原反32の直下流において、正電極シート4の上下位置に配置されている。供給対応エッジセンサ761は、正電極シート4の幅方向一端縁の位置を検知することで、予め設定された所定の基準に対する正電極シート4の幅方向の位置ずれ量W0を検出し、検出した位置ずれ量W0を幅方向位置補正部766へと出力する。位置ずれ量W0の検出及び出力に係る処理は、巻回部11に対する一素子分の正電極シート4の供給開始から供給終了までの間において、所定時間(例えば、数ms)毎に繰り返し行われる。尚、正電極シート4の幅方向一端縁が前記基準よりもシート幅方向の一方側にずれている場合、位置ずれ量W0はプラスとなり、正電極シート4の幅方向一端縁が前記基準よりもシート幅方向の他方側にずれている場合、位置ずれ量W0はマイナスとなる。この点は、後述する位置ずれ量に関しても同様である。

0056

形状判定用検出部762は、第一エッジセンサ762a及び第二エッジセンサ762bを備えている。本実施形態において、第一エッジセンサ762aは、検出手段及び補正後検出手段に相当し、第二エッジセンサ762bは、巻回前検出手段に相当する(図5参照)。

0057

第一エッジセンサ762aは、補正装置73から送り出された正電極シート4の幅方向の位置をチェックするために用いられる。第一エッジセンサ762aは、補正装置73の直下流において、正電極シート4の上下位置に配置されている。第一エッジセンサ762aは、正電極シート4の幅方向一端縁の位置を検知することで、予め設定された所定の基準に対する正電極シート4の幅方向の位置ずれ量W1を検出し、検出した位置ずれ量W1を幅方向位置補正部766及びシート形状良否判定部763(後述する補正後良否判定部763a)へと出力する。第一エッジセンサ762aにより検出された位置ずれ量W1は、正電極シート4における幅方向の位置ずれの補正、及び、正電極シート4における形状に関する良否判定のために用いられる。

0058

第二エッジセンサ762bは、巻回部11へと至る直前における正電極シート4の幅方向の位置をチェックするために用いられる。第二エッジセンサ762bは、巻回部11の直上流において、正電極シート4の上下位置に配置されている。第二エッジセンサ762bは、正電極シート4の幅方向一端縁の位置を検知することで、予め設定された所定の基準に対する正電極シート4の幅方向の位置ずれ量W2を検出し、検出した位置ずれ量W2をシート形状良否判定部763(後述する巻回前良否判定部763b)へと出力する。第二エッジセンサ762bにより検出された位置ずれ量W2は、正電極シート4の形状に関する良否を判定するために用いられる。

0059

尚、両エッジセンサ762a,762bは、供給対応エッジセンサ761と同様に、位置ずれ量の検出及び出力に係る処理を、正電極シート4が搬送されている間、所定時間(例えば、数ms)毎に繰り返し行う。また、本実施形態では、正電極シート4の搬送方向に沿った両エッジセンサ762a,762b間の距離が比較的小さなもの(例えば、数十mm以下)となっている。

0060

シート形状良否判定部763は、第一エッジセンサ762a及び第二エッジセンサ762bから入力された位置ずれ量W1,W2に基づき、補正装置73による補正直後における正電極シート4の幅方向位置に関する良否、及び、正電極シート4の幅方向端縁部における形状の良否を判定する。シート形状良否判定部763は、補正後良否判定手段としての補正後良否判定部763aと、巻回前良否判定手段としての巻回前良否判定部763bとを備えている。

0061

補正後良否判定部763aは、第一エッジセンサ762aから入力された位置ずれ量W1に基づき、正電極シート4の幅方向の位置に関する良否(異常の有無)を判定する。具体的には、補正後良否判定部763aは、所定時間毎に、予め設定された第一位置ずれ基準値K1と、入力された最新の位置ずれ量W1の絶対値とを比較する。そして、入力された位置ずれ量W1の絶対値が、第一位置ずれ基準値K1以下である場合に、正電極シート4の幅方向位置が適正であると判定する。一方、入力された位置ずれ量W1の絶対値が、第一位置ずれ基準値K1を上回る場合に、正電極シート4の幅方向位置に異常があると判定する。

0062

尚、本実施形態において、第一位置ずれ基準値K1は、正電極シート4の幅方向の位置ずれ量として許容される最大値(許容最大値)に設定されている。検出された位置ずれ量W1の絶対値が最大許容値を超える場合、得られる電池素子1は、正電極シート4の巻きずれ等のため不良品となり得る。

0063

巻回前良否判定部763bは、第二エッジセンサ762bから入力された位置ずれ量W2に基づき、正電極シート4の幅方向の位置に関する良否(異常の有無)を判定する。具体的には、巻回前良否判定部763bは、補正後良否判定部763aにより正電極シート4の幅方向の位置が適正であると判定された場合に、予め設定された第二位置ずれ基準値K2と、入力された最新の位置ずれ量W2の絶対値とを比較する。そして、入力された位置ずれ量W2の絶対値が、第二位置ずれ基準値K2以下である場合に、正電極シート4の幅方向の位置が適正であると判定する。一方、入力された位置ずれ量W2の絶対値が、第二位置ずれ基準値K2を上回る場合に、正電極シート4の幅方向の位置に異常があると判定する。

0064

尚、本実施形態において、第二位置ずれ基準値K2は、前記最大許容値よりも小さな値に設定されている。そのため、検出された位置ずれ量W2が比較的小さな状態、すなわち、得られる電池素子1が良品となり得る状態であっても、巻回前良否判定部763bにより異常と判定されることがある。

0065

そして、シート形状良否判定部763は、補正後良否判定部763aによる良否判定結果に基づき、補正装置73による補正直後における正電極シート4の幅方向の位置に関する良否を最終的に判定する。詳述すると、シート形状良否判定部763は、一素子分の正電極シート4の巻回開始から巻回終了までの間に、補正後良否判定部763aによる異常判定回数が予め設定された第一不良判定用数値X1(例えば、1)未満であった場合に、補正装置73の補正直後における正電極シート4の幅方向の位置に関し良と判定する。一方、シート形状良否判定部763は、補正後良否判定部763aによる異常判定回数が第一不良判定用数値X1以上であった場合、正電極シート4の幅方向位置に関し不良と判定する。尚、第一不良判定用数値X1は適宜変更可能である。また、次述する第二不良判定用数値X2についても適宜変更可能である。

0066

さらに、シート形状良否判定部763は、補正後良否判定部763aにより良判定(適正判定)がなされた場合における、巻回前良否判定部763bによる判定結果に基づき、正電極シート4の幅方向端縁部における形状の良否を判定する。より詳しくは、シート形状良否判定部763は、一素子分の正電極シート4の巻回開始から巻回終了までの間に、補正後良否判定部763aにより適正と判定された一方、巻回前良否判定部763bにより異常と判定された回数が、予め設定された第二不良判定用数値X2(例えば、3)未満であった場合に、正電極シート4の形状に関し良と判定する。一方、シート形状良否判定部763は、補正後良否判定部763aにより適正と判定された一方、巻回前良否判定部763bにより異常と判定された回数が第二不良判定用数値X2以上であった場合に、正電極シート4の形状に関し不良と判定する。但し、本実施形態において、第二位置ずれ基準値K2は前記最大許容値よりも小さな値に設定されているため、形状不良と判定されたシートには、若干の問題があるものの、一般的な基準では良と判定されるようなものも含まれる。

0067

また、本実施形態において、補正制御装置76は、シート形状良否判定部763によって形状不良と判定された場合、巻回制御装置91に対し所定の形状不良信号を出力する。形状不良信号は、後述する巻芯13,14における巻回速度を変更する契機となる信号である。

0068

さらに、補正直後における正電極シート4の幅方向の位置に係る良否判定結果(位置良否判定結果)、及び、正電極シート4の形状に係る良否判定結果(形状良否判定結果)は、製造された電池素子1を特定するための素子番号とともに、例えば、補正制御装置76のハードディスクなどに記憶される(図6参照)。また、良否判定結果とともに、電池素子1を得る際に正電極シート4に付された張力についても、補正制御装置76に記憶される。素子番号は、巻回制御装置91により設定され、例えば、電池素子1がひとつ製造される度に1つずつ増大していく態様とされる。尚、本実施形態では、正電極シート4の幅方向の位置に関し不良と判定された場合には、正電極シート4の形状の良否に関する判定は行われない。そのため、正電極シート4の幅方向の位置に関し不良判定された場合、形状に係る良否判定結果は、前記ハードディスクなどに記憶されないようになっている。

0069

また、本実施形態では、所定個数(例えば、5個)の電池素子1において、正電極シート4の幅方向位置や形状に関し、不良判定が連続してなされた場合、補正制御装置76は、所定の連続不良時処理を行う。連続不良時処理としては、各種シート2〜5の巻回動作を一時的に停止させる処理や、シートに著しい不良がある旨を作業員などに報知させる処理などを挙げることができる。

0070

テンション制御部764は、テンション付与装置72から正電極シート4に付与される張力を制御する。本実施形態では、シート形状良否判定部763により形状不良と判定された場合、テンション制御部764は、次の電池素子1の製造時から、正電極シート4に対し前記通常時張力よりも大きな張力(不良時張力)が付与されるように、テンション付与装置72を制御する。尚、不良時張力は、前記適正範囲内に収まるものとされている。

0071

一方、正電極シート4の形状に関して良判定である場合、テンション制御部764は、正電極シート4に対し通常時張力が付与されていれば、正電極シート4に対し通常時張力が付与され続けるように、テンション付与装置72を制御する。

0072

また、テンション制御部764は、正電極シート4に対し不良時張力を付与するようにテンション付与装置72を制御した後において、所定の条件を満たしたときに、正電極シート4に対し元の張力を付与するように、テンション付与装置72を制御する。本実施形態において、「所定の条件」は、「不良時張力の付与を開始してから、所定個数(例えば、200個)の電池素子1の製造を完了したこと」とされている。

0073

幅方向位置補正部766は、支持軸71の移動及び補正装置73の回動を制御することで、正電極シート4の幅方向の位置ずれを補正する。具体的には、幅方向位置補正部766は、供給対応エッジセンサ761から入力された最新の位置ずれ量W0に基づき、支持軸71を移動させる。支持軸71の移動量は、例えば、予め設定された所定の基準値と入力された位置ずれ量W0との差に対応するものとされる。支持軸71の移動が制御されることで、搬送経路の最上流における正電極シート4の幅方向の位置ずれが補正される。

0074

また、幅方向位置補正部766は、第一エッジセンサ762aから入力された最新の位置ずれ量W1に基づき、補正装置73の回動を制御する。補正装置73の回動量回動方向は、入力された位置ずれ量W1に基づくものとされる。補正装置73の回動が制御されることにより、正電極シート4の幅方向の位置ずれが補正される。但し、補正装置73の回動可能範囲は限定されているため、正電極シート4の幅方向一端縁に破れがある場合など、位置ずれ量W1の絶対値が極端に大きくなるような場合には、正電極シート4の幅方向の位置ずれを補正しきれない場合もある。この場合、補正後良否判定部763aによって、正電極シート4の幅方向の位置に異常があるものと判定される。

0075

次に、負電極シート供給機構41について説明する。負電極シート供給機構41は、巻回部11へと負電極シート5を供給するものである。負電極シート供給機構41は、正電極シート供給機構31と同様に、支持軸71、テンション付与装置72、補正装置73、シート挿入機構74、シート切断カッタ75及び補正制御装置76を備えている。これらは、負電極シート5を対象として機能する点を除き、正電極シート供給機構31に設けられたものと同様である。従って、これらについての詳細な説明は省略する。

0076

負電極シート供給機構41は、支持軸71により自由回転可能に支持された、原反としての負電極シート原反を備えている。負電極シート原反は、負電極シート5がロール状に巻回されてなる。負電極シート5は、負電極シート原反からテンション付与装置72側へと適宜引出される。

0077

次いで、セパレータ供給機構51,61について説明する。セパレータ供給機構51,61は、巻回部11へとセパレータシート2,3を供給するものである。セパレータ供給機構51,61は、支持軸71、テンション付与装置72、補正装置73及び補正制御装置76を備えている。これらは、セパレータシート2,3を対象として機能する点を除き、正電極シート供給機構31に設けられたものと同様である。従って、これらについての詳細な説明は省略する。

0078

セパレータ供給機構51,61は、支持軸71により自由回転可能に支持された、原反としてのセパレータ原反を備えている。セパレータ原反は、セパレータシート2,3がロール状に巻回されてなる。セパレータシート2,3は、セパレータ原反からテンション付与装置72側へと適宜引き出される。

0079

尚、各種シート2〜5の供給経路の途中には、各種シート2〜5をひとまとめにする一対のガイドローラ79a,79b(図8等参照。図3等では不図示)など、各種シート2〜5を案内するための各種ガイドローラ(図示略)が設けられている。

0080

次いで、巻回制御装置91について説明する。巻回制御装置91は、CPUやROM、RAM、ハードディスクなどを備えたコンピュータシステムにより構成されている。巻回制御装置91は、巻回部11及び各供給機構31,41,51,61との間で信号を送受信可能に構成されており、これらの動作を総合的に制御する。

0081

また、巻回制御装置91は、速度制御手段としての速度制御部911を備えている。速度制御部911は、巻回部11(後述する巻芯13,14)による各種シート2〜5の巻回速度を制御する。具体的には、速度制御部911は、形状不良信号が入力された場合、すなわち、いずれかのシートに関し形状不良と判定された場合、次の電池素子1の製造時から、良判定がなされた場合の巻回速度(通常時巻回速度)よりも小さな不良時巻回速度で巻回動作するように、巻回部11(後述する巻芯13,14)を制御する。一方、各種シート2〜5の形状に関し良判定されている場合、巻回部11における巻回速度が通常時巻回速度とされていれば、速度制御部911は、通常時巻回速度が維持されるように、巻回部11を制御する。

0082

また、速度制御部911は、不良時巻回速度にて巻回動作するように巻回部11を制御した後において、所定の条件を満たしたときに、巻回速度を元に戻すように、巻回部11を制御する。本実施形態において、「所定の条件」は、「各供給機構31,41,51,61においてシートに対し通常時張力が付与されるようになったこと」とされている。

0083

尚、巻回制御装置91は、電池素子1を得る際に用いられた巻回速度を、素子番号とともに自身のハードディスクなどに記憶する(図7参照)。巻回制御装置91は、この記憶された情報を、所定の表示手段(図示せず)にて表示させることが可能となっている。また、巻回制御装置91は、各供給機構31,41,51,61に記憶された良否判定結果や張力に関する情報を得た上で、この情報を前記表示手段にて表示させることも可能となっている。

0084

次いで、巻回部11の構成について詳しく説明する。図2に示すように、巻回部11は、ターレット12、巻回手段としての巻芯13,14、支持ローラ15a,15b、セパレータカッタ16、押えローラ17及びテープ貼付機構18を備えている。

0085

ターレット12は、図示しない駆動機構により回転可能に設けられた相対向する2枚の円盤状のテーブルにより構成されている。

0086

巻芯13,14は、ターレット12の回転方向に180度間隔で設けられている。巻芯13,14は、それぞれ自身の外周側において各種シート2〜5を巻取るためのものであり、図示しない駆動機構により自身の中心軸回転軸として回転可能に構成されている。本実施形態における巻芯13,14は、回転軸と直交する断面において、それぞれ円形状をなしている。

0087

尚、巻回制御装置91は、図示しないエンコーダによって、巻芯13,14の回転量を把握可能とされている。巻芯13,14の回転量や回転開始・停止のタイミングは、把握した回転量に基づき巻回制御装置91によって制御される。

0088

また、巻芯13,14は、ターレット12の軸線方向(図2紙面行方向)に沿って移動可能であり、ターレット12を構成する一方のテーブルに対し出没可能となっている。巻芯13,14は、前記一方のテーブルから突出した状態となったときに、その先端部が他方のテーブルに形成された受け用の穴に挿通される。その結果、巻芯13,14は、両テーブルによって回転可能な状態で支持される。

0089

さらに、巻芯13(14)は、それぞれ自身の軸線方向(図2の紙面奥行方向)に沿って延びる一対の芯片13a,13b(14a,14b)を備えており、芯片13a,13b(14a,14b)間には隙間が形成されている。

0090

加えて、巻芯13,14は、ターレット12が回転することにより、巻回ポジションP1と、取外しポジションP2との間を旋回移動可能に構成されている。

0091

巻回ポジションP1は、巻芯13,14に対し各種シート2〜5を巻回するポジションである。巻回ポジションP1に対し上記各供給機構31,41,51,61からそれぞれ各種シート2〜5が供給される。

0092

取外しポジションP2は、巻回後の各種シート2〜5、すなわち電池素子1の取外しを行うためのポジションである。取外しポジションP2の周辺部には、巻芯13,14から電池素子1の取外しを行うための取外装置(不図示)が設けられている。

0093

支持ローラ15a,15bは、巻芯13,14に対しそれぞれターレット12の回転方向にほぼ90度ずつずれた位置に設けられている。支持ローラ15a,15bは、取外しポジションP2へ移動した巻芯13,14と上記供給機構31,41,51,61との間で各種シート2〜5を引っ掛け、支持するためのものである。

0094

セパレータカッタ16は、巻回ポジションP1の近傍に配置されており、ターレット12に接近しセパレータシート2,3を切断する切断位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能である。

0095

押えローラ17は、巻回後の各種シート2〜5がばらけるのを抑えるために用いられる。押えローラ17は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、ターレット12に接近し各種シート2〜5を押さえ近接位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能に構成されている。

0096

テープ貼付機構18は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、巻回終了時に、ターレット12に接近し、セパレータシート2,3の終端部に所定の固定用テープ(図示せず)を貼付する。尚、固定用テープに対し、その貼付対象となる電池素子1の素子番号を印刷等により予め付すこととしてもよい。

0097

次に、巻回装置10を用いた電池素子1の製造方法について説明する。

0098

まず、ターレット12を反時計回りに半回転させることで、一方の巻芯13(14)を巻回ポジションP1へと移動させ、他方の巻芯14(13)を取外しポジションP2へと移動させる。尚、図8に示すように、電極シート4,5が巻回されることとなる一方の巻芯13(14)の外周にはセパレータシート2,3が所定量だけ巻回された状態となっている。尚、図8〜11では、巻回部11のうち一方の巻芯13(14)のみを示す。

0099

一方の巻芯13(14)を巻回ポジションP1へと移動させた後、負電極シート供給機構41によって、一方の巻芯13(14)に対する負電極シート5の供給を開始する。具体的には、負電極シート5の先端部をシート挿入機構74により把持した状態で、当該シート挿入機構74を一方の巻芯13(14)側へと接近させる。尚、シート挿入機構74が一方の巻芯13(14)へと接近する際に、補正装置73及び第一エッジセンサ762aがシート挿入機構74とともに移動するように構成してもよい。一方の巻芯13(14)に対するシート挿入機構74の接近に伴い、図9に示すように、セパレータシート2,3間に負電極シート5が挿入され、一方の巻芯13(14)に対し負電極シート5の供給が開始される。尚、セパレータシート2,3間への負電極シート5の挿入に合わせて、シート挿入機構74による負電極シート5の把持が解除される。その後、シート挿入機構74は元の位置へと戻る。

0100

負電極シート5の挿入後、一方の巻芯13(14)が所定回数(例えば、1回)回転した段階で、図10に示すように、正電極シート供給機構31によって、一方の巻芯13(14)に対し正電極シート4が供給される。正電極シート供給機構31による正電極シート4の供給は、負電極シート供給機構41による負電極シート5の供給と同様の手法にて行われる。本実施形態では、負電極シート5で正電極シート4をより確実に覆うべく、負電極シート5の供給後に、正電極シート4が供給される。

0101

正電極シート4の供給後、一方の巻芯13(14)の回転に伴い、この巻芯13(14)に対し各種シート2〜5が巻取られていく。

0102

そして、一方の巻芯13(14)に対し、各種シート2〜5が所定量だけ巻回されると、一方の巻芯13(14)の回転動作一時停止される。回転動作の一時停止後図11に示すように、シート挿入機構74により正電極シート4が把持された上で、シート切断カッタ75により正電極シート4が切断される。

0103

次いで、一方の巻芯13(14)の回転動作が再開されることで、負電極シート5等の巻取が再開される。そして、負電極シート5が所定量だけ巻回されると、一方の巻芯13(14)の回転動作が一時停止される。その後、シート挿入機構74により負電極シート5が把持された上で、シート切断カッタ75により負電極シート5が切断される。

0104

次に、セパレータシート2,3が切断されることなく、ターレット12が回転させられる。これにより、巻回ポジションP1にあった一方の巻芯13(14)がセパレータ供給機構51,61からセパレータシート2,3を引き出しつつ、取外しポジションP2側へと移動していく。一方、取外しポジションP2にあった他方の巻芯14(13)が、ターレット12の一方のテーブルに没した状態で、巻回ポジションP1側へと移動していく。これにより、図12に示すように、一方の巻芯13(14)と他方の巻芯14(13)との間において、セパレータシート2,3が一方の支持ローラ15b(15a)に架けられた状態となる。

0105

そして、一方の巻芯13(14)の回転数所定回転数となったときに、巻終わり処理が実行される。巻終わり処理では、まず、図13に示すように、押えローラ17を一方の巻芯13(14)に接近させ、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた上で、セパレータカッタ16がセパレータシート2,3に接近することにより、セパレータシート2,3を切断する。

0106

尚、セパレータシート2,3の切断に先立って、他方の巻芯14(13)がターレット12の一方のテーブルから突出することで、他方の巻芯14(13)の芯片14a,14b(13a,13b)間にセパレータシート2,3が挿通される。さらに、他方の巻芯14(13)が所定量だけ回転することで、他方の巻芯14(13)の外周にセパレータシート2,3が所定量だけ巻き付けられる。次回の巻取時には、このセパレータシート2,3が巻き付けられた他方の巻芯14(13)へと電極シート4,5が供給される。

0107

セパレータシート2,3の切断後、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた状態のまま、一方の巻芯13(14)を回転させる。これにより、各種シート2〜5の終端部分がばらけることなく完全に巻取られる。

0108

次いで、テープ貼付機構18により、セパレータシート2,3の終端部が前記固定用テープにより巻止めされ、巻終わり処理が終了される。そして最後に、巻回された各種シート2〜5を一方の巻芯13(14)から取外すことで、電池素子1が得られる。

0109

次に、各供給機構31,41,51,61の補正制御装置76にて行われる、位置ずれの補正や張力の制御に係るメイン処理について、フローチャートを参照して説明する。メイン処理は、所定の短時間毎に繰り返し行われる。尚、以下において単に「シート」とあるのは、処理の対象となるシートを意味し、例えば、正電極シート供給機構31のメイン処理では、正電極シート4を意味する。

0110

メイン処理では、図14に示すように、まず、ステップS10において、一方の巻芯13(14)によるシートの巻回が開始されたか否かを判定する。例えば、正電極シート供給機構31においては、巻芯13(14)により正電極シート4の巻回が開始されたか否かを判定する。この判定処理は、例えば、巻回制御装置91から補正制御装置76に対し、巻回開始に関する信号が入力されたか否かを判定するといった処理である。

0111

ステップS10の処理は肯定判定されるまで繰り返し行われ、ステップS10にて肯定判定されると、すなわち、一方の巻芯13(14)によるシートの巻回が開始されると、ステップS11に移行する。ステップS11では、補正処理が実行される。

0112

補正処理は、供給対応エッジセンサ761及び第一エッジセンサ762aから入力された位置ずれ量W0,W1に基づき、支持軸71及び補正装置73を動作させることで、シートにおける幅方向の位置ずれを補正する処理である。

0113

補正処理では、図15に示すように、まず、ステップS20において、供給対応エッジセンサ761から入力された最新の位置ずれ量W0に基づき、支持軸71を動作させる。これにより、搬送経路の最上流におけるシートの幅方向の位置ずれが補正される。

0114

続くステップS21では、第一エッジセンサ762aから入力された最新の位置ずれ量W1に基づき、補正装置73を動作させる。これにより、補正装置73から送り出されたシートにおける幅方向の位置ずれが補正される。

0115

図14戻り、ステップS11に続くステップS12では、異常回数カウント処理を実行する。異常回数カウント処理では、補正装置73による補正直後におけるシートの幅方向の位置と、シートのうち両エッジセンサ762a,762b間に位置する部位の幅方向端縁部の形状とが、巻芯13(14)の巻回動作中(電池素子1の製造中)に、繰り返しチェックされる。そして最終的に、巻芯13(14)の巻回動作中において、シートの幅方向の位置又はシートの幅方向端縁部の形状に関し異常と判定された回数を求める。

0116

異常回数カウント処理では、図16に示すように、まず、ステップS30において、第一エッジセンサ762aから入力された最新の位置ずれ量W1の絶対値が、第一位置ずれ基準値K1よりも大きいか否かを判定する。位置ずれ量W1の絶対値が第一位置ずれ基準値K1を上回る場合(ステップS30:YES)、ステップS31にて、シートの幅方向位置に異常があるとして、幅方向位置異常判定を行う。すなわち、補正装置73によって可能な限り補正を行ったにも関わらず、位置ずれ量W1の絶対値が第一位置ずれ基準値K1を上回るような場合(図39参照)、幅方向位置異常判定を行う。尚、図39〜43においては、シートを代表して正電極シート4を示し、また、正電極シート4を太線で示している。さらに、図39等では、図示の便宜上、形状異常の程度を極端に大きくした状態のシートを示している。

0117

次いで、ステップS32にて、位置異常回数カウンタの値Niを1つ増大させて、異常回数カウント処理を終了する。位置異常回数カウンタは、ひとつ分の電池素子1を製造する間に、幅方向位置異常判定の行われた回数を数えるためのカウンタであり、その初期値は0に設定されている。

0118

一方、位置ずれ量W1の絶対値が第一位置ずれ基準値K1以下である場合(ステップS30:NO)、ステップS33に移行し、第二エッジセンサ762bから入力された最新の位置ずれ量W2の絶対値が、第二位置ずれ基準値K2よりも大きいか否かを判定する。位置ずれ量W2の絶対値が第二位置ずれ基準値K2以下である場合(ステップS33:NO)、異常回数カウント処理を終了する。尚、ステップS33にて否定判定されるということは、補正装置73により適切な補正が行われたこと等によりシートの幅方向の位置が適正であり、かつ、シートの幅方向端縁部の形状が適正である場合、すなわち、位置ずれ量W1の絶対値が第一位置ずれ基準値K1以下であり、かつ、位置ずれ量W2の絶対値が第二位置ずれ基準値K2以下である場合(図40参照)に行われる。

0119

これに対し、位置ずれ量W2の絶対値が第二位置ずれ基準値K2を上回る場合(ステップS33:YES)、ステップS34にて、シートの幅方向端縁部の形状に異常があるとして、形状異常判定を行う。すなわち、補正装置73により補正が行われたこと等により、第一エッジセンサ762aによる検出結果が正常であるにも関わらず、その直下流に位置する第二エッジセンサ762bによる検出結果に異常がある場合(図41,42参照)、形状異常判定を行う。尚、図41では、反り(曲がり)のあるシートを示し、図42では、うねり(蛇行)のあるシートを示す。

0120

そして、続くステップS35にて、形状異常回数カウンタの値Nkを1つ増大させて、異常回数カウント処理を終了する。形状異常回数カウンタは、ひとつ分の電池素子1を製造する間に、形状異常判定の行われた回数を数えるためのカウンタであり、その初期値は0に設定されている。

0121

図14に戻り、ステップS12に続くステップS13において、シートの巻回処理が終了したか否かを判定する。この判定処理は、例えば、巻回制御装置91から補正制御装置76に対し、巻回終了に関する信号が入力されたか否かを判定する処理により実現することができる。巻回処理が終了していない場合(ステップS13:NO)、ステップS11に戻り、巻回処理が終了するまでの間、補正処理と異常回数カウント処理とを繰り返し行う。

0122

一方、巻回処理が終了した場合(ステップS13:YES)、ステップS14に移行し、良否判定処理を行う。良否判定処理は、異常回数カウント処理を繰り返し行うことで得られた、位置異常回数カウンタの値Niと、形状異常回数カウンタの値Nkとに基づき、シートの幅方向の位置及びシートの幅方向端縁部の形状の面における、電池素子1の良否を判定するための処理である。

0123

良否判定処理では、図17に示すように、まず、ステップS40において、位置異常回数カウンタの値Niが、第一不良判定用数値X1以上であるか否かを判定する。値Niが数値X1以上である場合には(ステップS40:YES)、ステップS41にて、シートの幅方向位置に関し不良と判定する。すなわち、幅方向位置不良と判定する。その後、ステップS46に移行する。

0124

一方、値Niが数値X1未満である場合(ステップS40:NO)、ステップS42において、シートの幅方向位置に関し良と判定する。すなわち、幅方向位置良と判定する。その後、ステップS43に移行する。

0125

ステップS43においては、形状異常回数カウンタの値Nkが、第二不良判定用数値X2以上であるか否かを判定する。値Nkが数値X2以上である場合(ステップS43:YES)、ステップS44にて、シートの幅方向端縁部の形状に関し不良と判定する。すなわち、形状不良と判定する。その後、ステップS46に移行する。

0126

一方、値Nkが数値X2未満である場合(ステップS43:NO)、ステップS45にて、シートの幅方向端縁部の形状に関し良と判定する。すなわち、形状良と判定する。その後、ステップS46に移行する。

0127

ステップS46では、ステップS40〜S45の処理を経て得られた、シートの幅方向位置に関する良否判定結果(位置良否判定結果)と、シートの幅方向端縁部の形状に関する良否判定結果(形状良否判定結果)とを、これら良否判定結果に対応する電池素子1の素子番号とともにハードディスク等に記憶する。また、良否判定結果とともに、電池素子1を得る際にシートに付された張力についても、ハードディスク等に記憶される。例えば、正電極シート供給機構31では、正電極シート4に関する良否判定結果と、正電極シート4に付与された張力とが記憶される。その後、良否判定処理を終了する。

0128

図14に戻り、ステップS14に続くステップS15では、判定結果対応処理を行う。判定結果対応処理は、良否判定処理により得られた判定結果に基づき、必要に応じてテンション付与装置72から付与される張力に関する設定を変更するための処理である。尚、本実施形態における判定結果対応処理では、巻芯13,14の巻回速度を変更するための処理、変更された設定を元に戻すための処理、及び、連続不良時処理を実行するか否かの処理も合わせて行われる。

0129

判定結果対応処理では、図18に示すように、まず、ステップS50において、位置不良連続数カウント処理を実行する。位置不良連続数カウント処理は、幅方向位置不良判定が何回連続で発生したのかを把握するための処理である。

0130

位置不良連続数カウント処理では、図19に示すように、まず、ステップS60において、良否判定処理において幅方向位置不良と判定されたか否かを判定する。ステップS60にて否定判定された場合には、ステップS61に移行し、位置不良連続数カウンタの値Chを初期値(本実施形態では、0)とし、位置不良連続数カウント処理を終了する。尚、位置不良連続数カウンタは、幅方向位置に関する不良判定の連続回数を数えるためのカウンタである。

0131

一方、ステップS60にて肯定判定された場合には、ステップS62にて、位置不良連続数カウンタの値Chを1つ増大させ、位置不良連続数カウント処理を終了する。例えば、幅方向位置不良と判定された電池素子1が3つ連続で製造された場合、位置不良連続数カウンタの値Chは3となる。

0132

図18に戻り、ステップS50に続くステップS51において、形状不良連続数カウント処理を実行する。形状不良連続数カウント処理は、形状不良判定が何回連続で発生したのかを把握するための処理である。

0133

形状不良連続数カウント処理では、図20に示すように、まず、ステップS70において、良否判定処理において形状不良と判定されたか否かを判定する。ステップS70にて否定判定された場合には、ステップS71に移行する。そして、形状不良連続数カウンタの値Ckを初期値(本実施形態では、0)とし、形状不良連続数カウント処理を終了する。尚、形状不良連続数カウンタは、形状不良判定の連続回数を数えるためのカウンタである。

0134

一方、ステップS70にて肯定判定された場合には、ステップS72にて、形状不良連続数カウンタの値Ckを1つ増大させ、形状不良連続数カウント処理を終了する。例えば、形状不良と判定された電池素子1が4つ連続で製造された場合、形状不良連続数カウンタの値Ckは4となる。

0135

図18に戻り、ステップS51に続くステップS52では、位置不良連続数カウンタの値Chが、予め設定された第一連続不良把握用数値Y1(例えば、5)以上であるか否かを判定する。すなわち、幅方向位置不良と判定された電池素子1が数値Y1と同数以上連続で製造されたか否かを判定する。ステップS52にて否定判定された場合には、ステップS53に移行する。

0136

一方、ステップS52にて肯定判定された場合には、補正装置73による補正が適正に行われていないこと等が想定されるため、ステップS54において連続不良時処理を実行し、判定結果対応処理を終了する。

0137

ステップS53では、形状不良連続数カウンタの値Ckが、予め設定された第二連続不良把握用数値Y2(例えば、5)以上であるか否かを判定する。すなわち、形状不良と判定された電池素子1が数値Y2と同数以上連続で製造されたか否かを判定する。ステップS53にて否定判定された場合には、ステップS55へ移行する。尚、第一連続不良把握用数値Y1及び第二連続不良把握用数値Y2は、適宜変更可能である。

0138

一方、値Ckが数値Y2以上である場合(ステップS53:YES)、すなわち、形状不良判定が複数回連続でなされた場合、広範囲に亘ってシート形状に関し著しい不良があること等が想定されるため、ステップS54において連続不良時処理を実行し、判定結果対応処理を終了する。

0139

ステップS55では、良否判定処理において形状不良と判定されたか否かを判定する。ステップS55で否定判定された場合、すなわち、シートの幅方向端縁部の形状が良好であると判定された場合には、ステップS58に移行する。

0140

これに対し、ステップS55で肯定判定された場合、すなわち、シートの幅方向端縁部の形状に不良があると判定された場合には、ステップS56に移行し、巻回制御装置91に対し形状不良信号を出力する。巻回制御装置91では、形状不良信号が入力されたか否かの処理を含む巻回速度制御処理が実行される。この巻回速度制御処理については後述する。

0141

ステップS56に続くステップS57では、張力増大対応処理を実行する。張力増大対応処理は、テンション付与装置72からシートに対し不良時張力が付与されるように、テンション付与装置72の設定を変更するための処理である。

0142

張力増大対応処理では、図21に示すように、まず、ステップS80において、張力増大フラグがオンであるか否かを判定する。張力増大フラグは、張力に関する設定変更が既に行われているか否かを判別するための識別情報である。張力増大フラグがオンとなっている場合(ステップS80:YES)、張力に関する設定は既に変更されているため、以降の処理をスキップして、張力増大対応処理を終了する。

0143

一方、張力増大フラグがオフである場合(ステップS80:NO)、ステップS81に移行し、張力増大処理を実行する。張力増大処理では、テンション付与装置72からシートに付与される張力が不良時張力となるように、テンション付与装置72の動作設定を変更する。これにより、次回の電池素子1の製造時から、シートに対し不良時張力が付与される。例えば、正電極シート供給機構31の補正制御装置76において形状不良と判定されれば、次回の電池素子1の製造時から、正電極シート4に対し不良時張力が付与される。

0144

次に、ステップS82において、リセット用数値Ntに対し予め設定された所定値(例えば、201)が代入される。リセット用数値Ntは、変更された巻回速度や張力に関する設定を元に戻すか否かを判断するために利用される。リセット用数値Ntの初期値は0に設定されている。そして、続くステップS83において、張力増大フラグをオンとし、張力増大処理を終了する。

0145

図18に戻り、ステップS55にて否定判定された後、又は、ステップS57の処理を行った後、ステップS58において、張力リセット対応処理を行い、判定結果対応処理を終了する。張力リセット対応処理は、所定条件を満たした場合に、変更された張力に関する設定を元に戻す処理である。

0146

張力リセット対応処理では、図22に示すように、まず、ステップS90において、張力増大フラグがオンであるか否かを判定する。すなわち、張力に関する設定が既に変更されているか否かを判定する。ステップS90にて否定判定された場合には、張力リセット対応処理を終了する。

0147

一方、ステップS90にて肯定判定された場合には、ステップS91において、リセット用数値Ntを1つ減少させる。そして、続くステップS92において、リセット用数値Ntが0であるか否かを判定する。張力リセット対応処理は、ステップS54の連続不良時処理が実行されない限り、シートの巻回終了後に必ず実行される。そのため、リセット用数値Ntは、張力の設定を変更した後、所定値(例えば、201)から1を減算した値と同数の電池素子1が製造されたときに0となる。ステップS92にて否定判定された場合、すなわち、張力に関する設定を元に戻す条件を満たしていない場合には、ステップS93,S94の処理をスキップし、張力リセット対応処理を終了する。

0148

これに対し、リセット用数値Ntが0である場合、すなわち、設定を元に戻す条件を満たした場合には(ステップS92:YES)、ステップS93に移行し、張力リセット処理を実行する。張力リセット処理では、テンション付与装置72からシートに付与される張力が通常時張力となるように、テンション付与装置72の動作設定を変更する。これにより、次回の電池素子1の製造時から、シートに対し通常時張力が付与される。例えば、正電極シート4に対し不良時張力が付与されるようになってから、所定個数(例えば、200個)の電池素子1が製造されると、次回の電池素子1の製造時から、正電極シート4に対し通常時張力が付与される。

0149

次いで、ステップS94において、張力増大フラグをオフとし、張力リセット対応処理を終了する。

0150

図14に戻り、判定結果対応処理を終了すると、ステップS16において、終了時処理を実行する。終了時処理では、位置異常回数カウンタの値Ni、及び、形状異常回数カウンタの値Nkをそれぞれリセットする。

0151

さらに、終了時処理では、各供給機構31,41,51,61から巻回制御装置91に対し、処理終了信号が出力される。巻回制御装置91は、各供給機構31,41,51,61からの処理終了信号又は形状不良信号の入力を契機として、各種処理を実行する。次いで、巻回制御装置91において行われる巻回速度制御処理について説明する。

0152

巻回速度制御処理は、所定の条件を満たしたときに、巻芯13,14における巻回速度の設定を変更したり、元に戻したりするための処理である。巻回速度制御処理は、所定時間毎に繰り返し行われる。

0153

巻回速度制御処理では、図23に示すように、まず、ステップS100において、いずれかの供給機構31,41,51,61から形状不良信号が入力されたか否かを判定する。ステップS100にて否定判定された場合には、ステップS102へと移行する。

0154

一方、ステップS100にて肯定判定された場合には、ステップS101において速度低減対応処理が実行される。速度低減対応処理は、巻芯13,14が不良時巻回速度で動作するように、巻芯13,14の動作設定を変更するための処理である。

0155

速度低減対応処理では、図24に示すように、まず、ステップS110において、速度低減フラグがオンであるか否かを判定する。速度低減フラグは、巻芯13,14における巻回速度の設定変更が既に行われているか否かを判定するための識別情報である。速度低減フラグがオンとなっている場合(ステップS110:YES)、巻回速度に関する設定は既に変更されているため、速度低減対応処理を終了する。

0156

これに対し、速度低減フラグがオフである場合(ステップS110:NO)、ステップS111に移行し、速度低減処理を行う。速度低減処理では、巻芯13,14における巻回速度が不良時巻回速度となるように、巻芯13,14の動作設定を変更する。これにより、次回の電池素子1の製造時から、巻芯13,14の巻回速度が不良時巻回速度となる。

0157

ステップS111の後、ステップS112において、速度低減フラグをオンとし、巻回速度低減処理を終了する。

0158

図23に戻り、ステップS101の後、又は、ステップS100にて否定判定された場合、ステップS102において、全ての供給機構31,41,51,61から巻回制御装置91に対し、処理終了信号が入力されたか否かを判定する。ステップS102にて否定判定された場合には、ステップS100に戻る。

0159

一方、ステップS102にて肯定判定された場合には、ステップS103において速度リセット対応処理を実行する。速度リセット対応処理は、所定条件を満たした場合に、変更された巻回速度に関する設定を元に戻す処理である。

0160

速度リセット対応処理では、図25に示すように、まず、ステップS120において、速度低減フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS120にて否定判定された場合には、速度リセット対応処理を終了する。

0161

一方、ステップS120にて肯定判定された場合には、ステップS121に移行し、各供給機構31,41,51,61のデータを照会し、各供給機構31,41,51,61におけるリセット用数値Ntのうち最大の値が0であるか否かを判定する。

0162

ステップS121にて否定判定された場合には、ステップS122,S123の処理をスキップし、速度リセット対応処理を終了する。

0163

これに対し、ステップS121にて肯定判定された場合には、ステップS122に移行し、速度リセット処理を実行する。速度リセット処理では、巻芯13,14の巻回速度が通常時巻回速度となるように、巻芯13,14の動作設定を変更する。これにより、次回の電池素子1の製造時から、巻芯13,14の巻回速度が通常時巻回速度となる。尚、各リセット用数値Ntのうち最大の値が0であるということは、各供給機構31,41,51,61において、シートに付与される張力が通常時張力となっていることを意味する。すなわち、本実施形態では、各供給機構31,41,51,61において、シートに付与される張力が通常時張力となったときに、巻回速度に関する設定を元に戻す条件が満たされる。

0164

次いで、ステップS123において、速度低減フラグをオフとし、速度リセット対応処理を終了する。

0165

上記の各処理が実行されることにより、シートの形状不良に対応して、巻回速度や張力に関する設定がほぼ同時期に自動的に変更される。また、所定の条件を満たしたときに、巻回速度や張力に関する設定が自動的に元に戻される。

0166

以上詳述したように、本実施形態によれば、補正装置73の下流に配置された形状判定用検出部762によってシートの幅方向の位置が検出され、検出結果に基づき、シート形状良否判定部763によってシート形状の良否が判定される。そのため、シートに形状不良が生じているのか否かをより正確に判定することができる。

0167

そして、本実施形態では、シート形状良否判定部762により不良判定された場合に、速度制御部911により巻芯13,14が制御され、シートが通常時よりも比較的小さな巻回速度で巻回される。つまり、シート自体の形状面での良し悪しが自動的に判定され、シート自体に曲がり(反り)やうねり(蛇行)などの形状不良があると推定される場合には、シートの巻回速度が自動的に比較的小さなものに変更される。従って、シートに形状不良がある場合であっても、巻回時にシートが暴れてしまうことを効果的に抑制でき、ひいては補正装置73における良好な補正精度を確保することができる。これにより、形状不良のあるシートを用いた場合であっても、良品の電池素子1をより確実に得ることができる。その結果、シートを極力廃棄することなく有効的に利用することができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、シートの状態に合わせた対応が自動的に行われるため、対応のために人的資源を割いたり、機械を一時的に停止させたりせずに済む。これらの結果、生産性の向上や製造コストの低減を効果的に図ることができる。

0168

さらに、本実施形態では、常に巻回速度を抑えるのではなく、形状不良を把握したときに限り、巻回速度が比較的小さなものとされる。そのため、通常、比較的大きな巻回速度にてシートを巻回することができる。従って、生産性を十分に向上させることができる。

0169

また、シート形状良否判定部763は、補正後のシート位置が適正な状態のときにおける、巻回前のシート位置に基づき、シート形状に関する良否を判定する。本実施形態において、シート形状良否判定部763は、一素子分のシートの巻回開始から巻回終了までの間に、補正後のシート位置が適正であるにも関わらず、巻回前のシート位置が異常であると判定された回数が第二不良判定用数値X2以上となった場合、形状不良と判定する。従って、シートの形状不良を容易にかつ精度よく把握することができ、ひいては巻回速度などを増大させるか否かの判定を迅速にかつより正確に行うことができる。

0170

また、巻回速度の変更後、所定条件を満たしたときには、巻回速度が自動的に元に戻される。従って、巻回速度の低減した状態、すなわち、生産性の比較的低い状態が長期間続くことを抑制できる。その結果、生産性の向上をより一層確実に図ることができる。

0171

加えて、シート形状良否判定部763により不良判定がなされた場合に、シートに付与される張力を比較的大きなものとすることができる。これにより、シートにおける形状不良を自動的に矯正することができる。その結果、形状不良のあるシートを用いた場合であっても、良品の電池素子1を一層確実に得ることができ、歩留まりをより向上させることができる。

0172

さらに、シートに付与される張力は、適正範囲内のものとされるため、得られた巻回素子において良好な品質をより確実に確保することができる。

0173

尚、上記の通り、シートに付与する張力を大きくすることで、良品の電池素子1をより確実に得ることが可能である。しかし、張力を大きくすると、これによる弊害(例えば、各種シート2〜5間に対し電解液入りにくくなり、電池容量が低下してしまうことなど)が生じやすくなる。また、1の原反を構成するシート(1ロール分シート)のうち形状不良が生じている部位は、シート長手方向における一部であり、1ロール分シートの大部分においては、形状不良が生じていないことが多い。

0174

この点を踏まえ、本実施形態では、張力を変更した後において、所定条件を満たしたときには、シートに付与される張力が自動的に元に戻される。従って、シートに対し大きな張力を付与する期間が過度に長いものとならないようにすることができる。その結果、大きな張力を付与することに伴う弊害の発生を極力抑制することができ、良好な品質の電池素子1をより一層確実に得ることができる。

0175

さらに、各電池素子1に対応して、製造時に用いられた巻回速度や張力と、形状に関する良否判定結果とが記憶される。そのため、巻回速度や張力の変更により、形状不良が矯正されたか否かについて、つまり、装置が正常に機能しているか否かについて容易に確認することができる。また、製造時に用いられた巻回速度や張力を参照しつつ、得られた電池素子1をチェックすることが容易となる。これにより、形状不良に対応するときの巻回速度や張力が適切であるか否かの確認や、巻回速度や張力に関する設定の見直し作業を容易に行うことができる。

0176

加えて、本実施形態では、第二位置ずれ基準値K2が最大許容値よりも小さな値に設定されている。そのため、検出された位置ずれ量W2が比較的小さく、巻回速度や張力を変更せずとも良品の電池素子1が得られるような場合であっても、巻回速度や張力が変更される。従って、良品の電池素子1を一層確実に得ることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態では、シートの巻回終了後にシート形状について良否判定を行い、シート形状について不良と判定されると、次回の電池素子1の製造時から、巻芯13,14の巻回速度やシートに付与される張力が変更されるように構成されている。これに対し、本第2実施形態では、シートの巻回中に、シート形状に関する良否を判定し、シート形状について不良判定がなされると、シートの巻回中に、巻回速度や張力を変更するように構成されている。この点に関し、フローチャートを参照して説明する。

0177

本第2実施形態において、各供給機構31,41,51,61の補正制御装置76にて行われるメイン処理では、図26に示すように、ステップS140〜142の処理に続き、ステップS143において、不良有無判定処理を行う。尚、ステップS140〜S142の処理は、上記第1実施形態におけるステップS10〜S12の処理と同様であるため、説明を省略する。

0178

不良有無判定処理は、上記第1実施形態における良否判定処理(図17参照)とほぼ同様の処理である。但し、不良有無判定処理では、良判定を行うことはなく、条件を満たした場合に不良判定のみが行われる。最終的な良否判定は、ステップS146の良否判定処理で行われる。

0179

不良有無判定処理では、図27に示すように、まず、ステップS150において、位置異常回数カウンタの値Niが、第一不良判定用数値X1(例えば、1)以上であるか否かを判定する。そして、値Niが数値X1以上である場合には(ステップS150:YES)、ステップS151にて幅方向位置不良と判定し、不良有無判定処理を終了する。

0180

一方、位置異常回数カウンタの値Niが数値X1未満である場合(ステップS150:NO)、ステップS152において、形状異常回数カウンタの値Nkが、第二不良判定用数値X2(例えば、3)以上であるか否かを判定する。値Nkが数値X2未満である場合、不良有無判定処理を終了する。一方、値Nkが数値X2以上である場合(ステップS152:YES)、ステップS153にて形状不良と判定した上で、不良有無判定処理を終了する。尚、本第2実施形態では、幅方向位置不良判定や形状不良判定が繰り返し行われることがあるが、これら不良判定が一度のみ行われるように構成してもよい。

0181

図26に戻り、ステップS143に続き、ステップS144において張力増大対応処理を実行する。張力増大対応処理は、上記第1実施形態におけるステップS55,S56の処理(図18,21参照)とほぼ同様の処理である。すなわち、図28に示すように、まず、ステップS160において、不良有無判定処理にて形状不良と判定されているか否かを判定し、肯定判定された場合(ステップS160:YES)、ステップS161〜164の処理を実行し、ステップS165へと移行する。ステップS161〜164の処理は、上記第1実施形態における張力増大対応処理のステップS91〜94と同様の処理であるため、説明を省略する。尚、ステップS160にて否定判定された場合又はステップS161にて肯定判定された場合には、張力増大対応処理を終了する。

0182

このように本第2実施形態では、形状不良と判定された場合には、シートの巻回中に、ステップS161〜164の処理が実行される。その結果、シートの巻回中に、シートに付与される張力の設定が変更され、シートに付与される張力が通常時張力から不良時張力に切換えられる。

0183

ステップS164に続くステップS165では、形状不良信号を巻回制御装置91へと出力する。形状不良信号の出力により、巻回制御装置91で実行される巻回速度制御処理において、速度低減対応処理が実行される。その結果、シートの巻回中に、巻回速度の設定が変更され、巻回速度が不良時巻回速度に切換えられる。

0184

図26に戻り、張力増大対応処理に続くステップS145において、各種シート2〜5の巻回が終了したか否かを判定する。この処理は、上記第1実施形態におけるステップS13の処理と同様である。ステップS145にて否定判定された場合には、ステップS141へと戻る。一方、ステップS145にて肯定判定された場合には、ステップS146へと移行する。

0185

ステップS146においては、良否判定処理を実行する。良否判定処理では、図29に示すように、ステップS170〜173の処理が実行され、ステップS143の不良有無判定処理にて不良判定がなされていない場合、シートの幅方向位置や形状に関して良判定がなされる。尚、上記第1実施形態と同様、幅方向位置不良と判定した場合には、シートの形状に関する良否は判定されない。

0186

図26に戻り、ステップS146に続いて、ステップS147にて判定結果対応処理を行う。判定結果対応処理では、図30に示すように、ステップS180〜185の処理を実行する。尚、本第2実施形態における判定結果対応処理は、上記第1実施形態の判定結果対応処理から、ステップS55,56の処理、つまり、張力の設定変更に係る処理を除いたものと同様である。すなわち、ステップS180の位置不良連続数カウント処理は、上記第1実施形態における位置不良連続数カウント処理(図19参照)と同様の処理である。ステップS181の形状不良連続数カウント処理は、上記第1実施形態における形状不良連続数カウント処理(図20参照)と同様の処理である。ステップS185の張力リセット対応処理は、上記第1実施形態における張力リセット対応処理(図22参照)と同様の処理である。

0187

判定結果対応処理を実行することにより、幅方向位置不良や形状不良の連続発生数が把握される。そして、連続発生数が第一連続不良把握用数値Y1や第二連続不良把握用数値Y2と比較され、ステップS182又はステップS183にて肯定判定されると、ステップS184の連続不良時処理が実行される。

0188

また、ステップS185の張力リセット対応処理の実行により、張力の設定が既に変更されている状態において条件を満たした場合、設定が元に戻される。すなわち、本第2実施形態では、シート巻回中に張力の設定が変更される一方、設定の変更解除は、巻回終了後に行われるようになっている。

0189

図26に戻り、ステップS147に続くステップS148において、シートの幅方向位置や形状に関する判定結果を、素子番号とともにハードディスク等に記憶する。また、電池素子1を得る際にシートに付された張力についても、ハードディスク等に記憶する。尚、巻回中に張力が変更された場合には、1の素子番号に対して、張力に関する情報が複数記憶される。

0190

次いで、ステップS149において、終了時処理を実行し、メイン処理を終了する。終了時処理は、上記第1実施形態の終了時処理(ステップS16)と同様の処理であり、位置異常回数カウンタの値Ni、及び、形状異常回数カウンタの値Nkがそれぞれリセットされるとともに、巻回制御装置91への処理終了信号が出力される。尚、巻回制御装置91は、処理終了信号が入力された場合、速度リセット対応処理を実行する。本第2実施形態では、巻回中に巻回速度の設定が変更される一方、設定の変更解除は、巻回終了後に行われるようになっている。

0191

以上、本第2実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。

0192

加えて、本第2実施形態によれば、シートの形状不良を把握したときには、シートの巻回中に、巻回速度や張力が変更される。従って、シートの形状不良に対しリアルタイムで対応することができ、シートにおける形状不良への対応をより早い段階から始めることができる。その結果、シートをより有効的に利用することが可能となる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態では、形状不良であると判定された場合、巻回速度及び張力の双方に係る設定が、巻回終了後のほぼ同時期に変更されるように構成されている。これに対し、本第3実施形態では、形状不良であると判定された場合、初めに巻回速度の設定のみが変更される。そして、巻回速度を低減させた状態において、形状不良であると再び判定された場合に、張力の設定が変更されるように構成されている。この構成は、例えば、上記第1実施形態における各種処理のうち、張力増大対応処理及び張力リセット対応処理を若干変更することで、実現することができる。

0193

具体的に説明すると、本第3実施形態における張力増大対応処理では、図31に示すように、ステップS80Aにて張力増大フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS80Aにて否定判定された場合には、張力増大対応処理を終了する。

0194

一方、ステップS80Aにて肯定判定された場合に、ステップS80Bにて予約フラグがオンであるか否かを判定する。予約フラグは、張力の設定変更を行うか否かを判定するための識別情報である。

0195

ステップS80Bにて否定判定されている場合、すなわち、形状不良と判定されているが、張力を増大させるタイミングではない場合、ステップS85に移行する。

0196

そして、ステップS85において予約フラグをオンとする。これにより、以降の電池素子1の製造時に、巻回速度を低減させた状態において形状不良と再び判定された場合、張力の設定が変更される。さらに、続くステップS86において、リセット用数値Ntに所定値を設定し、張力増大対応処理を終了する。ステップS86の処理は、巻回速度のみが変更された場合であっても、巻回速度の設定を元に戻すことができるようにするために行われる。

0197

一方、ステップS80Bにて肯定判定されている場合、ステップS81〜83の処理を実行する。これにより、張力の設定が変更され、次回の電池素子1の製造時から、シートに対し不良時張力が付与される。尚、ステップS80Bにて肯定判定されるということは、巻回速度の設定を変更した状態において、形状不良と再び判定されたときである。

0198

そして、ステップS81〜83の処理に続き、ステップS84において、予約フラグをオフとする。その後、張力増大対応処理を終了する。

0199

次いで、張力リセット対応処理について説明する。本第3実施形態においては、図32に示すように、ステップS90Aにて張力増大フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、上記第1実施形態における張力リセット対応処理のステップS90の処理と同様である。そして、上記第1実施形態では、ステップS90にて肯定判定された場合に限り、すなわち、張力増大フラグがオンである場合に限り、ステップS91にてリセット用数値Ntの値を1つ減少させる。

0200

これに対し、本第3実施形態では、ステップS90Aにて否定判定された場合に、ステップS90Bにおいて予約フラグがオンであるか否かが判定される。そして、ステップS90Bにて肯定判定された場合にも、ステップS91にてリセット用数値Ntの値を1つ減少させる。すなわち、本第3実施形態では、張力増大フラグ又は予約フラグがオンである場合に、リセット用数値Ntを1つ減少させる。これにより、予約フラグのみがオンである場合、換言すれば、巻回速度のみが変更されている場合にも数値Ntが0となり得る。

0201

また、本第3実施形態では、ステップS94の処理に続き、ステップS95において、予約フラグをオフとする。その後、張力リセット対応処理を終了する。尚、本第3実施形態では、張力の設定が変更されない場合、巻回速度の変更後、所定個数(例えば、200個)の電池素子1を製造したときに、巻回速度の設定が元に戻される。一方、張力の設定が変更された場合、巻回速度の設定は、張力の変更が元に戻ったときに、元に戻される。

0202

以上、本第3実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。

0203

加えて、本第3実施形態によれば、巻回速度が低減された状態において、形状不良と再び判定されたときに、張力が比較的大きなものとされる。換言すれば、巻回速度の低減に伴いシートの幅方向の位置ずれが修正されれば、そのままの張力が維持される。これにより、張力を無駄に増大させることがなくなり、良好な品質の電池素子1をより確実に得ることができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態において、形状判定用検出手段としての形状判定用検出部762は、検出手段としての第一エッジセンサ762aを備えており、形状判定用検出手段の一部が検出手段により構成されている。

0204

これに対し、本第4実施形態においては、図33に示すように、検出手段としての補正前エッジセンサ767が補正装置73の直上流に設けられており、形状判定用検出手段としての形状判定用検出部768と、検出手段としての補正前エッジセンサ767とが別々に設けられている。そして、補正後検出手段に相当する第一エッジセンサ768aと巻回前検出手段に相当する第二エッジセンサ768bとによって形状判定用検出部768が構成されている(図34参照)。第一エッジセンサ768aは、上記第1実施形態における第一エッジセンサ762aとほぼ同様の動作を行い、第二エッジセンサ768bは、第1実施形態における第二エッジセンサ762bと同様の動作を行う。

0205

但し、本第4実施形態では、補正前エッジセンサ767によって、所定の基準に対するシートの幅方向の位置ずれ量W4が検出され、補正前エッジセンサ767から幅方向位置補正部766に対し、位置ずれ量W1に代えて、位置ずれ量W4が入力される。そして、幅方向位置補正部766は、入力された位置ずれ量W4に基づき、補正装置73の動作を制御することで、シートの幅方向の位置ずれを補正する。

0206

以上、本第4実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
〔第5実施形態〕
次いで、第5実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態において、形状判定用検出手段としての形状判定用検出部762は、第一エッジセンサ762aと、第二エッジセンサ762bとを備えている。これに対し、本第5実施形態における形状判定用検出部769は、図35に示すように、エッジセンサ769aのみを備えている。本第5実施形態においては、エッジセンサ769aが検出手段及び形状判定用検出手段として機能する(図36参照)。

0207

エッジセンサ769aは、上記第1実施形態における第一エッジセンサ762aと同様の構成を有しており、位置ずれ量W1を検出する。そして、エッジセンサ769aは、検出した位置ずれ量W1を、幅方向位置補正部766、及び、後述するシート形状良否判定手段としてのシート形状良否判定部770に対し出力する。幅方向位置補正部766は、上記第1実施形態と同様に、入力された位置ずれ量W1に基づき、シートの幅方向の位置ずれを補正する。

0208

また、上記第1実施形態において、シート形状良否判定部763は、第一エッジセンサ762aの検出結果と、第二エッジセンサ762bの検出結果とに基づき、シート形状の良否を判定している。これに対し、本第5実施形態におけるシート形状良否判定部770は、エッジセンサ769aの検出結果に基づき、シート形状の良否を判定する。シート形状に関する良否判定の手法については後に説明する。

0209

尚、シート形状良否判定部770は、上記第1実施形態における補正後良否判定部763aの機能を備えており、エッジセンサ769aから入力された位置ずれ量W1に基づき、補正装置73による補正直後におけるシートの幅方向の位置に関する良否を判定する。

0210

次いで、シート形状良否判定部770による、シート形状に関する良否判定の手法について説明する。シート形状良否判定部770は、エッジセンサ769aから所定の短時間(例えば、数ms)毎に入力される位置ずれ量W1を取得する。位置ずれ量W1は、図43に示すように、予め設定された所定長さLだけ各種シート2〜5が巻回される間に複数回得られる。つまり、所定長さLに対応して、複数の位置ずれ量W1が取得される。尚、図43は、所定長さLに対応して複数の位置ずれ量W1が取得されることを簡易的に示すための図である。補正装置73による補正によりシートの幅方向位置は適宜調節されるため、実際の位置ずれ量W1の大きさは図示のようにはならないことがある。但し、シートに形状不良があれば、補正精度が低下するため、取得される位置ずれ量W1の大きさにはバラツキが生じやすくなる。

0211

そして、シート形状良否判定部770は、シートが所定長さLだけ巻回されると、所定長さLに対応して取得された複数の位置ずれ量W1における最大値W1(max)と最小値W1(min)との差を算出する。例えば、正電極シート供給機構31では、正電極シート4が所定長さLだけ巻回されると、複数の位置ずれ量W1における最大値W1(max)と最小値W1(min)との差を算出する。

0212

尚、シートが所定長さLだけ巻回されたか否かの判定は、例えば、次の手法で行うことができる。すなわち、前記エンコーダにより得られた巻芯13,14の回転量に基づき、シートが所定長さLだけ巻回されたことを巻回制御装置91が把握したときに、巻回制御装置91から補正制御装置76へと信号が入力されるように構成した上で、この信号の入力の有無に基づき判定するという手法である。勿論、その他の手法により判定することとしてもよい。

0213

さらに、シート形状良否判定部770は、算出した差が予め設定された差分基準値Dよりも大きいか否かを判定する。算出した差が差分基準値Dよりも大きい場合、すなわち、所定長さLのシートにおいて幅方向一端縁の位置が大きく変わる場合には、シート形状に関し異常と判定する。また、異常と判定したときには、形状異常回数カウンタの値Nk(初期値0)を1つ増大させることで、一素子分のシートの巻回を開始してから終了するまでの間に異常と判定した回数をカウントする。

0214

そして、シート形状良否判定部770は、一素子分のシートの巻回開始から巻回終了までの間、シート形状に関し異常と判定された回数が予め設定された第二不良判定用数値X2(例えば、3)未満であった場合に、シートの形状に関し良と判定する。一方、シート形状良否判定部770は、シート形状に関し異常と判定された回数が数値X2以上であった場合に、シートの形状に関し不良(形状不良)と判定する。

0215

尚、上記の判定手法は、例えば、図37に示すように、上記第1実施形態のステップS13の異常回数カウント処理(図16参照)において、ステップS33の処理を、ステップS33A,33Bの処理に置き換えることで実現することができる。ステップS33Aでは、シートが所定長さLだけ巻回されたか否かが判定される。ステップS33Aで肯定判定された場合のみ、ステップS33Bにおいて、算出した最大値W1(max)と最小値W1(min)との差が差分基準値Dよりも大きいか否かが判定される。

0216

以上、本第5実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。

0217

また、本第5実施形態によれば、エッジセンサ769aは、検出手段及び形状判定用検出手段として機能する。そのため、検出手段及び形状判定用検出手段として複数の装置を設ける場合と比較して、巻回装置10を簡素化させることができ、製造コストの低減を図ることができる。

0218

さらに、上記第5実施形態では、巻回速度に応じて、各所定長さLに対応して取得される位置ずれ量W1の数が増減する。例えば、巻回速度が通常時巻回速度であれば、所定長さLに対応して取得される位置ずれ量W1は比較的少なくなり、巻回速度が不良時巻回速度であれば、所定長さLに対応して取得される位置ずれ量W1は比較的多くなる。従って、形状不良であると判定され、巻回速度や張力を変更させた後には、より多くの位置ずれ量W1を用いて、形状不良であるか否かを判定することができる。その結果、巻回速度や張力の変更により、形状異常が矯正されたか否かを精度よく判定することができる。

0219

尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。

0220

(a)上記実施形態では、シート形状に関し不良と判定された場合、張力に関する設定が変更されるように構成されているが、張力に関する設定を変更しないように構成してもよい。すなわち、シートの付与される張力の設定が一定となるように構成してもよい。

0221

(b)上記実施形態では、シート形状に関し不良と判定された場合、一定の不良時巻回速度でシートが巻回されるように構成されている。これに対し、シートの形状に関し不良判定がなされた場合には、シートの形状不良の程度に応じて(例えば、上記第1実施形態では、位置ずれ量W2の絶対値の大小に応じて)、不良時巻回速度を増減させるように構成してもよい。例えば、形状不良の程度が小さい場合には、比較的大きな不良時巻回速度にてシートを巻回するように構成してもよい。この場合には、不良の程度に対応した適切な巻回速度でシートを巻回することができる。そのため、電池素子1における巻きずれの発生防止を図りつつ、巻回速度の低減に伴う生産性の低下をより確実に防止することができる。

0222

尚、不良時張力についても、不良時巻回速度と同様に、シートの形状不良の程度に応じて増減させるように構成してもよい。この場合、不良の程度に対応した適切な張力とすることができる。そのため、電池素子1における巻きずれの発生防止を図りつつ、張力の増大に伴う弊害の発生をより確実に防止することができる。

0223

(c)上記実施形態では、巻回速度に関する設定の変更後、各供給機構31,41,51,61にて張力の設定が元に戻されたこと、又は、所定個数の電池素子1が製造されたことを条件として、巻回速度に関する設定を元に戻すように構成されている。しかし、設定を元に戻す条件は、これに限定されるものではない。従って、例えば、巻回速度に関する設定の変更後において、位置ずれ量W2が所定回数以上連続して第二位置ずれ基準値K2以下となったことや、位置ずれ量W1の最大値W1(max)と最小値W1(min)との差が所定回数以上連続して差分基準値D以下となったことなどを条件として、設定を元に戻すように構成してもよい。

0224

勿論、張力を元の設定に戻す条件についても適宜変更してもよい。

0225

(d)上記第2実施形態では、電池素子1の製造中(シートの巻回中)に、巻回速度や張力が一気に変更されるように構成されているが、巻回速度や張力を緩やかに(段階的に)変更するように構成してもよい。この場合には、巻回速度や張力の変更に伴いシートに与えられる悪影響(例えば、シートにおけるハンチングの発生)を効果的に抑えることができ、電池素子1の品質向上をより確実に図ることができる。

0226

(e)上記実施形態において、巻回速度や張力を元に戻すタイミングは、巻回終了後とされているが、巻回中に、巻回速度や張力を元に戻すように構成してもよい。

0227

加えて、巻回速度や張力を段階的に元に戻すようにしてもよい。例えば、巻回速度や張力に関する設定の変更後、所定個数の電池素子1が製造される毎に、位置ずれ量W2が予め設定された規定値以下であるか否かを判定し、肯定判定された場合に、巻回速度や張力を一段階だけ元に戻すようにしてもよい。

0228

(f)上記実施形態において、エッジセンサ762a,762b,768a,768b,769a等は、シートの一端縁の位置を検知することで、位置ずれ量を検出するように構成されている。これに対し、シートの両端縁の位置を検出するとともに、検出結果に基づき、位置ずれ量を検出するようにエッジセンサを構成してもよい。

0229

(g)上記第1実施形態では、第一エッジセンサ762a及び第二エッジセンサ762bの検出結果に基づき、シート形状に関する異常の有無を判定しているが、第二エッジセンサ762bの検出結果のみに基づき、シート形状に関する異常の有無を判定するように構成してもよい。つまり、第一エッジセンサ762aが検出手段として機能し、第二エッジセンサ762bが形状判定用検出手段として機能するように構成してもよい(図38参照)。尚、この場合におけるシート形状の判定手法としては、例えば、上記第5実施形態にて挙げた手法などを用いることができる。

0230

(h)上記第5実施形態では、所定長さLに対応して取得された複数の位置ずれ量W1における最大値W1(max)と最小値W1(min)との差に基づき、形状異常であるか否かを判定しているが、判定手法はこれに限定されるものではない。例えば、複数の位置ずれ量W1の絶対値の合計に基づき、形状異常の有無を判定することとしてもよい。また、例えば、シート単位長さ当たりにおける位置ずれ量W1の変化量に基づき、形状異常の有無を判定することとしてもよい。

0231

(i)上記実施形態では、巻回装置10によって、リチウムイオン電池の電池素子1が製造されているが、巻回装置10によって製造される巻回素子はこれに限定されるものではなく、例えば、電解コンデンサの巻回素子等を製造することとしてもよい。

0232

(j)上記実施形態では、巻芯13,14として、各種シート2〜5の巻回される外周形状が円形状に構成された巻芯を採用しているが、巻芯13,14の形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば外周形状が長方形状(扁平状)、楕円形状、長円形状等となる巻芯を採用してもよい。

0233

(k)セパレータシート2,3や電極シート4,5の材質は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セパレータシート2,3をPPにより形成することとしているが、他の絶縁性材料によってセパレータシート2,3を形成することとしてもよい。また、例えば、電極シート4,5に塗布される活物質を適宜変更してもよい。

0234

(l)上記実施形態において、巻回部11は、2つの巻芯13,14を備えた構成となっているが、巻芯の数はこれに限定されるものではなく、3つ以上の巻芯を備えた構成としてもよい。尚、巻芯が1つの場合、ターレット12等は省略可能である。

0235

(m)上記実施形態では、巻芯13,14の外周に対し各種シート2〜5が直接巻回されるように構成されているが、巻芯13,14の外周に筒状の巻芯コア(図示せず)を配置し、当該巻芯コアに対し各種シート2〜5が巻回されるように構成してもよい。

0236

1…電池素子(巻回素子)、2,3…セパレータシート(シート)、4…正電極シート(シート)、5…負電極シート(シート)、10…巻回装置、13,14…巻芯(巻回手段)、32…正電極シート原反(原反)、71…支持軸(支持手段)、72…テンション付与装置(テンション付与手段)、73…補正装置(補正手段)、762,768,769…形状判定用検出部(形状判定用検出手段)、762a…第一エッジセンサ(検出手段、補正後検出手段)、762b…第二エッジセンサ(巻回前検出手段)、763,769,770…シート形状良否判定部(シート形状良否判定手段)、763a…補正後良否判定部(補正後良否判定手段)、763b…巻回前良否判定部(巻回前良否判定手段)、764…テンション制御部(テンション制御手段)、767…補正前エッジセンサ(検出手段)、768a…第一エッジセンサ(補正後検出手段)、768b…第二エッジセンサ(巻回前検出手段)、769a…エッジセンサ(検出手段、形状判定用検出手段)、911…速度制御部(速度制御手段)。

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