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技術 インバータ装置

出願人 アイシン精機株式会社イムラアメリカインコーポレイテッド
発明者 飯田司城ノ口秀樹
出願日 2016年9月23日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-186320
公開日 2018年3月29日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-050440
状態 未査定
技術分野 インバータ装置
主要キーワード 入力側駆動 常時閉状態 出力側インバータ 分数調波 出力側スイッチ 極側スイッチング素子 本変形形態 入力側スイッチ
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図面 (20)

課題

直流電力交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することが可能なインバータ装置を提供する。

解決手段

本発明のインバータ装置(100)によれば、インバータ(20)は、混成波生成部(20a)と、出力波生成部(20b)とを備える。混成波生成部(20a)は、所定周波数からインバータ(20)の出力周波数を減じた第一周波数周期的に変動する第一交流波と所定周波数にインバータ(20)の出力周波数を加えた第二周波数で周期的に変動する第二交流波とを混成した混成波(Pm)を直流電力(Pdc)から生成する。出力波生成部(20b)は、混成波(Pm)に含まれるインバータ(20)の出力周波数の二倍の周波数成分をインバータ(20)の出力周波数と同じ周波数成分に変換して、混成波(Pm)からインバータ(20)が出力する出力波(Pout)を生成する。

概要

背景

上記発明の一例として、特許文献1および特許文献2に記載の発明が挙げられる。特許文献1に記載の太陽光電力変換装置は、太陽電池と、入力側インバータと、絶縁トランスと、複数の整流素子と、出力側インバータとを備えている。太陽電池から出力された直流電力は、入力側インバータによって交流電力に変換され、絶縁トランスの一次側に入力される。絶縁トランスの二次側から出力された交流電力は、複数の整流素子によって直流電力に変換され、出力側インバータによって所望の交流電力に変換される。入力側インバータおよび出力側インバータは、いずれも4つのスイッチング素子を備えている。

特許文献2に記載の燃料電池電力変換装置は、燃料電池と、コンバータと、昇圧トランスと、複数の整流素子と、インバータとを備えている。燃料電池から出力された直流電力は、コンバータによって交流電力に変換され、昇圧トランスの一次側に入力される。昇圧トランスの二次側から出力された交流電力は、複数の整流素子によって直流電力に変換され、インバータによって所望の交流電力に変換される。コンバータは、4つのスイッチング素子を備えている。なお、特許文献2には、インバータのスイッチング素子の数について明示されていないが、インバータは、コンバータと同様に、4つのスイッチング素子を備えているものと考えられる。

概要

直流電力を交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することが可能なインバータ装置を提供する。 本発明のインバータ装置(100)によれば、インバータ(20)は、混成波生成部(20a)と、出力波生成部(20b)とを備える。混成波生成部(20a)は、所定周波数からインバータ(20)の出力周波数を減じた第一周波数周期的に変動する第一交流波と所定周波数にインバータ(20)の出力周波数を加えた第二周波数で周期的に変動する第二交流波とを混成した混成波(Pm)を直流電力(Pdc)から生成する。出力波生成部(20b)は、混成波(Pm)に含まれるインバータ(20)の出力周波数の二倍の周波数成分をインバータ(20)の出力周波数と同じ周波数成分に変換して、混成波(Pm)からインバータ(20)が出力する出力波(Pout)を生成する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、直流電力を交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することが可能なインバータ装置を提供する

効果

実績

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請求項1

直流電源と、前記直流電源から出力された直流電力を所望の交流電力に変換するインバータと、前記インバータを駆動制御する制御装置とを備えるインバータ装置であって、前記インバータは、所定周波数から前記インバータの出力周波数を減じた第一周波数周期的に変動する第一交流波と前記所定周波数に前記インバータの前記出力周波数を加えた第二周波数で周期的に変動する第二交流波とを混成した混成波を前記直流電力から生成する混成波生成部と、前記混成波に含まれる前記インバータの前記出力周波数の二倍の周波数成分を前記インバータの前記出力周波数と同じ周波数成分に変換して、前記混成波から前記インバータが出力する出力波を生成する出力波生成部と、を備えるインバータ装置。

請求項2

前記混成波生成部は、一次側巻線と二次側巻線とを備えるトランスと、前記直流電源の正極側に接続されている正極側スイッチング素子と前記直流電源の負極側に接続されている負極側スイッチング素子とが接続部で接続され直列接続されている一対のスイッチング素子を二組備える入力側スイッチング素子群と、を具備し、前記トランスの前記一次側巻線の一方の端部は、前記入側スイッチング素子群の一方の一対のスイッチング素子の前記接続部に接続され、前記一次側巻線の他方の端部は、前記入力側スイッチング素子群の他方の一対のスイッチング素子の前記接続部に接続されており、前記制御装置は、前記第一周波数と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波を用いて前記一方の一対のスイッチング素子をパルス幅変調制御し、前記第二周波数と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波を用いて前記他方の一対のスイッチング素子をパルス幅変調制御して、前記トランスの前記二次側巻線に前記混成波を出力させる入力側スイッチング素子群制御部を備える請求項1に記載のインバータ装置。

請求項3

前記混成波生成部は、一次側第一巻線と一次側第二巻線とが直列接続されている一次側巻線と、二次側巻線とを備えるトランスと、前記一次側巻線の一方の端部であって前記一次側第一巻線が設けられている側と同じ側の端部と前記直流電源の負極との間の電路に設けられている入力側第一スイッチング素子と、前記一次側巻線の他方の端部であって前記一次側第二巻線が設けられている側と同じ側の端部と前記直流電源の前記負極との間の電路に設けられている入力側第二スイッチング素子とを備える入力側スイッチング素子群と、を具備し、前記直流電源の正極は、前記一次側第一巻線と前記一次側第二巻線とが接続されている一次側接続部に接続されており、前記制御装置は、前記第一周波数と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波を用いて前記入力側第一スイッチング素子をパルス幅変調制御し、前記第二周波数と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波を用いて前記入力側第二スイッチング素子をパルス幅変調制御して、前記トランスの前記二次側巻線に前記混成波を出力させる入力側スイッチング素子群制御部を備える請求項1に記載のインバータ装置。

請求項4

前記混成波生成部は、一次側巻線と二次側巻線とを備えるトランスと、前記直流電源の正極側に接続されている正極側スイッチング素子と前記直流電源の負極側に接続されている負極側スイッチング素子とが接続部で接続され直列接続されている一対のスイッチング素子を二組備える入力側スイッチング素子群と、を具備し、前記トランスの前記一次側巻線の一方の端部は、前記入力側スイッチング素子群の一方の一対のスイッチング素子の前記接続部に接続され、前記一次側巻線の他方の端部は、前記入力側スイッチング素子群の他方の一対のスイッチング素子の前記接続部に接続されており、前記制御装置は、前記第一周波数と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波と前記第二周波数と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波とを混成した混成変調波を用いて、前記入力側スイッチング素子群の各スイッチング素子をパルス幅変調制御して、前記トランスの前記二次側巻線に前記混成波を出力させる入力側スイッチング素子群制御部を備える請求項1に記載のインバータ装置。

請求項5

前記混成波生成部は、一次側第一巻線と一次側第二巻線とが直列接続されている一次側巻線と、二次側巻線とを備えるトランスと、前記一次側巻線の一方の端部であって前記一次側第一巻線が設けられている側と同じ側の端部と前記直流電源の負極との間の電路に設けられている入力側第一スイッチング素子と、前記一次側巻線の他方の端部であって前記一次側第二巻線が設けられている側と同じ側の端部と前記直流電源の前記負極との間の電路に設けられている入力側第二スイッチング素子とを備える入力側スイッチング素子群と、を具備し、前記直流電源の正極は、前記一次側第一巻線と前記一次側第二巻線とが接続されている一次側接続部に接続されており、前記制御装置は、前記第一周波数と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波と前記第二周波数と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波とを混成した混成変調波を用いて、前記入力側第一スイッチング素子および前記入力側第二スイッチング素子をパルス幅変調制御して、前記トランスの前記二次側巻線に前記混成波を出力させる入力側スイッチング素子群制御部を備える請求項1に記載のインバータ装置。

請求項6

前記第一変調波および前記第二変調波は、矩形波または正弦波である請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載のインバータ装置。

請求項7

前記出力波生成部は、前記混成波の正極側成分の通過が許容され負極側成分の通過が規制された正極側混成波と前記混成波の負極側成分の通過が許容され正極側成分の通過が規制された負極側混成波とに前記混成波を分離する混成波分離器と、前記インバータが出力する前記出力波の正極側成分として前記正極側混成波を出力させる出力側第一スイッチング素子と前記出力波の負極側成分として前記負極側混成波を出力させる出力側第二スイッチング素子とが直列接続されている一対のスイッチング素子を備える出力側スイッチング素子群と、前記出力側第一スイッチング素子を介して出力された前記正極側混成波および前記出力側第二スイッチング素子を介して出力された前記負極側混成波に含まれる前記所定周波数と同じ周波数成分を低減するフィルタと、を具備し、前記制御装置は、前記出力波の正極側成分を出力させるときに前記出力側第一スイッチング素子を閉状態にし、かつ、前記出力側第二スイッチング素子を開状態にし、前記出力波の負極側成分を出力させるときに前記出力側第一スイッチング素子を開状態にし、かつ、前記出力側第二スイッチング素子を閉状態にして、前記正極側混成波と前記負極側混成波とを交互に出力させる出力側スイッチング素子群制御部を備える請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のインバータ装置。

請求項8

前記混成波分離器は、複数の整流素子を備え、前記複数の整流素子のうちの一つまたは複数の整流素子は、前記混成波の正極側成分の通過を許容し、かつ、前記混成波の負極側成分の通過を規制し、前記複数の整流素子のうちの他の一つまたは複数の整流素子は、前記混成波の負極側成分の通過を許容し、かつ、前記混成波の正極側成分の通過を規制する請求項7に記載のインバータ装置。

技術分野

0001

本発明は、直流電力を所望の交流電力に変換するインバータを備えるインバータ装置に関する。

背景技術

0002

上記発明の一例として、特許文献1および特許文献2に記載の発明が挙げられる。特許文献1に記載の太陽光電力変換装置は、太陽電池と、入力側インバータと、絶縁トランスと、複数の整流素子と、出力側インバータとを備えている。太陽電池から出力された直流電力は、入力側インバータによって交流電力に変換され、絶縁トランスの一次側に入力される。絶縁トランスの二次側から出力された交流電力は、複数の整流素子によって直流電力に変換され、出力側インバータによって所望の交流電力に変換される。入力側インバータおよび出力側インバータは、いずれも4つのスイッチング素子を備えている。

0003

特許文献2に記載の燃料電池電力変換装置は、燃料電池と、コンバータと、昇圧トランスと、複数の整流素子と、インバータとを備えている。燃料電池から出力された直流電力は、コンバータによって交流電力に変換され、昇圧トランスの一次側に入力される。昇圧トランスの二次側から出力された交流電力は、複数の整流素子によって直流電力に変換され、インバータによって所望の交流電力に変換される。コンバータは、4つのスイッチング素子を備えている。なお、特許文献2には、インバータのスイッチング素子の数について明示されていないが、インバータは、コンバータと同様に、4つのスイッチング素子を備えているものと考えられる。

先行技術

0004

特開平10−75580号公報
特開2010−22104号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の太陽光電力変換装置は、太陽電池から出力された直流電力を交流電力に変換した後に直流電力に戻して、再度、直流電力を交流電力に変換する。このように、特許文献1に記載の発明では、直流電力を交流電力に変換する際の電力変換が複雑化する。そのため、特許文献1に記載の出力側インバータは、入力側インバータと同様の構成のスイッチング素子を備える必要があり、出力側インバータを簡素化することが困難である。特許文献1に記載の発明について上述したことは、特許文献2に記載の発明についても同様に言える。

0006

本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、直流電力を交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することが可能なインバータ装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係るインバータ装置は、直流電源と、前記直流電源から出力された直流電力を所望の交流電力に変換するインバータと、前記インバータを駆動制御する制御装置とを備えるインバータ装置であって、前記インバータは、所定周波数から前記インバータの出力周波数を減じた第一周波数周期的に変動する第一交流波と前記所定周波数に前記インバータの前記出力周波数を加えた第二周波数で周期的に変動する第二交流波とを混成した混成波を前記直流電力から生成する混成波生成部と、前記混成波に含まれる前記インバータの前記出力周波数の二倍の周波数成分を前記インバータの前記出力周波数と同じ周波数成分に変換して、前記混成波から前記インバータが出力する出力波を生成する出力波生成部と、を備える。

発明の効果

0008

本発明に係るインバータ装置によれば、インバータは、混成波生成部と、出力波生成部とを備えている。混成波生成部によって生成される混成波には、所定周波数と同じ周波数成分と、インバータの出力周波数の二倍の周波数成分とが含まれる。そのため、出力波生成部は、混成波に含まれるインバータの出力周波数の二倍の周波数成分をインバータの出力周波数と同じ周波数成分に変換することにより、混成波から、インバータが出力する出力波を容易に生成することができる。よって、本発明に係るインバータ装置は、直流電力を交流電力に変換した後に直流電力に戻して、再度、直流電力を交流電力に変換する場合と比べて、直流電力を交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することができる。

図面の簡単な説明

0009

第一実施形態に係り、インバータ装置100の一例を示す構成図である。
第一交流波P1に係る交流電流経時変化の一例を示す図である。
第二交流波P2に係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
混成波Pmに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
混成波Pmから生成された出力波Poutに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
制御装置30の一例を示す構成図である。
制御装置30の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
一変調波WM1、搬送波WC0および入力側スイッチング素子群50の一のスイッチング素子の駆動信号の関係の一例を示す図である。
正極側混成波Pmpに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
負極側混成波Pmmに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
フィルタ前混成波Pf0に係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
第二実施形態に係り、インバータ装置100の一例を示す構成図である。
第二実施形態に係り、制御装置30の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
第三実施形態に係り、制御装置30の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
図9の混成変調波生成器31fの制御ブロックの一例を示すブロック図である。
変形形態に係り、インバータ装置100の一例を示す構成図である。
図11の正極側混成波Pmpに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
図11の負極側混成波Pmmに係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
図11のフィルタ前混成波Pf0に係る交流電流の経時変化の一例を示す図である。
変形形態に係り、インバータ装置100の他の一例を示す構成図である。
変形形態に係り、インバータ装置100の他の一例を示す構成図である。

実施例

0010

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は、各実施形態について、共通する箇所には共通の符号が付されており、本明細書では、重複する説明が省略されている。また、一の実施形態で既述されていることは、他の実施形態についても適宜適用することができる。さらに、図面は、概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。

0011

<第一実施形態>
(インバータ装置100の概要
図1に示すように、インバータ装置100は、直流電源10と、インバータ20と、制御装置30とを備えている。また、インバータ20は、混成波生成部20aと、出力波生成部20bとを備えている。本実施形態では、混成波生成部20aは、トランス40と、入力側スイッチング素子群50とを備えている。また、本実施形態では、出力波生成部20bは、混成波分離器60と、出力側スイッチング素子群70と、フィルタ80とを備えている。

0012

(直流電源10)
直流電源10は、直流電力Pdcを出力する。直流電源10は、直流電力Pdcを出力することができれば良く、限定されない。直流電源10として、例えば、バッテリ鉛蓄電池)、リチウムイオン電池、燃料電池などの発電装置を用いることができる。燃料電池は、燃料酸化剤ガスとによって発電する発電装置であり、例えば、公知の固体酸化物形燃料電池SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)などの種々の燃料電池を用いることができる。

0013

また、直流電源10は、燃料電池以外の発電装置(例えば、太陽光発電装置など)を用いることもできる。さらに、直流電源10は、ガスエンジン発電機などを用いることもできる。直流電源10としてガスエンジン発電機を用いる場合、交流発電機が出力する交流電力をダイオードブリッジなどの公知の整流回路整流平滑回路で平滑して、直流電力Pdcを生成することができる。

0014

図1に示すように、直流電源10は、本体部11と、電解コンデンサ12とを備えている。本体部11は、直流電源10の主部を模式的に示している。電解コンデンサ12の一端側(正極側)は、本体部11の正極10p側に接続されており、電解コンデンサ12の他端側(負極側)は、本体部11の負極10n側に接続されている。本体部11から出力された直流電力Pdcは、電解コンデンサ12によって平滑され、リップルが低減される。なお、直流電源10の出力状態出力電力等の情報)は、後述する制御装置30に送信される。

0015

(インバータ20)
インバータ20は、直流電源10から出力された直流電力Pdcを所望の交流電力に変換する。図1に示すように、インバータ20は、混成波生成部20aと、出力波生成部20bとを備えている。混成波生成部20aは、直流電力Pdcから混成波Pmを生成する。混成波Pmは、第一交流波P1と、第二交流波P2とを混成した交流波をいう。第一交流波P1は、所定周波数F0からインバータ20の出力周波数Foutを減じた第一周波数F1で周期的に変動する交流波をいう。第二交流波P2は、所定周波数F0にインバータ20の出力周波数Foutを加えた第二周波数F2で周期的に変動する交流波をいう。

0016

所定周波数F0は、インバータ20の出力周波数Foutと比べて、十分高く、または、十分低く設定する必要がある。本実施形態では、所定周波数F0は、インバータ20の出力周波数Foutと比べて、十分高く設定されている。例えば、インバータ20の出力周波数Foutが数十ヘルツ(例えば、50Hzまたは60Hz)の場合、所定周波数F0は、数キロヘルツから数百キロヘルツに設定することができる。所定周波数F0は、例えば、1kHz、2kHz、10kHz、12kHz、20kHz、50kHz、100kHzなどに設定することができる。また、所定周波数F0は、可聴周波数帯域の上限値(例えば、約20kHz)よりも高い周波数に設定することもできる。この場合、インバータ20の駆動時の騒音を容易に低減することができる。

0017

図2A曲線L11は、第一交流波P1に係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t11は、曲線L11の交流電流の一周期を示しており、その逆数である第一周波数F1が併記されている。時間t10は、インバータ20が出力する出力波Poutの一周期を示しており、その逆数である出力周波数Foutが併記されている。図2Bの曲線L12は、第二交流波P2に係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t12は、曲線L12の交流電流の一周期を示しており、その逆数である第二周波数F2が併記されている。時間t10および出力周波数Foutについては、図2Aと同様である。

0018

図示および説明の便宜上、例えば、インバータ20の出力周波数Foutを50Hzとし、所定周波数F0を1kHzとする。この場合、第一周波数F1は、950Hzであり、第二周波数F2は、1050Hzである。図2Aに示すように、第一交流波P1に係る交流電流の一周期(時間t11)分を一波とすると、インバータ20が出力する出力波Poutの一周期分波数は、19(=950/50)になる。また、図2Bに示すように、第二交流波P2に係る交流電流の一周期(時間t12)分を一波とすると、インバータ20が出力する出力波Poutの一周期分の波数は、21(=1050/50)になる。図2Aの曲線L11で示す電流波形と、図2Bの曲線L12で示す電流波形とを重ね合わせる(混成する)と、図2Cの曲線L13で示す電流波形になる。

0019

図2Cの曲線L13は、混成波Pmに係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t13は、曲線L13の交流電流の一周期を示しており、その逆数である所定周波数F0が併記されている。時間t10および出力周波数Foutについては、図2Aおよび図2Bと同様である。なお、破線の曲線L10は、インバータ20が出力する出力波Pout(周波数は、出力周波数Fout)に係る交流電流の経時変化の一例を示している。

0020

図2Cの曲線L13で示すように、混成波Pmに係る交流電流は、所定周波数F0と同じ周波数成分(上述した例では、1kHzの周波数成分)と、インバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分(上述した例では、100Hzの周波数成分)とを含んでいる。このように、周波数が異なる二つの波(この場合、交流電流)を混成(混合、合成ともいう。)することにより、新たに二つの周波数成分が生成される現象を「ヘテロダイン現象」という。また、周波数の差が少ない二つの波(この場合、交流電流)が互いに干渉して、混成波Pmの振幅が周期的に変動する現象を「うなり」という。

0021

上述したことは、次のように説明することもできる。混成波Pmに係る交流電流は、下記数1で示すことができる。左辺の第一項は、第一交流波P1に係る交流電流(周波数は、第一周波数F1)を示しており、左辺の第二項は、第二交流波P2に係る交流電流(周波数は、第二周波数F2)を示している。右辺は、混成波Pmに係る交流電流を示している。なお、時刻は、時刻tで表されている。このように、混成波Pmに係る交流電流は、所定周波数F0と同じ周波数成分を含む。また、混成波Pmに係る交流電流は、分数調波に関して、インバータ20の出力周波数Foutの二以上の整数倍(主に、二倍)の周波数成分を含む。なお、交流電流について上述したことは、交流電圧についても同様に言える。以下、本明細書では、交流電流を例に説明するが、交流電圧についても同様に言える。

0022

0023

出力波生成部20bは、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分をインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分に変換して、混成波Pmからインバータ20が出力する出力波Poutを生成する。図2Dの曲線L10は、混成波Pmから生成された出力波Poutに係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t10および出力周波数Foutについては、図2A図2Cと同様である。図2Dの曲線L10は、図2Cの破線の曲線L10と一致している。

0024

図2Cに示すように、混成波Pmに係る交流電流には、インバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分が含まれている。そのため、出力波生成部20bは、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分をインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分に変換することにより、混成波Pmから、インバータ20が出力する出力波Poutを容易に生成することができる。なお、図2Dの曲線L10では、混成波Pmに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分が抑制されている。

0025

(制御装置30)
図3に示すように、制御装置30は、公知の中央演算装置30aと、記憶装置30bと、入出力インターフェース30cとを備えており、これらは、バス30dを介して電気的に接続されている。制御装置30は、これらを用いて、種々の演算処理を行うことができ、直流電源10およびインバータ20を含む外部機器との間で、入出力信号の授受を行うことができる。

0026

中央演算装置30aは、CPU:Central Processing Unitであり、種々の演算処理を行うことができる。記憶装置30bは、第一記憶装置30b1と、第二記憶装置30b2とを備えている。第一記憶装置30b1は、読み出しおよび書き込み可能揮発性の記憶装置(RAM:Random Access Memory)であり、第二記憶装置30b2は、読み出し専用不揮発性の記憶装置(ROM:Read Only Memory)である。入出力インターフェース30cは、直流電源10およびインバータ20を含む外部機器との間で、入出力信号の授受を行う。

0027

制御装置30は、少なくともインバータ20を駆動制御する。具体的には、中央演算装置30aは、第二記憶装置30b2に記憶されているインバータ20の駆動制御プログラムを第一記憶装置30b1に読み出して、当該駆動制御プログラムを実行する。中央演算装置30aは、当該駆動制御プログラムに基づいて、インバータ20の駆動信号(混成波生成部20aおよび出力波生成部20bの駆動信号)を生成する。生成された駆動信号は、入出力インターフェース30cを介して、インバータ20に付与される。このようにして、インバータ20は、制御装置30によって駆動制御される。また、本実施形態のインバータ装置100は、直流電源10が燃料電池であり、インバータ20が系統電源(図示略)の電力系統連系されている。制御装置30は、解列リレー(図示略)を開閉制御することにより、系統電源の電力系統に対して、インバータ20を並列させることができ、解列させることができる。

0028

本実施形態のインバータ装置100によれば、インバータ20は、混成波生成部20aと、出力波生成部20bとを備えている。混成波生成部20aによって生成される混成波Pmには、所定周波数F0と同じ周波数成分と、インバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分とが含まれる。そのため、出力波生成部20bは、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分をインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分に変換することにより、混成波Pmから、インバータ20が出力する出力波Poutを容易に生成することができる。よって、本実施形態のインバータ装置100は、直流電力を交流電力に変換した後に直流電力に戻して、再度、直流電力を交流電力に変換する場合と比べて、直流電力を交流電力に変換する際の電力変換を簡素化することができる。

0029

(トランス40、入力側スイッチング素子群50および入力側スイッチング素子群制御部31)
混成波生成部20aは、直流電力Pdcから混成波Pmを生成することができれば良く、その構成は、限定されない。本実施形態では、混成波生成部20aは、トランス40と、入力側スイッチング素子群50とを備えている。また、制御装置30は、入力側スイッチング素子群制御部31を備えている。

0030

図1に示すように、トランス40は、一次側巻線41と二次側巻線42とを備えている。二次側巻線42は、二次側第一巻線42aと二次側第二巻線42bとが直列接続されており、二次側第一巻線42aと二次側第二巻線42bとが接続されている二次側接続部43には、中性点が形成されている。なお、一次側巻線41、二次側第一巻線42aおよび二次側第二巻線42bには、黒丸印が付されており、黒丸印は、各巻線の巻始めを示している。このことは、他の実施形態についても同様に言え、トランス40に図示する黒丸印は、各巻線の巻始めを示している。

0031

トランス40は、公知の電力用のトランス(高周波トランス)を用いることができる。また、トランス40は、一次側と二次側とが電気的に絶縁されている絶縁トランスを用いると好適である。なお、一次側巻線41の巻数と二次側巻線42の巻数との巻数比は、トランス40の一次側の直流電圧と、二次側の交流電圧との昇圧比に合わせて設定されている。また、二次側第一巻線42aの巻数と、二次側第二巻線42bの巻数とは、同数に設定されている。

0032

図1に示すように、入力側スイッチング素子群50は、一対のスイッチング素子を二組備えている。同図では、二組の一対のスイッチング素子の一方を一対のスイッチング素子50aで示し、二組の一対のスイッチング素子の他方を一対のスイッチング素子50bで示している。二組の一対のスイッチング素子50a,50bの各々は、正極側スイッチング素子51と、負極側スイッチング素子52と、接続部53とを備えている。正極側スイッチング素子51は、直流電源10の正極10p側に接続されており、負極側スイッチング素子52は、直流電源10の負極10n側に接続されている。また、正極側スイッチング素子51と負極側スイッチング素子52とは、接続部53で接続され直列接続されている。

0033

なお、本明細書では、二組の一対のスイッチング素子50a,50bの一方の一対のスイッチング素子50aについて特定する場合は、適宜、正極側スイッチング素子51a、負極側スイッチング素子52aおよび接続部53aを用いる。同様に、二組の一対のスイッチング素子50a,50bの他方の一対のスイッチング素子50bについて特定する場合は、適宜、正極側スイッチング素子51b、負極側スイッチング素子52bおよび接続部53bを用いる。

0034

正極側スイッチング素子51および負極側スイッチング素子52は、公知の電力用のスイッチング素子を用いることができる。例えば、正極側スイッチング素子51および負極側スイッチング素子52は、公知の電界効果トランジスタFET:Field Effect Transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)などの種々のスイッチング素子を用いることができる。

0035

正極側スイッチング素子51は、入力端子51cと出力端子51eと制御端子51gと還流ダイオード51dとを備えている。ここで、制御端子51gと出力端子51eとの間に印加される電圧を正極側制御電圧とする。例えば、正極側制御電圧がローレベル所定電圧値以下の電圧状態)のときには、入力端子51cと出力端子51eとの間が電気的に遮断された開状態に制御される。一方、正極側制御電圧がハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)のときには、入力端子51cと出力端子51eとの間が電気的に導通された閉状態に制御される。

0036

還流ダイオード51dは、正極側スイッチング素子51のボディダイオード寄生ダイオード)を用いることができる。なお、ボディダイオードの代わりに、ダイオード別途設けて、入力端子51cと出力端子51eとの間に並列接続することもできる。還流ダイオード51dは、正極側スイッチング素子51が開状態のときに、出力端子51e側から入力端子51c側に向かう電流経路を形成する。これにより、正極側スイッチング素子51の開閉に伴って生じる逆電流または逆電圧から正極側スイッチング素子51を保護することができる。

0037

正極側スイッチング素子51について上述したことは、負極側スイッチング素子52についても同様に言える。つまり、負極側スイッチング素子52は、入力端子52cと出力端子52eと制御端子52gと還流ダイオード52dとを備えている。制御端子52gと出力端子52eとの間に印加される電圧を負極側制御電圧とする。例えば、負極側制御電圧がローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)のときには、入力端子52cと出力端子52eとの間が電気的に遮断された開状態に制御される。一方、負極側制御電圧がハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)のときには、入力端子52cと出力端子52eとの間が電気的に導通された閉状態に制御される。還流ダイオード52dは、正極側スイッチング素子51の還流ダイオード51dと同様の機能を備えている。

0038

図1に示すように、正極側スイッチング素子51aおよび正極側スイッチング素子51bは、いずれも直流電源10の正極10p側に接続されている。また、負極側スイッチング素子52aおよび負極側スイッチング素子52bは、いずれも直流電源10の負極10n側に接続されている。さらに、トランス40の一次側巻線41の一方の端部41xは、入力側スイッチング素子群50の一方の一対のスイッチング素子50aの接続部53aに接続されている。また、一次側巻線41の他方の端部41yは、入力側スイッチング素子群50の他方の一対のスイッチング素子50bの接続部53bに接続されている。このように、本実施形態の入力側スイッチング素子群50は、四つのスイッチング素子がフルブリッジ接続されている。

0039

正極側スイッチング素子51の制御端子51gは、入力側駆動回路30eを介して、制御装置30に接続されている。また、負極側スイッチング素子52の制御端子52gは、入力側駆動回路30eを介して、制御装置30に接続されている。入力側駆動回路30eは、公知のドライバ回路ゲートドライブ回路)を用いることができる。具体的には、入力側駆動回路30eは、制御装置30によって生成された駆動信号(既述した混成波生成部20aの駆動信号)から、上述した正極側制御電圧および負極側制御電圧を生成して出力する。制御装置30は、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御によってデューティ比可変して、当該デューティ比に基づいて入力側スイッチング素子群50の各スイッチング素子を開閉制御することができる。

0040

入力側スイッチング素子群50は、第一状態と第二状態とを交互に繰り返すことによって、直流電源10から出力された直流電力Pdcを交流電力に変換して、トランス40の二次側に出力することができる。第一状態は、正極側スイッチング素子51aおよび負極側スイッチング素子52bの両方が閉状態であり、かつ、正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52aの両方が開状態である状態をいう。第二状態は、正極側スイッチング素子51aおよび負極側スイッチング素子52bの両方が開状態であり、かつ、正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52aの両方が閉状態である状態をいう。

0041

まず、トランス40の二次側巻線42に、図2Aに示す第一周波数F1で周期的に変動する交流電流と同様の交流電流を出力させる場合を想定する。この場合、例えば、制御装置30は、図2Aに示す交流電流(正極側)が生成されるように、正極側スイッチング素子51aをパルス幅変調(PWM)制御し、かつ、負極側スイッチング素子52bを常時閉状態に制御する(第一状態に相当)。また、制御装置30は、図2Aに示す交流電流(負極側)が生成されるように、負極側スイッチング素子52aをパルス幅変調(PWM)制御し、かつ、正極側スイッチング素子51bを常時閉状態に制御する(第二状態に相当)。上述した第一状態に相当する状態と、第二状態に相当する状態とを交互に繰り返すことによって、トランス40の二次側巻線42には、図2Aに示す第一周波数F1で周期的に変動する交流電流と同様の交流電流が出力される。

0042

次に、トランス40の二次側巻線42に、図2Bに示す第二周波数F2で周期的に変動する交流電流と同様の交流電流を出力させる場合を想定する。この場合、例えば、制御装置30は、図2Bに示す交流電流(正極側)が生成されるように、負極側スイッチング素子52bをパルス幅変調(PWM)制御し、かつ、正極側スイッチング素子51aを常時閉状態に制御する(第一状態に相当)。また、制御装置30は、図2Bに示す交流電流(負極側)が生成されるように、正極側スイッチング素子51bをパルス幅変調(PWM)制御し、かつ、負極側スイッチング素子52aを常時閉状態に制御する(第二状態に相当)。上述した第一状態に相当する状態と、第二状態に相当する状態とを交互に繰り返すことによって、トランス40の二次側巻線42には、図2Bに示す第二周波数F2で周期的に変動する交流電流と同様の交流電流が出力される。

0043

次に、上述した二つの場合において、常時閉状態に制御されるスイッチング素子をパルス幅変調(PWM)制御する場合を想定する。具体的には、制御装置30は、図2Aに示す第一周波数F1で周期的に変動する交流電流が生成されるように、入力側スイッチング素子群50の一方の一対のスイッチング素子50a(正極側スイッチング素子51aおよび負極側スイッチング素子52a)をパルス幅変調(PWM)制御する。また、制御装置30は、図2Bに示す第二周波数F2で周期的に変動する交流電流が生成されるように、入力側スイッチング素子群50の他方の一対のスイッチング素子50b(正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52b)をパルス幅変調(PWM)制御する。これにより、図2Aの曲線L11で示す電流波形と、図2Bの曲線L12で示す電流波形とが重ね合わされて(混成されて)、図2Cの曲線L13で示す電流波形が生成されたように、トランス40の二次側巻線42に、図2Cに示す混成波Pmに係る交流電流と同様の交流電流を出力させることができる。

0044

図4に示すように、制御装置30は、制御ブロックとして捉えると、入力側スイッチング素子群制御部31を備えている。入力側スイッチング素子群制御部31は、上述したパルス幅変調(PWM)制御を行うことができれば良く、その構成は、限定されない。入力側スイッチング素子群制御部31は、例えば、三角波比較方式など公知の種々の方法を用いて、上述したパルス幅変調(PWM)制御を行うことができる。本実施形態では、入力側スイッチング素子群制御部31は、第一変調波生成器31aと、第二変調波生成器31bと、搬送波生成器31cと、第一比較器31dと、第二比較器31eとを備えている。第一変調波生成器31aは、第一周波数F1と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波WM1を生成する。第二変調波生成器31bは、第二周波数F2と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波WM2を生成する。なお、本実施形態では、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、いずれも正弦波である。また、第一変調波WM1および第二変調波WM2の振幅は、パルス幅変調(PWM)制御の変調率指令値を直流電源10の直流電圧で除した値)に合わせて設定される。

0045

搬送波生成器31cは、パルス幅変調(PWM)制御の搬送波WC0を生成する。搬送波WC0は、三角波を用いることができる。搬送波WC0の周波数は、第一変調波WM1および第二変調波WM2の周波数と比べて、十分高く設定する必要がある。例えば、所定周波数F0を1kHzに設定する場合、搬送波WC0の周波数は、10kHzに設定することができる。また、例えば、所定周波数F0を20kHzに設定する場合、搬送波WC0の周波数は、200kHzに設定することができる。このように、搬送波WC0の周波数は、例えば、所定周波数F0の十倍の周波数に設定することができる。また、搬送波WC0は、インバータ20の出力周波数Foutが可変する場合、インバータ20の出力周波数Foutに応じて、周波数を可変することもでき、インバータ20の出力周波数Foutに関わらず、一定の周波数に設定することもできる。

0046

第一比較器31dは、第一変調波生成器31aによって生成された第一変調波WM1と、搬送波生成器31cによって生成された搬送波WC0とを大小比較して、ローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)またはハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)を出力する。第二比較器31eは、第二変調波生成器31bによって生成された第二変調波WM2と、搬送波生成器31cによって生成された搬送波WC0とを大小比較して、ローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)またはハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)を出力する。

0047

図5の曲線L21は、第一変調波生成器31aによって生成された第一変調波WM1の経時変化の一例を示している。曲線L22は、搬送波生成器31cによって生成された搬送波WC0の経時変化の一例を示している。曲線L23は、第一比較器31dの出力の経時変化の一例を示している。第一比較器31dの出力は、入力側スイッチング素子群50の一のスイッチング素子(例えば、正極側スイッチング素子51a)の駆動信号Aに相当する。同図の開状態は、第一比較器31dの出力がローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)のときに、当該スイッチング素子が開状態に制御されることを示している。同図の閉状態は、第一比較器31dの出力がハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)のときに、当該スイッチング素子が閉状態に制御されることを示している。

0048

曲線L21で示す第一変調波WM1が曲線L22で示す搬送波WC0より小さい場合、第一比較器31dの出力は、ローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)になり、正極側スイッチング素子51aは、開状態に制御される(例えば、同図の時間t21で示す区間)。一方、曲線L21で示す第一変調波WM1が曲線L22で示す搬送波WC0より大きい場合、第一比較器31dの出力は、ハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)になり、正極側スイッチング素子51aは、閉状態に制御される(例えば、同図の時間t22で示す区間)。これを繰り返すことにより、曲線L23で示す正極側スイッチング素子51aの駆動信号Aが生成される。負極側スイッチング素子52aの駆動信号Aは、デッドタイムを無視すると、正極側スイッチング素子51aの駆動信号Aの開状態および閉状態を反転した駆動信号になる。

0049

正極側スイッチング素子51bの駆動信号Bについても、同様に生成することができる。具体的には、第二変調波WM2が搬送波WC0より小さい場合、第二比較器31eの出力は、ローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)になり、正極側スイッチング素子51bは、開状態に制御される。一方、第二変調波WM2が搬送波WC0より大きい場合、第二比較器31eの出力は、ハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)になり、正極側スイッチング素子51bは、閉状態に制御される。これを繰り返すことにより、正極側スイッチング素子51bの駆動信号Bが生成される。負極側スイッチング素子52bの駆動信号Bは、デッドタイムを無視すると、正極側スイッチング素子51bの駆動信号Bの開状態および閉状態を反転した駆動信号になる。なお、第一変調波WM1および第二変調波WM2の周波数を高く設定する場合(例えば、20kHz以上など)、駆動信号Aおよび駆動信号Bを予め生成しておき、例えば、図3に示す第二記憶装置30b2に記憶しておくと良い。そして、入力側スイッチング素子群制御部31は、第二記憶装置30b2に記憶されている駆動信号Aおよび駆動信号Bを第一記憶装置30b1に読み出して、出力することができる。上述したことは、後述する駆動信号Dについても、同様に言える。

0050

本実施形態のインバータ装置100によれば、混成波生成部20aは、トランス40と、入力側スイッチング素子群50とを具備している。また、トランス40の一次側巻線41の一方の端部41xは、入力側スイッチング素子群50の一方の一対のスイッチング素子50aの接続部53aに接続され、一次側巻線41の他方の端部41yは、入力側スイッチング素子群50の他方の一対のスイッチング素子50bの接続部53bに接続されている。さらに、制御装置30は、入力側スイッチング素子群制御部31を備えている。入力側スイッチング素子群制御部31は、第一周波数F1と同じ周波数で周期的に変動する第一変調波WM1を用いて一方の一対のスイッチング素子50a(正極側スイッチング素子51aおよび負極側スイッチング素子52a)をパルス幅変調(PWM)制御し、第二周波数F2と同じ周波数で周期的に変動する第二変調波WM2を用いて他方の一対のスイッチング素子50b(正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52b)をパルス幅変調(PWM)制御して、トランス40の二次側巻線42に混成波Pmを出力させる。これらにより、本実施形態のインバータ装置100は、直流電力Pdcから混成波Pmを容易に生成することができる。

0051

(混成波分離器60、出力側スイッチング素子群70、フィルタ80および出力側スイッチング素子群制御部32)
出力波生成部20bは、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分をインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分に変換して、混成波Pmからインバータ20が出力する出力波Poutを生成することができれば良く、その構成は、限定されない。本実施形態では、出力波生成部20bは、混成波分離器60と、出力側スイッチング素子群70と、フィルタ80とを備えている。また、制御装置30は、出力側スイッチング素子群制御部32を備えている。

0052

混成波分離器60は、正極側混成波Pmpと負極側混成波Pmmとに混成波Pmを分離する。正極側混成波Pmpは、混成波Pmの正極側成分の通過が許容され負極側成分の通過が規制された混成波Pmをいう。負極側混成波Pmmは、混成波Pmの負極側成分の通過が許容され正極側成分の通過が規制された混成波Pmをいう。図1に示すように、本実施形態では、混成波分離器60は、複数(二つ)の整流素子(第一整流素子61および第二整流素子62)を備えている。第一整流素子61および第二整流素子62は、公知の電力用の整流素子(例えば、ダイオード)を用いることができる。

0053

第一整流素子61は、入力側電極61aと、出力側電極61bとを備えている。第一整流素子61としてダイオードを用いる場合、入力側電極61aは、アノード電極に相当し、出力側電極61bは、カソード電極に相当する。第二整流素子62は、入力側電極62aと、出力側電極62bとを備えている。第二整流素子62としてダイオードを用いる場合、入力側電極62aは、アノード電極に相当し、出力側電極62bは、カソード電極に相当する。

0054

出力側スイッチング素子群70は、出力側第一スイッチング素子71と出力側第二スイッチング素子72とが直列接続されている一対のスイッチング素子70aを備えている。出力側第一スイッチング素子71は、インバータ20が出力する出力波Poutの正極側成分として、正極側混成波Pmpを出力させる。出力側第二スイッチング素子72は、インバータ20が出力する出力波Poutの負極側成分として、負極側混成波Pmmを出力させる。

0055

出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72は、インバータ20の出力周波数Foutに同期して、開閉制御される。また、本実施形態では、インバータ20の出力周波数Foutは、所定周波数F0と比べて、十分低く設定されている。そのため、出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72は、入力側スイッチング素子群50の各スイッチング素子と比べて、低速用のスイッチング素子を用いることができる。低速用のスイッチング素子(例えば、サイリスタなど)は、高速用のスイッチング素子(例えば、既述した絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)など)と比べて、閉状態のときの入力端子と出力端子との間の端子間電圧を低減することができ、スイッチング素子による損失を低減することができる。なお、出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72は、既述した絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのスイッチング素子を用いても良く、種々のスイッチング素子を用いることができる。

0056

出力側第一スイッチング素子71は、入力端子71cと出力端子71eと制御端子71gと還流ダイオード71dとを備えている。また、出力側第二スイッチング素子72は、入力端子72cと出力端子72eと制御端子72gと還流ダイオード72dとを備えている。これらの端子および還流ダイオードは、正極側スイッチング素子51および負極側スイッチング素子52において既述した端子および還流ダイオードと同様であり、重複する説明を省略する。

0057

フィルタ80は、出力側第一スイッチング素子71を介して出力された正極側混成波Pmpおよび出力側第二スイッチング素子72を介して出力された負極側混成波Pmm(以下、フィルタ前混成波Pf0という。)に含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分を低減する。本実施形態では、所定周波数F0は、インバータ20の出力周波数Foutと比べて、十分高く設定されている。そのため、フィルタ80は、フィルタ前混成波Pf0に含まれるインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分の通過を許容し、フィルタ前混成波Pf0に含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分の通過を規制するローパスフィルタを用いることができる。

0058

また、フィルタ80は、フィルタ前混成波Pf0に含まれるインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分の通過を許容するバンドパスフィルタを用いることもできる。フィルタ80を通過した後の正極側混成波Pmpおよび負極側混成波Pmm(以下、フィルタ後混成波という。)は、インバータ20が出力する出力波Poutに相当する。

0059

フィルタ80は、フィルタ前混成波Pf0に含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分を低減することができれば良く、その構成は、限定されない。本実施形態では、フィルタ80は、リアクトル81と、コンデンサ82とを備えており、ローパスフィルタが構成されている。リアクトル81およびコンデンサ82は、公知の電力用の素子を用いることができる。また、リアクトル81のインダクタンスおよびコンデンサ82の静電容量は、フィルタ80のカットオフ周波数が、インバータ20の出力周波数Foutより高く、かつ、所定周波数F0より低くなるように設定されている。なお、所定周波数F0を高く設定する程、フィルタ80のカットオフ周波数を高く設定することができる。フィルタ80のカットオフ周波数を高く設定すると、リアクトル81のインダクタンスおよびコンデンサ82の静電容量を低減することができるので、リアクトル81およびコンデンサ82の小型化が容易になる。

0060

図1に示すように、第一整流素子61の入力側電極61aは、二次側巻線42の一方の端部42xであって、二次側第一巻線42aが設けられている側と同じ側の端部に接続されている。第一整流素子61の出力側電極61bは、出力側第一スイッチング素子71の入力端子71cに接続されている。また、第二整流素子62の出力側電極62bは、二次側巻線42の他方の端部42yであって、二次側第二巻線42bが設けられている側と同じ側の端部に接続されている。第二整流素子62の入力側電極62aは、出力側第二スイッチング素子72の出力端子72eに接続されている。

0061

また、フィルタ80のリアクトル81の一端側の端部81xは、トランス40の二次側接続部43(中性点)に接続されている。リアクトル81の他端側の端部81yは、フィルタ80のコンデンサ82の一端側の端部82xに接続され、インバータ20の出力端子90bに接続されている。コンデンサ82の他端側の端部82yは、出力側第一スイッチング素子71と出力側第二スイッチング素子72とが接続されている接続部73に接続され、インバータ20の出力端子90aに接続されている。

0062

さらに、出力側第一スイッチング素子71の制御端子71gは、出力側駆動回路30fを介して、制御装置30に接続されている。また、出力側第二スイッチング素子72の制御端子72gは、出力側駆動回路30fを介して、制御装置30に接続されている。出力側駆動回路30fは、公知のドライバ回路(ゲートドライブ回路)を用いることができる。具体的には、出力側駆動回路30fは、制御装置30によって生成された駆動信号(既述した出力波生成部20bの駆動信号)から、制御端子71gおよび制御端子72gに印加する制御電圧を生成して出力する。制御装置30は、インバータ20の出力周波数Foutに同期して、出力側スイッチング素子群70の出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72を開閉制御する。

0063

図4に示すように、制御装置30は、制御ブロックとして捉えると、出力側スイッチング素子群制御部32を備えている。出力側スイッチング素子群制御部32は、出力波Poutの正極側成分を出力させるときに、出力側第一スイッチング素子71を閉状態にし、かつ、出力側第二スイッチング素子72を開状態にする。具体的には、出力側スイッチング素子群制御部32は、出力側第一スイッチング素子71の制御端子71gと出力端子71eとの間に印加する制御電圧がハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)になり、かつ、出力側第二スイッチング素子72の制御端子72gと出力端子72eとの間に印加する制御電圧がローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)になる駆動信号Cを生成する。

0064

この場合、トランス40の二次側第一巻線42a、第一整流素子61、出力側第一スイッチング素子71、接続部73、コンデンサ82の他端側の端部82y、負荷90、コンデンサ82の一端側の端部82x、リアクトル81および二次側接続部43(中性点)を順に通る電流経路が形成される。このとき、第一整流素子61は、混成波Pmの正極側成分の通過を許容し、第二整流素子62は、混成波Pmの正極側成分の通過を規制している。

0065

図6Aの曲線L31は、正極側混成波Pmpに係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、第一整流素子61に流れる電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t13、所定周波数F0、時間t10および出力周波数Fout、並びに、曲線L10については、図2Cと同様である。図6Aに示すように、出力波Poutの正極側成分として、正極側混成波Pmpが出力される。なお、フィルタ80を通過した後の正極側混成波Pmpに係る交流電流は、正極側混成波Pmpに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分がフィルタ80によって抑制されて、図2Dの曲線L10(正極側)と同様の電流波形になる。

0066

出力側スイッチング素子群制御部32は、出力波Poutの負極側成分を出力させるときに、出力側第一スイッチング素子71を開状態にし、かつ、出力側第二スイッチング素子72を閉状態にする。具体的には、出力側スイッチング素子群制御部32は、出力側第一スイッチング素子71の制御端子71gと出力端子71eとの間に印加する制御電圧がローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)になり、かつ、出力側第二スイッチング素子72の制御端子72gと出力端子72eとの間に印加する制御電圧がハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)になる駆動信号Cを生成する。

0067

この場合、トランス40の二次側第二巻線42b、二次側接続部43(中性点)、リアクトル81、コンデンサ82の一端側の端部82x、負荷90、コンデンサ82の他端側の端部82y、接続部73、出力側第二スイッチング素子72および第二整流素子62を順に通る電流経路が形成される。このとき、第二整流素子62は、混成波Pmの負極側成分の通過を許容し、第一整流素子61は、混成波Pmの負極側成分の通過を規制している。

0068

図6Bの曲線L32は、負極側混成波Pmmに係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、第二整流素子62に流れる電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t13、所定周波数F0、時間t10および出力周波数Fout、並びに、曲線L10については、図2Cと同様である。図6Bに示すように、出力波Poutの負極側成分として、負極側混成波Pmmが出力される。なお、フィルタ80を通過した後の負極側混成波Pmmに係る交流電流は、負極側混成波Pmmに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分がフィルタ80によって抑制されて、図2Dの曲線L10(負極側)と同様の電流波形になる。

0069

図6Cの曲線L33は、フィルタ前混成波Pf0に係る交流電流の経時変化の一例を示している。同図の縦軸は、電流を示し、横軸は、時刻を示している。時間t13、所定周波数F0、時間t10および出力周波数Fout、並びに、曲線L10については、図2Cと同様である。図6Cの曲線L33で示す電流波形は、図6Aの曲線L31で示す電流波形と、図6Bの曲線L32で示す電流波形とを重ね合わせた電流波形であると言える。図6Cに示すように、出力側スイッチング素子群制御部32は、インバータ20の出力周波数Foutに同期して、正極側混成波Pmpと負極側混成波Pmmとを交互に出力させて、フィルタ前混成波Pf0を出力させる。なお、フィルタ80を通過した後のフィルタ後混成波(インバータ20が出力する出力波Pout)に係る交流電流は、フィルタ前混成波Pf0に含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分がフィルタ80によって抑制されて、図2Dの曲線L10と同様の電流波形になる。

0070

本実施形態のインバータ装置100では、インバータ20が系統電源の電力系統と連系されている。インバータ20を系統電源の電力系統と連系させる場合、インバータ20が出力する出力波Poutに係る交流電流の位相と、系統電源の交流電流の位相とを同期させる必要がある。そのため、本実施形態では、出力側スイッチング素子群制御部32は、位相同期器(図示略)を備えている。位相同期器は、例えば、公知のPLL回路(Phase Locked LoopCircuit)を用いることができる。PLL回路は、入力信号(この場合、系統電源の交流電流の位相)に同期した出力信号を生成することができる。

0071

入力側スイッチング素子群制御部31の第一変調波生成器31aは、位相同期器の出力信号(系統電源の交流電流の位相)に同期して、第一変調波WM1を生成する。また、入力側スイッチング素子群制御部31の第二変調波生成器31bは、位相同期器の出力信号(系統電源の交流電流の位相)に同期して、第二変調波WM2を生成する。これらの結果、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分のゼロクロスのタイミングと、系統電源の交流電流のゼロクロスのタイミングとを一致させることができ、インバータ20が出力する出力波Poutに係る交流電流の位相は、系統電源の交流電流の位相と同期する。

0072

また、出力側スイッチング素子群制御部32は、第一変調波生成器31aによって生成された第一変調波WM1の波数または第二変調波生成器31bによって生成された第二変調波WM2の波数から、インバータ20が出力する出力波Poutに係る交流電流の極性正極性または負極性)が切り替わるタイミングを知得することができる(図2A図2Dの周期と波数の関係と同様)。なお、インバータ20が単独で負荷90に電力を供給する場合(インバータ20と系統電源の電力系統とを連系させない場合など)、位相の同期に関する上述した制約は生じない。しかしながら、この場合も、出力側スイッチング素子群制御部32は、上述した場合と同様に、第一変調波WM1または第二変調波WM2の波数から、インバータ20が出力する出力波Poutに係る交流電流の極性(正極性または負極性)が切り替わるタイミングを知得することができる。

0073

本実施形態のインバータ装置100によれば、出力波生成部20bは、混成波分離器60と、出力側スイッチング素子群70と、フィルタ80とを備えている。また、制御装置30は、出力側スイッチング素子群制御部32を備えている。出力側スイッチング素子群制御部32は、出力波Poutの正極側成分を出力させるときに、出力側第一スイッチング素子71を閉状態にし、かつ、出力側第二スイッチング素子72を開状態にする。一方、出力側スイッチング素子群制御部32は、出力波Poutの負極側成分を出力させるときに、出力側第一スイッチング素子71を開状態にし、かつ、出力側第二スイッチング素子72を閉状態にする。出力側スイッチング素子群制御部32は、これらを繰り返すことにより、正極側混成波Pmpと負極側混成波Pmmとを交互に出力させることができる。よって、本実施形態のインバータ装置100は、混成波Pmに含まれるインバータ20の出力周波数Foutの二倍の周波数成分をインバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分に容易に変換することができ、混成波Pmからインバータ20が出力する出力波Poutを容易に生成することができる。

0074

また、本実施形態のインバータ装置100によれば、出力側スイッチング素子群70は、二つのスイッチング素子(出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72)を備える。そのため、本実施形態のインバータ装置100は、トランスの二次側に四つのスイッチング素子を備える特許文献1および特許文献2に記載の電力変換装置(以下、従来の電力変換装置という。)と比べて、トランス40の二次側のスイッチング素子の数を半減することができ、スイッチング素子による損失(スイッチング損失)を低減することができる。

0075

さらに、本実施形態のインバータ装置100によれば、トランス40の二次側の二つのスイッチング素子(出力側第一スイッチング素子71および出力側第二スイッチング素子72)は、インバータ20の出力周波数Foutに同期して、開閉制御される。また、本実施形態では、インバータ20の出力周波数Foutは、所定周波数F0と比べて、十分低く設定されている。そのため、本実施形態のインバータ装置100は、従来の電力変換装置と比べて、トランス40の二次側の二つのスイッチング素子を低速化することができ、低速用のスイッチング素子を用いることができる。低速用のスイッチング素子は、従来の電力変換装置が備える高速用のスイッチング素子と比べて、閉状態のときの入力端子と出力端子との間の端子間電圧を低減することができ、スイッチング素子による損失を低減することができる。

0076

また、本実施形態のインバータ装置100によれば、混成波分離器60は、複数(二つ)の整流素子(第一整流素子61および第二整流素子62)を備えている。複数(二つ)の整流素子のうちの一つの整流素子(第一整流素子61)は、混成波Pmの正極側成分の通過を許容し、かつ、混成波Pmの負極側成分の通過を規制する。また、複数(二つ)の整流素子のうちの他の一つの整流素子(第二整流素子62)は、混成波Pmの負極側成分の通過を許容し、かつ、混成波Pmの正極側成分の通過を規制する。よって、本実施形態のインバータ装置100は、混成波Pmを正極側混成波Pmpと負極側混成波Pmmとに容易に分離することができる。

0077

<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、主に、混成波生成部20aが異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。

0078

図7に示すように、混成波生成部20aは、トランス40と、入力側スイッチング素子群50とを備えている。トランス40は、一次側巻線41と二次側巻線42とを備えている。本実施形態では、トランス40の一次側巻線41は、一次側第一巻線41aと一次側第二巻線41bとを備えており、これらは、直列接続されている。一次側第一巻線41aの巻数と、一次側第二巻線41bの巻数とは、同数に設定されている。また、入力側スイッチング素子群50は、入力側第一スイッチング素子54と、入力側第二スイッチング素子55とを備えている。

0079

入力側第一スイッチング素子54は、一次側巻線41の一方の端部41xであって一次側第一巻線41aが設けられている側と同じ側の端部と、直流電源10の負極10nとの間の電路に設けられている。入力側第二スイッチング素子55は、一次側巻線41の他方の端部41yであって一次側第二巻線41bが設けられている側と同じ側の端部と、直流電源10の負極10nとの間の電路に設けられている。直流電源10の正極10pは、一次側第一巻線41aと一次側第二巻線41bとが接続されている一次側接続部44に接続されている。

0080

入力側第一スイッチング素子54および入力側第二スイッチング素子55は、公知の電力用のスイッチング素子を用いることができる。例えば、入力側第一スイッチング素子54および入力側第二スイッチング素子55は、公知の電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの種々のスイッチング素子を用いることができる。入力側第一スイッチング素子54は、入力端子54cと出力端子54eと制御端子54gと還流ダイオード54dとを備えている。また、入力側第二スイッチング素子55は、入力端子55cと出力端子55eと制御端子55gと還流ダイオード55dとを備えている。これらの端子および還流ダイオードは、第一実施形態の正極側スイッチング素子51および負極側スイッチング素子52において既述した端子および還流ダイオードと同様であり、重複する説明を省略する。

0081

図8に示すように、制御装置30の入力側スイッチング素子群制御部31は、第一実施形態と同様に、第一変調波生成器31aと、第二変調波生成器31bと、搬送波生成器31cと、第一比較器31dと、第二比較器31eとを備えている。本実施形態では、第一比較器31dの出力(駆動信号A)は、入力側第一スイッチング素子54に出力される。また、第二比較器31eの出力(駆動信号B)は、入力側第二スイッチング素子55に出力される。つまり、入力側スイッチング素子群制御部31は、第一変調波WM1を用いて、入力側第一スイッチング素子54をパルス幅変調(PWM)制御する。また、入力側スイッチング素子群制御部31は、第二変調波WM2を用いて、入力側第二スイッチング素子55をパルス幅変調(PWM)制御する。これらにより、第一実施形態と同様に、入力側スイッチング素子群制御部31は、トランス40の二次側巻線42に混成波Pmを出力させることができる。よって、本実施形態においても、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。

0082

本実施形態では、上述したことは、次のように説明することができる。混成波Pmに係る交流電流は、下記数2で示すことができる。左辺の第一項は、第一交流波P1に係る交流電流(周波数は、第一周波数F1)を示しており、左辺の第二項は、第二交流波P2に係る交流電流(周波数は、第二周波数F2)を示している。右辺は、混成波Pmに係る交流電流を示している。なお、時刻は、時刻tで表されている。本実施形態においても、混成波Pmに係る交流電流は、所定周波数F0と同じ周波数成分を含む。また、混成波Pmに係る交流電流は、分数調波に関して、インバータ20の出力周波数Foutの二以上の整数倍(主に、二倍)の周波数成分を含む。

0083

0084

<第三実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、主に、入力側スイッチング素子群制御部31が異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。

0085

図9に示すように、入力側スイッチング素子群制御部31は、混成変調波生成器31fと、搬送波生成器31gと、第三比較器31hとを備えている。また、図10に示すように、混成変調波生成器31fは、所定周波数生成部31f1と、出力周波数生成部31f2と、乗算器31f3とを備えている。所定周波数生成部31f1は、所定周波数F0と同じ周波数で周期的に変動する第一信号(本実施形態では、正弦波)を生成して出力する。出力周波数生成部31f2は、インバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数で周期的に変動する第二信号(本実施形態では、正弦波)を生成して出力する。乗算器31f3は、所定周波数生成部31f1から出力された第一信号(所定周波数F0)と、出力周波数生成部31f2から出力された第二信号(出力周波数Fout)とを乗算し、混成変調波WMMを生成して出力する。

0086

第一実施形態で既述した数1に示すように、第一信号(所定周波数F0)と第二信号(出力周波数Fout)とを乗じると、第一変調波WM1と第二変調波WM2とを混成した混成変調波WMMを生成することができる。既述したように、第一変調波WM1は、第一周波数F1(所定周波数F0からインバータ20の出力周波数Foutを減じた周波数)と同じ周波数で周期的に変動する変調波である。第二変調波WM2は、第二周波数F2(所定周波数F0にインバータ20の出力周波数Foutを加えた周波数)と同じ周波数で周期的に変動する変調波である。つまり、混成変調波WMMは、図2Cの曲線L13に示す混成波Pmに係る交流電流と同様に経時変化する変調波と言える。

0087

このようにして、混成変調波生成器31fは、混成変調波WMMを生成することができる。搬送波生成器31gは、第一実施形態で既述した搬送波生成器31cと同様に、パルス幅変調(PWM)制御の搬送波WC0を生成する。本実施形態においても、搬送波WC0は、三角波を用いることができる。また、搬送波WC0の周波数は、所定周波数F0の周波数と比べて、十分高く設定する必要がある。搬送波WC0の具体的な周波数などは、搬送波生成器31cと同様に設定することができる。

0088

第三比較器31hは、混成変調波生成器31fによって生成された混成変調波WMMと、搬送波生成器31gによって生成された搬送波WC0とを大小比較して、ローレベル(所定電圧値以下の電圧状態)またはハイレベル(所定電圧値を超えた電圧状態)を出力する。つまり、入力側スイッチング素子群制御部31は、図5の曲線L21に示す第一変調波WM1の代わりに、混成変調波WMMを用いて、入力側スイッチング素子群50の各スイッチング素子(正極側スイッチング素子51a、負極側スイッチング素子52a、正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52bの各々)の駆動信号Dを生成する。これにより、トランス40の二次側巻線42には、図2Cの曲線L13で示す混成波Pmに係る交流電流が生じる。

0089

本実施形態のインバータ装置100によれば、入力側スイッチング素子群制御部31は、混成変調波WMMを用いて、入力側スイッチング素子群50の各スイッチング素子(正極側スイッチング素子51a、負極側スイッチング素子52a、正極側スイッチング素子51bおよび負極側スイッチング素子52bの各々)をパルス幅変調(PWM)制御して、トランス40の二次側巻線42に混成波Pmを出力させる。よって、本実施形態においても、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。

0090

なお、上述したことは、第二実施形態のインバータ装置100についても、同様に適用することができる。この場合、入力側スイッチング素子群制御部31は、混成変調波WMMを用いて、入力側第一スイッチング素子54および入力側第二スイッチング素子55をパルス幅変調(PWM)制御して、トランス40の二次側巻線42に混成波Pmを出力させる。この場合も、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。

0091

<その他>
本発明は、上記し、かつ、図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、既述した実施形態では、インバータ20は、単相の出力波Poutを生成し出力する。しかしながら、インバータ20の出力は、単相に限定されるものではない。インバータ20の出力は、多相(例えば、三相)にすることもできる。この場合、混成波生成部20aは、例えば、相数分のトランス40と、相数より一つ多い数(組数)分の一対のスイッチング素子とを備えると良い。

0092

例えば、三相の場合、混成波生成部20aは、三つのトランス40と、四組の一対のスイッチング素子とを備えると良い。そして、四組の一対のスイッチング素子のうちの一組の一対のスイッチング素子(共通の一対のスイッチング素子)と、四組の一対のスイッチング素子のうちの他の一組の一対のスイッチング素子(第一の一対のスイッチング素子)とを用いて、三つのトランス40のうちの一のトランス40の二次側巻線42に、基準となる混成波Pmである第一混成波Pm1を出力させる。また、四組の一対のスイッチング素子のうちの一組の一対のスイッチング素子(共通の一対のスイッチング素子)と、四組の一対のスイッチング素子のうちの他の一組の一対のスイッチング素子(第二の一対のスイッチング素子)とを用いて、三つのトランス40のうちの他の一のトランス40の二次側巻線42に、第一混成波Pm1と比べて位相が120°進む混成波Pmである第二混成波Pm2を出力させる。さらに、四組の一対のスイッチング素子のうちの一組の一対のスイッチング素子(共通の一対のスイッチング素子)と、四組の一対のスイッチング素子のうちの残りの一組の一対のスイッチング素子(第三の一対のスイッチング素子)とを用いて、三つのトランス40のうちの残りの一のトランス40の二次側巻線42に、第二混成波Pm2と比べて位相が120°進む混成波Pmである第三混成波Pm3を出力させる。出力波生成部20bは、第一混成波Pm1、第二混成波Pm2および第三混成波Pm3から、三相の出力波Poutを生成する。

0093

(混成波分離器60)
図11に示すように、混成波分離器60は、第一整流素子61と、第二整流素子62と、正極側コンデンサ63と、負極側コンデンサ64とを備えることもできる。正極側コンデンサ63の一端側は、第一整流素子61の出力側電極61bと、出力側第一スイッチング素子71の入力端子71cとの間の電路に接続されている。正極側コンデンサ63の他端側は、トランス40の二次側接続部43(中性点)と、フィルタ80のリアクトル81の一端側の端部81xとの間の電路に接続されている。また、負極側コンデンサ64の一端側は、第二整流素子62の入力側電極62aと、出力側第二スイッチング素子72の出力端子72eとの間の電路に接続されている。負極側コンデンサ64の他端側は、トランス40の二次側接続部43(中性点)と、フィルタ80のリアクトル81の一端側の端部81xとの間の電路に接続されている。

0094

図12Aの曲線L41は、図11の正極側混成波Pmpに係る交流電流の経時変化の一例を示している。図12Aは、図6Aに対応しており、図6Aの曲線L31が、破線で示されている。図12Aの曲線L41に示すように、混成波分離器60は、正極側コンデンサ63を備えることにより、正極側混成波Pmpに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分の変動を低減することができる。

0095

図12Bの曲線L42は、図11の負極側混成波Pmmに係る交流電流の経時変化の一例を示している。図12Bは、図6Bに対応しており、図6Bの曲線L32が、破線で示されている。図12Bの曲線L42に示すように、混成波分離器60は、負極側コンデンサ64を備えることにより、負極側混成波Pmmに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分の変動を低減することができる。

0096

図12Cの曲線L43は、図11のフィルタ前混成波Pf0に係る交流電流の経時変化の一例を示している。図12Cは、図6Cに対応しており、図6Cの曲線L33が、破線で示されている。図12Cの曲線L43に示すように、混成波分離器60は、正極側コンデンサ63と、負極側コンデンサ64とを備えることにより、正極側混成波Pmpおよび負極側混成波Pmmに含まれる所定周波数F0と同じ周波数成分の変動を低減することができる。その結果、フィルタ前混成波Pf0に係る交流電流の電流波形は、既述した実施形態と比べて、フィルタ80を通過した後のフィルタ後混成波(インバータ20が出力する出力波Pout)に係る交流電流の電流波形(図2Dの曲線L10で示す電流波形)に近くなる。

0097

また、図13に示すように、混成波分離器60は、複数(八つ)の整流素子(第一整流素子群65および第二整流素子群66)を備えることもできる。第一整流素子群65は、複数(四つ)の整流素子(整流素子65a、整流素子65b、整流素子65cおよび整流素子65d)を備えており、これらの整流素子がフルブリッジ接続されている。第二整流素子群66は、複数(四つ)の整流素子(整流素子66a、整流素子66b、整流素子66cおよび整流素子66d)を備えており、これらの整流素子がフルブリッジ接続されている。これらの整流素子は、第一整流素子61および第二整流素子62と同様に、公知の電力用の整流素子を用いることができる。

0098

第一整流素子群65の入力側端子65i1は、トランス40の二次側巻線42の一方の端部42xであって、二次側第一巻線42aが設けられている側と同じ側の端部に接続されている。第一整流素子群65の入力側端子65i2は、トランス40の二次側接続部43(中性点)に接続されている。また、第一整流素子群65の出力側端子65o1は、出力側第一スイッチング素子71の入力端子71cに接続されている。第一整流素子群65の出力側端子65o2は、フィルタ80のリアクトル81の一端側の端部81xに接続されている。

0099

第二整流素子群66の入力側端子66i1は、トランス40の二次側巻線42の他方の端部42yであって、二次側第二巻線42bが設けられている側と同じ側の端部に接続されている。第二整流素子群66の入力側端子66i2は、トランス40の二次側接続部43(中性点)に接続されている。また、第二整流素子群66の出力側端子66o1は、出力側第二スイッチング素子72の出力端子72eに接続されている。第二整流素子群66の出力側端子66o2は、フィルタ80のリアクトル81の一端側の端部81xに接続されている。

0100

本変形形態のインバータ装置100によれば、混成波分離器60は、複数(八つ)の整流素子(第一整流素子群65および第二整流素子群66)を備えている。複数(八つ)の整流素子のうちの複数(四つ)の整流素子(第一整流素子群65)は、第一整流素子61と同様に、混成波Pmの正極側成分の通過を許容し、かつ、混成波Pmの負極側成分の通過を規制する。また、複数(八つ)の整流素子のうちの他の複数(四つ)の整流素子(第二整流素子群66)は、第二整流素子62と同様に、混成波Pmの負極側成分の通過を許容し、かつ、混成波Pmの正極側成分の通過を規制する。よって、本変形形態のインバータ装置100においても、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。

0101

(変調波)
上述した実施形態では、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、正弦波である。その結果、混成波Pmに係る交流電流は、正弦波状に経時変化する周波数成分を含む(図2C)。また、正極側混成波Pmpに係る交流電流および負極側混成波Pmmに係る交流電流、並びに、フィルタ前混成波Pf0に係る交流電流は、正弦波(半波)状に経時変化する周波数成分を含む(図6A図6C)。また、正弦波である第一変調波WM1と、正弦波である第二変調波WM2とを混成した混成変調波WMMについても、同様に正弦波になり、上述したことが同様に言える。

0102

しかしながら、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、正弦波に限定されるものではない。第一変調波WM1および第二変調波WM2は、例えば、矩形波にすることもできる。この場合、混成波Pmに係る交流電流は、矩形波状に経時変化する周波数成分を含む。また、正極側混成波Pmpに係る交流電流および負極側混成波Pmmに係る交流電流、並びに、フィルタ前混成波Pf0に係る交流電流は、矩形波状に経時変化する周波数成分を含む。また、矩形波である第一変調波WM1と、矩形波である第二変調波WM2とを混成した混成変調波WMMについても、同様に矩形波になり、上述したことが同様に言える。

0103

このように、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、矩形波または正弦波であると好適である。矩形波および正弦波は、いずれも容易に生成することができ、入力側スイッチング素子群制御部31を簡素化し易い。また、後述するように、第一変調波WM1および第二変調波WM2が矩形波である場合、正弦波の場合と比べて、低次(インバータ20の出力周波数Foutと同じ周波数成分)の歪みが生じ易く、フィルタ80が大型化する可能性がある。そのため、フィルタ80を小型化する観点から、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、正弦波であると好適である。一方、第一変調波WM1および第二変調波WM2が正弦波である場合、矩形波の場合と比べて、制御が複雑化し易い。そのため、制御を簡素化する観点から、第一変調波WM1および第二変調波WM2は、矩形波であると好適である。

0104

第一変調波WM1および第二変調波WM2が矩形波の場合、混成波Pmに係る交流電流には、所定周波数F0の二以上の整数倍の高調波成分が含まれる。その結果、インバータ20が出力する出力波Poutには、インバータ20の出力周波数Foutの二以上の整数倍の高調波成分が含まれる(上述した低次の歪み)。例えば、所定周波数F0が20kHzのとき、混成波Pmに係る交流電流には、40kHz、60kHz、80kHzなどの高調波成分が含まれる。その結果、例えば、インバータ20の出力周波数Foutが50Hzのとき、インバータ20が出力する出力波Poutには、100Hz、150Hz、200Hzなどの高調波成分が含まれる。そのため、インバータ20が出力する出力波Poutに含まれる高調波成分を除去するために、フィルタ80が大型化する可能性がある。

0105

そこで、図14に示すように、フィルタ80は、第一フィルタ80aと、第二フィルタ80bとを備えていると好適である。第一フィルタ80aは、リアクトル81と、コンデンサ82とを備え、第一実施形態で既述したフィルタと同じである。第二フィルタ80bは、上述した所定周波数F0の二以上の整数倍の高調波成分が混成波Pmに含有してしまうことを抑制することができれば良く、その構成は、限定されない。同図では、第二フィルタ80bは、リアクトル83と、コンデンサ84とを備えており、ローパスフィルタが構成されている。

0106

具体的には、リアクトル83の一端側の端部83xは、入力側スイッチング素子群50の一方の一対のスイッチング素子50aの接続部53aに接続されている。リアクトル83の他端側の端部83yは、コンデンサ84の一端側の端部84xに接続され、トランス40の一次側巻線41の一方の端部41xに接続されている。コンデンサ84の他端側の端部84yは、入力側スイッチング素子群50の他方の一対のスイッチング素子50bの接続部53bに接続され、トランス40の一次側巻線41の他方の端部41yに接続されている。

0107

リアクトル83およびコンデンサ84は、公知の電力用の素子を用いることができる。また、リアクトル83のインダクタンスおよびコンデンサ84の静電容量は、第二フィルタ80bのカットオフ周波数が、第二周波数F2(所定周波数F0にインバータ20の出力周波数Foutを加えた周波数)より高く、かつ、所定周波数F0の二倍の周波数より低くなるように設定されている。これにより、矩形波状に変化する第一交流波P1に係る交流電流が正弦波化され、矩形波状に変化する第二交流波P2に係る交流電流が正弦波化される。その結果、混成波Pmに係る交流電流から、所定周波数F0の二以上の整数倍の高調波成分が低減される。また、インバータ20が出力する出力波Poutから、インバータ20の出力周波数Foutの二以上の整数倍の高調波成分が低減される。

0108

10:直流電源、10p:正極、10n:負極、
20:インバータ、20a:混成波生成部、20b:出力波生成部、
30:制御装置、
31:入力側スイッチング素子群制御部、32:出力側スイッチング素子群制御部、
40:トランス、
41:一次側巻線、41x:一方の端部、41y:他方の端部、
41a:一次側第一巻線、41b:一次側第二巻線、
42:二次側巻線、44:一次側接続部、
50:入力側スイッチング素子群、50a,50b:一対のスイッチング素子、
51:正極側スイッチング素子、52:負極側スイッチング素子、53:接続部、
54:入力側第一スイッチング素子、55:入力側第二スイッチング素子、
60:混成波分離器、
61:第一整流素子、62:第二整流素子、
65:第一整流素子群、66:第二整流素子群、
70:出力側スイッチング素子群、70a:一対のスイッチング素子、
71:出力側第一スイッチング素子、72:出力側第二スイッチング素子、
80:フィルタ、
100:インバータ装置、
F0:所定周波数、F1:第一周波数、F2:第二周波数、Fout:出力周波数、
WM1:第一変調波、WM2:第二変調波、WMM:混成変調波、
Pdc:直流電力、P1:第一交流波、P2:第二交流波、Pm:混成波、
Pmp:正極側混成波、Pmm:負極側混成波、Pout:出力波。

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