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課題

ヒトアルファシヌクレインに結合し、レビー小体病の免疫療法に使用することが可能であるヒト化9E4抗体の提供。

解決手段

特定の配列を持つ3つのカバCDRを含み、特定の配列と少なくとも90%同一の成熟重鎖可変領域、および、特定の配列を持つの3つのカバトCDRを含み、特定の配列と少なくとも90%同一の成熟軽鎖可変領域を含む抗体、及びその配列、製造方法、医薬組成物

概要

背景

関連出願の参照
本出願は、2011年10月28日出願の米国特許仮出願第61/553,131号および2012年10月8日出願の米国特許仮出願第61/711,208号に基づく優先権を主張し、これらの出願の各々は、あらゆる目的のために、参照によってその全体が組み込まれる。

配列リストの参照
ファイル424859SEQLIST.txtに記載された配列リストは、34キロバイトであり、2012年10月24日に作成された。このファイルに含まれている情報は、参照によって本明細書に組み込まれる。

背景技術
レビー小体病(LBD)としても知られるシヌクレイン病は、ドーパミン作動系変性運動変化認識機能障害、ならびに、レビー小体(LB)および/またはレビー神経突起の形成によって特徴付けられる(McKeith et al.,Neurology(1996)47:1113−24)。シヌクレイン病には、パーキンソン病特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、レビー小体変異型アルツハイマー病(LBV)、併発アルツハイマー病/パーキンソン病、純粋自律神経不全症、および、多系統萎縮症(MSA;たとえば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、およびシャイ・ドレーガー症候群)が含まれる。いくつかの非運動兆候および症状が、疾患の前駆期(つまり、発症前期無症状期、前臨床期またはプレモーター期)におけるシヌクレイン病の前触れであると考えられている。そのような早期兆候には、たとえば、レム睡眠行動障害RBD)、嗅覚消失および便秘が含まれる(Mahowald et al.,Neurology(2010)75:488−489)。レビー小体病は、依然として、老齢人口における運動障害および認知力低下の一般的な原因である(Galasko et al.,Arch.Neurol.(1994)51:888−95)。

アルファシヌクレインは、ベータシヌクレインおよびガンマシヌクレインならびにシノレチンを含むタンパクの大きなファミリーの一部である。アルファシヌクレインは、シナプスに関連する正常な状態で発現し、神経可塑性、学習および記憶において役割を有すると考えられている。アルファシヌクレインがPD発病の主たる役割を有することを、いくつかの研究が示唆している。病的な状態において、このタンパクは凝集して不溶原繊維を形成し得る。たとえば、シヌクレインはLB中に蓄積する(Spillantini et al.,Nature(1997)388:839−40;Takeda et al.,J.Pathol.(1998)152:367−72;Wakabayashi et al.,Neurosci.Lett.(1997)239:45−8)。アルファシヌクレイン遺伝子における変異は、パーキンソン症候群希少家族型と共分離する(Kruger et al.,Nature Gen.(1998)18:106−8;Polymeropoulos,et al.,Science(1997)276:2045−7)。遺伝子導入マウス(Masliah et al.,Science(2000)287:1265−9)およびショウジョウバエ(Feany et al.,Nature(2000)404:394−8)におけるアルファシヌクレインの過剰発現は、レビー小体病のいくつかの病理的側面によく似た症状を呈する。しかも、シヌクレインの可溶性オリゴマーが、神経毒性を有するかも知れないことが示唆されている(Conway KA,et al.,Proc Natl Acad Sci USA(2000)97:571−576;VollesMJ,Lansbury PT,Jr Biochemistry(2003)42:7871−7878)。ヒト、マウスハエなどの多様な種および動物モデルにおける形態学的および神経学的変化を伴うアルファシヌクレインの蓄積は、この分子がレビー小体病の進行に寄与することを示唆している。

概要

ヒトアルファシヌクレインに結合し、レビー小体病の免疫療法に使用することが可能であるヒト化9E4抗体の提供。特定の配列を持つ3つのカバCDRを含み、特定の配列と少なくとも90%同一の成熟重鎖可変領域、および、特定の配列を持つの3つのカバトCDRを含み、特定の配列と少なくとも90%同一の成熟軽鎖可変領域を含む抗体、及びその配列、製造方法、医薬組成物。なし

目的

本発明は、配列番号11の3つのカバトCDRを含み、配列番号11と少なくとも90%同一の成熟ヒト化重鎖可変領域、および、配列番号4の3つのカバトCDRを含み、配列番号4と少なくとも90%同一のヒト化軽鎖を含む抗体を提供する

効果

実績

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請求項1

列番号11の3つのカバCDRを含み、配列番号11と少なくとも90%同一の成熟重鎖可変領域、および、配列番号4の3つのカバトCDRを含み、配列番号4と少なくとも90%同一の成熟軽鎖可変領域を含むことを特徴とする抗体。

請求項2

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項3

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項4

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項5

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項6

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項7

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項8

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項9

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項10

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項11

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項12

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項13

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項14

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも95%同一であり、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも95%同一であることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項15

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項16

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項17

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項18

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項19

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項20

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項21

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項22

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項23

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められていることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項24

位置L83(カバト番号付け)はLによって占められていることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項25

位置H73(カバト番号付け)はDによって占められていることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項26

位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項27

位置H93(カバト番号付け)はAによって占められていることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項28

位置L36(カバト番号付け)はYまたはFによって占められ得、位置L83(カバト番号付け)はFまたはLによって占められ得、位置H73(カバト番号付け)はNまたはDによって占められ得、位置H93(カバト番号付け)はAまたはSによって占められ得ることを除いて、前記成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号11であり、前記成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列は配列番号4であることを特徴とする請求項1に記載の抗体。

請求項29

配列番号11の3つのカバトCDRを含むヒト化重鎖、および、配列番号4の3つのカバトCDRを含むヒト化軽鎖を含み、ただし、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、および/または、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、および/または、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、および/または、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする抗体。

請求項30

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項31

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項32

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項33

位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項34

位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項35

位置H73(カバト番号付け)はDによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項36

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項37

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項38

位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められていることを特徴とする請求項29に記載の抗体。

請求項39

前記成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合し、前記成熟軽鎖定常領域は軽鎖定常領域に融合していることを特徴する請求項1〜38のいずれか1項に記載の抗体。

請求項40

前記重鎖定常領域は、配列番号14に指定されるアミノ酸配列を有し、C末端リジン残基は省略されてもよいことを特徴とする請求項39に記載の抗体。

請求項41

前記軽鎖定常領域は、配列番号13に指定されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項39に記載の抗体。

請求項42

前記軽鎖は、配列番号28に指定される定常領域を有することを特徴とする請求項39に記載の抗体。

請求項43

前記重鎖定常領域は、天然ヒト定常領域に比べてFcγ受容体への結合が少ない、天然ヒト定常領域の変異型であることを特徴とする請求項1〜42のいずれか1項に記載の抗体。

請求項44

前記重鎖定常領域はヒトIgGアイソタイプであることを特徴とする請求項1〜43のいずれか1項に記載の抗体。

請求項45

請求項1〜44のいずれか1項に規定の成熟重鎖可変領域および/または成熟軽鎖可変領域をコードすることを特徴とする核酸

請求項46

配列番号15,17,18,19および20のいずれか1つを含む配列を有することを特徴とする請求項45に記載の核酸。

請求項47

請求項45または46の核酸を含むベクターを含むことを特徴とする宿主細胞

請求項48

シヌクレイン病を有するまたはシヌクレイン病の危険性のある患者治療する方法であって、請求項1〜40のいずれか1項に規定の抗体の有効な投与計画を前記患者に実施することを含むことを特徴とする方法。

請求項49

前記患者はレム睡眠行動障害RBD)を有することを特徴とする請求項48に記載の方法。

請求項50

レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてレビー小体を検出する方法であって、レビー小体に結合する、請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体の有効量を前記患者に投与すること、および、前記患者において結合した抗体を検出することを含むことを特徴とする方法。

請求項51

前記抗体は標識されていることを特徴とする請求項50に記載の方法。

請求項52

レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてレビー小体形成を低減する方法であって、請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体の有効量を前記患者に投与することを含むことを特徴とする方法。

請求項53

レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてシヌクレイン凝集阻害し、またはレビー小体もしくはシヌクレイン凝集物を低減する方法であって、請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体の有効量を前記患者に投与することを含むことを特徴とする方法。

請求項54

前記疾患はパーキンソン病であることを特徴とする請求項48〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項55

前記疾患は、多系統萎縮症(MSA)またはレビー小体型認知症(DLB)であることを特徴とする請求項48〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項56

請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体を含むことを特徴とする医薬組成物

請求項57

抗体を生産する方法であって、前記抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸で形質転換した細胞を培養して、前記細胞に前記抗体を分泌させること、および、細胞培養培地から前記抗体を精製することを含み、前記抗体が請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体であることを特徴とする方法。

請求項58

抗体を産生する細胞株を生産する方法であって、分泌可能なマーカーならびに抗体の重鎖および軽鎖をコードするベクターを細胞に導入すること;前記ベクターの複製数増した細胞を選択する条件で前記細胞を増殖させること;選択した細胞から単一細胞を単離すること、および、抗体の収率に基づいて選択した単一細胞からクローン化した細胞をバンクすることを含み、前記抗体が請求項1〜44のいずれか1項に規定の抗体であることを特徴とする方法。

請求項59

選択条件で細胞を増殖させること、および、天然発現し少なくとも100mg/L/106細胞/24時間で分泌する細胞株をスクリーニングすることをさらに含むことを特徴とする請求項58に記載の方法。

請求項60

前記患者における認識機能の低下が阻止されることを特徴とする請求項48,52〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項61

神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物が低減されることを特徴とする請求項48,52〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項62

前記患者における神経突起ジストロフィーが低減されることを特徴とする請求項48,52〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項63

シナプス密度および/または樹状密度が保存されることを特徴とする請求項48,52〜53のいずれか1項に記載の方法。

請求項64

前記患者におけるシナプトフィジンおよび/またはMAP2を保存することを特徴とする請求項48,52〜53のいずれか1項に記載の方法。

背景技術

0001

関連出願の参照
本出願は、2011年10月28日出願の米国特許仮出願第61/553,131号および2012年10月8日出願の米国特許仮出願第61/711,208号に基づく優先権を主張し、これらの出願の各々は、あらゆる目的のために、参照によってその全体が組み込まれる。

0002

配列リストの参照
ファイル424859SEQLIST.txtに記載された配列リストは、34キロバイトであり、2012年10月24日に作成された。このファイルに含まれている情報は、参照によって本明細書に組み込まれる。

0003

背景技術
レビー小体病(LBD)としても知られるシヌクレイン病は、ドーパミン作動系変性運動変化認識機能障害、ならびに、レビー小体(LB)および/またはレビー神経突起の形成によって特徴付けられる(McKeith et al.,Neurology(1996)47:1113−24)。シヌクレイン病には、パーキンソン病特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、レビー小体変異型アルツハイマー病(LBV)、併発アルツハイマー病/パーキンソン病、純粋自律神経不全症、および、多系統萎縮症(MSA;たとえば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、およびシャイ・ドレーガー症候群)が含まれる。いくつかの非運動兆候および症状が、疾患の前駆期(つまり、発症前期無症状期、前臨床期またはプレモーター期)におけるシヌクレイン病の前触れであると考えられている。そのような早期兆候には、たとえば、レム睡眠行動障害RBD)、嗅覚消失および便秘が含まれる(Mahowald et al.,Neurology(2010)75:488−489)。レビー小体病は、依然として、老齢人口における運動障害および認知力低下の一般的な原因である(Galasko et al.,Arch.Neurol.(1994)51:888−95)。

0004

アルファシヌクレインは、ベータシヌクレインおよびガンマシヌクレインならびにシノレチンを含むタンパクの大きなファミリーの一部である。アルファシヌクレインは、シナプスに関連する正常な状態で発現し、神経可塑性、学習および記憶において役割を有すると考えられている。アルファシヌクレインがPD発病の主たる役割を有することを、いくつかの研究が示唆している。病的な状態において、このタンパクは凝集して不溶原繊維を形成し得る。たとえば、シヌクレインはLB中に蓄積する(Spillantini et al.,Nature(1997)388:839−40;Takeda et al.,J.Pathol.(1998)152:367−72;Wakabayashi et al.,Neurosci.Lett.(1997)239:45−8)。アルファシヌクレイン遺伝子における変異は、パーキンソン症候群希少家族型と共分離する(Kruger et al.,Nature Gen.(1998)18:106−8;Polymeropoulos,et al.,Science(1997)276:2045−7)。遺伝子導入マウス(Masliah et al.,Science(2000)287:1265−9)およびショウジョウバエ(Feany et al.,Nature(2000)404:394−8)におけるアルファシヌクレインの過剰発現は、レビー小体病のいくつかの病理的側面によく似た症状を呈する。しかも、シヌクレインの可溶性オリゴマーが、神経毒性を有するかも知れないことが示唆されている(Conway KA,et al.,Proc Natl Acad Sci USA(2000)97:571−576;VollesMJ,Lansbury PT,Jr Biochemistry(2003)42:7871−7878)。ヒト、マウスハエなどの多様な種および動物モデルにおける形態学的および神経学的変化を伴うアルファシヌクレインの蓄積は、この分子がレビー小体病の進行に寄与することを示唆している。

0005

本発明は、配列番号11の3つのカバCDRを含み、配列番号11と少なくとも90%同一の成熟ヒト化重鎖可変領域、および、配列番号4の3つのカバトCDRを含み、配列番号4と少なくとも90%同一のヒト化軽鎖を含む抗体を提供する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11と少なくとも95%,96%,97%,98%または99%同一であり、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4と少なくとも95%,96%,97%,98%または99%同一である。いくつかの抗体において、位置L36(カバト番号付け)はYまたはFによって占められ得、位置L83(カバト番号付け)はFまたはLによって占められ得、位置H73(カバト番号付け)はNまたはDによって占められ得、位置H93(カバト番号付け)はAまたはSによって占められ得る。そのような抗体のいくつかにおいて、前記成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列は、他の点では、配列番号11のアミノ酸配列であり、前記成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、他の点では、配列番号4のアミノ酸配列である。

0006

いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号8に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号9に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号4に指定されるアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体において、前記成熟重鎖可変領域は、配列番号11に指定されるアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有する。

0007

本発明はさらに、配列番号11の3つのカバトCDRを含むヒト化重鎖、および、配列番号4の3つのCDRを含むヒト化軽鎖を含み、ただし、位置L36(カバト番号付け)はFまたはYによって占められ、および/または、位置L83(カバト番号付け)はLまたはFによって占められ、および/または、位置H73(カバト番号付け)はDまたはNによって占められ、および/または、位置H93(カバト番号付け)はSまたはAによって占められている抗体を提供する。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H83はLによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H93はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置H83はLによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置H73はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置H93はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置L83はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置L83はLによって占められ、位置H93はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はFによって占められ、位置L83はLによって占められ、位置H73はDによって占められ、位置H93はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36,L83,H73およびH93(カバト番号付け)の残基は、表1に示すアミノ酸によって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)または位置L83(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSよって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はNによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。

0008

上記抗体のいずれにおいても、前記成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合することができ、前記成熟軽鎖定常領域は軽鎖定常領域に融合することができる。

0009

上記抗体のいずれにおいても、前記重鎖定常領域は天然ヒト定常領域に比べてFcγ受容体への結合が少ない、天然ヒト定常領域の変異型であり得る。

0010

上記抗体のいずれにおいても、前記重鎖定常領域はヒトIgGアイソタイプであり得る。いくつかの抗体において、前記アロタイプはG1m3である。いくつかの抗体において、前記アロタイプはG1m1である。

0011

本発明はさらに、上述の成熟重鎖可変領域のいずれか、および/または、上述の成熟軽鎖可変領域のいずれかをコードする核酸、たとえば、配列番号15,17,18,19および20を提供する。

0012

本発明はさらに、上述の核酸のいずれかを含むベクターを含む宿主細胞を提供する。

0013

本発明はさらに、レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者治療する方法であって、上述の抗体のいずれかの有効な投与計画を前記患者に実施することを含む方法を提供する。いくつかの方法において、前記疾患はパーキンソン病である。いくつかの方法において、前記患者における認識機能の低下が阻止される。いくつかの方法において、神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物が低減される。いくつかの方法において、前記患者における神経突起ジストロフィーが低減される。いくつかの方法において、シナプスおよび/または樹状密度が保存される。いくつかの方法において、前記患者におけるシナプトフィジンおよび/またはMAP2が保存される。

0014

本発明はさらに、シヌクレイン病を有するまたはシヌクレイン病の危険性のある患者を治療する方法であって、上述の抗体のいずれかの有効な投与計画を前記患者に実施することを含む方法を提供する。いくつかの方法において、前記疾患はパーキンソン病である。いくつかの方法において、前記疾患はレム睡眠行動障害(RBD)である。いくつかの方法において、前記疾患は、レビー小体型認知症(DLB)または多系統萎縮症(MSA)である。いくつかの方法において、前記患者における認識機能の低下が阻止される。いくつかの方法において、神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物が低減される。いくつかの方法において、前記患者における神経突起ジストロフィーが低減される。いくつかの方法において、シナプスおよび/または樹状密度が保存される。いくつかの方法において、前記患者におけるシナプトフィジンおよび/またはMAP2が保存される。

0015

本発明はさらに、レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてレビー小体を検出する方法であって、レビー小体に結合する上述の抗体のいずれかの有効量を前記患者に投与し、前記患者において結合した抗体を検出することを含む方法を提供する。いくつかの方法において、前記疾患はパーキンソン病である。いくつかの方法において、前記疾患は、レビー小体型認知症(DLB)または多系統萎縮症(MSA)である。いくつかの方法において、前記抗体は標識されている。

0016

本発明はさらに、レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてレビー小体形成を低減する方法であって、上述の抗体のいずれかの有効量を前記患者に投与することを含む方法を提供する。いくつかの方法において、前記疾患はパーキンソン病である。いくつかの方法において、前記疾患は、レビー小体型認知症(DLB)または多系統萎縮症(MSA)である。いくつかの方法において、前記患者における認識機能の低下が阻止される。いくつかの方法において、神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物が低減される。いくつかの方法において、前記患者における神経突起ジストロフィーが低減される。いくつかの方法において、シナプスおよび/または樹状密度が保存される。いくつかの方法において、前記患者におけるシナプトフィジンおよび/またはMAP2が保存される。

0017

本発明はさらに、レビー小体病を有するまたはレビー小体病の危険性のある患者においてシヌクレイン凝集阻害し、またはレビー小体もしくはシヌクレイン凝集物を低減する方法であって、上述の抗体のいずれかの有効量を前記患者に投与することを含む方法を提供する。いくつかの方法において、前記疾患はパーキンソン病である。いくつかの方法において、前記疾患は、レビー小体型認知症(DLB)または多系統萎縮症(MSA)である。いくつかの方法において、前記患者における認識機能の低下が阻止される。いくつかの方法において、神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物が低減される。いくつかの方法において、前記患者における神経突起ジストロフィーが低減される。いくつかの方法において、シナプスおよび/または樹状密度が保存される。いくつかの方法において、前記患者におけるシナプトフィジンおよび/またはMAP2が保存される。

0018

本発明はさらに、上述の抗体のいずれかを含む医薬組成物を提供する。

0019

本発明はさらに、抗体を生産する方法であって、前記抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸で形質転換した細胞を培養して、前記細胞に前記抗体を分泌させること、および、細胞培養培地から前記抗体を精製することを含み、前記抗体が上述の抗体のいずれかである方法を提供する。

0020

本発明はさらに、抗体を産生する細胞株を生産する方法であって、抗体の重鎖および軽鎖をコードするベクターならびに分泌可能なマーカーを細胞に導入すること;前記ベクターの複製数増した細胞を選択する条件で前記細胞を増殖させること;選択した細胞から単一細胞を単離すること、および、選択した単一細胞から抗体の収率に基づいてクローン化した細胞をバンクすることを含み、前記抗体が上述の抗体のいずれかである方法を提供する。いくつかのそのような方法は、選択条件で細胞を増殖させること、および、天然に発現し少なくとも100mg/L/106細胞/24時間で分泌する細胞株をスクリーニングすることをさらに含む。

図面の簡単な説明

0021

ヒト化9E4重鎖成熟可変領域を有する親マウスmAb(m9E4ともいう)アミノ酸配列の整合を示す図。1791009Hu9E4VHFr(配列番号7)はヒト受容体VH配列である。カバトの定義によるCDR領域を、下線を付し太字で示す。

0022

ヒト化9E4軽鎖成熟可変領域を有する親マウスmAb(m9E4ともいう)アミノ酸配列の整合を示す図。63102889Hu9E4VLFr(配列番号2)はヒト受容体VL配列である。カバトの定義によるCDR領域を、下線を付し太字で示す。

0023

リス水迷路試験プローブ部分における記憶力に対する9E4での受動免疫療法の結果を示す図。

0024

ラウンドビームテストにおける速さおよびエラーに対する9E4での受動免疫療法の結果を示す図。

0025

罹患組織から採取した抗原に対するヒト化9E4抗体の種々のバージョン免疫沈降を示す図。Ch9E4:キメラ9E4;H1L3:Hu9E4VHv1−Hu9E4VLv3;H3L2:Hu9E4VHv3−Hu9E4VLv2;H3L3:Hu9E4VHv3−Hu9E4VLv3;N.S.=非特異的。

0026

マウス抗体キメラ抗体およびヒト化9E4抗体での組み換えヒトシヌクレインのウエスタンブロットを示す図。

0027

配列の簡単な説明
配列番号1は、m9E4VL可変領域のアミノ酸配列である。

0028

配列番号2は、63102889Hu9E4VLFr可変領域のアミノ酸配列である。

0029

配列番号3は、Hu9E4VLv1可変領域のアミノ酸配列である。

0030

配列番号4は、Hu9E4VLv2可変領域のアミノ酸配列である。

0031

配列番号5は、Hu9E4VLv3可変領域のアミノ酸配列である。

0032

配列番号6は、m9E4VH可変領域のアミノ酸配列である。

0033

配列番号7は、1791009Hu9E4VHFr可変領域のアミノ酸配列である。

0034

配列番号8は、Hu9E4VHv1可変領域のアミノ酸配列である。

0035

配列番号9は、Hu9E4VHv2可変領域のアミノ酸配列である。

0036

配列番号10は、Hu9E4VHv3可変領域のアミノ酸配列である。

0037

配列番号11は、Hu9E4VHv4可変領域のアミノ酸配列である。

0038

配列番号12は、天然ヒト野生型アルファシヌクレインのアミノ酸配列である。

0039

配列番号13は、N末端アルギニンを有する、ヒト化9E4軽鎖定常領域のアミノ酸配列である。

0040

配列番号14は、ヒト化9E4重鎖定常領域のアミノ酸配列である。

0041

配列番号15は、Hu9E4VLv1可変領域のヌクレオチド配列である。

0042

配列番号16は、Hu9E4VLv2可変領域のヌクレオチド配列である。

0043

配列番号17は、Hu9E4VLv3可変領域のヌクレオチド配列である。

0044

配列番号18は、Hu9E4VHv1可変領域のヌクレオチド配列である。

0045

配列番号19は、Hu9E4VHv2可変領域のヌクレオチド配列である。

0046

配列番号20は、Hu9E4VHv3可変領域のヌクレオチド配列である。

0047

配列番号21は、Hu9E4VHv4可変領域のヌクレオチド配列である。

0048

配列番号22は、Hu9E4VLシグナルペプチドのアミノ酸配列である。

0049

配列番号23は、Hu9E4VLシグナルペプチドのヌクレオチド配列である。

0050

配列番号24は、Hu9E4VHシグナルペプチドのアミノ酸配列である。

0051

配列番号25は、Hu9E4VHシグナルペプチドのヌクレオチド配列である。

0052

配列番号26は、Hu9E4VLコンセンサスアミノ酸配列である。

0053

配列番号27は、Hu9E4VHコンセンサスアミノ酸配列である。

0054

配列番号28は、N末端にアルギニンを有しない、ヒト化9E4軽鎖定常領域のアミノ酸配列である。

0055

配列番号29は、(a)可変領域、および、(b)N末端にアルギニンを有する定常領域を含むバージョン3ヒト化9E4軽鎖のアミノ酸配列である。

0056

配列番号30は、(a)可変領域、および、(b)N末端にアルギニンを有しない定常領域を含むバージョン3ヒト化9E4軽鎖のアミノ酸配列である。

0057

配列番号31は、可変領域および定常領域を含むバージョン3ヒト化9E4重鎖のアミノ酸配列である。

0058

配列番号32は、ヒト化9E4重鎖G1m3アロタイプ定常領域のBIPバージョンのアミノ酸配列である。

0059

定義
モノクローナル抗体は、一般に、単離型で提供される。これは、抗体が、一般に、その産生または精製で生じるタンパクおよび他の高分子から、少なくとも50%w/w純粋であるが、モノクローナル抗体が、その使用を容易にするための、医薬的に許容される過剰の担体または他の媒体と、組み合わされる可能性を排除するものではない。いくつかのモノクローナル抗体は、産生または精製由来のタンパクおよび他の高分子から、少なくとも60%,70%,80%,90%,95%または99%w/w純粋である。

0060

モノクローナル抗体のその標的抗原への特異的結合とは、少なくとも106,107,108,109,または1010M−1の親和性を意味する。特異的結合は、少なくとも1つの関連のない標的に対して生じる非特異的結合よりも、程度が検出可能に高く、非特異的結合から区別される。非特異的結合は、通常、ファンデルワールス力の結果であるが、特異的結合は、特定の官能基間の結合または特定の空間的合致(たとえば、鍵と鍵穴型)の形成の結果であり得る。ただし、特異的結合は、モノクローナル抗体が1つの標的のみに結合することを必ずしも意味しない。

0061

基本的な抗体構造ユニットは、サブユニット四量体である。各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖対を含み、各対は1つの「軽」(約25kDa)鎖および「重」(約50〜70kDa)鎖を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に主要な関与をする、約100〜110個またはそれより多数のアミノ酸の可変領域を含む。この可変領域は、最初、開裂可能なシグナルペプチドに連結して発現される。シグナルペプチドを有しない可変領域は、成熟可変領域と呼ばれることもある。したがって、たとえば、軽鎖成熟可変領域は、軽鎖シグナルペプチドを有しない軽鎖可変領域を意味する。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主要な関与をする定常領域を規定する。

0062

軽鎖は、カッパまたはラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミューアルファデルタまたはイプシロンに分類され、それぞれ、抗体アイソタイプをIgG,IgMIgAIgDまたはIgEと規定する。軽鎖および重鎖において、可変領域および定常領域は、約12個またはそれより多数のアミノ酸の「J」領域によって結合されており、重鎖は、約10個またはそれより多数のアミノ酸の「D」領域も含む(概して、Fundamental Immunology(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.,1989),Ch.7を参照、あらゆる目的のために、参照によってその全体が組み込まれる)。

0063

軽鎖/重鎖の各対の成熟可変領域は、抗体結合部位を形成する。したがって、抗体全体は、2つの結合部位を有する。二機能性抗体または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同じである。鎖はすべて、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって連結され、比較的保存されている同じ一般構造フレームワーク領域(FR)を示す。各対の2つの鎖からのCDRは、フレームワーク領域によって整合され、これにより特異的エピトープへの結合が可能になっている。N末端からC末端に向かって、軽鎖および重鎖の両者は、FR1,CDR1,FR2,CDR2,FR3,CDR3およびFR4のドメインを含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、カバトの定義、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,MD,1987 and 1991),または、Chothia & Lesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987);Chothia et al.,Nature 342:878−883(1989)に従う。カバトはまた、異なる重鎖間または異なる軽鎖間の対応する残基が、同じ番号を割り当てられる、広く使用されている番号付け規則(カバト番号付け)を提供している(たとえば、H83は成熟重鎖可変領域におけるカバト番号付けでの位置83を意味し、同様に、L36は成熟軽鎖可変領域におけるカバト番号付けでの位置36を意味する)。

0064

「抗体」の用語は、無傷の抗体およびその結合フラグメント包含する。一般に、フラグメントは、別個の重鎖、軽鎖、Fab,Fab’,F(ab’)2,F(ab)c,ダイアボディ,Dabs,ナノボディ,およびFvを含み、標的への特異的結合について、由来元である無傷の抗体と競合する。フラグメントは、組み換えDNA技術によって、または、無傷の抗体の酵素的もしくは化学的分離によって、生成することができる。「抗体」の用語は、また、二重特異性抗体および/またはヒト化抗体を包含する。二重特異性抗体また二機能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する、人工ハイブリッド抗体である(たとえば、Songsivilai and Lachmann,Clin.Exp.Immunol.,79:315−321(1990);Kostelny et al.,J.Immunol.148:1547−53(1992)を参照)。いくつかの二重特異性抗体において、2つの異なる重鎖/軽鎖対には、ヒト化9E4重鎖/軽鎖対、および、9E4が結合するものとは異なるアルファシヌクレイン上のエピトープに特異的な重鎖/軽鎖対が含まれる。ヒト化抗体は、下記のIV Bの欄で概説する。

0065

「エピトープ」の用語は、抗体が結合する抗原上の部位を指す。エピトープは、連続アミノ酸、または、1つ以上のタンパクの三次折り畳みによって並置された不連続アミノ酸で形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、一般に、変性溶媒に曝されても維持され、一方、三次折り畳みで形成されるエピトープは、一般に、変性溶媒での処理で失われる。エピトープは、一般に、少なくとも3個、より普通には、少なくとも5個または8〜10個の、独特の立体コンフォメーションのアミノ酸を含む。エピトープの立体コンフォメーションを決定する方法には、たとえば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴が含まれる。たとえば、Epitope MappingProtocols,in Methodsin Molecular Biology,Vol.66,Glenn E.Morris,Ed.(1996)を参照。

0066

同じまたは重複するエピトープを認識する抗体は、標的抗原への他の抗体の結合に競合する1つの抗体の能力を示す、単純な免疫アッセイで同定され得る。抗体のエピトープは、抗原に結合した抗体の接触残基を同定するための、X線結晶学によっても同定され得る。これに代えて、2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減または消去する、抗原におけるすべてのアミノ酸変異が、他方の結合を低減または消去する場合、同じエピトープを有する。2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減または消去するいくつかのアミノ酸変異が、他方の結合を低減または消去する場合、重複するエピトープを有する。

0067

抗体間の競合は、試験中の抗体が共通の抗原への対照抗体の特異的結合を阻害するアッセイにおいて決定される(たとえば、Junghans et al.,Cancer Res.50:1495,1990を参照)。過剰の試験抗体(たとえば、少なくとも2x,5x,10x,20xまたは100x)が、競合結合アッセイで測定して、対照抗体の結合を少なくとも50%、ただし好ましくは75%,90%または99%阻害する場合、試験抗体は対照抗体と競合する。競合アッセイで規定される抗体(競合抗体)には、対照抗体と同じエピトープに結合する抗体、および、立体障害が生じるに足るほど、対照抗体が結合するエピトープに近い隣接エピトープに結合する抗体が含まれる。

0068

「患者」の用語は、予防処置または治療処置を受けるヒトおよび他の哺乳類対象を包含する。

0069

アミノ酸置換を保存的または非保存的として分類する目的で、アミノ酸は次のようにグループ分けされる:グループI(疏水性側鎖):met,ala,val,leu,ile;グループII(中性親水性側鎖):cys,ser,thr;グループIII(酸性側鎖):asp,glu;グループIV(塩基性側鎖):asn,gln,his,lys,arg;グループV(鎖配向に影響する残基):gly,pro;および、グループVI(芳香族側鎖):trp,tyr,phe。保存的置換には、同じクラスのアミノ酸間での置換が含まれる。非保存的置換は、いずれか1つのクラスの要素を、他のクラスの要素と交換することから成る。

0070

配列同一性割合は、カバト番号付け規則によって、最大に整合される抗体配列で決定される。整合化の後、対象抗体領域(たとえば、重鎖または軽鎖の成熟可変領域全体)が対照抗体の同じ領域と比較される場合、対象抗体領域と対照抗体領域との配列同一性割合は、対象抗体領域と対照抗体領域の双方において同じアミノ酸が占める位置の数を、両領域の整合させた位置のギャップを除外した総数で割り、百分率に変換するために、100を乗じたものである。

0071

1つ以上の明記した要素を「含む」組成物または方法は、明記していない他の要素を含んでよい。たとえば、抗体を含む組成物は、その抗体を、単独で、または他の含有物と組み合わせて、有してよい。

0072

値の範囲の指定には、その範囲に入るまたはその範囲を規定するすべての整数、および、その範囲内の整数によって規定される部分範囲が含まれる。

0073

文脈からそうではないことが明らかでない限り、「約」の用語は、記載値の平均値標準誤差内の値を包含する。

0074

個体は、対象が、少なくとも1つの既知危険因子(たとえば、遺伝子的、生化学的、家族歴、環境曝露)であって、その危険因子を有しない個体よりも、その危険因子を有する個体を、統計的に有意に大きい疾患発症の危険度に置く危険因子を有する場合、疾患の危険度が上昇する。

0075

「症状」の用語は、患者によって認識される、歩行変調などの、疾患の主観証拠を指す。「兆候」は、医師によって観察される疾患の客観的証拠を指す。

0076

統計的有意性は、p≦0.05を意味する。

0077

「認識機能」とは、注意、記憶、言語の生成および理解、問題解決、ならびに、周囲および自己ケアに関心を持つことなどの、いくつかのまたはすべての精神処理を指す。

0078

「向上した認識機能」または「改善した認識機能」とは、診断または治療の開始などの基準に対する向上を指す。「認識機能の低下」とは、そのような基準に対する機能の低下を指す。

0079

ラットまたはマウスなどの動物モデルシステムにおいて、認識機能は、対象が空間情報を使用する迷路(モリス水迷路バーン円形迷路高架式放射状迷路、T迷路など)、恐怖条件付け能動的回避照明オープンフィールド暗所活動度計、高架式十字迷路、2コンパートメント探索試験、または、強制水泳試験などを使用する方法によって、測定してよい。

0080

ヒトにおいて、認識機能は、いくつかの標準試験のうちの1つ以上によって、測定することが可能である。認識機能の試験またはアッセイの例は記載されており(Ruoppila,l.and Suutama,T.Scand.J.Soc.Med.Suppl.53,44−65,1997)、それには、標準心理試験(たとえば、Wechsler Memory Scale,the Wechsler Adult Intelligence Scale,Raven’s Standard Progressive Matrices,Schaie−Thurstone Adult Mental Abilities Test)、神経心理検査(たとえば、Luria−Nebraska)、メタ認知自己評価(たとえば、Metamemory Questionnaire)、視覚空間アッセイ試験(たとえば、Poppelreuter’s Figures,Clock Recognition,Honeycomb Drawing and Cancellation)、認識アッセイ試験(たとえば、Folstein’s Mini Mental State Test)、および、反応時間検査が含まれる。他の認識能力の標準試験には、アルツハイマー病評価尺度認知機能評価尺度(ADAS−cog);全般的臨床症状評価(CIBIC−plus scale);アルツハイマー病共同研究日常生活動作の評価(ADCS−ADL);ミニメンタルステート検査MMSE);神経精神症状評価法(NPI);臨床的認知症重症度判定尺度(CDR);ケンブリッジ神経心理学自動検査バッテリー(CANTAB)、または、Sandoz臨床評価老人病SCAG)、ストルー検査トレイルメイキングウェクスラー数字復唱検査(Wechsler Digit Span)、および、CogStateコンピュータ化認識試験が含まれる。さらに、認識機能は、陽電子放出断層撮影(PET)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、単光子放射型コンピュータ断層撮影法SPECT)、または、脳機能の測定を可能にする他のあらゆるイメージング技術などの、イメージング技術を用いて測定してもよい。

0081

発明の詳細な説明
I.概説
本発明は、ヒト化9E4抗体を提供する。この抗体はレビー小体病の治療および診断に有用である。

0082

II.標的分子
天然ヒト野生型アルファシヌクレインは、次のアミノ酸配列を有する140個のアミノ酸のペプチドである:
MDVFMKGLSKKEGVVAAAEKTKQGVAEAA GKTKEGVLYV GSKTKEGVVH GVATVAEKTKEQVTNVGGAV VTGVTAVAQK TVEGAGSIAA ATGFVKKDQL GKNEEGAPQEGILEDMPVDPDNEAYEMPSE EGYQDYEPEA(配列番号12)。
(Ueda et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:11282−6);GenBank受託番号:P37840)。このタンパクは広く認められた3つのドメイン、つまり、アミノ酸1〜61にわたるKTKE繰返しドメイン、おおよそアミノ酸60〜95にわたるNAC(非アミロイド成分)ドメイン、および、おおよそアミノ酸98〜140にわたるC末端酸性ドメイン、を有する。

0083

文脈からそうではないことが明らかでない限り、アルファシヌクレインまたはそのフラグメントへの言及は、上に示した天然ヒト野生型アミノ酸配列、および、そのヒト対立遺伝子変異型、特にレビー小体病に関連するもの(たとえば、E46K,A30PおよびA53T;ここで、最初の文字は配列番号12におけるアミノ酸を表し、数字は配列番号12における位置であり、2番目の文字は対立遺伝子変異型におけるアミノ酸である)を含む。このような変異型は、随意的に、以下に記載する本発明のいずれかの特徴において、個別にまたは組み合わせで存在し得る。アルファシヌクレイン凝集を増進する誘発変異E83Q,A90V,A76Tも、また、個別に、または、互いにならびに/もしくはヒト対立遺伝子変異型E46K,A30PおよびA53Tとの組み合わせで存在し得る。

0084

III.レビー小体病
レビー小体病(LBD)は、ドーパミン作動系の変性、運動変化、認識機能障害、および、レビー小体(LB)の形成によって特徴付けられる(McKeith et al.,Neurology(1996)47:1113−24)。レビー小体は、神経細胞に見られる球状タンパク沈着物である。脳におけるそれらの存在は、アセチルコリンおよびドーパミンを含む化学伝達物質の作用を遮断して、脳の正常な機能を妨害する。レビー小体病には、パーキンソン病(特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、レビー小体変異型アルツハイマー病(LBV)、併発アルツハイマー病/パーキンソン病、および、多系統萎縮症(MSA;たとえば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、およびシャイ・ドレーガー症候群)が含まれる。DLDBは、アルツハイマー病およびパーキンソン病の双方と症状が同じである。DLDBは、主としてレビー小体の位置においてパーキンソン病と異なる。DLDBでは、レビー小体は皮質に生じる。パーキンソン病では、レビー小体は黒質に生じる。他のレビー小体病には、純粋自律神経不全症、レビー小体嚥下障害偶発性LBD、および、遺伝性LBD(たとえば、アルファシヌクレイン遺伝子、PARK3およびPARK4の突然変異)が含まれる。

0085

IV.本発明の抗体
A.結合特異性および機能特性
本発明のヒト化抗体は、ヒトアルファシヌクレインに特異的に結合する。いくつかのヒト化抗体の親和性(つまり、Ka)は、好ましくは、マウス抗体9E4の親和性の5倍または2倍の範囲内である。いくつかのヒト化抗体は、マウス9E4抗体の親和性と同じ(実験誤差内で)以上の親和性を有する。好ましいヒト化抗体は、ヒトアルファシヌクレインへの結合について、マウス抗体9E4と、同じエピトープに結合しおよび/または競合する。

0086

いくつかの抗体において、ヒト化9E4は、二重特異性抗体の1つのアームを形成し、その抗体の他方のアームは、インシュリン受容体インシュリン様成長因子(IGF)受容体、レプチン受容体、もしくは、リポタンパク受容体、または、好ましくは、トランスフェリン受容体などの、血液脳関門に発現される受容体に結合する抗体である(Friden et al.,PNAS 88:4771−4775,1991;Friden et al.,Science 259:373−377,1993)。このような二重特異性抗体は、受容体媒介トランスサイトーシスによって血液脳関門を横切って移送され得る。二重特異性抗体の脳への取り込みは、血液脳関門受容体への親和性を低下させるように二重特異性抗体を操作することによって、さらに増大させることがきる。受容体に対する親和性の低下の結果、脳における分布がより広くなる(たとえば、Atwal.et al.Sci.Trans.Med.3,84ra43,2011;Yu et al.Sci.Trans.Med.3,84ra44,2011を参照)。

0087

例示的な二重特異性抗体は、(1)各々の軽鎖および重鎖が、短いペプチド連結部を介して2つの可変ドメイン直列に有する、二重可ドメイン抗体(DVD−Ig商標))(Wu et al.,Generation and Characterization of a Dual Variable Domain Immunoglobulin(DVD−Ig(商標))Molecule,In:Antibody Engineering,Springer Berlin Heidelberg(2010));(2)2つの一本鎖ダイアボディが融合して、標的抗原の各々に対して2つの結合部位を有する4価の二重特異性抗体になったタンダブ(Tandab);(3)scFvがダイアボディと組み合わさって、多価分子となったフレキシボディ(flexibody);(4)Fabに適用されたとき、異なるFabフラグメントに連結した2つの同一のFabフラグメントから成る3価の二重特異性結合タンパクを生成する、プロテインキナーゼAにおける「二量化およびドッキングドメイン」に基づく、いわゆる「ドックアンドロック(dock and lock)」分子;(5)たとえば、ヒトFc領域の両末端に融合した2つのscFvを含む、いわゆるスコーピオン分子(Scorpion molecule)、でもあり得る。二重特異性抗体の調製に有用なプラットホームの例には、BiTE(Micromet),DART(MacroGenics),FcabおよびMab2(F−star),Fc操作IgGl(Xencor)またはDuoBody(Fabアーム交換に基づく,Genmab)が含まれるが、これらに限られない。

0088

B.ヒト化抗体
ヒト化抗体は、非ヒトドナー」抗体からのCDRがヒト「アクセプター」抗体配列に移植されている、遺伝子操作された抗体である(たとえば、US 5,530,101および5,585,089;Winter, US 5,225,539,Carter,US 6,407,213,Adair,US 5,859,205 6,881,557,Foote,US 6,881,557を参照)。アクセプター抗体配列は、たとえば、成熟ヒト抗体可変領域配列、そのような配列の複合体、ヒト抗体配列のコンセンサス配列(たとえば、前記カバト、1991の軽鎖可変領域コンセンサス配列および重鎖可変領域コンセンサス配列)、または、生殖細胞系列可変領域配列であり得る。重鎖について、好ましいアクセプター配列は、NCBI受託コードAAC50998(GI:1791009)を有するヒト成熟重鎖可変領域、生殖細胞系列IGHV3−7’01もしくはIGHV3−7’02(クローン名V3−7もしくはVH3−11)(Glas et al.,Clin Exp Immunol.107:372−80,1997)に由来する他の成熟重鎖可変領域、または、これらの生殖細胞系列配列のうちの1つを組み込んだ成熟重鎖可変領域配列である。軽鎖について、好ましいアクセプター配列は、NCBI受託コードAAY33350(GI:63102889)を有する軽鎖成熟可変領域、生殖細胞系列IGKV1D−39もしくはIGKV1−39(クローン名O2もしくはO12)(Kramer et al.,Eur J Immunol.35:2131−45,2005)に由来する他の成熟軽鎖配列、または、これらの生殖細胞系列配列のうちの1つを組み込んだ軽鎖成熟可変領域配列である。したがって、本発明のヒト化抗体は、ドナー9E4抗体に由来する、カバトによって規定される3つの軽鎖CDRおよび3つの重鎖CDR、ならびに、存在する場合、完全にまたは実質的にヒト抗体配列に由来する、成熟可変領域フレームワーク配列および定常領域、を有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、9E4抗体の重鎖に由来する、カバトによって規定される3つの重鎖CDR、ならびに、存在する場合、完全にまたは実質的にヒト抗体重鎖配列に由来する、成熟重鎖可変配列および重鎖定常領域配列、を有する重鎖である。同様に、ヒト化軽鎖は、9E4抗体の軽鎖に由来する、カバトによって規定される3つの軽鎖CDR、ならびに、存在する場合、完全にまたは実質的にヒト抗体軽鎖配列に由来する、成熟軽鎖可変配列および軽鎖定常領域配列、を有する軽鎖である。抗体鎖の成熟可変領域フレームワーク配列または抗体鎖の定常領域配列は、カバトによって規定される対応する残基の少なくとも85%,90%,95%,96%,97%,98%,99%または100%が同一のとき、それぞれ、ヒト成熟可変領域フレームワーク配列またはヒト定常領域配列に、実質的に由来する。

0089

ヒト成熟可変領域フレームワーク残基に由来するアミノ酸には、CDRコンフォメーションおよび/または抗原への結合に影響を及ぼすそれらの可能性に基づいて、置換のために選択し得るものがある。そのような影響の可能性は、モデル化すること、特定位置のアミノ酸の特性を試験すること、特定アミノ酸の置換または変異の影響を実験的に観察すること、によって調べられる。

0090

たとえば、マウス成熟可変領域フレームワーク残基と選択したヒト成熟可変領域フレームワーク残基とでアミノ酸が異なるとき、ヒトフレームワークアミノ酸は、そのアミノ酸が、
(1)非共有結合で抗原に直接結合する、
(2)CDR領域に隣接する、
(3)他の態様でCDR領域と相互作用する(たとえば、CDR領域の約6Å以内に位置する)、
(4)重鎖と軽鎖との相互作用を媒介する
と合理的に期待できるときには、マウス抗体由来の等価なフレームワークアミノ酸で置換することができる。

0091

本発明は、3つの例示的ヒト化軽鎖成熟可変領域(Hu9E4VLv1〜v3;配列番号3〜5)および4つの例示的ヒト化重鎖成熟可変領域(Hu9E4VHv1〜v4;配列番号:8〜11)を含む、マウス9E4抗体のヒト化型を提供する。配列番号4は、マウス9E4軽鎖の3つのカバトCDR、および、AAY33350の成熟可変領域フレームワークを含む。配列番号3および5は、表2に示す復帰突然変異を含む。配列番号11は、マウス9E4の3つのカバトCDR、および、AAC50998の成熟可変領域フレームワークを含む。配列番号8〜10は、表3に示す復帰突然変異を含む。

0092

本発明は、ヒト化重鎖成熟可変領域が、配列番号8〜11に対して少なくとも90%,95%または99%の同一性を示し、ヒト化軽鎖成熟可変領域が、配列番号3〜5に対してる少なくとも90,95または99%の配列同一性を示すが、カバトCDR以外の成熟可変領域フレームワークにおいて、指定した配列番号からの変異が生じている、ヒト化9E4抗体の変異型を提供する。いくつかのそのような抗体において、位置L36はYまたはFによって占められ、および/または、位置L83はFまたはLによって占められ、および/または、位置H73はNまたはDによって占められ、および/または、位置H93はAまたはSによって占められている(ここでのすべての位置は、本出願の他所と同様に、カバト番号付けによる)。いくつかのそのような抗体において、Hu9E4VLv1〜v3およびHu9E4VHv1〜v4における復帰突然変異のいくつかまたはすべてが、保持されている。換言すると、重鎖位置H73およびH93の一方または両方は、それぞれ、DおよびAによって占められている。同様に、いくつかの抗体において、軽鎖位置L36およびL83の一方または両方は、それぞれ、FおよびLによって占められている。いくつかの抗体において、位置H73,H93,L36およびL83の1つ、2つ、3つまたは4つすべては、それぞれ、D,A,FおよびLによって占められている。いくつかの抗体において、重鎖成熟可変領域フレームワークの0、1つまたは2つの位置は、配列番号11と比べて変化しており、軽鎖成熟可変領域フレームワークの0、1つまたは2つの位置は、配列番号4と比べて変化している。

0093

いくつかの抗体は、位置L36(カバト番号付け)がFまたはYで占められ、および/または、位置L83(カバト番号付け)がLまたはFで占められ、および/または、位置H73(カバト番号付け)がDまたはNで占められ、および/または、位置H93(カバト番号付け)がSまたはAで占められていることを条件に、配列番号11の3つのカバトCDRを含むヒト化重鎖、および、配列番号4の3つのカバトCDRを含むヒト化軽鎖を含む。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)は、Fによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36(カバト番号付け)はFによって占められ、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L83(カバト番号付け)はLによって占められ、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H73(カバト番号付け)はDによって占められ、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H93(カバト番号付け)はSによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置H93(カバト番号付け)はAによって占められている。いくつかのそのような抗体において、位置L36はYによって占められ、位置L83はFによって占められ、位置H73はNによって占められ、位置H93はSによって占められている。位置L36,L83,H73およびH93に好ましい残基を有する、および、それらの組み合わせを有する、いくつかの例示的な抗体を、次の表1に示す。

0094

いくつかの抗体において、重鎖成熟可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有している。いくつかの抗体において、軽鎖成熟可変領域は、配列番号5または配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有している。いくつかのそのような抗体において、重鎖成熟可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、軽鎖成熟可変領域は、配列番号5または配列番号3に指定されるアミノ酸配列を有している。いくつかのそのような抗体において、重鎖成熟可変領域は、配列番号10に指定されるアミノ酸配列を有し、軽鎖成熟可変領域は、配列番号5に指定されるアミノ酸配列を有している。

0095

他のアミノ酸置換を、成熟可変領域フレームワークにおいて、たとえば、CDRと接触しない残基において、実施することができる。変異体ヒト化配列になされる置換は、置き換えられるアミノ酸に関して保存的であることが多い。いくつかの抗体において、Hu9E4VLv1〜v3およびHu9E4VHv1〜v4に対する置換は(保存的であるか否かによらず)、Hu9E4VLv1〜v3およびHu9E4VHv1〜v4と比べて、結果の抗体の結合親和性または能力、つまり、ヒトアルファシヌクレインに結合する能力に、実質的に影響しない。

0096

変異体は、一般に、Hu9E4VLv1〜v3およびHu9E4VHv1〜v4の重鎖成熟可変領域配列および軽鎖成熟可変領域配列とは、(一般には、軽鎖もしくは重鎖成熟可変領域フレームワークまたは両者における1,2,3,5または10以下の)少数の置換、削除または挿入において、相違する。

0097

C.定常領域の選択
ヒト化抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、ヒト定常領域の少なくとも一部に連結し得る。定常領域の選択は、抗体依存性細胞媒介細胞障害抗体依存性細胞捕食、および/または、補体依存性細胞傷害が、必要であるかどうかによって部分的には決まる。たとえば、ヒトアイソタイプIgG1およびIgG3は、補体依存性細胞傷害を有し、ヒトアイソタイプIgG2およびIgG4は有しない。ヒトIgG1およびIgG3は、また、細胞媒介性エフェクター機能を、ヒトIgG2およびIgG4よりも強く誘導する。軽鎖定常領域はラムダまたはカッパであり得る。例示的なヒト軽鎖カッパ定常領域は、配列番号13のアミノ酸配列を有する。いくつかのそのような軽鎖カッパ定常領域は、核酸配列によってコードされ得る。配列番号13のN末端アルギニンは省略可能であるが、その場合、軽鎖カッパ定常領域は、配列番号28のアミノ酸配列を有する。いくつかのそのような軽鎖カッパ定常領域は、核酸配列によってコードされ得る。例示的ヒトIgG1重鎖定常領域は、配列番号14のアミノ酸配列を有する(C末端リジンを有することも有しないこともある)。いくつかのそのような重鎖定常領域は、核酸配列によってコードされ得る。抗体は、2つの軽鎖および2つの重鎖を含む四量体として、別個の重鎖、軽鎖として、Fab,Fab’,F(ab’)2およびFvとして、または、重鎖成熟可変ドメインおよび軽鎖成熟可変ドメインがスペーサ−を介して連結した一本鎖抗体として、発現し得る。

0098

ヒト定常領域は、異なる個体間で、アロタイプ変異および同型アロタイプ変異を示し、つまり、定常領域は、異なる個体において、1つ以上の多型位置にて相違し得る。同型アロタイプは、同型アロタイプを認識する血清が1つ以上の他のアイソタイプの非多型領域に結合する点で、アロタイプと異なる。したがって、たとえば、他の重鎖定常領域は、IgG1 G1m3アロタイプであり、配列番号32のアミノ酸配列を有する。さらに他の重鎖定常領域は、C末端リジンを欠くことを除いて、配列番号32のアミノ酸配列を有する。

0099

軽鎖および/または重鎖のアミノ末端もしくはカルボキシ末端の1個もしくは数個のアミノ酸、たとえば、重鎖のC末端リジンなどは、一部またはすべての分子において、欠けているか誘導体化されていてよい。補体依存性細胞傷害もしくはADCCなどのエフェクター機能を増大もしくは減少させるために(たとえば、Winter et al.,US Patent No.5,624,821;Tso et al.,US Patent No.5,834,597;およびLazar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103:4005,2006を参照)、または、ヒトにおける半減期を長くするために(たとえば、Hinton et al.,J.Biol.Chem.279:6213,2004を参照)、定常領域において置換を行うことができる。例示的な置換には、抗体の半減期を増すための、位置250のGlnおよび/または位置428(この段落において、定常領域にEU番号付けを使用する)のLeuが含まれる。位置234,235,236および/または237のいずれかの置換は、Fcγ受容体、特にFcγRI受容体に対する親和性を減少させる(たとえば、US6,624,821を参照)。いくつかの抗体は、エフェクター機能を減少させるために、ヒトIgG1の位置234,235および237に、アラニン置換を有する。随意的に、ヒトIgG2の位置234,236および237はアラニンで置換され、位置235はグルタミンで置換される(たとえば、US5,624,821を参照)。

0100

D.組み換え抗体の発現
抗体は、組み換え発現によって産生することができる。抗体をコードする核酸は、所望の細胞型(たとえば、CHOまたはSp2/0)での発現のために、コドン最適化することが可能である。組み換え核酸構造物は、一般に、天然会合領域または異種プロモータ領域を含む、抗体鎖のコドン配列に操作可能に連結された発現制御配列を含む。発現制御配列は、真核宿主細胞を変換または移入することが可能なベクターにおける真核プロモータ系であり得る。ベクターが適当な宿主に導入されると、宿主はヌクレオチド配列の高レベル発現、ならびに交差反応抗体採集および精製に適する条件下に保たれる。抗体鎖をコードするベクターは、抗体鎖をコードする核酸の複製数を増大させるために、ジヒドロ葉酸還元酵素などの、選択可能な遺伝子も包含し得る。

0101

大腸菌は、抗体、特に抗体フラグメント、を発現するために特に有用な原核宿主である。酵母などの微生物も発現に有用である。サッカロミセスは、発現制御配列、複製起点終止配列などを希望どおり有する、好適なベクターを備えた好ましい酵母宿主である。一般的なプロモータは、3−ホスホグリセリン酸キナーゼおよび他の糖分解酵素を含む。誘導性酵母は、とりわけ、アルコール脱水素酵素イソチトクロームCに由来するプロモータ、ならびに、マルトースおよびガラクトースの利用に寄与する酵素を含む。

0102

哺乳類細胞は、免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチド区分を発現するために、使用することが可能である。Winnacker,From Genes to Clones,(VCH Publishers,NY,1987)を参照。無傷の異種タンパクを分泌することが可能な多くの好適な宿主細胞株が、当技術分野において開発されており、それには、CHO細胞株、種々のCOS細胞株ヒーラ細胞HEK293細胞、L細胞、ならびに、Sp2/0およびNS0を含む非ヒト抗体産生骨髄腫が含まれる。非ヒト細胞を使用することが、有利であり得る。これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配列、複製起点、プロモータ、エンハンサー(Queen et al.,Immunol.Rev.89:49(1986))、ならびに、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位ポリアデニル化部位および転写終結配列などの、必要な処理情報部位を含み得る。好適な発現制御配列は、内在性遺伝子サイトメガロウイルスSV40アデノウイルスウシパピローマウイルスなどに由来するプロモータである。Co et al.,J.Immunol.148:1149(1992)を参照。

0103

抗体の重鎖および軽鎖をコードする誘導ベクターを細胞培養に導入した後、細胞プールを、無血清培地における生産性向上および製品品質についてスクリーニングすることができる。次いで、最高生産性の細胞プールをFACS系単一細胞クローニングに付して、モノクローナル株を生成することができる。7.5g/L培地を超える生産力価に相当する、細胞当たり1日当たり50pgまたは100pgを超える比生産性が、有益であり得る。単一細胞クローンによって産生される抗体は、濁度、ろ過特性、PAGE、IEF、UVスキャン、HP-SEC、糖−オリゴ糖マッピング質量分析、および、ELISAまたはBiacoreなどの結合アッセイについて、試験することもできる。その後、選択されたクローンは、後の使用のために、多数のバイアルに入れて蓄え、冷凍貯蔵することができる。

0104

一旦発現すると、抗体は、プロテインA捕捉カラムクロマトグラフィー(たとえば、疎水性相互作用またはイオン交換)、ウイルス不活性化のための低pHなどを含む、当技術分野における標準的な手順に従って精製することができる(一般に、Scopes,Protein Purification(Springer-Verlag,NY,1982)を参照)。

0105

抗体の商業的生産の方法には、コドン最適化、プロモータ、転写要素および停止剤の選択、無血清単一細胞クローニング、細胞バンキング、複製数増大のための選択マーカーの使用、CHO終止剤、無血清単一細胞クローニング、タンパク力価の向上が含まれる(たとえば、US5,786,464,US6,114,148,US6,063,598,US7,569,339,WO2004/050884,WO2008/012142,WO2008/012142,WO2005/019442,WO2008/107388,WO2009/027471,およびUS5,888,809を参照)。

0106

V.核酸
本発明は、さらに、上述の重鎖および軽鎖のいずれかをコードする核酸を提供する。一般に、これらの核酸は、成熟重鎖および成熟軽鎖に融合したシグナルペプチド(たとえば、配列番号23および25によってコードされ得る、配列番号22および24のアミノ酸配列を有するシグナルペプチド)もコードする。核酸上のコード化配列は、そのコード化配列の発現を確実にするために、プロモータ、エンハンサー、リボソーム結合部位、転写終結シグナルなどの、制御配列と操作可能に連結することができる。重鎖および軽鎖をコードする核酸は、単離型で存在することができ、または、1つ以上のベクターにクローン化することができる。核酸は、たとえば、固相合成または重複オリゴヌクレオチドPCRによって、合成することが可能である。重鎖および軽鎖をコードする核酸は、たとえば発現ベクター内で、1つの連続核酸として一緒にすることができ、または、別個にして、たとえば、各々それ自体の発現ベクターにクローン化することができる。

0107

VI.治療への適用
本発明は、レビー小体病を患っているまたはレビー小体病の危険性のある患者における、その疾患の治療または効果的な予防のいくつかの方法を提供する。治療に適する患者には、LBDの疾患の危険性があるが症状を示していない個体のほか、シヌクレイン病の症状、または、たとえば、EEG低速化、精神神経兆候(抑鬱、痴呆幻覚、不安、無関心快感消失)、自律神経系の変化(起立性低血圧膀胱障害、便秘、便失禁流涎嚥下困難性機能不全脳血流の変化)、感覚の変化(嗅覚痛覚、色識異常感覚)、睡眠障害(レム睡眠行動障害(RBD)、レストレスレッグス症候群周期性四肢運動、睡眠過剰不眠)、ならびに、さまざまな他の兆候および症状(疲労、複視視朦脂漏体重減少/増加)などの、シヌクレイン病の初期の危険な兆候を現在示している患者が含まれる。したがって、本方法は、LBDの遺伝的危険性のあることが判っている個体に、予防的に施すことができる。そのような個体には、この疾患の経験者、および、遺伝的または生化学的マーカー分析で危険性が判断された個体が含まれる。PDに対する危険性の遺伝的マーカーには、アルファシヌクレイン遺伝子、または、パーキン、UCHLIおよびCYP2D6遺伝子における突然変異、特に、アルファシヌクレイン遺伝子の位置30および53における突然変異、が含まれる。現在パーキンソン病を患っている個体は、安静振戦筋硬直、運動緩慢および姿勢不安定を含むその臨床症状から、認定することが可能である。

0108

無症状の患者においては、治療はどの年齢(たとえば、10,20,30)でも開始することができる。しかし、通常、患者が40,50,60または70歳に達するまで、治療を開始する必要はない。治療は、一般に、ある期間にわたって複数の投与を必要とする。治療は、抗体、または、治療剤(たとえば、アルファシヌクレインペプチドの切断型)に対する活性化T細胞もしくはB細胞の反応、を長期にわたってアッセイすることによって、監視することが可能である。反応が低下する場合、ブースター投与が示唆される。

0109

抗体は、患者に有益な治療反応(たとえば、神経突起および/または軸索アルファシヌクレイン凝集物の減少、神経突起ジストロフィーの減少、認識機能の改善、および/または、認識低下の逆転、治療もしくは防止)を生じる条件下で投与することによって、患者におけるレビー小体病の治療または有効な予防に使用することができる。いくつかの方法において、新皮質および/または基底核神経網における神経突起ジストロフィーの面積は、治療した患者では、対照集団と比較して、平均で少なくとも10%,20%,30%または40%低減することが可能である。

0110

認識機能障害、認識機能の進行性の低下、脳形態の変化および脳血管機能の変化は、レビー小体病を患っているまたはレビー小体病の危険性のある患者において、普通に見られる。本発明の抗体の投与は、そのような患者における認識機能の低下を阻止しまたは遅延させることができる。

0111

本発明は、また、シナプス密度および/または樹状突起密度を保存または増加させる方法も提供する。シナプス密度または樹状突起密度の変化の指標は、シナプス形成のマーカー(シナプトフィジン)および/または樹状突起のマーカー(MAP2)によって測定することができる。いくつかの方法において、シナプス密度または樹状突起密度の変化の指標は、健康な対象におけるシナプス密度または樹状突起密度のレベルまで回復することが可能である。いくつかの方法において、治療を受けた患者のシナプス密度または樹状突起密度のレベルは、治療を受けなかった対照患者の集団と比べて5%,10%,15%,20%,25%,30%以上上昇し得る。

0112

VII.医薬組成物および処理の方法
予防用途においては、抗体もしくは抗体を誘導するための薬剤または同様の医薬組成物は、疾患に感染し易いまたは疾患の危険性のある患者に、その疾患の兆候もしくは症状の少なくとも1つの危険性を低減し、重症度を軽減し、または、発現を遅らせるのに有効な投与計画(投与の用量、頻度および経路)で投与される。いくつかの予防用途において、投与計画は、アルファシヌクレインおよび切断フラグメントの脳内の蓄積を、妨げもしくは遅れさせ、および/または、その有毒作用を妨げもしくは遅れさせ、および/または、行動欠陥の進行を妨げおよび/もしくは遅れさせるのに有効である。治療用途においては、抗体または抗体を誘導する薬剤は、レビー小体病の疑いのあるまたはレビー小体病を既に患っている患者に、その疾患の兆候もしくは症状の少なくとも1つを改善し、または、少なくともさらなる悪化を防止するのに有効な投与計画(投与の用量、頻度および経路)で投与される。いくつかの治療用途において、投与計画は、毒性および/もしくは行動の欠陥に関連するアルファシヌクレインおよび切断フラグメントのレベルを低減し、または、少なくともさらなる増加を妨げるのに有効である。

0113

投与計画は、処理を受けた個々の患者が、本発明の方法で処理されない同等の患者の対照集団における平均の転帰よりも、好ましい転帰を遂げる場合に、または、比較臨床試験(たとえば、第II相、第II/III相、または第III相試験)において、被処理患者対対照患者に、p<0.05もしくは0.01またはさらに0.001のレベルで、より好ましい転帰が示される場合に、治療上または予防上、有効であると認められる。

0114

有効な用量は、投与の方法、対象部位、レビー小体病の種類を含む患者の生理状態、患者がApoE保有者であるか、患者がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬物、および、処理が予防であるか治療であるか、を含む多くの因子に応じて変動する。

0115

抗体についての例示的な用量範囲は、患者の体重に基づき、0.01〜5mg/kgであり、より普通には、0.1〜3mg/kg、0.15〜2mg/kgまたは0.15〜1.5mg/kgである。抗体は、そのような用量を、毎日、隔日、毎週、隔週、毎月、毎四半期、または、経験的分析によって定める他のあらゆるスケジュールに従って、投与することができる。例示的処理は、たとえば少なくとも6ヶ月の、長期間にわたる複数の用量での投与を必要とする。追加の例示的処理計画は、2週に1回、1ヶ月に1回、または3〜6ヶ月に1回の投与を必要とする。

0116

抗体は、末梢経路、つまり、投与されたまたは誘導された抗体が、血液脳関門を横切って脳内の意図する部位に達する経路で、投与することが可能である。投与経路には、局所静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、鼻腔内、または筋肉内が含まれる。抗体についてのいくつかの投与経路は、静脈内および皮下である。この種の注射は、腕または脚の筋肉になされるのがもっとも一般的である。いくつかの方法において、薬剤は、沈着が生じている特定の組織に直接注射され、たとえば、頭蓋内注射である。

0117

非経口投与のための医薬組成物は、無菌で実質的に等張であり、GMP条件下で製造することができる。医薬組成物は、単位用量形態(つまり、単回投与のための用量)で提供することができる。医薬組成物は、1つ以上の、生理的に許容可能な担体、希釈剤賦形剤または助剤を用いて製剤化することが可能である。製剤は選択される投与経路に依存する。注射については、抗体は、水溶液で、好ましくは、ハンクス液リンゲル液生理食塩水、または酢酸緩衝液などの生理的に許容される緩衝液中で(注射部位不快感低減のため)、製剤することができる。溶液は、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの製剤化剤を含有することができる。これに代えて、抗体は、滅菌した発熱性物質非含有水などの好適な媒体で使用前に調製するために、凍結乾燥の形態とすることもできる。

0118

本投与計画は、処理する疾患の治療または予防において有効な他の薬剤と組み合わせて、施すことが可能である。たとえば、パーキンソン病の場合、アルファシヌクレインに対する免疫療養剤WO/2008/103472、レボドパドーパミン作動薬、COMT阻害剤MAO−B阻害剤、アマンタジン、または、抗コリン剤を、本投与計画と組み合わせて使用することができる。

0119

VIII.他の適用
上述の抗体は、臨床診断もしくは治療に関連して、または研究において、アルファシヌクレインを検出するために使用することができる。抗体は、また、アルファシヌクレインをもつ細胞、および、様々な刺激に対するそれらの応当の検出における実験室研究用の研究試薬として、販売することも可能である。そのような使用では、モノクローナル抗体は、蛍光分子スピンラベル分子、酵素またはラジオアイソトープで標識することが可能であり、アルファシヌクレインのアッセイを行うために必要なすべての試薬を備えるキットの形態で、提供することができる。抗体は、アルファシヌクレインを、たとえば、アフィニティクロマトグラフィーによって、精製するために使用することもできる。

0120

抗体は、患者においてLBを検出するのに使用することができる。そのような方法は、PD、もしくは脳におけるLBの存在に関連する他の疾患、もしくはそれに対する罹患し易さを診断し、または、診断を確認するのに有用である。たとえば、前記方法は、認知症の症状を呈している患者に使用することが可能である。患者がLBを有している場合、その患者は、おそらく、パーキンソン病などのレビー小体病を患っている。前記方法は、また、無症状の患者に使用することもできる。レビー小体の存在またはアルファシヌクレインの他の異常沈着は、症状性疾患に対する将来の罹患し易さを示す。前記方法は、また、レビー小体病を有すると診断されたことのある患者における、疾患の進行および/または治療に対する応答を監視するためにも有用である。

0121

前記方法は、抗体を投与し、次いで、抗体が結合した後に抗体を検出することによって、実施することが可能である。望まれる場合、消失応当は、Fabなどの、完全長定常領域を欠く抗体フラグメントを使用することによって、避けることが可能である。いくつかの方法において、同じ抗体が治療薬および診断試薬の双方として機能する。

0122

診断(たとえば、インビボ造影)のためには、抗体は、静脈注射によって患者の身体に、または、脳内投与によって、もしくは、頭蓋骨を貫通する孔を開けることによって、直接脳に投与することができる。試薬の用量は、治療法と同じ範囲内とすべきである。一般に抗体は標識されるが、いくつかの方法においては、抗体は標識されず、抗体に結合する2次標識剤が使用される。標識の選択は、検出の手段に依存する。たとえば、光学的検出には蛍光標識が適している。外科的介入なしでの断層検出には常磁性標識の使用が適する。PETまたはSPECTを使用して放射性標識を検出することも可能である。

0123

診断は、標識された場所の数、大きさおよび/または強度を、それぞれの基準値と比較することによって行われる。基準値は、罹患していない個体の集団における平均のレベルを代表し得る。基準値は、同じ患者において決定した先のレベルを代表することもできる。たとえば、基準値は、治療前の患者において決定することができ、その後の測定値はその基準値と比較することができる。基準に対する値の低下は、治療に対する陽性の応答を示唆する。

0124

抗体は、抗イディオタイプ抗体を生成するために使用することが可能である(たとえば、Greenspan & Bona,FASEB J.7(5):437−444,1989;およびNissinoff,J.Immunol.147:2429−2438,1991を参照)。このような抗イディオタイプ抗体は、その抗体で処理された個体における臨床ヒト抗ヒト抗体HAHA)応答の研究のほか、薬物動態研究、薬力学研究、生体内分布研究に利用することができる。たとえば、抗イディオタイプ抗体は、ヒト化9E4抗体の可変領域に特異的に結合し、したがって、薬物動態研究においてヒト化9E4抗体を検出するのに使用することが可能であり、処理を受けた個体におけるヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答を定量化するのに役立つ。

0125

上記または下記で引用するすべての特許出願、ウェブサイト、他の出版物、受託番号などは、個々の各項目が、あらゆる目的のために参照によって全体が取り込まれると、具体的かつ個別に示されているのと同様に、あらゆる目的のために参照によって全体が取り込まれる。配列の異なるバージョンが異なる時点で受託番号に関連付けられている場合、本出願の有効出願日の受託番号に関連付けられたバージョンを意味する。有効出願日は、実際の出願日、または、該当する場合、受託番号に言及する優先出願の出願日の、早い方を意味する。同様に、出版、ウェブサイトなどの異なるバージョンが異なる時点で公開されている場合、そうでないと示されない限り、本出願の出願日における最新公開のバージョンを意味する。本発明の、あらゆる特徴、ステップ、要素、実施形態、または側面は、具体的にそうでないと示されない限り、他のいずれとも組み合わせて使用することが可能である。本発明を、明瞭化および理解のために、図面および例を用いてある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更および修正を実施してもよいことが、明らかであろう。

0126

実施例I.ヒト化9E4抗体の設計
ヒト化の開始点つまりドナー抗体は、ATCC受託番号PTA−8221を有し、米国特許出願第11/710,248(公開番号第2009/0208487号)に記載されているハイブリドーマによって産生される、マウス抗体9E4である。9E4の可変カッパ(Vκ)は、ヒトカバトサブグループ1に対応するマウスカバトサブグループ1に属する。9E4の可変重鎖(Vh)は、ヒトカバトサブグループ3に対応するマウスカバトサブグループ3dに属する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition.NIH Publication No.91−3242,1991)。本実施例の全体を通じて、カバト番号付けを使用する。

0127

Vkにおいて、17残基CDR−L1は標準クラス3に属し、7残基CDR−L2はクラス1に属し、9残基CDR−L3はクラス1に属する(Martin & Thornton,J Mol Biol.263:800−15,1996)。5残基CDR−H1はクラス1に属し、17残基CDR−H2はクラス2に属する(Martin & Thornton,J Mol Biol.263:800−15,1996)。CDR−H3は、標準クラスを有しないが、7残基ループは、おそらく、Shiraiら(FEBSLett.455:188−97,1999)の規則に従ってねじれた基部を有する。

0128

9E4の大まかな構造モデルを提供する構造を見出すべく、PDBデータベースのタンパク配列を調査した(Deshpande et al.,Nucleic AcidsRes.33:D233−7,2005)。二量体抗体X836(pdbコード3MBX)(Teplyakov et al,Mol Immunol.,47(14):2422−6,2010)が、良好な分解能(1.6A)と9E4への全体的な配列類似性を有し、ループについて同じ標準構造を保っていたので、これをVκ構造として選択した。1H3P(Pizarro et al.,FEBSLett.509:463−8,2001)をVh構造として使用した。これは、良好な全体的配列類似性と妥当な分解能(2.6A)を有しており、ねじれた基部と同じ長さのCDR−H3も有していた。さらに、CDR−1およびCDR−H2は、9E4 Vhと同じ標準構造を有していた。DeepView/Swiss−PdvViewer 3.7(SP5)(Guex and Peitsch,Electrophoresis 18:2714−2723,1997)を、構造モデル化に使用した。

0129

NCBIからの非冗長タンパク配列データベースを調査することにより、マウスCDRを移植する好適なヒトフレームワークの選択が可能になった。Vκとして、NCBI受託コードAAY33350(GI:63102889)(Kramer et al.,Eur J Immunol.35:2131−45,2005)を有するヒトカッパ軽鎖を選択した。これは、CDR−L2およびCDR−L3について、9E4と同じ標準クラスを有し、IMGT規約によるヒト生殖系列IGKV1D−39またはIGKV1−39(クローン名O2またはO12)に属する。これは、カバトヒトカッパサブグループ1の一員である。Vhとして、NCBI受託コードAAC50998(GI:1791009)(Glas et al.,Clin Exp Immunol.107:372−80,1997)を有するヒトIg重鎖を選択したが、これも、9E4と同じ標準クラスを有し、ヒト生殖系列IGHV3−7’01またはIGHV3−7’02(クローン名V3−7またはVH3−11)に属する。これは、カバトヒト重鎖サブグループ3の一員である。

0130

ヒトアクセプター可変領域フレームワークとマウスドナー可変領域フレームワークとで異なる次の位置を、復帰突然変異の候補として特定した。H73は、抗原結合部位の端に位置し、CDR−H2と相互作用する。H93は、CDR−H1ループおよびCDR−H3ループの下方に位置するインターフェイス残基である。L36は、Vκ/Vhインターフェイス残基である。L83は、定常ドメイン近接している。9E4においては、L83はロイシンであるが、ヒトフレームワークにおいては、L83は、より大きいアミノ酸のフェニルアラニンである。

0131

これらの位置の異なる順列に復帰突然変異を取り込んで、3つのヒト化重鎖および3つのヒト化軽鎖を作製した(図1A、図1B、配列アラインメント、および表2、表3)。

0132

9E4Vκバージョン1
IQMTQSPSSSASGDRVTITCKSIQTLLYSSNQKNYLAWFQQKPGKAPKLLIYWASIRKSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYSYPLTFGGGTKLEIK(配列番号3)。

0133

9E4Vκバージョン2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSIQTLLYSSNQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASIRKSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYSYPLTFGGGTKLEIK(配列番号4)。

0134

9E4Vκバージョン3
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSIQTLLYSSNQKNYLAWFQQKPGKAPKLLIYWASIRKSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDLATYYCQQYYSYPLTFGGGTKLEIK(配列番号5)。

0135

9E4vhバージョン1
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMSWVRQAPGKGLEWVASISSGGGSTYYPDNVKGRFTISRDDAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCSRGGAGIDYWGQGTLVTVSS(配列番号8)。

0136

9E4vhバージョン2
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMSWVRQAPGKGLEWVASISSGGGSTYYPDNVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCSRGGAGIDYWGQGTLVTVSS(配列番号9)。

0137

9E4vhバージョン3
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSNYGMSWVRQAPGKGLEWVASISSGGGSTYYPDNVKGRFTISRDDAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGGAGIDYWGQGTLVTVSS(配列番号10)。

0138

AAY33350軽鎖およびAAC50998重鎖のカバト番号付けを次に示す。

0139

AAY33350軽鎖のカバト番号付け:
L1 D L2 I L3 Q L4 M L5 T L6 Q L7 S L8 P L9 S L10 S L11 L L12 S L13 A L14 S L15 V L16 G L17 D L18 R L19 V L20 T L21 I L22 T L23 C L24 R L25 A L26 S L27 Q L28 S L29 I L30 S L31 S L32 Y L33 L L34 N L35 W L36 Y L37 Q L38 Q L39 K L40 P L41 G L42 K L43 A L44 P L45 K L46 L L47 L L48 I L49 Y L50 A L51 A L52 S L53 S L54 L L55 Q L56 S L57 G L58 V L59 P L60 S L61 R L62 F L63 S L64 G L65 S L66 G L67 S L68 G L69 T L70 D L71 F L72 T L73 L L74 T L75 I L76 S L77 S L78 L L79 Q L80 P L81 E L82 D L83 F L84 A L85 T L86 Y L87 Y L88 C L89 Q L90 Q L91 S L92 Y L93 S L94 T L95 P L96 L L97 T L98 F L99 G L100 G L101 G L102 T L103 K L104 L L105 E L106 I L107 K L108 − L109 − L110 − L111 −。

0140

AAC50998重鎖のカバト番号付け:
H1 E H2 V H3 Q H4 L H5 V H6 E H7 S H8 G H9 G H10 G H11 L H12 V H13 Q H14 P H15 G H16 G H17 S H18 L H19 R H20 L H21 S H22 C H23 A H24 A H25 S H26 G H27 F H28 T H29 F H30 S H31 S H32 Y H33 W H34 M H35 S H36 W H37 V H38 R H39 Q H40 A H41 P H42 G H43 K H44 G H45 L H46 E H47 W H48 V H49 A H50 N H51 I H52 K H52A Q H53 D H54 G H55 S H56 E H57 K H58 Y H59 Y H60 V H61 D H62 S H63 V H64 K H65 G H66 R H67 F H68 T H69 I H70 S H71 R H72 D H73 N H74 A H75 K H76 N H77 S H78 L H79 Y H80 L H81 Q H82 M H82A N H82B S H82C L H83 R H84 A H85 E H86 D H87 T H88 A H89 V H90 Y H91 Y H92 C H93 A H94 R H95 G H96 S H97 S H98 D H99 M H100 − H101 D H102 Y H103 W H104 G H105 Q H106 G H107 T H108 L H109 V H110 T H111 V H112 S H113 S H114 −。

0141

他の重鎖可変領域および軽鎖可変領域のカバト番号は、同じ番号を割り当てられた対応残基との整合によって、または、市販のソフトウエアを用いて、決定することができる。

0142

実施例II.α−シヌクレイン抗体での受動免疫
この実験の目的は、行動試験のみならずインビボおよびインビトロの調査での、αシヌクレイン抗体の有効性を決定することである。開始時月齢3〜4の、α−シヌクレイン遺伝子組み換え(系列61)雌マウス、α−シヌクレインノックアウト雌マウス、および野生型雌マウスを、n=14/群にて使用した。試験した抗体には、9E4(IgG1、エピトープ:アルファシヌクレインのアミノ酸118〜126)、5C1(IgG1、エピトープ:アルファシヌクレインのアミノ酸118〜126、c−リンカー)、5D12,IgG2(SN118〜126)、1H7、IgG1(SN91〜99)およびIgG1対照抗体27−1が含まれる。マウスに、合計21回の注射で、5ヶ月にわたって10mg/kgの用量を投与した。さらに、ヒトα−シヌクレイン(wt)を発現するレンチウイルス(LV)を、海馬へのヒトα−シヌクレイン(wt)の片側導入によって、動物に注射した。

0143

検出抗体(readout antibody)には、Chemiconからのもの(エピトープ、完全長アルファシヌクレイン)、Milliporeからのもの(エピトープ、完全長アルファシヌクレイン)、および、Neotope,ELADW105(エピトープ:完全長アルファシヌクレインのアミノ酸121〜124)が含まれる。

0144

終点抗体力価生活相の間に測定した。行動試験には、モリス水迷路試験(MWW)および水平ビームテストが含まれる。ラウンドビームテストは、異なる直径の2つのビームを用いて行われる、運動バランス協調および歩調の試験である。ビームAがより大径(より容易、練習ビームと考えられる)であり、ビームDがより小径(より困難、試験ビームと考えられる)である。データは、「エラー」(スリップ回数/10cm)および「速さ」(10cm/秒進むのに要する時間)として表される。水迷路能力は、第10週および最終週に実施した。アルファシヌクレイン凝集、シナプトフィジン、およびMAP2の神経病理学測定値を得た。アルファシヌクレイン、PSD95、シナプトフィジンの生化学測定値を得た。シナプスマーカー、ニューロンマーカーおよびグリアマーカーを用いて、選択多重標識および共焦点標識を行った。

0145

結果は、5D12以外のすべての抗体が、α−シヌクレイン蓄積を有意に低下させ、MWM能力における陽性の成果に加えて、シナプスおよび樹状密度を保存することを示した。9E4抗体は、行動試験のみならず、インビトロおよびインビボの調査において有効である。検出結果(readout)は、抗体が神経突起/軸索のアルファシヌクレイン凝集を低減するかも知れないことを示唆している。

0146

行動結果:9E4抗体は、α−シヌクレイン遺伝子組み換えマウスにおいて、水迷路能力を向上させた(図3図4)。一方、5D12抗体は、α−シヌクレイン遺伝子組み換えマウスにおいて、水迷路能力を向上させなかった(図4)。9E4抗体および1H7抗体は、速さおよびエラーの両方で測定したビームテストについての能力を向上させたが、5D12抗体および5C1抗体は向上させなかった(図4)。

0147

神経病理学結果:9E4抗体、1H7抗体および5C1抗体が、ELADW−105陽性神経突起ジストロフィーを低減したのに対し、5D12抗体は低減しなかった。アルファシヌクレイン遺伝子組み換えマウスにおいて、9E4抗体は、対照と比較して、神経網の面積を、新皮質で43%、基底核で40%減少させた。9E4抗体は、また、新皮質および基底核において、シナプトフィジンおよびMAP2を保存した。

0148

実施例III.免疫沈降
種々のバージョンのヒト化9E4抗体の免疫沈降を実施して、疾患組織由来のその抗原に対する結合有効性を試験した(図5)。レビー小体脳を有する認知症から得た、150μgのTris可溶性溶解物を、プロテイン磁気ビーズ(New England Biolabs)を用いて、5μgの別途示した各抗体で免疫沈降した。試料PBS/350mM NaCl/0.5% NP−40で5回洗浄し、煮沸し、結果の試料をSDS−PAGEによって分離した。ブロットした後、全シヌクレインを検出するポリクローナル抗体であるAb5038(Millipore)で、膜をインキュベートした。実験を3回繰り返して、精度を確認した。

0149

実施例IV.ウエスタンブロット
マウス抗体、キメラ抗体およびヒト化9E4抗体での、遺伝子組み換えヒトシヌクレインのウエスタンブロットを図6に示す。抗体希釈曲線は、マウス抗体、キメラ抗体およびヒト化9E4抗体について、見かけ上同様である。すべての抗体は、28KDaにバンドを検出し、49kDaに第2のバンドを検出した。49kDaバンドは、おそらくシヌクレインの多量体である。

0150

示した量の遺伝子組み換え細菌発現ヒト野生型シヌクレインをSDS−PAGEで分離し、同量の別途示したタイプの9E4でブロットした。洗浄後、IRDye−800フルオロフォア抱合した種適合ヤギポリクローナル抗体を施し、ブロットを洗浄した。曝露時間は異なる抗体間で同一であった。

実施例

0151

寄託
次のハイブリドーマを、ブダペスト条約の定めるところに従って、別途示した日に、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC,P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108)に寄託した。この寄託物は、試料提供の最新の求めが受託者によって受領された後少なくとも5年の期間、寄託の日後少なくとも30年の期間、または、関連する特許の法的効力のある期間のうちの最長の期間、公認保管所に保存され、突然変異、育成不能または破壊が生じた場合には、置き換えられる。これらの細胞株の公衆への利用可能性に対するすべての制約は、出願から特許が発行されると、取消不能の形で除かれる。

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    【課題】水溶性が改善した、ルチンの高い経口吸収を示す組成物の提供。【解決手段】ルチンとL−アルギニンとアスコルビン酸のアルカリ塩との間のモル比が1:1.6〜3.0:0.1〜2.0である、ルチン、L−ア... 詳細

  • コニカミノルタ株式会社の「 標識化抗体分散液、SPFS用キット」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】[課題]本発明は、抗体に標識物質を結合させている標識化抗体を測定に用いる際に、標識化抗体が好適に分散している標識化抗体分散液、およびSPFS用キットを提供することを課題とする。[解決... 詳細

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