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技術 デジタルポリメラーゼ連鎖反応における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法

出願人 エフ.ホフマン-ラロシュアーゲー
発明者 アラン・ファーラン
出願日 2017年9月20日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2017-180047
公開日 2018年3月29日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2018-046819
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 閾値下限 中間特性 相対変動 分配体 モデル曲線 アボガドロ定数 分配ステーション エネルギーインプット
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるdPCRによって、関心対象核酸を定量化する方法を提供する。

解決手段

デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法であって、関心対象の核酸の量または濃度を反応領域のアレイにおいて定量化し、該方法が、a)充填対照マーカーを、dPCRにおいて用いる反応領域アレイ各反応領域に添加する工程と、b)各反応領域において、反応体積を定量化する工程と、c)1つの体積における又は体積あたりの、dPCRによって決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量又は濃度を計算する、ここで体積が工程b)において決定されるような反応体積の総計である工程とを含む、方法。

概要

背景

概要

反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるdPCRによって、関心対象核酸を定量化する方法を提供する。デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法であって、関心対象の核酸の量または濃度を反応領域のアレイにおいて定量化し、該方法が、a)充填対照マーカーを、dPCRにおいて用いる反応領域アレイ各反応領域に添加する工程と、b)各反応領域において、反応体積を定量化する工程と、c)1つの体積における又は体積あたりの、dPCRによって決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量又は濃度を計算する、ここで体積が工程b)において決定されるような反応体積の総計である工程とを含む、方法。なし

目的

dPCRは、核酸の絶対定量化および稀なアレルの検出のための、慣用的リアルタイム定量的PCRに対する代替法を提供する

効果

実績

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請求項1

デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法であって、関心対象核酸の量または濃度を反応領域のアレイにおいて定量化し、該方法がa)充填対照マーカーを、dPCRにおいて用いる反応領域アレイ各反応領域に添加し;b)各反応領域において、反応体積を定量化し;そしてc)1つの体積におけるまたは体積あたりの、dPCRによって決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算する、ここで体積が工程b)において決定されるような反応体積の総計である工程を含む、前記方法。

請求項2

試料における関心対象の核酸の量または濃度を決定するための方法であって:a)関心対象の核酸を含有すると推測される試料を提供し;b)反応領域アレイの各反応領域における試料を用いて、dPCRを行い;c)各反応領域中の反応体積を定量化し;そしてd)1つの体積中のまたは体積あたりの、工程b)において決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算する、ここで体積が工程c)において決定されるような反応体積の総計である工程を含む、前記方法。

請求項3

各反応領域中に存在する充填対照マーカーを定量化することによって、反応体積を定量化する、特に、充填対照マーカーのシグナルが反応領域中の反応体積に比例する、請求項1または2の方法。

請求項4

測定した充填対照マーカーシグナルおよび予期される充填対照マーカーシグナルに基づいて、各反応領域に関する補正因子を計算し、そして反応体積偏差を考慮する補正因子を、それぞれの反応領域に適用する、請求項3の方法。

請求項5

反応領域中の、特にウェル中の反応体積の高さに基づいて、各反応領域中の反応体積を定量化する、請求項1〜4のいずれかの方法。

請求項6

反応領域中の充填対照マーカーの量が、下限閾値より低い場合、または場合によって上限閾値より高い場合、反応領域を無効と同定する、請求項1〜5のいずれかの方法。

請求項7

反応領域に分配する前に、充填対照マーカーをPCR反応合物に添加する、請求項1〜6のいずれかの方法。

請求項8

充填対照マーカーが蛍光マーカーまたは吸光度マーカーである、請求項1〜7のいずれかの方法。

請求項9

充填対照マーカーが−1またはそれより多いdPCRプローブのものとは異なる蛍光および/または吸光特性を有し;そして/または−dPCRにおいて用いるターゲットプローブ蛍光マーカーと同一の励起波長または放出波長を有し;そして/または−少なくとも100nm、好ましくは少なくとも150nmのストークスシフトを有し;そして/または−ATTO430LSまたはATTO490LS、好ましくはATTO490LSである請求項8の方法。

請求項10

関心対象の核酸が−DNA、cDNA、RNAおよびその混合物からなる群より選択される核酸であり;そして/または−微生物細胞ウイルス、細菌、真菌哺乳動物種遺伝子状態または疾患の指標である請求項1〜9のいずれかの方法。

請求項11

試料を、混入が推測される細胞培養物または供給源、特に体液、血液、血漿血清、尿、胆汁脳脊髄液スワブ、臨床標本臓器試料および組織試料または被験体、特にヒト、動物および植物、特にヒトから得ている、請求項2〜10のいずれかの方法。

請求項12

反応領域が、チップ上、キャピラリー中核酸結合表面上またはビーズ上、特にマイクロアレイ中またはチップ上の、マイクロアレイまたはナノアレイの小型化されたチャンバー微少流体デバイスのチャンバー、マイクロウェルまたはナノウェルである、請求項1〜11のいずれかの方法。

請求項13

反応領域のアレイが−少なくとも100反応領域、特に少なくとも1,000反応領域、特に少なくとも5,000反応領域;および/または−少なくとも10,000反応領域、特に少なくとも50,000反応領域、特に少なくとも100,000反応領域を含む、請求項1〜12のいずれかの方法。

請求項14

dPCRが、関心対象の1またはそれより多い核酸を検出するため、1またはそれより多い蛍光dPCRプローブの、特に消光剤と組み合わせた、または分子ビーコンとしてのまたは加水分解プローブとしての使用を伴い、そして/または特に蛍光dPCRプローブがフルオレセインローダミンおよび/またはシアニンを含む、請求項1〜13のいずれかの方法。

技術分野

0001

本発明は、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法、およびdPCRを用いて、試料中の関心対象核酸の量または濃度を決定するための方法に関する。

発明が解決しようとする課題

0002

多くの生物学的、生化学的、診断または療法目的のため、試料中の核酸の量または濃度を正確にそして的確に決定することが必要である。dPCRは、核酸の絶対定量化および稀なアレルの検出のための、慣用的リアルタイム定量的PCRに対する代替法を提供する、核酸検出および定量化のためのかなり新しいアプローチである。dPCRは、核酸試料を、多くの個々の平行PCR反応分配することによって働き;これらの反応のいくつかは、ターゲット分子を含有する(陽性)一方、他のものは含有しない(陰性)。PCR分析に続いて、陰性反応分画を用いて、試料中のターゲット分子数の絶対計測を行う。リアルタイムPCRに勝るdPCRの重要な利点の1つは、定量化のより優れた正確さである。この利点は、定量化が陽性分配の正確な計数および理論的分配体積の知識のみを必要とする(計測数はPCR効率にそれほど感受性ではない)ため、dPCRの生得的な特性に頼る。定量化標準は必要ではない。これによって、標準自体によって引き起こされる潜在的な定量化誤差が取り除かれる。

0003

先行技術は、正しくない陽性または陰性計数を同定し、そして小滴に基づくアッセイにおけるシグナル較正するかまたは規準化するための方法を提供する(US 2013/0302792 A1)。この規準化は、陽性および陰性計数の間の分離を改善するはずである。したがって、規準化は、偽陽性および偽陰性計測のリスクを減少させる。最終的な目的は、核酸に関して得られるシグナルを補正することによって、核酸濃度決定の正確さおよび的確さを改善することである。

0004

しかし、先行技術の方法は、dPCR反応領域中の真の体積予期されるものまたは意図されるものと異なる状況による、PCRにおける定量化誤差を考慮しない。
したがって、反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるdPCRによって、関心対象の核酸を定量化する方法に関する必要性がある。本発明の目的はこれらの方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

この目的は、各反応領域中の体積が定量化され、そして関心対象の核酸の量または濃度の計算に含まれる、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)に基づく方法によって、解決された。これは、充填対照マーカーを各反応領域に添加することによって実行可能である。

0006

したがって、本発明は、dPCRによって核酸を定量化する非常に正確でそして的確な方法だけではなく、試料中の関心対象の核酸の量または濃度のより的確でそして正確な決定を可能にする、dPCR中で用いられる体積も提供する。特に、上記方法は、例えば、不均一な反応領域サイズまたは平均反応領域体積の偏差のための定量化誤差の補正を可能にする。さらに、無効な(例えば空のまたはほぼ空の)反応領域によって引き起こされる定量化誤差を排除可能である。

図面の簡単な説明

0007

図1は、(a)光源(1)が、対照マーカー(2)で充填されたdPCRアレイ照射する、dPCRアッセイにおける充填反応領域の高さを評価するための例示的なセットアップを例示する。個々の反応領域から生じる対照マーカーの蛍光シグナル検出装置(3)に到達し、これは本質的に、各反応領域中の液体の高さに比例する。(b)較正のため、同じ対照マーカー溶液で充填された周知の高さ(4)を持つ較正キュベットを用いて、高さを決定する。実験(a)におけるものと同じ条件下でシグナルを記録する。
図2は、有効および無効反応領域の模式的提示を示す。無効な反応領域を核酸の量または濃度の計算から外す。 a)有効陽性反応領域 b)有効陽性反応領域(閾値より高い充填レベル) c)有効陰性反応領域 d)有効陰性反応領域(閾値より高い充填レベル) e)無効反応領域(反応混合物が存在しない) f)無効反応領域(閾値より低い充填レベル)

0008

1つの側面において、本発明は、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(dPCR)における反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法であって、関心対象の核酸の量または濃度を反応領域のアレイにおいて定量化し、該方法が
a)充填対照マーカーを、dPCRにおいて用いる反応領域アレイの各反応領域に添加し;
b)各反応領域において、反応体積を定量化し;そして
c)1つの体積におけるまたは体積あたりの、dPCRによって決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算する、ここで体積が工程b)において決定されるような反応体積の総計である
工程を含む、前記方法に関する。

0009

上に詳述するように、核酸の量または濃度を、信頼性を持って決定する方法は、いくつかの産業適用において、例えば医学分野において、特に関連がある。いくつかの側面に関して、試料中に核酸が存在するかどうかを明瞭にすることが必要であるだけでなく、試料、例えば患者または産物から得た試料において、核酸の量または濃度を、可能な限り的確にそして正確に決定する必要がある可能性もある。これは、例えば疾患の重症度の診断において、あるいは例えば混入物質または不純物を定義するために、環境技術または製品品質管理において、関心が持たれる可能性もある。

0010

現在のdPCR法は、意図される体積中に存在する核酸の数を決定することに重点を置く。しかし、特定の体積中の問題の核酸の量、または体積あたりのその濃度を決定するためには、実際のそして正しい体積を知る必要もある。本発明のdPCR法を用いると、核酸の数(すなわち関心がある場合、核酸のコピー数)ならびに核酸が含有される体積が、同時に決定され、したがって、より正確な結果が提供される。

0011

dPCR(デジタルポリメラーゼ連鎖反応、デジタルPCR反応混合物またはDigitalPCR)は、DNA、cDNA、RNAまたはその混合物を含む核酸を直接定量化し、そして場合によってクローン性増幅するために使用可能な、慣用的ポリメラーゼ連鎖反応法バイオテクノロジー改良法である。dPCRおよび伝統的PCR(例えばqPCR)の間の重要な相違は、核酸量を測定する方法にあり、前者はPCRよりもより的確でそして正確な方法であるが、また、経験を積んでいない使用者の管理下では、より誤りやすい傾向がある。dPCRのより小さいダイナミックレンジは、試料の希釈を必要としうる。dPCRはまた、試料内で単一の反応を実行するが、試料を多数の分配または反応領域に分離し、そして反応を各分配または反応領域において、個々に行う。この分離は核酸量のより信頼性がある収集および高感度の測定を可能にする。さらに、該方法は、正確な定量化を可能にする。

0012

上に詳述するとおり、dPCR試料を分配して、試料内の個々の核酸分子が、多くの別個の領域(反応領域)内に局在し、そして濃縮されるようにする。試料の分配は、分子集団ポアソン分布したがう仮定することによって、核酸数の概算を可能にする。その結果、各部分は、陰性または陽性反応(それぞれ「0」または「1」)を含有するであろう。PCR増幅後、PCR最終産物陽性反応を含有する領域を計数することによって、核酸を定量化することも可能である。慣用的な定量化PCRにおいて、定量化結果は、PCRプロセスの増幅効率に依存しうる。しかし、dPCRは、最初の試料量を決定するために、増幅サイクルの数には依存せず、ターゲット核酸を定量化するために、不確か指数データへの依存を排除し、そしてしたがって、絶対定量を提供する。

0013

本発明の第一の側面は、反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるための方法に関する。
反応体積偏差は、反応領域における不均一な体積を生じうる。領域のサイズ分布の幅は、計測率、そしてしたがって計算される核酸濃度の正確さに影響を及ぼす。この定量化誤差は、領域あたりの低コピー数では無視できるが、領域あたりの高コピー数では大きくなりうる。この効果は、1つの領域が非常に広い一方、すべての他のものがゼロに向かって収縮する思考実験によって例示されうる。この場合、陽性係数は、明らかに1に向かう傾向があり、極端な過少定量化を生じるであろう。

0014

あるいはまたはさらに、反応体積偏差は、平均反応領域体積が、意図されるものまたは予期されるもの、例えば較正値によってあらかじめ決定されるようなものとは異なるという事実のためでありうる。

0015

小滴に基づくdPCR系およびアレイに基づくdPCR系の両方において、平均分配体積の不確定性は、現在の系における正確性誤差の主な原因であることが見出された(Dongら, 2015, Sci. Rep. 5, 13174およびDongら, 2014, Anal. Bioanal. Chem. 406, 1701−1712)。

0016

平均反応領域体積は、反応混合物組成中の変化(dPCRアレイの場合、界面活性剤が、反応混合物およびシーリング液の界面に形成されるメニスカスに影響を有する)、アレイの産生プロセスによって引き起こされる反応領域深度の変化(例えばアレイを産生するために用いる成形型の変化が、反応領域の幾何学的変化と関連しうる)または充填速度による反応領域の充填度の変化のため、変化する可能性もある。

0017

第一の側面の方法の第一の工程において、反応体積偏差によって引き起こされる定量化誤差を減少させるため、dPCRに用いる反応領域アレイの各反応領域に、充填対照マーカーを添加する。充填対照マーカーは、各反応領域中の反応体積の定量化を可能にする、任意の物質または組成物であってもよい。

0018

したがって、充填対照マーカーは、任意の検出可能標識からなってもまたはこうした標識を含んでもよい。用語「標識」は、本明細書において、一般的に、反応領域中の体積を視覚化し、検出し、分析し、そして/または定量化するために使用可能な任意の種類の物質または剤を指す。標識は、例えば、体積を光学的に検出可能にし、そして/または光学的に区別可能にする色素であってもよい。標識は、各反応領域の、例えばとりわけ、流動流中、マルチウェルプレート中、チップ上、アレイ中または視野中の体積を示す。マーカーは、各反応領域中、任意の適切な均一または不均一分布を有してもよい。例えば、マーカーは、反応領域全体に実質的に均一に分布していてもよいし、反応領域の周辺に局在していてもよいし(例えば小滴を被包する外表面(skin)または例えばウェル中の反応領域を覆う表面に局在していてもよい)、あるいは反応領域内の1またはそれより多い別個の局在を有してもよい(例えばマーカーが粒子(例えばとりわけビーズまたは量子ドット)である場合)。

0019

本発明にしたがった標識には、限定されるわけではないが、放射性同位体、例えば35イオウ(35S)、32リン(32P)、33リン(33P)、3Hまたは14C、任意の着色(例えば2,4−ジニトロフェノール)あるいは発光分析手段によって検出され、そして/または視覚化されることが可能である、例えば、限定されるわけではないが、カルボキシフルオレセインFAM)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネートFITC)、テトラクロロフルオレセイン(TET)、およびヘキサクロロフルオレセインを含むフルオレセイン色素ローダミン色素、例えばカルボキシ−X−ローダミン(ROX)、テキサスレッドおよびテトラメチルローダミン(TAMRA)、シアニン色素、例えばプリリウムシアニン色素、DY548、クエーサー570、またはCy3、Cy5、Alexa 568等などの、発光、好ましくは蛍光分子または吸光度マーカー(非蛍光または蛍光)が含まれてもよい。蛍光標識は、例えば、InvitrogenTM(USA)を含む、多様な供給業者から商業的に入手可能である。

0020

標識の選択は、典型的には、物理特性(例えばスペクトル特性)によって、検出装置の利用可能性によって、そしてdPCR中の核酸検出に用いる標識(単数または複数)によって、決定される。標識ならびにその検出戦略は、当業者に周知である。

0021

例えば、シグナルは蛍光シグナルであってもよい。2またはそれより多い異なる蛍光シグナルが各反応領域から測定される(1つはPCR用そして1つは充填対照マーカーとして)場合、シグナルは、例えば、別個の波長または波帯で検出可能である。あるいは、とりわけ、光の異なる波長または波帯での励起(例えば異なる時点または異なる位での励起)後、蛍光シグナルを同じ波長/波帯で測定してもよい。それぞれの別個のフルオロフォアを通じて、2またはそれより多い蛍光シグナルを検出してもよい。

0022

いくつかの態様において、充填対照マーカーは増幅反応カップリングされず、そしてしたがって、受動的参照として働く可能性もある。いくつかの態様において、充填対照マーカーは、さらに、対照増幅反応から検出される対照シグナルとして使用可能である。対照増幅反応は、外因性または内因性テンプレートの増幅を測定可能である。好ましくは、標識は、方法の間、安定であり、退色にはさらされず、増幅反応および/または温度とは独立に、不変である。

0023

第一の側面の方法の第二の工程において、各反応領域中の反応体積を定量化する。充填対照マーカーによって提供されるシグナルに基づいて、反応体積を定量化する。各反応領域中で検出される充填対照マーカーの量または濃度に基づいて、反応領域の体積を決定することも可能である。マーカーの量または濃度を決定するための方法は、用いるマーカーに依存するであろうし、そしてこうした方法は当該技術分野に周知である。例えば、放射性同位体を用いる場合、放射能を測定してもよい。好ましくは、蛍光によって検出および/または定量化可能な蛍光マーカーを用いる。

0024

体積の決定に加えて、充填対照マーカーを、dPCRのために得られるシグナルに関する標準化因子として、そして/または無効な試料を決定から排除するために用いてもよい(以下もまた参照されたい)。

0025

第三の工程として、1つの体積中のまたは体積あたりの、dPCRによって決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算し、ここで体積は第二の工程において決定するような反応体積の総計である。さらなる詳細を以下に提供する。

0026

第二の側面において、本発明は、試料における関心対象の核酸の量または濃度を決定するための方法であって:
a)関心対象の核酸を含有すると推測される試料を提供し;
b)反応領域アレイの各反応領域における試料を用いて、dPCRを行い;
c)各反応領域中の反応体積を定量化し;そして
d)1つの体積中のまたは体積あたりの、工程b)において決定されるような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算する、ここで体積が工程c)において決定されるような反応体積の総計である
工程を含む、前記方法に関する。

0027

本発明の方法の第一の工程において、関心対象の核酸を含有すると推測される試料を提供する。
試料は、被験体由来の試料を含めて、問題の核酸を含有すると推測される任意の試料であってもよい。試料は、その物質(単数または複数)と同一であり、そしてそのより多い量を代表すると意図される、限定された量の物質である。試料を得る作業は、人によって、または自動的に実行可能である。試験、分析、検査調査、実証、または試行使用のために、試料を採取するかまたは提供することも可能である。ある場合、試料採取は連続的に進行中であってもよい。試料は、個体、液体または気体を含むかまたはこれらからなってもよい;試料は、ゲルまたは組織、生物またはこれらの組み合わせなどの、何らかの中間特性を持つ物質であってもよい。好ましくは、試料は、容易な分布を可能にする液体または懸濁物である。

0028

物質試料が個々のアイテムとして計数できない場合であっても、試料の量はなお、体積、質量、サイズ、または他のこうした寸法に関して記述可能である。固形試料は、1つのまたはいくつかの別個の片として入手可能であるし、あるいは断片化されるか、顆粒であるかまたは粉末化されることも可能である。

0029

現在の文脈の試料は、検出するかまたは測定しそして定量化しようとする、1またはそれより多い核酸を含有すると推測される、ある量の物質である。本明細書において、該用語には、限定されるわけではないが、標本(例えば生検または医学的標本)、培養物(例えば微生物学的培養)または環境試料、例えば水または土が含まれる。試料は被験体、例えば動物またはヒト由来であってもよいし、液体、固体(例えば糞便)、懸濁物または組織であってもよい。用語「被験体由来の試料」には、任意の所定の被験体から単離された、生物学的液体排泄物および組織のすべてが含まれる。好ましくは、被験体は動物、より好ましくは哺乳動物、またはさらにより好ましくはヒトである。試料は、限定されるわけではないが有蹄動物クマ魚類齧歯類等の動物を含む、家畜動物、ならびに野生動物の多様な科のすべてから得られてもよい。

0030

試料の例には、限定されるわけではないが、細胞または組織培養物、血液、血清血漿、針吸引物、尿、精液精漿前立腺液、排泄物、唾液、生検、腹水脳脊髄液胸水羊水、腹水、間質液、痰、ミルクリンパ液および他の洗浄液試料、または組織抽出物試料が含まれる。試料供給源は、新鮮凍結および/または保存臓器または組織試料または生検または吸引物由来などの固形組織;あるいは被験体の妊娠または発生における任意の時点に由来する細胞であってもよい。

0031

試料は、天然の試料の供給源と天然には混合されていない化合物、例えば保存剤抗凝血剤緩衝剤固定液栄養素抗生物質等を含有してもよい。
試料がdPCRのための準備ができていないかまたは適していない場合、dPCRに使用する前に、さらなるプロセシングが必要である可能性もある。通常、試料は、例えば試料を希釈して(dPCRを可能にする核酸濃度を得る)、妨害構成要素を除去し、dPCRに必要な試薬を添加するなどにより、dPCRのためにプロセシングされる必要がある。プロセシングは、多数の異なる工程および技術を含むことも可能であり、これらは、試料の性質、関心対象の核酸のタイプ、および用いるdPCR法を含む、多様な側面に応じるであろう。典型的には、プロセシングには、精製工程および/または希釈または濃縮工程が含まれる。核酸を精製するための方法は、当該技術分野に周知であり、そしてこれには、限定されるわけではないが、ホモジナイズ洗浄遠心分離、抽出等が含まれる。例えば試料を破壊することによって、保存剤を添加することによって、試料を凍結することによってまたは乾燥させることによって、試料を保存することが必要である可能性もある。得た試料を破壊するため、物理的な力(例えばポリトロン粉砕または凍結)または化学的方法(例えば細胞の溶解)を用いてもよい。ホモジナイズのために界面活性剤またはカオトロープを用いてもよい。酸フェノールクロロホルムフィルターガラス粒子またはクロマトグラフィ(例えば結合パートナーとして適切な核酸を用いて)の使用によって、核酸を抽出してもよい。プロセシングの任意の時点で(プロセシングの開始時、プロセシング中、および/またはプロセシング終了時)、試料を保存することが必要である可能性もある。このため、適切な培地、例えば緩衝生理食塩水を添加することが必要であるかまたは適切である可能性もある。関心対象でないか、または妨害しうる、混入物質および/または核酸を除去することが必要である可能性もある。混入物質を除去するため(例えばDNアーゼRNアーゼおよび/またはプロテイナーゼ)、または関心対象の核酸を保護するため(例えばDNアーゼ阻害剤またはRNアーゼ阻害剤)、酵素を用いてもよい。酵素を不活性化するため、加熱工程が適切である可能性もある。望ましくない構成要素、例えば二価カチオン(Ca2+およびMg2+)を取り除くため、除去剤を用いてもよい。培地を交換するために、洗浄工程が必要である可能性もある。

0032

上に詳述するように、dPCRのため、関心対象の核酸は、dPCR中、適切な量または濃度で存在する必要がある。したがって、適切な希釈または濃縮工程が必要である可能性がある。核酸希釈は、通常、溶媒(例えば続く工程のための適切な培地、例えばdPCR培地またはdPCR緩衝液)を添加することによって行われる。例えば、望ましくない構成要素の除去、または特定の最終濃度を得るための濃縮が、意図されるかまたは必要である場合、これには、洗浄工程が伴ってもよい。濃縮は、任意の濃縮法、例えば免疫捕捉、遠心分離、アルコール沈殿、および結合マトリックスの使用のいずれによって行ってもよい。プロセシング後、試料はdPCRの準備ができており、これは、第二の側面にしたがった本発明の方法の工程b)にしたがうことである。

0033

上に詳述するように、試料は関心対象の核酸を含有し、その量または濃度を、本発明の方法において決定するものとする。核酸は、すべての既知生命の形に必須であるバイオポリマーである。したがって、核酸は、特定の生物に関する指標として使用可能であるが、また、例えば、突然変異または天然存在変異体の場合には、疾患に関する指標としても使用可能である。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)を含む核酸は、ヌクレオチドとして知られる単量体から作製される。各ヌクレオチドは3つの構成要素:五炭糖リン酸基、および窒素性塩基を有する。糖がデオキシリボースである場合、ポリマーはDNAである。糖がリボースである場合、ポリマーはRNAである。核酸は、最も重要な生物学的巨大分子の1つである。これらは、すべての生物中に豊富に見られ、ここで、遺伝情報をコードし、伝達し、そして発現する際に機能し、言い換えると、情報は、核酸配列、あるいはDNAまたはRNA分子内のヌクレオチドの順序を通じて伝達される。核酸の実験研究は、現代生物学および医学研究の主要部分を構成し、そしてゲノムおよび法医学科学ならびにバイオテクノロジーおよび薬学産業の基礎を形成する。したがって、本発明の方法は、これらの分野のいずれにおいて使用することも可能である。

0034

核酸は、微生物(例えば病原体)の指標であることも可能であり、そして疾患、例えば感染の診断において有用でありうる。感染は、細菌、ウイルス真菌、および寄生虫または他の核酸含有対象によって引き起こされることも可能である。病原体は、外因性(環境または動物供給源から、あるいは他のヒトから獲得される)であっても、または内因性(正常フロラ由来)であってもよい。試料は、徴候および症状に基づいて選択されてもよく、疾患プロセスの代表であるべきであり、そして抗微生物剤投与前に収集されるべきである。プロセシングされない試料中の核酸の量は、疾患の重症度の指標でありうる。

0035

あるいは、核酸は、遺伝子障害の指標であってもよい。遺伝子障害は、ゲノム中の1またはそれより多い異常によって引き起こされる遺伝的問題、特に誕生時から存在する状態(先天性)である。大部分の遺伝子障害は、非常に稀であり、そして数千または数百万人に1人が罹患する。遺伝子障害は、遺伝性、すなわち親の遺伝子から伝達されるものであってもまたはなくてもよい。非遺伝性遺伝子障害において、欠損は、DNAに対する新規突然変異または変化によって引き起こされてもよい。こうした場合、生殖系列で生じた場合、欠損は遺伝性のみであろう。同じ疾患、例えばいくつかの型の癌は、ある人々では遺伝性遺伝子状態によって、他の人々では新規突然変異によって、そして主に、さらに他の人々においては環境的原因によって、引き起こされうる。明らかに、突然変異を含む核酸の量は、疾患状態の指標でありうる。

0036

本発明の方法において、核酸の量または濃度を決定する。物質量は、標準で定義される量である。国際単位系(SI)は、物質量を、存在する基本的実体の数に比例するよう定義し、アボガドロ定数逆数比例定数である(単位はmol)。物質量に関するSI単位モルである。モルは、同位体炭素12の12gにある原子と等しい数の基本的実体を含有する物質の量と定義される。したがって、試料の物質量は、試料質量を物質のモル質量で割ったものとして計算される。この文脈において、「量」は、通常、関心対象の核酸配列のコピー数を指す。

0037

物質の濃度は、構成要素の存在量を混合物の総体積で割ったものである。いくつかのタイプの数学的説明:質量濃度モル濃度、数濃度、および体積濃度が、区別可能である。用語、濃度は、任意の種類の化学的混合物に適用可能であるが、最も頻繁には、これは溶液中の溶質および溶媒を指す。モル(量)濃度は、正常濃度および浸透圧濃度などの変数を有する。好ましくは、濃度は、数で与えられた構成要素の量を、混合物の総体積で割ったものである。本発明の背景において、濃度は通常、「体積あたりのコピー数」である。

0038

好ましくは、提供される試料は液体中にあり、これはさらなる方法工程を容易にする。
次の工程として、反応領域アレイの各反応領域中の試料を用いて、dPCRを行う。dPCRにおいて、問題の核酸を増幅し、そして検出し、ここで、多くの個々の分子は、各々、別個の反応領域に単離される。各反応領域(ウェル、チャンバー、ビーズ、エマルジョン等)は、出発分子が存在しない場合は陰性結果、またはターゲットとされる出発分子が存在する場合は、増幅および検出に関して陽性結果のいずれかを有するであろう。これは、反応の一部がテンプレート分子を持たず、そして陰性増幅結果を与えるように、多くの別個のPCR反応に渡って、試料の限界希釈を行う技術である。反応終点で、陽性PCR反応混合物反応の数を計数する際、元来の試料に存在する個々のテンプレート分子を1つ1つ計数する。PCRに基づく技術は、増幅可能である分子を計数するだけであるさらなる利点を有し、例えばこれは、配列決定ワークフローにおける、大規模な平行PCR工程に適している。デジタルPCRに基づく方法において、分析しようとする核酸を多くの異なる反応領域(例えばウェル、ビーズ、エマルジョン、ゲルスポット微少流体デバイス中のチャンバー等)に分配する。いくつかであるがすべてではない反応領域が少なくとも1つの分子を含有することが重要である。典型的には、各反応領域は、1つまたはゼロの分子を含有するであろう。実際、反応領域、例えばウェルには、分子のランダムな分布があるであろう。反応領域のある割合(例えば80%)が陽性である場合、多くの領域は、1またはそれより多い分子(例えばウェルあたり平均2.2分子)を含有するであろう。統計法を用いて、異なる反応領域の数および陽性の数に基づいて、試料中の分子の予期される総数を計算することも可能である。これは、異なる反応領域に適用された、部分中の核酸の計算量または濃度を生じるであろう。試料採取および確率に基づくいくつかの統計法を用いて、この濃度に到達することも可能である。こうした分析の例は、arxiv.org、引用arXiv:0809.1460v2[q−bio.GN]に見られる、2008年9月8日に最初にアップロードされた、Dubeら, arXiv:0809.1460v2 「デジタルPCRを用いた、ナノ流体デバイス上でのコピー数偏差の最大解像度の計算(2008)」に提供される。該刊行物は、デジタルPCRアレイ中で用いられる反応領域の数および陽性結果の数に基づいて、分子濃度および統計信頼区間を概算するために使用可能な一連等式を提供する。このタイプの計算の別の例は、米国特許出願US 2009/0239308 A1に見出されうる。

0039

通常、ポアソン分布は、単一のDNAアンプリコンのみが、ランダムに離散化された体積の反応装置中に存在して、反応体積あたり、関心対称のDNAアンプリコンが1つのみであることを支持する場合のデジタル体制予測するために用いられる。この方式で、各反応装置体積から放出されるPCR増幅シグナル(例えば蛍光)は、1つのアンプリコンのみの産物であり、そしてすべての他の別個の反応体積からは分離されている。次いで、どれだけ多くのデジタル反応装置が、挿入色素または特定のDNAポリメラーゼプローブ配列に対応する増幅された蛍光シグナルを放出するかを計数することによって、定量化を達成する。デジタル体制において、各反応装置体積は、単一のDNA鎖より多くを含まないように限定されているため、その1つのDNA鎖ならびに対応するプライマーおよびプローブセットのみから増幅された蛍光シグナルの100%が生じると正しく仮定することが可能である。しかし、非常に低濃度の体制は、結果が不正確になるため、通常、好ましくない。

0040

dPCRに関するいくつかの方法論が存在する。例えば、クローン性に増幅されたDNAを伴う小ビーズを調製するエマルジョンPCRが用いられてきており、本質的には、各ビーズは、dPCRの1つのタイプのアンプリコンを含有する。PCR産物に対して「in situで」(すなわち同じウェル中で)実行可能な蛍光プローブに基づく技術は、この適用に特によく適している。米国特許第6,440,705号は、この増幅法のより詳細な説明を含有する。これらの増幅を、エマルジョンまたはゲル中、ビーズ上またはマルチウェルプレート中で実行することも可能である。

0041

dPCRにはまた、チャネルおよびポンプを用いて、分子をいくつかの反応領域に送達する、微少流体に基づく技術も含まれる。適切な微少流体デバイスが当該技術分野に知られる。

0042

dPCRは、本質的に慣用的PCRのように行われる。適切な培地中の核酸(参照または関心対象)を、プライマー、プローブおよび熱安定性ポリメラーゼ(例えばTaqポリメラーゼ)と接触させ、そして熱サイクリングを実行する(鎖の分離および酵素的複製のための、反応の反復加熱および冷却サイクル)。培地は通常、デオキシヌクレオチド緩衝溶液およびイオン(例えばMg2+)を含有する。PCRの選択性は、特定の熱サイクリング条件下で、増幅のためにターゲティングされる領域に相補的であるプライマーの使用から生じる。生じた増幅産物を、通常は標識、例えば蛍光標識されている、適切なプローブの使用によって検出する。mRNAに基づくPCRのため、RNA試料をまず、逆転写酵素で、相補DNA(cDNA)に逆転写する。

0043

典型的には、PCRプロセスは、25〜50回反復される一連の温度変化からなる。これらのサイクルは、通常、3つの段階からなる:第一の約95℃は、核酸二重鎖の分離を可能にし;第二の約50〜60℃の温度は、DNAテンプレートとプライマーの結合を可能にし;第三の68〜72℃の間の温度は、DNAポリメラーゼによる重合を促進する。断片サイズが小さいことにより、酵素が整列段階および変性段階の間の変化中に断片の数を増加させることが可能であるため、このタイプのPCRにおいては、最後の工程は、通常、省略される。さらに、非特異的色素を用いる際、プライマー二量体の存在によって引き起こされるシグナルを減少させるため、シグナル、例えば蛍光を、例えば80℃の温度で測定する。用いる温度およびタイミングは、非常に多様なパラメーター、例えば:DNAを合成するために用いる酵素、反応中の二価イオンおよびデオキシリボヌクレオチド(dNTP)の濃度、ならびにプライマーの結合温度に依存する。

0044

1つの態様において、ユニークなプローブ配列各々をコードする、多数の色、時間的および強度の組み合わせを用いることによって、より多数の蛍光プローブ配列(例えばTaqManプローブ配列)を同定するユニークな能力を可能にするdPCR法を提供する。さらに、より高価でない非TaqManプローブリアルタイムPCR増幅指標、例えばSYBRまたはPicoGreenを用いて、時間的キューのみ、強度キューのみ、または強度および時間的キューの組み合わせに基づく多重dPCRを達成し、こうして有意なコスト減少を伴って、より高い度合いでプライマー対を区別することも可能である。これらはまた、望ましい場合、より高い正確さに向けて、対照を増進し、そして結果を標準化するために用いることも可能である。典型的な五重qPCRからの典型的な多重化限界は、蛍光レポーターを用いて、限定されるスペクトルバンドを伴う百重dPCRまで増加させることが可能である。

0045

dPCR前に、dPCRと同時に、またはdPCR後に、各反応領域中の反応体積を定量化する。体積の定量化は当該技術分野に周知である。
体積は、物体(すなわち固体、液体、気体、またはプラズマ)が占める三次元空間に関する。体積は、寸法、例えば物体が占める空間の長さ、幅、および高さに基づいて計算可能である。これらは、通常、SI単位で表され、例えば立方センチメートル(cm3)、立方メートル(m3)、リットル(L)、ミリリットル(mL)等である。

0046

したがって、寸法が知られている場合、体積を決定可能である。dPCRを、アレイ、例えば筒状のウェルを持つマルチウェルプレート上で行う場合、ウェル中の液体の体積は、体積=π * r2 *充填する高さとして計算することも可能である。半径はアレイの供給者によって提供されるか、または測定されることも可能である。他の形状(例えば錐体または立方体)のアレイに関する式もまた知られる。

0047

しかし、dPCRアレイの反応領域中の液体体積は、主に、高さで変化するため、反応領域中の液体の高さを決定すれば十分である可能性もある。例えば分光計を伴う多様な光学法が使用可能である。

0048

1つの例示的な態様において、周知の高さ、対照色素(例えば平面(field plane)における領域あたりのフルオロフォアの数に比例するシグナルを生じる)、および光路における受動的対照色素の高さに比例したシグナルを生じる検出系を用いた、較正測定が伴う。アレイの反応領域中の液体の高さは、同じ条件下で測定された較正キュベットのものと、シグナルを比較することによって、計算される。該方法を図1に例示する。

0049

あるいは、密度が知られている場合、質量に基づいて、体積を決定することも可能である。質量を密度で割ることによって、体積が決定可能である。別の態様において、充填対照マーカーを用いる。充填対照マーカーに関する詳細は、上に提供されている。

0050

次の工程として、1つの体積中のまたは体積あたりの、工程b)において決定するような核酸の数として、関心対象の核酸の量または濃度を計算し、ここで体積は工程c)において決定されるような反応体積の総計である。上に詳述するように、最先端技術の方法において、問題の核酸の量または濃度は、各反応領域中の意図されるまたは予期される体積に基づいて計算される。そのために用いられる充填対照マーカーは、無効な反応領域を排除するために、そして偽陽性または偽陰性結果を修正するために用いられてきている。本発明の方法において、充填対照マーカーは、各反応領域中の真の体積を決定するために、そしてしたがってdPCRによって分析される全体のそして真の体積を決定するために用いられる。正しい体積を知ることは、問題の核酸の正しい量またはその濃度を決定するために重要であることが明らかである。総体積は、反応領域中の体積の総計である。核酸数の量は、dPCRによって得られる。核酸濃度は、通常、核酸数/体積、例えばμlとして、提供される。

0051

したがって、コピー数Ncを、試料採取した液体体積で割ることによって、濃度を計算することも可能である。コピー数Ncは、ポアソン補正を適用した後、陽性反応領域の計数から得られる。試料採取した液体体積Vは、実験において評価した反応領域すべての体積の総計に等しい。

0052

さらにそして反応領域体積の分布に基づく濃度計算の全体の補正に加えて、有効な陽性および有効な陰性を同定し、そして無効な反応領域を排除するために、充填対照マーカーを各反応領域の規準化に用いてもよい。

0053

したがって、関心対象の核酸の濃度は、
反応体積分布が狭く、そして分配あたりのコピー数が<<1である場合、

0054

0055

によって、またはより一般的に

0056

0057

によって与えられ、
式中、Pはポアソン補正因子である。これは、有効陽性および有効陰性の比に依存し、そして1より多いコピー数の核酸を含有する反応領域の可能性を考慮する。反応領域あたりの低コピー数比(有効陽性<<有効陰性)で、P=1であり、そして
Cは体積分布補正因子である。これは、反応領域あたりのコピー数比、および平均反応領域体積に比較した反応領域体積の変動に依存する。反応領域あたりの低コピー数比および相対反応領域体積偏差<10%で、C=1である。

0058

さらに、別の補正因子を追加しなければならない。dPCRにおいて使用する前に試料をプロセシングする、例えば希釈する場合、分析する試料中の関心対象の核酸の量または濃度を得るためには、プロセシングおよび希釈工程を計算に含めなければならない。

0059

本発明の方法の好ましい態様において、特に、充填対照マーカーのシグナルが、反応領域中の反応体積に比例する場合、各反応領域中に存在する充填対照マーカーを定量化することによって、反応体積を定量化する。充填対照マーカーおよびその定量化に関する詳細を本明細書に提供する。しかし、充填対照マーカーを用いる場合、そのシグナルは、反応領域中の反応体積に比例し、有効反応領域体積は、以下のように計算可能である:
有効反応領域体積[i]=(参照反応領域体積)*(対照色素の強度)*定数

0060

より好ましくは、各反応領域に関する補正因子は、測定した充填対照マーカーのシグナルおよび予期される充填対照マーカーのシグナルに基づき計算する、そしてここで、反応体積偏差を考慮する補正因子を、それぞれの反応領域に適用する。本発明は、全体の体積の測定値として、充填対照マーカーのシグナルを用いる。しかし、これはまた、dPCRの結果を規準化するためにも使用可能である。US 2013/0302792 A1に詳述されるように、陽性および陰性を正しく同定するために、色素シグナルを用いて、dPCRにおいて得られるシグナルを補正することも可能である。また、空反応領域は空と認識され(または油が充填されていてもよく)、そしてしたがって、試料の総体積には付加されないが、付加されれば、ターゲットDNAの最終的に見出される濃度における誤りを導くであろう。したがって、有効試料の体積は、個々の内容体積を持つ各個々のウェルの総計である。補正は、さらに、dPCRでの定量化の正確さおよび的確さを増加させ、ここですべての反応領域が有効陽性、有効陰性または無効反応領域と分類される:
−有効陽性反応領域は、適切に反応混合物で充填され、そして増幅後、陽性PCRシグナルを生成する。

0061

−有効陰性反応領域は、適切に反応混合物で充填され、そして増幅後、PCRシグナルを生成しない。
−無効反応領域は、反応混合物で充填されず(または不十分にしか充填されず)またはアーチファクトに寄与する他の特性のため、排除される。

0062

総有効体積の正確な測定を有することによって、関心対象の核酸の非常に絶対的な定量化を実行することを可能にするdPCR法が提供される。
さらに、方法はまた、不均一な反応領域体積によって引き起こされる定量化誤差を排除することもまた可能にする。これは以下のように実行可能である:
a)反応領域体積の分布を、較正実験において決定する。それによって、それぞれの反応領域体積に比例する、各反応領域からの充填対照マーカーのシグナルを評価する。

0063

b)反応領域体積のこの分布によって引き起こされる定量化誤差を考慮する、補正因子を評価する。
c)補正因子C(反応領域あたりのコピー数比、および反応領域体積の相対変動に依存する。上記を参照されたい)を、この実験セットアップで決定される各濃度に適用する。

0064

この解決法は、反応領域体積の分布が実験間で一定のままであるという仮定に頼る。アレイの産生プロセスおよび充填プロセスが非常に安定である場合、これが当てはまる
これが当てはまらない場合、より高度な計算を適用してもよい:
a)反応領域体積の分布を各実験で決定する。

0065

b)分布をモデル曲線適合させる。
c)モデル曲線を用いて、この特定の実験で測定された濃度に関する補正因子を評価する。

0066

dPCRアレイの反応領域中の液体体積は、主に高さが変化しうるため(メニスカス効果およびウェル深度変動のため)液体反応領域の高さを決定することが十分である可能性もある。

0067

解決法は、以下を用いた較正測定からなる
−周知の高さを持つ較正キュベット
−充填対照マーカー(平面における領域あたりのフルオロフォアの数に比例するシグナルを生じる)
−充填対照マーカーの高さに比例するシグナルを生じる検出系。

0068

試料アレイ(a)の液体反応領域の高さは、同じ条件下で測定した較正キュベットのものと、シグナルを比較することによって計算する。
したがって、本発明の方法の別の好ましい態様において、各反応領域中の反応体積を、反応領域中、特にウェル中の反応体積の高さに基づいて、好ましくは充填対照マーカーを用いることによって、定量化する。これに関連するさらなる詳細は、上に提供されている。

0069

本発明の方法の別の好ましい態様において、反応領域中の充填対照マーカーの量が下限閾値より低い場合、または場合によって上限閾値よりも高い場合、反応領域は無効と同定される。

0070

上に詳述するように、無効な反応領域を同定することが重要である。dPCRより前の充填または分布プロセスが、空のまたは不十分に充填された反応領域(図2のウェルe)およびf)を参照されたい)を含むアレイの反応領域を生じうるため、反応領域は無効になりうる。もしこれらが核酸を含まない充填ウェル(陰性)と誤って解釈された場合、試料体積Vは過大評価され、そして濃度は過小評価される。例えば、充填対照マーカーのシグナルが、閾値下限未満であり、そして計算から排除される場合、充填対照マーカーを用いて、これらの反応領域を同定することも可能である。あるいはまたはさらに、特定の反応領域からの充填対照マーカーのシグナルレベルが、あらかじめ定義した閾値値より高い場合、この反応領域を、ターゲット濃度計算から排除してもよい。通常、反応領域は、最大の高さを超えて充填することが不可能である。より大きいシグナルレベルは、蛍光化ダスト粒子および他の混入物質から生じうる、アーチファクトを示す。

0071

明らかに、充填対照マーカーを、異なる時点で、また、アッセイ設計、用いる充填対照マーカーおよびその特性に応じて、反応領域に添加することも可能である。一般的に、充填対照マーカーを、dPCRを実行する前または後に、反応領域に添加してもよい。

0072

例えば、充填対照マーカーは、dPCRを実行するために必要な試薬を添加する前に、反応領域中に存在してもよい。1つの例において、アレイが産生されるかまたは製造される際に、アッセイマーカーをアレイに分布させてもよい。例えば、マーカーの高さを、例えばマルチウェルプレートにおいて、検出する場合、このオプションを選択してもよい。

0073

あるいは、マーカーを、dPCR試薬とともに、反応領域に分布させてもよい。これは、充填対照マーカーの量または濃度を測定する際に特に適している。本発明の方法において、充填対照マーカーは、好ましくは、反応領域に分布される前に、PCR反応混合物に添加される。

0074

本発明の方法の別の好ましい態様において、充填対照マーカーは、蛍光マーカーまたは吸光度マーカーである。
広範囲の蛍光マーカーが、本発明にしたがった充填対照マーカーとして使用可能である。各蛍光マーカーは、特徴的なピーク励起および放出波長を有し、そして放出スペクトルは、しばしば、重複する。その結果、dPCRに用いる蛍光マーカーおよび充填対照の組み合わせは、蛍光色素を励起するために用いるランプ(単数または複数)またはレーザー(単数または複数)の波長、利用可能な検出装置およびマーカーの特性に応じる。

0075

6010系を用いて検出可能な例示的な蛍光色素には、フルオレセイン誘導体、例えばカルボキシフルオレセイン(FAM)、およびPULSAR650色素(Ru(bpy)3の誘導体)が含まれる。FAMは、比較的小さいストークスシフトを有し、一方、PULSAR 650色素は、非常に大きいストークス・シフトを有する。FAMおよびPULSAR 650色素はどちらも、およそ460〜480nmの光で励起させることが可能である。FAMは、約520nmで最大の光を放出し(そして650nmでは実質的に放出せず)、一方、PULSAR 650色素は、約650nmで最大の光を放出する(そして520nmでは実質的に放出しない)。カルボキシフルオレセインは、プローブ中で、例えばBLACKHOLE消光剤TM1色素と対形成可能であり、そしてPULSAR 650色素は、プローブ中で、例えばBLACK HOLE消光剤TM2色素と対形成可能である。

0076

より好ましくは、充填対照マーカーの蛍光および/または吸光特性は、1またはそれより多いdPCRプローブ(単数または複数)のものとは異なるはずである。これは、充填対照マーカーおよび蛍光dPCRプローブ(単数または複数)を都合よく区別することを可能にするため、好都合である。しかし、充填対照マーカーが、dPCR中で用いるターゲットプローブ蛍光マーカーと同一の励起波長または放出波長を有する場合、検出をさらに単純化することも可能である。この方式で、充填対照は、検出系の色多重化能を減少させない。例として、系は、4つの励起および4つの放出チャネルを有しうる。ストークス・シフトが大きい色素は、励起波長1によって励起され、そして放出は、放出チャネル4から収集され、これはまたdPCRにも用いられる。

0077

別のより好ましい態様において、充填対照マーカーは、少なくとも100nm、好ましくは少なくとも150nmのストークス・シフトを有する。ストークス・シフトは、同じ電子遷移吸光および放出スペクトルのバンド最大値の位置の間の相違(波長の)である。分子が光子を吸収した際、エネルギーを得て、そして励起状態に入る。その結果、光子を放出し、したがってエネルギーを失う。放出された光子が、吸収された光子よりも少ないエネルギーを有する場合、このエネルギー相違がストークス・シフトである。より大きいストークス・シフトは、吸光および放出の間のスペクトル重複を排除し、そして蛍光の検出を可能にしながら干渉を減少させる。主な利点は、ストークス・シフトが大きい色素を、類似の励起または放出スペクトルのいずれかを有する他の色素とともに使用可能であることである。しかし、両方のスペクトルの1つは、ストークス・シフトが小さい色素および大きい色素の間で重複しないため、スペクトルクロストークは小さい。

0078

好ましい充填対照マーカーには、ATTO 430LSおよびATTO 490LS(ATTO−TEC GmbH、ドイツ・ジーゲンより入手可能)、特にATTO 490LSが含まれる。どちらも、水に優れた溶解性を示し、そして100nmより大きいストークス・シフトを示し、これは、高いストークス・シフトが、検出中のシグナルの重複を最小限にするため、多数の蛍光マーカーを用いた方法において、特に有用である。ATTO 490LSは、FAMの励起波長およびCy5の放出波長を有する。FAMおよびCy5を組み合わせた際、ATTO 490LSを測定するためのさらなるフィルターは必要とされない。

0079

第一および第二の側面にしたがった、本発明の方法の別の好ましい態様において、関心対象の核酸は、DNA、cDNA、RNAおよびその混合物からなる群より選択される核酸であるか、または任意の他のタイプの核酸である。

0080

上に詳述するように、関心対象の核酸は、dPCRに適した任意の核酸であってもよい。核酸は、適切な長さを有するべきである。核酸は、非核酸構成要素を含有してもよい。核酸は、天然存在であっても、化学的に合成されても、またはバイオテクノロジー的に操作されていてもよい。好ましくは、核酸は、DNA、cDNA、RNAおよびその混合物からなる群より選択される。

0081

本発明の方法は、診断または療法監視などの医学分野において特に関心が持たれ、そしてこれを、特定の微生物、細胞、ウイルス、細菌、真菌、哺乳動物種、遺伝子状態または疾患の指標となる、関心対象の核酸を検出し、そして/または定量化するために使用してもよい。これにしたがって、病原体の検出において、方法を用いてもよい。病原体は、疾患を引き起こす潜在能力を有する。典型的な病原体を用いて、ウイルス、細菌、プリオン、真菌、またはさらに別の微生物などの感染性病原体を記載する。もちろん、本発明の方法を用いて、非病原性微生物を検出することもまた可能である。

0082

例示的な病原体には、限定なしに、以下が含まれる:
−細菌:連鎖球菌属(Streptococcus)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バークホルデリア属(Burkholderia)、ミコバクテリウム属(Mycobacterium)、クラミドフィラ属(Chlamydophila)、エシェリキア属(Ehrlichia)、リケッチア属(Rickettsia)、サルモネラ属(Salmonella)、ナイセリア属(Neisseria)、ブルセラ属(Brucella)、ミコバクテリウム属(Mycobacterium)、ノカルディア属(Nocardia)、リステリア属(Listeria)、フランシセラ属(Francisella)、レジオネラ属(Legionella)、およびエルシニア属(Yersinia)
−ウイルス:アデノウイルス単純ヘルペス水痘帯状疱疹ウイルスサイトメガロウイルスパピローマウイルスB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスE型肝炎ウイルス、ポリオウイルス黄熱病ウイルスデング熱ウイルス西ナイルウイルス、TBEウイルス、HIVインフルエンザウイルスラッサウイルスロタウイルスおよびエボラウイルス
−真菌:カンジダ属(Candida)、アスペルギルス属(Aspergillus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、ニューシスチス属(Pneumocystis)およびスタキボトリス属(Stachybotrys)
−寄生虫:原生動物寄生虫蠕虫動物寄生虫および節足動物寄生虫。

0083

第二の側面にしたがった本発明の方法のさらに別の好ましい態様において、試料は、細胞培養または混入が推測される供給源、特に体液、血液、血漿、血清、尿、胆汁、脳脊髄液、スワブ、臨床標本、臓器試料または組織試料または被験体、特にヒト、動物または植物、特にヒトから得られている。

0084

上に詳述するように、「試料」は、定量化しようとする関心対象の核酸を含有すると推測される物質の量を意味する。本明細書において、該用語には、標本(例えば生検または医学的標本)または培養物(例えば微生物学的培養物)が含まれる。試料は、ヒトを含めて、植物または動物由来であってもよく、液体、固体(例えば糞便)または組織であってもよい。試料には、患者から採取された物質が含まれてもよく、限定されるわけではないが、培養物、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、ミルク、リンパ液、痰、精液、針吸引物等が含まれる。試料は、限定されるわけではないが有蹄動物、クマ、魚類、齧歯類等の動物を含む、家畜動物、ならびに野生動物の多様な科のすべてから得られてもよい。ヒト試料または「組織試料」または「患者試料」または「患者細胞または組織試料」または「標本」に関して、各々は、被験体または患者の組織から得られる、類似の細胞あるいは生物学的または生化学的化合物コレクションを意味する。組織試料の供給源は、新鮮、凍結および/または保存臓器または組織試料または生検または吸引物由来などの固形組織;血液または任意の血液構成要素;体液、例えば脳脊髄液、羊水、腹水、または間質液;あるいは被験体の妊娠または発生における任意の時点に由来する細胞であってもよい。組織試料は、天然の組織と天然には混合されていない化合物、例えば保存剤、抗凝血剤、緩衝剤、固定液、栄養素、抗生物質等を含有してもよい。

0085

dPCRにおいて、反応領域は、チップ上、キャピラリー中核酸結合表面上またはビーズ上、特にマイクロアレイ中またはチップ上の、マイクロアレイまたはナノアレイの小型化されたチャンバー、微少流体デバイスのチャンバー、マイクロウェルまたはナノウェルであってもよい。

0086

本発明で使用可能な、利用可能なdPCR系は多数ある。商業化されているデジタルPCRプラットホームには、Fluidigmのマイクロウェルチップに基づくBioMark(登録商標) dPCR、Life Technologiesのスルーホールに基づくQuantStudio12k flex dPCRおよび3D dPCR、ならびにBio−Rad(登録商標)の小滴に基づくddPCR(ddPCR) QX100およびQX200、ならびにRainDance(登録商標)のRainDropが含まれる。微少流体チップに基づくdPCRは、パネルあたり最大数百の反応領域を有しうる。小滴に基づくdPCRは、通常、およそ20,000の分配された小滴を有し、そして反応あたり、最大10,000,000を有しうる。QuantStudio 12k dPCRは、サブアレイあたり64の反応領域を含有し、そして総数48のサブアレイを含有し、アレイあたり総数3072反応領域に等しい、OpenArray(登録商標)プレート上で、デジタルPCR分析を行う。

0087

小滴dPCR(ddPCR)は、水−油エマルジョン小滴技術に基づく。試料を多数の小滴(例えば約20,000)に分画し、そしてテンプレート分子のPCR増幅が、各個々の小滴において起こる。ddPCR技術は、小滴形成化学を含む最も標準的なTaqManプローブに基づくアッセイに関して用いるものと類似の試薬およびワークフローを用いる。また、挿入試薬、例えばEvagreenを用いてもよい。大規模な試料反応分配は、ddPCR技術の重要な側面である。非球状分配(例えばナノウェル)は、実際に、同じ数の球体分配よりも、試料体積あたり、より広い領域を有する。

0088

典型的には、より多い数の反応領域を用いることによって、dPCRによる決定の正確さおよびより重要には的確さが改善されうる。およそ100〜200、200〜300、300〜400、700またはそれより多い反応領域を用いることが可能であり、これらは、PCRによって問題の量または濃度を決定するために用いられる。第一および第二の側面にしたがって、本発明の方法の好ましい態様において、少なくとも100の反応領域、特に少なくとも1,000の反応領域、特に少なくとも5,000の反応領域で、同一にdPCRを行う。第一および第二の側面にしたがって、本発明の方法の好ましい態様において、少なくとも10,000の反応領域、特に少なくとも50,000の反応領域、特に少なくとも100,000の反応領域で、同一にdPCRを行う。

0089

好ましくは、dPCRは、関心対象の1またはそれより多い核酸を検出するため、特に消光剤と組み合わせた、または分子ビーコンとして、または加水分解プローブとして、1またはそれより多い蛍光dPCRプローブの使用を伴う。

0090

PCR適用(例えばリアルタイムPCR)において、蛍光はしばしば、増幅産物を検出するために用いられる。通常、各試料を少なくとも1つの明記する波長の光ビームで照射し、そして励起されたフルオロフォアによって放出される蛍光を検出する能力を伴う、サーマルサイクラー中でこれを実行する。サーマルサイクラーはまた、試料を迅速に加熱し、そして冷却することが可能であり、それによって、核酸およびDNAポリメラーゼの物理化学特性を利用する。

0091

dPCRは、関心対象の核酸および/または参照核酸を検出するため、特に消光剤と組み合わせた、または分子ビーコンとして、または加水分解プローブとして、1またはそれより多い蛍光プローブの使用を伴うことも可能である。

0092

しばしば、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)がqPCR中で検出される。FRETは、2つの分子間、本発明の場合、2つのプローブ間相互作用を測定するための技術である。この技術において、2つの異なる蛍光分子(フルオロフォアまたは標識)を、核酸の検出に適したプローブ対遺伝子融合させる。FRETの原理は、2つの標識の組み合わされた特性に基づく。標識が特定の波長(吸収周波数)の光で励起される場合、これは、異なる波長(放出周波数)でエネルギーを再放出する。FRETにおいて、第一の標識が励起され、これが次に、放出周波数を有する光を放出する。第一の標識(ドナー)の放出ピークが第二の標識(アクセプター)の励起ピークと重複している場合、第一の標識がエネルギーを第二の標識に移動させ、そして第二の標識が、それ自体の放出周波数の光を放出するため、2つの標識が近接していることを決定可能である。正味の結果は、通常放出するであろうエネルギーよりも少ないエネルギーをドナーが放出する(光として放射するエネルギーのある程度が、その代わり、アクセプターに移動するため)一方、アクセプターはその励起周波数で、より多くの光エネルギーを放出する(ドナーフルオロフォアから余分なエネルギーインプットを得ているため)。消光剤と蛍光色素の組み合わせもまた使用可能である。消光剤が、蛍光色素に近接していれば、蛍光放出が排除される。蛍光部分が消光剤から分離されれば、第一の蛍光部分の放出は、適切な波長の光での励起後に、検出可能である。分子ビーコンは、内在性消光されたフルオロフォアを持つヘアピン状のプローブであり、その蛍光は、これらがターゲット核酸配列に結合した際に回復する。検出しようとする核酸が、ループ中の鎖に相補性である場合、核酸およびループの間で形成される二重鎖は、ステムのものよりより安定であり、これは前者の二重鎖がより多くの塩基対を含むためである。これは、フルオロフォアおよび消光剤の分離を引き起こす。フルオロフォアがひとたび消光剤から離れると、光でハイブリッドを照射した際、蛍光放出が生じる。放出の存在は、ハイブリダイゼーション事象が起こったことを報告し、そしてしたがって、ターゲット核酸配列は、試験試料中に存在する。加水分解プローブは、オリゴヌクレオチドプローブの5’端に共有結合したフルオロフォアおよび3’の消光剤からなる。フルオロフォアおよび消光剤が近接している限り、消光は、いかなる蛍光シグナルも阻害する。プローブは、プライマーの特異的セットによって増幅されるDNA領域内にアニーリングするように設計されている。ポリメラーゼがプライマーを伸長させ、そして新生鎖を合成するに連れて、ポリメラーゼの5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性は、テンプレートにアニーリングしているプローブを分解する。プローブの分解は、そこからフルオロフォアを放出し、そして消光剤と近接しないようにし、したがって、消光効果から解き放ち、そしてフルオロフォアからの蛍光発光を可能にする。したがって、検出される蛍光は、問題の核酸の存在の指標である。

0093

FRET技術における多様なアクセプター蛍光部分とともに使用可能な代表的なドナー蛍光部分には、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B−フィコエリトリン、9−アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアネートエフニル)−4−メチルクーマリンスクシニミジル1−ピレンブチレート、および4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が含まれる。代表的なアクセプター蛍光部分には、用いたドナー蛍光部分に応じて、LC−レッド610、LC−レッド640、LC−レッド670、LC−レッド705、Cy5、Cy5.5、リザミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、五酢酸ジエチレントリアミンまたはランタニドイオン(例えばユーロピウムまたはテルビウム)の他のキレートが含まれる。ドナーおよびアクセプター蛍光部分は、例えばMolecular Probes(オレゴン州ジャンクションティ)またはSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から得られうる。

0094

好ましくは、蛍光プローブは、フルオレセイン、ローダミンおよび/またはシアニンを含む。例えば、ドナー蛍光部分は、フルオレセインであってもよく、そして/またはアクセプター蛍光部分は、LC−レッド610、LC−レッド640、LC−レッド670、LC−レッド705、Cy5、およびCy5.5からなる群より選択されてもよく、好ましくはLC−レッド610またはLC−レッド640である。より好ましくは、ドナー蛍光部分はフルオレセインであり、そしてアクセプター蛍光部分はLC−レッド640またはLC−レッド610である。

0095

いくつかの好ましいフルオロフォア(例えば6−カルボキシフルオレセイン、頭字語:FAM、またはテトラクロロフルオレセイン、頭字語:TET)および消光剤(例えばテトラメチルローダミン、頭字語:TAMRA)が入手可能である。

0096

本発明の第一の側面の方法の背景において行う定義および実施例はまた、第二の側面のものにも当てはまり、そして逆も当てはまる。
別に定義しない限り、本明細書に用いるすべての技術的および科学的用語、ならびに任意の頭字語は、本発明の技術分野の一般的な当業者によって、一般的に理解されるものと同じ意味を有する。分子生物学の一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press刊行, 1994(ISBN 0−19−854287−9); Kendrewら(監修), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.刊行, 1994(ISBN 0−632−02182−9);およびRobert A. Meyers(監修), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers, Inc.刊行, 1995(ISBN 1−56081−569−8)に見出されうる。

0097

本発明は、本明細書に記載する特定の方法論、プロトコル、および試薬には限定されず、これはこれらが多様でありうるためである。本明細書に記載するものと類似のまたは同等の任意の方法および材料が、本発明の実施において使用可能であるが、好ましい方法および材料を本明細書に記載する。さらに、本明細書で用いる用語は、特定の態様のみを記載する目的のためであり、そして本発明の範囲を限定することを意図されない。

0098

本明細書において、そして付随する請求項において、単数形「a」、「an」、および「the」には、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数の指示対象が含まれる。同様に、単語「comprise」、「contain」および「encompass」は、排他的であるよりも包括的であるように解釈されるものとする。同様に、単語「or」は、文脈が明らかに別に指示しない限り、「and」を含むと意図される。用語「複数」は、2またはそれより多くを指す。

0099

実施例および図は、本発明の多様な態様を例示するよう意図される。こうしたものとして、論じる特定の修飾は、本発明の範囲に対する限定とは見なされないものとする。本発明の範囲から逸脱することなく、多様な同等物、変化、および修飾を実行可能であることが当業者には明らかであり、そしてしたがって、こうした同等の態様は、本明細書に含まれるものとすることが理解されるものとする。

0100

図面
図1は、(a)光源(1)が、対照マーカー(2)で充填されたdPCRアレイを照射する、dPCRアッセイにおける充填反応領域の高さを評価するための例示的なセットアップを例示する。個々の反応領域から生じる対照マーカーの蛍光シグナルが検出装置(3)に到達し、これは本質的に、各反応領域中の液体の高さに比例する。(b)較正のため、同じ対照マーカー溶液で充填された周知の高さ(4)を持つ較正キュベットを用いて、高さを決定する。実験(a)におけるものと同じ条件下でシグナルを記録する。

0101

図2は、有効および無効反応領域の模式的提示を示す。無効な反応領域を核酸の量または濃度の計算から外す。
a)有効陽性反応領域
b)有効陽性反応領域(閾値より高い充填レベル)
c)有効陰性反応領域
d)有効陰性反応領域(閾値より高い充填レベル)
e)無効反応領域(反応混合物が存在しない)
f)無効反応領域(閾値より低い充填レベル)

0102

実施例1:本発明にしたがったdPCR測定を実行するための典型的な工程
核酸を含有する精製試料のよく定義された体積を、任意のqPCR実験において用いられるようなマスターミックス構成要素のよく定義された体積と混合する。

0103

マイクロアレイに基づくdPCRの場合、標準的なqPCRマスターミックスと比較して、組成物の何らかのマイナーな修飾が必要となる可能性もある。これらには、マイクロアレイの湿潤特性を調整するための、他の界面活性剤または異なる濃度の界面活性剤が含まれてもよい。例えば、核酸、ポリメラーゼ、または他の構成要素の、チップ表面への吸着を回避するため、他の界面活性物質を添加する必要がある可能性もある。いくつかの場合、マスターミックスバックボーンでの試料の希釈が必要である可能性もある。バックボーンは、マスターミックスと同じ緩衝剤構成要素を含有するが、ポリメラーゼ、ヌクレオチドおよびプライマー/プローブを含まない。次いで、試料およびマスターミックスを含有する反応混合物を、手動でdPCRマイクロアレイプレート入口ポート内にピペッティングする。

0104

PCRプレートは、標準マイクロウェルプレート形式SBS形式)内に、1〜8の反応混合物(試料)を保持してもよい。dPCRプレート内の1〜8試料の位置の各々は、例えばプレートの位置A1での入口ポート、位置A1〜A12の間の微小構造部分、および位置A12の出口ポートからなることも可能である。次のプロセス工程として、分配液を入口各々に添加する。これは、単一または8チャネルピペットを用いて、手動で、または自動化分配ステーションを用いることによって、行ってもよい。分離または分配液は、反応混合物に関して、混和不能でそして非反応性である、疎水性液体、例えば長鎖フッ素化炭化水素またはシリコン油である。反応混合物を含有する個々の反応領域の分離(または分配)は、受動的に、または入口ポートに過度の圧を適用することによって、または出口ポートに過少の圧を適用することによって、行うことも可能である。受動分離は、低粘度の分離液を用いる場合、またはプロセスを上昇した温度で行う場合、働く可能性がある。より高い粘度では、約1分以内に分離プロセスを完了するためには、典型的には100〜1000mbarの過度の圧を適用しなければならない。分離プロセスを自動化デバイスで行う場合、そして分離速度試料間で多様でありうる場合、監視センサーは、分離が完了した際、すなわち分離液が出口ポートに到達した際、プロセスが停止することを確実にしなければならない。その後、dPCRプレートをサーマルサイクラー装置に移す。移動は、プレートごとに行ってもよいし、またはプレートのスタックを一度に移動させることによってもよい。移動プロセスは、完全に自動化されていてもよいし、またはプレートのスタックの移動は手動であり、一方、熱サイクリングおよび読み取りを含む残りのdPCRプロセスが完全に自動化されてもよい。熱サイクリングプロセスは、任意の終点熱サイクリングプロセスと類似であり、典型的には30〜60熱サイクルであり、各サイクルは、92〜96℃で10〜30sの変性工程、および55〜60℃で40〜60sのアニーリング/伸長工程からなる。92〜96℃で30〜300sのプレPCRサイクル、および30〜40℃へのクールダウンサイクルまたは下降(rampdown)もまた必要でありうる。マイクロアレイ内の泡(空気または水蒸気の)の生成および拡大を抑制するため、上昇した温度で熱サイクリングを実行することが必要である可能性もある。この場合、dPCRプレートの最初の加熱前に、圧を構築する必要があり、そしてdPCRプレートを冷却した後に、圧を緩める必要がある。dPCR結果のハイスループットが必要な場合、本質的に平行に作動する、いくつかのサーマルサイクラー装置を有する必要がある可能性もある。

実施例

0105

熱サイクリングプロセスの完了後、dPCRプレートを続いて読み取り装置に移し、そして読み取り後、自動化dPCR分析装置内出力スタック位置に移す。蛍光読み取り装置は、隣接する反応領域からの蛍光シグナルを区別するために十分な解像度を必要とする可能性もあり、そして試料に属する微小構造領域が大きい(典型的には6mmx90mm)ため、試料あたりいくつかの蛍光画像が必要である可能性もある。この目的のため、蛍光画像化装置またはdPCRプレートを異なる画像位置に移動させなければならない。全体の読み取り時間を短く維持するため、好ましい読み取り態様は、大きな視野を持ち、理想的には同じ位置で2つの試料レーンの画像化を可能にする。各画像化位置において、オートフォーカス調整が必要である可能性もある。これは、蛍光モードで、明視野または暗視野モードで行うことも可能である。また、カメラ平面および反応領域を含有する画像平面の間の傾きを修正する必要がある可能性もある。さらに、充填対照マーカーを含む、異なる蛍光マーカーの獲得のため、励起および放出フィルター位置の多様な組み合わせが必要である可能性もある。

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