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課題

造血幹細胞分化を促進する新規因子を提供すること。

解決手段

グルタミン酸ロイシンバリンスレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する造血幹細胞の分化促進剤

概要

背景

血液は血球細胞血漿から構成されており、酸素運搬老廃物の除去、免疫機能などの生体恒常性維持に重要な働きを有している。ところが、高齢者では、加齢によって血液中の血球細胞の減少や機能低下が起こるため、感染症に対する免疫力が低下し、貧血好中球低下症、血小板低下症など様々な造血系疾患に罹患しやすく、QOLの低下を招くことが報告されている(非特許文献1−4等)。このような血球細胞の減少や機能低下は、それらをつくる造血幹細胞老化が原因の一つとして考えられている(非特許文献5)。

造血幹細胞は骨髄においてわずかに存在し、すべての血球細胞に分化する多分化能自己複製能を有する細胞で、個体の一生にわたり血球細胞を供給し続ける。よって、造血幹細胞を移植することで、血球細胞が全くない状態から、全血球細胞再構築することが可能である。そのため、血液疾患免疫不全症等の治療手段として、自己又は同種の造血幹細胞の移植が行われている。しかしながら、造血幹細胞は加齢とともに増殖能分化能が低下することが報告されており(非特許文献6)、造血幹細胞を移植しても血球系の再構築ができないという事態もある。

従って、加齢に伴う血球系の再構築の不全がもたらすQOLの低下の防止や改善のためには、造血幹細胞の機能回復が重要であると考えられる。これまで、造血幹細胞の分化促進に関与する因子としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM-CSF)やトロンボポエチン(TPO)などの因子が知られているが(非特許文献7、8)、いずれも十分な効果があるとはいえず、また、生体内での制御や日常的に継続して使用が困難であるといったような種々の問題があり、これらに代わる新たな因子の解明が望まれている。

概要

造血幹細胞の分化を促進する新規な因子を提供すること。グルタミン酸ロイシンバリンスレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する造血幹細胞の分化促進剤。なし

目的

これまで、造血幹細胞の分化促進に関与する因子としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)やトロンボポエチン(TPO)などの因子が知られているが(非特許文献7、8)、いずれも十分な効果があるとはいえず、また、生体内での制御や日常的に継続して使用が困難であるといったような種々の問題があり、これらに代わる新たな因子の解明が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

グルタミン酸ロイシンバリンスレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する造血幹細胞分化促進剤

請求項2

請求項1に記載の造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養することを特徴とする、造血幹細胞の分化促進方法

請求項3

請求項1に記載の造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養する工程を含む、血液細胞の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、グルタミン酸ロイシンバリンスレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する造血幹細胞分化促進剤に関する。

背景技術

0002

血液は血球細胞血漿から構成されており、酸素運搬老廃物の除去、免疫機能などの生体恒常性維持に重要な働きを有している。ところが、高齢者では、加齢によって血液中の血球細胞の減少や機能低下が起こるため、感染症に対する免疫力が低下し、貧血好中球低下症、血小板低下症など様々な造血系疾患に罹患しやすく、QOLの低下を招くことが報告されている(非特許文献1−4等)。このような血球細胞の減少や機能低下は、それらをつくる造血幹細胞の老化が原因の一つとして考えられている(非特許文献5)。

0003

造血幹細胞は骨髄においてわずかに存在し、すべての血球細胞に分化する多分化能自己複製能を有する細胞で、個体の一生にわたり血球細胞を供給し続ける。よって、造血幹細胞を移植することで、血球細胞が全くない状態から、全血球細胞再構築することが可能である。そのため、血液疾患免疫不全症等の治療手段として、自己又は同種の造血幹細胞の移植が行われている。しかしながら、造血幹細胞は加齢とともに増殖能分化能が低下することが報告されており(非特許文献6)、造血幹細胞を移植しても血球系の再構築ができないという事態もある。

0004

従って、加齢に伴う血球系の再構築の不全がもたらすQOLの低下の防止や改善のためには、造血幹細胞の機能回復が重要であると考えられる。これまで、造血幹細胞の分化促進に関与する因子としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM-CSF)やトロンボポエチン(TPO)などの因子が知られているが(非特許文献7、8)、いずれも十分な効果があるとはいえず、また、生体内での制御や日常的に継続して使用が困難であるといったような種々の問題があり、これらに代わる新たな因子の解明が望まれている。

先行技術

0005

Disordered hematopoiesis and myelodysplasia in the elderly. J. Am. Geriatr Soc. 2003 Mar;51(3 Suppl):S22-6
Immunosenescence: emerging challenges for an ageing population. Immunology. 2007 Apr;120(4):435-46. Epub 2007 Feb 15.
Aging of the Innate Immune System: An Update.Curr Immunol. Rev. 2011 Feb 1;7(1):104-115.
Unexplained anemia in the elderly. Semin Hematol. 2008 Oct;45(4):250-4. doi: 10.1053/j.seminhematol.2008.06.003.
The ageing haematopoietic stem cell compartment. Nat. Rev. Immunol. 2013 May;13(5):376-89. doi: 10.1038/nri3433. Epub 2013 Apr 15.
Age-associated characteristics of murine hematopoietic stem cells. J. Exp. Med. 2000 Nov 6;192(9):1273-80.
The molecular control of cell division, differentiation commitment and maturation in haemopoietic cells. Nature. 1989 May 4;339(6219):27-30.
The effect of thrombopoietin on the proliferation and differentiation of murine hematopoietic stem cells. Blood. 1996 Jun 15;87(12):4998-5005.

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、上記実情に鑑み、造血幹細胞の分化を促進する新規な因子を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸が、優れた造血幹細胞の分化促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する造血幹細胞の分化促進剤。
(2)(1)に記載の造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養することを特徴とする、造血幹細胞の分化促進方法
(3)(1)に記載の造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養する工程を含む、血液細胞の製造方法。

発明の効果

0009

本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、造血幹細胞の分化を促進して血液細胞を誘導することができるので、造血幹細胞の機能低下又は不全に起因する血液及び造血器の疾患を治療、改善、及び予防することができる。また本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、アミノ酸を有効成分とすることから、日常的に使用しても副作用がなく安全性が高い。よって、医薬品や健康食品などの飲食品安心して使用できる。さらに本発明の造血幹細胞の分化促進剤を添加した培地にて造血幹細胞を培養することによって製造された血液細胞は血液製剤として使用することができる。

0010

以下に、本発明について詳細に述べる。
本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分とする。

0011

本発明の造血幹細胞の分化促進剤の有効成分であるグルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンは、それぞれ、L−体、D−体、DL−体のいずれであってもよいが、L−体が好ましい。また、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンは、それぞれ、遊離体であっても、生理学的に許容される塩の形態であってもよい。塩の形態としては、有機酸酢酸乳酸クエン酸酒石酸マレイン酸フマル酸等)、無機酸(塩酸臭化水素酸硫酸リン酸硝酸過塩素酸等)、有機塩基エチレンジアミンプロピレンジアミンエタノールアミンモノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミントリエタノールアミン等)、又は無機塩基ナトリウムカリウムカルシウム等の金属の水酸化物又は炭酸化物、又はアンモニア等)との間で形成される塩が挙げられる。また、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンは、化学合成法発酵法、遺伝子組み換え法によって調製されたもの、これらのアミノ酸を含有する動植物等から抽出し精製したもの、市販品のいずれを使用してもよい。

0012

有効成分であるグルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンは、いずれか1種を用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、5種全部を用いることがより好ましい。2種以上を組み合わせて用いる場合、グルタミン酸、グリシンのいずれか一方又は両方を含んでいることが好ましい。

0013

本発明において「造血幹細胞」とは、骨髄球系前駆細胞を経て骨髄球系細胞赤血球、血小板、顆粒球好酸球好塩基球、好中球)、単球等)、ならびにリンパ球系前駆細胞を経てリンパ球系細胞(B細胞、T細胞、NK細胞等)への分化が可能な細胞をいう。造血幹細胞は、CD34抗原陽性で、かつ、CD38抗原が陰性である(CD34+CD38−)ことにより特徴づけられる。

0014

本発明において、「造血幹細胞の分化」とは、造血幹細胞から造血前駆細胞(骨髄球系前駆細胞、リンパ球系前駆細胞)に、また、造血前駆細胞から成熟血液細胞に分裂増殖することをいう。

0015

本発明において「造血幹細胞の分化促進」とは、本発明の薬剤投与又は摂取する前と比較して、造血幹細胞の分化が活性化することをいう。造血幹細胞の分化が活性化したか否かのin vitroでの判定は、当業者が通常行う方法によって行うことが可能であり、例えば、本発明の造血幹細胞の分化促進剤の非存在下で培養した幹細胞と比較して、本発明の造血幹細胞の分化促進剤の存在下で培養した該幹細胞において血液細胞マーカー遺伝子発現レベルmRNAベル又はタンパク質レベルで有意に高いか否かで評価することができる。血液細胞マーカー遺伝子としては、例えば、赤血球マーカーとしてBmaj、Ter119、顆粒球マーカーとしてGr−1、Fcgr3、単球・マクロファージ系細胞マーカーとしてCD11b/CD18(Mac−1)、F4/80、B細胞マーカーとしてCD45R(Ptprc)、T細胞マーカーとしてLy1、CD2などが挙げられるが、これらに限定はされない。

0016

本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、医薬や食品の形態で生体内における造血幹細胞の分化促進に使用することができるほか、造血幹細胞の分化を促進するための細胞培養用添加剤、研究用試薬として生体外における造血幹細胞の分化促進にも使用することができる。よって、本発明によれば、上記の特定のアミノ酸を含む造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養することを特徴とする、造血幹細胞の分化促進方法、ならびに、上記の特定のアミノ酸を含む造血幹細胞の分化促進剤の存在下で造血幹細胞を培養する工程を含む、血液細胞の製造方法が提供される。

0017

ここで、「血液細胞」とは、造血幹細胞から、造血前駆細胞(多能性造血前駆細胞、単能性造血前駆細胞を含む)を経て、最終的に機能する血液細胞に至る段階のすべての細胞(造血幹細胞を除く)をいう。具体的には、造血幹細胞から分化誘導された骨髄球系前駆細胞、リンパ球系前駆細胞、赤芽球骨髄芽球前骨髄球骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球、赤血球、巨核球、血小板、前駆B細胞、前駆T細胞、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞単芽球、単球、マクロファージ樹状細胞などが挙げられる。また、本発明の血液細胞の製造方法により得られる血液細胞は、得られたままの状態で、又は遠心分離分離フィルター等の分離手段により目的とする血液細胞を分離し、患者輸注可能な製剤に調製してもよい。

0018

本発明の上記方法に用いる培地は、幹細胞の培養に一般に用いられる培地を基礎培地とし、本発明の造血幹細胞の分化促進剤を添加することにより調製することができる。例えば、基礎培地としては、幹細胞の生存及び増殖に必要な成分(無機塩炭水化物ホルモンビタミン脂肪酸)を含む基本培地、具体的には、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(D−MEM)、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle Medium:Nutrient Mixture F−12(D−MEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)、ハンクス液(Hank’s balanced salt solution)等が挙げられるが、D−MEM/F−12が好ましい。また、培地に、増殖因子として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)及び/又は白血球遊走阻止因子(LIF)を添加してもよい。さらに、必要に応じて、培地は、上皮細胞増殖因子(EGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ビタミン類インターロイキン類、インスリントランスフェリンヘパリンヘパラン硫酸コラーゲンフィブロネクチンプロゲステロンセレナイト、B27−サプリメント、N2−サプリメント、ITS−サプリメント、抗生物質等を含有してもよい。

0019

本発明の造血幹細胞の分化促進剤の培地中の含有量は、使用するグルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンの種類や数、組み合わせより適宜変更できるが、例えば、グルタミン酸を7.5mM以上、好ましくは15mM以上、より好ましくは30mM以上、ロイシンを1.5mM以上、好ましくは3mM以上、より好ましくは6mM以上、バリンを1.5mM以上、好ましくは3mM以上、より好ましくは6mM以上、スレオニンを1.5mM以上、好ましくは3.0mM以上、より好ましくは6.0mM以上、グリシンを0.9mM以上、好ましくは1.8mM以上、より好ましくは3.6mM以上となるように培地を調製すればよい。また、上限については限定はされないが、効果と経済性の観点からいずれのアミノ酸も50mM以下、好ましく35mM以下である。

0020

造血幹細胞の培養に用いる培養器は、幹細胞の培養が可能なものであれば特に限定されないが、例えば、フラスコシャーレディッシュプレートチャンバースライドチューブトレイ培養バッグローラーボトルなどが挙げられる。

0021

培養器は、細胞非接着性であっても接着性であってもよく、目的に応じて適宜選択される。細胞接着性の培養器は、細胞との接着性を向上させる目的で、細胞外マトリックス等による細胞支持用基質などで処理したものを用いてもよい。細胞支持用基質としては、例えば、コラーゲン、ゼラチンポリ−L−リジンポリ−D−リジンラミニン、フィブロネクチンなどが挙げられる。

0022

造血幹細胞の培養条件は、造血幹細胞の培養に用いられる通常の条件に従えばよく、特別な制御は必要ではない。例えば、培養温度は、特に限定されるものではないが約30〜40℃、好ましくは36〜37℃である。CO2ガス濃度は、例えば約1〜10%、好ましくは約2〜5%である。培養時間は、例えば約1日〜14日、好ましくは4〜6日間である。なお、培地の交換は2〜3日に1回行うことが好ましく、毎日行うことがより好ましい。前記培養条件は、造血幹細胞が生存及び増殖し、かつ分化促進が可能な範囲で適宜変動させて設定することもできる。

0023

本発明の造血幹細胞の分化促進剤を生体内に投与する場合は、そのまま投与することも可能であるが、本発明の効果を損なわない範囲で適当な添加物とともに医薬品や飲食品などの組成物に配合することができる。なお、本発明の医薬品には、動物に用いる薬剤、即ち獣医薬も包含されるものとする。

0024

本発明の造血幹細胞の分化促進剤を医薬品として提供する場合は、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン及びグリシンから選択される1種又は2種以上のアミノ酸(以下、「造血幹細胞分化促進用アミノ酸」という)に、医薬上許容され、かつ剤型に応じて適宜選択した製剤用基材担体賦形剤希釈剤結合剤滑沢剤コーティング剤崩壊剤又は崩壊補助剤安定化剤保存剤防腐剤増量剤分散剤、湿潤化剤、緩衝剤溶解剤又は溶解補助剤等張化剤pH調節剤噴射剤着色剤甘味剤矯味剤香料等を適宜添加して、公知の種々の方法にて経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる各種製剤形態に調製すればよい。本発明の医薬品を上記の各形態で提供する場合、通常当業者に用いられる製法、たとえば日本薬局方製剤総則[2]製剤各条に示された製法等により製造することができる。

0025

本発明の医薬品は、経口又は非経口的に投与することができるが、好ましくは経口投与である。本発明の医薬品を経口投与する場合は、錠剤糖衣錠を含む)、カプセル剤顆粒剤散剤トローチ剤丸剤内用水剤乳剤シロップ剤懸濁剤エリキシル剤などに製剤化するか、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。また、本発明の医薬品を非経口投与する場合は、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤坐剤などに製剤化し、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。

0026

経口投与用製剤には、例えば、デンプンブドウ糖ショ糖果糖乳糖ソルビトールマンニトール結晶セルロース炭酸マグネシウム酸化マグネシウムリン酸カルシウム、又はデキストリン等の賦形剤;カルボキシメチルセルロースカルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプン、又はヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドンアラビアゴム、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウム、又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖ポリエチレングリコール、又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリングリセリン精製水、又はハードファット等の基剤などを用いることができるが、これらに限定はされない。

0027

非経口投与用製剤には、蒸留水生理食塩水エタノール、グリセリン、プロピレングリコールマクロゴールミョウバン水植物油等の溶剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤などを用いることができるが、これらに限定はされない。

0028

また、製剤化に当たっては、本発明の造血幹細胞の分化促進剤の有効成分である造血幹細胞分化促進用アミノ酸以外の1種以上の有効成分を併用してもよい。併用に適した有効成分としては、例えば、塩化鉄硫酸鉄、及びリン酸鉄等の鉄の無機酸塩クエン酸鉄グルコン酸鉄乳酸鉄等の鉄の有機酸塩ヘム鉄及びフェリチン等の鉄とタンパク質結合物、ならびに酸化鉄等を挙げることができる。鉄化合物は、医薬品又は食品に用いることができるものが好ましく、例えば、クエン酸鉄、クエン酸第1鉄ナトリウム、グルコン酸第1鉄、乳酸鉄、フマル酸第1鉄、ピロリン酸第1鉄、ピロリン酸第2鉄、及び硫酸第1鉄などが挙げられる。鉄化合物は市販品を用いればよく、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。

0029

上記製剤中の造血幹細胞分化促進用アミノ酸の含有量は特に限定されないが、製剤全量に対して0.1重量%以上、好ましくは1.0重量%以上であり、かつ30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。又、製剤化における有効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加してもよく、作業性を考えて適宜選択すればよい。

0030

本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、有効成分である造血幹細胞分化促進用アミノ酸が造血幹細胞の分化促進作用を有するので、造血幹細胞の機能低下又は不全に起因する血液及び造血器の疾患又は病態を治療、改善、及び予防するための医薬品として有効である。造血幹細胞の機能低下又は不全は、例えば、造血幹細胞の分化が十分でないために、幼若な血球が造られるものの、質的異常のために十分に成熟できないまま骨髄内で壊れてしまう「無効造血」や、造られた血球細胞の形状が異常になる「異形成」をもたらす。よって、造血幹細胞の機能低下又は不全に起因する血液及び造血器の疾患又は病態としては、例えば、再生不良性貧血汎血球減少症)、骨髄異形成症候群(MDS)、サラセミア鉄芽球性貧血鉄欠乏性貧血巨赤芽球性貧血溶血性貧血赤芽球癆先天性貧血(例えば鎌状赤血球血症)、発作性夜間色素尿症二次性貧血(感染症、悪性腫瘍慢性疾患腎疾患肝疾患内分泌性疾患等に伴う貧血)、悪性リンパ腫多発性骨髄腫骨髄増殖性疾患真性多血症本態性血小板血症骨髄線維症など)、突発性血小板減少性紫斑病ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、血小板無力症自己免疫性溶血性貧血のほか、一般的な貧血状態動悸息切れ眩暈立ち眩み、異嗜症、易疲労感倦怠感食欲不振悪心頭痛顔面蒼白、肌のクスミやクマ耳鳴り肩こり口角炎等)などが挙げられる。また、「造血幹細胞の機能低下又は不全」は、上記の疾患によるものだけではなく、抗癌剤免疫抑制剤の投与、癌の放射線治療によるものを含む。

0031

本発明の医薬品は、上記疾患又は病態発症を抑制する予防薬として、及び/又は、正常な状態に改善する治療薬として機能する。

0032

本発明の医薬品の有効成分は、非常に安全性が高く副作用がないため、前述の疾患の治療、改善、及び予防用医薬として用いる場合、ヒト、マウスラットウサギイヌネコ等の哺乳動物に対して広い範囲の投与量で経口的に又は非経口的に投与することができる。

0033

本発明の医薬品の投与量は、疾患の種類、投与対象年齢性別、体重、症状の程度などに応じて適宜決定することができる。例えば、成人(体重60kg)に経口投与する場合には、造血幹細胞分化促進用アミノ酸の合計量が1日あたり10mg〜50g、好ましくは100mg〜10g程度である。

0034

また、本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、飲食品にも配合できる。本発明において、飲食品とは、一般的な飲食品のほか、医薬品以外で健康の維持や増進を目的として摂取できる食品、例えば、健康食品、機能性食品保健機能食品、又は特別用途食品を含む意味で用いられる。健康食品には、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等の名称で提供される食品を含む。保健機能食品は食品衛生法又は食品増進法により定義され、特定の保健の効果や栄養成分の機能、疾病リスクの低減などを表示できる、特定保健用食品及び栄養機能食品、ならびに科学的根拠に基づいた機能性について消費者長官に届け出た内容を表示できる機能性表示食品が含まれる。また特別用途食品には、特定の対象者や特定の疾患を有する患者に適する旨を表示する病者用食品、高齢者用食品乳児用食品妊産婦用食品等が含まれる。本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、特に高齢者、妊産婦、月経出血傾向を伴う疾病胃潰瘍十二指腸潰瘍胃腸ポリープや癌、など)時における貧血や貧血に伴う諸症状の改善及び予防のために長期にわたって服用が必要となる場合に、日常的に継続して摂取できる点で上記の健康食品等に好適に用いることができる。ここで、飲食品に付される特定の保健の効果や栄養成分の機能等の表示は、製品の容器、包装説明書添付文書などの表示物、製品のチラシパンフレット新聞雑誌等の製品の広告などにすることができる。

0035

さらに、本発明の飲食品をヒト以外の哺乳動物を対象として使用する場合には、ペットフード飼料を含む意味で用いることができる。

0036

飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状クリーム状、ペースト状のいずれであってもよい。特に、上記の健康食品等の場合の形状としては、例えば、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状トローチ状、液状(シロップ状、乳状、懸濁状を含む)等が好ましい。

0037

飲食品の種類としては、パン類麺類菓子類乳製品水産畜産加工食品、油脂及び油脂加工食品調味料、各種飲料(清涼飲料炭酸飲料美容ドリンク、栄養飲料、果実飲料乳飲料など)及び該飲料の濃縮原液及び調整用粉末等が挙げられるが、これらに限定はされない。

0038

本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜配合してもよい。添加物としては、食品衛生法上許容されうる添加物であればいずれも使用できるが、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、異性化液糖アスパルテームステビア等の甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料;デキストリン、デンプン等の賦形剤;結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。

0039

本発明の飲食品が一般的な飲食品の場合は、その飲食品の通常の製造工程において造血幹細胞分化促進用アミノ酸を添加する工程を含めることによって製造することができる。また健康食品の場合は、前記の医薬品の製造方法に準じればよく、例えば、タブレット状のサプリメントでは、造血幹細胞分化促進用アミノ酸に、賦形剤等の添加物を添加、混合し、打錠機等で圧力をかけて成形することにより製造することができる。カプセル状のサプリメントでは、造血幹細胞分化促進用アミノ酸を含有する液状、懸濁状、ペースト状、粉末状、又は顆粒状の食品組成物カプセル充填するか、又はカプセル基剤被包成形して製造することができる。また、必要に応じてその他の材料(例えば、鉄、カリウム等のミネラル類ビタミンCビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12等のビタミン類、葉酸食物繊維等)を添加することもできる。

0040

本発明の飲食品における造血幹細胞分化促進用アミノ酸の配合量は、造血幹細胞の分化促進作用が発揮できる量であればよいが、対象飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、効能・効果、呈味性嗜好性及びコストなどを考慮して適宜設定すればよい。

0041

本発明の飲食品の摂取量は、前述の疾患又は病態の予防や改善を目的として摂取する場合、摂取させる対象の状態、摂取形態、摂食量等により異なるが、例えば、成人(体重60kg)1日あたり、造血幹細胞分化促進用アミノ酸の合計量が10mg〜50g、好ましくは100mg〜10g程度である。前記の量は1回で摂取させてもよいが、数回(2〜4回)に分けて摂取してもよい。本発明の飲食品は、摂取量の目安とするため1回に摂取するべき量の飲食品が、1個の袋やビン等の容器に包装又は充填されていることが好ましい。

0042

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。

0043

[実施例1]造血幹細胞分化促進効果の測定
未分化状態で培養したA-6細胞(マウス造血幹細胞)(理化学研究所)を用いて、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン、グリシンの造血幹細胞に対する分化促進効果評価試験を行った。細胞培養用培地には細胞の増殖や生存のために、元々一定量の各種アミノ酸が配合されている。例えば、本試験においてA-6細胞の培養の基礎培地として用いたDMEM/F12(Gibco社製)には、グルタミン酸(0.05mM)、ロイシン(0.45mM)、バリン(0.45mM)、スレオニン(0.45mM)、グリシン(0.25mM)が含まれている。そこで、本試験では、表1に示すように、基礎培地(条件1)における上記5種のアミノ酸のうちの1種のアミノ酸の濃度を変化させた培地(条件2〜16)、ならびに上記5種のアミノ酸の濃度をすべて同時に増加させた培地(条件17)を調製し、造血幹細胞の分化に及ぼす影響を解析した。なお、各条件の培地には、ウシ胎児血清(20%;Sigma社製)、G-CSF(10ng/mL;Pepro Tech社製)、IL-3(10ng/mL;Pepro Tech社製)、IL-6(100ng/mL;Pepro Tech社製)、SCF(100ng/mL;Pepro Tech社製)、EPO(25U/mL;Pepro Tech社製)、Insulin(10ng/mL;SIGMA社製)、Transferrin(10ng/mL;SIGMA社製)、2-メルカプトエタノール(100μM;Gibco社製)を添加した。

0044

A-6細胞を、各条件の培地を添加した12well plateに1x106個ずつ播種し、4日間培養した。培養4日後に細胞を回収し、PBS(-)にて2回洗浄し、Trizol Reagent(Invitrogen社製)によって細胞からRNAを抽出した。2-STEPリアルタイムPCRキット(Applied Biosystems社製)を用いて、抽出したRNAをcDNA逆転写した後、ABI7300(Applied Biosystems社製)により、リアルタイムPCR(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40サイクル)を実施し、Ptprc(B細胞マーカー:The decline in B lymphopoiesis in aged mice reflects loss of very early B-lineage precursors. J Immunol. 2003 Sep 1;171(5):2326-30.)の遺伝子発現を確認した。その他の操作は定められた方法に従って実施した。

0045

各遺伝子の増幅に用いたプライマーセットを以下に示す。

0046

[Ptprc (B細胞マーカー)遺伝子用プライマーセット]
フォワードプライマー:5'-ACCTGCTCGCACCACTGAA-3'(配列番号1)
リバースプライマー:5'-CCTGGATGATATGTGGTCTCTGAAG-3'(配列番号2)

0047

[内部標準グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)遺伝子用のプライマーセット]
フォワードプライマー:5'-CCGTGTTCCTACCCCCAAT-3'(配列番号3)
リバースプライマー:5'-TGCCTGCTTCACCACCTTCT-3'(配列番号4)

0048

細胞分化促進効果は、基礎培地(条件1)で培養4日後のA-6細胞におけるPtprc(分化マーカー)の発現量を内部標準であるGapdhmRNAの発現量に対する割合として算出した分化マーカーの遺伝子相対発現量(Ptprc遺伝子発現量/Gapdh遺伝子発現量)の値を100%とし、これに対し、アミノ酸添加量を変化させた培地(条件2〜17)で培養4日後のA-6細胞における各分化マーカーの遺伝子相対発現量の値を算出し、評価した。これらの試験結果を表1に合わせて示す。

0049

実施例

0050

表1に示されるように、基礎培地におけるグルタミン酸の濃度(条件2-4)、ロイシンの濃度(条件5-7)、バリンの濃度(条件8-10)、スレオニンの濃度(条件11-13)、グリシンの濃度(条件14-16)を増加させることにより造血幹細胞の分化が促進されることが分かった。さらに、これら5種のアミノ酸の濃度をすべて同時に増加させると(条件17)、その分化促進効果はさらに顕著になった。以上より、グルタミン酸、ロイシン、バリン、スレオニン、グリシンに顕著な造血幹細胞の分化促進効果が認められた。なお、本実験例で用いた細胞以外にも、市販のヒト造血幹細胞についても同様な試験を行ったところ、同様に顕著な造血幹細胞の分化促進効果が認められた。

0051

本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、造血幹細胞を効率的に血液細胞に分化誘導させることができる。よって、本発明の造血幹細胞の分化促進剤は、造血幹細胞の機能低下や不全に起因する血液及び造血器の疾患又は病態の治療、改善、及び予防するための医薬品などの製造分野において利用できる。

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