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技術 排気浄化制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 稲益拓也
出願日 2016年9月16日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-182066
公開日 2018年3月22日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2018-044532
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 触媒による排ガス処理
主要キーワード 吐出口圧力 補正開始タイミング 伝播遅れ 駆動要求信号 最短期間 通電終了タイミング 遷移的 往復ポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
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図面 (15)

課題

噴射弁からの添加剤噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供する。

解決手段

取得部は、内燃機関物理量を取得する。取得結果をもとに脈動する閉弁力F5を脈動算出部が算出する。噴射弁の最大開弁力F2と脈動する閉弁力F5とを比較し、閉弁力F5よりも最大開弁力F2の方が大きく噴射弁が開弁可能な開弁可能期間TD2を期間算出部が算出する。噴射弁へ通電を開始した通電開始タイミングton1から最大開弁力F2が加わるタイミング(開弁力発生タイミングtf2)までを基本遅れ期間TD4とする。開弁可能期間TD2の開始タイミングt2および終了タイミングt3のそれぞれを基本遅れ期間TD4分早く補正した期間を補正後期間TD5として補正後期間算出部が算出する。通電開始タイミングton1を補正後期間TD5内となるよう通電開始タイミング設定部が設定する。

概要

背景

ディーゼルパティキュレートフィルタDPF)や触媒等を用いて排気浄化する排気浄化装置において、燃料又は還元剤といった添加剤排気管内噴射する噴射弁を設ける技術が特許文献1に開示されている。添加剤の具体例としては、DPF再生のための燃焼用の燃料、触媒上でNOxを還元させる還元剤等が挙げられる。

従来の一般的な噴射弁は、噴孔開閉する弁体と、閉弁方向に弁体へバネ力を加えるバネ部材と、通電により電磁力を生じさせ電磁力を弁体の開弁方向に付与するソレノイドと、を備える。そして、ソレノイドへ通電されることにより弁体が開弁作動して添加剤が噴射される。また、噴射弁へは添加剤供給ポンプが添加剤を供給する。

概要

噴射弁からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供する。取得部は、内燃機関物理量を取得する。取得結果をもとに脈動する閉弁力F5を脈動算出部が算出する。噴射弁の最大開弁力F2と脈動する閉弁力F5とを比較し、閉弁力F5よりも最大開弁力F2の方が大きく噴射弁が開弁可能な開弁可能期間TD2を期間算出部が算出する。噴射弁へ通電を開始した通電開始タイミングton1から最大開弁力F2が加わるタイミング(開弁力発生タイミングtf2)までを基本遅れ期間TD4とする。開弁可能期間TD2の開始タイミングt2および終了タイミングt3のそれぞれを基本遅れ期間TD4分早く補正した期間を補正後期間TD5として補正後期間算出部が算出する。通電開始タイミングton1を補正後期間TD5内となるよう通電開始タイミング設定部が設定する。

目的

本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、噴射弁からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関(2)の排気管(3)内へ排気浄化用添加剤噴射する噴孔(44)を開閉する弁体(41)と、閉弁方向に前記弁体へバネ力(F3)を加えるバネ部材(42)と、通電により電磁力(F2)を生じさせ前記電磁力を前記弁体の開弁方向に付与するソレノイド(43)と、を備える噴射弁(4)の作動を制御する排気浄化制御装置(5)であって、前記内燃機関の出力軸(64)の回転位相相関のある物理量を取得する取得部(S102)と、前記出力軸と連結されて駆動する容積型ポンプ(6)が前記添加剤を前記噴射弁に圧送供給することにより脈動する前記添加剤の圧力を供給圧力(P1)とし、前記供給圧力を前記弁体が受ける力である添加剤力(F1)と前記バネ力とを合わせた力を、前記噴射弁に働く脈動する閉弁力(F5)として前記取得部による取得結果をもとに算出する脈動算出部(S103)と、前記電磁力が徐々に増加し最大に達した時の力を最大開弁力(F2)とし、前記最大開弁力と前記脈動算出部により算出された脈動する前記閉弁力とを比較し、前記閉弁力よりも前記最大開弁力の方が大きくなることで前記噴射弁が開弁可能な開弁可能期間(TD2)を算出する期間算出部(S104)と、前記噴射弁への通電を開始した場合の通電開始タイミング(ton1)から前記噴射弁へ前記最大開弁力が加わるタイミングまでの期間を基本遅れ期間(TD4)とし、算出された前記開弁可能期間の開始タイミング(t2)および終了タイミング(t3)のそれぞれを前記基本遅れ期間分早く補正した期間を補正後期間(TD5)として算出する補正後期間算出部(S106)と、前記通電開始タイミングを前記補正後期間内となるよう設定する通電開始タイミング設定部(S107)と、を備える排気浄化制御装置。

請求項2

前記通電開始タイミング設定部は、算出された前記閉弁力が下限値となる下限タイミング(tB)と前記噴射弁が開弁を開始する開弁開始タイミング(top1)とが一致するように前記通電開始タイミングを設定する請求項1に記載の排気浄化制御装置。

請求項3

内燃機関(2)の排気管(3)内へ排気浄化用の添加剤を噴射する噴孔(44)を開閉する弁体(41)と、閉弁方向に前記弁体へバネ力(F3)を加えるバネ部材(42)と、通電により電磁力(F2)を生じさせ前記電磁力を前記弁体の開弁方向に付与するソレノイド(43)と、を備える噴射弁(4)の作動を制御する排気浄化制御装置(5)であって、前記内燃機関の出力軸(64)の回転位相と相関のある物理量を取得する取得部(S102)と、前記出力軸と連結されて駆動する容積型ポンプ(6)が前記添加剤を前記噴射弁に圧送供給することにより脈動する前記添加剤の圧力を供給圧力(P1)とし、前記供給圧力を前記弁体が受ける力である添加剤力(F1)と前記バネ力とを合わせた力を、前記噴射弁に働く脈動する閉弁力(F5)として前記取得部による取得結果をもとに算出する脈動算出部(S103)と、前記噴射弁への通電を開始する通電開始タイミング(ton1)と前記閉弁力とから前記噴射弁が開弁を開始する開弁開始タイミング(top1)を算出し、前記通電開始タイミングから前記開弁開始タイミングまでの期間を開弁遅れ期間(TD3)として算出する開弁遅れ期間算出部(S208)と、前記内燃機関の運転状態に基づき算出される前記添加剤の目標噴射量および前記通電開始タイミングから算出される前記噴射弁への補正前の通電終了タイミング(toff)を、前記開弁遅れ期間分遅くしたタイミングとなるよう補正して設定する通電終了タイミング設定部(S209)と、を備える排気浄化制御装置。

請求項4

脈動する前記閉弁力に基づいて、前記通電終了タイミング設定部に設定された前記通電終了タイミングから前記噴射弁が閉弁を完了する閉弁完了タイミング(tcle)までの期間である閉弁期間(TD6)を算出する閉弁期間算出部(S310)と、前記閉弁期間が長いほど前記通電終了タイミング設定部に設定された前記通電終了タイミングを早くする補正を行い再度設定する閉弁設定部(S311)と、を備える請求項3に記載の排気浄化制御装置。

請求項5

前記排気管内で脈動する排気圧力を算出する圧力算出部(S412)を備え、前記開弁遅れ期間算出部は、前記閉弁力と前記排気圧力とに基づいて前記開弁遅れ期間を算出する請求項3または4に記載の排気浄化制御装置。

技術分野

0001

本発明は、排気浄化制御装置に関する。

背景技術

0002

ディーゼルパティキュレートフィルタDPF)や触媒等を用いて排気浄化する排気浄化装置において、燃料又は還元剤といった添加剤排気管内噴射する噴射弁を設ける技術が特許文献1に開示されている。添加剤の具体例としては、DPF再生のための燃焼用の燃料、触媒上でNOxを還元させる還元剤等が挙げられる。

0003

従来の一般的な噴射弁は、噴孔開閉する弁体と、閉弁方向に弁体へバネ力を加えるバネ部材と、通電により電磁力を生じさせ電磁力を弁体の開弁方向に付与するソレノイドと、を備える。そして、ソレノイドへ通電されることにより弁体が開弁作動して添加剤が噴射される。また、噴射弁へは添加剤供給ポンプが添加剤を供給する。

先行技術

0004

特許第5293279号公報

発明が解決しようとする課題

0005

この種の噴射弁の作動を制御する従来の制御装置では、噴孔からの添加剤の噴射量は、添加剤供給ポンプにより添加剤へ加えられる圧力(供給圧力)と、噴射弁への通電期間とにより決定される。また、添加剤供給ポンプの回転が速いほど、供給圧力が大きくなり噴射量が多くなる。よって、添加剤供給ポンプの回転数が同じで、噴射弁への通電期間が等しい場合、排気管内への添加剤の噴射量は等しくなると考えられる。

0006

しかしながら、本発明者は、添加剤供給ポンプの回転数が同じで、噴射弁への通電期間が等しい場合においても添加剤の噴射量がばらつくという現象が生じていることを見出した。

0007

本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、噴射弁からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。

0009

内燃機関(2)の排気管(3)内へ排気浄化用の添加剤を噴射する噴孔(44)を開閉する弁体(41)と、閉弁方向に弁体へバネ力(F3)を加えるバネ部材(42)と、通電により電磁力(F2)を生じさせ電磁力を弁体の開弁方向に付与するソレノイド(43)と、を備える噴射弁(4)の作動を制御する排気浄化制御装置(5)であって、内燃機関の出力軸(64)の回転位相相関のある物理量を取得する取得部(S102)と、出力軸と連結されて駆動する容積型ポンプ(6)が添加剤を噴射弁に圧送供給することにより脈動する添加剤の圧力を供給圧力(P1)とし、供給圧力を弁体が受ける力である添加剤力(F1)とバネ力とを合わせた力を、噴射弁に働く脈動する閉弁力(F5)として取得部による取得結果をもとに算出する脈動算出部(S103)と、電磁力が徐々に増加し最大に達した時の力を最大開弁力(F2)とし、最大開弁力と脈動算出部により算出された脈動する閉弁力とを比較し、閉弁力よりも最大開弁力の方が大きくなることで噴射弁が開弁可能な開弁可能期間(TD2)を算出する期間算出部(S104)と、噴射弁への通電を開始した場合の通電開始タイミング(ton1)から噴射弁へ最大開弁力が加わるタイミングまでの期間を基本遅れ期間(TD4)とし、算出された開弁可能期間の開始タイミング(t2)および終了タイミング(t3)のそれぞれを基本遅れ期間分早く補正した期間を補正後期間(TD5)として算出する補正後期間算出部(S106)と、通電開始タイミングを補正後期間内となるよう設定する通電開始タイミング設定部(S107)と、を備える排気浄化制御装置である。

0010

先述した「添加剤供給ポンプの回転数が同じで、噴射弁への通電期間が等しい場合においても添加剤の噴射量がばらつくという現象」が生じる原因を追究したところ、本発明者は以下の知見を得た。

0011

噴射弁は、弁体としてのニードル、バネ部材およびソレノイドを有する。ニードルは、噴射弁の噴孔を開閉する。ニードルには、ニードルの上面を供給圧力が押す力(添加剤力)とバネ部材がニードルを押す力であるバネ力とが閉弁力として閉弁方向に働いている。噴射弁を開弁する時には、ソレノイドが通電されることでニードルの開弁方向に電磁力が生じ開弁される。電磁力は通電が開始してから徐々に増加するため、最大に達した時の電磁力を最大開弁力と定義する。以下最大開弁力を開弁力と表記する。ニードルを開弁方向に動かすためには、開弁力が閉弁力よりも大きくなる必要がある。

0012

添加剤供給ポンプは容積型ポンプであるため、供給圧力には周期的な変化(脈動)が生じる。よって、ニードルを押す供給圧力による力(添加剤力)にも脈動が生じている。そのため、ニードルに加わる閉弁力にも脈動が生じている。容積型ポンプがエンジンの出力軸と連結して駆動される場合、脈動する添加剤力とバネ力との和である閉弁力の振幅は、図6のようにエンジン回転速度と相関がある。エンジン回転速度の増加に伴って、閉弁力F5の振幅および平均値F5Aは増加する。つまり、閉弁力F5の上限値F5Tおよび下限値F5Dは、エンジン回転速度が高くなるほど大きくなる。また、閉弁力F5は上限値F5Tと下限値F5Dとの間で脈動する。

0013

ここで、開弁力F2は一定である。エンジンの回転数がNE0よりも低い場合には、開弁力F2は閉弁力F5の上限値F5Tよりも高い値となる。一方、エンジン回転速度がNE0よりも高い場合には、開弁力F2は、閉弁力F5の上限値F5Tと下限値F5Dとの間になる。そのため、エンジン回転速度がNE0よりも高い場合には、開弁力F2と閉弁力F5との大小が閉弁力の脈動により周期的に入れ替わる。つまり、開弁力F2が閉弁力F5よりも大きく噴射弁が開弁することができる期間を開弁可能期間とし、開弁力F2が閉弁力F5よりも小さく噴射弁が開弁することができない期間を開弁不可能期間とすると、開弁可能期間と開弁不可能期間とが交互に入れ替わる。

0014

仮に、噴射弁を開弁するためのソレノイドへの通電を開始したことで噴射弁に開弁力が生じたとしても、開弁力が生じたタイミングである開弁力発生タイミングが開弁不可能期間であった場合には、噴射弁はすぐには開弁することができない。しかしながら、閉弁力が脈動することにより、閉弁力と開弁力との大小が入れ替わり、開弁可能期間となった時には、噴射弁は開弁を開始することができる。つまり、開弁力発生タイミングが開弁不可能期間であった場合、開弁可能期間になるまで開弁を開始することができず、通電開始タイミングと開弁開始タイミングとに時間的なずれが生じる。換言すると、通電開始タイミングに対し開弁開始タイミングが遅れる。その遅れた分だけ噴射弁の開弁時間が短くなるため目標とする噴射量のうち少ししか噴射できない。この開弁遅れが生じることが、「添加剤供給ポンプの回転数が同じで、噴射弁への通電期間が等しい場合においても添加剤の噴射量がばらつくという現象」が生じる原因であることがわかった。

0015

この知見に基づき本発明によれば、通電開始タイミングを補正後期間内となるよう通電開始タイミング設定部が設定する。そのため、電磁力が最大に達し開弁力が発生するタイミングが通電開始タイミングに対し基本遅れ期間分遅れたとしても開弁力が発生するタイミングは開弁可能期間に重なる。これにより、開弁力が発生するタイミングと実際に開弁する開弁開始タイミングとの時間的な遅れが生じることを抑制することができる。つまり、通電開始タイミングから開弁開始タイミングまでの期間が基本遅れ期間よりも長くなることを抑制することができる。これにより、噴射弁からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

第1実施形態の排気浄化制御装置を適用した浄化システムシステム構成図である。
第1実施形態に用いられる容積型ポンプの内部作動を示す概略構成図である。
第1実施形態における容積型ポンプの吐出口付近の圧力である吐出口圧力の脈動とクランク角との相関を示した図である。
第1実施形態における吐出口圧力に対する供給圧力の位相遅れを示す図である。
第1実施形態のニードルへ開弁力と閉弁力とが加わっている状態の噴射弁の概略構成図である。
エンジン回転速度に基づく閉弁力と開弁力との大小関係を示す折れ線図である。
閉弁力の脈動を考慮せずにソレノイドへの通電を行った場合の開弁遅れの一例を示すタイムチャートである。
第1実施形態の補正前の通電開始タイミングを補正した場合のタイムチャートである。
第1実施形態の補正を行うための制御フローを示すフローチャートである。
第2実施形態の補正前の通電終了タイミングを補正した場合のタイムチャートである。
第2実施形態の補正を行うための制御フローを示すフローチャートである。
第3実施形態の補正前の通電終了タイミングを補正した場合のタイムチャートである。
第3実施形態の補正前の通電終了タイミングを補正した場合のフローチャートである。
第4実施形態の補正前の通電終了タイミングを補正した場合のフローチャートである。

実施例

0017

以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。

0018

(第1実施形態)
図1は、内燃機関にディーゼルエンジン2を搭載した車両の浄化システム1に本発明を適用した場合の一実施形態を示すシステム構成図である。

0019

エンジン2には、クランク角センサ9、容積型ポンプ6、吸気管11および第一排気管10が接続されている。第一排気管10はターボチャージャー12を介して第二排気管3と接続している。この第二排気管3が排気管に該当する。第二排気管3の途中には、排気中の粒子状物質であるPMを捕集するフィルタ(DPF)8が備え付けられている。DPF8は、PMが堆積することで生じる排圧上昇により燃料消費動力性能悪化を招く。そのため、DPF8は捕集したPMを定期的に除去(すなわちPM再生)する必要がある。堆積したPMの除去のために、第二排気管3内に添加剤として燃料が定期的に噴射される。燃料は、第二排気管3のDPF8より上流に備え付けられた噴射弁4により噴射される。燃料は、容積型ポンプ6から燃料配管7を通って噴射弁4へ送られる。第二排気管3内を通過する排気の流れにのって噴射された燃料がDPF8に到達することで、DPF8に堆積したPMを燃焼除去することができる。

0020

浄化システム1には、エンジン2および噴射弁4の作動を制御するためのECU5が備えられている。このECU5が排気浄化制御装置に該当する。ECU5は、運転者の要求に応じてエンジン2の運転状態を制御する。ECU5は、所定のプログラムが記録されたメモリ、そのプログラムに従って演算処理するプロセッサ入力回路および出力回路を有する。ECU5は、クランク角センサ9および噴射弁4等と電気配線を介して接続されている。

0021

図2のように、容積型ポンプ6は、エンジン2の出力軸64に直接連結されている。容積型ポンプ6は、ハウジング60、アウターロータ61およびインナーロータ62を有する。ハウジング60は、図示しない燃料タンクから燃料を吸入する吸入口65と燃料を吐出する吐出口66とを有する。そして、ハウジング60の内部にはアウターロータ61が組み込まれている。さらに、アウターロータ61は貯留室63を有する。容積型ポンプ6内に吸入された燃料は、貯留室63に蓄えられる。貯留室63は7つの内歯歯車を有する外周面により形成されている。貯留室63内にはエンジンの出力軸64の回転により回転するインナーロータ62が配置されている。インナーロータ62は、外周面より小径で6つの外歯歯車を有する。このインナーロータ62の外歯歯車とアウターロータ61の内歯歯車とはトロコイドギア式にかみ合う。出力軸64とともに回転する外歯歯車と内歯歯車とが噛み合うことによりアウターロータ61も回転する。これにより、アウターロータ61の2つの内歯歯車の間に貯留された燃料が吐出口66から吐出される。吐出される燃料には圧力(吐出口圧力P0)が加えられる。

0022

容積型ポンプ6の吐出口66には図示しないリリーフ弁が備え付けられている。このリリーフ弁は、吐出口圧力P0が所定圧まで上昇した場合に、吐出した燃料を燃料タンクにリリーフする。これにより、容積型ポンプ6から吐出される燃料の圧力が高くなりすぎるのを防止する。本実施形態の吐出口圧力P0は、このリリーフ弁よりも上流の圧力を示している。

0023

容積型ポンプ6の燃料の吐出は、出力軸64の回転により内歯歯車と外歯歯車とが一つずつ順に噛合うことにより生じる。そのため、吐出される際に燃料に加えられる圧力には図3のような周期的な変化(脈動)が生じる。インナーロータ62は出力軸64の回転で回転するため、図3のように、脈動の特性はエンジン運転状態と相関がある。具体的には、エンジン2の出力軸64の回転位相であるクランク角度により脈動の波長が決まる。そして、脈動の振幅は、エンジンの回転位相の変化速度、つまりエンジンの回転速度により決まる。エンジン回転数が高くなると波長は短くなり振幅は大きくなる。

0024

吐出口66から吐出された燃料は燃料配管7を通って噴射弁4に供給される。この時、燃料配管7を通る燃料の脈動の伝播には図4のような位相の遅れが生じる。そのため、燃料の圧力の脈動は吐出口圧力P0に対し伝播遅れ位相I0分の位相が変化した脈動となり噴射弁4に供給される。伝播遅れ位相I0分の位相が変化した噴射弁4に供給される燃料の圧力を供給圧力P1とする。供給圧力P1の脈動の波長および振幅は吐出口圧力P0と同じである。

0025

ここで、噴射弁4が第二排気管3に燃料を噴射する際の噴射弁4の機構を、図5を用いて説明する。噴射弁4は、排気浄化用の添加剤を噴射する噴孔44、弁体としてのニードル41、バネ部材42およびソレノイド43を有する。ニードル41は、噴射弁4の噴孔44を開閉する。ニードル41には、ニードル41の上面を供給圧力P1が押す力(添加剤力F1)とバネ部材42がニードル41を押す力であるバネ力F3とが閉弁力F5(図6参照)として閉弁方向に働いている。供給圧力P1は脈動しているため添加剤力F1も脈動する。一方で、バネ力F3は一定である。つまり閉弁力F5の脈動は添加剤力F1の脈動によるものである。そのため、閉弁力F5の脈動の波長および振幅は供給圧力P1から算出することができる。

0026

噴射弁4を開弁する時には、ソレノイド43が通電されることでニードル41の開弁方向に電磁力が付与され、噴射弁4が開弁される。電磁力は通電が開始してから徐々に増加するため、最大に達した時の電磁力を最大開弁力と定義し、開弁力F2と表記する。ニードル41を開弁方向に動かすためには、ソレノイド43による開弁力F2が閉弁力F5よりも大きくなる必要がある。

0027

前述した通り、図6のように、エンジン回転速度がNE0よりも低い場合には、開弁力F2は閉弁力F5の上限値F5Tよりも高い値となる。一方、エンジン回転速度がNE0よりも高い場合には、開弁力F2は、添加剤力F1の上限値F5Tと下限値F5Dとの間になる。そのため、エンジン回転速度がNE0よりも高い場合には、開弁力F2と閉弁力F5との大小が閉弁力F5の脈動により周期的に入れ替わる。開弁力F2が閉弁力F5より大きく噴射弁4が開弁できる期間を開弁可能期間TD2とし、開弁力F2が閉弁力F5よりも小さく噴射弁が開弁できない期間を開弁不可能期間TD1とする。開弁可能期間TD2と開弁不可能期間TD1とは、図7のように交互に入れ替わる。

0028

図7のように、仮に、噴射弁4を開弁するためのソレノイド43への通電をECU5が補正前の通電開始タイミングtonに開始したとする。前述の通り、電磁力は補正前の通電開始タイミングtonから徐々に大きくなる。そのため、開弁力F2は、補正前の通電開始タイミングtonの直後に即座に生じるわけではなく、補正前の通電開始タイミングtonから所定時間経過し電磁力が最大となるタイミングである開弁力発生タイミングtf2に発生する。この補正前の通電開始タイミングtonから開弁力発生タイミングtf2までの期間を基本遅れ期間TD4とする。この基本遅れ期間TD4は、噴射弁4に通電が開始してから最も早く開弁することができる期間、つまり開弁までの最短期間であるといえる。

0029

噴射弁4への通電を開始し、開弁力発生タイミングtf2となったとしても開弁力発生タイミングtf2が開弁不可能期間TD1である場合には、噴射弁4は開弁することができない。しかしながら、閉弁力F5が脈動することにより、閉弁力F5と開弁力F2との大小が入れ替わり、開弁可能期間TD2となった時には、噴射弁4は開弁を開始する(補正前の開弁開始タイミングtop)ことができる。つまり、開弁力発生タイミングtf2が開弁不可能期間TD1であった場合、開弁可能期間TD2になるまで開弁を開始することができない。そのため、補正前の通電開始タイミングtonと補正前の開弁開始タイミングtopとに基本遅れ期間TD4よりも長い開弁遅れ期間TD3が生じる。

0030

そこで、本実施形態ではECU5が図8のような補正を行う。本実施形態では、開弁可能期間TD2の開始タイミングt2を基本遅れ期間TD4分早める補正を行い、補正開始タイミングt2aをECU5が算出する。また、開弁遅れ期間TD3の終了タイミングt3に関しても同様に補正終了タイミングt3aをECU5が算出する。そして、補正開始タイミングt2aと補正終了タイミングt3aとから補正後期間TD5をECU5が算出する。ECU5は、補正前の通電開始タイミングtonが補正後期間TD5内となるように通電開始タイミングton1を設定する。より好ましくは、閉弁力F5が下限値F5Dとなる下限タイミングtBと開弁開始タイミングtop1とが一致するように、下限タイミングtBよりも基本遅れ期間TD4分早い通電開始タイミングton1を設定する。

0031

なお、ニードル41が閉弁状態から開弁方向に少しでも動いた場合、ニードル41と噴孔44の間に燃料が充填される。これにより、添加剤力F1がニードル41の下面を開弁方向へ押す力が生じる。その結果、ニードル41の上面を添加剤力F1が押す力と、ニードル41の下面を添加剤力F1が押す力とが打ち消しあう。そのため、ニードル41が開弁開始した後には、ニードル41に作用する添加剤力F1を考慮しなくともよくなる。つまり、ニードルが開弁開始した直後に閉弁力F5の脈動が大きくなったとしても、ニードル41が開弁方向に少しでも動いていればニードル41の開弁を維持することが可能である。

0032

次に、上記補正を実現するためにECU5が行う補正処理について、図9を用いて説明する。ECU5は自身に動作用電源が供給されてその動作を開始すると、図9の制御フローに従って補正処理を行う。

0033

この制御フローがスタートすると、ステップS100で噴射弁4を駆動する要求があるか否かを判定する。噴射弁4の駆動要求があるか否かは、第二排気管3に取り付けられたDPF8の上流および下流に備え付けられたセンサで検出された排気圧差圧から決定する。排気圧の差圧が所定値以上であった場合には、DPFの再生が必要とみなして噴射弁4の駆動要求信号が出力される。ステップS100で噴射弁4の駆動要求がなければ所定期間を経過してからステップS100へ戻る。

0034

ステップS100で噴射弁4の駆動要求がある場合にはステップS101に行く。ステップS101では、エンジン2の運転状態に基づき算出される予め決められた目標噴射量を第二排気管3内に噴射するための噴射弁4への通電時間が設定される。本実施形態の排気浄化制御装置では、噴射弁4の駆動要求があってからすぐに噴射を行うのでなく、駆動要求があったタイミングから所定時間後のタイミングに噴射弁4への通電を開始する補正前の通電開始タイミングtonを仮決めする。つまり、補正前の通電開始タイミングtonを駆動要求があったタイミングから所定時間後のタイミングに予約する。同時に、仮決めされた補正前の通電開始タイミングtonと噴射時間から算出される補正前の通電終了タイミングtoffを仮決めする。

0035

そして、ステップS102では、エンジン2の出力軸64の回転位相と相関のある物理量を取得する。具体的には、クランク角センサ9から出力される検出信号を取得する。ステップS102の処理を行うプロセッサは取得部に該当する。取得部により取得された物理量から回転位相および単位時間当たりの回転位相の変化量であるエンジン2の回転速度をエンジン状態算出部が算出する。

0036

次にステップS103では、ステップS102で取得された取得結果をもとに閉弁力F5の脈動を算出する。閉弁力F5の脈動の波長および振幅は、前述の通り、供給圧力P1から求めることができる。そして、供給圧力P1は、吐出口圧力P0に対して伝播遅れ位相I0分変化した脈動であるから、供給圧力P1は吐出口圧力P0から求めることが可能である。

0037

吐出口圧力P0は前述の通り、取得部による取得結果をもとに算出することができる。また、伝播遅れ位相I0は燃料配管7の形状および燃料の温度等によって決まる。燃料温度は、例えば、エンジン2に取り付けられたエンジン2の冷却水温を検出する図示しない水温センサにより算出することができる。伝播遅れ位相I0は、燃料温度による遅れと燃料配管7の形状による遅れとの対応関係のマップを予め記録しておくことで算出することができる。伝播遅れ位相I0、クランク角センサ9の取得結果および吐出口圧力P0の脈動の対応関係のマップを予め記録しておくことで閉弁力F5の脈動を算出する。ステップS103の処理を行うプロセッサは脈動算出部に該当する。

0038

ステップS104では、開弁可能期間TD2を算出する。ステップS104の処理を行うプロセッサは期間算出部に該当する。開弁可能期間TD2は、ステップS103の脈動算出部により算出された脈動する閉弁力F5と開弁力F2とを比較し、閉弁力F5よりも開弁力F2の方が大きくなることで噴射弁4が開弁可能な開弁可能期間TD2として算出される。

0039

ステップS105では、基本遅れ期間TD4を算出する。基本遅れ期間TD4は、車両に搭載されたバッテリ電圧に応じて変化するため、バッテリ電圧が小さいほど基本遅れ期間TD4は長くなる。バッテリ電圧と基本遅れ期間TD4との対応関係を予めマップとして記録しておくことで算出する。

0040

ステップS106では、期間算出部で算出された開弁可能期間TD2の開始タイミングt2および終了タイミングt3のそれぞれを基本遅れ期間TD4分早くした補正開始タイミングt2aと補正終了タイミングt3aを算出する。補正開始タイミングt2aから補正終了タイミングt3a期間が補正後期間TD5である。ステップS106の処理を行うプロセッサは補正後期間算出部に該当する。

0041

次にステップS107では、補正前の通電開始タイミングtonを補正後期間内となるように通電開始タイミングton1を設定する。ステップS107の処理を行うプロセッサは通電開始タイミング設定部に該当する。より好ましくは、閉弁力F5の値が下限値F5Dとなる下限タイミングtBと開弁開始タイミングtop1とが一致するように噴射弁4への通電開始タイミングton1を設定する。具体的には、下限タイミングtBよりも基本遅れ期間TD4だけ早いタイミングで噴射弁4への通電を行うように補正前の通電開始タイミングtonを補正し通電開始タイミングton1として設定する。

0042

通電開始タイミングton1が設定されると図9の制御フローは終了する。

0043

以上により、本実施形態によれば、補正前の通電開始タイミングtonが補正後期間TD5内となるよう噴射弁4への通電のタイミングを補正し通電開始タイミングton1として設定する。これにより、通電を開始してから開弁力F2が発生するまでに基本遅れ期間TD4分かかった場合においても、開弁力F2が発生するタイミングである開弁力発生タイミングtf2は開弁可能期間TD2に重なる。つまり、開弁力発生タイミングtf2と開弁開始タイミングtop1が一致する。よって、開弁力発生タイミングtf2と実際に開弁を開始する開弁開始タイミングtop1との時間的な遅れが生じることを抑制することができる。つまり、通電開始タイミングton1から開弁開始タイミングtop1までの期間が基本遅れ期間TD4よりも長くなることを抑制することができる。これにより、噴射弁4からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供することができる。

0044

また、仮に閉弁力F5の上限値F5Tよりも大きな開弁力F2を生じさせようとする場合、ソレノイド43に生じる電圧を高くする必要がある。そのため、噴射弁4の大型化が必要となる。しかしながら、本実施形態のように、補正前の通電開始タイミングtonを補正し、開弁可能期間TD2に通電開始タイミングton1を設定することにより、噴射弁4を大型化することなく噴射弁4の開弁開始タイミングtop1を制御することが可能である。つまり、噴射弁4を大型化することなく噴射弁4からの添加剤の噴射量が目標噴射量に対してばらつくことを低減することが可能な排気浄化制御装置を提供することができる。

0045

さらに、ステップS107による通電開始タイミング設定部は、下限タイミングtBと開弁開始タイミングtop1とが一致するように噴射弁4へ通電する。そして、下限タイミングtBは開弁可能期間TD2の中間点であるため、閉弁力F5の脈動の算出値誤差が生じ、開弁可能期間TD2にわずかなずれが生じた場合においても、通電開始タイミングton1は補正後期間TD5となる。つまり、より確実に通電開始タイミングton1から開弁開始タイミングtop1までの期間を短くすることが可能である。

0046

(第2実施形態)
本実施形態では、図10のように、仮決めされた補正前の通電終了タイミングtoffを、開弁遅れ期間TD3分遅くしたタイミングとなるように補正した通電終了タイミングtoff1を設定する制御を行う。これにより、推定された補正前の通電終了タイミングtoffは通電終了タイミングtoff1へ変更される。

0047

次に、上記補正を実現するためにECU5が行う補正処理について、図11を用いて説明する。

0048

ステップS100からステップS105までは、第1実施形態と同様の演算処理を行う。ステップS208では、仮決めされた補正前の通電開始タイミングtonとステップS103で算出された閉弁力F5とから、補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでの期間を開弁遅れ期間TD3として算出する。具体的には、噴射弁4への通電を開始し、開弁力発生タイミングtf2が開弁可能期間TD2である場合には、開弁遅れ期間TD3は補正前の通電開始タイミングtonから開弁力発生タイミングtf2までとなる。つまり、開弁遅れ期間TD3は基本遅れ期間TD4ということになる。

0049

一方、開弁力発生タイミングtf2が開弁不可能期間TD1であった場合には、開弁力発生タイミングtf2には開弁することができず、開弁不可能期間TD1と開弁可能期間TD2とが入れ替わったタイミングで開弁する。よって、開弁力発生タイミングtf2が開弁不可能期間TD1であった場合には、補正前の開弁開始タイミングtopは、補正前の通電開始タイミングtonに最も近い開弁可能期間TD2の開始タイミングt2である。よって、開弁遅れ期間TD3は、補正前の通電開始タイミングtonから開始タイミングt2までの期間として算出される。ステップS208の処理を行うプロセッサは開弁遅れ期間算出部に該当する。

0050

次にステップS209では、ステップS208で算出された開弁遅れ期間TD3に基づいて通電終了タイミングtoff1を設定する。具体的には、算出された開弁遅れ期間TD3分、補正前の通電終了タイミングtoffを遅くした通電終了タイミングtoff1を設定する。ステップS209の処理を行うプロセッサは通電終了タイミング設定部に該当する。

0051

このような本発明によれば、補正前の通電開始タイミングtonと脈動とに基づき補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでの期間を開弁遅れ期間TD3として算出する。さらに、エンジン2の運転状態に基づき算出される添加剤としての燃料の目標噴射量および補正前の通電開始タイミングtonから噴射弁4への補正前の通電終了タイミングtoffを算出し仮決めする。そして、仮決めされた補正前の通電終了タイミングtoffを、開弁遅れ期間TD3分遅くしたタイミングとなるように補正前の通電終了タイミング設定部が通電終了タイミングtoff1を設定する。

0052

仮に、開弁遅れ期間TD3を考慮せずに、推定された補正前の通電終了タイミングtoffで噴射弁4への通電を停止すると、開弁遅れ期間TD3分、噴射弁4が開弁している期間が短くなる。開弁している期間が短くなることにより目標とする噴射量より実際の噴射量が少なくなってしまう。

0053

しかしながら、本発明では、補正前の通電終了タイミングtoffを開弁遅れ期間TD3分遅くすることで、補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでに噴射できなかった分の燃料を噴射することができる。これにより、目標噴射量に近い量を排気管内に噴射することが可能である。よって、目標噴射量に対して噴射量がばらつくことを低減することが可能である。

0054

(第3実施形態)
本実施形態では、図12のように、推定された補正前の通電終了タイミングtoffから噴射弁4が閉弁を完了する閉弁完了タイミングtcleまでの期間を閉弁期間TD6として算出する。算出された閉弁期間TD6の長さに基づき補正前の通電終了タイミングtoffを補正し通電終了タイミングtoff1を設定する。これにより、閉弁完了タイミングtcleは補正閉弁完了タイミングtcle1へ補正される。

0055

上記補正を実現するためにECU5が行う補正処理について、図13を用いて説明する。

0056

ステップS100からステップS103までは、第1実施形態と同様の演算処理を行う。ステップS310では、ステップS103で算出された閉弁力F5に基づき、補正前の通電終了タイミングtoffから噴射弁4が閉弁を完了する閉弁完了タイミングtcleまでの期間を閉弁期間TD6として算出する。閉弁期間TD6は、ECU5のメモリに閉弁力F5と閉弁期間TD6との対応関係のマップを記録しておくことで算出する。具体的には、まず初めに、ステップS103で算出された閉弁力F5の脈動と仮決めされた補正前の通電終了タイミングtoffとから補正前の通電終了タイミングtoffにおける閉弁力F5の大きさを算出する。算出された閉弁力F5に基づき予め記録されたマップを参照することで閉弁期間TD6を算出する。ステップS310の処理を行うプロセッサは閉弁期間算出部に該当する。

0057

ステップS311では、閉弁期間TD6に基づき、ステップS101で仮決めされた補正前の通電終了タイミングtoffを補正し、通電終了タイミングtoff1を設定する。具体的には、算出された閉弁期間TD6が長いほど補正前の通電終了タイミングtoffを早くする補正を行い、閉弁期間TD6が短いほど補正前の通電終了タイミングtoffを遅くする補正を行う。補正量は、ECU5のメモリに閉弁期間TD6と通電終了タイミングtoff1との対応関係をマップとして予め記録しておき、ステップS310で算出された閉弁期間TD6に基づきマップを参照することで算出する。ステップS311の処理を行うプロセッサは閉弁設定部に該当する。

0058

補正前の通電終了タイミングtoffには、ニードル41と噴孔44との間は燃料で満たされている。そのため、通電が停止しソレノイド43による開弁力F2が0になったとしても、ニードル41と噴孔44との間に満たされた燃料の圧力がニードル41の下面に開弁方向に燃料開弁力として作用する。一方、ニードル41の上面には、脈動する供給圧力P1による添加剤力F1とバネ力F3とが閉弁力F5として作用している。

0059

ここで、補正前の通電終了タイミングtoffでは、燃料開弁力と添加剤力F1とは打ち消しあっている。しかし、前述の通り、ニードル41の上面にはバネ力F3も加わる。そのため、通電が停止すると、バネ力F3によりニードル41は徐々に閉弁方向に動く。ニードル41が閉弁方向に動くと、ニードル41と噴孔44との間に満たされていた燃料が少なくなっていく。そのため、燃料開弁力が小さくなる。つまり、添加剤力F1とバネ力F3との和である閉弁力F5が燃料開弁力に対して相対的に大きくなる。このとき、燃圧が大きいほどニードル41に加わる閉弁力F5は大きくなるためニードル41の閉弁が早くなる。つまり、補正前の通電終了タイミングtoffにおける閉弁力F5の大きさが、補正前の通電終了タイミングtoffからニードル41が噴孔44を完全に閉弁する閉弁完了タイミングtcleまでの期間の長さに影響する。

0060

例えば、閉弁力F5が大きいほど、補正前の通電終了タイミングtoffから閉弁完了タイミングtcleまでの期間である閉弁期間TD6が短くなる。そのため、目標とする噴射量よりも実際の噴射量が少なくなる可能性がある。

0061

しかしながら、本実施形態によれば、補正前の通電終了タイミングtoffから噴射弁4が完全に閉弁する閉弁完了タイミングtcleまでの期間を閉弁期間TD6として算出する。そして、閉弁期間TD6が大きいほど補正前の通電終了タイミングtoffに対して通電終了タイミングtoff1を早くし、閉弁期間TD6が小さいほど補正前の通電終了タイミングtoffに対して通電終了タイミングtoff1遅くする補正を行う。これにより、補正前の通電終了タイミングtoffから閉弁完了タイミングtcleまでの期間に噴射される噴射量のばらつきを少なくすることが可能である。よって、目標とする噴射量の正確性を向上することができる。

0062

(第4実施形態)
噴射弁4が取り付けられた第二排気管3内には、排気が流れる。第二排気管3内を通過する排気の圧力は、エンジン2の回転数に同期して脈動する。噴射弁4の噴孔44を閉弁するニードル41は、排気からの圧力を受ける。具体的には、排気圧力が高い時には、排気圧力はニードル41に対して開弁方向に働く。そのため、排気圧力が高い時には噴孔44は開弁しやすい。一方、排気圧力が低い時には、噴孔44は開弁しにくい。このことから、脈動する排気圧力の大きさに応じて、噴孔44の開弁のしやすさは変化する。そのため、補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでの期間である開弁遅れ期間TD3のばらつきが生じる。

0063

そこで本実施形態では、閉弁力F5の脈動に加えて排気圧力の脈動も考慮した開弁遅れ期間TD3を算出する。そして、本実施形態では、算出された開弁遅れ期間TD3に基づいて補正前の通電終了タイミングtoffの設定を行う。

0064

上記補正を実現するためにECU5が行う補正処理について、図14を用いて説明する。

0065

ステップS100からステップS103までは、第1実施形態と同様の演算処理を行う。ステップS412では、第二排気管3内を流れる排気の圧力の脈動を算出する。ステップS412の処理を行うプロセッサは圧力算出部に該当する。第二排気管3内を流れる排気圧力の脈動は、前述の通り、エンジン2の回転数に同期している。そのため、クランク角センサ9の検出値から排気の圧力脈動を算出することが可能である。

0066

ステップS408では、閉弁力F5と排気圧力とに基づいて開弁遅れ期間TD3を算出する。排気圧力による開弁の遅れは、排気圧力と噴射弁4の開弁のしやすさとの対応関係を予めECU5にマップを記録しておくことで算出する。閉弁力F5による開弁の遅れは、算出された閉弁力F5と補正前の通電開始タイミングtonとから算出する。そして、閉弁力F5による開弁の遅れと排気圧力による開弁の遅れとから開弁遅れ期間TD3を算出する。

0067

ステップS209では、補正前の通電終了タイミングtoffを算出された開弁遅れ期間TD3分遅くした通電終了タイミングtoff1に設定する。通電終了タイミングtoff1が設定されると図14の制御フローは終了する。

0068

ここで、本実施形態によれば、圧力算出部が、第二排気管3を通る脈動する排気圧力を算出する。補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでの期間を算出された排気圧力に基づいて推定し、推定された期間から補正前の通電終了タイミングtoffを決定する。

0069

これにより、閉弁力F5による脈動および排気圧力による脈動に基づく補正前の通電開始タイミングtonから補正前の開弁開始タイミングtopまでの期間のばらつきを補正することが可能である。そのため、噴射量のばらつきを低減することができ、噴射量の正確性を向上することが可能である。

0070

(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。

0071

第1実施形態から第4実施形態においては、DPFに燃料を噴射する装置に、本発明の排気浄化制御装置を適用した例を示した。しかし、例えば、DPFの代わりに吸蔵還元型NOx触媒選択還元型NOx触媒酸化触媒または三元触媒等が備えられた車両に適用してもよい。その場合には、添加剤は、燃料または尿素が用いられる。

0072

第1実施形態から第4実施形態においては、容積型ポンプ6はエンジン2の出力軸64に直接連結されて駆動していたが、例えば、プーリー等を介して連結されていてもよい。また、上記実施形態では容積型ポンプ6は回転ポンプの一つであるトロコイドギア式であったが、ギヤポンプまたはねポンプ等であってもよい。あるいは、回転ポンプでなくピストンポンプ等の往復ポンプであってもよい。

0073

上記第1実施形態から第4実施形態においては、ステップS100で噴射弁4に駆動要求があると判定された場合、ステップS101で補正前の通電開始タイミングtonは噴射弁4の駆動要求があったタイミングから所定時間後のタイミングに予約される。しかしながら、第2実施形態から第4実施形態においては、噴射弁4への駆動要求があった同時に通電を開始することとしてもよい。

0074

上記第1実施形態、第3実施形態および第4実施形態で、伝播遅れ位相I0あるいは閉弁力F5などマップを用いて算出しているが、予め記録された演算式を用いて算出してもよい。

0075

上記第3実施形態では、ステップS310で閉弁力F5から閉弁期間TD6を算出し、その後ステップS311で閉弁期間TD6に基づいて補正量を算出していた。しかしながら、閉弁力F5から直接補正量を算出してもよい。その場合は、閉弁力F5と補正量との対応関係に基づき予め記録されたマップを参照することで算出する。

0076

ECU5が実行する機能の一部または全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。

0077

ECU5は、非遷移的実体記録媒体に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。

0078

1…浄化システム、2…内燃機関、3…第二排気管、4…噴射弁、41…弁体、
42…バネ部材、43…ソレノイド、44…噴孔、64…出力軸

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