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技術 濃度算出装置

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 富松智洋戸田聡中埜吉博
出願日 2016年9月8日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-175527
公開日 2018年3月15日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2018-040723
状態 特許登録済
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析
主要キーワード 回酸素 濃度算出装置 起電力検出回路 リード線挿入孔 基準電圧比較回路 セラミックスリーブ ディジタルフィルタ処理 遷移的
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
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図面 (6)

課題

ガス濃度算出精度を向上させる

解決手段

マルチガス検出装置は、濃度出力算出部404と濃度算出部403,406,409と加重平均算出部405,407,408を備える。濃度算出部403,406は、第1ポンピング電流の値と、第1,2アンモニア起電力の値とに基づいてアンモニア濃度とNO2濃度を算出する。濃度出力算出部404と濃度算出部409は、算出されたアンモニア濃度およびNO2濃度と第2ポンピング電流の値とに基づいてNOx濃度を算出する。加重平均算出部405は、酸素濃度に対応して変化する第1ポンピング電流の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。加重平均算出部407,408は、アンモニア濃度およびNO2濃度に対応して変化する第1,2アンモニア起電力の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

概要

背景

特許文献1のように、被測定ガスに含まれる窒素酸化物およびアンモニアの濃度をそれぞれ検出するNOx検出部およびアンモニア検出部を備えるマルチガスセンサを用いて、被測定ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を算出する装置が知られている。

概要

ガス濃度算出精度を向上させるマルチガス検出装置は、濃度出力算出部404と濃度算出部403,406,409と加重平均算出部405,407,408を備える。濃度算出部403,406は、第1ポンピング電流の値と、第1,2アンモニア起電力の値とに基づいてアンモニア濃度とNO2濃度を算出する。濃度出力算出部404と濃度算出部409は、算出されたアンモニア濃度およびNO2濃度と第2ポンピング電流の値とに基づいてNOx濃度を算出する。加重平均算出部405は、酸素濃度に対応して変化する第1ポンピング電流の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。加重平均算出部407,408は、アンモニア濃度およびNO2濃度に対応して変化する第1,2アンモニア起電力の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行うことにより前記被測定ガス中の酸素濃度に応じて値が変化する第1ポンピング電流が流れる第1ポンピングセルと、前記第1ポンピングセルにて前記測定室内における酸素濃度が調整された前記被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流が流れる第2ポンピングセルとを備えた第1検出部と、前記被測定ガスに含まれるアンモニアおよび二酸化窒素の濃度に応じて値が変化する濃度信号を出力する第2検出部とを備えるマルチガスセンサを用いて、前記被測定ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置であって、前記被測定ガス中の酸素濃度に対応して変化する前記第1ポンピング電流の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成された第1遅延部と、前記被測定ガス中のアンモニア濃度および二酸化窒素濃度に対応して変化する前記濃度信号の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成された第2遅延部とを備える濃度算出装置。

請求項2

請求項1に記載の濃度算出装置であって、前記第1ポンピング電流の値と、前記濃度信号の値とに基づいて、前記被測定ガス中のアンモニア濃度および二酸化窒素濃度を算出するように構成された第1濃度算出部と、前記第1濃度算出部により算出されたアンモニア濃度および二酸化窒素濃度と、前記第2ポンピング電流の値とに基づいて、前記被測定ガス中の窒素酸化物濃度を算出するように構成された第2濃度算出部とを備え、前記第1遅延部は、前記第1検出部における前記第1ポンピング電流の値の変化が前記第1濃度算出部における前記二酸化窒素濃度および前記アンモニア濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成され、前記第2遅延部は、前記第2検出部における前記濃度信号の値の変化が前記第2濃度算出部における窒素酸化物濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される濃度算出装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の濃度算出装置であって、前記第1遅延部によるディジタルフィルタ処理と、前記第2遅延部によるディジタルフィルタ処理の少なくとも一方は、加重平均である濃度算出装置。

技術分野

0001

本開示は、マルチガスセンサを用いてガス濃度を算出する濃度算出装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1のように、被測定ガスに含まれる窒素酸化物およびアンモニアの濃度をそれぞれ検出するNOx検出部およびアンモニア検出部を備えるマルチガスセンサを用いて、被測定ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を算出する装置が知られている。

先行技術

0003

特開2015−34814号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に記載の装置では、被測定ガスに含まれるガスの濃度が変動する環境下において、算出されたガス濃度の精度が低下するという問題があった。
本開示は、ガス濃度の算出精度を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本開示の一態様は、第1検出部と、第2検出部とを備えるマルチガスセンサを用いて、被測定ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置であり、第1遅延部と、第2遅延部とを備える。

0006

第1検出部は、第1ポンピングセルと、第2ポンピングセルとを備える。第1ポンピングセルでは、測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行うことにより被測定ガス中の酸素濃度に応じて値が変化する第1ポンピング電流が流れる。第2ポンピングセルでは、第1ポンピングセルにて測定室内における酸素濃度が調整された被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流が流れる。第2検出部は、被測定ガスに含まれるアンモニアおよび二酸化窒素の濃度に応じて値が変化する濃度信号を出力する。

0007

第1遅延部は、被測定ガス中の酸素濃度に対応して変化する第1ポンピング電流の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。第2遅延部は、被測定ガス中のアンモニア濃度および二酸化窒素濃度に対応して変化する濃度信号の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。

0008

なお、上記の第1ポンピング電流の応答速度とは、被測定ガス中の酸素濃度の変化に応じて第1ポンピング電流の値が変化するのに要する時間である。また、上記の濃度信号の応答速度とは、被測定ガス中のアンモニア濃度および二酸化窒素濃度の変化に応じて濃度信号の値が変化するのに要する時間である。また、第2ポンピング電流の応答速度とは、被測定ガス中の窒素酸化物濃度の変化に応じて第2ポンピング電流の値が変化するのに要する時間である。

0009

また、第1検出部および第2検出部が一体化されたマルチセンサでは、被測定ガスが流通する被測定ガス雰囲気に対して第1検出部および第2検出部が略同位置に配置される構成になっており、第1ポンピング電流、第2ポンピング電流および濃度信号の応答速度の中では、第1ポンピング電流の応答速度が最も速く、濃度信号の応答速度がその次に速く、第2ポンピング電流の応答速度が最も遅い傾向がある。

0010

このように構成された本開示の濃度算出装置は、第1遅延部により第1ポンピング電流の応答速度を遅延させるため、第1ポンピング電流の応答速度と濃度信号の応答速度との差を小さくすることができる。これにより、濃度算出装置は、第1ポンピング電流の値と濃度信号の値を用いてアンモニア濃度および二酸化窒素濃度を算出するときに、第1ポンピング電流の応答速度と濃度信号の応答速度との差の影響を抑制し、アンモニア濃度および二酸化窒素濃度の算出精度を向上させることができる。

0011

さらに、本開示の濃度算出装置は、第2遅延部により濃度信号の応答速度を遅延させるため、濃度信号の応答速度と第2ポンピング電流の応答速度との差を小さくすることができる。これにより、濃度算出装置は、アンモニア濃度および二酸化窒素濃度を用いて、窒素酸化物濃度を算出するときに、濃度信号の応答速度と第2ポンピング電流の応答速度との差の影響を抑制し、窒素酸化物濃度の算出精度を向上させることができる。

0012

本開示の一態様は、第1濃度算出部と、第2濃度算出部とを備えるようにしてもよい。第1濃度算出部は、第1ポンピング電流の値と、濃度信号の値とに基づいて、被測定ガス中のアンモニア濃度および二酸化窒素濃度を算出するように構成される。第2濃度算出部は、第1濃度算出部により算出されたアンモニア濃度および二酸化窒素濃度と、第2ポンピング電流の値とに基づいて、被測定ガス中の窒素酸化物濃度を算出するように構成される。

0013

そして本開示の一態様では、第1遅延部は、第1検出部における第1ポンピング電流の値の変化が第1濃度算出部における二酸化窒素濃度およびアンモニア濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成されるようにしてもよい。さらに、第2遅延部は、第2検出部における濃度信号の値の変化が第2濃度算出部における窒素酸化物濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成されるようにしてもよい。

0014

本開示の一態様では、第1遅延部によるディジタルフィルタ処理と、第2遅延部によるディジタルフィルタ処理の少なくとも一方が、加重平均であるようにしてもよい。これにより、本開示の濃度算出装置は、加重平均という簡便なディジタルフィルタ処理で応答速度を遅延させることができるため、濃度算出装置の処理負荷を低減することができる。

図面の簡単な説明

0015

マルチガスセンサ2の内部構造を示す断面図である。
センサ素子部5と制御部3の概略構成を示す図である。
第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103の構造を示す断面図である。
第1実施形態のマイコン190が実行する処理の概要を示す機能ブロック図である。
第2実施形態のマイコン190が実行する処理の概要を示す機能ブロック図である。

実施例

0016

(第1実施形態)
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のマルチガス検出装置は、車両に搭載され、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物を浄化する尿素SCRシステムに用いられるものである。より具体的には、マルチガス検出装置は、排気ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を検出する。以下、マルチガス検出装置を搭載する車両を自車両という。二酸化窒素および窒素酸化物をそれぞれ、NO2およびNOxともいう。また、SCRは、Selective Catalytic Reductionの略である。

0017

マルチガス検出装置は、図1に示すマルチガスセンサ2と、図2に示す制御部3とを備える。
マルチガスセンサ2は、図1に示すように、センサ素子部5と、主体金具10と、セパレータ34と、接続端子38とを備える。なお、以下の説明では、マルチガスセンサ2のセンサ素子部5が配置されている側(すなわち、図1の下側)を先端側、接続端子38が配置されている側(すなわち、図1の上側)を後端側という。

0018

センサ素子部5は、軸線O方向に延びる板形状を有する。センサ素子部5の後端には電極端子部5A,5Bが配置されている。図1においては、図示を容易にするために、センサ素子部5に形成された電極端子部を、電極端子部5Aおよび電極端子部5Bのみとしているが、実際には、後述するNOx検出部101、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103が有する電極等の数に応じて複数の電極端子部が形成されている。

0019

主体金具10は、マルチガスセンサ2をディーゼルエンジンの排気管に固定するネジ部11が外表面に形成された筒状の部材である。主体金具10は、軸線O方向に貫通する貫通孔12と、貫通孔12の径方向内側に突出する部13とを備える。棚部13は、貫通孔12の径方向外側から中心に向かって先端側へ近づく傾きを有する内向きのテ—パ面として形成されている。

0020

主体金具10は、センサ素子部5の先端側を、貫通孔12から先端側に突出させ、センサ素子部5の後端側を貫通孔12の後端側に突出させた状態で保持する。
主体金具10の貫通孔12の内部には、先端側から後端側に向かって順に、センサ素子部5の径方向周囲を取り囲む筒状の部材であるセラミックホルダ14と、粉末充填層である滑石リング15,16と、セラミックスリーブ17とが積層されている。

0021

セラミックスリーブ17と主体金具10の後端側の端部との間には、加締パッキン18が配置されている。セラミックホルダ14と主体金具10の棚部13との間には、金属ホルダ19が配置されている。金属ホルダ19は、内部に滑石リング15とセラミックホルダ14が収容され、滑石リング15が圧縮充填されることによって金属ホルダ19と滑石リング15とは気密状に一体化されている。主体金具10の後端側の端部は、加締めパッキン18を介してセラミックスリーブ17を先端側に向かって押し付けるように加締められる部分である。また、滑石リング16が主体金具10の内部で圧縮充填されることで、主体金具10の内周面とセンサ素子部5の外周面との間の気密が確保されている。

0022

主体金具10の先端側の端部には、ガス流通孔付きの外部プロテクタ21およびガス流通孔付きの内部プロテクタ22が設けられている。外部プロテクタ21および内部プロテクタ22は、先端側の端部が閉塞されたステンレス鋼などの金属材料から形成された筒状の部材である。内部プロテクタ22は、センサ素子部5の先端側の端部を覆った状態で主体金具10に溶接され、外部プロテクタ21は、内部プロテクタ22を覆った状態で主体金具10に溶接されている。

0023

主体金具10の後端側の端部外周には、筒状に形成された外筒31の先端側の端部が溶接によって固定されている。さらに、外筒31の後端側の端部である開口には、この開口を閉塞するグロメット32が配置されている。

0024

グロメット32には、リード線41が挿入されるリード線挿入孔33が形成されている。リード線41は、センサ素子部5の電極端子部5Aおよび電極端子部5Bに電気的に接続される。

0025

セパレータ34は、センサ素子部5の後端側に配置された筒状に形成された部材である。セパレータ34の内部に形成された空間は、軸線O方向に貫通する挿入孔35である。セパレータ34の外表面には、径方向外側に突出する鍔部36が形成されている。

0026

セパレータ34の挿入孔35には、センサ素子部5の後端部が挿入され、電極端子部5A,5Bがセパレータ34の内部に配置される。
セパレータ34と外筒31との間には、筒状に形成された金属製の保持部材37が配置されている。保持部材37は、セパレータ34の鍔部36と接触するとともに外筒31の内面と接触することにより、セパレータ34を外筒31に対して固定した状態で保持する。

0027

接続端子38は、セパレータ34の挿入孔35内に配置される部材であり、センサ素子部5の電極端子部5Aおよび電極端子部5Bと、リード線41とをそれぞれ独立に電気的に接続する導電部材である。なお、図1では、図示を容易にするために、2つの接続端子38のみが図示されている。

0028

マルチガス検出装置の制御部3は、図2に示すように、自車両に搭載された電子制御装置200と電気的に接続されている。電子制御装置200は、制御部3で算出された排気ガス中のNO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度(NH3濃度)を示すデータを受信し、受信データに基づいてディーゼルエンジンの運転状態制御処理を実行したり、触媒蓄積されたNOxの浄化処理を実行したりする。

0029

センサ素子部5は、NOx検出部101と、第1アンモニア検出部102と、第2アンモニア検出部103を備える。なお、第2アンモニア検出部103は、図2には示されておらず、図3に示されている。第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は、NOx検出部101の長手方向(すなわち、図2の左右方向)における基準電極143と略同位置において、NOx検出部101の幅方向(すなわち、図2の奥行き方向)における位置が互いに異なるように並列に配置されている。このため、図2では、第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103のうち、第1アンモニア検出部102のみを示している。

0030

NOx検出部101は、絶縁層113、セラミック層114、絶縁層115、セラミック層116、絶縁層117、セラミック層118、絶縁層119および絶縁層120が順次積層されて構成されている。絶縁層113,115,117,119,120、および、セラミック層114,116,118は、アルミナ主体として形成されている。

0031

NOx検出部101は、セラミック層114とセラミック層116との間に形成される第1測定室121を備える。NOx検出部101は、第1測定室121に隣接するようにしてセラミック層114とセラミック層116との間に配置された拡散抵抗体122を介して、外部から第1測定室121の内部に排気ガスを導入する。拡散抵抗体122は、アルミナ等の多孔質材料で形成されている。

0032

NOx検出部101は、第1ポンピングセル130を備える。第1ポンピングセル130は、固体電解質層131と、ポンピング電極132,133を備える。
固体電解質層131は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。第1測定室121と接触する領域における一部分のセラミック層114が除去され、セラミック層114の代わりに固体電解質層131が充填(埋設)されている。

0033

ポンピング電極132,133は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極132は、固体電解質層131において第1測定室121と接触する面上に配置される。ポンピング電極133は、固体電解質層131を挟んでポンピング電極132とは反対側で固体電解質層131の面上に配置される。ポンピング電極133が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層113は除去され、絶縁層113の代わりに多孔質体134が充填される。多孔質体134は、ポンピング電極133と外部との間でガス(例えば、酸素)の出入りを可能とする。

0034

NOx検出部101は、酸素濃度検出セル140を備える。酸素濃度検出セル140は、固体電解質層141と、検知電極142と、基準電極143を備える。
固体電解質層141は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。固体電解質層131よりも後端側(すなわち、図2の右側)の領域における一部分のセラミック層116が除去され、セラミック層116の代わりに固体電解質層141が充填(埋設)されている。

0035

検知電極142と基準電極143は、白金を主体として形成されている。検知電極142は、固体電解質層141における第1測定室121と接触する面上に配置される。基準電極143は、固体電解質層141を挟んで検知電極142とは反対側で固体電解質層141の面上に配置される。

0036

NOx検出部101は、基準酸素室146を備える。基準酸素室146は、基準電極143が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層117が除去されることにより形成された貫通孔である。

0037

NOx検出部101は、第1測定室121の下流側に第2測定室148を備える。第2測定室148は、検知電極142および基準電極143よりも後端側で固体電解質層141および絶縁層117を貫通して形成される。NOx検出部101は、第1測定室121から排出された排気ガスを第2測定室148の内部に導入する。

0038

NOx検出部101は、第2ポンピングセル150を備える。第2ポンピングセル150は、固体電解質層151と、ポンピング電極152,153を備える。
固体電解質層151は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。基準酸素室146および第2測定室148と接触する領域とその周辺の領域のセラミック層118が除去され、セラミック層118の代わりに固体電解質層151が充填(埋設)されている。

0039

ポンピング電極152,153は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極152は、固体電解質層151において第2測定室148と接触する面上に配置される。ポンピング電極153は、基準酸素室146を挟んで基準電極143とは反対側で固体電解質層151の面上に配置される。基準酸素室146の内部において、ポンピング電極153を覆うように多孔質体147が配置されている。

0040

NOx検出部101は、ヒータ160を備える。ヒータ160は、白金を主体として形成され、通電されることで発熱する発熱抵抗体であり、絶縁層119と絶縁層120との間に配置される。

0041

第1アンモニア検出部102は、NOx検出部101の外表面、より具体的には、絶縁層120の上に形成されている。第1アンモニア検出部102は、NOx検出部101における基準電極143と軸線O方向(すなわち、図2の左右方向)に略同位置に配置されている。

0042

第1アンモニア検出部102は、絶縁層120の上に形成される第1基準電極211と、第1基準電極211の表面および側面を覆う第1固体電解質体212と、第1固体電解質体212の表面に形成される第1検知電極213とを備える。同様に、第2アンモニア検出部103は、図3に示すように、絶縁層120の上に形成される第2基準電極221と、第2基準電極221の表面および側面を覆う第2固体電解質体222と、第2固体電解質体222の表面に形成される第2検知電極223とを備える。

0043

第1基準電極211および第2基準電極221は、電極材として白金を主体に構成されており、具体的には、Ptおよび酸化ジルコニウムを含む材料から構成されている。第1固体電解質体212および第2固体電解質体222は、イットリア安定化ジルコニア等の酸素イオン伝導性材料で構成されている。第1検知電極213および第2検知電極223は、電極材として金を主体に構成されており、具体的には、Auおよび酸化ジルコニウムを含む材料から構成されている。なお、第1検知電極213および第2検知電極223の電極材は、アンモニアに対する感度とNOxに対する感度との比が第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103において異なるように、選択されている。

0044

また、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は、多孔質からなる保護層230によって一体に覆われている。保護層230は、第1検知電極213および第2検知電極223への被毒物質の付着を防止するとともに、外部から第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103に流入するアンモニアの拡散速度を調整するものである。このように、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は混成電位式センシング部として機能する。

0045

図2に示すように、制御部3は、制御回路180と、マイクロコンピュータ190(以下、マイコン190)を備える。
制御回路180は、回路基板上に配置されたアナログ回路である。制御回路180は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、基準電圧比較回路183、Icp供給回路184、Vp2印加回路185、Ip2検出回路186、ヒータ駆動回路187および起電力検出回路188を備える。

0046

そして、ポンピング電極132、検知電極142およびポンピング電極152は、基準電位に接続される。ポンピング電極133は、Ip1ドライブ回路181に接続される。基準電極143は、Vs検出回路182とIcp供給回路184に接続される。ポンピング電極153は、Vp2印加回路185とIp2検出回路186に接続される。ヒータ160は、ヒータ駆動回路187に接続される。

0047

Ip1ドライブ回路181は、ポンピング電極132とポンピング電極133との間に電圧Vp1を印加して第1ポンピング電流Ip1を供給するとともに、供給した第1ポンピング電流Ip1を検出する。

0048

Vs検出回路182は、検知電極142と基準電極143との間の電圧Vsを検出し、検出した結果を基準電圧比較回路183へ出力する。
基準電圧比較回路183は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路182の出力(すなわち、電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路181へ出力する。そしてIp1ドライブ回路181は、電圧Vsが基準電圧と等しくなるように、第1ポンピング電流Ip1の流れる向きと第1ポンピング電流Ip1の大きさとを制御するとともに、第1測定室121内の酸素濃度を、NOxが分解しない程度の所定値に調整する。

0049

Icp供給回路184は、検知電極142と基準電極143との間に微弱電流Icpを流す。これにより、酸素が第1測定室121から固体電解質層141を介して基準酸素室146に送り込まれるため、基準酸素室146は、基準となる所定の酸素濃度に設定される。

0050

Vp2印加回路185は、ポンピング電極152とポンピング電極153との間に、一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加する。これにより、第2測定室148では、第2ポンピングセル150を構成するポンピング電極152,153の触媒作用によって、NOxが解離される。この解離により得られた酸素イオンがポンピング電極152とポンピング電極153との間の固体電解質層151を移動することにより第2ポンピング電流Ip2が流れる。Ip2検出回路186は、第2ポンピング電流Ip2を検出する。

0051

ヒータ駆動回路187は、発熱抵抗体であるヒータ160の一端にヒータ通電用の正電圧を印加するともに、ヒータ160の他端にヒータ通電用の負電圧を印加することにより、ヒータ160を駆動する。

0052

起電力検出回路188は、第1基準電極211と第1検知電極213との間の起電力(以下、第1アンモニア起電力)と、第2基準電極221と第2検知電極223との間の起電力(以下、第2アンモニア起電力)を検出し、検出結果を示す信号をマイコン190へ出力する。

0053

マイコン190は、CPU191、ROM192、RAM193および信号入出力部194を備える。
CPU191は、ROM192に記憶されたプログラムに基づいて、センサ素子部5を制御するための処理を実行する。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186、ヒータ駆動回路187および起電力検出回路188に接続される。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186および起電力検出回路188からのアナログ信号電圧値ディジタルデータに変換してCPU191へ出力する。

0054

またCPU191は、信号入出力部194を介してヒータ駆動回路187へ駆動信号を出力することにより、ヒータ160に供給する電力パルス幅変調により通電制御して、ヒータ160が目標の温度になるようにしている。なお、ヒータ160の通電制御は、NOx検出部101を構成するセル(例えば、酸素濃度検出セル140)のインピーダンスを検出し、検出したインピーダンスが目標値となるように供給電力量を制御する公知の手法によって実現することができる。

0055

またCPU191は、ROM192から各種データを読み込み、第1ポンピング電流Ip1の値、第2ポンピング電流Ip2の値、第1アンモニア起電力の値および第2アンモニア起電力の値から種々の演算処理を行う。

0056

ROM192は、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」、「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」、「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」、「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」を記憶する。

0057

なお、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」は下記の補正式(1)に相当する。「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」は下記の補正式(2)に相当する。「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」は下記の補正式(3)に相当する。

0058

また、各種データは、上述のように所定の関係式として設定されていてもよいし、センサの出力から各種ガス濃度を算出するものであればよく、例えばテーブルとして設定されていてもよい。その他にも、予めガス濃度が既知のガスモデルを用いて得られた値とされていてもよい。

0059

「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103から出力されたアンモニア起電力と、アンモニア濃度出力との関係を表す式である。

0060

「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」は、第1ポンピング電流と、排気ガス中の酸素濃度(O2濃度)との関係を表す式である。「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」は、第2ポンピング電流と、NOx濃度出力との関係を表す式である。

0061

「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」は、酸素濃度、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けた第1,2アンモニア濃度出力と、酸素濃度およびNO2濃度の影響を除去した補正アンモニア濃度との関係を表す式である。「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」は、酸素濃度、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けた第1,2アンモニア濃度出力と、酸素濃度およびアンモニア濃度の影響を除去した補正NO2濃度との関係を表す式である。「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」は、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けたNOx濃度出力と、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を除去した補正NOx濃度との関係を表す式である。

0062

次に、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力から、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度を求める演算処理について説明する。この演算処理は、マイコン190のCPU191において実行される。

0063

CPU191は、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力が入力されると、酸素濃度、NOx濃度出力、第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力を求める演算処理を行う。具体的には、ROM192から「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」、「第1ポンピング電流Ip1−酸素濃度関係式」、「第2ポンピング電流Ip2−NOx濃度出力関係式」を呼び出し、これらの関係式を用いて酸素濃度および各濃度出力を算出する処理を行う。

0064

なお、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」は、第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103が使用環境中で出力し得るアンモニア起電力の全範囲において、被測定ガス中のアンモニア濃度とアンモニア検出部のアンモニア濃度出力とが概ね直線関係になるように設定された式である。このような換算式でもって換算することによって、後の補正式において、傾き及びオフセットの変化を利用した計算を可能とする。

0065

そして、酸素濃度、NOx濃度出力、第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力が求められると、CPU191は、以下に説明する補正式を用いた演算を行うことで、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度およびNOx濃度を求める。

0066

補正式(1):x=F(A,B,D)
=(eA−c)*(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)+fA−d
補正式(2):y=F’(A,B,D)
=(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)
補正式(3):z=C−ax+by
ここで、xはアンモニア濃度であり、yはNO2濃度であり、zはNOx濃度である。また、Aは第1アンモニア濃度出力であり、Bは第2アンモニア濃度出力であり、CはNOx濃度出力であり、Dは酸素濃度である。そして、式(1)のFは、xが(A,B,D)の関数であることを表し、式(2)のF’は、yが(A,B,D)の関数であることを表す。さらに、a,bは補正係数であり、c,d,e,f,g,h,i,jは酸素濃度Dを用いて計算される係数(すなわち、Dによって決まる係数)である。

0067

CPU191は、上述の補正式(1)〜(3)に、第1アンモニア濃度出力、第2アンモニア濃度出力、NOx濃度出力および酸素濃度を代入して演算することによって、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度およびNOx濃度を求める。

0068

なお、補正式(1)および補正式(2)は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103の特性に基づいて定まる式であり、補正式(3)はNOx検出部101の特性に基づいて定まる式である。また補正式(1)〜(3)は、あくまでも補正式の一例を示したものであり、ガス検知特性に応じて、他の補正式および係数等を適宜使用してもよい。

0069

図4に示すように、マイコン190は、マイクロコンピュータが実行するソフトウェア処理により実現される機能ブロックとして、ローパスフィルタ(以下、LPF)401,402、濃度算出部403,406,409、濃度出力算出部404および加重平均算出部405,407,408を備える。

0070

マイクロコンピュータの各種機能は、CPUが非遷移的実体記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部3を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。また、マイコン190が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。

0071

LPF401は、第1アンモニア起電力を示すディジタルデータを取得し、時間経過による第1アンモニア起電力の変化を示す波形から、予め定められた遮断周波数以下の低周波成分を抽出するディジタル処理を行う。

0072

LPF402は、第2アンモニア起電力を示すディジタルデータを取得し、時間経過による第2アンモニア起電力の変化を示す波形から、予め定められた遮断周波数以下の低周波成分を抽出するディジタル処理を行う。

0073

濃度算出部403は、第1ポンピング電流Ip1を示すディジタルデータを取得し、「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」に基づいて、酸素濃度を算出する。
濃度出力算出部404は、第2ポンピング電流Ip2を示すディジタルデータを取得し、「第2ポンピング電流Ip2−NOx濃度出力関係式」に基づいて、NOx濃度出力を算出する。

0074

加重平均算出部405は、酸素濃度を示すディジタルデータを濃度算出部403から取得し、今回取得したディジタルデータが示す酸素濃度(以下、今回酸素濃度)と、加重平均算出部405において前回算出した酸素濃度(以下、前回酸素濃度)との加重平均を算出する。具体的には、今回酸素濃度をA、前回酸素濃度をB、今回酸素濃度の重み係数をx、前回酸素濃度の重み係数をyとして、(xA+yB)/(x+y)により加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回酸素濃度の重み係数は1、前回酸素濃度の重み係数は40である。これにより、NOx検出部101における酸素濃度に対する第1ポンピング電流Ip1の応答速度と、第1,2アンモニア検出部102,103におけるNO2濃度とアンモニア濃度に対する第1,2アンモニア起電力の応答速度とを一致させることができる。

0075

濃度算出部406は、第1アンモニア起電力を示すディジタルデータをLPF401から取得し、第2アンモニア起電力を示すディジタルデータをLPF402から取得し、酸素濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部405から取得する。そして濃度算出部406は、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」および「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」に基づいて、アンモニア濃度を算出する。また濃度算出部406は、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」に基づいて、NO2濃度を算出する。

0076

加重平均算出部407は、アンモニア濃度を示すディジタルデータを濃度算出部406から取得し、今回取得したディジタルデータが示すアンモニア濃度(以下、今回アンモニア濃度)と、加重平均算出部407において前回算出したアンモニア濃度(以下、前回アンモニア濃度)との加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回アンモニア濃度の重み係数は1、前回アンモニア濃度の重み係数は20である。これにより、NOx検出部101におけるNOx濃度に対する第2ポンピング電流Ip2の応答速度と、第1,2アンモニア検出部102,103におけるアンモニア濃度に対する第1,2アンモニア起電力の応答速度とを一致させることができる。

0077

加重平均算出部408は、NO2濃度を示すディジタルデータを濃度算出部406から取得し、今回取得したディジタルデータが示すNO2濃度(以下、今回NO2濃度)と、加重平均算出部408において前回算出したNO2濃度(以下、前回NO2濃度)との加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回NO2濃度の重み係数は1、前回NO2濃度の重み係数は20である。これにより、NOx検出部101におけるNOx濃度に対する第2ポンピング電流Ip2の応答速度と、第1,2アンモニア検出部102,103におけるNO2濃度に対する第1,2アンモニア起電力の応答速度とを一致させることができる。

0078

濃度算出部409は、アンモニア濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部407から取得し、NO2濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部408から取得し、酸素濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部405から取得し、NOx濃度出力を示すディジタルデータを濃度出力算出部404から取得する。そして濃度算出部409は、「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」に基づいて、NOx濃度を算出する。

0079

このように構成されたマルチガス検出装置は、NOx検出部101と第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103とを備えるマルチガスセンサ2を用いて、排気ガスに含まれるアンモニア、NO2およびNOxの濃度を算出する。

0080

NOx検出部101は、第1ポンピングセル130と、第2ポンピングセル150とを備える。第1ポンピングセル130では、第1測定室121に導入される排気ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行うことにより排気ガス中の酸素濃度に応じて値が変化する第1ポンピング電流Ip1が流れる。第2ポンピングセル150では、第1ポンピングセル130にて第1測定室121内における酸素濃度が調整された排気ガスに含まれるNOxの濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流Ip2が流れる。

0081

第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103はそれぞれ、排気ガスに含まれるアンモニアおよびNO2の濃度に応じて値が変化する第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力を出力する。

0082

またマルチガス検出装置は、濃度出力算出部404と、濃度算出部403,406,409とを備える。濃度算出部403,406は、第1ポンピング電流Ip1の値と、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力の値とに基づいて、排気ガス中のアンモニア濃度およびNO2濃度を算出するように構成される。

0083

濃度出力算出部404および濃度算出部409は、濃度算出部403,406により算出されたアンモニア濃度およびNO2濃度と、第2ポンピング電流Ip2の値とに基づいて、排気ガス中のNOx濃度を算出するように構成される。

0084

またマルチガス検出装置は、加重平均算出部405と、加重平均算出部407,408とを備える。
加重平均算出部405は、第1ポンピングセル130における第1ポンピング電流Ip1の値の変化が濃度算出部406におけるNO2濃度およびアンモニア濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。これにより、加重平均算出部405は、排気ガス中の酸素濃度に対応して変化する第1ポンピング電流Ip1の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

0085

加重平均算出部407,408は、第1,2アンモニア検出部102,103における第1,2アンモニア起電力の値の変化が濃度算出部409におけるNOx濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。これにより、加重平均算出部407,408は、排気ガス中のアンモニア濃度およびNO2濃度に対応して変化する第1,2アンモニア起電力の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

0086

なお、本実施形態のマルチガスセンサ2(センサ素子部5)は、被測定ガス中の酸素濃度を調整し、酸素濃度が調整されたガス中のNOxを分解する構成のNOx検出部101、および、混成電位式の第1,2アンモニア検出部102,103が一体化されており、被測定ガス(排気ガス)が流通する雰囲気に対して全ての検出部101,102,103が略同位置に配置される構成になっている。そして、このような構成においては、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2および第1,2アンモニア起電力の応答速度の中では、第1ポンピング電流Ip1の応答速度が最も速く、第1,2アンモニア起電力の応答速度がその次に速く、第2ポンピング電流Ip2の応答速度が最も遅い傾向がある。

0087

このようにマルチガス検出装置は、加重平均算出部405により第1ポンピング電流Ip1の応答速度を遅延させるため、第1ポンピング電流Ip1の応答速度と第1,2アンモニア起電力の応答速度との差を小さくすることができる。これにより、マルチガス検出装置は、第1ポンピング電流Ip1の値と第1,2アンモニア起電力の値を用いてアンモニア濃度およびNO2濃度を算出するときに、第1ポンピング電流Ip1の応答速度と第1,2アンモニア起電力の応答速度の差の影響を抑制し、アンモニア濃度およびNO2濃度の算出精度を向上させることができる。

0088

さらに、マルチガス検出装置は、加重平均算出部407,408により第1,2アンモニア起電力の応答速度を遅延させるため、第1,2アンモニア起電力の応答速度と第2ポンピング電流Ip2の応答速度との差を小さくすることができる。これにより、マルチガス検出装置は、アンモニア濃度およびNO2濃度を用いて、NOx濃度を算出するときに、第1,2アンモニア起電力の応答速度と第2ポンピング電流Ip2の応答速度の差の影響を抑制し、NOx濃度の算出精度を向上させることができる。

0089

またマルチガス検出装置では、加重平均算出部405によるディジタルフィルタ処理と、加重平均算出部407,408によるディジタルフィルタ処理が、加重平均である。これにより、マルチガス検出装置は、加重平均という簡便なディジタルフィルタ処理で応答速度を遅延させることができるため、マルチガス検出装置の処理負荷を低減することができる。

0090

なお、マイコン190は濃度算出装置に相当し、第1測定室121は測定室に相当し、排気ガスは被測定ガスに相当し、NOx検出部101は第1検出部に相当する。
また、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力は濃度信号に相当し、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は第2検出部に相当する。

0091

また、加重平均算出部405は第1遅延部に相当し、加重平均算出部407,408は第2遅延部に相当し、濃度算出部403,406は第1濃度算出部に相当し、濃度出力算出部404および濃度算出部409は第2濃度算出部に相当する。

0092

(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。

0093

第2実施形態のマルチガス検出装置は、マイコン190が実行するソフトウェア処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
具体的には、マイコン190は、図5に示すように、加重平均算出部405,407,408の代わりに加重平均算出部415,417,418を備える点が第1実施形態と異なる。

0094

加重平均算出部415は、酸素濃度を示すディジタルデータを濃度算出部403から取得し、今回酸素濃度と、前回酸素濃度との加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回酸素濃度の重み係数は1、前回酸素濃度の重み係数は60である。これにより、NOx検出部101における酸素濃度に対する第1ポンピング電流Ip1の応答速度と、NOx検出部101におけるNOx濃度に対する第2ポンピング電流Ip2の応答速度とを一致させることができる。

0095

加重平均算出部417は、第1アンモニア起電力を示すディジタルデータをLPF401から取得し、今回取得したディジタルデータが示す第1アンモニア起電力(以下、今回第1アンモニア起電力)と、加重平均算出部417において前回算出した第1アンモニア起電力(以下、前回第1アンモニア起電力)との加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回第1アンモニア起電力の重み係数は1、前回第1アンモニア起電力の重み係数は20である。これにより、NOx検出部101におけるNOx濃度に対する第2ポンピング電流Ip2の応答速度と、第1アンモニア検出部102におけるNO2濃度とアンモニア濃度に対する第1アンモニア起電力の応答速度とを一致させることができる。

0096

加重平均算出部418は、第2アンモニア起電力を示すディジタルデータをLPF402から取得し、今回取得したディジタルデータが示す第2アンモニア起電力(以下、今回第2アンモニア起電力)と、加重平均算出部418において前回算出した第2アンモニア起電力(以下、前回第2アンモニア起電力)との加重平均を算出する。本実施形態では、例えば、今回第2アンモニア起電力の重み係数は1、前回第2アンモニア起電力の重み係数は20である。これにより、NOx検出部101におけるNOx濃度に対する第2ポンピング電流Ip2の応答速度と、第2アンモニア検出部103におけるNO2濃度とアンモニア濃度に対する第2アンモニア起電力の応答速度とを一致させることができる。

0097

濃度算出部406は、第1アンモニア起電力を示すディジタルデータを加重平均算出部417から取得し、第2アンモニア起電力を示すディジタルデータを加重平均算出部418から取得し、酸素濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部415から取得する。そして濃度算出部406は、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」および「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度出力−補正アンモニア濃度関係式」に基づいて、アンモニア濃度を算出する。また濃度算出部406は、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」に基づいて、NO2濃度を算出する。

0098

濃度算出部409は、アンモニア濃度を示すディジタルデータを濃度算出部406から取得し、NO2濃度を示すディジタルデータを濃度算出部406から取得し、酸素濃度を示すディジタルデータを加重平均算出部415から取得し、NOx濃度出力を示すディジタルデータを濃度出力算出部404から取得する。そして濃度算出部409は、「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」に基づいて、NOx濃度を算出する。

0099

このように構成されたマルチガス検出装置は、加重平均算出部415と、加重平均算出部417,418とを備える。
加重平均算出部415は、第1ポンピングセル130における第1ポンピング電流Ip1の値の変化が濃度算出部406におけるNO2濃度およびアンモニア濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。これにより、加重平均算出部415は、排気ガス中の酸素濃度に対応して変化する第1ポンピング電流Ip1の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

0100

加重平均算出部417,418は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103における第1,2アンモニア起電力の値の変化が濃度算出部409におけるNOx濃度の算出に反映されるまでの時間をディジタルフィルタ処理により遅延させるように構成される。これにより、加重平均算出部417,418は、排気ガス中のアンモニア濃度およびNO2濃度に対応して変化する第1,2アンモニア起電力の応答速度を、ディジタルフィルタ処理により遅延させる。

0101

これにより、マルチガス検出装置は、第1ポンピング電流Ip1の応答速度と第1,2アンモニア起電力の応答速度との差の影響を抑制し、アンモニア濃度およびNO2濃度の算出精度を向上させることができる。さらにマルチガス検出装置は、第1,2アンモニア起電力の応答速度と第2ポンピング電流Ip2の応答速度との差の影響を抑制し、NOx濃度の算出精度を向上させることができる。

0102

なお、加重平均算出部415は第1遅延部に相当し、加重平均算出部417,418は第2遅延部に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。

0103

例えば上記実施形態では、ディジタルフィルタ処理が加重平均であるものを示した。しかし、ディジタルフィルタ処理は、加重平均に限定されるものではなく、応答速度を遅延させることができればよく、例えばIIRフィルタが挙げられる。IIRは、Infinite impulse responseの略である。

0104

また上記実施形態では、濃度算出部403で算出されたディジタルデータに対して加重平均算出部405においてディジタルフィルタ処理を行うものを示した。しかし、第1ポンピング電流Ip1を示すディジタルデータに対して加重平均処理を行い、加重平均処理を行った後のディジタルデータを用いて濃度算出部403において酸素濃度を算出するようにしてもよい。

0105

また上記実施形態では、LPF401,402から出力されたディジタルデータに対して加重平均算出部417,418においてディジタルフィルタ処理を行うものを示した。しかし、第1,2アンモニア起電力を示すディジタルデータに対して加重平均処理を行い、加重平均処理を行った後のディジタルデータをLPF401,402へ出力するようにしてもよい。

0106

上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

0107

上述したマイコン190の他、当該マイコン190を構成要素とするシステム、当該マイコン190としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、濃度算出方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。

0108

2…マルチガスセンサ、3…制御部、5…センサ素子部、101…NOx検出部、102…第1アンモニア検出部、103…第2アンモニア検出部、121…第1測定室、130…第1ポンピングセル、150…第2ポンピングセル、190…マイコン、405,407,408,415,417,418…加重平均算出部

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