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技術 X線コンピュータ断層撮影装置

出願人 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 中西知
出願日 2016年9月26日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-186936
公開日 2018年4月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2018-050666
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 主記憶回路 オーバーフロー判定 基準管 照射方向θ 集積回路記憶装置 直接線 AP方向 解析学
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

向性変調スキャンに関し、最適な線量及び画質に調整すること。

解決手段

X線源13は、X線を発生する。高電圧発生器17は、X線源13への管電圧管電流とを調節する。X線検出器15は、X線源13から発生され被検体Oを透過したX線を検出する。データ収集回路27は、検出されたX線に応じた電気信号をX線検出器15から読み出し、読み出した電気信号を可変ゲインで増幅する。演算回路107は、被検体Oに関する位置決め画像に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件とデータ収集回路27のDASゲインとを決定する。

概要

背景

X線コンピュータ断層撮影において、X線量低減のため方向性変調スキャン(XYモジュレーション)が行われている。方向性変調スキャンは、LR方向及びAP方向被検体厚スキャノ画像等から推定し、X線源が1回転する間に管電流照射方向(回転角度)に応じて変調させる技術である。

方向性変調スキャンは、ヘリカルスキャンにおいても利用されている。また、X線量を増加させずにDAS出力値を高めるため、DASゲインを変更することがある。肩部スライスアキシャル断面)において扁平形状を有しているので、LR方向に関して管電流値が大きい値に設定される。一方、肩部はスライスにおいてAP方向に関して細い。従ってLR方向にX線を照射した場合、高線量の直接線X線検出器入射してオーバーフローを生じやすい。オーバーフローを避けるためには、DASゲインを上昇させることができず、結果、被検体厚が大きい腹部骨盤等でDASリニアリティ起因の低カウントアーチファクトを生じやすい。

概要

方向性変調スキャンに関し、最適な線量及び画質に調整すること。X線源13は、X線を発生する。高電圧発生器17は、X線源13への管電圧と管電流とを調節する。X線検出器15は、X線源13から発生され被検体Oを透過したX線を検出する。データ収集回路27は、検出されたX線に応じた電気信号をX線検出器15から読み出し、読み出した電気信号を可変のゲインで増幅する。演算回路107は、被検体Oに関する位置決め画像に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件とデータ収集回路27のDASゲインとを決定する。

目的

特開2003−290214号公報
特開2001−190543号公報






実施形態の目的は、方向性変調スキャンに関し、最適な線量及び画質に調整可能なX線コンピュータ断層撮影装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

X線を発生するX線源と、前記X線源への管電圧管電流とを調節する高電圧発生器と、前記X線源から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記検出されたX線に応じた電気信号を前記X線検出器から読み出し、前記読み出した電気信号を可変ゲインで増幅するデータ収集部と、前記被検体に関する位置決め画像に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件と前記ゲインとを決定する決定部と、を具備するX線コンピュータ断層撮影装置

請求項2

前記決定部は、前記位置決め画像に基づいて所定のスライスにおける前記被検体の扁平率を計算し、前記扁平率が第1の所定値以上である場合、前記所定のスライスにおける前記被検体の長軸方向に関する前記変調条件の値を減少させ、前記扁平率が前記第1の所定値以下である場合、前記ゲインを減少させる、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項3

前記決定部は、前記位置決め画像に基づいて前記変調条件の暫定値を複数のスライス各々について計算し、前記暫定値での前記データ収集部の出力値分布を前記複数のスライス各々について計算し、前記複数のスライスの中から第2の所定値以上の出力値を有するスライスを特定し、前記特定されたスライスを前記所定のスライスに設定する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項4

前記決定部は、前記複数のスライスの中に前記第2の所定値以上の出力値を有するスライスがない場合、前記ゲインの暫定値を上昇させる、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項5

前記決定部は、前記扁平率が前記第1の所定値以上である場合、前記所定のスライスにおける前記長軸方向に関する前記変調条件の設定値を、前記データ収集部の出力値が第2の所定値以下になるまで減少させる、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項6

前記決定部は、前記扁平率が第1の所定値以上である場合、前記所定のスライスにおける前記被検体の長軸方向に関する前記変調条件の値を、前記被検体の短軸方向に関する前記変調条件の値まで減少させる、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項7

前記決定部は、前記所定のスライスにおける前記被検体の被検体厚水等価厚又は管電流値に関する前記扁平率を計算する、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項8

前記被検体の位置決めのための位置決めスキャンを実行するように前記高電圧発生器を制御するスキャン制御部と、前記位置決めスキャンにおいて前記データ収集部により収集された生データに基づいて前記位置決め画像を再構成する再構成部と、を更に備える、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

請求項9

前記決定部は、前記位置決め画像に基づいて前記変調条件の値を複数のスライス各々について計算し、前記複数のスライスの中に前記値のもとで前記データ収集部がオーバーフローするスライスが存在する場合、前記データ収集部のゲインを維持しつつ、前記被検体の長軸方向に関する前記値を減少させる、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置に関する。

背景技術

0002

X線コンピュータ断層撮影において、X線量低減のため方向性変調スキャン(XYモジュレーション)が行われている。方向性変調スキャンは、LR方向及びAP方向被検体厚スキャノ画像等から推定し、X線源が1回転する間に管電流照射方向(回転角度)に応じて変調させる技術である。

0003

方向性変調スキャンは、ヘリカルスキャンにおいても利用されている。また、X線量を増加させずにDAS出力値を高めるため、DASゲインを変更することがある。肩部スライスアキシャル断面)において扁平形状を有しているので、LR方向に関して管電流値が大きい値に設定される。一方、肩部はスライスにおいてAP方向に関して細い。従ってLR方向にX線を照射した場合、高線量の直接線X線検出器入射してオーバーフローを生じやすい。オーバーフローを避けるためには、DASゲインを上昇させることができず、結果、被検体厚が大きい腹部骨盤等でDASリニアリティ起因の低カウントアーチファクトを生じやすい。

先行技術

0004

特開2003−290214号公報
特開2001−190543号公報

発明が解決しようとする課題

0005

実施形態の目的は、方向性変調スキャンに関し、最適な線量及び画質に調整可能なX線コンピュータ断層撮影装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線源と、前記X線源への管電圧と管電流とを調節する高電圧発生器と、前記X線源から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記検出されたX線に応じた電気信号を前記X線検出器から読み出し、前記読み出した電気信号を可変のゲインで増幅するデータ収集部と、前記被検体に関する位置決め画像に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件と前記ゲインとを決定する決定部と、を具備する。

図面の簡単な説明

0007

図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。
図2は、図1データ収集回路のDAS素子概略構成を示す図である。
図3は、本実施形態に係るシステム制御回路の制御の下に行われるX線コンピュータ断層撮影装置の一連の動作の典型的な流れを示す図である。
図4は、図3のステップS3における方向性変調の変調条件の決定処理概要を示す図である。
図5は、図3のステップS5におけるLR方向に関するDAS出力値のプロファイルを示す図である。
図6は、図3のステップS6におけるオーバーフロー判定を説明するための図である。
図7は、図3のステップS6におけるオーバーフロー判定を説明するための他の図である。
図8は、図3のステップS3−ステップS11の処理を模式的に示す図である。

実施例

0008

以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置を説明する。

0009

図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、架台10とコンソール100とを有する。例えば、架台10はCT検査室に設置され、コンソール100はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台10とコンソール100とは互いに通信可能に接続されている。架台10は、被検体OをX線CTスキャンするためのスキャン機構を搭載する。コンソール100は、架台10を制御するコンピュータである。

0010

図1に示すように、架台10は、撮影空間(field of view)をなす開口が形成された略円筒形状の回転フレーム11を有する。図1に示すように、回転フレーム11には、開口を挟んで対向するように配置されたX線管13とX線検出器15とが取付けられている。回転フレーム11は、アルミ等の金属により円環形状に形成された金属枠である。後述するが、架台10は、アルミ等の金属により形成されたメインフレームを有する。回転フレーム11は、当該メインフレームにより中心軸AR回りに軸受等を介して回転可能に支持されている。メインフレームの回転フレーム11との接触部には環状電極(図示せず)が設けられている。当該接触部には環状電極に摺り接触するように導電性摺動子(図示せず)が取り付けられている。当該環状電極及び摺動子を介して、架台10に収容された電源装置(図示せず)からの電力が回転フレーム11に搭載されたX線検出器15や高電圧発生器17等の各種機器に供給される。

0011

X線管13は、高電圧発生器17に接続されている。高電圧発生器17は、例えば、回転フレーム11に取付けられている。高電圧発生器17は、架台の電源装置(図示せず)から環状電極及び摺動子を介して供給された電力から、架台制御回路29による制御に従いX線管13に印加する高電圧を発生しフィラメント加熱電流を供給する。高電圧発生器17とX線管13とは高圧ケーブル(図示せず)を介して接続されている。高電圧発生器17により発生された高電圧は、高圧ケーブルを介して、X線管13に収容された陽極陰極との間に印加される。また、高電圧発生器17により発生されたフィラメント加熱電流は、高圧ケーブルを介して、X線管13の陰極に供給される。X線管13の陽極と陰極との間に印加される高電圧は管電圧と呼ばれている。また、当該高電圧下においてフィラメント加熱電流により加熱された陰極から発生し陽極に飛翔する熱電子の流れは管電流と呼ばれている。高電圧発生器17は、X線管13への管電圧と管電流とをX線条件に従い調節する。

0012

X線管13のX線放射窓にはボウタイフィルタ19が取り付けられている。ボウタイフィルタ19は、X線の中心線からファン角が大きくなるにつれて線量が低減するように、ボウタイ状に加工されたX線減弱物質を有するX線フィルタである。

0013

回転フレーム11は、回転駆動装置21からの動力を受けて中心軸AR回りに一定の角速度で回転する。回転駆動装置21としてダイレクトドライブモータサーボモータ等の任意のモータが用いられる。回転駆動装置21は、例えば、架台10に収容されている。回転駆動装置21は、架台制御回路29からの駆動信号を受けて回転フレーム11を回転させるための動力を発生する。

0014

回転フレーム11の開口(bore)にはFOV(field of view)が設定される。回転フレーム11の開口内には寝台23に支持された天板が挿入される。天板には被検体Oが載置される。寝台23は、天板を移動自在に支持する。寝台23には寝台駆動装置25が収容されている。寝台駆動装置25は、架台制御回路29からの駆動信号を受けて寝台23を前後、昇降及び左右に移動させるための動力を発生する。天板は、載置された被検体Oの撮像部位がFOV内に含まれるように位置決めされる。

0015

X線検出器15は、X線管13から発生されたX線を検出する。具体的には、X線検出器15は、2次元湾曲面上に配列された複数の検出器素子を有している。各検出器素子は、シンチレータ光電変換素子とを有する。シンチレータは、X線を蛍光に変換する物質により形成される。シンチレータは、入射X線を、当該入射X線の強度に応じた個数蛍光光子に変換する。光電変換素子は、蛍光を増幅して電気信号に変換する回路素子である。光電変換素子としては、例えば、光電子増倍管フォトダイオード等が用いられる。なお、検出器素子は、上記の通りX線を光に変換してから検出する間接検出型でも良いし、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型であっても良い。直接検出型の検出器素子としては、例えば、半導体の両端に電極が取り付けられてなる半導体ダイオードを含むタイプが適用可能である。

0016

X線検出器15にはデータ収集回路27が接続されている。データ収集回路27は、X線検出器15により検出されたX線の強度に応じた電気信号をX線検出器15から読み出し、読み出した電気信号を可変のゲインで増幅して、ビュー期間に亘るX線の線量に応じたデジタル値を有する生データを収集する。データ収集回路27は、例えば、X線検出器15の検出器素子と同数のDAS素子を有する。例えば、複数の検出器素子と複数のDAS素子とが一対一で接続されている。

0017

図2は、データ収集回路27のDAS素子270の概略構成を示す図である。DAS素子270は、前置増幅回路271、可変利得増幅回路273、積分回路275及びA/D変換回路277を有する。前置増幅回路271は、検出器素子から供給された、X線の強度に応じた電気信号を所定のゲインで増幅する。可変利得増幅回路273は、前置増幅回路271からの電気信号を、可変のゲインで増幅する。以下、可変利得増幅回路273におけるゲインをDASゲインと呼ぶことにする。DASゲインは、複数の離散的な段階(レベル)により規定され、可変利得増幅回路273は、DASゲインを当該複数のレベルの何れかに設定可能である。DASゲインの設定値は、コンソール100の演算回路107により決定される。DASゲインの設定値は、全ての検出器列及び検出器チャンネルに亘り同一値に設定される。積分回路275は、可変利得増幅回路273から供給される電気信号を1ビュー期間に亘り積分して積分信号を生成する。積分信号は、1ビュー期間に亘り接続元のX線検出器により検出されたX線の線量に対応する波高値を有する。A/D変換回路277は、積分回路275からの積分信号をアナログ信号からデジタル信号(生データ)に変換する。これにより、ビュー毎の生データが収集される。生データは、接続元の検出器素子のチャンネル番号列番号及び収集されたビューを示すビュー番号により識別された、X線の線量を示すデジタル値(DAS出力値)のセットである。生データは、例えば、架台10に収容された非接触データ伝送装置(図示せず)を介してコンソール100に供給される。なお、データ収集回路27にはIV変換器等の他の回路素子が実装されていても良い。また、各検出器素子について、前置増幅回路271、可変利得増幅回路273、積分回路275及びA/D変換回路277の一組が設けられるとしたが、前置増幅回路271、可変利得増幅回路273、積分回路275及びA/D変換回路277の少なくとも一要素は、複数の検出器素子について一つ設けられても良い。データ収集回路27は、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)等の半導体集積回路を有し、当該半導体集積回路に上記の前置増幅回路271、可変利得増幅回路273、積分回路275及びA/D変換回路277等の回路素子が実装される。

0018

架台制御回路29は、コンソール100のシステム制御回路115からのスキャン条件に従いX線CTスキャンを実行するために高電圧発生器17、回転駆動装置21、寝台駆動装置25及びデータ収集回路27を同期的に制御する。本実施形態において架台制御回路29は、位置決めスキャン及び方向性変調スキャンを実行するために高電圧発生器17、回転駆動装置21、寝台駆動装置25及びデータ収集回路27を同期的に制御する。ハードウェア資源として、架台制御回路29は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置メモリ)とを有する。また、架台制御回路29は、ASICやフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。

0019

図1に示すように、コンソール100は、前処理回路101、再構成回路103、画像処理回路105、演算回路107、表示回路109、入力回路111、主記憶回路113及びシステム制御回路115を有する。前処理回路101、再構成回路103、画像処理回路105、演算回路107、表示回路109、入力回路111、主記憶回路113及びシステム制御回路115間のデータ通信は、バス(bus)を介して行われる。

0020

前処理回路101は、ハードウェア資源として、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等の記憶装置とを有する。前処理回路101は、架台10から伝送された生データに対数変換等の前処理を施す。前処理後の生データは投影データとも呼ばれている。

0021

再構成回路103は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。再構成回路103は、前処理後の生データに基づいて被検体Oに関するCT値空間分布表現するCT画像を発生する。また、再構成回路103は、位置決めスキャンにより収集された生データに基づいて、被検体の位置決め等のために用いられる位置決め画像を発生する。画像再構成アルゴリズムとしては、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法や、ML−EM(maximum likelihood expectation maximization)法やOS−EM(ordered subset expectation maximization)法等の統計学的画像再構成法等の既存の画像再構成アルゴリズムが用いられれば良い。

0022

画像処理回路105は、再構成回路103により再構成されたCT画像に種々の画像処理を施す。例えば、画像処理回路105は、当該CT画像にボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して表示画像を生成する。画像処理回路105は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。また、画像処理回路105は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。

0023

演算回路107は、ハードウェア資源として、CPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。演算回路107は、方向性変調スキャンに係るスキャン条件の決定に関するプログラム(以下、スキャン条件決定プログラムと呼ぶ)を実行する。スキャン条件決定プログラムの実行により演算回路107は、データ収集回路27のオーバーフローが回避しつつDASゲインを可能な限り高い値に維持するために、被検体に関する位置決め画像に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件とDASゲインとを決定する。具体的には、本実施形態に係る演算回路107は、スキャン条件決定プログラムを実行することにより、AE計算機能121、DAS出力値計算機能123、オーバーフロー判定機能125、扁平率計算機能127及び管電流/ゲイン調節機能129を実現する。

0024

AEC計算機能121において演算回路107は、AEC(auto exposure control)計算を行う。具体的には、演算回路107は、位置決め画像に基づいて、方向性変調スキャンに係る管電流の変調条件の暫定値を計算する。変調条件は、方向性変調スキャンの撮影範囲に含まれる複数のスライス各々について、所定の照射方向(X線管13の回転軸AR回りの回転角度)毎に計算される。変調条件は、管電流値そのものにより規定されても良いし、基準管電流値に対する比率により規定されても良い。本実施形態において暫定値とは、確定値前の調整に供される値を指す。

0025

DAS出力値計算機能123において演算回路107は、AEC計算機能121により計算された変調条件の暫定値に基づいて、データ収集回路27のDAS出力値のチャンネル方向又は列方向に関する空間分布(プロファイル)を予測計算する。当該プロファイルは、位置決めスキャン又は方向性変調スキャンの撮影範囲に含まれる、被検体Oの複数のスライス(アキシャル断面)毎に計算される。

0026

オーバーフロー判定機能125において演算回路107は、複数のスライスの各々について、DAS出力値計算機能123により計算されたDAS出力値の空間分布に基づいて、オーバーフローするか否かを判定する。

0027

扁平率計算機能127において演算回路107は、複数のスライスのうちの所定のスライスにおける被検体の扁平率を位置決め画像に基づいて計算する。所定のスライスは、例えば、オーバーフロー判定機能125によりオーバーフローすると判定されたスライスに設定される。被検体の扁平率は、スライスにおける被検体形状を指標化する。被検体の扁平率は、長軸方向と短軸方向との被検体厚、被検体の水等価厚又は管電流値の比率により規定される。

0028

管電流/ゲイン調節機能129において演算回路107は、管電流とDASゲインとを調節する。また、演算回路107は、被検体形状、具体的には扁平率計算機能127により計算された扁平率に基づいて方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件とDASゲインとを決定する。より詳細には、演算回路107は、複数のスライスのうちの被検体の扁平率が所定値以上である所定のスライスが存在する場合、被検体の長軸方向に関する変調条件の暫定値を減少させる。

0029

表示回路109は、2次元のCT画像や表示画像等の種々のデータを表示する。具体的には、表示回路109は、表示インタフェース回路表示機器とを有する。表示インタフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ液晶ディスプレイ有機ELディスプレイLEDディスプレイプラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。

0030

入力回路111は、ユーザからの各種指令を入力する。具体的には、入力回路111は、入力機器入力インタフェース回路とを有する。入力機器は、ユーザからの各種指令を受け付ける。入力機器としては、キーボードマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース回路は、入力機器からの出力信号をバスを介してシステム制御回路115に供給する。

0031

主記憶回路113は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)やSSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路113は、CD−ROMドライブDVDドライブフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、主記憶回路113は、CT画像や表示画像のデータを記憶する。また、主記憶回路113は、本実施形態に係る方向性変調スキャンに関する制御プログラム等を記憶する。

0032

システム制御回路115は、ハードウェア資源として、CPUやMPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。また、システム制御回路115は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。システム制御回路115は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の中枢として機能する。具体的には、システム制御回路115は、主記憶回路113に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線コンピュータ断層撮影装置の各部を制御する。

0033

以下、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の動作例について説明する。

0034

図3は、本実施形態に係るシステム制御回路115の制御の下に行われるX線コンピュータ断層撮影装置の一連の動作の典型的な流れを示す図である。

0035

図3に示すように、システム制御回路115は、架台制御回路29に位置決めスキャンを実行させる(ステップS1)。ステップS1において架台制御回路29は、位置決めスキャンに関するスキャン条件に従い高電圧発生器17、回転駆動装置21、寝台駆動装置25及びデータ収集回路27を同期的に制御して、当該位置決めスキャンを実行する。本実施形態に係る位置決めスキャンとしては、例えば、回転フレーム11の回転を伴わないスキャノ撮影が行われる。スキャノ撮影の場合、架台制御回路29は、X線管13を所定の回転角度に配置し、回転フレーム11固定のもと寝台駆動装置25を制御して天板を所定の撮影範囲に亘り移動させながら、X線管13からのX線曝射を行わせる。所定の撮影範囲は、本スキャンである方向性変調スキャンのスキャン範囲包含する範囲に設定される。所定の回転角度は、何度に設定されても良いが、AP方向に対応する0°又は180°とLR方向に対応する90°又は270°に設定されると良い。この場合、AP方向でのスキャノ撮影とLR方向でのスキャノ撮影とが2回行われる。AP方向でのスキャノ撮影においてデータ収集回路27は、X線検出器15を介して被検体Oに関する生データを収集する。同様に、LR方向でのスキャノ撮影においてデータ収集回路27は、X線検出器15を介して被検体Oに関する生データを収集する。収集された生データは、コンソール100に伝送される。

0036

ステップS1が行われるとシステム制御回路115は、再構成回路103に画像生成処理を行わせる(ステップS2)。ステップS2において再構成回路103は、ステップS1において収集された生データに基づいて被検体Oに関する位置決め画像を生成する。ステップS1においてAP方向のスキャノ撮影が行われた場合、再構成回路103は、AP方向からの被検体Oの投影画像であるスキャノ画像を生データに基づいて生成する。同様に、ステップS1においてLR方向のスキャノ撮影が行われた場合、再構成回路103は、LR方向からの被検体Oの投影画像であるスキャノ画像を再構成する。各スキャノ画像は、主記憶回路113に記憶される。

0037

なお、本実施形態に係る位置決めスキャンは、スキャノ撮影に限定されず、上記所定の撮影範囲に亘る被検体Oの形状を把握可能であれば如何なるスキャンであっても良い。例えば、本実施形態に係る位置決めスキャンとしては、回転フレーム11の回転を伴うヘリカルスキャン等であっても良い。この場合、架台制御回路29は、回転フレーム11を高速に回転させながら寝台駆動装置25を制御して天板を所定の撮影範囲に亘り移動させながら、X線管13からのX線曝射を行わせる。所定の撮影範囲は、本スキャンである方向性変調スキャンのスキャン範囲を包含する範囲に設定される。ヘリカルスキャンにおいてデータ収集回路27は、X線検出器15を介して被検体Oに関する生データを収集する。再構成回路103は、収集された生データに基づいて被検体Oの上記所定の撮影範囲に亘る3次元のCT画像に関するボリュームデータを再構成する。再構成された3次元のCT画像は、以下のステップにおいて位置決め画像として利用される。

0038

また、本実施形態に係る位置決め画像は、X線コンピュータ断層撮影装置によるスキャンにより生成された画像であるとしたが、方向性変調スキャンの撮影範囲に亘る被検体の形状を把握可能であれば、これに限定されない。位置決め画像は、磁気共鳴イメージング装置核医学診断装置等の他の医用モダリティにより生成された画像であっても良いし、光学カメラ等により生成された画像であっても良い。なお、方向性変調スキャンは、ヘリカルスキャンにも適用可能であるし、スキャン中において寝台の移動を伴わないコンベンショナルスキャンにも適用可能である。

0039

ステップS2が行われるとシステム制御回路115は、演算回路107に、方向性変調スキャンに係る管電流の変調条件とDASゲインとの決定のためのスキャン条件プログラムを実行させる。以下の説明を具体的に行なうため、管電流の変調条件は、管電流値そのものであるとする。

0040

まず、演算回路107は、AEC計算機能121を実行する(ステップS3)。ステップS3において演算回路107は、ステップS2において生成された位置決め画像に基づいて、方向性変調における管電流の暫定値を計算する。以下、暫定値の計算方法について図4を参照しながら詳述する。

0041

図4は、ステップS3における方向性変調の変調条件の決定処理の概要を示す図である。図4に示すように、演算回路107は、まず、各スライスSn(nはスライス番号)について被検体厚を計算する。なお、本実施形態に係るスライスは、アキシャル断面に対応する。具体的には、演算回路107は、位置決め画像の各画素画素値(CT値)に基づいて各スライスSnでの被検体厚を計算する。以下、位置決め画像がスキャノグラム画像である場合と3次元画像である場合とに分けて説明する。

0042

位置決め画像がスキャノグラム画像の場合、例えば、演算回路107は、スライス上の各画素の画素値に基づいて当該画素での被検体厚を計算し、当該スライスにおける全画素の被検体厚の平均値を当該スライスでの被検体厚として計算する。被検体厚は、当該位置決め画像のスキャン時におけるX線の照射方向での厚みである。例えば、LR方向の位置決め画像の場合、LR方向に関する被検体厚が計算される。また、被検体厚は、被検体の構造物が全て水であると仮定した場合の厚み、すなわち、水等価厚として計算される。演算回路107は、複数のDASゲイン各々について予め水等価厚と管電流値とを対応づけたLUT(Look Up Table、AECテーブルと呼ぶ)を有している。この管電流値は、各DASゲインにおいて、対応する水等価圧に最適な値であるので、この管電流値及びDASゲインのもとでデータ収集が行なわれた場合、データ収集回路27は、オーバーフローしないものとする。演算回路107は、AECテーブルを利用して、計算された水等価厚から管電流値を決定する。決定された管電流値が暫定値として扱われる。このようにして演算回路107は、LR方向の位置決め画像に基づいてLR方向の管電流の暫定値を計算し、AP方向の位置決め画像に基づいてAP方向の管電流の暫定値を計算する。LR方向とAP方向との間の回転角度についてはLR方向の管電流の暫定値とAP方向の管電流の暫定値とに基づいて線形補間又は高次補間により決定されれば良い。

0043

位置決め画像が3次元画像の場合、演算回路107は、3次元画像に含まれる被検体に関する画像領域(以下、被検体領域と呼ぶ)を画像処理により抽出し、抽出された被検体領域の皮膚に関する画像領域(以下、皮膚領域と呼ぶ)を画像処理により検出する。そして演算回路107は、LR方向やAP方向等の任意の計算対象方向に関する皮膚領域間の距離を算出し、算出された距離を計算対象方向に関する被検体厚に設定する。計算対象方向は、入力回路111等を介して任意に設定可能である。

0044

図4に示すように、肩部のスライスS1の場合、肩部はスライスにおいて扁平なので、LR方向に関する被検体厚が大きく、AP方向に関する被検体厚が小さい。よってLR方向に関する管電流値は、AP方向に関する管電流値よりも高く設定される。例えば、LR方向に関する管電流値は、150mAに設定され、AP方向に関する管電流値は、50mAに設定される。腹部のスライスS2の場合、腹部は肥満傾向にある被検体ではスライスにおいて扁平ではないので、LR方向に関する被検体厚とAP方向に関する被検体厚とは略同一である。それに応じてLR方向に関する管電流値とAP方向に関する管電流値とは略同一に設定される。例えば、LR方向に関する管電流値は、150mAに設定され、AP方向に関する管電流値は、130mAに設定される。なお、肩部のスライスS1の場合、LR方向に関する被検体厚が大きく、AP方向に関する被検体厚が小さいので、LR方向が長軸方向に規定され、AP方向が短軸方向に規定される。

0045

ステップS3が行われると演算回路107は、管電流/ゲイン調節機能129を実行させる(ステップS4)。ステップS4において演算回路107は、DASゲインの暫定値を、初期値から一段階上げる。初期値は、最高値以外の任意の値に設定されているものとする。

0046

ステップS4が行われると演算回路107は、DAS出力値計算機能123を実行する(ステップS5)。ステップS5において演算回路107は、各スライスSnについて、DAS出力値のプロファイルを計算する。

0047

図5は、LR方向に関するDAS出力値のプロファイルを示す図である。図5に示すように、被検体Oを透過しないで直接にX線検出器15に到達するX線(直接線)を低減するため、X線管13のX線放射窓にはボウタイフィルタ19が配置されている。ボウタイフィルタ19が配置されることにより、直接線のX線検出器15への入射線量を低減することができる。演算回路107は、予め構築されたX線管13、X線検出器15、ボウタイフィルタ19、データ収集回路27及び被検体O等を計算要素とするジオメトリモデルに基づいてDAS出力値のプロファイルを予測計算する。ステップS5において演算回路107は、ステップS3において決定された管電流値とステップS4において引き上げられたDASゲインとを入力条件としてジオメトリモデルに適用することによりDAS出力値のプロファイルを計算する。DAS出力値のプロファイルは、各スライスにおいて所定の照射方向について計算される。所定照射方向は、例えば、LR方向とAP方向とについて計算されても良いし、LR方向及びAP方向以外の他の方向について計算されても良い。また、所定照射方向は、LR方向とAP方向との何れか一方について計算されても良い。

0048

図5に示すように、肩部のように被検体Oがスライスにおいて扁平形状を有している場合、すなわち、LR方向に関する被検体厚が大きく、AP方向に関する被検体厚が小さい場合、ボウタイフィルタ19が設けられていても、直接線のチャンネル方向に関する検出範囲が広いため、なおオーバーフローが懸念される。ここで、オーバーフローとは、単位時間当たりに検出器素子に到達したX線の線量が過多なため、入射X線の線量とDAS出力値との線形性崩れ事象をいう。

0049

ステップS5が行われると演算回路107は、オーバーフロー判定機能125を実行させる(ステップS6)。ステップS6において演算回路107は、ステップS4において計算されたDAS出力値に基づいて、複数のスライスSnの中にオーバーフローするスライスが有るか否かを判定する。具体的には、演算回路107は、スライスSnについてオーバーフロー判定を行なう。

0050

図6及び図7は、ステップS6におけるオーバーフロー判定を説明するための図である。図6及び図7縦軸は、DAS出力値に規定され、横軸はチャンネル方向に規定される。図6及び図7に示すように、演算回路107は、各チャンネルのDAS出力値を所定の閾値Limitに対して比較する。閾値Limitは、データ収集回路27がオーバーフローするか否かの境となるDAS出力値の値に設定される。閾値Limitは、例えば、経験的に定められ、入力回路111等を介して任意の値に設定可能である。図6に示すように、各スライスにおいて閾値Limitよりも大きいDAS出力値がない場合、演算回路107は、当該スライスはオーバーフローしないと判定する。図7に示すように、各スライスにおいて閾値Limitよりも大きいDAS出力値がある場合、演算回路107は、当該スライスはオーバーフローすると判定する。

0051

ステップS6においてオーバーフローするスライスがないと判定された場合(ステップS6:NO)、演算回路107は、DASゲインの暫定値を更に一段階上げる(ステップS4)。そして演算回路107は、一段階上げたDASゲインの暫定値のもとで、各スライスについて、DAS出力値のプロファイルを、所定の照射方向毎に計算し(ステップS5)、このDAS出力値に基づいて、オーバーフローするスライスが有るか否かを判定するステップS6)。

0052

そしてステップS6においてオーバーフローするスライスが有ると判定された場合(ステップS6:YES)、演算回路107は、扁平率計算機能127を実行させる(ステップS7)。ステップS7において演算回路107は、オーバーフローするスライスにおける被検体の扁平率を計算する。具体的には、演算回路107は、オーバーフローするスライスにおいて、略直交する2方向に関する被検体厚の比率を扁平率として計算する。演算回路107は、位置決め画像がスキャノグラム画像である場合、典型的には、以下の手順で扁平率を計算する。まず演算回路107は、LR方向に関するスキャノグラム画像の各画素のCT値に基づいて水等価厚を計算し、全画素の水等価圧の平均値を計算し、計算された平均値をLR方向に関する被検体厚に設定する。同様に、演算回路107は、AP方向に関するスキャノグラム画像の各画素のCT値に基づいて水等価厚を計算し、全画素の水等価圧の平均値を計算し、計算された平均値をAP方向に関する被検体厚に設定する。次に、演算回路107は、LR方向に関する被検体厚とAP方向に関する被検体厚との比率を扁平率として計算する。

0053

なお、扁平率の計算方法は上記のみに限定されない。例えば、演算回路107は、AEC計算により決定された管電流値と被検体厚とは相関関係にあるので、LR方向に関する管電流の暫定値とAP方向に関する管電流の暫定値との比率を被検体の扁平率として計算しても良い。

0054

ステップS7が行われると演算回路107は、ステップS7において計算された扁平率が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS8)。当該所定値は、扁平であるか否かの境目となる扁平率の値であり、入力回路111を介して任意に設定可能である。すなわち、扁平率が所定値以上である場合、扁平であり、所定値以下である場合、扁平でないと判定される。

0055

ステップS8において扁平率が所定値以上である、すなわち、扁平であると判定された場合(ステップS8:YES)、演算回路107は、管電流/ゲイン調節機能129を実行する(ステップS9)。ステップS9において演算回路107は、長軸方向における管電流の暫定値を、DSA出力値がオーバーフローしなくなるまで下げる。

0056

ステップS8において扁平率が所定値以下である、すなわち、扁平でないと判定された場合(ステップS8:NO)、演算回路107は、管電流/ゲイン調節機能129を実行させる(ステップS10)。ステップS10において演算回路107は、DASゲインの暫定値を一段階下げる。

0057

ステップS9又はS10が行われると演算回路107は、現在設定されている管電流の暫定値を管電流設定値確定し、DASゲインの暫定値をDASゲイン設定値に確定する。管電流設定値とDASゲイン設定値とは、方向性変調スキャンに係るスキャン条件として主記憶回路113に記憶される。

0058

ここで、図8を参照しながら、ステップS3−ステップS11の処理について説明する。図8は、ステップS3−ステップS11の処理を模式的に示す図である。図8は、単一のスライスについての処理過程を示しているが、図8の処理は全てのスライスについて同様に行なわれる。以下、詳細に説明する。

0059

図8の最上段右側に示すように、DASゲインがレベル1の下、ステップS3においてAEC計算がなされ、暫定的に方向性変調における管電流値が照射方向θ毎に計算される。照射方向θは、図8に示すように、360°に亘り連続的に計算されても良いし、0°、90°、180°及び270°のように離散的に計算されても良い。初期的には、図8の最上段左側に示すように、管電流値は、DAS出力値がオーバーフローしない値に設定される。ステップS3の後、図8の第2段左側に示すように、ステップS4においてDASゲインがレベル2に引き上げられる。DASゲインの引き上げに伴い、全チャンネルに亘りDAS出力値が一律に増加する。そしてステップS6において、DASゲインがレベル2の下、オーバーフロー判定がなされる。図8の第2段の場合、全チャンネルにおいてDAS出力値が閾値Limitよりも低いので、ステップS4に戻り図8の第3段左側に示すように、ステップS4においてDASゲインがレベル3に引き上げられる。DASゲインの引き上げに伴い、全チャンネルに亘りDAS出力値が一律に増加する。そしてステップS6において、DASゲインがレベル3の下、オーバーフロー判定がなされる。図8の第3段の場合、DAS出力値が閾値Limitより高いチャンネルが存在するので、ステップS6においてオーバーフローすると判定される。オーバーフローすると判定されたので、ステップS7において被検体の扁平率が計算され、ステップS8において被検体が扁平であるか否かが判定される。図8の第3段右側の場合、長軸方向(LR方向)に関する被検体厚(管電流値)が短軸方向(AP方向)に関する被検体厚(管電流値)よりも比較的長いので、扁平であると判定されるとする。

0060

この場合、演算回路107は、図8最下段右側に示すように、ステップS9において長軸方向(LR方向)に関する管電流値を、オーバーフローがなくなるまで低減する。ここで、図8の最下段右側の点線は、低減前の管電流値を示し、長破線は、AP方向に関する管電流値と同一値を有する管電流値を示し、実線は低減後の管電流値を示す。図9において演算回路107は、例えば、AP方向に関する管電流値に向けてLR方向に関する管電流値を低減させる。演算回路107は、1回の低減でLR方向に関する管電流値をAP方向に関する管電流値まで低減しても良いし、複数回に分けてLR方向に関する管電流値をAP方向に関する管電流値まで低減しても良い。後者の場合、演算回路107は、まずLR方向に関する管電流値を所定値だけ低減する。所定値は、AP方向に関する管電流値とLR方向に関する管電流値との差分値よりも小さい値に設定される。演算回路107は、低減後の管電流値についてDAS出力値を計算し、オーバーフロー判定を行なう。オーバーフローすると判定された場合、演算回路107は、AP方向に関する管電流値に向けてLR方向に関する管電流値を更に低減させ、低減後の管電流値についてDAS出力値を計算し、再びオーバーフロー判定を行なう。このようにして演算回路107は、オーバーフローしないと判定するまで、LR方向に関する管電流値の低減を繰り返す。オーバーフローしないと判定された場合、演算回路107は、オーバーフローしないと判定された際の管電流値を管電流設定値に設定し、DASゲインの暫定値をDASゲイン設定値に設定する。

0061

なお、図8においては図示されていないが、ステップS8において扁平率が所定値以上でないと判定された場合、演算回路107は、DASゲインをレベル3からレベル2に引き下げる。全周方向に亘り管電流値を低減すると、全周方向に亘り線量不足になる。そのため再構成画像に低カウントアーチファクトが顕著に発生することとなる。本実施形態において演算回路107は、線量を維持してアーチファクトを低減するため、DASゲインを引き下げる。上記の通り、DASゲインは、全スライス、全チャンネル及び全列に亘り単一のレベルに設定される。従って全スライスに亘りオーバーフローを抑制するため、ステップS10においては全てのスライスに関するDASゲインのレベルが引き下げられることとなる。

0062

また、ステップS9において演算回路107は、長軸方向に関する管電流値のみを低減するものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。演算回路107は、長軸方向に関する管電流値のみでなく、他の照射方向に関する管電流値を含めて管電流値の最適化を行なっても良い。例えば、演算回路107は、全照射方向においてDAS出力値を平準化するように、LR方向に関する管電流値だけでなく、AP方向に関する管電流値も低減させても良い。

0063

ステップS11が行なわれるとシステム制御回路115は、方向性変調スキャンの開始指示待機する。医療従事者による入力回路111等と介してスキャン開始タン等が押下されたことを契機としてシステム制御回路115は、架台制御回路29に方向性変調スキャンを実行させる(ステップS12)。ステップS12において架台制御回路29は、ステップS11において確定された管電流設定値及びDASゲイン設定値等のスキャン条件に従い高電圧発生器17、回転駆動装置21、寝台駆動装置25及びデータ収集回路27を同期的に制御して方向性変調スキャンを実行する。方向性変調スキャンにおいて架台制御回路29は、まず、データ収集回路27の可変利得増幅回路のDASゲインをDASゲイン設定値に設定する。そして架台制御回路29は、回転フレーム11を高速に回転させながら寝台駆動装置25を制御して天板を所定の撮影範囲に亘り移動させながら、高電圧発生器17を制御してX線管13からのX線曝射を行わせ、データ収集回路27に生データ収集を行なわせる。この際、高電圧発生器17は、照射方向毎に管電流設定値に従い管電流を変調させる。これにより方向性変調スキャンが実現される。方向性変調スキャンにおいてデータ収集回路27は、X線検出器15を介して被検体Oに関する生データを収集する。再構成回路103は、収集された生データに基づいて被検体Oの上記所定の撮影範囲に亘る3次元のCT画像に関するボリュームデータを再構成する。再構成された3次元のCT画像は、画像処理回路105による画像処理が施され、表示回路109に表示される。

0064

以上により、本実施形態に係るシステム制御回路115の制御の下に行われるX線コンピュータ断層撮影装置の一連の動作の説明を終了する。

0065

上記図3の動作例に示す通り、本実施形態に係る演算回路107は、オーバーフローするスライスがある場合、無条件でDASゲインを引き下げるのではなく、被検体形状が扁平であるか否かを判定する。そして演算回路107は、被検体形状が扁平であると判定した場合、被検体の長軸方向の変調条件値を低減することにより、DASゲインの引き下げることなくオーバーフローを回避する。一方、演算回路107は、被検体形状が扁平でないと判定した場合、変調条件値を低減する余地はないと判断して、DASゲインを引き下げる。このように本実施形態に係る演算回路107は、データ収集回路27のオーバーフローを回避しつつDASゲインを可能な限り高い値に維持するために、スライスにおける被検体形状、換言すれば、照射方向毎の被検体厚を考慮して、管電流の方向性変調スキャンに係る管電流設定値とDASゲインとを調節する。これにより、被検体形状に応じて最適な管電流設定値とDASゲイン設定値とを設定することができる。

0066

なお、図3の動作の流れは一例であって、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の処理工程はこれに限定されない。例えば、ステップS1における位置決めスキャン工程とステップS2における位置決め画像の生成工程は、位置決め画像が既にある場合には省略可能である。

0067

また、図3の動作の流れにおいては、オーバーフローするスライスがない場合、DASゲインを低レベルから高レベルに段階的に引き上げるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、演算回路107は、DASゲインの初期値を最高レベルに設定し、オーバーフローするスライスがあると判定される毎に、DASゲインを高レベルから低レベルに段階的に引き下げでも良い。

0068

上記の説明の通り、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線源13、高電圧発生器17、X線検出器15、データ収集回路27及び演算回路107を有する。X線源13は、X線を発生する。高電圧発生器17は、X線源13への管電圧と管電流とを調節する。X線検出器15は、X線源13から発生され被検体Oを透過したX線を検出する。データ収集回路27は、検出されたX線に応じた電気信号をX線検出器15から読み出し、読み出した電気信号を可変のゲインで増幅する。演算回路107は、被検体Oに関する位置決め画像に基づいて、DASゲインを可能な限り高いレベルに維持しつつデータ収集回路27のオーバーフローが回避されるように、方向性変調スキャンにおける管電流の変調条件とデータ収集回路27のDASゲインとを決定する。

0069

上記の構成により、演算回路107は、被検体の形状に応じた最適な管電流の変調条件とDASゲインとを決定することができるので、画質の最適化、ひいては被検体Oの被曝を低減することができる。

0070

かくして本実施形態においては、方向性変調スキャンに関し、最適な線量及び画質に調整することが可能になる。

0071

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0072

10…架台、11…回転フレーム、13…X線管、15…X線検出器、17…高電圧発生器、19…ボウタイフィルタ、21…回転駆動装置、23…寝台、25…寝台駆動装置、27…データ収集回路、29…架台制御回路、100…コンソール、101…前処理回路、103…再構成回路、105…画像処理回路、107…演算回路、109…表示回路、111…入力回路、113…主記憶回路、115…システム制御回路、121…AEC計算機能、123…DAS出力値計算機能、125…オーバーフロー判定機能、127…扁平率計算機能、129…管電流/ゲイン調節機能、270…DAS素子、271…前置増幅回路、273…可変利得増幅回路、275…積分回路、277…A/D変換回路。

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