図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2018年3月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

特定の状況下でもUV光分解に対して安定であるポリオレフィンポリマーを含むゲル紡糸繊維を提供する。

解決手段

安定剤がカーボンブラックであり、当該安定剤の量が前記繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として0.001〜10重量部であり、当該安定剤の平均粒径が少なくとも5nm更に少なくとも50m2/gのBET表面を有するポリプロピレンまたはポリエチレンモノフィラメントリボンストリップまたはテープ繊維

概要

背景

概要

特定の状況下でもUV光分解に対して安定であるポリオレフィンポリマーを含むゲル紡糸繊維を提供する。安定剤がカーボンブラックであり、当該安定剤の量が前記繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として0.001〜10重量部であり、当該安定剤の平均粒径が少なくとも5nm更に少なくとも50m2/gのBET表面を有するポリプロピレンまたはポリエチレンモノフィラメントリボンストリップまたはテープ繊維。なし

目的

本発明の目的は、このような繊維およびその製造方法、ならびにこれらを含有する製品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーを含むゲル紡糸繊維であって、前記繊維本体の内部には安定剤が存在しており、前記安定剤の量が前記繊維本体を形成する前記ポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として0.001〜10重量部であり、前記安定剤がカーボンブラックであることを特徴とする繊維。

請求項2

前記繊維が、モノフィラメントリボンストリップまたはテープである、請求項1に記載の繊維。

請求項3

少なくとも1.5N/texの靱性を有する、請求項1または2に記載の繊維。

請求項4

少なくとも50N/texの引張係数を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維。

請求項5

0.1dtex〜50dtex、より好ましくは0.5dtex〜20dtexのタイターを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維。

請求項6

前記ポリオレフィンポリプロピレンまたはポリエチレンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維。

請求項7

前記ポリオレフィンが超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維。

請求項8

前記カーボンブラックの量が、前記繊維本体を形成する前記ポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として少なくとも0.1重量部である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維。

請求項9

前記カーボンブラックの量が、前記繊維本体を形成する前記ポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として最大でも3重量部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の繊維。

請求項10

ASTMD3849−07(2011)により測定したときにカーボンブラックの平均粒径が少なくとも5nmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の繊維。

請求項11

前記カーボンブラックが、ASTMD6556−10によって測定したときに少なくとも50m2/gのBET表面を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の繊維。

請求項12

繊維本体を形成するポリマーを含む繊維であって、前記繊維本体の内部にはカーボンブラックが存在しており、前記繊維が、ISO4982−2に記載される方法に従って少なくとも2000時間UV光曝露した後に、少なくとも50%の引張強度保持率を有することを特徴とする繊維。

請求項13

繊維本体を含む繊維であって、前記繊維本体が少なくとも5dl/gの初期固有粘度(IV)を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から製造され、前記繊維本体がさらにカーボンブラックを含み、ISO4982−2に記載される方法に従って前記繊維を少なくとも1400時間UV光に曝露した後に、前記繊維本体を形成する前記UHMWPEのIVが、前記繊維本体を製造するために使用される前記UHMWPEの初期IVの少なくとも60%である繊維。

請求項14

繊維の強度を増大させる方法であって、i.カーボンブラックを含む完全延伸高分子繊維を提供するステップと、ii.ISO4982−2に記載される方法に従って、前記繊維を少なくとも2000時間UV光に曝露するステップとを含む方法。

請求項15

請求項1〜12のいずれか一項に記載の繊維を含む、建築用織物ロープ釣り糸および漁網、ならびに海運業および航空機産業におけるカーゴネットストラップ、および拘束具グローブおよび保護服

発明の詳細な説明

0001

[1.発明の分野]
本発明は、適切な安定性、特に、満足できるUV安定性を有するゲル紡糸ポリオレフィン(PO)繊維と、例えば、ロープ釣り糸および漁網におけるその使用と、このような繊維の製造方法とに関する。

0002

[2.関連技術の記載]
ゲル紡糸PO繊維、特にゲル紡糸高性能ポリエチレン(HPPE)繊維は一般に種々の環境下、特に、UV光曝露されたときに比較的安定であると考えられる。しかしながら、特定の状況下では、ゲル紡糸PO繊維は靱性(tenacity)の損失を示し、これは寿命の低下をもたらし得る。これらの状況は、特に、このような繊維がロープ、釣り糸もしくは漁網、建築構造において、または海運業および航空機産業で使用されるカーゴネットストラップおよび拘束具において使用される場合に起こり得る。

0003

ゲル紡糸PO繊維を安定化する1つの手法は欧州特許第0343863号明細書から分かり、これには、超高分子量ポリオレフィン(UHMWPO)、希釈剤およびフェノール系安定剤を特定の比率で含む組成物紡糸することによる繊維の製造方法が開示されている。いずれかの実験データで実証されているわけではないが、この文献によると、その製造されたゲル紡糸UHMWPO繊維は、成形中の優れた熱安定性および長期間の熱安定性を有する。フェノール系安定剤に加えて、前記繊維を紡糸するために使用される組成物は、有機ホスファイト安定剤、有機チオエーテル安定剤、ヒンダードアミン安定剤および/またはより高級脂肪酸金属塩を含んでいてもよい。前記ゲル紡糸UHMWPO繊維を製造するための欧州特許第0343863号明細書に開示される方法は、上記の安定剤の1つまたは複数と、UHMWPOに適した希釈剤とを含有するUHMWPOの溶液紡糸口金から紡糸されてUHMWPOフィラメントが得られ、続いて前記フィラメントが、第2の希釈剤を用いて希釈剤が抽出される抽出過程にさらされる方法である。

0004

しかしながら、繊維を製造するために使用される組成物は、比較的多量の安定剤、例えば、UHMWPOおよび希釈剤の総量100重量部を基準として0.005〜5重量部の安定剤を含有するが、欧州特許第0343863号明細書に開示される方法の実行の後、繊維内に残る安定剤の量は劇的に低下されることが観察された。ほとんどの場合、ゲル紡糸UHMWPO繊維内に残る安定剤の量は非常に少ないので、前記繊維は安定化(あったとしても)をほとんど示さないことが観察された。

0005

従って、最適に安定化されたゲル紡糸PO繊維が必要とされている。そのため、本発明の目的は、このような繊維およびその製造方法、ならびにこれらを含有する製品を提供することであり得る。

0006

[3.発明の概要
本発明は、繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーを含むゲル紡糸繊維であって、繊維本体の内部には安定剤が存在しており、前記安定剤の量が前記繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として0.001〜10重量部であり、前記安定剤がカーボンブラックであることを特徴とするゲル紡糸繊維を提供する。

0007

本発明者らの知る限り、本発明に従う繊維などのゲル紡糸PO繊維は、これまで製造されたことはなかった。安定剤を含有する既知のゲル紡糸PO繊維は以前に報告されたが、その内部に存在する安定剤の量は、特に長い期間にわたって有効であるには少な過ぎた。特に、本発明者らは、大量の安定剤を含む組成物を使用したとしても、製造プロセスの最後には、繊維中に前記量はほとんど残らないことに初めて気付いた。

0008

また驚くことに、本発明によって、繊維本体におけるカーボンブラックの取り込みが効果的になることも発見された。さらに、カーボンブラックは、その機械特性、例えば引張強度に与える影響が許容可能でありながら、分解、特にUV光分解に対して繊維を最適に保護する。

0009

本発明との関連において、繊維は、不定長さを有し、長さ寸法がその横断寸法(例えば、幅および厚さ)よりもはるかに大きい長尺体を意味すると理解される。繊維という用語はモノフィラメントリボンストリップまたはテープなどを含むこともあり、規則的または不規則的な断面を有することができる。繊維は連続した長さを有してもよいし(当該技術分野においてフィラメントとして知られている)、あるいは不連続な長さを有していてもよい(当該技術分野においてステープル繊維として知られている)。本発明に従う糸は、複数の繊維を含む長尺体である。

0010

ゲル紡糸繊維とは、本明細書では、ポリマーと、前記ポリマーのための溶媒とを含む溶液を紡糸することによって製造される繊維であると理解される。溶液の紡糸は、1つまたは複数の紡糸孔を含有する紡糸口金から前記溶液を押出することによって実行することができる。他に記載されない限り、「繊維」および「ゲル紡糸繊維」という用語は、本発明を説明するために交換可能に使用される。特に好ましいのは、ポリオレフィンと、蒸発によって繊維から抽出することができるポリオレフィンのための溶媒(例えば、デカリンなどのナフテンテトラリンまたはメチルシクロヘキサン)とを含有する溶液から紡糸されるゲル紡糸繊維である。このような繊維の場合、安定剤のより最適な取込みが達成されることが観察された。

0011

好ましくは、本発明のゲル紡糸繊維は高性能ゲル紡糸繊維、すなわち、少なくとも1.5N/tex、好ましくは少なくとも2.0N/tex、より好ましくは少なくとも2.5N/tex、またはさらに少なくとも3.0N/texの靱性を有する繊維である。繊維の靱性の上限の理由はないが、通常最大でも約5〜6N/texの靱性を有する繊維が製造され得る。一般に、このような高強度ゲル紡糸繊維は、例えば、少なくとも50N/tex、好ましくは少なくとも75N/tex、より好ましくは100N/tex、最も好ましくは少なくとも125N/texの高引張係数も有する。繊維の引張強度(簡単に、強度とも呼ばれる)、靱性およびモジュラスは、ASTMD885Mに基づくもののような既知の方法によって決定することができる。

0012

本発明に従う糸は、好ましくは少なくとも5dtex、より好ましくは少なくとも10dtexのタイター(titer)を有する。実用的な理由から、本発明の糸のタイターは最大でも数千dtex、好ましくは最大でも2500dtex、より好ましくは最大でも2000dtexである。本発明に従う複数の繊維を含有する糸は、好ましくは、繊維1本当たり0.1〜50dtexの範囲、好ましくは0.5〜20dtexの範囲のタイターを有する。また糸のタイターは大きく異なり得る(例えば、20〜数千dtex)が、好ましくは、約30〜4000dtexの範囲、より好ましくは40〜3000dtexの範囲である。

0013

本発明に従って使用されるPOは、ポリプロピレンまたはポリエチレン、より好ましくは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であることが好ましい。UHMWPEとは、本明細書では、135℃のデカリン溶液において測定したときに少なくとも5dl/gの固有粘度(IV)を有するポリエチレンであると理解される。好ましくは、UHMWPEのIVは少なくとも10dl/g、より好ましくは少なくとも15dl/g、最も好ましくは少なくとも21dl/gである。好ましくは、IVは最大でも40dl/g、より好ましくは最大でも30dl/g、さらにより好ましくは最大でも25dl/gである。

0014

本発明によると、繊維本体の内部にカーボンブラックが存在する。好ましくは、カーボンブラックの量は、繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として少なくとも0.01、より好ましくは少なくとも0.05、さらにより好ましくは少なくとも0.1重量部である。好ましくは、前記カーボンブラックの量は、繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として最大でも10、より好ましくは最大でも8、さらにより好ましくは最大でも6、またさらにより好ましくは最大でも5、最も好ましくは最大でも3重量部である。好ましい実施形態では、カーボンブラックの量は、繊維本体を形成するポリオレフィンポリマーの量100重量部を基準として0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。

0015

カーボンブラックとは、本明細書では、少なくとも90wt%の炭素、より好ましくは少なくとも95wt%、最も好ましくは少なくとも98wt%の炭素を含む組成物であると理解される。このような組成物は市販されており、通常、石油製品、例えば、気体または液体炭化水素の減酸素雰囲気における燃焼によって製造される。組成物は通常粒子の形態であり、ほとんどの場合コロイド粒子の形態である。組成物の残りのwt%は、通常、種々の金属、例えば、アンチモンヒ素バリウムカドミウムクロム、鉛、水銀、ニッケルセレン亜鉛などによって構成される。カーボンブラックは、好ましくは、ASTMD3849−07(2011)によって測定したときに少なくとも5nm、より好ましくは少なくとも10nm、最も好ましくは少なくとも15nmの平均粒径を有する。前記平均粒径は、好ましくは最大でも100nm、最も好ましくは最大でも75nm、最も好ましくは最大でも50nmである。カーボンブラックは、好ましくは、ASTM D6556−10によって測定したときに少なくとも50m2/g、より好ましくは少なくとも80m2/g、さらにより好ましくは少なくとも105m2/g、最も好ましくは少なくとも120m2/gのBET表面を有する。前記BET表面は、好ましくは最大でも500m2/g、より好ましくは最大でも350m2/g、最も好ましくは最大でも250m2/gである。

0016

また本発明は、本発明の繊維を製造するためのゲル紡糸プロセスであって、少なくとも、(a)PO、カーボンブラック、およびPOに適した溶媒を含む溶液を調製するステップと、(b)前記溶液を紡糸口金から押出して、前記PO、前記カーボンブラックおよび前記POのための溶媒を含有するゲル繊維を得るステップと、(c)蒸発によってゲル繊維から溶媒を抽出して、固体繊維を得るステップとを含むプロセスに関する。好ましくは、POはUHMWPEであり、溶媒はデカリンまたはその誘導体である。好ましい実施形態では、ステップ(a)は、(a1)第1のPOおよびカーボンブラックを含有する混合物を提供するステップと、(a2)第2のPO、ステップ(a1)の混合物、ならびに第1および第2のPOの両方に適した溶媒を含む溶液を調製するステップとを含み、第1のPOは第2のPOよりも低い分子量を有する。好ましくは、ステップ(a1)の混合物中のカーボンブラックの量は、混合物の全重量を基準として10wt%〜95wt%であり、より好ましくは、前記量は25wt%〜80wt%であり、最も好ましくは35wt%〜65wt%である。好ましくは、ステップ(a)または(a2)の溶液中のカーボンブラックの量は溶液の全重量に対して少なくとも1wt%であり、より好ましくは少なくとも2wt%、最も好ましくは少なくとも3wt%である。好ましくは、ステップ(a1)の混合物中の第1のPOは低分子量POであり、すなわち、ステップ(a)または(a2)において使用される第2のPOの分子量の最大でも50%、より好ましくは最大でも40%、最も好ましくは最大でも30%である。好ましくは、前記第1のPOは低分子量ポリエチレン、より好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、前記第2のPOはUHMWPEであり、溶媒はデカリンである。またゲル紡糸プロセスは、任意選択で、ゲル繊維および/または固形繊維が特定の延伸比延伸される延伸ステップを含有していてもよい。ゲル紡糸プロセスは当該技術分野において知られており、例えば、国際公開第2005/066400号パンフレット、国際公開第2005/066401号パンフレット、国際公開第2009/043598号パンフレット、国際公開第2009/043597号パンフレット、国際公開第2008/131925号パンフレット、国際公開第2009/124762号パンフレット、欧州特許出願公開第0205960A号明細書、欧州特許出願公開第0213208A1号明細書、米国特許第4413110号明細書、英国特許出願公開第2042414A号明細書、英国特許出願公開第A−2051667号明細書、欧州特許第0200547B1号明細書、欧州特許第0472114B1号明細書、国際公開第2001/73173A1号パンフレット、欧州特許第1,699,954号明細書において、および「Advanced Fibre Spinning Technology」、T.Nakajima編、Woodhead Publ.Ltd(1994)、ISBN1855731827において開示されており、これらの刊行物およびそこに引用される参考文献は、参照によって本明細書中に含まれる。

0017

さらなる態様では、本発明は、繊維本体を形成するポリマーを含む繊維に関し、繊維本体の内部にはカーボンブラックが存在しており、前記繊維が、ISO4982−2に記載される方法に従って少なくとも2000時間UV光に曝露した後に、少なくとも50%の引張強度保持率を有することを特徴とする。ISO4982−2の特定の条件は、「測定方法セクションにおいて以下で詳述される。好ましくは、前記繊維は、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも100%、最も好ましくは少なくとも105%の強度保持率を有する。好ましくは、本発明の繊維は完全延伸繊維である。驚くことに、本発明の繊維、特に本発明の完全延伸繊維の場合、前記繊維は、UV光で処理または曝露された後に、その引張強度の増大を示すことが分かった。従って、強度保持率という用語は通常、UV光曝露後の繊維の引張強度が前記繊維の初期引張強度(すなわち、UV曝露の前の強度)よりも低いことを暗示するが、本発明によると、前記UV光曝露後の引張強度が前記初期引張強度よりも高いことを除外しない。好ましくは、強度保持率は、少なくとも2500時間の曝露後、より好ましくは少なくとも3000時間の曝露後のものである。好ましくは、カーボンブラックの量は、前記繊維本体を形成するポリマーの量100重量部を基準として0.001〜10重量部である。好ましくは、前記ポリマーはポリオレフィンであり、より好ましくはUHMWPEである。好ましくは、前記繊維はゲル紡糸繊維であり、より好ましくはゲル紡糸ポリオレフィン繊維、最も好ましくはゲル紡糸UHMWPE繊維である。

0018

また本発明は繊維の強度を増大させる方法にも関し、本方法は、
i.カーボンブラックを含む完全延伸高分子繊維を提供するステップと、
ii.ISO4982−2に記載される方法に従って、前記繊維を少なくとも2000時間UV光に曝露するステップと
を含む。

0019

本発明の方法において使用される繊維の好ましい実施形態は、本発明の繊維に関連して上記で提示されたものである。

0020

また本発明は繊維本体を含む繊維に関し、前記繊維本体は、少なくとも5dl/gの初期固有粘度(IV)を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から製造され、前記繊維本体はさらにカーボンブラックを含み、ISO4982−2に記載される方法に従って前記繊維を少なくとも1400時間UV光に曝露した後、前記繊維本体を形成するUHMWPEのIVは、前記繊維本体を製造するために使用されるUHMWPEの初期IVの少なくとも60%である。ISO4982−2の特定の条件は、「測定方法」セクションにおいて以下で詳述される。好ましくは、前記繊維本体を形成するUHMWPEのIVは、前記繊維を製造するために使用されるUHMWPEの初期IVの少なくとも75%であり、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも95%である。好ましくは、前記繊維本体を形成するUHMWPEのIVは少なくとも7.5dl/gであり、より好ましくは少なくとも10dl/g、さらにより好ましくは少なくとも13dl/g、最も好ましくは少なくとも16dl/gである。好ましくは、カーボンブラックの量は、前記繊維本体を形成するUHMWPEの量100重量部を基準として0.001〜10重量部である。

0021

カーボンブラックを含有する本発明の繊維は、このような繊維が通常適用される任意の用途で使用することができる。特に、繊維は、建築用織物、ロープ、釣り糸および漁網、ならびに海運業および航空機産業におけるカーゴネット、ストラップ、および拘束具、グローブおよび他の保護服において使用することができる。従って、1つの態様では、本発明は、本発明の繊維を含む物品、好ましくはロープ、グローブ、保護服、釣り糸、網、または医療機器に関する。

図面の簡単な説明

0022

図1(1)は、特定の期間(時間で表示)UV光に曝露された繊維の引張強度保持率(%)の変動を示す。図1(2)は、同じ期間の前記繊維の引張強度(cN/dtex)の変動を示す。

0023

本発明は、以下の実施例および比較実験を用いてさらに詳細に説明されるが、がこれらに限定されない。

0024

[測定方法:]
・ IV:固有粘度は、デカリン中135℃において、方法PTC−179(Hercules Inc.Rev.Apr.29,1982)に従い、16時間の溶解時間で、酸化防止剤として2g/l溶液の量のBHTブチル化ヒドロキシトルエン)を用いて、異なる濃度で測定された粘度をゼロ濃度まで外挿することによって決定される。
・ Dtex:繊維のタイター(dtex)は、100メートルの繊維を量することによって測定した。繊維のdtexは、ミリグラム単位の重量を10で除することによって計算した。
・ 繊維の引張特性:引張強度(または強度)および引張係数(またはモジュラス)は、繊維の公称ゲージ長500mm、クロスヘッド速度50%/分、および「Fibre Grip D5618C」型のInstron 2714クランプを用いて、ASTMD885Mに規定されるようにマルチフィラメント糸において定義および決定される。測定された応力歪み曲線に基づいて、0.3〜1%の歪みの勾配としてモジュラスが決定される。モジュラスおよび強度を計算するために、測定される引張力を、10メートルの繊維を秤量することにより決定されるタイターで除し、0.97g/cm3の密度仮定してGPa単位の値が計算される。
テープ様形状を有する繊維の引張特性:引張強度、引張係数および破断伸びは、テープの公称ゲージ長440mm、クロスヘッド速度50mm/分を用いて、ASTM D882に規定されるように幅2mmのテープにおいて25℃で定義および決定される。
・ UHMWPEの伸び応力ES)は、ISO11542−2Aに従って測定される。
・ 引張強度保持率は、ISO4982−2法に従って繊維をUV光に設定時間の間曝露した後、上記のように繊維の引張強度を測定することによって決定した。
繊維サンプル熱分析(TGA)はデュプリケート(duplicate)で実行し、30℃で10分間から開始して、20℃/分の加熱速度において窒素下で800℃まで加熱し、800℃で酸素切り替えて、20℃/分の加熱速度において酸素下で925℃まで加熱した。重量部単位の繊維中のカーボンブラックの濃度は、約800℃における酸素下の燃焼の質量損失を、酸素に切り替えるまでのサンプルの質量損失で除することによって計算される。
・ ISO4982−2によって記載される方法と共に以下の特定の条件を用いた:UV曝露のために、340nmにおいて0.35W/m2の強度を有する、ホウケイ酸塩フィルタの付いた6500Wのキセノンランプを使用;108分の乾燥期間および12分の湿潤期間からなるレインサイクル(ここで、乾燥期間は約50%の環境の湿度を有し、湿潤期間は約100%の湿度を有した);ならびに約63℃のバックパネル温度。

0025

[実施例および比較実験]
カーボンブラック(220g/m2のBET、および16nmの一次粒径を有するPrintex(登録商標)F80,Degussa)と、UHMWPEと、UHMWPEのための溶媒としてのデカリンとを含有する溶液から繊維をゲル紡糸することによって、何本かの糸を調製した。続いて、蒸発によりデカリンを抽出した。溶液中のUHMWPEの量は、溶液の全重量を基準として約10wt%であった。糸のそれぞれを約110dtexの線密度まで延伸した。溶液中のカーボンブラックの濃度は、UHMWPEの量に対して0.1〜10wt%で変化させた。カーボンブラックを含まない上記の溶液からも何本かの糸を紡糸した。

0026

UHMWPEの量を基準として3wt%のPrintex(登録商標)F80を含有する溶液から、部分延伸糸および完全延伸糸を調製し、そのカーボンブラック含量についてTGAにより分析した。サンプルは、前記繊維中のUHMWPEの量に対して、それぞれ2.2および2.4重量部を含有した。

0027

通常、デカリンの蒸発後に繊維中に残るカーボンブラックの量は、前記繊維中のUHMWPEの量に対して0.001〜10重量部であった。

0028

IS04982−2に従って、糸の何本かをUV抵抗性について最長120日間にわたって試験した。カーボンブラックを含有しないサンプルの引張強度の保持率は、700時間後に強度の直線的な低下を示し、そしてほぼ3000時間で強度の完全損失を示すことが決定された。

0029

対照的に、カーボンブラックを含有するサンプルは遥かに良好な長期性能を示した。カーボンブラックを含有し、適度に延伸されたサンプルは、3000時間後に約95%の引張強度保持率を示した。

0030

しかしながら、カーボンブラックを含有し、完全に延伸されたサンプルについて、驚くべき挙動が観察された。このようなサンプルは、本明細書中の上記の方法に従ってUV光で処理した後にその引張強度の増大を示し、約3000時間後のその引張強度は、初期引張強度と比較すると9%高かった。

0031

図1(1)に関して、カーボンブラックを含有しない繊維サンプル(102)の特定のUV曝露時間(101)後の強度保持率(100)は、適度に延伸された2.2重量部のカーボンブラックを含有する繊維サンプル(103)、および完全に延伸された2.4重量部のカーボンブラックを含有する繊維サンプル(104)のものと比較するとはるかに低いことを観察することができる。特に、3000時間後に、繊維サンプル(102)の引張強度は事実上ゼロであるが、繊維サンプル(103)の引張強度は、ゼロ時間で測定されたその引張強度の約95%であることが分かる。驚くことに、繊維サンプル(104)の引張強度は、3000時間の曝露後に約9%増大されることが分かる。図1(2)に示されるように、UV曝露(101)に関して繊維サンプルの強度(105)の変動を分析すると、同じ挙動を観察することができる。

0032

完全延伸繊維とは、本明細書では、最大延伸比の少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも95%延伸された繊維であると理解され、最大延伸比は、それよりも上では繊維が破断し得る比率である。最大延伸比は、例えば、繊維が破断するまで同じ延伸条件下で延伸比を増大させて前記繊維を延伸することによって、当業者により日常の実験で決定することができる。適度に延伸された繊維は、例えば、最大延伸比の最大でも50%、さらに最大でも30%延伸された繊維であり得る。

0033

1400時間の風化においていくつかのサンプルを相対的な固有粘度について試験した。結果は以下の表2で提供される。

0034

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ