図面 (/)

技術 車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置

出願人 日立化成株式会社
発明者 前田謙一近藤隆文大沼孟光井上健士
出願日 2016年9月7日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-174710
公開日 2018年3月15日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2018-040676
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 実測特性 端子間電圧波形 電気装備 単位波形 推定電圧値 推定電流値 パラメータ最適化 同定演算
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

測定された蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルによる推定特性との誤差を精度よく評価することができる車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置を提供する。

解決手段

この方法は、車載用の蓄電デバイスのモデルに含まれるパラメータを同定する方法であって、パラメータに初期値を設定する第1ステップと、モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値を算出し、評価値を所定時間にわたって積算する第2ステップと、積算された評価値が最適値に近づくようにパラメータの値を変更する第3ステップと、を含み、第2ステップ及び第3ステップを繰り返し行う。第2ステップにおいて、定電流放電期間では第1評価関数を用いて評価値を算出し、定電圧充電期間では第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて評価値を算出する。

概要

背景

特許文献1には、電池モデル同定方法が記載されている。この方法では、電池に入力される電流波形電流センサを用いて測定し、電池の端子電圧電圧波形電圧センサを用いて測定する。そして、システム同定演算部が、これらの電流波形及び電圧波形に基づいて、電池モデルパラメータ同定を行う。電流波形は方形波であり、電流振幅一定値である。

概要

測定された蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルによる推定特性との誤差を精度よく評価することができる車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置を提供する。この方法は、車載用の蓄電デバイスのモデルに含まれるパラメータを同定する方法であって、パラメータに初期値を設定する第1ステップと、モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値を算出し、評価値を所定時間にわたって積算する第2ステップと、積算された評価値が最適値に近づくようにパラメータの値を変更する第3ステップと、を含み、第2ステップ及び第3ステップを繰り返し行う。第2ステップにおいて、定電流放電期間では第1評価関数を用いて評価値を算出し、定電圧充電期間では第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて評価値を算出する。

目的

本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、測定された蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルによる推定特性との誤差を精度よく評価することができる車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

車載用蓄電デバイスモデルに含まれるパラメータを同定する方法であって、前記パラメータに初期値を設定する第1ステップと、前記モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された前記蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値を算出し、前記評価値を所定時間にわたって積算する第2ステップと、積算された前記評価値が最適値に近づくように前記パラメータの値を変更する第3ステップと、を含み、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し行い、前記第2ステップにおいて、定電流放電期間では第1評価関数を用いて前記評価値を算出し、定電圧充電期間では前記第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて前記評価値を算出することを特徴とする車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法。

請求項2

前記第1評価関数は、電流値を前記モデルに入力して得られた推定電圧値と予め実測して取得された前記蓄電デバイスの端子間電圧値との差分を含むことを特徴とする請求項1に記載の車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法。

請求項3

前記第2評価関数は、電圧値を前記モデルに入力して得られた推定電流値と予め実測して取得された前記蓄電デバイスの入力電流値との差分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法。

請求項4

車載用の蓄電デバイスのモデルに含まれるパラメータを同定する装置であって、前記パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、前記モデルを記憶するモデル記憶部と、前記モデルから得られた推定特性と予め実測して取得された前記蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値の算出、前記評価値の所定時間にわたる積算、及び、積算された前記評価値が最適値に近づくような前記パラメータの値の変更、を繰り返し行う演算部とを備え、前記演算部は、定電流放電期間では第1評価関数を用いて前記評価値を算出し、定電圧充電期間では前記第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて前記評価値を算出することを特徴とする車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定装置

技術分野

0001

本発明は、車載用蓄電デバイスモデルパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置に関するものである。

背景技術

0002

特許文献1には、電池モデル同定方法が記載されている。この方法では、電池に入力される電流波形電流センサを用いて測定し、電池の端子電圧電圧波形電圧センサを用いて測定する。そして、システム同定演算部が、これらの電流波形及び電圧波形に基づいて、電池モデルのパラメータ同定を行う。電流波形は方形波であり、電流振幅一定値である。

先行技術

0003

特開2016−3963号公報

発明が解決しようとする課題

0004

現在、車載用蓄電デバイスとして、鉛蓄電池リチウムイオン電池リチウムイオンキャパシタといった様々な蓄電デバイスが用いられている。そして、これらの電池を組み合わせて、様々な種類のハイブリッド方式が実用化されている。例えば、メイン蓄電デバイスとは別に、減速の際のエネルギー回生及びアイドリングストップ後セルモータの駆動のためのサブ蓄電デバイスを設ける、いわゆるμHEV方式が近年特に有用とされている。

0005

一方、従来より車両の燃費シュミレーションにおいては、エンジン及び蓄電デバイスといった様々な動力源並びに負荷モデル化し、規定の走行パターンを該モデルに入力して燃費を算出することが行われている。そのようなモデルにおいて、ハイブリッド方式における複雑化した蓄電デバイス構成を正確にモデル化することは、燃費を精度よく算出するために極めて重要である。蓄電デバイスをモデル化する際には、所定の電流波形を実際の蓄電デバイスに入力し、その端子間電圧及び入力電流を測定して蓄電デバイスの電流−電圧特性を得、その後、得られた実際の蓄電デバイスの特性と蓄電デバイスモデルによる推定特性とを比較することにより、蓄電デバイスモデルのパラメータを同定する。従って、蓄電デバイスモデルに正確なパラメータを設定するためには、測定された蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルによる推定特性との誤差を精度よく評価することが重要である。

0006

例えば特許文献1に記載されたような従来のパラメータ同定方法では、ピーク値が一定である矩形波状の電流を蓄電デバイスに入力し、測定された電圧と、蓄電デバイスモデルから出力される推定電圧とを比較する。このような比較方法電流値が一定である期間(典型的には定電流放電期間)において有効ではあるが、蓄電デバイス構成によっては定電圧充電期間が存在する場合がある。定電圧充電期間では、蓄電デバイスの電圧はほぼ一定であるが、入力電流が時間の経過とともに大きく変化する。蓄電デバイスの電流−電圧特性は厳密には非線形であり、入力電流の大きさによって変化する。従って、電流値が一定である期間と同様の比較方法を定電圧充電期間において用いると、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差を精度よく評価することが難しい。

0007

本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、測定された蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルによる推定特性との誤差を精度よく評価することができる車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決するために、本発明の車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法は、車載用の蓄電デバイスのモデルに含まれるパラメータを同定する方法であって、パラメータに初期値を設定する第1ステップと、モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値を算出し、評価値を所定時間にわたって積算する第2ステップと、積算された評価値が最適値に近づくようにパラメータの値を変更する第3ステップと、を含み、第2ステップ及び第3ステップを繰り返し行い、第2ステップにおいて、定電流放電期間では第1評価関数を用いて評価値を算出し、定電圧充電期間では第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて評価値を算出することを特徴とする。

0009

また、本発明の車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定装置は、車載用の蓄電デバイスのモデルに含まれるパラメータを同定する装置であって、パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、モデルを記憶するモデル記憶部と、モデルから得られた推定特性と予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値の算出、評価値の所定時間にわたる積算、及び、積算された評価値が最適値に近づくようなパラメータの値の変更、を繰り返し行う演算部とを備え、演算部は、定電流放電期間では第1評価関数を用いて評価値を算出し、定電圧充電期間では第1評価関数と異なる第2評価関数を用いて評価値を算出することを特徴とする。

0010

上記のパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置では、定電圧充電期間において用いられる第2評価関数を、定電流放電期間において用いられる第1評価関数とは別に設けている。これにより、定電圧充電期間に適した評価関数を、定電流放電期間における評価関数から独立して自由に設定できる。従って、蓄電デバイスの電流−電圧特性が非線形であっても、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差を精度よく評価することができる。

0011

上記のパラメータ同定方法は、第1評価関数が、電流値をモデルに入力して得られた推定電圧値と予め実測して取得された蓄電デバイスの端子間電圧値との差分を含むことを特徴としてもよい。定電流放電期間では、蓄電デバイスへの入力電流はほぼ一定であり、蓄電デバイスの端子間電圧が時間の経過とともに大きく変化する。したがって、このような第1評価関数を用いることによって、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差をより精度よく評価することができる。

0012

上記のパラメータ同定方法は、第2評価関数が、電圧値をモデルに入力して得られた推定電流値と予め実測して取得された蓄電デバイスの入力電流値との差分を含むことを特徴としてもよい。定電圧充電期間では、蓄電デバイスの端子間電圧はほぼ一定であり、蓄電デバイスへの入力電流が時間の経過とともに大きく変化する。したがって、このような第2評価関数を用いることによって、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差をより精度よく評価することができる。

発明の効果

0013

本発明による車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置によれば、蓄電デバイスの特性を精度よく測定することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の一実施形態によるパラメータ同定方法に用いられる計算機の構成を概略的に示すブロック図である。
蓄電デバイスモデルの一例の構成を示す回路図である。
蓄電デバイスモデルの別の例の構成を示す回路図である。
パラメータ記憶部の内部構成の一例を示す図である。
特性記憶部の内部構成の一例を示す図である。
蓄電デバイスの電流−電圧特性を測定する際に蓄電デバイスに入力される入力電流の時間波形の一例を示すグラフである。
(a)図6のA部を拡大して示すグラフである。(b)図6のB部を拡大して示すグラフである。
演算部における処理内容を示すフローチャートであって、一実施形態によるパラメータ同定方法を示す。
演算部における処理内容を示すフローチャートであって、一実施形態によるパラメータ同定方法を示す。

実施例

0015

以下、添付図面を参照しながら本発明による車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、以下の説明において、蓄電デバイスへの入力電流とは、蓄電デバイスに入力される充電電流および蓄電デバイスから出力される放電電流の双方を指し、入力電流の符号が正である場合は充電を表し、入力電流の符号が負である場合は放電を表す。

0016

図1は、本発明の一実施形態によるパラメータ同定装置である計算機1Aの構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、この計算機1Aは、蓄電デバイスモデルを記憶するモデル記憶部11と、電池パラメータを記憶する電池パラメータ記憶部12と、測定された蓄電デバイスの電流−電圧特性を記憶する電池時系列データ13と、蓄電デバイスモデル、パラメータ、及び電流−電圧蓄電デバイスの特性を用いてパラメータ同定演算を行う演算部14と、を備える。演算部14は更に、誤差計算部15及びパラメータ最適化部16を含んで構成される。なお、モデル記憶部11、電池パラメータ記憶部12、及び電池時系列データ13は、例えばRAMまたはハードディスクといった記録媒体によって実現される。また、演算部14は、例えばCPUおよび揮発性メモリを有するコンピュータによって実現される。ここで、電池時系列データ13は、電流、電圧、及び温度に関する時系列データであって、ユーザー別途計測したデータをコピーしたもの、或いは、計測機に繋がれた通信線よりダウンロードしたものであっても良い。モデル記憶部11は、ユーザーが指定した電池等価回路の構造を手動にて入力させる。そして、計算機1Aは、最適化が終わった後に、電池パラメータ記憶部12に記憶されている電池パラメータ17をユーザーに表示したり、電子データとして外部に出力する。

0017

ここで、モデル記憶部11に記憶される蓄電デバイスモデルについて詳細に説明する。図2は、蓄電デバイスモデルの一例として、モデル30Aの構成を示す回路図である。モデル30Aは、図2に示される電気回路が数式としてモデル記憶部11に記憶されたものであり、実際に電気回路を有するものではない。図2に示されるように、このモデル30Aは、直流抵抗部31と、分極モデル部32とを備える。直流抵抗部31は、互いに直列に接続された定抵抗部31a、可変抵抗部31b、及び可変容量部31cを有する。定抵抗部31aは、蓄電デバイスが有する線形直流抵抗を模擬する部分であり、その抵抗値は電流値によらず一定である。可変抵抗部31bは、流れる電流値に応じて抵抗値が変化する部分であり、蓄電デバイスが有する非線形直流抵抗を模擬する。なお、可変抵抗部31bの抵抗値は、例えばバトラーボルマーの式に従って変化する。可変容量部31cは、蓄電デバイスにおけるガッシングを模擬する部分である。ガッシングは或る一定電圧以上において現れる現象であるため、可変容量部31cと並列してスイッチ31dが接続されており、このスイッチ31dは該一定電圧以上になるとオフ状態とされ、該一定電圧未満ではオン状態とされる。可変容量部31cは、ガッシングの気泡による影響を模擬する。本実施形態では、可変容量部31cの容量値は非線形であって、電流値に応じて変化する。

0018

分極モデル部32は、互いに直列に接続された第1分極部33、第2分極部34、及び第3分極部35を含む。分極モデル部32の一端は直流抵抗部31に接続され、分極モデル部32の他端は電圧発生部36に接続されている。電圧発生部36は、蓄電デバイスの開放電圧OCV)を模擬する部分である。第1分極部33は、互いに並列に接続された可変抵抗部33a及び可変容量部33bを有する。第1分極部33において、可変抵抗部33aの抵抗値及び可変容量部33bの容量値は、非線形であって電流値に応じて変化する。第2分極部34は、互いに並列に接続された抵抗部34a及び容量部34bを有する。同様に、第3分極部35は、互いに並列に接続された抵抗部35a及び容量部35bを有する。抵抗部34a,35aは分極抵抗を模擬し、それらの抵抗値は電流値によらず一定である。容量部34b,35bは分極時定数を決定し、その容量値は電流値の符号(充電時は正、放電時は負)によって変化する。

0019

図3は、蓄電デバイスモデルの別の例として、モデル30Bの構成を示す回路図である。モデル30Bは、図3に示されるように、このモデル30Bは、直流抵抗部37と、分極モデル部38とを備える。直流抵抗部37は、定抵抗部37aを有する。定抵抗部37aは、蓄電デバイスが有する線形直流抵抗を模擬する部分であり、その抵抗値は電流値によらず一定である。分極モデル部38は、互いに直列に接続された第1分極部39及び第2分極部40を含む。分極モデル部38の一端は直流抵抗部37に接続され、分極モデル部38の他端は電圧発生部36に接続されている。第1分極部39は、互いに並列に接続された抵抗部39a及び容量部39bを有する。同様に、第2分極部40は、互いに並列に接続された抵抗部40a及び容量部40bを有する。抵抗部39a,40aは分極抵抗を模擬し、それらの抵抗値は電流値によらず一定である。容量部39b,40bは分極時定数を決定し、その容量値は電流値の符号(充電時は正、放電時は負)によって変化する。

0020

再び図1を参照する。電池パラメータ記憶部12は、蓄電デバイスモデルに含まれる複数のパラメータを記憶する。図2に示されたモデル30Aの場合、複数のパラメータには、例えば直流抵抗部31のパラメータ(定抵抗部31aの抵抗値、可変抵抗部31bの抵抗値関数の各係数、可変容量部31cの容量値関数の各係数)、分極モデル部32のパラメータ(可変抵抗部33aの抵抗値関数の各係数、可変容量部33bの容量値関数の各係数、抵抗部34a,35aの各抵抗値、容量部34b,35bの各容量値)が含まれる。また、図3に示されたモデル30Bの場合、複数のパラメータには、例えば直流抵抗部37のパラメータ(定抵抗部37aの抵抗値)、分極モデル部38のパラメータ(抵抗部39a,40aの各抵抗値、容量部39b,40bの各容量値)が含まれる。

0021

図4は、電池パラメータ記憶部12の内部構成の一例を示す図である。図4に示されるように、電池パラメータ記憶部12は、データテーブル12aを有する。このデータテーブル12aの一方の見出しは充電率(State Of Charge;SOC)であり、他方の見出しは各パラメータである。すなわち、電池パラメータ記憶部12に記憶される各パラメータの値は、充電率に応じて異なる。これらのパラメータは後述する同定演算によって変更されるが、同定演算前においては或る初期値が設定されている。

0022

電池時系列データ13は、測定された蓄電デバイスの電流−電圧特性を記憶する。蓄電デバイスの電流−電圧特性とは、蓄電デバイスへの入力電流波形と、対応する蓄電デバイスの端子間電圧波形との組を指す。図5は、電池時系列データ13の内部構成の一例を示す図である。図5に示されるように、電池時系列データ13は、データテーブル13aを有する。このデータテーブル13aには、経過時間と、各経過時間に対応する入力電流の時系列データ及び端子間電圧の時系列データが格納されている。

0023

図6は、蓄電デバイスの電流−電圧特性を測定する際に蓄電デバイスに入力される入力電流の時間波形の一例を示すグラフである。図7(a)は、図6のA部を拡大して示すグラフである。図7(b)は、図6のB部を拡大して示すグラフである。これらの図において、縦軸は蓄電デバイスに入力される電流量を示し、横軸は経過時間を示す。電流量は、蓄電デバイスへの充電の場合は正の数値、放電の場合は負の数値として表される。

0024

図7(a)及び図7(b)に示されるように、この電流波形は、第1期間D1、第2期間D2、第3期間D3、第4期間D4、及び第5期間D5を、所定の測定時間内に少なくとも1回ずつ含む。所定の測定時間は、例えば1200秒である。基本的には、図7(a)に示されるように、第1期間D1、第2期間D2、第3期間D3、及び第4期間D4が連続して一つの単位波形を構成する。また、図7(b)に示されるように、第1期間D1及び第5期間D5が連続して一つの単位波形を構成することもある。そして、この電流波形においては、これらの単位波形が、時間方向に任意の順序で配置される。前者の単位波形の出現頻度は、後者の単位波形の出現頻度よりも多い。なお、期間D1〜D5の並び順はこれらの図に示されたものに限られず、期間D1〜D5がランダムに配置されてもよい。

0025

第1期間D1は、定電流放電状態を模擬する期間である。この第1期間D1は、アイドリングストップによりエンジンが停止してオルタネータ発電不足し、居室内外の電気設備のための電力を蓄電デバイスから放電する状態を模擬する。このときの放電電流量は時間に対して一定とされる。

0026

第2期間D2は、定電流放電状態後のクランキング状態を模擬する期間である。すなわち、この第2期間D2は、エンジンが再始動する際にセルモータを駆動させるための電力を蓄電デバイスから放電する状態を模擬する。このときの放電電流量も時間に対して略一定であるが、第1期間D1と比べてその時間は極めて短く、電流量の絶対値は大きい。

0027

第3期間D3は、定電圧充電状態を模擬する期間である。この第3期間D3は、エンジンが再始動した後、エンジンの回転を動力源としてオルタネータが発電し、蓄電デバイスを充電する状態を模擬する。このとき、オルタネータからの出力電流が急激に上昇し、それに伴って電圧も上昇するが、蓄電デバイス及び他の電気装備の保護のため電圧の上限が一定値に制限される。従って、この第3期間D3は定電圧充電となり、蓄電デバイスに入力される電流量は時間の経過とともに次第に低下する。第3期間D3の長さは、第3期間D3における総充電量が第1期間D1及び第2期間D2における総放電量と等しくなるように定められる。

0028

第4期間D4は、定電圧充電状態後の休止状態を模擬する期間である。この第4期間D4は、蓄電デバイスが充電されたのち、オルタネータの電力が電気設備によって全て消費され、蓄電デバイスが充電も放電も行わない状態を模擬する。この第4期間D4における電流量はゼロである。

0029

第5期間D5は、定電流放電状態後の休止状態を模擬する期間である。この第5期間D5は、アイドリングストップによりエンジンが停止して電気設備のための電力を蓄電デバイスから供給した後、電気設備が全て停止され、蓄電デバイスが充電も放電も行わない状態を模擬する。この第4期間D4における電流量はゼロである。

0030

図8及び図9は、演算部14における処理内容を示すフローチャートであって、本実施形態によるパラメータ同定方法を示す。なお、図8に示されるステップS11、S23及びS24は図1のパラメータ最適化部16の処理に該当し、ステップS20(すなわち図9に示されるステップS12からステップS19まで)の処理は誤差計算部15の処理に該当する。演算部14は、まず、モデル記憶部11に記憶されたモデル(例えば、図2に示されたモデル30A、または図3に示されたモデル30B)を読み出す。また、電池パラメータ記憶部12に記憶された各パラメータの初期値を読み出し、この初期値を最初のパラメータとして設定する(ステップS11;第1ステップ)。次に、モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差の計算を行う(ステップS20)。

0031

図9に示されるように、まず、経過時間t及び評価値積算値Errを0に初期化する(ステップS12)。続いて、モデルから得られた推定特性と、予め実測して取得された蓄電デバイスの特性との誤差を表す評価値を算出し、評価値を所定時間にわたって積算する(第2ステップ)。この第2ステップは、以下に示すステップS13〜S19を含む。

0032

第2ステップでは、まず、経過時間tが定電圧充電期間(すなわち図7(a)の第3期間D3)に含まれるか否かを判定する(ステップS13)。経過時間tが定電圧充電期間に含まれる場合(ステップS13;YES)、電池時系列データ13に記憶された当該経過時間tにおける端子間電圧値をモデルに入力して推定電流Iaを求める(ステップS14)。そして、推定電流Ia(すなわち推定特性)と、電池時系列データ13に記憶された入力電流Ib(実測特性)との誤差を表す評価関数に基づいて評価値ΔErr1を算出する(ステップS15)。ここで、評価値ΔErr1は、次の数式(1)によって求められる。数式(1)の右辺は、本実施形態における第2評価関数の一例である。
ΔErr1=A|Ia−Ib|2 ・・・(1)
すなわち、第2評価関数は、推定電流Iaと入力電流Ibとの差分を含む。数式(1)の係数Aは、評価値の重みであって正の実数である。そして、その評価値ΔErr1を、次の数式(2)のように評価値積算値Errに加算する(ステップS15)。
Err=Err+ΔErr1 ・・・(2)

0033

また、経過時間tが定電圧充電期間に含まれない場合(ステップS13;NO)、すなわち図7(a)及び図7(b)の第1期間D1、第2期間D2、第4期間D4、または第5期間D5に含まれる場合には、電池時系列データ13に記憶された当該経過時間tにおける入力電流値をモデルに入力して推定端子間電圧Vaを求める(ステップS16)。そして、推定端子間電圧Va(すなわち推定特性)と、電池時系列データ13に記憶された端子間電圧Vb(実測特性)との誤差を表す評価関数に基づいて評価値ΔErr2を算出する(ステップS17)。ここで、評価値ΔErr2は、次の数式(3)によって求められる。数式(3)の右辺は、本実施形態における第1評価関数の一例である。
ΔErr2=B|Va−Vb|2・・・(3)
すなわち、第1評価関数は、上述した第2評価関数及び第3評価関数とは異なるものであり、推定端子間電圧Vaと端子間電圧Vbとの差分を含む。数式(3)の係数Bは、評価値の重みであって正の実数である。そして、その評価値ΔErr2を、次の数式(4)のように評価値積算値Errに加算する(ステップS17)。
Err=Err+ΔErr2

0034

続いて、経過時間tに測定時間間隔Δtを加算し(ステップS18)、経過時間tが最終時間か否かを判定する(ステップS19)。経過時間tが最終時間ではない場合(ステップS19;NO)、ステップS13以降の処理を再び行う。また、経過時間tが最終時間である場合(ステップS19;YES)、図8に示されるように、評価値積算値Errが最適値に近づくように(本実施形態の場合は最適値がゼロなので、評価値積算値Errが小さくなるように)各パラメータの値を変更する(ステップS23、第3ステップ)。そして、パラメータが収束したか否かを判定し(ステップS24)、パラメータが収束していない場合(ステップS24;NO)、ステップS12以降の処理を再び行う。また、パラメータが収束した場合(ステップS24;YES)、パラメータ同定を終了する。

0035

ステップS23における変更先のパラメータの値の決定方法としては、例えば準ニュートン法最急降下法など様々な方法を用いることができる。また、ステップS23において、複数のパラメータのうち一部を固定し、他のパラメータのみを変更してもよい。その場合、ステップS24までの処理を繰り返して他のパラメータを最適化したのちに、他のパラメータを固定し、一部のパラメータを変更しながらステップS12〜S24を再度実行し、一部のパラメータについて最適化するとよい。これにより、最適解局所解に収束することを低減し、同定誤差を小さくすることができる。特に、直流抵抗値(すなわち図2に示された直流抵抗部31の定抵抗部31a、または図3に示された直流抵抗部37の定抵抗部37aの抵抗値)を上記一部のパラメータとして設定し、直流抵抗値のみを独立して最適化してもよい。

0036

また、休止期間(第4期間D4及び第5期間D5)における実測特性のみを用いて、電圧戻りの時定数(第1分極部33の時定数)と直流抵抗値とを他のパラメータから独立して最適化してもよい。

0037

以上に説明した、本実施形態によるパラメータ同定方法によって得られる効果について説明する。例えば特許文献1に記載されたような従来のパラメータ同定方法では、ピーク値が一定である矩形波状の電流を蓄電デバイスに入力し、測定された電圧と、蓄電デバイスモデルから出力される推定電圧とを比較する。このような比較方法は電流値が一定である期間(典型的には定電流放電期間、図7(a)に示された第1期間D1)において有効ではあるが、蓄電デバイス構成によっては定電圧充電期間(図7(a)に示された第3期間D3)が存在する場合がある。定電圧充電期間では、蓄電デバイスの電圧はほぼ一定であるが、入力電流が時間の経過とともに大きく変化する。蓄電デバイスの電流−電圧特性は厳密には非線形であり、入力電流の大きさによって変化する。従って、電流値が一定である期間と同様の比較方法を定電圧充電期間において用いると、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差を精度よく評価することが難しい。

0038

これに対し、本実施形態のパラメータ同定方法では、定電圧充電期間(第3期間D3)において用いられる第2評価関数を、定電流放電期間(第1期間D1)において用いられる第1評価関数とは別に設けている。これにより、定電圧充電期間に適した評価関数を、定電流放電期間における評価関数から独立して自由に設定できる。従って、蓄電デバイスの電流−電圧特性が非線形であっても、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差を精度よく評価することができる。

0039

また、本実施形態の数式(3)のように、第1評価関数は、電流値をモデルに入力して得られた推定電圧値と、予め実測して取得された蓄電デバイスの端子間電圧値との差分を含んでもよい。定電流放電期間では、蓄電デバイスへの入力電流はほぼ一定であり、蓄電デバイスの端子間電圧が時間の経過とともに大きく変化する。したがって、このような第1評価関数を用いることによって、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差をより精度よく評価することができる。

0040

また、本実施形態の数式(1)のように、第2評価関数は、電圧値をモデルに入力して得られた推定電流値と予め実測して取得された蓄電デバイスの入力電流値との差分を含んでもよい。定電圧充電期間では、蓄電デバイスの端子間電圧はほぼ一定であり、蓄電デバイスへの入力電流が時間の経過とともに大きく変化する。したがって、このような第2評価関数を用いることによって、測定した蓄電デバイスの特性と、蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差をより精度よく評価することができる。

0041

また、前述したように、休止期間(第4期間D4及び第5期間D5)における実測特性のみを用いて、電圧戻りの時定数(第1分極部33の時定数)と直流抵抗値とを他のパラメータから独立して最適化してもよい。これにより、休止期間における蓄電デバイスの特性と蓄電デバイスモデルの推定特性との誤差の評価精度を更に向上することができる。

0042

本発明による車載用蓄電デバイスモデルのパラメータ同定方法及びパラメータ同定装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では定電流放電状態、クランキング状態、定電流放電状態後の休止状態、定電圧充電状態、及び定電圧充電状態後の休止状態をそれぞれ模擬する期間を電流波形に含めているが、これら以外の期間を更に含めてもよい。また、上記実施形態ではクランキング状態を模擬する期間を電流波形に含めているが、例えばリチウムイオン電池またはリチウムイオンキャパシタといった鉛蓄電池以外の蓄電デバイスの特性を測定する際には、クランキング状態を模擬する期間を省いてもよい。

0043

また、上記実施形態では、第1評価関数及び第2評価関数として、推定値実測値との差分の二乗(L2ノルム)を用いているが、これらの評価関数はこれに限らず、例えば絶対値の平均(L1ノルム)など、他の関数を用いてもよい。

0044

また、定電圧充電期間における直流抵抗値の計算方法を次のように変更してもよい。すなわち、電流値が変化しても分極電圧が殆ど変化しないと仮定できる場合、或る時刻の端子間電圧と、その1時刻前の分極電圧との差が直流抵抗分電圧と等しいものとして、直流抵抗分電圧(電流の関数)の方程式解くことにより入力電流値を求め、その入力電流値を基に分極電圧を更新してもよい。これにより、複雑な非線形分極方程式を解く必要がなくなり、計算を高速化できる。

0045

1A…計算機、11…モデル記憶部、12…電池パラメータ記憶部、12a,13a…データテーブル、13…電池時系列データ、14…演算部、30A,30B…モデル、31,37…直流抵抗部、31a,37a…定抵抗部、31b…可変抵抗部、31c…可変容量部、31d…スイッチ、32,38…分極モデル部、33,39…第1分極部、33a…可変抵抗部、33b…可変容量部、34,40…第2分極部、34a,35a,39a,40a…抵抗部、34b,35b,39b,40b…容量部、35…第3分極部、36…電圧発生部、D1…第1期間、D2…第2期間、D3…第3期間、D4…第4期間、D5…第5期間。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ