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技術 ブレーキ動作検出装置、エレベーター制御装置、及びブレーキ動作検出方法

出願人 株式会社日立ビルシステム
発明者 星崎哲郎大西友治城賀本光弘
出願日 2016年9月15日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2016-180804
公開日 2018年3月22日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2018-043863
状態 特許登録済
技術分野 エレベーターの保守安全及び検査装置
主要キーワード 電磁石機構 各制動部材 ブレーク動作 遮断時刻 ブレーキ電源 移動開始時刻 釈放動作 押しばね
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

ブレーキ制動の開始をより確実、且つ適切に検出する技術を提供する。

解決手段

ブレーキ動作検出装置は、電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキの動作を検出する。そのために、前記電磁コイルを流れる電流電流値の検出結果を取得する取得部(データ入力部21)と、時間と前記電流値をそれぞれ座標軸とする2次元座標系を想定し、前記取得部が前記電流値を取得した時刻別に、該時刻の電流値と該時刻から予め定めた時間間隔が経過した後の電流値を結ぶ向きの第1の直線と、所定の第2の直線とが成す角度である第1の角度を特定する特定部(角度特定部251)と、前記特定部が前記時刻別に特定した前記第1の角度を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻推定する推定部252と、を備えている。

概要

背景

エレベーターには、乗りかごを停止させるためのブレーキが設けられている。安全上、そのブレーキの制動状態は確実に検出することが求められる。その制動状態を検出する装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示の装置は、「電磁石機構電磁コイル通電及び通電遮断によって、駆動綱車制動及び制動解除するブレーキと、該ブレーキが制動するとき、前記電磁コイルの電流を時系列に検出して、該電流から前記電磁石機構が動作開始するまでの時間であるブレーキ動作前時間と、前記電磁石機構が動作した時間であるブレーキ動作時間と、前記電磁石機構が動作開始した時刻の前記電磁石コイル電流値である落下電流とを示したブレーキ動作情報を検出するブレーキ動作検出手段と、前記ブレーキの制動の異常有無を判断するための基準値を設定する基準値設定手段と、前記ブレーキが制動するとき、前記ブレーキ動作検出手段によって検出されたブレーキ動作情報と、前記基準値設定手段で設定されている基準値とを比較して、前記ブレーキの制動動作の異常有無を判断するブレーキ動作異常判定手段と、を備えたことを特徴とする」という構成となっている。

概要

ブレーキの制動の開始をより確実、且つ適切に検出する技術を提供する。ブレーキ動作検出装置は、電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキの動作を検出する。そのために、前記電磁コイルを流れる電流の電流値の検出結果を取得する取得部(データ入力部21)と、時間と前記電流値をそれぞれ座標軸とする2次元座標系を想定し、前記取得部が前記電流値を取得した時刻別に、該時刻の電流値と該時刻から予め定めた時間間隔が経過した後の電流値を結ぶ向きの第1の直線と、所定の第2の直線とが成す角度である第1の角度を特定する特定部(角度特定部251)と、前記特定部が前記時刻別に特定した前記第1の角度を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻推定する推定部252と、を備えている。

目的

本発明は、上述したような課題に鑑みなされたもので、その目的は、ブレーキの制動の開始をより確実、且つ適切に検出する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキの動作を検出するブレーキ動作検出装置であって、前記電磁コイルを流れる電流電流値の検出結果を時刻別に取得する取得部と、前記取得部から取得した前記電流値から該電流値に含まれる前記電磁コイルの逆起電力発生時刻を検出する特定部と、前記特定部が特定した前記逆起電力の発生時刻を基に、前記ブレーキによる制動開始時刻推定する推定部と、を備えることを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項2

請求項1に記載のブレーキ動作検出装置において、前記特定部は、時間と前記電流値をそれぞれ座標軸とする2次元座標系を想定し、前記取得部が前記電流値を取得した時刻別に、該時刻の電流値と該時刻から予め定めた時間間隔が経過した後の電流値を結ぶ向きの第1の直線と、所定の第2の直線とが成す角度である第1の角度を特定して、前記逆起電力の発生時刻を検出することを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項3

請求項2に記載のブレーキ動作検出装置において、前記特定部は、前記時刻別に、該時刻の電流値と前記第1の直線とは異なる時間間隔が経過した後の電流値を結ぶ向きの第3の直線と前記第2の直線とが成す角度である第2の角度を特定して、前記逆起電力の発生時刻を検出することを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項4

請求項3に記載のブレーキ動作検出装置において、前記推定部は、前記時間と角度をそれぞれ座標軸とする他の2次元座標系を想定し、前記第1の角度の時間変化を表す第1の線、及び前記第2の角度の時間変化を表す第2の線の交差を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻を推定することを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項5

請求項4に記載のブレーキ動作検出装置において、前記推定部は、前記第1の線と前記第2の線が交差する2つの時刻を特定し、該2つの時刻の間の前記第1の角度、及び前記第2の角度のうちの少なくとも一方を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻を推定することを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項6

請求項3に記載のブレーキ動作検出装置において、前記第2の角度を特定する時間間隔は、前記第1の角度を特定する時間間隔の3倍以上6倍以下であることを特徴とするブレーキ動作検出装置。

請求項7

電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキによりかごを停止させるエレベーター制御装置であって、前記電磁コイルを流れる電流の電流値の検出結果を時刻別に取得する取得部と、前記取得部から取得した前記電流値から該電流値に含まれる前記電磁コイルの逆起電力の発生時刻を検出する特定部と、前記特定部が特定した前記逆起電力の発生時刻を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻を推定する推定部と、を備えたことを特徴とするエレベーター制御装置。

請求項8

電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキの動作を検出するブレーキ動作検出方法であって、取得部が、前記電磁コイルを流れる電流の電流値の検出結果を時刻別に取得し、特定部が、前記検出結果として取得された前記電流値から該電流値に含まれる前記電磁コイルの逆起電力の発生時刻を検出し、推定部が、検出された前記逆起電力の発生時刻を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻を推定することを特徴とするブレーキ動作検出方法。

技術分野

0001

本発明は、ブレーキ動作検出装置エレベーター制御装置、及びブレーキ動作検出方法に関する。

背景技術

0002

エレベーターには、乗りかごを停止させるためのブレーキが設けられている。安全上、そのブレーキの制動状態は確実に検出することが求められる。その制動状態を検出する装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示の装置は、「電磁石機構電磁コイル通電及び通電遮断によって、駆動綱車制動及び制動解除するブレーキと、該ブレーキが制動するとき、前記電磁コイルの電流を時系列に検出して、該電流から前記電磁石機構が動作開始するまでの時間であるブレーキ動作前時間と、前記電磁石機構が動作した時間であるブレーキ動作時間と、前記電磁石機構が動作開始した時刻の前記電磁石コイル電流値である落下電流とを示したブレーキ動作情報を検出するブレーキ動作検出手段と、前記ブレーキの制動の異常有無を判断するための基準値を設定する基準値設定手段と、前記ブレーキが制動するとき、前記ブレーキ動作検出手段によって検出されたブレーキ動作情報と、前記基準値設定手段で設定されている基準値とを比較して、前記ブレーキの制動動作の異常有無を判断するブレーキ動作異常判定手段と、を備えたことを特徴とする」という構成となっている。

先行技術

0003

特開2011−46493号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に開示の装置では、電磁コイルの電流値から落下電流を検出する際に、その電流に他電流からの電磁雑音混入、及びブレーキの状態の変化、等の検討がなされていなかった。そのため、ブレーキの制動の開始を必ずしも適切に検出できなかった。

0005

本発明は、上述したような課題に鑑みなされたもので、その目的は、ブレーキの制動の開始をより確実、且つ適切に検出する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、代表的な本発明は、電磁コイルを有する電磁石機構を用いたブレーキの動作を検出するブレーキ動作検出装置であって、前記電磁コイルを流れる電流の電流値の検出結果を取得する取得部と、時間と前記電流値をそれぞれ座標軸とする2次元座標系を想定し、前記取得部が前記電流値を取得した時刻別に、該時刻の電流値と該時刻から予め定めた時間間隔が経過した後の電流値を結ぶ向きの第1の直線と、所定の第2の直線とが成す角度である第1の角度を特定する特定部と、前記特定部が前記時刻別に特定した前記第1の角度を基に、前記ブレーキによる制動の開始時刻推定する推定部と、を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、ブレーキの制動の開始をより確実、且つ適切に検出することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0008

本実施形態によるブレーキ動作検出装置の使用例を説明する図である。
本実施形態によるブレーキ動作検出装置の機能構成例を説明する図である。
ブレーキに用いられる電磁石機構の電磁コイルに流れる電流の時間変化を説明するグラフである。
電磁コイルを流れる電流の逆起電力による変化を検出する方法を説明する図である。
電磁コイルを流れる電流、及び各時刻で求める角度θ1、θ2の時間変化を説明する図である。
プランジャ移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定方法の他の例を説明する図である。

実施例

0009

以下、本発明に係るブレーキ動作検出装置(ブレーキ動作検出方法を含む)、及びその方法の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態によるブレーキ動作検出装置の使用例を説明する図であり、図2は、そのブレーキ動作検出装置の機能構成例を説明する図である。始めに、図1を参照し、本実施形態によるブレーキ動作検出装置12の使用例、及びそのブレーキ動作検出装置12が制動状態を検出するブレーキについて具体的に説明する。

0010

先ず、ブレーキについて具体的に説明する。そのブレーキは、図示しない駆動綱車に連結されたブレーキ車1を備え、そのブレーキ車1を制動するものである。駆動綱車は、エレベーターの乗りかごが連結されたワイヤロープを駆動する部材である。そのため、ブレーキ車1の制動により、乗りかごを停止させることができる。

0011

そのブレーキ車1の両側には、制動部材2が配置されている。各制動部材2は、それぞれアーム3に取り付けられ、各アーム3の端部は、基台4に回転可能に支持されている。それにより、アーム3の端部を軸にした回転によって制動部材2がブレーキ車1に対して接離するようになっている。

0012

アーム3の軸支されていない側の端部には、2つのアーム3を連動させるためのロッド6が挿入されている。2つのアーム3の端部を貫通するロッド6は、1つのアーム3から他のアーム3と対向しない側に大きく突出する形に取り付けられ、その突出した部分には押しバネ5が取り付けされている。この押しバネ5の一方の端部はアーム3に、他方の端部はロッド6に取り付けられたワッシャとそれぞれ当接している。それにより、押しバネ5は、当接しているアーム3に対して押しつける方向に、つまり2つのアーム3の端部の間隔を狭める方向に弾性力を作用させる。

0013

ブレーキは、上記の構成の他に、電磁石機構が含まれる。この電磁石機構は、電磁コイル7と、組み合わせることで互いに端部を貫通させることが可能な2種のプランジャ8とを含む。

0014

この電磁石機構では、電磁コイル7に励磁電流が通電された場合、電磁力によってプランジャ8の端部が電磁コイル7から突出する(投入動作)。この電磁石機構のプランジャ8が突出しない側は、一方のアーム3によって支持され、プランジャ8の端部は、他方のアーム3の端部に取り付けられたネジ棒9の端部と当接するか、或いは接触可能となっている。それにより、電磁石機構は、電磁コイル7への励磁電流の通電時、プランジャ8を突出させる投入動作によりアーム3を回転させて、そのアーム3の端部間の間隔を広げ、制動部材2をブレーキ車1から離間させる。この離間により、ブレーキによる制動が解除される。

0015

電磁コイル7への励磁電流の通電を解除した場合、プランジャ8は突出した状態から電磁コイル7内に収納された状態に変化する(釈放動作)。それにより、軸支されたアーム3が押しバネ5の弾性力によって回転して、アーム3の端部間の間隔を狭める。この結果、制動部材2が押しバネ5の弾性力によってブレーキ車1に押しつけられ、ブレーキ車1が制動される。ブレーキ車1の制動により、そのブレーキ車1と連結された駆動綱車、その駆動綱車によって駆動されるワイヤロープ、及びワイヤロープが取り付けられた乗りかごを停止させることができる。

0016

電磁コイル7への通電は、ブレーキ電源配線10を介して行われる。このブレーキ電源配線10は、エレベーター制御装置13と接続されている。それにより、エレベーター制御装置13は、ブレーキ電源配線10を介した電磁コイル7への通電により、ブレーキの制動を制御する。

0017

本実施形態によるブレーキ動作検出装置12は、ブレーキ電源配線10を流れる電流(励磁電流)の電流値を検出し、その検出結果を用いて、ブレーキの動作状態を検出(推定)する装置として実現されている。その電流値の検出には、接続された電流検出器11が用いられる。この電流検出器11は、例えばプローブ、及びデジタイザを含む装置であり、所定のサンプリング間隔で検出した電流値を表すデジタルデータ(以降「電流値データ」と表記する)を出力する。このような電流検出器11の使用を前提としていることから、主な用途としては、エレベーターの保守点検が想定されている。

0018

電流検出器11から出力される電流値データを処理するブレーキ動作検出装置12は、1台の情報処理装置コンピュータ)である。このブレーキ動作検出装置12は、図2に示すように、データ入力部21、入力部22、表示部23、記憶部24、及び処理部25を備えている。

0019

データ入力部21は、電流検出器11が出力する電流値データを入力するデバイスであり、本実施形態における取得部に相当する。入力部22は、例えば複数のキー、及び/或いは、タッチパネル等の操作子、及びその操作子への操作を検出するコントローラを含む構成要素である。ユーザ(作業員)は、入力部22の操作子を操作して、各種設定を行うことができる。後述する設定データ24aは、入力部22を用いて設定、或いは更新することができる。

0020

表示部23は例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置である。記憶部24は、例えば不揮発性記憶装置を含む構成要素である。処理部25は、データ処理を実行する構成要素であり、例えば1つ以上のCPU(Central Processing Unit)、及びワーク用の半導体メモリ(例えばRAM(Random Access Memory))を含む。

0021

処理部25は、機能構成として、描画部251、角度特定部252、及び推定部253を含む。

0022

描画部251は、表示部23に表示させる画像(画像データ)を生成する機能である。角度特定部252、及び推定部253は、電流検出器11から入力された電流値データを用いて、ブレーキの動作である制動の開始時刻を推定するための機能である。

0023

図3は、ブレーキに用いられる電磁石機構の電磁コイルに流れる電流の時間変化を説明するグラフである。図3において、縦軸に電流(電流値)、横軸に時間をそれぞれとっている。

0024

上記のように、ブレーキの制動は、電磁コイル7への励磁電流の通電を停止(遮断)することで開始される。プランジャ8の突出した状態からの移動は、その通電の遮断後、直ちに開始せず、タイムラグがある。図3において、t1は励磁電流の通電の遮断時刻、t2はプランジャ8の移動開始時刻を表している。遮断時刻t1と移動開始時刻t2の時間間隔がブレーキ動作前時間である。なお、遮断時刻t1、及び移動開始時刻t2は、特定の時刻を基準とする時刻である。その特定の時刻は、例えば電流値の検出を開始した時刻である。

0025

励磁電流の通電を遮断した場合、電磁コイル7に蓄えられた電気エネルギーは、その電磁コイル7と接続された抵抗器によって消費される。この電気エネルギーの抵抗器による消費は、プランジャ8が突出した状態から電磁コイル7内に収納された状態に移動する釈放動作がより迅速に行えるように働く。

0026

電磁コイル7、及び抵抗器を含む回路には時定数が存在する。そのため、励磁電流の通電を遮断した場合、電磁コイル7を流れる電流は直ちに減衰せず、指数関数的に減衰する。

0027

プランジャ8の位置の移動は、逆起電力を発生させる。釈放動作時に発生する逆起電力は、電磁コイル7を流れる電流を増大させる方向に作用する。このことから、その電流値の時間変化は、図3に示すように、単調に指数関数的に減衰しない。プランジャ8による逆起電力が発生する期間は、図3に示す破線のようには電流が減衰せず、その破線で示す電流値よりも実際の電流値は増大することになる。

0028

プランジャ8による逆起電力の発生は、ブレーキによる制動が行われるうえで必要な事象である。このことから、本実施形態では、電磁コイル7を流れる電流、より詳細には、逆起電力によって生じる電流の変化に着目し、ブレーキの制動の開始時刻を推定するようにしている。

0029

図4は、電磁コイルを流れる電流の逆起電力による変化を検出する方法を説明する図である。図4において、曲線40は電流の時間変化を示している。縦軸、及び横軸は図示していないが、縦軸(例えばY軸の座標軸)に電流値、横軸(例えばX軸の座標軸)に時間をとっている。それにより、図4は、2次元座標系(平面)を想定し、電磁コイル7を流れる電流の逆起電力による変化を検出する方法を示している。

0030

図4に示す2つの点41(41−1、41−2)は、検出された電流値、及びその電流値が検出された時刻を表している。本実施形態では、各時刻41で2つの角度θ1、θ2を特定するようにしている。角度θ1(第1の角度)は、その時刻41の電流値とその時刻41から予め定めた時間間隔X1が経過した後の時刻41の電流値とを結ぶ向きの直線42(第1の直線に相当)と、所定の直線44(第2の直線に相当)とが成す角度である。図4において、その角度θ1は点41から離れた側の円弧で示している。角度θ2(第2の角度)は、その時刻41の電流値とその時刻41から予め定めた別の時間間隔X2が経過した後の時刻41の電流値とを結ぶ向きの直線43(第3の直線に相当)と、直線44とが成す角度である。図4において、その角度θ2は点41から近い側の円弧で示している。

0031

直線44は、角度θ1、θ2を求めるために基準として定めたものである。本実施形態では、直線44は、水平、つまり電流値が時間によって変化しない直線としている。図4に向かって左回り反時計回り)を正方向にとっていることから、角度θ1、θ2の符号は共に負である。

0032

直線42、及び43を特定するための時刻41は、電流値を検出した時刻41でなくとも良い。これは、電流値を検出した時刻41間を結ぶ線(曲線、或いは直線。図4では曲線を想定)を想定し、直線42、及び43を結ぶ時刻41の電流値を推定しても良いからである。本実施形態では、処理をより簡単化するために、電流値の検出間隔サンプリング周期)は時間間隔X1に合わせている。

0033

電流値が指数関数的に減衰する場合、基準とする時刻から経過した時間が長くなるほど、単位時間当たりの電流の減衰量は小さくなる。そのため、角度θ1、θ2の大小関係は、θ2>θ1、となる。しかし、逆起電力による電流値の増大が発生する場合、その逆起電力による増大分の存在は、角度θ1、θ2をより小さくする方向に働く。

0034

逆起電力による電流の増大分の時間変化は、徐々に大きくなり、ピークに達した後、徐々に小さくなるという形である。そのため、時間間隔X1、X2を適切に設定した場合、図4に示すように、逆起電力が発生している期間で角度θ1、θ2の大小関係は逆転し、θ1>θ2、となる。時刻41−2では、角度θ1、θ2の大小関係は、θ1>θ2、となっている。

0035

時間間隔X1は、逆起電力による電流値の増大分を検出するために、その逆起電力が発生している期間の1/2以下の時間とする必要がある。時間間隔X1、X2の関係としては、試行を繰り返した結果、X1:X2=1:3〜6、つまり時間間隔X2は時間間隔X1の3倍以上6倍以下が望ましいことが確認できている。その関係は、電磁石機構、環境、等によって多少、変化する可能性がある。

0036

上記のように、逆起電力は、プランジャ8の移動に伴って発生する。このことから、本実施形態では、θ1>θ2、を満たす最初の時刻41を、プランジャ8の移動(釈放動作による移動)を開始した時刻と推定するようにしている。ブレーキの制動は、プランジャ8の移動によって行われる。それにより、プランジャの移動開始時刻は、ブレーキによる制動の開始時刻として扱っている。このようなことから、逆起電力の発生時刻(特定の時点を基準とした時刻)を検出することにより、ブレーキによる制動の開始時刻を推定することができる。

0037

図5は、電磁コイルを流れる電流、及び各時刻で求める角度θ1、θ2の時間変化を説明する図である。図5では、上側に、電磁コイル7に流れる電流の時間変化を説明するグラフ、下側に、角度θ1、θ2の時間変化を説明するグラフをそれぞれ示している。図5では、図4とは異なり、角度θ1は点41から近い側の円弧、角度θ2は点41から離れた側の円弧でそれぞれ示している。

0038

2つのグラフの横軸には時間をとっている。横軸に表記の「0」は、電磁コイル7への励磁電流の通電を遮断した時刻を便宜的に示している。縦軸は、上側のグラフでは電流値、下側のグラフでは波形角度、をそれぞれとっている。時間間隔X1、X2の関係は、X1:X2=1:5、である。

0039

角度θ1の曲線(第1の線)と角度θ2の曲線(第2の線)は、逆起電力の発生により交差する。その交差した時刻41は、プランジャ8の移動開始時刻であり、且つブレーキの制動の開始時刻として推定される。なお、角度θ1の曲線と角度θ2の曲線は、隣接する時刻41間を直線で結ぶ線であっても良い。

0040

図5に示すような2つのグラフは、処理部25を構成する描画部251によって表示部23上に表示することが可能である。本実施形態では、この2つのグラフを表示させることにより、作業員がプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定結果についての確認を行えるようにしている。

0041

図2に示す処理部25には、角度特定部252、及び推定部253が含まれる。角度特定部252は、図4に示すように、各時刻41で2つの角度θ1、θ2を特定する。推定部253は、各時刻41で特定された2つの角度θ1、θ2を用いて、プランジャ8の移動開始時刻を推定し、その移動開始時刻をブレーキの制動が開始した時刻として推定する。

0042

処理部25は、例えば角度特定部252が角度θ1、θ2を特定できるように、データ入力部21が電流検出器11から入力した電流値データに時間データを付加する。電流検出器11は、時間間隔X1、或いはその時間間隔X1を整数で割って得られる時間をサンプリング周期として電流値データを出力する。

0043

記憶部24には、ブレーキの制動が開始した時刻を推定するうえで必要な設定データ24aが保存されている。その設定データ24aには、例えば時間間隔X1、X2の比が含まれる。それにより、角度特定部252は、設定データ24aを参照して、各時刻41での角度θ1、θ2の特定(算出)を行う。

0044

図5では、下側のグラフに、プランジャ8が移動しない場合の角度θ1、θ2の曲線を、プランジャ8の移動によって発生する逆起電力の影響を示すために併せて描いている。

0045

この2つの曲線との比較から明らかなように、逆起電力は角度θ1、θ2の曲線を大きく変化させる。その逆起電力により発生する電流は、他電流により混入する電磁雑音分と比較して大きいのが普通である。また、逆起電力は、比較的に長い期間、継続する。それにより、他電流による電磁雑音が混入したとしても、その電磁雑音が及ぼす悪影響の程度は小さい。このようなことから、電磁雑音が混入したとしても、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定は適切に行うことができる。

0046

電磁コイル7の特性は、設置環境によっても変化する。電磁石機構自体、或いは電磁コイル7が接続された閉回路の特性に影響を及ぼす部品交換される場合もある。このようなことから、ブレーキの状態(特に閉回路の特性)は常に同じであるとは限らない。これは、励磁電流の通電を遮断した場合の電流値の減衰の仕方が比較的に大きく変化する可能性があることを意味する。

0047

本実施形態では、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定に、電磁コイル7の電流値を直接、用いない。そのため、電磁コイル7の電流値の減衰の仕方が変化したとしても、その変化はプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定に直接的に影響しない。しかし、電流値の減衰の仕方が変化しても、その減衰の仕方は、逆起電力によって発生する電流の影響を受ける。

0048

本実施形態では、角度θ1、θ2により、逆起電力によって発生する電流の影響を検出し、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)を推定する。このことから、ブレーキの状態によって電磁コイル7を含む閉回路の特性の変化に係わらず、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定を適切(高精度)に行うことができる。

0049

なお、本実施形態では、角度θ1、θ2の線(隣接する時刻41間を接続する直線、或いは曲線)が交差する時刻41をプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)として推定しているが、その開始時刻の推定方法はこれに限定されない。例えば以下のような推定方法を採用しても良い。

0050

図6は、プランジャの移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定方法の他の例を説明する図である。図6では、下段に、角度θ1、θ2の時間変化を説明するグラフ、中段に、電流値の1階微分値の時間変化を説明するグラフ、上段に、電磁コイル7に流れる電流、及びプランジャ8の実際の移動量の時間変化を説明するグラフ、をそれぞれ示している。

0051

3つのグラフの横軸には時間をとっている。中段、下段のグラフは、電磁コイル7への励磁電流の通電を遮断した時刻にその縦軸の位置を合わせている。縦軸は、上段のグラフでは電流値、及び移動量、中段のグラフでは電流の1階微分値、下段のグラフでは角度、をそれぞれとっている。

0052

逆起電力により発生する電流は、電磁コイル7を流れる電流の値の単位時間当たりの変化量(減衰量)を小さくさせるように働く。中段のグラフは、このことに着目し、電流の1階微分値からプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)を推定する方法を示している。この方法では、電流の1階微分値がしきい値よりも大きくなった時刻、つまり電磁コイル7を流れる電流の値の単位時間当たりの減衰量がそのしきい値よりも小さくなった時刻をプランジャ8の移動開始時刻と推定する。

0053

図6の上段に示すグラフに表記の「電流変化が小さい」は、逆起電力による電流変化の程度が小さいことを意味する。その電流変化の程度が小さい場合、1階微分値に着目した推定では、その電流変化を適切に検出するのが困難となる。また、電流値が大きく減衰した状況では、電流値の単位当たりの減衰量が小さいことから、電磁雑音(ノイズ)の及ぼす影響が大きくなり、推定精度が非常に低くなりやすい。

0054

各時刻41で特定する角度θ1、θ2の大小関係は、上記のように、逆起電力によって発生する電流によって逆転し、その電流の減衰によって元に戻る。この他の例では、このことに着目し、角度θ1、θ2の線が交差してから再度、交差するまでの期間を探索範囲とし、その探索範囲に限定して、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)として推定すべき時刻を探索する。

0055

その開始時刻の探索は、角度θ1に着目して行われる。これは、逆起電力によって流れる電流分のピークは、その逆起電力が発生している期間の前半に存在するからである。その電流分のピークは、角度θ1をより小さくさせるように作用すると期待できるからである。

0056

このようなことから、他の例では、探索範囲内で角度θ1が最も大きい時刻41をプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)として推定する。このような推定方法により、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)をより適切(高精度)に推定できることが確認されている。

0057

この探索範囲内では、図6に示すように、角度θ1が最も大きい時刻41での角度θ2は最も小さくなっている。このことから、角度θ1に代えて、或いは角度θ1と共に、角度θ2を用いてプランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)を探索しても良い。

0058

逆起電力は、図5、及び図6に示すように、角度θ1に上に凸の時間変化を発生させる。角度θ2では、逆に、下に凸の時間変化を発生させる。このような時間変化に着目し、逆起電力の発生時刻を特定(検出)することもできる。このこともあり、各時刻41で特定する角度は角度θ1及びθ2のうちの一方のみとすることもできる。

0059

本実施形態では、プランジャ8の移動開始時刻(ブレーキの制動の開始時刻)の推定方法の他にも各種変形が可能である。例えば角度θ1、θ2は、各時刻41で共に特定しなくとも良い。これは、角度θ1、θ2は必要な分解能満足する電流値データが存在すれば良いからである。このことから、各時刻41では、一つ以上の角度を特定すれば良い。角度は2種類ではなく、3種類以上としても良い。

0060

このようなことからも、本発明は、上述した実施形態、或いは変形例に限定するものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。動作も同様に限定するものではない。それにより、機能構成も図2に示すものに限定されない。

0061

例えばエレベーター制御装置13は、ブレーキによる制動が行われていない場合、ブレーキ車1に動力を伝達する巻上機電動機を制御するようになっている。このことから、ブレーキ動作検出装置12は、エレベーター制御装置13の構成要素としても良い。そのブレーキ動作検出装置12は、随時、ブレーキの動作を確認するために用いても良いが、その確認を常に行うために用いても良い。このブレーキ動作検出装置12は、ブレーキの動作、特にブレーキによる制動が行われているか否かを高精度に検出するものである。このことから、そのブレーキ動作検出装置12をエレベーター制御装置13の構成要素とした場合、より高い安全性を実現できる。

0062

1ブレーキ車、2制動部材、3アーム、4基台、5押しばね、6ロッド、7電磁コイル、8プランジャ、9ネジ棒、10ブレーキ電源配線、11電流検出器、12ブレーク動作検出装置、13エレベーター制御装置、21データ入力部、22 入力部、23 表示部、24 記憶部、24a設定データ、25 処理部、251 描画部、252 角度特定部、253推定部

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