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技術 成形材料

出願人 東レ株式会社
発明者 今井直吉三辻祐樹
出願日 2016年9月29日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-191086
公開日 2018年4月5日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-053117
状態 特許登録済
技術分野 強化プラスチック材料 高分子組成物
主要キーワード 感度補正値 キーボード支持体 単環式モノテルペン 表面酸素濃度 電子機器用部材 気相酸化処理 連続炭素繊維 芯構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月5日)のものです。
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図面 (9)

課題

繊維分散性に優れた成形品生産性良く得るための成形材料を提供する。

解決手段

熱可塑性樹脂(A)と、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)とを含み、前記樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる成形材料であって、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンポリアミドポリエステルポリカーボネートポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、化合物(B)が石油樹脂である、成形材料。

概要

背景

熱可塑性樹脂強化繊維からなる成形材料は、軽量で成形加工が容易であることに加え、熱硬化性樹脂のような貯蔵負荷を必要とせず、リサイクル性に優れるといった特徴があることから、航空機自動車船舶などの構造用部材電子機器筐体や、スポーツ用途、建材などの工業材料として幅広く用いられている。とりわけ、ペレット状に加工した成形材料は、射出成形スタンピング成形などの経済性生産性に優れた成形方法に適用でき、工業材料として有用である。

しかしながら、成形材料を製造する過程で、熱可塑性樹脂を連続した強化繊維束含浸させるには、経済性、生産性の面で問題がある。例えば、樹脂溶融粘度が高いほど強化繊維束への含浸は困難となることは良く知られている。靭性伸度などの力学特性に優れた熱可塑性樹脂は、とりわけ高分子量体であり、熱硬化性樹脂に比べて粘度が高く、またプロセス温度もより高温を必要とするため、成形材料を容易に、生産性よく製造することには不向きであった。一方、含浸の容易さから低分子量の、すなわち低粘度の熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂に用いると、得られる成形品の繊維の分散性が大幅に低下するという問題があった。

例えば特許文献1には、低分子量の熱可塑性重合体と連続した強化繊維からなる複合体に、高分子量の熱可塑性樹脂が接するように配置されてなる成形材料が開示されている。この成形材料では、連続した強化繊維束への含浸には低分子量体を、マトリクス樹脂には高分子量体を使い分けることで、経済性、生産性と力学特性の両立を図っている。しかしながら、近年になり、繊維強化複合材料注目度が大きくなり、また多岐にわたる用途に用いられるようになったことで、このような成形材料はさまざまな改良が求められるようになってきた。

例えば特許文献2および3には、強化繊維とプロピレン系樹脂とからなる成形材料が開示されている。これらの成形材料を成形して得られる成形品はプロピレン系樹脂の特性を生かし安価で軽量な成形材料であるが、多用途への拡販に際して力学特性の向上が継続的な技術課題とされている。力学特性のためのひとつのアプローチとしては、強化繊維の含有率を増加させる方法があった。

概要

繊維分散性に優れた成形品を生産性良く得るための成形材料を提供する。熱可塑性樹脂(A)と、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)とを含み、前記樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる成形材料であって、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンポリアミドポリエステルポリカーボネートポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、化合物(B)が石油樹脂である、成形材料。なし

目的

本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、成形材料を構成する組成を特定のものとすることにより、成形品における繊維分散性を十分に高めた成形品を生産性良く提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱可塑性樹脂(A)と、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)とを含み、前記樹脂付着強化繊維(D)と前記熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる成形材料であって、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンポリアミドポリエステルポリカーボネートポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、化合物(B)が石油樹脂である、成形材料。

請求項2

前記熱可塑性樹脂(A)、前記化合物(B)および前記強化繊維(C)の合計100質量部に対し、熱可塑性樹脂(A)を30質量部以上、98.99質量部以下、化合物(B)を0.01質量部以上、20質量部以下、強化繊維(C)を1質量部以上、50質量部以下を含む、請求項1に記載の成形材料。

請求項3

前記化合物(B)が、化合物(B)全体に対して、C9留分の重合体を50質量%以上含む樹脂である、請求項1または2に記載の成形材料。

請求項4

前記化合物(B)がビニルトルエンインデン、およびα−メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の成形材料。

請求項5

前記化合物(B)が水素添加された樹脂である、請求項3または4に記載の成形材料。

請求項6

前記熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンである、請求項1〜5のいずれかに記載の成形材料。

請求項7

前記強化繊維(C)が多官能化合物(E)で表面処理された炭素繊維(F)である、請求項1〜6のいずれかに記載の成形材料。

請求項8

前記多官能化合物(E)がグリセロールポリグリシジルエーテルジグリセロールポリグリシジルエーテルポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、およびポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の成形材料。

請求項9

強化繊維(C)が10,000本以上、350,000本以下の単繊維からなる強化繊維束である、請求項1〜8のいずれかに記載の成形材料。

請求項10

前記樹脂付着強化繊維(D)が芯構造であり、前記熱可塑性樹脂(A)が構造であり、前記樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆している、請求項1〜9のいずれかに記載の成形材料。

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性樹脂強化繊維を有してなる成形材料に関する。さらに詳しくは、射出成形を行う際に強化繊維の成形品中への分散が良好な成形材料に関する。

背景技術

0002

熱可塑性樹脂と強化繊維からなる成形材料は、軽量で成形加工が容易であることに加え、熱硬化性樹脂のような貯蔵負荷を必要とせず、リサイクル性に優れるといった特徴があることから、航空機自動車船舶などの構造用部材電子機器筐体や、スポーツ用途、建材などの工業材料として幅広く用いられている。とりわけ、ペレット状に加工した成形材料は、射出成形やスタンピング成形などの経済性生産性に優れた成形方法に適用でき、工業材料として有用である。

0003

しかしながら、成形材料を製造する過程で、熱可塑性樹脂を連続した強化繊維束含浸させるには、経済性、生産性の面で問題がある。例えば、樹脂溶融粘度が高いほど強化繊維束への含浸は困難となることは良く知られている。靭性伸度などの力学特性に優れた熱可塑性樹脂は、とりわけ高分子量体であり、熱硬化性樹脂に比べて粘度が高く、またプロセス温度もより高温を必要とするため、成形材料を容易に、生産性よく製造することには不向きであった。一方、含浸の容易さから低分子量の、すなわち低粘度の熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂に用いると、得られる成形品の繊維の分散性が大幅に低下するという問題があった。

0004

例えば特許文献1には、低分子量の熱可塑性重合体と連続した強化繊維からなる複合体に、高分子量の熱可塑性樹脂が接するように配置されてなる成形材料が開示されている。この成形材料では、連続した強化繊維束への含浸には低分子量体を、マトリクス樹脂には高分子量体を使い分けることで、経済性、生産性と力学特性の両立を図っている。しかしながら、近年になり、繊維強化複合材料注目度が大きくなり、また多岐にわたる用途に用いられるようになったことで、このような成形材料はさまざまな改良が求められるようになってきた。

0005

例えば特許文献2および3には、強化繊維とプロピレン系樹脂とからなる成形材料が開示されている。これらの成形材料を成形して得られる成形品はプロピレン系樹脂の特性を生かし安価で軽量な成形材料であるが、多用途への拡販に際して力学特性の向上が継続的な技術課題とされている。力学特性のためのひとつのアプローチとしては、強化繊維の含有率を増加させる方法があった。

先行技術

0006

特開平10−138379号公報
特開2010−248483号公報
特開2003−138031号公報

発明が解決しようとする課題

0007

一方で、強化繊維とプロピレン系樹脂とからなる成形材料は、強化繊維の含有率を上げると、成形品における強化繊維の分散性が劣り、部位ごとの強化繊維の濃度にムラが生じ易くなることで、反対に力学特性が低下する原因となり、成形品の表面に凹凸を生じる外観異常となる。このように、強化繊維の含有率の増加と成形時の繊維分散性トレードオフの関係にあり、これらを両立させることが重要な技術課題となる。

0008

本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、成形材料を構成する組成を特定のものとすることにより、成形品における繊維分散性を十分に高めた成形品を生産性良く提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するために、本発明の成形材料は次の構成を採用する。すなわち、熱可塑性樹脂(A)と、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)とを含み、前記樹脂付着強化繊維(D)と前記熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる成形材料であって、熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンポリアミドポリエステルポリカーボネートポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、化合物(B)が石油樹脂である、成形材料である。

発明の効果

0010

本発明の成形材料は、石油樹脂を用いることにより、得られる成形品中の強化繊維の分散性の飛躍的な向上が達成できる。また、成形材料における繊維分散性が優れることから、これによる成形品は力学的特性に優れ、自動車内外装、電気・電子機器筐体、土木建築分野補強材スポーツ用品などの幅広い用途に適用できる。本発明の成形材料はかかる成形品を生産性良く製造する為に好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0011

化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)の形態の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、軸心方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、軸心方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、直交方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、直交方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、直交方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、直交方向断面の形状の一例を示す概略図である。
本発明の成形材料の好ましい態様の、直交方向断面の形状の一例を示す概略図である。

0012

本発明の成形材料は、熱可塑性樹脂(A)と、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)とを含む成形材料である。まず、これらの構成要素について説明する。

0013

本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂(A)としては、得られる成形品の経済性と力学特性のバランスの観点からポリオレフィン、およびポリアミドが好ましく、得られる成形品の軽量性の観点からは、ポリオレフィンがより好ましい。

0014

ポリオレフィンとしては、密度が0.8〜1.0g/cm3のものが好ましく、0.8〜0.9g/cm3のものがより好ましい。ポリオレフィンの密度をかかる範囲内とすることで、軽量性に優れた成形品が得られる。

0015

ポリオレフィンとしては、プロピレン単独重合体またはプロピレンと少なくとも1種のα−オレフィン共役ジエン非共役ジエンなどとの共重合物が挙げられる。

0016

α−オレフィンを構成する単量体繰り返し単位には、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン1−オクテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどのプロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィンなどが挙げられ、共役ジエン、非共役ジエンを構成する単量体繰り返し単位にはブタジエンエチリデンノルボルネンジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエンなどが挙げられ、これらその他の単量体繰り返し単位には、1種類または2種類以上を選択することができる。

0017

ポリオレフィンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレンと前記その他の単量体のうち1種類または2種類以上のランダムあるいはブロック共重合体、または他の熱可塑性単量体との共重合体などを挙げることができる。例えば、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体などが好適なものとして挙げられる。

0018

一般的に、剛性が必要な場合にプロピレンの単独重合体を用い、耐衝撃性が必要な場合にはプロピレンと前記その他の単量体のうち1種類または2種類以上のランダムあるいはブロックプロピレンを用いる。

0019

またポリオレフィンは得られる成形品の力学特性を向上させる観点より、変性ポリオレフィンであることが好ましい。好ましくは酸変性ポリオレフィンであり、重合体鎖に結合したカルボン酸および/またはその塩の基を有してなるポリオレフィンである。上記酸変性ポリオレフィンは、種々の方法で得ることができ、例えば、前記ポリオレフィンに、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、および/またはケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステルを有する単量体を、グラフト重合することにより得ることができる。

0020

ここで、中和されているか、中和されていないカルボン酸基を有する単量体、およびケン化されているか、ケン化されていないカルボン酸エステル基を有する単量体としては、例えば、エチレン系不飽和カルボン酸、その無水物が挙げられ、またこれらのエステル、さらにはオレフィン以外の不飽和ビニル基を有する化合物なども挙げられる。

0021

エチレン系不飽和カルボン酸としては、(メタアクリル酸マレイン酸フマール酸テトラヒドロフタル酸イタコン酸シトラコン酸クロトン酸イソクロトン酸などが例示され、その無水物としては、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。

0022

オレフィン以外の不飽和ビニル基を有する単量体としては、メチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどの水酸基含有ビニル類、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナートイソプロペニルイソシアナートなどのイソシアナート基含有ビニル類、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル類アクリルアミドメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドジアセトンアクリルアミドマレイン酸アミドなどのアミド類酢酸ビニルプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート類スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸類、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェートなどの不飽和リン酸類などが挙げられる。

0023

これらの単量体は単独で用いることもできるし、また2種類以上のものを用いることもできる。また、これらの中でも、酸無水物類が好ましく、さらには無水マレイン酸が好ましい。

0024

得られる成形品の力学特性と経済性の観点からは、ポリオレフィンとして変性ポリオレフィンと変性していないポリオレフィンとの混合物を用いることが好ましい。具体的には、変性ポリオレフィン5質量%以上、30質量%以下と、変性していないポリオレフィン70質量%以上、95質量%以下とを有してなることが好ましい。

0025

ポリアミドとしては、アミド基の繰り返しによって主鎖を構成するポリマーが挙げられ、ナイロン6ナイロン66ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612のような脂肪族ポリアミド、あるいはナイロン6Tのような芳香族ポリアミドなどを挙げることができる。

0026

本発明に用いられる化合物(B)は、石油樹脂である。石油樹脂とは、ナフサ熱分解の際に副生される炭化水素化合物重合物であり、芳香族炭化水素からなるC9留分を重合して得られるC9石油樹脂や、脂肪族炭化水素からなるC5留分を重合して得られるC5石油樹脂、およびC9留分およびC5留分を原料として共重合により得られるC5—C9共重合石油樹脂およびそれらの石油樹脂を無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、フェノールなどで変性した変性石油樹脂、などを挙げることができる。

0027

射出成形時の強化繊維(C)の繊維分散性向上のために、化合物(B)と熱可塑性樹脂(A)の相溶性が高く、溶融混練時の溶融粘度維持率が高いことが好ましい。そのような化合物(B)は石油樹脂である。本発明において石油樹脂とは、石油由来の樹脂であり、テルペン系樹脂等の生体由来あるいは植物由来の樹脂は除く。例えば、石油樹脂ではない、植物由来の樹脂の場合、具体的にはテルペン系樹脂の場合、熱可塑性樹脂(A)と溶融混練した際に粘度が大きく低下し、石油樹脂に比べて繊維分散性が不十分となる。

0028

C9石油樹脂としては、C9留分としてインデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α—メチルスチレンおよびβ—メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物が挙げられ、さらにビニルトルエン、インデンおよびα−メチルスチレンから選択される少なくとも1種の重合体であることが好ましく、ビニルトルエン、インデンおよびα−メチルスチレンの混合物の重合体であることがより好ましい。

0029

本発明において、化合物(B)は、化合物(B)に対して、C9留分の重合体を50質量%以上含む樹脂であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。かかる条件とすることで、化合物(B)と熱可塑性樹脂(A)との相溶性を高めることが可能となり、強化繊維(C)の成形品中への分散性を向上させることができる。

0030

ビニルトルエン、インデンおよびα−メチルスチレンの混合物の重合体を50質量%以上含む化合物(B)としては、荒川化学工業(株)のアルコンM−135、M−115、M−100、M−90、P−125、P−115、P−100、P−90などが挙げられる。なお、石油樹脂の構成成分および含有量は、重水素置換クロロホルム(CDCl3)溶液として、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)によって算出することができる。

0031

C5石油樹脂としては、C5留分であるペンテン、ペンタジエンイソプレンなどの脂肪族炭化水素の重合物が挙げられる。このようなC5石油樹脂としては、出光興産(株)のアイマーブS−100、S−110などが挙げられる。

0032

ポリオレフィンやポリアミドといった様々な熱可塑性樹脂(A)との相溶性の観点からC5石油樹脂よりC9石油樹脂の方が好ましい。

0033

本発明において、化合物(B)は、水素添加された重合体からなる樹脂であることが好ましい。特に熱可塑性樹脂(A)としてポリオレフィンを用いた場合、水素添加された石油樹脂を化合物(B)として使用することにより、熱可塑性樹脂(A)への相溶性が向上し、射出成形時の強化繊維(C)の成形品中への分散性を向上させることができる。

0034

水素添加された石油樹脂は、石油樹脂を水素添加処理することにより得られ、
その水素添加率は、水素添加反応の条件として触媒量や水素圧力、反応時間を変えることにより制御することができる。水素添加率は、化合物(B)の芳香環などに含まれる二重結合の60%以上を反応させることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。このような水素添加率の高い石油樹脂としては、C9石油樹脂として、荒川化学工業(株)のアルコンP−125、P−115、P−100、P−90などが挙げられ、C5石油樹脂として、出光興産(株)のアイマーブP−100、P−125、P−140などが挙げられる。なお、石油樹脂の水素添加率は、重水素置換クロロホルム(CDCl3)溶液として、1H−NMRによって求めた石油樹脂の単位構造から以下の式に基づき算出することができる。
水素添加率={芳香環の水素添加で生成する脂環式構造の数/(芳香環の数+芳香環の水素添加で生成する脂環式構造の数)}×100(%)。

0035

本発明に用いられる強化繊維(C)は、例えば、炭素繊維ガラス繊維アラミド繊維アルミナ繊維炭化珪素繊維ボロン繊維金属繊維などの高強度、高弾性率繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、成形品の軽量化効果の観点から好ましく、得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。また、導電性を付与する目的では、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。

0036

強化繊維(C)は、取り扱い性の面から、複数本単糸束ねた強化繊維束として用いても良い。強化繊維束を構成する単糸数としては、取り扱い性の面から1000本以上が好ましく、10,000本以上、350,000本以下がより好ましい。強化繊維束を構成する単糸数が多いほど、得られる成形材料の経済性に優れるが、成形時の繊維分散性が低下する傾向にある。したがって、強化繊維束を構成する単糸数をこのような範囲とすることで、本発明の成形材料の効果が効率的に発揮できる。

0037

さらに、本発明において強化繊維(C)として炭素繊維を用いる場合は、X線光電子分光法(XPS)により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比(O/C)が、0.05以上、0.5以下であるものが好ましい。表面酸素濃度比(O/C)が高いほど、炭素繊維表面官能基量が多く、炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性を高めることができる一方で、表面酸素濃度比(O/C)が高すぎると、炭素繊維表面の結晶構造破壊が懸念され、炭素繊維自体の強度が低下する懸念があるため、表面酸素濃度比(O/C)が上記好ましい範囲内であるときに、力学特性にとりわけ優れた成形品を得ることが出来る。

0038

表面酸素濃度比(O/C)は、X線光電子分光法により、次の手順に従って求められる。まず、溶剤不純物を除去した後の炭素繊維をカットして銅製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出角度を90゜とし、X線源としてMgKα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10−8Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピーク補正としてC1Sの主ピーク運動エネルギー値(K.E.)を969eVに合わせる。C1Sピーク面積は、K.E.として958eVから972eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1Sピーク面積は、K.E.として714eVから726eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。ここで表面酸素濃度比(O/C)とは、上記O1Sピーク面積とC1Sピーク面積の比から、装置固有感度補正値を用いて原子数比として算出する。

0039

表面酸素濃度比(O/C)を制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法を取ることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。

0040

本発明において、強化繊維(C)は、多官能化合物(E)で表面処理された炭素繊維(F)であることが好ましい。かかる構成とすることで、成形材料を製造する工程において化合物(B)を強化繊維(C)に効率よく付着させることでき、さらに得られる成形材料を成形する際の繊維分散性を制御できるため好ましい。

0041

多官能化合物(E)としては、エポキシ基ウレタン基アミノ基、カルボキシル基等の官能基を1分子中に2個以上有する化合物が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。官能基が2個未満であると、成形材料において強化繊維(C)の化合物(B)への密着力が不十分になる場合がある。したがって、官能基の数は、2個以上であることが好ましく、さらに好ましくは、3個以上である。

0042

多官能化合物(E)の具体的な化合物としては、多官能エポキシ樹脂が挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、架橋反応後にも柔軟性に優れ、成形材料の状態で強化繊維や化合物(B)から剥離しにくいことから、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。

0044

脂肪族エポキシ樹脂の中でも、反応性の高いグリシジル基を多数有する観点から、多官能化合物(E)がグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。多官能化合物(E)をかかる構成とすることで、成形材料の状態での強化繊維(C)と化合物(B)の密着性に優れ、さらに得られる成形材料を成形する際の繊維分散性を制御できるため好ましい。

0045

本発明の成形材料は、熱可塑性樹脂(A)、化合物(B)および強化繊維(C)の合計100質量部に対し、熱可塑性樹脂(A)を30質量部以上、98.99質量部以下、化合物(B)を0.01質量部以上、20質量部以下、強化繊維(C)を1質量部以上、50質量部以下であることが好ましい。

0046

熱可塑性樹脂(A)は、50質量部以上、70質量部以下がより好ましい。熱可塑性樹脂(A)をかかる範囲内とすることで、射出成形時の強化繊維(C)の繊維分散性が向上し、得られる成形品中に強化繊維(C)が密集した箇所や、反対に強化繊維(C)が存在しない部位が発生することを防ぐ。

0047

化合物(B)は、0.01質量部以上、10質量部以下がより好ましい。化合物(B)をかかる範囲内とすることで、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)を簡便に得ることが可能となる。0.01質量部以上の場合、成形品における強化繊維(C)の繊維分散性が向上する。また、20質量部以下の場合、化合物(B)が熱可塑性樹脂(A)に十分拡散することができ、これによって後述する含浸助剤分散助剤としての効果が向上し、成形品における強化繊維(C)の繊維分散性が向上する。

0048

強化繊維(C)は、5質量部以上、40質量部以下がより好ましい。一般に、強化繊維(C)の量が多いほど、得られる成形品の力学特性に優れ、繊維分散性が低下する傾向がある。本願では、かかる範囲内とすることで、力学特性と繊維分散性に優れた成形品を得ることが可能となる。1質量部以上の場合、成形品における強化繊維(C)の繊維分散性および、力学特性が向上する。50質量部以下の場合成形品における強化繊維(C)の繊維分散性が向上する。

0049

本発明の成形材料は、下記式(1)で算出される粘度維持率が高いことが好ましい。
(熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の溶融混練時の粘度維持率)=(熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の混合物の射出成形時のシリンダー温度における溶融粘度[Pa・s])/(熱可塑性樹脂(A)の射出成形時のシリンダー温度における溶融粘度[Pa・s])×100[%]・・・式(1)

0050

熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の溶融混練時の粘度維持率は50%以上であることが好ましく、60%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。本発明の成形材料は、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる成形材料であり、射出成形時のシリンダー内で、これらを溶融混練することで、強化繊維(C)が良好に分散された成形品が得られる。熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との溶融混練時の粘度維持率が50%以上の場合、強化繊維(C)へのせん断力が負荷されやすくなり、成形品中での強化繊維(C)の分散は十分となる。熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との溶融混練時の粘度維持率が高いほど、射出成形機のシリンダー内での強化繊維(C)の分散が容易となるため好ましい。一般に強化繊維(C)の質量割合が増加するほど、それを成形品中で分散させるために必要な含浸助剤・分散助剤の量も増加する傾向にあるが、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との溶融混合時の粘度維持率を前記範囲にすることにより、強化繊維(C)の質量割合が増加しても、含浸助剤・分散助剤の量を増加させずとも、成形品における強化繊維(C)の分散性を効率的に高めることができるため好ましい。

0051

本発明の成形材料は、これを構成する熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の関係において、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との相溶性が高いことが好ましい。かかる相溶性の指標としては、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)を混合し、これを射出成形温度と同じ温度で加熱混練して得られる溶融物光学顕微鏡で200倍の倍率で観察し、その際に観察される熱可塑性樹脂(A)の海層中に島層として分散する化合物(B)の数平均粒子径を挙げることができる。熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との相溶性としては、化合物(B)の数平均粒子径は10μm未満が好ましく、1μm未満がより好ましく、化合物(B)の粒子が観察されないことがさらに好ましい。熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)との相溶性をかかる範囲とすることで、化合物(B)の熱可塑性樹脂(A)への分散性を強化繊維(C)の単糸に対しても十分に小さくすることが可能となり、射出成形機のシリンダー内での強化繊維(C)の分散が容易となるため好ましい。

0052

本発明の成形材料は、粘度維持率および化合物(B)の数平均粒子径が好ましい範囲にある場合に、成形品における繊維分散性がより良好となる。

0053

本発明の成形材料は、化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)と、熱可塑性樹脂(A)とが接着されてなる、成形材料である。この樹脂付着強化繊維(D)の形態は図1に示すようなものであり、強化繊維(C)の各単繊維間に化合物(B)が満たされている。すなわち、化合物(B)の海に、強化繊維(C)が島のように分散している状態である。強化繊維(C)が多官能化合物(E)で表面処理された炭素繊維(F)である場合は、化合物(B)の海に、炭素繊維(F)が島のように分散している状態となる。

0054

化合物(B)は強化繊維(C)に付着することで樹脂付着強化繊維(D)を形成する。熱可塑性樹脂(A)が樹脂付着強化繊維(D)に接着された成形材料を、例えば、射出成形すると、射出成形機のシリンダー内で溶融混練された化合物(B)が熱可塑性樹脂(A)に拡散し、強化繊維(C)が熱可塑性樹脂(A)に分散し、同時に熱可塑性樹脂(A)が強化繊維(C)に置換、含浸する。ここでの化合物(B)は、いわゆる含浸助剤・分散助剤としての役割を持つ。

0055

化合物(B)の付着工程は、繊維束油剤サイジング剤、マトリックス樹脂を付与するような公知の製造方法を用いることができるが、より具体的な例として、加熱した回転するロールの表面に、溶融した化合物(B)の一定厚み被膜コーティングし、このロール表面に強化繊維(C)を接着させながら走らせることで、強化繊維(C)の単位長さ当たりに所定量の化合物(B)を付着させる方法を挙げることができる。ロール表面への化合物(B)のコーティングに関しては、リバースロール、正回転ロールキスロールスプレイカーテン押出などの公知のコーティング装置概念を応用することで実現できる。ロール上へのコーティング装置に関しては、原崎勇次著「コーティング装置と操作技術入門」(総合技術センター)等の著作に詳しく記述されている。

0056

化合物(B)の強化繊維(C)への付着工程では、化合物(B)が溶融する温度において、化合物(B)の付着した強化繊維(C)に対して、ロールやバーで張力をかける、拡幅集束を繰り返す、圧力や振動を加えるなどの操作で化合物(B)を強化繊維(C)の単糸間まで含浸するようにする。より具体的な例として、加熱された複数のロールやバーの表面に強化繊維(C)を接触するように通す方法を挙げることができる。

0057

本発明の成形材料は、強化繊維(C)と化合物(B)からなる樹脂付着強化繊維(D)が熱可塑性樹脂(A)に接して形成される。熱可塑性樹脂(A)の配置工程としては、溶融した熱可塑性樹脂(A)を樹脂付着強化繊維(D)に接するように配置する。より具体的には、押出機電線被覆法用のコーティングダイを用いて、連続的に樹脂付着強化繊維(D)の周囲に熱可塑性樹脂(A)を被覆するように配置していく方法や、ロール等で扁平化した樹脂付着強化繊維(D)の片面あるいは両面から押出機とTダイを用いて溶融したフィルム状の熱可塑性樹脂(A)を配置し、ロール等で一体化させる方法を挙げることができる。

0058

樹脂付着強化繊維(D)が熱可塑性樹脂(A)と一体化された後は、ペレタイザーストランドカッターなどの装置で一定長に切断して用いることもある。この切断工程が熱可塑性樹脂(A)の配置工程の後に連続的に設置されていてもよい。成形材料が扁平であったりシート状である場合には、スリットして細長くしてから切断してもよい。スリットと切断を同時におこなうシートペレタイザーのようなものを使用してもよい。

0059

本発明の成形材料は、樹脂付着強化繊維(D)に熱可塑性樹脂(A)が接着するように配置されて構成される成形材料である。成形材料においての好ましい態様としては、図2に示すように、強化繊維(C)が成形材料の軸心方向にほぼ平行に配列され、かつ強化繊維(C)の長さは成形材料の長さと実質的に同じ長さである。本発明の成形材料は、例えばペレットのような円柱状が好ましく、軸心方向とは、円柱の軸心方向を指す。

0060

ここで言う、「ほぼ平行に配列されて」いるとは、強化繊維(C)からなる強化繊維束の長軸軸線と、成形材料の長軸の軸線とが、同方向を指向している状態を示し、軸線同士の角度のずれが、好ましくは20°以下であり、より好ましくは10°以下であり、さらに好ましくは5°以下である。また、「実質的に同じ長さ」とは、例えばペレット状の成形材料において、ペレット内部の途中で強化繊維束が切断されていたり、ペレット全長よりも有意に短い強化繊維束が実質的に含まれたりしないことである。特に、そのペレット全長よりも短い強化繊維束の量について規定されているわけではないが、ペレット全長の50%以下の長さの強化繊維の含有量が30質量%以下である場合には、ペレット全長よりも有意に短い強化繊維束が実質的に含まれていないと評価する。さらに、ペレット全長の50%以下の長さの強化繊維(C)の含有量は20質量%以下であることが好ましい。なお、ペレット全長とはペレット中の強化繊維配向方向の長さである。強化繊維(C)が成形材料と同等の長さを持つことで、成形品中の強化繊維長を長くすることが出来るため、優れた力学特性を得ることができる。

0061

図3〜4は、本発明の成形材料の軸心方向断面の形状の例を模式的に表したものであり、図5〜8は、本発明の成形材料の直交方向断面の形状の例を模式的に表したものである。

0062

成形材料の断面の形状は、樹脂付着強化繊維(D)に、熱可塑性樹脂(A)が接着するように配置されていれば図に示されたものに限定されないが、好ましくは軸心方向断面である図3に示されるように、複合体が芯材となり熱可塑性樹脂(A)で層状に挟まれて配置されている構成が好ましい。

0063

また直交方向断面である図5〜7に示されるように、樹脂付着強化繊維(D)は芯構造となり、前記熱可塑性樹脂(A)は構造となる。成形材料は、前記熱可塑性樹脂(A)が、樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆した芯鞘構造である構成が好ましい。図9に示されるような複数の樹脂付着強化繊維(D)を熱可塑性樹脂(A)が被覆するように配置する場合、樹脂付着強化繊維(D)の数は2本以上、6本以下が望ましい。

0064

樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)の境界は接着され、境界付近で部分的に熱可塑性樹脂(A)が樹脂付着強化繊維(D)の一部に入り込み、樹脂付着強化繊維(D)中の化合物(B)と相溶しているような状態、あるいは強化繊維(C)に含浸しているような状態になっていてもよい。

0065

成形材料の軸心方向は、ほぼ同一の断面形状を保ち連続であればよい。成形方法によってはこのような連続の成形材料をある長さにカットしてもよい。

0066

本発明の成形材料を用いることにより、例えば射出成形により樹脂付着強化繊維(D)に、熱可塑性樹脂(A)を混練して最終的な成形品を作製できる。成形材料の取扱性の点から、樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)は成形が行われるまでは分離せず、前述したような形状を保っていることが好ましい。樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)では、形状(サイズ、アスペクト比)、比重、質量が全く異なるため、成形までの材料の運搬、取り扱い時、成形工程での材料移送時に分級し、成形品の力学特性にバラツキを生じたり、流動性が低下して金型詰まりを起こしたり、成形工程でブロッキングする場合がある。

0067

このため、図5〜8に例示されるように、成形材料は、熱可塑性樹脂(A)が鞘として、芯である樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆した芯鞘構造、あるいは、樹脂付着強化繊維(D)と熱可塑性樹脂(A)が層状に配置されている構造を有することが好ましい。製造の容易さと、材料の取り扱いの容易さから、図5〜7に例示されるように、熱可塑性樹脂(A)が樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆するように配置されることがより好ましい。

0068

前述したように、強化繊維(C)は化合物(B)および一部の熱可塑性樹脂(A)によって完全に含浸されていることが望ましいが、現実的にそれは困難であり、強化繊維(C)と化合物(B)および一部の熱可塑性樹脂(A)からなる複合体にはある程度の空隙が存在する。特に強化繊維(C)の含有率が大きい場合には空隙が多くなる傾向があるが、ある程度の空隙が存在する場合でも化合物(B)による含浸・繊維分散促進の効果は示される。ただし空隙率が20%以下の場合は、顕著に含浸・繊維分散促進の効果得られるので、空隙率は20%以下の範囲が好ましい。空隙率は、複合体の部分をASTMD2734(1997)試験法により測定するか、または成形材料の断面において、強化繊維(C)と化合物(B)および一部の(熱可塑性樹脂(A)により形成される複合体部分に存在する空隙を観察し、複合体部の全面積と空隙部の全面積とから次式を用いて算出することができる。
空隙率(%)=空隙部の全面積/(複合体部の全面積+空隙部の全面積)×100。

0069

本発明の成形材料は、好ましくは1mm以上、50mm以下の範囲の長さに切断して用いられる。前記の長さに調製することにより、成形時の流動性、取扱性を十分に高めることができる。このように適切な長さに切断された成形材料としてとりわけ好ましい態様は、射出成形用長繊維ペレットが例示できる。

0070

本発明の成形材料は、射出成形によって成形品に加工することができ、成形品中では、強化繊維(C)が単糸状に分散していることが好ましい。単糸状に分散していることの確認方法としては、成形品中の樹脂付着強化繊維(D)の残存率目安となる。すなわち、本発明の成形材料の射出成形中に樹脂付着強化繊維(D)が消費され、強化繊維(C)が単糸状に分散されることが好ましい状態となる。なお、単糸状に分散しているとは、近接する複数の強化繊維(C)の単糸が、その長さ方向に互いに並行でない、または平行な状態であっても接触していない状態のことを示す。近接する複数の単糸が、互いに並行でありかつ接触している場合、それらは未分散の状態である。未分散の樹脂付着強化繊維(D)が多数存在する場合、成形品の外観を損ない、さらに、荷重時に応力が集中しやすい強化繊維(C)の端部が局所的に集中するため、該部分より破断につながる亀裂が発生しやすくなることにより、成形品の力学特性を低下させる。

0071

本発明の成形材料によって得られる成形品中の強化繊維(C)の数平均繊維長は0.3mm以上、10mm以下の範囲にあることが好ましい。0.5mm以上、10mm以下の範囲にあることが更に好ましい。かかる範囲とすることで、成形品における熱可塑性樹脂(A)を強化繊維(C)で補強する効果および効率を高め、成形品の力学特性を十分高めることが出来る。ここで、成形品中の数平均繊維長の測定方法について説明する。成形品に含有される強化繊維(C)の数平均繊維長の測定方法としては、例えば、溶解法、あるいは焼き飛ばし法により、成形品に含まれる樹脂成分を除去し、残った強化繊維(C)を濾別した後、顕微鏡観察により測定する方法がある。測定は強化繊維(C)を無作為に400本選び出し、その長さを1μm単位まで光学顕微鏡にて測定し、繊維長の合計を本数で除することで数平均繊維長を算出する。

0072

本発明の成形材料によって得られる成形品は、インストルメントパネルドアビームアンダーカバーランプハウジングペダルハウジングラジエータサポートスペアタイヤカバーフロントエンドなどの各種モジュール等の自動車部品に好適である。さらに電話ファクシミリVTRコピー機テレビ電子レンジ音響機器トイレタリー用品、冷蔵庫エアコンなどの家庭・事務電気製品部品も挙げられる。またパーソナルコンピューター携帯電話などに使用されるような筐体や、パーソナルコンピューターの内部でキーボードを支持する部材であるキーボード支持体に代表されるような電気・電子機器用部材なども挙げられる。本発明は、強化繊維に、導電性を有する炭素繊維を使用した場合、このような電気・電子機器用部材では、電磁波シールド性が付与されるためにより好ましい。

0073

以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。まず、本発明に使用した評価方法を下記する。

0074

(1)熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の溶融混合時の粘度維持率
粘弾性測定器アントンパールジャパン製)を用い、40mmのパラレルプレートを使用して、0.5Hzの条件下で、温度範囲150℃から300℃の範囲において熱可塑性樹脂(A)または、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の混合物の溶融粘度を測定した。熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の溶融混合時の粘度維持率は、下記式(2)によって求めた。
(熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の溶融混練時の粘度維持率)=(熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の混合物の射出成形時のシリンダー温度における溶融粘度[Pa・s])/(熱可塑性樹脂(A)の射出成形時のシリンダー温度における溶融粘度[Pa・s])×100[%]・・・式(2)
それぞれの構成の成形材料の前記溶融混練時の粘度維持率ついて、判定を以下の基準でおこない、fair以上を合格とした。
excellent:前記溶融混練時の粘度維持率が90%以上
good:前記溶融混練時の粘度維持率が60%以上、90%未満
fair:前記溶融混練時の粘度維持率が50%以上、60%未満
bad:前記溶融混練時の粘度維持率が50%未満。

0075

(2)熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)の相溶性
熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)を混合し、これを射出成形時のシリンダー温度と同じ温度で加熱混練して得られる溶融物を光学顕微鏡で200倍の倍率で観察し、その際に観察される熱可塑性樹脂(A)の海層中に島層として分散する化合物(B)の粒子の直径を1μm単位まで測定して、次式により数平均粒子径(Rn)を求めた。
数平均粒子径(Rn)=(ΣRi)/Nr
・Ri:測定した粒子の直径(i=1、2、3、・・・、n)
・Nr:直径を測定した粒子の総数
成形品中の数平均繊維径の判定を以下の基準でおこない、good以上を合格とした。
excellent:分散粒子が観察されない、または分散粒子の数平均粒子径が1μm未満
good:分散粒子の数平均粒子径が1μm以上、10μm未満
bad:分散粒子の数平均粒子径が10μm以上。

0076

(3)成形品中に含まれる強化繊維(C)の数平均繊維長
成形品の一部を切り出したサンプルを、電気炉を用いて空気中において、500℃の温度で30分間加熱して熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)を十分に焼却除去して強化繊維(C)を分離した。分離した強化繊維(C)を、無作為に少なくとも400本以上抽出し、光学顕微鏡にてその長さを1μm単位まで測定して、次式により数平均繊維長(Ln)を求めた。
数平均繊維長(Ln)=(ΣLi)/Nf
・Li:測定した繊維長さ(i=1、2、3、・・・、n)
・Nf:繊維長さを測定した総本数
成形品中の数平均繊維長の判定を以下の基準でおこない、good以上を合格とした。
excellent:数平均繊維長が0.5mm以上、10mm未満
good:数平均繊維長が0.3mm以上、0.5mm未満
bad:数平均繊維長が0.3mm未満。

0077

(4)成形品中の繊維分散性
100mm×100mm×2mmの成形品を成形し、表裏それぞれの面で射出成形中に強化繊維(C)が分散せずに残在した樹脂付着強化繊維(D)の個数目視カウントした。カウントは1mm以上の長さの樹脂付着強化繊維(D)について行った。評価は50枚の成形品について行い、成形品1枚当り換算した数平均個数について、繊維分散性の判定を以下の基準でおこない、fair以上を合格とした。
excellent:樹脂付着強化繊維(D)が1個未満
good:樹脂付着強化繊維(D)が1個以上5個未満
fair:樹脂付着強化繊維(D)が5個以上10個未満
bad:樹脂付着強化繊維(D)が10個以上。

0078

(参考例1)(CF−1)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体を用いて、紡糸焼成処理、および表面酸化処理を行うことによって、総単糸数24,000本の連続した炭素繊維束を得た。以下の測定方法により、この炭素繊維を測定した。

0079

<炭素繊維の単繊維径の測定>
炭素繊維単糸を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、直径を測定した。測定は20本の炭素繊維束に対して実施し、その平均値を炭素繊維の単繊維径とした。

0080

<単位長さあたりの質量の測定>
得られた炭素繊維束を1mの長さに切り出し、質量を測定した。測定は5本の炭素繊維束に対して実施し、その平均値を単位長さあたりの質量とした。

0081

<比重の測定>
炭素繊維の比重は液中置換法にて測定した。

0082

表面酸素濃度
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、試料チャンバー中を1×108Torrに保った。X線源としてA1Kα1、2を用い、測定した。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積を、K.E.として1191eVから1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積を、K.E.として947eVから959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比としてO/Cを算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。

0083

<炭素繊維のストランド引張強度および引張弾性率の測定>
炭素繊維束に“セロサイド登録商標)”2021P(ダイセル化学工業社製)/3フッ化ホウモノエチルアミン(東京化成工業(株)製)/アセトン=100/3/4(質量部)を含浸させ、130℃の温度で30分間硬化させた後、JIS R7608(2007年)に基づいて引張試験を行った。10本のストランドについて測定し、平均値でストランド引張強度と引張弾性率を求めた。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
表面酸素濃度比[O/C]:0.06
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。

0084

多官能性化合物として、グリセロールトリグリシジルエーテルを2質量%になるように水に溶解させたサイジング剤母液を調整し、浸漬法により炭素繊維束にサイジング剤を付与し、230℃で乾燥を行った。付着量は1.0質量%であった。

0085

(参考例2)酸変性ポリプロピレン
プロピレン単独重合体プライムポリマー(株)製プライムポリプロJ105G樹脂)99.6質量部、無水マレイン酸0.4質量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4質量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って、(A−1)酸変性ポリプロピレン樹脂(Mw=40万、酸含有量=0.08ミリモル当量)を得た。さらに(A−1)酸変性ポリプロピレン樹脂30質量%と(PP−1)プライムポリマー(株)製プライムポリプロJ105G樹脂70質量%とを日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機スクリュー直径30mm、L/D=32)によって230℃で溶融混練させることで、PP−2(密度0.9g/cm3)を得た。

0086

<化合物(B)>
(B−1):C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製アルコンM135:主成分としてC9系石油留分を用いて重合された重合体からなる樹脂)
(B−2):C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製アルコンP125:主成分としてC9系石油留分を用いて重合された重合体を水素添加された重合体からなる樹脂)
(B−3):C5系石油樹脂(出光興産(株)製アイマーブP125:主成分としてC5系石油留分を用いて重合された重合体の水素添加物からなる樹脂)
(B−4):テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YSレジンPX1250:主成分としてα−ピネン、β−ピネンを用いて重合された重合体からなる樹脂)
(B−5):水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製クリアロンP−105:主成分としてd−リモネンを用いて重合された重合体を水素添加反応させた重合体からなる樹脂)
(B−6):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YP90L:主成分として単環式モノテルペンとフェノールを用いて重合された重合体からなる樹脂)。

0087

(実施例1)
130℃加熱されたロール上に、化合物(B)として(B−1)C9系石油樹脂を加熱溶融した液体の被膜を形成させた。ロール上に一定した厚みの被膜を形成するためキスコーターを用いた。このロール上を強化繊維(C)として、参考例1から得られたCF−1からなる連続炭素繊維束を接触させながら通過させて付着させた。次に、180℃に加熱された、ベアリングで自由に回転する、一直線上に配置された10本の直径50mmのロールの上下を、交互に通過させた。この操作により、化合物(B)を強化繊維(C)の繊維束の内部まで含浸させ、樹脂付着強化繊維(D)を形成した。この連続した樹脂付着強化繊維(D)を、日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイ中に通し、押出機からダイ内に230℃に溶融させた熱可塑性樹脂(A)として(PP−1)ポリオレフィン(プライムポリマー(株)製プライムポリプロJ105G樹脂、密度0.9g/cm3)を吐出させて、樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆するように連続的に配置した。この際、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)と強化繊維(C)との質量は、強化繊維(C)の引き取り速度と、熱可塑性樹脂(A)および化合物(B)の供給速度により調節した。得られた成形材料を冷却後、内包される強化繊維(C)の繊維束の長さが7mmとなるようにカッターで切断してペレット状の成形材料とした。

0088

次に得られたペレット状の成形材料を、日本製鋼所(株)製J350EIII型射出成形機を用いて、シリンダー温度:220℃、金型温度:60℃で射出成形することにより成形品を得た。次に、得られた成形品を前記の評価方法に従い評価した。得られた結果を、表1に示した。

0089

(実施例2、3、比較例1〜3)
表1に記載の原料を用いて、実施例1と同様にして成形材料の製造と成形品の評価を行った。

0090

0091

表1の実施例1〜3と比較例1〜3との比較により、化合物(B)に石油樹脂を用いることで、繊維分散性に優れた成形品が得られることが明らかである。

0092

表1の実施例2は、化合物(B)に水素添加されたC9石油樹脂を使用しているため、実施例1および3と比較して、繊維分散性により優れた成形品が得られた。

0093

(実施例4)
熱可塑性樹脂(A)を、参考例2から得られたPP−2に代えた以外は実施例1と同様にして、成形材料の製造と成形品の評価を行った。得られた結果を、表2に示した。

0094

(実施例5、実施例6、比較例4〜6)
表2に記載の原料を用いて、実施例4と同様にして、成形材料の製造と成形品の評価を行った。

0095

0096

表2の実施例4〜6と比較例4〜6との比較により、化合物(B)に石油樹脂を用いることで、繊維分散性に優れた成形品が得られることが明らかである。

0097

表2の実施例5は、化合物(B)に水素添加されたC9石油樹脂を使用しているため、実施例4および6と比較して、繊維分散性により優れた成形品が得られた。

0098

(実施例7)
130℃加熱されたロール上に、化合物(B)として(B−1)C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製アルコンM135:主成分としてC9系石油留分を用いて重合された重合体からなる樹脂)を加熱溶融した液体の被膜を形成させた。ロール上に一定した厚みの被膜を形成するためキスコーターを用いた。このロール上を強化繊維(C)として、参考例1から得られたCF−1からなる連続炭素繊維束を接触させながら通過させて付着させた。次に、180℃に加熱された、ベアリングで自由に回転する、一直線上に配置された10本の直径50mmのロールの上下を、交互に通過させた。この操作により、化合物(B)を強化繊維(C)の繊維束の内部まで含浸させ、樹脂付着強化繊維(D)を形成した。この連続した樹脂付着強化繊維(D)を、日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイ中に通し、押出機からダイ内に240℃に溶融させた熱可塑性樹脂(A)として、(PA−1)ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”CM1017、密度1.13g/cm3)を吐出させて、樹脂付着強化繊維(D)の周囲を被覆するように連続的に配置した。この際、熱可塑性樹脂(A)と化合物(B)と強化繊維(C)との質量は、強化繊維(C)の引き取り速度と、熱可塑性樹脂(A)および化合物(B)の供給速度により調節した。得られた成形材料を冷却後、内包される強化繊維(C)の繊維束の長さが7mmとなるようにカッターで切断してペレット状の成形材料とした。

0099

次に得られたペレット状の成形材料を、日本製鋼所(株)製J350EIII型射出成形機を用いて、シリンダー温度:250℃、金型温度:70℃で射出成形することにより成形品を得た。次に、得られた成形品を前記の評価方法に従い評価した。得られた結果を、表3に示した。

0100

(実施例8、9、比較例7〜9)
表3に記載の原料を用いて、実施例7と同様にして、成形材料の製造と成形品の評価を行った。

0101

0102

表3の実施例7〜9と比較例7〜9との比較により、化合物(B)に石油樹脂を用いることで、繊維分散性に優れた成形品が得られることが明らかである。

0103

表3の実施例8は、化合物(B)に水素添加されたC9石油樹脂を使用しているため、実施例7および9と比較して、繊維分散性により優れた成形品が得られた。

0104

(実施例10)
熱可塑性樹脂(A)の量を70質量部に代えて、強化繊維(C)の量を20質量部に代えた以外は実施例1と同様にして、成形材料の製造と成形品の評価を行った。得られた結果を、表4に示した。

0105

(実施例11〜12)
表4に記載の原料を用いて、実施例10と同様にして、成形材料の製造と成形品の評価を行った。

0106

実施例

0107

表4の実施例10〜12により、強化繊維(C)の含有量が20質量部においても、繊維分散性に優れた成形品が得られることが明らかである。

0108

1強化繊維(C)
2化合物(B)
3 化合物(B)を強化繊維(C)に付着してなる樹脂付着強化繊維(D)
4熱可塑性樹脂(A)

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