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課題

多置換芳香族化合物異性化において、効率的な異性化反応製品の後処理を可能とするような、特に経済的な方法の提供。

解決手段

AlCl3/LiClの組合せ等の特定の塩溶融物の存在下で、ハロゲンまたはメチルにより、2または3置換されたベンゼンから誘導される芳香族化合物を異性化させるための方法。

概要

背景

異性化反応は、化合物置換パターンを変化させるための、工業的に広く使用されている一つの方法であって、たとえば、一つの異性体または異性体混合物を他のものに触媒的に転化させる方法による。この場合においては、その反応温度によって、典型的には、相応熱力学的平衡成立して、元々使用された異性体または異性体混合物の組成から変化させることができる。

多置換芳香族化合物は、工業的重要性が高い。しかしながら、典型的な調製方法では通常、異性体混合物が得られ、その組成は、必ずしも市場の要求に合ったものではない。したがって、たとえばベンゼンの二塩素化においては、典型的には、わずかに1〜3重量%のメタジクロロベンゼンしか得られず、典型的には55〜70重量%のパラ−ジクロロベンゼンおよび典型的には28〜43重量%のオルト−ジクロロベンゼンが同時に生成する。その塩素化混合物から少量のメタ−ジクロロベンゼンを単離しようとすることは、極めて複雑である。

酸性触媒を用いて、ハロゲン置換基を有する芳香族化合物を熱力学的平衡にまで異性化させることができることは公知である。この場合においては、ハロゲン置換基を有する芳香族化合物は、たとえば、ジクロロベンゼン混合物であってよい。

好適な触媒は、なかんずく酸性ゼオライト非特許文献1)または、部分的加水分解によるかまたは酸の添加による酸性プロトンを含む、塩化アルミニウムである。たとえば、(特許文献1)には、担持物質と組み合わせた塩化アルミニウムを使用し、塩化水素ガス気流の存在下での、パラ−およびオルト−ジクロロベンゼンを含むジクロロベンゼン混合物の連続的異性化反応の記載がある。この場合においては、生成したメタ−ジクロロベンゼンは、反応容器に連結した精留塔の手段によって分離される。失活した触媒は連続的に抜き出し、置きかえる。

(非特許文献2)には、ジクロロベンゼンを異性化するための、水で活性化させた塩化アルミニウム触媒の使用が記載されている。そこにおいては、異性化反応の機構として、酸触媒的な分子内1,2−クロリドシフトが提案されている。

(特許文献2)には、改良された異性化方法が記載されていて、そこでは、特定の水供与活性化剤を添加することによって、塩化アルミニウム触媒の活性を向上させている。

しかし、従来技術の方法に共通している特徴は、触媒の除去および触媒活性の維持が問題であるということである。このことは、触媒の少なからぬ部分が加水分解して、置きかえられなければならないということを意味している。それによる廃水および触媒にかかるコストが、上述の方法の大きな欠点である。

概要

多置換の芳香族化合物の異性化において、効率的な異性化反応と製品の後処理を可能とするような、特に経済的な方法の提供。AlCl3/LiClの組合せ等の特定の塩溶融物の存在下で、ハロゲンまたはメチルにより、2または3置換されたベンゼンから誘導される芳香族化合物を異性化させるための方法。なし

目的

独国特許出願公開第1020323A号明細書
独国特許出願公開第4430950A号明細書




Russ.Chem.Bull.1994,43(11),1809〜1811
J.Org.Chem.1962,27,3449〜3455






したがって、上述の従来技術に鑑みて、効率的な異性化反応と製品の後処理を可能とするような、特に経済的な方法を提供する

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請求項1

式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物:Ar−Rn(I)[式中、Arは、n価の芳香族残基であり、nは、2以上の自然数、好ましくは2または3、特に好ましくは2であり、Rは、それぞれ独立して、ハロゲンアルキルフルオロアルキルアリールアルキルアリール、またはアミノである]を異性化するための方法であって、前記異性化反応が、・少なくとも1種の式(II)の化合物:[M1][X1]m1[式中、M1は、アルミニウムガリウムインジウム、銅、鉄、コバルトニッケル、または銅であり、X1は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素であり、m1は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄の場合には3であり、コバルト、ニッケル、および銅の場合は2である]、・少なくとも1種の式(III)の化合物:[M2][X2]m2[式中、M2は、アルカリ金属、好ましくはリチウムナトリウムまたはカリウム、中でもリチウムがさらにより好ましく、X2は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素であり、m2は、アルカリ金属の場合には1である]、を含む塩溶融物の存在下で実施されることを特徴とする、方法。

請求項2

式(I)におけるArが、6〜24個の骨格炭素原子を有する炭素環芳香族残基、または、5〜24個の骨格原子を有し、その中で環あたり0個、1個、2個または3個の骨格原子であって分子全体の中では少なくとも1個の骨格原子が、窒素硫黄または酸素の群から選択されるヘテロ原子である、芳香族複素環残基を表していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

式(I)におけるArが、ベンゼンナフタレンフェナントレンアントラセンビフェニルビナフチルフルオレンピリジンオキサゾールチオフェンベンゾフランベンゾチオフェンジベンゾフランジベンゾチオフェンフランインドールピリダジンピラジンピリミジントリアゾールまたはキノリンから誘導される芳香族残基、極めて特に好ましくは、ベンゼンまたはナフタレンから誘導される芳香族残基を表し、中でもベンゼンから誘導される芳香族残基がさらにより好ましいことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

使用される前記式(I)の化合物が、n=2であり、前記残基の一つまたは二つが、ハロゲンたとえば、好ましくは臭素または塩素、特に好ましくは塩素である式(I)の化合物であるか、または、n=3であり、前記残基の二つまたは三つが、ハロゲンたとえば、好ましくは臭素または塩素、特に好ましくは塩素である式(I)の化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

ジクロロベンゼン異性体、好ましくはp−ジクロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンクロトルエンジブロモベンゼン、またはブロモクロロベンゼンが使用されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記式(II)の化合物の前記式(III)の化合物に対するモル比が、1:1〜10:1、好ましくは1:1〜3:1、特に好ましくは1.8:1〜2.2:1であり、中でも2:1がさらにより好ましいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記式(II)の化合物が、塩化アルミニウム臭化アルミニウム、および塩化ガリウムの群から選択され、中でも塩化アルミニウムが好ましいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記式(III)の化合物が、塩化リチウム臭化リチウム塩化カリウム塩化ナトリウム、および塩化セシウムの群から選択され、中でも塩化リチウムが好ましいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記方法が、水性系または水性ベースの系に対して25℃で5以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1以下のpKを有するプロトンと同じプロトンを放出することができる化合物由来のプロトンの存在下で実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記式(I)の化合物の前記式(II)の化合物に対するモル比が、1:1000〜100:1、好ましくは1:1〜10:1、特に好ましくは20:1〜3:1、特別に好ましくは2:1〜5:1であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記異性化反応の際の反応温度が、100℃〜220℃、好ましくは120〜200℃、特に好ましくは140〜180℃の間であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記方法を実施した際に形成される前記二つの液相が、混合エネルギーを導入することによって相互に混合されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記式(II)および(III)の化合物が、前記方法において再使用されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記式(II)および(III)の化合物に対して、それらの再使用の前または途中に、水性系または水性ベースの系に対して25℃で5以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1以下のpKを有するプロトンと同じプロトンを放出することが可能な化合物由来のプロトンが添加されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記式(II)および(III)の化合物が、それらの再使用の前または途中に、塩化水素または臭化水素ガスとの接触状態にされ、それらのガス分圧が、好ましくは50hPa〜1MPa、特に好ましくは500hPa〜2500hPaであることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、特定の塩溶融物(salt melt)の存在下に、置換された芳香族化合物異性化させるための方法に関する。

背景技術

0002

異性化反応は、化合物置換パターンを変化させるための、工業的に広く使用されている一つの方法であって、たとえば、一つの異性体または異性体混合物を他のものに触媒的に転化させる方法による。この場合においては、その反応温度によって、典型的には、相応熱力学的平衡成立して、元々使用された異性体または異性体混合物の組成から変化させることができる。

0003

多置換の芳香族化合物は、工業的重要性が高い。しかしながら、典型的な調製方法では通常、異性体混合物が得られ、その組成は、必ずしも市場の要求に合ったものではない。したがって、たとえばベンゼンの二塩素化においては、典型的には、わずかに1〜3重量%のメタジクロロベンゼンしか得られず、典型的には55〜70重量%のパラ−ジクロロベンゼンおよび典型的には28〜43重量%のオルト−ジクロロベンゼンが同時に生成する。その塩素化混合物から少量のメタ−ジクロロベンゼンを単離しようとすることは、極めて複雑である。

0004

酸性触媒を用いて、ハロゲン置換基を有する芳香族化合物を熱力学的平衡にまで異性化させることができることは公知である。この場合においては、ハロゲン置換基を有する芳香族化合物は、たとえば、ジクロロベンゼン混合物であってよい。

0005

好適な触媒は、なかんずく酸性ゼオライト非特許文献1)または、部分的加水分解によるかまたは酸の添加による酸性プロトンを含む、塩化アルミニウムである。たとえば、(特許文献1)には、担持物質と組み合わせた塩化アルミニウムを使用し、塩化水素ガス気流の存在下での、パラ−およびオルト−ジクロロベンゼンを含むジクロロベンゼン混合物の連続的異性化反応の記載がある。この場合においては、生成したメタ−ジクロロベンゼンは、反応容器に連結した精留塔の手段によって分離される。失活した触媒は連続的に抜き出し、置きかえる。

0006

(非特許文献2)には、ジクロロベンゼンを異性化するための、水で活性化させた塩化アルミニウム触媒の使用が記載されている。そこにおいては、異性化反応の機構として、酸触媒的な分子内1,2−クロリドシフトが提案されている。

0007

(特許文献2)には、改良された異性化方法が記載されていて、そこでは、特定の水供与活性化剤を添加することによって、塩化アルミニウム触媒の活性を向上させている。

0008

しかし、従来技術の方法に共通している特徴は、触媒の除去および触媒活性の維持が問題であるということである。このことは、触媒の少なからぬ部分が加水分解して、置きかえられなければならないということを意味している。それによる廃水および触媒にかかるコストが、上述の方法の大きな欠点である。

0009

独国特許出願公開第1020323A号明細書
独国特許出願公開第4430950A号明細書

先行技術

0010

Russ.Chem.Bull.1994,43(11),1809〜1811
J.Org.Chem.1962,27,3449〜3455

発明が解決しようとする課題

0011

したがって、上述の従来技術に鑑みて、効率的な異性化反応と製品の後処理を可能とするような、特に経済的な方法を提供することが目的であった。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、したがって、式(I)の化合物または式(I)の化合物:
Ar−Rn (I)
[式中、
Arは、n価の芳香族残基であり、
nは、2以上の自然数、好ましくは2または3、特に好ましくは2であり、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲンアルキルフルオロアルキルアリールアルキルアリール、またはアミノである]
の混合物を異性化するための方法を提供し
この方法は、
・ 式(II)の少なくとも1種の化合物:
[M1][X1]m1
[式中、
M1は、アルミニウムガリウムインジウム、銅、鉄、コバルトニッケル、または銅であり、
X1は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素であり、
m1は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄の場合には3,ならびにコバルト、ニッケル、および銅の場合は2である];
・ 式(III)の少なくとも1種の化合物:
[M2][X2]m2
[式中、
M2は、アルカリ金属、好ましくはリチウムナトリウムまたはカリウム、中でもリチウムがさらにより好ましく、
X2は、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素、特に好ましくは塩素であり、
m2は、アルカリ金属の場合、1である]
を含む塩溶融物の存在下にその異性化反応が実施されることを特徴としている。

0013

本発明の範囲においては、上記および下記の一般的な残基の定義、パラメーター、および説明のすべて、ならびに、相互に好ましい範囲と記述されているものはすべて、いかようにも、すなわち、それぞれの範囲と好ましい範囲の間で組み合わせることが可能である。

0014

式(I)において、
Arは、好ましくは、6〜24個の骨格炭素原子を有する炭素環芳香族残基、または5〜24個の骨格原子を有し、その中で環あたり0個、1個、2個または3個の骨格原子、しかしながら分子全体の中では少なくとも1個の骨格原子が、窒素硫黄または酸素の群から選択されるヘテロ原子である芳香族複素環残基を表し、
Arは、特に好ましくは、ベンゼン、ナフタレンフェナントレンアントラセンビフェニルビナフチルフルオレンピリジンオキサゾールチオフェンベンゾフランベンゾチオフェンジベンゾフランジベンゾチオフェンフランインドールピリダジンピラジンピリミジントリアゾール、またはキノリンから誘導される芳香族残基を表し、
Arは、極めて特に好ましくは、ベンゼンまたはナフタレンから誘導される芳香族残基を表すが、中でもベンゼンから誘導される芳香族残基が、さらにより好ましい。

0015

本明細書における「から誘導される(derived from)」という用語は、通常は非置換の芳香族化合物のn価の残基を指していると理解されたい。たとえばトリクロロベンゼンの場合においては、ベンゼンから3価の芳香族残基が誘導されている。

0016

式(I)においては、アルキルは、それぞれ独立して、直鎖状、環状、分岐状もしくは非分岐状アルキル残基である。

0017

アルキルは、たとえばメチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシルn−ヘキシル、n−ヘプチルn−オクチルイソオクチル、n−デシル、またはn−ドデシルである。

0018

式(I)においては、フルオロアルキルは、それぞれ独立して、直鎖状、環状、分岐状もしくは非分岐状の、少なくとも1個のフルオロ原子によって置換されているアルキル残基である。

0019

たとえば、フルオロアルキルは、フルオロメチルジフルオロメチルトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルペンタフルオロエチルヘプタフルオロイソプロピル、またはノナフルオロ−n−ブチルである。

0020

好ましい化合物は、n=2であって、それらの残基の一つまたは二つがハロゲンたとえば、好ましくは臭素または塩素、特に好ましくは塩素であるもの、ならびに、n=3であって、それらの残基の二つまたは三つがハロゲンたとえば、好ましくは臭素または塩素、特に好ましくは塩素である化合物である。

0021

特に好ましい化合物は、ジクロロベンゼン、好ましくはp−ジクロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロトルエンジブロモベンゼン、およびブロモクロロベンゼンのそれぞれの異性体である。特に好ましいのは、ジクロロベンゼンの異性体である。

0022

本発明において塩溶融物とは、式(II)および(III)の化合物を90重量%以上まで、好ましくは95重量%以上まで、特に好ましくは98重量%以上まで含む、液状物を意味していると理解されたい。

0023

100%とするまでの残りの部分は、たとえば、使用される化合物(たとえば工業用グレードであってもよい)が100%純度ではないことに起因しているということであってよい。このことは、コスト的なメリットを表す。

0024

業者には自明のことであるが、式(II)および(III)の化合物から、たとえば、式[M1][M2]([X1]m1[X2]m2)の二重複塩(double salts)たとえばLiAlCl4、または三重複塩(triple salts)たとえばNaAl2Cl7、またはさらに高次錯塩(higher complex salt)を生成させることも可能である。そのような化合物は、少なくとも1種の式(II)の化合物および少なくとも1種の式(III)の化合物を含む塩溶融物という用語に含まれるか、または、そのような化合物は、「少なくとも1種の式(II)の化合物および少なくとも1種の式(III)の化合物を含む」という特徴を満たしている。

0025

当業者にはさらに自明のことであるが、それらの塩溶融物の組成に従って、それらの融点は変動する。

0026

したがって、式(II)の化合物の式(III)の化合物に対するモル比は、好ましくは1:1〜10:1、好ましくは1:1〜3:1、特に好ましくは1.8:1〜2.2:1であるが、中でも2:1がさらにより好ましい。

0027

式(II)の好ましい化合物は、塩化アルミニウム(AlCl3)、臭化アルミニウム(AlBr3)、および塩化ガリウム(GaCl3)であるが、中でも塩化アルミニウムが好ましい。

0028

式(III)の好ましい化合物は、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、および塩化セシウム(CsCl)であるが、中でも塩化リチウムが好ましい。

0029

極めて特に好ましいのは、AlCl3とLiClとの組合せであり、上述の比率に入っていて、先に挙げた好ましい範囲に入っていれば特に好ましい。

0030

上述の好ましい範囲の内でも、式(II)の化合物によってもたらされるルイス酸性が高く、その塩溶融物の融点が十分に低くて、その異性化反応を、式(I)の化合物の分解が少なくとも大量には起きないような温度で実施することができるように実施するのが有利である。

0031

異性化反応のための触媒系として特に好適な低融点の塩溶融物の例を表1に示す。

0032

0033

すでに立証されていることであるが、異性化反応のためには、プロトンを存在させることが必要である。それによって生じるブレンステッド酸性が、式(II)の化合物のルイス酸性を補う。

0034

プロトン含量は、式(II)の化合物を基準にして、たとえば1molppm〜50 000molppm、好ましくは10〜1000molppmである。それらより高い量では、ルイス酸性が低下し、それによりおそらく異性化反応が妨害されるであろう。

0035

この文脈において、プロトンは、水性系または水性ベースの系(aqueous reference system)に対して25℃で5以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1以下のpKを有するプロトンと同じプロトンを放出することが可能な化合物由来のプロトンを意味しているものと理解されたい。

0036

典型的には、前記プロトンを与えるこのタイプの化合物を別々に添加する必要はないが、その理由は、式(II)および(III)の化合物は通常、完全に無水になることが決してないからである。水は、典型的には、式(II)の化合物と反応して、相当する酸性の化合物を生成する。たとえば、塩化アルミニウムは、典型的には、最小量の水によって部分的に加水分解されたことによる、微量の塩化水素を必ず含んでいて、それが、−6というその低いpKの原因となる、対応するプロトンを与える。

0037

式(I)の化合物の式(II)の化合物に対するモル比は、好ましくは1:1000〜100:1、好ましくは1:1〜10:1、特に好ましくは20:1〜3:1、特別に好ましくは2:1〜5:1である。

0038

異性化反応の際の反応温度は、たとえば100℃〜220℃の間で選択するが、ここで、温度が低すぎると、反応が望ましくない程遅くなり、また温度が高すぎると、いくつかの式(II)の化合物、たとえば、塩化アルミニウムの昇華を促進したり、または、式(I)の化合物のタイプによっては、それの分解を促進したりする。

0039

異性化反応は、好ましくは120〜200℃、特に好ましくは140〜180℃の反応温度で実施する。たとえば、ジハロベンゼンの場合では160〜180℃の温度、メチルハロベンゼンの場合では140〜160℃の温度が特に有利である。

0040

異性化反応に使用される式(I)〜(III)の化合物の性質が違っているので、前記化合物は、典型的かつ好ましくは、二つの液相として存在させ、その第一の相が式(I)の化合物で形成され、その第二の相が式(II)および(III)の化合物で形成されているようにする。

0041

異性化反応の際には、それら二つの相を、相の界面を増やす目的で、混合エネルギーを導入することによって相互に混合することが好ましい。それをより激しく実施するほど、その反応が、典型的には早く進む。

0042

その異性化反応の反応時間は、典型的には10分〜168時間の間、好ましくは30分〜24時間の間である。

0043

反応が完了したら、式(I)の化合物から得られた反応で生成した混合物を、式(II)および(III)の化合物から、好ましくは、それらが依然として溶融物を形成していて、固化していないならば、分離することができる。

0044

驚くべきことには、式(I)の化合物またはそれらの異性化反応生成物の中への、式(II)および(III)の化合物の溶解度が十分に低いので、基質相(substrate phase)の中へは、式(II)の化合物の10%未満、典型的にはさらに1%未満しか排出されないということが見いだされた。式(III)の化合物の排出は、典型的には、観察されない。

0045

したがって、式(II)および(III)の化合物は、別の異性化反応に使用することができる。

0046

式(II)および(III)の化合物に対して、それらの再使用の前または再使用の途中に、プロトンを供給するのが有利であるということが判明した。

0047

この文脈においては、先と同様に、プロトンとは、水性系または水性ベースの系に対して25℃で5以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1以下のpKを有するプロトンと同じプロトンを放出することが可能な化合物由来のプロトンを意味しているものと理解されたい。

0048

したがって、式(II)および(III)の化合物は、それらの再使用または繰返し使用の前またはその途中に、塩化水素または臭化水素ガスとの接触状態にさせることが好ましく、その際、それらのガス分圧は、たとえば、50hPa〜1MPa、好ましくは500hPa〜2500hPaとするのがよい。

0049

しかし、本方法は、原理的には、式(II)および(III)の化合物に対して、それらの再使用の前または途中に、プロトンを供給することなく実施することも可能である。

0050

本発明は、反応生成物の相から錯体を抽出したり、水を用いて後処理したりすることを省くことができ、その異性化反応の触媒を、活性を失わせることなく繰り返して使用できるという点で有利である。

0051

以下の実施例において、反応生成物の相を分析するために、その反応混合物からサンプルを直接抜き出し、ジクロロメタンに溶解させ、水を用いて抽出する。異性体比を求めるために、ガスクロマトグラフィーGC)によってこのサンプルを分析した。すべてのデータは、GCによる面積%を表している。以下におけるmol%で表したデータは、異性化させるのに使用したそれぞれの基質に対する塩成分のmol%を表している。

0052

実施例1a:ガラスオートクレーブ中のAlCl3/LiClを用いたパラ−ジクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた0.5Lのガラス製オートクレーブ中、20mol%の塩化アルミニウムおよび10mol%の塩化リチウムを170℃で溶融させ、250gのパラ−ジクロロベンゼンを用いて処理した。その反応溶液を、170℃で4時間撹拌した。反応時間が終わったとき、その反応で生成した混合物中には、53%のメタ−ジクロロベンゼン、44%のパラ−ジクロロベンゼン、および3%のオルト−ジクロロベンゼンの組成が見いだされた。その反応生成物の相について、ICP−AESによって、排出されたアルミニウムおよびリチウムを調べた。アルミニウムの排出量は、典型的には、使用した塩化アルミニウムに対して1%未満であった。リチウムの排出は、認められなかった。

0053

実施例1b:塩溶融物のリサイクル
溶融物をリサイクルするために、反応生成物の相を除去した。排出された塩化アルミニウムを補い、250gのフレッシュなパラ−ジクロロベンゼンを加えた。次いで、反応温度を170℃に設定した。撹拌を開始する前に、約1.0barの塩化水素圧力をかけた。少なくとも5回のリサイクルの間、その塩溶融物の活性は一定に維持された。

0054

0055

実施例1c:塩溶融物リサイクルの際の圧力の変化
0.5Lのガラス製反応器におけるリサイクルの際の圧力のバリエーションとして、第1回リサイクルで、0.05〜0.25MPaの圧力を使用した。この目的のために、フレッシュな塩溶融物を用いた異性化反応の後で反応生成物の相を除去し、排出された塩化アルミニウムを補い、250gのフレッシュなパラ−ジクロロベンゼンを加えた。次いで、反応温度を170℃に設定した。撹拌を開始する前に、0.05〜0.25MPaの塩化水素圧力をかけた。4時間の反応時間の後で得られた結果を表3に示す。

0056

0057

実施例1d:反応生成物の分離
反応が完結した後、その有機相を溶融物から分離した。反応で生成した混合物は、本質的には、ジクロロベンゼンの3種の異性体、少量の排出された塩化アルミニウムおよび少量の副反応生成物からなっていた。ジクロロベンゼンは、フラッシュ蒸留によって定量的に分離することができた。この場合においては、塩化アルミニウムと副反応生成物いずれもが、塔底に残った。副反応生成物の割合は、1重量%未満であった。

0058

実施例2:ルイス酸を添加し、AlCl3/LiClを使用したパラ−ジクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた250mLのガラスフラスコ中、20mol%の塩化アルミニウムおよび10mol%の塩化リチウムを180℃で溶融させ、a)1.5mol%のFeCl3、b)1.5mol%のNiCl2、c)1mol%のCuCl2を用いて処理した。それぞれの場合において、それによって得られた塩溶融物に150gのパラ−ジクロロベンゼンを添加し、その反応混合物を180℃で異性化反応させた。すべての実験において、4時間後に、約20%の割合のメタ−ジクロロベンゼンが得られた。

0059

実施例3:AlCl3/NaCl/KClを用いたパラ−ジクロロベンゼンの150℃での異性化反応
Hastelloy製の反応容器中、20mol%の塩化アルミニウム、6.25mol%の塩化ナトリウム、および4.37mol%の塩化カリウムを150℃で溶融させ、75gのパラ−ジクロロベンゼンを用いて処理した。その反応溶液を、150℃で3時間撹拌した。反応が完結した後では、26%のメタ−ジクロロベンゼンおよび74%のパラ−ジクロロベンゼンの割合であることが見いだされた。

0060

実施例4:AlCl3/NaCl/LiClを用いたパラ−ジクロロベンゼンの異性化反応の温度依存性
Hastelloy製の反応容器の中で、20mol%の塩化アルミニウム、6.25mol%の塩化ナトリウム、および4.37mol%の塩化リチウムを、a)110℃、b)130℃、およびc)150℃で溶融させ、75gのパラ−ジクロロベンゼンを用いて処理した。その反応溶液を、それぞれの反応温度で、16.5時間撹拌した。反応が完結した後では、実験a)においては、13%のメタ−ジクロロベンゼンおよび87%のパラ−ジクロロベンゼンの割合、実験b)においては、44%のメタ−ジクロロベンゼンおよび55%のパラ−ジクロロベンゼン、1%のオルト−ジクロロベンゼンの割合、ならびに実験c)においては、58%のメタ−ジクロロベンゼンおよび37%のパラ−ジクロロベンゼンおよび5%のオルト−ジクロロベンゼンの割合であることが、それぞれ分かった。

0061

実施例5:GaCl3/LiClを用いた170℃でのパラ−ジクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、20mol%の塩化ガリウムと10mol%の塩化リチウムとを、170℃で溶融させた。20.87gのパラ−ジクロロベンゼンを添加してから、その反応溶液を25時間撹拌した。その反応が完結した後では、その反応混合物には、3%のメタ−ジクロロベンゼンおよび97%のパラ−ジクロロベンゼンの割合で含まれていた。

0062

実施例6a:AlCl3/LiClを用いたオルト−ジクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた0.5Lのガラス製オートクレーブ中、20mol%の塩化アルミニウムおよび10mol%の塩化リチウムを170℃で溶融させ、250gのオルト−ジクロロベンゼンを用いて処理した。その反応溶液を、170℃で3.5時間撹拌した。反応時間の終了時には、その反応で生成した混合物には、31%のメタ−ジクロロベンゼン、9%のパラ−ジクロロベンゼン、および60%のオルト−ジクロロベンゼンの組成が見いだされた。

0063

実施例6b:オルト−ジクロロベンゼンの異性化反応における塩溶融物のリサイクル
溶融物をリサイクルさせるために、反応生成物の相を除去した。排出された塩化アルミニウムを補い、250gのフレッシュなオルト−ジクロロベンゼンを加えた。次いで、反応温度を170℃に設定した。撹拌を開始する前に、約1.0barの塩化水素圧力をかけた。反応時間の終了時には、その反応で生成した混合物には、26%のメタ−ジクロロベンゼン、9%のパラ−ジクロロベンゼン、および65%のオルト−ジクロロベンゼンの組成が見いだされた。

0064

実施例7:AlCl3/LiClおよびAlBr3/LiBrを用いた1,2,3−トリクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、a)20mol%の塩化アルミニウムと10mol%の塩化リチウム、ならびにb)20mol%の臭化アルミニウムと10mol%の臭化リチウムを、170℃で溶融させた。36.29gの1,2,3−トリクロロベンゼンを添加してから、その反応溶液を、170℃で22時間撹拌した。反応か完結した後では、実験a)では、5%の1,2,4−トリクロロベンゼンおよび95%の1,2,3−トリクロロベンゼンの異性体組成が得られた。実験b)においては、1,2,4−トリクロロベンゼンの割合が27%、1,2,3−トリクロロベンゼンの割合が73%であった。しかし、実験b)においては、ある程度の量の副反応生成物も生成する。トリクロロベンゼンの副反応生成物に対する比率は、86%対14%であった。その副反応生成物は、ジクロロベンゼンと、ある比率での、より高度に塩素化された異性体とからなっていた。

0065

実施例8:AlCl3/LiClを用いたパラ−クロロトルエンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、20mol%の塩化アルミニウムと10mol%の塩化リチウムとを170℃で溶融させ、25.14gのパラ−クロロトルエンを用いて処理した。20分の反応時間の後では、49%のメタ−クロロトルエン、45%のパラ−クロロトルエン、および6%のオルト−クロロトルエンの異性体比の結果となった。異性化反応に加えて、アルキル交換反応も起きていた。たとえば、クロロベンゼンに加えて、より高次にアルキル化された化合物、たとえばクロロキシレンが、副反応生成物として生成していた。クロロトルエンの副反応生成物に対する比率は、86%対14%であった。

0066

実施例9:AlCl3/LiClおよびAlBr3/LiBrを用いたパラ−クロロブロモベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、a)20mol%の塩化アルミニウムと10mol%の塩化リチウム、ならびにb)20mol%の臭化アルミニウムと10mol%の臭化リチウムを、170℃で溶融させた。38.29gのパラ−ブロモクロロベンゼンを添加してから、その反応混合物を170℃で1時間撹拌した。実験a)では、59%のメタ−ブロモクロロベンゼン、30%のパラ−ブロモクロロベンゼン、および11%のオルト−ブロモクロロベンゼンの異性体分布が得られた。異性化反応に加えて、不均化反応も起きていた。生成した副反応生成物は、クロロベンゼンおよびジブロモクロロベンゼンであった。クロロブロモベンゼン対副反応生成物の比率は、67%対33%であった。実験b)は、1時間の反応で、57%のメタ−ブロモクロロベンゼン、32%のパラ−ブロモクロロベンゼン、および11%のオルト−ブロモクロロベンゼンの異性体分布が得られた。この場合においても実験a)の場合と同じ副反応生成物が生成し、同様にクロロブロモベンゼン対副反応生成物の比率は、67%対33%であった。

0067

実施例10:AlBr3/LiBrを用いたパラ−ジクロロベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、20mol%の臭化アルミニウムと10mol%の臭化リチウムとを、170℃で溶融させた。次いで、その溶融物に29.40gのパラ−ジクロロベンゼンを加えた。23時間の反応時間の後では、32%のメタ−ジクロロベンゼンと68%のパラ−ジクロロベンゼンの組成が得られた。クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ブロモクロロベンゼン、またはジブロモベンゼンの存在は、検出できなかった。塩化アルミニウム−塩化リチウム溶融物に比較して、比較実験における臭化アルミニウム溶融物は、より高い活性を示している。

0068

実施例11:AlCl3/LiClおよびAlBr3/LiBrを用いたパラ−ジブロモベンゼンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた50mLのガラスフラスコ中、a)20mol%の塩化アルミニウムと10mol%の塩化リチウム、ならびにb)20mol%の臭化アルミニウムと10mol%の臭化リチウムを、170℃で溶融させた。次いで、47.18gのパラ−ジブロモベンゼンを加えた。その反応溶液を、170℃で5時間撹拌した。実験a)は、1時間の反応時間の後では、反応混合物中の59%のメタ−ジブロモベンゼン、31%のパラ−ジブロモベンゼン、および10%のオルト−ジブロモベンゼンの異性体比の結果となった。しかし、比較的大量のブロモベンゼンおよびトリブロモベンゼンならびに微量のブロモクロロベンゼンも生成したが、その理由は、異性化反応に加えて、不均化反応も起きていたからである。ジブロモベンゼン対副反応生成物の比率は、62%対38%であった。実験b)は、1時間の反応時間の後では、59%のメタ−ジブロモベンゼン、31%のパラ−ジブロモベンゼン、および10%のオルト−ジブロモベンゼンの組成という結果になった。この場合においては、副反応生成物としてブロモベンゼンおよびトリブロモベンゼンも生成した。ジブロモベンゼン対副反応生成物の比率は、60%対40%であった。

0069

実施例12:AlCl3/NaCl/LiClを用いたパラ−キシレンの異性化反応
機械式攪拌機を備えた250mLのガラスフラスコ中、20mol%の塩化アルミニウムと、4mol%の塩化リチウムおよび6mol%の塩化ナトリウムとを140℃で溶融させ、100gのパラ−キシレンを用いて処理した。

実施例

0070

60分の反応時間の後では、58%のメタ−キシレン、29%のパラ−キシレン、および12%のオルト−キシレンの異性体比が得られた。異性化反応に加えて、アルキル交換反応も起きていた。たとえば、トルエンに加えて、より高次にアルキル化された化合物、たとえばトリメチルベンゼンおよびテトラクロロベンゼンが、副反応生成物として生成していた。キシレン対副反応生成物の比率は、70%対30%であった。

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