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技術 シリコン単結晶の製造方法

出願人 株式会社SUMCO
発明者 齋藤康裕鈴木洋二
出願日 2016年9月14日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-179273
公開日 2018年3月22日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2018-043903
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 目標直径 シリコン原材料 制御パラメーター 製造初期 結晶部位 熱遮蔽部材 廻り込み 坩堝材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
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図面 (6)

課題

シリコン単結晶インゴット胴部の少なくともトップ部の酸素濃度を低くし得るシリコン単結晶の製造方法を提供する。

解決手段

チャンバ11内に回転及び昇降可能に設けられた石英製の坩堝21にシリコン原材料投入し、前記坩堝の周囲に設置されたヒータ25により前記シリコン材原料融解し、垂下した種結晶Sをシリコン融液Mに浸漬し、前記種結晶Sを引上げてシリコン単結晶Cを製造するシリコン単結晶の製造方法において、目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下で、且つ300mmウェーハ用のシリコン単結晶を製造する場合は、前記坩堝の底部の中心軸上の厚さが14.5mm以上の坩堝を用いる。

概要

背景

水平磁場印加チョクラルスキー法HMCZ法)においては、坩堝内シリコン融液表面層の直下に水平方向の対流が発生する。この対流と石英製の坩堝との接触面は、ヒータの近くに位置するため、接触面の温度が高くなり、石英製の坩堝からシリコン融液内に酸素溶出するという問題がある。このため、坩堝の接触面の厚さを他の部位より厚くすることにより、接触面の温度を下げることが提案されている(特許文献1)。

概要

シリコン単結晶インゴット胴部の少なくともトップ部の酸素濃度を低くし得るシリコン単結晶の製造方法を提供する。チャンバ11内に回転及び昇降可能に設けられた石英製の坩堝21にシリコン原材料投入し、前記坩堝の周囲に設置されたヒータ25により前記シリコン材原料融解し、垂下した種結晶Sをシリコン融液Mに浸漬し、前記種結晶Sを引上げてシリコン単結晶Cを製造するシリコン単結晶の製造方法において、目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下で、且つ300mmウェーハ用のシリコン単結晶を製造する場合は、前記坩堝の底部の中心軸上の厚さが14.5mm以上の坩堝を用いる。

目的

本発明が解決しようとする課題は、シリコン単結晶インゴットの少なくとも直胴部のトップ部の酸素濃度を低くし得るシリコン単結晶の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

チャンバ内に回転及び昇降可能に設けられた石英製の坩堝シリコン原材料投入し、前記坩堝の周囲に設置されたヒータにより前記シリコン原材料を融解し、垂下した種結晶シリコン融液に浸漬し、前記種結晶を引上げシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶の製造方法において、前記坩堝の底部の中心軸上の厚さが14.5mm以上の坩堝を用いて、酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下で、且つ直径300mmウェーハ用のシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶の製造方法。

請求項2

前記底部の中心軸上の厚さが、29mm以下の坩堝を用いる請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。

請求項3

前記シリコン単結晶の結晶固化率に応じて、前記坩堝の単位時間当たりの回転数を増加又は減少させる請求項1又は2に記載のシリコン単結晶の製造方法。

請求項4

前記シリコン単結晶の結晶固化率が、12.5%以上の少なくとも一部分において、前記坩堝の単位時間当たりの回転数を増加させる請求項3に記載のシリコン単結晶の製造方法。

請求項5

前記シリコン単結晶の結晶固化率に応じて、前記チャンバ内に導入する不活性ガスの流量を増加又は減少させる請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、シリコン単結晶の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

水平磁場印加チョクラルスキー法HMCZ法)においては、坩堝内シリコン融液表面層の直下に水平方向の対流が発生する。この対流と石英製の坩堝との接触面は、ヒータの近くに位置するため、接触面の温度が高くなり、石英製の坩堝からシリコン融液内に酸素溶出するという問題がある。このため、坩堝の接触面の厚さを他の部位より厚くすることにより、接触面の温度を下げることが提案されている(特許文献1)。

先行技術

0003

特開平5−221780号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述したとおり、シリコン融液と接触している石英製の坩堝の内面から当該シリコン融液に酸素が溶け込み、融液の対流に乗って酸素が結晶固液界面に運ばれ、結晶に取り込まれる。シリコン単結晶の育成の進行にともない、坩堝内のシリコン融液は減少し坩堝の内面との接触面積も減少することからシリコン融液に溶出する酸素量も減少する。しかしながら、結晶のトップ部を育成している製造初期の段階では、坩堝内のシリコン融液の量が最も多く、坩堝の内面との接触面積も最も大きい。このため、育成し終えたシリコン単結晶インゴット長手方向の酸素濃度分布特性をみると、結晶直胴部のトップ部(結晶の直胴の上端から300mmまでの直胴部の範囲をいう、以下同じ。)の酸素濃度が他のミドル部やボトム部の酸素濃度より高くなり、許容範囲を超える場合がある。そのため、製品歩留まりが低いという問題がある。

0005

本発明が解決しようとする課題は、シリコン単結晶インゴットの少なくとも直胴部のトップ部の酸素濃度を低くし得るシリコン単結晶の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、前記坩堝の底部の中心軸上の厚さが14.5mm以上の坩堝を用いて、酸素濃度(ASTMF−121(1979)に規格された FT−IR法(フーリエ変換赤外分光光度法)による測定値。以下同じ。)が10.5×1017atoms/cm3以下で、且つ直径300mmウェーハ用のシリコン単結晶を製造することによって上記課題を解決する。

発明の効果

0007

本発明によれば、坩堝の底部が厚く構成されているので、坩堝の底部の内面の温度は、これより薄肉とされた坩堝を使用した場合に比べて、低くなる。坩堝21の内面の温度が低いほどシリコン融液へ溶出する酸素量が減少するので、シリコン融液の酸素濃度が低下する。その結果、シリコン単結晶インゴットの少なくとも直胴部のトップ部の酸素濃度を低くすることができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明のシリコン単結晶の製造方法が適用される製造装置の一例を示す断面図である。
図1に示す製造装置の坩堝にシリコン原材料チャージして融解させ、育成を開始した状態を示す断面図である。
図2Aに示す状態からギャップHを維持しつつ坩堝を上昇させながら単結晶を引き上げている状態を示す断面図である。
底部が厚い坩堝(実施例1)と底部がそれより薄い坩堝(比較例1)を用いて、直径300mmのウェーハ用であって、酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造した場合の、結晶部位インゴット直胴部のトップ部の上端を0)に対する酸素濃度を測定したグラフである。
図3に示す底部が厚い坩堝を用いて、直径300mmのウェーハ用であって、酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造する場合に、アルゴンガスの流量(中段グラフ)及び坩堝の単位時間当たりの回転数下段グラフ)を二通り(実施例1,2)に制御したときの、シリコン単結晶の固化率原料仕込み重量に対する結晶重量比率(%))に対するシリコン単結晶の酸素濃度(上段グラフ)を測定したグラフである。

実施例

0009

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法が適用される製造装置の一例を示す断面図、図2Aは、図1に示す製造装置の坩堝にシリコン原材料をチャージして融解させ、育成を開始した状態を示す断面図、図2Bは、図2Aに示す状態からギャップHを維持しつつ坩堝を上昇させながら単結晶を引き上げている状態を示す断面図である。本実施形態の製造方法が適用されるシリコン単結晶の製造装置1(以下、単に製造装置1ともいう)は、円筒状の第1チャンバ11と、同じく円筒状の第2チャンバ12とを備え、これらは気密に接続されている。

0010

第1チャンバ11の内部には、シリコン融液Mを収容する石英製の坩堝21と、この石英製の坩堝21を保護する黒鉛製の坩堝22とが、支持軸23で支持されるとともに、駆動機構24によって回転及び昇降が可能とされている。また、石英製の坩堝21と黒鉛製の坩堝22とを取り囲むように、環状のヒータ25と、同じく環状の、断熱材からなる保温筒26が配置されている。環状のヒータ25からの放射熱は、黒鉛製の坩堝22の側部だけでなく底部にも廻り込み、石英製の坩堝21の側部と底部を加熱する。なお、石英製の坩堝21と黒鉛製の坩堝22が、下降位置にある場合には、上昇位置にある場合に比べて、ヒータ25から坩堝21,22の底部へ廻り込む熱量は少なくなるものと考えられる。坩堝21の下方にヒータを追加してもよい。

0011

第1チャンバ11の内部であって、石英製の坩堝21の上部には、円筒状の熱遮蔽部材27が設けられている。熱遮蔽部材27は、モリブデンタングステンなどの耐火金属カーボン又は黒鉛製外殻の内部に黒鉛製フェルト充填したものからなり、シリコン融液Mからシリコン単結晶Cへの放射遮断するとともに、第1チャンバ11内を流れるガス整流する。熱遮蔽部材27は、保温筒26にブラケット28を用いて固定されている。この熱遮蔽部材27の下端に、シリコン融液Mの表面と対向するように遮熱部を設け、シリコン融液Mの表面からの輻射カットするとともにシリコン融液Mの表面を保温するようにしてもよい。

0012

第1チャンバ11の上部に接続された第2チャンバ12は、育成したシリコン単結晶Cを収容し、これを取り出すためのチャンバである。第2チャンバ12の上部には、シリコン単結晶をワイヤ31で回転させながら引上げ引上げ機構32が設けられている。引上げ機構32から垂下されたワイヤ31の下端のチャックには種結晶Sが装着される。第1チャンバ11の上部に設けられたガス導入口13から、アルゴンガス等の不活性ガスが導入される。この不活性ガスは、引上げ中のシリコン単結晶Cと熱遮蔽部材27との間を通過した後、熱遮蔽部材27の下端とシリコン融液Mの融液面との間を通過し、さらに石英製の坩堝21の上端へ立ち上がった後、ガス排出口14から排出される。

0013

第1チャンバ11(非磁気シールド材からなる)の外側には、第1チャンバ11を取り囲むように、石英製の坩堝21内の融液Mに磁場を与える磁場発生装置41が配置されている。磁場発生装置41は、石英製の坩堝21に向けて、水平磁場を生じさせるものであり、電磁コイルで構成されている。磁場発生装置41は、坩堝21内の融液Mに生じた熱対流を制御することで、結晶成長を安定化させ、結晶成長方向における不純物分布ミクロバラツキを抑制する。特に大口径のシリコン単結晶を製造する場
合にはその効果が大きい。なお、必要に応じて縦磁場又はカスプ磁場を発生させる磁場発生装置としてもよいし、必要に応じて磁場発生装置41を用いなくてもよい。

0014

本実施形態の製造装置1を用いて、CZ法によりシリコン単結晶を育成するには、まず、石英製の坩堝21内に、多結晶シリコンや必要に応じてドーパントからなるシリコン原材料を充填し、ガス導入口13から不活性ガスを導入しガス排出口14から排出しながら、ヒータ25を作動させて坩堝21内でシリコン原材料を融解し、シリコン融液Mとする。続いて、磁場発生装置41を作動させて坩堝21への水平磁場の印加を開始しつつ、シリコン融液Mの温度を引き上げ開始温度となるように調温する。シリコン融液Mの温度と磁場強度が安定したら、駆動機構24によって坩堝21を所定速度で回転させ、ワイヤ31に装着された種結晶Sをシリコン融液Mに浸漬する。そして、図2Aに示すように、ワイヤ31も所定速度で回転させながら静かに引上げて種絞りを形成した後、所望の直径まで拡径し、略円柱形状の直胴部を有するシリコン単結晶Cを成長させる(図2B参照)。このとき、シリコン単結晶Cの直胴部は、トップ部、ミドル部及びボトム部の順で成長する。

0015

シリコン単結晶Cの引き上げにともない坩堝21の液面が下がり、磁場発生装置41から坩堝21へ水平磁場の印加を含めてホットゾーンの条件が変動する。なおホットゾーンとは、単結晶の育成中にヒータ25からの熱によって高温となる領域をいい、ホットゾーンHZの条件とは、第1チャンバ11、坩堝21,22、支持軸23、ヒータ25、保温筒26、熱遮蔽部材27、シリコン融液M、シリコン単結晶Cなどの材質、形状、配置又はこれらに起因する各種熱特性をいう。この液面の変動を抑制するため、シリコン単結晶Cの引き上げ中における融液Mの液面の鉛直方向の高さは、駆動機構24によって一定となるように制御される。この駆動機構24の制御は、例えば、坩堝21の位置、CCDカメラなどで測定したシリコン融液Mの液面の位置、シリコン単結晶Cの引上げ長さ等の情報に応じて実行され、これにより坩堝21の上下方向の位置が駆動機構24によって移動する。

0016

ホットゾーン条件の一つとして、熱遮蔽部材27の下端と坩堝21の液面との高さ方向のギャップHがあり、製造すべきシリコン単結晶の目標直径目標酸素濃度その他の製品仕様に応じて、このギャップHも所定値に設定され、引上げ中においてギャップHが所定値を維持するように、坩堝21の駆動機構24その他の製造条件自動制御される。また、シリコンウェーハの直径に応じたシリコン単結晶の目標直径が設定され、実際に引き上げられる結晶Cの直径を光学的に検出しながら、引上げ速度その他の条件にフィードバックされる。

0017

本実施形態において、石英製の坩堝21の厚さは特に限定されないが、目標酸素濃度が相対的に小さいシリコン単結晶、特に300mmウェーハ用であって、10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造する場合は、図2Aに示すように、坩堝21の底部の中心軸上の厚さt1が、14.5mm以上、より好ましくは29mm以下の坩堝21を用いる。この場合、坩堝21の底部の全面の厚さt1が一様であってもよいし、坩堝21の底部のうち、コーナのR部が最も厚く、ここから坩堝21の中心軸に向かって厚さが漸減し、中心軸上が最も薄くなってもよい。したがって後者の場合は、坩堝21の底部の少なくとも中心軸上の厚さt1が、14.5mm以上であれば、坩堝21の底部の厚さは全体にわたって14.5mm以上となる。

0018

近年のデバイスプロセス微細化や三次元化に伴う熱処理条件の変化により、デバイスプロセスで許容される酸素濃度マージンが狭くなってきている。そのため、デバイスプロセス毎に高酸素であったり低酸素であったりと要求されるシリコン単結晶も多岐にわたる。このうち、目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下といった低濃度のシリコン単結晶が要求されるのは、過剰な酸素析出物に起因したデバイス不良抑制や低温熱処理によるサーマルドナー起因の電気特性劣化を防止するためである。そして、上述したとおり、結晶直胴部のトップ部(結晶の直胴の上端から300mmまでの直胴部の範囲)の酸素濃度は、他のミドル部やボトム部の酸素濃度より高くなるが、後述する図3に示すように、底部の中心軸上の厚さが14.5mm以上の坩堝を用いれば、同厚さが14.4mm以下の坩堝を用いた場合に比べ、トップ部の酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下となる領域が広がる。特にトップ部において、酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下の単結晶を少なくとも100mm得ることができる。なお、坩堝21の底部の中心軸上の厚さt1が29mm以下であると、比較的容易に品質を維持して石英製坩堝の製造が可能であるため、安価なものとなる。

0019

このように、300mmウェーハ用であって目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造する場合に、シリコン融液Mを受容する石英製の坩堝21の底部の厚さt1を厚くする理由を説明する。上述したとおり、図2Aに示すようなシリコン単結晶Cの直胴部のトップ部を育成している製造初期の段階では、坩堝21内のシリコン融液Mの量が最も多く、坩堝21の内面との接触面積も最も大きい。このため、育成し終えたシリコン単結晶インゴットCの直胴部のトップ部の酸素濃度を低くすることは難しく、坩堝の回転数やアルゴンの流量といった酸素濃度の制御パラメーターを変更しても、トップ部の酸素濃度を10.5×1017以下にするのは困難である。

0020

しかしながら、本実施形態のように石英製の坩堝21の底部の厚さを厚くすれば、具体的には、300mmウェーハ用であって目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造する場合に、坩堝21の底部の中心軸上の厚さt1を14.5mm以上、より好ましくは29mm以下にすれば、坩堝21の底部の内面の温度は、本実施形態のものより薄肉とされた坩堝21を使用した場合に比べて、低くなる。坩堝21の内面の温度が高いほど、シリコン融液Mに酸素が溶け込む速度が高くなるため、坩堝21の内面の温度が低くなるほどシリコン融液Mへ溶出する酸素量が減少する。この結果、シリコン融液Mの酸素濃度が低下するので、シリコン単結晶インゴットCの直胴部の少なくともトップ部の酸素濃度を低くすることができる。

0021

ちなみに、一般的な製造条件において、図2Aに示す熱遮蔽部材27の下端と液面とのギャップHは所定値に制御される。したがって、所定量の原材料を、底部が厚く形成された坩堝21に投入すると液面が相対的に高くなり、この液面が高くなった分を考慮してこの所定値のギャップHにするためには、石英製の坩堝21及び黒鉛製の坩堝22の位置を相対的に低くする制御が実行される。これにより、側面に配置されたヒータ25から石英製の坩堝21の底部に対する(廻り込む)熱量が減少し、これによっても坩堝21の底部の内面の温度が低くなると考えられる。

0022

図3は、底部が厚い石英製の坩堝21(実施例1,○印)と、底部がそれより薄い石英製の坩堝21(比較例1,□印)を用いて、目標直径が320mm、目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造した場合の、長手方向の結晶部位に対する酸素濃度を測定したグラフである。横軸の結晶部位(mm)は、インゴット直胴部のトップ部の上端を0mmとした場合の長さを示す。実施例1は、複数の石英製の坩堝21から、底部の中心軸上の厚さt1が14.5mm〜29mmの坩堝を選定して用いた例であり、比較例1は、同じく複数の石英製の坩堝21から、底部の中心軸上の厚さt1が13.2mm〜14.4mmの坩堝を選定して用いた例である。比較例1の場合、トップ部0〜200mmまでの間の酸素濃度が、12.6〜11.9×1017atoms/cm3と、高酸素濃度になっているのに対し、実施例1の場合には、トップ部0〜200mmまでの間の酸素濃度は、11.5〜10.2×1017atoms/cm3と、低酸素濃度となっており、トップ部の一部が10.5×1017atoms/cm3以下となっている。トップ部0〜300mmまでの間にあっては、10.5×1017atoms/cm3以下の低酸素領域が広がっている。

0023

図4は、図3の場合と同じ底部が石英製の厚い坩堝(底部の中心軸上の厚さt1が14.5mm〜29mm)を用いて、目標直径が320mm、目標酸素濃度が10.5×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶を製造する場合に、アルゴンガスの流量(中段グラフ)及び坩堝の単位時間当たりの回転数(下段グラフ)を制御したときの、シリコン単結晶の結晶固化率(%)に対するシリコン単結晶の酸素濃度(上段グラフ)を測定したグラフである。なお、結晶固化率(%)は、引上げ中の結晶重量/原料の仕込み重量の百分率で定義される。酸素濃度を示す上段グラフの実線の○印は、中段グラフのアルゴン流量を実線で示すように制御すると同時に、下段グラフの坩堝回転数を実線で示すように制御した場合(実施例1)であり、シリコン単結晶の酸素濃度を示す上段グラフの破線の△印は、中段グラフのアルゴン流量を破線で示すように制御すると同時に、下段グラフの坩堝回転数を破線で示すように制御した場合(実施例2)である。なお、中段グラフの縦軸のアルゴン流量は、ある基準値を1とした場合の相対値で示し、下段グラフの縦軸の坩堝回転数は、ある基準値を1とした場合の相対値で示す。

0024

一般的な製造条件プログラムを用いて自動制御すると、上段グラフの実施例1に示すように結晶直胴部のミドル部に相当する結晶固化率が40%以降の大部分の単結晶領域の酸素濃度は10.5×1017atoms/cm3以下にならない。しかしながら、中段グラフに示すように、結晶直胴部のトップ部からミドル部に相当する結晶固化率が5〜44%の間においてアルゴンガスの流量を実施例2のように減少又は増加させると、上段グラフの実施例2に示すように酸素濃度は小さくなり、酸素濃度は10.5×1017atoms/cm3以下になる。したがって、この結晶固化率が5〜44%においてアルゴンガスの流量を減少又は増加させる制御を実行すれば、酸素濃度を10.5×1017atoms/cm3以下にすることができる。

0025

また、下段グラフに示すように、結晶直胴部のトップ部、ミドル部及びボトム部に相当する12.5〜98%の間において坩堝21の単位時間当たりの回転数を実施例2のように増加(12.5〜74%)又は減少(74〜98%)させると、上段グラフの実施例2に示すように酸素濃度は、ボトム部を除き10.5×1017atoms/cm3以下になる。

0026

このように、本実施形態では、トップ部の酸素濃度の増加は石英製の坩堝21の底部の厚さt1を厚くすることで対応し、他の部位の酸素濃度の変動は、その結晶固化率(引上げ長さに相関する)に応じて、第1チャンバ11内に導入する不活性ガスの流量(流量を増加させると酸素濃度が大きくなり、流量を減少させると酸素濃度が小さくなる)又は石英製の坩堝21の単位時間当たりの回転数(回転数を大きくすると酸素濃度が大きくなり、回転数を小さくすると酸素濃度が小さくなる)で調整する。これにより、長手方向の酸素濃度を低酸素濃度で且つ均一にすることができる。

0027

なお、石英製の坩堝21は、長時間の使用によって坩堝材料が溶出し底部の厚さt1が減少するので、使用時間又は底部の厚さt1に応じて、製造条件プログラムによる自動制御の設定値を変更してもよい。

0028

1…シリコン単結晶の製造装置
11…第1チャンバ
12…第2チャンバ
13…ガス導入口
14…ガス排出口
21…石英製の坩堝
22…黒鉛製の坩堝
23…支持軸
24…駆動機構
25…ヒータ
26…保温筒
27…熱遮蔽部材
28…ブラケット
31…ワイヤ
32…引上げ機構
41…磁場発生装置
M…シリコン融液
C…シリコン単結晶
S…種結晶

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