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課題

基材との密着性に優れた導電膜を形成することができる導電性ペーストを提供すること。

解決手段

本発明により、導電性粉末樹脂バインダ有機添加剤有機溶剤とを含む導電性ペーストが提供される。上記有機添加剤は、1分子中に2個以上の(メタアクリロイル基を有し、かつ、数平均分子量が1000以下である(メタ)アクリレート化合物を含む。

概要

背景

積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor:MLCC)等の電子部品の製造では、内部電極層の形成に導電性ペースト汎用されている。MLCCは、例えば次のように製造される。すなわち、まずセラミック粉末を含む未焼成セラミックグリーンシート上に、導電性粉末を含む内部電極層形成用の導電性ペーストを印刷法等で付与し、乾燥して、導電膜付きグリーンシートを作製する。次に、この導電膜付きグリーンシートを複数積層し、相互に圧着させた後、所定の大きさに切断する。そして、これを焼成することによって、一体焼結させる。このようにして、セラミック主体とする誘電体層と、導電性の内部電極層とが交互に積層された構造のMLCCが製造される。
内部電極層形成用の導電性ペーストに関する従来技術として、例えば特許文献1には、導電性粉末と樹脂バインダ有機添加剤有機溶剤とを含んで調製された導電性ペーストが開示されている。

概要

基材との密着性に優れた導電膜を形成することができる導電性ペーストを提供すること。本発明により、導電性粉末と樹脂バインダと有機添加剤と有機溶剤とを含む導電性ペーストが提供される。上記有機添加剤は、1分子中に2個以上の(メタアクリロイル基を有し、かつ、数平均分子量が1000以下である(メタ)アクリレート化合物を含む。なし

目的

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材との密着性に優れた導電膜を形成することができる導電性ペーストを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

基材上に電極層を形成するための導電性ペーストであって、導電性粉末と、樹脂バインダと、有機添加剤と、有機溶剤とを含み、前記有機添加剤は、1分子中に2個以上の(メタアクリロイル基を有し、かつ、数平均分子量が1000以下である(メタ)アクリレート化合物を含む、導電性ペースト。

請求項2

前記有機添加剤が、さらにアミン系の有機添加剤を含む、請求項1に記載の導電性ペースト。

請求項3

前記(メタ)アクリレート化合物が、ラクトン変性(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1または2に記載の導電性ペースト。

請求項4

前記導電性ペースト全体を100質量%としたときに、前記有機添加剤の割合が5質量%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電性ペースト。

請求項5

前記基材は、セラミック粉末と樹脂バインダとを含むセラミックグリーンシートである、請求項1から4のいずれか一項に記載の導電性ペースト。

請求項6

積層セラミックコンデンサ内部電極層の形成に用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の導電性ペースト。

技術分野

0001

本発明は、導電性ペーストに関する。特には、積層セラミックコンデンサ内部電極層の形成に好適な導電性ペーストに関する。

背景技術

0002

積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor:MLCC)等の電子部品の製造では、内部電極層の形成に導電性ペーストが汎用されている。MLCCは、例えば次のように製造される。すなわち、まずセラミック粉末を含む未焼成セラミックグリーンシート上に、導電性粉末を含む内部電極層形成用の導電性ペーストを印刷法等で付与し、乾燥して、導電膜付きグリーンシートを作製する。次に、この導電膜付きグリーンシートを複数積層し、相互に圧着させた後、所定の大きさに切断する。そして、これを焼成することによって、一体焼結させる。このようにして、セラミック主体とする誘電体層と、導電性の内部電極層とが交互に積層された構造のMLCCが製造される。
内部電極層形成用の導電性ペーストに関する従来技術として、例えば特許文献1には、導電性粉末と樹脂バインダ有機添加剤有機溶剤とを含んで調製された導電性ペーストが開示されている。

先行技術

0003

特開2016−31912号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで近年、各種電子機器の更なる小型化や高性能化に伴って、電子機器実装される電子部品にも一層の小型化や薄型化、高密度化が求められている。例えばチップタイプのMLCCでは、内部電極層の一層分の厚みがサブミクロンミクロンベルにまで薄層化され、積層数も数百層を超えるようになってきている。このように多積層化の進んだ電子部品の製造においては、基材と導電膜との密着性を高めることが必要となる。例えばMLCCの製造においては、圧着時や切断時等に外力が加えられた場合にも、導電膜が基材(例えばセラミックグリーンシート)から剥離したり積層構造がずれたりすることなく、その積層構造を安定的に維持することが求められている。

0005

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基材との密着性に優れた導電膜を形成することができる導電性ペーストを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明によって、基材上に電極層を形成するための導電性ペーストが提供される。この導電性ペーストは、導電性粉末と、樹脂バインダと、有機添加剤と、有機溶剤とを含む。上記有機添加剤は、1分子中に2個以上の(メタアクリロイル基を有し、かつ、数平均分子量が1000以下である(メタ)アクリレート化合物を含む。

0007

上記導電性ペーストを用いることで、従来の導電性ペーストを使用する場合に比べて、基材と導電膜との密着性を高めることができる。これにより、導電膜が基材から剥離することを抑制して、デラミネーション層間剥離)の発生を低減することができる。また、例えばMLCCの製造において、複数の導電膜付きグリーンシート同士を、より小さい圧力で相互に圧着させることができる。そして、導電膜付きグリーンシートの圧着時や切断時にも、積層構造を良好に維持することができる。加えて、ペーストハンドリング性や電子部品の製造時の作業性を向上することができる。

0008

なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基(CH2=CH−C(=O)−)と、メタクリロイル基(CH2=C(CH3)−C(=O)−)とを包含する用語である。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート化合物」とは、「アクリレート」と「メタクリレート」とを包含する用語である。
また、本明細書において、「数平均分子量」とは、ゲルクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した個数基準の平均分子量を言う。(メタ)アクリレート化合物が単一モノマーの場合は、分子量と同義である。

0009

ここで開示される好ましい一態様では、上記有機添加剤が、さらにアミン系の有機添加剤を含む。これにより、基材と導電膜との密着性をより良く高めて、本発明の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。

0010

ここで開示される好ましい一態様では、上記(メタ)アクリレート化合物が、ラクトン変性(メタ)アクリレート化合物を含む。これにより、少ない添加量で基材と導電膜との密着性をより良く高めて、本発明の効果を高いレベルで発揮することができる。

0011

ここで開示される好ましい一態様では、上記導電性ペースト全体を100質量%としたときに、上記有機添加剤の割合が5質量%以下である。これにより、導電膜の柔軟性や粘着性をより安定的に高めることができると共に、電子部品の製造時の作業性をより良く向上することができる。また、有機添加剤は、典型的には導電性粉末の焼結時に燃え抜ける。このため、有機添加剤の含有割合を低く抑えることで、電気伝導性に優れた電極層を好適に実現することができる。

0012

上記基材は、例えば、セラミック粉末と樹脂バインダとを含むセラミックグリーンシートである。かかる場合、本発明の効果を安定的により良く発揮することができる。

0013

上記導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサの内部電極層の形成に好適に用いることができる。上記導電性ペーストを用いることで、例えば積層数が数百層のMLCCをも安定的に製造することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサを模式的に示す断面図である。

実施例

0015

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、導電性ペーストの組成)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、導電性ペーストの調製方法や電極層の形成方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。

0016

<導電性ペースト>
ここで開示される導電性ペースト(以下、単に「ペースト」ということがある。)は、基材上に電極層を形成するためのものである。かかる導電性ペーストは、必須構成成分として、導電性粉末と、樹脂バインダと、有機添加剤と、有機溶剤とを含んでいる。以下、各成分について順に説明する。

0017

<導電性粉末>
ペーストに含まれる導電性粉末は、電極層に電気伝導性を付与するための成分である。導電性粉末としては特に限定されず、従来公知の導電性粉末の中から、ペーストの用途等に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。一好適例として、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、アルミニウム(Al)等の金属の単体、およびこれらの混合物合金等が挙げられる。例えばMLCCの内部電極層を形成する用途では、基材に含まれるセラミック粉末の焼結温度よりも溶融温度が十分に高い金属粉末、例えば、ニッケル、銀、銅、白金、パラジウム等を含む金属粉末が好ましい。特には、コストが安いことから、ニッケル粉末が好ましい。

0018

ペーストの総質量に占める導電性粉末の含有割合は特に限定されないが、概ね30質量%以上、典型的には40〜95質量%、例えば45〜60質量%であるとよい。上記範囲を満たすことで、電気伝導性や緻密性の高い電極層を形成することができる。また、ペーストのハンドリング性やペーストの印刷時の作業性を向上することができる。

0019

<樹脂バインダ>
ペーストに含まれる樹脂バインダは、未焼成の導電膜に粘着性を付与する成分である。樹脂バインダとしては特に限定されず、従来この種の用途に使用し得ることが知られている各種の樹脂バインダの中から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。一好適例として、エチルセルロース系樹脂アクリル系樹脂ブチラール系樹脂エポキシ系樹脂フェノール系樹脂アルキド系樹脂ロジン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において「樹脂」とは、数平均分子量が1000を超える高分子化合物、典型的にはポリマー重合体)を指すものとする。

0020

エチルセルロース系樹脂とは、この種の分野でエチルセルロース系樹脂やヒドロキシエチルセルロース系樹脂等と呼ばれているセルロース由来化合物セルロース誘導体)全般を包含する用語である。エチルセルロース系樹脂としては、例えば、繰り返し構成単位としてのセルロースの水酸基における水素原子が、CH3CH2基あるいは(CH2CH2O)n−H基で置換された構造の化合物を好適に用いることができる。一好適例として、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルメチルセルロースEMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ニトロセルロース等が挙げられる。

0021

アクリル系樹脂としては、主モノマー単量体全体の50重量%以上を占める成分)として、アルキル(メタ)アクリレートを含む、例えば、一般式:CH2=C(R1)COOR2で表される化合物を含むポリマーを好適に用いることができる。ここで、式中のR1は水素原子またはメチル基を示している。また、R2は炭素原子数が1〜20の鎖状アルキル基を示している。R2は、炭素原子数が1〜14であることが好ましく、炭素原子数が1〜10、例えば1〜8であることがより好ましい。一好適例として、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等が例示される。

0022

ブチラール系樹脂とは、この種の分野でポリビニルブチラール系樹脂ポリビニルアセタール系樹脂等と呼ばれている樹脂全般を包含する用語である。ブチラール系樹脂としては、例えば、主鎖骨格に、繰り返し構成単位としてのブチラール基と水酸基とアセチル基とを含み、ブチラール化度ブチルアルデヒドアセタール化された割合)が概ね50mol%以上、例えば60mol%以上の化合物を好適に用いることができる。一好適例として、ビニルブチラールポリビニルブチラールPVB)等が例示される。

0023

電極層の表面平滑性を向上する観点からは、樹脂バインダにエチルセルロース系樹脂を含むことが好ましい。好適な一態様では、樹脂バインダの全体を100質量%としたときに、エチルセルロース系樹脂の含有割合が概ね50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。これにより、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。

0024

樹脂バインダの数平均分子量は、概ね1万以上、例えば5万〜10万程度であるとよい。数平均分子量が所定値以上であると、少ない添加量でバインダとしての機能が発揮され、基材と導電膜との密着性や導電膜の一体性を高めることができる。数平均分子量が所定値以下であると、ペーストの印刷性やハンドリング性を向上することができる。

0025

好適な一態様では、樹脂バインダが焼成時に腐食性ガスを発生し得るような成分(腐食ガス原因成分)を含まない。腐食ガス原因成分の具体例としては、硫黄成分フッ素塩素等のハロゲン成分が挙げられる。特には、樹脂バインダの分子構造が、炭素酸素および水素から実質的に構成されることが好ましい(不可避的な不純物混入許容し得る)。このような分子構造であると、導電膜の焼成時に有害なガスが発生することなく、焼成設備腐食劣化環境負荷を低減することができる。

0026

導電性粉末に対する樹脂バインダの含有比率は、一般に、導電性粉末が微細化すればするほど、多くなる傾向にある。例えばMLCCの内部電極層を形成する用途等において、平均粒径がサブミクロン以下の導電性粉末を用いる場合には、導電性粉末を100質量部としたときに、樹脂バインダの含有割合が、概ね1〜15質量部、例えば2〜10質量部であるとよい。これにより、微細な導電性粉末を用いる場合でも、樹脂バインダの添加量を抑えつつ、基材と導電膜との密着性や導電膜の一体性を好適に確保することができる。

0027

ペーストの総質量に占める樹脂バインダの含有割合は特に限定されないが、概ね0.1質量%以上、典型的には0.5〜10質量%、例えば1〜5質量%であるとよい。上記範囲を満たすことで、基材と導電膜との密着性や導電膜の一体性をより良く高めることができる。また、デラミネーションの発生を高度に抑制することができる。さらに、ペーストに適度な粘性を付与することができ、電子部品の製造時(例えばペーストの印刷時やMLCCの導電膜付きグリーンシートの積層時)における作業性を向上することができる。

0028

<有機添加剤>
ペーストに含まれる有機添加剤は、基材と導電膜との密着性を高めるための成分である。有機添加剤は、例えば、導電膜の柔軟性や粘着性を向上するための、所謂、可塑剤として機能し得る。有機添加剤は、例えば、樹脂バインダの接着性をより良く発揮させるように機能し得る。ここに開示されるペーストは、有機添加剤として、少なくとも所定の(メタ)アクリレート化合物を含んでいる。

0029

上記(メタ)アクリレート化合物は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物である。上記(メタ)アクリレート化合物は、典型的には、(メタ)アクリレートモノマーで構成されている。上記(メタ)アクリレート化合物の1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、2個以上であり、典型的には2〜10個、例えば2〜6個である。

0030

1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物の一好適例として、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスヒドロキシメチルトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、および、これらがエチルオキシド(EO)やプロピレンオキシド(PO)、あるいは、カプロラクトン等のラクトン環を有する環状ラクトンでラクトン変性された2官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0031

1分子中に3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物の一好適例として、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、および、これらがEOやPO、あるいはカプロラクトン等のラクトン環を有する環状ラクトンでラクトン変性された3官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0032

1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物の一好適例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、および、これらがEOやPO、あるいはカプロラクトン等のラクトン環を有する環状ラクトンでラクトン変性された(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0033

上記(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基を有していることが好ましい。これにより、ここに開示される技術の効果を、より少ない添加量で効果的に発揮することができる。
上記(メタ)アクリレート化合物は、ラクトン変性されたラクトン変性(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。これにより、導電膜の柔軟性や粘着性をより良く向上して、基材と導電膜との密着性を効果的に高めることができる。また、ラクトン変性(メタ)アクリレート化合物は、例えばエチルセルロース系樹脂などの広範な樹脂バインダとの相溶性に優れる。樹脂バインダと相溶性が良くないものを使用すると、ペースト粘度の経時変化が大きくなったり、ペースト化した後に短時間で樹脂バインダが分離したりするなどの不具合を生じることがある。このため、例えば樹脂バインダとしてエチルセルロース系樹脂を使用する場合には、(メタ)アクリレート化合物としてラクトン変性(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。これにより、上記の不具合を発生させることなく、良好にペーストを使用することができる。

0034

上記(メタ)アクリレート化合物の数平均分子量は、1000以下であり、典型的には100〜1000、例えば200〜800である。このように、(メタ)アクリレート化合物の分子量を、例えばバインダ樹脂として使用されるような高分子化合物に比べて相対的に低分子量とすることで、導電膜の柔軟性や粘着性を向上して、基材と導電膜との密着性を効果的に高めることができる。

0035

上記(メタ)アクリレート化合物の分子構造は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ数平均分子量が1000以下である限りにおいて、特に限定されない。上記(メタ)アクリレート化合物は、例えば、分子内にベンゼン環を含まない直鎖または分岐脂肪族化合物であってもよいし、分子内にベンゼン環を含む芳香族化合物であってもよい。上記(メタ)アクリレート化合物は、脂肪族化合物を含むことが好ましい。これにより、導電膜の柔軟性や粘着性をより良く向上して、基材と導電膜との密着性を効果的に高めることができる。また、(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基以外の官能基、例えば水酸基やカルボキシル基等を含んでいてもよい。

0036

好適な一態様では、上記(メタ)アクリレート化合物が焼成時に腐食性ガスを発生し得るような成分(腐食ガス原因成分)を含まない。腐食ガス原因成分の具体例としては、硫黄成分、フッ素や塩素等のハロゲン成分が挙げられる。特には、(メタ)アクリレート化合物の分子構造が、炭素、酸素および水素から実質的に構成されることが好ましい(不可避的な不純物の混入は許容し得る)。このような分子構造であると、導電膜の焼成時に有害なガスが発生することなく、焼成設備の腐食劣化や環境負荷を低減することができる。

0037

上記(メタ)アクリレート化合物のガラス転移点示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)に基づくTg値。)は、室温(25℃)以下であるとよい。これにより、導電膜の柔軟性や粘着性をより良く高めることができ、基材と導電膜との密着性をより一層向上することができる。

0038

上記(メタ)アクリレート化合物の分解開始温度熱重量分析(Thermogravimetry ‐ Mass Spectrometry:TG)に基づく値。)は、概ね100℃以上、好ましくは200℃以上、例えば200〜400℃程度であるとよい。これにより、導電膜を基材上に付与してから焼成するまでの間(例えば、乾燥させた後においても)、基材に密着可能な程度のタック性(基材に対する粘着力)を好適に維持することができる。また、上記(メタ)アクリレート化合物の分解終了温度(TGに基づく値。)は、概ね1000℃以下、典型的には800℃以下、例えば600℃以下であるとよい。これにより、脱バインダ特性を向上して、焼成時に好適に燃え抜けさせることができる。

0039

上記(メタ)アクリレート化合物の溶解度パラメータは、概ね8〜13(cal/cm3)0.5、例えば9.5〜12(cal/cm3)0.5程度であるとよい。基材との密着性を向上する観点からは、基材が樹脂バインダを含む場合に、当該基材に含まれる樹脂バインダと上記(メタ)アクリレート化合物との溶解度パラメータの差が、概ね5(cal/cm3)0.5以下、例えば3.5(cal/cm3)0.5以下であるとよい。これにより、基材と導電膜との親和性や一体性をより良く高めて、本発明の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。

0040

好適な一態様では、有機添加剤の全体を100質量%としたときに、上記(メタ)アクリレート化合物の含有割合が概ね50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。これにより、有機添加剤の添加量を抑えつつ、ここに開示される技術の効果を効率的に発揮することができる。

0041

有機添加剤は、上記(メタ)アクリレート化合物に加えて、例えば、ペーストの均質性や安定性を向上したり、セルフレベリング性を高めたりする等の目的で、従来この種のペーストに使用し得ることが知られている各種の有機添加剤、例えば、界面活性剤増粘剤消泡剤、可塑剤、レベリング剤、安定剤、酸化防止剤顔料等を含んでもよい。一好適例として、アミン系等の塩基系の有機添加剤が挙げられる。アミン系の有機添加剤としては、例えば、炭素数10以上の高級アミンやロジンアミンが挙げられる。好適な一態様では、上記(メタ)アクリレート化合物とアミン系の有機添加剤とを共に含んでいる。これら2種類の有機添加剤を併用することで、ここに開示される技術の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。

0042

なお、この種のペーストにおいては、可塑剤として、フタル酸エステルフタレート)、例えばフタル酸ジブチル(DBP)やフタル酸ジオクチルDOP)が汎用されている。しかしながら、フタル酸エステルは環境負荷物質であり、近年、その使用が規制される傾向にある。したがって、好ましい一態様では、ここに開示されるペーストがフタル酸エステルを含まずに構成されているとよい。ここに開示されるペーストは、上記(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、フタル酸エステルを含まずとも、あたかも可塑剤を含んでいるかのような効果を発揮して、導電膜の柔軟性や粘着性をより良く高めることができる。

0043

ペーストの総質量に占める有機添加剤の含有割合は、ペーストの用途や所望する導電膜の性状(柔軟性や粘着性等)等に応じて適宜変更することができる。したがって、有機添加剤の含有割合は特に限定されないが、概ね0.1質量%以上、例えば0.5質量%以上であって、好ましくは樹脂バインダの含有割合と同じかそれよりも低く、例えば樹脂バインダの1/2倍以下であるとよい。具体的には、概ね5質量%以下、好ましくは3質量%以下、例えば2質量%以下であるとよい。これにより、導電膜の柔軟性や粘着性をより安定的に高めることができると共に、電子部品の製造時(例えば、MLCCの製造時における積層体の圧着時や切断時)の作業性を向上することができる。また、有機添加剤は、典型的には導電性粉末の焼結時に燃え抜ける。そのため、有機添加剤の含有割合を低く抑えることで、電気伝導性に優れた電極層を好適に実現することができる。さらに、例えば薄膜状の電極層を形成する場合においても、電極層にポアクラック等の不具合が生じることを抑制することができる。

0044

<有機溶剤>
ペーストに含まれる有機溶剤は、上記した導電性粉末と樹脂バインダと有機添加剤とを好適に溶解または分散し得る限りにおいて特に限定されず、ペーストの用途等に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。一好適例として、ジヒドロターピネオールターピネオール等のアルコール系溶剤イソボルニルアセテート等のテルペン系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチルカルビトール)等のグリコールエーテル系溶剤エステル系溶剤トルエンキシレン等の炭化水素系溶剤;その他ミネラルスピリット等の、高沸点を有する有機溶剤等が挙げられる。

0045

ペーストの総質量に占める有機溶剤の含有割合は特に限定されないが、概ね70質量%以下、典型的には5〜60質量%、例えば30〜55質量%であるとよい。上記範囲を満たすことで、ペーストに適度な流動性を付与することができ、電子部品の製造時(例えば、ペーストの印刷時)の作業性を向上することができる。

0046

<その他の成分>
ここで開示されるペーストは、上記4成分に加えて、必要に応じてその他の添加成分を含んでもよい。添加成分の一例として、無機フィラー等の無機添加剤が挙げられる。例えばMLCCの内部電極層を形成する用途では、共材としてのセラミック粉末、典型的にはチタン酸バリウム(BaTiO3)等を考慮することができる。

0047

ペーストの総質量に占める無機添加剤の含有割合は特に限定されないが、例えばMLCCの内部電極層を形成する用途等では、概ね1〜20質量%、例えば3〜15質量%であるとよい。導電性粉末に対する無機添加剤の含有割合は、導電性粉末を100質量部としたときに、概ね5〜30質量部、例えば7〜25質量部であるとよい。

0048

このようなペーストは、上述した材料を所定の含有割合となるよう量し、均質撹拌混合することで調製し得る。材料の撹拌混合は、従来公知の種々の攪拌混合装置、例えばロールミルマグネチックスターラープラネタリーミキサーディスパー等を用いて行うことができる。ペーストの付与は、例えばスクリーン印刷グラビア印刷オフセット印刷インクジェット印刷等の印刷法や、スプレー塗布法等を用いて行うことができる。特にMLCCの内部電極層を形成する用途では、高速印刷が可能なグラビア印刷法が好適である。ペーストを付与する基材としては、例えば、セラミックグリーンシート、セラミック基材ガラス基材プラスチック基材アモルファスシリコン基材等が挙げられる。

0049

<ペーストの用途>
ここで開示されるペーストは、基材との密着性が要求される用途で好ましく用いることができる。代表的な使用用途として、MLCCの内部電極層の形成、例えば各辺が5mm以下の小型MLCC、特には各辺が1mm以下の超小型MLCCの内部電極層の形成が挙げられる。
図1は、MLCC10を模式的に示した断面図である。MLCC10は、誘電体層20と内部電極層30とが積層されたセラミックコンデンサである。MLCC10は、例えば、以下の手順により製造される。

0050

すなわち、まず、セラミックグリーンシートを成形する。一例では、セラミック粉末(例えば、チタン酸バリウムや酸化チタン等)と、樹脂バインダと、有機溶剤等とを撹拌混合して、誘電体層形成用のペーストを調製する。そして、このペーストをドクターブレード法等でキャリアシート上に延ばして、誘電体層20を構成するためのセラミックグリーンシートを成形する。
次に、上述したような内部電極層形成用の導電性ペーストを調製する。すなわち、導電性粉末と樹脂バインダと有機添加剤と有機溶剤とを撹拌混合する。この導電性ペーストを、上記成形したセラミックグリーンシート上に、所定のパターンで所望の厚み(例えばサブミクロン〜ミクロンレベル)になるように付与する。これにより、セラミックグリーンシート上に導電膜を形成する。
このようにして得られた導電膜付きのセラミックグリーンシートを所定の枚数(例えば、数百枚)積層、圧着した後、所定の大きさに切断して未焼成の積層チップを得る。この未焼成の積層チップを1000〜1300℃程度で焼成することによって、一体焼結させる。これにより、誘電体層20と内部電極層30とが交互に多数積層された積層チップを得ることができる。そして、焼成後の積層チップの断面に外部電極形成用の導電性ペースト(内部電極層形成用の導電性ペーストと同じものでもよい。)を付与して焼き付け、外部電極40を形成する。このようにして、MLCC10を製造することができる。

0051

以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を係る実施例に示すものに限定することを意図したものではない。

0052

<導電性ペーストの調製>
まず、樹脂バインダとして、以下の2種類の化合物を用意した。
・EC:エチルセルロース
・PVB:ポリビニルブチラール
また、有機添加剤として、表1に示す9種類の化合物を用意した。なお、有機添加剤A、Gは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物であり、有機添加剤B〜F、Hは、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物である。

0053

0054

0055

0056

次に、表2に示すように、樹脂バインダおよび/または有機添加剤の種類や添加量を異ならせた導電性ペースト(例1〜4、参考例1〜11)を調製した。
参考例1については、有機添加剤を使用せずに、(1)導電性粉末としてのニッケル粉末と、(2)共材としてのチタン酸バリウム粉末と、(3)樹脂バインダとしてのエチルセルロースとを、質量比率が、(1):(2):(3)=50:15:2となるように秤量して、全体が100質量%となるように有機溶剤と撹拌混合することにより、導電性ペーストを調製した。
例1〜4、参考例2〜8については、表2に示す1種または2種の有機添加剤を添加して、全体が100質量%となるように有機溶剤と撹拌混合したこと以外は参考例1と同様に、導電性ペーストを調製した。
参考例9〜11については、2種類の樹脂バインダ(エチルセルロースとポリビニルブチラール)を表2に示す比率で併用し、全体が100質量%となるように有機溶剤と撹拌混合したこと以外は参考例8と同様に、導電性ペーストを調製した。

0057

<積層体の作製>
次に、各例に係る導電性ペーストを用いてセラミックグリーンシート上に導電膜を形成した。すなわち、まず、チタン酸バリウムを主体とするセラミックグリーンシートを用意し、その表面に、スクリーン印刷(使用製版SUS200)によって上記導電性ペーストを付与した。そして、100℃の温風乾燥機で10分間乾燥して、導電膜付きグリーンシートを得た。これを8枚作製して、そのうち1枚を、別途用意したセラミックグリーンシートと導電膜が内側になるように積層し、積層体を作製した。次に、ホットプレスを用いて、上記積層体の積層方向から1トンの圧力を加え、45℃、30秒の条件で圧着させた。この導電膜付きグリーンシートの積層と圧着とを、接着圧力を1トンずつ徐々に大きくしながら、圧力が8トンになるまで繰り返した。このようにして、8枚の導電膜付きグリーンシートがそれぞれ異なる圧力で圧着された積層体を得た。そして、圧着後の積層体を手で剥がした時、剥がれた箇所に負荷された圧力を「接着圧力」とした。結果を表2に示す。
なお、接着圧力は、値が小さいほど低荷重接着可能なことを表しており、セラミックグリーンシートと導電膜との密着性が優れているといえる。

0058

0059

表2に示すように、参考例2、3、6〜11は、有機添加剤を使用しなかった参考例1と略同等の接着圧力だった。また、参考例4,5は、有機添加剤を使用しなかった参考例1と比べて、却って接着圧力が大きくなり、セラミックグリーンシートと導電膜との密着性が低下していた。
これらの参考例に対して、例1〜4では、有機添加剤を使用しなかった参考例1や、樹脂バインダとしてPVBを併用した参考例9〜11等と比べても、明らかに接着圧力が小さく、セラミックグリーンシートと導電膜との密着性が向上していた。

0060

以上のように、基材と導電膜との密着性を向上する効果は、有機添加剤として、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合には実現されず、それどころか却って密着性が低下することさえある。また、有機添加剤として、分子中に(メタ)アクリロイル基を有しないアミン系の有機添加剤のみを用いる場合や、ここに開示される(メタ)アクリレート化合物にかえて樹脂バインダとしてのブチラール系樹脂(PVB)を用いる場合には、密着性を向上の効果が薄い。すなわち、基材と導電膜との密着性を向上するという観点において、ここに開示される有機添加剤としての(メタ)アクリレート化合物は、特に有利な材料であるといえる。

0061

以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。

0062

10積層セラミックコンデンサ
20誘電体層
30内部電極層
40 外部電極

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