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技術 合成石英ガラスから光学ブランクを製造する方法

出願人 ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト信越石英株式会社
発明者 アンドレアスカスケクラウスベッカーシュテファンオークス
出願日 2017年9月20日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-179930
公開日 2018年3月29日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2018-048071
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造
主要キーワード 管状出口 円形ドーム 成形区間 キャストモールド センタリング作用 変形段階 キャリアロッド 長手軸周り
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課題

本発明は、底板を有する溶融モールドを含む加熱領域において、長手軸を有する円柱形多孔質SiO2スート体ガラス化及び成形することで、合成石英ガラスから光学ブランクを製造する方法。

解決手段

(a)完全に円柱形の、完全にガラス化された透明石英ガラス体6を形成するように、加熱領域21において、ガラス化温度で、SiO2スート体1をガラス化する工程(b)その後、溶融モールド23の容積を完全に又は部分的に満たす粘性石英ガラス塊7を形成するように、溶融モールド23において、軟化温度軟化することで、ガラス化された石英ガラス体6を成形する工程(c)光学ブランクを形成するように、石英ガラス塊7を冷却し、溶融モールド23から取り出す工程、を含む方法。

概要

背景

例えば、半導体製造に使用される部品マイクロリソグラフィーにおけるレンズ若しくはミラー等の光学部品、又は通信工学のための光ファイバー用プリフォームは、合成石英ガラスブランクから製造される。

合成石英ガラスは、通常、堆積用バーナーを用いて、ケイ素含有出発化合物火炎加水分解又は酸化によって製造される。合成石英ガラスの製造のための十分に確立された出発化合物は、四塩化ケイ素(SiCl4)である。しかしながら、加水分解又は酸化によってSiO2を形成することができる、多くの他の有機ケイ素化合物が知られている。ここで、例としては、塩素含有若しくは塩素非含有シランシラザン、又はポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも、塩素非含有オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)が特に有用であることが分かっている。

公知の製造方法は、VAD(vapor phase axial deposition,気相軸付堆積)法、OVD(outside vapor phase deposition,外付け気相堆積)法、又はPOD(plasma outside deposition,プラズマ外付け堆積)法等のプラズマ支援堆積法である。他の方法では、SiO2粒子の垂直堆積及び直接ガラス化により、石英ガラス体が底部から上部まで形成されるモールドを使用する。これらの方法では全て、一つ又は複数の堆積用バーナーを用いて、SiO2粒子が生成され、バーナー炎に対して動くキャリア上に層状に堆積される。SiO2粒子は、キャリア表面の領域において、適切な高温で、直接ガラス化される(「直接ガラス化」)。これに対して、いわゆる「スート法」では、SiO2粒子の堆積の間の温度が低いため、多孔質SiO2スート体が得られ、これがそれぞれ別の工程で焼結及びガラス化され、透明な石英ガラスとなる。最終的に、直接ガラス化とスート法の両者は、高密度かつ透明な高純度の合成石英ガラスを生産する。本発明は、スート体の中間段階を経て合成石英ガラスを製造することに関する。

一般に、SiO2スート体は、製造プロセスに起因して、多量の水酸基OH基)を有している。これらは、得られる石英ガラスの光透過性や石英ガラスの粘度、短波長UV放射に対する耐性に影響を与える。そのため、合成石英ガラスの製造では、通常、所定の含有量の水酸基が観察されることに注意が払われており、スート体中の水酸基の含有量を最小化するため、又は所定の値に調整するため、多くの方法が提案されてきた。例えば、塩素含有雰囲気で、約1000℃の高温で、多孔質スート体脱水処理を行うことで、塩素によりOH基を置換させる。これに代わって、フッ素含有雰囲気で、スート体の乾燥(これは、フッ素ドープを伴う)を行うこともできる。塩素又はフッ素がSiO2ネットワークに組み込まれるのを回避する場合、真空下、約1100℃の温度で、黒鉛製加熱体を有する加熱炉内でスート体が脱水される、熱乾燥が行われる。

透明石英ガラス体は、前処理されたスート体から、焼結(=ガラス化)によって製造される。一般に、乾燥又は別の方法で前処理されたスート体は、この目的のため、排気可能なガラス化炉内に導入され、そこで透明石英ガラス体を形成するように焼結される。その後、ガラス化された石英ガラス体は、機械成形又は熱間加工により、ブランク又は半製品の所定の最終形状を与えられる。

熱間加工は、脈理や層を低減するための均質化手段を伴うことが多い。例えば、DE 42 04 406 A1では、軸方向の層構造を除去するために、石英ガラスのねじり棒を黒鉛製のキャストモールド内に導入する多段階変形プロセスが提案されている。このキャストモールドは、逆「T」字形状であり、垂直に置かれた供給ノズルがその下端正方形断面を有する水平に置かれた管状出口モールドへと二方向に分岐する。ねじり棒は供給ノズル内で軟化し、これにより、正方形断面を有する棒型石英ガラス柱に成形されるように、自重により水平出口モールドに落ちていく。この棒型石英ガラス柱に残った層は、棒の長手軸と平行に延在しており、長手軸周りに捩じることで容易に除去することができる。

DE 100 41 467 C1では、スート体の脱水処理とガラス化が接合炉内で行われること、スート体のガラス化の間、ブランクの最終形状を、塑性成形によって、同時に設定すべきであることが提案されている。一実施形態では、通気性黒鉛モールドが用いられる。この黒鉛モールドは、ここでは中空円筒であるスート体の外径適合された、広い断面積の収容手段を有する上部を含む。この上部は、漏斗型の移行部を介してより狭い断面積の下部に通じている。黒鉛モールドの下部は、製造される石英ガラス半製品の外径に適合され、その最終形状を定める。ガラス化されるスート体は、保持ロッドを用いて、スート体を安定化させるためにスート体の縦穴に板を導入した状態で、黒鉛モールドの収容部分に挿入される。このようにして、スート体は、まず、炉の上側のより温度の低い部分に保持され、そこで塩素ガスで処理される。塩素処理中の温度は、約950℃である。この工程の後、スート体は、黒鉛モールドと共に、約1350℃の高温を有する炉領域へと下降し、ヘリウム雰囲気で、約12時間、予備焼結される。予備焼結プロセスでは、スート体の一定の体積減少が観察される。続いて、スート体は約1750℃の温度でガラス化され、予備焼結されたスート体を含む黒鉛モールドはより高温の炉の部分に更に降下される。この位置での8時間の滞留時間後、予備焼結された中空円筒形スート体は、自重により漏斗型の移行部を通ってモールドの下部に流れる程度まで、軟化される。この緩やかな流入は、上方から加えられた圧力によって促すことができる。冷却後、黒鉛モールドを開け、石英ガラスの成形物を取り外す。この成形物は、更なる仕上げ加工を行うことなく、光学部品又は半導体製造用石英ガラス部品を作製するためのブロック型半製品として使用することができる。

しかしながら、粘性SiO2塊が黒鉛モールドの下部に流入する際、脈理又は泡として認められる予測できない気泡包含転移が生じ得る。このような溶融欠陥は、最終製品品質を損なう。例えば、気泡は、半導体製造で一般的なエッチングプロセスに対する石英ガラス部品の耐性を下げる。このような溶融欠陥は、半製品をマイクロリソグラフィーの分野においても使用不可能にし、面倒な方法で除去しなければならない。これとは別に、この公知の方法は、センタリング装置を導入するために縦穴が使用される中空円筒形のスート体にしか適さなかった。このセンタリング装置のために、石英ガラスの中空円筒は、直径約50mm〜80mmの穴を伴って成形した後に得られる。

DE 10 2006 024 831 A1においても、スート体のガラス化及びブランクへの成形が接合炉内で行われるべきであることが提案されている。しかしながら、ガラス化及び成形は同時には行われず、連続的な工程によって行われる。

その出発点は、標準的なOVD法により、長手軸周りに回転する心棒上にSiO2粒子を外付け堆積することによって製造された中空円筒形のスート体である。スート体は、その縦穴内で保持ロッド又はキャリアチューブにより支持され、溶融モールド底板に置かれる。従って、キャリアチューブは、保持器として機能するだけではなく、特に、製造されるブランク内に生成される内孔造形要素としても働く。この構成において、スート体は、ガラス化・成形炉に供給される。炉の加熱領域では、スート体が上方から出発して連続的にガラス化し、その後、ガラス化されたスート体の下部が溶融モールド内で変形することにより成形が開始される。石英ガラス体は徐々に全体が軟化し、溶融モールド内へ流入する。ガラス化及び成形の間にキャリアチューブが残るため、中空円筒形の成形物がブランクとして得られる。

DE 10 2006 024 831 A1による方法と、上述したDE 100 41 467 C1による方法は、中空円筒形のブランクの製造に限定される。また、キャリアチューブがセンタリング装置として使用されるが、成形プロセス中伝熱低下や、特に転位を回避するために、溶融モールドの内壁とスート体の外壁又は焼結された石英ガラス体の外壁との間の間隙を可能な限り小さくする(50mm以下)等の更なる手段が必要とされる。また、ガラス化の間、石英ガラスがキャリアチューブ上に収縮しないことに注意を払わなければならないため、キャリアチューブと石ガラス体の間の間隙が、成形の間のキャリアロッドセンタリング作用を低下させる。従って、キャリアチューブが正確にセンタリングをした場合であっても、溶融モールドにおける石英ガラス体の同心配置から逸れる可能性がある。修正の必要がある場合にキャリアチューブを再配置することは意図されていない。これに関して、キャリアチューブのセンタリング装置としての機能は、ガラス化された石英ガラス体を中心位置で保持すること、あるいは、制御された成形プロセスを確保することには、適切ではない。また、上部から底部に進行するスート体のガラス化プロセスが、それとは気づかずに、スート体の下端で完了していない場合、あるいは、この領域が溶融モールド内で成形プロセスをすぐに受ける場合、気泡の包含による溶融欠陥が生じる可能性がある。

更に、VAD法により製造された完全に円柱形のSiO2スート体のガラス化は、特開2004−123439号公報から公知である。一実施形態では、スート体は、懸架装置に固定され、溶融モールドが下方からスート体に加圧下で作用する状態で、炉内に動かされる。透明石英ガラス体は、10,000Paの圧力、1300℃の温度で形成される。その後、温度を1600℃まで更に上昇し、圧力を0.2MPaとすることで、溶融モールド内で石英ガラス体の軟化及び成形が起こる。溶融モールドの中心は、懸架装置と揃えられる。

特開2001−199733号公報もまた、石英ガラス体の製造について開示しているが、ここでは、SiO2スート体のガラス化及び成形は1工程で行われる。この場合、スート体がモールドの端で停止され、1750℃〜1800℃の温度で自重によりモールドに流入する。

特開2001−199733号公報と同様の手法が特開平05−270848号公報によっても提供されている。SiO2スート体は、保持器から吊され、炉内に導入され、そこで段階的に1850℃に加熱される。ここで、発展する透明石英ガラス体は炉の下部に位置するモールド内に流入するような程度まで軟化される。

概要

本発明は、底板を有する溶融モールドを含む加熱領域において、長手軸を有する円柱形多孔質SiO2スート体をガラス化及び成形することで、合成石英ガラスから光学ブランクを製造する方法。(a)完全に円柱形の、完全にガラス化された透明石英ガラス体6を形成するように、加熱領域21において、ガラス化温度で、SiO2スート体1をガラス化する工程(b)その後、溶融モールド23の容積を完全に又は部分的に満たす粘性石英ガラス塊7を形成するように、溶融モールド23において、軟化温度で軟化することで、ガラス化された石英ガラス体6を成形する工程(c)光学ブランクを形成するように、石英ガラス塊7を冷却し、溶融モールド23から取り出す工程、を含む方法。

目的

本発明は、SiO2スート体をガラス化及び成形し、これにより、再現可能に高品質かつ高純度であり、均質な、回転対称性屈折率プロファイル等の特性プロファイルを有する完全に円柱形の合成石英ガラスブランクを得る方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

底板(24)を有する溶融モールド(23)を含む加熱領域(21)において、長手軸(L)を有する円柱形多孔質SiO2スート体(1)をガラス化及び成形することで、合成石英ガラスから光学ブランクを製造する方法であって、(a)完全に円柱形の、完全にガラス化された透明石英ガラス体(6)を形成するように、前記加熱領域(21)において、ガラス化温度で、前記SiO2スート体(1)をガラス化する工程、(b)その後、前記溶融モールド(23)の容積を完全に又は部分的に満たす粘性石英ガラス塊(7)を形成するように、前記溶融モールド(23)において、軟化温度軟化することで、前記ガラス化された石英ガラス体(6)を成形する工程、(c)前記光学ブランクを形成するように、前記石英ガラス塊(7)を冷却し、前記溶融モールド(23)から取り出す工程、を含み、工程(b)による前記溶融モールド(23)における成形の間、前記完全に円柱形の石英ガラス体(6)を、制御された供給により、前記底板(24)のセンタリング手段に接触させることを特徴とする方法。

請求項2

前記底板のセンタリング手段が、回転対称性トラフ(24a)として構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

前記溶融モールド(23)への制御された供給が、移動ユニット(5)と組み合わせられた、前記ガラス化された石英ガラス体(6)の上端に作用する保持装置(3、4)によって行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。

請求項4

前記溶融モールド(23)において、前記ガラス化された石英ガラス体(6)を、その下端から始まり、底部から上部まで成形し、時間単位当たり供給される前記石英ガラス体(6)の塊が時間単位当たり軟化される前記石英ガラス塊(7)に相当するように、前記供給を制御することを特徴とする請求項3に記載の方法。

請求項5

成形のため、2〜5mm/分の範囲の供給速度で、前記ガラス化された石英ガラス体(6)を前記底板(24)のセンタリング手段に接触させ、前記軟化温度を1650℃〜1850℃の範囲に調整することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記完全に円柱形の石英ガラス体(6)を、実質的に一定の軟化温度で、15分〜200分、成形することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記加熱領域(21)のサブ領域において成形が行われ、前記サブ領域の長さは、成形される前記完全に円柱形の石英ガラス体(6)の長さの半分以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記多孔質SiO2スート体(1)は、VAD法により製造された完全に円柱形のスート体であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

工程(a)によるガラス化の間、前記加熱領域(21)は、前記スート体(1)の全長垂直方位で、前記スート体(1)に作用することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記スート体(1)を、その下端から始まり、底部から上部まで、長手軸(L)の垂直方位で、領域ごとにガラス化することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

領域ごとにガラス化する間、前記スート体(1)を、2〜10mm/分の範囲の供給速度で、前記加熱領域(21)に供給することを特徴とする請求項10に記載の方法。

請求項12

前記ガラス化温度は、1200℃〜1600℃の範囲で調整されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、底板を有する溶融モールドを含む加熱領域において、長手軸を有する円柱形多孔質SiO2スート体ガラス化及び成形することで、合成石英ガラスから光学ブランクを製造する方法であって、
(a)完全に円柱形の、完全にガラス化された透明石英ガラス体を形成するように、加熱領域において、ガラス化温度で、SiO2スート体をガラス化する工程、
(b)その直後に、溶融モールドの容積を完全に又は部分的に満たす粘性石英ガラス塊を形成するように、溶融モールドにおいて、軟化することで、ガラス化された石英ガラス体を成形する工程、
(c)光学ブランクを形成するように、石英ガラス塊を冷却し、溶融モールドから取り出す工程を含む方法に関する。

背景技術

0002

例えば、半導体製造に使用される部品マイクロリソグラフィーにおけるレンズ若しくはミラー等の光学部品、又は通信工学のための光ファイバー用プリフォームは、合成石英ガラスのブランクから製造される。

0003

合成石英ガラスは、通常、堆積用バーナーを用いて、ケイ素含有出発化合物火炎加水分解又は酸化によって製造される。合成石英ガラスの製造のための十分に確立された出発化合物は、四塩化ケイ素(SiCl4)である。しかしながら、加水分解又は酸化によってSiO2を形成することができる、多くの他の有機ケイ素化合物が知られている。ここで、例としては、塩素含有若しくは塩素非含有シランシラザン、又はポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも、塩素非含有オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)が特に有用であることが分かっている。

0004

公知の製造方法は、VAD(vapor phase axial deposition,気相軸付堆積)法、OVD(outside vapor phase deposition,外付け気相堆積)法、又はPOD(plasma outside deposition,プラズマ外付け堆積)法等のプラズマ支援堆積法である。他の方法では、SiO2粒子の垂直堆積及び直接ガラス化により、石英ガラス体が底部から上部まで形成されるモールドを使用する。これらの方法では全て、一つ又は複数の堆積用バーナーを用いて、SiO2粒子が生成され、バーナー炎に対して動くキャリア上に層状に堆積される。SiO2粒子は、キャリア表面の領域において、適切な高温で、直接ガラス化される(「直接ガラス化」)。これに対して、いわゆる「スート法」では、SiO2粒子の堆積の間の温度が低いため、多孔質SiO2スート体が得られ、これがそれぞれ別の工程で焼結及びガラス化され、透明な石英ガラスとなる。最終的に、直接ガラス化とスート法の両者は、高密度かつ透明な高純度の合成石英ガラスを生産する。本発明は、スート体の中間段階を経て合成石英ガラスを製造することに関する。

0005

一般に、SiO2スート体は、製造プロセスに起因して、多量の水酸基OH基)を有している。これらは、得られる石英ガラスの光透過性や石英ガラスの粘度、短波長UV放射に対する耐性に影響を与える。そのため、合成石英ガラスの製造では、通常、所定の含有量の水酸基が観察されることに注意が払われており、スート体中の水酸基の含有量を最小化するため、又は所定の値に調整するため、多くの方法が提案されてきた。例えば、塩素含有雰囲気で、約1000℃の高温で、多孔質スート体脱水処理を行うことで、塩素によりOH基を置換させる。これに代わって、フッ素含有雰囲気で、スート体の乾燥(これは、フッ素ドープを伴う)を行うこともできる。塩素又はフッ素がSiO2ネットワークに組み込まれるのを回避する場合、真空下、約1100℃の温度で、黒鉛製加熱体を有する加熱炉内でスート体が脱水される、熱乾燥が行われる。

0006

透明石英ガラス体は、前処理されたスート体から、焼結(=ガラス化)によって製造される。一般に、乾燥又は別の方法で前処理されたスート体は、この目的のため、排気可能なガラス化炉内に導入され、そこで透明石英ガラス体を形成するように焼結される。その後、ガラス化された石英ガラス体は、機械成形又は熱間加工により、ブランク又は半製品の所定の最終形状を与えられる。

0007

熱間加工は、脈理や層を低減するための均質化手段を伴うことが多い。例えば、DE 42 04 406 A1では、軸方向の層構造を除去するために、石英ガラスのねじり棒を黒鉛製のキャストモールド内に導入する多段階変形プロセスが提案されている。このキャストモールドは、逆「T」字形状であり、垂直に置かれた供給ノズルがその下端正方形断面を有する水平に置かれた管状出口モールドへと二方向に分岐する。ねじり棒は供給ノズル内で軟化し、これにより、正方形断面を有する棒型石英ガラス柱に成形されるように、自重により水平出口モールドに落ちていく。この棒型石英ガラス柱に残った層は、棒の長手軸と平行に延在しており、長手軸周りに捩じることで容易に除去することができる。

0008

DE 100 41 467 C1では、スート体の脱水処理とガラス化が接合炉内で行われること、スート体のガラス化の間、ブランクの最終形状を、塑性成形によって、同時に設定すべきであることが提案されている。一実施形態では、通気性黒鉛モールドが用いられる。この黒鉛モールドは、ここでは中空円筒であるスート体の外径適合された、広い断面積の収容手段を有する上部を含む。この上部は、漏斗型の移行部を介してより狭い断面積の下部に通じている。黒鉛モールドの下部は、製造される石英ガラス半製品の外径に適合され、その最終形状を定める。ガラス化されるスート体は、保持ロッドを用いて、スート体を安定化させるためにスート体の縦穴に板を導入した状態で、黒鉛モールドの収容部分に挿入される。このようにして、スート体は、まず、炉の上側のより温度の低い部分に保持され、そこで塩素ガスで処理される。塩素処理中の温度は、約950℃である。この工程の後、スート体は、黒鉛モールドと共に、約1350℃の高温を有する炉領域へと下降し、ヘリウム雰囲気で、約12時間、予備焼結される。予備焼結プロセスでは、スート体の一定の体積減少が観察される。続いて、スート体は約1750℃の温度でガラス化され、予備焼結されたスート体を含む黒鉛モールドはより高温の炉の部分に更に降下される。この位置での8時間の滞留時間後、予備焼結された中空円筒形スート体は、自重により漏斗型の移行部を通ってモールドの下部に流れる程度まで、軟化される。この緩やかな流入は、上方から加えられた圧力によって促すことができる。冷却後、黒鉛モールドを開け、石英ガラスの成形物を取り外す。この成形物は、更なる仕上げ加工を行うことなく、光学部品又は半導体製造用石英ガラス部品を作製するためのブロック型半製品として使用することができる。

0009

しかしながら、粘性SiO2塊が黒鉛モールドの下部に流入する際、脈理又は泡として認められる予測できない気泡包含転移が生じ得る。このような溶融欠陥は、最終製品品質を損なう。例えば、気泡は、半導体製造で一般的なエッチングプロセスに対する石英ガラス部品の耐性を下げる。このような溶融欠陥は、半製品をマイクロリソグラフィーの分野においても使用不可能にし、面倒な方法で除去しなければならない。これとは別に、この公知の方法は、センタリング装置を導入するために縦穴が使用される中空円筒形のスート体にしか適さなかった。このセンタリング装置のために、石英ガラスの中空円筒は、直径約50mm〜80mmの穴を伴って成形した後に得られる。

0010

DE 10 2006 024 831 A1においても、スート体のガラス化及びブランクへの成形が接合炉内で行われるべきであることが提案されている。しかしながら、ガラス化及び成形は同時には行われず、連続的な工程によって行われる。

0011

その出発点は、標準的なOVD法により、長手軸周りに回転する心棒上にSiO2粒子を外付け堆積することによって製造された中空円筒形のスート体である。スート体は、その縦穴内で保持ロッド又はキャリアチューブにより支持され、溶融モールドの底板に置かれる。従って、キャリアチューブは、保持器として機能するだけではなく、特に、製造されるブランク内に生成される内孔造形要素としても働く。この構成において、スート体は、ガラス化・成形炉に供給される。炉の加熱領域では、スート体が上方から出発して連続的にガラス化し、その後、ガラス化されたスート体の下部が溶融モールド内で変形することにより成形が開始される。石英ガラス体は徐々に全体が軟化し、溶融モールド内へ流入する。ガラス化及び成形の間にキャリアチューブが残るため、中空円筒形の成形物がブランクとして得られる。

0012

DE 10 2006 024 831 A1による方法と、上述したDE 100 41 467 C1による方法は、中空円筒形のブランクの製造に限定される。また、キャリアチューブがセンタリング装置として使用されるが、成形プロセス中伝熱低下や、特に転位を回避するために、溶融モールドの内壁とスート体の外壁又は焼結された石英ガラス体の外壁との間の間隙を可能な限り小さくする(50mm以下)等の更なる手段が必要とされる。また、ガラス化の間、石英ガラスがキャリアチューブ上に収縮しないことに注意を払わなければならないため、キャリアチューブと石ガラス体の間の間隙が、成形の間のキャリアロッドセンタリング作用を低下させる。従って、キャリアチューブが正確にセンタリングをした場合であっても、溶融モールドにおける石英ガラス体の同心配置から逸れる可能性がある。修正の必要がある場合にキャリアチューブを再配置することは意図されていない。これに関して、キャリアチューブのセンタリング装置としての機能は、ガラス化された石英ガラス体を中心位置で保持すること、あるいは、制御された成形プロセスを確保することには、適切ではない。また、上部から底部に進行するスート体のガラス化プロセスが、それとは気づかずに、スート体の下端で完了していない場合、あるいは、この領域が溶融モールド内で成形プロセスをすぐに受ける場合、気泡の包含による溶融欠陥が生じる可能性がある。

0013

更に、VAD法により製造された完全に円柱形のSiO2スート体のガラス化は、特開2004−123439号公報から公知である。一実施形態では、スート体は、懸架装置に固定され、溶融モールドが下方からスート体に加圧下で作用する状態で、炉内に動かされる。透明石英ガラス体は、10,000Paの圧力、1300℃の温度で形成される。その後、温度を1600℃まで更に上昇し、圧力を0.2MPaとすることで、溶融モールド内で石英ガラス体の軟化及び成形が起こる。溶融モールドの中心は、懸架装置と揃えられる。

0014

特開2001−199733号公報もまた、石英ガラス体の製造について開示しているが、ここでは、SiO2スート体のガラス化及び成形は1工程で行われる。この場合、スート体がモールドの端で停止され、1750℃〜1800℃の温度で自重によりモールドに流入する。

0015

特開2001−199733号公報と同様の手法が特開平05−270848号公報によっても提供されている。SiO2スート体は、保持器から吊され、炉内に導入され、そこで段階的に1850℃に加熱される。ここで、発展する透明石英ガラス体は炉の下部に位置するモールド内に流入するような程度まで軟化される。

発明が解決しようとする課題

0016

従って、本発明は、SiO2スート体をガラス化及び成形し、これにより、再現可能に高品質かつ高純度であり、均質な、回転対称性屈折率プロファイル等の特性プロファイルを有する完全に円柱形の合成石英ガラスブランクを得る方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

この目的は、前述の方法から出発して、工程(b)による溶融モールドにおける成形の間、完全に円柱形の石英ガラス体を、制御された供給により、底板のセンタリング手段に接触させる本発明によって達成される。

0018

本発明の方法は、スート体から出発して、このスート体を、乾燥後、接合炉システムでガラス化し、次に、溶融モールド内で合成石英ガラスのブランクに成形する。SiO2スート体のガラス化の間、回転対称性の特性プロファイルを有する、完全に円柱形の石英ガラス体が形成される。好ましくは、スート体はVAD法により完全に円柱形の成形物として形成されたものであり、回転対称性の特性プロファイルを有する。このスート体から出発して、対応する完全に円柱形の合成石英ガラスのブランクが製造される。単一の炉内でのガラス化及び成形は、中間的な保管輸送をせずに、効率的な製造プロセスを保証し、これにより、光学部品や半導体産業におけるプロセス部品として用いられる合成石英ガラスの純度に関する高い要求を満たす。

0019

更に、ガラス化された、完全に円柱形の石英ガラス体が溶融モールド内で中心方位で軟化する間、従来技術のような保持ロッド又は保持棒は使用されないが、センタリングは、制御された供給と溶融モールドの底板上のセンタリング手段への石英ガラス体の接触によって行われる。この溶融モールドの底板上のセンタリング手段によって、石英ガラス体が傾くことが防止されるため、成形の間、回転対称性が維持され、均質な回転対称性の特性プロファイルが、ガラス化された石英ガラス体からブランクへと伝わる。

0020

スート体が完全にガラス化された後に石英ガラス体となった場合のみ、気泡及び脈理のない成形が可能であることが明らかとなった。ガラス化プロセスと成形プロセスとの明確な分離と時系列により、例えば、依然として多孔質状態スート材料が粘性石英ガラス塊に含まれて、内包される際に生じるガスの包含が回避される。

0021

石英ガラス体は、ガラス化後、一時的な冷却をせずに、同じ炉システムで、ガラス化温度より高い温度で溶融モールド内に導入されることによって成形される。溶融モールドはセンタリング手段を伴う底板を有しており、完全に円柱形の石英ガラス体がこの底板に配置されると、そこでセンタリング手段が石英ガラス体を中心にセンタリングする。これにより、底板における傾きや移動を防ぐことができる。完全に円柱形の石英ガラス体は、その下端が平らな表面を有しておらず、底板のセンタリング手段にうまく適合する半球状のドームを有している。温度上昇により、石英ガラス体は粘性塊に軟化し、この塊は溶融モールドに分布してその容積を完全に又は部分的に満たす。その結果、冷却後、ブランクを溶融モールドから取り出すことができる。このようにして製造された完全に円柱形のブランクは、加熱領域に供給された完全に円柱形のSiO2スート体と実質的に同じ回転対称性分布を示す。従って、本発明の方法により、ねじりなどのブランクへの均質化手段が必要なくなる。また、ガラス化後の炉システムの交換が必要ないため、不純物の導入の危険性が最小化される。

0022

底板上のセンタリング手段が、回転対称性トラフとして構成される場合に特に有利であることが分かった。このようなトラフ又はトラフ状の窪みは、底板の中心に配置され、完全に円柱形の形状を有するガラス化された石英ガラス体の下端に最適な方法で適合される。この石英ガラス体は、通常、その端がまっすぐな表面でなく、底板のトラフの対となるドームを有する。このセンタリング手段の設計は、回転対称性の特性プロファイルを維持しながら、軟化された石英ガラス塊の均質な流動を促進する。

0023

更に、特に正確な供給に関して、溶融モールドへの制御された供給が、移動ユニットと組み合わせられた、ガラス化された石英ガラス体の上端に作用する保持装置によって行われる場合に有用であることが分かった。これにより、ガラス化された石英ガラス体が、その上端と下端でガイドされる。石英ガラス体の上端の保持装置は、例えば、いわゆる石英ガラスのハンドルを有する黒鉛鎖を含む。移動ユニットは、保持装置に作用し、垂直方向及び径方向での、スート体の加熱領域への運動、石英ガラス体の溶融モールドへの運動、及び、石英ガラス体の成形中の運動を制御する。

0024

移動ユニットは、溶融モールドの底板上にガラス化された石英ガラス体が配置された時や溶融モールドにおける石英ガラス体の成形の間に、垂直方向の力を記録し、供給速度の最適な制御を可能にする力変換器を含むことが有利である。

0025

溶融モールドにおいて、ガラス化された石英ガラス体を、その下端から始まり、底部から上部まで成形し、時間単位当たり供給される石英ガラス体の塊が時間単位当たり軟化される石英ガラス塊に相当するように、上記供給を制御することが有利である。この手段により、軟化された石英ガラス体の流動を通じて、成形操作度合いに相当する速度で、ガラス化された石英ガラス体を移動又は下降させることができる。ここで、この流動速度は、軟化温度と供給された石英ガラス体の質量によって決定される。

0026

石英ガラス体が溶融モールドの底板に中心位置で置かれた後、流動によって成形プロセスが開始される。ハンドルと黒鉛鎖からなる保持装置は、部分的にまだ軟化されていない石英ガラス体を伴う集合体全体が引っ張られたままとなるようにし、均一で、回転対称性な軟化された石英ガラスの流動を確保する。成形の間、溶融モールド内の或る高さ位置で、石英ガラス体の下端と粘性石英ガラス塊の間に、多かれ少なかれ球状の移行領域が生じる。この移行領域は、溶融モールドにおける粘性石英ガラス塊の充填高さに概ね一致するか、あるいはこの充填高さより僅かに上に位置する。

0027

完全にガラス化された石英ガラス体は、成形の目的で、石英ガラス体の上端のハンドルの支援により、炉及び加熱領域の下端に位置する溶融モールド内に降ろされ、溶融モールドの底板に中心位置で置かれる。底板のセンタリング手段への接触及び成形の間、供給速度は、2〜5mm/分の範囲であることが有用であることが分かった。供給速度が上記範囲内であれば、底板のセンタリング手段との接触を正確なものとすることができる。

0028

好ましくは、加熱領域のサブ領域において成形が行われ、このサブ領域の長さは、成形される完全に円柱形の石英ガラス体の長さの半分以下である。

0029

成形プロセスの開始時、完全に円柱形の石英ガラス体の上部はまだガラス化温度にあるため、この部分では軟化及び成形は起こらない。このことから、石英ガラス体の部分ごとの軟化が下方から出発して起こり、徐々に上方へ進行する明確な成形プロセスが確保される。これに関連して、石英ガラスの軟化に必要な高い軟化温度が、石英ガラスにおける核生成クリストバライト結晶の望ましくない成長をもたらし得ることに注意を払わなければならない。従って、必要とされる時間のみ、石英ガラスを特に高い温度に曝すことが意図される。

0030

軟化温度は1650℃〜1850℃の範囲に設定することが有利である。

0031

ガラス化温度に比べて上昇された軟化温度により、溶融モールドの領域において、石英ガラス体は軟化し、溶融モールドの容積を完全に又は部分的に満たす粘性石英ガラス塊を形成する。溶融モールドの底板のセンタリング手段であるトラフ状の窪みにより、また、石英ガラス体の上端でのガイド(ハンドル、黒鉛鎖、及び移動ユニット)により、石英ガラス体の傾きや移動が防止される。これにより、完全に円柱形のスート体の堆積中に与えられた回転対称性の特性プロファイルが維持される。

0032

好ましくは、完全に円柱形の石英ガラス体を、実質的に一定の軟化温度で、15分〜200分、成形する。

0033

成形工程は、ガラス化工程の後に、実質的に一定の軟化温度で行われる。軟化温度及び操作温度持続期間は、成形される石英ガラス体の体積に依存するが、ガラス化温度より明らかに高いものである。成形工程の最終段階では、ブランクの所望する十分な円柱形状を得るための成形プロセスが実質的に完了するが、ブランクの壁及び上側は依然として平滑にしなければならず、そのためには上記の昇温された軟化温度の範囲内の段階で十分である。

0034

この手段は、成形された石英ガラス体を可能な限り均質な温度範囲内で均一に加熱する場合に特に効果的である。

0035

加工される多孔質SiO2スート体としては、このスート体がVAD法により製造された完全に円柱形のスート体である場合が特に有利である。

0036

VAD法により、回転する石英ガラスロッドの表面上にSiO2スート粒子を層状に堆積することで、長手軸を有する完全に円柱形のスート体を得ることができる。このスート体は、基材ロッドの速度と堆積用バーナーの制御が互いにマッチするため、均質な特性プロファイルを有する。スート体が基材上で中空円筒体としてその直径を成長させるOVD法によるスート堆積と比較して、VAD法により製造されたスート体と、そこから成形された十分な円柱体は、中心領域に特性プロファイルの欠陥がない。均質な回転対称性の特性プロファイルを有する完全に円柱形のSiO2スート体の製造に関して、VAD法により製造された完全に円柱形のSiO2スート体は、本発明の方法における出発材料として有利である。

0037

本発明の好ましい実施形態では、工程(a)によるガラス化の間、加熱領域は、スート体の全長垂直方位で、スート体に作用する。この場合、完全に円柱形のスート体は、その円周面全体で、加熱作用を受ける。ガラス化は、外側から内側に向かって径方向に均一に起こり、その結果、スート体の寸法比の実質的な変化はないが、一定の体積収縮が生じる。同様に、スート体の特性プロファイルも維持され、完全にガラス化された石英ガラス体に伝わる。

0038

これに代わって、スート体を、その下端から始まり、底部から上部まで、長手軸の垂直方位で、領域ごとにガラス化する場合も有利である。ガラス化されるスート体は、まず、上方から加熱領域に供給され、ガラス化がその下端から開始される。部分的にガラス化されたスート体を加熱領域を通って更に降下させることによって、ガラス化部分を更に上昇させ、最終的に完全にガラス化された石英ガラス体を得ることができる。

0039

成形の際にはもはや除去できないガスの内包がサブ領域に依然として含まれる危険性を最小化するため、長手軸の垂直方位における底部から上部までの領域ごとの完全に円柱形のスート体のガラス化は、正確に制御された供給速度及び温度調整の下で行わなければならない。これに関連して、領域ごとにガラス化する間、スート体を、2〜10mm/分の範囲の供給速度で、加熱領域に供給する場合に有利であることが分かった。供給速度が2〜10mm/分の範囲内であれば、少なくとも30cmの標準的な加熱領域長と組み合わせて、少なくともスート体の典型的な寸法(300mm〜400mmの範囲の外径を有する)では完全なガラス化が保証される、加熱領域におけるスート体の滞留時間を得ることができる。

0040

ガラス化温度は、1200℃〜1600℃の範囲で調整されることが有利である。これは、全体的なガラス化と領域ごとのガラス化の両方に適用される。

実施例

0041

以下、特許図面と実施形態を参照し、本発明をより詳細に説明する。

図面の簡単な説明

0042

本発明の方法を実施するための概略的なプロセス図である。

0043

図1図式は、本発明の方法により完全に円柱形のブランクを製造するための工程(a)及び(b)を集合体を用いて示している。

0044

まず、VAD法により製造され、乾燥工程を受けた完全に円柱形のSiO2スート体1を、全体として符号2で示される真空炉に供給する。外径300mm、長さ約2mのSiO2スート体1を上方から、サセプタ22の周りに配置された加熱要素21a、21bを有する真空炉2内に導入する。加熱領域21は、ガラス化区間では加熱要素21aにより、成形区間では加熱要素21bにより別々に制御可能であるため、サセプタ22の長さに対して、2つの温度の異なる部分を設定することができる。真空炉2の下端は、底板24がトラフ状の窪み24aを有する溶融モールド23によって満たされている。

0045

第1の工程(a)では、スート体1は、いわゆる石英ガラスハンドル4を有する黒鉛鎖3から吊され、移動ユニット5によって制御されて、炉2のガラス化領域に導入され、そこで約1400℃の温度で加熱される。真空炉2内では、0.1Pa未満(絶対値)の負の圧力が維持される。このプロセスで、完全に円柱形のスート体1は、外周面から出発した内側に向かって、均一な方法でそれぞれ焼結及びガラス化され、その結果、外径約200mm、長さ約1.5mの気泡のない均質な透明石英ガラス体6が得られる。この完全に円柱形の石英ガラス体6は、下端に半球状のドームを有しており、上端に石英ガラスハンドル4と融合したほぼ球状のドームを形成する。ガラス化工程は、加熱領域21内で約10時間のスート体1の滞留時間で完了する。

0046

次に、成形工程(b)を行う。ガラス化された完全に円柱形の石英ガラス体6は、上端に作用する黒鉛製保持器4と移動ユニット5の支援により、溶融モールド23の底板24の中心に配置されたトラフ24aへと更に下がる。石英ガラス体6の下端の円形ドームは、底板24のトラフ状の窪み24aにうまく嵌る。このとき、溶融モールド23の領域における加熱領域21の温度は、2.5K/分の加熱速度で、1400℃から1750℃に上昇する。これにより、中心位置で底板24のトラフ24aに保持された石英ガラス体6の下部が軟化し、溶融モールド23内に徐々に流入する。溶融モールド23は、加熱領域21の下部内に完全に位置し、その結果、溶融モールド23の高さに亘って均質な温度プロファイルが得られる。ガラス化及び成形プロセス全体の間、真空度は維持される。

0047

第1の加熱及び変形段階の完了後、粘性石英ガラス塊7上に圧潰された未だに変形していない石英ガラス体6の重量は、初期の重量に比べておよそ半分になり、その後、実質的に石英ガラス体6の残りの上部のみに関する第2の成形段階を実施する。ここで、温度を5K/分の速い加熱速度で1800℃に更に上げる。この加熱段階の間に、石英ガラス体の残りの上部も軟化し、ほぼ完全に溶融モールド23内に流入することで、溶融モールドの内容積がほぼ完全に満たされる。石英ガラス体6の供給は、黒鉛鎖3が若干の機械的張力下で常に維持されるように制御される。これにより、黒鉛鎖3、ハンドル4、及び石英ガラス体の上部は、引っ張られた集合体を形成する。このプロセスは、黒鉛鎖3上又は移動ユニット5内の力変換器(不図示)によって支援することができ、この変換器は、石英ガラス体6から粘性石英ガラス塊7が成形される程度に黒鉛鎖3が引っ張られることを確保する。軟化された石英ガラス塊7の割合と、未軟化の石英ガラス体7の割合との比は、移動ユニット5と組み合わせられた、黒鉛鎖3とハンドル4からなる保持装置による供給運動を定める。

0048

これらの2つの成形段階の目的は、溶融モールド23内の石英ガラス塊7の粘性を、石英ガラス体の未成形部分の徐々に減少する重量に適応させることである。明確でゆっくりとした慎重な粘性の低下は、溶融欠陥、特に転位及び螺旋状のバブルリングの形成を阻止する。

0049

その後、最後の成形段階で、予め達していた1800℃の温度を更に20分間維持する。これにより、成形された石英ガラスブロックの上側を平滑にすることで、材料損失を軽減する。

0050

冷却後、溶融モールドを開き、完全に円柱形の石英ガラスブロックの形態でブランクを取り出す。まず、ブランクの表面を形成する水平カットにより、ブランクの上端で石英ガラスハンドル4を伴うドームを除去する。更に、ブランクの下面側と円周側で表層を除去する。これにより、特に、溶融モールドの底板のトラフによって形成された隆起が除去される。これらの平面側研磨することで、約380mmの直径、200mmの厚さのブランクが得られる。このブランクは、気泡がなく、実質的に脈理がなく、堆積やその他の先行するプロセスパラメーターにより最初に定められたような屈折率や水酸基の含有量に関して、回転対称性の特性プロファイルを有することによって特徴付けられる。このブランクは、フランジ又はウエハキャリアなどの半導体製造用又は光学部品用の石英ガラス部品に特に好適である。

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