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技術 パワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置及びパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算方法

出願人 株式会社SUBARU
発明者 澄川瑠一鳥居武史佐藤能英瑠
出願日 2016年9月29日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-191462
公開日 2018年4月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-054482
状態 特許登録済
技術分野 生体の電気現象及び電気的特性の測定・記録 走行状態に応じる操向制御 補機駆動,推進制御および安全装置 車両の試験
主要キーワード ニュートラル値 パッシブ状態 自動変更モード 解析箇所 母平均 筋負担 ドライバー毎 車両静止状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

操舵アシスト比を最適に設定することで運転者操舵感を向上する。

解決手段

本発明に係るアシスト比演算装置100は、車両の現在の運転状態を取得する運転状態取得部126と、ステアリング操舵に関連する生体情報離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するアシスト比取得部127と、を備える。この構成により、操舵のアシスト比を最適に設定することで運転者の操舵感を向上することができる。

概要

背景

従来、例えば下記の特許文献1には、三角筋電極から筋電位を検出して、積分筋電位を求め、積分筋電位に基づいてアクティブ状態パッシブ状態かを判定し、アクティブ状態かパッシブ状態であるかの情報と共に、感圧センサ車両操舵状態検出部、官能評価入力部からの情報を収集して記憶し、これらの情報を用いて操舵感要因の評価を行うことが記載されている。

概要

操舵アシスト比を最適に設定することで運転者の操舵感を向上する。本発明に係るアシスト比演算装置100は、車両の現在の運転状態を取得する運転状態取得部126と、ステアリング操舵に関連する生体情報離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するアシスト比取得部127と、を備える。この構成により、操舵のアシスト比を最適に設定することで運転者の操舵感を向上することができる。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の現在の運転状態を取得する運転状態取得部と、ステアリング操舵に関連する生体情報離散度が低くなるアシスト比運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するアシスト比取得部と、を備えることを特徴とする、パワーステアリングシステム操舵アシスト演算装置

請求項2

前記生体情報は、腕の加速度と腕の筋電であることを特徴とする、請求項1に記載のパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置。

請求項3

前記運転状態取得部が取得する前記運転状態は、カーブ走行する際の運転状態であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置。

請求項4

前記運転状態取得部は、前記運転状態として、車両速度及びヨーレートセンサ値を取得することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置。

請求項5

前記データベースに格納された前記運転状態は、カーブを走行する際に車両速度及びヨーレートの相違に応じて分類された各運転状態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置。

請求項6

前記データベースは、運転状態に応じた車両速度及びヨーレートと、当該運転状態で前記離散度が低くなる前記アシスト比とを対応付けて格納していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置。

請求項7

車両の現在の運転状態を取得するステップと、ステアリング操舵に関連する生体情報の離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するステップと、を備えることを特徴とする、パワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算方法

技術分野

0001

本発明は、パワーステアリングシステム操舵アシスト演算装置及びパワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算方法に関する。

背景技術

0002

従来、例えば下記の特許文献1には、三角筋電極から筋電位を検出して、積分筋電位を求め、積分筋電位に基づいてアクティブ状態パッシブ状態かを判定し、アクティブ状態かパッシブ状態であるかの情報と共に、感圧センサ車両操舵状態検出部、官能評価入力部からの情報を収集して記憶し、これらの情報を用いて操舵感要因の評価を行うことが記載されている。

先行技術

0003

特開2003−177079号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ドライバーが車両を運転する際に、ステアリング操舵運転操作の主要な部分の1つを占めており、操舵感を向上させることで運転フィーリングを高めることができる。しかし、上記特許文献に記載された技術は、操舵感の要因の評価を行うものであり、操舵感を向上させることは何ら想定していなかった。

0005

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、操舵アシスト比を最適に設定することで運転者の操舵感を向上することが可能な、新規かつ改良された操舵アシスト比演算装置及び操舵アシスト比演算装置方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両の現在の運転状態を取得する運転状態取得部と、ステアリング操舵に関連する生体情報離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するアシスト比取得部と、を備える、パワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算装置が提供される。

0007

前記生体情報は、腕の加速度と腕の筋電であっても良い。

0008

また、前記運転状態取得部が取得する前記運転状態は、カーブ走行する際の運転状態であっても良い。

0009

また、前記運転状態取得部は、前記運転状態として、車両速度及びヨーレートセンサ値を取得するものであっても良い。

0010

また、前記データベースに格納された前記運転状態は、カーブを走行する際に車両速度及びヨーレートの相違に応じて分類された各運転状態であっても良い。

0011

また、前記データベースは、運転状態に応じた車両速度及びヨーレートと、当該運転状態で前記離散度が低くなる前記アシスト比とを対応付けて格納しているものであっても良い。

0012

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車両の現在の運転状態を取得するステップと、ステアリング操舵に関連する生体情報の離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベースから、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得するステップと、を備える、パワーステアリングシステムの操舵アシスト比演算方法が提供される。

発明の効果

0013

以上説明したように本発明によれば、操舵のアシスト比を最適に設定することで運転者の操舵感を向上することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の一実施形態に係るステアリング操舵のアシスト比演算システム1000の構成を示す模式図である。
アシスト比演算装置100が行う処理の概要を示す模式図である。
アシスト比演算装置100が行う処理の詳細を示すフローチャートである。
アシスト比演算装置100が行う処理の詳細を示すフローチャートである。
ラベル表の例を示す模式図である。
腕の加速度のZスコア(ZAijk)と腕の筋負担のZスコア(ZMijk)を2次元平面にプロットした例を示す特性図である。
j=1,k=1の場合に、i=1,2,3のそれぞれの離散度D111,D211,D311とアシスト比の関係を示す特性図である。
式(2)から算出した近似曲線を示す模式図である。
走行状態に応じて最適なCxjkがデータベースに格納された様子を示す模式図である。
本実施形態に係るアシスト比の自動変更モードの処理を示すフローチャートである。
異なるドライバーA,B,C毎にアシスト比のピーク値Cxjkが異なる様子を説明するための特性図である。
異なるドライバーA,B,C毎にアシスト比のピーク値Cxjkが異なる様子を説明するための特性図である。
異なるドライバーA,B,C毎にアシスト比のピーク値Cxjkが異なる様子を説明するための特性図である。

実施例

0015

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

0016

図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング操舵のアシスト比演算システム1000の構成を示す模式図である。図1に示すシステム1000は、車両に搭載されることができる。本実施形態では、個々のドライバー(運転者)から、ステアリング操舵に関連する身体の情報を取得し、取得した身体の情報に基づいて、それぞれのドライバーに最適なステアリング操舵のアシスト比を算出する。ステアリング操舵に関連する身体の情報として、腕の加速度Aと、腕の筋活動量M(筋電(筋負担ともいう))を用いる。

0017

ドライバーが車両を運転する際に、ステアリング操舵は運転操作の主要な部分の1つを占めており、操舵感を向上させることで運転フィーリングを高めることができる。本実施形態は、乗員の操舵時の動作を計測することにより、個人の特性に合わせた最適な操舵制御の設定を行うことで操舵感を向上させる。具体的では、生体計測によって、操舵時の手の加速度A、筋活動量Mを測定する。これらの計測を、3つ以上の異なる制御設定にて行う。制御設定の変更は、電動パワーステアリングシステムEPS)のアシスト比Cを変更することで行う。異なる制御設定で取得した加速度A、筋活動量MをそれぞれZ得点化し、加速度A、筋活動量Mの2軸の相平面上にて制御設定毎に操舵感指標としての離散度Dの平均を計算する。そして、求めた離散度Dとアシスト比Cが非線形となるような近似曲線を求め(D=f(C))、離散度Dが最適値(下に凸となる頂点)となるアシスト比を求める。このような手法によれば、ドライバー毎に離散度が最も低くなるアシスト比を算出することができるため、個々のドライバーの特性に応じて最適にアシスト比を設定することができる。なお、加速度Aは3軸合ベクトル平均値を用いても良い。

0018

なお、本実施形態では、生体情報として腕の加速度Aと、腕の筋活動量Mを例示するが、生体情報は他の情報であっても良い。また、生体情報として腕の加速度Aと、腕の筋活動量Mの2つの情報を使用したが、1つ又は3つ以上の生体情報を使用しても良い。

0019

図1に示すように、アシスト比演算システム1000は、制御装置(アシスト比演算装置)100、生体センサ200(加速度センサ210、筋負担を計測する筋負担センサ220)、車両センサ400、モード切替SW500、電動パワーステアリングシステム(EPS)600を有して構成されている。車両センサ400は、車速センサ402、操舵角センサ404、ヨーレートセンサ406、操舵トルクセンサ408、車外センサ410を含む。車外センサ410は、ステレオカメラ等から得た画像の画像処理により、道路形状や路面の白線形状等を検知する。なお、ステレオカメラの代わりに、単眼カメラ等の他の撮像装置を用いても良い。また、車外センサ410として、ミリ波レーダー赤外線レーザー等を用いて車外の状況を検出する装置を用いても良い。

0020

腕の加速度は、ドライバーの腕に加速度センサ210を装着することによって計測する。また、腕の加速度は、カメラ撮像した画像を解析して手の軌跡を計測し、軌跡から算出しても良い。画像解析の場合、モーションキャプチャーによるマーカー計測、ステレオカメラや赤外線カメラ等によるマーカーレス計測を用いることができる。なお、腕の加速度の取得方法はこれらに限定されるものではなく、他の方法を用いても良い。

0021

筋負担センサ220は、筋電計(電極)を含み、例えば筋電計をドライバーの三角筋に装着することで筋電を計測する。具体的には、以下の式より、筋電のデータから%MVCを計算した値を使用することができる。なお、RMS値は筋電の実効値を表す。最大随意収縮時におけるRMS値は予め停車状態などで計測しておく。
%MVC=解析箇所のRMS値
÷ 最大随意収縮時におけるRMS値
なお、筋電計の代わりに、荷重センサによる代用測定で筋負担を計測しても良い。この場合、ステアリング、またはシートに荷重センサを装着し、ドライバーが力を入れた時の作用点として荷重を測定し、荷重から筋負担を推定する。また、筋骨格モデルなどを用いて筋負担を推定しても良い。

0022

アシスト比演算装置100は、第1の制御部110、第2の制御部120、モータ制御部130、データベース140,150を有して構成される。第1の制御部110は、車速操舵トルクに基づいて、電動パワーステアリングシステム(EPS)600が備えるモータを制御するための制御値を求め、モータ制御部130に送る。モータ制御部130は、制御値に基づいて電動パワーステアリングシステム(EPS)600が備えるモータを制御する。

0023

第2の制御部120は、生体センサ200の情報に基づいて電動パワーステアリングシステム(EPS)600のアシスト比を演算する。モータ制御部130は、第2の制御部120が演算したアシスト比に基づいて、電動パワーステアリングシステム(EPS)600が備えるモータを制御する。

0024

通常の運転状態では、車速、操舵トルクに基づいて、電動パワーステアリングシステム(EPS)600が備えるモータが制御される。この際、電動パワーステアリングシステム(EPS)600は、予め定められた所定のアシスト比で電動パワーステアリングシステム(EPS)600を制御する。一方、ドライバーがモード切替SW500により所定の操作を行うと、電動パワーステアリングシステム(EPS)600によるアシスト比が第2の制御部120が演算したアシスト比に変更され、変更されたアシスト比により電動パワーステアリングシステム(EPS)600が備えるモータが制御される。

0025

データベース140には、ナビゲーションシステム地図情報、自車又は他社の走行履歴情報、等が格納されている。また、データベース150には、後述するアシスト比Cxjkが格納されている。

0026

第2の制御部120は、生体センサ200が検出した生体情報を取得する生体情報取得部122、生体情報に基づいてアシスト比を演算するアシスト比演算部124、現在の車両の運転状態を取得する運転状態取得部126、現在の車両の運転状態に基づいて、データベース150に格納されたアシスト比を取得するアシスト比取得部127、を有して構成されている。

0027

より詳細には、生体情報取得部122は、パワーステアリングシステム600で設定されるステアリング操舵の複数のアシスト比のそれぞれについて、複数の運転状態に応じて、ステアリング操舵に関連する生体情報を取得する。また、アシスト比演算部124は、複数の運転状態において、生体情報の離散度が低くなるアシスト比を演算する。また、アシスト比取得部127は、ステアリング操舵に関連する生体情報の離散度が低くなるアシスト比を運転状態毎に規定したデータベース150から、取得した現在の運転状態に応じたアシスト比を取得する。

0028

なお、図1のアシスト比演算装置100が有する各構成要素は、回路ハードウェア)又はCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラムソフトウェア)から構成することができる。また、そのプログラムは、メモリ等の記録媒体に格納されることができる。

0029

図2は、アシスト比演算装置100が行う処理の概要を示す模式図である。先ず、加速度センサ210、筋負担センサ220をドライバーに装着した状態で、車両の運転を行う(ステップS10)。そして、運転中に手の加速度と筋電を計測する(ステップS12,S14)。

0030

次に、計測した加速度と筋電の離散度を計算する(ステップS16)。次に、離散度のデータを蓄積し、離散度に基づいてステアリング操舵のアシスト比の最適値を計算する(ステップS18)。次に、電動パワーステアリングシステム(EPS)600におけるステアリング操舵のアシスト比を変更し(ステップS18)、ステップS10へ戻り、ステップS10〜S20の処理を繰り返す。そして、3回以上の繰り返し処理を行った後は、ステップS16からステップS22へ進んで最適値を判定し、アシスト比を最終決定する(ステップS24)。ステップS24で決定されたアシスト比により、制御条件が決定され、車両の運転が行われる(ステップS26)。制御条件の決定には、車速、舵角等の各種車両情報が適宜用いられる。

0031

図3及び図4は、アシスト比演算装置100が行う処理の詳細を示すフローチャートである。図3の処理は、主として生体情報取得部122によって行われる。また、図4の処理は、主としてアシスト比演算部124、アシスト比決定部127によって行われる。先ず、ステップS100では、モード切替SW500が操作され、初期設定モードオン(ON)とされる。なお、初期設定モードは車両を運転することが前提となるが、車両静止状態で操舵を行うシミュレーション設定モードで各種情報を取得しても良い。次のステップS102では、各制御設定時の電動パワーステアリングシステム(EPS)600のアシスト比Ciを設定する。iは3以上とし、3つ以上のアシスト比を設定する。一例として、i=1,2,3であり、C1=1、C2=2、C3=0.4とする。また、アシスト比の設定は、直線区間停車中等に行う。直線区間の推定は、ナビゲーションシステムの地図情報や車外センサ410から得られる情報等を用いて行うことができる。

0032

次のステップS104では、各種データの記録を開始する。ここで記録するデータは、車速Vi、操舵角αi、ヨーレートγi、実操舵トルクTsi、操舵トルクThi、腕の加速度Ai、腕の筋負担Mi、等の各種データである。

0033

次のステップS106では、定常区間を走行しているかを推定し、定常円区間走行毎に上記各データの平均値を計算する。定常円走行区間の推定は、一例として、ヨーレートの移動平均ピーク値を計算し、ピーク値の前2秒、後2秒の4秒分を定常円走行区間として推定し、各データを計算する。

0034

次のステップS108では、ラベル表に従い、定常円区間毎に車速、ヨーレートの平均値に合わせて、各データにj,kのラベル付をする。図5はラベル表の例を示す模式図である。i=1の場合、ある定常円区間の車速V1の平均が0〜10[km/s]であり、ヨーレートγ1の平均が0.1〜0.2[rad/s]の場合、ラベル付け後の腕の加速度はA115となる。

0035

次のステップS110では、j,kを組み合わせたデータ数がN個記録されるまで、運転を続ける。次のステップS112ではiの値に1を加算し、次のステップS114ではiの値が3以下であるか否かを判定し、iの値が3以下の場合はステップS102以降の処理を再度行う。

0036

ステップS114でiの値が3を超えた場合は、図4のステップS116へ進む。ステップS116では、j,kを1から変化させ、それぞれの組み合わせで計算を開始する。jの値は1からJまでであり(j=1:J)、kの値は1からKまでである(k=1:K)。次のステップS118では、j,kのラベルが一致するデータ(腕の加速度、腕の筋負担)をそれぞれZスコア化する。これにより(ZAijk,ZMijk)が得られる。なお、Zスコアは、母集団を構成する要素iのある値piが分布の中でどの辺りに位置するかを平均値0、標準偏差1の標準正規分布に置き換えて表したものであり(Zスコア=(pi−μ)/σ、但し、μは母平均、σは標準偏差)、piが平均値と等しければZスコアは0となり、平均より高い値ならZスコアはプラスの値、低ければマイナスの値となる。Zスコアを求める上記式は任意の値の標準偏差の分布を、標準偏差1の標準正規分布に置き換えたものである。

0037

図6は、腕の加速度のZスコア(ZAijk)と腕の筋負担のZスコア(ZMijk)を2次元平面にプロットした例を示す特性図である。図6において、横軸は腕の加速度のZスコア(ZAijk)の値を示しており、縦軸は腕の筋負担のZスコア(ZMijk)の値を示している。図6に示すプロットの特性は、j,kの特定の組み合わせ毎に得られる。i,jの特定の組み合わせにおいて、アシスト比を示すiが1,2,3のそれぞれの場合についてプロットが行われる。一例として、説明の便宜上、図6に示す特性はj=1,k=1であるものとする。図6では、i=1(アシスト比C1=1、操舵トルク「中間」)の場合のプロットを◇で示し、i=2(アシスト比C2=2、操舵トルク「軽い」)の場合のプロットを□で示し、i=3(アシスト比C3=0.4、操舵トルク「重い」)の場合のプロットを△で示している。

0038

次のステップS120では、Zスコア化したデータから各アシスト比の制御設定毎の離散度Dijkを求める。離散度Dijkは、以下(1)の式から算出される。離散度Dijkは、運転しやすい制御設定では、操舵時の動き(加速度A、筋活動量M)の再現性が高いという実験結果を基に作成した指標である。操舵トルクが重すぎたり、軽すぎたりすると筋活動と加速度のばらつきが大きくなり、離散度が高くなる傾向があり、離散度は操舵感と高い相関関係がある。操舵感が良い、適切な操舵トルクを設定すると、操舵トルクが重い設定や軽い設定に対して筋活動、加速度が過度増減せず、ばらつきも減少し、離散度が下がる。

0039

0040

以上のようにして、例えばj=1,k=1の場合、離散度Di11が求まることになる。図7は、j=1,k=1の場合に、i=1,2,3のそれぞれの離散度D111,D211,D311とアシスト比の関係を示す特性図である。図7に示すように、アシスト比に応じて離散度Dが変化することが判る。

0041

次のステップS122では、D1jk<D2jk且つD1jk<D3jkの条件が満たされるか否かを判定し、この条件が満たされる場合はステップS124へ進む。一方、この条件が満たされない場合は、ステップS116へ戻り、再計算を行う。ここで、アシスト比C3の場合は操舵トルクが重く、アシスト比C2の場合は操舵トルクが軽くなり、C3とC2はアシスト比を両極端に外した制御設定としている。一方、アシスト比C1の場合は操舵トルクが中間であり、設計ニュートラル値であり、適正値に近いと想定される制御設定である。このため、ステップS122の判定を行うことで、アシスト比C1の時の離散度がアシスト比C2とアシスト比C3の場合の離散度よりも小さい最小値になる条件のみを抽出する。

0042

ステップS124では、図7の離散度Dとアシスト比Cとの関係を示す非線形の近似曲線を算出する。近似曲線は、例えば以下の式(2)から算出できる。但し、式(2)において、eは定数項とする。
Djk=(C−Cxjk)+e ・・・(2)

0043

図8は、式(2)から算出した近似曲線を示す模式図である。ステップS124では、近似曲線に基づいてピーク値のCxjkを算出する。図7及び図8の例では、極小値となるCi11が算出される。

0044

例えば、図8では、アシスト比C1=1、C2=2,C3=0.4のそれぞれの場合におけるDjkを式(2)に代入し、式(2)に基づく以下の演算により、Cx11=0.81となる。具体的には、C1=1の場合の離散度D111=0.9、C2=2の場合の離散度D211=2.6、C3=0.4の場合の離散度D311=1.4を式(2)に代入し、Cx11=0.81を求める。従って、この場合、最も離散度が低くなるアシスト比は0.81である。
Di11=3.93c2−6.36c+3.29
=3.93(c−0.81)2+0.71

0045

次のステップS126では、全てのj,kの組み合わせについて、ステップS116〜S124の処理が終了したか否かを判定し、全てのj,kの組み合わせについて処理が終了した場合はステップS128へ進み、全てのCxjkをデータベース150に格納する。一方、全てのj,kの組み合わせについて処理が終了していない場合は、ステップS116へ戻る。ステップS128の後はステップS130へ進み、初期設定モードをオフ(OFF)に設定する。

0046

図9は、走行状態に応じて最適なCxjkがデータベース150に格納された様子を示す模式図である。図9に示すように、データベースには、平均速度vj,平均ヨーレートγlの任意の組み合わせ毎に最適なアシスト比Cxjkが格納されている。

0047

次に、図10に基づいて、本実施形態に係るアシスト比の自動変更モード3について説明する。先ず、ステップS500では、自動変更モード3をオンにする。次のステップS502では、操舵角αl、車速vl、ヨーレートγlの取得を開始する。操舵角αlは操舵角センサ404が検出し、車速vlは車速センサ402が検出し、ヨーレートγlはヨーレートセンサ406が検出する。運転状態取得部126は、各センサが検出した値を現在の運転状態として取得する。lの値は1から∞までとし(l=1:∞)、自動変更モード3がオフ(OFF)になるまで演算を続ける。

0048

次のステップS504では、αl≠0であるか否かを判定し、αl≠0の場合はステップS506へ進む。一方、αl=0の場合は、ステップS508へ進み、lの値に1を加算し(l=l+1)、ステップS502以降の処理を再度行う。αl≠0であるか否かを判定することで、操舵角が0であれば制御変更などは実施しない。なお、ステップS504では、操舵角αlの絶対値が閾値αtを超え、且つ車速vlが閾値vtを超えた場合にステップS508へ進んでも良い。すなわち、ステップS504では、|αl|>αt且つ|vl|>vtであるか否かを判定することで、閾値αt,vtに基づいて同様の判定を行っても良い。また、この場合に、操舵角αlは操舵角速度、または操舵角加速度に置き換えても良く。車速vtは車両前後加速度に置き換えても良い。閾値αt,vtは任意に変更することもできる。以上のように、基本的にはハンドル操作が行われるとアシスト比が自動変更されるため、操舵のフィーリングリアルタイムに向上することができる。

0049

ステップS506では、Cxjkを格納したデータベースからvl,γlに最も近い値となるvj,γkを検索し、その際のCxjkを選択する。次のステップS510では、アシスト比をステップS506で選択したCxjkに設定する。次のステップS512では、自動モード3がオフ(OFF)に設定されたか否かを判定し、動モード3がオフ(OFF)に設定された場合は処理を終了する(END)。一方、自動モード3がオフ(OFF)に設定されていない場合は、はステップS508へ進み、lの値に1を加算し(l=l+1)、ステップS502以降の処理を再度行う。

0050

図11A図11Cは、異なるドライバーA,B,C毎にアシスト比のピーク値Cxjkが異なる様子を示す特性図である。図11Aに示すドライバーAの特性では、操舵トルクが中間(アシスト比≒1)の場合に離散度がピークになっている。また、図11Bに示すドライバーBの特性では、操舵トルクが重い(アシスト比1.0以下)の場合に離散度がピークになっている。また、図11Cに示すドライバーCの特性では、操舵トルクが軽い(アシスト比1.0以上)の場合に離散度がピークになっている。以上のように、ドライバー毎に最適のアシスト比は異なるが、本実施形態では、運転状態に応じて、j,kのラベル毎に離散度Dが最も小さくなるピーク値Cxjkを求め、更に、運転状態に応じてCxjkを選択するようにしたため、ドライバー毎に、運転状態に応じた最適なアシスト比Cxを設定することが可能となる。

0051

以上説明したように本実施形態によれば、ドライバー毎に生体情報の離散度が最も低くなるアシスト比を算出することができるため、個々のドライバーの特性に応じて最適にアシスト比を設定することができる。また、現在の運転状態を取得し、現在の運転状態に応じて生体情報の離散度が最も低くなるアシスト比を自動設定できるため、現在の運転状態に応じて最適な操舵感を得ることが可能となる。

0052

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0053

100アシスト比演算装置
126運転状態取得部
127 アシスト比取得部

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