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技術 経皮吸収貼布剤

出願人 藤森工業株式会社
発明者 林益史宮坂洋之
出願日 2017年12月6日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2017-234590
公開日 2018年3月22日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-043995
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード ポリアミドシート ジェネリック医薬品 グラシン ゴム系粘着剤層 貼付作業 付加反応型シリコーン 霧吹き 廃棄物量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

経皮吸収布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落として足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することがなく、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤を提供する。

解決手段

基布4の片面に、薬剤を含有した非水溶性粘着剤層3が積層され、非水溶性の粘着剤層3の上に、乾燥した水溶性樹脂膜2が積層された経皮吸収貼布剤10であって、経皮吸収貼布剤10の使用時に、粘着剤層3の表面を覆っている乾燥した水溶性樹脂膜2に水分を付することで、乾燥した水溶性樹脂膜2が水に溶け、粘着剤層3の表面を皮膚に貼合することが可能となる。

概要

背景

従来より、経皮吸収布剤には、経皮吸収剤層(薬効成分を含有した粘着剤層)の保護のために、貼布剤用離型紙や貼布剤用離型フィルムが使用されている。貼布剤用離型紙の場合、経皮吸収剤への紙粉混入が避けられないことや、経皮吸収剤の薬効成分を離型紙が吸着してしまう可能性があることなどから、近年は、貼布剤用離型紙から貼布剤用離型フィルムへの切り替えが進んでいる。

貼布剤用離型フィルムに関して、特許文献1には、基材ポリエチレンテレフタレートフィルムに、シリコーン処理した貼布剤用剥離フィルムが提案されている。また、特許文献2には、基材にポリエチレンナフタレートフィルムを用いた貼布剤用離型フィルムが提案されている。ところが、透明な樹脂フィルムを基材として用いた貼布剤用離型フィルムは、経皮吸収貼布剤から剥離した後に、その貼布剤用離型フィルムが床などに落ちていても視認されず、誤ってその貼布剤用離型フィルムを足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがあるなどの問題点がある。

そのため、特許文献3には、基材が積層された構成であって、視認性付与機能を有する中間層を備えた貼布剤用離型フィルムが提案されている。視認性を有する中間層を設けたことにより、経皮吸収貼布剤から剥離した後に、その貼布剤用離型フィルムを床などに落とした場合にも、貼布剤用離型フィルムが落ちていることを視認できるが、貼布剤用離型フィルムの表面が平滑であったり、剥離剤塗工面が滑りやすかったりして、落ちている貼布剤用離型フィルムを拾い上げることが難しかった。特に、経皮吸収貼布剤を使用する頻度の高い高齢者病弱な人にとっては、床面に落ちている貼布剤用離型フィルムを、前傾した姿勢を保った状態で拾い上げることが、非常に難儀であるという問題があった。

一方、近年、ジェネリック医薬品の台頭や薬価改定により、経皮吸収貼布剤の薬価が低下する傾向にあり、貼布剤用離型フィルムに対しても、より安価なものが求められている。また、社会全体として、自然環境に与える負荷を低減させることが、重要な課題となっている。貼布剤用離型フィルムは、経皮吸収貼布剤を使用する際に、剥がして廃棄される。そのため、自然環境面への配慮として、廃棄時のゴミ減容することが重要になってきている。廃棄時のゴミの減容化、および安価な貼布剤用離型フィルムを提供するために、貼布剤用離型フィルムに使用するフィルムの厚さを薄くする方策が考えられる。この場合には、床面に落とした貼布剤用離型フィルムを拾い上げる際に、貼布剤用離型フィルムの厚みが薄いために、指でつまむことが難しく、拾い上げる困難さが更に増加することが問題になる。また、経皮吸収貼布剤から貼布剤用離型フィルムを剥がし難くなるため、経皮吸収貼布剤を身体に貼付する操作性も悪化する問題があった。

概要

経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落として足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することがなく、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤を提供する。基布4の片面に、薬剤を含有した非水溶性の粘着剤層3が積層され、非水溶性の粘着剤層3の上に、乾燥した水溶性樹脂膜2が積層された経皮吸収貼布剤10であって、経皮吸収貼布剤10の使用時に、粘着剤層3の表面を覆っている乾燥した水溶性樹脂膜2に水分を付することで、乾燥した水溶性樹脂膜2が水に溶け、粘着剤層3の表面を皮膚に貼合することが可能となる。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落として足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することのない経皮吸収貼布剤であり、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤の製造方法、及びその製造方法に得られる経皮吸収貼布剤を提供する

効果

実績

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請求項1

基布の片面に、薬剤を含有した非水溶性粘着剤層が積層され、前記非水溶性の粘着剤層の上に、乾燥した水溶性樹脂膜が積層された経皮吸収布剤であって、前記経皮吸収貼布剤の使用時に、前記粘着剤層の表面を覆っている前記乾燥した水溶性樹脂膜に水分を付することで、前記乾燥した水溶性樹脂膜が水に溶け、前記粘着剤層の表面を皮膚に貼合することが可能となることを特徴とする経皮吸収貼布剤。

請求項2

前記乾燥した水溶性樹脂膜が、でんぷんキサンタンガムアルギン酸ナトリウムポリビニルアルコールからなる群から選択した1種の水溶性樹脂から形成されてなり、前記乾燥した水溶性樹脂膜の厚みが0.1μm〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収貼布剤。

請求項3

前記乾燥した水溶性樹脂膜が、基材シートの片面に、水溶性樹脂をコーティングすることにより前記乾燥した水溶性樹脂膜が形成された転写シートから転写されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の経皮吸収貼布剤。

技術分野

0001

本発明は、経皮吸収布剤の製造方法、及び経皮吸収貼布剤に関するものである。さらに詳細には、離型フィルムを使用しない経皮吸収貼布剤であるため、廃棄物量を減らすことができ、コスト的にも安価であり、かつ、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性に優れた経皮吸収貼布剤の製造方法、及びその製造方法に得られる経皮吸収貼布剤に関するものである。

背景技術

0002

従来より、経皮吸収貼布剤には、経皮吸収剤層(薬効成分を含有した粘着剤層)の保護のために、貼布剤用離型紙や貼布剤用離型フィルムが使用されている。貼布剤用離型紙の場合、経皮吸収剤への紙粉混入が避けられないことや、経皮吸収剤の薬効成分を離型紙が吸着してしまう可能性があることなどから、近年は、貼布剤用離型紙から貼布剤用離型フィルムへの切り替えが進んでいる。

0003

貼布剤用離型フィルムに関して、特許文献1には、基材ポリエチレンテレフタレートフィルムに、シリコーン処理した貼布剤用剥離フィルムが提案されている。また、特許文献2には、基材にポリエチレンナフタレートフィルムを用いた貼布剤用離型フィルムが提案されている。ところが、透明な樹脂フィルムを基材として用いた貼布剤用離型フィルムは、経皮吸収貼布剤から剥離した後に、その貼布剤用離型フィルムが床などに落ちていても視認されず、誤ってその貼布剤用離型フィルムを足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがあるなどの問題点がある。

0004

そのため、特許文献3には、基材が積層された構成であって、視認性付与機能を有する中間層を備えた貼布剤用離型フィルムが提案されている。視認性を有する中間層を設けたことにより、経皮吸収貼布剤から剥離した後に、その貼布剤用離型フィルムを床などに落とした場合にも、貼布剤用離型フィルムが落ちていることを視認できるが、貼布剤用離型フィルムの表面が平滑であったり、剥離剤塗工面が滑りやすかったりして、落ちている貼布剤用離型フィルムを拾い上げることが難しかった。特に、経皮吸収貼布剤を使用する頻度の高い高齢者病弱な人にとっては、床面に落ちている貼布剤用離型フィルムを、前傾した姿勢を保った状態で拾い上げることが、非常に難儀であるという問題があった。

0005

一方、近年、ジェネリック医薬品の台頭や薬価改定により、経皮吸収貼布剤の薬価が低下する傾向にあり、貼布剤用離型フィルムに対しても、より安価なものが求められている。また、社会全体として、自然環境に与える負荷を低減させることが、重要な課題となっている。貼布剤用離型フィルムは、経皮吸収貼布剤を使用する際に、剥がして廃棄される。そのため、自然環境面への配慮として、廃棄時のゴミ減容することが重要になってきている。廃棄時のゴミの減容化、および安価な貼布剤用離型フィルムを提供するために、貼布剤用離型フィルムに使用するフィルムの厚さを薄くする方策が考えられる。この場合には、床面に落とした貼布剤用離型フィルムを拾い上げる際に、貼布剤用離型フィルムの厚みが薄いために、指でつまむことが難しく、拾い上げる困難さが更に増加することが問題になる。また、経皮吸収貼布剤から貼布剤用離型フィルムを剥がし難くなるため、経皮吸収貼布剤を身体に貼付する操作性も悪化する問題があった。

先行技術

0006

特開平6−256178号公報
特開平9−263532号公報
特開2000−290174号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落として足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することのない経皮吸収貼布剤であり、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤の製造方法、及びその製造方法に得られる経皮吸収貼布剤を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

前記課題を解決するため、本発明は、経皮吸収貼布剤の製造方法であって、少なくとも次の工程(1)〜(3)
(1)基材シートの少なくとも一方の面に、でんぷんキサンタンガムアルギン酸ナトリウムポリビニルアルコールからなる群から選択した1種の水溶性樹脂を含有した水溶液を用いて、水溶性樹脂膜を積層した後に加熱乾燥し、乾燥後の前記水溶性樹脂膜の厚みが0.1μm〜5μmである水溶性樹脂膜の転写シートを作製する工程、
(2)事前に準備した、基布の片面に非水溶性の粘着剤層が積層された基布積層体を、前記転写シートの前記水溶性樹脂膜の上に、前記非水溶性の粘着剤層を介して貼り合せる工程、又は、前記転写シートの前記水溶性樹脂膜の上に、非水溶性の粘着剤層および基布を積層する工程、
(3)前記非水溶性の粘着剤層の表面に、前記水溶性樹脂膜を残しつつ、前記水溶性樹脂膜と前記基材シートとを分離して、前記基布と、前記非水溶性の粘着剤層と、前記転写シートから転写された前記水溶性樹脂膜とが、順に積層された経皮吸収貼布剤を得る工程、
を、(1)〜(3)の順番に経て製造することを特徴とする経皮吸収貼布剤の製造方法を提供する。

0009

また、前記水溶性樹脂膜が、前記基材シートの片面にコーティングにより設けられた、前記水溶性樹脂膜の転写シートを作製する工程を含むことが好ましい。

0010

また、前記課題を解決するため、本発明は、基布の片面に、非水溶性の粘着剤層が積層され、前記非水溶性の粘着剤層の上に、厚みが、0.1μm〜5μmの水溶性樹脂膜が貼合されてなり、前記水溶性樹脂膜が、でんぷん、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールからなる群から選択した1種の水溶性の樹脂を含有した水溶液を用いて形成された乾燥被膜であることを特徴とする経皮吸収貼布剤を提供する。

0011

また、前記水溶性樹脂膜が、基材シートの片面に、前記水溶性の樹脂をコーティングすることにより前記水溶性樹脂膜が形成された転写シートから転写されたものであることが好ましい。

発明の効果

0012

本発明によれば、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落ちて足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することのない経皮吸収貼布剤であり、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤の製造方法、及びその製造方法に得られる経皮吸収貼布剤を提供できる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係わる経皮吸収貼布剤の、製造方法を模式的に示した図である。
本発明に係わる経皮吸収貼布剤の、一例を模式的に示す断面図である。

0014

以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の経皮吸収貼布剤の、製造方法の一例を示したものであって、少なくとも次の工程(1)〜(3)からなる。
(1)基材シート1の少なくとも一方の面に、水溶性の樹脂を含有した水溶液を用いて、水溶性樹脂膜2を積層し、水溶性樹脂膜の転写シートを作製する工程、
(2)事前に準備した、基布4の片面に粘着剤層3が積層された基布積層体を、水溶性樹脂膜2の上に、粘着剤層3を介して貼り合せる工程、又は、水溶性樹脂膜2の上に粘着剤層3および基布4を積層する工程、
(3)粘着剤層3の表面に、水溶性樹脂膜2を残しつつ、水溶性樹脂膜2と基材シート1とを分離して、基布4と、粘着剤層3と、水溶性樹脂膜2とが、順に積層された経皮吸収貼布剤10を得る工程、を、(1)〜(3)の順番に経て製造することを特徴とする経皮吸収貼布剤10の製造方法である。
図2は、その製造方法を用いて作製した経皮吸収貼布剤10の一例である。

0015

本発明に用いられる基材シート1としては、水溶性樹脂膜2が、基材シートから剥離されて転写可能であれば、特に限定されるものではなく、紙、樹脂フィルム、樹脂シートなどいずれも使用できる。紙を基材として使用する際には、基材シート1に水溶性樹脂膜2を設ける際に、水溶性樹脂膜を形成する樹脂が、基材シートにしみ込まないように、クレーコートや樹脂コートポリエチレンラミネートなどの目留め処理をすることが望ましい。

0016

また、紙基材としては、クレーコート紙、アートコート紙、樹脂コート紙グラシン紙、ポリエチレンラミネート紙などが挙げられる。また、樹脂フィルムの基材としては、ポリエチレンフィルムポリプロピレンフィルムポリエステルフィルムポリアミドフィルムアクリルフィルムポリカーボーネートフィルム、ポリイミドフィルム塩化ビニルフィルム塩化ビニリデンフィルムポリスチレンフィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。樹脂シートの基材としては、ポリオレフィンシート塩化ビニルシートポリエステルシートポリアミドシートなどが挙げられる。また、水溶性樹脂膜2を転写しやすくするため、表面にシリコーンフッ素ワックスオレフィンなどの離型処理をしても良い。

0017

また、水溶性樹脂膜2は、経皮吸収貼布剤を使用する迄は、経皮吸収貼布剤の粘着剤層3の表面を保護し、経皮吸収貼布剤を使用する時には、水溶性樹脂膜2に水を付着させることにより、水溶性樹脂膜2が溶解し、経皮吸収貼布剤の粘着剤層3が皮膚に直接接触して貼付けできる機能を有する。また、水溶性樹脂膜2を、経皮吸収貼布剤の粘着剤層3の上に、基材シートからきれいに転写させるため、薄膜に形成できる樹脂が好適である。水溶性樹脂膜2に用いられる樹脂としては、水溶性であることが必要であり、薄膜に形成できることを考慮すると分子量が大きいものが好適に用いられる。水溶性樹脂膜2を形成する水溶性樹脂としては、でんぷん、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。水溶性樹脂(水溶性高分子)は、人工的に重合反応で得た合成高分子物質に限られず、多糖類蛋白質等の天然高分子物質や、これらの天然高分子物質にエーテル化エステル化等の化学的処理を施した誘導体半合成高分子物質)でもよい。水溶性樹脂膜2は、包装袋手指等に触れても、粘着性付着性のないことが好ましい。

0018

また、基材シート1に水溶性樹脂膜2を設ける方法としては、水溶性樹脂を溶かした溶液を基材シート1に塗布し、乾燥させるコーティング法が一般的である。コーティング方法は、特に限定されるものではなく、公知のコーティング方法を用いれば良い。具体的には、グラビアコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、リバースロールコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷などが挙げられる。

0019

また、水溶性樹脂膜2の厚みは、0.1〜5μmが好適である。水溶性樹脂膜2の厚みが、0.1μmよりも薄いと、基材シート1から、経皮吸収貼布剤の粘着剤層3の上に、転写しにくかったり、粘着剤層3をうまく保護できずに粘着剤層3がはみ出したりする可能性がある。水溶性樹脂膜2の厚みが、5μmを越えると、水溶性樹脂膜2に水を付着させた時に、水溶性樹脂膜2の溶解に時間が掛り、経皮吸収貼布剤の貼付作業がし難くなる。

0020

水溶性樹脂膜2に接する粘着剤層3には、経皮吸収貼布剤に一般的に使用される粘着剤を使用して良い。具体的には、ゴム系粘着剤アクリル系粘着剤シリコーン系粘着剤などの粘着剤に薬効成分を混合した粘着剤で、形態としてはホットメルトタイプ溶剤タイプエマルジョンタイプ等がある。水溶性樹脂膜2に水分が付与されても、薬効成分を含有した経皮吸収剤層である粘着剤層3が、溶解あるいは膨潤しないよう、非水溶性の粘着剤が好ましい。粘着剤層3は、前記水溶性樹脂を少量含むものでもよいが、前記水溶性樹脂を含まないことが好ましい。
また、経皮吸収貼布剤の粘着剤層3に対する薬剤添加量は、薬剤の種類、経皮吸収剤のサイズ、粘着剤の厚さなどを考慮して決めれば良い。

0021

粘着剤層3の厚さは、特に限定されるものではなく、粘着剤の種類、薬効成分の添加量、皮膚への付着性などを考慮して決めれば良い。粘着剤層3を設ける方法としては、水溶性樹脂膜2を施した基材シート1の片面に、粘着剤を公知の方法により塗布し、ホットメルトタイプ以外の粘着剤ではその後乾燥させる方法、または、基布に粘着剤を公知の方法により塗布し、ホットメルトタイプ以外の粘着剤ではその後乾燥させる方法がある。

0022

転写シートへの粘着剤の塗布方法、及び、基布4への粘着剤の塗布方法は、公知のコーティング方法を用いれば良い。具体的には、グラビアコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、リバースロールコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷などが挙げられる。

0023

また、経皮吸収貼布剤の基布4は、経皮吸収貼布剤を使用する時に、薬効成分を含有した粘着剤層3の支持体となるもので、使用方法に合わせて選定すれば良く、特に限定されるものではない。従来から、経皮吸収貼布剤の用途に使用されている基布を、好適に用いることができる。具体的には、ポリオレフィンフィルム、塩化ビニルフィルム、不織布、などが使用できる。

0024

基材シート1から、水溶性樹脂膜2を経皮吸収貼布剤の粘着剤層3の表面に転写する方法としては、次の2通りの方法がある。
(1)水溶性樹脂膜2を積層した基材シート1の、該水溶性樹脂膜2の表面に粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥させて形成した粘着剤層3の上に、基布4を貼合した後、その基布4を粘着剤層3及び水溶性樹脂膜2と共に、基材シート1から剥がす方法。
(2)基布4に粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥させて形成した粘着剤層3の上に、基材シート1の少なくとも一方の面に水溶性樹脂膜2を積層した、水溶性樹脂膜の転写シートの水溶性樹脂膜の面を貼合し、その後、基布4を粘着剤層3及び水溶性樹脂膜2と共に、基材シート1から剥がす方法。
どちらの方法を選択するかは、使用する基材シート、粘着剤、基布などの材料や、加工条件などを考慮して決めれば良い。

0025

経皮吸収貼布剤10の使用時には、粘着剤層3の表面を覆っている水溶性樹脂膜2に水分を付けることで、水溶性樹脂膜2が水に溶け、粘着剤層3の表面を皮膚に貼合することが可能となる。本発明に係わる経皮吸収貼布剤は、粘着剤層3の表面に水溶性樹脂膜2を転写することにより、従来の経皮吸収貼布剤で必要不可欠となっていた離型フィルムまたは離型紙が不要となる。本発明に係わる経皮吸収貼布剤は、離型フィルムまたは離型紙を使用しないため、経皮吸収貼布剤を使用する時に、離型フィルムまたは離型紙を剥がす必要が無く、背中やなどの自分で見えない所にも、経皮吸収貼布剤を一人で容易に貼合できる。また、経皮吸収貼布剤を使用する時に、離型フィルムまたは離型紙のゴミも出ない上、離型フィルムまたは離型紙が床などに落ちていても視認されず、誤ってその貼布剤用離型フィルムを足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがあるなどの問題点がある。

0026

本発明に係わる経皮吸収貼布剤の、粘着剤層3の表面を覆っている水溶性樹脂膜2に水分を付与する方法については、霧吹き、水の付着したガーゼ、手のひらなどで水溶性樹脂膜2に水分を直接に付着させる方法、経皮吸収貼布剤を貼合しようとしている患部を、霧吹き、水の付着したガーゼ、手のひらなどで濡らした後に、水溶性樹脂膜2が粘着剤層3の表面を覆っている経皮吸収貼布剤を貼る方法のいずれでも良い。

0027

次に、実施例により、本発明をさらに説明する。
(実施例1の経皮吸収貼布剤)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、水溶性樹脂としてアルギン酸ナトリウムの5%水溶液を、乾燥後の水溶性樹脂膜の厚みが0.7μmになるように塗布した後、120℃の熱風循環式オーブンにて1分間乾燥させ、水溶性樹脂膜の転写フィルムを得た。得られた転写フィルムの水溶性樹脂膜の表面に、基布に薬剤を含有したゴム系粘着剤層を積層したシート(祐徳薬品工業社製消炎鎮痛剤パスタイム(登録商標)Aから剥離紙を剥がしたもの)の粘着剤層の面が接するように貼り合せ、その後、基布を粘着剤層及び水溶性樹脂膜と共に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥がし、粘着剤層の表面に水溶性樹脂膜が転写した、実施例1の経皮吸収貼布剤を得た。

0028

(実施例2の経皮吸収貼布剤)
水溶性樹脂膜としてキサンタンガムを使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の経皮吸収貼布剤を得た。

0029

(実施例3の経皮吸収貼布剤)
アルギン酸ナトリウムを使用した水溶性樹脂膜の乾燥後の厚みを3μmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の経皮吸収貼布剤を得た。

0030

(比較例1の経皮吸収貼布剤)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、離型剤として付加反応型シリコーン(東レ・ダウコーニング社製SRX−211の100重量部に対して、白金触媒SRX−212キャタリストを0.6重量部になるように配合したもの)を乾燥後の剥離剤層の厚みが0.1μmになるように塗布し、120℃の熱風循環式オーブンにて1分間乾燥させて、離型処理フィルムを得た。次に、離型処理フィルムのシリコーン処理面に、基布に薬剤を含有した粘着剤層を積層したシート(祐徳薬品工業社製消炎鎮痛剤パスタイム(登録商標)から剥離フィルムを剥がしたもの)の粘着剤層の面が接するように貼り合せて、比較例1の経皮吸収貼布剤を得た。

0031

(比較例2の経皮吸収貼布剤)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の経皮吸収貼布剤を得た。

0032

(比較例3の経皮吸収貼布剤)
アルギン酸ナトリウムの水溶液濃度を10%にし、乾燥後の水溶性樹脂膜の厚みを6μmにした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の経皮吸収貼布剤を得た。

0033

(作業性の官能試験
被験者5名に、実施例1〜3及び比較例1〜3の経皮吸収貼布剤を、自分の腰に貼合する作業をして貰い、その作業性について、官能評価を行った。
なお、実施例1〜3および比較例3については、霧吹きを用いて経皮吸収貼布剤の水溶性樹脂膜の表面に水分を与えた上で、被験者自らの腰に貼る作業を行なった。また、比較例1,2については、離型処理フィルムを剥がした後に、被験者自らの腰に貼る作業を行った。実施例および比較例の作業のしやすさを、5点満点(作業性が良い方から5点、4点の順で、一番作業性が悪いのを1点とした)で採点し、その平均値を求めた。

0034

(廃棄物の発生量
実施例1〜3、及び比較例1〜3について、経皮吸収貼布剤を使用する時、及び経皮吸収貼布剤の製造から使用する時までの全工程での廃棄物の発生量を比較した。

0035

0036

作業性の官能試験:作業性の評価基準を、(容易←5点、4点、3点、2点、1点→難しい)とし、被験者5人の平均点を求めた。
廃棄物の発生量:廃棄物の発生量の評価基準を、「なし(廃棄物の発生がない)、少ない(厚さ38μmのPETフィルムを使用)、多い(厚さ75μmのPETフィルムを使用)」とした。

実施例

0037

(評価結果)
作業性の官能試験及び廃棄物の発生量について、評価結果を、表1に示す。
表1に示すとおり、本発明に係わる経皮吸収貼布剤の実施例1〜3は、いずれも、経皮吸収貼布剤を自分の腰に貼る時の作業性が良く、経皮吸収貼布剤を使用する時に廃棄物の発生もない。また、経皮吸収貼布剤を製造する工程を含めても、廃棄物の発生が少ない状態であった。
一方、厚みが38μmの離型処理フィルムを用いた比較例1では、離型処理フィルムを剥がす際に、粘着剤層が積層されている基布にしわが入ったり、粘着剤層の面同志が、部分的に付着して作業性が悪かった。
また、離型処理フィルムの厚みを75μmに厚くした比較例2は、離型処理フィルムを剥がす際の不具合が、比較例1よりも減ったものの、注意深く作業しないと綺麗に貼れない上、廃棄物の発生量も、他の実施例1〜3、及び比較例1、3に比べて多くなった。
水溶性樹脂膜の厚みが厚い比較例3は、離型処理フィルムを使用した比較例1、2に比べて作業性は良くなったが、経皮吸収貼布剤を貼った後、しばらく経皮吸収貼布剤を押さえていないと、被験者が身体を動かした時に経皮吸収貼布剤が剥がれ易くなった。また、比較例3では、実施例1〜3と同様に、経皮吸収貼布剤を使用する時には、廃棄物の発生がなかった。

0038

本発明によれば、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を低下させ、かつ、床などに落ちて足で踏んだ時に、滑って不測の事故を起こす恐れがある離型フィルムを使用することのない経皮吸収貼布剤であり、廃棄物を低減できると共に、コスト的にも有利な経皮吸収貼布剤の製造方法、及びその製造方法に得られる経皮吸収貼布剤を提供できる。

0039

1…基材シート、2…水溶性樹脂膜、3…粘着剤層、4…基布、10…経皮吸収貼布剤。

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