図面 (/)

技術 熱処理装置

出願人 株式会社SCREENホールディングス
発明者 伊藤禎朗
出願日 2016年9月14日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-179189
公開日 2018年3月22日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-046130
状態 特許登録済
技術分野 アニール
主要キーワード 温度算定 予備加熱段階 コイル定数 完全放射体 反射リング 内側空 フィラメント方式 プランクの法則
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

赤外光を吸収する処理ガス雰囲気中であっても正確に基板の温度を測定することができる熱処理装置を提供する。

解決手段

半導体ウェハー熱処理を行うチャンバー内には、放射温度計120の測定波長域と重なる波長域の赤外光を吸収するアンモニアの雰囲気を形成する。放射温度計120の光学レンズ系21と検出器23との間に、アンモニアの吸収波長域と重ならない波長の赤外光を選択的に透過するフィルター22を設置することにより、アンモニアの赤外光吸収の影響を排除する。また、放射温度計120に入射する赤外光のエネルギー黒体の温度との相関関係を示す複数の変換テーブル26から設置したフィルター22に対応した変換テーブル26を選択して放射温度計120に使用させる。これにより、アンモニア雰囲気であるにも関わらず半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。

概要

背景

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。

このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

フラッシュランプアニールに限らず熱処理では半導体ウェハーの温度を適切に管理することが重要である。一般には、半導体ウェハーの熱処理では非接触の放射温度計によって温度測定が行われ、例えば特許文献1には、フラッシュ光照射前のハロゲンランプによる予備加熱時に放射温度計によって半導体ウェハーの温度を測定することが開示されている。

概要

赤外光を吸収する処理ガス雰囲気中であっても正確に基板の温度を測定することができる熱処理装置を提供する。半導体ウェハーの熱処理を行うチャンバー内には、放射温度計120の測定波長域と重なる波長域の赤外光を吸収するアンモニアの雰囲気を形成する。放射温度計120の光学レンズ系21と検出器23との間に、アンモニアの吸収波長域と重ならない波長の赤外光を選択的に透過するフィルター22を設置することにより、アンモニアの赤外光吸収の影響を排除する。また、放射温度計120に入射する赤外光のエネルギー黒体の温度との相関関係を示す複数の変換テーブル26から設置したフィルター22に対応した変換テーブル26を選択して放射温度計120に使用させる。これにより、アンモニア雰囲気であるにも関わらず半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、赤外光を吸収する処理ガスの雰囲気中であっても正確に基板の温度を測定することができる熱処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板に光を照射する光照射部と、前記チャンバーに所定の処理ガスを供給して前記基板の周辺に当該処理ガスの雰囲気を形成するガス供給部と、前記基板から放射される赤外光受光して前記基板の温度を測定する放射温度計と、前記放射温度計に入射する赤外光のエネルギー黒体の温度との相関関係を示す複数の変換テーブルを保持する記憶部と、前記ガス供給部によって前記チャンバー内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて前記複数の変換テーブルから前記放射温度計が使用する変換テーブルを選択する制御部と、とを備えることを特徴とする熱処理装置。

請求項2

請求項1記載の熱処理装置において、透過する波長域が異なる複数のフィルターをさらに備え、前記制御部は、前記ガス供給部によって前記チャンバー内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて前記複数のフィルターから前記放射温度計が使用するフィルターを選択することを特徴とする熱処理装置。

技術分野

0001

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

0003

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。

0004

このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

0005

フラッシュランプアニールに限らず熱処理では半導体ウェハーの温度を適切に管理することが重要である。一般には、半導体ウェハーの熱処理では非接触の放射温度計によって温度測定が行われ、例えば特許文献1には、フラッシュ光照射前のハロゲンランプによる予備加熱時に放射温度計によって半導体ウェハーの温度を測定することが開示されている。

先行技術

0006

特開2010−225613号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、電界効果トランジスタFET)のゲート絶縁膜として、二酸化ケイ素(SiO2)よりも誘電率の高い材料(高誘電率材料)を用いた高誘電率膜(High-k膜)を形成した半導体ウェハーの熱処理にフラッシュランプアニールを適用することも検討されている。高誘電率膜は、ゲート絶縁膜の薄膜化の進展にともなってリーク電流が増大する問題を解決するために、ゲート電極に金属を用いたメタルゲート電極とともに新たなスタック構造として開発が進められているものである。このような高誘電率ゲート絶縁膜の熱処理をフラッシュランプアニールによって行う場合には、アンモニア雰囲気中にて高誘電率ゲート絶縁膜の窒化処理を行うことが試みられている。

0008

しかしながら、アンモニア雰囲気中にて半導体ウェハーの熱処理を行う場合、放射温度計による温度測定がアンモニアによって阻害されるという問題が生じる。アンモニアは放射温度計が測定に使用する赤外線を吸収するため、放射温度計が受光する赤外線の強度が小さくなり、その結果放射温度計が出力する測定値が実際のウェハー温度よりも低い値となるのである。典型的には、フラッシュランプアニールではフラッシュ光照射前にハロゲンランプによって半導体ウェハーの予備加熱を行うのであるが、放射温度計の測定結果に基づいてハロゲンランプの出力を閉ループ制御しているため、測定結果が実際のウェハー温度よりも低くなるとランプの出力が過大となって半導体ウェハーが目標温度よりも高温に加熱されることなる。

0009

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、赤外光を吸収する処理ガス雰囲気中であっても正確に基板の温度を測定することができる熱処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板に光を照射する光照射部と、前記チャンバーに所定の処理ガスを供給して前記基板の周辺に当該処理ガスの雰囲気を形成するガス供給部と、前記基板から放射される赤外光を受光して前記基板の温度を測定する放射温度計と、前記放射温度計に入射する赤外光のエネルギー黒体の温度との相関関係を示す複数の変換テーブルを保持する記憶部と、前記ガス供給部によって前記チャンバー内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて前記複数の変換テーブルから前記放射温度計が使用する変換テーブルを選択する制御部と、とを備えることを特徴とする。

0011

また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、透過する波長域が異なる複数のフィルターをさらに備え、前記制御部は、前記ガス供給部によって前記チャンバー内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて前記複数のフィルターから前記放射温度計が使用するフィルターを選択することを特徴とする。

発明の効果

0012

請求項1および請求項2の発明によれば、チャンバー内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて放射温度計に入射する赤外光のエネルギーと黒体の温度との相関関係を示す複数の変換テーブルから放射温度計が使用する変換テーブルを選択するため、赤外光を吸収する処理ガスの雰囲気中であっても正確に基板の温度を測定することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
保持部の全体外観を示す斜視図である。
サセプタの平面図である。
サセプタの断面図である。
移載機構の平面図である。
移載機構の側面図である。
複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
放射温度計の構成を模式的に示す図である。
半導体ウェハーの処理手順を示すフローチャートである。
変換テーブルの一例を示す図である。

実施例

0014

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0015

図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。

0016

熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。

0017

チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。

0018

また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。

0019

チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。

0020

また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。

0021

また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N2)およびアンモニア(NH3)の混合ガス)を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。なお、処理ガスとしては、窒素ガスおよびアンモニアの混合ガスに限定されるものではなく、亜酸化窒素(N2O)、硫化水素(H2S)、一酸化窒素(NO)、フッ素ガス(F2)等の反応性ガスであっても良い。

0022

一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場ユーティリティであっても良い。

0023

また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。

0024

図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。

0025

基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。

0026

サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。

0027

保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。

0028

保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ280mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。

0029

図2戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。

0030

チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。

0031

また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。

0032

また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計120(図1参照)がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計120が開口部78を介してサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を受光してその半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。なお、放射温度計120による温度測定についてはさらに後述する。

0033

図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。

0034

また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。

0035

図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。

0036

複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。

0037

キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガス封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧印加して絶縁破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノン原子あるいは分子励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源コイル定数によって調整することができる。

0038

また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。

0039

チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。

0040

図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。

0041

また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。

0042

また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。

0043

ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメント通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素アルゴン等の不活性ガスハロゲン元素ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。

0044

また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。

0045

図1に示すように、チャンバー6内には、半導体ウェハーWから放射される赤外光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する放射温度計120が設けられている。図8は、放射温度計120の構成を模式的に示す図である。放射温度計120は、光学レンズ系21、フィルター22、検出器23、演算部24および記憶部25を備える。光学レンズ系21は、放射温度計120の外部から入射した光を検出器23に集光する。検出器23は、赤外光を受光すると、その赤外光のエネルギーに応じた出力信号を発生させる。検出器23としては、例えばサーモパイルが用いられる。

0046

フィルター22は、所定の波長域の光を選択的に透過する光学フィルターである。本実施形態においては、互いに透過する波長域が異なる3つのフィルター22a,22b,22cが設けられている。3つのフィルター22a,22b,22cのうちのいずれかが選択され、その選択されたフィルターが光学レンズ系21と検出器23との間に設置される(図8の例では、フィルター22cが選択されて光学レンズ系21と検出器23との間に設置されている)。光学レンズ系21と検出器23との間の所定位置へのフィルター22の設置は作業者手作業にて行うようにしても良いし、進退駆動機構を用いて自動で行うようにしても良い。また、3つのフィルター22a,22b,22cのうちの2つまたは3つが選択されて光学レンズ系21と検出器23との間に設置されても良い。或いは、3つのフィルター22a,22b,22cのいずれもが光学レンズ系21と検出器23との間に設置されていなくても良い。なお、3つのフィルター22a,22b,22cを特に区別する必要のないときはフィルター22と総称する。

0047

演算部24は、検出器23の出力信号から被測定物(本実施形態では半導体ウェハーW)の温度を算定する。放射温度計の基本的な測定原理は、温度と放射エネルギーとの関係を示すシュテファン=ボルツマン法則およびプランクの法則を用いるものであるが、典型的には基準となる黒体炉からの放射エネルギーを実際に測定して作成した変換テーブルを用いることが多い。本実施形態の放射温度計120も変換テーブル26を用いて温度算定を行っている。すなわち、所定の温度に設定された黒体炉から放射された赤外光を放射温度計120が受光したときの検出器23からの出力信号のレベルを記録しておく。黒体炉の設定温度を何段階かに変化させ、各設定温度についての検出器23からの出力信号のレベルを記録することによって変換テーブル26が作成される。

0048

図10は、変換テーブル26の一例を示す図である。変換テーブル26は、直接的には検出器23の出力信号のレベルと黒体の温度との相関関係を示す。検出器23の出力信号のレベルは、放射温度計120に入射する赤外光のエネルギーに依存しているため、変換テーブル26は放射温度計120に入射する赤外光のエネルギーと黒体の温度との相関関係を示すものであると言える。

0049

実際の半導体ウェハーWは黒体(放射率ε=1の完全放射体)ではないため、放射温度計120の演算部24は、半導体ウェハーWの放射率と変換テーブル26とに基づいて半導体ウェハーWの温度を算定する。

0050

ところで、放射温度計120には、検出器23の素子の種類に応じて基準となる測定波長域が規定されている。本実施形態のように、検出器23としてサーモパイルを用いた場合には、測定波長域は6μm〜20μmとなる。すなわち、放射温度計120は、入射した光のうち波長6μm〜20μmの赤外光のエネルギーから半導体ウェハーWの温度を算定しているのである。

0051

一方、本実施形態の放射温度計120にはフィルター22が設けられている。フィルター22は所定の波長域の光を選択的に透過し、例えばフィルター22cは波長7μm〜8μmの赤外光を選択的に透過する(つまり、フィルター22cは波長7μm未満および8μmを超える光をカットする)。フィルター22を設けない状態、すなわち測定波長域が6μm〜20μmの状態で作成された変換テーブル26を用いてフィルター22cを設けた状態にて放射温度計120が温度測定を行うと、検出器23が受光する赤外光の波長域が狭くなるために測定誤差が生じることとなる。このため、本実施形態においては、複数の変換テーブル26を作成している。具体的には、フィルター22a,22b,22cのそれぞれを光学レンズ系21と検出器23との間に設置した場合について変換テーブル26を作成している。例えば、フィルター22cを設置して変換テーブル26を作成した場合には、測定波長域が7μm〜8μmの場合の変換テーブル26が作成されることとなる。また、フィルター22a,22b,22cのいずれをも光学レンズ系21と検出器23との間に設置しない状態での変換テーブル26も作成している。作成された複数の変換テーブル26は放射温度計120の記憶部25に格納されている。

0052

また、放射温度計120は熱処理装置1の制御部3に電気的に接続されている。制御部3は、熱処理装置1に設けられた種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用メモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。

0053

また、制御部3には、入力部32および表示部33が接続されている。入力部32としては、キーボードマウス等の種々の公知の入力機器を採用することができる。表示部33は、例えば熱処理装置1の外壁に設けられた液晶ディスプレイ等の表示パネルである。入力部32および表示部33として、双方の機能を有するタッチパネルを採用するようにしても良い。

0054

上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。

0055

次に、半導体ウェハーWに対する処理手順について説明する。図9は、半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。ここで処理対象となる半導体ウェハーWは、ゲート絶縁膜として高誘電率膜が形成された半導体基板である。その半導体ウェハーWに対して熱処理装置1がフラッシュ光を照射して成膜後熱処理(PDA:Post Deposition Annealing)を行う。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。

0056

まず、処理対象となる半導体ウェハーWが熱処理装置1のチャンバー6に搬入される(ステップS1)。半導体ウェハーWの搬入時には、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。この際に、バルブ84を開放してチャンバー6内に窒素ガスを供給し続けることによって搬送開口部66から窒素ガス流を流出させ、装置外部の雰囲気がチャンバー6内の流入するのを最小限に抑制するようにしても良い。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。

0057

半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、高誘電率膜が形成された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。

0058

また、半導体ウェハーWがチャンバー6内に収容され、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖されて熱処理空間65が密閉空間とされた後、チャンバー6内に処理ガスを供給して熱処理空間62にアンモニア雰囲気を形成する(ステップS2)。具体的にはバルブ84が開放されてガス供給孔81から熱処理空間65に処理ガスが供給されるとともに、バルブ89が開放されてガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。本実施形態では、処理ガスとしてアンモニアおよび窒素の混合ガスがチャンバー6内の熱処理空間65に供給される。チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された処理ガスが下方へと流れて熱処理空間65の下部から排気され、チャンバー6内にて保持部7に保持された半導体ウェハーWの周辺にはアンモニア雰囲気が形成される。アンモニア雰囲気中におけるアンモニアの濃度(つまり、アンモニアと窒素ガスとの混合比)は例えば10vol.%以下であり、本実施形態においてはアンモニア雰囲気中におけるアンモニアの濃度を約3.5vol.%としている。なお、チャンバー6内に形成されるアンモニア雰囲気は、処理ガスとして必ずしもアンモニアと窒素との混合ガスの供給により形成される必要はなく、処理内容に応じてアンモニアの濃度を100vol.%としても良い。また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。

0059

上述したように、本実施形態の放射温度計120は検出器23にサーモパイルを用いており、その測定波長域は6μm〜20μmである。一方、アンモニアは5μm〜7μmおよび8μm〜14μmの波長域の赤外線を吸収することが知られている。すなわち、放射温度計120の測定波長域とアンモニアの吸収波長域とが一部重複しており、チャンバー6内のアンモニアによって放射温度計120の温度測定が阻害されるおそれがある。

0060

このため、本実施形態においては、フィルター22を設けてアンモニアの吸収波長域の赤外光をカットしている。具体的には、複数の22a,22b,22cから波長7μm〜8μmの赤外光を選択的に透過するフィルター22cを選択して光学レンズ系21と検出器23との間に設置する(ステップS3)。波長7μm〜8μmはアンモニアの吸収率が極めて低くなる波長域である。すなわち、フィルター22cを設けることによって、放射温度計120はアンモニアによる赤外光吸収の影響を排除して半導体ウェハーWの温度測定を行うことが可能となる。

0061

但し、フィルター22cを設けることによって、放射温度計120の測定波長域が7μm〜8μmに変更されているため、その測定波長域に適した変換テーブル26を使用しなければ正確な温度測定を行うことはできない。このため、フィルター22cが設置されたことを検知した制御部3は、複数の変換テーブル26からフィルター22cに対応した変換テーブル26を選択して放射温度計120の演算部24に使用させる(ステップS4)。フィルター22cに対応した変換テーブル26とは、フィルター22cを光学レンズ系21と検出器23との間に設置して作成した変換テーブルである。また、制御部3は、放射温度計120の演算部24に半導体ウェハーWの放射率を引き渡す。制御部3は、処理レシピ(処理対象となる半導体ウェハーWの処理手順と条件を記述したもの)等から半導体ウェハーWの放射率を取得することができる。

0062

次に、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して半導体ウェハーWの予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS5)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。

0063

ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、放射温度計120によって半導体ウェハーWの温度が測定される(ステップS6)。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの裏面から開口部78を介して放射された赤外光を放射温度計120が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。このとき、半導体ウェハーWから放射された赤外光のうち5μm〜7μmおよび8μm〜14μmの波長域の光は雰囲気のアンモニアによって吸収されるのであるが、光学レンズ系21と検出器23との間に波長7μm〜8μmの赤外光を選択的に透過するフィルター22cを設けているため、放射温度計120はアンモニアによる吸収の影響を受けることなく半導体ウェハーWの温度測定を行うことができる。また、放射温度計120の演算部24は、フィルター22cに対応した変換テーブル26に半導体ウェハーWの放射率を適用し、検出器23の出力信号から半導体ウェハーWの温度を求めるため、正確に半導体ウェハーWの温度を測定することができる。

0064

放射温度計120によって測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計120による測定結果に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する(ステップS6,S7)。赤外光を吸収するアンモニア雰囲気中であっても放射温度計120は正確な半導体ウェハーWの温度を測定するため、制御部3はハロゲンランプHLの出力を適切に制御することができる。予備加熱温度T1は、300℃以上600℃以下であり、本実施の形態では450℃である。

0065

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計120によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。

0066

このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、高誘電率膜を含む半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。

0067

次に、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLが半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光を照射してフラッシュ加熱処理を実行する(ステップS8)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。

0068

フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWの表面に形成された高誘電率膜の成膜後熱処理が実行される。フラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面が到達する最高温度ピーク温度)である処理温度T2は600℃以上1200℃以下であり、本実施形態では1000℃である。

0069

フラッシュランプFLによるフラッシュ光照射が終了すると、半導体ウェハーWの表面温度は目標温度T2から急速に降温する。また、フラッシュ加熱処理が終了して所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯し、これによって半導体ウェハーWが予備加熱温度T1からも降温する。半導体ウェハーWの加熱処理終了後には、処理ガス供給源85から窒素ガスのみを供給してチャンバー6内を窒素ガス雰囲気置換する。

0070

降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計120によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。このときには、フィルター22cを外すとともに、フィルター22a,22b,22cのいずれをも設置しない場合の変換テーブル26(つまり、測定波長域が6μm〜20μmのときの変換テーブル26)を使用するのが好ましい。制御部3は、放射温度計120の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され(ステップS9)、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。

0071

本実施形態においては、チャンバー6内に赤外光を吸収するアンモニアの雰囲気を形成しているため、アンモニアの吸収波長域と重ならない波長の赤外光を選択的に透過するフィルター22cを光学レンズ系21と検出器23との間に設置してアンモニアによる赤外光吸収の影響を排除している。そして、制御部3は、複数の変換テーブル26からフィルター22cに対応した変換テーブル26を選択して放射温度計120の演算部24に使用させている。これにより、放射温度計120はアンモニア雰囲気であるにも関わらず半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができ、その結果、予備加熱時のハロゲンランプHLの出力を適正に制御することができる。

0072

以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、チャンバー6内にアンモニアの雰囲気を形成していたが、放射温度計120の測定波長域(6μm〜20μm)と少なくとも一部重複する波長域の赤外光を吸収する特性を有する他の処理ガスの雰囲気を形成する場合であっても本発明に係る技術を適用することができる。例えば、チャンバー6内に亜酸化窒素、硫化水素、一酸化窒素の雰囲気を形成する場合であっても本発明に係る技術を適用することができる。これらの処理ガスを使用する場合には、各処理ガスの吸収波長域とは重ならず、かつ、放射温度計120の測定波長域と一部重複する波長域の赤外光を選択的に透過するフィルター22を選択して光学レンズ系21と検出器23との間に設置する。また、予め各処理ガスに対応するフィルター22について変換テーブル26を作成して記憶部25に格納しておく。そして、チャンバー6内に各処理ガスの雰囲気を形成し、その処理ガスに対応するフィルター22を光学レンズ系21と検出器23との間に設置したときには、制御部3は、複数の変換テーブル26から当該フィルター22に対応した変換テーブル26を選択して放射温度計120の演算部24に使用させる。これにより、上記実施形態と同様に、赤外光を吸収する処理ガスの雰囲気中であっても放射温度計120は正確に半導体ウェハーWの温度を測定することができる。

0073

また、上記実施形態においては、アンモニアの吸収波長域と重ならない波長の赤外光を選択的に透過するフィルター22cを設けていたが、本発明に係る技術を応用すればフィルター22を設けずとも半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。具体的には、黒体炉を用いて変換テーブル26を作成する際に、半導体ウェハーWの熱処理時と同じアンモニア濃度(上記実施形態では3.5vol.%)のアンモニア雰囲気中にて黒体炉の設定温度を変化させて検出器23からの出力信号のレベルを記録する。このようにすれば、アンモニアによる赤外光の吸収を考慮した変換テーブル26が作成されることとなるため、アンモニア雰囲気であるにも関わらず光学レンズ系21と検出器23との間にフィルター22を設置しない場合であっても、正確に半導体ウェハーWの温度を測定することができる。

0074

要するに、フィルター22を設けるか否かに関わらず、チャンバー6内に形成される処理ガスの雰囲気に応じて複数の変換テーブル26から放射温度計120が使用する変換テーブル26を選択するようにすれば良い。このようにすれば、赤外光を吸収する処理ガスの雰囲気中であっても正確に半導体ウェハーWの温度を測定することができる。

0075

また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。

0076

また、上記実施形態においては、ハロゲンランプHLによる予備加熱後に半導体ウェハーWにフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射する熱処理装置1にて予備加熱時の温度測定に本発明に係る技術を適用していたが、本発明に係る技術はハロゲンランプのみによって半導体ウェハーWを加熱する装置(例えば、スパイクアニール装置、CVD装置等)やレーザーアニール装置に適用しても良い。

0077

1熱処理装置
3 制御部
4ハロゲン加熱部
5フラッシュ加熱部
6チャンバー
7 保持部
21光学レンズ系
22フィルター
23検出器
24演算部
25 記憶部
26 変換テーブル
65熱処理空間
74サセプタ
85処理ガス供給源
120放射温度計
FLフラッシュランプ
HLハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 信越半導体株式会社の「 半導体デバイスの形成方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 利便性の良い、イオン注入欠陥の残留を防止する半導体デバイスの形成方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、半導体デバイスの形成方... 詳細

  • 国立大学法人名古屋大学の「 窒化物半導体装置の製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】窒化物半導体においてp型領域を形成するための技術を提供する。【解決手段】窒化物半導体装置の製造方法は、窒化物半導体基板の一部にn型不純物を第1濃度で含んだn型領域を形成する工程を備える。窒化物... 詳細

  • 国立大学法人名古屋大学の「 窒化物半導体装置の製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】窒化物半導体においてp型領域を形成するための技術を提供する。【解決手段】窒化物半導体装置の製造方法は、窒化物半導体基板の表面近傍にp型不純物を配置する不純物配置工程を備える。窒化物半導体基板を... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ