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技術 ボールエンドミル

出願人 三菱日立ツール株式会社
発明者 前田勝俊横川満広韓剛
出願日 2016年9月28日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-189539
公開日 2018年4月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2018-051673
状態 特許登録済
技術分野 フライス加工
主要キーワード 先端外周縁 概略円柱状 掘り加工 先端刃 多軸制御 最先端位置 各外周刃 凸円弧状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年4月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

ギャッシュ切屑排出性を安定して高められ、加工面精度を向上できること。

解決手段

エンドミル本体2と、エンドミル本体2の軸線O方向の先端部に配置され、軸線O回りの回転軌跡が軸線O上に中心を有する半球状をなす複数の底刃9と、複数の底刃9に対してエンドミル回転方向Tにそれぞれ隣接配置される複数のギャッシュ7と、を備え、複数の底刃9には、径方向の内側へ向けた刃長が、複数の底刃9の中で最も長くされた第1底刃9Aと、第1底刃9Aに対してエンドミル回転方向Tに隣り合い、第1底刃9Aよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第2底刃9Bと、第2底刃9Bに対してエンドミル回転方向Tに隣り合い、第2底刃9Bよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第3底刃9Cと、が含まれ、エンドミル本体2の正面視で、第1底刃9Aに対して第2底刃9Bの芯高が大きく、第2底刃9Bに対して第3底刃9Cの芯高が大きい。

概要

背景

従来、例えば下記特許文献1に示されるようなボールエンドミルが知られている。
ボールエンドミルは、軸状をなすエンドミル本体を有しており、エンドミル本体の軸線方向の先端部には刃部が形成され、エンドミル本体の刃部以外の部位はシャンク部とされている。また、刃部には、切屑排出溝ギャッシュ外周刃及び底刃先端刃)がそれぞれ複数形成されている。

ボールエンドミルの複数の底刃のうち、少なくとも1つの底刃は、刃長方向の先端が軸線付近まで延ばされた長刃となっている。複数の底刃の軸線回り回転軌跡は、軸線上に中心を有する半球状をなす。切削加工時においてボールエンドミルは、エンドミル本体の軸線回りのうちエンドミル回転方向に回転させられつつ、軸線に交差する方向に送りを与えられて被削材切り込んでいく。

概要

ギャッシュの切屑排出性を安定して高められ、加工面精度を向上できること。エンドミル本体2と、エンドミル本体2の軸線O方向の先端部に配置され、軸線O回りの回転軌跡が軸線O上に中心を有する半球状をなす複数の底刃9と、複数の底刃9に対してエンドミル回転方向Tにそれぞれ隣接配置される複数のギャッシュ7と、を備え、複数の底刃9には、径方向の内側へ向けた刃長が、複数の底刃9の中で最も長くされた第1底刃9Aと、第1底刃9Aに対してエンドミル回転方向Tに隣り合い、第1底刃9Aよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第2底刃9Bと、第2底刃9Bに対してエンドミル回転方向Tに隣り合い、第2底刃9Bよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第3底刃9Cと、が含まれ、エンドミル本体2の正面視で、第1底刃9Aに対して第2底刃9Bの芯高が大きく、第2底刃9Bに対して第3底刃9Cの芯高が大きい。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ギャッシュの切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できるボールエンドミルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

軸状をなすエンドミル本体と、前記エンドミル本体の軸線方向の先端部に、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが凸円弧状をなすとともに、前記軸線回りの回転軌跡が前記軸線上に中心を有する半球状をなす複数の底刃と、複数の前記底刃に対して、前記軸線回りのうちエンドミル回転方向にそれぞれ隣接配置される複数のギャッシュと、を備えたボールエンドミルであって、複数の前記底刃には、前記軸線に直交する径方向の内側へ向けた刃長が、複数の前記底刃の中で最も長くされた第1底刃と、前記第1底刃に対して、前記エンドミル回転方向に隣り合い、前記第1底刃よりも前記径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第2底刃と、前記第2底刃に対して、前記エンドミル回転方向に隣り合い、前記第2底刃よりも前記径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第3底刃と、が含まれ、前記エンドミル本体を前記軸線方向の先端から基端側へ向けて見た前記エンドミル本体の正面視で、前記第1底刃に対して前記第2底刃の芯高が大きく、前記第2底刃に対して前記第3底刃の芯高が大きいことを特徴とするボールエンドミル。

請求項2

請求項1に記載のボールエンドミルであって、前記第1底刃、前記第2底刃及び前記第3底刃の組が、前記軸線を中心として180°回転対称に2組設けられたことを特徴とするボールエンドミル。

請求項3

請求項1又は2に記載のボールエンドミルであって、前記第3底刃のギャッシュに対して、前記第2底刃のギャッシュの深さが深く、前記第2底刃のギャッシュに対して、前記第1底刃のギャッシュの深さが深いことを特徴とするボールエンドミル。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールエンドミルであって、前記第1底刃のギャッシュ、前記第2底刃のギャッシュ及び前記第3底刃のギャッシュが、互いにすべて連通していることを特徴とするボールエンドミル。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載のボールエンドミルであって、前記エンドミル本体の外周には、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが前記底刃の前記径方向の外側の端縁に接続するとともに、前記端縁から前記軸線方向の基端側へ向けて延びる複数の外周刃が備えられ、前記エンドミル本体の正面視で、前記第1底刃は、前記外周刃との接続部分から前記径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端が、前記軸線を越えた位置に配置されることを特徴とするボールエンドミル。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載のボールエンドミルであって、前記エンドミル本体の外周には、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが前記底刃の前記径方向の外側の端縁に接続するとともに、前記端縁から前記軸線方向の基端側へ向けて延びる複数の外周刃が備えられ、複数の前記外周刃は、前記軸線回りに互いに等ピッチで配置されていることを特徴とするボールエンドミル。

技術分野

0001

本発明は、ボールエンドミルに関する。

背景技術

0002

従来、例えば下記特許文献1に示されるようなボールエンドミルが知られている。
ボールエンドミルは、軸状をなすエンドミル本体を有しており、エンドミル本体の軸線方向の先端部には刃部が形成され、エンドミル本体の刃部以外の部位はシャンク部とされている。また、刃部には、切屑排出溝ギャッシュ外周刃及び底刃先端刃)がそれぞれ複数形成されている。

0003

ボールエンドミルの複数の底刃のうち、少なくとも1つの底刃は、刃長方向の先端が軸線付近まで延ばされた長刃となっている。複数の底刃の軸線回り回転軌跡は、軸線上に中心を有する半球状をなす。切削加工時においてボールエンドミルは、エンドミル本体の軸線回りのうちエンドミル回転方向に回転させられつつ、軸線に交差する方向に送りを与えられて被削材切り込んでいく。

先行技術

0004

特開2003−39223号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来のボールエンドミルでは、下記の課題を有していた。
底刃により切削されて生じた切屑は、該底刃のエンドミル回転方向に隣接配置されるギャッシュ内を通して排出されるが、このギャッシュ内に切屑詰まりが生じることがあった。特に6枚刃以上の多刃のボールエンドミルの場合、底刃の数が多い分、各ギャッシュの容積は小さくなり、ギャッシュ内に切屑が詰まりやすい。切屑詰まりが生じると、被削材の加工面精度を良好に保つことが難しくなる。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ギャッシュの切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できるボールエンドミルを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様は、軸状をなすエンドミル本体と、前記エンドミル本体の軸線方向の先端部に、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが凸円弧状をなすとともに、前記軸線回りの回転軌跡が前記軸線上に中心を有する半球状をなす複数の底刃と、複数の前記底刃に対して、前記軸線回りのうちエンドミル回転方向にそれぞれ隣接配置される複数のギャッシュと、を備えたボールエンドミルであって、複数の前記底刃には、前記軸線に直交する径方向の内側へ向けた刃長が、複数の前記底刃の中で最も長くされた第1底刃と、前記第1底刃に対して、前記エンドミル回転方向に隣り合い、前記第1底刃よりも前記径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第2底刃と、前記第2底刃に対して、前記エンドミル回転方向に隣り合い、前記第2底刃よりも前記径方向の内側へ向けた刃長が短くされた第3底刃と、が含まれ、前記エンドミル本体を前記軸線方向の先端から基端側へ向けて見た前記エンドミル本体の正面視で、前記第1底刃に対して前記第2底刃の芯高が大きく、前記第2底刃に対して前記第3底刃の芯高が大きいことを特徴とする。

0008

本発明のボールエンドミルは、軸線回りの回転軌跡が半球状をなす複数の底刃として、第1底刃、第2底刃及び第3底刃を備えている。第1底刃、第2底刃及び第3底刃は、径方向の内側へ向けた刃長がこの順に短くされている。つまり、第1〜第3底刃のうち、第1底刃の刃長が最も長く、第3底刃の刃長が最も短い。

0009

また、これらの底刃には、各底刃のエンドミル回転方向に隣接してギャッシュがそれぞれ配置される。ギャッシュの径方向内側へ向けたギャッシュ長さは、該ギャッシュが隣接する底刃の刃長に対応している。このため、第1底刃のギャッシュ、第2底刃のギャッシュ及び第3底刃のギャッシュは、ギャッシュ長さがこの順に短くなる。つまり、第1〜第3底刃の各ギャッシュのうち、第1底刃のギャッシュの長さが最も長く、第3底刃のギャッシュの長さが最も短い。そして、ギャッシュ長さが短くなるほどギャッシュ容積は小さくなることから、切屑の排出性を確保することが難しくなる。

0010

そこで本発明では、第1底刃、第2底刃及び第3底刃の芯高を、この順に大きく設定するという特別な構成を用いた。
なお、本発明でいう「芯高(芯高寸法)」とは、エンドミル本体の正面視において、底刃の刃長方向の所定位置(例えば底刃の径方向の内端(底刃のうち最も軸線に近い部分)等)を通る接線に平行で軸線を通る仮想直線(エンドミル本体の径方向に延びる基準線)に対して、前記接線が離間する距離を指す。また、前記仮想直線(基準線)に対して底刃が、軸線回りのうちエンドミル回転方向に位置する場合には「芯上がり」といい、エンドミル回転方向とは反対側に位置する場合には「芯下がり」という。言い換えると、「底刃の芯高が芯上がりである」とは、「底刃のラジアルレーキが負(ネガティブ)角である」に相当する。また、「底刃の芯高が芯下がりである」とは、「底刃のラジアルレーキが正(ポジティブ)角である」に相当する。

0011

そして、第1底刃、第2底刃及び第3底刃の芯高をこの順に大きくするということは、第1底刃、第2底刃及び第3底刃のラジアルレーキ(径方向すくい角)を、この順に負角側に大きくすることを意味する。底刃のラジアルレーキが負角側に大きくなると、底刃が、径方向の外側へ向かうに従いエンドミル回転方向とは反対側へ向けて延びる傾斜の度合いが強くなる。つまり、底刃の径方向に沿う単位長さあたりの軸線回りへの変位量が大きくなる。これにより、底刃に切削されて生じた切屑が、ギャッシュ内において径方向外側へ向けて流されやすくなる。

0012

従って、第1底刃、第2底刃及び第3底刃の芯高をこの順に大きくすることにより、底刃によって生成された切屑の排出性を、第1底刃、第2底刃及び第3底刃の順に高めることができる。すなわち、第1〜第3底刃のうち、ギャッシュ長さが短くされて切屑の排出性を確保しにくい(切屑詰まりが生じやすい)ものほど芯高を大きく設定することで、切屑の排出性をすべての底刃で良好に維持することが可能になる。これにより、底刃で加工した被削材の加工面精度が、安定して高められる。

0013

さらに、第1〜第3底刃の芯高が互いに異なっていることから、これらの底刃同士は互いにねじれ角が異なっており、つまり不等リードに設定されている。なお、「ねじれ角」とは、エンドミル本体を径方向から見たエンドミル本体の側面視において、底刃と軸線とが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指す。
また、第1〜第3底刃の芯高が互いに異なっていることから、これらの底刃の軸線回りの配置ピッチについては、不等ピッチに設定される。
上述した不等リード及び不等ピッチの作用によって、本発明のボールエンドミルは、切削時の共振びびり振動等)を効果的に抑制することができ、さらなる加工面精度向上の効果を奏する。

0014

上より本発明のボールエンドミルによれば、ギャッシュの切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できる。

0015

また、上記ボールエンドミルにおいて、前記第1底刃、前記第2底刃及び前記第3底刃の組が、前記軸線を中心として180°回転対称に2組設けられたことが好ましい。

0016

この場合、底刃が6枚刃とされたボールエンドミルとなり、切削の加工能率を高めることができる。そしてこのような多刃のボールエンドミルであっても、本発明によれば、切屑排出性が安定して確保される。

0017

また、上記ボールエンドミルにおいて、前記第3底刃のギャッシュに対して、前記第2底刃のギャッシュの深さが深く、前記第2底刃のギャッシュに対して、前記第1底刃のギャッシュの深さが深いことが好ましい。

0018

この場合、第3底刃のギャッシュ、第2底刃のギャッシュ及び第1底刃のギャッシュが、この順に深くされている。つまり、第1〜第3底刃のうち、刃長が長いものほどギャッシュの容積が大きくなる。言い換えると、切削量の多い底刃になるほどギャッシュ容積を大きく確保できる。従って、切屑排出性がより安定して高められる。
なお、「ギャッシュの深さ」とは、軸線回りに底刃が回転して得られる半球状の回転軌跡(仮想半球面)と、ギャッシュ底面のうち前記回転軌跡からの距離が最も遠い部分(ギャッシュ最深部)との間の前記距離を指す。

0019

また、上記ボールエンドミルにおいて、前記第1底刃のギャッシュ、前記第2底刃のギャッシュ及び前記第3底刃のギャッシュが、互いにすべて連通していることが好ましい。

0020

この場合、第1〜第3底刃の各ギャッシュが、互いにすべて連通しているので、切屑排出性を安定して高められるという上述した効果が、より顕著なものとなる。

0021

また、上記ボールエンドミルにおいて、前記エンドミル本体の外周には、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが前記底刃の前記径方向の外側の端縁に接続するとともに、前記端縁から前記軸線方向の基端側へ向けて延びる複数の外周刃が備えられ、前記エンドミル本体の正面視で、前記第1底刃は、前記外周刃との接続部分から前記径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端が、前記軸線を越えた位置に配置されることが好ましい。

0022

この場合、外周刃との接続部分から径方向内側へ向けて延びる第1底刃の刃長方向の先端が、軸線を越えた位置に配置されているので、エンドミル本体の軸線方向の最先端位置(つまり軸線上)においても、第1底刃により被削材に切削加工を施すことができる。従って、加工面精度を高めつつ、様々な切削加工の種類や形態に対応しやすい。

0023

また、上記ボールエンドミルにおいて、前記エンドミル本体の外周には、前記軸線回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが前記底刃の前記径方向の外側の端縁に接続するとともに、前記端縁から前記軸線方向の基端側へ向けて延びる複数の外周刃が備えられ、複数の前記外周刃は、前記軸線回りに互いに等ピッチで配置されていることが好ましい。

0024

この場合、複数の外周刃が等ピッチで配置されているので、ボールエンドミルの製造時において、これらの外周刃を成形しやすく、製造容易性が高められる。

発明の効果

0025

本発明のボールエンドミルによれば、ギャッシュの切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の一実施形態に係るボールエンドミルの要部(刃部)を示す斜視図である。
図1のボールエンドミルの側面図(平面図)である。
図1のボールエンドミルの正面図である。
図1のボールエンドミルのギャッシュ深さを説明するための模式図である。

実施例

0027

以下、本発明の一実施形態に係るボールエンドミル1について、図面を参照して説明する。本実施形態のボールエンドミル1は、金属材料等からなる被削材に対して、例えば仕上げ加工中仕上げ加工等の切削加工(転削加工)を施す切削工具転削工具)である。

0028

図1図3に示されるように、本実施形態のボールエンドミル1は、軸状をなし、例えば超硬合金高速度工具鋼等からなるエンドミル本体2を有している。
エンドミル本体2は概略円柱状をなしており、該エンドミル本体2の軸線O方向に沿う少なくとも先端部に刃部3aが形成され、該刃部3a以外の部位はシャンク部3bとされている。

0029

ボールエンドミル1は、エンドミル本体2において円柱状をなすシャンク部3bがマシニングセンタ等の工作機械主軸に取り付けられ、該主軸によって軸線O回りのうちエンドミル回転方向Tに回転させられる。ボールエンドミル1は、上記回転とともに軸線O方向への切り込みや軸線Oに直交する径方向への送りを与えられて、被削材に切り込んでいき、被削材を切削加工する。ボールエンドミル1は、被削材に対して例えば曲面加工ポケット加工、深掘り加工、R加工(凸R、凹R)、面取り加工穴加工等の各種加工を施す。
具体的に、本実施形態のボールエンドミル1は、例えば4〜6軸の多軸制御のマシニングセンタ等の工作機械の主軸に着脱可能に装着されて、被削材の切削に用いられる。

0030

ボールエンドミル1により被削材を切削加工する際には、該ボールエンドミル1の刃部3a及び被削材の切削面(被加工部)に向けて、クーラントが供給される。クーラントとしては、例えば、油性又は水溶性切削液剤や圧縮エア等が用いられる。クーラントは、工作機械の主軸からエンドミル本体2の内部を通して刃部3a及び加工面に供給されてもよいし、エンドミル本体2の外部から刃部3a及び加工面に供給されてもよい。

0031

本実施形態では、エンドミル本体2の軸線Oに沿う方向(軸線Oが延在する方向)を、軸線O方向という。また、軸線O方向のうち、シャンク部3bから刃部3aへ向かう方向を先端側といい、刃部3aからシャンク部3bへ向かう方向を基端側という。
また、軸線Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち、軸線Oに接近する向きを径方向の内側といい、軸線Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、軸線O回りに周回する方向を周方向という。周方向のうち、切削時に工作機械の主軸によりエンドミル本体2が回転させられる向きをエンドミル回転方向Tといい、これとは反対の回転方向を、エンドミル回転方向Tとは反対側(反エンドミル回転方向)という。

0032

刃部3aの外周には、周方向に互いに間隔をあけて複数の切屑排出溝4が形成されている。本実施形態ではこれらの切屑排出溝4が、互いに周方向に等間隔をあけて配置されている。また、本実施形態の例では、刃部3aの外周に切屑排出溝4が6つ形成されている。

0033

切屑排出溝4は、エンドミル本体2の軸線O方向の先端から基端側へ向かうに従い周方向へ向けて延びている。本実施形態では、切屑排出溝4が、エンドミル本体2の先端面(刃部3aにおいて軸線O方向の先端側を向く凸半球面)に開口し、該先端面から基端側へ向かうに従い徐々にエンドミル回転方向Tとは反対側へ向けてねじれて、螺旋状に延びている。切屑排出溝4は、刃部3aの基端側の端部において、エンドミル本体2の外周に切り上がっている。言い換えると、エンドミル本体2において、軸線O方向に沿う切屑排出溝4が形成された領域が、刃部3aとされている。

0034

各切屑排出溝4は、エンドミル回転方向Tを向く壁面を有しており、この壁面のうち、切れ刃に隣接する部分がすくい面である。具体的には、切れ刃のすくい面のうち、該切れ刃の後述する外周刃5及び底刃9に隣接する部分がそれぞれ、外周刃5のすくい面11及び底刃9のすくい面12とされている。底刃9のすくい面12は、切屑排出溝4のうちギャッシュ7に形成されている。

0035

切屑排出溝4の軸線O方向の先端部には、溝状のギャッシュ7が形成されている。図3に示されるように、エンドミル本体2を軸線O方向の先端から基端側へ向けて見たエンドミル本体2の正面視において、ギャッシュ7は径方向に沿うように延びている。ギャッシュ7は、径方向内側の端部が軸線O近傍に配置されており、この径方向内側の端部から径方向外側へ向かうに従い徐々に軸線O方向の基端側へ向けて延びている。

0036

ギャッシュ7の数は、切屑排出溝4の数に対応しており、本実施形態の例では6つのギャッシュ7が形成されている。これらのギャッシュ7には、後述する底刃9の種類(第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9C)に応じて、複数種類のギャッシュ7A〜7Cが含まれる。これらのギャッシュ7A〜7Cについては、別途後述する。

0037

図1図3に示されるように、刃部3aには、周方向に互いに間隔をあけて複数の切れ刃が形成されている。これらの切れ刃はそれぞれ、外周刃5及び底刃9を有している。切れ刃は、外周刃5と底刃9とが互いに接続されることで、全体として略J字状をなしている。切れ刃の数は、切屑排出溝4の数に対応しており、本実施形態の例では6つ(6組)の切れ刃が設けられている。つまり、本実施形態のボールエンドミル1は、6枚刃のボールエンドミルである。

0038

切れ刃のうち、底刃(先端刃)9は、切屑排出溝4の先端部に位置するギャッシュ7のエンドミル回転方向Tを向く壁面と、エンドミル本体2の先端面との交差稜線に形成されている。底刃9は、ギャッシュ7の前記壁面の先端外周縁に沿って延びており、エンドミル本体2の先端外周側へ向けて凸となる円弧状をなしている。底刃9は、その先端(径方向内端)から基端側へ向かうに従い径方向外側へ向けて、かつエンドミル回転方向Tとは反対側へ向けて延びている。

0039

底刃9は、ギャッシュ7のエンドミル回転方向Tを向く壁面のうち、先端外周側の端部に位置するすくい面12と、刃部3aの先端面のうち、該ギャッシュ7のエンドミル回転方向Tとは反対側に隣接する先端逃げ面8と、の交差稜線に形成されている。
刃部3aの先端面には、周方向に隣り合うギャッシュ7(切屑排出溝4)同士の間に、先端逃げ面8がそれぞれ形成されている。先端逃げ面8は、底刃9からエンドミル回転方向Tとは反対側へ向かうに従い基端内周側へ向けて傾斜しており、これにより底刃9には逃げ角が付与されている。

0040

複数(本実施形態の例では6つ)の底刃9は、エンドミル本体2の軸線O方向の先端部に、軸線O回りに互いに間隔をあけて配置され、それぞれが凸円弧状をなすとともに、軸線O回りの回転軌跡が軸線O上に中心を有する半球状をなす。複数の底刃9には、互いに刃長が異なる複数種類の底刃が含まれており、具体的には、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの3種類の底刃が含まれる。

0041

これらの底刃9A〜9Cのうち、第1底刃9Aは、径方向の内側へ向けた刃長が、複数の底刃9の中で最も長くされている。図3に示されるエンドミル本体2の正面視で、第1底刃9Aは、外周刃5との接続部分(第1底刃9Aにおける径方向外側の端縁)から径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端21が、軸線Oを越えた位置に配置されている。つまり第1底刃9Aは、径方向内側へ向けて延びる刃長方向の先端21が、軸線Oに達しているとともに、その先にまで延びている。なお、本実施形態において第1底刃9Aは、軸線Oの直上は通っていない。

0042

第2底刃9Bは、第1底刃9Aに対して、エンドミル回転方向Tに隣り合い、第1底刃9Aよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされている。図3に示されるエンドミル本体2の正面視で、第2底刃9Bは、外周刃5との接続部分(第2底刃9Bにおける径方向外側の端縁)から径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端22が、軸線Oを越えない位置に配置されている。つまり第2底刃9Bは、径方向内側へ向けて延びる刃長方向の先端22が、軸線Oに達していない。

0043

第3底刃9Cは、第2底刃9Bに対して、エンドミル回転方向Tに隣り合い、第2底刃9Bよりも径方向の内側へ向けた刃長が短くされている。図3に示されるエンドミル本体2の正面視で、第3底刃9Cは、外周刃5との接続部分(第3底刃9Cにおける径方向外側の端縁)から径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端23が、軸線Oを越えない位置に配置されている。つまり第3底刃9Cは、径方向内側へ向けて延びる刃長方向の先端23が、軸線Oに達していない。また、第3底刃9Cの先端23は、第2底刃9Bの先端22よりも径方向の外側に配置されている(軸線Oからの距離が遠い)。

0044

本実施形態では、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの組が、軸線Oを中心として180°回転対称に2組設けられている。
そして、図3に示されるエンドミル本体2の正面視において、第1底刃9Aに対して第2底刃9Bの芯高が大きく、第2底刃9Bに対して第3底刃9Cの芯高が大きい。

0045

なお、本実施形態でいう「芯高(芯高寸法)」とは、図3に示されるエンドミル本体2の正面視において、底刃9の刃長方向の所定位置(例えば底刃9の径方向の内端(底刃9のうち最も軸線Oに近い部分)等)を通る接線に平行で軸線Oを通る仮想直線(エンドミル本体2の径方向に延びる基準線)に対して、前記接線が離間する距離を指す。また、前記仮想直線(基準線)に対して底刃9が、軸線O回りのうちエンドミル回転方向Tに位置する場合には「芯上がり」といい、エンドミル回転方向Tとは反対側に位置する場合には「芯下がり」という。言い換えると、「底刃9の芯高が芯上がりである」とは、「底刃9のラジアルレーキが負(ネガティブ)角である」に相当する。また、「底刃9の芯高が芯下がりである」とは、「底刃9のラジアルレーキが正(ポジティブ)角である」に相当する。

0046

詳しくは、図3において、符号TL1は、第1底刃9Aの刃長方向の所定位置(第1底刃9Aのうち最も軸線Oに近い部分)を通る接線を表している。また、符号L1は、接線TL1に平行で軸線Oを通る仮想直線(基準線)を表している。また、符号H1は、仮想直線L1と接線TL1との間の距離を表している。つまり符号H1は、第1底刃9Aの芯高(芯高寸法)であり、図3に示されるように第1底刃9Aの芯高H1は、芯上がりである。

0047

また、図3において、符号TL2は、第2底刃9Bの刃長方向の所定位置(第2底刃9Bのうち最も軸線Oに近い部分。つまり先端22)を通る接線を表している。また、符号L2は、接線TL2に平行で軸線Oを通る仮想直線(基準線)を表している。また、符号H2は、仮想直線L2と接線TL2との間の距離を表している。つまり符号H2は、第2底刃9Bの芯高(芯高寸法)であり、図3に示されるように第2底刃9Bの芯高H2は、芯上がりである。
そして、第1底刃9Aの芯高H1に対して、第2底刃9Bの芯高H2が大きくされている。

0048

また、図3において、符号TL3は、第3底刃9Cの刃長方向の所定位置(第3底刃9Cのうち最も軸線Oに近い部分。つまり先端23)を通る接線を表している。また、符号L3は、接線TL3に平行で軸線Oを通る仮想直線(基準線)を表している。また、符号H3は、仮想直線L3と接線TL3との間の距離を表している。つまり符号H3は、第3底刃9Cの芯高(芯高寸法)であり、図3に示されるように第3底刃9Cの芯高H3は、芯上がりである。
そして、第2底刃9Bの芯高H2に対して、第3底刃9Cの芯高H3が大きくされている。

0049

なお、上述の説明では、各底刃9の刃長方向の所定位置を、各底刃9において最も軸線Oに近い部分に設定したが、これに限定されるものではない。すなわち、各底刃9の刃長方向の所定位置は、例えば各底刃9において軸線Oからの距離が等しい所定位置(つまり径方向に沿う所定の位置)であってもよい。この場合においても、第1底刃9Aの芯高H1に対して第2底刃9Bの芯高H2が大きく、第2底刃9Bの芯高H2に対して第3底刃9Cの芯高H3が大きい、という関係は維持される。

0050

エンドミル本体2の先端部には、複数の底刃9に対して、エンドミル回転方向Tにそれぞれギャッシュ7が隣接配置されている。複数のギャッシュ7には、互いに長さ(溝長)が異なる複数種類のギャッシュが含まれており、具体的には、第1底刃9Aのギャッシュ7A、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第3底刃9Cのギャッシュ7Cの3種類のギャッシュが含まれる。

0051

本実施形態では、第1底刃9Aのギャッシュ7A、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第3底刃9Cのギャッシュ7Cの組が、軸線Oを中心として180°回転対称に2組設けられている。
図3に示されるエンドミル本体2の正面視において、第1底刃9Aのギャッシュ7Aに対して第2底刃9Bのギャッシュ7Bの長さが短く、第2底刃9Bのギャッシュ7Bに対して第3底刃9Cのギャッシュ7Cの長さが短い。

0052

また、第1底刃9Aのギャッシュ7A、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第3底刃9Cのギャッシュ7Cは、互いにすべて連通している。
本実施形態の例では、第1底刃9Aのギャッシュ7Aの先端と、第3底刃9Cのギャッシュ7Cの先端とが互いに接続しており、また、第1底刃9Aのギャッシュ7Aのうち、第3底刃9Cのギャッシュ7Cと接続する先端から基端側へ向けて離間した部分に対して、第2底刃9Bのギャッシュ7Bの先端が接続している。つまり、ギャッシュ7Aに対してギャッシュ7B、7Cが連通しており、ギャッシュ7Aを通してギャッシュ7B、7C同士も連通している。

0053

図4は、ギャッシュ7A〜7C同士を比較しやすくするために、これらのギャッシュ7A〜7Cを同一の仮想平面(軸線Oを含むエンドミル本体2の縦断面)上に表した模式図である。
図4に示されるように、第3底刃9Cのギャッシュ7Cに対して、第2底刃9Bのギャッシュ7Bの深さは深く、第2底刃9Bのギャッシュ7Bに対して、第1底刃9Aのギャッシュ7Aの深さは深い。
なお、「ギャッシュ7の深さ」とは、軸線O回りに底刃9が回転して得られる半球状の回転軌跡(仮想半球面)と、ギャッシュ7の底面のうち前記回転軌跡からの距離が最も遠い部分(ギャッシュ7の最深部)との間の前記距離を指す。具体的には、図4において符号RLで示されるものが、底刃9が軸線O回りに回転して得られる回転軌跡であり、符号Dで示される距離が、底刃9の回転軌跡RLからギャッシュ7の最深部までのギャッシュ7深さ(図示の例ではギャッシュ7Aの深さ)である。

0054

図1及び図2に示されるように、切れ刃のうち、外周刃5は、切屑排出溝4のギャッシュ7以外の部分(ギャッシュ7よりも基端側に位置する部分)においてエンドミル回転方向Tを向く壁面と、エンドミル本体2の外周面との交差稜線に形成されている。外周刃5は、底刃9の径方向外側の端縁(この端縁は、底刃9の基端側の端縁でもある)に接続しているとともに、前記端縁から軸線O方向の基端側へ向けて延びている。具体的に、外周刃5は、底刃9に接続する該外周刃5の先端から基端側へ向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側へ向けて延びている。

0055

外周刃5は、切屑排出溝4のギャッシュ7以外の部分においてエンドミル回転方向Tを向く壁面のうち、径方向外側の端部に位置するすくい面11と、刃部3aの外周面のうち、該切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tとは反対側に隣接する外周逃げ面6と、の交差稜線に形成されている。
刃部3aの外周面には、周方向に隣り合う切屑排出溝4同士の間に、外周逃げ面6がそれぞれ形成されている。外周逃げ面6は、外周刃5からエンドミル回転方向Tとは反対側へ向かうに従い径方向の内側へ向けて傾斜しており、これにより外周刃5には逃げ角が付与されている。

0056

複数(本実施形態の例では6つ)の外周刃5は、エンドミル本体2の外周に、軸線O回りに互いに間隔をあけて配置され、互いに略平行に延びている。各外周刃5は、周方向位置が対応する各底刃9の径方向の外側の端縁に、それぞれ接続している。本実施形態では、複数の外周刃5が、軸線O回りに互いに等ピッチで配置されている。複数の外周刃5が軸線O回りに回転して得られる回転軌跡は、軸線Oを中心とする円柱状をなす。

0057

以上説明した本実施形態のボールエンドミル1は、軸線O回りの回転軌跡が半球状をなす複数の底刃9として、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cを備えている。第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cは、径方向の内側へ向けた刃長がこの順に短くされている。つまり、第1〜第3底刃9A〜9Cのうち、第1底刃9Aの刃長が最も長く、第3底刃9Cの刃長が最も短い。

0058

また、これらの底刃9A〜9Cには、各底刃9A〜9Cのエンドミル回転方向Tに隣接してギャッシュ7A〜7Cがそれぞれ配置される。ギャッシュ7A〜7Cの径方向内側へ向けたギャッシュ長さは、該ギャッシュ7A〜7Cが隣接する底刃9A〜9Cの刃長に対応している。このため、第1底刃9Aのギャッシュ7A、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第3底刃9Cのギャッシュ7Cは、ギャッシュ長さがこの順に短くなる。つまり、第1〜第3底刃9A〜9Cの各ギャッシュ7A〜7Cのうち、第1底刃9Aのギャッシュ7Aの長さが最も長く、第3底刃9Cのギャッシュ7Cの長さが最も短い。そして、ギャッシュ長さが短くなるほどギャッシュ容積は小さくなることから、切屑の排出性を確保することが難しくなる。

0059

そこで本実施形態では、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの芯高を、この順に大きく設定するという特別な構成を用いた。第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの芯高をこの順に大きくするということは、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cのラジアルレーキ(径方向すくい角)を、この順に負角側に大きくすることを意味する。底刃9のラジアルレーキが負角側に大きくなると、底刃9が、径方向の外側へ向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側へ向けて延びる傾斜の度合いが強くなる。つまり、底刃9の径方向に沿う単位長さあたりの軸線O回りへの変位量が大きくなる。これにより、底刃9に切削されて生じた切屑が、ギャッシュ7内において径方向外側へ向けて流されやすくなる。

0060

従って、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの芯高をこの順に大きくすることにより、底刃9によって生成された切屑の排出性を、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの順に高めることができる。すなわち、第1〜第3底刃9A〜9Cのうち、ギャッシュ長さが短くされて切屑の排出性を確保しにくい(切屑詰まりが生じやすい)ものほど芯高を大きく設定することで、切屑の排出性をすべての底刃9で良好に維持することが可能になる。これにより、底刃9で加工した被削材の加工面精度が、安定して高められる。

0061

さらに、第1〜第3底刃9A〜9Cの芯高が互いに異なっていることから、これらの底刃9同士は互いにねじれ角が異なっており、つまり不等リードに設定されている。なお、「ねじれ角」とは、エンドミル本体2を径方向から見たエンドミル本体2の側面視において、底刃9と軸線Oとが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指す。
また、第1〜第3底刃9A〜9Cの芯高が互いに異なっていることから、これらの底刃9の軸線O回りの配置ピッチについては、不等ピッチに設定される。
上述した不等リード及び不等ピッチの作用によって、本実施形態のボールエンドミル1は、切削時の共振(びびり振動等)を効果的に抑制することができ、さらなる加工面精度向上の効果を奏する。

0062

以上より本実施形態のボールエンドミル1によれば、ギャッシュ7の切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できる。

0063

また本実施形態では、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの組が、軸線Oを中心として180°回転対称に2組設けられているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、底刃9が6枚刃とされたボールエンドミル1となり、切削の加工能率を高めることができる。そしてこのような多刃のボールエンドミル1であっても、本実施形態によれば、切屑排出性が安定して確保される。

0064

また本実施形態では、第3底刃9Cのギャッシュ7C、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第1底刃9Aのギャッシュ7Aが、この順に深くされている。つまり、第1〜第3底刃9A〜9Cのうち、刃長が長いものほどギャッシュ7の容積が大きくなる。言い換えると、切削量の多い底刃9になるほどギャッシュ容積を大きく確保できる。従って、切屑排出性がより安定して高められる。

0065

また本実施形態では、第1底刃9Aのギャッシュ7A、第2底刃9Bのギャッシュ7B及び第3底刃9Cのギャッシュ7Cが、互いにすべて連通しているので、切屑排出性を安定して高められるという上述した効果が、より顕著なものとなる。

0066

また本実施形態では、図3に示されるエンドミル本体2の正面視で、第1底刃9Aが、外周刃5との接続部分(第1底刃9Aの径方向外側の端縁)から径方向の内側へ向けて延びるとともに、その刃長方向の先端21が、軸線Oを越えた位置に配置されている。これにより、エンドミル本体2の軸線O方向の最先端位置(つまり軸線O上)においても、第1底刃9Aによって被削材に切削加工を施すことができる。従って、加工面精度を高めつつ、様々な切削加工の種類や形態に対応しやすい。

0067

また本実施形態では、エンドミル本体2の外周に、周方向に互いに間隔をあけて形成された複数の外周刃5が、軸線O回りに互いに等ピッチで配置されているので、ボールエンドミル1の製造時において、これらの外周刃5を成形しやすく、製造容易性が高められる。

0068

なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

0069

例えば、前述の実施形態では、複数の外周刃5が、エンドミル本体2の外周において軸線O回りに互いに等ピッチで(等間隔をあけて)配置されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の外周刃5は、エンドミル本体2の外周において軸線O回りに互いに不等ピッチで(不等間隔をあけて)配置されていてもよい。複数の外周刃5が不等ピッチで配置された場合には、該外周刃5を用いた切削時における共振(びびり振動等)が抑制される。

0070

また、前述の実施形態では、エンドミル本体2の刃部3aに6つ(6組)の切れ刃が設けられた6枚刃のボールエンドミル1について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エンドミル本体2の刃部3aに3つ(3組)の切れ刃が設けられた3枚刃のボールエンドミル1であってもよく、この場合、3つの底刃9として、第1底刃9A、第2底刃9B及び第3底刃9Cの組が1組設けられる。

0071

その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。

0072

本発明のボールエンドミルは、ギャッシュの切屑排出性を安定して高めることができ、加工面精度を向上できる。従って、産業上の利用可能性を有する。

0073

1ボールエンドミル
2エンドミル本体
5外周刃
7ギャッシュ
7A 第1底刃のギャッシュ
7B 第2底刃のギャッシュ
7C 第3底刃のギャッシュ
9 底刃(先端刃)
9A 第1底刃
9B 第2底刃
9C 第3底刃
21 第1底刃の刃長方向の先端
D ギャッシュの深さ
H1 第1底刃の芯高
H2 第2底刃の芯高
H3 第3底刃の芯高
O軸線
RL 底刃の回転軌跡
T エンドミル回転方向

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