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技術 シートベルト巻き取り装置

出願人 JoysonSafetySystemsJapan株式会社
発明者 高尾雅人浜田豊木村隆章高橋実希
出願日 2016年9月12日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-177983
公開日 2018年3月22日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-043555
状態 特許登録済
技術分野 車両用シートベルト
主要キーワード 回転基準点 マグネット保持部材 外側端末 装着モード 挿通具 フレームプレート 目標張力値 スプリングケース
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月22日)のものです。
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図面 (11)

課題

シートベルト張力を高精度に調整すること。

解決手段

シートベルトを巻き取るスプールと、前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、前記スプリングケースを回転させるモータと、前記シートベルトの格納状態が保持されたまま、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まる目標値になるまで、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置

概要

背景

従来、シートベルトを巻き取るリールと、リールをシートベルトの巻き取り方向に付勢するぜんまいスプリングと、ぜんまいスプリングを収容するカバーとを備え、シートベルトの張力を調整するシートベルトリトラクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシートベルトリトラクタのぜんまいスプリングは、その内周端がリールの回転軸に接続され、その外周端がカバーに接続されている。

概要

シートベルトの張力を高精度に調整すること。シートベルトを巻き取るスプールと、前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、前記スプリングケースを回転させるモータと、前記シートベルトの格納状態が保持されたまま、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まる目標値になるまで、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置

目的

そこで、本開示は、シートベルトの張力を高精度に調整できる、シートベルト巻き取り装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シートベルトを巻き取るスプールと、前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、前記スプリングケースを回転させるモータと、前記シートベルトの格納状態が保持されたまま、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まる目標値になるまで、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置

請求項2

前記制御部は、前記シートベルトが前記スプールに巻き取り限界まで巻き取られるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させるとともに前記スプールを回転させ、前記シートベルトが前記巻き取り限界まで巻き取られてから、前記付勢力が弱まるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる、請求項1に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項3

前記制御部は、前記格納状態からの前記シートベルトの引き出しが検出された場合、前記付勢力が前記格納状態よりも更に弱まるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる、請求項1又は2に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項4

シートベルトを巻き取るスプールと、前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、前記スプリングケースを回転させるモータと、前記シートベルトが格納状態から引き出されるときの前記スプールの回転速度に基づいて前記シートベルトの引き出しが検出された場合、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置。

請求項5

前記制御部は、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記付勢力が前記格納状態よりも弱まる目標値に一致するように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる、請求項4に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項6

前記制御部は、前記引き出しの検出後、前記スプールが所定の速度よりも遅い回転速度で所定時間継続して回転することが検出された場合、前記付勢力が強まるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる、請求項3から5のいずれか一項に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項7

前記制御部は、前記シートベルトに取り付けられたタングバックルに連結された状態で、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記付勢力がユーザ要求に応じた大きさに調整される目標値に一致するように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる、請求項1から6のいずれか一項に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項8

前記制御部は、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差と目標値との偏差が大きいほど、前記モータを駆動して前記スプリングケースの回転速度を速くする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシートベルト巻き取り装置。

請求項9

前記制御部は、前記スプールの回転速度が速いほど、前記モータを駆動して前記スプリングケースの回転速度を速くする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシートベルト巻き取り装置。

技術分野

0001

本発明は、シートベルト巻き取り装置に関する。

背景技術

0002

従来、シートベルトを巻き取るリールと、リールをシートベルトの巻き取り方向に付勢するぜんまいスプリングと、ぜんまいスプリングを収容するカバーとを備え、シートベルトの張力を調整するシートベルトリトラクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシートベルトリトラクタのぜんまいスプリングは、その内周端がリールの回転軸に接続され、その外周端がカバーに接続されている。

先行技術

0003

特開2006−27559号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、スプリングの外周端が接続されたカバーが動かないように固定されていると、シートベルトの張力を高精度に調整することが難しい。

0005

そこで、本開示は、シートベルトの張力を高精度に調整できる、シートベルト巻き取り装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、本開示の一態様では、
シートベルトを巻き取るスプールと、
前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、
前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、
前記スプリングケースを回転させるモータと、
前記シートベルトの格納状態が保持されたまま、前記スプールの回転量と前記スプリングケースの回転量との差又は前記差に応じて変化する変化量が、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まる目標値になるまで、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置が提供される。

0007

上記目的を達成するため、本開示の他の一態様では、
シートベルトを巻き取るスプールと、
前記スプールの回転軸に一端が接続され、前記スプールを前記シートベルトの巻き取り方向に付勢するスパイラルスプリングと、
前記回転軸の周りに回転可能に設けられ、前記スパイラルスプリングを収容するとともに前記スパイラルスプリングの他端が接続されたスプリングケースと、
前記スプリングケースを回転させるモータと、
前記シートベルトが格納状態から引き出されるときの前記スプールの回転速度に基づいて前記シートベルトの引き出しが検出された場合、前記スパイラルスプリングの付勢力が弱まるように、前記モータを駆動して前記スプリングケースを回転させる制御部とを備える、シートベルト巻き取り装置が提供される。

発明の効果

0008

本開示の態様によれば、シートベルトの張力を高精度に調整することができる。

図面の簡単な説明

0009

シートベルト巻き取り装置の構成の一例を示す図である。
シートベルトリトラクタの構成の一例を示す斜視図である。
シートベルトリトラクタの構成の一例を一部省略して示す斜視図である。
シートベルトリトラクタの構成の一例を一部省略して示す正面図である。
シートベルトリトラクタの構成の一例を一部省略して示す側面図である。
シートベルトリトラクタの構成の一例を一部省略して示す分解斜視図である。
巻き部分がスプリングケースの外側に偏倚した弛緩状態のスパイラルスプリングの形態の一例を示す図である。
巻き部分がスプリングケースの内側に偏倚した巻き上げ状態のスパイラルスプリングの形態の一例を示す図である。
制御装置動作フローの一例を示す状態遷移図である。
シートベルトの張力と引き出し量との関係の一例を示す図である。

実施例

0010

以下、本開示に係る実施形態を図面を参照して説明する。

0011

図1は、シートベルト巻き取り装置1の構成の一例を示す図である。シートベルト巻き取り装置1は、車両に搭載されたシートベルト巻き取り装置の一例である。シートベルト巻き取り装置1は、例えば、シートベルト4と、リトラクタ3と、ショルダーアンカー6と、タング7と、バックル8と、ECU(Electronic Control Unit)100と、操作入力装置102とを備える。

0012

シートベルト4は、車両のシート2に座る乗員11を拘束するウェビングの一例であり、リトラクタ3に引き出し可能に巻き取られる帯状部材である。シートベルト4の先端のベルトアンカー5は、車体の床又はシート2に固定される。

0013

リトラクタ3は、シートベルト4の巻き取り又は引き出しを可能にする巻き取り装置の一例であり、車両衝突時等の所定値以上の加減速度または車両角度が検知されると、シートベルト4がリトラクタ3から引き出されることを制限する。リトラクタ3は、シート2又はシート2の近傍の車体に固定される。リトラクタ3は、シートベルトリトラクタの一例である。

0014

リトラクタ3は、モータの動力によりシートベルト4をスプールに巻き取る。リトラクタ3は、車両衝突前に、ミリ波レーダー等のセンサからの信号に基づいてモータを作動してシートベルト4をスプールに巻き取り、シートベルト4にプリテンションを与えてシートベルト4による乗員拘束を迅速に行う。また、リトラクタ3は、タング7とバックル8との係合解除された時にモータを作動してシートベルト4をスプールで巻き取る。更に、リトラクタ3は、モータを作動してシートベルト4の張力をドライビングシチュエーション(車両の状態)に応じて調整することで、シートベルト4による乗員の拘束性やシートベルト4の装着時の快適性をそれぞれ向上させる。

0015

車両の状態とは、例えば、シートベルト4の引き出しの有無、乗員11の有無、車両の走行速度、車両の加速度ステアリング操作アクセル操作ブレーキ操作、バックル8の操作、ドア操作、乗員が操作可能な車載の選択スイッチの操作入力などを表す状態をいう。

0016

ショルダーアンカー6は、シートベルト4が挿通するベルト挿通具の一例であり、リトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員11の肩部の方へガイドする部材である。

0017

タング7は、シートベルト4が挿通するベルト挿通具の一例であり、ショルダーアンカー6によりガイドされたシートベルト4にスライド可能に取り付けられた部品である。

0018

バックル8は、タング7が着脱可能に連結される部品であり、例えば、車体の床又はシート2に固定される。

0019

タング7がバックル8に連結された状態で、ショルダーアンカー6とタング7との間のシートベルト4の部分が、乗員11の胸部及び肩部を拘束するショルダーベルト部9である。タング7がバックル8に連結された状態で、ベルトアンカー5とタング7との間のシートベルト4の部分が、乗員11の腰部を拘束するラップベルト部10である。

0020

ECU100は、リトラクタ3と通信可能に一又は複数本ワイヤハーネス101を介して接続された制御装置の一例である。

0021

操作入力装置102は、シートベルト4の張力調整に関するユーザ操作入力受け付ける操作入力部の一例である。操作入力装置102は、例えば、シート2又はシート2の近傍に配置され、音声接触操作により乗員11のユーザ操作入力を受け付ける。操作入力装置102は、シートベルト4の張力を例えば弱中強と段階的に設定するための設定スイッチでユーザ操作入力を受け付けてもよいし、シートベルト4の張力を連続的に可変設定するための設定ボリュームでユーザ操作入力を受け付けてもよい。操作入力装置102は、ユーザ操作入力に応じて、シートベルト4の張力に対するユーザ要求値をECU100に対して出力する。

0022

図2は、リトラクタ3Aの構成の一例を示す斜視図である。リトラクタ3Aは、図1に示されたリトラクタ3の一例である。

0023

図2において、リトラクタ3Aは、例えば、フレーム19と、フレーム19に回転可能に支持されてシートベルト4を巻き取るスプール20と、フレーム19に固定されたリテーナ16と、リテーナ16に取り付けられたカバー15とを備える。フレーム19は、フレームプレート18と、ベースフレーム17とを有する。リテーナ16及びフレームプレート18は、ベースフレーム17に固定されている。スプール20は、ベースフレーム17に回転可能に支持されている。

0024

図3図6では、各図面の視認性向上のため、カバー15、リテーナ16及びフレームプレート18の図示が省略されている。図3は、リトラクタ3Aの構成の一例を一部省略して示す斜視図である。図4は、リトラクタ3Aの構成の一例を一部省略して示す正面図である。図5は、リトラクタ3Aの構成の一例を一部省略して示す側面図である。図6は、リトラクタ3Aの構成の一例を一部省略して示す分解斜視図である。以下、図3図6を参照して、リトラクタ3Aの構成の一例について詳細に説明する。

0025

リトラクタ3Aは、スプール20と、スパイラルスプリング22と、スプリングケース23と、第1の回転ディスク38と、第1の回転検知部40と、第2の回転ディスク58と、第2の回転検知部60と、演算部73と、モータ24とを備える。

0026

スプール20は、シートベルト4を巻き取る回転部材である。スプール20の回転軸は、シャフト20aと、シャフト20aの一端に固定されたブッシュ21とを含んで構成される。

0027

スパイラルスプリング22は、スプール20の回転軸に接続された一端22aと、スプリングケース23の外周壁に連結された他端とを有し、スプール20をシートベルト4の巻き取り方向に付勢する弾性体の一例である。スパイラルスプリング22は、スプール20に一体回転可能に取り付けられたブッシュ21に一端22aが連結されて、スプール20をシートベルト4の巻き取り方向に常時付勢する。スパイラルスプリング22の一端22aは、ブッシュ21に形成された溝21aに引っ掛けられている。

0028

スプリングケース23は、スパイラルスプリング22の他端が接続された外周壁を有し、スパイラルスプリング22を当該外周壁の内側に収容する。スプリングケース23は、スプール20の回転軸を中心にフレーム19のフレームプレート18(図2参照)に対して回転可能に設けられている。スプリングケース23は、スプール20の回転軸と同軸に回転可能に設けられている。スプール20の回転軸の周りに回転可能に設けられたスプリングケース23の外周壁には、外歯23aが形成されている。

0029

図7は、巻き部分がスプリングケース23の外側に偏倚した弛緩状態のスパイラルスプリング22の形態の一例を示す図である。図7は、スプリングケース23がスパイラルスプリング22を収容する形態を図4に示される視点で透過的且つ模式的に示している。

0030

スプリングケース23は、スプール20の回転軸を中心にベースフレーム17に対して回転可能に設けられ、スパイラルスプリング22を収容する。スプリングケース23は、円形底壁29と、底壁29の外周縁から底壁29の法線方向に突き出る外周壁28とを有する。底壁29の中央部には、シャフト20aが貫通する貫通孔が形成されている。スプリングケース23は、ブッシュ21に対して回転可能にシャフト20aの周りに配置されている。

0031

スパイラルスプリング22は、シャフト20aに対して回転不能に固定されたブッシュ21に接続された内側端末部22aと、スプリングケース23の外周部に位置する引っ掛け壁37に接続された外側端末部22bとを有する。内側端末部22aは、スパイラルスプリング22の渦巻き方向内側の端末部の一例であり、外側端末部22bは、スパイラルスプリング22の渦巻き方向外側の端末部の一例である。引っ掛け壁37は、外側端末部22bが引っ掛けられる引っ掛け部の一例である。

0032

内側端末部22aは、例えば、ブッシュ21に形成された引っ掛け溝21aに引っ掛けられることによって、ブッシュ21に接続されている。外側端末部22bは、例えば、引っ掛け壁37に引っ掛けられることによって、引っ掛け壁37に接続されている。外側端末部22bが引っ掛け壁37で折り返される方向は、内側端末部22aが引っ掛け溝21aで折り返される方向とは逆向きである。引っ掛け壁37は、スプリングケース23の外周部の一例である。引っ掛け壁37は、スプリングケース23の外周壁28の一部でもよいし、外周壁28とは別の部分でもよい。

0033

図8は、巻き部分がスプリングケース23の内側に偏倚した巻き上げ状態のスパイラルスプリング22の形態の一例を示す図である。図8は、スプリングケース23がスパイラルスプリング22を収容する形態を図4に示される視点で透過的且つ模式的に示している。

0034

例えば、スプール20がシートベルト4の引き出し方向に回転すると、シャフト20aがスパイラルスプリング22の巻き上げ方向Bに回転する。これにより、スパイラルスプリング22は、図7の状態から図8の状態に遷移するように、スプリングケース23の内側に向けて移動する。

0035

図3図6において、第1の回転ディスク38は、フレームプレート18に対して回転可能に取り付けられている。第1の回転ディスク38は、円環状の第1のマグネット保持部材42と、第1のマグネット保持部材42に一体回転可能にかつ円環状に配設された第1のマグネット41とを有している。円環状の第1のマグネット41は、N極マグネット41aとS極マグネット41bとが第1のマグネット41の円周方向に交互に配設されて形成されている。N極マグネット41aの着磁幅が第1のマグネット41の円周方向に所定の第1の角度幅に設定されているとともに、S極マグネット41bの着磁幅が第1のマグネット41の円周方向に所定の第2の角度幅に設定されている。第2の角度幅は、第1の角度幅と同じでも違ってもよい。第1のマグネット保持部材42は、第1のマグネット保持部材42と同心に配設された外歯43a(図5参照)を有する筒状の第1の被伝動ギア43を一体に有している。第1のマグネット41は、第1の被伝動ギア43の回転に伴って、第1の被伝動ギア43と一体に第1の被伝動ギア43の回転軸と同軸に回転する。

0036

スプール20の回転軸のシャフト20aには、伝動ギア44がシャフト20aと一体回転可能にかつ同心に取り付けられている。伝動ギア44の外周部には外歯44aが形成されている。第1の被伝動ギア43の外歯43aは、伝動ギア44の外歯44aと噛み合っている。

0037

第1の回転検知部40は、スプール20の回転を検知する回転検知部の一例である。第1の回転検知部40は、例えば、第1のマグネット41の回転を検知することによってスプール20の回転を検知する。第1の回転検知部40は、例えば、第1の磁気検知部40aと第2の磁気検知部40bと有する。第1の磁気検知部40aと第2の磁気検知部40bは、それぞれ、第1のマグネット41の回転に伴って変化する磁気を検知する。第1の磁気検知部40a及び第2の磁気検知部40bの具体例として、ホール素子が挙げられる。ホール素子は、ホール効果によって磁気変化を検出する半導体素子の一例である。

0038

スプール20がシートベルト4の引き出し方向に回転すると、スプール20の回転軸と一体に回転する伝動ギア44が回転する。伝動ギア44が回転すると、伝動ギア44の外歯44aと噛み合っている外歯43aが形成された第1の被伝動ギア43が回転するので、第1の回転ディスク38の第1のマグネット41が回転する。つまり、スプール20がシートベルト4の引き出し方向に回転すると、スプール20の回転に連動して、シートベルト4の引き出し方向に対応する回転方向に第1のマグネット41が回転する。

0039

第1のマグネット41が回転すると、第1の磁気検知部40aと第2の磁気検知部40bは、それぞれ、N極マグネット41aを検知しているときとS極マグネット41bを検知しているときとで位相反転する検知信号を出力する。また、第1の磁気検知部40aの配置位置は、第2の磁気検知部40bの配置位置と異なるので、第1の磁気検知部40aから出力される検知信号の位相は、第2の磁気検知部40bから出力される検知信号の位相に対して所定量ずれている。

0040

演算部73は、第1の磁気検知部40aと第2の磁気検知部40bのそれぞれから出力された検知信号の位相の反転回数カウントすることで、スプール20の回転量(回転位置)を検知する。また、演算部73は、第1の磁気検知部40aから出力された検知信号と第2の磁気検知部40bから出力された検知信号との間の位相のずれ方に基づいて、スプール20の回転方向がシートベルト4の引き出し方向であるか、シートベルト4の巻き取り方向であるかを判断する。

0041

第2の回転ディスク58は、フレームプレート18に対して回転可能に取り付けられている。第2の回転ディスク58は、円環状の第2のマグネット保持部材62と、第2のマグネット保持部材62に一体回転可能にかつ円環状に配設された第2のマグネット61とを有している。円環状の第2のマグネット61は、N極マグネット61aとS極マグネット61bとが第2のマグネット61の円周方向に交互に配設されて形成されている。N極マグネット61aの着磁幅が第2のマグネット61の円周方向に所定の第3の角度幅に設定されているとともに、S極マグネット61bの着磁幅が第2のマグネット61の円周方向に所定の第4の角度幅に設定されている。第4の角度幅は、第3の角度幅と同じでも違ってもよい。第2のマグネット保持部材62は、第2のマグネット保持部材62と同心に配設された外歯63aを有する筒状の第2の被伝動ギア63を一体に有している。第2のマグネット61は、第2の被伝動ギア63の回転に伴って、第2の被伝動ギア63と一体に第2の被伝動ギア63の回転軸と同軸に回転する。

0042

第2の被伝動ギア63の外歯63aは、スプリングケース23の外歯23aと噛み合っている。

0043

第2の回転検知部60は、スプリングケース23の回転を検知する回転検知部の一例である。第2の回転検知部60は、例えば、第2のマグネット61の回転を検知することによってスプリングケース23の回転を検知する。第2の回転検知部60は、例えば、第3の磁気検知部60aと第4の磁気検知部60bと有する。第3の磁気検知部60aと第4の磁気検知部60bは、それぞれ、第2のマグネット61の回転に伴って変化する磁気を検知する。第3の磁気検知部60a及び第4の磁気検知部60bの具体例として、ホール素子が挙げられる。ホール素子は、ホール効果によって磁気変化を検出する半導体素子の一例である。

0044

スプリングケース23がモータ24の駆動によりシートベルト4の引き出し方向に回転すると、スプリングケース23の外歯23aと噛み合っている外歯63aが形成された第2の被伝動ギア63が回転する。第2の被伝動ギア63の回転により、第2の回転ディスク58の第2のマグネット61が回転する。つまり、スプリングケース23がシートベルト4の引き出し方向に回転すると、スプリングケース23の回転に連動して、シートベルト4の引き出し方向に対応する回転方向に第2のマグネット61が回転する。

0045

第2のマグネット61が回転すると、第3の磁気検知部60aと第4の磁気検知部60bは、それぞれ、N極マグネット61aを検知しているときとS極マグネット61bを検知しているときとで位相が反転する検知信号を出力する。また、第3の磁気検知部60aの配置位置は、第4の磁気検知部60bの配置位置と異なるので、第3の磁気検知部60aから出力される検知信号の位相は、第4の磁気検知部60bから出力される検知信号の位相に対して所定量ずれている。

0046

演算部73は、第3の磁気検知部60aと第4の磁気検知部60bのそれぞれから出力された検知信号の位相の反転回数をカウントすることで、スプリングケース23の回転量(回転位置)を検知する。また、演算部73は、第3の磁気検知部60aから出力された検知信号と第4の磁気検知部60bから出力された検知信号との間の位相のずれ方に基づいて、スプリングケース23の回転方向がシートベルト4の引き出し方向であるか、シートベルト4の巻き取り方向であるかを判断する。

0047

演算部73は、第1の回転検知部40により回転が検知されたスプール20の回転量と、第2の回転検知部60により回転が検知されたスプリングケース23の回転量との差(以下、差Dと称する)を演算し、差Dの演算結果を出力する。演算部73の具体例として、マイクロコンピュータASIC(Application Specific IntegratedCircuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。

0048

ECU100(図1参照)は、演算部73によって得られた差Dの演算結果をワイヤハーネス101を介して取得する。ECU100は、取得した差Dの演算結果に応じて、モータ24の駆動を制御する。

0049

ECU100がこのようにモータ24の駆動を制御することにより、モータ24は、差Dに応じてスプリングケース23を回転させる。差Dが変化すれば、スパイラルスプリング22の付勢力が変化するため、シートベルト4の張力も変化する。よって、ECU100は、差Dに応じてモータ24を駆動してスプリングケース23を回転させることで、シートベルト4の張力を連続的且つ無段階に高精度に調整できる。

0050

例えば、差Dは、スプリングケース23の回転量(回転位置)からスプール20の回転量(回転位置)を減算した値とする。差Dが増加するほど、シートベルト4の巻き取り方向の付勢力は減少し、シートベルト4の巻き取り方向の張力は減少する。

0051

ECU100は、例えば、差Dが所定の目標値に一致するように、モータ24の駆動を制御する。ECU100がこのようにモータ24の駆動を制御することにより、モータ24は、差Dが所定の目標値に一致するように、スプリングケース23を回転させる。これにより、モータ24はシートベルト4の張力を所定の目標張力値に高精度に調整できる。

0052

あるいは、ECU100は、差Dに応じて変化する変化量(以下、変化量Aと称する)が所定の目標値に一致するように、モータ24の駆動を制御してもよい。ECU100がこのようにモータ24の駆動を制御することにより、モータ24は、変化量Aが所定の目標値に一致するように、スプリングケース23を回転させる。これにより、モータ24は、シートベルト4の張力を所定の目標張力値に高精度に調整できる。

0053

変化量Aの具体例として、シートベルト4の張力、スパイラルスプリング22によるシートベルト4の巻き取り力などが挙げられる。

0054

ところで、外歯23aが形成されたスプリングケース23は、ウォームホイールとして機能する。モータ24は、外歯23aに噛み合うウォーム25を介してスプリングケース23を回転させる。つまり、外歯23aは、スプリングケース23を回転させるためのウォーム25と、第2のマグネット61を回転させて第2の回転検知部60がスプリングケース23の回転を検知するための第2の被伝動ギア63との両方に噛み合っている。このように、スプリングケース23の回転検知のためのギアと、スプリングケース23の回転駆動のためのギアとが、外歯23aとして共用されている。ギアの共用化により、小型化やコストダウンが可能となる。

0055

ウォーム25は、セルフロック可能な進み角を有してもよい。これにより、スプリングケース23からウォーム25への回転の伝達を抑制することができる。したがって、ECU100はモータ24を無通電にしても、シートベルト4の巻取り方向へのスパイラルスプリング22の付勢力を保持できる。その結果、シートベルト4の張力の調整が不要な期間にモータ24で消費される電力を削減することができる。

0056

リトラクタ3Aは、基板70を有する。基板70は、第1の回転検知部40と、第2の回転検知部60と、演算部73とが配置されている。第1の回転検知部40と、第2の回転検知部60と、演算部73とが共通の一枚の基板70に配置されることにより、部品点数の削減が可能となる。

0057

図9は、ECU100の動作フローの一例を示す状態遷移図である。図9において、「目標位相差」は、スプリングケース23の回転量(回転位置)からスプール20の回転量(回転位置)を減算した差Dの目標値を表す。差D(目標位相差)が増加するほど、シートベルト4の巻き取り方向の付勢力は減少し、シートベルト4の巻き取り方向の張力は減少する。

0058

状態S0,S1,S2は、シートベルト巻き取り装置1を使用可能にするための初期化動作を表す。状態S0は、ECU100及び演算部73のリセット状態を表す。ECU100及び演算部73のリセット状態が解除されると、ECU100の制御状態は、リセット状態からノーマルモードS14内の状態S1に遷移する。ECU100及び演算部73のリセット状態は、例えば、シートベルト巻き取り装置1が車両に取り付けられてから最初に電源投入されたり、バッテリが車両から外された後に再び取り付けられてから最初に電源が投入されたりすることによって、解除される。

0059

状態S1で、ECU100は、初期開始待ち動作を実施する。ECU100は、状態S1で、回転センサ通常状態異常状態ではない状態)であり、且つ、モータ24が停止状態であることを確認する。回転センサには、演算部73、第1の回転検知部40及び第2の回転検知部60が含まれる。ECU100は、モータ24に流れる電流を検出する電流検出部による検出結果に基づいて、モータ24が停止しているか否かを確認できる。

0060

回転センサが通常状態であり、且つ、モータ24が停止状態であり、且つ、シートベルト4が装着されていない状態(ベルト非装着状態)であることが検出された場合、ECU100の制御状態は、状態S1から状態S2に遷移する。

0061

ベルト非装着状態は、シートベルト4に取り付けられたタング7がバックル8に連結されていない状態を表す。ベルト装着状態は、シートベルト4に取り付けられたタング7がバックル8に連結された状態を表す。ECU100は、シートベルト4の状態がベルト非装着状態かベルト装着状態かを、バックル8から送出されるバックル信号に基づいて、検出できる。

0062

状態S2で、ECU100は、シートベルト4がスプール20に巻き取り限界まで巻き取られるように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させるとともにスプール20を回転させる、初期化巻き取り動作を実施する。ECU100は、状態S2で、一定(例えば、45%)のデューティ比のPWM(Pulse width Modulation)信号によってモータ24を駆動し、シートベルト4の巻き取り方向にスプリングケース23を回転させる。

0063

ECU100は、状態S2で、スプール20とスプリングケース23のそれぞれの回転速度が所定の巻き取り完了判定速度以下に低下したと演算部73により検知されるまで、初期化巻き取り動作を実施する。スプリングケース23とスプール20のそれぞれの回転速度が低下するのは、シートベルト4の巻き取り状態が巻き取り限界に近づくと、スプリングケース23及びスプール20の回転がスパイラルスプリング22により規制されるからである。

0064

例えば、ECU100は、状態S2で、単位時間(例えば、0.1秒間)当たりのスプール20とスプリングケース23のそれぞれの回転量が所定の巻き取り完了判定閾値以下に低下したと演算部73により検知されるまで、初期化巻き取り動作を実施する。巻き取り完了判定閾値は、例えば、0.2回転に設定される。

0065

状態S2で、演算部73は、スプール20の回転速度が所定の巻き取り完了判定速度以下に低下したと検知された時のスプール20の回転量を、スプール20の回転量の零点回転基準点)と設定する。また、状態S2で、演算部73は、スプリングケース23の回転速度が所定の巻き取り完了判定速度以下に低下したと検知された時のスプリングケース23の回転量を、スプリングケース23の回転量の零点(回転基準点)と設定する。回転基準点は、シートベルト4がスプール20に巻き取り限界まで巻き取られた時の回転量(回転位置)を表す。状態S2で回転基準点が設定されることで、製造誤差等によって車両ごとに異なる回転基準点を正確に導出することができる。

0066

演算部73は、回転基準点を不揮発性メモリに記憶する。これにより、車両のイグニッションスイッチオンからオフになることによって演算部73の電源が遮断されても、演算部73は、イグニッションスイッチがオフからオンになったときに、設定された回転基準点を不揮発性メモリから読み出すことができる。したがって、演算部73は、設定した回転基準点からのスプール20の回転量(回転位置)を検知でき、且つ、設定した回転基準点からのスプリングケース23の回転量(回転位置)を検知できる。

0067

状態S2において、スプール20とスプリングケース23のそれぞれの回転速度が所定の巻き取り完了判定速度以下に低下したと演算部73により検知された場合、ECU100は、シートベルト4がスプール20に巻き取り限界まで巻き取られたと判定する。この場合、ECU100の制御状態は、状態S2からベルト非装着モードS11内の状態S4に遷移する。

0068

スプール20とスプリングケース23のそれぞれの回転速度が所定の巻き取り完了判定速度以下に低下することが、状態S2の動作開始から所定時間以上経過しても演算部73により検知されない場合、ECU100は、状態S13で、モータ24を停止させる。このときの所定時間は、モータ停止判定閾値時間を表し、例えば、30秒に設定される。また、ノーマルモードS14内のいずれかの状態において、モータ24に過電流が検知された場合、ECU100は、状態S13で、モータ24を停止させる。

0069

状態S13で、ECU100がモータ24を停止させることで、スプリングケース23の回転は停止する。ECU100の制御状態は、状態S13に遷移後、所定の処理が実行されることで、状態S1に遷移する。

0070

状態S4で、ECU100は、シートベルト4の格納状態が保持されたまま、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力が弱まる所定の目標位相差になるまで、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、ベルト非装着状態保持動作を実施する。このような位相制御により、シートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力を、状態S2の巻き取り限界でのシートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力に対して、弱めることができる。したがって、シートベルト4の巻き取り方向の張力を、状態S2の巻き取り限界でのシートベルト4の巻き取り方向の張力よりも低い値に高精度に調整することができる。その結果、乗員11がシートベルト4を格納状態から引き出し始める時に必要な力を軽くすることができる。

0071

状態S4において、例えば、演算部73がスプール20の回転量を0回転と検知し、且つ、目標位相差が6回転に設定されている場合を考える。この場合、ECU100は、差Dが目標位相差の6回転になるまで、モータ24を駆動してスプリングケース23をシートベルト4の引き出し方向に回転させる(つまり、スプリングケース23の回転位置を6回転にする)。これにより、乗員11がシートベルト4を格納状態から引き出し始める時に必要な力を軽くすることができる。

0072

なお、車両のイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わった場合、ECU100の制御状態は、例えば、状態S4から開始する。

0073

状態S4において、スプール20の回転量が所定の延び出し判定閾値よりも大きいことが演算部73により検知された場合、ECU100は、シートベルト4が格納状態で保持されずに延び出していると判定する。なぜなら、状態S4でスプール20の回転量がよりも大きい場合、シートベルト4が車両のドアに挟まっているなどの何等かの理由により延び出ていると考えられるからである。延び出し判定閾値は、例えば、2回転に設定される。

0074

状態S4において、スプール20の回転量が所定の延び出し判定閾値よりも大きいことが演算部73により検知された場合、ECU100の制御状態は、状態S4から状態S10に遷移する。

0075

状態S10で、ECU100は、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力が状態S4よりも強まる所定の目標位相差(例えば、4回転)になるまで、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、ベルト非装着状態格納動作を実施する。このような位相制御により、シートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力を、状態S4のシートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力に対して、強めることができる。したがって、延び出たシートベルト4がリトラクタ3に格納されるように、シートベルト4を巻き取ることができる。

0076

状態S10において、スプール20の回転量が所定の格納判定閾値以下に低下したことが演算部73により検知された場合、ECU100は、シートベルト4がリトラクタ3に格納されたと判定する。格納判定閾値は、零以上で且つ延び出し判定閾値よりも小さな値であり、例えば、1回転に設定される。

0077

状態S10において、スプール20の回転量が所定の格納判定閾値以下に低下したことが演算部73により検知された場合、ECU100の制御状態は、状態S10から状態S4に遷移する。

0078

状態S4で、ECU100は、格納状態からのシートベルト4の引き出しが演算部73により検出された場合、スパイラルスプリング22の付勢力が当該格納状態よりも更に弱まるように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる。これにより、シートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力を、状態S4でのシートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力に対して、更に弱めることができる。したがって、シートベルト4の巻き取り方向の張力を、状態S4でのシートベルト4の巻き取り方向の張力よりも低い値に高精度に調整することができる。その結果、シートベルト4がリトラクタ3から送り出されるので、乗員11がシートベルト4を格納状態から引き出している途中で必要な力を更に軽くすることができる。

0079

例えば、状態S4で、ECU100は、シートベルト4の引き出しが検出された場合、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力が状態S4の格納状態よりも弱まる所定の目標位相差に一致するように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる。状態S4で、例えば、格納状態からのシートベルト4の引き出しが演算部73により検出されたときにおいて、演算部73がスプール20の回転量を2回転と検知し、且つ、目標位相差が11回転に設定されている場合を考える。この場合、ECU100は、差Dが目標位相差の11回転になるように、モータ24を駆動してスプリングケース23をシートベルト4の引き出し方向に回転させる(つまり、スプリングケース23の回転位置を13回転に調整する)。これにより、乗員11がシートベルト4を格納状態から引き出している途中で必要な力を更に軽くすることができる。

0080

状態S4において、例えば、ECU100は、シートベルト4が格納状態から引き出されるときのスプール20の回転速度に基づいて、シートベルト4が引き出されたか否かを検出する。ECU100は、シートベルト4が格納状態から引き出されるときのスプール20の回転速度が、所定の引き出し判定閾値以上速いことが演算部73により検知された場合、シートベルト4が乗員11によって格納状態から引き出されたと判定する。引き出し判定閾値は、例えば、1.25回転/秒に設定される。

0081

状態S4において、格納状態からのシートベルト4の引き出しが演算部73により検出された場合、ECU100の制御状態は、状態S4から状態S5に遷移する。または、状態S10において、延び出し状態からのシートベルト4の引き出しが上記同様に演算部73により検出された場合、ECU100の制御状態は、状態S10から状態S5に遷移する。

0082

状態S5で、ECU100は、シートベルト4の引き出し検出後、スプール20が所定の速度よりも遅い回転速度で所定時間継続して回転することが検出された場合、シートベルト4の引き出し動作が停止したと判定する。ここで、所定の速度は、引き出し停止判定閾値速度を表し、例えば、0.2回転/秒に設定され、所定時間は、引き出し停止判定閾値時間を表し、例えば、2秒間に設定される。

0083

状態S5で、ECU100は、シートベルト4の引き出し動作が停止したと判定した場合、スパイラルスプリング22の付勢力が状態S5よりも強まるように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる。ECU100は、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力が状態S5よりも強まる所定の目標位相差(例えば、6回転)になるまで、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる。このような位相制御により、シートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力を、状態S5のシートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力に対して、強めることができる。したがって、引き出されたシートベルト4が再びリトラクタ3に格納されるように、シートベルト4を巻き取ることができる。

0084

ベルト非装着モードS11内の状態S4,S5,S10のいずれかにおいて、ベルト装着状態が所定のベルト装着判定閾値時間継続することがバックル信号に基づき検出された場合、ECU100の制御状態は、ベルト装着モードS12内の状態S6に遷移する。ベルト装着判定閾値時間は、例えば、0.5秒に設定される。

0085

なお、逆に、ベルト装着モードS12内の状態S6〜S9のいずれかにおいて、ベルト非装着状態がバックル信号に基づき検出された場合、ECU100の制御状態は、ベルト非装着モードS11内の状態S4に遷移する。

0086

状態S6で、ECU100は、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力が状態S4よりも強まる所定の目標位相差(例えば、1回転)になるまで、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、フィッティング動作を実施する。フィッティング動作は、所定の動作時間(例えば、4秒)継続する。このような位相制御により、シートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力を、状態S4のシートベルト4の巻き取り方向のスパイラルスプリング22の付勢力に対して、強めることができる。したがって、乗員11を締め付けるシートベルト4の弛みを低減することができる。

0087

フィッティング動作が所定の動作時間継続すると、ECU100の制御状態は、状態S6から状態S7に遷移する。あるいは、状態8の警告動作又は状態9のプリテンション動作が終了すると、ECU100の制御状態は、状態S7に遷移する。

0088

状態S7で、ECU100は、差Dが、スパイラルスプリング22の付勢力がユーザ要求に応じた大きさに調整される目標位相差に一致するように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、ベルト装着状態保持動作を実施する。ECU100は、シートベルト4の張力に対するユーザ要求値は、操作入力装置102(図1参照)から取得する。例えば、ECU100は、ユーザ要求値が弱の場合、目標位相差を所定の11回転に設定し、ユーザ要求値が中の場合、目標位相差を所定の6回転に設定し、ユーザ要求値が強の場合、目標位相差を所定の2回転に設定する。このような位相制御により、シートベルト4の締め付け力をユーザの要求値に合わせることができる。

0089

状態S6又はS7において、警告動作要求が検出された場合、ECU100の制御状態は、状態S8に遷移する。警告動作要求が発生する条件として、例えば、車両の衝突可能性が高いと判定された場合、乗員11の居眠り脇見が検知された場合などが挙げられる。

0090

状態S8で、ECU100は、目標位相差を段階的に減少させて、差Dが目標位相差に一致するように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、警告動作を行う。このような位相制御により、シートベルト4の締め付け力を段階的に強めることができるので、シートベルト4の締め付け力を段階的に強める警告動作を乗員11に対して実施することができる。

0091

状態S6、S7,S8のいずれかの状態で、プリテンション動作要求が検出された場合、ECU100の制御状態は、状態S9に遷移する。プリテンション動作要求が発生する条件として、例えば、車両が障害物に衝突すると判定された場合が挙げられる。

0092

状態S9で、ECU100は、差Dが目標位相差(例えば、1回転)に一致するように、モータ24を駆動してスプリングケース23を回転させる、プリテンション動作を実施する。このような位相制御により、シートベルト4はリトラクタ3に引き込まれるため、シートベルト4が乗員11を拘束する力が増す。

0093

モータ24の位相制御に関して、ECU100は、スプール20の検知回転量とスプリングケース23の検知回転量との差と目標値との偏差Xが大きいほど、モータ24を駆動してスプリングケース23の回転速度を速くする。これにより、偏差Xが大きいほど、シートベルト4の張力を素早く調整することができる。

0094

また、モータ24の位相制御に関して、ECU100は、スプール20の検知回転速度Yが速いほど、モータ24を駆動してスプリングケース23の回転速度を速くする。これにより、スプール20の検知回転速度Yが速いほど、シートベルト4の張力を素早く調整することができる。

0095

ECU100は、例えば、モータ24を駆動するためのPWM信号のデューティ比Duを、演算式「Du=a×X+b×Y」に従って、決定する。a,bは、正の係数を表す。これにより、偏差Xが大きいほど、又は、スプール20の検知回転速度Yが速いほど、シートベルト4の張力を素早く調整することができる。

0096

図10は、シートベルトの張力と引き出し量との関係の一例を示す図である。スパイラルスプリングの付勢力を調整不能な従来のシートベルト巻き取り装置では、シートベルトの引き出し量が増えるほど、シートベルト4の張力が増加する。これに対し、本実施形態では、シートベルト4が格納状態から引き出されたときのスパイラルスプリング22の付勢力を、シートベルト4の格納状態でのスパイラルスプリング22の付勢力に比べて、下げることができる。シートベルト4の格納状態では、シートベルト4の巻き取り不良による弛みを防止するため、シートベルト4の巻き取り方向の張力を比較的高くすることができる。一方、シートベルト4の引き出し容易性を向上させるため、シートベルト4の巻き取り方向の張力を比較的下げることができる。

0097

以上、シートベルト巻き取り装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。

0098

例えば、図9では差Dを位相差制御に使用した例を示したが、変化量Aを位相差制御に使用してもよい。

0099

また、ECU100は、モータを駆動してスプリングケースを回転させる制御部の一例である。しかし、ECU100が演算部73を内蔵する場合、モータを駆動してスプリングケースを回転させる制御部は、演算部73を内蔵するECU100でもよい。演算部73を内蔵するECU100がリトラクタ3に搭載されてもよいし、演算部73を内蔵するECU100がリトラクタ3とは別体に設けられてもよい。

0100

1シートベルト巻き取り装置
3,3Aリトラクタ
20スプール
20aシャフト
22スパイラルスプリング
22a内側端末部
22b外側端末部
23スプリングケース
24モータ
73演算部
100 ECU

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