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課題

増大したストレス抵抗性及び/又は改善された保存特性を有する、特に細胞内トレハロース蓄積させるグラム陽性菌の提供。

解決手段

セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性欠く、又は機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性PtcCをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失破壊又は不活性化されている、非病原性グラム陽性菌。トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠く、又は機能的なTrePPC遺伝子産物を産生することが不可能な様に内因性TrePPをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失又は不活性化されている、非病原性グラム陽性菌。

概要

背景

グラム陽性菌は、単一の脂質二重層細胞膜を有するものとしてまとめて分類される。グ
ラム陽性菌は多数の状及び球状の(cocciform)細菌属、とりわけビフィズス菌及び乳
酸菌(LAB)としてまとめて知られる属の群を含む。LABは、共通の代謝特性及び生
的特性によって関連付けられるグラム陽性、低GC酸耐性の、概して非芽胞形成性、
呼吸性桿菌又は球菌分岐群である。通常は(腐敗した)植物及び乳製品中に見られ
るこれらの細菌は、炭水化物発酵の主要代謝最終産物として乳酸を産生する。酸性化によ
って腐敗物質成長阻害されるため、この特質から、歴史を通して、LABと食品発酵
とが関連付けられている。原型LABのラクトコッカスラクティス(Lactococcus lact
is)は中温性かつ微好気性発酵性乳酸菌である。この細菌はとりわけ酪農業における食
品発酵に広く用いられているが、感染等の体腔の感染を治療する医薬又は生物学的に活
性な分子送達用の担体としての薬剤及び栄養補助食品におけるその使用への関心が高ま
っている。これら全ての場合において、生存能力の高いスターター培養物又は高比率の生
菌を含む医薬品配合物若しくは栄養補助食品配合物が必要とされている。しかしながら、
ラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)は、保存中又は加工(例えば(for a.o)乾燥
粉末処方の作製、錠剤の形成)中に生存能力を失う傾向がある。生存能力の低下は、凍結
乾燥後の細菌が強酸性又は胆汁塩の存在等の付加的なストレスを受けた場合に更に顕著で
ある。

この問題を克服するために幾つかの方法が提案されている。トレハロースの使用への関
心が特に高い。トレハロース(α−D−グルコピラノシル−1,1−α−D−グルコピラ
ノシド)は、細菌から無脊椎動物まで多様な生物に見られる非還元性二糖類である。トレ
ハロースは、場合によってはデキストランと組み合わせて、外部から添加される凍結保存
剤(cryopreservant)として使用されることが多い。外部から添加されたトレハロースは
サッカリド基質として機能し(非特許文献1)、とりわけフリーズドライ時にガラス形成
剤として作用し、保護効果を発揮する。さらに、トレハロースはストレス代謝産物として
よく認められており、真菌、とりわけサッカロマイセスセレヴィシエ(Saccharomyces
cerevisiae)において広く研究されている。高濃度の内部トレハロースは保存能力を改善
し、凍結保存時により高い生存能力をもたらす。しかしながら、外部から添加されたトレ
ハロースは取り込まれないか又は取込み後急速に代謝されるため、微生物において内部ト
レハロース蓄積を殆どもたらさないことに留意しなくてはならない。

Termont et al.(非特許文献2)は、デノボ合成されたトレハロースが、otsA(ト
レハロース−6−リン酸シンターゼ)及びotsB(トレハロース−6−リン酸ホスファ
ターゼ)のプラスミド誘導過剰発現によって、ラクトコッカス・ラクティスにおいて細胞
内に蓄積することを報告している。外生的に添加されたトレハロースではない細胞内トレ
ハロースの蓄積は、ラクトコッカス・ラクティスを胆汁溶解及びフリーズドライによる細
胞死から保護する。ラクトコッカス・ラクティスは極めて影響を受け易いため、胆汁溶解
に対する保護を細胞内トレハロース蓄積の優れた機能的なアッセイとして用いることがで
きる。

Andersson et al.(非特許文献3)は、ラクトコッカス・ラクティスにおけるトレハ
ース利用の新規経路を記載している。この経路は、トレハロース−6−リン酸をβ−グ
ルコース1−リン酸及びグルコース6−リン酸へと変換するトレハロース−6−リン酸ホ
スホリラーゼ(trePP)の活性を用いるものである。Andersson et al.は、トレハロ
ースで成長する能力の喪失をもたらすラクトコッカス・ラクティスにおけるtrePPの
挿入不活性化を記載している。

トレハロースの細胞内蓄積について、Carvalho et al.(非特許文献4)は、ラクト
カス・ラクティスtrePP及びβ−ホスホグルコムターゼ(pgmB)のプラスミド
誘導過剰発現を利用する方法を記載している。Carvalho et al.によって示されるように
、細菌がトレハロース6−リン酸ホスファターゼを欠いている場合に、食品等級生物プロ
ピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(P. freudenreichii)に由来するそれぞれの遺
伝子otsBを用いて所要の活性が得られた。得られる細胞は低温ショック熱ショック
及び酸性に対する抵抗性の改善を示した。しかしながら、Carvalho et al.は、産生され
たトレハロースの少なくとも67%が成長培地中に見られることを示している。したがっ
て、産生されたトレハロースは、細胞内に効率的に保持又は蓄積されないようである。

これらのプロセスは確かに保存の改善をもたらすが、細菌を医学的用途で生物学的に活
性な化合物の送達に用いる場合だけでなく、細菌を酪農業等の食品産業に用いる場合にも
、LAB又はビフィズス菌等のグラム陽性菌の保存の改善をもたらすことのできる方法が
更に必要とされている。

非特許文献5は、ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)細菌の
或る特定の突然変異体を開示しており、これをPTS系IICコンポーネント(PtcC
)突然変異体と表している。Lowesによって研究されたストレプトコッカス・ミュータン
ス(S. mutans)は齲蝕を引き起こす病原体であり、Lowesは最終的に、その病原性との関
連でのストレプトコッカス・ミュータンスのゲノム変異性調査を扱っている。β−グル
コシ炭水化物源の利用はストレプトコッカス・ミュータンスの病原性及び生存関与
、PtcCはこの観点から調査されている。Lowesはトレハロースの内部蓄積についても
、細菌のストレス抵抗性の改善についてもPtcCの任意の役割を示していない。特に、
非特許文献5ではβ−グルコシドの代謝が研究されているが、トレハロースはα−グルコ
シドである。Lowesは非病原性細菌のPtcC突然変異体又はかかる突然変異体の任意の
有用性については扱っていない。

概要

増大したストレス抵抗性及び/又は改善された保存特性を有する、特に細胞内トレハロースを蓄積させるグラム陽性菌の提供。セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性を欠く、又は機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性PtcCをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失破壊又は不活性化されている、非病原性グラム陽性菌。トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠く、又は機能的なTrePPC遺伝子産物を産生することが不可能な様に内因性TrePPをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失又は不活性化されている、非病原性グラム陽性菌。なし

目的

更なる態様は、薬剤として使用される、PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に
非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性欠く、又は機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性PtcCをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失破壊又は不活性化されている、非病原性グラム陽性菌

請求項2

PtcC遺伝子又はタンパク質が、それぞれ配列番号7又は配列番号8に少なくとも75%同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項3

トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠く、又は機能的なTrePP遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性TrePPをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されている、請求項1又は2に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項4

トレハローストランスポーター又は内因性トレハローストランスポーターをコードする1つ又は複数の遺伝子を過剰発現する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項5

機能的な異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項6

前記トレハロース6−リン酸ホスファターゼがotsB又は大腸菌由来するotsBである、請求項5に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項7

1つ又は複数の異種遺伝子産物、又は1つ又は複数の予防的及び/又は治療的な遺伝子産物を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項8

乾燥、噴霧乾燥凍結又はフリーズドライされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項9

乳酸菌(LAB)、又はラクトコッカス種若しくはラクトバシラス種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項10

ビフィドバクテリウム種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項11

薬剤として使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌。

請求項12

請求項1〜10のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌を含む薬剤、食品添加物プロバイオティック組成物又はスターター培養物

請求項13

食品調製用のスターター培養物である、請求項12に記載のスターター培養物。

請求項14

薬剤を調製する又は食品添加物を調製する又はスターター培養物を調製する又はプロバイオティック組成物を調製する方法であって、i)請求項1〜10のいずれか一項に記載の非病原性グラム陽性菌を、該グラム陽性菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培地中で増殖させる工程と、ii)そのようにして増殖させた非病原性グラム陽性菌を、薬剤又は食品添加物又はスターター培養物又はプロバイオティック組成物のそれぞれに配合する工程と、を含む、方法。

請求項15

セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性を欠き、又は機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性PtcCをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されているグラム陽性菌においてトレハロースを内因的蓄積させる方法であって、前記グラム陽性菌を、該グラム陽性菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培地中で増殖させることを含む、方法。

請求項16

前記細菌が非病原性グラム陽性菌、又は乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌である、請求項15に記載の方法。

請求項17

培養培地炭素源、又は主要な若しくは唯一の炭素源としてマルトース若しくはグルコース又はマルトース及びグルコースの組合せを含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記培養培地が実質的に外部から添加されたトレハロースを含有しない、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

グラム陽性菌、又は乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌のストレス抵抗性若しくは保存特性、又は酸性条件に対する抵抗性、胆汁塩に対する抵抗性、乾燥、凍結若しくはフリーズドライに対する抵抗性、及び浸透圧抵抗性を含む群から選択される1つ又は複数のストレス抵抗性若しくは保存特性を改善する方法であって、前記グラム陽性菌を、PtcC活性を欠き、又は機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性PtcCをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されるように改変することを含む、方法。

請求項20

前記細菌が非病原性グラム陽性菌である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記グラム陽性菌がTrePP活性を欠き、又は機能的なTrePP遺伝子産物を産生することが不可能なように内因性TrePPをコードする遺伝子が部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されている、請求項19又は20に記載の方法。

請求項22

前記グラム陽性菌がトレハローストランスポーター又は内因性トレハローストランスポーターをコードする1つ又は複数の遺伝子を過剰発現する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

前記グラム陽性菌が機能的な異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを含有する、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

前記トレハロース6−リン酸ホスファターゼがotsB又は大腸菌に由来するotsBである、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記グラム陽性菌が1つ又は複数の異種遺伝子産物、又は1つ又は複数の予防的及び/又は治療的な遺伝子産物又は抗原発現する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記グラム陽性菌、薬剤、食品添加物、又はスターター培養物を凍結又はフリーズドライすることを更に含む、請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

請求項12又は13に記載の食品添加物又はスターター培養物と、非病原性グラム陽性菌によって発酵させることが可能な基質材料とを混合することを含み、任意に該基質材料を発酵させる工程を更に含む、食品を調製する方法。

請求項28

請求項27に記載の方法によって得ることができる食品。

技術分野

0001

本発明は、改善されたストレス抵抗性並びに改善された製造特性、加工特性及び保存特
性を有するグラム陽性菌等の微生物に関する。本発明は特に、細胞内トレハロース蓄積
させる遺伝子組み換え微生物に関する。本発明は、食品技術及び医学的用途におけるこれ
らの微生物の使用に更に関する。

背景技術

0002

グラム陽性菌は、単一の脂質二重層細胞膜を有するものとしてまとめて分類される。グ
ラム陽性菌は多数の状及び球状の(cocciform)細菌属、とりわけビフィズス菌及び乳
酸菌(LAB)としてまとめて知られる属の群を含む。LABは、共通の代謝特性及び生
的特性によって関連付けられるグラム陽性、低GC酸耐性の、概して非芽胞形成性、
呼吸性桿菌又は球菌分岐群である。通常は(腐敗した)植物及び乳製品中に見られ
るこれらの細菌は、炭水化物発酵の主要代謝最終産物として乳酸を産生する。酸性化によ
って腐敗物質成長阻害されるため、この特質から、歴史を通して、LABと食品発酵
とが関連付けられている。原型LABのラクトコッカスラクティス(Lactococcus lact
is)は中温性かつ微好気性発酵性乳酸菌である。この細菌はとりわけ酪農業における食
品発酵に広く用いられているが、感染等の体腔の感染を治療する医薬又は生物学的に活
性な分子送達用の担体としての薬剤及び栄養補助食品におけるその使用への関心が高ま
っている。これら全ての場合において、生存能力の高いスターター培養物又は高比率の生
菌を含む医薬品配合物若しくは栄養補助食品配合物が必要とされている。しかしながら、
ラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)は、保存中又は加工(例えば(for a.o)乾燥
粉末処方の作製、錠剤の形成)中に生存能力を失う傾向がある。生存能力の低下は、凍結
乾燥後の細菌が強酸性又は胆汁塩の存在等の付加的なストレスを受けた場合に更に顕著で
ある。

0003

この問題を克服するために幾つかの方法が提案されている。トレハロースの使用への関
心が特に高い。トレハロース(α−D−グルコピラノシル−1,1−α−D−グルコピラ
ノシド)は、細菌から無脊椎動物まで多様な生物に見られる非還元性二糖類である。トレ
ハロースは、場合によってはデキストランと組み合わせて、外部から添加される凍結保存
剤(cryopreservant)として使用されることが多い。外部から添加されたトレハロースは
サッカリド基質として機能し(非特許文献1)、とりわけフリーズドライ時にガラス形成
剤として作用し、保護効果を発揮する。さらに、トレハロースはストレス代謝産物として
よく認められており、真菌、とりわけサッカロマイセスセレヴィシエ(Saccharomyces
cerevisiae)において広く研究されている。高濃度の内部トレハロースは保存能力を改善
し、凍結保存時により高い生存能力をもたらす。しかしながら、外部から添加されたトレ
ハロースは取り込まれないか又は取込み後急速に代謝されるため、微生物において内部ト
レハロース蓄積を殆どもたらさないことに留意しなくてはならない。

0004

Termont et al.(非特許文献2)は、デノボ合成されたトレハロースが、otsA(ト
レハロース−6−リン酸シンターゼ)及びotsB(トレハロース−6−リン酸ホスファ
ターゼ)のプラスミド誘導過剰発現によって、ラクトコッカス・ラクティスにおいて細胞
内に蓄積することを報告している。外生的に添加されたトレハロースではない細胞内トレ
ハロースの蓄積は、ラクトコッカス・ラクティスを胆汁溶解及びフリーズドライによる細
胞死から保護する。ラクトコッカス・ラクティスは極めて影響を受け易いため、胆汁溶解
に対する保護を細胞内トレハロース蓄積の優れた機能的なアッセイとして用いることがで
きる。

0005

Andersson et al.(非特許文献3)は、ラクトコッカス・ラクティスにおけるトレハ
ース利用の新規経路を記載している。この経路は、トレハロース−6−リン酸をβ−グ
ルコース1−リン酸及びグルコース6−リン酸へと変換するトレハロース−6−リン酸ホ
スホリラーゼ(trePP)の活性を用いるものである。Andersson et al.は、トレハロ
ースで成長する能力の喪失をもたらすラクトコッカス・ラクティスにおけるtrePPの
挿入不活性化を記載している。

0006

トレハロースの細胞内蓄積について、Carvalho et al.(非特許文献4)は、ラクト
カス・ラクティスtrePP及びβ−ホスホグルコムターゼ(pgmB)のプラスミド
誘導過剰発現を利用する方法を記載している。Carvalho et al.によって示されるように
、細菌がトレハロース6−リン酸ホスファターゼを欠いている場合に、食品等級生物プロ
ピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(P. freudenreichii)に由来するそれぞれの遺
伝子otsBを用いて所要の活性が得られた。得られる細胞は低温ショック熱ショック
及び酸性に対する抵抗性の改善を示した。しかしながら、Carvalho et al.は、産生され
たトレハロースの少なくとも67%が成長培地中に見られることを示している。したがっ
て、産生されたトレハロースは、細胞内に効率的に保持又は蓄積されないようである。

0007

これらのプロセスは確かに保存の改善をもたらすが、細菌を医学的用途で生物学的に活
性な化合物の送達に用いる場合だけでなく、細菌を酪農業等の食品産業に用いる場合にも
、LAB又はビフィズス菌等のグラム陽性菌の保存の改善をもたらすことのできる方法が
更に必要とされている。

0008

非特許文献5は、ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)細菌の
或る特定の突然変異体を開示しており、これをPTS系IICコンポーネント(PtcC
)突然変異体と表している。Lowesによって研究されたストレプトコッカス・ミュータン
ス(S. mutans)は齲蝕を引き起こす病原体であり、Lowesは最終的に、その病原性との関
連でのストレプトコッカス・ミュータンスのゲノム変異性調査を扱っている。β−グル
コシ炭水化物源の利用はストレプトコッカス・ミュータンスの病原性及び生存関与
、PtcCはこの観点から調査されている。Lowesはトレハロースの内部蓄積についても
、細菌のストレス抵抗性の改善についてもPtcCの任意の役割を示していない。特に、
非特許文献5ではβ−グルコシドの代謝が研究されているが、トレハロースはα−グルコ
シドである。Lowesは非病原性細菌のPtcC突然変異体又はかかる突然変異体の任意の
有用性については扱っていない。

先行技術

0009

Conrad et al., 2000
Appl Environ Microbiol 72:7694; 2006
J Biol Chem 276:42707; 2001
Appl Environ Microbiol 77:4189; 2011
Lowes et al. 2006 (Oral Microbiol Immunol. 21(1): 21-7)

発明が解決しようとする課題

0010

細胞内トレハロースは、乳酸菌(LAB)等の微生物、例えばラクトコッカス・ラクテ
ィス細胞を様々な有害な物質又は条件から保護することができる。例としては、腸通過時
に生LABに起こる胆汁酸溶解、又はLABの保存に用いられる凍結、乾燥、噴霧乾燥
凍結乾燥の際の凍結ストレス及び/又は乾燥ストレスがある。

0011

細胞内でのトレハロースの蓄積を可能にする利用可能なアプローチは限られている。こ
れらは相同遺伝子又は異種遺伝子のプラスミド誘導過剰発現を利用するものである。しか
しながら、これは医薬品又は食品に用いるのに望ましい形態ではない。

課題を解決するための手段

0012

ここで、好ましくは内因性PtcCをコードする遺伝子を、機能的なptcC遺伝子
物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失破壊又は不活性化させること
による、グラム陽性菌におけるセロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(Pt
cC)活性の欠如のみに基づくトレハロースの細胞内蓄積を可能にする新規のアプローチ
を報告する。本発明者らは、蓄積トレハロースが、これまで予期及び同定されていないト
レハロース出口を介して経時的に細胞から或る程度漏出し、トレハロースが上清中で検出
され得ることを予想外に観察した。驚くべきことに、ptcCの不活性化がトレハロース
の放出を防ぐことが見出された。これらの発見は、PtcCがこれまでトレハロース輸送
と関連付けられておらず、周囲へのトレハロースの漏出及び放出に関与するトレハロース
出口として示唆されていなかったため、なおさら予想外である。また驚くべきことに、既
知の特徴付けられたトレハローストランスポーターは、このトレハロース漏出機構に関与
しないようである。

0013

一態様では、本発明は、セロビオース特異的PTS系II Cコンポーネント(Ptc
C)活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(L
AB)又はビフィズス菌に関する。

0014

更なる態様は、薬剤として使用される、PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に
非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を提供する。かか
る薬剤は、例えば医薬品配合物、栄養補助食品、メディカルフード若しくは機能性食品
又はプロバイオティクス包含し得る。

0015

別の態様では、本発明は、PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラ
ム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含む薬剤、スターター培養物
プロバイオティック組成物又は食品添加物、より具体的には非薬物的プロバイオティ
組成物又は食品添加物を提供する。限定されるものではないが、かかる食品添加物はス
ターター培養物、好ましくは食品の調製用のスターター培養物であり得る。したがって、
関連の態様は、PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好
ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含むスターター培養物、好ましくは食品の
調製用のスターター培養物を提供する。

0016

別の態様では、本発明は薬剤、スターター培養物、プロバイオティクス及び/又は食品
添加物、より具体的には非薬物的スターター培養物、プロバイオティクス又は食品添加物
としてのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス
菌の使用を提供する。限定されるものではないが、かかる食品添加物はスターター培養物
、好ましくは食品の調製用のスターター培養物であり得る。したがって、関連の態様は、
スターター培養物、好ましくは食品、より具体的には非薬物的食品である食品の調製用の
スターター培養物としてのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB
)又はビフィズス菌の使用を提供する。

0017

PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸
菌(LAB)若しくはビフィズス菌、又は上記食品添加物若しくは上記スターター培養物
と、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させるこ
とが可能な基質材料とを混合することを含む、食品を調製する方法も本発明の一態様によ
って提供される。実施の形態では、かかる方法は上記基質材料を発酵させる工程を更に含
み得る。このため、任意のかかる方法によって得ることができる食品が更に提供される。
食品はプロバイオティクスを包含し得るが、これに限定されない。

0018

別の態様は、医薬品配合物、栄養補助食品、メディカルフード若しくは機能性食品、若
しくはプロバイオティクス等の薬剤を調製する、又はプロバイオティック組成物若しくは
食品添加物、より具体的には非薬物的プロバイオティック組成物若しくは食品添加物を調
製する、又はスターター培養物、好ましくは食品の調製用のスターター培養物を調製する
方法であって、i)PtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌
、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌
(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培地中で増
殖させる工程と、ii)そのようにして増殖させたグラム陽性菌、例えば特に非病原性グ
ラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、薬剤又はプロバイオティ
ック組成物又は食品添加物又はスターター培養物のそれぞれに配合する工程と、を含む、
方法を提供する。したがって、医薬品配合物若しくは栄養補助食品、メディカルフード若
しくは機能性食品、若しくはプロバイオティクス等の薬剤の調製、又はプロバイオティッ
ク組成物若しくは食品添加物、より具体的には非薬物的プロバイオティック組成物若しく
は食品添加物の調製、又はスターター培養物、好ましくは食品の調製用のスターター培養
物の調製へのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の使用も包含される。

0019

本発明者らは、本明細書に記載されるLAB又はビフィズス菌等のグラム陽性菌、例え
ば特に非病原性グラム陽性菌が、炭素源とは無関係に細胞内トレハロース蓄積が可能であ
るだけでなく、該グラム陽性菌が、様々なストレス及び保存に関連する条件に対して大幅
に向上した抵抗性も示すことを見出した。例えば、グラム陽性菌は乾燥、凍結、噴霧乾燥
又はフリーズドライ(凍結乾燥)等の保存に関連する操作に対してより高い抵抗性を示す
。グラム陽性菌は、飼養状態又は絶食状態とは無関係に胃腸系における生存の向上も示し
、酸性及び胆汁溶解に対する抵抗性の改善が示される。本明細書に記載されるグラム陽性
菌の性能は、医療状況又は食品産業に関わらず、以前に知られているよりも再現性が高い
。したがって、本発明の原理を具体化するグラム陽性菌は、よりロバスト環境抵抗性
び生物学的抵抗性をもたらす。

0020

このため、一態様では、本発明はグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好
ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌においてトレハロースを内因的に蓄積させる
方法であって、PtcC活性を欠き、好ましくは内因性PtcCをコードする遺伝子が、
機能的なPtcC遺伝子産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、破
壊又は不活性化されているグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは
乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽性菌によって発酵させることが可能な
基質材料を含む培地中で増殖させることを含む、方法にも関する。

0021

更なる態様では、本発明はグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましく
は乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のストレス抵抗性又は製造特性、加工特性及び/又
保存特性を改善する方法であって、グラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、
好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、PtcC活性を欠くように改変するこ
とを含む、方法に関する。好ましくは、ストレス抵抗性又は製造特性、加工特性及び/又
は保存特性は、酸性条件に対する抵抗性、胆汁塩に対する抵抗性、熱に対する抵抗性、塩
に対する抵抗性、乾燥、凍結、噴霧乾燥又はフリーズドライに対する抵抗性、及び浸透圧
抵抗性を含む群から選択される1つ又は複数であり得る。

0022

上述のPtcC活性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましく
は乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌において、内因性PtcCをコードする遺伝子が、
機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、破
壊又は不活性化されていることが好ましい。かかる欠失、破壊又は不活性化が例えばpt
cC遺伝子のコード配列及び/又はptcCが発現されるプロモーターを標的とし得るこ
とが理解されよう。

0023

好ましい実施の形態では、本明細書で開示又は採用されるPtcC活性を欠くグラム
性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
は、トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠いていてもよい。T
rePP活性も欠くかかるグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは
乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌において、内因性TrePPをコードする遺伝子は、
機能的なTrePP遺伝子産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、
破壊又は不活性化されているのが好ましい。かかる欠失、破壊又は不活性化が例えばtr
ePP遺伝子のコード配列及び/又はtrePPが発現されるプロモーターを標的とし得
ることが理解されよう。本発明者らは驚くべきことに、TrePP活性を欠くグラム陽性
菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が
、トレハロースを細胞内に更に蓄積させることを見出した。本アプローチとは対照的に、
以前の研究(国際公開第2006/018446号)では、トレハロース蓄積を達成する
ためにotsB等の異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを発現させることが教示
されている。非特許文献4では、細胞内トレハロース蓄積を得るためにTrePPを過剰
発現することも更に指示されている。さらに、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcu
s lactis)等のLABはトレハロースを利用することが可能であり得るが、トレハロース
合成ラクトコッカス・ラクティス株はこれまで記載されていなかった。ラクトコッカス・
ラクティス中に存在する代謝産物であるグルコース−6−リン酸から開始するトレハロー
ス産生に必須であると考えられていた、内因性トレハロース−6−リン酸シンターゼ及び
トレハロース−6−リン酸ホスファターゼ遺伝子は同定されていなかった。

0024

好ましい実施の形態では、本明細書で開示又は採用されるPtcC活性を欠くグラム陽
性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
は、1つ又は複数のトレハローストランスポーター、好ましくは内因性トレハローストラ
スポーター、例えばトレハロースオペロンに含まれる1つ又は複数のホスホトランス
ェラーゼ系遺伝子を過剰発現し得る。本発明者らは驚くべきことに、かかる過剰発現が天
然トレハロース誘導性発現とは対照的に、細胞内トレハロースを蓄積及び/又は保持する
グラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌の能力を更に向上させることを見出した。

0025

好ましい実施の形態では、本明細書で採用されるPtcC活性を欠くグラム陽性菌、例
えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、機能
的な異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを含有する。本発明者らは、トレハロー
ス6−リン酸ホスファターゼの異種発現によってトレハロース蓄積を更に増加させること
を実現した。好ましい実施の形態では、トレハロース6−リン酸ホスファターゼはots
B、好ましくは大腸菌(E. coli)に由来するotsBである。

0026

要点まとめると、一部の実施の形態では、本明細書で開示又は採用されるPtcC活
性を欠くグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)
又はビフィズス菌は以下の特性のいずれか1つ、いずれか2つ又は3つ全てを付加的に示
し得る:(a)グラム陽性菌が機能的な異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを含
有する;(b)グラム陽性菌がTrePP活性を欠いている;(c)グラム陽性菌が1つ
又は複数のトレハローストランスポーターを過剰発現する。好ましい実施の形態では、P
tcC活性を欠くグラム陽性菌は、特性(b)を付加的に示し得るか、又はより好ましく
は特性(a)及び(b)を付加的に示し得るか、又は更により好ましくは特性(b)及び
(c)を付加的に示し得るか、又は非常に好ましくは特性(a)及び(b)及び(c)を
付加的に示し得る。

0027

好ましい実施の形態では、本明細書で開示又は採用されるグラム陽性菌、例えば特に非
病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、1つ又は複数の
異種遺伝子産物を付加的に含有し得る。とりわけグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラ
ム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が医薬品用途を目的とする一部
の好ましい実施の形態では、かかる遺伝子産物(複数の場合もあり)は予防的及び/又は
治療的な遺伝子産物(複数の場合もあり)又は抗原(複数の場合もあり)であり得る。

0028

或る特定の実施の形態では、本明細書で開示又は採用されるグラム陽性菌、例えば特に
非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、又は薬剤若
しくは食品添加物若しくはスターター培養物若しくはプロバイオティック組成物は乾燥、
噴霧乾燥、凍結又はフリーズドライ(凍結乾燥)させてもよい。したがって、一部の実施
の形態では、薬剤を調製する、又は食品添加物を調製する、又はスターター培養物を調製
する、又はプロバイオティック組成物を調製する、又はグラム陽性菌、例えば特に非病原
性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌においてトレハロー
スを内因的に蓄積させる、又はグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌のストレス抵抗性若しくは製造特性、加工特
性及び/又は保存特性を改善する上述の方法のいずれも、グラム陽性菌、例えば特に非病
原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、薬剤、食品添加
物、プロバイオティック組成物又はスターター培養物の乾燥、噴霧乾燥、凍結又はフリー
ドライ(凍結乾燥)を更に含み得る。

0029

薬剤を調製する若しくは食品添加物を調製する若しくはスターター培養物を調製する上
述の方法の或る特定の実施の形態、又はグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌
、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌においてトレハロースを内因的に蓄
積させる上述の方法の或る特定の実施の形態では、培養培地は炭素源、好ましくは主要な
又は更には唯一の炭素源としてマルトース若しくはグルコース又はマルトースとグルコー
スとの組合せを含み得る。或る特定の実施の形態では、培養培地は外部から(外生的に)
添加されたトレハロースを実質的に含有しない。本発明者らは驚くべきことに、本明細書
で開示されるグラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LA
B)若しくはビフィズス菌が、細胞内へのトレハロースの蓄積にマルトース又はグルコー
ス等の炭素源を利用する能力を獲得していることを見出した。したがって、本発明による
グラム陽性菌、例えば特に非病原性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくは
ビフィズス菌は、例えばトレハロースよりも安価なマルトースを唯一の炭素源として有利
に成長し、更には細胞内トレハロースを蓄積させることができる。とは言え、或る特定の
実施の形態では、培養培地が外部から(外生的に)添加されたトレハロースを含有してい
てもよいことが理解されよう。

0030

或る特定の好ましい実施の形態では、本明細書で対象とされるグラム陽性菌、例えば特
に非病原性グラム陽性菌は、乳酸菌(LAB)、より好ましくはラクトコッカス種又はラ
クトバシラス種細菌であり得る。

0031

或る特定の他の好ましい実施の形態では、本明細書で対象とされるグラム陽性菌、例え
ば特に非病原性グラム陽性菌は、ビフィドバクテリウム種細菌であり得る。

0032

本発明の上記の及び更なる態様並びに好ましい実施の形態は、以下のセクション及び添
付の特許請求の範囲において記載される。添付の特許請求の範囲の主題は、具体的に引用
することにより本明細書の一部をなすものとする。

図面の簡単な説明

0033

細胞内トレハロース蓄積がtrePP不活性化後、otsB発現後又はそれらの組合せで可能であることを示す図である。
ラクトコッカス・ラクティス細胞における外因性トレハロースの蓄積が胆汁溶解に対する保護をもたらすことを示す図である。(A)生存及び(B)トレハロース含量
細胞内トレハロースの蓄積及び安定性を示す図である。(A)経時的なトレハロース放出及び(B)上清中のトレハロース増加。
表2に記載の様々な株におけるトレハロースの蓄積及び放出を示す図である。株に100mM(A)又は500mM(B)のトレハロースを添加した。
ptcCの不活性化が細胞内トレハロースの放出を防ぐ(M9塩中、パネルA)又は遅らせる(0.5%oxgal中、パネルB)ことを示す図である。
ラクトコッカス・ラクティス細胞における外因性トレハロースの蓄積が胆汁溶解に対する保護をもたらすことを示す図である。(A)経時的な細胞内トレハロースの放出及び(B)0.5%oxgalにおける経時的な生存。
trePPKO株(ptcC wt及びptcC KOの両方)がグルコース又はマルトースを細胞内トレハロースへと変換することが可能であることを示す図である。
ブタを24時間絶食させた場合(A)及び不断給餌の場合(B)の両方でブタの腸における腸通過時の生存が向上したことを示す図である。
バイオマス生後のトレハロース蓄積を示す図である。
マルトースによる細胞内トレハロースの蓄積の刺激を示す図である。
バイオマス産生中又はその後のマルトースから細胞内トレハロースへの変換を示す図である。

0034

明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確な
指示のない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。

0035

本明細書中で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び
「含む(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)
」、又は「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括
又は無制限であり、付加的な、記載されていない成員、要素又は方法工程を除外するもの
ではない。本明細書中で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises
)」及び「含む(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「
なる(consists)」及び「からなる(consists of)」という用語、並びに「から本質的
になる(consisting essentially of)」、「本質的になる(consists essentially)」
及び「から本質的になる(consists essentially of)」という用語を含むことを理解さ
れたい。

0036

端点による数値範囲の記載は、それぞれの範囲内に含まれる全ての数及び分数、並びに
記載された端点を含む。

0037

本明細書中で使用される場合、「約(about)」又は「およそ(approximately)」とい
う用語は、パラメータ、量、時間幅(temporal duration)等の測定可能な値を表す場合
には、特定の値の、及び特定の値から±20%以下、好ましくは±10%以下、より好ま
しくは±5%以下、更により好ましくは±1%以下の変動を、開示する発明において実施
するのにこのような変動が適切である限りにおいて、包含することを意味する。修飾語
約」又は「およそ」が表す値自体も、具体的にかつ好ましく開示されると理解すべきであ
る。

0038

成員の群の1つ若しくは複数又は少なくとも1つの成員のような「1つ又は複数」又は
「少なくとも1つ」という用語はそれ自体明らかであるが、更なる例示を用いると、この
用語は、とりわけ上記成員のいずれか1つ又は上記成員のいずれか2つ以上、例えば上記
成員のいずれか3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上又は7つ以上等、最大で上記成
員の全てへの言及を包含する。

0039

本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体が引用することにより本明細書の一
部をなすものとする。特に、本明細書で具体的に言及される全ての参考文献の教示は、引
用することにより本明細書の一部をなすものとする。

0040

別途定義されない限り、本発明の開示において使用される技術用語及び科学用語を包含
する全ての用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって通常理解される意味
を有する。更なる指標により、本発明の教示をよりよく理解するための用語の定義が包含
される。

0041

以下の節では、本発明の種々の態様を更に詳細に規定する。そこで規定された各々の態
様は、そうではないことが明確に示されていない限り、他の任意の態様(単数又は複数)
と組み合わせてもよい。特に、好適又は有利であると示される任意の特徴を、好適又は有
利であると示される他の任意の特徴(単数又は複数)と組み合わせてもよい。

0042

本明細書全体を通して、「一実施形態("one embodiment" or "an embodiment")」へ
の言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくと
も1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書全体を通して様々な場
所での「一実施形態では("in one embodiment" or "in an embodiment")という表現
登場は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するものではないが、そうであってもよい。
さらに、本開示から当業者に明らかであり得るように、特定の特徴、構造又は特性を1つ
又は複数の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせてもよい。さらに、当業者に
理解され得るように、本明細書に記載の一部の実施形態は他の実施形態に含まれる一部の
特徴を含むが他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組合せが本発明の範囲内に含ま
れ、種々の実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲において
、特許請求される実施形態のいずれも任意の組合せで用いることができる。

0043

本発明の以下の詳細な説明において、本発明の一部を形成し、本発明を実施することの
できる具体的な実施形態の例示としてのみ示される添付の図面に言及する。他の実施形態
を用いてもよく、本発明の範囲を逸脱することなく構造的又は論理的変化を加えることが
できることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味に取られず、
本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。

0044

組み換えDNA技術の一般原則を説明する標準的な参考資料は、Molecular Cloning: A
Laboratory Manual、第2版、1〜3巻、Sambrook et al.編、Cold Spring Harbor Labo
ratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989;Current Protocols in Molecular Bio
logy、Ausubel et al.編、Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York, 1992
(定期的な改訂あり)("Ausubel et al. 1992");Innis et al.,PCRProtocols: A Gu
ide to Methodsand Applications、Academic Press: San Diego, 1990を含む。微生物学
の一般原則は、例えば、Davis, B. D. et al., Microbiology、第3版、Harper & Row, p
ublishers、Philadelphia, Pa (1980)中で説明される。

0045

本発明者らは、トレハロースが、これまで同定又は予期されていないトレハロース出口
を介して細胞から或る程度漏出し、上清中で回収され得ることを見出した。驚くべきこと
に、本発明者らはptcCの破壊によってトレハロースの放出が回避されることを見出し
た。

0046

セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性を欠くグラム陽性
菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が本明細書で開示される。

0047

一態様では、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は薬剤とし
て使用される、すなわち治療に使用される。更なる態様は、PtcC活性を欠くグラム陽
性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含む薬剤を提供する。薬剤の製造
へのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の
使用も開示される。かかる薬剤は例えば医薬品配合物、栄養補助食品、プロバイオティク
ス又はメディカルフードとして提供され得る。

0048

別の態様は、プロバイオティクス又は食品添加物、より具体的には非薬物的プロバイオ
ティクス又は食品添加物としてのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(
LAB)又はビフィズス菌の使用を提供する。関連の態様は、スターター培養物、好まし
くは食品の調製用の、より具体的には非薬物的食品である食品の調製用のスターター培養
物としてのPtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌の使用を提供する。

0049

このため、更なる態様は、PtcC活性を欠くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LA
B)又はビフィズス菌を含むプロバイオティクス又は食品添加物、より具体的には非薬物
的プロバイオティクス又は食品添加物を提供する。関連の態様は、PtcC活性を欠くグ
ラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含むスターター培養物、好
ましくは食品の調製用の、より具体的には非薬物的食品である食品の調製用のスターター
培養物を提供する。

0050

本明細書で使用される場合、「グラム陽性菌」という用語は当該技術分野で既知のその
一般的な意味を有する。更なる指針を用いると、グラム陽性菌を、クリスタルバイオレッ
染料を保持するグラム染色によって同定することができる。

0051

好ましい実施形態では、本発明によるグラム陽性菌は、対象とする被験体投与した場
合に害を及ぼさないか又は有害な影響をもたらさないという意味で非病原性である。

0052

本明細書で使用される場合、「乳酸菌」又は(or)「LAB」という用語は、対象とす
る被験体に投与した場合に害を及ぼさないか又は有害な影響をもたらさないという意味で
非病原性であり、好ましくはラクトコッカス、ラクトバシラスリューコノストック、ペ
ディオコッカス、ストレプトコッカス、アエロコッカス、カルノバクテリウム、エンテロ
コッカス、オエノコッカス、スポロラクトバチルステトラジェノコッカス、バゴコッカ
ス及びワイセラ(Weissella)の細菌属に属するグラム陽性菌に関する。より好ましくは
、LABはラクトコッカス・ラクティス、ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garv
ieae)、ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium)、ラクトコッカス・プラン
タラム(Lactococcus plantarum)及びラクトコッカス・ラフィノラクチス(Lactococcus
raffinolactis)、並びにそれらの任意の亜種及び株等であるが、これらに限定されない
ラクトコッカス種であり得る。最も好ましくは、ラクトコッカス種はラクトコッカス・ラ
クティス、並びにその任意の亜種及び株、例えば限定されるものではないが、ラクトコッ
カス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis ssp. cremoris)、ラクトコッカ
ス・ラクティス亜種ホルドニアエ(Lactococcus lactis ssp. hordniae)、ラクトコッカ
ス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis ssp. lactis)、ラクトコッカス・
ラクティス亜種bv.ジアセチラクティス(Lactococcus lactis ssp. bv. diacetylacti
s)であり得る。更に好ましくは、ラクトコッカス・ラクティスはラクトコッカス・ラク
ティス亜種クレモリス又はラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス、より好ましくは
ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリスであってもよく、それらの任意の株、例えば
ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリスSK11、ラクトコッカス・ラクティス亜種
クレモリスMG1363又はラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスIL1403を
包含する。また好ましくは、LABはエンテロコッカス種、好ましくはエンテロコッカス
フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcu
s faecium)、並びにそれらの任意の亜種及び株、例えば限定されるものではないが、エ
テロコッカス・フェシウムLMG15709株であり得る。

0053

ビフィズス菌はグラム陽性、非運動性の、多くの場合分岐した嫌気性の細菌属である。
本明細書で使用されるビフィズス菌は、ビフィドバクテリウムアドレセンティス(B. a
dolescentis)、ビフィドバクテリウム・アンギュラータム(B. angulatum)、ビフィド
バクテリウム・アニマリス(B. animalis)、ビフィドバクテリウム・アステロイデス(B
. asteroides)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(B. bifidum)、ビフィドバクテ
リウム・ボウム(B. boum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィド
バクテリウム・カテヌラータム(B. catenulatum)、ビフィドバクテリウム・ケリナム(
B. choerinum)、ビフィドバクテリウム・コリフォーム(B. coryneforme)、ビフィド
バクテリウム・クニクリ(B. cuniculi)、ビフィドバクテリウム・デンティコレンス(B
. denticolens)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(B. dentium)、ビフィドバク
テリウム・ガリクム(B. gallicum)、ビフィドバクテリウム・ガリナラム(B. gallinar
um)、ビフィドバクテリウム・インディカム(B. indicum)、ビフィドバクテリウム・イ
ファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウム・イノピナタム(B. inopinatum
)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(B. lactis)、ビフィドバクテリウム・ロン
ム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・マグナム(B. magnum)、ビフィドバクテリウ
ム・メリシカム(B. merycicum)、ビフィドバクテリウム・ミニマム(B. minimum)、ビ
フィドバクテリウム・シュードカヌラータム(B. pseudocatenulatum)、ビフィドバク
テリウム・シュードロンガム(B. pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・プロルム(B
. pullorum)、ビフィドバクテリウム・ルミナンティウム(B. ruminantium)、ビフィド
バクテリウム・サーキュラーレ(B. saeculare)、ビフィドバクテリウム・ズブチル(B.
subtile)、ビフィドバクテリウム・ズイス(B. suis)、ビフィドバクテリウム・サー
アシドフィルム(B. thermacidophilum)、ビフィドバクテリウム・サーモフィルム(B
. thermophilum)を含み得る。ビフィズス菌はビフィドバクテリウム・アドレセンティス
、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバ
クテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガムであるのが好ましい。
ビフィズス菌の全ての亜種及び株も含まれることを理解されたい。

0054

本明細書で使用される「セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント」、「pt
cC」又は「PtcC」は、ホスホトランスフェラーゼ系コンポーネントを指す。ホスホ
トランスフェラーゼ系は、細胞膜を介した転移と同時に起こるホスホエノールピルビン酸
塩から流入糖基質へのホスホリル基の移動の触媒に関与する。PtcCはセロビオース特
異的PTS系の膜貫通コンポーネントである。PtcCは、これまでトレハロース輸送に
関連付けられておらず、ましてやグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィ
ズス菌からのトレハロース漏出に関連付けられてもいなかった。例としては、ラクトコッ
カス・ラクティス亜種クレモリスMG1363のptcCの核酸配列及びタンパク質配列
は、それぞれ配列番号7及び配列番号8(それぞれGenbankアクセッション番号N
C_009004.1(領域430271〜431608)及びYP_00103179
0.1に対応する)によって表される。一実施形態では、本明細書で使用されるptcC
は、それぞれ配列番号7及び配列番号8の核酸配列若しくはアミノ酸配列を有するか、又
は配列番号8をコードする核酸を有する遺伝子又はタンパク質に関する。

0055

更なる実施形態では、本明細書で使用されるptcCは、それぞれ配列番号7及び配列
番号8に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、
95%、又はそれ以上の%で同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子又はタンパ
ク質に関する。別の実施形態では、本明細書で使用されるPtcCは、配列番号8に少な
くとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、又は
それ以上の%で同一なタンパク質をコードする。更なる実施形態では、本明細書で使用さ
れるptcCは、配列番号7に少なくとも55%同一な、例えば少なくとも60%、65
%、70%又はそれ以上の%で同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子に関する
。更なる実施形態では、本明細書で使用されるptcCは、配列番号8に少なくとも45
%同一な、例えば少なくとも50%、55%、60%、65%、70%又はそれ以上の%
で同一なアミノ酸配列を有するタンパク質に関する。別の実施形態では、本明細書で使用
されるPtcCは、配列番号8に少なくとも45%同一な、例えば少なくとも50%、5
5%、60%、65%、70%又はそれ以上の%で同一なタンパク質をコードする。上記
の配列が機能的なPtcCタンパク質に関する又はそれをコードするのが好ましい。別の
実施形態では、本明細書で使用されるptcCはグラム陽性菌、配列番号7及び配列番号
8のLABオーソログである。好ましくは、限定されるものではないが、本段落で個別化
される配列同一性は、とりわけグラム陽性菌が乳酸菌(LAB)、より好ましくはラクト
コッカス種、更により好ましくはラクトコッカス・ラクティスである場合に適用され得る

0056

例としては、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)PR
L2010のptcCの核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれGenbankアク
ション番号NC_014638.1(領域2033198..2034538、相補的
)及びYP_003971775.1によって表され、ビフィドバクテリウム・ロンガム
亜種ロンガム(Bifidobacterium longum subsp. longum)KACC91563のptc
Cの核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれGenbankアクセッション番号NC_
017221.1(領域2316679..2317218)及びYP_0055882
51.1によって表され、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)
UCC2003のptcCの核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれGenbankア
クセッション番号CP000303.1(領域2379064..2380443、相補
的)及びABE96554.1によって表される。

0057

更なる実施形態では、本明細書で使用されるptcCは、それぞれ上述のGenban
kアクセッション番号で規定されるビフィドバクテリウム・ビフィドゥムPRL2010
又はビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムKACC91563又はビフィドバ
クテリウム・ブレーベUCC2003のptcCの核酸配列又はタンパク質配列に少なく
とも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%又はそれ
以上の%で同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子又はタンパク質に関する。上
記の配列が機能的なPtcCタンパク質に関する又はそれをコードするのが好ましい。別
の実施形態では、本明細書で使用されるptcCは上記ビフィドバクテリウム種のptc
Cのビフィズス菌オーソログである。好ましくは、限定されるものではないが、本段落で
個別化される配列同一性は、とりわけグラム陽性菌がビフィズス菌である場合に適用され
得る。

0058

当業者に明らかであり得るように、多くの更なるグラム陽性菌のPTS系IICコンポ
ーネントの配列は、例えば探索文字列「PTS系IICコンポーネント」若しくは類似の
語を、任意に所望のグラム陽性菌の属名(例えば「ラクトコッカス」、「ラクトバシラス
」、「リューコノストック」、「エンテロコッカス」、「ビフィドバクテリウム」等)若
しくは種名(例えば「ラクトコッカス・ラクティス」、「ラクトコッカス・ガルビエ(La
ctococcus garvieae)」、「ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium)」、「
ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)」、「ラクトコッカス・ラフ
ィノラクチス(Lactococcus raffinolactis)」、「エンテロコッカス・フェカリス(Ent
erococcus faecalis)」、「エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)」
、「ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)」、「
ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム」、「ビフィドバクテリウム・ブレーベ」、「ビフ
ィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)」等)と組み合わせて用いて
データベースクエリを行うことによって、又は文字列「PTS系IICコンポーネント
」若しくは類似の語を用いてかかる細菌の注釈付き完全ゲノム配列のクエリを行うことに
よってGenbankヌクレオチドデータベースから容易に検索することができる。公開
データベースに(未だ)含まれていない場合、かかる配列は配列相同性に基づく分子生物
学の日常的な技法によって容易に同定することができる。

0059

配列を比較する方法及び配列同一性を決定する方法は当該技術分野で既知である。例と
しては、配列同一性のパーセンテージは、2つの配列間で配列のアラインメント後に同一
な核酸又はアミノ酸のパーセンテージを指す。アラインメント及び同一性のパーセンテー
ジは、当該技術分野で既知の様々な異なるプログラム及びアルゴリズムを用いて行い、算
出することができる。好ましいアラインメントアルゴリズムとしては、BLAST(Alts
chul, 1990;例えばNCBIのウェブサイトで利用可能である)及びClustal(Ch
enna, 2003に概説されている;例えばEBIのウェブサイトで利用可能である)が挙げら
れる。例えばTatusova and Madden 1999 (FEMS Microbiol Lett 174: 247-250)によって
記載される「Blast 2 sequences」アルゴリズム等のBLASTを使用
し、例えば公表済みのデフォルト設定又は他の好適な設定(例えば、BLASTNアル
リズムについては、ギャップ開始コスト(cost to open a gap)=5、ギャップ伸長コス
ト(cost to extend a gap)=2、ミスマッチペナルティ=−2、マッチ報酬(reward f
or a match)=1、ギャップx_ドロップオフ=50、期待値=10.0、ワードサイズ
=28;又はBLASTPアルゴリズムについては、マトリックス=Blosum62、
ギャップ開始コスト=11、ギャップ伸張コスト=1、期待値=10.0、ワードサイズ
=3)を用いて2つの配列間の同一性のパーセンテージを算出するのが好ましい。

0060

PtcCの活性は、例えば遺伝子シークエンシングを用いて間接的に決定することがで
きる。このようにして、部分的又は完全な欠失、破壊又は不活性化突然変異を容易に同定
することができる。

0061

本明細書で使用される場合、「PtcC活性を欠く」という用語は、PtcC活性がな
い又は実質的にないことを意味する。更なる指針を用いると、PtcC活性は野生型のグ
ラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のPtcC活性の20%未満
である。例えば、PtcC活性は野生型PtcC活性の15%未満、好ましくは10%未
満、より好ましくは5%未満、更により好ましくは1%未満である。前述したように、最
も好ましくは、PtcC活性は検出不能であるか、又は実質的若しくは完全に失われてい
る。

0062

本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、「薬物」、「治療剤」という用語
、及び治療的又は予防的な効果を有する調製物を示すために医療分野で使用される他の用
語も包含する。

0063

本明細書で使用される場合、「治療する」又は「治療」という用語は、望ましくない生
理的変化又は障害を予防するか又は遅らせる(減少させる)ことを目的とする治療的な治
療及び予防的な(prophylactic or preventative)手段の両方を指す。本明細書で使用さ
れる「治療」、「治療する」等の用語は、発症した疾患若しくは病態罹患後の改善若し
くは除去、又はかかる疾患若しくは病態の特徴的な症状の緩和も含む。本明細書で使用さ
れる場合、これらの用語は、患者の状態に応じて、疾患若しくは病態又はそれと関連する
症状の重症度を上記疾患又は病態に罹患する前に低減することを含む、疾患若しくは病態
又は疾患若しくは病態と関連する症状の発症の予防も包含する。かかる罹患前の予防又は
低減は、投与時に疾患又は病態に罹患していない患者への本発明の化合物又は組成物の投
与を指す。「予防する」とは、例えば改善期間後の疾患若しくは病態又はそれと関連する
症状の再発又は再燃の予防も包含する。

0064

本明細書で使用される場合、「栄養補助食品」は概して、健康及び医学的な利益をもた
らす食品又は食製品を包含する。栄養補助食品は食用であり、ヒトが直接食することがで
きるが、好ましくは健康食品店で販売される種類の添加剤又は栄養補給剤の形態、例えば
錠剤の形態で、又は食用固形物、より好ましくはシリアルパン豆腐クッキーアイ
スクリーム、ケーキ、ポテトチップスプレッツェルチーズ等の加工食品、並びに飲用
液体、例えば牛乳炭酸飲料スポーツドリンク及びフルーツジュース等の飲料中の成分
としてヒトに与えられる。栄養補助食品の製造にとりわけ好ましいプロセスは、天然由来
溶媒しか含まない。栄養補助食品は、好ましくは比較的高レベルの健康増進物質を含有
し得る。栄養補助食品同士を混合して、健康増進効果を増大させることができる。

0065

栄養補助食品とは対照的に、いわゆる「メディカルフード」は一般に使用されることを
意図されず、商店又はスーパーマーケットでは入手不可能なものである。メディカルフー
ドは、疾患のリスクを低下させる低脂肪食品又は低塩食品等の健康食に含まれる食品では
なく、減量製品でもない。医師は、患者が疾患又は健康条件を管理するために特別な栄養
素を必要とし、患者が医師の長期継続ケア下にある場合にメディカルフードを処方する。
ベルには製品が特定の医学的障害又は病態の管理への使用を意図することが記載されて
いる。メディカルフードの一例は、慢性炎症状態の患者を標的とする栄養サポートを提供
するように設計された栄養的に多様なメディカルフードである。この製品の活性化合物
例えば本明細書に記載の1つ又は複数の化合物である。機能性食品は、疾患のリスクを低
下させる低脂肪食品若しくは低塩食品等の健康食に含まれる食品又は減量製品を包含し得
る。

0066

本明細書で使用される場合、「プロバイオティクス」という用語は、腸カメラ内の微生
物(微生物叢)の自然平衡の維持を助ける細菌を指す。また、正常なヒト消化管は有害な
細菌の成長を低減し、健康な消化系を促進するプロバイオティクス細菌を含有する。腸内
の最大のプロバイオティクス細菌群はLABである。本明細書で使用される場合、「プロ
バイオティック組成物」は、プロバイオティクスを含む組成物、好ましくは食用組成物
ある。本明細書で使用される「プロバイオティック組成物」という用語は、「健康補助食
品」と同義で使用することができる。本明細書で規定されるプロバイオティック組成物は
、腸内適用又は非経口適用用の医薬品配合物として使用することができるものであり、食
品及び飲料の補助、並びにカプセル若しくは錠剤等の固体配合物、又は溶液若しくは懸濁
液等の液体配合物とすることができる。かかる配合物としては、飲料(例えばActim
el(商標)、Yakult(商標)、DanActive(商標)等)、ヨーグルト
料、ヨーグルト、フレッシュチーズクリームサワークリーム等を挙げることができる
が、これらに限定されない。したがって、プロバイオティクス又はプロバイオティック
成物は薬物的又は非薬物的に適用され得ることが理解されよう。

0067

「スターター培養物」という用語は、実際に発酵を行う微生物培養物を指す。これらの
スターターは、通常は発酵に使用される微生物が良好にコロニー形成した穀類、種子又は
液体栄養素等の培養媒体からなる。本明細書で使用される場合、「スターター培養物」と
いう用語は、高密度スターター培養物を指すのが好ましい。したがって、スターター培養
物は、任意に高密度培養物を得るための別個のスターター培地中で培養した後に有機材料
の発酵を開始又は達成することが可能な生微生物を含む組成物を指し得る。代替的には、
スターター培養物は乾燥、噴霧乾燥、凍結又はフリーズドライしてもよい。

0068

先述のように、本発明者らは驚くべきことに、trePPの欠如がグラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌における細胞内トレハロース蓄積に十分である
ことを見出した。これとは対照的に、それぞれotsB及びotsA等の異種トレハロー
ス6−リン酸ホスファターゼ及び/又は異種トレハロース6−リン酸シンターゼの存在が
、細胞内トレハロース蓄積に必須であると以前は考えられていた。

0069

したがって、トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ活性を欠く、本明細書に記載され
るグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌に関する。

0070

本明細書で使用される場合、「トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ」、「treP
P」又は「TrePP」という用語は、トレハロース6−リン酸をリン酸化する酵素、好
ましくはグルコース−6−リン酸及びβ−D−グルコース−1−リン酸を生じるα,α−
トレハロース−6−リン酸とリン酸との反応、好ましくは可逆反応又はその逆を触媒する
酵素に関する。trePPの同義語は、例えばトレハロース−6−リン酸:リン酸β−D
グルコシルトランスフェラーゼ及びα,α−トレハロース−6−リン酸:リン酸β−D
−グルコシルトランスフェラーゼであり得る。例としては、ラクトコッカス・ラクティス
亜種クレモリスMG1363のtrePPの核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれ配
列番号1及び配列番号2(それぞれGenbankアクセッション番号NC_00900
4.1(領域449195〜451504)及びYP_001031805.1に対応す
る)によって表される。一実施形態では、本明細書で使用されるtrePPは、それぞれ
配列番号1及び配列番号2の核酸配列若しくはアミノ酸配列を有するか、又は配列番号2
をコードする核酸を有する遺伝子又はタンパク質に関する。更なる実施形態では、本明細
書で使用されるtrePPは、それぞれ配列番号1及び配列番号2に少なくとも75%同
一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上の%で
同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子又はタンパク質に関する。別の実施形態
では、本明細書で使用されるtrePPは、配列番号2に少なくとも75%同一な、例え
ば少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上の%で同一なタン
パク質をコードする。上記の配列が機能的なtrePPタンパク質に関するか又は機能的
なtrePPタンパク質をコードするのが好ましい。別の実施形態では、本明細書で使用
されるtrePPはグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌、配列
番号1及び配列番号2のオーソログである。

0071

trePPの活性は直接的又は間接的に測定することができる。活性を間接的に決定す
る一方法は遺伝子シークエンシングを用いるものである。このようにして、部分的又は完
全な欠失、破壊又は不活性化突然変異を容易に同定することができる。活性を決定する直
接的な方法は例えば、場合によっては事前の代謝標識と組み合わせた、基質消費又は反応
生成物形成(例えば、基質のトレハロース6−リン酸又は反応生成物のグルコース−6−
リン酸及びβ−D−グルコース−1−リン酸)を測定する、細胞抽出物を用いたアッセイ
に基づくものであり得る。例えば、基質及び生成物は、例えば非特許文献3に記載の高速
アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)によっても容易に決定することができる
。本明細書で使用される場合、「TrePP活性を欠く」という用語は、TrePP活性
がない又は実質的にないことを意味する。更なる指針を用いると、TrePP活性は野生
型のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のTrePP活性の2
0%未満である。例えば、TrePP活性は野生型TrePP活性の15%未満、好まし
くは10%未満、より好ましくは5%未満、更により好ましくは1%未満である。前述し
たように、最も好ましくは、TrePP活性は検出不能であるか、又は実質的若しくは完
全に失われている。

0072

本発明者らは、異種トレハロース6−リン酸シンターゼ及び/又は異種トレハロース6
−リン酸ホスファターゼの存在が細胞内トレハロース蓄積を更に増大させ得ることを見出
した。したがって、一実施形態では、本発明は、機能的な異種トレハロース6−リン酸ホ
スファターゼを含有する本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又
はビフィズス菌に関する。更なる実施形態では、本明細書に記載のグラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、機能的な異種トレハロース6−リン酸シンタ
ーゼを含有する。また別の実施形態では、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳
酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、機能的な異種トレハロース6−リン酸シンターゼを
含有し、機能的な異種トレハロース6−リン酸ホスファターゼを含有する。好ましい実施
形態では、トレハロース6−リン酸シンターゼはotsA、好ましくは大腸菌に由来する
otsAである。別の好ましい実施形態では、トレハロース6−リン酸ホスファターゼは
otsB、好ましくは大腸菌に由来するotsBである。

0073

トレハロース6−リン酸ホスファターゼ及び/又はシンターゼのゲノム組込みが特に好
ましく、組込みは好ましくは欧州特許出願公開第11168495.7号及び同第111
73588.2号に開示されている。これらの出願は二重シストロン発現系に関し、その
全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。トレハロース6−リン酸ホ
スファターゼ、好ましくはotsB及び/又はトレハロース6−リン酸シンターゼ、好ま
しくはotsAの好ましい位置は、本明細書で使用される場合、内因性usp45遺伝子
の後の2番目のシストロンである。

0074

本明細書で使用される場合、「含有する("contains")」という用語は、特定の遺伝子
産物を発現する、すなわち機能的又は活性なタンパク質がグラム陽性菌、好ましくは乳酸
菌(LAB)又はビフィズス菌において産生されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(L
AB)又はビフィズス菌に関するのが好ましい。

0075

本明細書で使用される場合、「トレハロース6−リン酸ホスファターゼ」という用語は
、トレハロース6−リン酸を脱リン酸化する酵素、好ましくはトレハロース−6−リン酸
のリン酸及びトレハロースを生じる反応を触媒する酵素に関する。トレハロース6−リン
酸ホスファターゼは、リン酸モノエステルヒドロラーゼファミリーに属する。トレハロー
ス6−リン酸ホスファターゼの同義語は、例えばα,α−トレハロース−6−リン酸ホス
ホヒドロラーゼ、トレハロース−6−リン酸ホスホヒドロラーゼ及びトレハロース6−ホ
スファターゼである。例としては、大腸菌(E. coli)のトレハロース6−リン酸ホスフ
ァターゼ(すなわちotsB)の核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれ配列番号3及
び配列番号4(それぞれGenbankアクセッション番号X69160.1(ヌクレオ
チド位置675〜1475)及びP31678.2に対応する)によって表される。一実
施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸ホスファターゼは、それぞれ
配列番号3及び配列番号4の核酸配列若しくはアミノ酸配列を有するか、又は配列番号4
をコードする核酸を有する遺伝子又はタンパク質に関する。更なる実施形態では、本明細
書で使用されるトレハロース6−リン酸ホスファターゼは、それぞれ配列番号3及び配列
番号4に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、90%、
95%又はそれ以上の%で同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子又はタンパク
質に関する。別の実施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸ホスファ
ターゼは、配列番号4に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、8
5%、90%、95%又はそれ以上の%で同一なタンパク質をコードする。上記の配列が
機能的なトレハロース6−リン酸ホスファターゼタンパク質に関する又はそれをコードす
るのが好ましい。別の実施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸ホス
ファターゼはグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌、配列番号3
及び配列番号4のオーソログである。

0076

本明細書で使用される場合、「トレハロース6−リン酸シンターゼ」という用語は、ト
レハロース6−リン酸を脱リン酸化する酵素、好ましくはグルコース6−リン酸とUDP
−グルコースとのトレハロース6−リン酸を生じる反応を触媒する酵素に関する。トレハ
ロース6−リン酸シンターゼは、グリコシルトランスフェラーゼファミリーに属する。ト
レハロース6−リン酸シンターゼの同義語は、例えばトレハロースリン酸−ウリジン二リ
ン酸グルコシルトランスフェラーゼ、ホスホトレハロース−ウリジン二リン酸トランスグ
ルコシラーゼ、ウリジンジホスホグルコースリン酸グルコシルトランスフェラーゼ及びα
,α−トレハロース−6−リン酸シンターゼである。例としては、大腸菌のトレハロース
6−リン酸シンターゼ(すなわちotsA)の核酸配列及びタンパク質配列は、それぞれ
配列番号5及び配列番号6(それぞれGenbankアクセッション番号X69160.
1(ヌクレオチド位置1450〜2874)及びP31677.3に対応する)によって
表される。一実施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸シンターゼは
、それぞれ配列番号5及び配列番号6の核酸配列若しくはアミノ酸配列を有するか、又は
配列番号6をコードする核酸を有する遺伝子又はタンパク質に関する。更なる実施形態で
は、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸シンターゼは、それぞれ配列番号5及
び配列番号6に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%、9
0%、95%又はそれ以上の%で同一な核酸配列又はアミノ酸配列を有する遺伝子又はタ
ンパク質に関する。別の実施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸シ
ンターゼは、配列番号6に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、
85%、90%、95%又はそれ以上の%で同一なタンパク質をコードする。上記の配列
が機能的なトレハロース6−リン酸シンターゼタンパク質に関する又はそれをコードする
のが好ましい。別の実施形態では、本明細書で使用されるトレハロース6−リン酸シンタ
ーゼはグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌、配列番号5及び配
列番号6のオーソログである。

0077

PtcC活性及び/又はTrePP活性を欠き、任意に異種遺伝子若しくは遺伝子産物
、例えばトレハロース6−リン酸シンターゼ若しくはトレハロース6−リン酸ホスファタ
ーゼ、又は予防的及び/又は治療的な異種遺伝子若しくは遺伝子産物を含有する本発明に
よるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、分子生物学的方法
を用いる当該技術分野で既知の任意の手段によって得るか、又は自然変異体、若しくはラ
ダム化学的若しくは照射突然変異誘発によって得られる変異体ハイスループットスク
リーニングによって得ることができる。(trePP KOのハイスループットスクリー
ニングは、trePP欠損株のトレハロースでの成長の欠如を用いた方法、又はtreP
Pオーソログのハイスループットシークエンシング及びバイオインフォマティクス分析
又は他の方法によって行うことができる)(LABの組換え技法及び遺伝子操作に関する
バックグラウンドについては、例えば"Genetics and Biotechnology of Lactic Acid Bac
teria", eds. Gasson & de Vos, Blackie Academic & Professional, 1994及び"Genetics
of Lactic Acid Bacteria", eds. Wood & Warner, Springer, 2003を参照されたい)。
一実施形態では、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌において、内因性PtcC及び/又はTrePPをコードする遺伝子、及び/又はt
rePP及び/又はptcCが発現されるプロモーターは、機能的なptcC及び/又は
trePP遺伝子産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、破壊又は
不活性化されている。遺伝子破壊の技法は概して当該技術分野で既知である。例としては
、内因性ptcC及び/又はtrePP遺伝子を、コード領域の完全若しくは部分的な除
去(ノックアウト)又は代替的にはプロモーター領域の完全若しくは部分的な除去、若し
くは突然変異誘発によって不活性化することができる。代替的には、ptcC遺伝子及び
/又はtrePP遺伝子を挿入不活性化し(ノックイン)、それにより内因性コード配列
を破壊してもよい。例えば、未成熟終止コドン又はフレームシフト突然変異を導入するこ
とができる。機能的なPtcCタンパク質及び/又はTrePPタンパク質がそれ以上全
く又は実質的に産生され得ない、すなわちPtcC及び/又はtrePP活性が(実質的
に)欠如している限り、ptcC遺伝子及び/又はtrePP遺伝子を、1つ又は複数の
ミスセンス突然変異又はナンセンス突然変異の導入によって突然変異させてもよい。自然
突然変異も包含されることを理解されたい。

0078

本発明者らは、1つ又は複数のトレハローストランスポーターの過剰発現が、グラム陽
性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌における細胞内トレハロース蓄積及
び/又は保持を更に増大させることを更に見出した。したがって、一実施形態では、本発
明は、トレハローストランスポーターをコードする1つ又は複数の遺伝子を過剰発現する
、好ましくは構成的に過剰発現する本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(
LAB)又はビフィズス菌に関する。好ましい実施形態では、上記トレハローストランス
ポーターは、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の内因性トレ
ハローストランスポーターである。更に好ましい実施形態では、トレハローストランスポ
ーターはグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のトレハロースオ
ペロンに位置する内因性トレハローストランスポーターである。また別の実施形態では、
トレハローストランスポーターは、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌のトレハロースオペロン内に位置するホスホトランスフェラーゼ系(PTS)の
内因性トレハローストランスポーターである。好ましい実施形態では、本明細書に記載の
1つ又は複数のトレハローストランスポーターの過剰発現は、プロモーターがトランスポ
ーター配列(複数の場合もあり)に操作可能に連結するように、1つ又は複数のトランス
ポーターの5’側にプロモーターを挿入することによって達成される。「操作可能に連結
する」とは、そのように記載されるコンポーネントが、それらが対象とする様式で機能す
ることを可能にする関係となる並置を指す。コード配列に「操作可能に連結する」プロモ
ーター配列は、コード配列の発現がプロモーター配列適合する条件下で達成されるよう
に結合する。一実施形態では、上記プロモーターは強力プロモーターである。更なる実施
形態では、上記プロモーターは構成的プロモーターである。また別の実施形態では、上記
プロモーターは内因性グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のプ
モーターである。好適なプロモーターは例えば国際公開第2008/084115号(
その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に見ることができる。
特に、国際公開第2008/084115号の表12に挙げられるプロモーターは、本明
細書に記載のトランスポーターの過剰発現にとりわけ好適である。最も好ましくは、プロ
モーターはPhllA(すなわち、HU様DNA結合タンパク質のプロモーター)である
。したがって、好ましい実施形態では、PhllAプロモーターはグラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌のトレハロースオペロンに位置する内因性トレハ
ローストランスポーター(複数の場合もあり)のコード領域の上流に挿入される。一実施
形態では、PhllAプロモーターは、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリスMG
1363のPhllAプロモーターに対応する配列番号13の配列を有する。別の実施形
態では、PhllAプロモーターは配列番号13に少なくとも75%同一な、例えば配列
番号13に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上同一な配列
を有する。更なる実施形態では、PhllAはグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB
)又はビフィズス菌、配列番号13のオーソログである。

0079

例としては、本明細書で言及されるトレハローストランスポーターは、それぞれ配列番
号9及び配列番号10(それぞれGenbankアクセッション番号NC_009004
.1(領域446937〜447422)及びYP_001031803.1に対応する
)、及び/又はそれぞれ配列番号11及び配列番号12(それぞれGenbankアクセ
ッション番号NC_009004.1(領域447563〜449128)及びYP_0
01031804.1に対応する)のラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリスMG1
363の核酸配列及びアミノ酸配列によって表される。一実施形態では、本明細書で使用
される過剰発現されたトランスポーター(複数の場合もあり)は、それぞれ配列番号9及
び配列番号10及び/又はそれぞれ配列番号11及び配列番号12の核酸配列又はアミノ
酸配列を有するか、又は配列番号10及び/又は配列番号12をコードする核酸を有する
遺伝子又はタンパク質に関する。更なる実施形態では、本明細書で使用される過剰発現さ
れたトランスポーター(複数の場合もあり)は、それぞれ配列番号9及び配列番号10及
び/又はそれぞれ配列番号11及び配列番号12に少なくとも75%同一な、例えば少な
くとも75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上の%で同一な核酸配列又は
アミノ酸配列を有する遺伝子又はタンパク質に関する。別の実施形態では、本明細書で使
用される過剰発現されたトランスポーター(複数の場合もあり)は、配列番号10及び/
又は配列番号12に少なくとも75%同一な、例えば少なくとも75%、80%、85%
、90%、95%又はそれ以上の%で同一なタンパク質をコードする。好ましくは、上記
の配列は、(a)機能的な過剰発現された、好ましくは構成的に過剰発現されたトランス
ポーター(複数の場合もあり)、タンパク質(複数の場合もあり)に関する又はそれをコ
ードする。別の実施形態では、本明細書で使用される(構成的に)過剰発現されたトラン
スポーター(複数の場合もあり)は、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビ
フィズス菌、配列番号9及び配列番号10及び/又は配列番号11及び配列番号12のオ
ソログ(複数の場合もあり)である。

0080

本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、様
々な環境及び保存に関連する傷害又はストレスに対する耐性の増大、例えば乾燥、噴霧
燥、凍結又はフリーズドライへの抵抗性の増大、及び胃腸管での厳しい条件(例えば酸及
び胆汁塩)に対する抵抗性の増大を示す。したがって、本発明によるグラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、被験体への投与にとりわけ好適である一方
で、胃腸管における生存率の増大を示す。したがって、これらのグラム陽性菌、好ましく
は乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、タンパク質の被験体への送達に適用することが
できる。したがって、一実施形態では、本発明は1つ又は複数の異種遺伝子産物、好まし
くは1つ又は複数の予防的及び/又は治療的な遺伝子産物及び/又は抗原を含有する、本
明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌に関する。
生物学的に活性なポリペプチドの送達は、例えば国際公開第97/14806号、国際公
開第00/23471号、国際公開第01/02570号、国際公開第02/09055
1号、国際公開第2005/111194号、国際公開第2007/025977号、国
際公開第2007/063075号、国際公開第2007/128757号、国際公開第
2008/071751号、国際公開第2008/090223号、国際公開第2004
/046346号及び国際公開第2010/034844号に記載されている。本明細書
に記載の異種遺伝子は細菌ゲノムに組み込まれているのが好ましい。とりわけ好ましい組
込み戦略は、欧州特許出願公開第11168495.7号及び同第11173588.2
号(その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に開示されている
。特に、異種遺伝子は天然(内因性)遺伝子座、好ましくはオペロン内の第2の(又は更
なる)遺伝子としてポリシストロン性(例えば二シストロン性、三シストロン性又は多シ
ストロン性)挿入することができる。このようにして、異種遺伝子は天然(内因性)プロ
モーターの制御下で発現される。

0081

本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は概して、液性免疫応答及び/又は細
胞性免疫応答を含む免疫応答を惹起し、免疫応答の産物、例えば抗体又はT細胞と結合す
ることが可能な物質を指す。本明細書で対象とする抗原は、代替的には免疫寛容を誘導す
るようなもの、例えば自己抗原(自己抗原及び同種抗原を含む)又はアレルゲンであり得
る。したがって、好ましい例では、抗原はそれを投与する被験体からの生理的応答を引き
起こす、かかる被験体の機能的な免疫系を必要とする。本明細書で対象とする「抗原」は
健常個体においては免疫応答を誘発しないが、自己免疫疾患を患う、すなわち生物が自
身の構成部分(分子下レベルまで下がった)を「自己」として認識することができず、自
身の細胞及び組織に対する免疫応答を引き起こす個体では誘発し得る「自己抗原」も包含
する。かかる異常な免疫応答に起因する任意の疾患は自己免疫疾患と呼ばれる。したがっ
て、本明細書で対象とする「抗原」は、健常個体では免疫応答を誘発しないが、上記タン
パク質が遺伝子欠損した個体では誘発し得る(生理的に活性な)タンパク質も包含する。
加えて、本明細書で対象とする「抗原」は、健常個体では免疫応答を誘発しないが、アレ
ルギー性疾患を患う個体では誘発し得るアレルゲンも包含する。

0082

本明細書で対象とする抗原は、ヒト又は動物の被験体における免疫応答が治療的に有用
であり得る任意のポリペプチド、例えば病原体、例えばウイルス病原体原核生物(例え
ば細菌)病原体又は真核生物病原体、非生理的タンパク質(例えば、がん組織に由来する
タンパク質)、アレルゲン(例えば免疫寛容を引き起こす)等に由来し得る。抗原はタン
パク質の代謝産物であってもよい。一例としては、抗原は多糖、脂質等であり得る。本明
細書に記載の強力プロモーターは、上記多糖、脂質等を合成又は構築するのに必要とされ
る酵素の発現を誘導し得る。

0083

「予防的及び/又は治療的に活性な遺伝子産物、ポリペプチド又はタンパク質」という
用語は概して、それを投与するヒト又は動物の被験体においてそれに対して免疫応答を引
き起こさず(すなわち非ワクチン原性である)、予防的及び/又は治療的な効果を達成す
ることが可能であるペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を指す。したがって、かかる
ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質の予防的及び/又は治療的な効果は、被験体にお
いて免疫原性抗原及び/又は免疫保護抗原として作用することによって予防的及び/又は
治療的な効果をもたらすのではなく、自身の自然生物学的機能と直接的関連し、被験体の
体内で特定の効果を達成することができると期待され得る。したがって、非ワクチン原性
の予防的及び/又は治療的に活性なペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、その発現
形態で生物学的に活性であるか、又は少なくとも発現宿主細胞から放出されて生物学的に
活性な形態へと変換されるものとする。上記ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質のか
かる生物学的に活性な形態は、その天然構成に同じ又は極めて類似した二次立体構造及び
好ましくは同様に三次立体構造を示し得るのが好ましい。

0084

予防的及び/又は治療的な遺伝子産物、ポリペプチド又はタンパク質は非毒性及び非病
原性であるのも好ましい。好ましい実施形態では、予防的及び/又は治療的に活性な遺伝
子産物、ポリペプチド又はタンパク質はヒト又は動物に由来し、好ましくはそれを投与す
るヒト又は動物の被験体と同じ分類群に対応し得る。

0085

好適な予防的及び/又は治療的に活性な遺伝子産物、ポリペプチド又はタンパク質の非
限定的な例としては、局所的又は全身的に機能することが可能であり、例えば局所代謝又
は全身代謝に影響を及ぼす内分泌活性を示すことが可能であり、及び/又は免疫造血(im
munohaemopoietic)系に属する細胞の活性を調節することが可能であり、及び/又は体内
の様々な正常細胞又は腫瘍性細胞の生存能力、成長及び分化に影響を及ぼすか、若しくは
免疫調節若しくは傷害及び感染に対する急性免疫応答の誘導に影響を及ぼすことが可能で
あり、及び/又は標的細胞受容体に作用するケモカインによって媒介される細胞及び組織
の感染に対する抵抗性、若しくは上皮細胞の増殖若しくは創傷治癒の促進を増進若しくは
誘導することが可能であり、及び/又は体内の細胞による物質の発現若しくは産生を調節
することが可能であるものが挙げられる。かかるペプチド、ポリペプチド及びタンパク質
の具体例としては、インスリン成長ホルモンプロラクチンカルシトニン黄体形成
ホルモン副甲状腺ホルモンソマトスタチン甲状腺刺激ホルモン、血管活性腸管ポリ
ペプチド、サイトカイン、例えばIL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、
IL−7、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14〜
IL−32のいずれか、特にIL−27、GMCSF、M−CSF、SCF、IFN
EPO、G−CSF、LIF、OSM、CNTF、GH、PRL、サイトカインのTNF
ファミリー、例えばTNFα、TNFα、CD40、CD27又はFAリガンド、サイ
トカインのIL−1ファミリー、サイトカインの線維芽細胞成長因子ファミリー、血小板
由来成長因子ファミリー、形質転換成長因子ファミリー及び神経成長因子ファミリー、上
皮成長因子ファミリー、インスリン関連サイトカイン等が挙げられるが、これらに限定さ
れない。代替的には、予防的及び/又は治療的に活性なポリペプチドは、上で規定される
予防的及び/又は治療的に活性なポリペプチドに対する受容体又は拮抗薬であり得る。代
替的には、予防的及び/又は治療的に活性なポリペプチドは抗体、例えば中和抗体又はそ
のようなものであり得る。かかる好適なポリペプチドの更なる具体例は、例えば国際公開
第96/11277号の14頁1行目〜30行目(引用することにより本明細書の一部を
なすものとする)、国際公開第97/14806号の12頁1行目〜13頁27行目(引
用することにより本明細書の一部をなすものとする)、又は米国特許第5,559,00
7号の第8欄31行目〜第9欄9行目(引用することにより本明細書の一部をなすものと
する)に挙げられている。一例では、上記非ワクチン原性の予防的及び/又は治療的に活
性なペプチド、ポリペプチド又はタンパク質はIL−10、より好ましくはhIL−10
グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、より好ましくはhGLP−1、グルカゴン
様ペプチド−2(GLP−2)、より好ましくはhGLP−2、トレフォイル因子(TF
F、例えばTFF1、TFF2及び/又はTFF3)又はPYY、より好ましくはhPY
Yであり得る。

0086

言及したように、実施形態では、予防的及び/又は治療的に活性なポリペプチドは抗体
、例えば中和抗体又はそのようなものであり得る。本明細書に記載の抗体はフルサイズ
体若しくはFab等のその機能的なフラグメント融合タンパク質又は多量体タンパク質
であり得る。好ましい実施形態では、1つ又は複数の異種遺伝子が抗体又は機能的な抗体
フラグメントをコードする。本明細書で使用される場合、「機能的な」という用語は、依
然として対象の機能、すなわち抗原結合を発揮することができる抗体フラグメントを指す
。本明細書で使用される「抗体」という用語は、従来の抗体、キメラ抗体、dAb、二重
特異性抗体、三重特異性抗体多重特異性抗体、二価抗体三価抗体、多価抗体、VHH
ナノボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dAb、Fd、ダ
イアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、一本鎖抗体単一ドメイン抗体
単一抗体可変領域を含むが、これらに限定されない。

0087

本文脈において、「抗体」という用語は、天然の又は部分的若しくは完全に操作した免
グロブリンを記載するために用いられる。抗体は多数の方法で改変することができ、「
抗体」という用語は、上に規定されるように、分子対の他の成員、すなわち標的分子に対
して所要の結合特異性を有する結合ドメインを有する任意の特異的な結合分子又は物質を
包含すると解釈されるものとする。このため、この用語は、天然の又は完全若しくは部分
的に操作した免疫グロブリン結合ドメインを含む任意のポリペプチドを含む、抗体フラ
メント、誘導体、抗体の機能的な同等物及びホモログ、並びに一本鎖抗体、二官能性抗体
、二価抗体、VHH、ナノボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv
、dAb、Fd、ダイアボディ、トリアボディ及びラクダ抗体を包含する。したがって、
別のポリペプチドに融合する免疫グロブリン結合ドメイン又は同等物を含むキメラ分子
含まれる。この用語は、抗体結合ドメイン、例えば抗体模倣体であるか又はそれに相同
結合ドメインを有する任意のポリペプチド又はタンパク質も包含する。抗体の例は、Ig
G(IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4)、IgAIgD、Ig
M及びIgEを含む免疫グロブリンアイソタイプ及びその同形サブクラスである。このた
め、当業者であれば、本発明が、抗原結合ドメインを含む抗体フラグメント、例えばVH
H、ナノボディ、Fab、scFv、Fv、dAb、Fd、ダイアボディ及びトリアボデ
ィにも関することを理解するであろう。一実施形態では、本発明は、或る外因性遺伝子
抗体又はその機能的なフラグメントの軽鎖(VL)をコードし、別の外因性遺伝子が抗体
又はその機能的なフラグメントの重鎖(VH)をコードし、より好ましくは機能的なフラ
グメントがFabである、本明細書に記載のグラム陽性菌又は組み換え核酸に関する。一
実施形態では、VLをコードする外因性遺伝子又はその機能的なフラグメントは、VHを
コードする外因性遺伝子又はその機能的なフラグメントの3’末端転写結合する。

0088

一実施形態では、本明細書に記載の(中和)抗体は、サイトカイン又はケモカイン又は
毒素等の標的分子の生物学的活性を少なくとも部分的又は完全に遮断、阻害又は中和する
。本明細書で使用される場合、「中和する」又は「中和」という表現は、例えば実施例に
詳述されるように、当該技術分野で既知の方法によってin vivo又はin vit
roで測定される、サイトカイン又は毒素の生物学的活性の阻害又は低減を意味する。特
に、阻害又は低減は、大腸炎(colitis)スコアを決定するか、又は組織又は血液サンプ
ル中の標的分子を決定することによって測定することができる。本明細書で使用される場
合、「中和する」又は「中和」という表現は、in vivo又はin vitroで測
定される、サイトカイン又は毒素の生物学的活性の少なくとも10%以上、好ましくは少
なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、更により
好ましくは100%の阻害又は低減を意味する。

0089

好ましくは、上記抗体又はその機能的なフラグメントは、IL−1β、IL−2、IL
−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12(又はそのサブ
ユニットIL−12p35及びIL12p40)、IL−13、IL−15、IL−16
、IL−17、IL−18、IL−21、IL−23(又はそのサブユニットIL−23
p19)、IL−27、IL−32(及びそのスプライス変異体)、IFN(α、β、γ
)及びTNFαのリストから選ばれるサイトカインの生物学的効果を阻害する。代替的に
は、これらのサイトカインは抗体ではない結合分子によって阻害され得る。上記結合分子
がgp130等の可溶性サイトカイン受容体であるか、又は炎症シグナルを引き起こすこ
となく上記サイトカインの受容体、例えばIL−2R(CD25、CD122、CD13
2)、IL−12R(β1β2)、IL15R、IL−17R、IL−23R又はIL
−6Rと結合するのが好ましい。上記結合分子はMIFMIP−1α、MCP−1、R
ANTES及びエオタキシンのリストから選ばれる中和ケモカインであるのが好ましい。
上記結合分子はCD3/CD28、HVEM、B7.1/B7.2、CD40/CD40
L(CD154)、ICOS/ICOSL、OX40/X40L、CD27/CD27L
(CD70)、CD30/CD30L(CD153)及び41BB/41BBLのリスト
からの副刺激分子と結合することによって免疫活性化の遮断を解くのが好ましい。上記結
合分子はI−CAM1、α4インテグリン及びα4β7インテグリンのリストからの接着
分子と結合することによって炎症の遮断を解くのが好ましい。上記結合分子はCD3、C
TLA4及び/又はPD1に対して副刺激効果及びアゴニスト効果を有するのが好ましい
。上記結合分子はCD25、CD20、CD52、CD95、BAFF、APRIL及び
/又はIgEを標的とすることによってT細胞活性又はB細胞活性を中和するのが好まし
い。上記結合分子はMMPファミリーの酵素と結合することによって炎症の遮断を解くの
が好ましい。上記結合分子は抗血管新生効果を示す、例えばαvβ3/α5β1及びIL
−8活性を中和するのが好ましい。更に好ましい実施形態では、上記結合分子又は抗体(
又は機能的なフラグメント)はTNFα、IL−12、IFNγ、IL−23又はIL−
17の生物学的効果を中和することが可能である。

0090

本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌におい
て異種遺伝子として使用することができる抗体又は結合分子の非限定的な例としては、以
下のものが挙げられる:
抗TNFα抗体、抗TNFα抗体フラグメント、抗TNFα単一抗体可変領域、可溶性
TNF受容体、又はTNFαのドミナントネガティブ変異体
抗IL−12抗体、抗IL−12抗体フラグメント、抗IL−12単一抗体可変領域、
可溶性IL−12受容体、IL−12又はIL−12 dAbのドミナントネガティブ
異体;
抗IL−12p35抗体、抗IL−12p35抗体フラグメント、抗IL−12p35
単一抗体可変領域、可溶性IL−12p35受容体、IL−12p35又はIL−12p
35 dAbのドミナントネガティブ変異体;
抗IL−12p40抗体、抗IL−12p40抗体フラグメント、抗IL−12p40
単一抗体可変領域、可溶性IL−12p40受容体、IL−12p40又はIL−12p
40 dAbのドミナントネガティブ変異体;
抗IL−23抗体、抗IL−23抗体フラグメント、抗IL−23単一抗体可変領域、
可溶性IL−23受容体、IL−23又はIL−23 dAbのドミナントネガティブ変
異体;
抗IL−23p19抗体、抗IL−23p19抗体フラグメント、抗IL−23p19
単一抗体可変領域、可溶性IL−23p19受容体、IL−23p19又はIL−23p
19 dAbのドミナントネガティブ変異体;
抗IFNγ抗体、抗IFNγ抗体フラグメント、抗IFNγ単一抗体可変領域、可溶性
IFNγ受容体、又はIFNγのドミナントネガティブ変異体;
抗IL−17抗体、抗IL−17抗体フラグメント、抗IL−17単一抗体可変領域、
可溶性IL−17受容体、IL−17又はIL−17 dAbのドミナントネガティブ変
異体;及び、
抗MCP−1抗体、抗MCP−1抗体フラグメント、抗MCP−1単一抗体可変領域、
可溶性IL−17受容体、MCP−1又はMCP−1 dAbのドミナントネガティブ変
異体。

0091

好ましい実施形態では、上記抗体はFabフラグメント抗原結合フラグメント)であ
る。Fabフラグメントは当該技術分野で既知である。更なる指針を用いると、Fabフ
ラグメントは抗原と結合する抗体上の領域である。Fabフラグメントは、重鎖及び軽鎖
の各々の1つの定常領域と1つの可変領域とから構成される。

0092

一実施形態では、FabはcA2抗TNF Fab(重鎖及び軽鎖の可変領域のポリヌ
クレオチド配列及びポリペプチド配列は、それぞれ配列番号4及び配列番号5(重鎖)並
びに配列番号2及び配列番号3(軽鎖)として米国特許第6,790,444号に開示さ
れている)又はCDP870抗TNF Fab(重鎖及び軽鎖のポリヌクレオチド配列
びポリペプチド配列は、それぞれ配列番号114及び配列番号115(重鎖)並びに配列
番号112及び配列番号113(軽鎖)として国際公開第01/94585号に開示され
ている)である。

0093

当業者であれば、抗体が、機能的な抗体フラグメント、特にFabフラグメントと同様
に、ジスルフィド架橋によって共有結合し得る異なる個々のポリペプチドから構成される
ことを理解するであろう。特に、重鎖及び軽鎖は別個の個々のコード配列によってコード
される。

0094

したがって、一実施形態では、本明細書で開示される異種遺伝子は抗原及び/又は(中
和)抗体、又はその機能的なフラグメント若しくは変異体、及び/又は予防的及び/又は
治療的に活性なペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質をコードし、上記抗原はヒト
又は動物の被験体において免疫応答、好ましくは防御免疫応答又は免疫寛容応答を引き起
こすことが可能であり、及び/又は上記予防的及び/又は治療的に活性な遺伝子産物、ポ
リペプチド又はタンパク質はヒト又は動物の被験体において予防的及び/又は治療的な効
果を生じることが可能である。

0095

一実施形態では、本発明は、保存のために配合される本明細書に記載のグラム陽性菌、
好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、又は本明細書に記載のように使用さ
れるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌に関する。特に、
一実施形態では、本発明は凍結、乾燥、フリーズドライ、噴霧乾燥される又は培地中で保
存される本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
に関する。

0096

これまで説明したように、本発明は、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸
菌(LAB)若しくはビフィズス菌を含むか、又は本明細書に記載のように使用されるグ
ラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を含む組成物にも関する
。かかる組成物は医薬品組成物であり得る。更なる実施形態では、本発明は治療に使用さ
れるか、又は薬剤、栄養補助食品、メディカルフード、機能性食品、プロバイオティック
組成物、食品添加物若しくはスターター培養物として使用される組成物又は医薬品組成物
に関する。また別の実施形態では、本発明は薬剤、栄養補助食品、メディカルフード、機
能性食品、プロバイオティクス、食品添加物、スターター培養物としての、又は薬剤、栄
補助食品、メディカルフード、機能性食品、プロバイオティック組成物、食品添加物、
スターター培養物の調製へのかかる組成物又は医薬品組成物の使用に関する。

0097

本明細書で使用される場合、医薬品配合物、栄養補助食品、メディカルフード若しくは
機能性食品、又はプロバイオティクス等の本明細書に記載の薬用組成物は、治療的に有効
な量の本発明のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌と、薬学
許容可能な担体、すなわち1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体物質及び/又は添加
剤、例えば緩衝剤、担体、賦形剤安定化剤等とを含むのが好ましい。本明細書で使用さ
れる「薬学的に許容可能」という用語は、医薬品組成物の他の成分に適合し、そのレシピ
エントに有害でない技術及び手段と一致する。

0098

一実施形態では、医薬品組成物は本明細書に記載の治療的に有効な量のグラム陽性菌、
好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含む。「治療的に有効な量」という用語
は被験体、例えばヒト又は動物において疾患又は障害を治療する、すなわち所望の局所的
又は全身的な効果及び性能を得るのに効果的な治療物質又は組成物の量を指す。例として
は、治療的に有効な量の細菌は、例えば単回投与又は反復投与において少なくとも1個の
細菌、又は少なくとも10個の細菌、又は少なくとも102個の細菌、又は少なくとも1
03個の細菌、又は少なくとも104個の細菌、又は少なくとも105個の細菌、又は少
なくとも106個の細菌、又は少なくとも107個の細菌、又は少なくとも108個の細
菌、又は少なくとも109個若しくは少なくとも1010個若しくは少なくとも1011
個若しくは少なくとも1012個若しくは少なくとも1013個若しくは少なくとも10
14個若しくは少なくとも1015個個若しくはそれ以上の宿主細胞、例えば細菌を含み
得る。本発明のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、単独で
又は1つ若しくは複数の活性な化合物と組み合わせて投与することができる。この化合物
は本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の投与の前
、後又はそれと同時に投与することができる。

0099

本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、
又はこれらのグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を含む組
成物は、単回用量が被験体、例えばヒト又は動物の患者に投与されるように単位投与形態
、例えば錠剤、カプセル、浣腸剤又は定量エアロゾルで提供されるのが好ましい。

0100

活性成分は、所望の活性を示すのに十分な1日1回〜6回で投与され得る。これらの1
日用量は1日1回の単回用量として与えるか、又は1日の同じ若しくは異なる時点に全体
として特定の1日用量を与える2回以上のより少量の用量で与えることができる。好まし
くは、活性成分は1日1回又は2回投与される。例えば、或る用量をに摂取し、或る用
量をその日の遅い時間に摂取することができる。

0101

本発明の全ての態様において、1日維持用量を患者において臨床的に望ましい期間、例
えば1日から最大数年まで(例えば哺乳動物余寿命にわたって)、例えば約(2日間若
しくは3日間若しくは5日間、1週間若しくは2週間、又は1ヶ月)以上及び/又は例え
ば最大約(5年間、1年間、6ヶ月、1ヶ月、1週間、又は3日間若しくは5日間)与え
ることができる。約3日間〜約5日間又は約1週間〜約1年間の1日維持用量の投与が典
型的である。液体配合物の他の構成物質保存料無機塩、酸、塩基、緩衝剤、栄養素
ビタミン又は他の医薬品を含み得る。

0102

本明細書で教示されるヒト又は動物の被験体は、該ヒト又は動物に治療的に有効な量の
本明細書で教示されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を投
与することを含む療法又は治療を必要とするヒト又は動物を指し得る。動物は好ましくは
温血動物、より好ましくは脊椎動物、更により好ましくは哺乳動物、例えば家畜産業
物、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット及び実験動物、例えばイヌネコモル
ット、ウサギラットマウスウマ畜牛(cattle)、ウシ(cows);類人猿サル
オランウータン及びチンパンジー等の霊長類;イヌ及びオオカミ等のイヌ科動物;ネコ、
ライオン及びトラ等のネコ科動物;ウマ、ロバ及びシマウマ等のウマ科動物;ウシ、ブタ
及びヒツジ等の食用動物;シカ及びキリン等の有蹄動物;マウス、ラット、ハムスター
モルモット等の齧歯動物等であり得る。概して、「被験体」又は「患者」という用語は
同義で用いることができ、とりわけ動物、好ましくは温血動物、より好ましくは脊椎動物
、更により好ましくは哺乳動物、更により好ましくは霊長類を指し、具体的にはヒト患者
及び非ヒト動物、哺乳動物並びに霊長類を含む。好ましい患者はヒト被験体であり得る。

0103

予防的及び/又は治療的なペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を任意に発現する本
明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の送達によ
ってヒト又は動物において治療可能な疾患のタイプの更なる非限定的な例としては、例え
クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(例えば、IL−1ra若しくはIL
−10若しくはIL−27、又はトレフォイルペプチドを用いて治療可能);1型糖尿病
乾癬関節リウマチエリテマトーデスを含むが、これらに限定されない自己免疫疾患
(例えば、IL−1ra若しくはIL−10若しくはIL−27、又は関連自己抗原を用
いて治療可能);喘息食物アレルギーを含むが、これらに限定されないアレルギー性
患(関連アレルゲンを用いて治療可能);セリアック病グルテンアレルゲン及び/又は
IL−27を用いて治療可能);アルツハイマー病パーキンソン病及び筋萎縮性側索
化症を含むが、これらに限定されない神経障害(例えば、脳由来(derived)神経向性
子及び毛様体神経向性因子を用いて治療可能);がん(例えばIL−1、コロニー刺激因
子又はインターフェロン−Wを用いて治療可能);骨粗鬆症(例えば形質転換成長因子f
3を用いて治療可能);糖尿病(例えばインスリンを用いて治療可能);心血管疾患(例
えば組織プラスミノゲン活性化因子を用いて治療可能);アテローム性動脈硬化症(例え
ば、サイトカイン及びサイトカイン拮抗薬を用いて治療可能);血友病(例えば凝固因子
を用いて治療可能);変性肝疾患(例えば、肝細胞増殖因子又はインターフェロンaを用
いて治療可能);嚢胞性線維症等の肺疾患(例えばαアンチトリプシンを用いて治療可能
);肥満病原体感染、例えばウイルス感染又は細菌感染(上述の種々の組成物又は抗原
を用いて治療可能)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0104

本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、感染性
疾患の治療に使用することもできる。一実施形態では、本発明によるグラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって局所的に産生及び分泌される毒素中和
抗体によるクロストリジウム関連疾患、好ましくはクロストリジウム・ディフィシレ(Cl
ostridium difficile)関連疾患(CDAD)に対する受動免疫を得ることができる。C
DADは2つの外毒素、毒素A(エンテロトキシン;例えばDNA配列についてはGen
bankNC_009089.1、領域:795843..803975、又はタンパ
ク質配列についてはYP_001087137.1を参照されたい)及び毒素B(細胞毒
素;例えばDNA配列についてはGenbank NC_009089.1、領域:78
7393..794493、又はタンパク質配列についてはYP_001087135.
1を参照されたい)によって媒介される。どちらも腸上皮細胞の表面に結合する高分子量
タンパク質であり、内在化し、細胞質rhoタンパク質のグルコシル化を触媒し、細胞死
、炎症及び下痢をもたらす。それらはクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)
の病原性、コロニー形成、並びに好中球走化性及び活性化の促進と関連付けられている
。この細菌自体は侵襲性ではなく、組織損傷を引き起こさない。クロストリジウム・ディ
フィシレ毒素を抗体で中和することによって、病原体の病理学的機構が遮断され、その腸
内で繁殖する能力を減少させることができ、微生物生態に対する影響を最小限に抑えるこ
とができ、正常な微生物叢の回復が可能となる。このアプローチの医学的利点は、より急
速な回復、再発の減少、及び正常な腸内菌叢における抗生物質抵抗性選択圧の軽減を含
み得る。したがって、好ましい実施形態では、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましく
は乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌はクロストリジウム、好ましくはクロストリジウム
・ディフィシレの毒素A及び/又は毒素Bに対する中和抗体を更に含有、発現、産生及び
/又は分泌し、これらの毒素は各々上記の配列を有するのが好ましい。当業者であれば、
本明細書の他の部分に記載されるように、完全長抗体に加えて、様々な機能的なフラグメ
ント、又は改変抗体若しくは変異体抗体を使用することができることを理解するであろう

0105

当業者であれば、本明細書で具体的に列挙される疾患が単に例示的なものであり、その
列挙が本明細書で教示されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス
菌の使用をこれら特定の疾患に限定することを何ら意図するものではないことを理解する
であろう。それどころか、本明細書で開示されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LA
B)又はビフィズス菌を、列挙されるものだけでなく、ヒト及び動物の様々な更なる疾患
又は病態にも治療的に関連し得る、対象の原則として任意の発現産物、好ましくはポリペ
プチドの発現に使用することができることが当業者には理解される。結果として、好適な
発現産物、好ましくはポリペプチド、例えば抗原、及び/又は予防的及び/又は治療的に
活性な遺伝子産物、ポリペプチド又はタンパク質を所与病気について選んだ又は決定し
た後、当業者はその発現、単離及び/又は送達を本試薬の使用により達成することが可能
であり得る。

0106

本発明のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、治療対象
疾患を有するヒト又は動物への投与のために医薬品配合物中に懸濁され得る。このような
医薬品配合物としては、生宿主細胞及び投与に適した媒質が挙げられるが、これらに限定
されない。組換え宿主細胞は、一般的賦形剤、例えばラクトース、他の糖類、アルカリ
び/又はアルカリ土類ステアリン酸塩炭酸塩及び/又は硫酸塩(例えばステアリン酸
グネシウム、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム)、カオリンシリカ風味剤及び芳香
剤の存在下で凍結乾燥され得る。

0107

そのように凍結乾燥された本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又
はビフィズス菌はカプセル、錠剤、顆粒及び粉末の形態で調製することができ、各々経口
経路で投与することができる。

0108

代替的には、いくつかのグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
は、好適な媒質中水性懸濁液として調製され得るか、又は凍結乾燥細菌は、使用直前
好適な媒質中に懸濁され得るが、このような媒質は、本明細書中で言及される賦形剤並び
に他の賦形剤、例えばグルコース、グリシン及びサッカリン酸ナトリウムを含む。

0109

経口投与のために、耐酸性(gastroresistant:耐性)経口剤形が処方されるが、こ
剤形は、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の制御放出を提
供して、それによりその中でコードされた所望のタンパク質の制御放出を提供する化合物
も含み得る。例えば、経口剤形(錠剤、ペレット、顆粒、粉末を含む)は、胃中での溶解
又は崩壊に耐性があるが、小腸中では耐性がない賦形剤(通常はポリマーセルロース
導体及び/又は親油性物質)の薄層被覆されて、それにより小腸中での崩壊、溶解及び
吸収に好都合であるよう胃を通過させ得る。

0110

経口剤形は、例えば制御放出、持続性放出延長放出持続性作用錠剤又はカプセルの
ように、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌(任意でその治療
的及び/又は予防的な(prophylactic)遺伝子産物)の徐放を可能にするよう設計され得
る。これらの剤形は通常は、従来のそして既知の賦形剤、例えば親油性高分子性、セル
ロース性、不溶性膨潤性賦形剤を含有する。制御放出配合物は、小腸、結腸生体付着
又は下送達(すなわち、歯粘膜送達)、及び気管支送達を含む任意の他の送達部位にも
用いられ得る。本発明の組成物が直腸又は膣投与されるべきものである場合、医薬品配合
物としては座薬及びクリームが挙げられる。この場合、宿主細胞は、脂質も含む一般的賦
形剤の混合物中に懸濁される。上記配合物の各々は当該技術分野でよく知られており、例
えば以下の参考文献に記載されている:Hansel et al.(1990, Pharmaceutical dosage f
orms and drug delivery systems, 5th edition, William and Wilkins)、Chien 1992,
Novel drug delivery system, 2nd edition, M. Dekker)、Prescott et al.(1989, Nove
l drug delivery, J. Wiley & Sons)、Cazzaniga et al.,(1994, Oral delayed releas
e system for colonic specific delivery, Int. J. Pharm.i08:7')。

0111

好ましくは、浣腸剤配合物は、直腸投与に用いられ得る。「浣腸剤」という用語は、直
腸使用を意図した液体製剤を包含するように用いられる。浣腸剤は、通常は単一用量容器
で供給され、そして水、グリセロール若しくはマクロゴール又は他の好適な溶媒中に溶解
又は分散された1つ又は複数の活性物質を含有する。

0112

本発明の好ましい実施形態は、生グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌が非吸湿剤を用いて安定化されていることを特徴とする、本明細書に記載の安定
化したフリーズドライ、乾燥又は噴霧乾燥された生グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(L
AB)又はビフィズス菌を含む腸溶性カプセルを提供する。本明細書で使用される場合、
非吸湿剤は、医薬品組成物の配合に通常使用される任意の賦形剤を含むことを意図し、上
記薬剤は周囲40%RHで約8wt%以下、好ましくは約7wt%以下、より好ましくは
約6wt%以下、例えば約1wt%〜約5wt%、より具体的には2wt%以下の平衡水
分取込みを示す。非吸湿剤はポリオール、例えばマンニトールマルチトールイソマル
ト(ポリオール糖)、又はリン酸塩、例えば無水リン酸二カルシウム、第二リン酸カルシ
ウム、リン酸水素カルシウム、又は例えばスクロース等の糖であり得る。

0113

上述の配合物に使用されるカプセルは、通常はゼラチンカプセルデンプンカプセル
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル等、特にHPMCカプセルか
らなる群から選択される。生菌の腸送達については、本発明の腸溶性カプセルは低pH(
pH5.5まで)で安定であり、より高いpH(5.5を超えるpH)で加速された溶解
プロファイルを有するものとする。最適な放出はカプセルが約6.8のpHで1時間以内
に崩壊する(disintegrate)場合に実現される。このため、本発明の更なる実施形態では
、カプセルは腸溶ポリマーコーティングされ、5.5までのpHで安定であり、5.5
を超えるpH、特に6.0を超えるpHで可溶性であり、より具体的には約6.8のpH
で高速の溶解プロファイルを有する腸溶性カプセルが提供される。

0114

腸溶コーティングに使用される腸溶ポリマーは、通常は5.5を超えるpH、特に6.
0を超えるpHで可溶性の成膜性ポリマー物質からなる。本発明の種々の実施形態に有用
な成膜性ポリマーは、通常はセルロース誘導体アクリル酸共重合体マレイン酸重合
体、ポリビニル誘導体、セラック等からなる群、特にスチレン−アクリル酸共重合体、ア
クリルメチル−アクリル酸共重合体、アクリル酸メチルメタクリル酸共重合体、アク
リル酸ブチル−スチレン−アクリル酸共重合体、Eudragit L100、Eudr
agit S又はEudragit S100(いずれも商品名であり、Roehm Pharma(
Germany)から市販されている)等のメタクリル酸メタクリル酸メチル共重合体、Eu
dragit L100−55(商品名、Roehm Pharma(Germany)から市販されている
)等のメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸メチル−メタクリル酸−ア
クリル酸オクチ共重合体等からなる群から選択されるアクリル酸共重合体から選択され
、より具体的には成膜性ポリマーはメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体からなる

0115

また、異なる安定化化合物抗凍結剤)の組合せが、乾燥、噴霧乾燥又はフリーズドラ
イの前に細菌バイオマスに添加される。デンプン加水分解物及びグルタミン酸塩及び/又
はポリオールを含むこの安定化化合物の組合せは、乾燥、噴霧乾燥又はフリーズドライさ
れたグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の生存及び安定性の改
善をもたらす。

0116

本明細書に記載の配合物及びカプセルは、薬剤、栄養補助食品、食品添加物、機能性食
品、メディカルフード、スターター培養物及び/又はプロバイオティック組成物として使
用することができる。

0117

このため、本発明によると、好ましい実施形態では、本明細書に記載のグラム陽性菌、
好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、又はこれらのグラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を含む(医薬品)組成物は、特定の経路に適
用可能な現行技術水準の配合物のいずれか1つによって動物又はヒトに粘膜経路、例え
経口経路経鼻経路、直腸経路、膣内経路又は気管支経路で投与することができる。投
与されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の投与量は、細菌
のタイプ及びそれによりコードされる遺伝子、治療する疾患のタイプ及び重症度、並びに
使用される投与経路を含む様々な因子に応じて異なる。このため、本発明のあらゆる実施
形態について正確な投与量を規定することはできないが、本発明に携わる当業者には容易
に明らかである。いずれにせよ、投与量は、所定の数の細胞の投与後に、治療的及び/又
は予防的なタンパク質の血清レベル濃度を既知の方法、例えばELISA又はBiaco
reとして知られる方法(実施例を参照されたい)を用いて測定することによって個別的
に決定することができる。送達された組み換えタンパク質動態プロファイル及び半減期
の分析によって、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の効果的
な投与量範囲の決定に十分な情報が得られる。

0118

一実施形態では、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が抗原
を発現する場合、本発明はワクチンも提供する。好ましくは、抗原はヒト又は動物におい
て免疫応答を引き起こし、ワクチンとして使用することが可能であり得る。「ワクチン」
という用語は、有効量で動物又はヒトの被験体に投与した場合に、ワクチンに含まれる免
疫源に対する抗体を誘導することが可能であり、及び/又は被験体において防御免疫を引
き起こす薬学的に許容可能な組成物とみなされる。本発明のワクチンは、抗原をコードす
る核酸又はベクターによって任意に形質転換された、本明細書で教示されるグラム陽性菌
、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌、更には任意に賦形剤を含み得る。かか
るワクチンは、アジュバント、すなわち抗原に対する免疫応答を向上させる化合物又は組
成物も含み得る。アジュバントとしては、完全フロイントアジュバント不完全フロイン
トアジュバント、サポニン水酸化アルミニウム等の鉱物ゲルリゾレシチン等の界面活
性物質、pluronicポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油又は炭化水素エマル
ション、並びにBCG(カルメットゲラン桿菌(bacille Calmetle-Guerin))及びコ
ネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)等の潜在的に有用な薬学的に許
容可能なヒトアジュバントが挙げられるが、これらに限定されない。

0119

一態様では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス
菌、又は組成物、好ましくは治療的及び/又は予防的な医薬品組成物を、それを必要とす
る個体に投与することを含む治療方法又は療法に関する。

0120

上記のように、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌を含む組成物はスターター培養物、プロバイオティック組成物又は食品添加物であり
得る。したがって、本発明は、一態様では、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは
乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含むスターター培養物、プロバイオティック組成物
又は食品添加物に関する。

0121

スターター培養物は例えば液体培養物加圧液体培養物、例えば乾燥形態、フリーズド
ライ形態及び噴霧/流動層乾燥形態、又は凍結濃縮形態若しくはフリーズドライ濃縮形態
を含む凍結形態又は乾燥形態であり得る。したがって、一実施形態では、本発明は乾燥、
噴霧乾燥、凍結又はフリーズドライされた本明細書に記載のスターター培養物に関する。
培養物は真空で又は例えばN2、CO2等の雰囲気下で包装することができる。例えば、
スターター培養物を製造し、剛性、非柔軟性又は柔軟性の好適なプラスチック又は他の材
料で作製され得る、好ましくは発熱物質を含まない密封容器に入れて発酵場所に分配する
ことができ、発酵させる有機材料に添加するか、又は任意に別個のスターター培地中で初
めに培養して高密度培養物を得ることができる。

0122

スターター培養物は、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビ
フィズス菌に加えて、緩衝化剤及び成長刺激栄養素(例えば同化炭水化物又は窒素源)若
しくは保存料(例えば凍結防止化合物)、又は必要に応じて粉乳若しくは糖等の他の担体
も含有し得る。

0123

スターター培養物は純粋培養物であり得る、すなわち本発明によるグラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の或る単一の分離株のバイオマス、すなわち原
則として1つの細胞に由来するクローンを含有し得る。別の実施形態では、スターター培
養物は共培養物であり得る、すなわち本発明のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB
)又はビフィズス菌の2つ以上の株を含み、任意に細菌又は酵母等の付加的な微生物を更
に含み得る。

0124

スターター培養物又は高密度培養物が、少なくとも102コロニー形成単位(CFU)
の、例えば少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、例えば少なくと
も105CFU/g、少なくとも106CFU/g、例えば少なくとも107CFU/g
、少なくとも108CFU/g、例えば少なくとも109CFU/g、少なくとも101
0CFU/g、例えば少なくとも1011CFU/g、少なくとも1012CFU/g又
は少なくとも1013CFU/gの本発明の1つ又は複数のグラム陽性菌、好ましくは乳
酸菌(LAB)又はビフィズス菌を含有することが好ましい場合もある。

0125

通常、スターター培養物又は高密度培養物は、少なくとも102(CFU)、例えば有
機材料、培地又は基質1g当たり少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、例
えば少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、例えば少なくとも107CFU
、少なくとも108CFU、例えば少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU
、例えば少なくとも1011CFU、少なくとも1012CFU又は少なくとも1013
CFUの本発明の1つ又は複数の細菌株(任意に1つ又は複数の酵母株)という1つ又は
複数の細菌株(任意に1つ又は複数の酵母株)の生細胞の濃度でスターター培地、又は発
酵させる有機材料若しくは基質に添加され得る。

0126

一実施形態では、本発明は、本明細書で規定される食品の調製用のスターター培養物に
関するか、又はセロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性を欠
くグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を含む食品添加物若
しくはプロバイオティック組成物若しくは薬剤に関する。好ましい実施形態では、本明細
書の他の部分に記載されるように、内因性PtcCをコードする遺伝子は、機能的なpt
cC遺伝子産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性
化されている。更なる実施形態では、スターター培養物又は食品添加物又はプロバイオテ
ィック組成物又は薬剤中のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
は、本明細書の他の部分に記載されるように、機能的な異種トレハロース6−リン酸ホス
ファターゼ(例えばotsB)及び/又は機能的な異種トレハロース6−リン酸シンター
ゼ(例えばotsA)を含有する。

0127

別の実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌がトレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠いている、本明細
書で規定されるスターター培養物又は食品添加物又はプロバイオティック組成物又は薬剤
に関する。好ましい実施形態では、本明細書の他の部分に記載されるように、内因性Tr
ePPをコードする遺伝子は、機能的なTrePP遺伝子産物を産生することが不可能な
ように部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されている。

0128

更なる実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィ
ズス菌が、本明細書の他の部分に記載されるように、トレハローストランスポーター、好
ましくは内因性トレハローストランスポーターをコードする1つ又は複数の遺伝子を過剰
発現、好ましくは構成的に過剰発現する、本明細書に記載のスターター培養物又は食品添
加物、プロバイオティック組成物又は薬剤に関する。

0129

また別の実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌が、本明細書の他の部分に記載されるように、1つ又は複数の異種遺伝子産物、
好ましくは1つ又は複数の予防的及び/又は治療的な遺伝子産物を発現する、本明細書に
記載のスターター培養物、プロバイオティック組成物又は食品添加物又は薬剤に関する。

0130

一実施形態では、本明細書に記載のスターター培養物、プロバイオティック組成物又は
食品添加物を乾燥、凍結又は噴霧乾燥、乾燥又はフリーズドライする。

0131

上で示したように、一態様では、本発明は、好ましくは食品添加物として使用される、
又は食品の調製若しくは薬剤の調製に使用されるプロバイオティック組成物、スターター
培養物の調製への本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌の使用に関する。更なる態様では、本発明は食品添加物としての又は食品の調製
へのスターター培養物又はプロバイオティック組成物の使用に関する。

0132

本明細書で使用される場合、「食品添加物」という用語は、更に改変することなく、又
は代替的には更なる改変、例えば食品若しくは飼料の完全若しくは部分的な発酵、若しく
は食品若しくは飼料の1つ若しくは複数のコンポーネントの完全若しくは部分的な発酵の
後に消費するのに適した、好ましくはヒト又は動物の食品又は飼料に添加することができ
る組成物中に配合されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を
指す。例としては、限定されるものではないが、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは
乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、又は本発明による組成物、例えば本明細書に記
載のスターター培養物を、酪農業において特に培養酪農食品、培養乳製品又は培養牛乳製
品としても知られる発酵牛乳製品の調製に使用することができる。発酵プロセスによって
製品の保存期間が増加し、味が向上し、牛乳の消化率が改善される。本明細書で言及され
る食品の例には、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム、バターミルク、乳酸菌牛乳等が
含まれるが、これらに限定されない。

0133

一態様では、本発明は、本明細書で規定される薬剤、食品添加物、プロバイオティック
組成物又はスターター培養物を調製する方法であって、該スターター培養物が好ましくは
食品の調製用のスターター培養物であり、
i)本明細書で規定されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス
菌を、該グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させ
ることが可能な基質材料を含む培地中で増殖させる工程と、
ii)そのようにして増殖させたグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフ
ィズス菌を、薬剤、食品添加物、プロバイオティック組成物又はスターター培養物のそれ
ぞれに配合する工程と、
を含む、方法にも関する。

0134

グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を増殖させる方法、並び
にグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させること
が可能な培地及び基質は、当該技術分野で既知である。一実施形態では、薬剤、食品添加
物、プロバイオティック組成物又はスターター培養物としての配合は、液体培養物、加圧
液体培養物、例えば乾燥形態、フリーズドライ形態及び噴霧/流動層乾燥形態、又は凍結
濃縮形態若しくはフリーズドライ濃縮形態を含む凍結形態又は乾燥形態としての配合を含
む。配合が乾燥、噴霧乾燥、凍結又はフリーズドライを含むのが好ましい。

0135

更なる態様では、本発明は、食品を調製する方法であって、本明細書で規定されるグラ
ム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌、本明細書で規定される食
品添加物、本明細書で規定されるプロバイオティック組成物、又は本明細書で規定される
スターター培養物と、上記グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌
によって発酵させることが可能な基質材料とを混合する工程を含む、方法にも関する。基
質材料は通常は炭素源、好ましくは炭水化物又は糖である。グラム陽性菌、好ましくは乳
酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させることが可能な炭水化物としては、グ
ルコース、フルクトースガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハ
ロース、セロビオース等の単糖類又は二糖類が挙げられるが、これらに限定されない。一
実施形態では、食品を調製する方法は、
i)本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス
菌、食品添加物、プロバイオティック組成物又はスターター培養物を準備する工程と、
ii)上記グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌によって
発酵させることが可能である、基質材料、又は基質材料を含む組成物、好ましくは非毒性
若しくは食用の組成物を準備する工程と、
iii)本明細書で規定されるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビ
フィズス菌、本明細書で規定される食品添加物、本明細書で規定されるプロバイオティッ
ク組成物又は本明細書で規定されるスターター培養物と、基質材料又は組成物とを混合す
る工程と、
iv)任意に上記グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を
増殖させる、及び/又は上記基質材料若しくは組成物を上記グラム陽性菌、好ましくは乳
酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌によって発酵させる工程と、
を含む。

0136

一態様では、本発明は、本明細書に記載の方法によって直接的若しくは間接的に得られ
る又は得ることができる食品にも関する。

0137

先述のように、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌は、トレハロースを細胞内に有利に蓄積させる。したがって、一態様では、本発明は
、トレハロースが成長培地中に存在するか、又は外部から若しくは外生的に添加されたト
レハロースであるようにグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌に
おいてトレハロースを内因的に蓄積させる方法であって、本発明によるグラム陽性菌、好
ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(L
AB)又はビフィズス菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培地中で増殖さ
せる工程を含む、方法にも関する。一実施形態では、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(
LAB)又はビフィズス菌においてトレハロースを内因的に蓄積させる方法は、
i)本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス
菌、又はスターター培養物を準備する工程と、
ii)上記グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌によって
発酵させることが可能である、基質材料、又は基質材料を含む組成物、好ましくは非毒性
若しくは食用の組成物を準備する工程と、
iii)本明細書で規定されるLAB、又は本明細書で規定されるスターター培養物と
、基質材料又は組成物とを混合する工程と、
iv)任意に上記グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌を
増殖させる、及び/又は上記基質材料若しくは組成物を上記グラム陽性菌、好ましくは乳
酸菌(LAB)若しくはビフィズス菌によって発酵させる工程と、
を含む。

0138

本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、改善さ
れたストレスに対する抵抗性、並びに改善された製造特性、加工特性及び/又は保存特性
を有利に示す。したがって、一態様では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(L
AB)又はビフィズス菌のストレス抵抗性又は製造特性、加工特性及び/又は保存特性を
改善する方法であって、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を
、PtcC活性を欠くように改変することを含む、方法に関する。一実施形態では、内因
性ptcCをコードする遺伝子は、機能的なptcC遺伝子産物を産生することが不可能
なように部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されている。ストレス抵抗性又は製造
特性、加工特性及び/又は保存特性が酸性条件に対する抵抗性、胆汁塩に対する抵抗性、
熱に対する抵抗性、塩に対する抵抗性、乾燥、噴霧乾燥、凍結又はフリーズドライに対す
る抵抗性、及び浸透圧抵抗性を含む群から選択される1つ又は複数のストレス抵抗性又は
製造特性、加工特性及び/又は保存特性であるのが好ましい。

0139

一実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス
菌が、本明細書の他の部分に記載されるように、機能的な異種トレハロース6−リン酸ホ
スファターゼ(例えばotsB)及び/又は機能的な異種トレハロース6−リン酸シンタ
ーゼ(例えばotsA)を含有しない、本明細書に記載される方法のいずれかに関する。

0140

別の実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌が、トレハロース6−リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠いている本明細
書に記載される方法のいずれかに関する。好ましい実施形態では、本明細書の他の部分に
記載されるように、内因性TrePPをコードする遺伝子は、機能的なTrePP遺伝子
産物を産生することが不可能なように部分的又は完全に欠失、破壊又は不活性化されてい
る。

0141

更なる実施形態では、本明細書の他の部分に記載されるように、本発明はグラム陽性菌
、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が、トレハローストランスポーター、好
ましくは内因性トレハローストランスポーターをコードする1つ又は複数の遺伝子を過剰
発現する、好ましくは構成的に過剰発現する、本明細書に記載される方法のいずれかに関
する。

0142

また別の実施形態では、本明細書の他の部分に記載されるように、本発明はグラム陽性
菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌が、1つ又は複数の異種遺伝子産物、
好ましくは1つ又は複数の予防的及び/又は治療的な遺伝子産物を発現する、本明細書に
記載される方法のいずれかに関する。

0143

一実施形態では、本発明はグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス
菌、薬剤、食品添加物、プロバイオティック組成物又はスターター培養物を乾燥、凍結、
噴霧乾燥又はフリーズドライする工程を更に含む、本明細書に記載される方法のいずれか
に関する。

0144

本発明者らは驚くべきことに、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB
)又はビフィズス菌が、外部から添加されるトレハロースを添加することなくトレハロー
スを細胞内に蓄積させることが可能であることを見出した。有利には、本発明によるグラ
ム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌は、任意にトレハロースが外部
から添加されない培地中であっても増殖させ、トレハロースを内部に蓄積させることがで
きる。したがって、一実施形態では、本発明は、本明細書に記載のグラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、トレハロースを欠く若しくは実質的に欠く培
地、又は外部から若しくは外生的に添加されるトレハロースを欠く若しくは実質的に欠く
培地中で維持又は増殖させる工程を含む、本明細書に記載される方法に関する。有利には
、かかる培地は、限定されるものではないがマルトース及び/又はグルコース等の別の発
酵性炭素源を含み得る。

0145

したがって、一実施形態では、本発明は、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸
菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビ
フィズス菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培地中で維持又は増殖させ、
該基質材料がトレハロースをほとんど含まない(例えば準最適量)、含まない又は実質的
に含まない、本明細書に記載される方法のいずれかに関する。代替的には、本発明は、本
発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽
性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させることが可能な基
質材料を含む培地中で維持又は増殖させ、該基質材料がマルトースを含む、本明細書に記
載される方法のいずれかに関する。好ましい実施形態では、本発明は、本発明によるグラ
ム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を、該グラム陽性菌、好ましく
は乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌によって発酵させることが可能な基質材料を含む培
地中で維持又は増殖させ、該基質材料がマルトースを含み、該基質材料がトレハロースを
ほとんど含まない(例えば準最適量)、含まない又は実質的に含まない、本明細書に記載
される方法のいずれかに関する。

0146

本明細書で使用される場合、トレハロースを含まない若しくは実質的に含まない、又は
外部から添加された若しくは外因性トレハロースを含まない培地は、トレハロースを含有
しないか、又は少量のトレハロースしか含有しない培地を指す。かかる培地中のトレハロ
ースの量又は濃度は、細菌が唯一の炭素源として使用することが可能となる程低いことが
好ましい。一実施形態では、培地は100mM未満、好ましくは50mM未満、より好ま
しくは25mM未満、例えば15mM未満、10mM未満、5mM未満、2mM未満又は
1mM未満のトレハロースを含有する。更なる実施形態では、培地は2w/w%未満又は
2v/w%未満のトレハロース、好ましくは1w/w%未満又は1v/w%未満のトレハ
ロース、より好ましくは0.5w/w%未満又は0.5v/w%未満のトレハロース、例
えば0.3w/w%若しくはv/w%未満、0.2w/w%若しくはv/w%未満、0.
1w/w%若しくはv/w%未満、0.05w/w%若しくはv/w%未満、又は0.0
1w/w%若しくはv/w%未満のトレハロースを含有する。別の実施形態では、培地は
炭素源又は発酵性炭水化物の総量の20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは
5%未満、例えば3%未満、2%未満又は1%未満のトレハロースを含有する。

0147

更なる態様では、本発明は、グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌において細胞内トレハロースを蓄積させる、本明細書に記載のグラム陽性菌、好まし
くは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の使用に関する。好ましい実施形態では、本発明
は、トレハロースの非存在下又は実質的に非存在下でグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(
LAB)又はビフィズス菌において細胞内トレハロースを蓄積させる、本明細書に記載の
グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の使用に関する。別の実施
形態では、本発明は、好ましくはマルトースを唯一又は実質的に唯一の炭素源として維持
又は増殖させた場合にグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌にお
いて細胞内トレハロースを蓄積させる、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸
菌(LAB)又はビフィズス菌の使用に関する。

0148

上記のように、本発明によるグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズ
ス菌は、改善された様々な環境ストレスに対する抵抗性、並びに改善された製造特性、加
工特性及び/又は保存特性を示す。したがって、一態様では、本発明はグラム陽性菌、好
ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌においてストレス抵抗性を改善する、又は製
造特性、加工特性及び/又は保存特性を改善する、本明細書に記載のグラム陽性菌、好ま
しくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌の使用に関する。更なる態様では、本発明は、
グラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌においてストレス抵抗性を
改善する、又は製造特性、加工特性及び/又は保存特性を改善する方法であって、本明細
書に記載のグラム陽性菌、好ましくは乳酸菌(LAB)又はビフィズス菌を生成すること
を含む、方法に関する。

0149

一実施形態では、ストレス抵抗性は酸性条件に対する抵抗性、胆汁塩に対する抵抗性、
熱抵抗性、塩に対する抵抗性、低温抵抗性、浸透圧抵抗性を含む群から選択され、好まし
くは酸性条件又は胆汁塩に対する抵抗性、より好ましくは胆汁塩に対する抵抗性から選択
される。別の実施形態では、製造特性、加工特性及び/又は保存特性は、培地中での乾燥
、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥又は保存、好ましくは凍結又はフリーズドライ、より
好ましくはフリーズドライを含む群から選択される。

0150

本発明の態様及び実施形態は以下の非限定的な実施例によって更に支持される。

0151

表1は、表2に与えられる図4で使用される株以外の本明細書に記載の株における遺伝
子改変の概要を示す。

0152

0153

本明細書に記載の株における遺伝子改変の概要。a)トレハロースオペロンの構造:天
然トレハロースオペロンプロモーター(Ptre)がトレハロースPTSトランスポータ
ーに先行するか否か(Ptre>>PTS)及びtrePPが欠失している(KO)か否
か(野生型;wt);b)ptcC遺伝子の構造:野生型(wt)、終止コドンの挿入又
遺伝子欠失による不活性化(KO);c)欠如(−)又はthyAプロモーターに続く
thyA遺伝子座に挿入される(PthyA>>otsB)、若しくはusp45遺伝子
に続く2番目のシストロンとして挿入される(usp45>>otsB)、機能的に不活
性な(突然変異)otsB若しくは野生型otsBの存在;d)thyA遺伝子の構造:
野生型(wt)又は遺伝子欠失若しくはカーゴ遺伝子の挿入(遺伝子置換)による不活性
化(KO);e)欠如(−)又はhllAプロモーターの制御下でthyA遺伝子座に挿
入される(PhllA>>)若しくはusp45遺伝子若しくはgapB遺伝子の下流に
挿入される(usp45>>;gapB>>)、uidA、hIL−10又は抗TNF
CDP870カーゴ遺伝子の性質及び構造。全ての株がラクトコッカス・ラクティスMG
1363に由来する。

0154

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