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技術 可変容量ポンプ及び内燃機関の作動油供給システム

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 渡辺靖永沼敦佐賀浩二大西秀明
出願日 2016年9月16日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-181740
公開日 2018年3月22日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-044524
状態 特許登録済
技術分野 回転型液体ポンプの応用細部
主要キーワード 回転方向他方側 フィードバック通路 数式演算 外接歯車 ピポット トロコイド形 略連続的 偏心移動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

制御性を向上できる可変容量ポンプを提供すること。

解決手段

可変容量ポンプは、制御室制御機構を備える。制御室は、ポンプ収容室可動部材との間にあり、可動部材が移動したときにその容積が変化可能である。制御室には、吐出部から吐出された作動油通路を介して導入される。制御機構は、スプール付勢部材、及び、ソレノイドを有する。スプールは、通路上にあり、筒状部内で移動することにより制御室への作動油の導入を制御可能である。スプールは、吐出部から筒状部内に導入される作動油の圧力により軸方向一方側に付勢される。付勢部材は、スプールを軸方向他方側に付勢する。ソレノイドは、スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて電磁力の大きさを変更可能である。

概要

背景

従来、可変容量ポンプが知られている。

概要

制御性を向上できる可変容量ポンプを提供すること。 可変容量ポンプは、制御室制御機構を備える。制御室は、ポンプ収容室可動部材との間にあり、可動部材が移動したときにその容積が変化可能である。制御室には、吐出部から吐出された作動油通路を介して導入される。制御機構は、スプール付勢部材、及び、ソレノイドを有する。スプールは、通路上にあり、筒状部内で移動することにより制御室への作動油の導入を制御可能である。スプールは、吐出部から筒状部内に導入される作動油の圧力により軸方向一方側に付勢される。付勢部材は、スプールを軸方向他方側に付勢する。ソレノイドは、スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて電磁力の大きさを変更可能である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

内部にポンプ収容室を有するハウジングと、前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油吐出部から吐出するポンプ構成体と、前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導入され、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が通路を介して導入され、前記可動部材が移動したときにその容積が変化可能な第2制御室と、前記通路上にあり、筒状部内で移動することにより前記第2制御室への作動油の導入を制御可能なスプールであって、前記吐出部から前記筒状部内に導入される作動油の圧力により軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて前記電磁力の大きさを変更可能なソレノイドを有する制御機構とを備える可変容量ポンプ

請求項2

内部にポンプ収容室を有するハウジングと、前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室の容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油を吐出部から吐出するポンプ構成体と、前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導かれ、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、筒状部内で移動可能であり、前記吐出部から前記筒状部内に導入された作動油によって軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を連続的に変更可能なソレノイドを有し、前記第1制御室内の圧力を制御可能な制御弁とを備える可変容量ポンプ。

請求項3

内燃機関作動油供給システムであって、内部にポンプ収容室を有するハウジングと、前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室の容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油を吐出部から吐出し前記内燃機関に供給するポンプ構成体と、前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導入され、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が通路を介して導入され、前記可動部材が移動したときにその容積が変化可能な第2制御室と、前記通路上にあり、筒状部内で移動することにより前記第2制御室への作動油の導入を制御可能なスプールであって、前記吐出部から前記筒状部内に導入された作動油により軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて前記電磁力の大きさを変更可能なソレノイドを有する制御機構と、前記内燃機関の所定の回転数領域において、前記吐出部から吐出される作動油の圧力の、所定の要求値に対する差が所定範囲内となるように、前記ソレノイドに供給する電流の値を変化させる制御部とを備える、内燃機関の作動油供給システム。

技術分野

0001

本発明は、可変容量ポンプに関する。

背景技術

0002

従来、可変容量ポンプが知られている。

先行技術

0003

特開2010−209718号公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来の可変容量ポンプでは、制御性を向上する余地があった。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一実施形態に係る可変容量ポンプは、好ましくは、制御室への作動油の導入を制御可能なスプール、及び、スプールを付勢する電磁力の大きさを変更可能なソレノイドを備えた。

発明の効果

0006

よって、制御性を向上できる。

図面の簡単な説明

0007

第1実施形態のエンジン作動油供給システム回路図である。
第1実施形態のポンプの一部の正面図である。
第1実施形態の制御弁の模式図である。
第1実施形態のソレノイドのデューティ比Dと電磁力fmとの関係を示す。
第1実施形態のポンプの作動状態を示す。
第1実施形態のポンプの作動状態を示す。
第1実施形態のポンプの作動状態を示す。
ポンプが実現するエンジン回転数吐出圧との関係を示す。
第1実施形態のポンプが実現するエンジン回転数と吐出圧との関係の一例を示す。
第3実施形態の制御弁の模式図である。
第3実施形態のポンプの作動状態を示す。
第3実施形態のポンプの作動状態を示す。
第4実施形態の制御弁の模式図である。
第4実施形態のポンプの作動状態を示す。
第4実施形態のポンプの作動状態を示す。
第5実施形態の制御弁の模式図である。
第5実施形態のポンプの作動状態を示す。
第5実施形態のポンプの作動状態を示す。
第6実施形態のポンプの一部の断面図である。
第6実施形態のポンプの作動状態を示す。
第7実施形態のポンプの一部の正面図である。
第7実施形態の制御弁の模式図である。
第7実施形態のポンプの作動状態を示す。

実施例

0008

以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。

0009

[第1実施形態]
まず、構成を説明する。本実施形態の可変容量ポンプ(以下、ポンプという。)2は、自動車内燃機関(エンジン)の作動油供給システム1に用いられるオイルポンプである。ポンプ2は、エンジンのシリンダブロック前端部などに設置され、エンジンの各摺動部や、エンジンの弁の作動特性可変制御する可変動弁装置バルブタイミング制御装置等)に、潤滑その他の機能を果たす流体であるオイル(作動油)を供給する。図1に示すように、エンジンの作動油供給システム1は、オイルパン400、通路4、ポンプ2、圧力センサ圧力測定部)51、回転数センサ回転数測定部)52、及びエンジンコントロールユニット(制御部)6を備える。オイルパン400は、エンジンの下部にあり、作動油が貯留する低圧部である。通路4は、例えばシリンダブロックの内部にあり、吸入通路40、吐出通路41、メインギャラリ42、制御通路43、及びリリーフ通路44を有する。吸入通路40の一端はオイルフィルタ401を介してオイルパン400に接続する。吸入通路40の他端はポンプ2に接続する。吐出通路41の一端はポンプ2に接続する。吐出通路41の他端はメインギャラリ42に接続する。吐出通路41にはオイルフィルタ410と圧力センサ51が設置されている。メインギャラリ42は、エンジンの各摺動部や可変動弁装置等に接続する。リリーフ通路44は、吐出通路41から分岐してオイルパン400に接続する。リリーフ通路44にはリリーフ弁440が設置されている。

0010

図2に示すように、ポンプ2はベーンポンプである。ポンプ2は、ハウジングシャフト駆動軸)21、ロータ22、複数のベーン23、カムリング24、スプリング(第1付勢部材)25、第1シール部材261、第2シール部材262、ピン27、及び制御機構3を有する。ハウジングは、ハウジング本体20とカバーを有する。図2はカバーを取り外したポンプ2を示す。ハウジング本体20は、内部にポンプ収容室200、吸入口(吸入部)201、及び吐出口(吐出部)203を有する。ポンプ収容室200は、有底筒状であり、ハウジング本体20の一側面に開口する。ポンプ収容室200の底面には、駆動軸21が収容される孔(軸収容孔)とピン27が固定される孔(ピン孔)が開口する。カバーはハウジング本体20の一側面に複数のボルトで取り付けられ、ポンプ収容室200の上記開口を閉塞する。吸入口201の一端は、ハウジング本体20の外表面に開口し、吸入通路40の他端が接続する。吸入口201の他端は、吸入ポート202としてポンプ収容室200の底面に開口する。吸入ポート202は、上記軸収容孔の周り方向に延びる溝(凹部)であり、上記軸収容孔に対し上記ピン孔の反対側にある。吐出口203の一端は、吐出ポート204としてポンプ収容室200の底面に開口する。吐出ポート204は、上記軸収容孔の周り方向に延びる溝(凹部)であり、上記軸収容孔に対し上記ピン孔の側にある。吐出口203の他端は、ハウジング本体20の外表面に開口し、吐出通路41の一端が接続する。なお、ポンプ収容室200を閉塞するカバーの面にも、ハウジング本体20の吸入ポート202や吐出ポート204に対応した溝がある。ロータ22、複数のベーン23、カムリング24、及びスプリング25は、ポンプ収容室200の内部にある。

0011

駆動軸21はハウジングに回転自在に支持される。駆動軸21はチェーンギア等によってクランクシャフトに連結される。ロータ22は周方向で駆動軸21に固定されている。ロータ22は円柱状である。ロータ22の軸方向一方側の面には、凹部221がある。ロータ22の内部には、径方向に延びるスリット222が複数(7つ)ある。スリット222の径方向内側には背圧室223がある。ロータ22の外周面220には径方向外側に突出する凸部224がある。スリット222は、凸部224に開口する。ベーン23はスリット222に収容される。凹部221には円環状の部材230が設置される。部材230の外周面は、各ベーン23の基端に対向する。カムリング24の内周面240は円筒状である。カムリング24の外周は径方向外側に突出する4つの突起241〜244を有する。第1突起241には第1シール部材261が設置される。第2突起242には第2シール部材262が設置される。第3突起243にはピン27が嵌合する。カムリング24の軸方向から見て、ピン27の軸心とカムリング内周面240の中心24Pとを通る直線を挟んで、第1突起241と第2突起242は反対側にある。第4突起244にはスプリング25の一端が設置される。

0012

ポンプ収容室200の内部には、ハウジングとカムリング24との間に、第1制御室291、第1制御室292、及びばね収容室293がある。第1制御室291は、カムリング24の外周面245における第1突起241(第1シール部材261)から第3突起243(ピン27)までの間と、ハウジング(ポンプ収容室200)の内周面との間の空間である。第1シール部材261とピン27により第1制御室291がシールされる。カムリング外周面245における第1シール部材261とピン27との間の第1領域246は、第1制御室291に面する。第2制御室292は、カムリング外周面245における第2突起242(第2シール部材262)から第3突起243(ピン27)までの間と、ハウジング(ポンプ収容室200)の内周面との間の空間である。第2シール部材262とピン27により第2制御室292がシールされる。カムリング外周面245における第2シール部材262とピン27との間の第2領域247は、第2制御室292に面する。第2領域247の面積(カムリング24の周方向で第2領域247が占める角度)は、第1領域246の面積(カムリング24の周方向で第1領域246が占める角度)よりも若干大きい。カムリング24における第2領域247に対応する部分(第2領域247に連続しポンプ収容室200の底面に対向するカムリング24の軸方向端面)の径方向幅は、第1領域246に対応する部分(第1領域246に連続しポンプ収容室200の底面に対向するカムリング24の軸方向端面)の径方向幅よりも、少なくとも径方向で吐出ポート204に隣接する領域において平均的に大きい。ばね収容室293は、カムリング外周面245における第1突起241(第1シール部材261)から第4突起244を経由して第2突起242(第2シール部材262)までの間と、ハウジング(ポンプ収容室200)の内周面との間の空間である。

0013

スプリング25は、圧縮コイルばねである。第4突起244におけるカムリング24の周方向一方側の面にスプリング25の一端が当接する。第4突起244におけるカムリング24の周方向他方側の面は、ポンプ収容室200(ばね収容室293)の内周面に対向し、この内周面に当接可能である。スプリング25の他端はポンプ収容室200(ばね収容室293)の内周面に設置される。スプリング25は圧縮された状態であり、初期状態で所定のセット荷重を有し、第4突起244を周方向他方側に常時付勢する。

0014

制御機構3は、制御通路43と制御弁7を有する。図1に示すように、制御通路43は、第1フィードバック通路431と第2フィードバック通路432を有する。第1フィードバック通路431の一端側は、吐出通路41から分岐する。第1フィードバック通路431の他端は、第1制御室291に接続する。第2フィードバック通路432は、供給通路433、制御通路434、連通路435、及び排出通路436を有する。供給通路433の一端側は、第1フィードバック通路431から分岐する。供給通路433の他端は、制御弁7に接続する。制御通路434の一端側は、供給通路433から分岐する。制御通路434の他端は、制御弁7に接続する。連通路435の一端は、制御弁7に接続する。連通路435の他端は、第2制御室292に接続する。排出通路436の一端は、制御弁7に接続する。排出通路436の他端は、オイルパン400に接続する。

0015

図3に示すように、制御弁7は、電磁弁ソレノイドバルブ)であり、弁部8とソレノイド部9を有する。弁部8は、シリンダ(筒状部)80、スプール81、スプリング(第2付勢部材)82、リテーナ83、及びストッパ84を有する。図3では、シリンダ80のみ断面を示す。ソレノイド部9は、ケース90、ソレノイド、プランジャロッド91、及びコネクタ92を有する。シリンダ80は、内周面800が円筒状であり、軸方向両端が開口する。シリンダ80は、複数のポートを有する。これらのポートは、シリンダ80を径方向に貫通する孔であり、シリンダ80の内周面800と外周面802に開口する。これらのポートは、シリンダ80の内周側の空間とともに、第2フィードバック通路432の一部として機能する。複数のポートは、供給ポート803、制御ポート804、連通ポート805、及び排出ポート806を有する。シリンダ80の軸方向一方側から他方側に向かって、排出ポート806、連通ポート805、供給ポート803、制御ポート804の順に並ぶ。制御ポート804には、制御通路434の他端が接続する。制御ポート804は、制御通路434(第2フィードバック通路432)及び吐出通路41を介して吐出口203に連通する。制御ポート804は、吐出口203から吐出された作動油をシリンダ80内に導入可能である。供給ポート803には、供給通路433の他端が接続する。供給ポート803は、供給通路433(第2フィードバック通路432)、吐出通路41を介して吐出口203に連通する。供給ポート803は吐出口203から吐出された作動油をシリンダ80内に導入可能である。連通ポート805には、連通路435の一端が接続する。連通ポート805は、連通路435を介して第2制御室292に連通する。連通ポート805は、シリンダ80内と第2制御室292とを連通する。排出ポート806には、排出通路436の一端が接続する。排出ポート806は、排出通路436を介して、オイルパン400に連通する。排出ポート806は、シリンダ80内から作動油を排出可能である。

0016

スプール81は、第2フィードバック通路432上にある弁体バルブ)である。シリンダ80の内部にあり、シリンダ内周面800に沿って、シリンダ80の軸方向に往復移動可能である。スプール81は、第1ランド部811、第2ランド部812、及び細軸部814を有する。第2ランド部812は、スプール81の軸方向一方側の端にある。第1ランド部811は、スプール81の軸方向他方側の端にある。細軸部814は、第1ランド部811と第2ランド部812の間にあり、両ランド部811,812を接続する。第1ランド部811の直径と第2ランド部812の直径は同じである。両ランド部811,812の直径は、シリンダ内周面800の直径より僅かに小さい。細軸部814の直径は両ランド部811,812の直径よりも小さい。各ランド部811,812は、シリンダ内周面800に摺接する。

0017

リテーナ83は有底筒状であり、底部831に孔830がある。リテーナ83は、シリンダ80の軸方向一方側の端にある。リテーナ83の筒状部832はシリンダ80の内周に嵌合する。ストッパ84は円環状であり、中央部に孔840がある。ストッパ84はシリンダ80の軸方向一方側の端にあり、シリンダ80の開口を部分的に閉塞する。ストッパ84の軸方向他方側の面はリテーナ83の底部831に対向する。

0018

シリンダ80の内部には、液室として、第1ランド部811と第2ランド部812との間に空間807が隔成され、第1ランド部811とソレノイド部9のケース90との間に空間808が隔成される。第2ランド部812とリテーナ83との間に空間809が隔成される。空間807は、シリンダ内周面800、細軸部814の外周面、第1ランド部811の軸方向一方側の面、及び第2ランド部812の軸方向他方側の面の間にある。空間807は円筒状(環状)である。空間807には、供給ポート803が初期状態で開口し、連通ポート805が常時開口する。空間807には、排出ポート806が開口しうる。空間808は、シリンダ内周面800、第1ランド部811の軸方向他方側の面、及びケース90の軸方向一方側の面の間にある。空間808には、制御ポート804が常時開口する。空間809は、シリンダ80の内周側において、第2ランド部812の軸方向一方側の面とリテーナ83の底部831との間にある。空間809には、排出ポート806が初期状態で開口する。スプリング82は、圧縮コイルスプリングであり、空間809に設置される。空間809はスプリング82を収容するばね室として機能する。スプリング82の一端側はリテーナ83の内周側に嵌合し、スプリング82の一端はリテーナ83の底部831に当接する。スプリング82の他端はスプール81(第2ランド部812)の軸方向一方側の端面に当接する。スプリング82は圧縮された状態であり、初期状態で所定のセット荷重を有し、スプール81を軸方向他方側に常時付勢する。

0019

ソレノイド部9は、弁部8の軸方向他方側に結合し、シリンダ80の軸方向他方側の開口を閉塞する。ソレノイド部9は、コネクタ92を介して電流の供給を受ける電磁石である。
ソレノイドとプランジャはケース90内に収容される。ソレノイド(コイル)は、通電されることで電磁力を発生する。プランジャ(アーマチュア)は、磁性材からなり、ソレノイドの内周側にあって、軸方向に移動可能である。プランジャは、ソレノイドが発生する電磁力により軸方向に付勢される。ロッド91は、プランジャに結合し、その一端はシリンダ80の内周側(空間808)に突出し、その端面はスプール81(第1ランド部811)の軸方向他方側の端面に対向する。ロッド91は、ソレノイドがスプール81を軸方向に付勢するための部材として機能する。ロッド91はスプール81とは別にある(別体である)。上記電磁力は、ロッド91を介してスプール81を軸方向一方側に付勢する。この電磁力(スプール81を推進させるソレノイド推力)をfmとする。ソレノイドは、供給される電流の値に応じてfmの大きさを連続的に変更可能である。ソレノイド部9はPWM制御され、ソレノイドの電流値はデューティ比Dで与えられる。図4に示すように、fmはデューティ比D(ソレノイドの電流値)に応じて変化する。Dが所定値D1未満(不感帯)では、Dの大きさに関わらず、fmは最小値ゼロである(発生しない)。DがD1以上かつ所定値D2未満では、Dに応じてfmが変化し、Dが大きいほどfmは大きくなる。DがD2以上では、Dの大きさに関わらず、fmは最大値fmaxである。

0020

圧力センサ51は、ポンプ2の吐出口203から吐出通路41に吐出された作動油の圧力、言い換えるとメインギャラリ42の圧力(メインギャラリ油圧P)を検出(測定)する。回転数センサ52は、エンジン(クランクシャフト)の回転数Neを検出(測定)する。

0021

エンジンコントロールユニット(以下、ECU)6は、入力された情報と内蔵されたプログラムに基づき、制御弁7の開閉動作(すなわちポンプ2の吐出量)を制御する。これにより、エンジンに供給される作動油の圧力や流量を制御する。ECU6は、受信部、中央処理ユニット(CPU),リードオンリメモリ(ROM),ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び駆動回路を含み、これらが双方向性コモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ主体とする。受信部は、圧力センサ51および回転数センサ52の検出値その他のエンジン運転状態油温水温エンジン負荷等)に関する情報を受信する。ROMは、制御プログラムマップデータ等を記憶する記憶部である。CPUは、読み出した制御プログラムに基づき、受信部から入力される情報を用いて、演算を行う演算部である。CPUは、制御弁7(ソレノイド部9)に供給する電流の値その他の演算を行う。演算結果に応じた制御信号を駆動回路に出力する。駆動回路は、CPUからの制御信号に応じてソレノイドに電力を供給し、ソレノイドへの供給電流を制御する。駆動回路はPWM制御回路であり、制御信号に応じて、ソレノイドの駆動信号パルス幅(デューティ比D)を変化させる。

0022

エンジン作動中には、制御プログラムが実行され、制御弁7(ポンプ2)が制御される。ECU6は、エンジンの所定の回転数領域(Ne≧Ne1)において、任意のエンジン回転数Neで、メインギャラリ油圧Pの、所定の要求値P*に対する差が所定範囲内となるように、ソレノイドに供給する電流の値(デューティ比D)を変化させる。Ne1はあらかじめ設定された回転数である。要求値P*は、可変動弁装置の作動に必要な油圧や、エンジンピストン冷却用オイルジェット要求油圧や、クランクシャフトの軸受の潤滑に要する油圧等であり、Neその他のエンジン運転状態に応じた理想的な値として予め設定される。ECU6のROMには、Neごとに(エンジン運転状態に応じて)変化させるデューティ比D及びP*がマップとして記憶されている。ECU6は、マップに基づき、Neに応じてDを変化させる。マップは、例えば、吐出圧、油温、水温、エンジン負荷等をパラメータとしても設定することができる。

0023

次に、作用を説明する。カムリング24は、ロータ22と複数のベーン23を収容することで複数のポンプ室作動室)28を隔成する。ロータ22と複数のベーン23は、ポンプ2を構成する要素(ポンプ構成体)として機能する。ロータ22の外周面220、隣り合う2枚のベーン23、カムリング内周面240、ポンプ収容室200の底面、及びカバーの側面により、作動室28が区画形成(画成)される。複数の作動室28の各々について、回転に伴い作動室28の容積が変化可能であり、作動室28の容積が回転によって増減することでポンプ作用をなす。回転に応じて、吸入ポート202に重なる範囲(吸入領域)で作動室28の容積は増加し、作動室28は作動油を吸入ポート202から吸入する。吐出ポート204に重なる範囲(吐出領域)で作動室28の容積は減少し、作動室28は作動油を吐出ポート204へ吐出する。作動室28の最大容積と最小容積との差により、ポンプ2の理論吐出量(1回転当たりの吐出量)すなわち容量が決まる。クランクシャフトの回転がチェーンおよびギアによりポンプ2の駆動軸21へ伝達される。駆動軸21はロータ22を回転駆動する。図2反時計回り方向にロータ22は回転する。ロータ22を含むポンプ構成体は、回転駆動されることによって、吸入口201から導かれた作動油を吐出口203から吐出する。なお、背圧室223には吐出圧が導入され、ベーン23をスリット222から押し出すことで、作動室28の液密性を向上する。エンジン回転数が低く、遠心力や背圧室223の圧力が低い場合でも、円環状の部材230がベーン23をスリット222から押し出すことで、作動室28の液密性が向上する。ポンプ2は、オイルパン400から吸入通路40を介して作動油を吸上げ、吐出通路41へ作動油を吐出する。ポンプ2は、吐出通路41及びメインギャラリ42を介してエンジンの各部へ作動油を圧送する。リリーフ弁440は、吐出通路41の圧力(吐出圧)が所定の高圧になると開弁し、吐出通路41からリリーフ通路44を介して作動油を排出する。

0024

作動室28の容積の変化量(最大容積と最小容積との差)は可変である。カムリング24は、ポンプ収容室200の内部で移動可能な部材(可動部材)であり、ピン27を中心に回転揺動が可能である。ピン27は、ポンプ収容室200の内部にあるピポット部(支点)として機能する。カムリング24が回転揺動することで、ロータ22の軸心(回転中心)22Pとカムリング内周面240の軸心(中心)24Pとの差(偏心量Δ)が変わる。偏心量Δが変わることで、ロータ22及び複数のベーン23の回転時における複数の作動室28の各々の容積の増減量容積変化量)が変わる。すなわち、ポンプ2は可変容量形であり、Δを大きくして容量を増大し、Δを小さくして容量を減少させることが可能である。また、第1制御室291及び第2制御室292は、カムリング24が移動したときにその容積が変化可能である。

0025

カムリング24は、スプリング25により、ピン27を中心とする回転方向一方側(複数の作動室28の各々の容積の増減量が増大し、偏心量Δが大きくなる側)に付勢される。このばね力をFsとする。カムリング24は、第1制御室291内の作動油の圧力を受ける。カムリング外周面245の第1領域246は、第1制御室291の圧力を受ける受圧面として機能する。カムリング24は、上記油圧により、ピン27を中心とする回転方向他方側(Δが小さくなる側)に付勢される。この油圧による力(油圧力)をFp1とする。第1制御室291の容積は、カムリング24が上記回転方向他方側(スプリング25の付勢力Fsに抗する方向)に移動したときに、増大する。カムリング24は、第2制御室292内の作動油の圧力を受ける。カムリング外周面245の第2領域247は、第2制御室292の圧力を受ける受圧面として機能する。カムリング24は、上記油圧により、上記回転方向一方側に付勢される。この油圧による力(油圧力)をFp2とする。第2制御室292の容積は、カムリング24が上記回転方向一方側(Fsと同じ方向)に移動したときに、増大する。カムリング24の回転方向位置(偏心量Δすなわち容量)は、主にFp1,Fp2,Fsで決まる。Fp1がFp2とFsの和(Fp2+Fs)より大きくなると、カムリング24は、上記回転方向他方側に揺動し、Δ(容量)が小さくなる。Fp1が(Fp2+Fs)より小さくなると、カムリング24は、上記回転方向一方側に揺動し、Δ(容量)が大きくなる。

0026

第1制御室291には、吐出口203から吐出された作動油(メインギャラリ42の油圧P)が第1フィードバック通路431を介して導入される。第2制御室292には、吐出口203から吐出された作動油(メインギャラリ油圧P)が第2フィードバック通路432(供給通路433、制御弁7、連通路435)を介して導入されうる。第2制御室292の内部の作動油は排出通路435を介して排出されうる。制御弁7は、第2制御室292への作動油の導入及び第2制御室292からの作動油の排出を制御可能である。スプール81は、移動することにより、通路の接続状態切換える。具体的には、第1ランド部811は供給ポート803の開口面積を変化させ、第2ランド部812は排出ポート806の開口面積を変化させる。連通ポート805の開口は、両ランド部によって閉塞されない。空間807は作動油の通路となる。スプール81が移動することにより、連通路435と供給通路433との接続及び遮断、又は、連通路435と排出通路436との接続及び遮断が、切換わる。この切換わり時には、連通路435が、供給通路433と排出通路436のどちらか一方に連通し、他方に対し遮断することを基本とする。具体的には、第1ランド部811が空間807における供給ポート803の開口を完全に閉塞した状態で、第2ランド部812が排出ポート806を空間807に開口させる。第2ランド部812が空間807における排出ポート806の開口を完全に閉塞した状態で、第1ランド部811が供給ポート803を空間807に開口させる。空間807における連通ポート805の開口は常に全開となる。なお、切換え時に(スプール81の所定位置で一時的に)、連通路435が供給通路433と排出通路436の両方に連通したり両方に対し遮断したりする場合もあり得る。また、空間807における連通ポート805の開口が部分的に閉塞される場合もあり得る。これらはチューニングによって決まる。

0027

スプール81は、通路の接続状態を切換えることにより、(連通路435と供給通路433を介した)吐出口203と第2制御室292との連通及び遮断を切り換えるとともに、(連通路435と排出通路436を介した)第2制御室292とオイルパン400との連通及び遮断を切り換える。スプール81が初期位置にあるとき、連通路435と供給通路433とが接続し、ポンプ2の吐出口203と第2制御室292とが連通した状態にあり、吐出口203から吐出された作動油が第2制御室292に導入される(第1状態)。スプール81が初期位置から軸方向一方側に移動すると、連通路435と排出通路436とが接続し、第2制御室292とオイルパン400とが連通した状態になり、第2制御室292の内部から作動油が排出される(第2状態)。第1状態では第2状態が抑制される。第2状態では第1状態が抑制される。よって、吐出口203から吐出され第2制御室292に導入される作動油の量が増えるとき、第2制御室292内から排出される作動油の量が減少する。吐出口203から吐出され第2制御室292に導入される作動油の量が減るとき、第2制御室292内から排出される作動油の量が増加する。ポンプ2の吐出口203から吐出された作動油(メインギャラリ油圧P)は、制御通路434(制御ポート804)を介してシリンダ80の内部(空間808)に導入される。スプール81(第1ランド部811)は、空間808内の作動油の圧力Pを受け、この油圧Pにより軸方向一方側に付勢される。この油圧Pによる力(油圧力)をfpとする。空間808はfpを発生する制御室として機能する。また、スプール81は、スプリング82により軸方向他方側に付勢される。このばね力をfsとする。電磁力fmがゼロのとき、シリンダ80に対するスプール81の軸方向位置は、主にfpとfsで決まる。吐出口203から吐出される作動油の量(メインギャラリ油圧P)に応じてfpは変化する。fpがfsより大きくなると、スプール81は軸方向一方側に移動し、第2状態を実現する。fpがfsより小さくなると、スプール81は軸方向他方側に移動し、第1状態を実現する。

0028

ソレノイド推力fmがゼロ(デューティ比Dがゼロ)のときの、制御弁7の作動とそれに伴うカムリング24の作動を説明する。図5図6で、油圧力fpは右方向に、ばね力fsは左方向にスプール81に作用する。エンジン回転数Neが所定値Ne2以下のとき、ポンプ2の回転数も所定値以下であり、メインギャラリ油圧Pは所定値P2以下となる。PがP2以下であるため、fpは所定値以下であり、fpがfs(スプリング82のセット荷重)以下になる。図5に示すように、スプール81は軸方向他方側に最も寄った初期位置にあり、空間807における供給ポート803の開口面積は設定上の最大値となる一方、空間807における排出ポート806の開口は第2ランド部812によって完全に閉塞されている。供給通路433から空間807に導入された油圧Pは、圧力損失無く第2制御室292へ導入される。空間807は作動油が流通する連通室として機能する。カムリング24に作用するFp1よりも(Fp2+Fs(スプリング25のセット荷重))が大きいため、カムリング24は、回転方向一方側に最も揺動した位置にあり、最大の偏心量Δを維持する。図8に示すように、NeがNe2以下の領域で、最大の容量に応じた一定勾配で、Neに応じてP(吐出流量)が変化する。

0029

エンジン回転数NeがNe2より高いとき、ポンプ2の回転数も所定値より高い。メインギャラリ油圧PがP2に達すると、油圧力fpが所定値に達し、fpがばね力fs(スプリング82のセット荷重)より大きくなる。図6に示すように、スプール81は初期位置から軸方向一方側に若干移動する。デューティ比Dがゼロであるため、fmは作用しておらず、ロッド91はスプール81から離れている。空間807における供給ポート803の開口は第1ランド部811によって完全に閉塞される一方、第2ランド部812も移動するので空間807に排出ポート806が開口する。すなわち、第2制御室292の接続先は供給ポート803から排出ポート806へ切換わる。第2制御室292から空間807及び排出通路436を介して作動油が排出されるため、第2制御室292の油圧は低下する。カムリング24に作用する(Fp2+Fs)がFp1より小さくなるため、カムリング24は、回転方向他方側に揺動し、偏心量Δが減少する。Δ(容量)が減少すると、吐出流量が減少し、メインギャラリ油圧Pが低下する。PがP2以下になると、再び図5の状態となり、第2制御室292へ油圧Pが導かれ、Fp2が増加し、偏心量Δが増加する。Δ(容量)が増加すると、吐出流量が増加し、メインギャラリ油圧Pが上昇する。このように、油圧PがP2に対し上昇した場合にはPを下げるように、P2に対し低下した場合にはPを上げるようにスプール81が作動して、第2制御室292への作動油の給排を交互に切り替える。これにより、図8に示すように、NeがNe2より高い領域で、Neに関わらず、PがP2及びその近傍に維持(制御)される。

0030

ソレノイドは推力fmを連続的に変更可能である。図4に示すように、fmはデューティ比Dに応じて変化する。ソレノイドは、電流値(デューティ比D)に応じてfmを無段階に制御可能な比例電磁石として機能する。基本的にDを大きくすればfmが大きくなる。fmの大きさを変更することで、スプール81が移動を開始するときのメインギャラリ油圧(吐出口203から吐出される作動油の圧力)P、言い換えるとエンジン回転数Neに関わらず一定に制御(維持)される油圧P**が可変となる。すなわち、シリンダ80に対するスプール81の軸方向位置は、fmと油圧力fpとばね力fsで決まる。fmとfpの和(fm+fp)がfsより大きくなると、スプール81は軸方向一方側に移動する。(fm+fp)がfsより小さくなると、スプール81は軸方向他方側に移動する。fmはfpを助勢アシスト)し、より低い油圧P(小さいfp)でスプール81が軸方向一方側に移動するように制御する。すなわち、スプール81の作動によって一定値を維持するよう制御される油圧(制御油圧)P**を低くする。よって、図8に示すように、D(fmの大きさ)に応じて、P2以下の値にメインギャラリ油圧Pを制御できるようになる。Dが大きいほど制御油圧P**が低くなり、Dが小さいほど制御油圧P**が高くなる。ソレノイド部9は、fmを変更することで、スプリング82の荷重を実質的に変更(制御)する機能を有する。

0031

ソレノイド推力fmがゼロより大きい(デューティ比DがD1より大きい)ときの、制御弁7の作動とそれに伴うカムリング24の作動を説明する。エンジン回転数Neが所定値Ne3以下のときの作動状態は図5と同じである。ここで、Ne1<Ne3<Ne2である。デューティ比D(電流値)に比例したfmが発生するため、図中、ロッド91はスプール81を右方向に押している。これは、fpをfmが補助していること同義である。(fm+fp)がfs(スプリング82のセット荷重)以下であれば、図5に示すように、スプール81は初期位置にある。カムリング24は最大の偏心量Δを維持する。図8に示すように、NeがNe3以下の領域で、最大の容量に応じた一定勾配で、Neに応じてP(吐出流量)が変化する。NeがNe3より高いとき、PがP3に達すると、fpが所定値に達し、(fm+fp)がfs(スプリング82のセット荷重)より大きくなる。図7に示すように、スプール81が初期位置から軸方向一方側に移動する。DがD1より大きいため、ロッド91はスプール81に接し、fmがスプール81に作用している。第2制御室292から作動油が排出されるため、偏心量Δが減少する。PがP3以下になると、再び図5の状態となり、第2制御室292へ油圧Pが導かれ、Δが増加する。これにより、図8に示すように、NeがNe3より高い領域で、Neに関わらず、PがP3及びその近傍に維持(制御)される。

0032

ECU6は、記憶されたマップに従い、Ne1以上のエンジン回転数Neの領域において、Neの所定範囲ごとにデューティ比Dを離散的に変化させる(Dを所定幅で切り換える)。これにより、図9実線で示すような、Neに対するメインギャラリ油圧Pの特性が実現される。Dが一定であるNeの所定範囲内では、このDに応じた制御油圧P**(一定値)が実現される。Dが切り換わる境界となるNeの範囲では、偏心量Δが最大となり、最大の容量に応じた一定勾配で、Neに応じてPが変化する。これが複数回繰り返されることにより、階段状の上記特性が実現される。デューティ比Dは、上記特性が所定の要求特性に近づくように、Neに対して予め設定されている。例えば、任意のNe(≧Ne1)で、上記実現される特性におけるPと上記要求特性におけるP(要求値P*)との差が所定範囲内となるように、Neに対するDの変化が設定される。このように、ソレノイドは、デューティ比D(供給される電流の値)に応じて、スプール81を軸方向に付勢する電磁力fmの大きさを変更可能である。よって、Neに応じて、Dを変えることにより、メインギャラリ油圧P(制御油圧P**)及び吐出流量を自在に変える(制御する)ことができる。Neに対するP及び吐出流量の特性を、容易に、所望の特性に近づけることができる。これにより、不必要な吐出圧上昇(流量増大)による動力損失を抑制して燃費を向上可能である。なお、上記では説明のために特性を階段状に表したが、実際の制御では、階段の数を無数に増やし、すなわちNeに応じてPを無段階的に制御し、Pを要求油圧P*に沿わせて略連続的に制御することが可能である。

0033

ECU6は、エンジン回転数Neが予め設定された値Ne1未満のとき、ソレノイドに電流を供給しない。NeがNe1未満のとき、吐出口203から吐出された作動油が第2制御室292に導かれる。これにより、偏心量Δが最大の状態で、吐出口203から作動油を吐出可能となる。よって、エンジン始動開始後、エンジン回転数の増大に応じて吐出圧を速やかに上昇させる(例えば可変動弁装置の作動応答性を確保する)ことができる。

0034

スプール81は、吐出口203からシリンダ80内に導入される作動油の圧力により軸方向一方側に付勢され、シリンダ80内で移動することにより第2制御室292への作動油の導入を制御可能である。よって、吐出圧がパイロット圧となってスプール81に作用することで、スプール81の作動(第2制御室292への作動油の導入)の状態がフィードバック制御され、吐出圧を自動的に制御油圧P**に制御することができる。スプール81は、吐出口203から吐出された作動油が第2制御室292に導入される第1状態と、第2制御室292内から作動油が排出される第2状態とを実現可能であり、軸方向一方側に移動することで第2状態を実現する。よって、吐出圧Pがスプール81に作用し、スプール81が軸方向一方側に移動すると、第2制御室292内から作動油が排出され、容量が減少(吐出圧Pが低下)しうる。これにより、吐出圧Pを制御油圧P**に制御することができる。このとき、吐出圧Pの制御は、制御弁7のポートの切換えによって行われるため、カムリング24のスプリング25のばね定数による影響を受けない。また、吐出圧Pの制御は、ポートの切換えに係るスプール81の狭いストロークの範囲で行われるため、制御弁7のスプリング82のばね定数による影響も少ない。よって、エンジン回転数Neの変化に対し制御油圧P**をフラットな特性としやすい。

0035

具体的には、シリンダ80は、吐出口203から吐出された作動油をシリンダ80内に導入可能な供給ポート803、シリンダ80内と第2制御室292とを連通する連通ポート805、及び、シリンダ80内から作動油を排出可能な排出ポート806を有する。スプール81は、供給ポート803の開口面積を変化させる第1ランド部811、及び、排出ポート806の開口面積を変化させる第2ランド部812を有する。このようなスプール弁の単純な構成により、弁部8は、第2制御室292内の圧力を制御することができる。より具体的には、シリンダ80は、吐出口203に連通する供給ポート803(第1の供給口)及び制御ポート804(第2の供給口)、第2制御室292に連通する連通ポート805、並びに、オイルパン400(低圧部)に連通する排出ポート806を有し、スプール81は、吐出部から制御ポート804を介してシリンダ80内に導入される作動油の圧力を受け、シリンダ80内で移動することにより、供給ポート803及び連通ポート805を介した吐出口203と第2制御室292との連通及び遮断を切り換えるとともに、連通ポート805及び排出ポート806を介した第2制御室292とオイルパン400との連通及び遮断を切り換える。このようなスプール弁の単純な構成により、弁部8は、第2制御室292内の圧力を制御することができる。なお、排出ポート806は、低圧部に連通していればよく、オイルパン400(大気圧)に限らず、例えば(吸入負圧が発生する)吸入口201の側に連通していてもよい。

0036

ソレノイドは、スプール81が移動を開始するときの、吐出口203から吐出される作動油の圧力Pを、電磁力fmの大きさを変更することで可変とする。よって、スプール81の作動により制御されるメインギャラリ油圧P(制御油圧P**)を、ソレノイドによって可変とすることができる。ソレノイド部9がスプール81を軸方向に付勢するための部材(ロッド91)がスプール81とは別にある。よって、断線などによりソレノイド部9が作動しなくなる故障時にも、弁部8が油圧に応じて自動的に作動することができる。これにより、所定の制御油圧P**を実現可能である。ソレノイド部9はスプール81を軸方向一方側に付勢する。これにより、フェールセーフ機能を実現する。すなわち、fmはfpと同じ方向(fpをアシストする方向)に作用する、図8に示すように、fmが小さくなると、より高い油圧P(大きいfp)でスプール81が軸方向一方側に移動するようになる。すなわち、制御油圧P**が高くなる。fmがゼロのとき、P**が最も高いP2となる。よって、ソレノイド部9の故障時にもP**が高圧となり、最大吐出圧P2でエンジンに作動油を供給することが可能であるため、潤滑不良によるエンジンの焼き付き等を抑制できる。

0037

制御機構3は、吐出口203から吐出され第2制御室292に導入される作動油の量が増えるとき、第2制御室292内から排出される作動油の量を減少させ、吐出口203から吐出され第2制御室292に導入される作動油の量が減るとき、第2制御室292内から排出される作動油の量を増加させる。よって、第2制御室292の内圧を高めたいときに十分に高め、下げたいときに十分に下げることができるため、低圧から高圧までの幅広い範囲で上記内圧を制御することが可能となる。また、カムリング24の動作が安定し、吐出圧が安定する。なお、カムリング外周面245において第1制御室291に面する第1領域246の面積と第2制御室292に面する第2領域246の面積を等しくしてもよいし、第2領域247の面積を第1領域246の面積より小さくしてもよい。本実施形態では、第2領域247の面積(受圧面積)は、第1領域246の面積(受圧面積)よりも大きい。よって、ポンプ2を高速運転中、安定した制御油圧P**を供給可能である。すなわち、エンジン回転数(ポンプ回転数)が上昇すると、作動油内気泡が発生しうる。この気泡が吐出領域において作動室28内で潰れると、カムリング24に作用する圧力のバランス崩れてカムリング24の挙動が不安定になり、P**が低下するおそれがある。これに対し、第1制御室291の圧力と第2制御室292の圧力が同じでも、Fp2のほうがFp1よりも大きい。このため、作動室28からカムリング24に作用する圧力のバランスが崩れたとしても、カムリング24を偏心量Δが増大する方向に付勢し、カムリング24の挙動の不安定化を抑制できる。よって、P**の低下を抑制し、安定したP**を供給可能である。

0038

第1制御室291の容積は、カムリング24がスプリング25の付勢力Fsに抗する方向に移動したときに増大する。すなわち、Fp1はFsと反対方向に作用する。第2制御室292の容積は、カムリング24がFsと同じ方向に移動したときに増大する。すなわち、Fp2はFsと同じ方向に作用し、Fsをアシストする。Fp1と(Fp2+Fs)との大小関係により、カムリング24の作動が決定される。よって、偏心量Δが増大する方向にカムリング24を作動させるために、Fsが小さくて済む。スプリング25の荷重を小さくできる。このため、Δが減少する方向にカムリング24を作動させるために、Fp1が小さくて済む。すなわち、Δが減少する方向にカムリング24が作動する際の吐出圧を低くできる。言換えると、低い制御油圧P**を実現可能である。カムリング24は、ポンプ収容室200の内部にある支点の周りに揺動可能である。よって、カムリング24が作動する範囲をコンパクトにし、ポンプ2の小型化を図ることができる。

0039

第2制御室292の圧力を下げると、吐出ポート204の圧力との差が大きくなる。このため、カムリング24の軸方向側面とポンプ収容室200の底面との間の隙間を通って作動油がリークする量が増加するおそれがある。これに対し、カムリング24の第2領域247における径方向幅は、第1領域246における径方向幅よりも大きい。よって、第2制御室292の側で第1制御室291の側よりもシール性が向上するため、上記リークを抑制することができる。第1制御室291には吐出圧が常時導入されており、吐出ポート204の圧力との差が小さい。よって、シール性を向上させる(上記径方向幅を増大させる)のは第2制御室292の側のみとし、無駄な重量増を抑制している。

0040

[第2実施形態]
まず、構成を説明する。第1実施形態とはECU6の構成のみ異なる。ECU6は、メインギャラリ油圧Pを検出し、これを要求値P*に近づけるようフィードバック制御する。ECU6は、メインギャラリ油圧Pの要求値P*に対する検出値の差が所定範囲内となるよう、デューティ比D(ソレノイドに供給する電流値)を変化させる。ECU6は、エンジン回転数NeがNe1未満の場合、Dをゼロとする。NeがNe1以上の場合、圧力センサ51が検出(測定)した油圧Pと、回転数センサ52が検出(測定)した任意の回転数Neにおいてエンジンに求められる油圧P*との差ΔP(=P*−P)を算出する。ΔPの大きさが予め設定された値ΔPsetより大きいとき、ΔPの大きさがΔPset以下になるまで、ΔPの大きさが小さくなるように、Dを変化させる。ΔPの大きさがΔPset以下のとき、Dを(ΔPの大きさがΔPset以下となる直前の値に)維持する。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0041

よって、エンジン回転数Neの変化に応じた吐出圧Pの特性が要求特性に近づくよう、制御弁7及びカムリング24が作動する。差圧ΔPに応じてデューティ比Dをフィードバック制御することで、ポンプ2における部材間クリアランスによるリーク(作動油の漏出)等の影響を回避しつつ、Pの特性をより正確に制御できる。なお、PをP*にフィードバック制御する方法は上記に限らず任意である。ΔPsetをより小さく設定することで、第1実施形態と同様、階段状のステップを更に細かく、連続的に変更することが可能である。ΔPsetはゼロでもよい。ΔPsetをゼロでない値とし、ΔPの大きさがΔPset以下の場合にDを変化させないことで、制御のハンチングを抑制できる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0042

[第3実施形態]
まず、構成を説明する。制御弁7についてみると、図10に示すように、弁部8のシリンダ80Aの軸方向一方側の端部は開口せず閉塞する。スプリング82の一端はシリンダ80Aの上記端部に当接する。シリンダ80Aの軸方向他方側の内周面801Aは、軸方向一方側の内周面800よりも、直径が大きい。供給ポート803及び制御ポート804は、シリンダ内周面801Aに開口する。第1ランド部811Aの直径は、第2ランド部812Aの直径より大きい。第1ランド部811Aはシリンダ内周面801Aに設置され、内周面801Aに摺接する。スプール81Aを軸方向に貫通する孔815Aがある。孔815Aはスプール81Aの軸心にある。ロッド91Aはシリンダ80Aの軸方向に延び、シリンダ80Aの径方向で内周面801Aの軸心に対しオフセット偏心)する。ロッド91Aはスプール81A(第1ランド部811A)の軸方向端面における孔815Aの開口を塞がない。第1ランド部811Aと第2ランド部812Aとの間の空間807Aは、直径の異なる円筒が同じ軸線上に重なる、段付きの円筒状である。第1ランド部811Aとソレノイド部9のケース90との間の空間808A、及び、第2ランド部812Aとシリンダ80Aの軸方向一方側の端部との間の空間809Aには、孔815Aが常時開口する。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0043

次に、作用を説明する。孔815Aは、スプール81Aの軸方向一方側と他方側とを連通させる連通孔として機能する。よって、空間808Aと空間809Aが連通して同じ圧力となる。第1ランド部811Aの直径(空間808Aの作動油の圧力を受ける面の面積)は、第2ランド部812Aの直径(空間809Aの作動油の圧力を受ける面積)より大きい。このため、空間808A,809Aに油圧p1が発生すると、第1ランド部811Aと第2ランド部812Aとの上記受圧面積差にp1を乗じた大きさの油圧力fp1がスプール81Aに対し軸方向一方側に作用する。また、空間807Aに油圧p2が発生すると、第1ランド部811Aと第2ランド部812Aとの上記受圧面積差にp2を乗じた大きさの油圧力fp2がスプール81Sに対し軸方向他方側に作用する。P2はp1以下である。よって、スプール81Aには、fp1からfp2を減じた大きさの油圧力fpが軸方向一方側に作用する。(fm+fp)がfs以下であれば、図11に示すように、図5と同様、スプール81Aは初期位置にあり、連通ポート805には供給ポート803が連通する。第2制御室292へ導入される油圧Pにより偏心量Δは最大となる。P1が上昇し、(fm+fp)がfsより大きくなれば、図12に示すように、図6と同様、スプール81Aは初期位置から軸方向一方側に移動し、連通ポート805には排出ポート806が連通する。第2制御室292から作動油が排出されるため、Δが減少する。

0044

上記受圧面積差を小さく設定すればfpが小さくなる。上記受圧面積差を、第1実施形態の空間808における第1ランド部811の受圧面積よりも小さくすることができる。これにより、fp1の大きさを第1実施形態のfpよりも小さくすることができる。また、fp2の分だけ、fpは小さくなる。よって、fpの大きさを第1実施形態よりも小さくできる。fpの大きさが小さくなれば、スプリング82のセット荷重も小さくできる。この場合、fmを大きくする必要がないため、ソレノイド部9の小型化、省電力化が可能である。また、孔815Aを介して空間808と空間809が常時連通するため、シリンダ80A(空間809A)の軸方向一方側の端部を閉塞しても、スプール81Aが、スプール81Aとシリンダ内周面800との間で隔成された空間の圧力に影響を受けずに動作可能である。よって、孔830を有するリテーナ83や、孔840を有するストッパ84を省略して、シリンダ80の簡素化を図ることができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0045

[第4実施形態]
まず、構成を説明する。制御弁7についてみると、図13に示すように、弁部8のシリンダ80Bの軸方向他方側の内周面801Bは、軸方向一方側の内周面800よりも、直径が小さい。制御ポート804は、内周面801Bに開口する。スプール81Bは、第3ランド部813を有する。第1ランド部811の軸方向他方側に細軸部814Bが延びる。細軸部814Bの軸方向他方側の端に第3ランド部813がある。第3ランド部813は第1ランド部811及び第2ランド部812Bよりも直径が小さい。第3ランド部813は内周面801Bに設置され、内周面801Bに摺接する。第2ランド部812Bの軸方向一方側の端面には凹部816がある。スプリング82の軸方向他方側の端は凹部816に設置される。スプール81Bを軸方向に貫通する孔815Bがある。孔815Bはスプール81Bの軸心にある。ロッド91Bは、第3実施形態のロッド91Aと同じく、内周面801Bの軸心に対しオフセットする。シリンダ80Bの内部には、液室として、第3ランド部813と第1ランド部811との間に空間807Bが隔成され、第3ランド部813とケース90との間に空間808Bが隔成される。空間807Bは、直径の異なる円筒が同じ軸線上に重なる、段付きの円筒状である。空間807Bには、制御ポート804が常時開口し、供給ポート803が開口しうる。空間808B及び空間809には、孔815Bが常時開口する。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0046

次に、作用を説明する。孔815Bは、スプール81Bの軸方向一方側と他方側とを連通させる連通孔として機能する。よって、空間808Bと空間809が連通して同じ圧力(大気圧)となる。メインギャラリ油圧Pは、制御通路434(制御ポート804)を介して空間807Bに導入される。第1ランド部811の直径(空間807Bの作動油の圧力を受ける面の面積)は、第3ランド部813の直径(空間807Bの作動油の圧力を受ける面積)より大きい。このため、空間807Bに油圧Pが発生すると、第1ランド部811と第3ランド部813との上記受圧面積差にPを乗じた大きさの油圧力fpがスプール81Bに対し軸方向一方側に作用する。(fm+fp)がfs以下であれば、図14に示すように、図5と同様、スプール81Bは初期位置にあり、連通ポート805には供給ポート803が連通する。第2制御室292へ導入される油圧Pにより偏心量Δは最大となる。Pが上昇し、(fm+fp)がfsより大きくなれば、図15に示すように、図6と同様、スプール81は初期位置から軸方向一方側に移動し、連通ポート805には排出ポート806が連通する。第2制御室292から作動油が排出されるため、Δが減少する。上記受圧面積差を小さく設定すればfpが小さくなる。よって、第3実施形態と同様、スプリング82のセット荷重を小さく設定し、ソレノイド部9の小型化、省電力化が可能である。

0047

孔815Bにより空間808Bは大気圧となる。よって、制御弁7をエンジン外部に取り付ける場合でも、空間808Bからソレノイド部9と弁部8との接続部位を通ってシリンダ80の外部へ作動油がリークすることを抑制できる。他の作用効果は第3実施形態と同じである。なお、シリンダ80B(空間809)の軸方向一方側の端部を閉塞してもよい。本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0048

[第5実施形態]
まず、構成を説明する。制御弁7についてみると、図16に示すように、弁部8のシリンダ80Cの軸方向他方側が閉塞する。ソレノイド部9は弁部8の軸方向一方側に結合し、シリンダ80Cの軸方向一方側の開口を閉塞する。シリンダ80Cを径方向に貫通する孔806Cがある。孔806Cは排出ポート806の軸方向一方側にある。シリンダ80Cの内部には、液室として、第1ランド部811とシリンダ80Cの軸方向他方側の端部との間に空間808が隔成される。第2ランド部812とソレノイド部9のケース90との間に空間809が隔成される。空間809は、シリンダ内周面800、第2ランド部812の軸方向一方側の面、ケース90の軸方向他方側の面との間にある。空間809には、排出ポート806が初期状態で開口し、孔806Cが常時開口する。孔806Cは空間809をシリンダ80Cの外部の低圧部(大気)に開放する。スプリング82の一端はケース90の軸方向他方側の端面に当接する。ロッド91の一端は空間809に突出し、その端面はスプール81(第2ランド部812)の軸方向一方側の端面に対向する。ロッド91はスプリング82の内周側にある。スプール81の移動(スプリング82の伸縮)に応じてロッド91は移動可能である。ケース90の内部にある戻しばねの付勢力等により、スプール81の位置に関わらず、ロッド91の端面はスプール81(第2ランド部812)の軸方向一方側の端面に当接した状態を常時保つことが可能である。ソレノイドは、ロッド91を介してスプール81を軸方向他方側(スプリング82がスプール81を付勢するのと同じ側)に付勢する電磁力fmを発生可能である。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0049

次に作用を説明する。スプール81(第1ランド部811)は、空間808内の作動油の圧力Pを受け、この油圧Pにより軸方向一方側に付勢される。ソレノイド推力fmはばね力fsと同じく軸方向他方側に作用する。図17,図18で、fpは右方向に、fs,fmは左方向にスプール81に作用する。fpが(fs+fm)以下であれば、図17に示すように、図5と同様、スプール81は初期位置にあり、連通ポート805には供給ポート803が連通する。第2制御室292へ導入される油圧Pにより偏心量Δは最大となる。fpが(fs+fm)より大きければ、図18に示すように、図6と同様、スプール81は初期位置から軸方向一方側に移動し、連通ポート805には排出ポート806が連通する。第2制御室292から作動油が排出されるため、Δが減少する。fmはfsをアシストし、より高い油圧P(大きいfp)でスプール81が軸方向一方側に移動するように制御する。すなわち、制御油圧P**を高くする。デューティ比D(fm)が大きいほどP**が高くなり、Dが小さいほどPが低くなる。よって、吐出圧Pを低い油圧に制御する(P**を低くする)場合にDを小さくすることが可能である。これにより、低油圧(低流量)に制御するとき(エンジンの低回転時)の消費電力を削減することが出来る。

0050

孔806Cにより空間809は大気圧となる。よって、制御弁7をエンジン外部に取り付ける場合でも、空間809からソレノイド部9と弁部8との接続部位を通ってシリンダ80Cの外部へ作動油がリークすることを抑制できる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0051

[第6実施形態]
まず、構成を説明する。図19に示すように、ポンプ2はカムリング24Aの移動がスライド式である。ポンプ2は、第1実施形態の第1シール部材261、第2シール部材262、及びピン27を有しない。ハウジング本体20Aのポンプ収容室200Aの内周面は、平面205〜207を有する。これらの平面205〜207はロータ22Aの軸心22APと平行に広がる。平面205,206は互いに平行であり、平面207はこれらの平面205,206と直交する方向に広がる。カムリング24Aの外周は径方向外側に突出する4つの突起246〜249を有する。第1突起246と第2突起247は、カムリング内周面240Aの軸心24APを挟んで反対側にあり、第3突起248と第4突起249は、軸心24APを挟んで反対側にある。第1突起246、第2突起247、及び第3突起248は平面を有し、これらの平面は軸心24APと平行に広がる。第1突起246の平面と第2突起247の平面は互いに平行である。両平面間の距離は、ハウジング本体20Aの平面205,206の間の距離より僅かに短い。第1突起246の平面及び第2突起247の平面はそれぞれ平面205,206に対向する。第3突起248の平面は第1突起246(第2突起247)の平面と直交する方向に広がり、ポンプ収容室200Aの内周面の平面207に対向する。第4突起249にはスプリング25Aの一端が設置される。

0052

第1制御室291Aは、カムリング外周面245Aにおける第1突起246から第3突起248を経由して第2突起247までの間と、ポンプ収容室200Aの内周面との間の空間である。第2制御室292Aは、カムリング外周面245Aにおける第1突起246から第4突起249を経由して第2突起247までの間と、ポンプ収容室200Aの内周面との間の空間である。ばね収容室293Aは、第2制御室292Aと一体の有底筒状であり、スプリング25Aの他端側が設置される。第1突起246の平面とポンプ収容室200Aの平面205との間の隙間、及び、第2突起247の平面とポンプ収容室200Aの平面206との間の隙間が小さいため、第1制御室291Aと第2制御室292A(ばね収容室293A)との間がシールされる。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0053

次に作用を説明する。図19の時計回り方向にロータ22Aは回転する。カムリング24Aは、ポンプ収容室200Aの内部で、平面205,206に沿ってスライド移動(ロータ22の径方向に直線的に移動)が可能である。平面205,206は、ポンプ収容室200Aの内部にある上記移動の案内部(ガイド)として機能する。カムリング24Aが並進運動することで、ロータ22Aの軸心(回転中心)22APとカムリング内周面240Aの軸心(中心)24APとの差(偏心量Δ)が変わる。また、第1制御室291A及び第2制御室292Aは、カムリング24Aが移動したときにその容積が変化可能である。カムリング24Aの位置(偏心量Δ)は、第1制御室291A内の圧力による力Fp1,第2制御室292A内の圧力による力Fp2,及びスプリング25Aの付勢力Fsで決まる。Fp1が(Fp2+Fs)より大きくなると、カムリング24Aは、Δ(容量)が小さくなる側に移動する。Fp1が(Fp2+Fs)より小さくなると、カムリング24Aは、Δ(容量)が大きくなる側に移動する。fpがfs以下であれば、図20に示すように、図5と同様、スプール81は初期位置にあり、連通ポート805には供給ポート803が連通する。第2制御室292Aへ導入される油圧Pにより偏心量Δは最大となる。fpがfsより大きければ、図6と同様、スプール81は初期位置から軸方向一方側に移動し、連通ポート805には排出ポート806が連通する。第2制御室292Aから作動油が排出されるため、Δが減少する。このように、カムリング24Aが並進運動することで偏心量Δ(容量)が変わる構成であるため、各制御室291A,292Aの構成を簡素化できる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0054

[第7実施形態]
まず、構成を説明する。ポンプ2についてみると、図21に示すように、カムリング24Bの軸方向から見て、ピン27Bの軸心とカムリング内周面240Bの中心24BPとを通る直線に関し、第1突起241Bと第2突起242Bは同じ側にある。第1突起241Bは、第2突起242Bと第3突起243B(ピン27B)の間にある。第1突起241B及び第2突起242Bは、上記直線を挟んで第4突起244Bと反対側にある。第1制御室291Bは、カムリング外周面245Bにおける第1突起241B(第1シール部材261B)から第3突起243B(ピン27B)までの間と、ポンプ収容室200Bの内周面との間の空間である。第1制御室291Bに面するポンプ収容室200Bの底面には、吐出ポート204B(の一部)及び吐出口203Bが開口する。第2制御室292Bは、カムリング外周面245Bにおける第1突起241B(第1シール部材261B)から第2突起242B(第2シール部材262B)までの間と、ポンプ収容室200Bの内周面との間の空間である。カムリング外周面245Bにおける第1シール部材261Bと第2シール部材262Bとの間の第2領域247Bは、第2制御室292に面する。第1シール部材261Bと第2シール部材262Bにより第2制御室292Bがシールされる。第2制御室292Bに面するポンプ収容室200Bの底面には、連通路435の他端が開口する。ばね収容室293Bは、カムリング外周面245Bにおける第3突起243B(ピン27B)から第4突起244Bを経由して第2突起242B(第2シール部材262B)までの間と、ポンプ収容室200Bの内周面との間の空間である。ばね収容室293Bに面するポンプ収容室200Bの底面には、吸入ポート202B(の一部)及び吸入口201Bが開口する。吐出ポート204Bは、作動室28Bと第1制御室291Bの両方に連通し、第1フィードバック通路431として機能する。

0055

制御弁7についてみると、図22に示すように、シリンダ80Dの軸方向一方側の端部は開口せず閉塞する。スプリング82の一端はシリンダ80Dの上記端部に当接する。シリンダ80Dを径方向に貫通する第2排出ポート806Eがある。シリンダ80Dの軸方向一方側から他方側に向かって、第2排出ポート806E、供給ポート803D、連通ポート805D、排出ポート806D、制御ポート804の順に並ぶ。空間807には、排出ポート806が初期状態で開口する。空間807には、連通ポート805Dが常時開口し、供給ポート803Dが開口しうる。シリンダ80Dの内部には、第2ランド部812とシリンダ80Dの軸方向一方側の端部との間に空間809が隔成される。空間809には、供給ポート803Dが初期状態で開口し、第2排出ポート806Eが常時開口する。第2排出ポート806Eは、排出通路436を介して、オイルパン400に連通する。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0056

次に作用を説明する。図21の時計回り方向にロータ22Bは回転する。カムリング24Bは、スプリング25のばね力Fsにより、ピン27Bを中心とする回転方向一方側(複数の作動室28Bの各々の容積の増減量が増大し、偏心量Δが大きくなる側)に付勢される。カムリング24Bは、外周面245Bの第1領域246Bが受ける第1制御室291B内の油圧Pによる力Fp1、及び第2領域247Bが受ける第2制御室292B内の油圧Pによる力Fp2により、ピン27Bを中心とする回転方向他方側(複数の作動室28Bの各々の容積の増減量が減少し、Δが小さくなる側)に付勢される。第1制御室291Bの容積及び第2制御室292Bの容積は、カムリング24Bが上記回転方向他方側(Fsと反対方向)に移動したときに、増大する。Fp1とFp2の和(Fp1+Fp2)がFsより大きくなると、カムリング24Bは上記回転方向他方側に揺動するため、Δ(容量)が小さくなる。(Fp1+Fp2)がFsより小さくなると、カムリング24Bは、ピン27Bを中心とする回転方向一方側(Δが大きくなる側)に揺動するため、容量が大きくなる。

0057

スプール81の第1ランド部811は排出ポート806Dの開口面積を変化させ、第2ランド部812は供給ポート803Dの開口面積を変化させる。スプール81が初期位置にあるとき、第2ランド部812が空間807における供給ポート803Dの開口を閉塞した状態で、第1ランド部811が排出ポート806Dを空間807に開口させる。連通路435と排出通路436とが接続し、第2制御室292Bの内部から作動油が排出される。なお、空間809から第2排出ポート806Eを介して作動油が排出されることで、空間809が空間808より低圧に保たれる。スプール81が初期位置から軸方向一方側に移動すると、第1ランド部811が空間807における排出ポート806Dの開口を閉塞した状態で、第2ランド部812が供給ポート803Dを空間807に開口させる。連通路435と供給通路433とが接続し、吐出口203Bから吐出された作動油が第2制御室292Bに導入される。(fm+fp)がfs(スプリング82のセット荷重)以下であれば、図23に示すように、スプール81は初期位置にあり、連通ポート805Dには排出ポート806Dが連通する。第2制御室292Bから作動油が排出されるため、Fp2が小さくなる。(Fp1+Fp2)がFs(スプリング25のセット荷重)より小さければ、偏心量Δは最大となる。Pが上昇し、(fm+fp)がfsより大きくなれば、スプール81は初期位置から軸方向一方側に移動し、連通ポート805Dには供給ポート803Dが連通する。第2制御室292Bへ導入される油圧PによりFp2が大きくなる。(Fp1+Fp2)がFsより大きくなれば、Δが減少する。スプール81は、吐出口203Bから吐出された作動油が第2制御室292Bに導入される第1状態と、第2制御室292B内から作動油が排出される第2状態とを実現可能であり、軸方向一方側に移動することで第1状態を実現する。よって、吐出圧Pがスプール81に作用し、スプール81が軸方向一方側に移動すると、第2制御室292Bへ作動油が導入され、容量が減少(吐出圧Pが低下)しうる。これにより、吐出圧Pを制御油圧P**に制御することができる。

0058

このように、カムリング24Bがスプリング25Bの付勢力Fsに抗する方向に移動したときに第1制御室291B及び第2制御室292Bの容積が増大する(第2制御室292Bの圧力が偏心量Δを小さくする方向に作用する)構成であるポンプ2に、本発明を適用可能である。エンジン回転数Neに対するメインギャラリ油圧Pの特性を、容易に、所望の特性に近づけることができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0059

[第8実施形態]
まず、構成を説明する。ポンプ2についてみると、基本構成は第1実施形態(図2)と同じであるが、第1制御室291のみを有し、第2制御室292を有しない。具体的には、第2突起242及び第2シール部材262を有しない。制御弁7についてみると、基本構成は第1実施形態(図3)と同じであるが、シリンダ80は制御ポート804を有せず、供給ポート803、連通ポート805、及び排出ポート806のみを有する。制御通路43についてみると、基本構成は第1実施形態(図1)と同じであるが、吐出通路41から分岐する第1フィードバック通路431のみを有し、第2フィードバック通路432を有しない。第1フィードバック通路431は、供給通路433、連通路435、及び排出通路436を有する。供給通路433の一端側は吐出通路41から分岐し、供給通路433の他端は制御弁7の供給ポート803に接続する。連通路435の一端は制御弁7の連通ポート805に接続し、連通路435の他端は、第1制御室291に接続する。排出通路436の一端は制御弁7の排出ポート806に接続し、排出通路436の他端はオイルパン400に接続する。シリンダ80の内部は、スプール81の1つのランド部により軸方向一方側に画成される第1空間と、上記ランド部により軸方向他方側に画成される第2空間を有する。第1空間には、供給ポート803が常時開口し、連通ポート805が開口しうる。第2空間には、排出ポート806が常時開口し、初期状態で連通ポート805が開口する。スプリング82はfsによりスプール81を軸方向一方側に付勢する。ソレノイド部9はfmによりスプール81を軸方向他方側に付勢可能である。スプール81(上記ランド部)は、第1空間内に導入される作動油の圧力Pを受け、この油圧Pによる力fpにより軸方向他方側に付勢される。他の構成は第1実施形態と同じであるため、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。

0060

次に作用を説明する。カムリング24は、スプリング25のばね力Fsにより、ピン27を中心とする回転方向一方側(複数の作動室28の各々の容積の増減量が増大し、偏心量Δが大きくなる側)に付勢される。カムリング24は、外周面245の第1領域246が受ける第1制御室291内の油圧Pによる力Fp1により、ピン27を中心とする回転方向他方側(複数の作動室28の各々の容積の増減量が減少し、Δが小さくなる側)に付勢される。Fp1がFsより大きくなると、カムリング24は、上記回転方向他方側に揺動するため、Δ(容量)が小さくなる。Fp1がFsより小さくなると、カムリング24は、ピン27を中心とする回転方向一方側(Δが大きくなる側)に揺動するため、容量が大きくなる。スプール81の上記ランド部は連通ポート805の開口面積を変化させる。スプール81が初期位置にあるとき、上記ランド部が第1空間における連通ポート805の開口を閉塞し、連通ポート805を第2空間に開口させる。連通路435と排出通路436とが接続し、第1制御室291の内部から作動油が排出される。スプール81が初期位置から軸方向他方側に移動すると、上記ランド部が連通ポート805を第1空間に開口させ、第2空間における連通ポート805の開口面積を減少させる。連通路435と供給通路433とが接続し、吐出口203から吐出された作動油が第1制御室291に導入される。(fm+fp)がfs(スプリング82のセット荷重)以下であれば、スプール81は初期位置にあり、第1制御室291から作動油が排出されるため、Fp1が小さくなる。Fp1がFs(スプリング25のセット荷重)より小さければ、偏心量Δは最大となる。Pが上昇し、(fm+fp)がfsより大きくなれば、スプール81は初期位置から軸方向他方側に移動し、第1制御室291へ導入される油圧PによりFp1が大きくなる。Fp1がFsより大きくなれば、Δが減少する。

0061

このように、制御機構3(制御弁7)が第1制御室291内の圧力を制御する構成であるポンプ2にも、本発明を適用可能である。エンジン回転数Neに対するメインギャラリ油圧Pの特性を、容易に、所望の特性に近づけることができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成を、第1実施形態以外の実施形態に適用することも可能である。

0062

[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明したが、本発明の具体的な構成は、実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ポンプは自動車やエンジン以外の機械装置の作動油供給システムに用いることが可能である。ベーンポンプの具体的構成は実施形態に限定されず、適宜変更可能である。ポンプは可変容量形であればよく、ポンプ構成体としてベーン以外の部材を用いてもよい。ポンプ構成体の回転時における複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材として、カムリング以外の部材を用いてもよい。例えば、ポンプはトロコイド形ギアポンプであってもよい。この場合、外接歯車であるアウタロータ偏心移動可能に配置し、その外周側に制御室やスプリングを配置することで、可変容量形とすることができる(アウタロータが可動部材に相当する)。

0063

ECUの演算部及び受信部は、実施形態においてはマイクロコンピュータ内のソフトウェアによって実現されるが、電子回路によって実現してもよい。演算は、数式演算だけでなく、ソフトウェア上での処理全般を意味する。受信部は、マイクロコンピュータのインターフェイスであってもよいし、マイクロコンピュータ内のソフトウェアであってもよい。制御信号は、電流値に関するものであってもよいし、ロッドの推力に関するものであってもよい。ソレノイドへの供給電流を制御する方法はPWM制御に限らない。エンジンの回転数に応じた電流値が、マップにより予め設定されていてもよい。エンジン回転数の変化に応じてソレノイドの制御信号を変化させる特性情報は、マイクロコンピュータ内のマップによって実現される代わりに、演算によって実現されてもよい。

0064

[実施形態から把握しうる技術的思想
以上説明した実施形態から把握しうる技術的思想(又は技術的解決策。以下同じ。)について、以下に記載する。
(1) 本技術的思想の可変容量ポンプは、その1つの態様において、
内部にポンプ収容室を有するハウジングと、
前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室の容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油を吐出部から吐出するポンプ構成体と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、
前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導入され、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、
前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が通路を介して導入され、前記可動部材が移動したときにその容積が変化可能な第2制御室と、
前記通路上にあり、筒状部内で移動することにより前記第2制御室への作動油の導入を制御可能なスプールであって、前記吐出部から前記筒状部内に導入される作動油の圧力により軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて前記電磁力の大きさを変更可能なソレノイドを有する制御機構と
を備える。
(2) より好ましい態様では、前記態様において、
前記スプールは、前記吐出部から吐出された作動油が前記第2制御室に導入される第1状態と、前記第2制御室内から作動油が排出される第2状態とを実現可能であり、前記軸方向一方側に移動することで前記第2状態を実現する。
(3) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記ソレノイドは、前記スプールが移動を開始するときの、前記吐出部から吐出される作動油の圧力を、前記電磁力の大きさを変更することで可変とする。
(4) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記制御機構は、前記吐出部から吐出され前記第2制御室に導入される作動油の量が増えるとき、前記第2制御室内から排出される作動油の量を減少させ、前記吐出部から吐出され前記第2制御室に導入される作動油の量が減るとき、前記第2制御室内から排出される作動油の量を増加させる。
(5) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記筒状部は、前記吐出部から吐出された作動油を前記筒状部内に導入可能な供給口、前記筒状部内と前記第2制御室とを連通する連通口、及び、前記筒状部内から作動油を排出可能な排出口を有し、
前記スプールは、前記供給口の開口面積を変化させる第1ランド部、及び、前記排出口の開口面積を変化させる第2ランド部を有する。
(6) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記第1ランド部の直径は、前記第2ランド部の直径より大きい。
(7) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記筒状部は、前記吐出部から吐出された作動油を前記筒状部内に導入可能な第2の供給口を有し、
前記スプールは第3ランド部を有し、前記筒状部内には前記第3ランド部と前記第1ランド部との間に液室が隔成され、前記液室に前記第2の供給口が開口し、前記第3ランド部は前記第1ランド部よりも直径が小さい。
(8) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記ソレノイドが前記スプールを軸方向に付勢するための部材が前記スプールとは別にある。
(9) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記筒状部は、前記吐出部に連通する第1の供給口及び第2の供給口、前記第2制御室に連通する連通口、並びに、低圧部に連通する排出口を有し、
前記スプールは、前記吐出部から前記第2の供給口を介して前記筒状部内に導入される作動油の圧力を受け、前記筒状部内で移動することにより、前記第1の供給口及び前記連通口を介した前記吐出部と前記第2制御室との連通及び遮断を切り換えるとともに、前記連通口及び前記排出口を介した前記第2制御室と前記低圧部との連通及び遮断を切り換える。
(10) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記ソレノイドは、前記スプールを前記軸方向他方側に付勢する電磁力を発生可能である。
(11) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記スプールを軸方向に貫通する孔がある。
(12) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記筒状部には、前記スプールの軸方向一端と前記筒状部の内周との間の空間を前記筒状部の外部の大気に開放する孔がある。
(13) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記第2制御室の容積は、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力と同じ方向に移動したときに増大する。
(14) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記第1制御室に面する第1受圧面と、前記第2制御室に面し前記第1受圧面よりも受圧面積が大きい第2受圧面とを有する。
(15) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記ポンプ収容室内で支点の周りに揺動可能である。
(16) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記ポンプ収容室内で並進運動可能である。
(17) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記ポンプ収容室内にある支点の周りに揺動可能であり、
前記第2制御室の容積は、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときに増大する。
(18) また、他の観点から、本技術的思想の可変容量ポンプは、その1つの態様において、
内部にポンプ収容室を有するハウジングと、
前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室の容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油を吐出部から吐出するポンプ構成体と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、
前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導かれ、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、
筒状部内で移動可能であり、前記吐出部から前記筒状部内に導入された作動油によって軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を連続的に変更可能なソレノイドを有し、前記第1制御室内の圧力を制御可能な制御弁と
を備える。
(19) 本技術的思想の内燃機関の作動油供給システムは、その1つの態様において、
内部にポンプ収容室を有するハウジングと、
前記ポンプ収容室内にあり、回転に伴い複数の作動室の容積が変化可能であり、回転駆動されることによって吸入部から導かれた作動油を吐出部から吐出し前記内燃機関に供給するポンプ構成体と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記ポンプ構成体を収容することで前記複数の作動室を隔成する可動部材であって、その内周の中心が前記ポンプ構成体の回転中心に対して偏心する量が変化するように移動することで前記ポンプ構成体の回転時における前記複数の作動室の各々の容積の増減量を変化させる可動部材と、
前記ポンプ収容室内にあり、前記複数の作動室の各々の容積の前記増減量が増大する方向に前記可動部材を付勢する第1付勢部材と、
前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が導入され、前記可動部材が前記第1付勢部材の付勢力に抗する方向に移動したときにその容積が増大する第1制御室と、
前記ポンプ収容室と前記可動部材との間にあり、前記吐出部から吐出された作動油が通路を介して導入され、前記可動部材が移動したときにその容積が変化可能な第2制御室と、
前記通路上にあり、筒状部内で移動することにより前記第2制御室への作動油の導入を制御可能なスプールであって、前記吐出部から前記筒状部内に導入された作動油により軸方向一方側に付勢されるスプール、前記スプールを軸方向他方側に付勢する第2付勢部材、及び、前記スプールを軸方向に付勢する電磁力を発生可能であり、供給される電流の値に応じて前記電磁力の大きさを変更可能なソレノイドを有する制御機構と、
前記内燃機関の所定の回転数領域において、前記吐出部から吐出される作動油の圧力の、所定の要求値に対する差が所定範囲内となるように、前記ソレノイドに供給する電流の値を変化させる制御部と
を備える。
(20) より好ましい態様では、前記態様において、
前記制御部は、前記内燃機関の回転数が予め設定された値未満のとき、前記ソレノイドに電流を供給しない。
(21) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記吐出部から吐出された作動油の圧力を測定する圧力測定部と、
前記内燃機関の回転数を測定する回転数測定部とを備え、
前記制御部は、前記回転数測定部が測定した回転数が予め設定された値より大きいとき、
前記回転数測定部が測定した任意の回転数において、前記圧力測定部が測定した圧力の前記要求値に対する差を算出し、
前記差が予め設定された値より大きい場合、前記差が小さくなる側に、前記ソレノイドに供給する電流の値を変化させ、
前記差が前記予め設定された値以下の場合、前記ソレノイドに供給する電流の値を維持する。

0065

1作動油供給システム
2可変容量ポンプ
20ハウジング本体
200ポンプ収容室
201吸入口(吸入部)
203吐出口(吐出部)
22ロータ(ポンプ構成体)
23ベーン(ポンプ構成体)
24カムリング(可動部材)
25スプリング(第1付勢部材)
28作動室
291 第1制御室
292 第2制御室
3制御機構
4通路
6エンジンコントロールユニット(制御部)
7制御弁
8 弁部
80シリンダ(筒状部)
81スプール
82 スプリング(第2付勢部材)
9ソレノイド部

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