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技術 アクチュエータ装置、配線部材の接続構造、液体吐出装置、及び、アクチュエータ装置の製造方法

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 垣内徹
出願日 2016年9月28日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-189995
公開日 2018年4月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-051897
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) 嵌合装置及び印刷回路との接合 圧電、電歪、磁歪装置 インクジェット(粒子形成、飛翔制御)
主要キーワード 駆動接点 素子接点 接点面積 フレキシブル配線部材 接点構成 グランド接点 ヒータプレート 左右方向内側
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図面 (19)

課題

配線部材の縁部に配線幅広部が形成されている場合に、隣接する他の配線等とのショートの発生を防止すること。

解決手段

アクチュエータ装置は、駆動接点46を有する圧電アクチュエータ22と、駆動接点46に接続される個別接点54と、個別接点54と導通する個別配線52とを有するCOF50を備えている。個別配線52の、COF50の縁部に配置された先端部には、配線幅が局部的に大きくなった幅広部61が形成されている。圧電アクチュエータ22とCOF50とが接合された状態で、幅広部61は、個別配線52の配線長さ方向において駆動接点46を越えた位置に配置されている。個別接点54は、個別配線52の幅広部61よりもCOF50の縁Eから離れた基端側の部分に設けられ、駆動接点46と接続されている。

概要

背景

特許文献1には、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室が形成された流路部材と、圧力室内のインク吐出エネルギーを与える圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置が開示されている。

圧電アクチュエータは、複数の圧力室に対応した複数の圧電素子を備える。各圧電素子の個別電極からは接点が引き出されている。圧電アクチュエータの、複数の圧電素子の接点が配置された領域には、フレキシブル配線部材駆動回路実装されたCOF)が接合される。この接合部において、圧電アクチュエータ側の接点と配線部材側の接点とが電気的に接続されている。

概要

配線部材の縁部に配線幅広部が形成されている場合に、隣接する他の配線等とのショートの発生を防止すること。アクチュエータ装置は、駆動接点46を有する圧電アクチュエータ22と、駆動接点46に接続される個別接点54と、個別接点54と導通する個別配線52とを有するCOF50を備えている。個別配線52の、COF50の縁部に配置された先端部には、配線幅が局部的に大きくなった幅広部61が形成されている。圧電アクチュエータ22とCOF50とが接合された状態で、幅広部61は、個別配線52の配線長さ方向において駆動接点46を越えた位置に配置されている。個別接点54は、個別配線52の幅広部61よりもCOF50の縁Eから離れた基端側の部分に設けられ、駆動接点46と接続されている。

目的

本発明の目的は、配線部材の縁部に配線の幅広部が形成されている場合に、隣接する他の配線等とのショートの発生を防止することである

効果

実績

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請求項1

駆動素子と、前記駆動素子から引き出された第1素子接点を有するアクチュエータと、前記第1素子接点に接続される第1接点と、前記第1接点と導通する第1配線とを有する配線部材と、を備え、前記第1配線の、前記配線部材の縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第1幅広部が形成され、前記アクチュエータと前記配線部材が接合された状態で、前記第1幅広部は、前記第1配線の配線長さ方向において前記第1素子接点を越えた位置に配置され、前記第1接点は、前記第1配線の、前記第1幅広部よりも前記配線部材の縁から離れた基端側の部分に設けられ、前記第1素子接点と接続されていることを特徴とするアクチュエータ装置

請求項2

前記第1素子接点から前記第1幅広部の先端までの距離が、前記第1配線の幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。

請求項3

前記第1素子接点から前記第1幅広部の先端までの距離が、前記第1配線の幅の20倍以下であることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ装置。

請求項4

それぞれが第1電極と第2電極を有する、複数の前記駆動素子を有し、前記複数の駆動素子の前記第1電極は互いに分離され、前記複数の駆動素子の前記第2電極同士は互いに繋がり、前記第1素子接点は、前記第1電極に接続された接点であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項5

前記アクチュエータは、前記複数の駆動素子の前記第2電極と導通する第2素子接点を有し、前記配線部材は、前記第2素子接点と接続される第2接点と、前記第1配線に沿って延び、前記第2接点に接続された第2配線を有し、前記第2配線の、前記配線部材の前記縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第2幅広部が形成され、前記第2接点は前記第2幅広部を含み、前記第2素子接点は、前記第1素子接点よりも、前記配線部材の前記縁に近い位置に配置されて、前記第2幅広部を含む前記第2接点と接続されていることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ装置。

請求項6

前記配線部材は、前記第1配線と前記第2配線との間において前記第1配線及び前記第2配線に沿って前記縁部に向けて延び、前記第1配線と前記第2配線の何れとも繋がっていない第3配線を有することを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ装置。

請求項7

前記第3配線の、前記配線部材の前記縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第3幅広部が形成され、前記第3幅広部は、前記第1配線の配線長さ方向において前記第1素子接点を越えた位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ装置。

請求項8

前記配線部材の前記第1配線と前記第2配線の、前記基材の縁に沿った方向の離間距離が、20μm以上であることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ装置。

請求項9

前記アクチュエータは、複数の前記第2素子接点を有し、前記配線部材の1つの前記第2接点が、前記複数の第2素子接点に跨って配置されていることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項10

前記配線部材は、複数の第2接点を有し、前記アクチュエータの1つの前記第2素子接点が、前記複数の第2接点に跨って配置されていることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項11

前記アクチュエータは、複数の前記第2素子接点を有し、前記配線部材は、複数の第2接点を有し、前記複数の第2素子接点と前記複数の第2接点とが接続されていることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項12

前記複数の第2素子接点の、前記第2接点の前記第2幅広部と重なる部分同士が、互いに繋がっていることを特徴とする請求項11に記載のアクチュエータ装置。

請求項13

前記第2素子接点の前記配線部材の縁に沿った方向の幅が、前記第2接点の幅よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のアクチュエータ装置。

請求項14

前記複数の駆動素子は、第1方向に配列され、前記複数の駆動素子から、前記駆動素子の配置面と平行で、且つ、前記第1方向と交差する第2方向に、複数の前記第1素子接点がそれぞれ引き出され、複数の前記第1素子接点が、前記第1方向に配列されていることを特徴とする請求項1〜13に記載のアクチュエータ装置。

請求項15

前記配線部材は、前記アクチュエータに、導電粒子を含む導電性接着剤で接合されていることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項16

前記第1幅広部は、前記導電性接着剤で被覆されていることを特徴とする請求項15に記載のアクチュエータ装置。

請求項17

前記導電性接着剤の、前記第1幅広部を覆っている部分における前記導電粒子の密度は、前記第1素子接点と前記第1接点の接続部分における前記導電粒子の密度よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ装置。

請求項18

前記配線部材は、前記アクチュエータに、非導電性接着剤で接合されていることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項19

前記第1幅広部は、前記非導電性接着剤で被覆されていることを特徴とする請求項18に記載のアクチュエータ装置。

請求項20

前記配線部材は、前記アクチュエータに接着剤で接合され、前記第1幅広部は、前記接着剤とは別の絶縁材料で被覆されていることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項21

前記配線部材は、前記第1配線と前記第1接点が形成される基材を有し、前記基材は、ポリイミドで形成されていることを特徴とする請求項1〜20の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項22

前記配線部材は、前記アクチュエータを駆動する駆動回路を有し、前記第1配線は、前記駆動回路と前記第1接点を接続することを特徴とする請求項1〜21の何れかに記載のアクチュエータ装置。

請求項23

第1素子接点と、第1配線を有する配線部材の前記第1配線と導通する第1接点とを接続する接続構造であって、前記第1配線の、前記配線部材の縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第1幅広部が形成され、前記第1素子接点と前記配線部材が接合された状態で、前記第1幅広部は、前記第1配線の配線長さ方向において前記第1素子接点を越えた位置に配置され、前記第1接点は、前記第1配線の、前記第1幅広部よりも前記配線部材の縁から離れた基端側の部分に設けられ、前記第1素子接点と接続されていることを特徴とする配線部材の接続構造。

請求項24

圧力室が形成された流路部材と、前記流路部材に前記圧力室と重なるように配置された圧電素子と、前記圧電素子から引き出された第1素子接点とを有するアクチュエータと、前記第1素子接点に接続される第1接点と、前記第1接点と導通する第1配線とを有する配線部材と、を備え、前記第1配線の、前記配線部材の縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第1幅広部が形成され、前記アクチュエータと前記配線部材が接合された状態で、前記第1幅広部は、前記第1配線の長さ方向において前記第1接点を越えた位置に配置され、前記第1接点は、前記第1配線の、前記第1幅広部よりも前記配線部材の縁から離れた基端側の部分に設けられ、前記第1素子接点と接続されていることを特徴とする液体吐出装置

請求項25

配線部材の基材に、第1配線と、前記第1配線に繋がる検査接点を形成する、配線形成工程と、前記検査接点を用いて、前記第1配線の導通検査を行う検査工程と、前記検査工程後に、前記基材を、前記第1配線と前記検査接点との間で切断する切断工程と、前記第1配線の、前記切断によって形成された第1幅広部よりも、前記基材の切断縁から離れた部分がアクチュエータの第1素子接点と重なった状態で、前記配線部材を前記アクチュエータに接合する、接合工程と、を備えていることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アクチュエータ装置配線部材接続構造液体吐出装置、及び、アクチュエータ装置の製造方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室が形成された流路部材と、圧力室内のインク吐出エネルギーを与える圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置が開示されている。

0003

圧電アクチュエータは、複数の圧力室に対応した複数の圧電素子を備える。各圧電素子の個別電極からは接点が引き出されている。圧電アクチュエータの、複数の圧電素子の接点が配置された領域には、フレキシブル配線部材駆動回路実装されたCOF)が接合される。この接合部において、圧電アクチュエータ側の接点と配線部材側の接点とが電気的に接続されている。

先行技術

0004

特開2014−156065号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般的なフレキシブル配線部材は、ポリイミド等の絶縁性基板ベースフィルム)に多数の配線パターニングされた構成を有する。このような配線部材の製造において、基板に配線を形成した後に、配線を途中で分断するように基板を切断する工程が入ることがある。この場合、基板の切断箇所において配線が部分的につぶれ、切断によって生じた基板の縁部に、配線幅が局部的に広がった幅広部が形成される場合がある。

0006

このように、基板の縁部において配線の幅広部が形成されていると、配線幅が大きくなる分、隣接する他の配線や導電パターンとの距離が縮まる。そのため、基板の縁部をアクチュエータに接合したときに、幅広部が形成された配線と隣接する他の配線等との間でショートが発生しやすくなる。

0007

本発明の目的は、配線部材の縁部に配線の幅広部が形成されている場合に、隣接する他の配線等とのショートの発生を防止することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明のアクチュエータ装置は、駆動素子と、前記駆動素子から引き出された第1素子接点を有するアクチュエータと、前記第1素子接点に接続される第1接点と、前記第1接点と導通する第1配線とを有する配線部材と、を備え、
前記第1配線の、前記配線部材の縁部に配置された先端部に、配線幅が局部的に大きくなった第1幅広部が形成され、前記アクチュエータと前記配線部材が接合された状態で、前記第1幅広部は、前記第1配線の配線長さ方向において前記第1素子接点を越えた位置に配置され、前記第1接点は、前記第1配線の、前記第1幅広部よりも前記配線部材の縁から離れた基端側の部分に設けられ、前記第1素子接点と接続されていることを特徴とするものである。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態に係るプリンタ1の概略的な平面図である。
インクジェットヘッド4の平面図である。
図2のインクジェットヘッド4の後端部の拡大図である。
図3のA部拡大図である。
図4のV-V線断面図である。
図4のVI-VI線断面図である。
図4のB部拡大図である。
COF50の拡大図であり、(a)は配線の配置面と反対側の面、(b)は配線の配置面をそれぞれ示す。
(a)は図7のA−A線断面図、(b)は図7のB−B線断面図、(c)は図7のC−C線断面図である。
COF50の製造工程を示す図である。
COF50の配線配置面の接着剤付着領域を示す図である。
COF50の接合工程を示す図である。
変更形態の圧電アクチュエータ側のグランド接点とCOF側のグランド接点の配置関係を示す図である。
別の変更形態の圧電アクチュエータの図7相当の拡大平面図である。
別の変更形態の圧電アクチュエータの図7相当の拡大平面図である。
別の変更形態の接点接合部の断面図である。
別の変更形態の接点接合部の断面図である。
(a)は別の変更形態の圧電アクチュエータの図7相当の拡大平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。

実施例

0010

本発明の実施の形態について説明する。まず、図1を参照してインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。尚、図1において記録用紙100が搬送される方向を、プリンタ1の前後方向と定義する。また、記録用紙100の幅方向をプリンタ1の左右方向と定義する。さらに、前後左右及び左右方向と直交する、図1紙面垂直方向をプリンタ1の上下方向と定義する。

0011

(プリンタの概略構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、制御装置6等を備えている。

0012

キャリッジ3は、左右方向(以下、走査方向ともいう)に延びる2本のガイドレール10,11に取り付けられている。また、キャリッジ3は、無端ベルト14を介してキャリッジ駆動モータ15と連結されている。キャリッジ3は、モータ15により駆動されて、プラテン2の記録用紙100の上を走査方向に往復移動する。

0013

インクジェットヘッド4は、キャリッジ3に搭載されている。インクジェットヘッド4には、ホルダ7の4色(ブラックイエローシアンマゼンタ)のインクカートリッジ17のそれぞれから、図示しないチューブによりインクが供給される。インクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに走査方向に移動しつつ、複数のノズル24(図2図6参照)から、プラテン2上の記録用紙100に向けてインクを吐出する。

0014

搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2上の記録用紙100を前方(以下、搬送方向ともいう)に搬送する。

0015

制御装置6は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ15等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。

0016

(インクジェットヘッドの詳細)
次に、インクジェットヘッド4の構成について、図2図6を参照して詳細に説明する。尚、図3図4では、図2に示される保護部材23の図示は省略されている。

0017

本実施形態のインクジェットヘッド4は、上述した4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)全てのインクを吐出するものである。図2図6に示すように、インクジェットヘッド4は、ノズルプレート20、流路部材21、及び、圧電アクチュエータ22を含むアクチュエータ装置25を備えている。尚、本実施形態のアクチュエータ装置25は、圧電アクチュエータ22のみを指すのではなく、圧電アクチュエータ22の上に配置される、保護部材23と、配線部材であるCOF(Chip On Film)50をも含む概念である。

0018

(ノズルプレート)
ノズルプレート20は、例えば、シリコン等で形成されたプレートである。ノズルプレート20には、搬送方向に配列された複数のノズル24が形成されている。

0019

より詳細には、図2図3に示すように、ノズルプレート20には、走査方向に並ぶ4つのノズル群27が形成されている。4つのノズル群27は、互いに異なるインクを吐出する。1つのノズル群27は、左右2つノズル列28からなる。各ノズル列28において、複数のノズル24が配列ピッチPで配列されている。また、2つのノズル列28の間では、ノズル24の位置が搬送方向にP/2ずれている。即ち、1つのノズル群27を構成する複数のノズル24は、2列の千鳥状に配列されている。

0020

尚、以下の説明において、インクジェットヘッド4の構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”の何れかの記号を付す。例えば、ノズル群27kとは、ブラックインクを吐出するノズル群27のことを指す。

0021

(流路部材)
流路部材21は、シリコン単結晶の基板である。図3図6に示すように、流路部材21には、複数のノズル24とそれぞれ連通する複数の圧力室26が形成されている。各圧力室26は、走査方向に長い、矩形の平面形状を有する。複数の圧力室26は、上述した複数のノズル24の配列に応じて搬送方向に配列され、1色のインクに対して2つの圧力室列、合計8つの圧力室列を構成している。流路部材21の下面はノズルプレート20で覆われている。また、各圧力室26の走査方向外側の端部がノズル24と重なっている。

0022

尚、流路部材21の上面には、後述する圧電アクチュエータ22の構成要素の1つである振動膜30が、複数の圧力室26を覆うように配置されている。振動膜30は、圧力室26を覆う絶縁性の膜であれば特には限定されない。例えば、本実施形態では、振動膜30は、シリコン基板の表面が酸化、あるいは、窒化されることにより形成された膜である。振動膜30の、各圧力室26の走査方向内側の端部(ノズル24と反対側の端部)を覆う部分には、インク供給孔30aが形成されている。

0023

後述する保護部材23内のリザーバ23bから、インクが、インク供給孔30aを通じて各圧力室26へと供給される。また、後述する圧電アクチュエータ22の圧電素子31によって、圧力室26内のインクに吐出エネルギーが付与されると、圧力室26に連通するノズル24からインクの液滴が吐出される。

0024

(アクチュエータ装置)
流路部材21の上面には、アクチュエータ装置25が配置されている。先にも触れたが、アクチュエータ装置25は、複数の圧電素子31を含む圧電アクチュエータ22と、保護部材23と、2枚のCOF50を有する。

0025

圧電アクチュエータ22は、流路部材21の上面全域に配置されている。図3図4に示すように、圧電アクチュエータ22は、複数の圧力室26とそれぞれ重なって配置された複数の圧電素子31を有する。複数の圧電素子31は、圧力室26の配列に従って搬送方向に配列され、8列の圧電素子列38を構成している。左側4つの圧電素子列38からは、複数の駆動接点46と2つのグランド接点47が左側に引き出され、図2図3のように、接点46,47は流路部材21の左端部に配置されている。右側4つの圧電素子列38からは、複数の駆動接点46と2つのグランド接点47が右側に引き出され、接点46,47は流路部材21の右端部に配置されている。圧電アクチュエータ22の詳細構成については後述する。

0026

保護部材23は、複数の圧電素子31を覆うように圧電アクチュエータ22の上面に配置されている。詳しくは、保護部材23は、8つの凹状保護部23aによって8つの圧電素子列38を個別に覆っている。尚、図2に示すように、保護部材23は圧電アクチュエータ22の左右両端部は覆っておらず、駆動接点46及びグランド接点47は保護部材23から露出している。また、保護部材23は、ホルダ7の4つのインクカートリッジ17と接続される4つのリザーバ23bを有する。各リザーバ23b内のインクは、インク供給流路23c、振動膜30のインク供給孔30aを介して、各圧力室26に供給される。

0027

図2図5に示されるCOF50は、ポリイミドフィルム等の絶縁材料からなる基材56を有する、可撓性の配線部材である。基材56にはドライバIC51が実装されている。2枚のCOF50の一端部は、それぞれ、プリンタ1の制御装置6(図1参照)に接続されている。2枚のCOF50の他端部は、圧電アクチュエータ22の左右両端部にそれぞれ接合されている。図4に示すように、COF50は、ドライバIC51に接続された複数の個別配線52と、グランド配線53とを有する。個別配線52は、個別接点54において圧電アクチュエータ22の駆動接点46と接続される。同じくグランド配線53も、グランド接点55において、圧電アクチュエータ22のグランド接点47と接続される。ドライバIC51は、個別接点54及び駆動接点46を介して、圧電アクチュエータ22の複数の圧電素子31の各々に駆動信号を出力する。

0028

<圧電アクチュエータの詳細>
圧電アクチュエータ22は、流路部材21の上面に形成された上述の振動膜30と、この振動膜30の上面に配置された複数の圧電素子31を有する。尚、図面を簡素化するため、図3図4では、図5図6の断面図では示されている保護膜40、絶縁膜41、及び、配線保護膜43の図示は省略されている。

0029

図3図6に示すように、複数の圧電素子31は、振動膜30の上面において、複数の圧力室26と重なって配置されている。即ち、複数の圧電素子31は、複数の圧力室26の配列に従って搬送方向に配列されている。これにより、複数の圧電素子31は、ノズル24及び圧力室26の配列に従って、1色のインクにつき2つの圧電素子列38、合計8つの圧電素子列38を構成している。尚、1色のインクに対応した2つの圧電素子列38からなる圧電素子31の群を、圧電素子群39と称する。図3に示すように、4色のインクにそれぞれ対応した、4つの圧電素子群39k,39y,39c,39mが走査方向に並んで配置されている。

0030

各圧電素子31は、振動膜30の上に順に配置された、第1電極32、圧電膜33、及び、第2電極34を有する。

0031

図5図6に示すように、第1電極32は、振動膜30の圧力室26と対向する領域に形成されている。また、図6に示すように、複数の圧電素子31の第1電極32は、圧電素子31間に配置された導電部35を介して繋がっている。言い換えれば、複数の第1電極32とそれらを繋ぐ導電部35によって、振動膜30の上面のほぼ全域を覆う共通電極36が構成されている。共通電極36は、例えば、白金(Pt)で形成されている。また、共通電極36の厚みは、例えば、0.1μmである。

0032

圧電膜33は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)等の圧電材料により形成される。あるいは、圧電膜33は、鉛が含有されていない非鉛系の圧電材料で形成されていてもよい。圧電膜33の厚みは、例えば、1.0〜2.0μmである。

0033

図3図4図6に示すように、本実施形態では、複数の圧電素子31の圧電膜33が搬送方向に繋がって、搬送方向に長い矩形状の圧電体37が構成されている。即ち、振動膜30を覆う共通電極36の上には、8つの圧力室列にそれぞれ対応した、圧電膜33からなる8つの圧電体37が配置されている。

0034

第2電極34は、圧電膜33の上面に配置されている。第2電極34は、圧力室26よりも一回り小さい矩形の平面形状を有し、圧力室26の中央部と重なっている。第1電極32とは違い、複数の圧電素子31の間で第2電極34は分離されている。つまり、第2電極34は、圧電素子31毎に個別に設けられた個別電極である。第2電極34は、例えば、イリジウム(Ir)や白金(Pt)で形成されている。第2電極34の厚みは、例えば、0.1μmである。

0035

図5図6に示すように、圧電アクチュエータ22は、さらに、保護膜40、絶縁膜41、駆動配線42、及び、配線保護膜43を有する。

0036

図5に示すように、保護膜40は、第2電極34の中央部が配置された領域を除いて、圧電体37の表面を覆うように配置されている。保護膜40の主な目的の1つは、空気中の水分の圧電膜33への浸入防止である。保護膜40は、例えば、アルミナ(Al2O3)、酸化シリコン(SiOx)、酸化タンタル(TaOx)等の酸化物、あるいは、窒化シリコン(SiN)の窒化物などの、透水性の低い材料で形成される。

0037

保護膜40の上には、絶縁膜41が形成されている。絶縁膜41の材質は特に限定されないが、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成される。この絶縁膜41は、第2電極34に接続される次述の駆動配線42と、共通電極36との間の、絶縁性を高めるために設けられている。

0038

絶縁膜41の上には、複数の圧電素子31の第2電極34からそれぞれ引き出された複数の駆動配線42が形成されている。駆動配線42は、例えば、アルミニウム(Al)で形成されている。図5に示すように、駆動配線42の一端部は、圧電膜33の上の第2電極34の端部と重なる位置に配置され、保護膜40と絶縁膜41を貫通する貫通導電部48によって第2電極34と導通している。

0039

複数の圧電素子31にそれぞれ対応する複数の駆動配線42は、左右に分かれて延びている。詳細には、図3に示すように、4つの圧電素子群39のうち、右側2つの圧電素子群39k,39yを構成する圧電素子31からは、駆動配線42が右方へ延び、左側2つの圧電素子群39c,39mを構成する圧電素子31からは、駆動配線42が左方へ延びている。

0040

駆動配線42の、第2電極34と反対側の端部には駆動接点46が設けられている。圧電アクチュエータ22の左端部及び右端部のそれぞれにおいて、複数の駆動接点46が搬送方向に一列に並んでいる。本実施形態では、1色のノズル群27を構成するノズル24が、600dpi(=42μm)のピッチで配列されている。また、2色のノズル群27に対応する圧電素子31の駆動配線42が左方又は右方に引き出されている。そのため、圧電アクチュエータ22の左端部及び右端部のそれぞれにおいて、複数の駆動接点46は、1つのノズル群27におけるノズル24の配列間隔のさらに半分、即ち、21μm程度の、非常に狭い間隔で配列されている。

0041

また、前後に一列に並ぶ複数の駆動接点46に対して、その配列方向の両側に2つのグランド接点47がそれぞれ配置されている。1つのグランド接点47は、1つの駆動接点46よりも接点面積が大きい。グランド接点47は、直下の保護膜40及び絶縁膜41を貫通する導通部65(図7図9(b)参照)を介して、共通電極36と接続されている。

0042

圧電アクチュエータ22の左端部及び右端部に配置された駆動接点46とグランド接点47は、保護部材23から露出している。また、圧電アクチュエータ22の左端部と右端部には、2枚のCOF50がそれぞれ接合される。駆動接点46は、COF50の個別配線52を介してドライバIC51と接続され、ドライバIC51から駆動接点46に駆動信号が供給される。グランド接点47は、COF50のグランド配線と接続されることによって、グランド電位が付与される。圧電アクチュエータ22とCOF50の接合部の詳細については、後で改めて説明する。

0043

図5に示すように、配線保護膜43は、複数の駆動配線42を覆うように配置されている。配線保護膜43により、複数の駆動配線42の間の絶縁性が高められている。また、配線保護膜43により、駆動配線42を構成する配線材料(Al等)の酸化も抑制される。配線保護膜43は、例えば、窒化シリコン(SiNx)等で形成されている。

0044

尚、図5図6に示すように、本実施形態では、第2電極34は、その周縁部を除いて保護膜40、絶縁膜41、配線保護膜43から露出している。即ち、保護膜40、絶縁膜41、配線保護膜43によって、圧電膜33の変形が阻害されにくい構造である。

0045

<圧電アクチュエータとCOFの接合部>
次に、圧電アクチュエータ22とCOF50の接合部の詳細について、図5図7図9を参照して説明する。

0046

先にも述べたが、圧電アクチュエータ22の左右方向端部には、複数の圧電素子31の第2電極34からそれぞれ引き出され、前後に並ぶ複数の駆動接点46と、複数の駆動接点46の前後両側に配置された2つのグランド接点47が設けられている。この圧電アクチュエータ22の端部には、COF50が導電性接着剤60で接合される。

0047

導電性接着剤60は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂導電粒子が配合されたものである。導電性接着剤60は、一般には、フィルム状(異方性接着フィルム:ACP)、あるいは、ペースト状(異方性導電ペースト:ACP)の形で使用される。接着剤中の導電粒子により、圧電アクチュエータ22の駆動接点46及びグランド接点47は、COF50側の個別接点54及びグランド接点55とそれぞれ接続される。

0048

まず、圧電アクチュエータ22側の接点構成について説明する。図7図9(a)に示すように、駆動接点46は、絶縁膜41上に配置された駆動配線42の先端部の上に形成されている。駆動接点46は、例えば、金(Au)で形成されている。

0049

絶縁膜41の上の、複数の駆動接点46よりも外側の位置には、駆動配線42と同じ材料(例えば、アルミニウム(Al))で形成されたベース層64が配置されている。ベース層64は、その下の絶縁膜41と保護膜40を貫通する導通部65を介して、共通電極36と導通している。グランド接点47は、上記ベース層64の上に形成されている。グランド接点47は、駆動接点46と同じ材料(例えば、金(Au))で形成されている。より詳細には、グランド接点47は、前後方向に間隔を空けて並ぶ3つの小接点68と、3つの小接点68の図の左端部同士を繋ぐ接続部69を有する。また、グランド接点47の面積は、駆動接点46の面積よりも大きい。

0050

図7に示すように、ベース層64及びその上のグランド接点47は、複数の駆動接点46よりも左右方向内側、即ち、COF50の縁Eに近い側に配置されている。

0051

次に、COF50側の配線構成について説明する。図7図8に示すように、COF50の基材56の端部の、圧電アクチュエータ22側の面には、それぞれ左右方向に延びる複数の個別配線52とグランド配線53が形成されている。個別配線52はドライバIC51(図5参照)に接続された配線であり、ドライバIC51から出力された駆動信号を、圧電素子31の第2電極34に供給する。複数の個別配線52は、圧電アクチュエータ22の駆動接点46と同様、非常に小さな間隔(例えば、21μm程度)で配置されている。グランド配線53は、プリンタのグランド線(図示省略)に繋がり、圧電素子31の第1電極32にグランド電位を付与するための配線である。グランド配線53の配線幅は個別配線52よりも大きい。尚、「配線幅」とは、配線の、その長さ方向である左右方向と直交する、前後方向の幅のことである。

0052

また、個別配線52とグランド配線53との間には、これらの配線52,53に沿って延びる2本のダミー配線58が配置されている。ダミー配線58は、個別配線52とグランド配線53の何れとも繋がっていない、独立した配線であり、第2電極34に繋がる個別配線52と第1電極32に繋がるグランド配線53の間の、ショートを防止するために設けられている。ダミー配線58の配線幅は、個別配線52と同じである。

0053

図8に示すように、複数の個別配線52、グランド配線53、及び、2本のダミー配線58は、それぞれ図の左右方向に延びている。これらの配線52,53,58の先端部は、COF50の左側の縁Eを含む縁部70に位置している。配線52,53,58の先端部は、これよりも基端側(右側)の部分と比べて、配線幅が大きくなっている。即ち、個別配線52の先端部には、幅が局部的に広がった幅広部61が形成されている。同様に、グランド配線53の先端部にも幅広部62が形成され、ダミー配線58の先端部にも幅広部63が形成されている。尚、幅広部61,62,63の範囲はほぼ同じである。即ち、幅広部61,62,63の間で、COF50の縁Eとは反対側の位置(図9二点鎖線Bの位置)はほぼ同じである。尚、後でも説明するが、上記の幅広部61,62,63は、COF50の製造段階で、基材56に配線52,53,58を形成した後に、この基材56を切断することによって生じるものである。

0054

図8(b)に示すように、個別配線52、グランド配線53、及び、ダミー配線58のそれぞれは、先端側の一部を除いて、ソルダーレジストからなる絶縁膜57で被覆されている。

0055

図7図9に示すように、COF50が圧電アクチュエータ22に接合されている状態では、COF50の左側の縁Eはグランド接点47と重なる位置にある。また、圧電アクチュエータ22の駆動接点46はグランド接点47よりも右側に位置しており、縁Eからは離れている。そのため、図9(a)に示すように、個別配線52の幅広部61は、配線長さ方向である左右方向において、駆動接点46を左側(縁E側)に越えた位置に配置される。つまり、COF50の、駆動接点46と接続される個別接点54は、個別配線52の、幅広部61よりもCOF50の縁Eから基端側(右側)に離れた部分に設けられることになる。

0056

一方、図7に示すように、圧電アクチュエータ22のグランド接点47は、駆動接点46よりもCOF50の縁Eに近い位置にある。そして、図9(b)に示すように、グランド配線53の幅広部62は、グランド接点47と重なっている。つまり、COF50の、グランド接点47と接続されるグランド接点55は、グランド配線53の幅広部62を含む。

0057

COF50の1つのグランド接点55の前後方向の幅、特に、幅広部62の幅は、圧電アクチュエータ22のグランド接点47の小接点68の幅よりも大きい。その上で、グランド接点55の幅広部62は、グランド接点47の3つの小接点68に跨って配置されている。

0058

また、図9(c)に示すように、ダミー配線58の幅広部63は、個別配線52の幅広部61と同様に、駆動接点46を左側に越えた位置に配置される。尚、ダミー配線58は、個別配線52やグランド配線53とは異なり、圧電アクチュエータ22側の配線と接続されるものではない。

0059

圧電アクチュエータ22側の接点46,47とCOF50側の接点54,55は、導電性接着剤60に含まれる導電粒子を介して電気的に接続される。また、これら接点の周囲には導電性接着剤60の主成分である熱硬化性樹脂が流れ出している。熱硬化性樹脂が硬化することによって、圧電アクチュエータ22とCOF50の基材56とが機械的に接合されている。

0060

尚、上記接点の周囲における導電性接着剤60の導電粒子の密度は、接点46と接点54の間、及び、接点47と接点55の間に挟まれている導電性接着剤60と比べるとかなり低い。別の言い方をすれば、圧電アクチュエータ22側の接点46,47とCOF50側の接点54,55との間で導電性接着剤60が圧縮されたときに、主成分の熱硬化性樹脂が導電粒子よりも先行して接点の周囲に流れ出すことで、接点間における導電粒子の密度が高くなる。図9では、特に導電粒子の密度が高くなった、接点間の部分が濃いハッチングで示されている。また、接点から離れるほど導電粒子の密度は小さくなることを示すため、図9では、接点から遠ざかる位置ほど接着剤60を示すハッチングが薄くなっている。従って、圧電アクチュエータ22側の接点46,47とCOF50側の接点54,55は、高い密度で配置された導電粒子によって電気的に接続される。一方、接点の周囲では導電粒子の密度が低いため、導電粒子による導通は生じにくくなる。

0061

上述したように、本実施形態では、COF50の縁部70に配置された、配線52,53,58の先端部に幅広部61,62,63がそれぞれ形成されている。この場合に、特に、狭い間隔で配置された個別配線52について、幅広部61で配線幅が大きくなっている分、縁Eの先端位置では、隣接する別の個別配線52との距離が小さくなっている。そのため、個別配線52が、幅広部61において圧電アクチュエータ22側の駆動接点46と接続されると、隣接する個別配線52間、あるいは、個別配線52と別の個別配線52と接続される駆動接点46との間で、ショートが発生する確率が上昇する。

0062

例えば、COF50を接合する際に、COF50の圧電アクチュエータ22に対する位置が僅かにずれただけで、個別配線52と、本来接続される対象ではない隣の駆動接点46との間でショートが発生する虞がある。また、本実施形態では、導電性接着剤60でCOF50が接合されているが、駆動接点46の周囲に導電性接着剤60の導電粒子が流れ出した場合に、上記距離が近いほどショートが発生しやすくなる。

0063

この点、本実施形態では、COF50の個別配線52の幅広部61が、個別配線52の配線長さ方向において駆動接点46から突き出すように、駆動接点46を越えた位置に配置されている。そして、駆動接点46と接続される個別接点54は幅広部61よりも基端側に位置している。つまり、駆動接点46と接続される位置においては、個別配線52の幅は幅広部61よりも小さい。従って、各個別配線52と、隣接する別の個別配線52及び駆動接点46との距離が大きくなることはなく、ショートが防止される。

0064

ショートをより確実に防止する観点から、駆動接点46から幅広部61の先端までの距離L、即ち、個別配線52の駆動接点46からの突き出し量は、個別配線52の幅Wの2倍以上であることが好ましい。但し、上記の突き出し量(距離L)が大きすぎると、圧電アクチュエータ22におけるCOF50の接合のための領域が大きくなり、圧電アクチュエータ22の大型化に繋がる。この観点からは、上記の距離Lは、個別配線52の幅Wの20倍以下であることが好ましい。

0065

図9に示すように、接点46,47の接合部、及び、接点54,55の接合部の周囲は、導電性接着剤60で覆われている。特に、圧電アクチュエータ22側の駆動接点46とは接続されない、個別配線52の幅広部61が導電性接着剤60の部分60aで覆われている。また、接着剤60の、幅広部61を覆っている部分60aにおける導電粒子の密度は、駆動接点46と個別接点54を接続する部分における導電粒子の密度よりも小さい。これにより、個別配線52間、あるいは、個別配線52と駆動接点46間のショートがより確実に防止される。尚、幅広部61を覆う材料は絶縁材料であれば何でもよいのだが、接合時に導電性接着剤60によって幅広部61が覆われるようにすれば、別の材料を用いて改めて幅広部61を覆う工程が不要となる。

0066

一方、グランド接点47とグランド接点55は、共通電極36と接続される接点である。多くの圧電素子31が同時に駆動されたときに、共通電極36では大きな電流が流れることから、電圧降下を抑えるために、共通電極36に繋がる経路抵抗は小さく抑えたい。この観点からは、グランド接点47とグランド接点55の接合部における接続抵抗を小さくすることが好ましい。

0067

この点、本実施形態では、COF50のグランド接点55は、グランド配線53の、配線幅が大きくなった幅広部62を含んでいる。また、圧電アクチュエータ22のグランド接点47は、駆動接点46よりも、COF50の縁Eに近い側に配置されている。これにより、グランド接点47は、幅広部62を含むグランド接点55と接続されることになる。従って、グランド接点47とグランド接点55の接合部における接続抵抗が小さくなる。

0068

図7に示すように、圧電アクチュエータ22側のグランド接点47は、3つの小接点68を有する。その上で、COF50側のグランド接点47は、グランド接点47の3つの小接点68に跨って配置されている。この構成では、3つの小接点68の間に接着剤60が入り込むため、接合強度が高くなる。

0069

本実施形態では、図7に示すように、COF50の個別配線52とグランド配線53との間に、両者間のショートを防止するためのダミー配線58が配置されている。このダミー配線58の先端部にも幅広部63が形成されているが、幅広部63は、個別接点54の幅広部61と同様に、配線長さ方向において駆動接点46を越えて、COF50の縁側に配置されている。この構成では、ダミー配線58の幅広部63も駆動接点46から離れて配置される。そのため、個別配線52とグランド配線53の両方と分離された、独立したパターンであるべきダミー配線58が、駆動接点46と導通してしまうことが防止される。

0070

また、図9に示すように、ダミー配線58の幅広部63も、個別配線52の幅広部61と同様、導電性接着剤60で覆われている。そのため、ダミー配線58と個別配線52及び駆動接点46の導通が確実に防止される。

0071

次に、インクジェットヘッド4の製造に関し、特に、アクチュエータ装置25を構成するCOF50の製造工程、及び、COF50の圧電アクチュエータ22への接合工程を中心に説明する。

0072

配線形成工程)
まず、図10を参照して、COF50の製造工程について説明する。まず、図10(a)に示すように、ポリイミド等の樹脂フィルムからなる基材56の一方の面に、個別配線52、グランド配線53、及び、ダミー配線58を含む配線パターンを形成する。また、このとき、個別配線52、グランド配線53、及び、ダミー配線58の先端部にそれぞれ繋がる検査接点71,72,73も一緒に形成する。検査接点71,72,73は、対応する配線52,53,58と比べて幅が広く、一定以上の面積を有する接点である。

0073

(被覆工程)
基材56に配線パターンを形成したら、基材56の、配線52,53,58の先端側の一部と検査接点71,72,73が配置された領域を除いて、ほぼ全面にソルダーレジストからなる絶縁膜57を形成する。また、基材56にドライバIC51を実装する。

0074

検査工程)
次に、検査接点71,72,73のそれぞれにプローブ(図示省略)を当てることにより、配線52,53,58のそれぞれについて導通検査を行う。尚、ダミー配線58は、ドライバIC51ともグランドとも接続されない独立した配線であるが、隣接する個別配線52やグランド配線53と導通していないことを確認する目的で、個別配線52やグランド配線53と同様に導通検査を行う。

0075

(切断工程)
導通検査を終えた後は、検査接点71,72,73は不要となる。そこで、図10(b)に示すように、基材56を、配線52,53,58と検査接点71,72,73との間で切断する。基材56の切断方法は特に限定されないが、例えば、2つの金型を用いたせん断加工により基材56を切断してもよい。尚、本実施形態では、基材56がポリイミドフィルムであることから、金型による基材56の切断が容易である。ただ、それでも、上記の基材56を切断した部分で配線が多少はつぶれ、基材56の切断縁Eを含む縁部70には、配線52,53,58に幅広部61,62,63がそれぞれ形成されることになる。尚、基材56として、ポリイミドフィルムよりも切断しにくい材料を使用すれば、配線のつぶれ方が大きくなり、その分、幅広部61,62,63は大きくなる。例えば、配線52の幅が10μmである場合に、幅広部61の切断縁Eにおける最大幅は15μm程度となる。

0076

(接合工程)
次に、上記の一連の工程によって製造されたCOF50を、圧電アクチュエータ22に接合する。まず、COF50の縁部70において、絶縁膜57から露出した個別配線52及びグランド配線53に導電性接着剤60(ACF又はACP)を付着させる。

0077

先にも少し触れたが、導電性接着剤60による接合では、接着剤60中の導電粒子が、熱硬化性樹脂とともに接点の周囲に流れ出したときに、本来導通が必要な箇所とは異なる箇所で不要な導通(ショート)が生じる虞がある。そこで、ここでは、導電性接着剤60を、基材56の絶縁膜57から露出した部分全域に配置するのではなく、特に導通が必要な領域を中心に配置する。例えば、図11では、基材56の絶縁膜57から露出した領域のうち、縁Eを含む縁部70には導電性接着剤60を配置しない。これにより、接合前の基材56において、個別配線52の幅広部61とダミー配線58の幅広部63が導電性接着剤60で覆われない。尚、図11では、グランド配線53の幅広部62も導電性接着剤60で覆われていないが、幅広部62はグランド接点47と導通する部分であることから、この幅広部62の上には導電性接着剤60を配置してもよい。

0078

次に、図12に示すように、圧電アクチュエータ22の接点46,47が配置された領域の上にCOF50を配置する。このとき、個別配線52の、幅広部61よりも基材56の縁Eから離れた位置にある個別接点54が、圧電アクチュエータ22の駆動接点46と重なるようにCOF50を配置する。そして、COF50の上面に当てたヒータプレート67によって、COF50を押し付ける。

0079

ヒータプレート67による押圧により、圧電アクチュエータ22とCOF50との間の導電性接着剤60が加熱されつつ圧縮される。このとき、駆動接点46と個別接点54の間、及び、グランド接点47とグランド接点55の間では、接着剤60中の熱硬化性樹脂が接点周囲に流れ出し、接点間が導電粒子によって導通する。また、接点周囲に流れ出した熱硬化性樹脂が硬化することにより、圧電アクチュエータ22とCOF50とが機械的に接合される。

0080

尚、図11のように、接合前の状態では、個別配線52の幅広部61及びダミー配線58の幅広部63には導電性接着剤60が付着されていないが、接合温度押圧力を適切にコントロールすることにより、周囲から流れてきた導電性接着剤60によって幅広部61,63を覆うようにすることができる。一方で、圧電アクチュエータ22の接点46,47とCOF50の接点54,55の間から導電粒子は極力流出させないように、やはり接合温度や押圧力をコントロールする。これにより、幅広部61,63を覆う部分の導電粒子の密度を、接点の接続部分における導電粒子の密度よりも小さくする。

0081

以上説明した実施形態において、インクジェットヘッド4が本発明の「液体吐出装置」に相当する。圧電アクチュエータ22が本発明の「アクチュエータ」に相当する。前後方向(搬送方向)が本発明の「第1方向」に相当し、左右方向(走査方向)が本発明の「第2方向」に相当する。また、左右方向(走査方向)はCOF50上の配線52,53,58が延びる方向でもあり、本発明の「配線長さ方向」に相当する。

0082

また、COF50が本発明の「配線部材」に相当する。ドライバIC51が本発明の「駆動回路」に相当する。COF50の個別接点54が本発明の「第1接点」に、個別配線52が本発明の「第1配線」に、幅広部61が本発明の「第1幅広部」にそれぞれ相当する。COF50のグランド接点55が本発明の「第2接点」に、グランド配線53が本発明の「第2配線」に、幅広部62が本発明の「第2幅広部」にそれぞれ相当する。ダミー配線が本発明の「第3配線」に、幅広部63が本発明の「第3幅広部」にそれぞれ相当する。さらに、圧電アクチュエータ22の駆動接点46が本発明の「第1素子接点」に相当し、グランド接点47の3つの小接点68が本発明の「第2素子接点」に相当する。

0083

次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。

0084

1]前記実施形態では、圧電アクチュエータ22のグランド接点47が複数の小接点68を有するが(図7参照)、図13(a)に示すように、COF50Aのグランド接点55Aが複数の小接点74を有するものであってもよい。図13(a)では、グランド接点55Aが3つの小接点74を有する。それぞれの小接点74の、COF50Aの縁EA側に位置する先端部には幅広部62Aが形成されている。また、圧電アクチュエータ22A側のグランド接点47Aは、いわゆるベタのパターンであり、グランド接点55Aの3つの小接点74を跨いで重なるように配置されている。この構成においても、COF50Aの接合時に3つの小接点74の間に接着剤が入り込むことから、接合強度が高められる。

0085

また、図13(b)に示すように、圧電アクチュエータ22Bのグランド接点47Bが3つの小接点68Bを有し、且つ、COF50Bのグランド接点55Bが3つの小接点74Bを有する構成であってもよい。3つの小接点74Bの、縁EB側の先端部には幅広部62Bが形成されている。3つの小接点68Bと3つの小接点74Bはそれぞれ重なった状態で接合される。この場合でも、3つの小接点68Bと3つの小接点74Bとの間に接着剤が入り込むため接合強度が高まる。さらに、図7図13(a)と比べて、グランド接点47とグランド接点55との間の隙間が複雑な形状となるため、接合強度アップの効果は高い。

0086

また、図13(b)ではグランド接点47Bの小接点68Bの、縁EBに沿った方向の幅W1が、グランド接点55Bの小接点74Bの、幅広部62Bの幅W2よりも大きい。この構成では、グランド接点47Bの小接点68Bが、小接点74Bの幅広部62Bと全面的に重なるため、接点47Bと接点55B間の接続抵抗を小さくできる。

0087

図13(c)は、図13(b)と類似した形態である。但し、圧電アクチュエータ22C側の3つの小接点68Cが、COF50C側の3つの小接点74Cの幅広部62Cと重なる部分で互いに繋がり、ベタパターン75が形成されている点で異なる。この構成においても、グランド接点47Cの小接点68Cが、グランド接点55Cの小接点74Cの幅広部62Cと全面的に重なるため、接点47Cと接点55C間の接続抵抗を小さくできる。

0088

2]前記実施形態では、図7に示すように、圧電アクチュエータ22のグランド接点47は駆動接点46よりもCOF50の縁Eに近い位置にのみ配置されているが、図14に示すように、グランド接点47Dが駆動接点46と同じ位置まで延びていてもよい。即ち、グランド接点47Dは少なくとも駆動接点46よりも縁E側に位置する部分を有していればよい。

0089

3]図15のように、COF50Eの個別配線52とグランド配線53との間のダミー配線が省略されてもよい。但し、個別配線52とグランド配線53との間のショートを防止する観点から、これら2種類の配線52,53の距離を一定以上離すことが好ましい。具体的には、個別配線52が少なくとも1本以上配置されるのと同じスペースを確保するのがよい。例えば、個別配線52の幅が10μmであれば、上記距離L1は20μm以上とする。

0090

4]前記実施形態では、圧電アクチュエータ22とCOF50とが導電性接着剤60(ACF又はACP)で接合されていたが、図16のように、非導電性接着剤80(NCF又はNCP)で接合されてもよい。具体的には、圧電アクチュエータ22の駆動接点46等とCOF50の個別接点54等が接触した状態で、接点周囲において接着剤80が硬化することにより、圧電アクチュエータ22とCOF50とが機械的に接合される。非導電性接着剤80は、導電性接着剤60とは違って導電粒子を含んでいないため、接合時に接着剤が接点周囲に流れても、それによって接点以外の部分で導通(ショート)が発生することはない。尚、図16においても、COF50の個別配線52の幅広部61が、非導電性接着剤80で覆われていることが好ましい。

0091

5]COFの配線の幅広部が、COFの接合に使用される接着剤で覆われる必要は必ずしもない。例えば、図17に示すように、個別配線52の幅広部61が、接着剤80とは別の絶縁材料81で覆われてもよい。

0092

6]図18に示すように、配線保護膜43Fが、駆動配線42の駆動接点46が配置される端部を覆うように形成されてもよい。駆動配線42の端部と駆動接点46は、配線保護膜43Fを貫通する導通部90によって導通している。この構成では、配線保護膜43Fが、駆動接点46との導通する部分を除いて駆動配線42全体を覆うため、COF50の製造時において、基材56の切断時(図10(b)参照)に縁EFに導電性バリが生じたとしても、そのバリによって、駆動配線42と、COF50の個別配線52(幅広部61)とが導通することが抑制される。

0093

尚、図18(a)のように、グランド接点47が配置されるベース層64も、配線保護膜43Fによって覆われてもよいが、グランド接点47の場合は、上記のバリによる導通はあまり問題ないため、配線保護膜43Fによって覆われていなくてもよい。ベース層64が配線保護膜43Fによって覆われる場合は、ベース層64とグランド接点47は、配線保護膜43Fを貫通する導通部91によって導通する。

0094

7]1つのインクジェットヘッドにおける、駆動接点、及び、グランド接点の配置は、前記実施形態の構成(図2図4参照)には限られない。例えば、全ての圧電素子の配線が一方向に引き出され、圧電アクチュエータの一端部に全ての駆動接点が一列に配列されてもよい。また、全ての圧電素子の配線が中央に引き出され、圧電アクチュエータの中央部において全ての駆動接点が一列に配列されてもよい。また、グランド接点の数は2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。

0095

8]前記実施形態のインクジェットヘッド4は、記録用紙100の幅方向に移動しながらインクを吐出する、いわゆるシリアルタイプヘッドであるが、用紙幅方向に配列されたノズルを有する、いわゆるラインタイプのヘッドに対しても同様に本発明を適用できる。

0096

以上説明した実施形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、本発明は、液体吐出以外の用途で用いられるアクチュエータ装置全般にも適用可能である。また、アクチュエータは、複数の圧電素子からなる圧電アクチュエータにも限られない。例えば、駆動素子として、電流を流したときの発熱を利用して対象を駆動する、発熱体を有するアクチュエータであってもよい。

0097

4インクジェットヘッド
22圧電アクチュエータ
25アクチュエータ装置
26圧力室
31圧電素子
32 第1電極
34 第2電極
36共通電極
46駆動接点
47グランド接点
51ドライバIC
52 個別配線
53グランド配線
54 個別接点
55 グランド接点
58ダミー配線
60導電性接着剤
61幅広部
62 幅広部
63 幅広部
68 小接点
70 縁部
71検査接点
74 小接点
80非導電性接着剤
81 絶縁材料

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