図面 (/)

技術 窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子

出願人 シャープ株式会社
発明者 山本秀一郎上田吉裕
出願日 2016年9月21日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-184622
公開日 2018年3月29日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-049949
状態 特許登録済
技術分野 半導体の電極
主要キーワード 空孔面積率 多孔質金属膜 プロセス歩留り マクロポーラス構造 パッケージング形態 チップ特性 加熱圧着装置 各研究機関
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

解決手段

窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造多孔質金属膜204と、発光層を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されており、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下である。

概要

背景

発光層が、AlGaNからなる窒化アルミニウム系半導体は、その発光層のAl組成を調整することによって、主に近紫外線の領域での発光が可能な化合物半導体である。紫外線は、10nmから400nmまでの波長電磁波であり、特に、波長が200nmから400nmまでの紫外線は、近紫外線(NUV)と呼ばれる。近紫外線は、さらに、UVA(315nm以上400nm以下)、UVB(280nm以上315nm未満)、UVC(280nm未満)と分類されることもある。また、波長300nm以下の紫外線は、深紫外線(DUV)と呼ばれることもある。発光層がAlGaNからなる窒化アルミニウム系半導体では、そのAl組成の増減により、原理的には、波長192nmから365nmの近紫外線を発光する半導体発光素子を作製することが可能である。なお、これまでには、半導体を用いた半導体発光素子として、発光ダイオードLED)、半導体レーザダイオード(半導体LD)、スーパールミネッセントダイオードSLD)などが知られている。

窒化アルミニウム系半導体を利用した半導体発光素子では、その紫外線領域(特に、波長300nm以下の深紫外線領域)において、従来の紫外線ランプ紫外光源などの代替や、殺菌、樹脂硬化医療などの分野での応用が期待され、現在、活発研究開発が行われており、深紫外LEDについては、小規模の量産も開始されている。

しかしながら、現在開発されている波長300nm以下の深紫外LEDは、発光効率が数%程度と、すでに実用化された青色LEDの効率の数10%と比較して、著しく低い。この原因として、深紫外LEDに用いられる窒化アルミニウム系半導体に特有物理定数などに起因する要因と、結晶成長などの素子作製技術の要因と、それらの複合的な要因が挙げられる。

物理定数に起因する要因としては、窒化アルミニウム系半導体は、屈折率が低いため、発光層で発生した紫外光を、半導体外部へ取り出す光取り出し効率が著しく低いこと、また、発光波長が紫外領域であり短波長であるため、素子構造内外物質からの吸収を受けやすいことなどがあげられる。素子作製技術の要因としては、窒化アルミニウム系半導体は、1000℃以上という高温で形成され、良質な結晶歩留りよく、高い再現性をもって形成するためには、高度な技術が必要であること、などがあげられる。また、これらの複合的な要因として、Al組成が25%よりも高いAlGaNは、高濃度にp型化のためのドーピングを行ったとしても、アクセプタ活性化エネルギーが高いため、p型化することが困難であるほか、AlGaNの結晶成長も難しいため、AlGaNの結晶性不完全さや、意図しないOなどの不純分混入に起因した、残留ドナーなどの影響を受けて、高濃度のp型キャリア密度を得ることが難しいことなども、挙げられる。

窒化アルミニウム系半導体発光素子は、一般的にはサファイア基板などの下地基板上に、MOCVD装置などの結晶成長装置を用いて、多数層の半導体層を積層することで形成されている。なお、下地基板として、バルクのAlN基板を用いる場合もある。

窒化アルミニウム系半導体層結晶成長用の下地基板として、サファイア基板を用いた場合、サファイア基板と窒化アルミニウム系半導体層との格子定数差に基づいて、窒化アルミニウム系半導体層には、多数の結晶欠陥クラック等が導入され、高品質な半導体層を形成することが困難である。このため、サファイア基板上に、AlNからなるバッファ層を形成した後に、n型AlGaNコンタクト層、発光層、p型コンタクト層などを順次積層して、高品質な成長層を得る方法が、公開されている。また、結晶性を高品質化するために、発光層であるAlGaN層格子定数の近いAlNを基板として用いることで、高品質な成長層を得る方法も公開されている。また、光取り出し効率を高める方法についても、各研究機関で様々な研究開発が行われている。

窒化アルミニウム系半導体層の結晶成長用の下地基板として、サファイア基板を用いた場合、サファイア基板には導電性がないため、n型層までドライエッチング除去してn型電極を形成した平行電極構造の横型電極構造を形成する必要がある。しかしながら、平行電極構造では、電流集中による発光効率の大幅な低下が引き起こされる。この電流集中による発光効率の低下は、InGaN系半導体を用いる青色LEDなどの発光素子においても発生するが、窒化アルミニウム系半導体においては、p型、n型とも、その抵抗率がInGaN系半導体と比較して、著しく高いため、発光効率の低下に及ぼす電流集中の影響は、青色LEDの場合よりもさらに大きいものとなる。

この横型構造に起因する、これらの問題を解決するために、導電性を有する支持基板に、窒化アルミニウム系半導体層構造体を貼り付けた後に、サファイア基板などの下地基板を剥離する方法が試みられている。

ここで、青色LEDにおいては、特開2009−231560号公報(特許文献1)および特開2014−38920号公報(特許文献2)に示すように、下地基板上に成長させた半導体層に支持基板を接合した後に下地基板であるサファイア基板などを除去することにより半導体発光素子を製造する技術が確立されている。

概要

発光効率が高く、歩留まりが改善された縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供する。窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造多孔質金属膜204と、発光層を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されており、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下である。

目的

本発明は、上記の問題を解決して、発光効率が高く、歩留りが高い窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

導電性支持基板と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造多孔質金属膜と、発光層を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体と、を含み、前記導電性支持基板と、前記窒化アルミニウム系半導体層構造体とが、前記多孔質金属膜を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体紫外発光素子

請求項2

前記窒化アルミニウム系半導体層構造体は、第1導電型コンタクト層と、前記発光層と、第2導電型コンタクト層と、をこの順に含み、前記第2導電型コンタクト層は、前記多孔質金属膜を介在して、前記導電性支持基板と電気的に接続するように接合され、前記第1導電型コンタクト層の少なくとも一部に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極をさらに含む請求項1に記載の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子。

請求項3

前記第1導電型コンタクト層は第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1)コンタクト層であり、前記第2導電型コンタクト層は第2導電型AlyGa1-yN(0.25≦y<1)コンタクト層である請求項1または請求項2に記載の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子。

請求項4

前記多孔質金属膜は銀を含む金属膜である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子。

請求項5

前記導電性支持基板はシリコン基板である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子。

技術分野

0001

本発明は、窒化アルミニウム系半導体紫外発光素子に関する。

背景技術

0002

発光層が、AlGaNからなる窒化アルミニウム系半導体は、その発光層のAl組成を調整することによって、主に近紫外線の領域での発光が可能な化合物半導体である。紫外線は、10nmから400nmまでの波長電磁波であり、特に、波長が200nmから400nmまでの紫外線は、近紫外線(NUV)と呼ばれる。近紫外線は、さらに、UVA(315nm以上400nm以下)、UVB(280nm以上315nm未満)、UVC(280nm未満)と分類されることもある。また、波長300nm以下の紫外線は、深紫外線(DUV)と呼ばれることもある。発光層がAlGaNからなる窒化アルミニウム系半導体では、そのAl組成の増減により、原理的には、波長192nmから365nmの近紫外線を発光する半導体発光素子を作製することが可能である。なお、これまでには、半導体を用いた半導体発光素子として、発光ダイオードLED)、半導体レーザダイオード(半導体LD)、スーパールミネッセントダイオードSLD)などが知られている。

0003

窒化アルミニウム系半導体を利用した半導体発光素子では、その紫外線領域(特に、波長300nm以下の深紫外線領域)において、従来の紫外線ランプ紫外光源などの代替や、殺菌、樹脂硬化医療などの分野での応用が期待され、現在、活発研究開発が行われており、深紫外LEDについては、小規模の量産も開始されている。

0004

しかしながら、現在開発されている波長300nm以下の深紫外LEDは、発光効率が数%程度と、すでに実用化された青色LEDの効率の数10%と比較して、著しく低い。この原因として、深紫外LEDに用いられる窒化アルミニウム系半導体に特有物理定数などに起因する要因と、結晶成長などの素子作製技術の要因と、それらの複合的な要因が挙げられる。

0005

物理定数に起因する要因としては、窒化アルミニウム系半導体は、屈折率が低いため、発光層で発生した紫外光を、半導体外部へ取り出す光取り出し効率が著しく低いこと、また、発光波長が紫外領域であり短波長であるため、素子構造内外物質からの吸収を受けやすいことなどがあげられる。素子作製技術の要因としては、窒化アルミニウム系半導体は、1000℃以上という高温で形成され、良質な結晶歩留りよく、高い再現性をもって形成するためには、高度な技術が必要であること、などがあげられる。また、これらの複合的な要因として、Al組成が25%よりも高いAlGaNは、高濃度にp型化のためのドーピングを行ったとしても、アクセプタ活性化エネルギーが高いため、p型化することが困難であるほか、AlGaNの結晶成長も難しいため、AlGaNの結晶性不完全さや、意図しないOなどの不純分混入に起因した、残留ドナーなどの影響を受けて、高濃度のp型キャリア密度を得ることが難しいことなども、挙げられる。

0006

窒化アルミニウム系半導体発光素子は、一般的にはサファイア基板などの下地基板上に、MOCVD装置などの結晶成長装置を用いて、多数層の半導体層を積層することで形成されている。なお、下地基板として、バルクのAlN基板を用いる場合もある。

0007

窒化アルミニウム系半導体層結晶成長用の下地基板として、サファイア基板を用いた場合、サファイア基板と窒化アルミニウム系半導体層との格子定数差に基づいて、窒化アルミニウム系半導体層には、多数の結晶欠陥クラック等が導入され、高品質な半導体層を形成することが困難である。このため、サファイア基板上に、AlNからなるバッファ層を形成した後に、n型AlGaNコンタクト層、発光層、p型コンタクト層などを順次積層して、高品質な成長層を得る方法が、公開されている。また、結晶性を高品質化するために、発光層であるAlGaN層格子定数の近いAlNを基板として用いることで、高品質な成長層を得る方法も公開されている。また、光取り出し効率を高める方法についても、各研究機関で様々な研究開発が行われている。

0008

窒化アルミニウム系半導体層の結晶成長用の下地基板として、サファイア基板を用いた場合、サファイア基板には導電性がないため、n型層までドライエッチング除去してn型電極を形成した平行電極構造の横型電極構造を形成する必要がある。しかしながら、平行電極構造では、電流集中による発光効率の大幅な低下が引き起こされる。この電流集中による発光効率の低下は、InGaN系半導体を用いる青色LEDなどの発光素子においても発生するが、窒化アルミニウム系半導体においては、p型、n型とも、その抵抗率がInGaN系半導体と比較して、著しく高いため、発光効率の低下に及ぼす電流集中の影響は、青色LEDの場合よりもさらに大きいものとなる。

0009

この横型構造に起因する、これらの問題を解決するために、導電性を有する支持基板に、窒化アルミニウム系半導体層構造体を貼り付けた後に、サファイア基板などの下地基板を剥離する方法が試みられている。

0010

ここで、青色LEDにおいては、特開2009−231560号公報(特許文献1)および特開2014−38920号公報(特許文献2)に示すように、下地基板上に成長させた半導体層に支持基板を接合した後に下地基板であるサファイア基板などを除去することにより半導体発光素子を製造する技術が確立されている。

先行技術

0011

特開2009−231560号公報
特開2014−38920号公報

発明が解決しようとする課題

0012

本発明者らは、縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を作製するために、導電性を有する支持基板上に、各種接合層を形成するなどの方法で、窒化アルミニウム系半導体層構造体と導電性支持基板の接合と、サファイア基板の剥離などの工程からなる縦型構造の開発を行ってきた。

0013

しかしながら、支持基板から、窒化アルミニウム系半導体層構造体が剥離したり、窒化アルミニウム系半導体層構造体に多量のクラックが発生することによる電気的特性の不良が発生したりするなど、歩留りが低いという課題が発生していた。これらの歩留り低下の原因は、以下の通りである。

0014

窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子では、結晶性の不完全性、および、そのキャリア密度の低さなどに起因して、p型およびn型の双方において、良好なオーミック特性を有する電極を形成することが困難である。良好なオーミック電極を得るためには、接合温度よりも高い500℃以上の高温での電極アロイ処理が必要であり、支持基板と窒化アルミニウム系半導体層構造体を接合する接合層にも、高温耐性が必要となる。

0015

また、上記のオーミック化のための500℃以上の高温での熱処理によって、支持基板と接合層、窒化アルミニウム系半導体層構造体、および下地基板のそれぞれの熱膨張係数の違いにより、支持基板と接合層、窒化アルミニウム系半導体層構造体、および下地基板のそれぞれの接合界面および内部に発生した応力によって、支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、接合層でのクラックの発生等が引き起こされ、歩留りの低下を引き起こしているのである。特に、下地基板と熱膨張係数差の大きい支持基板を用いた場合、支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れが多発し、支持基板より熱膨張係数が大きい接合層を用いた場合は、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生および/または接合層でのクラックの発生が引き起こされる。

0016

上記の支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、接合層でのクラックの発生を防止するために、500℃以上の高温でのn型電極アロイ処理を実施しなかった場合は、良好なオーミック特性を持つn型電極を得ることができず、窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の電圧特性、および、光出力特性、発光効率の低下を引き起こす。
上記のように、良好な特性を有する縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を、歩留りよく作製することは困難であった。

0017

ここで、従来の青色LEDなどの発光素子の製造方法においては、一般的に、300℃程度以下の温度で共晶を形成するAuSnなどの合金などの嵩密度の高い連続膜を用いて、窒化アルミニウム系半導体層構造体と支持基板の接合を行っている。これは、青色LEDにおいては、成長基板を剥離した後に、n型GaN上にn型オーミック電極を形成することが容易であるため、n型電極形成後において、窒化アルミニウム系半導体層構造体の接合温度以上の熱処理を行うことが不要であるためである。

0018

しかしながら、窒化アルミニウム系半導体を用いた深紫外発光素子においては、n型電極形成後において、窒化アルミニウム系半導体層構造体接合温度以上の熱処理を行うことが必要であり、300℃程度以下の温度で共晶を形成するAuSnなどの合金は、n型オーミック電極を形成するための500℃以上の高温での熱処理によって融解し、窒化アルミニウム系半導体層構造体と支持基板との剥れを引き起こすため、従来の技術をそのまま適用することが困難である。

0019

また、このn型オーミック電極を形成する熱処理工程において、窒化アルミニウム系半導体層構造体と支持基板とを固定するなどして、剥れを防止したとしても、支持基板、接合層、および窒化アルミニウム系半導体層構造体のそれぞれの熱膨張係数の違いにより、支持基板、接合層、および窒化アルミニウム系半導体層構造体のそれぞれの接合界面および内部に応力が発生する。これらの熱膨張係数の違いにより発生した応力によって、熱処理後において、窒化アルミニウム系半導体層構造体内で多数のクラックが発生したり、接合層でのクラックの発生などが引き起こされたり、あるいは、支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れが発生したりするなどして、歩留りの著しい低下を引き起こす。

0020

そこで、本発明は、上記の問題を解決して、発光効率が高く、歩留りが高い窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0021

本発明のある態様は、導電性支持基板と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造多孔質金属膜と、発光層を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体と、を含み、導電性支持基板と、窒化アルミニウム系半導体層構造体とが、多孔質金属膜を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。本態様にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、支持基板、窒化アルミニウム系半導体層構造体、および支持基板と窒化アルミニウム系半導体層構造体との接合層である多孔質金属膜のそれぞれの熱膨張係数の違いによる、熱処理後の支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラック発生、多孔質金属膜でのクラックの発生を抑制することが可能となり、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0022

本態様にかかる窒化アルミニウム系紫外発光素子において、窒化アルミニウム系半導体層構造体は、第1導電型コンタクト層と、発光層と、第2導電型コンタクト層と、をこの順に含み、第2導電型コンタクト層は、多孔質金属膜を介在して、導電性支持基板と電気的に接続するように接合され、第1導電型コンタクト層の少なくとも一部に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極をさらに含むことができる。かかる窒化アルミニウム系紫外発光素子は、支持基板、窒化アルミニウム系半導体層構造体、および支持基板と窒化アルミニウム系半導体層構造体との接合層である多孔質金属膜のそれぞれの熱膨張係数の違いによる、熱処理後の支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラック発生、多孔質金属膜でのクラックの発生を抑制することが可能となり、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

発明の効果

0023

本発明によれば、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の実施形態1にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態1にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の別の例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態1〜4にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造における窒化アルミニウム系半導体ウェハ形成後の状態のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態1〜4にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造における下地基板除去時の状態のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態1〜4にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造における下地基板除去後の状態のある例を示す概略断面図である。
本発明のある実施形態にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の光取り出し構造の一例を示す概略斜視図である。
本発明のある実施形態にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の光取り出し構造の一例を示す概略平面図である。
本発明の実施形態2にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子のある例を示す概略断面図である。
本発明の別の実施形態にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造における下地基板除去後の状態のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態3にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態3にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の別の例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態4にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子のある例を示す概略断面図である。
本発明の実施形態4にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の別の例を示す概略断面図である。
本発明の実施例1にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の多孔質金属膜の断面の一例を示すSEM写真である。
本発明の実施例1にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の多孔質金属膜の断面の一例を示す拡大SEM写真である。
本発明の比較例1にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の多孔質金属膜の断面の一例を示す拡大SEM写真である。
本発明の比較例2にかかる窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の多孔質金属膜の断面の一例を示す拡大SEM写真である。

0025

以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。

0026

<実施形態1>
[窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の構成]
図1および図2を参照して、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子(発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403を有する発光素子をいう、以下同じ。)は、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の形成に用いられる下地基板がすべて除去された縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。すなわち、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204と、発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。ここで、窒化アルミニウム系半導体層構造体403は、第1導電型コンタクト層103と、発光層104と、第2導電型コンタクト層107と、をこの順に含み、第2導電型コンタクト層107は、多孔質金属膜204を介在して、導電性支持基板205と電気的に接続するように接合され、第1導電型コンタクト層103の少なくとも一部(図1の第1導電型コンタクト層103の一主面である表面の一部、あるいは図2の第1導電型コンタクト層103の一主面である表面の全部)に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極(図1の第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302、あるいは図2の第1導電側透光性導電膜304および第1導電側パッド電極302)をさらに含む。

0027

本実施形態の窒化アルミニウム系紫外発光素子は、導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403、および導電性支持基板205と窒化アルミニウム系半導体層構造体403との接合層である多孔質金属膜204のそれぞれの熱膨張係数の違いによる、熱処理後の導電性支持基板205からの窒化アルミニウム系半導体層構造体403の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体403内でのクラック発生、多孔質金属膜204でのクラックの発生を抑制することが可能となり、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0028

本実施形態の窒化アルミニウム系発光素子は、具体的には、導電性支持基板205上に、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204を介在して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403として第2導電型コンタクト層107、第2導電型層106、第2導電型ブロック層105、発光層104、および第1導電型コンタクト層103がこの順に配置され、第1導電型コンタクト層103の少なくとも一部に電気的に接続するように接合して第1導電側コンタクト電極301(図1)または第1導電側透光性導電膜(図2)が配置されている、縦型構造の発光素子である。

0029

(導電性支持基板)
導電性支持基板205は、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を支持する導電性基板をいい、導電性支持基板205の導電性が高く縦型構造の窒化アルミニウム系発光素子のオン抵抗を低減できる観点から、導電性支持基板205はシリコン基板であることが好ましい。また、かかるシリコン基板は、実用されている半導体材料の中で最も加工が容易であり、その技術が洗練され、かつ材料および加工のコストも安価である観点からも好ましい。

0030

(窒化アルミニウム系半導体層構造体)
窒化アルミニウム系半導体層構造体403は、窒化アルミニウム(AlN)を含有する半導体層(たとえば、AlxGa1-xN(0≦x<1)半導体層)を少なくとも1層含む構造体をいい、少なくとも第1導電型コンタクト層103と、発光層104と、第2導電型コンタクト層107と、をこの順に含み、発光素子としての機能を発現する。ここで、第1導電型コンタクト層103は、発光層104から発する光を透過し、発光効率を低下させない観点から、第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1かつx≧(発光層104の平均Al組成))コンタクト層であることが好ましい。発光層104は、発光波長の温度に対する安定性および内部量子効率を高める観点から、複数周期のAlsGa1-sN(0≦s<1)バリア層とAltGa1-tN(0≦t<1)井戸層とで構成される多重量子井戸構造を有することが好ましい。第2導電型コンタクト層107は、発光層104から発する光の大部分を透過し、発光効率を低下させず、かつコンタクト抵抗を低減する観点から、第2導電型AlyGa1-yN(0.25≦y<1)コンタクト層であることが好ましい。

0031

(多孔質金属膜)
多孔質金属膜204は、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の金属膜をいう。ここで、空孔率は、以下の方法により算出する。多孔質金属膜204の任意に特定される断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察において、断面積全体に対する空孔断面積の百分率空孔面積率)を算出し、かかる空孔面積率を3/2乗することにより、空孔率を算出する。断面の空孔面積率は、測定場所によるムラもあるため、複数の断面の空孔の面積率の測定を行ってその平均を取るなどして、空孔面積率および空孔率を算出することが好ましい。空孔率は、窒化アルミニウム系半導体層構造体を接合する際、多孔質金属膜中で応力を低減させる観点から、10%以上であり、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。また、空孔率は、窒化アルミニウム系半導体層構造体を接合する際、接合面積を確保し十分な接合強度を得る観点から、50%以下であり、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。

0032

ここで、マクロポーラス構造とは、空孔の孔径分布が50nmより大きい構造をいう。多孔質金属膜204のマクロポーラス構造により、導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403および多孔質金属膜204のそれぞれの熱膨張係数の違いにより発生する導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403および多孔質金属膜204のそれぞれの接合界面および内部に応力を緩和して、熱処理後の導電性支持基板205からの窒化アルミニウム系半導体層構造体403の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体403内でのクラック発生、多孔質金属膜204でのクラックの発生を抑制することができる。

0033

また、多孔質金属膜204は、その導電性が高く縦型構造の窒化アルミニウム系発光素子のオン抵抗を低減できる観点から、銀を含む多孔質金属膜であることが好ましい。また、銀は深紫外光に対する反射率が高い観点からも、銀を含む多孔質金属膜であることが好ましい。

0034

(発光ピーク波長)
本実施形態の窒化アルミニウム系発光素子の発光ピーク波長は、220nm以上300nm以下の深紫外線領域にある。また、発光ピーク半幅は、概ね数十nm以下である。

0035

[窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造方法]
本実施形態の窒化アルミニウム系発光素子の製造方法は、特に制限はないが、効率よく製造する観点から、下地基板上における窒化アルミニウム系半導体層構造体の形成工程、第2導電型の層(具体的には、第2導電型ブロック層105、第2導電型層106および第2導電型コンタクト層107)の活性化工程、第2導電側電極および反射電極の形成工程、多孔質金属膜による導電性支持基板の接合工程、下地基板の除去工程、光取出し構造の形成工程、および第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極および第1導電側パッド電極)の形成工程を含むことが好ましい。

0036

(下地基板上における窒化アルミニウム系半導体層構造体の形成工程)
図3を参照して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成するための下地基板101は、高品質の窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成する観点から、サファイア基板が好適に用いられる。下地基板101としては、サファイア基板以外に、シリコン基板、窒化シリコン基板、窒化ガリウム基板などを用いることもできる。下地基板101上に窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成するための窒化アルミニウム系半導体層を成長させる方法は、高品質の窒化アルミニウム系半導体層構造体403を厚さの精度よくかつ効率よく成長させる観点から、MOCVD有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線気相成長)法などが好適に用いられる。

0037

具体的には、図3に示すように、MOCVD装置内において、下地基板101としてのサファイア基板の一主面上に、バッファ層102として厚さ5〜500nm(たとえば300nm)のAlNバッファ層、第1導電型コンタクト層103として厚さ1〜5μm(たとえば3μm)のn型Al0.65Ga0.35Nコンタクト層、第1導電型層108としてn型Al0.60Ga0.40N層、Al0.80Ga0.20Nバリア層/Al0.55Ga0.45N井戸層の6周期の多重量子井戸構造からなる発光層104、第2導電型ブロック層105として厚さ5〜300nm(たとえば15nm)のp型Al0.85Ga0.15Nブロック層、第2導電型層106として厚さ50〜1000nm(たとえば150nm)のp型Al0.60Ga0.40N層、および第2導電型コンタクト層107として厚さ20〜500nm(たとえば50nm)のp型Al0.25Ga0.75Nコンタクト層が、この順にエピタキシャル成長されることにより積層されて、下地基板101の一主面側に窒化アルミニウム系半導体層構造体403が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401が得られる。

0038

ここで、第1導電型層108ならびに第2導電型層106は、それぞれ、発光素子の種類に応じて、n型クラッド層および/またはn型ガイド層ならびにp型クラッド層および/またはp型ガイド層などと呼ばれ、それらの層のAl組成およびGa組成とそれらの層の厚さとを適宜調整することができる。クラッド層およびガイド層の両方が必要な場合は、第1導電型層108および第2導電型層106のそれぞれは、Al組成の異なるn型およびp型の窒化アルミニウム系半導体層からなる2層以上の多層構造でもよい。

0039

また、窒化アルミニウム系深紫外LEDの場合は、第1導電型層108および第2導電型層106のいずれかは無くてもよい。図1および図2には、第1導電型層108が省略された窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子が記載されている。

0040

なお、発光層に関して、本実施形態では80%のAl組成からなるAl0.80Ga0.20Nバリア層120nmと55%のAl組成からなるAl0.55Ga0.45N井戸層60nmが交互に、6周期ずつ形成され、最終バリア層として、Al0.75Ga0.25N層が40nm積層された構造としているが、これ以外にも、AlN層などをバリア層などとして用いてもよい。また、1層の層厚が、100nm以内であれば、AlN層を含む任意のAl組成を有するノンドープあるいはn型のAlxGa1-xN(0≦x<1)層を、バリア層、井戸層の周期構造の最初あるいは最後に、隣接して複数層にわたって形成してもよく、これらの層も発光層の一部とみなす。また、井戸層のAl組成を25〜75%に適宜調整することで、発光ピーク波長を、300〜220nm程度まで、調整することが可能である。

0041

(第2導電型の層の活性化工程)
次に、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401は、MOCVD装置から取り出され、第2導電型の層(第2導電型ブロック層105、第2導電型層106および第2導電型コンタクト層107)であるp型層(p型Al0.85Ga0.15Nブロック層、p型Al0.60Ga0.40N層およびp型Al0.25Ga0.75Nコンタクト層)を活性化するための熱処理が行われる。すなわち、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401が熱処理装置内に導入され、650〜1350℃(たとえば900℃)の高温で1〜30分間(たとえば5分間)熱処理される。熱処理の雰囲気としては、たとえば、窒素雰囲気、または窒素と0.1〜100%(たとえば3%)の酸素を含む窒素/酸素混合雰囲気もしくは純酸素雰囲気を利用することができる。本実施形態では、純酸素雰囲気で熱処理を実施する。この熱処理によって、p型層の活性化が促進されて、p型層が低抵抗化される。この低抵抗化は、p型層中不純物として添加されたマグネシウムに結合していた水素が熱処理の効果によって離脱し、マグネシウムがアクセプタとして活性化されることによる。

0042

(第2導電側電極および反射電極の形成工程)
次に、図4に示すように、熱処理により第2導電型であるp型層が活性化された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の第2導電型コンタクト層107側に第2導電側コンタクト電極201(p型コンタクト電極)および反射電極202が形成される。より具体的には、熱処理により第2導電型であるp型層が活性化された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401が、真空蒸着装置内へ導入され、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の第2導電型コンタクト層107上に、NiおよびAuの薄膜からなる第2導電側コンタクト電極201が形成される。このとき、第2導電側コンタクト電極201による光吸収を抑制するために、その透過率は75%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。このために、第2導電側コンタクト電極201の厚さは、0.5〜50nmであることが好ましい。NiとAuのそれぞれの層厚は、2層の合計の厚さが上記の0.5〜50nmの範囲内であれば、それぞれ0nm〜50nmの範囲で任意に変更することができ、かつそれらの層の総厚さが0.5〜50nmの範囲であれば、それぞれ交互に複数層積層するなど、3層以上の構造であってもよいし、NiあるいはAuのみの単層構造であってもよい。なお、発明者らは、第1層Ni2.5nm、第2層Au2.5nmの計5.0nmの時において、続いて行う、電極アロイ後において、第2導電側コンタクト電極201の透過率96%(波長280nmでの測定)が得られることを確認した。Ni、Auからなる第2導電側コンタクト電極201の形成後、第2導電側コンタクト電極201の合金化およびオーミック電極化のために、電極アロイ処理を行った。電極アロイ処理は、熱処理炉に、第2導電側コンタクト電極201が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を導入し、100%酸素の雰囲気中で、1気圧、500℃の条件で、5分間実施される。次いで、第2導電側コンタクト電極201上に、Alからなる反射電極202が形成されることが好ましい。反射電極202の形成は、真空蒸着装置にてAlを蒸着することで行われる。反射電極202は、発光層104で発した光を損失を小さく反射させる必要から、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401全面に均一に形成することが望ましい。

0043

(多孔質金属膜による導電性支持基板の接合工程)
次に、図4に示すように、第2導電側コンタクト電極201および反射電極202が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401は、多孔質金属膜204により、導電性支持基板205に接合される。窒化アルミニウム系発光素子は、かかる接合により、発光層104から導電性支持基板205の方向へ発せられた220nm以上300nm以下の波長の紫外光は、第2導電側コンタクト電極201を透過し、反射電極202およびマクロポーラス構造の多孔質金属膜204で反射され、再び第2導電側コンタクト電極201を透過して、導電性支持基板205の反対方向へと放射される。

0044

多孔質金属膜による導電性支持基板の接合は、金属粒子が配合された導電性ペースト高温高圧下焼結することで、マクロポーラス構造の多孔質金属膜204を形成することにより行った。具体的には、多孔質金属膜204と導電性支持基板205の電気的コンタクトを取るため、第1層としてNi20nm、第2層としてAu250nmが形成された導電性支持基板205であるシリコン基板上に、スクリーン印刷機を用いて、銀(Ag)含有導電性ペーストを塗布したのちに、第2導電側コンタクト電極201が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の第2導電側コンタクト電極201側を、上記導電性ペースト上にマウントする。かかるマウントウェハを、加熱圧着装置に導入し、50気圧350℃の条件で60分間圧着することで、導電性支持基板205(シリコン基板)と、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401とを、マクロポーラス構造の多孔質金属膜204を介在して接合することができた。なお、銀含有導電性ペーストは、本実施形態のウェハ接合条件において、焼結後にマクロポーラス構造となるよう、銀含有量密度粘土、組成などが調整されたものであり、本ウェハ接合条件下において接合後、強固なウェハ接合強度と、高い電気伝導率を有する。

0045

本ウェハの接合条件については、圧力1気圧から100気圧までおよび温度200℃から350℃までの範囲について、圧力1気圧(加圧なし)のとき温度に関わらず多孔質金属膜の空孔率は50%をより高く、圧力5気圧および温度225℃のとき多孔質金属膜204の空孔率は50%であり、圧力75気圧および温度350℃のとき多孔質金属膜204の空孔率は5%である。これらのいずれの接合条件下においても、ウェハの接合を行うことができた。

0046

(下地基板の除去工程)
次に、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401からの下地基板101の除去を行う。かかる下地基板101(たとえばサファイア基板)の除去は、レーザリフトオフ法を用いて行うことができる。たとえば、図4中の矢印で示されているように、波長193nmのレーザ光が下地基板101側から窒化アルミニウム系半導体ウェハ401内へ照射される。このレーザ光は、バッファ層102で吸収される。これは、バッファ層102のバンドギャップが、波長193nmの光が有するエネルギーよりも小さいため、波長193nmの光について、吸収機能を有するからである。この時、バッファ層102で吸収されたレーザ光のエネルギーの大部分が、熱エネルギーに変換され、発生した熱によってバッファ層102自体が熱分解される。これにより、下地基板101と、バッファ層102から導電性支持基板205までの部分とに分離されることで、下地基板101が剥離されて除去される。なお、下地基板101の除去の際に、照射されるレーザ光の波長193nmに比べて発光層104の発光ピーク波長は、220nm以上300nm以下と長いため、レーザ光の強度が強すぎて、バッファ層102および第1導電型コンタクト層103で、レーザ光をすべて吸収できない場合、あるいは、バッファ層102および第1導電型コンタクト層103で、多量の熱エネルギーが発生し、その熱エネルギーが発光領域まで、伝搬するような場合は、発光層104にダメージを与える可能性がある。このため、照射されるレーザ光がすべて、バッファ層102で吸収され、過度な熱エネルギーが発生しないよう、照射するレーザ光の強度および、バッファ層102の層厚を適切に調整することが必要である。なお、下地基板101の除去には、波長193nmのレーザ光以外でも、バッファ層102で吸収する任意の波長のレーザ光を用いることができる。

0047

(光取り出し構造の形成工程)
上述の下地基板101の除去によって、図5に示すような窒化アルミニウム系半導体層構造体403を含むウェハが得られる。レーザの照射によって下地基板が剥離された分離面には、レーザ照射によって分解したバッファ層に起因する残留層402が付着している。したがって、塩酸などの酸によるウェットエッチングで分離面を清浄化した後に、さらにドライエッチングを行って、第1導電型コンタクト層103の清浄な表面露出させることが望ましい。たとえば、上記ウェハを塩酸溶液に3分間浸漬した後に、そのウェハをRIE(反応性イオンエッチング)装置に導入して厚さ0.5μm程度だけドライエッチングすればよい。なお、ドライエッチング時において、電子線描画装置等を利用して、第1導電型コンタクト層103の表面に、光取り出しの効率を高める構造(光取り出し構造)としてのテクスチャ構造の形成のための電子線レジストパターンを形成したのちに、ドライエッチングを行うことで、テクスチャ構造を形成することもできる。光取り出し構造であるテクスチャ構造の一例が、図6の概略斜視図に示されている。

0048

図6に示されたテクスチャ構造に含まれる円錐台状の凸部の各々は、たとえば直径250nmの底面、直径225nmの上面、および250nmの高さを有し、図7の概略平面図に示されているように一辺350nmの正三角形頂点に円錐台の中心が来るように周期的に配置され得る。このようなテクスチャ構造は必ずしも形成されることを要しないが、かかるテクスチャ構造の形成によって、第1導電型コンタクト層103からの光取り出し効率を向上させることができる。また、テクスチャ構造以外でも、光取り出し効率向上のために、モスアイ構造などの他の低反射率構造をn型AlGaNコンタクト層の表面に形成してもよい。

0049

(第1導電側電極の形成工程)
次に、図1に示すように、光取り出し構造としてテクスチャ構造が表面に形成された第1導電型コンタクト層103のその表面の一部に、第1導電側コンタクト電極301が形成される。第1導電側コンタクト電極301形成用のレジストパターンフォトリソグラフィで形成された後に、上記ウェハを蒸着装置内へ導入して、Ti/Alの積層構造からなる第1導電側コンタクト電極層が蒸着される。こうして第1導電側コンタクト電極層が形成された後に、上記ウェハが蒸着装置から取り出されて、第1導電側コンタクト電極層のリフトオフ処理を行って、第1導電側コンタクト電極301が形成される。第1導電側コンタクト電極301の形成後、必要に応じて、オーミック電極化および合金化の熱処理を行うことができる。

0050

なお、第1導電型コンタクト層103である第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1)コンタクト層のAl組成が0%以上25%未満の場合は、比較的容易に第1導電側コンタクト電極301のオーミック化が可能であるため熱処理は必要なくともよいが、Al組成が25%以上の場合は、第1導電側コンタクト電極301のオーミック化には、500℃以上の高温での熱処理が必要であり、さらに、Al組成が0.50以上の場合には、700℃以上の高温での熱処理が必要である。本実施の形態においては、第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1)コンタクト層のAl組成は65%と高いため、900℃の条件で第1導電側コンタクト電極のオーミック化熱処理を実施した。

0051

また、第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1)コンタクト層のAl組成は、発光層104からの光を透過する必要があるため、発光層104における井戸層のAl組成よりも高いことが好ましい。本発明のある実施形態にかかる発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の深紫外発光素子においては、井戸層のAl組成が最も少ないとき(発光ピーク波長300nm)でも、井戸層のAl組成は概ね25%程度であることから、第1導電型AlxGa1-xN(0≦x<1)コンタクト層のAl組成については、最低でも25%以上となるため、500℃以上の高温での第1導電側コンタクト電極のオーミック化処理が必要となる。ここで、発光ピーク波長が265nmのときの井戸層のAl組成は概ね45%程度、発光ピーク波長が220nmの時の井戸層のAl組成は概ね75%程度である。なお、図2に示すように、第1導電側コンタクト電極として、発光光を透過する第1導電側透光性導電膜304を第1導電型コンタクト層103の大部分の領域に形成することもできる。

0052

次いで、第1導電側コンタクト電極301上に第1導電側パッド電極302が形成される。第1導電側パッド電極302形成用のレジストパターンがフォトリソグラフィを利用して形成された後に、上記ウェハを蒸着装置内へ導入して、Ti/Auの積層からなる第1導電側パッド電極層が蒸着される。こうしてパッド電極層が形成された後に、上記ウェハが蒸着装置から取り出されて、第1導電側パッド電極層のリフトオフ処理を行って、図1のように、第1導電側パッド電極302が形成される。なお、図2のように発光光を透過する第1導電側透光性導電膜304上の一部領域に第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)を形成してもよい。

0053

(マウント)
次に、第1導電側パッド電極302が形成された上記ウェハは必要に応じて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜および/または電流阻止層などを形成したのちに、ダイシングによって適切なサイズ(本実施の形態では1mm×1mm)の複数のチップに分割される。チップ分割によって得られた各紫外LEDチップは、ステムまたはSMD(表面実装デバイス)としてマウントされ、第1導電側パッド電極302などに配線が行われ、さらに、紫外線透過樹脂などで封止されて、紫外LED素子となる。このとき、ステムまたはSMDなどのいずれのパッケージング形態であっても、発光光の出射面は、第1導電側電極側の面となる。

0054

作用効果
本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、空孔率が10%以上50%以下のマクロポーラス構造の多孔質金属膜204で、導電性支持基板205と窒化アルミニウム系半導体層構造体403が接合されていることから、導電性支持基板、窒化アルミニウム系半導体層構造体、多孔質金属膜および下地基板のそれぞれの熱膨張係数の違いによって発生した応力が、マクロポーラス構造の多孔質金属膜で吸収されることによって、導電性支持基板からのウェハの剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラック発生、多孔質金属膜でのクラックの発生を抑制することが可能となり、窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の歩留りの向上が可能となる。また、マクロポーラス構造の多孔質金属膜は、高温耐性を有することから、500℃以上の条件での第1導電側コンタクト電極のオーミック化熱処理を実施することが可能となるため、良好なオーミック特性を有する、第1導電側コンタクト電極の形成が可能となり、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0055

<実施形態2>
[窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の構成]
図8を参照して、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子(発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403を有する発光素子をいう、以下同じ。)は、実施形態1の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子と同様の縦型構造であって、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の第1導電型コンタクト層103側の主面の一部上に接合されている別の基板として下地基板101をさらに有する縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。すなわち、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204と、発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。ここで、窒化アルミニウム系半導体層構造体403は、第1導電型コンタクト層103と、発光層104と、第2導電型コンタクト層107と、をこの順に含み、第2導電型コンタクト層107は、多孔質金属膜204を介在して、導電性支持基板205と電気的に接続するように接合され、第1導電型コンタクト層103側の一部に接合されている別の基板である下地基板101と、第1導電型コンタクト層103の他の一部に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)をさらに含む。すなわち、本実施形態においても、第1導電側電極は、第1導電型コンタクト層103の少なくとも一部に電気的に接続するように接合されている。

0056

本実施形態の窒化アルミニウム系紫外発光素子は、導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403、および導電性支持基板205と窒化アルミニウム系半導体層構造体403との接合層である多孔質金属膜204のそれぞれの熱膨張係数の違いによる、熱処理後の導電性支持基板205からの窒化アルミニウム系半導体層構造体403の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体403内でのクラック発生、多孔質金属膜204でのクラックの発生を抑制することが可能となり、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0057

本実施形態の窒化アルミニウム系発光素子は、具体的には、導電性支持基板205上に、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204を介在して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403として第2導電型コンタクト層107、第2導電型層106、第2導電型ブロック層105、発光層104、および第1導電型コンタクト層103がこの順に配置され、第1導電型コンタクト層103側の一部に接合して下地基板101が配置され、第1導電型コンタクト層103の他の一部に電気的に接続するように接合して第1導電側コンタクト電極301が配置されている、縦型構造の発光素子である。

0058

本実施形態の窒化アルミニウム系紫外発光素子における導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403および多孔質金属膜204については、実施形態1の窒化アルミニウム系紫外発光素子における導電性支持基板205、窒化アルミニウム系半導体層構造体403および多孔質金属膜204と同じである。

0059

(下地基板)
本実施形態の窒化アルミニウム系紫外発光素子における下地基板101は、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の形成に用いられる基板であり、高品質の窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成する観点および波長220nm以上300nm以下の深紫外線を透過する観点から、サファイア基板が好ましい。

0060

[窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の製造方法]
本実施形態の窒化アルミニウム系発光素子の製造方法は、特に制限はないが、効率よく製造する観点から、下地基板上における窒化アルミニウム系半導体層構造体の形成工程、第2導電型の層(具体的には、第2導電型ブロック層105、第2導電型層106および第2導電型コンタクト層107)の活性化工程、第2導電側電極および反射電極の形成工程、多孔質金属膜による導電性支持基板の接合工程、下地基板の一部の除去工程、第1導電型コンタクト層の露出工程、第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極および第1導電側パッド電極)の形成工程、および光取出し構造の形成工程を含むことが好ましい。

0061

(下地基板上における窒化アルミニウム系半導体層構造体の形成工程から多孔質金属膜による導電性支持基板の接合工程まで)
下地基板上における窒化アルミニウム系半導体層構造体の形成工程、第2導電型の層(具体的には、第2導電型ブロック層105、第2導電型層106および第2導電型コンタクト層107)の活性化工程、第2導電側電極および反射電極の形成工程、および多孔質金属膜による導電性支持基板の接合工程は、実施形態1の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の場合と同じである。

0062

(下地基板の一部の除去工程)
多孔質金属膜204による窒化アルミニウム系半導体ウェハ401と導電性支持基板205との接合の後、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401からの下地基板101の一部の除去を行う。かかる下地基板101の剥離は、第一の実施の形態と同様にレーザリフトオフ法を用いて行うことができる。本実施形態では、波長193nmのレーザ光は、下地基板101の除去したい部分にのみ窒化アルミニウム系半導体ウェハ内へ照射される。これにより、レーザが照射された部分のサファイア基板が剥離される。レーザの照射条件などは、レーザ照射エリア等が異なるのみで、第一の実施の形態と同様である。

0063

(第1導電型コンタクト層の露出工程)
上記の下地基板の一部除去により、図9に示すように、レーザの照射によって下地基板101が剥離された部分には、レーザ照射によって分解したバッファ層102に起因する残留層402が付着している。したがって、塩酸などの酸によるウェットエッチングで分離面を清浄化した後に、さらにドライエッチングを行って、第1導電型コンタクト層103の清浄な表面を露出させることが望ましい。たとえば、このウェハを塩酸溶液に3分間浸漬した後に、そのウェハをRIE(反応性イオンエッチング)装置に導入して厚さ0.5μm程度だけドライエッチングすればよい。

0064

続いて、図8に示すように、下地基板101が剥離された部分について、第1導電型領域を形成するために、第1導電型コンタクト層103であるn型Al0.65Ga0.35Nコンタクト層をドライエッチングにより露出させる。まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジストで、第1導電型領域形成のためのパターニングを行なう。次いで、このウェハを、ICPドライエッチング装置に導入し、第1導電型コンタクト層103の表面からおおよそ1.0μm程度の深さが露出するまで、ドライエッチングを行なう。このように第1導電型コンタクト層103を露出した後、ドライエッチングのためのレジストマスクなどを除去し、有機洗浄により、ウェハの清浄化を行なう。

0065

(第1導電側電極の形成工程)
上記で露出され洗浄された第1導電型コンタクト層103上に第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)の形成を形成する。第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302の形成方法は、実施形態1の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の場合と同じである。なお、本実施形態においても、第1導電型コンタクト層103のAl組成は0.65と高いため、900℃の条件で第1導電側コンタクト電極301のオーミック化熱処理を第1導電側パッド電極302の形成前に実施している。

0066

(光取り出し構造の形成工程)
次に、電子線描画装置あるいはナノインプリント装置などを利用して、下地基板101の表面にテクスチャ構造形成のための電子線レジストパターン、あるいは、樹脂モールドを利用した樹脂パターンを形成したのちに、ドライエッチングを行うことで、テクスチャ構造を形成することもできる。テクスチャ構造の一例が、第一の実施の形態と同様、図5模式的斜視図に示されている。このようなテクスチャ構造は必ずしも形成されることを要しないが、テクスチャ構造の形成によって、下地基板101からの光取り出し効率を向上させることができる。また、テクスチャ構造以外でも、光取り出し効率向上のために、モスアイ構造などの他の低反射率構造を成長基板の表面に形成してもよい。

0067

(マウント)
次に、実施形態1の場合と同様に、上記ウェハはダイシングによって適切なサイズ(本実施の形態では1mm×1mm)の複数のチップに分割され、ステムまたはSMD(表面実装デバイス)としてマウントされ、第1導電側パッド電極302などに配線が行われ、さらに、紫外線透過樹脂などで封止されて、紫外LED素子となる。発光光の出射面は、第1導電側電極側の第1導電型コンタクト層103の主面となる。

0068

本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の上記説明においては、上記別の基板として下地基板を有する場合について説明した。しかしながら、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の上記別の基板は、絶縁性透明基板であれば特に制限はなく、下地基板でなくてもよい。たとえば、実施形態1の場合と同様に、第1導電型コンタクト層側から下地基板をすべて除去した後、第1導電型コンタクト層の一部に第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極および第1導電側パッド電極)を形成し、第1導電型コンタクト層側の他の一部上に別の基板として絶縁性透明基板を接合してもよい。ここで、絶縁性透明基板は、波長220nm以上300nm以下の深紫外光を透過する観点から、サファイア基板が好ましい。

0069

[作用効果]
本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態1の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子と同様の縦型構造であって、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の第1導電型コンタクト層103側の主面の一部上に接合している別の基板をさらに有する縦型構造であり、実施形態1の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子と同様の作用効果を有し、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0070

<実施形態3>
図10および図11を参照して、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態1と同様に、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の形成に用いられる下地基板がすべて除去された縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子であって、端面から発光する発光素子である。端面発光の素子としては、半導体レーザ(LD)や、スーパールミネッセントダイオード(SLD)等の誘導放出型の発光素子があげられる。

0071

したがって、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態1と同様に、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204と、発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。ここで、窒化アルミニウム系半導体層構造体403は、第1導電型コンタクト層103と、発光層104と、第2導電型コンタクト層107と、をこの順に含み、第2導電型コンタクト層107は、多孔質金属膜204を介在して、導電性支持基板205と電気的に接続するように接合され、第1導電型コンタクト層103の少なくとも一部(図10および図11の第1導電型コンタクト層103の一主面である表面の全部)に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極(図10の第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302、あるいは図11の第1導電側透光性導電膜304および第1導電側パッド電極302)をさらに含む。

0072

本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態1と同様の上記の構成に加えて、適切な光閉じ込め効果を得るために、ガイド層および/またはクラッド層としての第1導電型層108および第2導電型層106をそれぞれ、Al組成の異なる多層構造としておくことが好ましく、また、誘導放出を生じやすくするために、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の導電性支持基板205への接合の前に、第2導電側であるp側の電流経路を制限する構造を作りこんでおくことが好ましい。具体的には、図10に示すように、第2導電側コンタクト電極201が一部のみに形成され、第2導電側コンタクト電極201が形成されない部分は絶縁層206を形成した電極ストライプ構造とすることができる。または、図11に示すように、エッチングによって第2導電型コンタクト層107の一部領域を、第2導電型層106の一部まで除去した後に、絶縁層206を形成したリッジストライプ構造とすることができる。

0073

上記の電極ストライプ構造またはリッジストライプ構造を形成した後は、実施形態1と同様に、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の導電性支持基板205への接合から、第1導電側パッド電極302の形成までを行なう。第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)に関しては、図10に示すように露出した第1導電型コンタクト層103の全面に形成してもよいし、図11に示すように実施形態1と同様にパターニングにより露出した第1導電型コンタクト層103の一部面に形成してもよい。

0074

(マウント)
次に、第1導電側パッド電極302が形成されたウェハは、劈開および/またはダイシングによってバー状に分割される。半導体レーザの場合は、劈開面の一方に高反射コーティングを施して光反射面とし、他方の面は、用途に応じて、低反射コーティング保護コーティングなどを施して、レーザ出射面とする。スーパールミネッセントダイオードの場合は、レーザ発振が起こらないように、端面に低反射コーティング、凹凸形状の形成、および/または斜面化処理などの端面反射低減化構造を形成する。端面処理を行ったのち、適切なサイズ(本実施の形態では0.8mm×0.4mm)の複数のチップに分割される。チップ分割によって得られた端面出射型発光素子チップは、ステムにマウントされ、第1導電側パッド電極などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型紫外発光素子となる。

0075

[作用効果]
本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、一部電流経路が制限され誘導放出を容易に起こすことが可能な構造であり、かつ、下地基板がすべて除去された縦型構造の端面出射型の発光素子であり、実施形態1と同様の作用効果で、発光効率が高く歩留りが高く縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0076

<実施形態4>
図12および図13を参照して、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態3の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子と同様の縦型構造であって、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の第1導電型コンタクト層103側の主面の一部上に接合されている別の基板として下地基板101をさらに有する縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子であり、実施形態3と同様に端面から発光する発光素子である。端面発光の素子としては、半導体レーザ(LD)や、スーパールミネッセントダイオード(SLD)等の誘導放出型の発光素子があげられる。

0077

したがって、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態2と同様に、導電性支持基板205と、空孔率が10%以上50%以下であり導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜204と、発光層104を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体403と、を含み、導電性支持基板205と、窒化アルミニウム系半導体層構造体403とが、多孔質金属膜204を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子である。ここで、窒化アルミニウム系半導体層構造体403は、第1導電型コンタクト層103と、発光層104と、第2導電型コンタクト層107と、をこの順に含み、第2導電型コンタクト層107は、多孔質金属膜204を介在して、導電性支持基板205と電気的に接続するように接合され、第1導電型コンタクト層103側の一部に接合されている下地基板101と、第1導電型コンタクト層103の他の一部に電気的に接続するように接合されている第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)をさらに含む。すなわち、本実施形態においても、第1導電側電極は、第1導電型コンタクト層103の少なくとも一部に電気的に接続するように接合されている。

0078

本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態2と同様の上記の構成に加えて、適切な光閉じ込め効果を得るために、ガイド層および/またはクラッド層としての第1導電型層108および第2導電型層106をそれぞれ、Al組成の異なる多層構造としておくことが好ましく、また、誘導放出を生じやすくするために、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の導電性支持基板205への接合の前に、第2導電側であるp側の電流経路を制限する構造を作りこんでおくことが好ましい。具体的には、図12に示すように、第2導電側コンタクト電極201が一部のみに形成され、第2導電側コンタクト電極201が形成されない部分は絶縁層206を形成した電極ストライプ構造とすることができる。または、図13に示すように、エッチングによって第2導電型コンタクト層107の一部領域を、第2導電型層106の一部まで除去したのちに、絶縁層206を形成したリッジストライプ構造とすることができる。

0079

本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の上記説明においては、上記別の基板として下地基板を有する場合について説明した。しかしながら、本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の上記別の基板は、絶縁性基板であれば特に制限はなく、下地基板でなくてもよい。たとえば、実施形態3の場合と同様に、第1導電型コンタクト層側から下地基板をすべて除去した後、第1導電型コンタクト層の一部に第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極および第1導電側パッド電極)を形成し、第1導電型コンタクト層側の他の一部上に別の基板として絶縁性基板を接合してもよい。ここで、絶縁性基板は、適切な光閉じ込め効果を得る観点および電流リークを抑制する観点から、サファイア基板が好ましい。

0080

上記の電極ストライプ構造またはリッジストライプ構造を形成した後は、実施形態3と同様に、上記ウェハは劈開および/またはダイシングによってバー状に分割し、適切な端面処理を実施した後に、チップ分割され、ステムにのマウントされ、第1導電側パッド電極などに配線が行われ、紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型紫外発光素子となる。

0081

[作用効果]
本実施形態の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、実施形態3の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子と同様の縦型構造であって、窒化アルミニウム系半導体層構造体403の第1導電型コンタクト層103側の主面の一部上に接合している別の基板をさらに有する縦型構造であり、実施形態3と同様の作用効果、すなわち、実施形態1と同様の作用効果で、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となる。

0082

(実施例1)
図3を参照して、下地基板101としてサファイア基板をMOCVD装置に導入し、サファイア基板の一主面上に、厚さ300nmのAlN層からなるバッファ層102、厚さ3μmのn型Al0.65Ga0.35N層からなる第1導電型コンタクト層103、厚さ3nmのAl0.80Ga0.20Nバリア層/厚さ2nmのAl0.55Ga0.45N井戸層の6周期の多重量子井戸構造からなる発光層104、厚さ15nmのp型Al0.85Ga0.15Nブロック層からなる第2導電型ブロック層105、厚さ150nmのp型Al0.65Ga0.35N層からなる第2導電型層106、および厚さ50nmのp型Al0.25Ga0.75Nコンタクト層からなる第2導電型コンタクト層107をこの順に積層して、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。なお、図3には、第1導電型層108が記載されているが、本実施例においては省略した。

0083

本実施例においては、AlN系半導体層の結晶成長は、MOCVD法を用いて行ったが、MOCVD法以外にも、MBE法スパッタ法など、既知結晶成長方法を一部、または、全部に適用することも可能である。バッファ層102としては、ノンドープAlxGa1-xN(0≦x<1)層、n型AlxGa1-xN(0≦x<1)層などを用いることも可能であるが、下地基板101を除去するためのレーザリフトオフ工程において、レーザ光を十分吸収する層であることが好ましい。

0084

MOCVD装置内での結晶成長の終了後、積層した窒化アルミニウム系半導体層を含むウェハをMOCVD装置から取り出して、p型層である第2導電型の層(第2導電型ブロック層105、第2導電型層106および第2導電型コンタクト層107)を活性化するための熱処理を行った。熱処理は、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を熱処理装置内に導入し、100%の酸素雰囲気中において、900℃の高温で10分間保持することで行った。なお、熱処理の温度、雰囲気については、この限りではない。

0085

続いて、第2導電側電極であるp側電極の形成を行った。上記ウェハを蒸着装置内に導入し、図4を参照して、第2導電型コンタクト層107であるp型Al0.25Ga0.75Nコンタクト層上に厚さ15nmのNi層および15nmのAu層のp型コンタクト電極からなる第2導電側コンタクト電極201を形成した。なお、図4には、第1導電型層108が記載されているが、上記のように本実施例においては省略した。このとき、第2導電側コンタクト電極201による光吸収を抑制するためには、発光波長における第2導電側コンタクト電極201の透過率を可能な限り高くすることが必要であり、75%以上の透過率であることが望ましい。本実施例においては、この条件を満たすため、第2導電側コンタクト電極201を、厚さ15nmのNi層および厚さ15nmのAu層からなる厚さ30nmの金属層とした。なお、本実施例においては、厚さ15nmのNi層および厚さ15nmのAu層の2層を形成後、450℃の酸素含有雰囲気において、熱処理を行い、第2導電側コンタクト電極201の合金化処理を行った。この熱処理により、第2導電側コンタクト電極201の透過率の向上と第2導電型コンタクト層107とのオーミック性の向上が可能となった。

0086

続いて、第2導電側コンタクト電極201が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401と導電性支持基板205との接合を行う。導電性支持基板205としては、導電性を有するためドーピングが行われた導電性シリコン基板を使用した。シリコン基板の接合側の面にはあらかじめ、金属電極を形成しておくことが望ましいが、この限りではなく、直接シリコン基板面に第2導電側コンタクト電極201が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を接合してもよい。本実施例では、シリコン基板の接合側の面は、シリコン基板/Ni層(25nm)/Au層(250nm)であり、Ni/Au金属膜の形成を行った。

0087

続いて、上記Ni/Au金属膜が形成された導電性支持基板205の接合面に、金属粒子が配合された導電性ペーストの塗布を行なった。本実施例においては、スクリーン印刷機を用いて、Ag含有導電性ペーストを塗布した。なお、本実施例で使用したAg含有導電性ペーストは、本実施例におけるウェハ接合条件において、焼結後にマクロポーラス構造となるよう、Ag含有量、密度、粘土、組成等が調整されたものであり、本ウェハ接合条件下において接合後、強固なウェハ接合強度と、高い電気伝導率を有した。なお、塗布時のAg含有導電性ペーストの厚さは概ね数十μmであるが、焼結後の厚さは、温度、圧力等の焼結条件により、大きく変動した。

0088

続いて、図4を参照して、第2導電側コンタクト電極201(p型コンタクト電極)が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の第2導電側コンタクト電極201側の面を、Ag含有導電性ペーストが塗布された導電性支持基板205の接合面にマウントして、接合した。接合は、加熱圧着装置で行った。本実施例では、窒素雰囲気中で、50気圧350℃の条件で60分間圧着することで、導電性支持基板205と窒化アルミニウム系半導体ウェハ401とをマクロポーラス構造の多孔質金属膜204を介在して接合できた。接合後の多孔質金属膜204の空孔率は、その3か所の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察において、断面積全体に対する空孔断面積の百分率(空孔面積率)を算出し、かかる空孔面積率を3/2乗した3つの数値の平均を算出した。空孔率は、概ね10%〜25%であり、それらの典型的な平均値は20%であった。

0089

なお、上記接合条件については、圧力が1気圧〜100気圧、温度が200℃〜350℃の範囲で検討を実施した。圧力5気圧、温度225℃の接合条件下では、多孔質金属膜204の空孔率は50%であった。圧力75気圧、温度350℃の接合条件下では、多孔質金属膜204の空孔率は5%であった。これらの接合条件下においても、ウェハの接合を行うことができた。また、常圧(圧力が1気圧)下の条件でも、接合条件の検討を行っており、このときの多孔質金属膜204の空孔率は、温度に関わらず、50%より高かった。なお、この条件下でも、ウェハの接合は行うことができた。また、圧力が80気圧以上100気圧以下の場合においては、多孔質金属膜204の空孔率は、ほぼ0%となり、SEM画像においても、マクロポーラス構造が確認できない状態であった。なお、この条件下でも、ウェハの接合は行うことができた。

0090

また、接合後の多孔質金属膜について、反射率測定を実施したところ、マクロポーラス構造の形成の有無にかかわらず、360nm以下の波長の光に対して、概ね75%以上の反射率を有しており、紫外光に対する反射膜として機能することを確認した。

0091

このため、本実施例では、第2導電側コンタクト電極201に多孔質金属膜204を直接接合し、多孔質金属膜204を、反射電極202兼導電性接合層としている。しかしながら、第2導電側コンタクト電極201上に、アルミニウム、Agなどの紫外光に対して高い反射特性を有する金属からなる反射電極202を形成した後に、多孔質金属膜204を形成して、導電性接合層としてもよい。

0092

上記接合後、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401から下地基板101を除去した。本実施例においては、下地基板101の除去は、レーザリフトオフ法を用いて行った。図4を参照して、波長193nmのレーザ光を下地基板101側から窒化アルミニウム系半導体ウェハ401内へ照射した。照射されたレーザ光は、バッファ層102内ですべて吸収された。吸収されたレーザ光の光エネルギーが熱エネルギーに変換されて、その熱エネルギーによって、バッファ層102が分解された。これによって下地基板101が剥離されて除去され、第1導電型コンタクト層103から導電性支持基板205までの部分が分離できた。

0093

図5を参照して、レーザ照射によって基板を除去した剥離面には、レーザ照射によって分解したバッファ層102に起因する残留層402が付着していたので、その剥離面の清浄化を行った。なお、図5には、第1導電型層108が記載されているが、上記のように本実施例においては省略した。具体的には、塩酸と水が1:1の割合で混合された溶液中に分離された上記ウェハを3分間浸漬した。その後、水洗と乾燥を行った後に、第1導電型コンタクト層103の表面層を厚さ0.50μm程度、ドライエッチングによって除去した。これは、第1導電型コンタクト層103の清浄な表面を露出させるためであった。

0094

なお、上記ドライエッチング時において、電子線描画装置などを利用して、第1導電型コンタクト層103の表面にテクスチャ構造形成のための電子線レジストパターンを形成した後に、ドライエッチングを行うことで、テクスチャ構造を形成することもできる。テクスチャ構造の一例が、図6の概略斜視図に示されている。図6に示されたテクスチャ構造に含まれる円錐台状の凸部の各々は、たとえば直径250nmの底面、直径225nmの上面および250nmの高さを有し、図7の概略平面図に示されているように一辺350nmの正三角形の頂点に円錐台の中心が位置するように周期的に配置され得る。このようなテクスチャ構造は必ずしも形成されることを要しないが、テクスチャ構造の形成によって、第1導電型コンタクト層103からの光取り出し効率を向上させることができる。また、テクスチャ構造以外でも、光取り出し効率向上のために、モスアイ構造などの他の低反射率構造を第1導電型コンタクト層103の表面に形成してもよい。

0095

続いて、図1を参照して、第1導電側コンタクト電極301(n側コンタクト電極)を形成した。具体的には、フォトリソグラフィを利用して、第1導電側コンタクト電極301形成用のレジストパターンを形成した後に、上記ウェハを蒸着装置内へ導入し、Ti/Al多層膜の第1導電側コンタクト電極層を堆積した。その後、蒸着装置から上記ウェハを取り出して、リフトオフ処理を行うことで、パターニングされた第1導電側コンタクト電極301が形成された。このリフトオフ処理後に、第1導電側コンタクト電極301の合金化、オーミック電極化を行うために、850℃で3分間の熱処理を行った。

0096

続いて、第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)の形成を行った。第1導電側コンタクト電極301の形成の場合と同様に、フォトリソグラフィを利用して第1導電側パッド電極302形成用のレジストパターンを形成した後に、ウェハを蒸着装置内へ導入し、Ti/Au多層膜からなる第1導電側パッド電極層を堆積した。その後、蒸着装置からウェハを取り出して、リフトオフ処理を行うことで、パターニングされた第1導電側パッド電極302が形成された。

0097

第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302からなる第1導電側電極(n型電極)が形成されたウェハは、続いて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜および/または電流阻止層などを形成した。

0098

続いて、保護膜および/または電流阻止層などが形成されたウェハを、1mm×1mmサイズの複数のチップに分割して、半導体チップの形成を行った。本実施例においては、チップの分割には、ダイシング装置を用いたが、レーザスクライブ装置スクライブ装置などを用いてもチップ化を行うことが可能である。

0099

チップ分割によって得られた深紫外LEDチップは、第2導電側(p側)の導電性支持基板205を、熱伝導率の高い多結晶のAlNからなるサブマウントを介してAlコーティングされたステム上にマウントしたり、あるいは、Alからなる表面実装用基体実装した後に、第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)と、Alワイヤを用いて、電気的に接続した。最後に、石英ガラスで封止し、深紫外LED素子を得た。

0100

なお、本実施例においては、深紫外LED素子において、支持基板としてはAlコーティングされたステムあるいはAlからなる表面実装用基体を、配線としてはAlワイヤを、封止材としては石英ガラスを使用しているが、これら以外にも、それぞれ、深紫外光を十分反射する金属からなる支持基板を使用してもよく、ワイヤおよび封止材としては深紫外光を十分透過しかつ深紫外光で劣化の少ない樹脂等を使用してもよい。

0101

本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子において、接合条件を圧力5気圧で温度225℃としたときの多孔質金属膜の断面図を図14および図15に示した。図15から、多孔質金属膜の空孔面積率は63%であり、かかる値を3/2乗することにより空孔率は50%と算出された。また、発光効率は、積分球により測定された光出力から算出したところ、12%と高かった。また、歩留りは、チップ特性全数検査し素子定格値満足する割合を算出したところ、95%と高かった。接合条件を圧力75気圧で温度225℃としたとき、多孔質金属膜の空孔率は10%であり、発光効率は12%と高く、歩留りは95%と高かった。このことから、多孔質金属膜の空孔率は10%以上50%以下が適正であることがわかった。また、上記のいずれもの窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の発光ピーク波長は、分光光度計により測定したところ、250nmであった。結果を表1にまとめた。

0102

本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子は、空孔率が10%以上50%以下のマクロポーラス構造の多孔質金属膜で、支持基板と窒化アルミニウム系半導体層構造体とが接合されていることから、支持基板、多孔質金属膜、窒化アルミニウム系半導体層構造体および下地基板のそれぞれの熱膨張係数の違いによって発生した応力が、マクロポーラス構造の多孔質金属部分で吸収されることによって、支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れや、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラック発生、多孔質金属層でのクラックの発生を抑制することが可能となり、窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子の歩留りが高くなった。

0103

また、マクロポーラス構造の多孔質金属膜が高温耐性を有することから、500℃以上の条件での第1導電側コンタクト電極(n側コンタクト電極)のオーミック化熱処理を実施することが可能となったため、良好なオーミック特性を有する第1導電側コンタクト電極コンタクト電極の形成が可能となった。このため、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子を提供することが可能となった。

0104

また、良好なオーミック特性を有する、n側コンタクト電極の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。

0105

(比較例1)
本比較例は、実施例1において、ウェハ接合条件を、圧力1気圧で温度200℃〜350℃とした場合である。なお、かかるウェハ接合条件の場合、多孔質金属膜の空孔率は50%より高かった。実施例1で記載のように、これらの条件下でも、ウェハの接合は行うことができた。

0106

なお、ウェハ接合条件を圧力1気圧で温度250℃としたときの多孔質金属膜の断面図を図16に示した。図16から、多孔質金属膜の空孔面積率は71%であり、かかる値を3/2乗することにより空孔率は60%と算出された。

0107

本比較例において、接合条件を圧力1気圧で温度250℃として空孔率60%の多孔質金属膜で接合したウェハについて、実施例1と同様の方法で、下地基板の除去、第1導電側(n側電極)の形成、チップ化、およびマウントまで行った。本比較例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は60%であり、発光ピーク波長は250nmであり、発光効率は5%と低く、歩留りは60%と著しく低かった。結果を表1にまとめた。この原因として、900℃での第1導電側電極(n側電極)のオーミック化熱処理の前後で、マクロポーラス構造の多孔質金属膜の架橋部が熱処理による応力変化に耐えられず、破壊されたため、導電性が著しく低下したことが原因として考えられた。

0108

(比較例2)
本比較例においては、実施例1において、ウェハ接合条件を、圧力80気圧以上100気圧以下で温度200℃〜350℃とした場合である。なお、かかるウェハ接合条件の場合、多孔質金属膜の空孔率は10%より低かった。実施例1で記載のように、これらの条件下でも、ウェハの接合は行うことができた。

0109

なお、ウェハ接合条件を圧力100気圧で温度350℃としたときの多孔質金属膜の断面図を図17に示した。図17から、多孔質金属膜の空孔面積率は14%であり、かかる値を3/2乗することにより空孔率は5%と算出された。

0110

本比較例において、接合条件を圧力100気圧で温度350℃として空孔率5%の多孔質金属膜で接合したウェハについて、実施例1と同様の方法で、下地基板の除去、第1導電側(n側電極)の形成、チップ化、およびマウントを試みた。しかしながら、下地基板の除去の際、および/または、900℃での第2導電側(n側電極)のオーミック化熱処理の後に、支持基板であるシリコン基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥離が多発した。本比較例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は5%であり、発光ピーク波長は250nmであり、発光効率は4%と低く、歩留りは70%と著しく低かった。結果を表1にまとめた。この原因としては、支持基板、多孔質金属膜、窒化アルミニウム系半導体層構造体、および下地基板などの熱膨張係数の差による応力変化の影響が考えられた。すなわち、下地基板の除去後は、応力が解放されて銀膜収縮しようとするため、剥れが発生したものと考えられた。

0111

一方、実施例1のように、多孔質金属膜が空孔率10%以上50%以下のマクロポーラス構造であった場合、上記応力が空孔部で吸収されて、窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥離が抑制されるものと考えられた。900℃での第2導電側電極(n側電極)のオーミック化熱処理後の支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥離についても、同様の原因が考えられ、より高い900℃での熱処理によって、多孔質金属膜中に蓄積した応力によって、半導体ウェハのシリコン基板からの剥離が引き起こされているものと考えられた。

0112

(実施例2)
図8を参照して、本実施例は、実施例1において、下地基板であるサファイア基板をすべて除去せず、サファイア基板の一部のみ剥離した場合の実施例である。波長300〜220nmの深紫外光に対して、AlNおよびGaNの屈折率は2を超える値であり、これらの屈折率はサファイアの屈折率約1.6と比較して大きい。このため、下地基板であるサファイア基板をすべて除去して第1導電型コンタクト層であるn型Al0.65Ga0.35N層から光を取り出すよりも、下地基板を通して、光を取り出した方が、光取り出し効率の点で有利となる場合がある。光取り出し効率については、組み立て工程における、発光素子チップの構造以外でも、モールド樹脂などの形状、屈折率の影響でも変化するため、最適となるよう、素子設計が必要である。

0113

実施例1と同様に、図3を参照して、下地基板101であるサファイア基板をMOCVD装置に導入して窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。さらに、実施例1と同様に、第2導電型の層(p型層)の活性化のための熱処理、第2導電側電極(p側電極)の形成、第2導電側コンタクト電極201(p型コンタクト電極)が形成された窒化アルミニウム系半導体ウェハ401と導電性支持基板205との多孔質金属膜204を介在した接合までを実施した。接合条件は、実施例1において空孔率25%の多孔質金属膜が得られた実施例1の標準接合条件である圧力50気圧で温度300℃とした。なお、接合条件は、空孔率が10%以上50%以下の多孔質金属膜が得られる圧力5気圧以上75気圧以下で温度200℃以上350℃以下の範囲内であってもよい。

0114

上記ウェハの接合後、実施例1と同様に、波長193nmのレーザ光を下地基板101側から窒化アルミニウム系半導体ウェハ401内へ照射して、サファイア基板の剥離を行った。ただし、本実施例においては、レーザの照射は下地基板の除去を行いたい部分のみとした。図9レーザ照射後の概略断面図を示した。実施例1の場合と同様、図9のように、レーザ照射によって分解したバッファ層102に起因する残留層402がレーザ照射部には、形成されていたので、剥離面の清浄化を行なった。続いて、実施例1と同様に、この清浄化された下地基板剥離面に対して、パターニングされた、第1導電側コンタクト電極301(n側コンタクト電極)および第1導電側パッド電極302(n型パッド電極)の形成を行なった。

0115

なお、上記の第1導電側電極(n型電極)の形成後、電子線描画装置あるいはナノインプリント装置等を利用して、下地基板101であるサファイア基板の表面にテクスチャ構造形成のための電子線レジストパターン、あるいは、樹脂モールドを利用した樹脂パターンを形成した後、ドライエッチングを行うことで、テクスチャ構造を形成することもできる。テクスチャ構造の1例を、実施形態1と同様に、図6の概略斜視図に示した。このようなテクスチャ構造は必ずしも形成されることを要しないが、テクスチャ構造の形成によって、下地基板からの光取り出し効率を向上させることができる。また、テクスチャ構造以外でも、光取り出し効率向上のために、モスアイ構造などの他の低反射率構造を成長基板の表面に形成してもよい。

0116

上記の光取り出し構造の形成後、実施形態1と同様に、上記ウェハに必要に応じて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜、電流阻止層などを形成した後に、ウェハはダイシングによって適切なサイズ(本実施の形態では1mm×1mm)の複数のチップに分割され、ステムまたはSMD(表面実装デバイス)としてマウントされ、第1導電側パッド電極(n側パッド電極)などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて紫外LED素子を形成した。

0117

本実施例においては、支持基板からの窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れ、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、および多孔質金属膜でのクラックの発生などを原因とするプロセス歩留りの低下は発生しなかった。また、良好なオーミック特性を有する、n側コンタクト電極の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は15%であり、発光ピーク波長は250nmであり、発光効率は11%と高く、歩留りは96%と高かった。結果を表1にまとめた。

0118

(実施例3)
図10を参照して、本実施例は、実施例1において、端面放出型の発光デバイスである半導体レーザおよび/またはスーパールミネッセントダイオードなどを形成した場合の実施例である。

0119

図3を参照して、下地基板101としてサファイア基板をMOCVD装置に導入し、サファイア基板の一主面上に、厚さ300nmのAlN層からなるバッファ層102、厚さ3μmのn型Al0.65Ga0.35N層からなる第1導電型コンタクト層103、第1導電型層、厚さ3nmのAl0.80Ga0.20Nバリア層/厚さ2nmのAl0.26Ga0.74N井戸層の6周期の多重量子井戸構造からなる発光層104、厚さ15nmのp型Al0.85Ga0.15Nブロック層からなる第2導電型ブロック層105、第2導電型層106、および厚さ50nmのp型Al0.25Ga0.75Nコンタクト層からなる第2導電型コンタクト層107をこの順に積層して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成することにより、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。

0120

図10を参照して、本実施例では、端面出射の発光デバイスを作製するために、発光層104からの発光光を、層構造中に屈折率的に閉じ込める構造が必要であった。そのため、第1導電型層108(n型層)および第2導電型層106(p型層)は、発光層104と適切な屈折率差を生じる発光層の井戸層よりも組成が高いAl組成を有するそれぞれ第1導電型(n型)および第2導電型(p型)のクラッド層であることが必要であった。また、光導波層である光ガイド層を挿入した複数層構造としてもよい。そこで、本実施例では、第1導電型層108は発光層104に近い側から厚さ75nmのn型Al0.68Ga0.32Nガイド層および厚さ750nmのn型Al0.78Ga0.22Nクラッド層の2層構造とし、第2導電型層106は発光層104に近い側からp型Al0.68Ga0.32Nガイド層およびp型Al0.78Ga0.22Nクラッド層の2層構造とした。また、発光層の井戸層はAl0.26Ga0.74Nとした。

0121

窒化アルミニウム系半導体層構造体403の形成後、実施例1と同様に、第2導電型の層(p型層)の活性化のための熱処理を行なった。

0122

続いて、第2導電側電極(p側電極)の形成を行なった。本実施例においては、誘導放出を利用した端面発光型の発光素子を作製するため、誘導放出の条件であるキャリア反転分布が容易に得られるため、電流経路を制限した電極ストライプ構造のp側電極を形成した。具体的には、図10に示すように、電流が流れる発光領域にのみ、フォトリソグラフィ技術を用いて、第1層として厚さ2.5nmのNi層2.5nmおよび第2層として厚さ2.5nmのAu層からなるパターニングされた厚さ5.0nmの第2導電側コンタクト電極201(p側コンタクト電極)を形成した。それ以外の部分に関しては、絶縁層206を形成し、半導体領域への電流注入を阻止する電流阻止層を形成した。本実施例においては、絶縁層206は厚さ250nmのSiO2層とした。

0123

上記電極ストライプ構造の形成後、実施例1と同様に、導電性支持基板205への窒化アルミニウム系半導体ウェハの接合、支持基板の除去、第1導電側電極(n側電極)の形成を行なった。なお、本実施例の発光素子は、端面発光型であるため、光取り出し構造を形成することは必要ない。

0124

(マウント)
第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301であるn側コンタクト電極および第1導電側パッド電極302であるn側パッド電極)の形成後、上記ウェハは必要に応じて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜、電流阻止層などを形成した後に、劈開によって出射面の形成を行い、多数のバー状に分割した。本実施例では、幅800μmのバー状に分割した。

0125

続いて、発光素子が半導体レーザの場合は、劈開面の一方に高反射コーティングを施して光反射面とし、他方の面は、用途に応じて、低反射コーティング、保護コーティングなどを施して、レーザ出射面とした。発光素子がスーパールミネッセントダイオードの場合は、レーザ発振が起こらないよう、端面に低反射コーティング、凹凸形状の形成、斜面化処理など、端面反射の低減化構造を形成した。

0126

上記の端面処理を行った後、適切なサイズ(本実施例では0.8mm×0.4mm)の複数のチップに分割された。チップ分割によって得られた端面出射型発光素子チップは、ステムにマウントされ、第1導電側パッド電極(n側パッド電極)などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型紫外発光素子となった。

0127

本実施例において、窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れ、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、および多孔質金属膜でのクラックの発生などを原因とする歩留りの低下は発生しなかった。また、良好なオーミック特性を有する第1導電側コンタクト層(n側コンタクト電極)の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は17%であり、発光ピーク波長は265nmであり、発光効率は14%と高く、歩留りは96%と高かった。結果を表1にまとめた。

0128

(実施例4)
図11を参照して、本実施例は、実施例3と同様に、端面放出型の発光デバイスである半導体レーザや、スーパールミネッセントダイオードなどを形成した場合の実施例である。本実施例は、実施例3の電極ストライプ構造よりも、さらに、誘導放出を生じさせやすい、リッジストライプ構造が形成された端面放出型の発光デバイスについての実施例である。

0129

実施例3と同様にして、下地基板101としてサファイア基板をMOCVD装置に挿入して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成することにより、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。次いで、実施例3と同様にして、第2導電型の層(p型層)の活性化のための熱処理を実施した。

0130

続いて、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて、図11に示すように、第2導電型コンタクト層107(p型コンタクト層)の一部領域を第2導電型層106(p型層)の一部まで(すなわち、一部領域において第2導電型コンタクト層107の全部と第2導電型層106の途中まで)除去して、リッジストライプ構造の形成を行った。

0131

続いて、第2導電側電極(p型電極)の形成を行なった。図11に示すように、ドライエッチングが行われなかった部分に、第2導電側コンタクト電極201(p側コンタクト電極)の形成を行った。また、ドライエッチングで除去された部分については、電流阻止のため、絶縁層206の形成を行った。本実施例においては、リッジ幅は4μmとし、ドライエッチングは700nmの深さとした。電流素子層である絶縁層206は厚さ500nmのSiO2層とした。

0132

上記のリッジストライプ構造の形成後、実施例3と同様に、導電性支持基板205への窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の接合、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401からの下地基板101の除去、および第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)の形成を順次行なった。なお、本実施例の素子は、端面発光型であるため、光取り出し構造を形成することは、必要ない。

0133

続いて、実施例3と同様に、上記ウェハに必要に応じてSiO2などの絶縁体からなる分割保護膜および/または電流阻止層などを形成した後に、劈開によって出射面の形成を行い、多数のバー状に分割した。本実施例では、幅800μmのバー状に分割した。

0134

続いて、発光素子が半導体レーザの場合は、劈開面の一方に高反射コーティングを施して光反射面とし、他方の面は、用途に応じて、低反射コーティング、保護コーティングなどを施して、レーザ出射面とした。発光素子がスーパールミネッセントダイオードの場合は、レーザ発振が起こらないよう、端面に低反射コーティングや、凹凸形状の形成、斜面化処理など、端面反射の低減化構造を形成した。

0135

上記の端面処理を行った後、適切なサイズ(本実施例では0.8mm×0.4mm)の複数のチップに分割された。チップ分割によって得られた端面出射型発光素子チップは、ステムにマウントされ、第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型紫外発光素子となった。

0136

本実施例において、窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れ、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、および多孔質金属膜でのクラックの発生などを原因とする、歩留りの低下は発生しなかった。また、良好なオーミック特性を有する、第1導電側コンタクト層(n側コンタクト電極)の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は15%であり、発光ピーク波長は260nmであり、発光効率は10%と高く、歩留りは96%と高かった。結果を表1にまとめた。

0137

(実施例5)
図12を参照して、本実施例は、実施例3と同様に、ストライプ電極構造の端面放出型の発光デバイスである半導体レーザ、スーパールミネッセントダイオードなどを形成した場合の実施例である。実施例3と異なり、本実施例においては、下地基板は、一部領域のみ、剥離されている。

0138

実施例3と同様にして、下地基板101としてサファイア基板をMOCVD装置に挿入して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成することにより、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。次いで、実施例3と同様にして、第2導電型の層(p型層)の活性化のための熱処理を実施した後、電極ストライプ構造を形成した。

0139

電極ストライプ構造の形成後、実施例3と同様にして、導電性支持基板205への窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の接合、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401からの下地基板101(サファイア基板)の除去、および第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)の形成を順次行なった。ただし、本実施例においては、サファイア基板は全面除去せず、一部のみ除去した。すなわち、レーザの照射はサファイア基板の除去を行いたい部分のみとした。除去するサファイア基板については、図12に示すように、電極ストライプ直上部分とすることが好ましい。なお、本実施例の素子は、端面発光型であるため、光取り出し構造を形成することは必要ない。

0140

続いて、実施例3と同様に、上記ウェハに必要に応じて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜および/または電流阻止層などを形成した後に、劈開によって出射面の形成を行い、多数のバー状に分割した。本実施例では、幅800μmのバー状に分割した。

0141

続いて、発光素子が半導体レーザの場合は、劈開面の一方に高反射コーティングを施して光反射面とし、他方の面は、用途に応じて、低反射コーティング、保護コーティングなどを施して、レーザ出射面とした。発光素子がスーパールミネッセントダイオードの場合は、レーザ発振が起こらないように、端面に低反射コーティング、凹凸形状の形成、斜面化処理などの端面反射の低減化構造を形成した。

0142

上記の端面処理を行った後、適切なサイズ(本実施例では0.8mm×0.4mm)の複数のチップに分割された。チップ分割によって得られた端面出射型発光素子チップは、ステムにマウントされ、第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型紫外発光素子となった。

0143

本実施例において、窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れ、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、および多孔質金属膜でのクラックの発生などを原因とする、歩留りの低下は発生しなかった。また、良好なオーミック特性を有する、n側コンタクト電極の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は16%であり、発光ピーク波長は260nmであり、発光効率は13%と高く、歩留りは96%と高かった。結果を表1にまとめた。

0144

(実施例6)
図13を参照して、本実施例は、実施例4と同様に、リッジストライプ構造の端面放出型の発光デバイスである半導体レーザ、スーパールミネッセントダイオードなどを形成した場合の実施例である。実施例4と異なり、本実施例においては、下地基板は、一部領域のみ、剥離されている。

0145

実施例4と同様にして、下地基板101としてサファイア基板をMOCVD装置に挿入して、窒化アルミニウム系半導体層構造体403を形成することにより、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401を得た。次いで、実施例4と同様にして、第2導電型の層(p型層)のための熱処理を実施した後、リッジストライプ構造を形成した。

0146

リッジストライプ構造の形成後、実施例4と同様にして、導電性支持基板205への窒化アルミニウム系半導体ウェハ401の接合、窒化アルミニウム系半導体ウェハ401からの下地基板101(サファイア基板)の除去、および第1導電側電極(第1導電側コンタクト電極301および第1導電側パッド電極302)の形成を順次行なった。ただし、本実施例においては、サファイア基板は全面除去せず、一部のみ除去した。すなわち、レーザの照射はサファイア基板の除去を行いたい部分のみとした。除去するサファイア基板については、図13に示すように、電極ストライプ直上部分とすることが好ましい。なお、本実施例の素子は、端面発光型であるため、光取り出し構造を形成することは、必要ない。

0147

続いて、実施例4と同様に、上記ウェハに必要に応じて、SiO2などの絶縁体からなる分割保護膜および/または電流阻止層などを形成した後に、劈開によって出射面の形成を行い、多数のバー状に分割した。本実施例では、幅800μmのバー状に分割した。

0148

続いて、発光素子が半導体レーザの場合は、劈開面の一方に高反射コーティングを施して光反射面とし、他方の面は、用途に応じて、低反射コーティング、保護コーティングなどを施して、レーザ出射面とした。発光素子がスーパールミネッセントダイオードの場合は、レーザ発振が起こらないように、端面に低反射コーティング、凹凸形状の形成、斜面化処理などの端面反射の低減化構造を形成した。

0149

上記の端面処理を行った後、適切なサイズ(本実施例では0.8mm×0.4mm)の複数のチップに分割された。チップ分割によって得られた端面出射型発光素子チップは、ステムにマウントされ、第1導電側パッド電極302(n側パッド電極)などに配線が行われ、そして紫外線透過樹脂などで封止されて端面出射型深紫外発光素子となった。

0150

本実施例において、窒化アルミニウム系半導体層構造体の剥れ、窒化アルミニウム系半導体層構造体内でのクラックの発生、および多孔質金属膜でのクラックの発生などを原因とする、歩留りの低下は発生しなかった。また、良好なオーミック特性を有する、n側コンタクト電極の形成が可能となったため、素子の動作電圧の低下と、発光効率の向上が認められた。本実施例の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子について、多孔質金属膜の空孔率は15%であり、発光ピーク波長は265nmであり、発光効率は14%と高く、歩留りは96%と高かった。結果を表1にまとめた。

0151

0152

上記表1を参照して、導電性支持基板と、導電性を有するマクロポーラス構造の多孔質金属膜と、発光層を含む窒化アルミニウム系半導体層構造体と、を含み、導電性支持基板と、窒化アルミニウム系半導体層構造体とが、多孔質金属膜を介在して、電気的に接続するように接合されている、発光ピーク波長が220nm以上300nm以下の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子において、多孔質金属膜の空孔率を10%以上50%以下とすることにより、発光効率が高く歩留りが高い縦型構造の窒化アルミニウム系半導体深紫外発光素子が得られた。

実施例

0153

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0154

101下地基板
102バッファ層
103 第1導電型コンタクト層
104発光層
105 第2導電型ブロック層
106 第2導電型層
107 第2導電型コンタクト層
108 第1導電型層
201 第2導電側コンタクト電極
202反射電極
204多孔質金属膜
205導電性支持基板
206絶縁層
301 第1導電側コンタクト電極
302 第1導電側パッド電極
304 第1導電側透光性導電膜
401窒化アルミニウム系半導体ウェハ
402残留層
403 窒化アルミニウム系半導体層構造体

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • アプライドマテリアルズインコーポレイテッドの「 半導体膜を堆積させるための方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】半導体プロセスチャンバ内で基板上に膜を形成するための方法は、プラズマプロセスと、塩化物ベースのガス、水素ガスおよび不活性ガスの複合ガスとを使用して、基板上に第1の層を形成することを含... 詳細

  • 株式会社東芝の「 半導体装置およびその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】n形半導体層に対するコンタクト抵抗を低減した半導体装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置は、n形半導体層と、前記n形半導体層上に設けられ、前記n形半導体層のn形不純物となりう... 詳細

  • 株式会社東芝の「 半導体装置およびその制御方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】電磁干渉ノイズおよびスイッチング損失を低減できる半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置は、半導体部と、前記半導体部の表面上に設けられた電極と、前記半導体部と前記電極との間に設けられた複数... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ