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技術 ブロック、耐震壁及び耐震壁の構築方法

出願人 株式会社大林組日之出水道機器株式会社
発明者 増田安彦穴吹拓也新村洋行渋田敬一郎竹山清宏
出願日 2016年9月27日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-187929
公開日 2018年4月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-053461
状態 特許登録済
技術分野 耐力壁、カーテンウオール 建築用ブロック部材 組積造壁;現場打壁
主要キーワード 厚み方向外側 補強ブロック 立面形状 直角二等辺三角形状 各矩形ブロック 可鍛鋳鉄 上枠内 ボルト接合用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月5日)のものです。
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図面 (19)

課題

耐震性が高く、施工性に優れた耐震壁を形成可能なブロック等を提供する。

解決手段

組積されることにより耐震壁を構築鋳型により製造された鋳鉄または鋳鋼のブロックであって、組積された状態で隣接する他のブロックとの隣接面の、当該ブロックの厚み方向における一部に設けられ、前記隣接面から突出する突起、又は、前記他のブロックに設けられた前記突起が挿入される挿入部を有している。

概要

背景

耐震壁を構成するブロックとして、例えば、鉄鋼製材料よりなる角筒状のフレーム及びフレームを補強する斜材により成形し、斜材をフレームの内側に1本又は2本配置した補強ブロックが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この補強ブロックを、構造物の柱及び梁よりなる架構の内側を覆うように組積した耐震壁も知られている。このような耐震壁は、組積されて隣接する補強ブロック同士が接着剤ボルトなどにより接合されている。

概要

耐震性が高く、施工性に優れた耐震壁を形成可能なブロック等を提供する。組積されることにより耐震壁を構築鋳型により製造された鋳鉄または鋳鋼のブロックであって、組積された状態で隣接する他のブロックとの隣接面の、当該ブロックの厚み方向における一部に設けられ、前記隣接面から突出する突起、又は、前記他のブロックに設けられた前記突起が挿入される挿入部を有している。

目的

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、耐震性が高く、施工性に優れた耐震壁を形成可能なブロック、耐震壁及び耐震壁の構築方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

組積されることにより耐震壁構築鋳型により製造された鋳鉄または鋳鋼ブロックであって、組積された状態で隣接する他のブロックとの隣接面の、当該ブロックの厚み方向における一部に設けられ、前記隣接面から突出する突起、又は、前記他のブロックに設けられた前記突起が挿入される挿入部を有していることを特徴とするブロック。

請求項2

請求項1に記載のブロックであって、前記突起は、先端の幅が前記隣接面側の幅より狭いことを特徴とするブロック。

請求項3

請求項1または請求項2に記載のブロックであって、前記隣接面が水平に対して傾斜する姿勢にて組積されることを特徴とするブロック。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブロックであって、鉄鋼材料として球状黒鉛鋳鉄を用いることを特徴とするブロック。

請求項5

請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のブロックが、隣接する前記他のブロックとの間に接着剤が介在されて組積されてなることを特徴とする耐震壁。

請求項6

鉄鋼製材料よりなり厚み方向における一部に、外周面から突出する突起又は前記外周面から窪む凹部を備えた複数のブロックを、互いに隣接する2つの前記ブロックのうちの一方の前記ブロックの前記突起を他方の前記ブロックの前記凹部に挿入しつつ、前記一方のブロックの前記外周面と前記他方のブロックの前記外周面とが重なるように組積するとともに、重なる前記外周面間に接着剤を介在させることを特徴とする耐震壁の構築方法

技術分野

0001

本発明は、ブロック、耐震壁及び耐震壁の構築方法に関する。

背景技術

0002

耐震壁を構成するブロックとして、例えば、鉄鋼製材料よりなる角筒状のフレーム及びフレームを補強する斜材により成形し、斜材をフレームの内側に1本又は2本配置した補強ブロックが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この補強ブロックを、構造物の柱及び梁よりなる架構の内側を覆うように組積した耐震壁も知られている。このような耐震壁は、組積されて隣接する補強ブロック同士が接着剤ボルトなどにより接合されている。

先行技術

0003

特開2016−102363号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述した補強ブロックのように、隣接するブロック同士が接着剤のみで接合されている場合には、形成された耐震壁を構成する各ブロックの面外方向への保持力が小さく耐震性能が低いという課題がある。また、隣接するブロック同士がボルトで接合されている場合には、各ブロックにボルト接合用の加工が必要であるとともに、各々ボルト接合するため施工が繁雑であるという課題がある。

0005

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、耐震性が高く、施工性に優れた耐震壁を形成可能なブロック、耐震壁及び耐震壁の構築方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

かかる目的を達成するために本発明のブロックは、
組積されることにより耐震壁を構築鋳型により製造された鋳鉄または鋳鋼のブロックであって、
組積された状態で隣接する他のブロックとの隣接面の、当該ブロックの厚み方向における一部に設けられ、前記隣接面から突出する突起、又は、前記他のブロックに設けられた前記突起が挿入される挿入部を有していることを特徴とするブロックである。

0007

このようなブロックによれば、組積された状態で隣接するブロックの一方に設けられた突起を他方に設けられた挿入部に挿入して組積することが可能である。また、突起及び凹部は、ブロックの厚み方向における一部に設けられているので、ブロックの厚み方向に力が作用した場合には、隣接するブロックは、互いに他のブロックにより移動が規制される。このため、組積したブロックが、崩れにくい耐震壁を構築することが可能である。

0008

また、隣接するブロックの一方に設けられた突起を他方に設けられた挿入部に挿入しつつ組積するので、組積するブロックを位置決めしつつ組積することが可能である。また、既に組積されたブロックにおいても、隣接するブロックの一方に設けられた突起が他方に設けられた挿入部に挿入されているので、施工中においても既に組積されたブロックの位置ずれを抑えることが可能である。このため施工性に優れたブロックを提供することが可能である。

0009

更に、ブロックを、耐震壁用ブロックに適した材料として強度が高い鉄系の鋳鉄または鋳鋼とし、鋳型を用いて鋳造するので、溶融させた鉄を鋳型に流し込むだけで、隣接面に突起や挿入部を備えたブロックを容易に形成することが可能である。また、突起や挿入部を形成するために溶接切削といった加工を施す必要がないので、製造コストを低く抑えることが可能である。

0010

かかるブロックであって、
前記突起は、先端の幅が前記隣接面側の幅より狭いことが望ましい。
このようなブロックによれば、隣接面から突出する突起は、先端の幅が隣接面側の幅より狭いので、ブロックを他のブロック側に移動して組積する際に、挿入部に容易に挿入されるとともに、組積されるブロックをより適切な位置に案内することが可能である。

0011

かかるブロックであって、
前記隣接面が水平に対して傾斜する姿勢にて組積されることが望ましい。
このようなブロックによれば、ブロックが斜材をなすため、高い剛性を備えることが可能である。

0012

かかるブロックであって、
鉄鋼材料として球状黒鉛鋳鉄を用いることが望ましい。
このようなブロックによれば、球状黒鉛鋳鉄なので、鋳造することが可能であり、成形した状態で、加工を施すことなく使用できる。このため、より安価に製造することが可能である。ここで、球状黒鉛鋳鉄の他に、鋳鉄材料としては片状黒鉛鋳鉄可鍛鋳鉄などの種類があるが、球状黒鉛鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄等に比べて伸び性能及び疲労強度が高いため、ブロックの材料として特に優れている。

0013

また、上記ブロックが、隣接する前記他のブロックとの間に接着剤が介在されてなることを特徴とする耐震壁である。
鋳造されるブロックは、鋳型を形成する砂により表面に細かな凹凸が形成される。このため、組積されて隣接するブロックの間には細かな凹凸の隙間が生じるが、接着剤を介在させることにより細かな凹凸に接着剤が入り込み接着力が高められるとともに、隙間を埋めることが可能である。このため、各ブロックの隣接面を平滑に仕上げる加工工程を省略することができるので、製造コストを低く抑えることが可能である。

0014

また、鉄鋼製材料よりなり厚み方向における一部に、外周面から突出する突起又は前記外周面から窪む凹部を備えた複数のブロックを、
互いに隣接する2つの前記ブロックのうちの一方の前記ブロックの前記突起を他方の前記ブロックの前記凹部に挿入しつつ、前記一方のブロックの前記外周面と前記他方のブロックの前記外周面とが重なるように組積するとともに、重なる前記外周面間に接着剤を介在させることを特徴とする耐震壁の構築方法である。

0015

このような耐震壁の構築方法によれば、互いに隣接する2つのブロックのうちの一方のブロックの突起を他方のブロックの凹部に挿入しつつ、一方のブロックの外周面と他方のブロックの外周面とが重なるように組積しつつ接着剤を介在させるだけで、容易に耐震壁を構築することが可能である。

0016

また、互いに隣接する2つのブロックの重なる前記外周面間に接着剤を介在させるので、鉄製のブロックを重ねて耐震壁を構築する場合のように、表面を平坦にする加工及び溶接やボルトによる接合の必要がない。このため、互いに隣接する2つのブロックを接着剤で接合することにより、より安く、より早く、より静かに耐震壁を構築することが可能である。また、接着剤を介在させることにより、ブロックの積み上げ及び位置決めが容易となり、施工性が向上する。

発明の効果

0017

本発明によれば、耐震性が高く、施工性に優れた耐震壁を形成可能なブロック、耐震壁及び耐震壁の構築方法を提供することが可能である。

図面の簡単な説明

0018

本発明にかかる耐震壁の姿図である。
図2(a)は、矩形ブロックの正面図、図2(b)は、矩形ブロックの側面図である。
図3(a)は、柱側ブロックの正面図、図3(b)は、柱側ブロックの側面図である。
図4(a)は、上ブロックの正面図、図4(b)は、上ブロックの側面図である。
図5(a)は、下ブロックの正面図、図5(b)は、下ブロックの側面図である。
鋳物の種類を示す図である。
耐震壁の構築方法においてブロックを組積する前の手順を示す図である。
耐震壁の上側梁ガイドスチールを示す図である。
耐震壁の柱側ガイドスチールを示す図である。
耐震壁の構築方法において矩形ブロックを1段組積するまでの手順を示す図である。
耐震壁の構築方法において柱側ブロック4段分の高さに組積するまでの手順を示す図である。
耐震壁の構築方法において上ブロックと下側梁下ガイドスチールを固定するまでの手順を示す図である。
耐震壁の構築方法において組積したブロックと上梁との接合構造を示す図である。
完成した耐震壁における上梁との接合構造を示す詳細図である。
図15(a)は、層間変形が生じたとき耐震壁の変形を示すモデル図であり、図15(b)は、矩形状をなすブロックを水平に組積した耐震壁の変形を説明する図であり、図15(c)は、矩形状をなすブロックを水平に対して傾斜させて組積した耐震壁の変形を説明する図である。
図16(a)は、矩形ブロックの第1変形例の正面図を示す図であり、図16(b)は、矩形ブロックの第1変形例の側面図を示す図である。
図17(a)は、矩形ブロックの第2変形例の正面図を示す図であり、図17(b)は、矩形ブロックの第2変形例の側面図を示す図である。
図18(a)は、正三角形状のブロックを示す図であり、図18(b)は、六角形状のブロックを示す図であり、図18(c)は、八角形状のブロックを示す図である。

実施例

0019

以下に、本発明の柱と梁よりなる架構の開口部に耐震壁を構築するためのブロックを、図を用いて説明する。
図1に示すように、ブロック11、12、13、14は、構造物の柱2及び梁3よりなる架構4の内側に増設される耐震壁1を構築するための部材である。架構4の内側を塞ぐように組積される。隣り合うブロック11、12、13、14同士が一体となるように結合されることにより全体として壁体が構成される。壁体は、梁下ガイドスチール5、柱側ガイドスチール8、梁上ガイドスチール9及び接着剤6a、6bを介して該壁体を柱2及び梁3に剛接合することにより、耐震壁1として機能する。

0020

以下の説明においては、構築された状態の耐震壁1に向かって見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を幅方向、耐震壁1が形成する面に直交する方向を面外方向として示す。耐震壁1の各部位であっても、また、耐震壁1を構成する各部材については単体の状態であっても、耐震壁1として構築された状態にて上下方向、幅方向、面外方向となる方向にて方向を特定して説明する。

0021

ブロック11、12、13、14は、図2図5に示すような、立面形状正方形状をなす矩形ブロック11と、柱2に固定され立面形状が三角形状の柱側ブロック12と、上に位置する梁(以下、上梁という)31の下面31a側に梁下ガイドスチール5を介して固定され立面形状が三角形状をなす上ブロック13と、下に位置する梁(以下、下梁という)32の上面32aに固定され立面形状が三角形状をなす下ブロック14と、の4種類のブロック11、12、13、14が用いられる。

0022

4種類のブロック11、12、13、14は、鋳造によって製造される。例えば、矩形状をなす木製の上枠下枠とを用いて製造される。この場合、まず、下枠に鋳物砂を詰めて形成した平坦な水平面上にいずれかのブロック11、12、13、14と同形状に形成された模型を、ブロック11、12、13、14の厚みのほぼ半分埋めて配置し、上枠を下枠上に重なるように載置した後に、上枠内に鋳物砂を充填する。このとき、溶融した鉄を注ぎ込むための湯口を形成する湯口形成部材を先端が模型に当接するように設けておく。鋳物砂を十分に押し固めた後、上枠を持ち上げて模型を取り外し、上枠を下枠上に戻した後に湯口形成部材を取り外す。下枠と上枠とが重なった鋳型内には、ブロック11、12、13、14の模型と同形状の空間が湯口と連通して設けられている。この鋳型の湯口から溶融した鉄を注ぎ込み、冷却した後に鋳物砂を枠体から崩して鋳物でなるブロック11、12、13、14が完成する。ブロック11、12、13、14の鋳造方法の一例を示したが、鋳型は木製の枠と鋳物砂に限るものではない。

0023

また、4種類のブロック11、12、13、14は、いずれも球状黒鉛鋳鉄である。鋳物としては、図6に示すように、鉄系の鋳物と非鉄系の鋳物とがあり、球状黒鉛鋳鉄は、鉄系の鋳物のうちの鋳鉄に含まれる。鋳鉄及び鋳鋼は、含まれる炭素の量によって分類され、鋳鉄は鋳鋼より多くの炭素を含んでいる(一般的には、鋳鉄は2.1以上、鋳鋼は2.1%未満)。鋳鉄としては、球状黒鉛鋳鉄の他に、片状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄などの種類があるが、球状黒鉛鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄等に比べて伸び性能及び疲労強度が高いため、ブロックの材料として特に優れている。

0024

矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14は、いずれも組積されて耐震壁1を形成したときに、耐震壁1の面外方向に貫通する中空状をなしており、中空部11a、12a、13a、14aを囲む枠状の外周部11b、12b、13b、14bが、正方形状又は三角形状をなしている。矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14は、面外方向における厚みが等しく形成されている。

0025

立面形状が三角形状をなす柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14は、いずれも直角二等辺三角形状をなしており、頂角を挟む辺の長さは、いずれのブロック12、13、14も等しく形成されている。

0026

図1図3に示すように、柱側ブロック12は、組積されたときに直角二等辺三角形底辺をなす部位12cが柱2に沿うように配置され、頂角をなす角部12dが架構4の開口部4aの内側に配置される。このため、頂角を挟む2辺は、頂角より上側の辺(以下、柱側上辺という)が上に向かうに連れて柱に近づく傾斜をなしており、頂角より下側の辺(以下、柱側下辺という)が下に向かうに連れて柱に近づく傾斜をなしている。柱側上辺をなす外周面の上傾斜面12eの中央には、上傾斜面12eをなす外周部12bの厚み方向に窪む挿入部としての柱側ブロック凹部12fが設けられており、柱側下辺をなす外周面の下傾斜面12gの中央には、下傾斜面12gをなす外周部12bの外側に突出する柱側ブロック突起12hが設けられている。なお、挿入部は、外周部12bを厚み方向に貫通していてもよい。

0027

柱側ブロック凹部12fは、上傾斜面12eをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、柱側ブロック凹部12fは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は上傾斜面12eに囲まれている。柱側ブロック突起12hは、下傾斜面12gをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、柱側ブロック突起12hは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は下傾斜面12gに囲まれている。

0028

図1図4に示すように、上ブロック13は、上梁31の下面31a側に、上側梁下ガイドスチール51と下側梁下ガイドスチール52とがスプライスプレートにて接合される梁下ガイドスチール5を介して取り付けられる。上ブロック13は、直角二等辺三角形の底辺をなす部位13cが梁下ガイドスチール5の下面に沿うように配置され、頂角をなす角部13dが下方を向くように配置される。頂角を挟み底角に向かう2つの辺をなす外周面の上ブロック傾斜面13eの中央には、上ブロック傾斜面13eをなす外周部13bの厚み方向外側に突出する上ブロック突起13fが各々設けられている。

0029

上ブロック突起13fは、上ブロック傾斜面13eをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、上ブロック突起13fは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は上ブロック傾斜面13eに囲まれている。

0030

図1図5に示すように、下ブロック14は、組積されたときに直角二等辺三角形の底辺をなす部位14cが下梁32上に設けられ板状をなす梁上ガイドスチール9に沿うように配置され、頂角をなす角部14dが上方を向くように配置される。頂角を挟み底角に向かう2つの辺をなす外周面の下ブロック傾斜面14eの中央には、下ブロック傾斜面14eをなす外周部14bの厚み方向に窪む挿入部としての下ブロック凹部14fが各々設けられている。

0031

下ブロック凹部14fは、下ブロック傾斜面14eをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、下ブロック凹部14fは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は下ブロック傾斜面14eに囲まれている。

0032

図1図2に示すように、矩形ブロック11は、組積されたときに正方形状の1つの角が下方に向くように配置される。下方に向く角部11cを挟む2辺をなす外周面の2つの矩形ブロック下傾斜面11dの中央には、各矩形ブロック下傾斜面11dをなす外周部11bの厚み方向外側に突出する矩形ブロック突起11eが各々設けられている。

0033

また、矩形ブロック11が組積されたときに上方に向く角部11fを挟む2辺をなす外周面の2つの矩形ブロック上傾斜面11gの中央には、各矩形ブロック上傾斜面11gをなす外周部11bの厚み方向に窪む挿入部としての矩形ブロック凹部11hが各々設けられている。矩形ブロック上傾斜面11gの長さは、柱側ブロック12の上傾斜面12e及び下傾斜面12g、上ブロック13の上ブロック傾斜面13e、下ブロック凹部14の下ブロック傾斜面14eと同じ長さに形成されている。

0034

矩形ブロック突起11eは、矩形ブロック下傾斜面11dをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、矩形ブロック突起11eは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は矩形ブロック下傾斜面11dに囲まれている。矩形ブロック凹部11hは、矩形ブロック上傾斜面11gをなす部位の各縁から内側に離れた位置に設けられている。このため、矩形ブロック凹部11hは、耐震壁1の厚み方向における全域には設けられておらず、面外方向における一部に設けられて周囲は矩形ブロック上傾斜面11gに囲まれている。

0035

矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13に設けられている矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fは、各ブロック11、12、13をいずれも面内方向に沿う面にて切断したときの断面形状が同一形状をなし、矩形ブロック下傾斜面11d、柱側ブロック12の下傾斜面12g、上ブロック傾斜面13eから頂部11i、12i、13gが突出して直角二等辺三角形をなしている。すなわち、図2図4に示すように、頂部11i、12i、13gの幅W1が矩形ブロック下傾斜面11d、下傾斜面12g、上ブロック傾斜面13e側の幅W2より狭く形成されている。本実施形態においては、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fは、鉛直方向に沿う鉛直面11j、12j、13hと、水平方向に沿う面とにより形成されている。尚、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fは、頂部11i、12i、13g側の厚みT1と矩形ブロック下傾斜面11d、下傾斜面12g、上ブロック傾斜面13e側の厚みT2とはほぼ同じである。

0036

矩形ブロック11、柱側ブロック12、下ブロック14に設けられている矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fは、各ブロック11、12、13をいずれも面内方向に沿う面にて切断したときの断面形状が同一形状の直角二等辺三角形をなしている。このため、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fは、鉛直方向に沿う面と、水平方向に沿う面とにより形成されている。そして、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fは、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14が組積されるときに、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13の矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが挿入可能に形成されている。

0037

次に耐震壁1の構築方法について、図を用いて説明する。
矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14を用いて耐震壁1を構築する場合には、まず、図7に示すように、架構4の開口部4aにおける内周面を形成している下梁32の上面32a、上梁31の下面31a、左右の柱2の各側面2aに複数のアンカーボルト7を、適宜間隔を空けて設置する。

0038

次に、上梁31の下面31aに梁下ガイドスチール5を構成する上側梁下ガイドスチール51を、左右の柱2の各側面2aに柱側ガイドスチール8をそれぞれ固定する。
図8に示すように、上側梁下ガイドスチール51は、H型鋼ウエブ51aを当該ウエブ51aの幅のほぼ中央にて切断した部材であり断面形状がT字状をなしている。また、上側梁下ガイドスチール51には、耐震壁1の幅方向に適宜間隔を空けてウエブ51aとフランジ51bを繋ぐリブ51cが複数設けられている。上側梁下ガイドスチール51は、ウエブ51aと反対側のフランジ51bの面を上梁31の下面31aに対面させて配置し、上梁31との間の接合面に注入用接着剤6aを注入し、アンカーボルト7で固定する。ここで、注入用接着剤6aとしては、例えば、日本シーカ製シーカデュア登録商標)Wが挙げられる。

0039

図9に示すように柱側ガイドスチール8は、H型鋼であり、上下方向に適宜間隔を空けてウエブ8aとフランジ8bとを繋ぐリブ8cが設けられている。柱側ガイドスチール8は、各柱2の互いに対向する側面2aに一方のフランジ8bの面を対面させて配置し、柱2との間の接合面に注入用接着剤6aを注入し、アンカーボルト7で固定する。

0040

次に、下梁32の上面32aに梁上ガイドスチール9を固定する。梁上ガイドスチール9は平板状の鋼材である。梁上ガイドスチール9は、下梁32の上面32aに塗布用接着剤6bを塗布した後に、梁上ガイドスチール9の平面を下梁32の上面32aに対面させて載置し、アンカーボルト7で固定する。ここで、塗布用接着剤6bとしては、例えば、ペースト状の日本シーカ製シーカデュア(登録商標)WSが挙げられる。

0041

次に、図10に示すように、下梁32に固定された梁上ガイドスチール9の上面に、塗布用接着剤6bを塗布し、複数の下ブロック14を下梁32の長手方向に、すなわち開口部4aの幅方向に連ねて、左右の柱2間に載置する。このとき、直角二等辺三角形状をなす下ブロック14は、下ブロック角部14dが上方に位置して、互いに隣接する下ブロック14同士が突き合わされるように配置する。梁上ガイドスチール9上に配置された複数の下ブロック14における、隣接する2つの下ブロック14間には、各々の下ブロック14の一方の下ブロック傾斜面14eにより、直角二等辺三角形状の空間が形成されている。ここで、鋳物でなる矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14は、いずれも重量が20kg程度、または、それ以下なので作業者により手作業で順次組積されていく。

0042

次に、両端に配置された下ブロック14の下ブロック傾斜面14eと柱2に設けられた柱側ガイドスチール8の側面とに塗布用接着剤6bを塗布して、柱側ブロック12をそれぞれ載置する。このとき、下ブロック14の下ブロック傾斜面14eに設けられた下ブロック凹部14f(図5参照)に、柱側ブロック12の下傾斜面12gに突出する柱側ブロック突起12h(図3参照)を挿入させつつ柱側ブロック12を下方に移動させて組積する。また、組積されて対向する下ブロック傾斜面14eと柱側ブロック12の下傾斜面12gとがそれぞれ隣接面に相当する。

0043

次に、左右の端に組積された柱側ブロック12間に位置し、互いに隣接する2つの下ブロック14により形成されている複数の直角二等辺三角形状の空間に、矩形ブロック11をそれぞれ載置する。このとき、下ブロック14の下ブロック傾斜面14eに塗布用接着剤(不図示)を塗布し、下ブロック傾斜面14eに設けられた下ブロック凹部14fに、矩形ブロック11の矩形ブロック下傾斜面11dに突出する矩形ブロック突起11e(図2参照)を挿入させつつ矩形ブロック11を下方に移動させて組積する。ここで、組積されて対向する下ブロック傾斜面14eと矩形ブロック下傾斜面11dとがそれぞれ隣接面に相当する。

0044

次に、図11に示すように、左右の端に組積された柱側ブロック12と、組積された複数の矩形ブロック11とにより形成されている複数の直角二等辺三角形状の空間に、矩形ブロック11をそれぞれ載置する。このとき、各柱側ブロック12の上傾斜面12eと各矩形ブロック11の各矩形ブロック上傾斜面11gに塗布用接着剤(不図示)を塗布し、矩形ブロック上傾斜面11gに設けられた矩形ブロック凹部11h(図2参照)に、新たに組積する矩形ブロック11の矩形ブロック下傾斜面11dに突出する矩形ブロック突起11e(図2参照)を挿入させつつ新たな矩形ブロック11を下方に移動させて組積する。ここで、組積されて対向する柱側ブロック12の上傾斜面12eと新たに組積する矩形ブロック11の矩形ブロック下傾斜面11dとが、また、矩形ブロック上傾斜面11gと新たに組積する矩形ブロック11の矩形ブロック下傾斜面11dとがそれぞれ隣接面に相当する。

0045

次に、左右の端に新たな柱側ブロック12をそれぞれ組積し、左右の端に組積した柱側ブロック12間に新たな矩形ブロック11を、上述した方法により、所定の高さまで順次組積する。本実施形態では、上下方向に柱側ブロック12を4つ組積した高さと、組積した矩形ブロック11の高さとが等しくなる高さまで組積する。

0046

次に、図12に示すように、4段に組積された柱側ブロック12と、4段の柱側ブロック12と同じ高さまで組積された複数の矩形ブロック11とにより形成されている複数の直角二等辺三角形状の空間に、上ブロック13をそれぞれ載置する。このとき、各柱側ブロック12の上傾斜面12e(図3参照)と各矩形ブロック11の各矩形ブロック上傾斜面11g(図2参照)に塗布用接着剤(不図示)を塗布し、上ブロック傾斜面13e(図4参照)に突出する上ブロック突起13f(図4参照)を挿入させつつ上ブロック13を下方に移動させて組積する。このとき、幅方向に連ねられて組積された上ブロック13の上面は、ほぼ水平面を形成している。ここで、組積されて対向する柱側ブロック12の上傾斜面12eと上ブロック13の上ブロック傾斜面13eとが、また、矩形ブロック上傾斜面11gと上ブロック13の上ブロック傾斜面13eとがそれぞれ隣接面に相当する。

0047

次に、図13に示すように、幅方向に連ねて組積された上ブロック13の上面に塗布用接着剤(不図示)を塗布し、上側梁下ガイドスチール51と同形状をなす下側梁下ガイドスチール52を、ウエブ52aと反対側のフランジ52bの面を組積された上ブロック13の上面に対面させて載置して固定する。この状態で、上側梁下ガイドスチール51のウエブ51aと下側梁下ガイドスチール52のウエブ52aとは、互いの端部が上下方向に間隔を空けて対向するように配置される。

0048

次に、図13図14に示すように、上側梁下ガイドスチール51のウエブ51aと下側梁下ガイドスチール52のウエブ52aとにわたるように、面外方向の両側からスプライスプレート53を当接させてウエブ51aとウエブ52aとを挟み、高力ボルト54を面外方向に貫通させてナット55で固定する。これにより、上側梁下ガイドスチール51のウエブ51aと下側梁下ガイドスチール52のウエブ52aとは、スプライスプレート53を介して接合されて耐震壁1が完成する。

0049

本実施形態の矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14をなす各ブロック11、12、13、14によれば、組積された状態で隣接するブロック11、12、13、14の一方に設けられた矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fを他方に設けられた矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに挿入して組積することが可能である。また、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13f及び矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fは、ブロック11、12、13、14の厚み方向における一部に設けられているので、ブロック11、12、13、14の厚み方向に外力が作用した場合には、隣接するブロック11、12、13、14は、互いに他のブロック11、12、13、14により移動が規制される。このため、組積したブロック11、12、13、14が、崩れにくい耐震壁1を構築することが可能である。

0050

また、隣接するブロック11、12、13、14の一方に設けられた矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fを他方に設けられた矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに挿入しつつ組積するので、組積するブロック11、12、13、14を位置決めしつつ組積することが可能である。また、既に組積されたブロック11、12、13、14においても、隣接するブロック11、12、13、14の一方に設けられた矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが他方に設けられた矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに挿入されているので、施工中においても既に組積されたブロック11、12、13、14の位置ずれを抑えることが可能である。このため施工性に優れたブロック11、12、13、14を提供することが可能である。

0051

更に、ブロック11、12、13、14は、耐震壁用ブロックに適した材料として、強度が高い鉄系の鋳鉄または鋳鋼とする。このため、ブロック11、12、13、14は、鋳型を用いて鋳造されているので、溶融させた鉄を鋳型に流し込むだけで、矩形ブロック下傾斜面11d、下傾斜面12g、上ブロック傾斜面13eに、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fを、また、矩形ブロック上傾斜面11g、上傾斜面12e、下ブロック傾斜面14eに矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fを備えたブロック11、12、13、14を容易に形成することが可能である。すなわち、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fや矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fを形成するために溶接や切削といった加工を施す必要がないので、製造コストを低く抑えることが可能である。

0052

また、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fは、外周部11b、12b、14bの厚み方向に窪む凹部であって、貫通していないので、互いに隣接するブロック11、12、13、14同士を接着剤6a、6bにより接合する場合には、接着剤6a、6bが矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fから漏れることを防止することが可能である。このため、より強固に接合することが可能である。

0053

また、三角形状の矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fは、先端をなす頂部11i、12i、13gの幅が、突出している元側の矩形ブロック下傾斜面11d、下傾斜面12g、上ブロック傾斜面13e側の幅より狭いので、ブロック11、12、13を移動させて組積する際に、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに容易に挿入されるとともに、組積されるブロック11、12、13をより適切な位置に案内することが可能である。このため、より施工性に優れたブロック11、12、13、14を提供することが可能である。

0054

また、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14は、組積した際に互いに隣接するブロック11、12、13、14との隣接面が、水平に対して傾斜する姿勢にて組積されるので、各ブロック11、12、13、14が斜材として機能するため、高い剛性を備えることが可能である。

0055

ところで、地震等により層間変形が生じる場合には、図15(a)に示すように、柱2及び梁3でなる架構4がなす矩形状の2本の対角線に沿う方向において、一方の側が伸長され、他方の側が圧縮される方向に相対変形する。このとき、図15(b)に示すように、矩形状のブロック10が底面を水平にして組積されている場合には、上下に隣接するブロック10間に生じる水平方向のせん断力は、上下に隣接するブロック10同士が互いに幅方向にスライドする方向に作用する。このため、互いに隣接するブロック10同士の隣接面は離れにくい。

0056

一方の図15(c)に示すように、互いに隣接する各ブロック11、12、13、14の隣接面が水平に対して傾斜する姿勢にて組積されている場合には、静止状態においては高い耐震性を備えることが可能だが、層間変形が生じる場合には、一方の対角線側となる伸長される方向には隣接面同士が離れる方向に変形する。このため、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに挿入されて組積されていると、隣接面が離れる方向に変形が生じたとしても、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fから抜け出るまでは、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fの内面に接触して移動が規制されるので、各ブロック11、12、13、14が面外方向にずれて移動することを防止することが可能である。

0057

また、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14の立面形状をいずれも直角二等辺三角形とし、矩形ブロック11の立面形状を正方形状として、矩形ブロック11の対角に位置する角部11c、11fが鉛直方向に向くように組積することにより、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14にバランス良く荷重を負担させることが可能である。このため、組積することにより、より耐震性に優れた耐震壁1を形成することが可能である。

0058

また、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14はいずれも球状黒鉛鋳鉄なので、鋳造することが可能であり、成形した状態で、加工を施すことなく使用できる。このため、繁雑な手間が掛からないので、より安価に製造することが可能である。特に鋳鉄は、鋳鋼に比べて低い温度での溶解・鋳造作業が可能であるため、工場において耐火材砂型(鋳型)のランニングコストが抑えられるので、より製造コストを抑えることが可能である。

0059

本実施形態の耐震壁1によれば、矩形ブロック11、柱側ブロック12、上ブロック13、下ブロック14が、互いに隣接する他のブロック11、12、13、14との間に接着剤6a、6bが介在されて組積されて形成されているので、より高い耐震性を備えることが可能である。特に、鋳造されるブロック11、12、13、14は、砂により形成されている鋳型により鋳造でされるため、表面に細かな凹凸が形成される。このため、組積されて隣接するブロック11、12、13、14の間には細かな凹凸の隙間が生じるが、接着剤6a、6bを介在させることにより細かな凹凸に接着剤6a、6bが入り込み接着力が高められるとともに、隙間を埋めることが可能である。このため、より耐震性が高い耐震壁1を提供することが可能である。

0060

また、本実施形態の耐震壁1の構築方法によれば、互いに隣接する2つのブロック11、12、13、14のうちの一方のブロック11、12、13の突起11e、12h、13fを他方のブロック11、12、14の凹部11h、12f、14fに挿入しつつ、一方のブロック11、12、13の外周部11b、12b、13bと他方のブロック11、12、14の外周部11b、12b、14bとが重なるように組積するだけで、ブロック11、12、13、14を位置決めしつつ組積して、耐震性が高い耐震壁1を容易に構築することが可能である。

0061

また、互いに隣接する2つのブロック11、12、13、14を、矩形ブロック下傾斜面11dと上傾斜面12e、下ブロック傾斜面14e及び矩形ブロック上傾斜面11gとが、矩形ブロック上傾斜面11gと下傾斜面12g及び上ブロック傾斜面13eとが、上傾斜面12eと上ブロック傾斜面13eとが、下傾斜面12gと下ブロック傾斜面14eとが、それぞれ重なるように組積して接着剤6a、6bを介在させるので、鉄製のブロックを重ねて耐震壁を構築する場合のように、表面を平坦にする加工及び溶接やボルトによる接合の必要がない。このため、互いに隣接する2つのブロック11、12、13、14を接着剤6a、6bで接合することにより、より安く、より早く、より静かに耐震壁1を構築することが可能である。また、接着剤6a、6bを介在させることにより、ブロック11、12、13、14の積み上げ及び位置決めが容易となり、施工性が向上する。

0062

上記実施形態においては、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fがなす挿入部が貫通されていない例について説明したが、貫通していても構わない。

0063

また、上記実施形態においては、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13f、及び、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fが、各ブロック11、12、13、14が備える傾斜面11d、11g、12e、12g、13e、14eの中央に1つ設けられている例について説明したがこれに限るものではない。例えば、矩形ブロック11であれば、図16に示すように、矩形ブロック下傾斜面11d、矩形ブロック上傾斜面11gに、矩形ブロック突起11e及び矩形ブロック凹部11hが2つ以上設けられていてもよい。また、図17に示すように、矩形ブロック下傾斜面11d、矩形ブロック上傾斜面11gの面外方向の中央に、各傾斜面11d、11gの長手方向に沿って矩形ブロック突起11e及び矩形ブロック凹部11hが設けられていてもよい。また、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13f、及び、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fはいずれも、面外方向における中央部に設けられている例について説明したが、面外方向における、いずれか一方に偏らせて設けられていてもよい。

0064

また、上記実施形態においては、耐震壁1の外周部に、立面形状が直角二等辺三角形状をなすブロック12、13、14を配置し、その内側に立面形状が正方形状をなすブロック11を組積する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図18(a)〜図18(c)に示すように、立面形状が正三角形状のブロック15、六角形状のブロック16、八角形状のブロック17等他の形状のブロックを組積して構築しても構わない。このとき、各ブロック15、16、17に設ける突起、及び、凹部は、各ブロック15、16、17を組積する際に移動させる方向に突出させて又は窪ませて形成しておく。すなわち本発明のブロックは、突起、及び、凹部は、ブロックを組積する方向に移動すると、既に組積されているブロックの凹部に、組積するブロックの突起が挿入されるように構成されていれば構わない。

0065

また、組積されて互いに隣接する隣接面に各々設けられている突起、及び、凹部は、組積すべく移動させた際に、一方のブロックの凹部に他方のブロックの突起が挿入されれば、いずれの側に突出または窪んでいても構わない。

0066

また、上記実施形態においては、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが直角二等辺三角形をなし、頂部が直角をなしている例について説明したが、これに限るものではない。具体的には、ブロック11、12、13、14を下から上に組積するときに、下に位置するブロック11、12、13、14が備える矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fに挿入可能であれば、突起の形状は、例えば頂部が鈍角である三角形状、或いは、台形状等であっても構わない。頂部が鈍角の場合、突起の頂部と凹部の周縁とが干渉することを一層抑制できる。このため、突起を凹部に導きやすく、施工性を向上できる。また、矩形ブロック凹部11h、柱側ブロック凹部12f、下ブロック凹部14fの断面形状においても、直角に限らず、組積するときに、矩形ブロック突起11e、柱側ブロック突起12h、上ブロック突起13fが挿入可能な形状であれば構わない。

0067

上記実施形態においては、各ブロック11、12、13、14を球状黒鉛鋳鉄としたが、ブロックの材料は、鉄鋼製であれば球状黒鉛鋳鉄でなくとも構わない。

0068

上記実施形態においては、接着剤として日本シーカ製シーカデュアW及び日本シーカ製シーカデュアWSを例示したがこれに限るものではない。また、上記実施形態において、注入用接着剤6aを使用した箇所に塗布用接着剤6bを使用する、或いは、塗布用接着剤6bを使用した箇所に注入用接着剤6aを使用することも可能である。

0069

上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。

0070

1耐震壁、6a注入用接着剤、6b塗布用接着剤、
10ブロック、11矩形ブロック(ブロック)、11b 外周部、
11c 角部、11d 矩形ブロック下傾斜面(傾斜面)、
11e 矩形ブロック突起(突起)、11f 角部、
11g 矩形ブロック上傾斜面(傾斜面)、11h 矩形ブロック凹部(凹部)、
11j 鉛直面、12 柱側ブロック(ブロック)、12b 外周部、12d 角部、
12e 上傾斜面(傾斜面)12g 下傾斜面(傾斜面)、
12f 柱側ブロック凹部(凹部)、12h 柱側ブロック突起(突起)、
12j 鉛直面、13 上ブロック(ブロック)、13b 外周部、13d 角部、
13e 上ブロック傾斜面(傾斜面)、13f 上ブロック突起(突起)、
13g 鉛直面、14 下ブロック(ブロック)、14b 外周部、14d 角部、
14e 下ブロック傾斜面(傾斜面)、14f 下ブロック凹部(凹部)、
15 ブロック、16 ブロック、17 ブロック、

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