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技術 ブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置

出願人 曙ブレーキ工業株式会社国立大学法人東京工業大学
発明者 天谷賢治中川裕喜井上正則羽鳥公一
出願日 2016年9月21日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2016-184471
公開日 2018年3月29日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-048907
状態 未査定
技術分野 特定の目的に適した力の測定 ブレーキ装置
主要キーワード 応答計測 パッド摺動面 摩耗挙動 テプリッツ行列 インナーディスク 正則化パラメータ 剛性調整 アウターディスク
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重要な関連分野

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課題

実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に、且つ回転体の両側面のそれぞれについて個別に圧力分布を計測可能にすること。

解決手段

ディスクロータ20のアウターディスク板21、インナーディスク板22の間にアウターパッド変位センサ25、インナーパッド用変位センサ26を設置して各パッド摺動面変位をそれぞれ計測する。前記計測により得られた各パッド摺動面の微小変位に基づき、コンピュータによる解析を実施して、各パッド摺動面における圧力分布をそれぞれ算出する。アウターディスク板21、インナーディスク板22に穴などを形成して局部的に剛性下げるか、または変位センサの構造を工夫して各変位センサの面毎の感受性を変化させる。

概要

背景

車両等に搭載されるブレーキシステムを開発する場合には、例えばブレーキを構成するディスクロータの面と、摩擦材との間に働く力の分布状況を正しく把握することが重要である。

例えば、車両において、搭載されたブレーキシステムの作動時に発生する音(ブレーキの鳴き)を防止又は抑制することが求められる場合があり、このような鳴きを解析する必要がある。

例えば、ブレーキのディスクロータと、摩擦材との接触面における圧力分布は、ブレーキの鳴き解析をはじめとする数値解析境界条件として利用可能な有用な情報である。また、ディスクロータと、摩擦材との接触面における圧力分布は、摩擦材の摩耗挙動に関して興味深い知見を発掘する手がかりになることが予想できる。

そこで、例えば特許文献1においては、実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に計測するための技術を提案している。すなわち、回転体(ディスクロータ20)上、または回転体の近傍に配置したセンサストレインゲージ60)によって、回転体が回転運動している状態で、可動部(キャリパー30)の押圧方向に沿う回転体の形状の微小変位を計測し、計測により得られた回転体の形状の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により回転体への圧力分布を算出している。

概要

実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に、且つ回転体の両側面のそれぞれについて個別に圧力分布を計測可能にすること。ディスクロータ20のアウターディスク板21、インナーディスク板22の間にアウターパッド変位センサ25、インナーパッド用変位センサ26を設置して各パッド摺動面変位をそれぞれ計測する。前記計測により得られた各パッド摺動面の微小変位に基づき、コンピュータによる解析を実施して、各パッド摺動面における圧力分布をそれぞれ算出する。アウターディスク板21、インナーディスク板22に穴などを形成して局部的に剛性下げるか、または変位センサの構造を工夫して各変位センサの面毎の感受性を変化させる。

目的

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に、且つ、回転体の両側面のそれぞれについて個別に圧力分布を計測することが可能なブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサを設置し、前記回転体を、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態に形成し、複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し、前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

請求項2

前記計測によって得られた前記回転体の形状の微小変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

請求項3

前記回転体に、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、開口または穴を1つ以上形成することにより前記剛性を下げる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

請求項4

第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサを設置し、前記変位センサに前記第1の側面部と前記第2の側面部とにおける変位に対する感度を異ならせる構造を持たせ、複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し、前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

請求項5

前記変位センサは、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に対し、当該第1の側面部と当該第2の側面部とをそれぞれ同じ力で押圧した場合に変位量が互いに異なる部分に接する構造を有する、ことを特徴とする請求項4に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

請求項6

第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサと、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、を備え、前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態で形成され、前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

請求項7

前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、前記剛性を下げるための開口または穴が1つ以上形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

請求項8

前記複数の変位センサに含まれる第1の変位センサは、前記第1の側面部に固定されて検出面が前記第2の側面部と対向する位置に配置され、前記複数の変位センサに含まれる第2の変位センサは、前記第2の側面部に固定されて検出面が前記第1の側面部と対向する位置に配置されている、ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

請求項9

第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサと、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、を備え、前記変位センサは、前記第1の側面部と前記第2の側面部とにおける変位に対する感度を異ならせる構造を有し、前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば車両に搭載されるブレーキシステムの状況を解析するために利用可能なブレーキ圧力分布計測方法及びブレーキ圧力分布計測装置に関する。

背景技術

0002

車両等に搭載されるブレーキシステムを開発する場合には、例えばブレーキを構成するディスクロータの面と、摩擦材との間に働く力の分布状況を正しく把握することが重要である。

0003

例えば、車両において、搭載されたブレーキシステムの作動時に発生する音(ブレーキの鳴き)を防止又は抑制することが求められる場合があり、このような鳴きを解析する必要がある。

0004

例えば、ブレーキのディスクロータと、摩擦材との接触面における圧力分布は、ブレーキの鳴き解析をはじめとする数値解析境界条件として利用可能な有用な情報である。また、ディスクロータと、摩擦材との接触面における圧力分布は、摩擦材の摩耗挙動に関して興味深い知見を発掘する手がかりになることが予想できる。

0005

そこで、例えば特許文献1においては、実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に計測するための技術を提案している。すなわち、回転体(ディスクロータ20)上、または回転体の近傍に配置したセンサストレインゲージ60)によって、回転体が回転運動している状態で、可動部(キャリパー30)の押圧方向に沿う回転体の形状の微小変位を計測し、計測により得られた回転体の形状の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により回転体への圧力分布を算出している。

先行技術

0006

特開2016−98900号公報

発明が解決しようとする課題

0007

一方、ディスクブレーキのシステムにおいては、車輪とともに回転するディスクロータを、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドで両側から押さえつけることで摩擦力を発生し、その摩擦力を熱エネルギーに変換して制動させる。

0008

したがって、ディスクロータの一方の面(インナー側)とブレーキパッドとの接触面における圧力分布と、ディスクロータの他方の面(アウター側)とブレーキパッドとの接触面における圧力分布との両方を正確に把握することが重要である。また、前者の圧力分布と後者の圧力分布とが必ずしも同等であるとは限らない。

0009

しかしながら、特許文献1に示されたような従来技術においては、ディスクローターの面とブレーキパッドとの接触面における圧力分布を推定可能であるが、インナー側接触面における圧力分布と、アウター側接触面における圧力分布とを個別に計測することはできなかった。

0010

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、実際にブレーキが作動する環境と同じ状態の圧力分布を容易に、且つ、回転体の両側面のそれぞれについて個別に圧力分布を計測することが可能なブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

前述した目的を達成するために、本発明に係るブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置は、下記(1)〜(9)を特徴としている。

0012

(1) 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサを設置し、
前記回転体を、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態に形成し、
複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し、
前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

0013

(2) 前記計測によって得られた前記回転体の形状の微小変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とする上記(1)に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0014

(3) 前記回転体に、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、開口または穴を1つ以上形成することにより前記剛性を下げる、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0015

(4) 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサを設置し、
前記変位センサに前記第1の側面部と前記第2の側面部とにおける変位に対する感度を異ならせる構造を持たせ、
複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し、
前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

0016

(5) 前記変位センサは、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に対し、当該第1の側面部と当該第2の側面部とをそれぞれ同じ力で押圧した場合に変位量が互いに異なる部分に接する構造を有する、
ことを特徴とする上記(4)に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0017

(6) 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサと、
前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、を備え、
前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態で形成され、
前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

0018

(7) 前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、剛性を下げるための開口または穴が1つ以上形成されている、
ことを特徴とする上記(6)に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

0019

(8) 前記複数の変位センサに含まれる第1の変位センサは、前記第1の側面部に固定されて検出面が前記第2の側面部と対向する位置に配置され、
前記複数の変位センサに含まれる第2の変位センサは、前記第2の側面部に固定されて検出面が前記第1の側面部と対向する位置に配置されている、
ことを特徴とする上記(6)または(7)に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

0020

(9) 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサと、
前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、を備え、
前記変位センサは、前記第1の側面部と前記第2の側面部とにおける変位に対する感度を異ならせる構造を有し、
前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

0021

上記(1)及び(2)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、変位センサが設置される位置ごとに、第1の側面部と第2の側面部との剛性が異なる状態であるため、複数の変位センサの各々について、第1の側面部における接触面の圧力に対する感受性と、第2の側面部における接触面の圧力に対する感受性とが違う状態になる。したがって、複数の変位センサに含まれる第1の変位センサが、第1の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することができるし、複数の変位センサに含まれる第2の変位センサが、第2の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することもできる。

0022

上記(3)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、第1の側面部または第2の側面部に形成される前記開口または穴の影響により、第1の側面部または第2の側面部の剛性が他方の側面に比べて低下する。したがって、簡単な構成によって第1の側面部の剛性と第2の側面部の剛性との間に差異を生じさせ、第1の側面部の接触面の変位に対する変位センサの感受性と、第2の側面部の接触面の変位に対する変位センサの感受性との間に差異を生じさせることができる。

0023

上記(4)および(5)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、変位センサの構成により、第1の側面部と第2の側面部とにおける変位に対する感度が異なる状態にするので、複数の変位センサに含まれる第1の変位センサが、第1の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することができるし、複数の変位センサに含まれる第2の変位センサが、第2の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することもできる。

0024

上記(6)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、変位センサが設置される位置ごとに、第1の側面部と第2の側面部との剛性が異なる状態であるため、複数の変位センサの各々について、第1の側面部における接触面の圧力に対する感受性と、第2の側面部における接触面の圧力に対する感受性とが違う状態になる。したがって、複数の変位センサに含まれる第1の変位センサが、第1の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することができるし、複数の変位センサに含まれる第2の変位センサが、第2の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することもできる。

0025

上記(7)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、第1の側面部または第2の側面部に形成される前記開口または穴の影響により、第1の側面部または第2の側面部の剛性が他方の側面に比べて低下する。したがって、簡単な構成により第1の側面部の剛性と第2の側面部の剛性との間に差異を生じさせ、第1の側面部の接触面の変位に対する変位センサの感受性と、第2の側面部の接触面の変位に対する変位センサの感受性との間に差異を生じさせることができる。

0026

上記(8)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、第1の変位センサおよび第2の変位センサの各々は、第1の側面部と第2の側面部との間の相対的な変位を検出することができる。また、第1の変位センサおよび第2の変位センサが、それぞれ相対的に剛性が大きく変位の小さい部位に固定されているので、固定した部位からのセンサの脱落が生じにくい。

0027

上記(9)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、変位センサの構成により、第1の側面部と第2の側面部とにおける変位に対する感度が異なる状態にするので、複数の変位センサに含まれる第1の変位センサが、第1の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することができるし、複数の変位センサに含まれる第2の変位センサが、第2の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することもできる。

発明の効果

0028

本発明のブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置によれば、変位センサが設置される位置ごとに、第1の側面部と第2の側面部との剛性が異なる状態であるため、複数の変位センサの各々について、第1の側面部における接触面の圧力に対する感受性と、第2の側面部における接触面の圧力に対する感受性とが違う状態になる。したがって、複数の変位センサに含まれる第1の変位センサが、第1の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することができ、また、複数の変位センサに含まれる第2の変位センサが、第2の側面部における接触面の圧力を区別して検出するように配置することもできる。
また、変位センサは回転体の形状の微小変位を検出するものであるため、回転体と可動部との接触面から離れた位置に配置することができる。したがって、計測時に可動部に配置される摩擦材の構造及び形状については、実際にブレーキが作動する環境と同じものを使うことができる。また、計測時の接触面の状態についても、実際にブレーキが作動する環境と同じ状態にすることができる。これにより高精度の圧力分布計測が可能になる。また、回転体が運動している状態で計測を行うので、運動方向の圧力分布を最低2個の変位センサだけで検出できる。

0029

以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図面の簡単な説明

0030

図1は、本発明の実施形態のブレーキ圧力分布計測装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、複数の変位センサを装着したディスクロータの外観を示す正面図である。
図3は、図2に示したディスクロータの一部分を拡大して示す部分拡大図である。
図4は、複数の変位センサにより測定した点荷重応答関数の例を示すグラフである。
図5は、接触面圧を同定する処理の流れを示すブロック図である。
図6は、図5に示した同定手法を用いて同定した値および正解値を表すグラフである。
図7は、本発明の実施形態のブレーキ圧力分布計測装置における代表的な処理手順を示すフローチャートである。
図8(A)は変位拡大機構を示す縦断面図、図8(B)はストレインゲージを装着した状態の変位拡大機構を示す縦断面図である。
図9は、代表的な通常型のブレーキパッドの外観を示す斜視図である。
図10は、通常型のブレーキパッドを用いた時の計測結果の具体例を示すグラフである。
図11は、点荷重応答計測用のブレーキパッドを用いた時の計測結果の具体例を示すグラフである。
図12は、計測結果に基づき算出されるL−curve特性の具体例を示すグラフである。
図13は、計測結果に基づき算出される圧力分布特性の具体例を示すグラフである。
図14は、本発明の実施形態のブレーキ圧力分布計測装置における処理手順の変形例を示すフローチャートである。
図15(A)および図15(B)は、ディスクロータに設置された変形例のセンサ構造を示し、図15(A)および図15(B)はそれぞれ異なる変位状態を表す正面図である。

実施例

0031

本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。

0032

<システムの構成例>
本発明の実施形態におけるブレーキ圧力分布計測装置10の構成例を図1に示す。このブレーキ圧力分布計測装置10は、図1に示したような回転可能なディスクロータ20とキャリパー30とを含むディスクブレーキ装置を計測対象としている。勿論、例えばドラム式ブレーキ装置を計測対象とすることも可能である。

0033

キャリパー30は、ディスクロータ20と対向する位置に配置されており、油圧制御により動く可動部(図示しないピストン)を備えている。すなわち、キャリパー30の可動部を動かすことにより、ブレーキパッド(図9に示す31A)をディスクロータ20の表面に押圧し、これらの接触面に生じる摩擦力により、ディスクロータ20の回転に制動をかけることができる。

0034

このディスクブレーキ装置を車両に搭載する際には、ディスクロータ20の中央開口部20aの近傍で、車輪の回転軸と連結される。また、図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10を用いて計測を行う場合にも、ディスクロータ20は、実際の車両の車輪の回転軸と連結されるか、或いは試験用の特別な回転軸と連結され、回転可能な状態で使用される。

0035

図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10は、ディスクロータ20、及びキャリパー30の他に、油圧ゲージ40、アウターパッド用変位センサ25、インナーパッド用変位センサ26、データロガー70、演算部80、増幅器90、及び光学エンコーダ95を備えている。

0036

油圧ゲージ40は、キャリパー30の可動部のピストンに加わる油圧を検出するためのセンサである。尚、油圧ゲージ40は必要不可欠ではなく、油圧ゲージ40がなくてもブレーキ圧力分布を計測可能である。

0037

アウターパッド用変位センサ25は、ディスクロータ20の外側のパッド接触面、すなわち押圧面における厚み方向の微小変位を検出するために備わっている。また、インナーパッド用変位センサ26は、ディスクロータ20の内側のパッド接触面、すなわち押圧面における厚み方向の微小変位を検出するために備わっている。

0038

また、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26の各々は、後述する変位拡大機構50と、ストレインゲージ60とを備えている。ストレインゲージ60は、ディスクロータ20の押圧面における厚み方向の微小変位を計測するために設けられた薄板状の歪みセンサであり、半導体シリコン:Si)により構成されている。

0039

変位拡大機構50は、ディスクロータ20に発生する微小変位を拡大してストレインゲージ60に伝達する機能を有している。すなわち、キャリパー30の押圧によって生じるディスクロータ20の変位は極めて小さいので、この微小変位を高感度で検出できるように、ディスクロータ20とストレインゲージ60との間に変位拡大機構50を配置してある。この変位拡大機構50については後で詳細に説明する。

0040

増幅器(Strain Amplifier)90は、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26の各ストレインゲージ60が出力する電気信号増幅し、増幅後の信号を出力する。

0041

光学エンコーダ95は、ディスクロータ20の外周と対向する位置に、光軸をディスクロータ20側に向けて固定された反射型光学センサであり、ディスクロータ20の回転位置、すなわち回転角度に対応する電気信号を出力する。

0042

データロガー70は、計測の際に得られたデータを自動的に記録する装置である。すなわち、図1の構成においては、油圧ゲージ40が出力する油圧のデータと、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26のストレインゲージ60の出力を増幅器90で増幅した出力のデータと、光学エンコーダ95が出力する回転位置(角度)のデータとを時系列データとして同時に記録する。

0043

演算部80は、データロガー70が記録したデータに基づいて所定の演算を行い、ディスクロータ20の円周方向に対する圧力の分布状態を表すデータを算出する。演算の具体的な内容については後で詳細に説明する。

0044

<ディスクロータ20と変位センサ25、26との関係>
アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26を装着したディスクロータ20の外観を図2に示す。また、図2に示したディスクロータ20の一部分を拡大して図3に示す。

0045

図2に示したディスクロータ20は、径が十分に大きい円形アウターディスク板21及びインナーディスク板22を、空隙23が形成されるように厚み方向(Z軸方向)に一定の間隔を空けた状態で対向させて固定してある。アウターディスク板21とインナーディスク板22の間は支持部24で支持されている。アウターディスク板21とインナーディスク板22との間の空隙23は、制動時にディスクロータ20に発生する熱を効率よく放熱するために設けてある。

0046

図2及び図3に示すように、図1のブレーキ圧力分布計測装置10においては、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26の各々を、ディスクロータ20の外周近傍の空隙23の箇所に固定してある。また、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26は、ディスクロータ20の円周方向に互いに少しずれた位置に配置してある。

0047

アウターパッド用変位センサ25の基部はインナーディスク板22の変位センサ固定部22bに固定してあり、アウターパッド用変位センサ25の検出面は対向するアウターディスク板21の側壁と接触する状態で配置してある。一方、インナーパッド用変位センサ26の基部はアウターディスク板21の変位センサ固定部21bに固定してあり、インナーパッド用変位センサ26の検出面は対向するインナーディスク板22の側壁と接触する状態で配置してある。

0048

また、アウターディスク板21のアウターパッド用変位センサ25の検出面と対向する箇所には、剛性調整部21aが設けてある。この剛性調整部21aは、アウターディスク板21の剛性を局部的に下げるための構造である。具体的には、アウターディスク板21の周面から円の中心に向けて穿孔し形成した複数の穴(この例では2つ)を剛性調整部21aとして設けてある。

0049

同様に、インナーディスク板22のインナーパッド用変位センサ26の検出面と対向する箇所には、剛性調整部22aが設けてある。この剛性調整部22aは、インナーディスク板22の剛性を局部的に下げるための構造である。具体的には、インナーディスク板22の周面から円の中心に向けて穿孔し形成した複数の穴(この例では2つ)を剛性調整部22aとして設けてある。

0050

すなわち、アウターパッド用変位センサ25を設置した箇所においては、アウターディスク板21の剛性がインナーディスク板22に比べて小さくなるため、アウターディスク板21およびインナーディスク板22が同時にブレーキパッドで押圧されて変位する際に、アウターディスク板21の変位が相対的に大きくなる。これにより、アウターディスク板21の変位に対するアウターパッド用変位センサ25の感受性がインナーディスク板22の変位と比べて増大する。つまり、アウターパッド用変位センサ25は、インナーディスク板22の変位の影響を受けにくくなり、アウターディスク板21の変位をインナーディスク板22の変位と区別した状態で検出することが可能になる。

0051

同様に、インナーパッド用変位センサ26を設置した箇所においては、インナーディスク板22の剛性がアウターディスク板21に比べて小さくなるため、アウターディスク板21およびインナーディスク板22が同時にブレーキパッドで押圧されて変位する際に、インナーディスク板22の変位が相対的に大きくなる。これにより、インナーディスク板22の変位に対するインナーパッド用変位センサ26の感受性がアウターディスク板21の変位と比べて増大する。つまり、インナーパッド用変位センサ26は、アウターディスク板21の変位の影響を受けにくくなり、インナーディスク板22の変位をアウターディスク板21の変位と区別した状態で検出することが可能になる。

0052

<変位センサにより測定した点荷重応答関数の例>
ディスクロータ20に装着したアウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26を用いて測定した点荷重応答関数の例を図4に示す。

0053

図4において、実線で示した信号SGoがアウターパッド用変位センサ25が出力する信号に相当し、点線で示した信号SGiがインナーパッド用変位センサ26が出力する信号に相当する。また、図4において、グラフの横軸は、ディスクロータ20の回転位置(Location)を角度[deg]で表し、グラフの縦軸は変位(Displacement)[m/Pa]を表す。

0054

図4においては、アウターディスク板21のアウタ摺動面に点状に荷重をかけた際の変位と、インナーディスク板22のインナ摺動面に点状に荷重をかけた際の変位とを信号SGo、SGiにより表している。

0055

図4に示すように、2種類の信号SGo、SGiは同じ回転位置でそれぞれ異なる反応を示す。すなわち、「−15[deg]」付近の回転位置では、信号SGoの振幅が信号SGiに比べて十分に大きくなり、「+10[deg]」付近の回転位置では、信号SGiの振幅が信号SGoに比べて十分に大きくなっている。実際には、「−15[deg]」付近の回転位置で検出される変化が、加えた荷重の影響によるアウターディスク板21の変位に相当し、「+10[deg]」付近の回転位置で検出される変化が、加えた荷重の影響によるインナーディスク板22の変位に相当する。

0056

したがって、アウターパッド用変位センサ25の信号SGoを利用することにより、インナーディスク板22の変位の影響を抑制した状態で、アウターディスク板21の変位を高感度で検知できる。また、インナーパッド用変位センサ26の信号SGiを利用することにより、アウターディスク板21の変位の影響を抑制した状態で、インナーディスク板22の変位を高感度で検知できる。つまり、アウターパッド用変位センサ25およびインナーパッド用変位センサ26を利用すれば、アウターディスク板21の変位とインナーディスク板22の変位とをそれぞれ個別に検出することができる。

0057

<圧力分布計測の原理説明>
ブレーキパッドの圧力によるディスクロータ20の変形は微小であるので、ディスクロータ20は弾性体として扱う。すなわち、ブレーキパッドの圧力とそれによるディスクロータ20の微小変形との関係を表す観測方程式を、以下に示すように線形関係モデル化する。

0058

{y}=[H]{x} ・・・(1)
但し、
{y}:ロータ回転角に対して変位センサ(25、26)の出力を並べたベクトル
{x}:パッド面の圧力分布を離散化したベクトル
[H]:離散化した点荷重応答関数を行成分とするテプリッツ行列

0059

上記の点荷重応答関数については、予め制動時に集中荷重が加わるようにした特別なブレーキパッドを用いて計測を行うことにより、実験的に求めることができる。図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10において、ブレーキ圧力分布を算出するための問題は、上記第(1)式において、既知の[H]及び{y}から、{x}を求める問題に帰着される。

0060

上記第(1)式の解を求める手順は、チコノフ(Tikhonov)の方法を適用すれば、以下に示す汎関数Jを最小にするベクトル{x}を求める問題となる。
J=|Hx−y|2+α|x|2 ・・・(2)
すなわち、上記第(2)式の解は、次の第(3)式で表される。
{x}=([H]t[H]+α[I])−1[H]t{y} ・・・(3)
但し、
t:転置行列
α:正則化パラメータ
[I]:単位行列

0061

つまり、上記第(3)式を用いてベクトル{x}を算出することにより、ディスクロータ20上のブレーキ圧力分布を得ることができる。

0062

<接触面圧を同定する基本的な処理の流れ>
接触面圧を同定する基本的な処理の流れを図5に示す。つまり、図5に示すように、既知の点荷重101と、各摺動面の未知の圧力分布102とをディスクロータ20上でそれぞれ計測し、このローター変位計測結果103を逆解析104により解析して各摺動面の未知の圧力分布102を同定する。逆解析104においては、図4に示したような点荷重応答関数と、上記第(1)式に示した観測方程式と、チコノフの正則化(regularization)を用いて解析を実施する。

0063

<同定手法の妥当性の検討>
図5に示した同定手法を用いて同定した値および正解値の具体例を図6に示す。図6のグラフにおいて、横軸はディスクロータ20の回転位置[deg]を表し、縦軸は圧力[Pa]を表す。また、図5中に実線で示す特性V1iおよびV1oの値は、それぞれインナー側およびアウター側の圧力の正解値を表し、図5中に点線で示す特性V2iおよびV2oの値は、それぞれインナー側およびアウター側の圧力の同定値を表す。

0064

図5に示したように、特性V1iの値と特性V2iの値の間に大きな差異はなく、特性V1oの値と特性V2oの値の間にも大きな差異はない。したがって、図5に示した同定手法を用いて同定した値は、計測値と同じように適切な値として利用できる。

0065

<実際の計測手順
図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10を使用して計測を実施する場合における代表的な処理手順を図7に示す。図7の処理手順について以下に説明する。

0066

テップS11では、計測対象のブレーキシステムのキャリパー30に、「通常型のブレーキパッド」を手作業で装着する。「通常型のブレーキパッド」とは、ブレーキシステムを実際の車両上で使用する場合に用いる一般的なブレーキパッドのことであり、実際の車両における制動性能重視して設計されている。通常型のブレーキパッド31Aの外観の具体例を図9に示す。尚、予め「通常型のブレーキパッド」が装着されている場合にはS11の作業は不要である。

0067

ステップS12では、キャリパー30内のピストンを駆動してブレーキパッドをディスクロータ20に押圧しながら、ディスクロータ20を一定速度(例えば6[rpm])で回転して計測を実施する。そして、油圧ゲージ40の出力する油圧と、アウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26の各々に内蔵されたストレインゲージ60の検出した変位(増幅器90の出力)SG01と、光学エンコーダ95の検出した回転角度とを、互いに関連付けて同時にデータロガー70で計測データログDB1上に記録する。

0068

S12で記録される変位SG01のデータ群は、前記第(1)式に示したベクトル{y}に相当する。S12で記録されるデータの具体例を図10に示す。図10において、横軸は回転位置(location[角度(degree)])を表し、左側の縦軸は変位SG01(Strain Gauge Output [V])を表し、右側の縦軸は油圧ゲージ40の出力PO(Pressure Output [MPa])を表す。図10に示すように、回転位置が360度移動する毎に、ブレーキパッドの加圧に相当する同じ位置で変位SG01にピークが現れる状態が観測される。

0069

ステップS13では、計測対象のブレーキシステムのキャリパー30に、「通常型のブレーキパッド」の代わりに、「点荷重計測用パッド」を手作業で装着する。「点荷重計測用パッド」は、計測のために特別に用意したパッド(図示せず)であり、制動性能は考慮しておらず、単に、ピストンの押圧による荷重が1点に集中的に加わるような構造を有している。

0070

ステップS14では、キャリパー30内のピストンを駆動してブレーキパッドをディスクロータ20に押圧しながら、ディスクロータ20を一定速度で回転し、計測を実施する。そして、油圧ゲージ40の出力する油圧と、各ストレインゲージ60の検出した変位(増幅器90の出力)SG02と、光学エンコーダ95の検出した回転角度とを、互いに関連付けて同時にデータロガー70で計測データログDB1上に記録する。

0071

S14で記録される変位SG02のデータ群は、前記第(1)式に示したテプリッツ行列[H]に相当し、離散化した点荷重応答関数を行成分として含んでいる。S14で記録されるデータの具体例を図11に示す。図11において、横軸は回転位置(location[角度(degree)])を表し、縦軸は変位SG02(Strain Gauge Output [V])を表す。図11に示すように、点荷重を加えた回転位置で、変位SG02にきれいなピークが現れる分布状態が観測される。

0072

尚、S13及びS14の処理を実施した後で、S11及びS12の処理を実施するように手順を変更しても良い。

0073

ステップS15では、S12で得られたSG01の計測データ({y})と、S14で得られたSG02の計測データ([H])とに基づき、「L−curve法」を適用し、L−curve特性を表すデータを得る。「L−curve法」については、例えば「PC Hansen, Analysis of discrete ill-posed problems by means of the L-curve, SIAM review 34 (4).」に示されている。計測結果に基づきS15で算出されるL−curve特性の具体例を図12に示す。

0074

ステップS16では、S15で取得したL−curve特性を表すデータに基づき、前記第(2)式及び第(3)式中の正則化パラメータαを決定する。例えば、図12に示したL−curve特性が得られた場合には、(α=50)程度に定めるのが望ましいと考えられる。尚、正則化パラメータαについては、ブレーキシステムの設計者がL−curve特性のデータを見ながら決めることが想定されるが、所定の条件を識別することにより、L−curve特性のデータから正則化パラメータαをプログラムなどで自動的に決定することも可能である。

0075

ステップS17では、計測により得られたSG01の計測データ({y})と、SG02の計測データ([H])と、正則化パラメータαとを用いて、チコノフの方法を適用することにより、ディスクロータ20上の圧力分布を算出する。つまり、前記第(3)式に、SG01の計測データに相当する{y}と、SG02の計測データに相当する[H]と、決定した正則化パラメータαとを代入し、前記第(3)式の計算を実施することにより、パッド面の圧力分布を離散化したベクトル{x}を求める。

0076

尚、ディスクロータ20のアウター側のパッド摺動面とインナー側のパッド摺動面とでは圧力分布が同じとは限らないので、アウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26のそれぞれの計測結果を用いて、アウターインナーのそれぞれの面について個別に圧力分布を求める。

0077

SG01、SG02の計測結果に基づき、S17で算出される圧力分布特性の具体例を図13に示す。図13に示す曲線中の2つのピークは、キャリパー30の2つのピストンの位置に対応し、圧力分布として妥当な結果が得られていると考えられる。

0078

尚、図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10において、演算部80は、図7中の各ステップS15、S16、S17の処理を実行する。実際の演算部80については、例えば一般的なコンピュータと、このコンピュータ上で実行可能なS15、S16、S17の処理を含むプログラムとで構成することができる。

0079

<変位拡大機構50及びストレインゲージ60の詳細な説明>
ブレーキパッドで押圧した時のディスクロータ20における変位はごく僅かである。したがって、これを検知するアウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26には高い検出性能が要求される。そこで、図1に示したアウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26の各々は、以下に説明する変位拡大機構50およびストレインゲージ60を備えている。

0080

<変位拡大機構50の構成例>
図1のブレーキ圧力分布計測装置10のアウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26に採用した変位拡大機構50の縦断面の構成を図8(A)に示す。尚、この変位拡大機構50は、コンプライアントメカニズム(材料自身の変形のみで機構成立する)を形成している。

0081

図8(A)に示すように、変位拡大機構50は、上側ベース部51、第1レバー52、第2レバー53、下側ベース部54、連結部55〜連結部58、及びセンサ装着部59を備えている。連結部55〜連結部58のそれぞれは、小さく形成された弾性ヒンジを構成しており、僅かに変形することが可能である。

0082

変位拡大機構50の第1レバー52は、図8(A)中の右端近傍が連結部55を介して上側ベース部51の下端と連結されている。また、第1レバー52の右端よりも少し左にずれた位置の下端が連結部56を介して下側ベース部54の上端と連結されている。更に、第1レバー52の左端近傍が、連結部57を介して第2レバー53の右端近傍と連結されている。

0083

また、第2レバー53は、図8(A)中の右端近傍が連結部57を介して第1レバー52と連結されている。また、第2レバー53の右端よりも少し左にずれた位置の上端が、連結部58を介して上側ベース部51の下端と連結されている。更に、第2レバー53の左端近傍がセンサ装着部59と連結されている。センサ装着部59は、薄板状の梁であり、上端が上側ベース部51と連結され、下端が第2レバー53と連結されている。

0084

<変位拡大機構50の動作>
図8(A)の変位拡大機構50にストレインゲージ60を装着した状態を図8(B)に示す。

0085

図8(B)に示すように、変位拡大機構50の第1レバー52は、連結部55を力点55A、連結部56を第1支点56A、連結部57を作用点とするテコとして構成されている。また、変位拡大機構50の第2レバー53は、連結部57を力点、連結部58を第2支点58A、センサ装着部59との連結部を作用点とするテコとして構成されている。

0086

ストレインゲージ60は、図8(B)のようにセンサ装着部59の表面に貼り付けて装着してある。

0087

図1に示すブレーキ圧力分布計測装置10の構成においては、キャリパー30及びブレーキパッドによるディスクロータ20の面の加圧によってディスクロータ20に変位が生じると、図8(B)に示す変位51Aのように、上側ベース部51を上側から押し下げる方向の力が変位拡大機構50に加わる。

0088

したがって、第1レバー52の力点55Aに下向きの力が加わり、第1レバー52に傾きが生じ、連結部57が持ち上げられる。ここで、第1支点56A−力点55Aの距離に比べて、第1支点56A−連結部(作用点)57の距離が大きいので、連結部57には増幅された大きな変位が発生する。

0089

また、第2レバー53の力点である連結部57が持ち上がる方向に変位するので、第2レバー53にも傾きが生じ、第2レバー53の作用点である左端に連結されているセンサ装着部59の下端が引き下げられる。ここで、第2支点58A−連結部57の距離に比べて、第2支点58A−センサ装着部59の距離が大きいので、センサ装着部59には更に増幅された大きな変位が発生する。

0090

つまり、ディスクロータ20で発生した変位51Aは、第1レバー52及び第2レバー53により2段階に増幅され、その出力によりセンサ装着部59の下端が変位するため、ストレインゲージ60に歪みが発生する。したがって、変位51Aをストレインゲージ60で検出することができる。

0091

ディスクロータ20は剛性を有しているので、加圧によってディスクロータ20に発生する変位はごく微量である。しかし、変位拡大機構50で変位51Aを拡大してストレインゲージ60に伝達することにより、高感度で変位を検出することが可能になる。

0092

図8(A)、(B)に示した変位拡大機構50については、単純な有限要素法を用いた解析を行った結果、ストレインゲージ60で検出される歪みが、約60倍に拡大されると推定できる結果が得られた。

0093

<ブレーキ圧力分布計測装置10の利点>
上述のブレーキ圧力分布計測装置10においては、ディスクロータ20に生じた変位から、逆解析によりブレーキパッドの接触面における圧力分布を正しく算出することができる。したがって、従来のようにブレーキパッドにセンサを内蔵したり、ブレーキパッドとディスクロータとの接触面にセンサを挟み込む必要はなくなり、実際にブレーキが作動する環境と同じ条件で計測を実施することができる。しかも、アウターパッド用変位センサ25、およびインナーパッド用変位センサ26を用いて計測を実施することにより、ディスクロータ20のアウター側とインナー側両方のパッド摺動面の各々について、個別に円周方向の圧力分布を計測できる。

0094

<変形例の説明>
<処理手順の変形例>
本発明の実施形態のブレーキ圧力分布計測装置10における処理手順の変形例を図14に示す。すなわち、図7に示した処理手順を変形した内容を図14に示してある。また、図14において図7と対応するステップは同じ番号を付けて示してある。

0095

図14に示した変形例においては、図7のステップS13、S14により得られる変位SG02のデータを、事前に計測してデータベースDB2上に保存してある場合を想定している。したがって、図7のステップS13、S14は図14の手順では省略されている。そして、図14の各ステップS15、S17では、計測データログDB1上の変位SG01のデータと、データベースDB2上の変位SG02のデータとを用いて計算処理を行っている。

0096

<剛性調整の変形例>
なお、図2に示したディスクロータ20においては、剛性調整部21aおよび22aとしてアウターディスク板21、インナーディスク板22の周面に穿孔した穴を用いているが、これについては様々な変形が考えられる。例えば、穿孔する穴の数や大きさを必要に応じて変更することができる。また、例えばアウターディスク板21において、アウターパッド用変位センサ25の検出面と対向する箇所の壁面に厚み方向の凹部を形成したり、インナーディスク板22において、インナーパッド用変位センサ26の検出面と対向する箇所の壁面に厚み方向の凹部を形成して剛性を下げることも考えられる。

0097

<センサ構造の変形例>
変形例のセンサ構造を図15(A)および図15(B)に示す。図15(A)および図15(B)はそれぞれ異なる変位状態を表している。また、図15(A)および図15(B)におけるZ方向はディスクロータ20Bの厚み方向を表し、図中の上側がアウター側、下側がインナー側をそれぞれ示している。

0098

図15(A)および図15(B)に示したアウターパッド用変位センサ25Bは、断面形状が二等辺三角形に形成されており、二等辺三角形の3つの頂点の各位置が、検出部25Ba、支持部25Bbおよび25Bcとして割り当てられている。このアウターパッド用変位センサ25Bは、支持部25Bbおよび25Bcの位置に対する検出部25Baの位置の相対的な変位を検知することができる。

0099

アウターパッド用変位センサ25Bは、ディスクロータ20Bに形成した円形のセンサ設置空間27の内部に配置されており、検出部25Baがアウター表面20Baと対向し、支持部25Bbおよび25Bcがインナー表面20Bbと対向する状態で固定されている。また、検出部25Baは微小変位部20Bcの最も厚みが小さい箇所と対向する状態で配置され、支持部25Bbおよび25Bcは微小変位部20Bdの最も厚みが小さい箇所から少し離れた位置と対向する状態で配置されている。

0100

図15(A)に示すように、ディスクロータ20Bのアウター表面20Baに押圧力F1を上から下に向かう方向に加えると、微小変位部20Bcの厚みが最も小さい箇所で最も大きな変位が発生する。この箇所に検出部25Baが配置されているので、アウターパッド用変位センサ25Bはこの変位を高感度で検知できる。

0101

一方、図15(B)に示すように、ディスクロータ20Bのインナー表面20Bbに押圧力F2を下から上に向かう方向に加えると、微小変位部20Bdの厚みが最も小さい箇所で最も大きな変位が発生する。しかし、支持部25Bb、25Bcは変位か大きい箇所からずれた位置に配置されているので、アウターパッド用変位センサ25Bがこの変位を検知する場合の感度はアウター側の変位と比べて相対的に小さい。

0102

つまり、前述のようにディスクロータ20について剛性の調整を行わなくても、図15(A)および図15(B)に示したようにアウターパッド用変位センサ25Bが特別な構造を採用することにより、センサの検出感度が、アウター表面20Ba側の変位と、インナー表面20Bb側の変位とで異なる特性を得ることができる。

0103

また、例えば図15(A)および図15(B)に示したアウターパッド用変位センサ25Bの二等辺三角形の向きを反対にして配置すれば、アウター表面20Baの変位に対する検出感度が低下して、インナー表面20Bbの変位に対する検出感度が向上する。したがって、前述のインナーパッド用変位センサ26についても、図15(A)および図15(B)と同様のセンサ構造を採用できる。

0104

ここで、上述した本発明に係るブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[9]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 第1の側面部(アウターディスク板21)及び第2の側面部(インナーディスク板22)を有する回転体(ディスクロータ20)と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部(キャリパー30)と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサ(アウターパッド用変位センサ25、インナーパッド用変位センサ26)を設置し、
前記回転体を、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態に形成し、
複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し(ステップS12、S14)、
前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する(ステップS17)、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

0105

[2] 前記計測によって得られた前記回転体の形状の微小変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とする上記[1]に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0106

[3] 前記回転体に、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、開口または穴(剛性調整部21a、22a)を1つ以上形成することにより、前記剛性を下げる、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0107

[4] 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に複数の変位センサを設置し、
前記変位センサに前記第1の側面部(アウター表面20Ba)と前記第2の側面部(インナー表面20Bb)とにおける変位に対する感度を異ならせる構造(図15(A)、図15(B)参照)を持たせ、
複数の前記変位センサを用いて、前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体上の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を計測し、
前記計測により得られた前記第1の側面部の形状の微小変位、及び前記第2の側面部の微小変位に基づき、コンピュータによる解析により前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。

0108

[5] 前記変位センサ(アウターパッド用変位センサ25B)は、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に対し、当該第1の側面部と当該第2の側面部とをそれぞれ同じ力で押圧した場合に変位量が互いに異なる部分に接する構造を有する、
ことを特徴とする上記[4]に記載のブレーキ圧力分布計測方法。

0109

[6] 第1の側面部(アウターディスク板21)及び第2の側面部(インナーディスク板22)を有する回転体(ディスクロータ20)と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部(キャリパー30)と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置(10)であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサ(アウターパッド用変位センサ25、インナーパッド用変位センサ26)と、
前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部(データロガー70)と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部(演算部80)と、を備え、
前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置ごとに、前記第1の側面部と前記第2の側面部との剛性が異なる状態で形成され、
前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

0110

[7] 前記回転体は、複数の前記変位センサが設置される位置の各々の箇所で、前記変位センサと対向する前記第1の側面部及び前記第2の側面部のいずれか一方において、剛性を下げるための開口または穴(剛性調整部21a、22a)が1つ以上形成されている、
ことを特徴とする上記[6]に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

0111

[8] 前記複数の変位センサに含まれる第1の変位センサ(アウターパッド用変位センサ25)は、前記第1の側面部(インナーディスク板22)に固定されて検出面が前記第2の側面部(アウターディスク板21)と対向する位置に配置され、
前記複数の変位センサに含まれる第2の変位センサ(インナーパッド用変位センサ26)は、前記第2の側面部(アウターディスク板21)に固定されて検出面が前記第1の側面部(インナーディスク板22)と対向する位置に配置されている、
ことを特徴とする上記[6]または[7]に記載のブレーキ圧力分布計測装置。

0112

[9] 第1の側面部及び第2の側面部を有する回転体と、前記第1の側面部及び前記第2の側面部に接触して前記回転体を押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に設置された複数の変位センサと、
前記回転体が回転運動をしている状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の前記第1の側面部及び前記第2の側面部の各々における形状の微小変位を、前記変位センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、を備え、
前記変位センサは、前記第1の側面部(アウター表面20Ba)と前記第2の側面部(インナー表面20Bb)とにおける変位に対する感度を異ならせる構造(図15(A)、図15(B)参照)を有し、
前記圧力分布算出部は、前記第1の側面部における圧力分布と、前記第2の側面部における圧力分布とをそれぞれ算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。

0113

10ブレーキ圧力分布計測装置
20,20Bディスクロータ
20a 中央開口部
20Baアウター表面
20Bbインナー表面
20Bc,20Bd微小変位部
21アウターディスク板
22インナーディスク板
21a,22a剛性調整部
21b,22b変位センサ固定部
23 空隙
24 支持部
25,25Bアウターパッド用変位センサ
25Ba 検出部
25Bb,25Bc 支持部
26インナーパッド用変位センサ
27センサ設置空間
30キャリパー
31Aブレーキパッド(通常型)
40油圧ゲージ
50変位拡大機構
51 上側ベース部
52 第1レバー
53 第2レバー
54 下側ベース部
55,56,57,58 連結部
59 センサ装着部
51A変位
55A力点
56A 第1支点
58A 第2支点
60ストレインゲージ
70データロガー
80演算部
90増幅器
95光学エンコーダ
101既知の点荷重
102 各摺動面の未知の圧力分布
103ローター変位計測結果
104 逆解析

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